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声楽・リサイタル(オペラ以外)の感想です

1さーじょん:2005/07/23(土) 01:21:33
オペラ以外の声楽のコンサートに行くのは年に数回。だけど、やっぱり感想は残しておきたいので、専用のスレを立てます。

2さーじょん:2005/07/23(土) 01:21:56
今年に入ってから行ったのは、5月の「二期会サロンコンサート」。ある掲示板に書いた自分の感想を貼り付けておきます。

361 名前:めりとーね ◆4bhftIqcNc 投稿日:2005/05/12(木) 00:34:45 5PPBRYf+
奥様方
本日仕事帰り、青山カワイの二期会サロンコンサートに行ってまいりました
出演は黒木真弓さん(二期会「イェヌーファ」のコステルニチカ)と
津山恵さん(同、表題役)の組合せでした。黒木さんはイタリア歌曲中心、
津山さんはドイツ歌曲中心で、最後には二人の「フィガロ」の手紙の二重唱も
聴けました。とっても楽しい2時間でしたよ

それにしても津山さん、僕はまったく、ツボにはまってしまいました
見た目はどこにでもいそうな若奥様なのに、あんな美声で
歌われちゃうと・・・今日は「ノンケらしく」萌えてしまいました

僕は、大好評だったイェヌーファは見逃したのですが、昨年
首都オペラの「魔弾の射手」のアガーテを聴いて、見初めて
しまったのです。惜しむらくは○○持ちということですね・・orz

3さーじょん:2005/07/23(土) 01:22:15
7月22日、NHKホールにて、N響「夏」2005公演。キンボー・イシイ・エトウ指揮、アンナ・トモワ=シントウ(ソプラノ)。
 前半のプログラムは割愛(っていうかちょっと睡魔に襲われて……)。後半は、「運命の力」序曲、「柳の歌とアヴェ・マリア」、「カヴァレリア」間奏曲、「私のお父さん」、「私は神のいやしいしもべです」。
 アンコールは、「歌の殿堂」のアリア(タンホイザー)、「ヴィリアの歌」(メリー・ウィドウ)、再度「ヴィリアの歌」(後半のみ)、「私のお父さん」。9月4日に教育テレビ「N響アワー」で放送予定。
 トモワ=シントウ、DVDで観てもいまだかつて「イイ」と思ったためしがない。イイと思えない自分の感性が間違っているのか、確かめねばならぬと思い立って、観に行くことにしました。結論から言うと、トモワ=シントウに対する評価を大きく変えるまでには至らなかったものの、「さすが世界的大歌手だなあ」と感心して帰ってきました。

4さーじょん:2005/07/23(土) 01:22:32
 1941年生まれで御年64歳。野村監督夫人にも似た容貌で、すっかり恰幅は良くなっています。全盛期の彼女を聴いたことはありませんが、前半はオケに声がかき消されてしまったところもあったので、おそらく声力は衰えているのでしょう。暖まるまでに時間がかかったのか、アンコールになってようやく本調子といった感がありました。二回歌った「私のお父さん」は、アンコールのほうがはるかに出来が良かったです。
 すべての歌について、しっかり、きっちりと歌っていたのが印象に残りました。声自体は、決して美しいとは思えなかったのですが、非常に「劇的」な印象があります。「ヒステリック」と紙一重ですが、聴いている側を昂揚させる不思議な力のある声です。やはり「個性」と呼ぶべきでしょう。
 いちばん感心したのは、舞台に立ったときの立ち居振る舞い。微笑みながら拍手に応えるさまに、とても気品がありました。

5おせん:2005/07/25(月) 08:42:33
犬アワーで放送予定ということは、BSで完全版も放送するわね?多分。

6さーじょん:2005/11/05(土) 00:33:33
11月3日、大泉ゆめりあホールにて、「津山恵の小さなコンサート」を観る。すっかり追っかけです。とはいえ、たとえ津山さんの演奏を全部観たとしても、年に数回ですから気楽な追っかけですが。。。
ソプラノ:津山恵、ピアノ:服部容子。
 前半はシューマンの歌曲、「献呈」、「はすの花」そして「女の愛と生涯」全曲。後半は山田耕筰、団伊玖磨をはじめとした日本の歌曲、秋の歌メドレー、「夕鶴」のアリアなど。アンコールは、R・シュトラウス「母の自慢話」、「千と千尋の神隠し」の主題歌。アンコールではお嬢ちゃんが歌詞カードを持って出てくるおまけ付き。
 やっぱり僕は、津山さんの声、好きだなあ。。。
 チケットを買ったとき、一緒に津山さんが書いたドイツ歌曲の解説集が送られてきた。そこには「女の愛と生涯はずっと歌いたかった」と書かれている。相当思い入れがあったみたい。最後の曲の後奏で津山さんの目から涙がこぼれたのが印象的でした。

7さーじょん:2005/11/05(土) 00:34:22
 前半も良かったけど、やはり歌い手も聴き手も日本人だからなのでしょうか、おしゃべりを交えながらの後半のほうが、かなりイイ雰囲気でした。
 不思議なものです。たとえば僕は、「からたちの花」がどういう花なのか、まったく知りません。でも山田耕筰の「からたちの花」という曲はよく知っていて、しかもこの曲を聴くとなぜか「懐かしい」と思ってしまいます。
 ところで津山さんのホームページには、「オペラもいいけどやはりリートが好き」ってなことが書いてある。昨日のコンサートでは「夕鶴」のアリアを歌っていたけど、最高音を思いっ切り伸ばす箇所があるようなオペラアリアのほうが、僕的には津山さんの声を堪能できるので、好きなんだけどなあ。。。

8さーじょん:2005/11/06(日) 23:45:45
 前日(2日)に東京文化会館でヨハンソンの素晴らしいゼンタを聴いた後で、町の小さなホールでのコンサート。こう言っちゃかなり失礼だが、ランクだけで言えば、メジャーリーグと高校野球の県予選くらい(それ以上)の差はある。とはいえ、自分の通っている高校の野球部の試合は応援しに行って、(たとえ一回戦負けでも)それなりに充実して帰ってくるのと同様、出演者のランクと聴き終わった後の充実感は、必ずしも比例するものではないのだなあ。。。

