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ドン・ジョヴァンニ

1さーじょん:2004/01/12(月) 15:22
作曲:ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
台本:ロレンツォ・ダ・ポンテ
初演:1787年、プラハ

12さーじょん:2004/07/26(月) 00:02
 オープニング、ドン・ジョヴァンニを追って登場する騎士長は、なぜか軍服風。ピストルを構えてドン・ジョヴァンニを威嚇し、発砲するが、ドン・ジョヴァンニは巧みによけて、騎士長を短刀(?よく見えなんだ)で刺す。アンナに呼ばれて出てきたオッターヴィオとその仲間たちは、「国家的捜査機関もしくは陰謀機関」を思わせるような身なり(彼らが「米軍兵」であることも、後半になって明らかになるが、この時点では「何だかよくわからない国家的機関の人たち」に見えた)。
 騎士長の死体が片付けられ、オッターヴィオがアンナを慰めている間に、なぜかカメラを構えたマスコミの一団が入ってくる。テレビクルーも入ってくる。現場には黄色い立ち入り禁止ロープが張られる。オッターヴィオは、復讐の誓いをマスコミの一団にアピールする。
 カタログの歌、「リスト」の代わりにレポレロがデイバッグから取り出したのは、無数の携帯電話だった。僕的には、これは相当面白かった。

13さーじょん:2004/07/26(月) 00:03
 マゼットとツェルリーナを含めた結婚祝いの一団は、薬物中毒の若者たち。とてもガラの悪い集団。ここではみな白い衣装(といっても、Tシャツやタンクトップ、白パンといった現代的な格好)。思い思いの場所で白い粉を嗅いで、ラリっている。公演プログラムの宮本亜門インタビュー(38ページ)では、「ヤッピー」という言葉が出てくるが、これはYoung Urban Professionalの意味を知らないインタビュアーの間違い。
 「ゲイ」という設定のレポレロ、薬物中毒集団の男の子の尻を触り、ほとんど殴りかかられそうになる。ツェルリーナとドン・ジョヴァンニの二重唱のあと、ツェルリーナは積極的にドン・ジョヴァンニの服を脱がしていく。そこへエルヴィーラが警官を伴って登場。エルヴィーラのアリアの間、ツェルリーナと警官が小競り合いを続けていて、そればっかり気になってしまった。
 第10曲bのオッターヴィオのアリアはカット。
 「ぶってよ、マゼット」後半、「仲直りしましょう……」のくだりで、ツェルリーナは注射器を取り出し、マゼットの腕に刺して、それでマゼットは期限を直す(というかラリってしまう)。

14さーじょん:2004/07/26(月) 00:03
 復讐を遂げんと登場したアンナ、オッターヴィオ、エルヴィーラの三人は、「ムンク仮面」を着けている。レポレロは、Tバックのお兄ちゃんといちゃつこうと外に出たところで、この三人をみつけ邸内へ招く。三人が邸内へ入ると、薬物中毒の若者集団が「ヒュー」という歓声。半裸で踊る男女もいる乱痴気騒ぎにたじろぎ、一瞬帰ろうとするが、レポレロとドン・ジョヴァンニの歓迎の挨拶を聴いて留まる。
 大詰めで、アンナ、オッターヴィオ、エルヴィーラたちは、拳銃を構えてドン・ジョヴァンニを追いつめる。アンナが誤って発砲。もちろん弾はそれたが、一同それで驚いていた。
 第2幕初めの場面。「エルヴィーラにばれたら……」とビビるレポレロに対し、ドン・ジョヴァンニはキスで勇気づける。エルヴィーラに迫られたレポレロ、明らかに女人恐怖症の仕草を見せる。窓辺でセレナーデを歌うドン・ジョヴァンニの前に現れたのは、なぜか幼女。それでもドン・ジョヴァンニはお喜びの様子。ツェルリーナの「薬屋の歌」の後半(予測はできたが)ツェルリーナは股を開いて、「ここにお薬……」。

15さーじょん:2004/07/26(月) 00:03
 レポレロとエルヴィーラが迷っているところに、アンナとオッターヴィオ、やはりマスコミの一団を引き連れて登場。舞台中央当たりにあったコンクリートの塊が、じつは騎士長の棺だったという設定。それを開けると、騎士長の亡骸は星条旗に包まれている(いまにしてみると、この辺りから少しずつ「ネタばらし」が始まっていたように思う)。ドン・ジョヴァンニが入ってきて(みなはそのことに気づかない)棺の中から、30センチほどの大きさの騎士長の銅像を取り出して持っていく。
 ドン・ジョヴァンニ(じつはレポレロ)を発見したオッターヴィオ、「この決定的瞬間を逃すな」とばかりにマスコミの一団にアピールするが、それが人違いだとわかると、マスコミを追い出してしまう。アンナは、カメラマンから機材を取り上げ、フィルムを引き出してしまう。

