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ロワイアルだよ!趣味なんですロワ

1 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 12:25:37 6DiOthI.0

◆ロワイアルだよ!趣味なんですロワ名簿

4【未来日記@アニメ】○天野雪輝/○我妻由乃/○平坂黄泉/○火山高夫
4【Fate/Zero@アニメ】○セイバー/○ランサー/○キャスター/○雨生龍之介
3【涼宮ハルヒの憂鬱@ラノベ】○涼宮ハルヒ/○キョン/○長門有希
2【ウサビッチ@アニメ】○キレネンコ/○プーチン
1【とあるゾンビ少女の災難@ラノベ】
6【青鬼@ラノベ】○ひろし/○シュン/○杏奈/○卓郎/○たけし/○青鬼
2【パイレーツ・オブ・カリビアン@映画】○ジャック・スパロウ/○ヘクター・バルボッサ
3【ゆるキャラ?@現実?】○ふなっしー/○盗撮男/○パトライト男
2【学園キノ@ラノベ】○木乃/○静
4【異能力バトルロイヤル@漫画】○勝橋翔/○御手洗大輝/○空馬刃/○的場一郎
2【磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜@漫画】○磯部磯兵衛/○母
3【ハカイジュウ@漫画】○白崎直央/○武重満/○村内
4【アイアンナイト@漫画】○丑鎮鉄兵/○沼沢/○十五夜雪/○菊田陸曹
1【心霊探偵八雲@小説】○斉藤八雲
1【ダークナイト@映画】○ジョーカー
3【空の境界@ラノベ】○両儀式/○黒桐幹也/○浅上藤乃
1【キャンディマン@映画】○キャンディマン
1【キラースノーマン@映画】○ジャック・フロスト
3【猿男に憑依@二次創作】○ワイアルド/○ジル/○バーボ
1【ウォッチメン@映画】○ロールシャッハ
2【デッドマン・オン・キャンパス@映画】○クリフ・オマリー/○バックリー・シュランク
1【デッドプール「俺ちゃんの登場するSSが最終回…だと…」@SS】○デッドプール 


5【書き手枠】○/○/○/○/○

※一定期間放置されたキャラ=行動しなかったキャラは消滅します


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2 : 始まりは殺伐という名のシンプルで ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 12:29:58 O4aFujkE0
そこにあったのは、暗闇だった。
ただただ、暗闇が続いていた。
漆黒。
そうとしか表現のしようのない光景。
仮に、僅かな光源、例えばくず星のひとつでもあれば、少しは何かが見えるのだろう。
だが、そこには光は無い。
ただ一筋の明りが差し込む余地さえ、そこには許されては居なかった。
そう、許しが無いのだ。
その徹底した暗黒空間はすなわち自然に生じうるものとは違う、人の持つ意思のようなものを感じさせた。
完璧な、僅かな隙すら許さない、狂気的で偏執的な、ある種の感情。
そう、一言で言うなれば、それは「悪意」。

人の気配がする。
最初は気がつかなかったが、その暗闇に慣れるにつれ―そう、このような暗闇でさえ、人は慣れるのだ―その場に居るのが自分一人でないことに気づく。
息づく音、体温、鼓動。
人の発する僅かな変化が、暗闇の中で強調されるかのようだ。
その一つ一つは微かであり、その発生源がどこにあるのか、いくつあるのかは判然としない。
肩が触れる近さなのか、数米先なのか。
一人なのか、複数なのか。
そしてそれは、敵なのか、味方なのか……

「お待たせしました」
突然、声が響き渡った。
それと同時に、眼前に一筋の光が降り注ぐ。
スポットライトのように照らし出されたそこには、一体の人影が佇んでいた。
光の加減でその顔色や表情は窺えない。体格からどうやら男のようだ。
身に付けた簡素な装飾品が鈍く光る。
聴衆の注目を一身に集めながらも、男はただ立ち尽くす。
そして、声は続く。

「ようこそ、バトルロワイアルへ。
 これから皆さんには、簡単なゲームに参加していただきます。
 基本的なルールは至極簡単。
 それは即ち“他の参加者を殺し、最後の一人になること”です」
声は淡々と、残酷で非現実的な事を述べる。

「優勝者には豪華景品をご用意しております。
 ただし、脱走を図るなどのルール違反を認めた場合、罰則を設けております。
 その内容は、“死”です。
 その執行法を今より提示致します」

その声が止まない内より、眼前の男に異変が生じた。
立ち尽くしていた男が突然驚いたかのように身じろぐと、落ち着きなく、取り乱したかのように喚きだしたのだ。
「お、おい、話が違うぞ!
 言う事聞いていれば見逃してくれるんじゃ無かったのか!?」
どうやら、今まで聞いていた声は男の物ではなく、誰か別の者が発していたようだ。
この男はただ、この場に立つことだけを命じられていたのだ。
「ウソだろ? 冗談は止めてくれよ、
 いや、や、やめろッ! お、俺はまだ、死にたくな」

――ボン。

小さな破裂音が響く。
それと同時に、眼前に赤い飛沫が舞った。

私は見ていた。
男が身に付けた、唯一の装飾品―首輪―が、白く光ったのを。

「以上です。では次に、詳細なルールについて説明します。
 まず――」
声は続く。
淡々と、機械的に。
私は、自然と、半ば強制的に、自らの境遇を悟る。
それが、この“バトルロワイアル”の始まりだった。


そこにあったのは、暗闇だった。
ただただ、暗闇が続いていた。


【主催@不名】
【見せしめ@間桐慎二/Fate/stay night 】


3 : ルール① ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 12:30:48 O4aFujkE0
◆ルール

・最後の一人になるまで殺しあう、優勝者には帰る権利と願いを叶える権利が与えられる。
・首輪付き、禁止エリアに入ると5分後に肉体が消滅します
・基本支給品は地図、筆記用具、メモ用紙、1日分の食料、懐中電灯、名簿、ランダム支給品1〜3、簡単な応急処置セット、スマートフォンです。
・スマホはネットと繋がりますが、会場外に通話はかけられません。アドレスは登録されておりません。
・書き手枠は特に参戦作品じゃなくてもOK。早い者勝ちで第一放送で紹介される予定です。
・放送は6時間毎です
・強い異能やキャラにはそれなりの制限を設けてください
・再生能力に制限あり。
・サーヴァントは他者と契約を結ばないと1日で消滅します
・未来日記は情報量制限で持ち主に支給されています
・一定期間?放置されたキャラは消滅します

【参加者消滅について】
・一定期間放置されたキャラは、参加否定として主催の計らいで自動的に肉体が消滅します。 消滅した参加者は死亡者にカウントされます

【スマホについて】
・このルールはスマホの専用アプリで何時でも閲覧可能です。そして電池切れはありません。


4 : ルール? ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 12:31:30 O4aFujkE0

