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1:2020/05/10(日) 09:40:23 ID:hJ7.fVEA

 「…………法で裁けない悪を裁くのが、私の仕事だよ。……いや、“だった”かな? 」
 「まぁ、何だっていいかなーー。」

 「ね、知ってる? ……法律ってのは常に権力者が優位に敷き、覆る事は無い強固な縛りとなる。ーーだからこそ、その法を解く役目が必要だと思わない?」


 背を向けながら、その言葉の節々は何処か冷淡で投げ捨てる様に溜息と共に捨て去る。
次第にゆっくり、と。眼孔が散大していき、それは戦闘開始を
 
 「一つだけ聞かせて貰えると嬉しいな───キミは私が“悪人”に映っているのかな?」
 「……、……だったら嬉しいな。 」

2:2020/05/10(日) 11:30:31 ID:hJ7.fVEA

 「……私は聖人面した臆病者が一番嫌いだよ。」

 少し嘲笑した様な微笑みと、失望や憐憫が混ざり合った複雑な表情を浮べる。
それは彼女の深層では“理解出来ない”と否定しながらも、胸の内では何処か肯定したい気持ちが拭い切れない。

3:2020/05/10(日) 12:05:07 ID:hJ7.fVEA

 「キミの事、期待し過ぎたかな。……ごめんね?」

 瞳を“ぱちぱち”と瞬きを繰り返せば、困り顔で錫杖を振り払う。“期待外れ”ーー。否。ただただ平坦な感情で視線を外せば、空を仰ぐ。
『特別視』したつもりは全く無いが、それでも己に立ち塞がる者に興味は無いと言ったら嘘になるだろうーー。

 「気に病まないでね、……私ただの一般人じゃないから。」

4:2020/05/10(日) 12:15:44 ID:hJ7.fVEA

 「……ほら、余所見しないで。」
 「『重撃』───〝点〟……。」

 僅かに目を細めたと思えば、瞬の間に生まれる隙を逃す事無く、脚を踏み込み、その場を一気に加速した。
 周囲の空気が一瞬で劈(つんざ)く衝突音が響き、重みを増した錫杖は確実に喉仏に穿たれた。

5:2020/05/13(水) 19:38:00 ID:hJ7.fVEA

 「結界術式───」


「───天秤。」

6:2020/05/15(金) 06:27:00 ID:hJ7.fVEA


 「ーーーいいよ、おいで。」

 地を伝って届く耳を擽る様な足音。
接近を感じさせる足取りを聞きながら、それでも猶予を感じさせる様に薄く笑いながら、右目を“隠している”髪を掻き上げる。

 ーー隠れていた右目の瞳を邂逅させれば、絢爛と輝く灼眼の眼(まなこ)がお披露目となる。

 「……ごめんね?」


 彼女は相手の予備動作など様々な要因を『目視』による〝予知〟を活かし初撃を躱し、カウンターを狙うスタイルを得意としーーー 此度も例外無くそれは発揮される。

7:2020/05/15(金) 06:27:32 ID:hJ7.fVEA

 この危機的状況にも関わらず、一切の焦りも動揺もせず只々せず、その表情は薄っぺらく笑みを溢し、まるで自分が地に伏せる姿を想像してないと云わんばかりである。

 ーー不意に右手を垂直に差し伸ばし、握り拳から〝血液〟の雫が地に零れ落ちる。


 「……『 結界術式』ーー天秤。」


 刹那、背筋が凍る程の一陣の突風が吹き荒れる。吹き荒れる旋風に脇目を振らずに、右手をゆっくりと掲げれば、ーー酷い地鳴りが轟く。
その直後、遥を中心に激しい豪風と共に砂塵が舞う。
それに呼応する様に、瓦礫の破片が周囲に浮かび、ゆっくりと静止する。