16さーじょん:2004/07/26(月) 00:04
 オッターヴィオのアリア「僕の愛する人を慰めて……」後半で、オッターヴィオの手下と思しき男たちが入ってくるが、ここでは明らかに「米軍士官」とわかる衣装。オッターヴィオも、同じような格好に身を包む。胸の勲章の数がひときわ多い。
 エルヴィーラのアリア「あの悪者は私を裏切り」はカット。これはちょっと残念だった。
 騎士長の銅像を前にしての、ドン・ジョヴァンニとレポレロのやり取り。ここはちょっと「よくわからなかった」。ドン・ジョヴァンニは先ほどの小さな銅像を取り出し「おやこんなところにあいつの銅像が……」と言うが、レポレロの目に見えているのは、ホンモノの騎士長の亡霊。最後には、ドン・ジョヴァンニも騎士長の亡霊に気づく。
 ドンナ・アンナのアリア「つれないなんて言わないで」末尾(オッターヴィオはすでに退場している)、オッターヴィオではない浮気相手(地獄墜ちの場面ではオッターヴィオの片腕として登場)と抱き合う。再登場したオッターヴィオはそれに気づくが、アンナに声も掛けずに去っていく。

17さーじょん:2004/07/26(月) 00:04
 騎士長を招いての晩餐の場。中央に段ボール箱と大きな板を組み合わせたテーブルが組まれる。宴会に招かれているのは、浮浪者の老婆の集団。振る舞われたのはケンタッキー・フライド・チキン。
 騎士長と一緒に登場した亡霊たちは、ヘルメットをかぶり、明らかに戦場で死んだ米兵の格好をしている。そこへオッターヴィオと、先ほどのアンナの浮気相手が入ってくる。ドン・ジョヴァンニは騎士長に地獄へ連れて行かれるより前に、オッターヴィオとその手下によって射殺されてしまう。騎士長の呼び声に応えて起き上がったドン・ジョヴァンニ、上半身裸になると、胸には拳銃で撃たれた跡、そして背中には、明らかに拷問された跡。ドン・ジョヴァンニの地獄墜ちとともに、正面の壁が前方に倒れる。
 エピローグ、事の経緯を話そうとするレポレロに、オッターヴィオは拳銃を突きつけ、真相を言わないように脅かす。アンナとオッターヴィオは一同に小さな星条旗を配り、レポレロを除く全員がそれを振りながら歌う。上手後方には、大きな星条旗も登場。一方、下手後方にはドン・ジョヴァンニ。二本の白い羽根を落とす。──幕──(ふぅ、疲れた。)

18さーじょん:2004/07/26(月) 00:04
 初めの方、登場人物が「何でこんな格好なんだろ? 何でこんな設定なんだろ?」ってよくわからなかったんだけど、舞台が進むに連れて、それらが「現代アメリカ的なものの象徴」であることが少しずつ仄めかされていった。エピローグでそれが完全に明らかになったとき、僕自身が、完全に演出家の術中にはまったことを知った。嗚咽しそうなくらい感動した。
 歌・演奏については、残念ながら大きく印象には残らなかった、というか、演出ばかりが印象に残ってしまったからなんだけど、いくつかの箇所で、僕の好みから言うと少しテンポ早いかなと思ったところがあったものの、総じて好演だったと思う。
 ていうか、何だか知らないけどスゲエ感動したもんで、水曜日に新宿文化センターに行くことにしました。
 ひとつだけこぼれ話。席に着こうとすると、扉のところで夫婦連れ。奥さんが半ベソかきながら「こんな高いところ、怖くてダメ、絶対ダメ、知ってたら来なかった……」。文化会館の5階席って、確かに高所恐怖症ではダメだろうね。

19さーじょん:2004/07/28(水) 00:53
モノ好きにも、28にも同じプロダクションを再見することにしてしまった。
今度は新宿文化センター

20さーじょん:2004/07/28(水) 00:59
宮本ドン・ジョヴァンニに関するニュース
http://www.music.co.jp/classicnews/c-news/2004/0718-0724.html

21さーじょん:2004/07/30(金) 01:34
今日届いたDVD。配役等は↓に載っている
http://www.asahi-net.or.jp/~eh6k-ymgs/op/giovanni.htm

22さーじょん:2004/08/12(木) 05:43
>>2の公演、DVDになっていた。昨日届いた
http://store.operapassion.com/dvd533.html
非常に感慨深い

23さーじょん:2004/08/21(土) 14:10
>>2 >>22のDVD鑑賞。
1977年1月6日、NHKホール、ベルリン国立歌劇場来日公演。ハインツ・アーノルド演出、オトマール・スイトナー指揮、ベルリン国立歌劇場管弦楽団・合唱団。
テオ・アダム(ドン・ジョヴァンニ)、アンナ・トモワ=シントウ(ドンナ・アンナ)、ペーター・シュライアー(ドン・オッターヴィオ)、ケイ・グリッフェル(ドンナ・エルヴィラ)、ジークフリート・フォーゲル(レポレロ)、レナーテ・ホッフ(ツェルリーナ)、ペーター・オレッシュ(マゼット)、斎求(騎士長)。
 上にも書いたとおり、感慨深いの一言に尽きます。25年を経てようやく第二幕まで通して観たわけですから。改めて鑑賞して、僕がカセットテープを聴き続けていたわけが分かった。結構な熱演なのである。

