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代理投稿だッ!

108流川市 ◆njA.FTCFcw:2014/12/01(月) 02:09:12
【サーバーエラーのため一時保管 規制ではないので自分で投稿致します】

ぶん投げられた腸は市香の足元すぐ近くにべちゃっと着陸。
そのまま屋上の手摺に引っかかった。なんと、伏見はそれを伝って登ってきたではないか!
数いる怪人の中でもトップクラスにエキセントリックな行動である。

「い、いたくないんですか……?」

市香は隣に降り立った伏見に思わずそう問いかけた。
使った腸を腹に戻しながら彼女が言うには、どうやら慣れればそうでもないらしい。
普通の人は慣れるほど割腹したら死んじゃうのだけど……。
脳味噌を隔離できる怪人もいれば、自分のはらわたを出し入れ自由な怪人もいるんだろう。
世の中って本当に広い。

>「敵はその羽の下にいる。その指向性爆薬を使えば屋根板と天井をぶち抜いて奇襲が出来るだろう。
 それにこちらの側面は一面ガラス張りだ。そっちを使ってもいい。まぁ、要するに……全員始末しろ、やり方はどうでもいい」

(わお、ざっくばらん!)

鳴上から放られた爆薬に、市香は手早く信管をセットして起爆スイッチのコードを引いた。
この手の工作は中学ぐらいの頃に所属していた女子グループで散々教わったものだ。
女子たるもの、アジとC4の三枚おろしは必須科目である。

>「あっはぁ、よろしくねぇん」

爆薬を弄くる市香に、先ほどの腸投げ女こと伏見が声をかけてきた。
腹の傷はとっくにふさがっているが、さっきからもぐもぐやってる唐揚げみたいなのから赤いものが滴っている。
ろくに血抜きもせずに調理したらしく、全然噛みきれていない。

「あ、新人の流川です。ヨロシクオネガイシマス……」

市香は先刻の伏見の凶状に、かなりショックを受けていた。
端的に言うと、ドン引きしていた。
そのせいでまともに顔も見れていなかったのだが、挨拶されたからには目を合わせなければなるまい。

(あれ?この人、どこかで見たような……)

会ったことはない。だが、その顔には見覚えがある。
脳裏に鳴上色の電流が走り、市香の海馬はわりと早くその情報を引き出しからもってきた。

(思い出した!伏見狂華、シリアルキラーの!!)

少し前までワイドショーが連日大賑わいだったのを覚えている。
伏見狂華。年号が変わってからの犯罪史において、おそらく最も多くの人間を、惨殺してきた殺人鬼だ。
その殺戮に因果はなく、思想もなく、ただ享楽的に、悦楽的に、人を殺し、殺し続けた最悪の連続殺人犯。
異例の即刻死刑判決でお茶の間で目にすることはなくなったが……。

(なんでそんな大犯罪者が支援局に!?)

>「そんなに怖がらなくてもいいんだよ〜今は殺すのは仕事のときだけって決めてあるからさぁ
 あと、私が先にしかけるからさぁ、流川ちゃんはケースバイケースで動いちゃってよ」

市香が身構えた気配を察したのか、伏見は目を細めて微笑んだ。
笑うという行為は本来攻撃的なものである的な解説が脳裏を過った。

「わ、わかりました……お任せします、伏見さん」

市香はその提案に従うほかなかった。
異存などないし、現役の殺人鬼に逆らう度胸などもっとあるはずもない。
予定通り、屋根に突き刺さった羽根の傍で、号令あるまで待機。


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