【予約とかの注意】
・トリの予約推奨だけど、ゲリラも全然あり。寧ろそれも大いに有り。楽しけりゃあ良いんですよ。
・基本的にシリアスからギャグ、不条理なんでもありです。ですがあまりにも滅茶苦茶やるのは少し勘弁で。
例)いきなりすべての参加者の自殺とか、展開次第で最終回になってしまうのはナシで


【地図】
 ABCDEFG
1海浜浜浜丘浜海
2森森森崖○○○
3森森草ゴ工雪雪
4館森草荒草○○
5協街コ街遊遊○
6○街病街学城映
7電街街住住団○

【協=協会】【街=街】【電=発電所】【工=工場】【住=住宅街】【団=団地】【遊=遊園地】【学=学校】【森=森】【コ=決闘とかに適してそうなコロッセオ】【病=病院】【丘=丘】【草=草原】【荒=荒野】【雪=雪が降り続ける草原?※凍死注意】【浜=浜辺】【ゴ=ごみ捨て場】【映=映画館】【館=どっかで見たような気がする館】【○=書き手枠】

 深夜:0?3
 黎明:3?6
 早朝:6?9
 朝:9?12
 昼:12?15
 夕方:15?18
 夜:18?21
 真夜中:21?24
 深夜に開始


5 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 12:33:23 O4aFujkE0
以上でOP、及びルールの投下を終了します。予約解禁です


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6 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 13:01:20 O4aFujkE0
まとめ作成してきました
ttp://www59.atwiki.jp/jntia0922/m/pages/2.html?guid=on


7 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 15:58:28 DjyvjJpA0
それでは記念すべき第一話として、丑鎮鉄兵、ランサー、武重満投下します


8 : ストーカーは悪です ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 15:59:53 DjyvjJpA0


「あああああああっ!死ねっ!」

街の中で割と早くに争いが起こる。
喚き散らす怒声。それとともに人外の一撃が振るわれる。

「くっ!……貴様、何を…」

殺すために振り下ろされた剣を受け止めるのは、槍ではなくフライパンを手に持ったイケメン、もとい聖杯を競い合うために現世に召喚された英霊の一人、ディルムッド・オディナ。別名ランサー。
すかさず攻撃をいなし、支給品であるフライパンを構える。
だがそれにあまり意味はない。
先ほど受け止めた一撃で、彼のフライパンはボロボロになっていた。

「ぐぎぎぎぎぎ」

ランサーを襲った襲撃者は、体中にサイボーグのような装甲を纏った男だった。
右手は肘から先が切断され、巨大な剣が移植されている。
唯一露出した顔面には、巨大な昆虫がへばりつき、醜く蠢いていた。
ランサーは顔を顰めた。だが警戒は怠らない。
先ほど受けた斬撃は、明らかに人の範疇では無い。
気配から見るにサーヴァントでは無いようだが、敵であるのは確かだ。

「……不意打ちで俺を討ち取ろうとは、舐められたものだ」

痛いくらいの殺気を向けてくる怪物に、ランサーは挑発するような笑みを浮かべる。
だが、一筋の冷や汗が流れる。
今のランサーはかなりのピンチだった。
武器と呼べるのは今握っているフライパンだけ。
しかしそれも既に破損している
頼みの綱の支給品。それが入ったデイバッグは、先ほど敵の後方に吹き飛ばされた。

人智を超えたサーヴァントとしても、宝具が無い状態で、マスターによる支援も無し。
それに加えて敵がサーヴァント並みの怪物とくれば、最悪の一言以外に状況を示す言葉は無し。

「ふー、ふー……私と…私と白崎くんの再会を脅かす者は……誰であろうと…皆殺しだァァァァ!!」

咆哮とともに、手を出しあぐねていたランサーを引き裂こうと飛びかかる。
ランサーは満足に武器がない状態でも、サーヴァントの高い動体視力と運動能力をフルに活用し、力任せに振るわれる斬撃をいなす。
だが、この分が悪すぎる状況。
いずれ決着がつくのは火を見るより明らかだった。
ランサーの勝利が、低い可能性だという事実も……

一際大きな異音がなった。
フライパンと大剣がぶつかり合う音が、フライパンが裂ける音に変わる。
武器になり得るものを完全に失ったランサーに、その脳天をカチ割ろうと刃が振り下ろされる。

「死ねぇぇぇッ!」
(くそっ……もはやここまでか……主よ、申し訳ありません)

死を覚悟したのも束の間。

『ウラァァァァァァッ!』

新たな乱入者の声。
襲い来る熱風。
巨大な灼熱の拳が、男のドテッパラに打ち込まれる光景が、一瞬ランサーの視界に入る。


ドッガアァァァァァァンッ!!


瞬間、目も眩むような閃光、蒸気、熱風が吹き上がる。
男が吹き飛び、建物

『大丈夫ですかっ!』

立ち尽くすランサーに、幼さの響きが残る声がかけられる。
デカくて無骨で、ランサーが見上げるほどの巨体。
拳からもくもくと蒸気を上げる様は、中々に神々しい。
それは鉄の体を持つ騎士……アイアンナイトだった。


9 : ストーカーは悪です ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 16:00:50 DjyvjJpA0

「貴方は……」
『あんたがゴブリンに襲われている所を偶然見かけたんだ。……間に合って良かった』

目の前の存在に語りかける疑問の声。
それに騎士はホッとしたような声で話す。
ゴブリンとは、自分に襲いかかってきた怪物の事だろうか?

「ありがとう……助かった」

例え人ならざる存在だろうが、助けてくれたことに変わりは無い。
ランサーのお礼の言葉に、鉄平は感動したような表情を浮かべる。
なぜか涙ぐんでいた。

『と、当然だ。困っている人を助けるって俺決めてんだよ「きっさまぁぁぁぁぁっ!!!」うぉっ!』
「……やはり、死んではいないか」

尋常じゃない怒りと気迫が込められた怒鳴り声に、ランサーと鉄平は振り向く。

「よくも……私のジャマをォォォッ!化物風情がァァァッ!」

壁に大穴が開き、倒壊した建物から、瓦礫を踏みつけ狂戦士が歩み出てくる。
装甲が多少コゲていた。
ただそれだけだ。
特殊生物に寄生され、人外となった上に最新鋭の強化措置を施された武重満には、先の攻撃は致命傷たり得なかった。
満の妃…白崎直央の命と再開を邪魔しうるもの。すなわち参加者を仕留められるはずの一撃を邪魔された怒りは尋常ではない。

