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( ´_ゝ`)/こちら流石探偵事務所\(´<_` )

1 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:18:38 ID:6o6EHAUo0
 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

前スレ:( ´_ゝ`)/こちら流石探偵事務所\(´<_` )
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2名無しさん:2024/01/08(月) 22:20:27 ID:6o6EHAUo0
【Case一覧 page1】

Case1 不審な男の捜索
 流石探偵事務所は廃業の危機に瀕していた。
 車はガス欠、風呂もろくに沸かせず、そんな最中に訪れた少女は不審な男の捜索を願う。
 辿り着いた先で、探偵は何を見るのか?

Case2 やつれた青年の調査
 友人の様子がおかしい……大学生の男は言う。
 不審な学園、不審な女、不審な事件。
 彼らは、片足を踏み入れる。

Case3 絶海の孤島にて
 孤島に探偵、何も起こらぬはずもなく。
 事件発生、帰還不能、連絡途絶。
 果たしてその真相は?

Case4 母者、襲来
 熊殺し、見合い写真を携え。
 蛙の子は蛙? 鳶の子は鷹?
 三つ子の魂百まで?

Case5 辞職事由の解決
 アルバイトのプロフェッショナルを自称する女が突然の退職。
 後輩の男は探偵を頼り事務所に訪れる。
 血の因縁、ものともしない個性、場末の酒場の怪しげな求人に集う、まつろわぬ者ども。

Case6 五月館
 男三人、群馬の旅館を訪れ。
 輝かしくも妖しい夢を視る。
 暴かれた夢は牙を、揺蕩う現実は爪を、突き付け合う。

3名無しさん:2024/01/08(月) 22:21:00 ID:6o6EHAUo0
【Case一覧 page2】

Case6.5 教えて! 先生!
 金に汚いと自称する女に、不可思議の教えを受ける。

Case7 千手烏賊の夏
 夏の漁師町、海と山と海鮮と。
 観音に迫る鮫の背鰭、絶壁の魔女の怨念。
 探偵は消えた姫君を見つけ出せるか?

Case7.5 お仕事人其々
 集いし酔いどれどもが、仕事について語らう夜。

Case8 裏切者は誰だ?
 唐突に放り込まれた闇のゲーム。
 脱出不能、逃避不能、理解不能。
 課せられた理不尽に探偵は抗う。

Case9 地味な愚かしさ
 名は体を表すと言わんばかりに、男は死んだ。
 ロクデナシとしか言いようのない男を殺したのは一体誰なのか?
 推理のカギは、地味な愚かしさだった。

Case9.5 大覚醒
 分不相応な力を得てしまった者は……。

Case10 連続自殺事件
 とあるサイトの元会員が自殺した。
 それをきっかけに巻き起こる、空前絶後のオカルト案件。
 筆府市の命運を賭けた戦いが、今始まる。

4名無しさん:2024/01/08(月) 22:21:34 ID:6o6EHAUo0

【Case一覧 page3】

Case11 捜朔島
 お得意様から齎された依頼は、消息不明となった動画配信者の捜索。
 浮かび上がる不振点に困惑しつつ、探偵は九州へと旅立つ。
 閉鎖的な離島で、彼らは何を見るのか?

Case11.5 人の力
 ***のこと、よろしくね?

Case12 海色の声
 前提崩れれば烏合の衆は離散する。
 運命の糸に絡め取られた探偵は、三度訪れた地で聴くことになる。
 悍ましい声を。美しい歌を。

5名無しさん:2024/01/08(月) 22:27:16 ID:6o6EHAUo0
【人物一覧 page1】

Case1初出
 ( ´_ゝ`)
  流石 真理男 流石探偵事務所所長

 (´<_` )
  流石 累次  流石探偵事務所副所長

 ノリ^-^ノリ
  一条 実里 聖パウロ学園高等部2年

 ( □ー□)
  冨竹 三郎 フリーカメラマン

 ( "'Д')
  小池 勝造 中華そば小池店主

 ( -@ω@)
  西川 次郎 とんかつ小豚店主

 ( ^ω^)
  内藤 保頼尊 国際クオリティ大学3年 とんかつ小豚アルバイト

 ( ´ー`)
  白根 英世 筆府警察署 警部

 (=゚ω゚)ノ
  伊藤 要一 筆府警察署 巡査長

 (゚、゚トソン
  都村 巽 入速新聞社記者

 ( l┴l)
  八町屋 昇 日吉山荘筆府店店長

 ( ・丼・)
 天丼の業火(HN) 火の玉ストレート管理人

6名無しさん:2024/01/08(月) 22:27:49 ID:6o6EHAUo0
【人物一覧 page2】

 ('A`)
  茂手内 読雄 筆府大学3年 ヌケドナノレドアルバイト

 | ェェ ,.、ェェ |
  抜土 ナノレド ヌケドナノレド筆府店店長

 ( ‘∀‘)
  御前 香那 美園林業従業員 猟師

 ( ゚∋゚)
  大木 括 青梅警察署巡査 山岳救助隊

 ( ^ハ^)
  タン・シェンロン 田無山荘オーナー

 ( ’▽’)
  星野ガービー(HN) ガービーの探索記管理人

 ( ゚д゚ )
  ???

 (´・ω・`)
  マスター(仮名) バーボンハウス店主

 ( ´∀`)
  御前 茂名 筆府ソフトHDB従業員

 ( "∀")
  御前 利夫 猟師

 ( ∴)
  ???

 ( ・L・)
  ???

 ( ・3・)
  ???

7名無しさん:2024/01/08(月) 22:28:22 ID:6o6EHAUo0
【人物一覧 page3】

Case2初出
 *(‘‘)*
  沢近 辺梨花 聖パウロ学園中等部?

 (゚」゚)
  濯石 則夫 暮石タクシー従業員

 彡 l v lミ
  鈴木 則夫 聖パウロ学園教頭

 (∴□u□)
  膝出 武 国際クオリティ大学3年

 リ `⊿´)
  白 燕 白虎飯店店主

 <ヽ`∀´>
  仁田 健(通名) シナノドラゴン幹部 品川商事取締役

 <ヽ`A´>
  金田 勝(通名) シナノドラゴン幹部 品川商事法務部長

 ξ゚⊿゚)ξ
  津出 麗羅 東京都立大学3年

 ( ゚∀゚)
  長岡ジョルジュ バーボンハウスアルバイト

 ( l v l)
  菱井 宗男 HOTEL FRONTIER従業員

 ( ・∀・)
  又利 守等 筆府警察署署長

 (-@∀@)
  朝日 悟 入速新聞社編集長

8名無しさん:2024/01/08(月) 22:29:19 ID:6o6EHAUo0
【人物一覧 page4】
Case3初出

 (´Д`)
  村上 庄司 諏訪狼グループ会長

 (  ゚¥゚)
  瀬藻 新名 瀬藻ファンド社長

 (‘_L’)
  フィレンクト・ローレンツ フィレンクリニック院長

 从 ゚∀从
  高岡 羽印 筆府大学教授

 ( `ー´)
  根野 石矢 鮮魚料理根野屋店主

 ( ,'3 )
  中嶋 晴健 瀬藻家使用人

 从´ヮ`从ト
  竹切 風狸 瀬藻家使用人

 〈::゚-゚〉
  石川 五右衛門 諏訪狼グループ会長秘書

 <ヽ ゚ v゚>
  後藤 和希 焼肉ゴットン店主

 (;;・∀・;;)
  黒磯 修平 沢近家使用人

9名無しさん:2024/01/08(月) 22:29:52 ID:6o6EHAUo0
【人物一覧 page5】

Case4初出
 ∬´_ゝ`)
  流石 禰邇 占い師
 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)
  流石 保林 猟師

 (^、^リノン
  水野 莉乃 割烹遊水従業員

 l从・∀・ノ!リ人
  流石 妃市 ヨツバ工業従業員

 <(' _'<人ノ
  高崎 美和 伊佐神社権禰宜 祈念流師範代

 (' _' レミ
  高崎 礼美 伊佐神社権禰宜

 ( ^×^)
  庵田 萌音 CafeMONE店主

  彡⌒ミ
 ( ´_ゝ`)
  流石 紀日夫 国家公務員

 / ①八①ヽ
  玄葉 猫之介 祈念流師範

10名無しさん:2024/01/08(月) 22:30:26 ID:6o6EHAUo0
【人物一覧 page6】

Case5初出

 ノハ ´_`)
  砂緒 新登 自宅経営者

 ノパ⊿゚)
  砂緒 緋糸 扶養家族

 lw´‐ _‐ノv
  砂緒 朱留 漫画家

 (゜3゜)
  田中 保清 筆府大学1年 ヌケドナノレドアルバイト

 ( <●><●>)
  ???

 (∴゚ з゚ )
  高田 倉仁 ヌケドナノレドアルバイト

 川 ^J^)
  花川 坦子 鉄板焼きやまき従業員

11名無しさん:2024/01/08(月) 22:30:59 ID:6o6EHAUo0
【人物一覧 page7】

Case6初出

 シリ ‘ -‘リ
  山井 五月 五月館オーナー 五月の声管理人

 J ゚ ゝ゚J
  別府 礼号 五月館共同経営者 五月の声管理人

 爪゚ー゚)
  地流 椎菜 群馬県警巡査部長

 ( ・A・)
  麻生 隆史 五月の声会員

 ハハ ロ -ロ)ハ
  サンディー・ハロウズ 五月の声会員

 川 ・ v・)
  新田 順子 五月館従業員

 (´〜`)
  山本 卓 五月の声会員

 タ ・ケ・)ダ
  武田 慎二 美容師

 ( ^^)
  山崎 渉 地方公務員

12名無しさん:2024/01/08(月) 22:31:33 ID:6o6EHAUo0
【人物一覧 page8】

Case7初出
 (´・_ゝ・`)
  盛岡 珈太郎 民宿ヨルイカオーナー

 ( 3丿3)
  三田村 信之 千手食堂店長

 99 ・H・)
  九十九 古江 千手烏賊漁協職員

 //・し・//
  布川 圭介 陸船亭店主

 (oしo)
  布川 武志 陸船亭従業員

 ( '>')
  岩渕 則康 千手烏賊漁協組合長

 ミサ ^ー^)ト
  雨霧 美里 雨霧研究所所長

 マス ゚ o ゚)ミ
  清浦 真澄 うみねこの家代表

 88 @-@)
  小川 松 小川駄菓子店店主

 ( ´W`)
  白髭 弘一 雨霧研究所従業員

 /リ ゚O゚)
  増田 誠二 千手神社宮司 千手烏賊町長

 ( `ゝ´)
  小野木 一徹 ???

 ( ^ヘ^)
  瓜田 平治 ビップカメラ筆府店従業員

13名無しさん:2024/01/08(月) 22:32:22 ID:6o6EHAUo0
【人物一覧 page9】

Case8初出

 イ从゚ ー゚ノi、
  ???

 |::━◎┥
  ???

Case9初出
 3 ◇M◇3
  三重 勝 バーニング・クリメイション店主

 タ Q、Qヒ
  絹糸 九里 群馬県警?

 ン ’カ’ン
  乾 識人 群馬県警?

 ノノ lコvlコ)
  央名 桐子 Cafeミモザ店主

 リ`<´ リ
  伊国 守 天からお塩店主

 ( =-=)
  折科 零 天からお塩従業員

 ( =ハ=)
  黒尾 世路 天からお塩従業員

 ( オ益チ)
  大路 益生 清掃員(転落死)

 ル´央`ル
  央名 成雄 ビルオーナー

 (`>' )
  滑川 末吉 ラジコンショップ店主

14名無しさん:2024/01/08(月) 22:33:02 ID:6o6EHAUo0
【人物一覧 page10】

Case9.5初出
 ( ^Д^)
  吹屋 笑 美容室ビルギット見習い

 ≪ ^ω^≫
  ???

Case10初出
 ( イ∀イ)
  イ・スンヒョン シナノドラゴン構成員 品川商事事務

 从'ー'从
  渡辺 由愛 バーボンハウス従業員

 ( -@M@)
  免田 流 筆府メンタルクリニック院長

 ('、`*川
  伊藤さん? ???

 爪'ー`)y‐
  一条教授? ???

 / ,' 3
  荒巻さん? ???

 ( ∵)
  樋高? ???

 (*゚∀゚)
  ???

 ( ソーソ)
 キム・ソンミン 品川商事警備部門

 ハ’ノ_’ ハ
 ハロルド・エンヴィー ???

15名無しさん:2024/01/08(月) 22:33:45 ID:6o6EHAUo0
【人物一覧 page11】

Case11初出
 ( ・丼・)
 天丼の業火(荒須 徹) 火の玉ストレート管理人、2tuber

 八‘⊿‘)
  吉野 ハル 捜朔村役場職員

 利 'ー`)
  石田 純一 捜朔村村長

 石 ^山^)
  山口 巌 漁師

 リ’-’ル
  吉野 リル 小学生

 八^⊿^)
  吉野 隼人 中学生

 八-ム-)
  吉野 ツル 山林管理者

 リ゚▽゚ リ<l
  木葉 茜 動画配信者

 ||| ‘L‘)
  長木 時雄 捜朔村役場役員

 ( ゚永゚)
  矢島 永治 捜朔村役場役員

Case12初出
 (’T’)
  円谷 達也 ???

 |゚ノ ^∀^)
  ???

16名無しさん:2024/01/08(月) 22:34:56 ID:6o6EHAUo0
【人物一覧 page12】

名前だけ登場
 沢近 真梨香 沢近辺梨花の母 聖パウロ学園理事?

 山井 宗一 山井電装創業者 山井建機創業者

 山井 健一 山井宗一の息子

 アレックス・ツクール ???

 平山 幸雄 ???

 北条 鉄平 ???

 田所さん 浮気調査の依頼人

 宮下さん 増田家使用人

 鳥華族の店長

17名無しさん:2024/01/08(月) 22:35:30 ID:6o6EHAUo0
【人物一覧 page13】

モブ
 ( 刑事刑) 刑事

 ( リョウ) 猟師

 (゚ ゚) ???

 (`店´) 店員

 ( ・店・) 店員

 ( A客A) 客

 ( B客B) 客

 ( A巡A) 巡査

 ( B査B) 巡査

 ( ・店・) 店員

 ( A客A) 客

 ( B客B) 客

 ( A巡A) 巡査

 ( B査B) 巡査

 ( C巡C) 巡査(四井巡)

 ( 大家大) 大家(大矢勉)

18名無しさん:2024/01/08(月) 22:36:49 ID:6o6EHAUo0
Case12-Tips7 神も存外に

爪'ー`)y‐「くっく。美里の舞いもなかなかのものだったが、虎穴ならぬ鮫穴に飛び込むとは」

[ OjO]「鮫穴とは言い得て妙ですね」

爪'ー`)y‐「大海原にいながら穴倉暮らし、クク、陰気な連中には如何にもお似合いというものだ」

[ OjO]「はっ。仰る通りかと」

爪'ー`)y‐「そこに投げ込む爆竹、実に面白いことになりそうじゃないか」

[ OjO]「しかしプロフェッサー。如何に貴方様でも観測は困難ではありませんか?」

爪'ー`)y‐「ふっ、そこは少々昔のツテがあるのでね。貸しを清算して貰うまでだ」

[ OjO]「ツテ、ですか?」

爪'ー`)y‐「あれも実に愚かで滑稽で、鑑賞し甲斐のある女だった。今頃慌てふためいているのが目に浮かぶ」

[ OjO]「はあ」

爪'ー`)y‐「予定調和の幕引きの末にああなるとは思ってもみなかったが、あれに目を着けるとは神も存外に俗なものだ」

19 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:39:43 ID:6o6EHAUo0
Case12-Tips8 英雄の星

|::━◎┥「メッセージ受信:教授」

*(‘‘)*「ゴミ箱にダンク!」

|::━◎┥「完全消去しました」

*(‘‘)*「まったく、今はあんなのに構ってる場合じゃないっての」

|::━◎┥「メッセージ受信:教授」

*(‘‘)*「NG設定&ダンク!」

|::━◎┥「NGアドレスを設定しました、メッセージを完全消去しました」

*(‘‘)*「どうせまた防壁越えてくるだろうけどねー」

|::━◎┥「過去データからの予測:数時間以内」

*(‘‘)*「はぁ……ほんとうざい」

|::━◎┥「進捗:#221 80%」

*(‘‘)*「予想はしてたけどかったいなぁ。確実に神格絡みじゃん、どうなってんの彼?」

|::━◎┥「推定:英雄の星」

*(‘‘)*「あー……そっか、そうだよね。アレックス君思い出すもん」

20 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:40:16 ID:6o6EHAUo0
Case12-Tips9 それでもさ

( '>')「おい、帰ってこねーじゃねーか。どうすんだ?」

(;’T’)「……」

( '>')「何だよ、嘘でも『助けに行く』ってくらい言えねーのか?」

(;’T’)「す、すみません……恐らく、難しいかと……」

( '>')「……なあ。じゃあ、あんたは何のためにこの町に来たんだ? お役所仕事ってやつか?」

(;’T’)「いえ、決してそのような――」

88 @-@)「ちょっと、そういうことを言うもんじゃないよ則康ちゃん」

( '>')「婆さん、そうは言ってもな」

88 @-@)「本当は則康ちゃんもわかってるはずだよ。違うかい?」

( '>')「……」

(’T’)「岩渕さん」

( '>')「あん?」

21 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:40:49 ID:6o6EHAUo0

(’T’)「お役所仕事なのは否定できません。ですが、私にも千手神社を預る者として矜持があります」

( '>')「ほぅ?」

(’T’)「千手様に誓って、嘘だけは絶対につきません。今の状況では、救出は不可能に近いと言わざるを得ません」

( '>')「……千手様に誓うたぁ、大きく出たな」

(’T’)「千手神社の神主は生半可な覚悟では引き受けられませんから。……先代のせいで微塵も説得力がないですが」

( '>')「あの、馬鹿が……。いつから別人になっていたかもわからねぇ自分にもムカッ腹が立つ」

88 @-@)「それは、私もだねぇ……ずっと違和感はあったんだけど」

( '>')「婆さん、あんたやっぱすげーよ。俺は、ダチのつもりだったのに何一つ気付けなかった……」

88 @-@)「則康ちゃん。それが君の良い所さ」

( '>')「……」

88 @-@)「こうなっちゃ私も、古い古いツテを頼る時が来たかねぇ……」

(’T’)「古いツテ、ですか?」

88 @-@)「もう何十年前だったか。忘れられてるかもしれないね。それでもさ」

22 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:41:23 ID:6o6EHAUo0
Case12-Tips10 それは至言