9さーじょん:2005/11/06(日) 23:46:21
11月5日、サントリーホールにて、「セゾンカード プレゼンツ ホセ・カレーラス リサイタル2005」鑑賞。
ホセ・カレーラス(テノール)、ロレンツォ・パヴォーイ(ピアノ)。
 前半:君をとても愛している(ドニゼッティ)、光りさす窓辺(ベルリーニ)、海に来たれ(作者不詳)、ひめごと、悲しみ、僕は思っている(以上トスティ)、レリクイア、ああ春よ(ティンデルリ)。
 後半:ドゥオーロ!、熱望、昨夜(以上デンツァ)、つばめ、ああマルゲリータ(以上モレーラ)、五月のある夜(チョッフィ)、婦時レコの漁夫(タリアフェッリ)、彼女に告げて(ファルヴァ)。
 アンコールは7曲! 1:僕に寄り添う影(アディンセル)、2:不明、3:カタリ、4:不明(この曲では、後ろの観客に向かって歌うというおまけ付き)、5:ヴリア(レンディーネ)、6:遠くへ行きたい(歌詞カードを手に持ちながらではありますが、日本語で歌ってくれました)、7:帰れソレントへ。

10さーじょん:2005/11/06(日) 23:46:51
 いやあ、でかい声というのは、それだけで聴いていて昂揚するんですねえ。伴奏はピアノ一台、ほかの歌手との重唱もないので、声がかき消される心配はなし。だから比較の対象がないんだけど、でも良く響く声でした。髪は灰色、顔つきもだいぶ老いています。高音も苦しそうに見えましたが、もともと高音が売りの歌手ではないので、それほど気になりません。しかし、兎に角、良く張り上げてたなあ。。。なるほどこの声なら、かつて世界的大歌手であったことにも納得できます。プログラム自体の曲数は少なくして、アンコールをたくさん用意するという構成も、観客を盛り上げるために良く考えられていると思います。こうすると確かに、「あー楽しかった!」と家路に着くことができます。
 当然ながら、会場には女性ファン多し。アンコールの時に舞台袖に花束やらお土産やら持って、大勢の女性が群がってました。こういうリサイタルだからでしょうか、最後の音が高ければ高いほど、伸ばせば伸ばすほど、曲が終わった後のブラヴォの声が大きくなっていました。

11さーじょん:2005/11/06(日) 23:47:31
 何かこの雰囲気、経験あるなーと思った。ああそうだ、1990年10月16日、新宿文化センターで見た、カルロ・ベルゴンツィのリサイタルだ。もちろんそれまでCDでしか聴いたことがなかったから、「端正」とか「行儀良い」といったイメージでしかなかった。いざ実演に振れてみると、やはりこの上なく「イタリア的」エンターテイナーで、お客さんを楽しませることに命賭けてる感じだった。そのときも、アンコールの拍手は鳴りやまなかったし、何曲も歌ったし、終演後には(女性割合はカレーラスほど高くはなかったが)舞台袖に観客が群がった。
 何と言ってよいのか、こういう状況って、(僕自身、大いに楽しんだにもかかわらず)あまり感心できないなあ。舞台上には、「かつて世界で最も人気のあったテノール歌手」がいる、会場には、その歌手が何をやっても拍手喝采してくれるであろう熱狂的なファンが詰めかけている──よほどヘンなことが起きない限り、成功は約束されています。もちろん、世界中でそれだけのファンを獲得した功績は、たとえようがないほど素晴らしいものです。カレーラスもベルゴンツィも、間違いなくオペラ史に名前の残る歌手です。
 それでもたとえば、60歳代半ばにしてトリスタンを録音するような「ドン・キホーテ」的な行動と対比すると、僕は「ドン・キホーテ」のほうを高く評価してしまいます。何ともフクザツな心境で、会場を後にしました。。。

12さーじょん:2005/11/10(木) 01:30:27
 >>1にも書いたように、オペラ以外のリサイタルは年に数回しか行かないのに、10月から11月にかけてはずいぶんと連続で行くことになってしまった。何の気なしに、「あー○○来るんだー。観に行こうかなーどーしよーかなー」と、適当にプレオーダー申し込んでたら、結構当たってしまった。
 でもって、11月9日、紀尾井ホールにて、カティア・リッチャレルリ・リサイタルを観る。ソプラノ:カティア・リッチャレルリ、ピアノ:関孝弘。
 とくに好きな歌手、というわけではない。いやむしろ、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073888291/9に書いた通り、どちらかというと「これまでイイと思ったためしがない」歌手。でも、>>3-4のトモワ=シントウのように、改めて見直すという可能性も、ゼロじゃないかも知れない。いや待てよ、彼女の活動が報じられなくなってからだいぶ経つ、もう声を失っているのか、往年の名声の遺産を食い潰しているだけの、「元有名歌手」を観にわざわざ足を運ぶのか、オレも相当な物好奇だなあ、ってなことを考えながら何も期待せずに行きました──結果は、歌唱はともかく、後味は非常に爽やかなリサイタルでした。

13さーじょん:2005/11/10(木) 01:31:18
 前半:オンブラ・マイフ(「セルセ」より)、涙の流れるままに(「リナルド」より、以上ヘンデル)、可愛い口もと、悲しみ、理想、別れの歌(以上トスティ)、間奏曲(マスカーニ、ピアノソロ)、私は芸術のつつましいしもべ(「アドリアーナ・ルクヴルール」より)。
 後半:月の光、夢のあとに(以上フォーレ)、スペインの歌、こんなに胸騒ぎが(「タンクレディ」より、以上ロッシーニ)、小さなワルツ(プッチーニ、ピアノソロ)、アヴェ・マリア(「オテロ」より)、歌に生き恋に生き(「トスカ」より)。
 アンコールは6曲とちょこっと。1:サマータイム、2:不明、3:オ・ソレ・ミオ、4:忘れな草、5:スペインの歌、6:不明、7:オ・ソレ・ミオのラストのフレーズだけ歌って、リッチャレルリがおどけた様子でピアノのフタを閉めて、お仕舞い。
 前半は、前面に大きなヒラヒラのついた黒いドレス。後半は、胸元の開いた深緑系のドレスに、同系色のショールを羽織っていた。歌っている途中に、何回も胸元を隠すようにショールで前を閉じていたのが印象的でした。

