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英国(第二次世界大戦勃発直前)がファンタジー世界召喚されますた。

263HF/DF ◆e1YVADEXuk:2018/02/18(日) 20:05:48 ID:xcVmLF4g0
それから続く彼の話は驚くべきものだった。我々三人があの巨木の下でファウナと再会する場面を事細かに描写し、説明してくるのだが、それはまさしく、

「私がこの前見た夢と全く同じだな、恐ろしいほどそっくりだ」

と、彼が話している途中で口に出してしまうほど、私と彼の見た夢は似通っていた。そう、私も彼同様しばらく前から彼女に再会する夢を見るようになっていたのだ。
私自身はこれを昔を懐かしむ自分の心が見せたものだと思っていたのだが、どうやら彼の考えは違ったようだ。
そんな私の内心を知ってか知らずかブラウンは話を続ける。

「私だけじゃあないんですよ、伍長殿も私達と同じ夢を見ているんです。これはひょっとするとひょっとしますよ。軍曹殿、ここまで聞いたからにはやることはひとつ、そうじゃあありませんか」

とたたみ掛けてきた。どうやらこの夢のことをあらかじめウールトンと話し合った後、こちらに話を持ってきたらしい。
いつでもいけます軍曹殿、ご命令を。ということか。まったく手回しのいいことだ。


「よし……行こう」



人生二度目の北アフリカ行きを決断してからの我々の生活はかつて若かった時と同様に慌ただしいものとなった。
不要な財産の処分と換金、旅先で必要になるであろう物資の購入、そして何かあった時のために遺言状を書き、知り合いの弁護士に預けておく。そういった準備のためにおよそ二ヶ月を費やした後、私とブラウンはロンドンで落ちあい、ヒースロー空港から機上の人となった。
そしてカイロまでの短い空の旅を終え入国窓口での面倒な手続きを済ませると、一足先にここに来ていたウールトンの出迎えを受けた私たちは足早に空港を後にした。
彼は故郷のニュージーランドから一足先にここへ来てあれこれと準備をしていたのだが、ターミナルビルの中では当り障りのない話しかせず、ホテルへと向かうタクシーの中でも終始言葉少なだった。
そんなエジプト到着初日からおよそ半月後、私たちは現地で購入した中古車に買い漁った物資を詰め込み、西へと向かっていた。
目指すはリビア――もはやイタリアの植民地ではなくれっきとした独立国であるが、国際社会における評判はかつてのそれより明らかに悪い――東部のキレナイカ地方、あの戦争で数え切れぬほど駆け回った戦場、そして我々があの『妖精の国』へと通じている(証拠など何一つないが、我々三人はこのことを信じて疑うことはなかった)場所だ。


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