( ´ー`)「有休申請していいか? 一ヶ月ほど」

( ・∀・)「それは、私に死ねと?」

( ´ー`)「伊藤が何とかする」

(=゚ω゚)ノ「何ともなりませんよ! 警部あっての僕です!」

( ・∀・)「だ、そうだけど?」

( ´ー`)「おい伊藤。俺はそんな軟弱に育てた覚えはねーよ?」

(=゚ω゚)ノ「軟弱なのはあんたでしょう。見損ないますよ?」

( ´ー`)「……お前に見損なわれるのは流石に堪える」

( ・∀・)「それは私も堪える」

(=゚ω゚)ノ「えっ?」

( ´ー`)「これからの日本を背負ってくのはお前みたいな男だ、伊藤。俺みたいな老害は死にゆくのみ」

(=゚ω゚)ノ「何を酔っぱらってるんですか。俺の一番尊敬する刑事はそんなクソザコナメクジじゃないです、訂正してください」

( ・∀・)「その通りだ! いやー気が合うな伊藤君」

( ´ー`)「署長、言ってること滅茶苦茶なんだが……。ちゃんと寝てるのか?」

23 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:41:56 ID:6o6EHAUo0

( ・∀・)「……霞ヶ関の官僚と同じくらいは寝てるぞ?」

( ´ー`)「気功砲よろしく間違いなく寿命は縮む」

(=゚ω゚)ノ「むしろ何で仕事できるかわからないくらい寝てないですよぉ……」

( ・∀・)「そうか?」

(=゚ω゚)ノ「「そうです」」(´ー` )

( ・∀・)「うーん……そんなつもりはないんだがなぁ」

( ´ー`)「俺に影響されたって嘯くくらいなら少しはサボれよ」

(=゚ω゚)ノ「警部は仕事しながらサボれるから凄いですよねぇ……」

( ´ー`)「力の入れどころ抜きどころってのがあるだろうが。署長に過労死されちゃこの国の大きな損失だ」

(=゚ω゚)ノ「ほんとですよ。署長ほど市民の安全のために粉骨砕身している人はいません」

( ・∀・)「ま、そりゃね。仮にも警察署長たるもの、市民の盾になって死ぬのが本懐さ」

( ´ー`)「盾になった上で死なねーのが本物の刑事ってやつだ」

(=゚ω゚)ノ「そうですよ。死んだらもう誰も救えないです」

( ・∀・)「ン……それは。……それは、至言、だなぁ……」

24 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:46:00 ID:6o6EHAUo0
前回のあらすじ
・……? 野生の上田幹雄でも出たのか?
・えっ……トキって日本では佐渡島にしかいないんじゃ?
・鹿や猪にしちゃ魔力が大きい……ワンチャン魔術師かも


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

25 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:46:33 ID:6o6EHAUo0
Case12-Day5B
_/:;; ´;; ;,,〉、;;:  l! /;;  ,,;ヽ、―-'、 ;;;\ ___ /;;;__/  ;;_;\;;`
 ;;ヽ、,r‐-、  /____________;; 、;_;;/  ̄~     \/ ;;_〉
   /;; ^` /\                     \:: /  :;;\'´;;;〉 i!く;;::: ‐、
 /~`ヽ.../    \                    \〉、;;:  l! /;;  ,,;ヽ、―
 ;; ::,-‐∠____\___________\⌒~`\ ̄";;、   〉;;
  / ; |    λ   |                    |'、;;:: ;;;::l‐、  l:./、
:;/\ |   / ヘ    |                     |/ 〉~";;ヽ l   /
    〉.|  ./  .ヘ   |                      | ゞ―-、;;;l_ハ‐-'、
"'''"''''''''|_/   ヘ__|_____________」 lく  ;;;;〈ノ  〉  l!
;;   ; m ,. ; '  "  ;" '';  : ,. ;/''     | ;i/ il `  /__ノi!  ll
 : :   ;  ;   .  / '' ;゙  ;/ ;;"  :  !、;;l    /   l!  ~`X
;; "  . 、 l;  : " :;l  ,.  ;;v "; ゙゙ ;: ,V ;: 、;  "'''"'''"'''"'''"'''"'''"'''"'''"''
  n ;   ;_ ;  ;" ; :  ; ,. ,. ;  ;" ;;   : ;"' '; ,..,.m  ''゙゙ ;  ; ;_/

26 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:47:06 ID:6o6EHAUo0

爪;゚ー゚)「……何かを追いかけてこっちに向かってるっぽい。
      鹿や猪にしちゃ魔力が大きい……ワンチャン魔術師かも」

(;´_ゝ`)「なんだと?」

(´<_`;)「それは……どうする?」

<(' _'<人ノ「狼に追い立てられる程度の魔術師なら、どうとでもなります。
       ここはこちらから接触して情報を得るべきでは?」

(;´・_ゝ・`)「"狼に追い立てられる程度"……」

( ´_ゝ`)「……うむ、そうだな。放置して近くをうろつかれる方が面倒だ。狼対処できれば一石二鳥だし」

(´<_` )「とりあえず結界いっとくか?」

( ´_ゝ`)「ああ、盛岡さんのガードは任せる」

爪゚ー゚)「僕は状況を見てフォローに入るよ。二人は好きにやりたまえ」

<(' _'<人ノ「了解です」

( ´_ゝ`)「助かる」

人(´<_` )「五行結界、救急如律令!」

爪*゚ー゚)「陰陽道……興味深いね!」

27 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:47:40 ID:6o6EHAUo0
       }`V\
      ,ィ´¨{w) ) ̄ミ
    < _ヵ' `、 '  ```''ミ、_
  ャ''"´ ` ´  ミ        ミ、
.   ゞ-=-_''"         _  ヽ- 、__
       ̄⌒ミ    丶ヽ`           ̄ ̄ ̄\
         ハ        ヾ`             \
            ', 、     ノ              \ヽ
       ァ''" ̄ ̄/   ,, 彡.       >、       } ヽ
       |  /ー/   _ノ''‐、、、、_、_,< l  ` 、     乂 ヽ、,,,,,_
     ノ   ) ′ , イ                )h、   \_   `― 、  `爻
      乂/ ./                  ̄"'' 、、 ̄ -=、 \‐彳
    __/ ,イ                        )h、 . Y\ 、>
   ァ´ ァ'' _/                              _/ ,'   `´
   ゝ==彡                         Y, , _,'
                                   `¨´

28 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:48:54 ID:6o6EHAUo0

三|゚ノ;^∀^)「はあっ、はあっ……!」

< _ヵ' `三「バウッ!」

三|゚ノ;^∀^)「ひいっ!?」



( ´_ゝ`)「……えっ?」<(' _'<人ノ「はっ……?」爪゚ー゚)「おんやあ……?」(´<_` )「!?」



三<(' _';<人ノ

(⊃<⊂(' _';<人ノ



( ´_ゝ`)「……えっ。なんで全裸なん、あの娘?」

爪゚ー゚)「ふむ、実に興味深いね」

<(' _'<人ノ「……見ましたか?」

(⊃<⊂;)「あ、ああ……ちらっと……」

<(' _'<人ノ

29 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:49:28 ID:6o6EHAUo0

( ´_ゝ`)┫「よくわからんが、とりあえず」

\<(' _'<人ノ「そうですね」



\<(' _'<人ノ「「やりますか」」( ´_ゝ`)┫



━━━━━━━━ ,イ━━ ,イ ,イ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       |l!1!|!l./ム―7 レ .レ  i| !i| !li| |i! |! |                |l!1!|!l
       |l!1!|.//ニ7/         .i| !li| |i! l:                 |l!1!|!l
       |l!1!|/' ̄7/          il !li| |i! |               |l!1!|!l
       |l!1!|!l.  //             !li| |i!                  |l!1!|!l.
       |l!1!|!l. /' . __         li| |i                    |l!1!|!l
       |l!1!|!l   /´ > ,.イ    i| |!:                 |l!1!|!l
       |l!1!|!l   ´ ̄  /_/      !| |                      |l!1!|!l
       |l!1!|!l     //      | |                      |l!1!|!l
       |l!1!|!l    //          .| |                   | |l!1!|!l
       |l!1!|!l |  |/,イ,イ ,イ        | |                l| |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!   レレ //   ,ィ    |  |               l| |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!     /'  / .i    |  |i                   || |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!       ./ /    .|/レ'i                || |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!,      //     .|/|i | i              || |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!i      ´       .|    l     /    .i    i.|| |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!l    , イ      |i | |     И  /|     .l    l:|| |l!1!|!l
━━━━━━━━━━━レ'━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

30 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:50:01 ID:6o6EHAUo0

< _ヵ' `「グルルルル……!」

|゚ノ;^∀^)「はわわわわ……!」
                   ┌
                   | lトミ____
                  _人∧:::〉::::::::::::::`丶
                 __ア´::::::/ __ァ―::: : `丶、
             __フ⌒:::::::::::⌒ア´::::::::::::::::::::: : \
            _ア⌒ニ::::::::::::::::::::::: T勿::::::::::::::::::::::::: }`:トミ
.           ⌒ア:::::::^7::::::::::::::::::::::::: : ⌒\:::::::::::::::::::::}:://
           /:::::::::::/_::::::::::::::::::::::::: _/ ノ^Y^弋勿:::ノ「
            |l:::::::::::::::::::::::::::::::::: : /´{、__^L_〉 l/:::::::|
           イl::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|7/〉、 `丶、ノ::::::::::Ν
.          lИ:::::::::::::::::::::::::::::: : |/イ`¨¨¨l /:::::::::: Ν
            |::И:::::::::::::::::::::::::::: /l 乂_/7/::::::::::::/{
            |::::::}::::::::::::::::::::::::: : {人_彡'7/::::::::::::/:::|
            l::::/:::::::: : }从:::::::: : `¨¨¨¨´从ハ∧{:::∧
           ∨::::::::::::::::::::)ハ::: : /l/l/l/::::::::::: l/::::::∧
            /::::::::::::::::::::::::: : l八ルヘハ::::::::::::: /⌒:::::∧
             /:::::::::: : _,wWハ::::::::::::::::::::`7^'ヘ∨::::::::::∧
.       ,.'´/::::::::::::: /::::::::::/ ∨::::::::::::::::/     ∨::::::::::∧
       /::::::/::::::::::::::∧::::::::::{ _/::::::::::::::: /      `、::::::::::::`、
.     /:::::::l⌒ヽ:::::/_∧::::::::{ {:\::::::::/         `、::::::::::::`、
.       {:::::::::|::::::::::::::{  ∨::ノ〉 |::::::::/             `、::::::::::::`、
     l__彡'|:::::::::|::::|   ∨::{ |:::::::{              `、::::::::::::`、
         l:::::::: ∨    {::::} |:::::::}

31 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:50:35 ID:6o6EHAUo0
                             ,イ ,イ
                           ,イ/! レ .レ
                             / /´
;;;;;,.'"   ゝイ ,>''~:::..    ゝノ \ ヽ;;;レ'.| |/!
=/       ” /zVjWV{ィ_/, ,     \ ∨/ /     __
      /x≦λ" ̄ ̄`` '<イ,    ヾレ゙.| |   /´ > ,.イ
  (;;;) ,ァ'"  /  'v      (  "''<x、≧V|/   ´ ̄ ./_/
` a_/ヾ、  {   ;{         ハメV V;;;;;;;;;;;;   //
__/'  ゝ--、     ゙;        / ハミハ ',;;;;;;;;;;; //   ,イ,イ ,イ
'7 '   、         ',      ,  / Vハ v;;;;;;;; |/    レレ //
.j i    ' ,.      ,.;;;;;;;;;;;ヽ     ´    イ}ヽ、__;;;;;       /'
リ {   -=       {;::;;●;;;:;}    =-   jリイ⌒;;; ;
、,; )__r―〜    ゝ -=彡   ,..ー=ァ'"//'/  /
≧=<   ̄      j  `、ーヾ V//'    /;;
;;;;ヾ   \_,, ー'      レ   、 、//  r;;/;;;;;;;;
 ;;,,ハ  c`'-x、/   V'    )/ィ  , /;;;;;;;;;;;
   `、   ,、` ^¨^¨¨¨''T'"ヾ≦     /;;;;;;;;;;;;;;;;
   ;;;;ヽ  `'              ,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

32 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:51:09 ID:6o6EHAUo0



|゚ノ;^∀^)\<(' _'<人ノ
     !?



( ´_ゝ`)┫< _ヵ' `;
     !?



<(' _'<人ノ「動かないでください。動けば斬ります」

|゚ノ;^∀^)「……!」

( ´_ゝ`)┫「去ね」

< _ヵ' `;「「グルルルル……!」」

(  _ゝ )┫「去ねッ……!」

< _ヵ' `;「「グルッ……!」」



< _ヵ' `;三 ダッ!

33 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:51:43 ID:6o6EHAUo0

|゚ノ;^∀^)「あっ……!」

( ´_ゝ`)「ふん、所詮は犬畜生」

<(' _'<人ノ「真理男くん、布か何かありませんか?」

( ´_ゝ`)「むっ……地流さん、そこの鞄の中」

爪゚ー゚)「ふむ、これかい?」

( ´_ゝ`)「そうそれ」

爪゚ー゚)「ん……これかな? 今持ってくよ」

バッ!<(' _'<人ノ

|゚ノ;^∀^)「えっ?」

<(' _'<人ノ「これでヨシ、っと」

( ´_ゝ`)(正直眼福だった)

爪゚ー゚)(って顔してるね?? まさか巨乳でしか反応しないとか?? 処すかこの男??」

( ´_ゝ`)「あの、聞こえてるんだけど……」

爪゚ー゚)「聴かせてんだよ」

34 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:52:16 ID:6o6EHAUo0

|゚ノ;^∀^)「あ、あの……?」

\<(' _'<人ノ「まだ動かないでください。所属と姓名を」

|゚ノ;^∀^)「ショゾク? セイメイ……?」

( ´_ゝ`)「あー……君はどこの誰なのか教えてくれ」

|゚ノ;^∀^)「わ、私は007……B-1地区の007番です」

( ´_ゝ`)「ビーワン地区……?」

<(' _'<人ノ「ゼロゼロナナ……?」

爪゚ー゚)「ふむ……興味深いね」

(´<_` )「……とりあえず、拠点の中で話すか?」

(´・_ゝ・`)「そうだね、それが良いんじゃないかい?」

( ´_ゝ`)「ン……そうだな」

\<(' _'<人ノ「歩くことを許可します。あちらへ進みなさい」

|゚ノ;^∀^)「は、ハイ……」

( ´_ゝ`)(おっかねぇな、戦士モードの美和ちゃん……)

35 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:52:49 ID:6o6EHAUo0
【拠点】
_/:;; ´;; ;,,〉、;;:  l! /;;  ,,;ヽ、―-'、 ;;;\ ___ /;;;__/  ;;_;\;;`
 ;;ヽ、,r‐-、  /____________;; 、;_;;/  ̄~     \/ ;;_〉
   /;; ^` /\                     \:: /  :;;\'´;;;〉 i!く;;::: ‐、
 /~`ヽ.../    \                    \〉、;;:  l! /;;  ,,;ヽ、―
 ;; ::,-‐∠____\___________\⌒~`\ ̄";;、   〉;;
  / ; |    λ   |                    |'、;;:: ;;;::l‐、  l:./、
:;/\ |   / ヘ    |                     |/ 〉~";;ヽ l   /
    〉.|  ./  .ヘ   |                      | ゞ―-、;;;l_ハ‐-'、
"'''"''''''''|_/   ヘ__|_____________」 lく  ;;;;〈ノ  〉  l!
;;   ; m ,. ; '  "  ;" '';  : ,. ;/''     | ;i/ il `  /__ノi!  ll
 : :   ;  ;   .  / '' ;゙  ;/ ;;"  :  !、;;l    /   l!  ~`X
;; "  . 、 l;  : " :;l  ,.  ;;v "; ゙゙ ;: ,V ;: 、;  "'''"'''"'''"'''"'''"'''"'''"'''"''
  n ;   ;_ ;  ;" ; :  ; ,. ,. ;  ;" ;;   : ;"' '; ,..,.m  ''゙゙ ;  ; ;_/

36 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:53:23 ID:6o6EHAUo0

( ´_ゝ`)「んで、B-1地区の007番だったか」

|゚ノ;^∀^)「は、はい」

<(' _'<人ノ「あなたはここで何をしていたんですか?」

|゚ノ;^∀^)「……」

\<(' _'<人ノ「答えないのであれば、腕を斬り落とします」

|゚ノ;^∀^)「えっ」

(((;´・_ゝ・`)))