14さーじょん:2005/11/10(木) 01:31:50
 登場から初めの数曲にかけては、とても切なく、哀しくなりました。かつては美貌を讃えられた歌手ですが、プリマ・ドンナたちの伝統と慣習を見事に踏襲して、すっかり恰幅も良くなっています。まあ、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223444/2のオテロでも若干あぶなっかしかったところを、衣装でごまかしていたような感もありましたけどね。もともと眉毛が薄いもんだから、トシとって、なんだか、おじいちゃん臭い顔つきになってます。
 >>4のトモワ=シントウ同様、エンジンが暖まるまでそうとう時間がかかったようで、初めの3曲くらいまでは兎に角「衰えたなあ……」ってことばかり考えていました。高い声は苦しげ、低い声も苦しげ、もともと音域の広い歌手ではなかったのかもしれないけれど、声の迫力もなし。
 暖まり始めたのは、前半最後の「アドリアーナ・ルクヴルール」のアリアあたりからです。最後の音を伸ばすときに声が響いてきました。後半も上り調子で、アンコールはさらに良くなっていました。
 意外だったのはロッシーニの二曲。リッチャレルリって、装飾音が歌えるという印象はまったくなかったのですが、想像していたのよりはきちんと歌っていたので、ちょっとびっくりしました。公演プログラムを読むと、ベルカントのレパートリーが得意だったって書かれているから、これは単に僕が無知であったというだけですね。あと、「オ・ソレ・ミオ」や「忘れな草」のようなカンツォーネが似合う声とは思えないんだけど、でもとても素敵な歌に聞こえました。不思議なものですね。
 ちなみにリッチャレルリ、99年にはイタリア・レッチェ歌劇場の芸術監督に就任、03年にはマッチェラータ音楽祭の芸術監督に就任しているそうです。

15さーじょん:2005/11/10(木) 01:32:20
 決して好きな歌手ではないものの、僕がオペラを聴き始めた頃に大人気だったので、やはり馴染みのある声です。何と喩えたらよいのか、高校時代は大して親しくもなかった同級生の消息を、ン十年ぶりに偶然に人づてに聞いて、妙な感慨が湧いてくる、その感覚に近いような気がしました。
 後半は上り調子とはいえ、僕のような素人にも、かつての声ではないことは分かります。不安定な部分もありました。でも何となく、悪い印象を持ちませんでした。それは多分、リッチャレルリが現在の自分の「身の丈に合った」活動をしているように思えたからでしょう。サントリーホールでカレーラスを観た(>>9-11)直後だから、なおさらそう思えたのかも知れません。
 今回の来日の主目的は、コンクールの審査員だそうです。でもって「ついでに」リサイタルも開いた。プログラムを読むと、紀尾井ホールのほかは、「野木町文化会館」、「白川ホール」(両方とも何処だよ???)でリサイタルを開くらしい。かつては、世界の大歌劇場で主役を歌っていた歌手なのに、小さなホールでのリサイタルでも、拍手を浴びて本当に嬉しそうに、はにかみながら微笑んで、観客に小さな投げキッスを送るさまに、ちょっと感動してしまいました(拍手を受けるたびに、退場するたびに、ピアニストに手を差し伸べてエスコートを求めてた。いつも共演してるピアニストなのかな? ずいぶん慣れている感がありました)。
 アンコールの拍手をしながら、なぜか、『スカラ座の人』http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085282357/7に載っていた、「カラス最後のリサイタル」のエピソードを思い出してしまいました。いずれ、かいつまんでご紹介します。

16tsukune☆彡:2005/11/10(木) 23:31:44
リッチャレッリって、昔のコンサートではアンコールを大盤振る舞いでバンバン歌ってたんですよね。最後にはハイヒールを脱ぎ捨てて歌った...みたいな見出しで、音楽雑誌に出てましたもの。
私はリッチャレッリが大好きなんですが、彼女のカンツォーネも大好きです。全盛期の来日公演の折に日本で録音した、「アモーレ・ミオ、イタリア!」っていうタイトルの素敵なアルバムがあるんですが、カロ・ミオ・ベンや愛の喜びなどのようなイタリア古典歌曲とともに、フツウは男声のレパートリーであるカタリとか魅惑、君なんかもうなどのトスティの歌曲を歌っていて、これがとっても良いんです。トスティでは、声の美しさと彼女独特のちょっと儚げなで切ない歌心がうまくマッチしていて、男声で聴くよりも自分にはしっくりきます。長らく廃盤だったみたいですが、つい最近1500円ぐらいで再発売されていたのを新宿塔で見かけました。
それと、リッチャレッリって1980年代の半ば頃は、かなりベルカントのレパートリーに比重を置いていたみたいです。ポリーニ指揮で話題となった湖上の美人とか、清教徒のオリジナル盤初録音とか、ロッシーニのアリア集なんかも出してました。

17tsukune☆彡:2005/11/10(木) 23:41:51
ちなみに、そのCDは↓です。
カーティア・リッチャレッリ「イタリア歌曲名曲集〜カタリ」
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=644204&GOODS_SORT_CD=102
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00007FOW6/qid=1131633633/sr=1-2/ref=sr_1_2_2/249-0934827-2894723

18さーじょん:2005/11/12(土) 00:26:56
tsukune様、情報ありがとうございます。tsukune様の傾向から見て、リッチャレルリをお好きだというのは、何となく納得できますね〜
公演プログラムによると「ハイヒールを脱ぎ捨てての延々15曲に及ぶアンコール」は、88年の来日リサイタルだそうです。