『耐えたのか!……やっぱ雑魚とは違うな』
「気をつけろよ、あの男、顔に引っ付いている奴のせいかは知らぬが、……中々に強いぞ」

驚愕する鉄平と、愛という名の執着がもたらす力に警戒するランサー。
自然と、共闘の構えになる。

『あんた、危ないから離れてた方が……』
「大丈夫だ。我が槍がない事で不利なのは確かだが、敵に背を向けて逃げるのは騎士道に反する」
『……どうなっても知らないぞ』

ランサーに避難することを進言する鉄平。だが、誇り高い騎士であるランサーは拒否する。
強い意志を感じ取った鉄平は、そのまま黙った。


「死ねぇぇぇぇぇえァァァァァァッ!!!」

「来るぞっ!」
『あぁ、わかってるよ!』

今ここに、愛の狂戦士と、二人の騎士の戦いが始まった。


【5―B街/一日目・深夜】

【ランサー@Fate/Zero】
【状態】狂気、健康
【装備】フライパン(ほば鉄屑)
【道具】基本支給品、不明支給品二つ
【思考】基本:対主催
Ⅰ:目の前の男(武重満)を鉄の騎士(鉄平)と協力して倒す
2:自身の愛槍か、せめて槍の代わりになるような武器がほしい
【備考】
ランサーの宝具「破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)」と「必滅の黄薔薇 」は没収されています

【武重満@ハカイジュウ】
【状態】狂気、健康、装甲に焦げ
【装備】全身凶器
【道具】基本支給品、不明支給品二つ
【思考】基本:我が妃白崎くん以外は皆殺しだァァァァッ!
Ⅰ:目の前の二人を殺すッ!
【備考】
※単行本9巻あたりからの参戦

【丑鎮鉄兵@アイアンナイト】
【状態】健康、ゴブリン形態
【装備】強いて言えば全身
【道具】基本支給品、不明支給品三つ
【思考】基本:対主催
Ⅰ:目の前のゴブリン(武重満)をランサーと協力して倒す
2:人を助ける
【備考】
※変身時間に制限あり。二時間変身した場合、能力が強制解除されて一時間変身できなくなります


【フライパン】
ランサーに支給。キレネンコが銃撃を防ぐ際に使用したもの。
銃撃には耐えきれたものの、人外の斬撃には耐えきれなかったらしく、現在大きく破損している


10 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 16:02:16 DjyvjJpA0
投下終了です。
続きまして、デッドプール、ワイアルド投下します


11 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 16:03:00 DjyvjJpA0

「なんてこった……」

猿顔の男が呟いた。
日焼けした体にムキムキの筋肉。そして首には首輪。
男の名はワイアルド。ミッドランド王国にて剣を振るう黒犬騎士団の団長。

……に憑依した元日本人。シケモ中学生。

時はさかのぼり数年前。
元日本人こと田中太郎は、自室にてこもり自身の愛してやまない傑作漫画『ベルセルク』を愛読している最中に、なんと作中キャラである外道団長ことワイアルドさんに憑依したのだ。
つまり原作キャラ憑依原作知識ありのオリ主である。

「なんてこった……」

つい先ほどまではワイアルドは村の自宅にいたはず。
だがまあ突如知らない場所に来たことは二回目なのであまり気にならない。
なによりも気になるのは……

「まさか憑依トリップの次は"パロロワ"かよ!ジャンル違うだろぉぉぉッ!」

頭を抱えながら悶え叫ぶワイアルド。
ワイアルドには覚えがあった。かつて懐かしの日本にいた頃の、ネットに没頭した日々の中にある記憶に。
首輪、見せしめ、主催、殺し合い、そして見せしめ。
はいどうみてもパロロワですね本当にごめんなさい
世間一般で言えばヒッキーヲタだった田中太郎。
こと読み漁った二次創作やSSの知識に関しては馬鹿にできない。
その中の一つ、パロディ・バトルロワイアルにこの状況は酷使している。
ていうか、懐かしきスマホに感動しながら操作して名簿を見てみる当たり、どうも見覚えのある名前ばかり。

(我妻由乃とか雪輝とか……たしか『未来日記』だったっけか?
 セイバーとかはどう考えても『Fate/Zero』 だろ。切嗣って書いてあるし、つーか外道神父も居んのかよ。アイツ危険人物スギワロタwwwww
 他にもハルヒやら青鬼やらあからさますぎる名前がチラホラ……ってバーボとジルたんの名前まであるしッ!)

スマホ片手に百面相するワイアルド。猿顔にそれは不気味である。
日本で確かに見かけた、つーか読んでいたり見ていたりと、参加者のことをかなりワイアルドは知っていた。
まあキャラとして知っているだけで、直接生身で会ったわけではないのだが。

「ひひひひひひひ、よっしゃ、ここは一つ……」

ひとまず落ち着いたワイアルド。
小悪党のような笑みを浮かべ、気持ちの悪い笑い声を上げる。

「このワイアルド!マーダーとしてフィーバーして……
 ってそんなわけあるかーい!」

ノリで行うツッコミ。略してノリツッコミ。
元日本人ワイアルド名物一人ギャグ。
悪戯っ子のように舌を出し、「(∀`*ゞ)テヘッ」ってしてる様はとても腹が立つ。

「冷静に考えたらジルたんとバーボ居るじゃん。やば、つーか人殺しダメでしょ。
 人類皆兄弟!……俺人(ひと)じゃなくて使徒(しと)だけどね」

ワイアルドは少し、いやかなりその意識は錯乱している。
作者ならぬ神の言葉を借りるなら、ワイアルドボディに宿る魔に侵食されて……うんたらかんたら。
だがそこは我らがワイアルド。ヲタ宣誓に従ってかれは日本人としての常識を一応保ってる。
一応である。
本当に一応である。
大切な事だから四度言う。本当に一応、常識人なのである。
例え悪霊にとりつかれた人間やらを全く蝶々せずバラバラにしたり、部下達を拷問染みた厳しすぎる訓練、ていうかほぼ拷問を施してしまっていても、一端の常識はあると思っているのである。

「やっぱマジでヤるとしたら対主催っしょ!」

そんな彼は対主催のスタンスをとることにした。

(マーダーやらになってみるのも一瞬悪くないと思ったお茶目な俺、だが、冷静に考えたら殺人ダメ絶対。
 それにマーダーには生還ENDとかマジで無さそうなんで、遠慮しときマッスル)


12 : オリ主はワイアルド!…そしてデッドプール ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 16:03:57 DjyvjJpA0