24さーじょん:2004/08/21(土) 14:10
 25年前のテレビ放送を、(おそらく家庭用ビデオデッキで)録画したモノだから、画質・音質とも、満足できるレベルとは言い難い。「ステレオ放送」も「Hi-Fiビデオ」も無かった時代だしね。それでも、記録として見るには十分でしょう。
 実演舞台の映像が少ない、テオ・アダム、ペーター・シュライアーの動く姿が観れるのはうれしい。といっても、二人とも僕はナマで観てるはずなんだけどね(リートだけど)。二人とも、めっちゃ舞台映えしますね。アダムは歌舞伎顔だし、シュライアーはこの当時はかなりイイ男だし。上の二人+トモワ=シントウが熱演。とくに第1幕、アンナとオッターヴィオのアリアが続くところは、もう興奮しっぱなしです。

25さーじょん:2004/08/21(土) 14:10
 マルツェリーナとマゼットの二人は、ちょっと先走りが目立つ所があります。エルヴィーラは、レチタティーヴォで一回、フィナーレで一回、出だしを間違えています。
 演出は、「超」がつくほど、オーソドックス&ト書きどおり。普通と違うのは、フィナーレで「石像は舞台には登場しない」ってことくらいでしょうね。
 全体を通して一つ気になったのは、トモワ=シントウとかシュライアーのように、イタリア語でも歌い慣れている歌手を除くと、総じてイタリア語の発音がよくないこと。ちゃんとしたイタリア語指導者がいないのではなかろうか? もしかしたら、当時の東独の国力を反映しているのかもしれませんね。
 ところで、ベルリンの壁崩壊以降、この劇場どうなったんでしょ? CDやDVDでは、ベルリン・ドイツ・オペラのほうが、はるかにおなじみですけどね。

26さーじょん:2004/09/18(土) 13:43
>>21のDVD鑑賞。
http://store.operapassion.com/dvd8009.html
 グリュンマーもローレンガーも、ベリーもグローベも素晴らしいが、それらすべての素晴らしさを合わせたのと同じくらいにF=ディースカウが素晴らしい。
 ローレンガーの凛々しい声が、エルヴィラにとてもよく合っている。正規録音はないのかな? ベリーも好演です。画質は、1961年であることを考えれば、十分なレベルでしょう。音質が不自然とも言えるくらいにクリアです。何らかのノイズ除去をした音源を使っているのでしょう。オケはやはりオフ気味で、「伴奏程度」にしか聞こえない箇所もあります。とはいえフリッチャイの統率の下で非常によい音を出していることをうかがい知ることができます。
 F=ディースカウは収録当時36歳(!)。やはり、かなり「やんちゃ」な歌いっぷりです。それにしても上手いよなあ。他の歌手がところどころ、先走って乱れているところがあるのに対して、F=ディースカウは決してそういう箇所はありません。あと、このDVD観て初めて気が付いたんだけど、F=ディースカウの歌って、バンド用語で言うところの「スピード感」がありますね。そこのところが、彼が「戦後最高のバリトン」にまで登り詰めた秘密の一つかもしれません。

27さーじょん:2004/09/18(土) 13:43
 F=ディースカウの自伝の241〜242ページ、343〜344ページに、このフィルムに関する記述がある。グリュンマーは体調不良をおして出演したこと、グラインドルとF=ディースカウへのフェンシングのレッスンが役に立たなかったことなどが書かれている。
 ところで最近、ショルティ自伝やらF=ディースカウ自伝やら、ホッターの評伝やら読んだせいだろうか、「やっぱ昔の人にはかなわんなあ」と思うようになってきた。
 彼らはいずれも、終戦直後の廃墟となったヨーロッパでの演奏活動を経験している。テレビは言うまでもなく、LPも今日のCDほどには普及していない、せいぜいラジオがあっただけの、娯楽が乏しかった時代に、人々がどれほど音楽に飢えていたか。音楽がどれほど人々の胸に希望を与えたか。彼らの自伝や評伝には、たびたび言及されている。
 精神論は振りかざしたくないけど、そういう時代をくぐり抜けた演奏家には、どう逆立ちしてもかなわないよなあ、なんて思ってしまう。
 「困難な時代にも堪え、高い芸術を維持してきたマイスターたち」(by ハンス・ザックス)ですね、まさに・・・

28さーじょん:2004/11/20(土) 11:59
ベーム指揮1977年ザルツブルク音楽祭実況録音
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002CHOI2

29さーじょん:2004/12/25(土) 06:39
クリップス指揮1955年録音。言わずと知れた、シエピのステレオ録音
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FL3T
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00004TEUU
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FLUU
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000009I7C
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005I4TB

30さーじょん:2005/02/26(土) 13:16:50
「影のない女」ばかり聴いていた反動か、明解なメロディが聴きたくなった。でもって、ショルティ指揮1978年録音を聴く。
http://catalogue.deccaclassics.com/catalogue/prodshow.jsp?searchstr=470427
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006469K
 キャストは豪華で、オケもかなり歯切れ良いのだが、歴史的名盤たちに比べると、いまいちインパクトがない気がする。一つだけ、ポップ(ツェルリーナ)の「薬屋の歌」だけはなかなかの聞き物だと思います。それとこの録音、他ではまったく演奏されることのない、22番と23番の間の。ツェルリーナとレポレロの二重唱を演奏している。これもポップのコミカルな歌い回しが楽しめます。ショルティって、いつもカットの少ない版で演奏しているように思う。「椿姫」のDVDもそうだったしね。