19さーじょん:2005/11/14(月) 23:15:39
 11月14日(月)東京オペラシティコンサートホールにて、ペーター・シュライヤー最後のリサイタル「冬の旅」を鑑賞。テノール:ペーター・シュライヤー、ピアノ:アレクサンダー・シュマルツ。リサイタルの最後に、「シュライヤーさんが東京で歌うのはこれが最後です」って字幕が出ていた。1935年生まれ、70歳だから、当然といえば当然でしょう。
 普段、リートはまったく聴かないが「三大歌曲集」だけは、僕の中ではちょっと特別な地位にあります。中学生の頃に、F=ディースカウ、G・ムーア、DG録音の「三大歌曲集」のLPを、親にねだって買ってもらった。10代の頃は、夏は「水車小屋の娘」、冬は「冬の旅」、そして「白鳥の歌」は一年中、よく聴いていました。曲を取り出して聴くというより、通しで聴くのが好きでした。まあ、ぶっちゃけて言えば思春期だったんですね。。。最近はまったく聴かなくなったけど、「シュライヤー最後の」というフレーズに釣られて、つい行ってしまいました。
 たまにマジメに、ちゃんとした歌手で聞くと、リートっていいですね。おそらく声は衰えて、若い頃より不安定になっているのかもしれません(下降していく音型のときにフラット気味になるのは、若い頃からですが……)。しかし、声力、声量、声圧がひとつの勝負どころとなるオペラとは違い、70歳だからこそ、こういう歌い方ができるのだなあという説得力がありました。「菩提樹」のように、明らかにシュライヤーの声域には低すぎる曲もありましたが、そうではなく声域がぴったりだった曲も多かったのは、意外でした。もっとも僕の耳では、移調していたとしてもまったく気付かないわけですが。。。

20さーじょん:2005/11/14(月) 23:16:50
 シュライヤーといえば「水車小屋の娘」というイメージが強いのですが、公演プログラムによると、50歳になってから初めて「冬の旅」を歌ったのだそうです。一曲目の始まる前など、じーっと考え込むように集中して「曲のイメージに入り込んで」から、ピアノに合図を出していたのが印象的でした。いくつかの曲では、集中してから顔を挙げ、ピアノがイントロを弾き始めると、いまにも何か語り出しそうな、思い詰めた表情になってから歌い出します。やはり連作歌曲集が持っている「世界」を大事にしているのですね。「辻音楽師」が終わった後の余韻もたっぷり取っていて、拍手が鳴り始めるまでに相当な間がありました。この余韻が、何とも心地よかったです。
 アンコールは一曲。シューベルト「さすらい人の夜の歌」アンコール後の拍手では、ほぼ「総立ち」となりました。
 じつはシュライヤーを聴くのは二回目(そして今回が最後なんですね……)。前回は17年前で、1988年11月30日(水)、昭和女子大学人見記念講堂です。ピアノはワルター・オルベルツで、「遙かなる恋人に」を中心としたベートーヴェンの歌曲と、「詩人の恋」というプログラムでした。

21さーじょん:2005/11/14(月) 23:17:36
 ついでに書くと、このころは、リートも割と聴きに行っていたのです。二人の歌手の「冬の旅」を聴いています(もっとも、これらの情報は、残っているパンフレットと当時のメモ帳に書き込んであるスケジュールを見て、「あーこんなの見てたんだー」とおぼろげな記憶をたどっているに過ぎません。やはり感想を残しておくべきでした)。
 テオ・アダム、1988年10月3日(月)、サントリーホール。ピアノ:ルドゥルフ・ドゥンケル。
 ヘルマン・プライ、1990年11月19日(月)、サントリーホール。ピアノ:レナード・ホカンソン。
 双方ともサントリーホールですから、間違いなく舞台の後ろの席だったはずです(もしかしたらプライの方は、舞台の後ろの席は売られていなかったかもしれない)。だから印象が薄い、というわけではなく、やはり当時の僕の、「子ども(20歳そこそこ)の耳」では、現在ほどにはその素晴らしさを受け止めることができなかったのでしょう。
 それでも、10代の頃にこの歌曲集を聴いていたのは、幸いなことなのだと思います。すべての曲が「親しみのある」ものになっていたおかげで、今日のシュライヤーの「冬の旅」も十分に堪能できたわけですから。

22さーじょん:2006/11/23(木) 09:41:50
11月21日(火)東京オペラシティ・コンサートホールにて、UBSヴェルビエ・フェスティバル・オーケストラ公演。クラウス・ペーター・フロール指揮。ブリン・ターフェル(バス・バリトン)。
 [モーツァルト]歌劇『フィガロの結婚』序曲/コンサート・アリアK432「そなたはこうして裏切りをするのか〜苦く恐ろしい後悔の気持ちが」/コンサート・アリアK245/621A「私はあなたに別れを告げます」
 [ワーグナー]歌劇『さまよえるオランダ人』序曲/「死の予感のごとく夕闇が地をおおい〜ああ、わが優しの夕星よ」(歌劇『タンホイザー』より)/「期限は切れた〜何度も海の底深く」(歌劇『さまよえるオランダ人』より)
 (アンコール)アラン・マレイ「あなたと並んで歩こう」/「窓辺に出ておいで」(歌劇『ドン・ジョヴァンニ』より)
 (休憩)
 [プロコフィエフ]バレエ音楽『ロメオとジュリエット』より(クラウス・ペーター・フロール編)
 (アンコール)グリーク「山の魔王の宮殿にて」(『ペール・ギュント』より)/ブラームス「ハンガリー舞曲」第5番