「まぁせっかく来ちゃったんだから、拙者心底楽しまなきゃ損じゃないかなと拙者思うんで候」

なぜか侍口調。一転して真面目になったワイアルドが見るのは会場の地図。
田中太郎がトリップしたベルセルクの世界観は、俗に貴族やら王族やら騎士やらの出まくる中世世界。
ネットやら日本の誇るアニメやら、娯楽なんてじぇんじぇんありましぇん(笑)
女遊び?彼女いる歴0年のワイアルドには難易度ルナティック。
そもそも童帝な彼にそんな度胸は無い。
一応自分でトランプやら、見様見真似で日本食(という名の毒薬)などを研究、発明していたワイアルド。
だがそれはどれも現代日本のものには遠く及ばなかった。
だが地図を見よ!この場にはなんと、近代的な建物がズラリッ!
十年単位で中世の世にいたワイアルドにとって、まさにここは楽園ことパラダイス
しかも、しかも!アニメやらラノベやらのキャラが、生身で跋扈しているというビックリの状況! 
あぁ、少年心にワイアルドがワクワクするのもわかる。


「うひょひょひょひょひょひょ!」


だが流石に犬のように興奮し、走り回る姿はキモい。

「よっしゃ!いざ征かんよワイアルドン!
 目指すは娯楽の園……」

勇ましくデイバックを担ぎ、歩を進めようとしたワイアルド。
だがそれは遮られた。
ダダダダダダダダッ!擬音で表すとこんな感じだろうか?
無数の弾丸が、ワイアルドの背中に直撃する。

「ありゃ?あんた中々にタフじゃん。まあ俺ちゃんほどじゃないと思うけど」


声の主は、全身タイツの覆面男。
手に持つ小型マシンガン、ベレッタM12。
それから上がる火薬煙を見るに、この男がワイアルドに発砲したのは間違いない。
だが、その声は人に向けて銃を打ったにしては酷く軽い。
しかし驚いたような響きはある。
覆面男の視線の先にはワイアルド。
銃弾の衝撃に耐えきり、ふざけた雰囲気は鳴りを潜めている。
睨み返すその顔には無視できない怒気。


「なりするでありやがりますかァァァァ!!」


ワイアルドにベレッタM12の弾丸は、あまり、ていうか全く効いていなかった。 
近代兵器で容易く破壊できるはずの肉体は、その筋肉に阻まれる。
ワイアルドは生贄を捧げて使徒に転生した人外。それに憑依した田中太郎だが、使徒としての頑強な肉体は憑依前とあまり変わっていない。
いや、以前よりも強化すらされている。
原作知識でいずれミッドランドが滅びることを知っていたワイアルド。
原作でのワイアルドの働きを粗方やり尽くし、団員たちと国外逃亡する際らの宴会。
毒キノコとアルコールのダブルパンチにより、発狂したワイアルドは、その上に名も無きモブ蛇使徒を蒲焼きにすることで捕食している。
一体の使徒でも、一般人では全く刃向かえない絶対の存在。
だが今のワイアルドは、捕食という行為により一人で二人分の魔を抱いている。
つまり脅威のバイプッシュ!
まあ要約するとマシンガン程度じゃワイアルド死にましぇん。

「ええ!マシンガンじゃ効かないかよ!そういうことはもちっと早く言って欲しいよお前ら」

覆面男は何やら何もない所に向かって喋る。
その人を舐めた態度に、更に人を舐めまくったワイアルドは……

「無視すんなァァァァァァッ! 行って前やろかァァァァァァーー」

キレた。盛大にキレた。
ワイアルドは変身こそせずとも、神速のスピードで覆面男に飛びかかっ……

「ーーアァァァあれ?あれれ?」

……らなかった。


13 : オリ主はワイアルド!…そしてデッドプール ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 16:06:02 DjyvjJpA0

憤怒の表情は鳴りを潜めている。 
かわりに、両目をこれでもかと大きく見開き、凄まじい眼力で覆面男を見やる。

「お、なになに、俺ちゃんの顔になにかついてる?」
「……お、お前は……。そのタイツ、そのマスク、そしていきなり人に銃を向けるそのふてぶてしい態度!
 ま、まさか!」
「え、もしかして俺ちゃんのこと知ってるの?」

何やらブツブツと呟き、視線に憧れのような物が混ざってきたワイアルド。
先ほど銃撃したばかりのワイアルドの変化に、覆面男は興味深そうに見やる。

「お前は、あのアメコミの……」
「お?お?来ちゃう来ちゃうの?俺ちゃんのファンきちゃうの?」
「スパイダーマ「違うわい!俺ちゃんはデッドプールだっつーの!」え、違うの?」

覆面男、もといデッドプールは大ボケをかましたワイアルドの声を遮り、思わずツッコミを入れる。
覆面の名はデッドプール。第四の壁破壊能力を持つ、不死の傭兵。

「ていうかやっと紹介してもらえたよ!。
 ずっと覆面やらタイツやらで済まされそうで怖かったよ!」
「は?」
「あ、こっちの話」

怪訝そうなワイアルド。素っ気なく返すデッドプール。
シュールだ。とてもシュールだぞワイアルド!

その後、なんやかんやありつつワイアルドとデッドプールは話し合いの席を設ける事になった。
普通ならいきなり射殺しようとしてきた相手と対話を求めるのは異常な事。
だが異常な事など、すでに存在自体が世界にとって異常なこの二人にはあまり関係がない。


◆◆◆◆◆◆


ーー30分後


「マジで!デップーさん生セイバーにあったの?すっげー!」
「あぁ、他にも金ぴかやら征服王やら色々あったんだよね。
 俺ちゃんあん時はなぜかバーサーカーのクラスになっちゃって大変だったのよ」
「バーサーカーねぇ……なんとなくキャスターのような気がするけど」
「あ、俺ちゃんは魔術とかはカラッキシだから、キャスターにゃ無理だね」
「へぇぇーー」

ワイアルドとデッドプールは、メタ的な会話で熱く盛り上がっていた。
実はこのデッドプール、我々の世界で言うSSの形で、ちょくちょくアニメやら色々な世界に出張している。
よって、ワイアルドと同じく多数の参加者の情報を知り得ていた。

「俺もさぁ、ミッドランドはどう考えてもヤバイって思ってたんすけど、
 原作知識の恩恵をなくすのもどうかなぁと思ったんですよねぇ。
 だから、ちょっと色々フィーバーして……」
「あぁ、ベルセルクはヤバすぎだよね!
 俺ちゃんはまだそこには言ったことないけど、死亡フラグ満載ってのはしってるよ
 キャスちゃんには会った?」
「えぇ、キャスカとかガッツとか、主要キャラにはよく会いますよ。
 もうすでに心の友ってレベルですよ(笑)」

対するワイアルド。元々は第四の壁の向こう側の立ち位置にいた元日本人。
理不尽な原作知識を活用し、死亡フラグ満載のベルセルク世界を生き抜いてきたオリ主度は伊達ではない
知り得てはならない世界に干渉し、知り得てはならない知識を得て、知り得てはならない秘密を知る。
ようするに二人は同類なのだ。