(´<_` )「おい美和ちゃん」

( ´_ゝ`)「ときに落ち着け」

<(' _'<人ノ「む」

爪゚ー゚)「やあやあ、僕は地流椎菜。君はこの島の人かい?」

|゚ノ;^∀^)「えっ? は、はい」

爪゚ー゚)「僕らは外から来たんだけど、よければ色々教えて貰えないかな?」

|゚ノ;^∀^)「外から? えっ、信徒様ですか?」

爪゚ー゚)「……なるほど?」

37 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:53:56 ID:6o6EHAUo0

( ´_ゝ`)「信徒様とやらではないな」

(´<_` )「むしろ推定正反対というか」

|゚ノ;^∀^)「正反対……?」

爪゚ー゚)「君は日本、もしくは日ノ本を知っているかな?」

|゚ノ;^∀^)「は……? き、聞いたことは……」

( ´_ゝ`)「ふむ。俺らはそのニホンカラキマシタ」

(´<_` )「何故に片言」

|゚ノ;^∀^)「えっ、あなた達があのニホンジン!?」

( ´_ゝ`)「どの日本人かは知らんが日本人だ」

|゚ノ;^∀^)「何百年の間、神々に抗っているという、あの……!?」

爪゚ー゚)「あーそういう感じか。それなら数百年では足りないね、千年以上だよ」

|゚ノ;^∀^)「せんっ……!?」

( ´_ゝ`)「何となく察せてきたな。この島には人間の大規模な集落があるのか」

<(' _'<人ノ「そしてそれは……人が人として生きては、いないのでしょうね」

38 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:54:30 ID:6o6EHAUo0

爪゚ー゚)「007……れい、おー、なな……ふむ、レモナとでも呼ばせて貰おうか」

|゚ノ;^∀^)「はい?」

( ´_ゝ`)「ふむ。君は今からレモナだ。いいね?」

|゚ノ;^∀^)「???」

(´<_` )「ユバーバかな……?」

<(' _'<人ノ「それで。あなたはここで何をしていたんですか?」

( ´_ゝ`)「美和ちゃんの圧が強い。覇王色」

|゚ノ;^∀^)「……ほ、本当にニホンジンなんですね?」

爪゚ー゚)「それはもう、この上なく?」チラッ

( ´_ゝ`)「だな」チラッ

(´<_` )「うむ」チラッ

(´・_ゝ・`)「そうだね」チラッ

<(' _'<人ノ「……どうして皆さんこちらを見るんですか?」

( ´_ゝ`)「そら、純和風だからな」

39 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:55:04 ID:6o6EHAUo0

|゚ノ;^∀^)「だ、だったら……お話しします」

( ´_ゝ`)「うむ、頼む」

|゚ノ;^∀^)「私は、逃げてきたんです」

<(' _'<人ノ「それは、どこから。……いえ、何から?」

|゚ノ;^∀^)「ええと……何と言っていいか」

(´・_ゝ・`)「ねえ、一度落ち着いて貰った方がいいんじゃないかい?」

爪゚ー゚)「そうだね。コーヒーでも淹れようか」

( ´_ゝ`)「あー……そうかもな」

(´<_` )「んじゃ、俺と地流さんでやってくるわ。美和ちゃんは周囲の警戒頼む。兄者は……盛岡さんと一緒に適当に解しといて」

( ´_ゝ`)「はいよ」

<(' _'<人ノ「わかりました」

(´・_ゝ・`)「えぇ……難しいことを言うね」

|゚ノ;^∀^)「あ、あの……?」

爪゚ー゚)「飲み物を用意してくるからちょっと待ってて」

40 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:55:38 ID:6o6EHAUo0
        パチ     `   ,ヾ、
               ` ヽ、 ,ノ )´( 、 ノY
                ) Y  人 .Yィ
                 (:.、)ノ'  ノ ,(.ノY '  パチ
        パチ   _,ノ   .. .   .ソ
            `ヘ(   从;: .:.   ノ
          i /_)   ,; .      Y
            ⌒ヽ   .;:..  ...::;, ヽ
          丶 _人ノ,  ...     . ; (
            从ヽ        ..;,ノ
         r===<彡イ二 ヘ;#;;从ノ="(ン(",,
        (\,ノ´フ,{='に}/{てニ}r=ィへ,)≡==-
        >`てk-'ト、iノ//ヽ)ー'レr小)人ミ三≧
        (ノメ'トf  //けi」(ノ'(ツハ)ト)三≧
           ^^''"'"ケ) (ハ)"(ハ)ヽ)"^^

41 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:56:11 ID:6o6EHAUo0

爪゚ー゚)「はぁ……インスタントコーヒーも捨てたもんじゃないね」

( ´_ゝ`)「うむ、こういった状況ではな」

<(' _'<人ノ「落ち着きますね……」

(´・_ゝ・`)「飲まないのかい?」

|゚ノ ^∀^)「ええと……」

( ´_ゝ`)「もしかしなくても、コーヒーは初めてか?」

|゚ノ ^∀^)「コーヒー……?」

爪゚ー゚)「騙されたと思って飲んでみなよ。この通り毒ではないからさ」

|゚ノ ^∀^)「……んっ……」

|゚ノ*^∀^)「……お、おいしい……!」

( ´_ゝ`)「うむうむ」

(´・_ゝ・`)「口に合ったようでよかった」

(´<_` )「ですね」

( ´_ゝ`)(砂糖の在庫はちと気になるがな……)

42 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:56:45 ID:6o6EHAUo0

爪゚ー゚)「さて、一息ついたところで話を再開しようか」

( ´_ゝ`)「まずはやはり、ここに来た経緯を教えて欲しいな」

|゚ノ ^∀^)「ケイイ? ええと……畜舎から逃げて来たんです」

(´<_` )「……気のせいか、何か不穏な単語が聞こえたような」

<(' _'<人ノ「畜舎、ですか」

|゚ノ ^∀^)「は、はい。B-1地区の第三畜舎です」

( ´_ゝ`)「……一応聞いておくけど、君は家畜の世話をする仕事の人?」

|゚ノ ^∀^)「はい。家畜なので、他の家畜の世話をすることもあります」

爪゚ー゚)「ふむ? つまり君は家畜で、家畜同士で世話をすることもある、と」

|゚ノ ^∀^)「そうです」

<(' _'<人ノ「なんという……」

(´<_` )「なんだろう。酷く冒涜的な世界観だな」

(´・_ゝ・`)「なんかあんまり突っ込んで聞くと頭がおかしくなりそうだね……」

( ´_ゝ`)「とはいえ聞かんわけにもいかん。それで?」

43 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:57:18 ID:6o6EHAUo0

|゚ノ ^∀^)「はい。水浴びの時間に抜け出して、とにかく遠くまで逃げようとこっちの方まで」

( ´_ゝ`)「ああ、それであんな恰好だったのか……それで狼の群れに出くわしたわけだ」

|゚ノ ^∀^)「そうです」

<(' _'<人ノ「これは、まずいかもしれませんね」

( ´_ゝ`)「だな。畜舎からの距離は?」

|゚ノ ^∀^)「朝からずっと歩いてましたけど、真っすぐじゃないのでよくわかりません」

(´<_` )「ふむ……難しいな」

爪゚ー゚)「方向はわかるかい?」

|゚ノ ^∀^)9m「たぶん、あっちの方です」

(´・_ゝ・`)「西の方向かな? 内陸方面だね」

( ´_ゝ`)「とりあえず海沿いじゃなさそうなのは朗報。集落の規模は?」

|゚ノ ^∀^)「シュウラク? キボ?」

(´<_` )「あなたのいた地区にはどれくらいの人がいたんですか?」

|゚ノ ^∀^)「100よりはたくさんです。B地区はB-9まであります」

44 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:57:52 ID:6o6EHAUo0

<(' _'<人ノ「となると……1000以上は確実ですか」

( ´_ゝ`)「それ全部敵って考えるとゾっとしないな……」

爪゚ー゚)「まあ、真正面から争いになった時点で詰みだね」

(´・_ゝ・`)「まずくないかい? 追っ手にでも来られたら」

(´<_` )「誰かがあなたを追ってくるということは考えられますか?」

|゚ノ ^∀^)「ええと……たぶんないと思います」

( ´_ゝ`)「それは、どうして?」

|゚ノ ^∀^)「逃げ出す家畜なんて、聞いたことがないですから」

(´・_ゝ・`)「そ、それはまた……」

( ´_ゝ`)「……完璧に洗脳キマッてる、ってとこか? だが、それなら何で君は逃げ出したんだ?」

|゚ノ ^∀^)「思い出したんです」

<(' _'<人ノ「思い出した?」



|゚ノ ^∀^)「はい。私が死んだ時のことを。そして、死にたくないという気持ちを」

45 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:58:25 ID:6o6EHAUo0
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46 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:59:00 ID:6o6EHAUo0

( ´_ゝ`)「それは……どういう意味だ?」

|゚ノ ^∀^)「私は、生まれる前に一度死んだんです。たぶん」

爪゚ー゚)「……前世の記憶、ってやつかな?」

|゚ノ ^∀^)「ゼンセというのはよくわかりませんけど、思い出したんです」

(´<_` )「その、死ぬ前のことは?」

|゚ノ ^∀^)「わからないです。死んだときのことだけです」

<(' _'<人ノ「……なるほど。その時の死にたくないという想いが、洗脳教育を跳ね除けるほどのものだったと」

|゚ノ ^∀^)「痛くて、苦しくて、殺してやりたくて。……死にたくなくて」

(´・_ゝ・`)「殺してやりたい……? ということは君は、誰かに殺された?」

|゚ノ ^∀^)「たぶん。よくわかりませんけど」

(´<_` )「ふむ……。前世の記憶という話はそれなりに聞くが、どうにもな」

<(' _'<人ノ「聞いた話では、本当の話もごく稀にあるそうです。私も実際に対峙するのは初めてですが」

( ´_ゝ`)「その道の美和ちゃんが聞いたってことは本当なんだろうな。
      そして逆に、その道の美和ちゃんが対峙したことがないくらいにレアでもある、と」

47 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:59:33 ID:6o6EHAUo0

|゚ノ ^∀^)「それから、あったかい気持ちと一緒に浮かんできた顔もあります。
      やさしそうなおじいちゃんとおねえちゃん」

( ´_ゝ`)「むぅ……殺された相手とかじゃなくて家族か? なんか繋がってないな」

爪゚ー゚)「まあ、そんなもんじゃないかい? そもそもが不条理な出来事だしね」

<(' _'<人ノ「ですね。……それで、あなたは死にたくないと思って逃げ出した」

|゚ノ ^∀^)「はい」

( ´_ゝ`)「ってことは……近々死ぬような予定があった?」

|゚ノ ^∀^)「そうです、もうじき死ぬことになってました」

(´<_` )「あー……この先聞きたくねーな」

<(' _'<人ノ「はい……。その、何故あなたは死ぬことになっていたんですか?」

|゚ノ ^∀^)「私は食用奴隷なので。近々解体されてお肉になる予定でした」

( ´_ゝ`)「Oh...」

(;´・_ゝ・`)「うぇ……」

(´<_` )「その……思い出す前は、どういう気持ちだったんです?」

48 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:00:06 ID:6o6EHAUo0

|゚ノ ^∀^)「私たちは神様のお役に立つために生まれてきたので、とても幸せなことだと」

(;´・_ゝ・`)「……」

( ´_ゝ`)「洗脳ガンギマリすぎだろ……実は逃げ出してきたの後悔してたり?」

|゚ノ ^∀^)「いいえ、死にたくないです。今までの全てがどうでもよくなるくらい」

(´<_` )(よっぽどな死に方したのかな……)

爪゚ー゚)「僕ら、神様に攫われたある日本人を助けに来たんだけど。協力してくれる気はあるかい?」

( ´_ゝ`)(まあ、現時点でここにいるとは限らないんだけど)

|゚ノ ^∀^)「そうすれば生きられるなら」

(´<_` )「そもそも、あなた逃げ出してどうするつもりだったんです?」

|゚ノ ^∀^)「え?」

( ´_ゝ`)「追われないのが本当だとしても水とか食料とか。どうするつもりだったんだ?」

|゚ノ;^∀^)「……」

爪゚ー゚)「どう考えてもサバイバル知識なんかなさそうだしね」

( ´_ゝ`)「ここで俺らに出会ったのはマジで運がよかったな。こっちも助けるから、そっちも力を貸してくれ」

49 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:00:39 ID:6o6EHAUo0

|゚ノ ^∀^)「私にできることなら何でもします。それで生きられるなら」

( ´_ゝ`)「ん、今何でもするって言った?」

(´<_` )「脊髄反射で会話してんじゃねーよアホ」

|゚ノ ^∀^)「何でもします!」

爪゚ー゚)「であれば、この島のことをもっと色々教えて貰いたいね」

<(' _'<人ノ「そうですね。我々がこの先生きのこるためにはそれが重要です」

|゚ノ ^∀^)「私が知ってることなら何でも聞いてください」

( ´_ゝ`)「そりゃ助かるな。だが何から聞いたもんか」

(´<_` )(知識量かなり少なそうだし、常識が違いすぎるから聴き方も結構難しそうだ)

爪゚ー゚)「それじゃあ取り調べを始めようか、佐須田くん」

( ´_ゝ`)「取り調べじゃねーし佐須田くんでもねーよ」

<(' _'<人ノ「では、真理男くん達が先に夜番ですか?」

(´<_` )「そうなるな」

50 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:01:13 ID:6o6EHAUo0

(´・_ゝ・`)「僕はどうすればいいかな?」

( ´_ゝ`)「魔術講義する暇もなさそうだし、先休んでてよ」

爪゚ー゚)「そうだね、その方が人数バランスもいいし」

(´・_ゝ・`)「わかったよ」

(´<_` )「それじゃ、俺らは寝るぞ」

<(' _'<人ノ「真理男くん、よろしくお願いします」

( ´_ゝ`)「おう」

爪゚ー゚)「……さて。コーヒーのおかわりはいるかい?」

|゚ノ ^∀^)「オカワリ?」

( ´_ゝ`)「その概念もないか。もう一杯飲むかってこと」

|゚ノ ^∀^)「飲みたいです」

( ´_ゝ`)「おし、ちょっと待ってな」



 ―――。

51 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:01:47 ID:6o6EHAUo0
        パチ     `   ,ヾ、
               ` ヽ、 ,ノ )´( 、 ノY
                ) Y  人 .Yィ
                 (:.、)ノ'  ノ ,(.ノY '  パチ
        パチ   _,ノ   .. .   .ソ
            `ヘ(   从;: .:.   ノ
          i /_)   ,; .      Y
            ⌒ヽ   .;:..  ...::;, ヽ
          丶 _人ノ,  ...     . ; (
            从ヽ        ..;,ノ
         r===<彡イ二 ヘ;#;;从ノ="(ン(",,
        (\,ノ´フ,{='に}/{てニ}r=ィへ,)≡==-
        >`てk-'ト、iノ//ヽ)ー'レr小)人ミ三≧
        (ノメ'トf  //けi」(ノ'(ツハ)ト)三≧
           ^^''"'"ケ) (ハ)"(ハ)ヽ)"^^

52 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:02:20 ID:6o6EHAUo0

( ´_ゝ`)「で、だ。何から聞こうか」

爪゚ー゚)「僕としてはあれかな。レモナ、君って魔術は使えるのかな?」

|゚ノ ^∀^)「いいえ、家畜なので」

( ´_ゝ`)「ほう、そういうものなのか」

|゚ノ ^∀^)「はい、魔術は信徒様が使うものなので。信徒様から家畜になった人は使えたりしますけど」

爪゚ー゚)「信徒様ねぇ。そもそも、そういった身分はどういったものがあるのかな?」

|゚ノ ^∀^)「一番偉いのは神様です。人間の中では教皇様、祭司長様、祭司様、信徒様です。その下に奴隷と家畜がいます」

( ´_ゝ`)「なるほど。神様というのは鮫の頭をした奴らであってるか?」

|゚ノ ^∀^)「はい。それから、神様が使う使徒様は信徒様と同等の扱いです」

爪゚ー゚)「それは、魚から手足が生えた?」

|゚ノ ^∀^)「そうです」

( ´_ゝ`)「神様や使徒様の中で上下関係とかはあったりするのか?」

|゚ノ ^∀^)「それは知りません。教えられていないので」

爪゚ー゚)「ふむ、なるほどね」

53 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:03:04 ID:6o6EHAUo0

( ´_ゝ`)「それぞれどれくらいの人数がいるかわかったりは?」

|゚ノ ^∀^)「たぶん家畜と奴隷が一番多いと思います。教皇様は一人しかいません。祭司長様は何人かいるらしいです。
      ただ、どっちも普段は外にいるって聞いてます」

爪゚ー゚)「神様はどれくらい?」

|゚ノ ^∀^)「わからないです」

( ´_ゝ`)「B地区以外ではどういった地区があるんだ?」

|゚ノ ^∀^)「ええと……神様が住んでいるA地区、物を作っているC地区、お米とかを作っているD地区、魚を獲っているE地区です」

爪゚ー゚)「それぞれの位置関係はわかるかい?」

|゚ノ ^∀^)9m「あっちの方にA地区、あっちの方にC地区、あっちの方にD地区があるらしいです」

( ´_ゝ`)「A地区が北、C地区が西、D地区が南か」

爪゚ー゚)「……彼女の方向感覚があっているなら、だけどね」

( ´_ゝ`)「ちなみにレモナ。君は他の地区に行ったことは?」

|゚ノ ^∀^)「B-1地区から出たことはないです」

爪゚ー゚)「むぅ」

54 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:03:38 ID:6o6EHAUo0

( ´_ゝ`)「米と言ってたが。米が主食なのか?」

|゚ノ ^∀^)「シュショクというのはわかりませんが、お米はよく食べます」

爪゚ー゚)「他によく食べるものは?」

|゚ノ ^∀^)「お魚や貝や海藻です。お野菜はたまに、あとは程度の悪い家畜の肉は私たちが食べることもあります」

(;´_ゝ`)「Oh...」

爪;゚ー゚)「それは……思う所はないのかい?」

|゚ノ ^∀^)「家畜なんかに食べられるのは可哀想だなあ、とは」

(;´_ゝ`)「な、なるほど……」

|゚ノ ^∀^)「死にたくない今では、絶対に嫌ですけど。前はできれば神様に食べて貰いたいなあとか、そんな感じでした」

爪;゚ー゚)「いやあ思った以上にヤバいなあ……ハハハ」

(;´_ゝ`)「いや全く。流石の俺らでもドン引きするレベル」

|゚ノ ^∀^)「?」

爪゚ー゚)「とはいえ君はいざとなれば人肉くらい普通に食べそうだけどね?」

( ´_ゝ`)「……まあ否定はせん。大事の前の小事であれば、だが」

55 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:04:13 ID:6o6EHAUo0

爪゚ー゚)「僕は正直割り切るの厳しいかもなあ……食べられる方なら多少興味あるけど」

( ´_ゝ`)「えぇ……?」

爪゚ー゚)「想像するとちょっと興奮しないかい?」

( ´_ゝ`)「しない」

爪゚ー゚)「えぇ……?」

|゚ノ ^∀^)「あ、わかります」

( ´_ゝ`)「えぇ……?」

爪゚ー゚)「恐らく、それも家畜の教育システムに組み込まれてるんだろうね」

( ´_ゝ`)「教育もされてないのにそうなってる奴がここに」

爪゚ー゚)「そりゃ、天然がいなきゃ人工もいないだろうさ」

( ´_ゝ`)「一番アレなとこを普通に体現しないで欲しいんだけど??」

爪゚ー゚)「いや、食べられたいってだけなら実に平和的な話じゃないか」

( ´_ゝ`)「平和って何だっけ??」

爪゚ー゚)「平和? "双方が納得している"ってことじゃないのかい?」

( ´_ゝ`)「……普通に同意できちまうのが腹立つ」

56 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:04:46 ID:6o6EHAUo0

爪゚ー゚)「……しかし、大きいな」

( ´_ゝ`)「ん? レモナの魔力の話、か?(いくら地流さんでもここで乳の話じゃない、よな?)」

爪゚ー゚)「そう。明らかに僕より多い。君よりはちょっと少ないかな?」

( ´_ゝ`)「そりゃまた。訓練も何もなしで、ってなると」

爪゚ー゚)「魔力操作の素質さえあれば、普通に天才レベルかもしれない」

|゚ノ ^∀^)「え?」

( ´_ゝ`)「もしかしたら、だが。だからこそ前世の記憶が蘇ったのかもな」

爪゚ー゚)「なんとなくだけど、因果が逆な気はするかな。じゃなきゃ、生まれつき魔力が多い人は大体前世の記憶を持ってることになる」

( ´_ゝ`)「あー、確かに一理ある。ってことは逆か、前世の記憶が蘇ったことによって魔力量が増えた」

爪゚ー゚)「そっちの方がしっくり来るね。それによって前世の魔力量を引き継いだ、とか」

( ´_ゝ`)「……その理屈で言うと前世は魔術師っぽいかな」

爪゚ー゚)「僕はそう思ってる。だから、何なら教えれば今すぐ魔術使えそうだなって」

( ´_ゝ`)「ふむ、試してみるか?」

|゚ノ ^∀^)「???」

57 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:05:20 ID:6o6EHAUo0
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58 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:05:53 ID:6o6EHAUo0