31さーじょん:2005/05/03(火) 23:42:42
アーノンクール指揮1988年録音
http://www.warnerclassics.com/release.php?release=3318
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000000SBV
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HHOF
 ある掲示板で「鋭角的な音づくり」と評されていた。まさにその通り。クリップスやベームの古典的でオーソドックスな指揮ばかり聴いていたので、かなり鮮烈な印象があります。間の取り方とか、テンポの緩急やダイナミクスの付け方がかなり独特です。
 歌手陣では、ハンプソンとグルベローヴァが印象的です。グルベローヴァ、コロラトゥーラも決まっていて、もちろん技巧的には言うことなしです。これだけ高音成分が多くて綺羅びやかなのに、ちっともヒステリックに聞こえないのは、奇蹟といってもよいでしょう。ハンプソンは、これまで聴いたなかでも、かなり僕のイメージにはまるドン・ジョヴァンニだと思います。

32さーじょん:2005/05/29(日) 02:53:01
1990年製作ピーター・セラーズ演出
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1076030
http://www.hmv.co.jp/Product/detail.asp?sku=1076033
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00092ZAN6
待望のDVD化です。通販で買ったのが届いたので、早速一気に観てしまった。大学生のとき、ゼミの先生がこの実演を観て、いろいろ教えてくれたんだよなあ。
 やっぱり、すごいインパクトです。見慣れた作品なのに、新たに生命が吹き込まれるとは、こういうことなんですね。読替の意図とか、演出者が伝えたいこととか、一切わかんないけど、兎に角アタマの中を引っかき回されたことは確かです。ベートーヴェンはこの作品を「背徳的」と評していた(らしい)。初演されたときに同時代人が受けた衝撃を再現しようとすると、このくらいでよいのかも知れません。>>11-20の宮本演出も、このプロダクションのインパクトとは比べものになりませんね。

33さーじょん:2005/05/29(日) 02:53:17
 DVDにはセラーズ自身によるあらすじ解説が付いてるんだけど、英語読むの面倒くさいから、後で読むことにしよう。
 ただし、演奏、歌唱は、歴史的名演に比べれば聴き劣りします。序曲からいきなり、「あ、ヌルい」と思ってしまった。強いて挙げれば、ドン・ジョヴァンニとレポレロの二人、黒人らしい張りと伸びのある声がよかったと思うけど、やはり演出を観るべきプロダクションであることは否定できません。
 あと、エルヴィーラが微妙にイイ女(っていうかちょっと好みのタイプ)だなあ。

34さーじょん:2005/05/29(日) 02:56:31
 もう一つ、書き忘れた。このプロダクションでは、>>30のショルティ盤同様、レポレロとツェルリーナの二重唱が演奏されている。これは結構効果的だと思う。あと、エピローグはちょっと違う版の譜面使ってるみたいだね。各々がこれからどうするかを歌う箇所がまるまる抜けています。

35tsukune☆彡:2005/06/12(日) 23:04:31
こんばんは!
こちらでは、初めまして...ですね。(^.^)

実はこのところすっかりモーツァルトにハマりっぱなしなんです。
というのも、100冊以上に分けて出版されているベーレンライターの新モーツァルト全集を
20冊にまとめた縮刷版を見つけて、衝動買いしてしまったからなんですが...^^;
http://www.paxallen.com/other/book02/books_ip02.html
これで、サン・カルロは吹っ飛びました。
私は特にコンサート・アリアが大好きなので、15年ぐらい前の新入社員時代の夏のボーナスで、
コンサートアリアの巻だけ清水の舞台から飛び降りる覚悟で取り寄せてもらったんですが、
四分冊になっていて10万円近くしたんです。一冊ずつボール紙のスリップケースに入った
大判のそれはそれは立派な楽譜だったんですが、とにかく高かった...(@_@;)
もっと早く縮刷版を出していてくれたら...

最近は、通勤時や会社の昼休みは、ずーっとスコアを見ながらモーツァルトを聴いています。
>>30のショルティ盤を聴きなおしてみたんですが、スコア通りのノーカットの演奏でした。
ポップも素晴らしいけど、私はこの盤ではなんといってもアンナのマーガレット・プライスが
イチオシです。
ちょっと人間離れした美しさというか、マダム・タッソーの蝋人形館にオペラの登場人物が
展示されていて、アンナの蝋人形がイキナリ歌いだしたらこんな声だった...?
って感じがしませんか?
それと、オッターヴィオのスチュアート・バロウズも、2つのアリアでコロラトゥーラの難しい
パートを力みのない美しいレガートで歌っていてとても素晴らしいと思います。

36さーじょん:2005/06/13(月) 01:58:48
>>35 つくね様、いらっしゃいませー!
 スコアを見ながらモーツァルト・・・う〜ん、ピアニストつくね様ならではですね。
 確かに、M・プライスは、クライバー盤イゾルデなんかよりも、こちらの方がハマってますよね。僕は初めて聴いたドン・ジョヴァンニが>>4のベーム盤で、ニルソンのアンナに慣れてしまっていたのですが、それに比べると、M・プライスは本当に女性らしい優しさもよく出ていると思いました。第2幕の大アリアなんかは、ニルソンではヒステリックに聞こえる感もあるけど、M・プライスやグルベローヴァなら、オッターヴィオへの愛情が伝わってきます。
 バロウズは、僕はこのオッターヴィオと、魔笛のショルティ旧録音のタミーノしか知らないんですけど、録音には恵まれなかったのかな? イイ歌手ですよね!