「デップーさん!」
「ん?なになに?」
「俺と同盟組みましょ!
 俺もアンタみたいにクロスオーバーしたい!
そして結婚してくれ!」
「何言っちゃってんのワイアルドちゃん!同盟は良いけど結婚は嫌だよ!
 俺ちゃんにそんな趣味はない」

かくしてこんな軽いノリで同盟が組まれたとしても、なにも奇妙に思う必要はない。



「ていうかなんで撃ってきたの?地味に痛かったんですけど?」
「いやなんか変質者だと思ったから」
「あんたに言われたくねえよ!」


14 : オリ主はワイアルド!…そしてデッドプール ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 16:06:25 DjyvjJpA0
【3―A森/一日目・深夜】


【ワイアルド@猿顔に憑依】
【状態】平常
【装備】特に無し
【道具】基本支給品、不明支給品3つ
【思考】基本:やっぱ対主催っしょ!
1:デッドプールと行動を共にする
2:生のキャラに会いたい。そしてできればサインとかほしい。
3:バーボ、特にジルたんと合流する
【備考】
※55話あたりから参戦。鎧とドラゴン砕きが没収されているため、変身してもそれらの恩恵は受けられません
※未来日記、Fate/Zero 、その他複数の作品のキャラ、及び設定を微妙に知っています

【デッドプール@デッドプール「俺ちゃんの登場するSSが最終回…だと…」】
[状態]:普通
[装備]:ベレッタM12
[道具]:基本支給品、不明支給品1〜2
[思考・状況]
基本行動方針:ワイアルドちゃんと行動を共にしようかなぁ
1:俺ちゃんはフリーダムだぁ!
【備考】
※どこらへんからの参戦かは未定で
※不死に制限あり


15 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 16:07:15 DjyvjJpA0
投下終了です。
続いて第三話ふなっしーを投下します


16 : 殺し合いナッシー! ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 16:08:17 DjyvjJpA0

「なっしィ――――!
 皆殺しなっしィ――――!」

大音量で物騒な奇声をあげる人間……もとい等身大の梨。

左手にはデイバッグ、右手にはどこぞのホッケーマスクが愛用するようなマチェット。

つまり鉈が握られている。

「ふなっしーは殺人マシーンなっしィ――――!
 優勝して最強の梨になるなっしィ――――!」

殺意の咆哮。ふなっしーはガチのマーダーになる決意をしていた。

キッカケは彼のデイバックに入っていた紙切れ

『参加者ぶっ殺して優勝したら船橋市公認ゆるキャラにしてあげます(笑)』

それにはそう書かれていた。
ふなっしーは"公認"というブランドに、ゆるキャラとしてのプライドを売り払ったのだ



【3―A森/一日目・深夜】


【ふなっしー@ゆるキャラ】
【状態】狂気、健康
【装備】でかい鉈
【道具】基本支給品、不明支給品二つ
【思考】基本:皆殺し
【備考】「公認になりたいなっしィ――――!」


17 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 16:09:33 DjyvjJpA0
投下完了です
まあこんな感じでノリにノッて進めていく方針です


18 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 18:10:08 4w53UjiU0
すいません。第二話に少々修正を加えます。

(我妻由乃とか雪輝とか……たしか『未来日記』だったっけか?
 セイバーとかはどう考えても『Fate/Zero』 だろ。切嗣って書いてあるし、つーか外道神父も居んのかよ。アイツ危険人物スギワロタwwwww
 他にもハルヒやら青鬼やらあからさますぎる名前がチラホラ……ってバーボとジルたんの名前まであるしッ!)

この一文を

(我妻由乃とか雪輝とか……たしか『未来日記』だったっけか?
 セイバーとかはどう考えても『Fate/Zero』 だろ。龍之介って書いてるし。
 他にもハルヒやら青鬼やらあからさますぎる名前がチラホラ……ってバーボとジルたんの名前まであるしッ!)


に変更します


19 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 22:27:59 9OTMdBec0

4【未来日記@アニメ】○天野雪輝/○我妻由乃/○平坂黄泉/○火山高夫
4【Fate/Zero@アニメ】○セイバー/○ランサー/○キャスター/○雨生龍之介
3【涼宮ハルヒの憂鬱@ラノベ】○涼宮ハルヒ/○キョン/○長門有希
2【ウサビッチ@アニメ】○キレネンコ/○プーチン
1【とあるゾンビ少女の災難@ラノベ】○ユーフロジーヌ
6【青鬼@ラノベ】○ひろし/○シュン/○杏奈/○卓郎/○たけし/○青鬼
3【バイオハザード】○タイラントt-003型/○ネメシスt-型/○G
2【パイレーツ・オブ・カリビアン@映画】○ジャック・スパロウ/○ヘクター・バルボッサ
3【ゆるキャラ?@現実?】○ふなっしー/○盗撮男/○パトライト男
2【学園キノ@ラノベ】○木乃/○静
4【異能力バトルロイヤル@漫画】○勝橋翔/○御手洗大輝/○空馬刃/○的場一郎
2【磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜@漫画】○磯部磯兵衛/○母
3【ハカイジュウ@漫画】○白崎直央/○武重満/○村内
4【アイアンナイト@漫画】○丑鎮鉄兵/○沼沢/○十五夜雪/○菊田陸曹
1【心霊探偵八雲@小説】○斉藤八雲
1【ダークナイト@映画】○ジョーカー
3【空の境界@ラノベ】○両儀式/○黒桐幹也/○浅上藤乃
1【キャンディマン@映画】○キャンディマン
1【キラースノーマン@映画】○ジャック・フロスト
3【猿男に憑依@二次創作】○ワイアルド/○ジル/○バーボ
1【ウォッチメン@映画】○ロールシャッハ
2【デッドマン・オン・キャンパス@映画】○クリフ・オマリー/○バックリー・シュランク
1【デッドプール「俺ちゃんの登場するSSが最終回…だと…」@SS】○デッドプール 


5【書き手枠】○/○/○/○/○

名簿に不備があったために修正しました


20 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 23:34:52 SJdrhh2k0
ジャック・フロスト予約しますぬ


21 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 23:45:23 DjyvjJpA0
投下します


22 : 雪だるまは殺人鬼 ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 23:47:27 DjyvjJpA0

それは雪というには大雑把すぎた。
大きく、丸く、そして冷たかった。
それはまさに――

『……畜生』

――雪だるまだった。
三つの雪玉をくっつけたような外見をした雪のだるま。
人間なら首に当たる部分に、太ましい首輪がある。
雪だるまは、その首輪が気に行っていなかった。だが、なぜかどうやっても外せないのだから仕方がない。
そう簡単に爆発などしなければ、無視していてもいいものだろう

