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第三汎用スレッド
2127
:
とある世界の冒険者
:2019/12/11(水) 22:05:39 ID:.Do.2/QI
<とあるアジト跡地―”怪異”発生から間もないころ―>
王都の郊外にあるとあるアジト。
かつては夜盗の一団の塒であり、夜な夜な”戦利品”による宴会が開かれていた。
しかし、そんな話ももはや、数十年前、その夜盗は捕らえられ、処刑がなされたという。
欲望の溜まり場であったアジトも今やただの忘れ去られた穴倉だ。
そんな穴倉のガラクタを蹴散らしながら不機嫌そうに歩く影が一つ。
明かりも何もないはずだが、彼の周りは鈍い赤色が照らしていた。
「あァん?クソ、どこもかしこもボロボロじゃねぇかァ……!」
悪態をつきながら、影が蠢く。
影はひょろひょろと幽鬼のように、アジトだった場所をさ迷い歩く。
彼の名はレホロン=ブラッパー。このアジトを塒にしていた夜盗の一員だった者だ。
無論、彼も処刑にかけられた一員であることは言うまでもない。
しかし、彼は生き返った。――――否、アンデッドと化したのである。
「おいおいおォい、俺様のオキニはどこ行ったんだよォ……?」
アジトにある埃の被った豪奢な鏡に映る姿は、正しくガイコツだ。
肉と呼べるものはほとんどなく、肋骨が異様に発達し、トラバサミのようになっている姿は正に異形だ。
王都に怪異がもたらした変化は空の色や、人々の獣化に留まらなかったのかもしれない。
彼は怪異発生から間もなくして、自身の墓から”這い出てきた”のである。
「おっ、へへへ、なんだ、あるじゃねぇか」
廃墟と化したアジトを蹴散らしながら、ようやくお目当てのものを見つけたようだ。
それは、自身がかつて身につけていた衣服だ。
皮の帽子に、ズボン、そして毛皮のマントである。
異形と化してしまった彼にはもはや必要のないものだが、気分の問題である。
「いよォッし、ようやくスイッチが入った気分だぜぇ……。
この俺様をこんな姿にしやがって、覚悟しやがれよ。」
次の野望にぎらぎらと目を輝かせる姿はその痩せこけた体には全く見合わないものだったとか。
【終】
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