23さーじょん:2006/11/23(木) 09:47:16
 このオケ、演奏を聴くのはもちろん、名前を見るのも初めて。パンフレットの解説や幕間のアナウンスなどから総合すると、「UBS証券(CEOマーク・ブランソン)がおカネを出して、全世界三十数カ国から集まった17〜29歳の演奏者で構成されたオーケストラ」ということらしい。毎年11月に世界各地で公演を行っており、今年で創設7年目。とまあいろいろ書いたものの、当然ながら僕自身のお目当ては前半のターフェル。後半は居眠りこそしなかったものの、あまり集中していなかったことは確か。あ、でも、前の方(3列目)の席で、バイオリンには綺麗な女の子も多かったから、目の保養にはなったなあ……。
 さてターフェル、登場して最初に感じたのは「デカい!」。指揮者が小柄な人だったから余計にそう感じました。でもって声圧・声力も相当なモノです。一曲目のコンサート・アリアからいきなり全開。「夕星の歌」はこの上なく美しく、「オランダ人」のモノローグは本当に熱演でした(ただしオケは予想どおりです。「夕星の歌」のホルンなんて、それはもう……)。
 終演後に出会った知人ともお話ししましたが、このホールで、オケの前でワーグナーを歌ったら、声が管弦楽に埋もれてしまうこと必至でしょうが、それを飛び越えて声が響いてきました。アンコールの『ドン・ジョヴァンニ』のセレナーデでは、赤いばらを一輪手にして登場、客席に降りてきて、女性客を口説きまわりながら歌うという茶目っ気も見せてくれました。

24さーじょん:2006/11/23(木) 09:48:11
 『帝国・メト』http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085282357/3下巻の166ページには、ターフェルのメト・デビューに関する記述があります。かなり好意的な書きぶりです。そこにも「リサイタルのプログラムに、ほぼつねにウェールズ地方の民謡を入れる。……民族遺産への貢献である」という記述がありました。今回もアンコールの一曲目は本人が「ウェールズの歌です」とアナウンスしていました。
 同じ箇所には、「四十代前半で歌手活動を停止し、羊牧場を経営する家族と寄り多くの時間を過ごすのを彼は楽しみにしている。彼がこの計画を実行すると、彼の公演のチケットを手に入れた人々は、若いターフェルを聴いた、と自慢できるだろうが、この自由な精神の持ち主を失うことを考えれば、その慰めはあまりにも小さい」とも書かれています。
 1965年生まれですから、まだ41歳。もしかしたら、「最初で最後のチャンス」だったのかしら? 一昨日の歌を聴いた限りは、これから是非、ヴォータン、クルヴェナール、ハンス・ザックス、バラクなどなどの役柄の録音を残してほしいと、切に思います。
 というわけで、ターフェル公式サイト↓
http://www.deutschegrammophon.com/artistmicrosite/?ART_ID=TERBR
 非公式サイト↓
http://www.geocities.com/Vienna/Stage/4118/index.html

25さーじょん:2007/02/10(土) 07:20:31
2月9日(金)、東京オペラシティ・コンサートホールにて、「エヴァ・メイ ソプラノ・リサイタル〈歌曲の夕べ〉」。ソプラノ:エヴァ・メイ、ピアノ:アレクサンダー・シュマルツ。ちなみにピアニストは>>19と同じです。
 前半:喜びの気持ちを(モーツァルト)、非難/アルプスの羊飼いの娘/ゴンドラに乗って/踊り(以上ロッシーニ)、喜ばせてあげて/ゆかしい月よ/後生だから、私の愛してやまぬ人よ(以上ベッリーニ)、ストルネッロ/人生は苦悩の海/ブリジディン/あなたの坊やに/煙突掃除夫(以上ヴェルディ)。
 後半:美しい夕暮れ/マンドリン/グリーン/木馬/冬はそこにマントを残して/操り人形(以上ドビュッシー)、あなたは私の心の王冠/私は漂う/花束を編みたかった/母親の自慢話/アモール(以上R・シュトラウス)。
 アンコール:なくしてしまった(「フィガロの結婚」より)、私のお父さん(「ジャンニ・スキッキ」より)、不明。
 前半は、上は銀色っぽいシャツに下は黒(あれれ? タイトスカートかパンツか、忘れてしまった。。。)後半は黒の上下。上は肩の当たりに宝石のような飾りをあしらって、下は長めのタイトスカート。

26さーじょん:2007/02/10(土) 07:21:46
 今回は2階席のチケットは売られてなかったようです。僕は1階いちばん後ろの列でした。後ろのサイドのほうは空席がありましたが、全体としては8〜9割くらいの入りでした。平日19時開演だったせいか、休憩から席に着いた観客も結構いました。
 後の席だったせいか残響がかなり強く、それに耳が慣れるまでちょっと時間がかかりましたが、2〜3曲も聴くと、かえって心地よく思えてくるから不思議です。そうして落ち着いて聴いてみると、エヴァ・メイ、やはり美しい声ですね。僕は大好きです。
 2005年1月藤原歌劇団の椿姫http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073887569/11-14も、2006年9月ローマ歌劇場来日公演のリゴレットhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073887921/36-44も観ているので、結果として彼女が来日するたびに、すべて観ていることになります。上記「椿姫」を観たときには、「決して超一流ではないと思う」と書きましたが、2年間ですっかり大スターになった気がするなあ。そういえばこの2年間に、彼女の出演したDVDがずいぶん出てるし。。。
 前半で印象に残ったのは「アルプスの羊飼いの歌」、「踊り」「ゆかしい月よ」など。後半はかなり意欲的なプログラムで、R・シュトラウスはちょっと「自分のモノにしていない」といった感もありましたが、ドビュッシーはなかなかのモノでした。フランス語の歌は、彼女の声の美しさがいっそう栄えるような気がしました。「母親の自慢話」は>>6で津山恵さんがアンコールで歌った曲ですね。そういえば、イタリア人がドイツ語の歌を歌うのを観たのは、生まれて初めてかもしれない。。。

27さーじょん:2007/02/10(土) 07:26:35
 前半・後半ともプログラムの最後には、コロラトゥーラの技巧を披露するような曲を持ってきていて、観客の反応も結構よかったのですが、印象に残ったのはむしろドビュッシーのような、静かに聴かせる曲のほうでした。今回のリサイタルを聴いて、彼女が今後どんな方向に芸の幅を広げてゆくのか、ちょっと楽しみになりました。
 ネット上を漁っているうちに見つけました↓ 普段着も可愛らしいなあ。。。
http://www.klausrudolph.de/cgi-bin/ImageFolio4/imageFolio.cgi?direct=Mei_Eva&img=
http://blog.eplus.co.jp/etheatrix01/2006-09Roma4

28tsukune☆彡:2007/02/11(日) 00:59:02
あら... メイ良かったんですね。
どうしようか迷ってたんですが、やっぱりオペラアリアの方は聴きに行こうかな...
藤原トラヴィアータは聴いたんですが、その時は結構良かったと思いつつも、あまり印象に残ってないんです。
メイはどちらかというと個性をギラギラに見せびらかすよりは、なんとなく淡白にきこえるぐらい音楽を大事にするタイプだと思うので、ベッリーニの歌曲なんてきっとピッタリだったのじゃないでしょうか。
ちなみに、彼女の旦那さまはドイツ人だそうですYO!