本来なら動くはずのない雪だるまが、まるで人間のように行動し、思考する。通常ならありえないことだ。
だがこの雪だるま、もとい凶悪な殺人犯であるジャック・フロストには、自分がいかに常識外れな存在であるかどうかなど関係のないこと。
得体のしれない化学薬品と人体の神秘により、雪と遺伝子レベルで融合した、意志のある殺人雪だるま。
それが彼、キラースノーマン(殺人雪だるま)だ。
さてなぜそんな彼が悪態をついているのかというと、彼の特性がある行為を邪魔しているからだ。
全身が余すところなく雪、つまり水分でできている彼は、精密機械の操作には向かない。
ジャックの足元に落ちている水浸しの上に完全にショートしたスマートフォンが、それを優に表している。
これじゃあルールやら名簿を再確認すること自体が不可能だ。

『……まぁ、良い。チャチャッと皆殺しにすれば済むじゃねえか』

ジャックは己が最強だとは思わない。だが、無敵だとは思っていた。
銃弾も刃物も、この雪の体には無意味。
たとえ何らかの方法で溶かされ、水にされたとしても即再生できる。
加えて自分の姿も都合が良かった。
一体どこの世界に、近所の子供が戯れで作ったようなデザインの雪だるまを警戒するだろうか?
人の無警戒を誘うこの雪だるまとしての姿には、"死んだ"あとのジャック・フロストの大きな助けになった。
勿論、殺人やらレ○プといった犯罪的な目的で。
そんなジャックに、今更殺人への蝶々など糞ほども無い。

『……ひひひひひひひ。少しばかりこのジャック様が、楽しく雪遊びしてやるぜぇ』

ジャックの顔の部分が裂け、歪な笑みを浮かべる。
ギラギラと、鋭い歯……ではなく、人の頭でも一撃で噛み千切れそうなほど鋭い氷柱が、牙のように生えていた。


【7―E住宅街/一日目・深夜】

【ジャック・フロスト@キラースノーマン】
【状態】狂気、健康
【装備】
【道具】基本支給品、不明支給品三つ
【思考】基本:無差別マーダー
Ⅰ:今はまだ夜だから良いが、朝になって気温が上がる前に気温が低いところに行っておきたい
【備考】
※スノーマンとなり、警察から逃亡して各地で殺人を行っていた時期からの参戦。
※制限あり。雪の状態から溶けて液体になっても再生は可能ですが、蒸発して気体になれば死にます
※首輪は外せないようです


23 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/27(木) 23:48:18 DjyvjJpA0
投下終わります。
あと今更ですが、初心者とか大歓迎です


24 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/28(金) 14:19:18 DgYd/yZ20
盗撮男、村内予約します


25 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/28(金) 15:25:44 FovKZLek0
投下します


26 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/28(金) 15:26:13 FovKZLek0

「映画って本当に良いものですよね」

ひとりの紳士が軽い口調で話す。
ここは映画館。数々の名作が上映され、ささやかな夢と手に汗握る幻想を体感していく場所。
観客が一人もいない中、スクリーンには最近封切りされたアクション映画が上映されていた。
その中の最前列の席……ではなく、近くもなく遠くでもなく、快適に映画を鑑賞できる位置に有する席に座るその男。
映画鑑賞の玄人であるその紳士は、頭部がカメラで出来ていた。

「同感ですよ。映画は人類史上最高の文化だ」

映画館の礼装、特大のポップコーンと冷たいドリンクを装備した青年が、熱くその問いに返す。
まだ若い筈なのに額が警報を鳴らしているこの青年。名を村内という。
大学の映画サークルに加入し、数え切れないほどの映画を見漁った映画中毒者(ムービージャンキー)。

「……」
「……」

短い応答もなしに、二人は押し黙ってスクリーンを凝視する。
映画の上映中に、私語は映画への侮辱だと心得ているのだ。
中々に見る目の肥えたふたりでも、十分に楽しめる映画だ。
主人公と敵組織の激しい銃撃戦。そこらかしこが爆発している。
悲惨な過去を背負った主人公に共感する。
外道だがどこか憎めない悪役。
主人公をサポートする美しいヒロイン。
映画を見るのが楽しすぎて、ここが殺し合いの場だということを、思わず忘れてしまいそうだ。
いや、事実ふたりはそれを忘れていた。
顔見知りの友人という仲なら分かる。
だが、ふたりは当然ながら初対面。
村内に頭がカメラな紳士の知り合いはおらず、紳士もハゲかけた大学生の友人はいない。
殺しを強制されるなか、まったくの赤の他人同士が、こんな無防備に映画を見るなど異常なことだ。
だが問題ない。
このふたりの間には、奇妙な信頼関係が築かれていた。
言葉よりも雄弁に、それは互いを意識させた。
外見も何もかもまったく異なる二人に、唯一共通すること。
それは映画への愛。
お互い映画を愛してやまない強い心が、二人の信頼そのものだった。
映画が好きな人間に悪い人はいない、そんな、ほぼ同類故の仲間意識。
村内は殺し合いに乗り気ではない。
誘惑はあった。生還でもなく、優勝商品の願いにではないが。
彼は数え切れないほどの見てきた映画の主人公のような『主役(ヒーロー)』になりたかった。
ゆえに選択は対主催。命欲しさに殺し合いに乗るような奴は映画では対して活躍できずにすぐ死ぬ。そう考えたためだ。
映画を楽しみながらも、頭の済ではいかにヒーローになるか計算している。
協力者を得るのも良し、首輪の解除を模索するのも良し。手段は無限大だ。


「……」
「……」

ポップコーンをむしゃむしゃ食べる音がなる。
喉の乾きをドリンクで潤す。
ふたりは黙々と映画を見続けた。

――ひとつ、村内には誤解がある。
彼の隣に座る紳士が、映画好きとはいえ必ずしも善に属する存在ではないことを。
彼の名前はスマホの名簿にはこう記されている、『盗撮男』と。
それは彼の便宜上の名、最も有名な通り名は……

『映画どろぼう』

彼のカメラの餌食になった映画は数しれず。あらゆる新作を盗撮する彼は間違いなく悪人。

(村内くん。申し訳ありませんが……ワタクシ、映画をただ見るよりも盗(撮・録)るのが大好きなんですよね――)

内心そう思っているのは秘密だ。

【6―G映画館/一日目・深夜】

【村内@ハカイジュウ】
【状態】健康
【装備】ポップコーンとドリンク
【道具】基本支給品、不明支給品三つ
【思考】基本:対主催
Ⅰ:僕は主役だ。いや、主役になる。
2:勿体無いんで映画を見終えてから行動する 
3:"ちょっと"怪しい人物だが盗撮男と行動を共にする
【備考】
※映画館に立て籠もっていた時期からの参戦。
※盗撮男の顔を被り物だと認識しており、彼とはまだ詳しい情報交換などはしていません。