|゚ノ;^∀^)「あっ!?」

( ´_ゝ`)「マジでできちゃった」

爪゚ー゚)「ふっ、僕の勘も捨てたもんじゃないね」

( ´_ゝ`)「おめでとう、これで君は今日から魔術師だ、レモナ」

|゚ノ;^∀^)「……」

爪゚ー゚)「おや? あまり嬉しそうじゃないね?」

|゚ノ;^∀^)「び、びっくりして……」

( ´_ゝ`)「よかったな、これで俺らが健闘虚しく全滅しても水には困らないぞ」

爪゚ー゚)「いや、水だけじゃどうにもならんでしょ。それに全滅とか縁起でもない」

( ´_ゝ`)「まあそうなんだが」

|゚ノ;^∀^)「まさか私が魔術を使えるなんて……」

爪゚ー゚)「ふふん、僕の慧眼を称えるがいい」

( ´_ゝ`)「すごいなー、あこがれちゃうなー」

爪゚ー゚)「それほどでもない」

|゚ノ ^∀^)「???」

59 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:06:27 ID:6o6EHAUo0

( ´_ゝ`)「そうとわかれば護身用の魔術仕込んどきたいな」

爪゚ー゚)「僕は戦闘用の魔術は無理だよ?」

( ´_ゝ`)「俺も強化しか使えん。……明日弟者と美和ちゃんに頼むか」

爪゚ー゚)「だね。レモナが戦力として数えられれば多少なり生存率上がるし」

|゚ノ ^∀^)「あの……?」

( ´_ゝ`)「そういえば。一応聞いておくけど、戦い方とかは知ってる?」

|゚ノ ^∀^)「えっ?」

爪゚ー゚)「格闘技、武術、狩猟、何でもいいけど。何か身を守るための暴力は身に着けているかな?」

|゚ノ ^∀^)「いいえ、そういうのは特に……」

( ´_ゝ`)「ま、だろうな。であれば強化は教えても意味がない」

爪゚ー゚)「やっぱ美和達に任せるしかないか。……あ、念話と探知は伝授しておきたいな」

( ´_ゝ`)「それはでかいな。あるとないとじゃ大違い」

|゚ノ ^∀^)「ネンワ? タンチ?」

爪゚ー゚)「ま、使ってみりゃわかるよ」



 ―――。

60 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:07:01 ID:6o6EHAUo0
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61 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:07:35 ID:6o6EHAUo0

(´<_` )「はよっす」

<(' _'<人ノ「おはようございます」

(´-_ゝ・`)「ふぅ……なかなかきついね」

( ´_ゝ`)「確かにきつい。レモナの探知が形になったらローテを改めたい」

(´<_` )「……? その口ぶり、レモナさんは」

爪゚ー゚)「いやあ、これが出鱈目に優秀でね。明日、君らに戦闘用の魔術を仕込んで貰えたら完璧かな?」

( ´_ゝ`)「正直、"習得している"というよりは"思い出している"って感じ」

<(' _'<人ノ「なるほど……前世の記憶持ちですし、そういうこともあるのかもしれません」

(´・_ゝ・`)「え、もしかしてレモナさんも手から水が」

( ´_ゝ`)「もう出ちゃう」

(´・_ゝ・`)「えぇ……」

爪゚ー゚)「まあまあ、盛岡さんも素質はあると思うから。チートバグミズチと比べず頑張って貰いたい」

(´<_` )「ミズチは余計ですが」

爪゚ー゚)「そうかい?」

(´<_` )「そうです」

62 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:08:08 ID:6o6EHAUo0
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63 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:08:41 ID:6o6EHAUo0

<(' _';<人ノ「っ……!?」














  Case12「海色の声」
  Day5B「目覚めたる家畜」

                          To be continued...

64 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:09:15 ID:6o6EHAUo0
今回はここまで

65名無しさん:2024/01/09(火) 06:13:38 ID:Pew1p5C60
乙!
ウスとズン類を思い出すなぁ

66名無しさん:2024/01/10(水) 19:48:30 ID:w83eBc9s0
乙乙
戦力確保たすかる

67名無しさん:2024/01/11(木) 06:50:56 ID:wQGZVioc0

目覚めよその魂…ってこと!?

68 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/12(金) 01:38:44 ID:MptzWBWU0
>>65
爪'ー`)y‐「そうでなければ困る」

>>66
マス ゚ o ゚)ミ「若葉マークのゴミカスを戦力とは言わんで」

>>67
(‘_L’)「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声」

69 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/12(金) 01:39:18 ID:MptzWBWU0
リ゚▽゚ リ<l「進捗40%」

70名無しさん:2024/01/14(日) 05:44:19 ID:RTE1.bsM0
ミノ皿展開

71 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/26(金) 02:05:35 ID:EDRrB.gM0
リ゚▽゚ リ<l「進捗80%(戸愚呂)」

72名無しさん:2024/01/27(土) 13:50:08 ID:BOsZdxQg0
全裸待機
  +   +
   ∧_∧  +
 (0゚・∀・)ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +

73 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:11:19 ID:nf6dnQx20
>>72
リ゚▽゚ リ<l「待 た せ た な」

74 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:16:47 ID:nf6dnQx20
前回のあらすじ
・わ、私は007……B-1地区の007番です
・ここで俺らに出会ったのはマジで運がよかったな。こっちも助けるから、そっちも力を貸してくれ
・っ……!?


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

75 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:17:20 ID:nf6dnQx20
Case12-Day6
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76 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:17:54 ID:nf6dnQx20

<(' _';<人ノ「い、今のは……!?」

(;´_ゝ`)「視線、か……?」

(´<_` )「何だ、どうした?」

(;´_ゝ`)「地流さん、アクティブ探知頼む」

爪゚ー゚)「ふむ。……これといった反応はないね」

<(' _';<人ノ「ということは、超長距離……?」

(;´_ゝ`)「いや、木々の多いこの視界でそれは……」

爪゚ー゚)「透視系の魔術、とか?」

(´<_` )「……見られてたってのは間違いないのか?」

<(' _';<人ノ「恐らく……」

(;´_ゝ`)「右に同じ」

(´・_ゝ・`)「……空、とか?」

(;´_ゝ`)バッ!

77 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:18:27 ID:nf6dnQx20
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78 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:19:00 ID:nf6dnQx20

(;´_ゝ`)「……何もないな」

<(' _';<人ノ「ないですね」

爪゚ー゚)「うーん……上空も探ってみたけど、やっぱり何もなさそうだ」

(´<_` )「二人の気のせいってことはないのか?」

( ´_ゝ`)「ぶっちゃけありえる」

<(' _'<人ノ「この状況ですからね……。動物か何かの視線を勘違いした可能性も」

( ´_ゝ`)「殺気とか悪意は感じなかったしな……案外そういうオチかもしれん」

(´・_ゝ・`)「で、どうするんだい? 移動する?」

( ´_ゝ`)「いや……やめておこう。今々こんな所で発見されるようじゃ、逃げてもすぐ捕捉されるのが目に見えてるし」

<(' _'<人ノ「そう、ですね……。ここは体力を温存しましょう」

爪゚ー゚)「……じゃあ、僕らは予定通り寝るかな」

<(' _'<人ノ「そうしてください」

( ´_ゝ`)「何かあったらすぐ起こしてくれ」

(´<_` )「任せろ」



 ―――。

79 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:19:33 ID:nf6dnQx20
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  ;"ヾ  ;":;:.;:ヾノ)) " ;";  "ヾ ;" "  ;ヾ " ;  ヾ ;ヾ    ;;;ヾ ";;;ヾ";""
    ;ヾ ;ヾ ;";ヾ;"  ;ヾ ;ヾ ;  r""ヾ ;))ヾ ;":;:.;:ヾ ; ;ヾ     ;ヾ ;;: ノ
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80 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:20:07 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「結局何もなかった、か」

(´<_` )「明け方とかちょっと不安だったが」

<(' _'<人ノ「やはり、勘違いだったんでしょう。泳がされているというのも考えにくいですし」

(´・_ゝ・`)「どうだろう。彼らの思考を僕らの常識で測り切れるのかな?」

( ´_ゝ`)「一理ある。……うーん、とはいえ打つ手がないしな」

<(' _'<人ノ「もしそうだったとして、放っておくしかありませんね……」

(´<_` )「こっちの探知の範囲外から遠視かけてくるような相手なら、どのみち逃げ切れんか」

( ´_ゝ`)「そうなる。よってその可能性は度外視する」

爪゚ー゚)「相変わらず良い割り切りっぷりだ」

( ´_ゝ`)「考えてもどうしようもないことに脳のリソースを割きたくねぇ」

(´・_ゝ・`)「道理ではあるけど、そこまで割り切れないなあ」

(´<_` )「……それで。じゃあ、予定通り食料調達か?」

( ´_ゝ`)「ああ。それと、可能なら集落方面に偵察にも行きたい」

(´<_` )「……大丈夫なのかそれ?」

81 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:20:40 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「レモナの話によれば、B地区は恐らくいけるはずだ。
      信徒が急に訪れるなんてこともそれなりにあるようだからな」

爪゚ー゚)「逆に、鉢合わせしそうで怖いねそれ」

( ´_ゝ`)「無論そのリスクはあるがな。今のままじゃ敵の動きを察知できんし、今後のことを考えるともっと情報が欲しい」

<(' _'<人ノ「まあ、案外大丈夫なのでは? 問答無用で襲い掛かってあちらが偽物ということにしてしまえば」

(´<_` )「何言ってんだ美和ちゃん、戻ってこなきゃ普通にバレるだろ……」

爪゚ー゚)「ふむ、とっちめた上で夢の臨界かけちゃうのはアリかな?
     情報も取れるし、誤魔化しもうまいことできそう」

( ´_ゝ`)「アリだな。その手があれば遭遇リスクもそこまで怖くはない」

(´<_` )「うまいことコントロールできるかは懸念だが」

爪゚ー゚)「相手の内面にかなり左右されるからね。まあ誤魔化す程度ならいけるでしょ」

<(' _'<人ノ「わたつみの兵がいた場合が厄介ですね。あれにも効くんでしょうか?」

( ´_ゝ`)「……それは正直怪しいと言わざるを得ない」

(´<_` )「ポイントはそこか。早期発見できないと厳しいな」

爪゚ー゚)「まあ、魔力隠蔽なんてしそうにないからパッシブですぐわかるさ。問題ない」

82 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:21:15 ID:nf6dnQx20

(´<_` )「……そういえば清浦さんが言ってたな。あいつら隠密には向かないって」

( ´_ゝ`)「見たまんまで助かる」

爪゚ー゚)「そこの裏も取れてるなら、リスクは対処可能なレベルまで落とし込めるね」

<(' _'<人ノ「では、まずは食料調達。その後、B地区に偵察ですか」

( ´_ゝ`)「うむ。そうと決まればパパッと食料調達しちまおう」

(´<_` )「そうは言うがそうパパっといくものか?」

( ´_ゝ`)「カロリーベースでのメインは魚介になりそうだから盛岡さん次第」

(´・_ゝ・`)「いや、漁は割と運次第なんだけど」

爪゚ー゚)「だ、そうだけど?」

( ´_ゝ`)「まあ、駄目なら鹿でも探すか。昨日も川で見かけたし」

<(' _'<人ノ「そちらも見つかるかはわかりませんけどね」

(´<_` )「結構自然は豊かな感じだし、意外と何とかなるかもな」

( ´_ゝ`)「ちらっと川行っただけで鹿と狸とトキがいたくらいだからな」

(´・_ゝ・`)「確かに、そう考えると川や海も生き物が多いのかも」

83 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:21:48 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「レモナ。実際のとこ魚介の取れ高とかはどんな感じなんだ?」

|゚ノ ^∀^)「トレダカ?」

爪゚ー゚)「魚が獲れなくて困る、なんて話は聞いたことあるかな?」

|゚ノ ^∀^)「ええと……ないです」

(´<_` )「そもそも食べ物が少ない……ってことはなさそうだ、な」

<(' _'<人ノ「累次くん」

(´<_`;)「えっ?」

爪゚ー゚)「ふっ、どこを見て言ってるんだい?」

(´<_`;)「や、そんなつもりは……」

<(' _'<人ノ「……やっぱり、大きい方がいいですか?」

(´・_ゝ・`)(心配しなくても貧乳派でしょ、彼)

( ´_ゝ`)「馬鹿を言うな、弟者は妹者に欲情するロリコンだぞ?」

<(' _'<人ノ「いくらピーちゃんでも累次くんは渡しませんよ?」

(´<_` )「兄者、ちょっと黙れ。美和ちゃんはちょっと落ち着こうな?」

84 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:22:41 ID:nf6dnQx20

(´<_` )「俺が信じられないってんなら殺せ。美和ちゃんに殺されるなら本望だ」

<(' _'<人ノ「えっ?」

( ´_ゝ`)「自分からもっとややこしくすんなアホ」

爪゚ー゚)「だよね。どれだけ美和の乳が好きか熱弁でもすればいいのに」

(´<_` )「黙っててもらえます?」

(´・_ゝ・`)「……いやあ良い天気だなぁ〜」

|゚ノ ^∀^)「???」

( ´_ゝ`)「おっ、そうだな。実に良い天気だ」

爪゚ー゚)「そうだね。絶好の狩猟採集日和だなぁ〜」

( ´_ゝ`)「というわけで先に行ってるゾイ」

爪゚ー゚)「美和、レモナのこと頼むね?」

<(' _'<人ノ「えっ?」

( ´_ゝ`)/「さあ出発進行だ、地流さん、盛岡さん」

(´・_ゝ・`)「え、あ、うん……」

85 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:23:15 ID:nf6dnQx20

(´<_` )「……美和ちゃん」

<(' _'<人ノ「は、はい」

(´<_` )「俺は、兄者流に言うなら君に片腕を捧げているつもりだ」

<(' _'<人ノ「ん……」

(´<_` )「加えて、敢えて俗なことを言うなら……」

<(' _'<人ノ「……言うなら?」

(´<_` )「君の全てが好きだ。凛々しい顔も、素晴らしい張りの小さな胸も、引き締まった腹筋も。
      貴き志も、その強さも、うまいもんにがっつくとこも、意外に嫉妬深いとこも、全てだ」

<(' _'*<人ノ「……」

(´<_` )「正直今でもわからない。俺なんかが君のパートナーで良いのかって」

<(' _'<人ノ「いいえ。累次くんが良いんです」

(´<_` )「兄者がいなきゃ何もできない陰キャだぞ?」

<(' _'<人ノ「真理男くんがいなければ私を助けてくれなかったんですか?」

(´<_` )「いや……それは、ない」

<(' _'<人ノ「だから大好きですよ、累次くん」

86 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:23:49 ID:nf6dnQx20
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87 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:24:22 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)ノシ「おーい、戻ったぞ」

爪゚ー゚)ノシ「大漁大漁!」

(´・_ゝ・`)「いやーほんとよく獲れたね」

(´<_` )「うわ、すげーなそれ」

<(' _'<人ノ「流石は元漁師さんですね」

( ´_ゝ`)「よい、しょっと」

ドンッ!

|゚ノ ^∀^)「わっ!?」

(´・_ゝ・`)「いやいや、僕はただ居そうなポイントを教えただけだけどね」

爪゚ー゚)「まさか素潜りで鮫やクロアナゴと格闘した末に仕留めてくるとはね」

( ´_ゝ`)「伊達に伝説の猟師の息子やってねーからな」

(´<_` )「いや猟師であって漁師ではないんだが」

( ´_ゝ`)「そうか?」

(´<_` )「そうだ」

88 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:24:56 ID:nf6dnQx20

  、_
  ヽ::\_
   `\::`\_
     \;;:::..`\_
      \;;;:::.. \
        \;;;:::.. \
         \;;;::.... ヽ_
          ,);;;;;;:::.. \_
         /;;;;;;;;;;\;;::: ::\
         ー-―;'  ヽ;:: ::;;;ヽ
          /;;|   ノ::  .:;;;;|
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       _, イ ;;;;;;;;;;;\,  .::;;;;;;:ノ;;:ノ
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_入 ;;....:::::  ...::        :.  :.  ̄\_
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             ーニ二二二 ̄__ノ

89 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:25:29 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「いやー、新鮮な鮫は刺身もうまいんだねぇ。初めて食べたよ」