29さーじょん:2007/02/11(日) 10:28:36
tsukuneさま、カキコありがとうございます!
僕はエヴァ・メイの声自体が「好み」なので、バイアスかかってて、「オペラアリアの夕べも絶対オススメ」と正々堂々とは言いにくいのですが、決して損はしないと思いますよ。
旦那がドイツ人でしたらドイツ語の歌を歌うのも、納得ですね。

30tsukune☆彡:2007/02/14(水) 01:33:40
メイのオペラアリアの夕べ、とってもとってもとってもステキでした!
教えてくれてありがと〜〜っ (*^_^*)
思いっきり派手に感動するっていうのじゃなくて、美しい音楽を聴く喜びがしみじみとこみ上げてくるコンサートでした。
こうなったらチューリッヒのトラヴィアータも行くしかない〜〜っ

31さーじょん:2007/04/01(日) 23:54:19
4月1日(日)、東京文化会館にて、エディタ・グルベローヴァ オペラ・アリアの夕べ。
指揮:フリードリッヒ・ハイダー、バリトン:イヴァン・パレイ、演奏:オビエド・フィラルモニア。
http://www.nbs.or.jp/stages/0704_gruberova/index.html
http://www.nbs.or.jp/news/detail.php?id=463
 前半:『劇場支配人』序曲、『後宮からの逃走』より「あらゆる苦しみが」、『ドン・ジョヴァンニ』より「窓辺に出でよ」(パレイ)、『ロベルト・デブリュー』序曲、『ランメルモールのルチア』より狂乱の場。
 後半:『ノルマ』序曲&「清らかな女神よ」、『4人の頑固者』序曲と間奏曲、『スザンナの秘密』序曲、『ドン・パスクワーレ』より「天使のように美しい」(パレイ)、『テンダのベアトリーチェ』より「もし私に墓をたてることが許されても」。
 アンコール:『シャモニーのリンダ』より「ああ、あまりにも遅すぎた〜私の心の光」、『こうもり』より「田舎娘を演じるときは」。

32さーじょん:2007/04/01(日) 23:55:05
 素晴らしいリサイタルでした。グルベローヴァが歌ったのは4曲だけですが、『ルチア』の狂乱の場も、「清らかな女神よ」もカヴァレッタまで歌ってましたので、ちょっとした「オペラ名場面集」といった感がありました。
 登場1曲目の『後宮』のアリアから全開で、この1曲ですっかり観客も熱狂してしまいました。もっとも、このクラスの大歌手のリサイタルでは、ほとんどやけくそのように「ブラヴォ」を叫ぶ観客も少なくないわけですが。
 アンコール、『シャモニーのリンダ』のアリアは、前回の来日公演でもアンコールで歌っていました。圧巻というか、最も素晴らしい歌だったのは、『こうもり』のアデーレのクプレです。終演後に知人の方とお話ししましたが、「あの一曲だけで、上野がすっかりウィーンになってしまった……」と言われていました。まったくそのとおりです。
 残念ながらというか、当然と言うべきか、バリトン歌手は「おまけ」でして、あまり印象に残っていません。
 2008年のウィーン国立歌劇場引越公演でグルベローヴァも来る予定ですが、おそらくそれが日本で彼女のオペラ全曲を聴ける、最後のチャンスになるのではないかしら。

33さーじょん:2008/04/27(日) 02:22:09
4月26日(土)津田ホールにて、津山恵ソプラノ・リサイタルを聴く。
ソプラノ:津山恵、ピアノ:服部容子。
 前半:
ズライカⅠ/ズライカⅡ(以上シューベルト)、ズライカの歌(シューマン)、ズライカop.34-4/ズライカop57-3(以上メンデルスゾーン)。
ヴェーゼンドンクの歌:天使/止まって!/温室で/苦悩/夢(以上ワーグナー)。
 後半:
オペラ『エルナーニ』より「エルナーニ! 私を奪い取ってください!」、オペラ『ドン・カルロ』より「世の空しさを知り」(以上ヴェルディ)。
オペラ『エフゲニー・オネーギン』よりポロネーズ(ピアノソロ)、「手紙のアリア」(以上チャイコフスキー)。
 アンコール:
オペレッタ『微笑みの国』より「感謝いたします」(レハール)、「待ちぼうけ」。

34さーじょん:2008/04/27(日) 02:22:46
 ネットで調べたところ、ちなみに「ズライカ」とは、「イスラム文学のなかでもっとも美しく才智あふれる女性の意」だそうです。
 前半は、上半身に光る飾りをあしらった、ターコイズブルーのドレス。後半は黄緑色、最後はオレンジ色のドレスでした。
 津山さんのヴェルディ、僕的にはちょっと意外感がありましたが、昨年はhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1195261945/3-5のような役も歌っていますから、かなり芸域が広がっているのでしょうね。プログラムを見たときには、ドン・カルロのアリアのほうが似合うだろうなと思ったのですが、どちらかというと、エルナーニの方が印象に残りました。昨年、コンスタンツェなどに挑戦した成果でしょうね。
 9月のエフゲニー・オネーギン、とても楽しみになってきました。