37女工ミミ:2005/09/25(日) 18:58:32
>>26
う〜む…どうもウィーン・アンサンヴルの中での役割的イメージがあるからか、
DFDのタイトルロールは"小悪党"敵なカンジがするなあ。確かに稀代の放蕩児の
割にはやり口がセコく、しかも失敗続きのある意味非常に情けない役なんで、
見方によっちゃ非常に役に合った演唱ではあるんでしょうけど、ピンツァや
ブラウンリーやシエピのような、もっと颯爽とした色気のようなものが
欲しいなあと思ってしまうところです。なんかルーペで毛穴やシワまで
バッチリ覗いちゃってますって気分とでもいいましょうか…。
グリュンマー、ローレンガー、ケートと、女声陣が素晴らしいのには同意。
特にケートのツェルリーナは、今まであんなおとめちっくな役作りの
ツェルリーナを観聴きした事がなかったんで却って新鮮でした。元の声が
凄くかわいらしいってのもあるんですけどね。夜の女王とかアデーレとか。

38さーじょん:2005/12/30(金) 03:00:56
都内へクルマで年末の買い物に出掛けた往復で聴いた、ラインスドルフ指揮1960年録音ハイライト盤。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00004U8FB
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=446809
 クリップス盤の陰に隠れて、全曲盤は長らく廃盤です。表題役とレポレロ、そしてオケもクリップス盤と共通ですから、致し方ないところでしょう。ニルソンも後のベーム盤よりは未熟な感は否めませんし。。。
 アマゾンのレビューでは「ウィーン的とは程遠い」と書かれているが、オケの響きはウィーン・フィル以外の何ものでもないと思うんだけどなあ。。。僕自身のお目当てはL・プライスのエルヴィーラ。やはり第2幕の大アリアは聴き応えがあります。

39さーじょん:2006/04/16(日) 00:40:09
ジュリーニ指揮1959年EMI録音。この作品の定盤の一つですね。しかし、何回再発されてるんだろ?
http://www.angelrecords.com/Detail.asp?UPCCode=724355623225
http://www.angelrecords.com/Detail.asp?UPCCode=724356787322
http://www.emiclassics.de/xml/6/550878/5678692.html
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006I0DC
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006BCDF
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002RNQ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002RXD
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=318332
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=910164
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=545914

40さーじょん:2006/04/16(日) 00:41:33
 豪華キャストの中でも、ひときわ印象的なのはやはりシュワルツコップ(エルヴィーラ)です。レチタティーヴォまで含めてかなり感情を込めています(周囲があまり熱くなっていない場面では、ちょっと空回りの感もありますが……)。それにしても、「フィガロの結婚」と並んで、この作品、モーツァルトの「女歌」がとても素晴らしいですね。アンナ、エルヴィーラ、ツェルリーナのアリアはどれも大好きです。あと、アルヴァ(オッターヴィオ)が意外と良かったなあ。
 録音当時30歳のヴェヒター、勢いが良いですね。http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073744514/17にも書いたけど、マゼットを歌っているカプッチルリと同い年。まあ、カプッチルリもある意味「回り道」」しているし、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1083078240/9に書いたように60歳過ぎても声の輝かしさを保っていたことを考えれば、若くして名を挙げるのが必ずしも良いことではないのかも知れませんが。
 オケは早めのテンポで良いなあと思う箇所もあるのですが、やはり>>29のウィーン・フィルやその他の名盤と比べると、ちょっと、まとまりのなさが気になってしまいます。基本的な技術力の差なのか、当時のジュリーニの統率力の問題なのか……。

41さーじょん:2006/05/29(月) 00:12:19
中古CD店で>>38の全曲盤入手。廃盤なのにお手頃な値段。ありがたやありがたや。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000004276
 骨太でダイナミック、でもショルティやベームとはひと味違います。僕はこの感じ、結構好きだなあ。。。正直、シエピのドン・ジョヴァンニなら、いろんな指揮で聴いてみたいので、クリップス、フルトヴェングラー以外のものが聴けるのはうれしいですね。ちなみに、第2幕のレポレロとツェルリーナの二重唱も入っています。

42さーじょん:2006/09/24(日) 03:51:31
部屋を片付けながら聴いた>>29クリップス盤。
http://catalogue.deccaclassics.com/catalogue/prodshow.jsp?searchstr=466389
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1379139
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=765042
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=792765
う〜ん、やっぱり定盤と言うべきだねぇ。オケも歌手も、この明るさ・朗らかさは他では得がたいなあ。。。とくに印象に残ったのは、表題役と、あとデラ・カーサです。それにしてもこのエルヴィーラって、あらゆるオペラのあらゆる女声役の中でも、最も好きな役だなあ。いや、「好きな」というのは語弊があって、現実にこんなオンナが近くにいたら、すげぇイヤなんだけど。。。