( ´_ゝ`)「俺もだが。思った以上にうまいな刺身」

<(' _'<人ノ「マグロの中トロみたいですね。おいしいです」

(´<_` )「焼きもうまいな。意外なほど癖がない」

(´・_ゝ・`)「鮫は新鮮なら結構いけるよ、足が速いけどね」

( ´_ゝ`)「クロアナゴは山椒焼きにしてみた」

|゚ノ ^∀^)「おいしいです」

(´<_` )「山椒は強いな、多少臭いもんも旨味に変える」

爪゚ー゚)「この山は結構自生してるみたいだね」

( ´_ゝ`)「正直助かる。多少獣臭い肉でも何とかなるからな」

(´<_` )「コショウはそこそこあるとはいえ、香草系は優先的に確保しときたいな。食生活に雲泥の差が出る」

( ´_ゝ`)「ああ。塩は海水である程度何とかなるが、スパイスは割と生命線」

爪゚ー゚)「うまいもん食べないとやってらんないからね、正直」

<(' _'<人ノ「しっかり英気を養って、みんなで脱出しましょう」

90 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:26:08 ID:nf6dnQx20

(´・_ゝ・`)「あれ……? そういえば鮫って食べて大丈夫なのかな?」

( ´_ゝ`)「……言われてみれば。どうなんだレモナ?」

|゚ノ ^∀^)「えっ?」

爪゚ー゚)「レモナの反応が答えじゃないかい?」

(´<_` )「……まあ、禁忌であれば何かしら反応はありますか」

( ´_ゝ`)「あくまで見た目が似ているだけ、ってことだな」

<(' _'<人ノ「レモナさん。鮫を食べるのは問題ないんでしょうか?」

|゚ノ ^∀^)「問題……? ないです。あれが神様に似ていると言うのは」

<(' _'<人ノ「言うのは?」

|゚ノ ^∀^)「とても怒られます。罰、です」

(´<_` )「なるほど」

( ´_ゝ`)「自意識過剰かよ」

爪゚ー゚)「ま、そんなもんなんじゃないかい? 信者数たぶん世界一位の某4文字様も言ってるし?」

( ´_ゝ`)「それ以上いけない」

91 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:26:41 ID:nf6dnQx20
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                             (    .: .....:   ...:.: .: ⌒` .: ..:.: .: ... .  .:.:.
                              (., .: ... : .  .:  .  ::: ....::.. :  . .: ... .. .
                                 ` . :. .;;,  .:;.   .  .  .:    . ..::
                                      '' ' 'ー '''  '' ―''' '' ‐-''

       ;"ヾ;   ;"ヾ ;"     ;:;:.;:ヾ     ノ ;ヾ
  ;"ヾ  ;":;:.;:ヾノ)) " ;";  "ヾ ;" "  ;ヾ " ;  ヾ ;ヾ    ;;;ヾ ";;;ヾ";""
    ;ヾ ;ヾ ;";ヾ;"  ;ヾ ;ヾ ;  r""ヾ ;))ヾ ;":;:.;:ヾ ; ;ヾ     ;ヾ ;;: ノ
  ;"ヾノ:;:.;: ;ヾ r:;:.;:;":;:.;:;ヾ ;ヾ ;"ヾ ;:;:.:;:))      ";ヾ   ":(^);r ;ヾ  ;   ";:""; ";
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92 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:27:15 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「さて、それじゃB地区潜入やってくぞー」

(´<_` )「それはいいが、どういう設定で行くんだ?」

( ´_ゝ`)「普通に視察という名の悪趣味な遊びに来た信徒様として。レモナの話じゃ結構いるらしいからな」

<(' _'<人ノ「作戦目的は?」

( ´_ゝ`)「正直、家畜の人たちの持ってる情報は必要とは思えん。
      信徒の誰かを捕らえて情報引き出したいとこだ」

爪゚ー゚)「メンバーはどうする? 君は確定として」

( ´_ゝ`)「俺と地流さんとレモナで」

(´<_` )「む。それは戦力的に大丈夫なのか?」

( ´_ゝ`)「念話とか探知が重要だから地流さんは確定。道案内としてレモナも確定。
      竜宮会の変装は3セットだから他三人は留守番」

爪゚ー゚)「あー……変装の選択ミスったかもね」

(´<_` )「ですね……まあこんなことになるとは思ってなかったですし」

(´・_ゝ・`)「二人いてくれるなら僕としては心強いけど」

<(' _'<人ノ「盛岡さんがいらっしゃれば私達で食料調達もしておけそうですね」

93 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:27:48 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「そうだな。深夜に戻るつもりだから、その時にメシにありつけると助かる」

(´<_` )「わかった、そのつもりで動こう」

<(' _'<人ノ「盛岡さん、よろしくお願いしますね」

(´・_ゝ・`)「どうかな、釣りだと結構運だから……」

(´<_` )「……農耕普及前の人類はさぞ大変だったろうなと実感する」

爪゚ー゚)「だねぇ。穀物は偉大だ」

( ´_ゝ`)「化学肥料もだな。あれはリアルチート」

(´<_` )「化学肥料がなきゃ俺らのうち何人が生まれられたことか。あれこそ人類の叡智そのものだ」

<(' _'<人ノ「世界の人口が5倍に増えたわけですからね……逆に言うと、」

爪゚ー゚)「ある日突然化学肥料がなくなれば、ざっと50億人くらいは死ぬわけだ」

( ´_ゝ`)「まあオーガニックとか意識高いブルジョアの贅沢品でしかないわな。群馬県民はみんな知ってる」

(´<_` )「科学の信奉者としてオーガニック教とは相容れない。宗教戦争になる」

爪゚ー゚)「おや、意外な一面だね。信奉とか一番しそうにないのに」

(´<_` )「人類の力そのものですからね、そりゃ信奉もしますよ。科学のない人類なんてとうに滅びていたでしょう」

94 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:28:22 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「その割にはオカルトとか好きじゃん」

(´<_` )「未知を解き明かしていくことこそが科学だからな。未知を嫌うものではない」

爪゚ー゚)「ふむ、一理ある。実に探偵らしい理由をありがとう」

(´・_ゝ・`)「探偵らしいのかな……?」

( ´_ゝ`)「話が盛大に脱線したが、そろそろ準備に取り掛からんと」

<(' _'<人ノ「行き帰りを考えるとそうですね」

爪゚ー゚)「まずは変装か。レモナ、こっちに来たまえ」

|゚ノ ^∀^)「? はい」

( ´_ゝ`)「パパッとやって出発すんぞ」

爪゚ー゚)「記憶ベースで手伝うよ」

( ´_ゝ`)「正直たすかる」



 ―――。

95 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:28:55 ID:nf6dnQx20
【B-1地区】
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//// /.:. 从八/:|/:|/し(/ /.:.///:/.:/:/ノiノ://.:////.:.:/://.://ノ(.:/.:\{/:/.:./.:/⌒.:/.://.:./.://.:/.:/:///:/.://
// ̄二ニ=-/ :/.://.:./.://///::/.:/:/\/|/ ////|.:/.:/´ ̄`ニ=-//\.:\//!.::/:⌒ヽ:、:/.://|∨://.:/:/.://
//⌒ミ /〈.:.:/.:/\/.://.:/://::/ノ:/\.:.\|.://::.//.:|/.:// ̄/从///〉\/.:///⌒ /.:ハ\/:/.:/.:.|//.:/|/.:/|/
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///)//ノ|:|/.://.:.:////://:/.:///´|:|/.:/}:/.:./}.:.:.}.:./⌒7/.:.:.|.:.:.:.|.:./.:|/.:.:./.:.:.:/:/.:.:}.:.:}.:.:/.:.:/.: : |/.:.:/

96 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:29:28 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「むぅ……ここがB-1地区か」

爪゚ー゚)「思ったより近かったね……」

( ´_ゝ`)「ああ。いなくなっても探されないってのも納得だ、山が近すぎる」

爪゚ー゚)「熊や狼に襲われるなんて普通にありそうだもんね」

レ ´∀`)「はい。たまにあります」

( ´_ゝ`)「何年もかけて育てといてそれは、と思うんだが」

爪゚ー゚)「まあ、それだけ大量生産大量消費ってことだろうね。
     サイクルが回ってればそれほどの損害ではない」

( ´_ゝ`)「ミイラ取り量産するより良い、ってとこか」

爪゚ー゚)「我々のように十何年もかかるならともかく、ね」

( ´_ゝ`)(このワガママボディが9歳とか真面目に考えたら頭おかしくなる……)

レ ´∀`)「?」

爪゚ー゚)「……ま、逆に言うと。この地区には熊や狼を狩って回れるだけの戦力はない」

( ´_ゝ`)「そこはプラス要素だな。まあ、わたつみの兵が山歩きに向かないってのは弟者も言ってたし」

爪゚ー゚)「信徒が山狩りして、ってほど労力割くほどのことじゃないってことだろうね」

97 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:30:01 ID:nf6dnQx20
【畜舎】
   _        _
   |   ̄ ̄''ー‐ー- !  ``'=t-、.__            ヽ、__| | | | |           ヽ. . . . .\ \
   |        |     `‐ 二`ー- .__         ``¬- .」            ヽ. . . . ヽ  ヽ
   |        |        T¬- ._"'''‐ー-、_                      ヽ. . . . .、 ヽ
   |        |        ,|: : : : : : :`''ー‐--、二`‐ー-、.__                  \. . . ヽ  ヽ
   |        |        ,|: : : : : : : : : : : : : : :`''ー‐--、二`ー- ._              ヽ. . . .ヽ  ヽ
   |        |        ,|: : : ______----一――l   ``¬--、二‐‐-、.__         \. . . . 、  ヽ
   |        |        f´"~ ̄: ::!: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : ``.┬-、二== 、____  ヽ. . . .\   ' 、
   |        |        ,|: : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : | .|         |..__ヽ. . . . .ヽ、 ` 、
   |        |        ,|: : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : | .|        ├ー-二|. . . . . . ' 、 \
   |        |        ,|: : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : | .|        |   !. . . . . . . . ` 、 ┐
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98 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:30:35 ID:nf6dnQx20

(;´_ゝ`)"うわ……想像はしてたがすげー光景だ。マニア向けAVかよ"

爪゚ー゚)"……ちょっと興味あるなあ、家畜生活"

( ´_ゝ`)"あっ、そうですか……"

川Q_Q川「ン……?」

爪゚ー゚)9m「おい! そこの家畜、No.099!」

川;Q_Q川「は、はい!」

爪゚ー゚)「我らは所用にてC地区から参った信徒である。B-1地区の区長の下まで案内せよ」

川;Q_Q川「はい、信徒様!」

( ´_ゝ`)"まあ場所はわかってるんだが、俺らだけで向かうよりもカモフラージュになる"

爪゚ー゚)"だね。しかし区長か……まあ、いるよね。レモナの当初の説明にはなかったけど"

( ´_ゝ`)"管理する立場の人間がいないわけがないからな。まあ管理すらほぼ家畜任せのようだが"

爪゚ー゚)"各区の区長が唯一B地区に居住する信徒……一体どんなクソ野郎だろうね?"

( ´_ゝ`)"左遷職場っぽいからな、案外逆にマトモだったりするかもしれんぞ?"

爪゚ー゚)"いや、僕が言うのもなんだけどマトモだったら頭おかしくなるでしょこんな環境……"

99 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:31:08 ID:nf6dnQx20
【B-1区庁舎】
                                    ヽ /
                                  ||
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          /___________/ //.|.        |\ \\
            | ||               l三l/ || | ,-、   ,-、 | .| \/
            | ||                | || | |.|.|   |.|.| | .|
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i    l二二二二二二二二二二 / //      || |. /(゚ぴ)i | | .|     | |\\
      | ||.             l三l/| |     .|| | |ニニニ| | | .|     | |  `´
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      | ||.    ´lヽ    ´lヽ   | | |.  ´lヽ {I} | | i::i i:| | | .|.´lヽ | |
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100 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:31:42 ID:nf6dnQx20

川;Q_Q川「ここです、信徒様!」

( ´_ゝ`)"石造り……というかコンクリ、か? これは"

爪゚ー゚)"見た感じコンクリっぽいね"

レ ´∀`)"コンクリ……?"

爪゚ー゚)「案内ご苦労。もう帰っていいぞ」

川;Q_Q川「で、では失礼します!」

( ´_ゝ`)"地流さん、中の様子は?"

爪゚ー゚)"ふむ……魔力高めなのが三人。それ以外は十人以上いるみたいだ"

( ´_ゝ`)"ふむ。三人中二人は護衛とかかな?"

爪゚ー゚)"レモナ、どうなんだい? 区長はいつも誰かを連れている?"

レ ´∀`)"はい。見かけた時は、奴隷が一緒です"

( ´_ゝ`)"ちなみに地流さん、魔力はどんなもん?"

爪゚ー゚)"三人とも僕よりは多いかな? 君よりは少ない"

( ´_ゝ`)"うーむ……何とか不意を打ちたいとこだな。やはり外出を待つしかないか"

101 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:32:16 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)"それが無難だけど"

( ´_ゝ`)"しかし、隠れるのに丁度よさそうな場所がないな……"

爪゚ー゚)"付近の建物はどれも人が出入りしてそうだからね"

( ´_ゝ`)"もうちょい離れた場所で探すか? 入口を中心にパッシブ探知が許す範囲で"

爪゚ー゚)"ふむ……それほど距離は取れないけど、多少は選択肢が増えるか"

( ´_ゝ`)"まあ、奴隷しかいない建物であれば乗っ取りも可能そうではある"

爪゚ー゚)"ただ、後が面倒だね。一人なら夢の臨界でどうとでもなるけど"

( ´_ゝ`)"だから、できれば普段使わない倉庫的な建物がいい"

爪゚ー゚)"そんな都合のいい建物があるといいけど、ね"

( ´_ゝ`)"駄目で元々、探してみるとしよう。行くぞ、レモナ"

レ ´∀`)"はい"



 ―――。

102 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:32:49 ID:nf6dnQx20
【倉庫】
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103 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:33:24 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「いや、マジで好都合にも倉庫的建物あるでやんの」

爪゚ー゚)「まったく運がいいね」

( ´_ゝ`)「町中の電線や頭上の電灯を見るに、なにげに電気はあるようだな」

爪゚ー゚)「意外っちゃ意外だね。発電はどうしてるんだろう?」

( ´_ゝ`)「奴隷が地下でグルグルしてても驚かんぞ」

爪゚ー゚)「確かに一番それらしいけど。そんなんじゃ安定供給は無理でしょ」

( ´_ゝ`)「地理的に水力は厳しいだろうから、火力か? しかしそれはそれで燃料の問題があるな」

爪゚ー゚)「近海に海底油田でもあるのかもね」

( ´_ゝ`)「風力や太陽光はベースロード電源ないと人力と同じ理由で役に立たんし、原子力はハイリスクすぎる」

爪゚ー゚)「潮力、波力、海洋温度差発電はワンチャンあるかな?」

( ´_ゝ`)「普通は無理だろうが、連中の属性を考えるにありえなくはない」

爪゚ー゚)「どうなんだい、レモナ? あれを光らせるための"電気"はどこで作られてるんだ?」

レ ´∀`)「ええと……E地区にハツデンショというものがあると聞いたことがあります」

( ´_ゝ`)「ほう……そっから送電してるとなると、島全体の文明レベルは思ったより高そうだ」

104 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:33:57 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「まあ、文明レベル低そうなのも見た目だけかもね。あくまでここ、牧場みたいなもんだし」

( ´_ゝ`)「C地区はビル群が立ち並んでる、なんてことはないのはここからでもわかるが、それだけで測れるもんでもないしな」

爪゚ー゚)「魔術を自重する必要もないし、分野によっては外を上回ってそうだ」

( ´_ゝ`)「それはあるな。倫理的な障壁もないし」

爪゚ー゚)「バイオテクノロジーとかは実際上を行ってそう。レモナの年齢と発育とか見る限り」

( ´_ゝ`)「ああ……」

レ ´∀`)「?」

爪゚ー゚)「ただまあ、建築とか重工業とかは実際大した事ないだろうね、大きいとはいえ島じゃ限界がある」

( ´_ゝ`)「だな。戦車の群れがコンニチハ、ってことはないだろう」

爪゚ー゚)「そもそも鉄鋼量が少なそうなのはこのへんの様子からも見て取れるね」

( ´_ゝ`)「電子技術も進んでないだろうな。あるとしても外から持ち込んだものだろう」

爪゚ー゚)「その辺りがカギかもしれないね。奴らの明確な弱点になりそうだ」

( ´_ゝ`)「うむ。下手にパソコンとかあればしめたもん、その瞬間に弟者無双が始まる」



 ―――。

105 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:34:31 ID:nf6dnQx20
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106 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:35:07 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「……結局、機を伺ってるうちに夜になっちゃったけど、どうする?」

( ´_ゝ`)「うーむ……今日のところは帰るか?」

爪゚ー゚)「それが無難ではあるだろうね」

( ´_ゝ`)「しかしせっかく来たしな、何の成果も得られませんでしたというのも」

爪゚ー゚)「それはさ、所謂ところの心の贅肉だね。ゾンビ獲りを右に」

( ´_ゝ`)「それを言うならインド人だしミイラ取りなんだが、しかも文脈とまるで関係ないし」

爪゚ー゚)「そうかい?」

( ´_ゝ`)「そうだ。まあそれはどうでもいい。確かにリスクを取るタイミングなのかは微妙」

爪゚ー゚)「だったら」

( ´_ゝ`)「まあ聞け。……本当にそうだと思うか?」

爪゚ー゚)「……気にしてるのは例の視線かい?」

( ´_ゝ`)「いや違う。時間の流れについてだ」

爪゚ー゚)「えっ……。……そういうこと?」

( ´_ゝ`)「そういうこと」

107 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:35:40 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「それは……確かにありえる、のか……?」

( ´_ゝ`)「少なくとも等価である保証はない。それに、星の位置について説明がついてしまう」

爪゚ー゚)「……外での2000年の間に、こちらは200年しか経っていない、とかかい」

( ´_ゝ`)「仮にその縮尺なら3日で再び道が開く可能性がある」

爪゚ー゚)「いや、それはどうかな。その場合、双方の満月が重なった時、ということになる気がするね」

( ´_ゝ`)「その仮定の場合、次まではかなり長期になるだろうな。俺ら生きのこっても浦島太郎になりそうだ」

爪゚ー゚)「ある意味未来旅行できると考えると、興味はあるね」

( ´_ゝ`)「ほんと好奇心旺盛だな。ワンチャン戻ったら世界滅亡してる可能性もあるぞ」

爪゚ー゚)「……いや、違うね、やっぱり間違っているよ」

( ´_ゝ`)「む?」

爪゚ー゚)「巫女さんの慣らし運転が必要なら、わざわざそんな"逆精神と時の部屋"に入れないでしょ」

( ´_ゝ`)「……一理ある」

爪゚ー゚)「だから僕は、時間は等価だと見る。月もいきなり半月になったりはしてなかったし」

( ´_ゝ`)「言われてみればそうか……」

108 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:36:13 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「でも、このまま戻らないってのは賛成」

