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F世界との交流その6

120名無し三等陸士@F世界:2016/07/13(水) 00:08:43 ID:A.D1FtvU0
『軍配府(ウィクトール・ヴィア)』の軍師は必ず2つ以上の選択肢を将軍に提示し、提示したときにはどんな選択肢であろうとも実施に必要最低限の準備をすべて終えている。
将軍はそれを選ぶという決断を行う。そして、軍師の作戦道理に物事は進められ、もしも軍師の作戦にない事態が発生すれば軍師ではなく将軍が事柄を決断する。
それこそが、連合帝国。ウニヴェルスム神聖連合帝国という巨大な戦争機械を動かす仕組み!
庶民でも将軍となりえる国。貴族を将軍とする国。ただの貴族ではなく領主貴族、可能であれば大諸侯と呼ばれる者こそが軍事の本懐であるとする国。
エミル・ライオーノフ。
ザスティン・ハフレリオ・ダー・グジュラナード。
グラディス・フラドベラーグ・ラーフ・シュタインブリュック。
3人の将軍。それらにあてがわれる軍師たちもまた内情を示してるような身分階級であったり出自であったりと様々だ。
『多様性』。それは制御できれば巨大な力となる。繁栄をもたらす唯一無二の種となる。
だからこそ、多様性を尊ぶ声は尽きないのだ。純粋性は確かに強靭だが、何か別の力が外から加われば脆い。
とはいえ、多様性とやらは制御を間違えればただの混沌に過ぎない。
秩序を尊び、純粋性を選ぶか、そして硬直化と外圧の脆さに苦しみながらも繁栄を謳歌するか。自由を尊び、多様性を選ぶか、そして軟弱性と内圧の混沌に苦しみながら繁栄を謳歌するか。
それぞれのお国事情とは深いものがある。
新旧両世界、どこの世界に限らず。

「ライオーノフ卿……と言って大丈夫かな?」  「ハフレリオ卿、お戯れを。ライオーノフでよいですよ」
「ふむ、では、セノー・ライオーノフ。君とはこの作戦に参加するにあたって色々と話をしていたが、それでも立場の違いというのは大きく、色々と見識の違うところがあったからね。だが、今は少しばかし仲良くやっていこうじゃないか。こうも未知の大地だとな」
彼らが見るのは灰色の大地。広大な都市。
『軍配府(ウィクトール・ヴィア)』から派遣された女軍師の一人、エレナ・アビラは覚悟はしていたが、あまりにも現実的とは思えぬ風景にめまいを感じてしまう。
報告は受けていた。常識が通用しないと。だが、こうして建物一つ見ただけでそれを実感してしまった。
だから――――

「――これより、この地を蹂躙し、一時占領地を得るのだ。本国が本格的に動くまで、さて、我らはどこまでやれるかな?」
将軍ザスティンがジョッパーブーツで踏みつけるもの。血に汚れた髪。かつて、この国に秩序を守るものとして存在した命。
刑事さんと皆に呼ばれ、憧れる人。
その、頭蓋――――――――

                   ――守るべき秩序は破られた。
後に残るのは、反秩序の権化たる征服者の雄たけび…………ただ、それ……のみ。


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