43さーじょん:2007/01/06(土) 13:25:27
これも通しで聴くのは久しぶりです。ベーム指揮1967年録音。
http://www.deutschegrammophon.com/catalog/product.htms?PRODUCT_NR=4298702
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000026BKY
http://www.hmv.co.jp/product/detail/79925
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1081007485/28http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223444/27http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1081169662/35に引き続いて、「子どものころにLPをよく聴いたオペラ」を改めての鑑賞となりました。このCDに関する思い入れは、>>2-4に書いたとおりです。僕にとっては、ドン・ジョヴァンニの「基準」ですので、いまさら感想を書くようなものではありません。
 それにしても、HMVのレビューには、ちょっと驚きでした。僕にとっては「理想的演奏」なんですけどねぇ。一般的には、どうなんでしょ? そこそこ豪華なキャストだし、ベームだし、悪くないと思うんだけどなあ。

44さーじょん:2007/03/19(月) 23:10:28
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558116/51-52で、「カラヤン+ベルリン・フィル」の良さに目覚めた、というわけでもないのだが、カラヤン指揮1985年録音鑑賞。>>8のDVDとほぼ同じメンバー。
http://www.deutschegrammophon.com/catalog/product.htms?PRODUCT_NR=4191792
http://www.amazon.co.jp/dp/B000001G7D
http://www.hmv.co.jp/product/detail/941880
http://www.hmv.co.jp/product/detail/124132
 中古CD店で千数百円の出モノを発見。いずれは入手したい(けど今すぐ聴きたいわけではない)と思っていたので、とりあえず買いました。聴いてみたら意外と良い。打ち込みの如くにつくり過ぎなところとか、ミキシングの段階で声質をいじってるっぽいとか、いろいろと鼻につくところもあるんですけど、やっぱりこれも「ベルリン・フィル盤」と言ってもよいくらいのオケの雄弁さが魅力です。あと、1980年代半ばとしては、ひとつの「ベストの選択」でしょうね。(ありえないけど)これでアンナがグルベローヴァだったらなあ、という気もしないでもありませんが。。。

45さーじょん:2007/07/20(金) 22:23:45
フルトヴェングラー指揮1953年ザルツブルク音楽祭CD(ORFEO盤)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1815779
http://classic.music.coocan.jp/op/giovanni.htm
 かの有名な映像とほぼ同じメンバーです。エルヴィーラは、映像はデラ・カーサでこちらはシュワルツコップですが。あまりぐだぐだと書くことはありません。やはり名演です。http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073887372/39と同様、フルトヴェングラーのテンポについて、遅いなーと感じるところもあるのですが、あくまで「部分的な問題」でして、トータルとしてはキャストの良さもあいまって、やはり名演というべきでしょうね。

46さーじょん:2007/12/31(月) 05:21:10
>>30ショルティ盤を聴く。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/563330
ショルティですが、爆演ではありません。何だかとってもバランスの良い演奏ですね。ショルティのモーツァルトって、どうなんでしょ? ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスに比べると、意外と温和しめのような気がしないでもありませんが……。

47さーじょん:2008/11/14(金) 02:52:28
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1225141374/3-4ですっかりグルベローヴァに魅せられましたので、グルベローヴァ参加のCDを聴くことにしました。といっても、映像を除いてしまうと、それほど多くは持っていません。
 というわけで、>>31のアーノンクール指揮1988年録音。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1366053
やっぱりこれは、アーノンクールの音づくりが魅力的ですね。そしてグルベローヴァ、やっぱイイね〜。

48さーじょん:2008/12/15(月) 23:02:31
12月13日(土)新国立劇場公演鑑賞。
 グリシャ・アサガロフ演出、コンスタンティン・トリンクス演出。東京フィルハーモニー管弦楽団。
 ルチオ・ガッロ(ドン・ジョヴァンニ)、長谷川顯(騎士長)、アンドレア・コンチェッティ(レポレッロ)、エレーナ・モシュク(ドンナ・アンナ)、ホアン・ホセ・ロペラ(ドン・オッターヴィオ)、アガ・ミコライ(ドンナ・エルヴィーラ)、久保和範(マゼット)、高橋薫子(ツェルリーナ)。
公演概要↓
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000056_opera.html
初日舞台写真↓
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/updata/20000068.html
 最近、劇場でお会いする知人の方にはいつも言っていることですが、今シーズンの新国立劇場オペラ、とても幸先のよいスタートです。
 これまで、いくつかCDも聴いたし映像も見たし実演も鑑賞しましたが、ドン・ジョヴァンニがこれほど楽しめる作品とは思わなかった、というのが第一の感想です。すべてにおいて、高水準の公演でした。

49さーじょん:2008/12/15(月) 23:03:10
 公演プログラム掲載の演出家の談話では、舞台を18世紀末のヴェネツィアに移した、と書かれていますが、僕的には大した意味はありませんでした。むしろ、舞台装置を、決して貧相ではなく──むしろ「手が込んでいる」と言ったほうがよいくらい──なおかつシンプルにしたことの効果は、非常に大きいと思いました。シンプルなセットのおかげで、歌唱、演技、そしてオケの響きに意識を集中させることができました。登場人物そのものの印象がとても強くなったと思います。
 指揮とオケも活気があったと思います。僕の席からは見えなかったのですが、指揮者がチェンバロも弾いていたとのことです。テンポ設定も全般に僕の好みでしたし、鳴らし過ぎることも、ヘタレることもなく、非常にバランスの良い音でした。

