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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その2

433『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/07/26(金) 12:07:05
>>428-429 >>431(エイノー、高遠)

突如、真下に遠ざかる雪原という名の『床』。
宙に投げ出された高遠は懸命にもがくが、
足場を失った『クレモンティーヌ』に移動の術はない。
そのまま落下を余儀なくされるかと思われたが──

         ヴォ!!
               ヴォ!
                     ヴォ!!

エイノーの咄嗟の機転!
反転した『フィストフル』の『送風』能力によって、
『接近』と『吸引』を同時に行い、最速で高遠を回収した。

前方の三人はと見れば、あちらも『ナツメグ』が救出に入ったようだ。
エイノーはひとまず『送風』ノズルを下方に向け、
沈下を続ける雪原への降下に備える。

強化された『送風』機能だが、人二人を飛行させるほどの性能は流石にない。
だが、エイノーだけであれば地面に噴射して『ホバリング』程度は期待出来る。
人二人でも、着地のショックの軽減には十分すぎるはずだ・・・・
この落下がどこまで続くのかはともあれ。

エイノーの加護を受けた高遠は、落ち着いて周囲の状況を確認できる。
その眼下に進行する状況とは──


>>430(ウィル)

「用心しろとは言ったが、まぁさか床が抜けるとはよ」

苦笑交じりの声と同時に、ウィルの肩を巨大な手が掴む。
『フランキー・アヴァロン』──『ナツメグ』のスタンドだ。
宙を踊るウィルを引っ張り、そのまま草食獣のような本体の右肩に乗せ変えた。
反対の肩では、菊川が顔を歪めながら『ナツメグ』の首に齧りついている。


「──雪の下は岩盤と人工芝だよ。底が抜けるわけない!」

分析の声も興奮気味だ。

「──これは『雪』を解除しただけだ。じきに収まるはず。
 ──それより、なんで足止めの『雪』を消すのかが『謎』だよ。
 ──ルンクスは、何を考えてるんだ・・・・?」

ウィルは改めて、ルンクスに目を移す。
スロープの坂上に立っていた『性豪』は、ウィルたちより高所から
落下を余儀なくされており、同様に中空にある状態だ。
『ハッピー・オルガン』の姿は、いつのまにか消えている。

『35m』の距離では黒人の表情までは窺えないが、動揺の気配は感じられない。
菊川の予想が正しく、この事態そのものがルンクスの指図ならば、それも道理だ。
一方でこの状態であれば、投擲の類の攻撃は問題なさそうだ。

そしてこちらも菊川の予言通り。
雪原の沈下は、ほどなくして止まった。

──意外すぎる光景を伴って。


>>432(ハッピー・オルガン)

                        ビュ バ!


手負いとはいえ、その反射速度に衰えはない。
落下の瞬間、『ハッピー・オルガン』は雪原を疾り、雪に沈んだ井上の身体を掘り出す。
想像よりは浅い場所にあった上半身を引き抜くと、浮遊し手応えのない足場を滑るように
壁際へと向かい、

             ドッ ゴム!!

岸壁に蹴り足を打ちこんで、落下を免れた。

ルンクスはといえば、当然ではあるが、落下を余儀なくされている。
しかし、態勢を崩すでもなく、顔はこちらに向けたままだ。
『ハピオル』がそうであるように、動揺も隙も見当たらない──
仮に今攻撃したところで、『エンジェルズ・ラダー』の防御は鉄壁だろう。


ペンキ缶から取り出した刷毛のように出血する、
井上の体を引っ提げたまま、『ハッピー・オルガン』はしばし、
状況の動向を注視する──


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