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科学 技術 開発
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:2016/04/14(木) 16:51:23
国や分野を問わず、同じようなことは世界中で起き続けています。スイスの大手銀行UBSは、3000人ものリスクマネジャーを雇っていたのに、アメリカの住宅ローンとリンクした債券やデリバティブのリスクを見逃してしまった。金融当局も、マクロ経済を見ているチームと金融市場を見ているチームが連携を取れず、金融危機の到来を予測できませんでした。
最近ではタカタのエアバッグ問題や、東芝の会計問題もそうですね。サイロ・エフェクトによって全体的な視野が失われる結果、リスクもチャンスも見えなくなり、組織に問題が生じてくるのです。
なぜ、サイロ・エフェクトは起きるのか?
なぜサイロ・エフェクトは起きるのか? 私はジャーナリズムの世界に入る前には、文化人類学を研究していました。そして文化人類学者が知っていることの1つは、どんな社会、どんな文化にもサイロは必ず存在するということです。
それは私たち人間が、世界を分類する生き物だからです。複雑な世界に対処するために、私たちは頭の中にファイルキャビネットを持ち、情報を分類し、整理しています。その分類の仕方が硬直してしまうと、内向き志向や分断化といった、サイロの問題点が出てくるわけです。
とはいえ、分類の仕方そのものは文化によって多種多様です。ということは、1つの分類の方法にとらわれる必要はないのです。もし、自分たちの分類のパターンがうまく機能しているかを自問自答できれば、そして必要に応じてそれを切り替えることができれば、サイロの弊害をなくすことはできるはずです。
実際に、そのようなことを実践している企業はあります。Facebookもその1つです。クリエイティブな組織が硬直化していったソニーやマイクロソフトの事例をふまえ、同社は早い段階からサイロ・エフェクトにあらがうことを意識し続けてきました。
Facebookのような企業には、それぞれの課題に取り組む専門家チームが不可欠です。一方で、定期的に人材のローテーションを行い、チームが部族主義に陥るのを防いでいます。新しい技術者が入社するときの集団トレーニング、大部屋に様々な部門のエンジニアを集めて行う社内ハッカソンなど、社内に幅広い「ソーシャル・ネットワーク」を作る努力が常に行われています。オープンスペースや渡り廊下など、社屋の構造にもコミュニケーションをうながす工夫がなされています。
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