50さーじょん:2008/12/15(月) 23:03:48
 歌手では、やはり主役を歌ったルチオ・ガッロが素晴らしかったですねー。初めは少し弱いかと思ったエルヴィーラも、第2幕の大アリアは、本当に聴かせてくれました。その他の歌手も、総じて良い歌唱。
 それと今回、なぜかツェルリーナの二つのアリアで、オケが奏でる旋律がこの上なく美しかったので、自分でも驚いたことに、感涙にむせんでしまいました。そう言えば、フィガロの結婚とか魔笛のいくつかの歌でも、おなじようにウルウルしちゃうことがあるんだよなー。
 でもって、ちょっと考えてみました。ミミ(ラ・ボエーム)や蝶々夫人やリュー(トゥーランドット)がプッチーニ好みの女性像であるように、スザンナやツェルリーナやデスピーナって、モーツァルトの好みのタイプなのかしら? 誰かモーツァルト伝に詳しい人に聴けばわかるんでしょうけど……。

51さーじょん:2009/04/05(日) 19:27:28
クレンペラー指揮1966年録音。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00000DO7S
http://www.hmv.co.jp/product/detail/79928
http://www.hmv.co.jp/product/detail/208160
 この歌手陣ですから、大いに期待してしまうわけですが、う〜ん、どうなんでしょ? ギャウロフの表題役、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1122398090/2-4にも書いたように、おそらく演技まで含めれば、ニンなのかもしれませんが、声だけではどうしても、フィリッポ王(ドン・カルロ)のような威厳のある役のほうが似合うわけです。本人が声をつくっているのか、ミキシング段階でいじったのかはわかりませんが、ちょっと声質が不自然なところもあります。同じことはフレーニにも言えて、たとえばベーム指揮のDVDで見ることができるスザンナも、演技も含めれば最高です。しかし声だけとなると、このCDでも、歴代の名「ツェルリーナ歌い」と比べて軽やかさが足りないように聞こえてしまいます。
 他の役や指揮・オケもなかなか良いのですが、名盤の多い作品ですから、「この1枚」と言えるかどうかは、ちょっと微妙ですね。

52さーじょん:2009/10/04(日) 02:40:57
9月23日(水)所沢市民文化センター・ミューズ・アークホールにて、ウィーンの森バーデン劇場来日公演鑑賞。
 ルチア・メシュヴィッツ演出監督、クリスティアン・ポーラック指揮、モーツァルティアーデ管弦楽団、バーデン劇場合唱団。
 セバスティアン・ホロツェク(ドン・ジョヴァンニ)、フーベルト・クレッセンス(レポレロ)、エステファニア・ペルドーモ(ドンナ・アンナ)、リタ・シュナイダー(ドンナ・エルヴィラ)、ヴァレリー・ゼルキン(ドン・オッターヴィオ)、ヴァルマー・サール(騎士長)、エヴァ・クンプフミュラー(ツェルリーナ)、イーゴル・レヴィタン(マゼット)。
 毎年この時期に来日して、まさにドサ回りといった感じで全国を回るバーデン劇場来日公演です。観たことある人の多くは、「そこそこ楽しめる」と言われていたのと、ドン・ジョヴァンニという作品なら、並の演奏でも十分聴きモノになるだろうと思ったので、遠足気分で観に行くことにしました。
 やはりモーツァルトって、「一度聴いたらすぐに口ずさめそうなシンプルなメロディを組み合わせて、この上ない美しいハーモニー、アンサンブルをつくり出す」ことに関しては、誰もかなわないのだなあと思いました。

53さーじょん:2009/10/04(日) 02:41:32
 セットはいたってシンプル。緞帳のないコンサートホールですが、舞台前面がふすまのような開閉扉となっていて、それが幕のかわり。基本的なセットは2幕とも同じです。シンプルですが、決して安っぽいものではなかったと思います。
 オケは30人弱。人数が少ないと、メンバー個々人の技量というものが重要になる……なんていうのは、大劇場での公演の場合。そこはドサ回りですから、やはり序曲からいきなり、弦楽器のピッチが怪しかったりするわけです。当方も予想はしていたので、とくに腹が立つこともなく、「まあ、こんなもんだろうなー」と思いながら聴いていました。
 歌手では、「この役を当たり役としている」というドンナ・アンナが非常に良かったですね。声も通っていたし、基本的には綺麗な声ですが。この役に相応しく微妙にヒステリックな色合いも備えていました。劇的表現もなかなかのものです。あと、エルヴィーラも、ツェルリーナも、女声陣は結構充実していました。
 ただ、演出家の意図でしょう、エルヴィーラの大アリアが、第2幕のオッターヴィオをアリアの後ではなく、なぜか第1幕の「カタログの歌」のすぐ後に持ってきていたのです。これだけはいただけませんでした。

54さーじょん:2009/10/04(日) 02:43:07
 男声についての評価をざっと。表題役は、声に力があって良かったと思います。もうちっとこう、甘さとか恐れとか強がりとか……多彩な色合いも欲しいところですが、まあこの公演では十分及第点でしょう。オッターヴィオはちょっと非力な感じで、マゼットは、どうにもオケに対して遅れる癖があるようでして、指揮者も合わせるのに苦労していたみたいです。
 指揮は、可もなく不可もなく。ただ、上に書いたマゼットの歌をはじめとして、何カ所かやはり、歌手にうまく寄り添うことができていない場面がありました。この演目だけしか持ってきていないのだから、もうちっと巧くできてもいいんじゃない?という気はしました。
 まあ、アラ探しし始めるとキリがないんですけど、雰囲気の良い公演であったことは事実でして、あと、もともとこの作品が好きなので、たとえば学生公演でも十分楽しめてしまうので、トータルとしては、そこそこ満足してきました。
 余談ですが、開場で無料で配られていたガイドブックに、「ダイジェストストーリー」の漫画が載っていました。結構うまく書けています。

