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塞「チョコレートなんかいらない!」

1以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/16(火) 12:27:06 ID:o1pi89wg
同じような境遇の方、似たような思い出がある方いらっしゃると思います。

これはたまたまそんな境遇な塞さんの物語。

2以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/16(火) 13:43:18 ID:zULgGdXg
塞「は〜今年もこんなにもらっちゃったよ…」

豊音「わ〜、これってもしかしてバレンタインのチョコレート?」

塞「うん…」

エイスリン「サエ、モテモテ!」

塞「だったらいいんだけどね…」

3以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/16(火) 13:46:10 ID:zULgGdXg
エイスリン「ウレシクナイノ?」

塞「そんなことはないけど…まあいいや、これ皆で食べよう。」

豊音「えっ、いいの?」

塞「うん、私のために用意されたチョコレートじゃないから。」

豊音「でも塞がもらったんでしょ?」

エイスリン「ドウイウコト?」

4以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/16(火) 13:49:38 ID:zULgGdXg
白望「ダルい…」

豊音「あ、シロ。塞ったらすごいんだよ。こんなにもたくさんチョコレートをもらって。」

白望「ああ…まあ塞、どんまい。」

塞「うん…」

胡桃「こんにちは!あっ塞、今年も大量だね。」

5以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/16(火) 13:53:42 ID:zULgGdXg
塞「そうだね…」

豊音「塞、どうしたんだろ?」

エイスリン「コレ、スゴイ!」

豊音「ホントだ!手作りだよ〜」

胡桃「今年も愛情はたっぷりみたいだね。」

塞「そうだね…」

白望「まあいいや…さっさと食べて供養してあげよう。」

6以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/16(火) 21:02:00 ID:zULgGdXg
エイスリン「クヨウ?」

白望「a funeral だよ、エイスリン。」

豊音「どういうことなの?」

胡桃「ええとね…」

塞「待って胡桃、私が話す。」

白望、胡桃「塞…」

塞「豊音、エイスリン。今日は何月何日?」

7以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/16(火) 21:06:06 ID:zULgGdXg
エイスリン「February!」

豊音「16日だよ〜」

塞「そう、そして昨日は?」

エイスリン「サエ!ハッピーバースデー!」

豊音「そっかー、誕生日にバレンタインチョコレートをもらったんだね?だから微妙な感じだったんだ。」

塞「違うよ豊音、誕生日はちゃんとプレゼントも貰ったよ。」

8以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/16(火) 21:11:15 ID:zULgGdXg
豊音「うーん、わかんない。」

エイスリン「チョコレートミステリー!」

塞「このチョコレートたちはね…乙女たちの失恋が詰まったチョコレートたちなんだよ!」

白望「ダルい…」

胡桃「こら、シロ、めっ!」

9以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/23(火) 20:16:26 ID:K6f4WdDc
白望「まあバレンタインに貰われなかったチョコが塞にいっただけなんだけどね。」

塞「ちょっと!なんでシロがいうのさ?」

白望「溜めすぎてダルいから。」

胡桃「まあ確かに。」

塞「胡桃まで!?」

豊音「???」

エイスリン「マダワカラン…」

10以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/23(火) 20:20:11 ID:K6f4WdDc
白望「あれは…私たちが一年の頃だった…じゃ後は胡桃よろしく…」

胡桃「シロ!?まあいいけど。」

塞「あっ、もう私が話さなくていいんだ。」

豊音「胡桃頑張れ〜」

エイスリン「ヨッ!ニッポンイチ!」

塞「エイちゃん、それは違うよ…」

11以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/23(火) 23:10:44 ID:K6f4WdDc
胡桃「皆も知ってるし、一緒に祝ったけど塞は2月15日が誕生日。そしてその前の日は2月14日バレンタイン。その日に恋敗れた乙女たちは本命のチョコレートをどうしようか迷ったの。」

豊音「なるほど!棄てることも出来ず食べる気分にもなれないチョコレートを塞にあげたんだね。」

胡桃「うん、そこはさっきも言った通り。塞も善意で受け取ってあげたんだよ。」

エイスリン「サエ、ヤサシイ。」

12以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/23(火) 23:14:41 ID:K6f4WdDc
胡桃「そして去年、その話が広まってたから一年生の時よりその数ははるかに多かった。」