【盗撮男@ゆるキャラ?】
【状態】健康
【装備】
【道具】基本支給品、不明支給品三つ
【思考】基本:???
Ⅰ:映画を見終えてから行動する。そして盗撮しておく
【備考】
録画機能に制限はありません。

【ポップコーン&ドリンク】
映画を見る際のもっとも基本的な礼装。ふたつともLサイズ。支給品ではなく現地調達。


27 : ◆g8ITrSdiTM :2014/02/28(金) 15:27:04 FovKZLek0
投下終了です。
タイトルは『映画ってやっぱ良いよね』です。


28 : ちょっと追加 ◆g8ITrSdiTM :2014/02/28(金) 15:40:45 VJ2XKhYk0

(村内くん。申し訳ありませんが……ワタクシ、映画をただ見るよりも盗(撮・録)るのが大好きなんですよね――)

          .____________  
          |:::::|  __ |        |
          |:::::| .//‐―ヽ|        |
          |:::::| | |   ||.i.       i
          |:::::| ゝゝ_ノ |_____|
          |:::::|    。  i
          |:::::|____.|
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゛,i 、     
  /;;;;;;::゛:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゛!:゛、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゛'' ゛||i l\>::::゛'ー、
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29 : 名無しさん :2014/03/01(土) 00:49:55 ew82PJ1I0
投下乙
映画泥棒はゆるキャラだったのか……知らなかった


30 : 名無しさん :2014/03/02(日) 03:39:20 tXi1k9fQ0
「なっしぃぃぃぃッ!シネッ!」

「!?」ザシュ

ふなっしーはそこら辺を歩いていたプーチンを鉈で殺した。

「≫31」

プーチンは安価で最後の言葉を残して死んだ。

【プーチンヲ@ウサビッチ死亡】



【3―A森/一日目・深夜】


【ふなっしー@ゆるキャラ】
【状態】狂気、健康
【装備】血まみれのでかい鉈
【道具】基本支給品2つ、不明支給品5つ
【思考】基本:皆殺し
【備考】「まずは一人目ナッシィ――!」「公認になりたいなっしィ――――!」


31 : 名無しさん :2014/03/02(日) 14:58:21 tKrhM64A0
プーチン「我が生涯に一片の悔い無し!」


32 : スマホ変えたので不馴れな上トリ忘れた新>>1 ◆VYr1mStbOc :2014/03/04(火) 23:24:47 eskyavXM0
ロールシャッハ、パトランプ男予約します


>>30
良いんでないの?のりにのっちゃえ!


33 : ◆VYr1mStbOc :2014/03/04(火) 23:34:14 eskyavXM0
投下します


34 : 正義 ◆VYr1mStbOc :2014/03/04(火) 23:38:18 eskyavXM0

日誌 ロールシャッハ記
20**年5月22日






 今朝、路地裏で犬の轢死体を見つけた。
 裂けた腹にはタイヤの跡がついていた。
 この街は俺を恐れている。
 素顔を覗いた俺を。




 この街の通りはドブ同然だ。
 人の血が溢れるドブだ。
 いつか下水道が溢れれば、クズどもは全員溺れ死ぬだろう。





 セックスと人殺しに耽ったあげく、己の罪に腹まで浸かった売春婦と政治家どもは天を見上げてこう叫ぶだろう。
 “助けてくれ!”……





 見下ろして俺はこう答える。







 “いやだね”


35 : 正義 ◆VYr1mStbOc :2014/03/04(火) 23:39:19 eskyavXM0

『問おう。君はこの状況にてどう行動する?』

訪ねる男はかなり奇妙だ。
警察官の服を着ていることから、警察所属なのだろうか。
それかそのコスプレをしているコスプレイヤーか。
おそらく後者に思える。
頭にパトランプの被り物をつけている警官がいるとは考えにくい。

「HURM……俺は俺の正義を貫かせてもらうだけだ――

――俺は絶対に妥協しない」

答える男もまた酷く奇妙だった。
常に蠢く黒と白の模様の覆面。そして酷い体臭。
この男の名はロールシャッハ。
本名はウォルターたが、名簿にはそう記載されているため、今後彼はロールシャッハと呼ばせてもらおう。
ロールシャッハはキーン条約により、ヒーロー活動が禁止された世界のアメリカにて非合法に活動する男。
悪党の殺害に一切の蝶々がない慈悲無き断罪者。

『……なるほど、わかった』

ロールシャッハと向かい合うパトランプは、どこか含みのある納得の言葉を発する。
見せしめにより名も知らぬ男を殺した主催の殺害を方針としていたロールシャッハ。先に接触を図ってきたのはパトランプの方だ。
こうして向かい合っているなか、ロールシャッハとパトランプは奇妙な感覚を抱いていた。
ひとえにそれは互いが似たような性質だったから生じたものだったのかもしれない。

『……私はある凶悪な犯罪者を探している。そいつを確保したい。
奴は恐らく、この殺し合いでも同じ罪を重ねるだろう。
見たところ君は対主催だろう?
正義のために、君の手を組みたい』

パトランプはロールシャッハに協力を申し出た。
正義のため……そこを強調する。

「なるほど、お前の事情はわかった。
だが手を組むにしてもひとつ聞かせろ。
その凶悪犯を捕まえたとして、どうするつもりだ?」

対するロールシャッハは、パトランプの気迫から、その犯罪者の確保が目的だとは容易に察せられた。
だが、その犯罪者を捕まえたとして、どうするかを訪ねる。

『……生死は問わないと、上から言われているんでね』

パトランプは暗に殺すつもりだとロールシャッハに告げた。
ロールシャッハが一般的な常識ゆえに対主催を志しているなら、この時点で同盟の目はかなり弱まるだろう。
だがそれは意味をなさない。


「わかった。同盟を組もう」


ロールシャッハは普通ではない。
ひどく独善的で、右翼主義者の、屑に厳しい゛精神的超人゛。
正直、もしもパトランプが殺害ではなく確保のみを視野にいれる男だったら、同盟を組もうとまでは考えなかった。
蝶々なく悪を殺せる男なら、自分と似たようなものだ。
ならばこそ信用に足りるかもしれない。


ここに正義と正義の一組の同盟が組まれた。

ロールシャッハは知らない。パトランプが追いかける凶悪犯が犯した犯罪が、『映画の不法盗撮』 だということを。
まあ、別に知っているからなんだって言う話なのだが……

【6―B街/一日目・深夜】

【ロールシャッハ@ウォッチメン】
【状態】健康
【装備】
【道具】基本支給品、不明支給品三つ
【思考】基本:絶対に妥協しない対主催
Ⅰ:パトランプ男と行動を共にする?
【備考】
コメディアン殺害前からの参戦

