《 Introduction 》
“The Tales of Beedle the Bard”は幼い魔法使いと魔女の為に書かれた物語集です。
このお話はもう何世紀もおやすみのご本として人気で、
その結果、Hopping Pot や the Fountain of Fair Fortune は、
マグル(魔法族でない)の子供達にとってのシンデレラや眠れる森の美女のように、
多くのホグワーツの生徒達に馴染み深いものなのです。
Beedleの物語は沢山の点で私達のおとぎ話と似ています。
例えば、その殆どが勧善懲悪です。しかし、1つ大きな違いがあります。
マグルのおとぎ話では、魔法は主人公達のトラブルの元となる傾向があります。
邪悪な魔女が毒リンゴを作ったり、お姫様を数百年の眠りに落としたり、
王子様を醜い獣に変えてしまったり、というように。
一方、The Tales of Beedle the Bard には自分で魔法を使う主人公達が出てきます。
けれども、問題を解決することは私達同様、困難なのです。
Beedleの物語は魔法族の親世代が子供達に人生の辛い現実を説明するのに役立っています。
魔法は救いとなるのと同じくらい、困難の原因にもなるのだ、ということを。
Beedleと非常に良く似た見方をした近代の魔法使いは、
勿論、アルバス・パーシバル・ウルフリック・ブレイン・ダンブルドア教授、
マーリン勲章勲一等にして、ホグワーツ魔法学校校長、国際魔法連盟最高独立官、
ウィゼンガモット主席魔法使い、その人です。この見解の相似があったとしても、
ダンブルドアが遺言によってホグワーツの書庫に残した文書の中に、
The Tales of Beedle the Bard に関する一連の手記が発見されたことは驚くべきことでした。
この解説が自分の趣味で書かれたものなのか、後に出版する為であったのかは、
もはや私達は知ることは出来ません。しかし、私達は有難いことに、ホグワーツの現校長である、
ミネルヴァ・マクゴナガル教授に許しを得て、ハーマイオニー・グレンジャーによる物語の新訳と共に、
ここにダンブルドア教授の手記を出版することが出来ました。私達はダンブルドア教授の、
魔法族の歴史に関する見解や私的回想、各話の鍵となる要素に関する解析を含む洞察が、
新しい世代の魔法族とマグル両方の読者の The Tales of Beedle the Bard の鑑賞に
役立つことを願っています。ダンブルドア教授が喜んでこの企画に手を貸し、
発言権を切実に必要としている子供達に資する為、活動しているthe Children's High Level Group
(注:ローリングさんが運営している慈善団体です・笑)に印税の全てを寄付したであろうことは、
彼を個人的に知る全ての人が信じるところです。