35さーじょん:2008/11/12(水) 23:18:22
11月11日(火)東京文化会館にて、エヴァ・メイ&アントニーノ・シラグーザ デュオ・リサイタル鑑賞。
エヴァ・メイ(ソプラノ)、アントニーノ・シラグーザ(テノール)、パオロ・バッラリン(ピアノ)
前半:
 ドニゼッティ『ドン・パスクワーレ』〜「その眼差しの魔力を」(メイ)、「もう一度、愛の言葉を」(デュオ)。ベッリーニ『清教徒』〜「愛しい乙女よ、あなたに愛を」(シラグーザ)。ドニゼッティ『連隊の娘』〜「高い身分と豪勢な暮らしに……フランス万歳!」(メイ)、「マリーのそばに居るために」(シラグーザ)、「何ですって? あなたが私を愛している?」(デュオ)。
後半:
 カルディッロ「カタリ」(メイ)。ララ「グラナダ」(シラグーザ)。ベッリーニ『夢遊病の女』〜「おお、花よ、お前に会えるとは思わなかった……ああ、この思いを乱さないで」(メイ)、「この指輪を受けてください」(デュオ)。ドニゼッティ『愛の妙薬』〜「人知れぬ涙」(シラグーザ)、「そよ風に聞けば」(デュオ)。
アンコール:
 プッチーニ『ラ・ボエーム』〜「ムゼッタのワルツ」(メイ)。ドニゼッティ『連隊の娘』〜「ああ友よ、何と楽しい日」(シラグーザ)。「オー・ソレ・ミオ」(デュオ)。ヴェルディ『椿姫』〜「乾杯の歌」。

36さーじょん:2008/11/12(水) 23:19:10
 割とちんたらチケットを取ったにもかかわらず、何と1列目! 1列目だから息継ぎの息づかいまで、とてもよく聞こえました。間近で見たおかげもあったのか、先週土曜日に同じ会場で見た『ロベルト・デヴリュー』http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1225141374/3-4に匹敵するくらい、心から楽しんでしまいました。こういう公演が続くと、本当にオペラって楽しいなあと思ってしまいます。
 世間的にはおそらく、シラグーザのほうが大スターなのでしょうか。もちろん僕はエヴァ・メイ萌えですから、エヴァ・メイが目当てです。前半は、上は肌が透けて見えるかのように前後にレースをあしらって(実際にはレースの下に肌色の布)、ファーを肩に掛けていました。下はやはりサイドがレースの、膝下くらいのタイトスカート(こちらは本当に足がちらりと見えてました)。後半は、上は白のサテン、下は細身のロングスカートです。
 1曲目の『ドン・パスクワーレ』のアリアあたりは、まだ暖まっていないかなという感もありましたが、『連隊の娘』あたりから調子を上げて、『夢遊病の女』のアリアは絶品でした。シラグーザは、初めから終わりまで、やはり安定していました。アンコールのHi-Cも楽勝といった感がありました。2006年に見たボローニャ歌劇場の『連隊の娘』http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1083258243/5-9は、来日公演はボンファデッリですが、もともとはエヴァ・メイがマリーだったようでして、今回のリサイタルを見たら、つくづく「エヴァ・メイのマリーで聴きたかったなぁ」と思いました。

37さーじょん:2008/11/12(水) 23:20:19
 レパートリーも、今の二人によく合っているものを選んでいたと思います。ただ、1966年生まれのエヴァ・メイは、おそらくは声質が変わりつつあるのではないかな、と思うようなところもありました。そういえば、>>25-27では、しっとりと歌うような曲のほうが印象に残ったので、もうそろそろ、コロラトゥーラの技巧で聴かせるのは、辛くなりつつあるのではないでしょうか(そう考えるとやはり、還暦過ぎてもツェルビネッタを歌うグルベローヴァは、別格なんですね)。
 最後の「乾杯の歌」も良かったですねー。シラグーザのアルフレード、マントヴァ公は(ついでにロドルフォも)、これから聴いてみたいなーと思いました。ソプラノの歌う「カタリ」や「オー・ソレ・ミオ」(デュオですが)は、珍しいものが聴けたなーという感じです。
 それにしても、二人とも芸達者ですねー。デュオの曲中のちょっとしたやり取りが、とても面白かったです。これは1列目で見て、本当に正解でした。

シラグーザ公式HP  http://www.antonino-siragusa.com/

38さーじょん:2009/01/11(日) 02:00:05
2009年1月5日(月)新国立劇場オペラ・バレエ ニューイヤー オペラパレス ガラ鑑賞。
第1部〈バレエ〉『ドン・キホーテ』より第3幕。
 渡邊一正指揮、新日本フィルハーモニー管弦楽団。寺島ひろみ(キトリ)、山本隆之(バジル)。
第2部〈オペラ〉
 菊池彦典指揮、新日本フィルハーモニー管弦楽団、新国立劇場合唱団。
 『ナブッコ』より序曲、『イル・トロヴァトーレ』より「静かな夜」(木下美穂子)、『オテロ』より「喜びの炎よ」(新国立劇場合唱団)、「すでに夜も更けた」(セレーナ・ファルノッキア、ジュセッペ・ジャコミーニ)、「無慈悲な神の命ずるままに」(直野資)。
 『道化師』より「衣装をつけろ」(ジャコミーニ)。
 『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲。
 『トスカ』より「妙なる調和」(市原多朗)、「テ・デウム」(直野資)、「歌に生き、恋に生き」(ファルノッキア)、「星は光ぬ」(市原)。
アンコール;
 『アドリアーナ・ルクヴルール』より「私は神のしもべ」(ファルノッキア)。
 『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」。

公演概要↓
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000146_opera.html

39さーじょん:2009/01/11(日) 02:00:50
 会場でお会いした知人の方から「昨年はイマイチ盛り上がりに欠けて、兎に角さくさく進行してゆく感じでしたよ」と言われ、若干不安がありましたが、その方の仰ったとおり、兎に角あっさりと進行してゆきます。あまりあっさりしていて、最後の「妙なる調和」のあと、(最後の曲であってにもかかわらず)拍手がとぎれて、その後、緞帳が開いて、合唱団員一同が並んでいたので、観客がおもむろに拍手を始める、といった具合でした。
 ただし「誰も寝てはならぬ」はさすがに盛り上がりました。
 とくに誰が印象に残った、ということもなく、ある意味「顔見世」を楽しんだと言えるでしょう。ただし、「新年の幕開け」に相応しいイベントかと問われると、そこはちょっとどうかなと思ってしまいました。今年の舞台鑑賞初めは、3日の国立劇場の歌舞伎公演でしたが、開演前には、鏡開き、獅子舞、大神楽などでめでたく新年を祝っておりました。
 それと比べてしまってはどうかと思いますが、イベントとしての盛り上がりはちょっと足りなかったかなとも思われました。