( ´_ゝ`)「うん?」

爪゚ー゚)「君にしちゃ随分とお粗末な理屈だもん。理屈で説明できない"予感"みたいなものがあったんじゃないかい?」

( ´_ゝ`)「……なかなか鋭いな。その通り、ここは押すべきだという漠然とした予感がある」

爪゚ー゚)「なら、押してみるとしよう。なに、連中も人間。しかも完全にホームともなれば警戒も緩いはず」

( ´_ゝ`)「まあ、そうだな。少なくとも寝ずの番とかがいるとは思えん」

爪゚ー゚)「それに、大した結界も敷いてない。パッシブで探知できる範囲ではね」

( ´_ゝ`)「……やるか、夜襲」

爪゚ー゚)「いやあ、五月館を思い出すねぇ。ちょっと興奮して来たよ」

( ´_ゝ`)「興奮はしなくていいです」

爪゚ー゚)「そうかい?」

( ´_ゝ`)「そうだ」



 ―――。

109 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:36:47 ID:nf6dnQx20
【B-1区庁舎】
                                    ヽ /
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          /| ||              / /|| |.        |.!\
         /                    / //|| |.____|.!\\
       /                    / //  || |.    _  |.!  \\
     /                    / //    || |  ./ヾ\|.!    \\
i    l二二二二二二二二二二 / //      || |. /(゚ぴ)i | | .|     | |\\
      | ||.             l三l/| |     .|| | |ニニニ| | | .|     | |  `´
      | ||               | | |     .|| | | i::i i:| | | .|     | |
      | ||.    ´lヽ    ´lヽ   | | |.  ´lヽ {I} | | i::i i:| | | .|.´lヽ | |
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      | ||   |||    |||  | | |   || || | |.‐i::i‐.i:| | | .| │| | |
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      | ||               | | |     .|| | |ニニニ| | | .|     | |

110 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:37:21 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「さて、結界は誤魔化せそうか?」

爪゚ー゚)「いけるいける、よゆーよゆー」

( ´_ゝ`)「ふっ、いかにも駄目そうな返答だがそこは地流さん。何も問題はないな」

爪゚ー゚)「何だいその謎の信頼感?」

( ´_ゝ`)「キメるとこはキメる。そこは信頼してる」

爪゚ー゚)「……誘ってるのかい?」

( ´_ゝ`)「そういうとこは蔑んでる」

爪゚ー゚)「ありがとう」

( ´_ゝ`)「あっ、そういうのいいんで仕事して」

爪゚ー゚)「それもまたご褒美さ」

( ´_ゝ`)「ぶち殺すぞ」

爪゚ー゚)「いいよ」

( ´_ゝ`)「……あの、本心から言わないで貰えますか?」

爪゚ー゚)「いやあ、いずれ誰かに殺されてみたいよね。今々はノーサンキューだけどさ」

111 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:37:56 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「……まあいい。潜入すっぞ」

爪゚ー゚)「オーケー。裏口からかな?」

( ´_ゝ`)「だな、窓は鍵しまってると厳しいし。正面は静かに行くのが厳しそう」

爪゚ー゚)「鍵開けは例によって任せるよ」

( ´_ゝ`)「ばっちこい。レモナを長時間一人にしとくのも不安だし、ササッと片付けよう」

爪゚ー゚)「だね、早いほど安全だし」

( ´_ゝ`)「んじゃ裏口へ」



 ―――。

112 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:38:29 ID:nf6dnQx20



.    , -- 、
    {   ト,
     \¨´ \------- 、
   /  \   \_,,.、丶´ \
  /     \   \   /  \
/        \   \/_/ ∨
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           ___|  \   \,  |
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                   ___〉 、
\_______,,.、丶´ ̄   . \ \
                    \ \
                     \ \
                           \

113 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:39:02 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「開いた」














  Case12「海色の声」
  Day6「B-1地区」

                          To be continued...

114 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:39:35 ID:nf6dnQx20
今回はここまで

115名無しさん:2024/02/04(日) 20:40:16 ID:GV5DBpNE0
乙です

116名無しさん:2024/02/05(月) 14:09:37 ID:pM.rFLug0

なんだかんだいいコンビよね、兄者と地流

117名無しさん:2024/02/05(月) 15:34:49 ID:jPNjZFyY0
オツ

118名無しさん:2024/02/06(火) 11:26:02 ID:rr5LBIpI0
乙!
鍵が開いたか...興奮してきたな

119名無しさん:2024/02/18(日) 00:17:26 ID:mfGPfQeo0
乙乙
鮫って美味しいんだ…
潜入もだけど兄者と地流さんがどんどん息ピッタリになってくのもなんかハラハラするね

120名無しさん:2024/03/11(月) 08:13:49 ID:peQ1psYg0
まだかな〜

121 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/11(月) 20:40:25 ID:nq04NWTU0
リ゚▽゚ リ<l「進捗60%くらいやな」

122 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/16(土) 23:17:44 ID:NmS9PiSw0
リ゚▽゚ リ<l「進捗90%くらい。明日投下予定!」

123名無しさん:2024/03/17(日) 15:55:53 ID:xz8QlW5U0
まってるぜい!

124 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:49:52 ID:U9hligrQ0
>>115,117
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>116
( ´_ゝ`)「解せぬ」

>>118
(´・_ゝ・`)「えぇ……?」

>>119
(´<_` )「エイもだが凄い勢いでアンモニア発生するから鮮度が大事とのことだ」

>>120,123
リ゚▽゚ リ<l「またせたな」

125 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:50:26 ID:U9hligrQ0
前回のあらすじ
・……見られてたってのは間違いないのか?
・さて、それじゃB地区潜入やってくぞー
・……やるか、夜襲


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

126 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:51:00 ID:U9hligrQ0
Case12-Day7A
,.:,; ' ''.. .,;.'..:⌒`;,: .  ..;;.,                              ` 、  '
 ,,.;. ; :.,   .. .''... .. '   ..;,):.,,                         ‐―  ○ - ‐
        ''  '.': ;,::. .  ..., ;)                         , ' ヽ
 .''.:.:´⌒`.: .: ...    . ...,. . ,;                             ,.    ヾ
.''':. .,'''.:;. .:: .'. ,.:,;  ...,; ''                          , '
-'' ' '   ー'' ー  ''' ''
                                       .:: ..'...:⌒`  : .: ..,,;.,
                                 .: ...:::⌒` ''           '.':. .,.; ,..
                             (    .: .....:   ...:.: .: ⌒` .: ..:.: .: ... .  .:.:.
                              (., .: ... : .  .:  .  ::: ....::.. :  . .: ... .. .
                                 ` . :. .;;,  .:;.   .  .  .:    . ..::
                                      '' ' 'ー '''  '' ―''' '' ‐-''

       ;"ヾ;   ;"ヾ ;"     ;:;:.;:ヾ     ノ ;ヾ
  ;"ヾ  ;":;:.;:ヾノ)) " ;";  "ヾ ;" "  ;ヾ " ;  ヾ ;ヾ    ;;;ヾ ";;;ヾ";""
    ;ヾ ;ヾ ;";ヾ;"  ;ヾ ;ヾ ;  r""ヾ ;))ヾ ;":;:.;:ヾ ; ;ヾ     ;ヾ ;;: ノ
  ;"ヾノ:;:.;: ;ヾ r:;:.;:;":;:.;:;ヾ ;ヾ ;"ヾ ;:;:.:;:))      ";ヾ   ":(^);r ;ヾ  ;   ";:""; ";
:;:.;: ; " ;;" ヾ((ヾ:;:.;: ;"  ;ノヾ" ; ;:(^) ヾ ;";ヾ ;ヾ   "〃;ヾ ;ヾ":;:.;: ; ;ヾr ;;"  ..,,

127 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:51:33 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「さて、区長からぶっこ抜いた情報で色々とわかってきた」

(´<_` )「概要は昨晩聞いたが、改めて説明を頼む」

爪゚ー゚)「この島の常識系の話は一旦置いておこう。まずは、千手の巫女の情報について」

( ´_ゝ`)「どうやら増田さん改め武田さんは、予想に違わずA地区入りしているようだ」

爪゚ー゚)「そこで連中の言うところの悪魔、千手様支配のための準備を進めている、と信徒には伝えられているらしい」

( ´_ゝ`)「A地区は浮鮫やわたつみの兵の巣窟。到底太刀打ちできるものではないし、潜入もまず不可能だろう」

<(' _'<人ノ「一部反乱組織のようなものもあるようですが、彼らにも難しいだろうというお話でしたね」

爪゚ー゚)「ここで我々が取り得る動きはいくつかあるけど、わかるかい?」

(´<_` )「一つは、ターゲットがA地区から出るのを待つ」

( ´_ゝ`)「うむ。この方針はそもそも"その時"までに出てくるのか未知数なのが問題だ」

<(' _'<人ノ「……もう一つは、封鎖、でしょうか?」

爪゚ー゚)「そうだね。この地に封じてしまえば、日本に影響はない」

( ´_ゝ`)「この方針の問題は行き来を封じる方法がわからないことだ」

(´・_ゝ・`)「まだもう一つあるのかい?」

(´<_` )「むう。……ひょっとして、何もしないこと、か?」

128 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:52:06 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「そうだ。ただ脱出して、中の状況を伝える」

爪゚ー゚)「当初の予定通りの行動と言えるね」

<(' _'<人ノ「問題は……脱出のタイミングがエックスデーである可能性がある、ということですか」

( ´_ゝ`)「それなんだよな。あくまで慣らし運転、どれだけかかるのかは」

爪゚ー゚)「個人差激しいだろうし、読めないよね」

(´<_` )「……どの方針もクソデカ課題あり、ってことか」

(´・_ゝ・`)「素人意見だけど」

( ´_ゝ`)「む?」

(´・_ゝ・`)「何か、早めに脱出する方法はないのかい?」

爪゚ー゚)「それさえあればなぁ……というのが所感だよ」

(´<_` )「いずれの課題にしても、更なる情報収集が必要ということか」

( ´_ゝ`)「その認識であってる。現状の手札じゃどうにもならん」

爪゚ー゚)「そこで、C地区に偵察に行きたい。島の中心だし、情報収集には最適。あわよくば件の反乱組織と渡りを着けられれば僥倖」

<(' _'<人ノ「A地区は無理でしょうから、そうなりますか」

129 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:52:40 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「メンバーは正直考え中なんだが、無難なのは引き続き俺と地流さんかな」

爪゚ー゚)「君か美和のどちらかはいないとイザという時どうにもならないからね。で、美和じゃ君ほど臨機応変な対応はできないだろうし」

<(' _'<人ノ「そう、ですね……申し訳ないですが」

(´<_` )「地流さんの役割は俺じゃ代われないしな……」

(´・_ゝ・`)「僕が着いて行っても役に立てるとは思えないし……」

( ´_ゝ`)「まあ、そうなるよな」

爪゚ー゚)「レモナ、君はどう思う?」

|゚ノ ^∀^)「えっ?」

爪゚ー゚)「僕らとC地区に行くか、ここに残るか」

|゚ノ ^∀^)「えと……」

(´<_` )「……あまり連れて行くメリットがあるとは思えませんが」

( ´_ゝ`)「そうとは言い切れん。実際にこの島を知っているのはレモナだけだ」

<(' _'<人ノ「それはそうですが……大丈夫ですか?」

爪゚ー゚)「いやー駄目な展開とか普通に全滅コースだと思うから誤差じゃないかい?」

130 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:53:13 ID:U9hligrQ0

(´<_` )「……まあ、非戦闘員が分かれてた方がいざという時守りやすいか」

( ´_ゝ`)「それもある。二人守り切るのは美和ちゃんでもきついでしょ」

<(' _'<人ノ「む、そうですね」

爪゚ー゚)「ま、そんな感じで、」

( ´_ゝ`)「また3人パーティだな」

|゚ノ ^∀^)「よろしくお願いします」

(´・_ゝ・`)「じゃあ僕らはまた漁かな」

(´<_` )「ですね」

<(' _'<人ノ「頼りにしてます」

( ´_ゝ`)「よっし、んじゃ出発すっぞ」

爪゚ー゚)「アイアイサー」

|゚ノ ^∀^)「あいあい……?」



 ―――。

131 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:53:46 ID:U9hligrQ0
【C地区】
  \l :| :|  l :|  |`|: : : \| ̄ ̄ |``|:: |         /:|¨|:|  |/|¨:|  /| |  |‐|´|_,|-|´| | |
   \| :|  l :|  |`| \: : :|     | ニ|:: |          |/|-|:|___| |_|/  | |  |‐|´|_,|-|´| | |
、、     |_l :|_ト:!:\|\|─-- | ニ|:: |          |/| | |~:|//|    | |  |‐|´|_,|-|´| | | _、‐''゛
 l丶、   :|   |:.::\|\: \|     | ニ|:: |          |/| | |__|~~| :|    | |  |‐|´|_,|-|´| | |'´|   |
 | |~'i |   | ̄|: |\[\:|     | ニ|:: | _ ─┐ .「|/| |_」 :| :|    | |  |‐|´|_,|-|´| | | |   |
=- _|  | |   |  |: | : : \l|=== |,、_|:: | ̄| |  :|  |¨|/| ̄|/|::::| :|  /| |  |‐|´|_,|-|´| | | |   |
'⌒\´'┘ |   |  |: |: : : : : |二ア´;';';'|:: |: : | |  :|  |_,|/|  |  |::::|-''|/  | |  |‐|´| :| :|_,| | |_ -  ̄
___ | ̄``''i_|_|: |┐: : : |xX;';';';';';';|:: |: : | | ̄:::| ̄|_,|/| ̄|  l__,| :|    | |  |-‐  ̄  |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
  _|.:|‐--...」  |] :::|┤ :| ̄|ミ;';';';';';';';|:: |: : | |  :|: : | :|/|_|/匚} :|  /| |  |       |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
 ̄| | |¨|: | ̄ ̄ ̄`|┤`|_|ミ;';';';';';';';|:: |: : | | ̄| |: : | :|/||/ / | :|/  |/ ̄ ̄ ̄ ゙̄\| ̄|\.:.:.:.:.:
::: : | | |: |: |゙ ̄ ̄´|: |┘ :|¨゙| ⌒ii⌒ |:: |: : | |  | |: : |´|/|||| | ̄| |    || ̄:| ̄ ̄| ̄| |  |  |.:.:.:.:
::: : | | |: |: |    |¨|__.|...」¨¨¨¨¨ ̄|:: |¨¨¨ ̄ ̄ ̄¨¨¨└L|,,_|  | |    ||  :|    |  | |  |  |.:.:.:.:.:.:
_ ⊥-‐‐‐┘ ̄ ̄ ̄      . . . : : |:: |   , '   . . . . . . : : : |_|‐:|    ||  :|    |  | |  |  |.:.:.:.:.:.:
                . . . : : : : : |:: | . '     . . . : : : : : : : : : : :ー .|└- |__|_| |  |  |.:.:.:.:.:.:.:
              . . . . : : : : : : |:: |/       . . . . . . : : : : : : : : : : : ´"'' _|__|_|_|_|_ ┘──
              . . . . : : : : : : |:: |     . . . . . . . . . . . . . . : : : : : : : : : : : : : ‐‐ __.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
          . . . . . . : : : : : : : : :.:.|:: |    . . . . . . . . . . . . . . . . . . : : : : : : : : : : : : : : : ‐‐ __.:.:.:.:.:.:.:.:.:
        . . . . . . . . . : : : : : : : :/  ̄   . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . : : : : : : : : : : : : : : : : : ‐‐ __.:.:.:
        . . . . . . . . : : : : : : : /    . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
    . . . . . . . . . . . . . : : : : : : /   . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .. . . . : : : : : : : : : : : : : : : :

132 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:54:20 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)"……こりゃまた、打って変わって現代的だな"

爪゚ー゚)"町並みは、ね"

( ´_ゝ`)"道行く人は……うん。色々アレだな"

爪゚ー゚)"魚顔が多い"

( ´_ゝ`)"普通の顔してるのは大体若いな。概ね混血ってとこか"

爪゚ー゚)"……マスター達のことを思うとある意味理想的なのかもね"

( ´_ゝ`)"混血達の行く末として、か? 異界の中で慎ましくしてるってんなら、そうかもな"

爪゚ー゚)"まあそうは行かないよね。加えて家畜や奴隷にされてる人たちもいるわけだし"

( ´_ゝ`)"家畜や奴隷っぽい人たち、みんな若いからどっちなのかわからんな"

爪゚ー゚)"混血具合かい? 恐らくだけど、あんまり混血はいなそうだ"

( ´_ゝ`)"……B地区で量産してんのかな?"

爪゚ー゚)"ってことだと思うよ。いや、大した技術力だね"

( ´_ゝ`)"俺ら人間からすりゃ悍ましい話だ"

133 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:54:53 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)"で、飲み屋で情報収集って話だったけど"

( ´_ゝ`)"まずは昼からやってる飲み屋探すとこからだな"

爪゚ー゚)"僕ら、怪しまれないかな?"

( ´_ゝ`)"普段から擬態使ってる奴も珍しくはないってことだったし、大丈夫っしょ"

爪゚ー゚)"うーん……まあ、そうか"

( ´_ゝ`)"大名の方と違ってそこまで鼻は利かなそうだしな"

爪゚ー゚)"……ちなみに、君は嗅ぎ分けられるのかい?"

( ´_ゝ`)"まあ、10代なのか20代なのかくらいはな"

爪゚ー゚)"改めて聞いても大したもんだねぇ……"

( ´_ゝ`)"だから、興奮されるとあれなんでやめて欲しい"

爪゚ー゚)"善処しよう"

( ´_ゝ`)"……臭いって言われてちょっと興奮したな?"