【パトランプ男@ゆるきゃら?】
【状態】健康
【装備】
【道具】基本支給品、不明支給品三つ
【思考】基本:対主催
映画泥棒(盗撮男)を確保する。状況によっては殺害?する
Ⅰ:ロールシャッハと行動を共にする
【備考】
特になし


36 : ◆VYr1mStbOc :2014/03/04(火) 23:43:50 eskyavXM0
投下終了です。
以下に少ない文章でイメージを表すか。それが自分的な命題です


37 : 名無しさん :2014/03/17(月) 00:22:58 h.onL0Uw0
その瞬間、全参加者が前触れもなく消滅した

――期限が来たのだ

【ロワイアルだよ!趣味なんですロワ 消滅】


38 : 名無しさん :2014/03/17(月) 23:51:24 wTE89Bz20
−−次元は超越し−
−−時間はやり直される−
−−神の意思により−
−−新たなコロシアイは開幕される−

第二期参加者名簿

5【Axis powers ヘタリア】
○イタリア=ヴェネチアーノ/○ドイツ/○日本/○イギリス/○フランス

5【浦安鉄筋家族】
○大沢木小鉄/○土井津仁/○春巻龍/○仁ママ/○国会議員

5【進撃の巨人】
○エレン・イェーガー/○ミカサ・アッカーマン/○クリスタ・レンズ/○ライナー・ブラウン/○ベルトルト・フーバー

2【パイレーツ・オブ・カリビアン】
○ジャック・スパロウ/○ヘクター・バルボッサ

2【NO MORE 映画泥棒】
○映画泥棒/○パトライト

1【MASK】
○スタンリー・イプキス

1【天空の城ラピュタ】
○ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ

3【ハカイジュウ】
○白崎直央/○武重満/○村内

4【HELLSING】
○アーカード/○セラス・ヴィクトリア/○アレクサンド・アンデルセン/○ヤン・バレンタイン

4【バイオハザード】
○タイラントt-003型/○ネメシスt-型/○G/○シェリー・バーキン

4【未来日記】
○天野雪輝/○我妻由乃/○平坂黄泉/○火山高夫

4【アイアンナイト】
○丑鎮鉄兵/○沼沢/○十五夜雪/○菊田陸曹

3【テラフォーマーズ】
○アドルフ・ラインハルト/○ミッシェル・K・デイヴス/○小町小吉

1【キラースノーマン】
○ジャック・フロスト

2【ウサビッチ】
○キレネンコ/○プーチン

1【猿男に憑依】
○ワイアルド

1【とあるゾンビ少女の災難】
○ユーフロジーヌ

6【Fate/Zero】
○衛宮切嗣/○言峰綺礼/○セイバー/○ランサー/○キャスター/○雨生龍之介

4【GANTZ】
○玄野計/○加藤勝/○千手観音/○オニ星人ボス

2【現実】
○ふなっしー/○速水もこみち




第二期参加者名簿


39 : 名無しさん :2014/03/17(月) 23:53:12 wTE89Bz20

そこにあったのは、暗闇だった。
ただただ、暗闇が続いていた。
漆黒。
そうとしか表現のしようのない光景。
仮に、僅かな光源、例えばくず星のひとつでもあれば、少しは何かが見えるのだろう。
だが、そこには光は無い。
ただ一筋の明りが差し込む余地さえ、そこには許されては居なかった。
そう、許しが無いのだ。
その徹底した暗黒空間はすなわち自然に生じうるものとは違う、人の持つ意思のようなものを感じさせた。
完璧な、僅かな隙すら許さない、狂気的で偏執的な、ある種の感情。
そう、一言で言うなれば、それは「悪意」。

人の気配がする。
最初は気がつかなかったが、その暗闇に慣れるにつれ―そう、このような暗闇でさえ、人は慣れるのだ―その場に居るのが自分一人でないことに気づく。
息づく音、体温、鼓動。
人の発する僅かな変化が、暗闇の中で強調されるかのようだ。
その一つ一つは微かであり、その発生源がどこにあるのか、いくつあるのかは判然としない。
肩が触れる近さなのか、数米先なのか。
一人なのか、複数なのか。
そしてそれは、敵なのか、味方なのか……

「お待たせしました」
突然、声が響き渡った。
それと同時に、眼前に一筋の光が降り注ぐ。
スポットライトのように照らし出されたそこには、一体の人影が佇んでいた。
光の加減でその顔色や表情は窺えない。体格からどうやら男のようだ。
身に付けた簡素な装飾品が鈍く光る。
聴衆の注目を一身に集めながらも、男はただ立ち尽くす。
そして、声は続く。

「ようこそ、バトルロワイアルへ。
 これから皆さんには、簡単なゲームに参加していただきます。
 基本的なルールは至極簡単。
 それは即ち“他の参加者を殺し、最後の一人になること”です」
声は淡々と、残酷で非現実的な事を述べる。

「優勝者には豪華景品をご用意しております。
 ただし、脱走を図るなどのルール違反を認めた場合、罰則を設けております。
 その内容は、“死”です。
 その執行法を今より提示致します」

その声が止まない内より、眼前の男に異変が生じた。
立ち尽くしていた男が突然驚いたかのように身じろぐと、落ち着きなく、取り乱したかのように喚きだしたのだ。
「お、おい、話が違うぞ!
 言う事聞いていれば見逃してくれるんじゃ無かったのか!?」
どうやら、今まで聞いていた声は男の物ではなく、誰か別の者が発していたようだ。
この男はただ、この場に立つことだけを命じられていたのだ。
「ウソだろ? 冗談は止めてくれよ、
 いや、や、やめろッ! お、俺はまだ、死にたくな」

――ボン。

小さな破裂音が響く。
それと同時に、眼前に赤い飛沫が舞った。

私は見ていた。
男が身に付けた、唯一の装飾品―首輪―が、白く光ったのを。

「以上です。では次に、詳細なルールについて説明します。
 まず――」
声は続く。
淡々と、機械的に。
私は、自然と、半ば強制的に、自らの境遇を悟る。
それが、この“バトルロワイアル”の始まりだった。


そこにあったのは、暗闇だった。
ただただ、暗闇が続いていた。


【主催@不名】
【見せしめ@間桐慎二/Fate/stay night 】


40 : 名無しさん :2014/05/04(日) 21:57:16 1poNGcqE0
流れがよくわからないけどこのロワはどうなったの?
消滅?第二期?


41 : 名無しさん :2014/05/04(日) 22:36:09 mS1UTBW60
第二期です


42 : 管理人★ :2014/07/03(木) 18:55:41 ???0
本スレッドは作品投下が長期間途絶えているため、一時削除対象とさせていただきます。
尚、この措置は企画再開に伴う新スレッドの設立を妨げるものではありません。


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