 「……人前じゃ滅多に見せなかったのは、別に隠してた訳じゃないんだよ。」
 「ただ、仲間を巻き込みたくなかっただけーー。」

8:2020/05/15(金) 06:46:15 ID:wVJ3TkFA
>>7
それも、もう意味も無いかな。

9:2020/05/15(金) 06:48:09 ID:wVJ3TkFA

 「ーーーーーーーーー。」


 顳莵(こめかみ)の奥を“キリキリ”と繰り返し苛む軽い痛み。―――その痛みは、己が課した時間経過を報せる様なモノで在り、波紋の様に拡がっていけば、軈て一瞬だが身体が“痙攣”し始め動きが完全に静止した。
 経験から時間が長引けば、長引く程にその痛みは広がり続け頻繁に痙攣を起こし天秤が、此方に傾く事は無く地に伏せる事に為る事は理解していた。

 思考を凝らす依りも、先に脚が動く

10:2020/05/15(金) 07:46:37 ID:wVJ3TkFA

 「………駄目だよ。」

 招く様に薄く笑いながら一瞥すれば、慎重に瞳を閉ざす。―――不意に柔風が御髪を揺らす。一寸、静寂の間が空間を支配し其れは永延の様な一瞬であった。

 静寂を裂く様に暴風が吹き荒れ、同時に髪で隠れていた右目が見開かれる。それは、全てを見抜く様な絢爛とした“紅色の瞳”。

 緩い態度とは一変し、“殺気”の篭った右目で一瞥する。
並大抵の人間では竦む所か、臀部を地に着かせてしまう程恐ろしく冷え切った視線。たった一動作の視線誘導ですら、獅子に凄まれる鼠の様な心地悪さである。


 「好奇心で首を突っ込むと、大抵碌な目に合わないよ。」

11:2020/05/15(金) 07:57:13 ID:wVJ3TkFA


 「駄目だよ、不用意に近付いたらーー。」

 距離を測る様に左目を閉じれば、右掌を垂直に前に構える。
 九重遥の右目瞳孔から見据えた〇の頭蓋 肩関節 手先 爪先 視線。―――僅かな傾きで次の動作を予測し、眉一つさえ動かずに的確に、かつ迅速に身体を逸らし受け凌いでいく。
  
 「ーーー読み違えたのかな?
 それとも、気を急いだのかな……:。」
 「……残念。検討違いだよ。」


 無愛想に呟けば、赤い瞳が見据える先は相手の心臓部。その一打は的確に目掛け風を切る音と共に重く速い掌底が襲い掛かる。

12:2020/05/15(金) 08:14:48 ID:wVJ3TkFA

 「……手を汚さなければ、“変えられない”ものがあるとするのならば。
私は一切躊躇わず手を染めるよ。それが例え、誰も賛同されず後ろ指を指されてもね。 」

 彼女は狂っていた。
その思考は深淵と同様に根深く、もはや心は擦り減り常人離れしていて精神は汚染されている。

13:2020/05/15(金) 10:05:43 ID:hJ7.fVEA

 「……常識なんて、国どころか隣町に行くだけで変わるものなんだから。
私は自分がどう思うかの方が大事だと思うな。」

 卒なく答え、その問いを委ねる様に薄く笑えば

14:2020/05/15(金) 10:15:20 ID:hJ7.fVEA

 「……ぃ………っ!」

 突如として顳莵(こめかみ)の奥を“キリキリ”と繰り返し苛む軽い痛み。 片手で頭を抑え痛みを和らげる為に動きが硬直する。―――異能の代償の支払いが容赦も無く脳裏を塗り潰す。

 肉体。精神。脳内。
膨大な情報量が一斉に主脳部を焼き尽し。 あらゆる部位が悲鳴を上げ、その衝撃が脳裏と体内を蝕む。脳細胞が一つ一つ焼き焦げる様な、常人では耐えれない程の痛覚が襲う。
“それ”は『異能による暴走』と呼んでも差し支えない程に、彼女の容態は一変とし始

 「………っぁ!」

 気付いた時には、目で捉え損ない

15:2020/05/15(金) 15:03:26 ID:hJ7.fVEA


 「……駄目だよ、そんな事したら。」

 ーーカラン!

  ーー カラ…カラン…ッ!