爪゚ー゚)

爪゚ー゚)"そんなことは、ないよ?"

134 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:55:27 ID:U9hligrQ0
【居酒屋 昼兵衛】
    ‐- ..,,_       ‐- ..,,_
        ~゛'' ‐- ..,,_   ~゛'' ‐- ..,,_
  ~゛'l ‐- ...,,_        ~゛'l::.‐- ..,,_   ~゛'' ‐- ..,,_
`゛¨ '' ‐-i ..,, _  ~゛'l ‐- ...,,_ .|:::|: : : : : : :.~゛''....‐- ..,, - ´||
: : : : : :L」.. . . . .`゛¨ l' ‐- ...,, |_|:::|: : : : : : : : : : : : :l |::||   ||   _,. ''"[.}
: : : : : : : : : : : : : : :L」: : : : : : :| |`゛¨ '' ‐- ...,, _: : :/ |::||.  _」|,. ''" _,. ''"
: : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : : └ : : : : : : L|: : : : : :「|¨ '' ‐= ュ., _''"hュ__
: : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : : : : : : : : : || : : : : :└ : : : : : L|:_: -‐」三三三}、
: : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : : : : : : : :「 //. . __. . \
: : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : : : : : : : :|/. ./.. .. .|‐┬┘. . .ム
: : : : : : : : : : : : : : :<ヌ.:.: : : : : : : : : : : : : :||: : : : : : : : : : : : : :{ . .{ . . . .|‐┼‐ . . . }.}
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     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||     ||朝|昼|||居||
     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||     ||.も|も.|||  ||
     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||     ||夕|夜|||酒||
     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||     ||.も|も.|||  ||

135 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:56:01 ID:U9hligrQ0

<o,o>「らっしゃーせー!」



「そりゃ本当か!?」
「おっ、見ない顔が来たぞ」
「はあ、どうしたら……」
「天ぷら盛り合わせ一つ!」
「ん? 今何て言った?」
「乾杯!」



( ´_ゝ`)"すげー賑わってるな"

爪゚ー゚)"意外っちゃ意外だね。飲食店自体少なそうだから飲兵衛が集まってるのかな?"

<o,o>「三人? 今片付けるからちょっと待って」

( ´_ゝ`)「よかろう」

爪゚ー゚)「早くしてくれたまえ、我が主は酒を求めている」

<o,o>「は? へ、ヘイ!」

レ ´∀`)「?」

136 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:56:39 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)"ふっ、我ながら見事なロールプレイだと感心が鬼なる"

( ´_ゝ`)"言外に伝わる俺のふてぶてしい態度もなかなかのものだと思うぞ"

爪゚ー゚)"周りの客たちもめんどくさいものを見るような顔をし出したね"

( ´_ゝ`)"お忍び祭司様ロールプレイ成功ってとこか"

爪゚ー゚)"お忍びと言いつつ何一つ忍んでないとこがミソだね"

( ´_ゝ`)"祭司連中はここじゃ基本的に横柄らしいからな"

爪゚ー゚)"まあ外じゃそうはいかないだろうしね、ホームに帰ればタガが外れるってわけだ"

( ´_ゝ`)"典型的な小物ムーヴ。清浦さんの爪の垢を配給した方がいいな"

爪゚ー゚)"噂に聞く祭司長サマの人となりを思うにそうなのかな?"

( ´_ゝ`)"少なくとも目下相手に無駄にイキリ散らかすようなダサい真似はしない"

爪゚ー゚)"……敵なのに地味に評価高いよね。もしかして乳がでかい?"

( ´_ゝ`)"そのような事実はないが"

爪゚ー゚)"そうかい?"

( ´_ゝ`)"そうだ"

137 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:57:13 ID:U9hligrQ0

<;o,o>「お待たせしました!」

爪゚ー゚)「まったく、我が主を待たせるなど」

( ´_ゝ`)「所詮は一般信徒向けの店だ、仕方あるまい」

爪゚ー゚)「しかし」

( ´_ゝ`)「この私に意見するというのか? あとで折檻だな」

爪*゚ー゚)「……はっ、謹んでお受けします」

( ´_ゝ`)「フン。おい店主」(何で興奮してんだこいつ……)

<;o,o>「へ、ヘイ!」

( ´_ゝ`)9m「そこの男が飲んでいるのは何だ?」

<;o,o>「わたつみのロックです!」

( ´_ゝ`)9m「ではそれを二つ。それから……あそこの女が食っているのは?」

<;o,o>「アナゴの天ぷらです!」

( ´_ゝ`)「そちらは三人分。あとはそうだな、わたつみに合う前菜はあるか?」

<;o,o>「茹蛸なんかどうですかい?」

( ´_ゝ`)「ほう、ではそれも三人分だ」

<;o,o>「ヘイ!」

138 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:57:46 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「ときに店主。最近変わったことはないか?」

<;o,o>「は、変わったことですかい?」

( ´_ゝ`)「予てより狙っていた千手の巫女を迎え、いよいよという時期だ。よからぬ動きをしている輩はいないか?」

<;o,o>「まさかそんな! 神に盾突くような頭のおかしい輩は――」

爪゚ー゚)「本当だろうな? 嘘をつけばタダではすまんぞ」

( ´_ゝ`)「頭のおかしい輩はいつでもいるものだ。甚だ理解に苦しむがな」

<;o,o>「へ、ヘイ。確かにキチガイはしょっちゅうしょっ引かれてますが」

( ´_ゝ`)「多くは有象無象でしかないが、知っているだろう?」

<;o,o>「……浦島隊」

爪゚ー゚)「そうだ。所詮は頭のおかしいクズどもだが、キチガイだけあってどう動くか読めない。読みにくい」

( ´_ゝ`)「些細な情報でも見逃すわけにはいかん、何かあれば話せ」

<;o,o>「は、はぁ……。そう言われてもこれと言って……」

( ´_ゝ`)「そうか」

レ ´∀`)"あっ"

139 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:58:20 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)"ん? どうした?"

爪゚ー゚)「フン、やはりこのようなチンケな店ではな」

レ ´∀`)"嘘、です"

( ´_ゝ`)"ほう? どうしてそう思った?"

レ ´∀`)"……? わかりません"

爪゚ー゚)"僕には嘘とは思えなかったけど、プロの見解は?"

( ´_ゝ`)"確かに、何か知ってそうな感じはしたが……"

爪゚ー゚)"君でそのレベルなのに断言できるっていうのは……何かしらの異能かな?"

( ´_ゝ`)"可能性はあるな……前世が魔術師という仮定があっているなら、何か無意識に発動した可能性もあるが"

爪゚ー゚)"いずれにせよ、そうだと助かるね。君の人心観察とクロスファイアすればリアルマンチ展開になりそう"

( ´_ゝ`)"確かに。レモナ、今後も何か気づいたら教えてくれ"

レ ´∀`)"はい"

爪゚ー゚)"……で、隠してるってことならどういう理由でだろうね?"

( ´_ゝ`)"関係者、って感じではないな。単に面倒ごとを恐れているだけか?"

140 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:58:53 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「店主」

<;o,o>「ヘイ」

( ´_ゝ`)「本当に知らんのか? 忘れているだけということはないか?」

<;o,o>「ええと……」

( ´_ゝ`)「忘れていただけなら咎めん。だが隠しだてしているとなれば――」

爪゚ー゚)「奴らの仲間であることは確定的に明らか、ただちに処刑ですね」

( ´_ゝ`)「その通り。どうなのだ、店主よ?」

<;o,o>「……ああー! たった今思い出しました!」

爪゚ー゚)「フン。それで?」

<;o,o>「この間、市場でたまたま聞いちまったんですよ。神を侮辱する言葉を」

( ´_ゝ`)「ほう? お前はそれを放置した、と?」

<;o,o>「いや、すぐ通報しやしたよもちろん! でも逃げられちまって……」

爪゚ー゚)「惰弱な。それだからこんなチンケな店しかできんのだ」

( ´_ゝ`)「その輩は捕まったのか?」

141 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:59:26 ID:U9hligrQ0

<;o,o>「いや、捕まったって話は聞きやせんね」

( ´_ゝ`)「嘆かわしいことだ。管理局の怠慢ではないか?」

爪゚ー゚)「これは支部長に苦言が必要ですね」

<;o,o>「……」

( ´_ゝ`)"ビビってるビビってる"

爪゚ー゚)"しかし何だね、ちょっと暴言吐いただけで通報か"

( ´_ゝ`)"ノリで暴言を吐くようなことはないってことだな。俺らの感覚じゃ大したことなくても、マジで反乱組織の人間かも"

爪゚ー゚)"じつに幸先がいい。まあ簡単に見つけられる気もしないけど"

( ´_ゝ`)"それはそう。管理局とやらが本気で探してるとも思えんが"

爪゚ー゚)"ま、そこまで暇じゃないだろうね。こっちの警察に置き換えると不審者とかの扱いだろうし"

( ´_ゝ`)"不審者なら結局人前に出てくるから捕まえられるが、地下に潜られちゃ、ってとこだな"

レ ´∀`)グゥ...

( ´_ゝ`)「ときに店主、料理はまだか?」

爪゚ー゚)「早くしろ」

<;o,o>「は? へ、ヘイ、ただいま!」

142 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:00:00 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「……」

(*゚ー゚)「……」

( ´_ゝ`)"ふむ? あそこのカップルの男の方、ちらちらこっち見てくるな?"

爪゚ー゚)"ん? それは他の客も同じじゃない?"

( ´_ゝ`)"いや、ちょっとばかり目線のやり方が特徴的だ"

爪゚ー゚)"そうなのかい? 君がそう言うなら気にしてみるけど"

( ´_ゝ`)"他の客と比べて『自然すぎる』"

爪゚ー゚)"……なるほど?"

( ´_ゝ`)"これは、思わぬ勢いで獲物が掛かったかもわからんね"

爪゚ー゚)"そうだとして、印象最悪だろうなぁ……"

( ´_ゝ`)"どれ、ちょっとカマかけしてみるか"

爪゚ー゚)"マジ?"

( ´_ゝ`)9m「そこの男」

(;,,゚Д゚)「!?」

143 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:00:33 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「服装から察するに市場関係者ではないか?」

(,,゚Д゚)「はい、そうですが……」

( ´_ゝ`)「今しがたの話について、何か知っていることはないか?」

(,,゚Д゚)「いえ、特には……」

レ ´∀`)"嘘、です"

爪゚ー゚)"だ、そうだけど?"

( ´_ゝ`)"……正直わからんかった。が、これもまた『自然すぎる』"

爪゚ー゚)"クロっぽいなぁこれは"

( ´_ゝ`)"念話送ってみて"

爪゚ー゚)"おっほ。攻めるねぇ"

( ´_ゝ`)"興奮してねーで早くやれ"

爪゚ー゚)"はいはい"

爪゚ー゚)"やあ、聴こえるかな?"

(;,,゚Д゚)「ッ!?」

144 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:01:06 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)"僕ら、外から来てね。この島とは縁も所縁もない、というか祭司長サマとバチバチに命のやりとりしてるくらいの関係なんだけど"

(,,゚Д゚)「……」

爪゚ー゚)"君、浦島隊とやらなんじゃないかい? Yesならこっちを見てくれ"

(,,゚Д゚)「……」

爪゚ー゚)"ふっ、用心深いね。まあそれなら勝手に話すけど、僕らの目的は千手の巫女の救出"

(,,゚Д゚)「……!」

(*゚ー゚)「? どうしたの?」

爪゚ー゚)"君らの目的が何なのかは知らないけど、お互いに協力し合える部分があると思わないかい?"

(,,゚Д゚)「……」

爪゚ー゚)"もしよければ後で少し話せないかな? 場所はそっちが指定していい。……ああ、この魔術は双方向だから念じればこっちに通じるよ"

(,,゚Д゚)"……2時間後、市場の8番倉庫で"

爪゚ー゚)"オーケー、わかったよ。……ってことだから"

( ´_ゝ`)"おけ、把握"

(,,゚Д゚)「ッ!」

( ´_ゝ`)"おいおい、殺気漏れてんよ。安心しろよ、祭司サマとかじゃねーから"

145 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:01:40 ID:U9hligrQ0

<;o,o>「大っ変お待たせしやした! わたつみと茹蛸です!」

( ´_ゝ`)「ご苦労」

爪゚ー゚)「遅い!」

<;o,o>「す、すんません!」

( ´_ゝ`)「この程度のことで怒鳴るな。どれ、早速頂くとしよう」

爪゚ー゚)「……はい」

( ´_ゝ`)ゴク...

( ´_ゝ`)「やはりわたつみは良い物だな」

( ´_ゝ`)"これ、海藻の焼酎か。ほのかな海の香りいいな"

爪゚ー゚)"タコと合いそうだね"

( ´_ゝ`)「どれ……うむ、適度な歯ごたえに確かな旨味、そしてワサビ醤油の香り」

爪゚ー゚)「これはなかなかですね。茹で具合が丁度いい」

( ´_ゝ`)「旨いぞ、店主」

<;o,o>「ありがとうございやす」

レ ´∀`)モグモグ...

146 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:02:13 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「……出るぞ」

(*゚ー゚)「えっ?」

爪゚ー゚)"お邪魔してしまってすまなかったね、また二時間後に"

(,,゚Д゚)「用事を思い出した」

(*゚ー゚)「ふーん……?」

(,,゚Д゚)「すまんが会計を頼む」

<;o,o>「はいよー! サカタくん、2番さんお会計!」

( ´_ゝ`)"念話ぐう有能"

爪゚ー゚)"だねぇ。ちなみに二人とも結構な魔術師っぽいよ、女の方の魔力は君以上だし」

( ´_ゝ`)"ほう、なるほどな。男の方は武術もかなり使いそうだ、前衛後衛ってとこか?"

爪゚ー゚)"反乱組織じゃなきゃ密偵かもね"

( ´_ゝ`)"……密偵だったら詰むなあ"

爪゚ー゚)"まあもし密偵なら、ものの十数分でここに管理局員が殺到するだろうさ"

( ´_ゝ`)"ここなら裏路地だし、探知が遅れなきゃ逃げ切れる"

爪゚ー゚)"だといいけどねぇ……"

147 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:02:47 ID:U9hligrQ0

<;o,o>「お待たせしやした! アナゴの天ぷらです!」

( ´_ゝ`)「うむ」

爪゚ー゚)「ほう……」

レ ´∀`)サクッ...

( ´_ゝ`)「……うまい。しっかりと脂が乗っているな」

爪゚ー゚)「はい、まさかこのような店でこれほどの……衣が羽のように軽い」

( ´_ゝ`)「旨味と香りの余韻が素晴らしい。わたつみとの組み合わせがまたたまらんな」

爪゚ー゚)「店主、素晴らしい腕だ」

<;o,o>「あ、ありがとうございやす!」

レ ´∀`)モグモグ...

( ´_ゝ`)"いやマジでうまいなこれ。近所にあれば通うレベル"

爪゚ー゚)"衣が素晴らしいね。サックサクだし香りもいい"

( ´_ゝ`)"……なんか、フクザツだなぁ"

爪゚ー゚)"……それには同意するよ"

148 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:03:20 ID:U9hligrQ0
【C-3地区市場】
 \   |    \ |\                }| 」「二二二二二二二7三三三三三三三三三三三三三三三=-
`ヽ、 \|  _.   | \ |            }| 」「二二二二二二三三三三三三三三三三三三三三=‐ |
   `ヽ\ |_|┌|  \           」| 」「二二二二二7三三三三三三Y^Y三三三三=-      |
     `ヽ、└| 「:| |          ハ__」「二二ニ=‐   ̄ ̄   _/人ノ_ -  ̄    _ -‐  ̄
=‐      `ヽ、└' |_        了 ̄_,,....  --─…宀jT二三三ア | | ̄  _  ‐┐   | |
‐=ニニ=‐     `ヽ、|_|ュ___     | ̄ xヘ_ -ー  ̄ /| |   /-‐:| |ー  ̄___ ー|   | |-‐  ̄
_   ̄丁ニ=- _  `丶、_|_|     ___,二ニ|.:.:.:.| ===ァ'~___| |-‐/   :| |T丁[| |_|..┘   | |
|И丁|i||丁 ̄ ー ニ≧o。 `Y..|\┐ |i‐‐‐‐/|.:.:.:.|/||'⌒>、|| ̄ :| |/瓧瓧瓧リ |冖¨ ̄: : |    | |
しリИリ||/ ̄||i〕iト 〕丁〕iトミ≧s。 |┐|i√/|二二|^||┬'゙ ||   :| |二二LLLL|_|: : : : : : : |    | |  ./ ̄ /
_匚]___,||    ||¶‡♭||ルリ川i|| ̄||ニ≧z|iИ⊥OO[][]z====z :| |二|=|LLLL| ======┤ ( ̄)( ̄)/:::::::/
|\」二|ト ̄`弌==zz==┬:┬冖丁_ ‐  ̄i|| |_|ニニl _|i|∝∝∝|_| |宀宀LLLL| ccc   |( ̄)( ̄)( ̄)(⌒)(
三二ニ=─_二Lニ─丁 |_ ⊥‐ ¨     L|_|ニニjく_/|∽∽∽|。oSSx==L_ ̄丁(_)(__)' ̄ ̄/のの(⌒)(⌒
¨~~ ̄|二二|- 丁_ -二 ̄           へ|k-く‰‰‰‰77⌒ヽ==彡(_)(_),/ ̄/ア¨アののく /
    | _⊥‐ニ三三‐ ‐      ‐ ‐     \| |\\rr竺竺竺>=彡'()「|─_ /─/ ∠,。oぅううぅs。ノ
  _ └三三三- -              _、-冖'\\|i:i:。0℃℃℃℃℃。   ̄ ─二__,。oぅうううう必ううう
_-三三‐‐ ‐            ‐‐     {iシシシシシ_\\℃℃℃℃℃℃℃℃  i< ̄>,、--.、,、‐‐.、ノううう
二三-            - - -      {i7アシシシシ \\℃℃℃Ω.<´ ̄`Y´`Y´ `'|`¨¨´|`¨¨´|`'<う
三- -                      |iシシシシ<辷ヘ\℃Y´-- ミ`¨¨´|`¨´ト`¨´|'´ ̄Y´ ゙̄Y゙ ̄`
三三-- - - - -                 Lシ^辷辷辷7 へ\_|`¨¨¨´|ニ´<´ ̄`>\`¨¨´|`¨¨´|`¨¨´
Ξ- 二 - - -                  「辷辷辷ン^V⌒\|\ |i´   )`¨( ̄ ̄) \'´ ̄`'Y´ ̄
- 二二 - -                    |辷ン<( ノ⌒7⌒|\\```ア´ ̄`ヽ¨¨´|\|`````|`¨¨´
二二ニ──                   --〈⌒ ハ^'<⌒Yシ⌒Vヘ\|\ ゝ    ノ|く´ ̄ ̄`>'^7⊂二
ニニ── ─                 ─∧(⌒V^ヽ)⌒i  ノ^7^ヽ\|\````__|\`¨ア⌒7⊂二二
二── ─  ‐              ‐二二∧v'⌒Y⌒>-─<ノ⌒>'⌒:、\`i二|\`'<二二⊂ニ二二二

149 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:03:53 ID:U9hligrQ0

(´∀` 三 ´∀`)キョロキョロ...