白望「たしか大きめの紙袋が一枚じゃ足りないくらいだった。」

胡桃「それ+プレゼントだからね。普段あまり仲良くない人からももらってたよね。まさに失礼チョコレート処理人間だね。」

塞「なんなのよそれは…」

13以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/24(水) 06:07:10 ID:ayepBbVo
塞「今年もそこそこ貰ったんだよね。私たち3年生なのにだよ?そんな暇あるの?」

白望「…ダルい…」

塞「だいたいうち女子校じゃん!どこで出会いがあるってのさ、このリア充共め!」

胡桃「いや、振られてるからリア充ではないよ。」

豊音「私も素敵な男性と出会いたいな〜」

エイスリン「デアイ、ナイ!」

14以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/24(水) 06:19:42 ID:ayepBbVo
塞「女の子からの本命チョコレートなんていらないよ!しかも私宛ですらないチョコレートなんて尚更だよ!」

トシ「はい、そこまでだよ。」

エイスリン「センセイ!」

豊音「こんにちは〜」

トシ「塞、あんたと似たような境遇で喜んでいる人もいるんだよ。」

胡桃「え?」

白望「ダルい…」

15以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/24(水) 06:24:39 ID:ayepBbVo
豊音「え〜誰なんですか?」

エイスリン「キニナル!」

照「それは私だ!」

豊音「宮永さんだ〜」

白望「ダルい…」

胡桃「めっ!」

トシ「宮永さんは2月18日が誕生日だ。」

16以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/24(水) 06:30:21 ID:ayepBbVo
照「確かにちょっと失礼だと思う。でもいつかいい思い出になる。」

塞「宮永さん…」

照「照でいい。」

白望「確かにね、バレンタインの後は塞の誕生日って毎年思い出す。」

胡桃「そうだね。」

豊音「毎年、塞を思い出すよ〜」

エイスリン「サエ、ウラヤマシイ。」

17以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/24(水) 06:32:34 ID:ayepBbVo
トシ「まっ、そういうことさ。良かったじゃないか。」

塞「はい!」

照「じゃチョコレートを食べよう。私も手伝う。」

塞「よーし!じゃあこのチョコレートたちを供養してやるぞ!」

一同「オー!」

白望「ダルい…」

18以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/24(水) 07:25:30 ID:ayepBbVo
照「ありがとうございました。」

トシ「全く、進路が決まってるやつは気楽だね。明後日には戻るんだろ?」

照「はい。宮守の皆さんによろしく。」

トシ「まっ、うちは皆優秀だからこの時期でもせかせかしてないんだけど。」

19以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/24(水) 07:29:56 ID:ayepBbVo
誠子「あっ、宮永先輩お久しぶりです!」

尭実「今日はどうされたんですか?」

淡「照〜久しぶりだね〜」

照「あれ、菫は?」

誠子「3年生は忙しいんじゃないんですか?試験だったり、新生活の準備とか。」

照「そうなんだ。」

20以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/24(水) 07:32:42 ID:ayepBbVo
照「ところで私宛のバレンタインチョコレートは?」

誠子「は?」

尭実「宮永先輩はあげる側では?」

照「いや、去年は貰えたよ?」

淡「そうなんだ〜モテモテだね。」

21以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/24(水) 07:37:56 ID:ayepBbVo
誠子「えっと…」

尭実「もしかしてその為に来たんですか?」

照「………」

淡「照〜友チョコとかあるけど基本的には照は貰う側じゃないよ?」

照「………そうだったのか。」

22以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/24(水) 07:42:16 ID:ayepBbVo
誠子「あの、もしかしてチョコレートの為に来たんですか?」

照「うん。」

尭実「宮永先輩は3年生だから忙しいと思って用意してませんでした。」

照「………」

淡「あっでも誕生日プレゼントは用意してるよ。ほら、新社会人になる照の為に手帳だよ。3人で高いやつ買ったんだから!」

23以下、名無しが深夜にお送りします:2021/02/24(水) 07:45:11 ID:ayepBbVo
照「チョコレート…」

終わり…


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