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韓 国 2

144NAME:2015/07/24(金) 18:43:19
この歴史観は90年代以降、各界各層に浸透し、現在使われている韓国の小、中、高校で使われている歴史教科書もこの歴史観にもとづき書かれている。2005年以降、一部の実証主義学者らが教科書改善運動を開始したが、彼らが執筆した歴史教科書は今も、採択率ゼロだ。

 朴槿恵大統領はまさに親日派の娘という批判を一番恐れている。その政治的資産は選挙に強いことだった。父親に対する絶対的支持層が彼女の基礎票となり、その上に若者らの票をいかに積み上げるかがこれまでの政治活動の根底にあった。だから、朴槿恵大統領は反日自虐史観に正面から対決せず、それと迎合し続けている。慰安婦問題は自虐史観派にとって格好の材料となっている。朴槿恵大統領が慰安婦問題に取り組まないと、慰安婦問題を抜きに日韓国交を正常化させた親日派の朴正煕の悪業を隠蔽しているという理屈が成り立つからだ。もちろん、当時を生きていた誰もが慰安婦の強制連行などなかったことを知っており、だから韓国は日韓国交交渉で一度も慰安婦問題を持ち出さなかったのだ。

 自虐史観派から激しく非難されている李承晩大統領は「悪質的な独立運動妨害者以外に親日派はありえない」「倭政の時にいくら警察官だった人でも建国事業に参加して大きい功績をたてればその人はすでに親日派ではない。著しい親日経歴がない人でも日本語をしばしば口にして日本食が好きで日本にしばしば行き来し、日本が再進出してくることを待つ人ならば彼らこそ清算される親日派だ」と繰り返し明言しつつ、日本時代に教育を受け実務経験を積んだ官僚、軍人、警察官らを建国過程で使い続けた。それが大韓民国建国に役立つと信じたからだ。この李承晩の信念を李栄薫教授は「建国のための未来指向的な精神革命としての親日清算」と呼んだ。

 朴槿恵大統領がその立場に立てば、北朝鮮の世襲テロ政権を共通の敵として歴史観や領土問題等をお互いに譲歩し合う、50年前朴正煕大統領が築いた日韓友好関係に戻ることは十分可能だ。すでに韓国内の自由統一を目標としている趙甲済氏ら健全な保守勢力はそのような立場から日韓関係の改善を提起している。 50年前もそして今も、釜山に赤旗が立つことは日本の安全保障にとって最悪のシナリオだ。韓国が反日自虐史観を清算して自由統一を迎えるのか、あるいは、自虐史観に飲み込まれ北朝鮮の思うつぼにはまっていくのか、まだ勝負はついていない。 (東京基督教大教授 西岡力) ※この記事は月刊正論7月号より転載しました。


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