 空間の支配を打破する様な耳障りな〝珈琲の缶〟の音が鳴り響けば、その後、抑揚のない声の主は薄く笑いながら、陰から現れる。
鬱陶しそうに髪を掻き上げれば、人間離れした緋色の右目で周りを一瞥し、口角を上げ下げする事なくただ直進に見据えた。

16:2020/05/16(土) 07:45:09 ID:hJ7.fVEA

 「ーーごめんね、大人気なくて。」

 ふわり、と。徐々に身体が宙に浮かび、ゆっくりと身体の揺れを整え静止する。ーーその様は正に重力を全く感じさせない“無重力”状態である。
乱れた髪を掻き上げれば、赤き右目が〇を見据え、照準を合わせる様に右手を○○に向ける。その集中力はーー不意に垂れる鼻血に気付か無い程に。
 
 「逃げちゃ駄目だよ。」

 鼻の違和感に気付き血を拭えば、再度右手を構える。

17:2020/05/16(土) 07:49:29 ID:hJ7.fVEA
>>16
申し訳無いけど、もう時間が足りないんだ。

18:2020/05/16(土) 07:59:27 ID:V6F7sbjI

 「結界術式ーー。……〝天秤〟」

そう呟き血混じりの唾を地面に吐けば、駆け抜ける様に地面が微かに黒く変化した。

19:2020/05/17(日) 10:10:25 ID:hJ7.fVEA

 「……もう良い頃合いだから、お互い手の内を隠すのも、辞めようか。」
 「『重撃』
 震脚ーーー〝礫〟」

 靴の踵を軽く数回、踏み付ければ───刹那 〝地面に亀裂が走る〟 その僅か数秒後には、地表が捲れ上がり石の礫が辺り一面に無差別に四散し弾き出される。ーー正確な狙いなんて定めていない。点に絞らずとも、面で消し飛ばせば結果として大差もない。

20:2020/05/17(日) 17:27:32 ID:hJ7.fVEA

 ■路地裏。

 分厚い雲が月を覆い隠す暗闇。
街並みをほんの少し外れて、ある路地裏にて。普通に暮らしていたら感じられない。死臭にまみれた凄惨たる光景が其処には広がっていた。

「……ごめんね。」

 周囲に広がる血溜まり、砕けた骨に、折れた翼。ーー原型すら不確な〝人では無いナニか〟が黒スーツの女の傍らで、無惨な姿で伏せている姿を見て薄く笑う。
一つのナイフを取り出すし再び突き立てる。────〝ずぶり〟という音を立ててナイフは“死骸”への身体に沈んでいく。

 〝コツン〟───。そんな小さな足音にゆっくり振り返れば、先程、屠った相手とよく似た子供が酷く怯えながらこちらを覗けば、瞬間的に死骸の腹に刺さったままのナイフをゆっくり、ゆっくりと楽しげに引き抜いていく。


「……ごめんね。汚い血筋は絶やさないと駄目なんだ。ーー蛙の子は蛙だから。」


 路地裏で強く耳を劈く少女の悲鳴。余りにも聞くに堪えない慟哭。しかし彼女にはとって「悲鳴」は生活音の一種で有り、特段気にする事は無く、無慈悲にナイフを投げる。


 ーーその後、赤い花が少女に咲いた。

21:2020/05/19(火) 22:58:58 ID:hJ7.fVEA

 「……ごめんね、……訓練や喧嘩と訳が違う。
 負けたら“死ぬ”ーー殺し合いだから。」
 「だから“死なない為”に、何も『教えない』し何も『答えられない』」

 「……『重撃』ーー〝線〟」

 それは、今から起きる“異能”を説明もせずには、行うという表明であり、彼女の“甘さ”でも在った。

 懐から、護身用の変哲の無いナイフを勿体ぶる様にして取り出せば、躊躇無く空の彼方へ放り投げる。
ほどなくして、ナイフが落下するタイミングを測る様に数回足踏みをすれば、掌を○○に向けてーー遥の口元から血が零れる。

    ーー突風。

 突如、強風が吹き抜け、それに合わせて直線的に白銀のナイフが〇〇の喉笛を抉るが如く強襲する。


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