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英国(第二次世界大戦勃発直前)がファンタジー世界召喚されますた。

154HF/DF ◆e1YVADEXuk:2017/06/18(日) 21:13:33 ID:3pTbBygo0
曰く、空腹感で辛い思いをすることはないのか
曰く、美食を楽しむという文化はあるのか
曰く、空腹と不味い食事とではどちらがマシなのか

その他にも様々な質問があった。時には女性相手にするにはいささか躊躇われるようなものもあったが、彼女は嫌な顔一つすることなくそれに答えていった。

妖精は人間と違い、草木のように水と風、そして陽の光で命をつなぐこともできる
ただしその時は獣が冬眠するような状態になるため、安全な隠れ家が必要になる

妖精にも空腹感はあるしそれで辛い思いをすることもある

もちろん、美味しいものは大好きだ

食べられるのならば味の善し悪しに文句を言ってはいけない、作ってくれた相手に対して失礼になるから。私はそう教えられた

三人にとって興味深い話をあれこれとするファウナ。そんな彼女が興味を示したのが配給の水割りラム酒だった。
彼女によるとこの地にも酒は存在するがその全てが果実などを醸して作る醸造酒であり、含まれる酒精分もさしたるものではなく、よほどの量を飲みでもしない限りしたたかに酔うことなどないという。
そんな酒しか知らない彼女はウールトンの手によってラム酒配給用の陶製の1ガロン瓶から生のラム酒がマグカップに注がれるところを興味深く観察し、その豊かな香りにラム酒という未知の酒に対する興味をかき立てられていたが、その後で彼女に出された飲み物を味わい、それが粉末ライム(本来配給酒の味付けに用いるためのものだ)と砂糖を用いたジュースであることを知ると明らかに残念そうな表情を浮かべていた。
そんな彼女を見るに見かねた一同は食事の締めくくりとしてラム酒を振る舞うことにしたのだが、蒸留酒という未知の酒についての好奇心を抑えきれない彼女は男たちによる注意をろくに聞かないまま、マグカップに注がれたラム酒を一息で飲み干すという無謀な行為に及んでしまう。
当然の帰結としてその直後、男たちの前でひとしきりむせ返って男たちを慌てさせた後、その顔を瞬く間に赤く染め、ろれつの回らない口調で初めて味わったラム酒に対する感想をひとしきり述べたあと、そのまま草の上に倒れ込んで大きないびきをかき出してしまう。
そんな彼女をブッシュたちは三人がかりで新しく設えた彼女専用のテントに運び込み、手持ちの毛布の中で一番いいものを掛けてやったあとで半ば呆れ、半ば苦笑しつつ顔を見合わせたものだった。

かくしてつかの間の平和な時間は幕を下ろし、男たちは明日の決戦に備えて英気を養うべく床に就く。もちろん、いざという時の備えは怠らない。昨夜同様交代で不寝番に立ち、あの怪物による夜襲に備えるのだ。
ちなみにこの件については尋問の際にファウナが「怪物が夜襲を仕掛けてきたことは私の知る限り無かった」と証言してはいるのだが、その真偽がどうであれ、その言葉を鵜呑みにして備えを疎かにするようなブッシュたちではなかった。
その不寝番は現在二番手のブッシュの番であり、最初に不寝番に立ったブラウンとこれから不寝番に立つウールトンはテントの中で眠りについている。ただその眠りは浅いようで、しきりに寝返りをうっているのがストーブのそばからでも分かるほどだ。
その隣に新たに設えられた小ぶりのテントの中にはファウナ。こちらも毛布にくるまり、相変わらず安らかな寝息を立てていた。
ただブッシュが当直についてからしばらくして彼女は時折寝言と思しき声を発するようになったが、妖精の言葉についての知識のない彼には彼女が幸せな夢を見ているのか、それとも悪夢にうなされているのかを判別することはできなかった。


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