40大穴:2009/01/12(月) 09:20:33
実は2日目も鑑賞したんですが、オテロの合唱の後に直ぐに照明を落として、音楽が終わったことをわかりやすくしていたりとか、結構演出(という程でもないですが...)が手直しされてました。
最後のカヴァラドッシのアリア(星は光ぬですよね ^^; )の後も、幕が降りて開いて合唱団が整列しているまでちゃんと拍手が続いてましたし。
2日目はタロウちゃんが大熱演で、2つのアリアがホントに素晴らしかったです。
ガラというには曲も歌手もイマイチ華やかさに欠けたけど、聴き手の我々も盛り上げ下手だったかなーという気もします。なんていうか、とっても生真面目に反応していて、お祭りを楽しんじゃうっていうノリがちょっと足りないというか...

アンコールの2曲にはとても感動しました。
アドリアーナは大好きなオペラだし、誰も寝てはならぬでは、ちゃんと舞台裏から合いの手を入れる合唱が聴こえてきたし。
あの曲は、合唱パートを省略して歌うのと、ちゃんと合唱が入るのとでは全然印象が違ってくると思うんです。特に新国の合唱は素晴らしいので、あの場面で舞台裏から聴こえてきたソット・ヴォーチェの美しい合唱に、すっかり胸が一杯になってしまいました。

41さーじょん:2009/01/13(火) 01:30:52
大穴さま、コメントありがとうございます。
 たしかに、オペラ、バレエでは、(とりわけ歌舞伎と比べると)「観客も一緒になって盛り上げる」というのは、あまり見かけませんね。新年ですからもっと盛り上がっても良かったかも知れませんね。
 一日目も「誰も寝てはならぬ」は盛り上がってましたねー。でも僕の好みから言うと、「ベタ」ですけど、「乾杯の歌」とか、「こうもり」のフィナーレのような、出演者全員出てきてみんなで歌う、みたいな曲のほうが「新年らしさ」は出たかなー、なんて思ってしまいました。

42さーじょん:2009/04/29(水) 22:47:42
2009年4月27日(月)日暮里サニーホールコンサートサロンにて、「独演コンサートシリーズ 歌曲の夕べ 声とピアノのアンサンブル」を聴く。
ソプラノ:津山恵、ピアノ:服部容子。
第1部:
 〈シューマン作曲「ミルテの花」より〉献呈/くるみの花/はすの花/ズライカの歌/ハイランドの未亡人/謎
 ショパン作曲「バラード」
第2部:〈シューマン作曲「女の愛と生涯」〉
 私があの人に出会ってから/すべての中で一番すばらしい彼/私には分からない、信じられない/私の指につけた指輪よ/手伝って、(女の)友よ/やさしい人、あなたはみつめる/私の心に、そして胸に/今、あなたは私にはじめて苦痛を与えたの
アンコール曲は2曲。
 シューマン作曲 君は花のように Du bist wie eine Blume
 R・シュトラウス作曲 セレナーデ Ständchen

43さーじょん:2009/04/29(水) 22:49:07
 第1部は、紺を基調とした花柄のドレス、第2部は薄紫のドレスでした。第1部で津山さん自身が曲の合間に解説。第2部では、冒頭でピアノの服部さんが解説をつけましたが、これが傑作でした。「この歌曲集……本当に名作ですけど、詩人も作曲者も男性だから、男性の目線から見た理想の女性なんですよね」、「だいたい女性は、モノがあると信じるんですよ。だから4曲目には、指輪の歌なんですね」などなど。
 さて、>>33-34以来、ほぼ1年ぶりとなる津山さんのリサイタルですが、やっぱり良いですね。まあ細かいこと言い出したらキリはありませんが、トータルとしては、歌曲というものの良さ、シューマン作品の美しさを堪能しました。曲としてはやはり、>>6-7以来、2回目となる「女の愛と生涯」が感動的でした。とくに7番、8番。
 あと、初めて行った日暮里サニーホールコンサートサロンですが、やはり声楽のコンサートシリーズの会場に選ばれるだけあって、響きがとても自然ですねー。声も良かったし、スタインウェイ&サンズのピアノがとてもまろやかに聞こえました。
 今回、仕事が割と立て込み気味で、ばたばたと仕事を片付けてから山手線に乗り込んでホールに向かい、座席についてもなかなか気分が鑑賞モードに入らなかったのですが、津山さんの一声を聴いて、すっかり心地よくなってしまいました。一言いうと、行って良かったなー。

http://maglog.jp/jvfnet/index.php?module=Info&infid=17822
http://www.jvf.gr.jp/3con/090119kao.jpg

44さーじょん:2012/03/18(日) 12:37:30
オペラ以外の感想は久しぶりです。といっても、リサイタルではありませんが。
 2012年3月13日(火)ルーテル市ヶ谷センターにて、エディト・マティス公開レッスン鑑賞。
 「Schone Stimmen」という団体が主催で、毎年開かれているようです。毎年終わってから「こんなのやってたんだ……行きたかったな」と思ってましたが、ようやく行くことができました。
 生徒は4人、いずれも女性です。うち1人は「声楽経験のある素人」のようですが、1人は二期会準会員、1人は芸大生、1人はリサイタルも開いているプロの歌手でした。
 さてレッスンですが、やはり期待通り、素晴らしいものでした。世界で活躍した歌手というものは、これほどまでに作品を深く掘り下げているものかと、感じ入りました。
 いろいろあったのですが、1点だけ。「seine Kuss」というフレーズを説明するときに「これは彼とのキスを思い浮かべて、dolceで・・・」と説明しました。そのときに、ちょこっと歌って見せたのですが、これが本当に、彼とのキスにうっとりとしているように歌声でして、ワンフレーズだけなのに鳥肌立っちゃいました。


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