エステファニア・ペルドーモ
http://www.estefaniaperdomo.com/

55さーじょん:2011/04/28(木) 08:00:45
>>39-40のジュリーニ盤を聴く。とにかく元気のよい演奏ですね。やはりシュワルツコップがよい。

56さーじょん:2012/05/06(日) 07:15:39
2012年4月22日(日)新国立劇場公演鑑賞。>>48-50の再演です。
 グリシャ・アサガロフ演出、エンリケ・マッツォーラ指揮、田尾下哲再演演出。東京フィルハーモニー管弦楽団、新国立劇場合唱団。
 マリウシュ・クヴィエンチェン(ドン・ジョヴァンニ)、妻屋秀和(騎士長)、平野和(レポレッロ)、アガ・ミコライ(ドンナ・アンナ)、ダニール・シュトーダ(ドン・オッターヴィオ)、ニコル・キャベル(ドンナ・エルヴィーラ)、久保和範(マゼット)、九嶋香奈枝(ツェルリーナ)。

特設サイト
http://www.atre.jp/12giovanni/
公演概要
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000468_opera.html
舞台写真
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000182_frecord.html

初演公演概要
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000056_opera.html
初演舞台写真
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000068_frecord.html

57さーじょん:2012/05/06(日) 07:19:18
 事前の宣伝では「現在望みうる最高のドン・ジョヴァンニ」と紹介されていたマリウシュ・クヴィエンチン、流石でした。その他のキャストでは、アンナ、エルヴィーラが好印象。指揮は、かなり速めで、マゼットとツェルリーナの結婚式など、いくつかのアンサンブルでは歌手が振り落とされそうな場面もありましたが、僕はこの歯切れの良さは好きですね。
 演出は、なぜかヴェネツィアに舞台を移していますが、違和感もなく、むしろきわめてオーソドックスな雰囲気でした。こういうのとか、リゴレットhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073887921/51-52とかは、再演でも飽きないですね。

58さーじょん:2014/11/26(水) 07:20:20
2014年10月26日(日)新国立劇場公演鑑賞。>>48-50>>56-57の再演。
グリシャ・アサガロフ演出、ラルフ・ヴァイケルト指揮。東京フィルハーモニー管弦楽団、新国立劇場合唱団。
アドリアン・エレート(ドン・ジョヴァンニ)、妻屋秀和(騎士長)、マルコ・ヴィンコ(レポレッロ)、カルメラ・レミージョ(ドンナ・アンナ)、パオロ・ファナーレ(ドン・オッターヴィオ)、アガ・ミコライ(ドンナ・エルヴィーラ)、町英和(マゼット)、鷲尾麻衣(ツェルリーナ)、
公演概要・舞台写真
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/141016_003716.html
http://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/141016_005908.html

59さーじょん:2018/07/01(日) 04:25:42
2018年6月30日(土)日生劇場にて、NISSAY OPERA 2018 藤原歌劇団公演鑑賞。
岩田達宗演出、ジュゼッペ・サッバティーニ指揮、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、藤原歌劇団合唱部。
ニコラ・ウリヴィエーリ(ドン・ジョヴァンニ)、小川里美(ドンナ・アンナ)、佐藤亜希子(ドンナ・エルヴィーラ)、小山陽二郎(ドン・オッターヴィオ)、豊嶋祐壹(騎士長)、押川浩士(レポレッロ)、清水理恵(ツェルリーナ)、宮本史利(マゼット)。

公演概要↓
https://www.jof.or.jp/performance/1806_dongio/
当日の僕の書き込み↓
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/1329669263833347

60さーじょん:2019/06/05(水) 02:57:39
2019年5月19日(日)新国立劇場公演鑑賞。>>48-50>>56-57>>58の再演です。同じ演出で観るのは4回目ですねw
グリシャ・アサガロフ演出、カーステン・ヤヌシュケ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。
ニコラ・ウリヴィエーリ(ドン・ジョヴァンニ)、妻屋秀和(騎士長)、ジョヴァンニ・フルラネット(レポレッロ)、マリゴーナ・ケルケジ(ドンナ・アンナ)、フアン・フランシスコ・ガテル(ドン・オッターヴィオ)、脇園彩(ドンナ・エルヴィーラ)、久保和範(マゼット)、九嶋香奈枝(ツェルリーナ)。

公演概要&初日舞台写真
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/dongiovanni/
https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_015188.html

61さーじょん:2019/06/05(水) 02:58:31
 同じ演出で再々々演ですから、演出については何も言うことはございませんwww >>59でも表題役を演じていたニコラ・ウリヴィエーリ、流石の安定感でした。今回はとくに女声陣3人が高水準。前評判も高かったエルヴィーラ、期待通りの好演で、カーテンコールでも一際大きな拍手でした。
 指揮・オケも(目覚ましいという程ではないものの)、まとまりもメリハリもある、ほんとうにきちんとした演奏でした。トータルでは大いに満足。


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