( ´_ゝ`)「なかなかの賑わいだな」

爪゚ー゚)「時間帯的に意外っちゃ意外だね」

( ´_ゝ`)「それだけ娯楽が少ないってことじゃないか?」

爪゚ー゚)「ああ、なるほど」

( ´_ゝ`)「そういう意味じゃ昼兵衛が昼間から大繁盛なのもわかるな」

レ ´∀`)「おいしかったです」

爪゚ー゚)「良い店だったね。ここがアレとは思えないくらい」

( ´_ゝ`)「ああ。ほんっっとフクザツだよ」

爪゚ー゚)「……だね」

( ´_ゝ`)「……まあ、とっとと倉庫に向かうか」

爪゚ー゚)「ちょっと長居しすぎたからね、急がないと」

( ´_ゝ`)「下手に迷子になったらすっぽかしちまう」

爪゚ー゚)「せっかくのコネをフイにしたくはないしね、急ごうか」



 ―――。

150 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:04:27 ID:U9hligrQ0
【8番倉庫】
{__].:| | | | | l\\\:|\||/||\\\\\\\/ | :| :|//\\\\\\.| |\\  | | |  //| |
{__].:| | | | | | | |\\|\||/||\\\\\\/:| :| :|//\\\\\\\ | |  \\| | |//  | |
{__].:| | | | | | | | 「|\|\||/||\\\\\/  :| :|//\\\\\\\\、| |    \| | |/    | |
{__].:| | | | | | | | | | | |\||/|l\\\\/| :| :|//\\\\\\\\_、- | |_─ ̄| | | ̄─_| |
{__].:| | | | | | | | | | | |\||/|l\\\/  | :|// \\\\\\\ _、<ニ=:| |_‐‐ ̄| | | ̄‐‐_| |
{__].:| | | | | | | | | | | |\||/|l\\/ :| :|// \ \\\\\ ,、<ニ=- .::| |\\  | | |  //| |
{__].:| | | | | | | | | | | |\||/|| l:/  | :|// \\\\\\.,、<ニー   : : :| |  \\| | |//  | |
{__].:| | | | | | | | | | | |/||\l/ :| :|//\\\\\\ _、<ニ=-     _ =:| |    \| | |/    | |
{__].:| | | | | | | | | | | |\|l / | :|//\\\\\\,、<ニ=ー      _ = ̄ | |--¬¨¨| | |¨¨¬--| |
込ヘ,| | | | | | | | | | | |i::/ | :|//.::| | | \\\ ,、<ニ=-    _ = ̄___   | |--¬¨¨| | |¨¨¬--| |
(し' .) | | | | | | | | | | |/| |  |//| | | | | | | | \/ニ=-' ̄|l  _ = ̄_ ‐' ̄ |   | |\\  | | |  //| |
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151 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:05:01 ID:U9hligrQ0

(´∀` 三 ´∀`)キョロキョロ...

( ´_ゝ`)「来たぞー」

爪゚ー゚)「ふむ、やはり着いた途端管理局員が大歓迎状態、というわけではないようだね」

( ´_ゝ`)「そらそうだろ、店の方2時間近く何もなかったんだし」

爪゚ー゚)「しかし、さっきのお似合いカポーはどこかな? まだまだ罠の可能性も微粒子レベルで」

( ´_ゝ`)「その韜晦は流石になしだろ、お互い探知し合っておいて」

爪゚ー゚)「いやいや、僕の探知を欺く使い手の可能性も」

( ´_ゝ`)「そうだったら即死じゃん」

爪゚ー゚)「そうだよ?」

( ´_ゝ`)「ま、それはないとは思うが……そうだよな?」



(,,゚Д゚)「……」

(*゚ー゚)「……」



.

152 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:05:35 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「……あんたら、ナニモンだ?」

( ´_ゝ`)「探偵、流石真理男」

爪゚ー゚)「群馬県警、地流椎菜」

(,,゚Д゚)「探偵だと……?」

(*゚ー゚)「群馬県警……? 群馬っていうと」

(,,゚Д゚)「千手烏賊のある岩手からはかなり離れた、内陸の県……だったはずだ」

(*゚ー゚)「そんなところの警察がこっちに来るの? 日本の警察は縄張り意識が強いって聞いたけど」

爪゚ー゚)「僕は別に仕事で来たわけじゃないからね。彼の仕事の付き合いさ」

(,,゚Д゚)「探偵って言ったな。つまり――」

( ´_ゝ`)「千手の巫女の夫の依頼でな。彼女を連れ戻すのが仕事ってわけだ」

(*゚ー゚)「千手の巫女の、夫……」

(,,゚Д゚)「……なるほどな、筋は通ってる」

爪゚ー゚)「だけど信用ならない。そう言いたげだね?」

(,,゚Д゚)「そう簡単に信用するわけにはいかん。そこで、だ」

153 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:06:08 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「踏み絵、かな?」

(,,゚Д゚)「ああ。この会話は録音されている。その前提で神を冒涜するようなことを言って欲しい」

爪゚ー゚)「浮鮫のフカヒレっておいしいのかな?」

( ´_ゝ`)「刺身もうまいんじゃないか? 所詮鮫だし」

(,,゚Д゚)「えっ」

爪゚ー゚)「そうだね、所詮鮫だし。魚類乙〜」

( ´_ゝ`)「ウス族気取ってみても無駄だぜ、外じゃゴキブリのようにコソコソしてるくせに」

(*゚ー゚)「……」

爪゚ー゚)「ほんとだよね、まあ大手振って歩いてたら駆除されちゃうから仕方ないかな」

( ´_ゝ`)「神とか自称してるくせに雑魚すぎる」

(,,゚Д゚)「……」

爪゚ー゚)「鮫と似てるねって言われただけでおこになっちゃう器の小ささ」

( ´_ゝ`)「どう見ても鮫やろがい」

(*゚ー゚)「……」

154 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:06:41 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)「ね。カマボコにしようか」

( ´_ゝ`)「A地区に工場を建てよう、とても効率的だ」

(;,,゚Д゚)「……あのー」

爪゚ー゚)「ん? 何だい?」

(;*゚ー゚)「え、そこまで言います?」

( ´_ゝ`)「なんだ、本当のことしか言ってないぞ?」

(,,゚Д゚)「いや、それは……ははは、これはマジで外の人っぽいな……?」

(*゚ー゚)「そうだね。私達でもそこまで言えないよ……」

爪゚ー゚)「え? それじゃあ、逆にどこまでなら言えるんだい?」

(,,゚Д゚)「……クソ野郎どもがー、とか」

(*゚ー゚)「……絶対許さない、とか」

( ´_ゝ`)「あー。まあ実際に脅威に抑圧されている身ではお気軽に馬鹿にはできんか」

(,,゚Д゚)「そういうこと、みたいだな」

(*゚ー゚)「自覚はなかったけど……」

155 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:07:15 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「で、信用して貰えたってことでいいのか?」

(,,゚Д゚)「とりあえずは、な。しぃも同じだろ?」

(*゚ー゚)「うん。……ところで、そっちの子は? さっきは名乗ってなかったけど」

レ ^∀^)「私は……レモナです」

( ´_ゝ`)「元家畜の子」

(;,,゚Д゚)「はぁ!?」

(;*゚ー゚)「え、本当なの?」

レ ^∀^)「はい」

爪゚ー゚)「成り行きでね。ああ、もう家畜ではないから勘違いしないように」

(;,,゚Д゚)「いや、いやいやいや、もう家畜ではないってどういうことだ?」

(;*゚ー゚)「そんなこと、あるものなの……?」

( ´_ゝ`)「重要なことか? そうでないなら説明は後回しにしたいんだが」

(,,゚Д゚)「ん……いや、重要かと言われると……」

(*゚ー゚)「……もしかしたら重要かも……?」

156 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:07:48 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)「どういうことかな?」

(,,゚Д゚)「……俺達としてもどうにかして家畜を引き込めないか試したことがあった、だが」

(*゚ー゚)「全っ然駄目。そもそも価値観が違いすぎて話が噛み合わない」

( ´_ゝ`)「まあ、そうだろうな……洗脳解除だけじゃ無理、ゼロから教育しなおすくらいの根気が必要」

(,,゚Д゚)「流石にそれは無理だからな、諦めてたんだが」

(*゚ー゚)「一体どうやって?」

爪゚ー゚)「運だね。僕らは何もしてないし」

( ´_ゝ`)「当人曰く、前世の記憶が蘇った、らしい」

(,,゚Д゚)「は?」

(*゚ー゚)「それは一体?」

爪゚ー゚)「よくわからないんだよね、これが。だから運」

( ´_ゝ`)「まあ、その道の専門家も見たことないって話だからな。期待したなら悪いが」

(*゚ー゚)「むぅ……」

レ ^∀^)「?」

157 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:08:26 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「……まあいい。本題に入るか」

爪゚ー゚)「その前に自己紹介をお願いしたいんだけど?」

(*゚ー゚)「あっ」

(,,゚Д゚)「おっと、これはうっかりしてたな。俺はギコ、こっちはしぃ」

(*゚ー゚)「しぃです」

( ´_ゝ`)「んで、今度はこっちが聞くが。何者なんだ、あんたら」

(,,゚Д゚)「俺たちは、浦島隊。この社会が理不尽だと感じる奴らの集まりだ」

爪゚ー゚)「ん、まあどっからどう見ても理不尽だけど」

( ´_ゝ`)「それを感じる者が少ない、と。予想通りではあるが」

(*゚ー゚)「私たちは気付けたのか、気付いてしまったのか……」

(,,゚Д゚)「気付かない方が幸せだったんだろうが、気付いちまったもんはしょうがない。
     俺たちは戦う、自由を手に入れるために」

爪゚ー゚)「なるほどね」

( ´_ゝ`)「実にわかりやすい集まりだということは理解した」

158 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:08:59 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「俺たちの最終目的は外に出ること」

(*゚ー゚)「一部の目に余る動きを止めたりもしてるけどね」

( ´_ゝ`)「外に出るってそんなに難しいのか?」

爪゚ー゚)「僕ら結構ふつーに入ってきたけどね」

(,,゚Д゚)「そう簡単なことじゃない。船は厳重に管理されている」

(*゚ー゚)「船があるのはE地区だけ。それもわたつみの兵が厳重に警備してるの」

( ´_ゝ`)「ん、気を悪くしたらすまんが。あんたら混血じゃないのか?」

爪゚ー゚)「ね。それなら泳ぎは得意そうなものだけど」

(,,゚Д゚)「……いや、混血だが。外との道が開く時の天候を知ってるか?」

( ´_ゝ`)「時化だな」

(*゚ー゚)「私たちは殆ど人間だから。荒れた海を泳ぐとか無理」

爪゚ー゚)「ふむ、血が薄いということかな?」

(,,゚Д゚)「そういうわけでもないと思うんだが、表面化してない奴らばかり集まってる」

( ´_ゝ`)「なるほどな、何となく納得いく話ではある」

159 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:09:32 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)「組織の規模はどれくらいなのかな?」

(,,゚Д゚)「数百人ってとこだ。全員C地区に集まってる」

( ´_ゝ`)「あー……人数多すぎて逆にやり辛そうだな」

爪゚ー゚)「ん? 僕は思ったより少ないと感じたけど」

( ´_ゝ`)「そうじゃなくて。その人数全員脱出しようと思ったら、E地区襲撃でもしないとならんってこと」

爪゚ー゚)「あー……少人数なら密航って手段もあるって話? どうなんだいその辺?」

(;*゚ー゚)ノシ「無理無理。試そうとしたことはあるけど」

(,,゚Д゚)「船の周囲は結界が張り巡らされてる。それに、仮に乗り込めたとしても海上でやられるのがオチだ」

(*゚ー゚)「だよね、海の上じゃ絶対勝てないもん……」

爪゚ー゚)「だ、そうだけど?」

( ´_ゝ`)「思った以上に厳重だな……多少逃げ出されたところでどうということはなさそうに思うんだが」

爪゚ー゚)「む? ……言われてみればそうかもしれないね。確かにちょっと違和感がある」

(,,゚Д゚)「……そうなのか?」

( ´_ゝ`)「ん?」

160 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:10:05 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「外では人間社会の方が繁栄してるんだろ? ここの情報が知れれば攻めてくるとばかり思ってたんだが」

( ´_ゝ`)「……どうだろうな。薩摩ならやりかねんが」

爪゚ー゚)「大規模な攻勢に出られる戦力があるのかがまず問題だね。当面はスパイを潜り込ませる程度になりそうだ」

(*゚ー゚)「えっ?」

( ´_ゝ`)「外では人間が繁栄してるったって、色んなバランスの上に成り立ってる話だからな。
      この島を余裕で潰せるような力があると考えているならそれは違うぞ」

(,,゚Д゚)「むぅ……そうなのか」

(*゚ー゚)「うーん……」

爪゚ー゚)「もしかして、僕たちと接触した目的はそれだったり?」

(,,゚Д゚)「……ああ。外からの襲撃のどさくさに紛れてE地区を攻められないかってな」

( ´_ゝ`)「まあ仮に襲撃あったとして、襲撃側にあんたらの想定通りの戦力があったなら無理だろうな。
      どう考えてもついでに殲滅されるぞ」

(*゚ー゚)「あー……そっか、そうかも」

(,,゚Д゚)「それは……」

爪゚ー゚)(情け容赦なく突きつけるなあ)

161 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:10:45 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)"ちなみにレモナ、今のところ嘘はないか?"

レ ^∀^)"ないです"

爪゚ー゚)「君たちの目論見は崩れちゃったみたいだけど、どうする?」

(,,゚Д゚)「……それならそれで、何か協力し合えることがあれば協力したいところだ」

( ´_ゝ`)「こっちとしては、色々情報を貰えると助かるんだけど」

爪゚ー゚)「生憎あんまり返せるものがないかもなあ……」

(*゚ー゚)「でもあなたたち、千手の巫女にちょっかいかけるんでしょ?
     そうなれば、こっちとしても動きやすい状況ができるかも」

( ´_ゝ`)「かも、で良いならな。A地区で暴れるとかはするつもりないし」

爪゚ー゚)「どう考えても下手打った時なんだよねぇ、その状況……」

(,,゚Д゚)「なら、さっきの魔術を教えて貰えないか」

( ´_ゝ`)「念話か? そういえば慣れない感じだったな」

(,,゚Д゚)「ああ、あんなもんがあるとはな。あれがあれば、活動が格段にやりやすくなる」

(*゚ー゚)「あ、さっき言ってたやつ? 確かにそうだね」

爪゚ー゚)「ここは魔術先進国だと思ってたから意外っちゃ意外だね。他にもあれば教えるよ」

162 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:11:26 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「祭司でもない一般信徒が使える魔術なんて限られたもんだ」

(*゚ー゚)「A地区にいるような人たちは違うんだろうけどね。
     C地区でも魔術の専門家みたいな人はいるけど」

(,,゚Д゚)「普通はせいぜい生活や自分の仕事で使う魔術くらいだな」

( ´_ゝ`)「まあそんなとこだろうな。特に戦闘向けの魔術は広まっていないと見た」

(*゚ー゚)「その通り。私たちはある程度使えるけどね」

爪゚ー゚)「それはちょっと羨ましいな。僕はそっち方面はあまり適性がなくてね」

( ´_ゝ`)「俺も。っていうか俺まともな魔術殆ど使えない……」

(*゚ー゚)「えっ?」

(,,゚Д゚)「それだけの魔力があってか? 冗談だろ?」

( ´_ゝ`)「まともなのは強化くらい。他は到底まともと言えるものではない」

爪゚ー゚)「水のやつはサバイバルではお役立ちじゃないかい?」

( ´_ゝ`)「そうだけども」

(,,゚Д゚)「ああ……あんた程の達人なら強化一本でも十分驚異的かもな」

( ´_ゝ`)「今ならわたつみくらいは正面から殺れる……はず」

163 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:11:59 ID:U9hligrQ0

(*゚ー゚)「あ、ギコくんと同じこと言ってる」

(,,゚Д゚)「正面からとか絶対やらんけどな、その状況になってる時点でもう終わりだ」

( ´_ゝ`)「まあ、あんたらの状況だとそうだろうな。そうでなくても正面からはやらんが」

爪゚ー゚)「僕は見たことないんだけど、結構な化け物らしいしね」

( ´_ゝ`)「新田さんと同格くらいだ」

爪゚ー゚)「あれと同格は普通にヤバい。……って、追いついちゃった君も大概だよ?」

( ´_ゝ`)「それほどでもない。歩兵一個中隊いれば普通に制圧されるだろうし」

爪゚ー゚)「……そう考えると軍隊ヤバいなあ。さっきはああ言ったけど人類も大概じゃないかい?」

( ´_ゝ`)「正面切って撃ち合いするならその通りだと思うぞ。チート戦力もチートミサイルで何とかなるようだし」

爪゚ー゚)「そうでもなきゃ今頃絶滅してるか」

( ´_ゝ`)「そのへん、技術が発達していない頃は天成とかが守ったりしてたんかね?」

爪゚ー゚)「どうだろう? 昔は昔で魔術師が凄かったってのはありそう」

( ´_ゝ`)「なるほど、一理ある」

(*゚ー゚)「あのー……?」

164 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:12:43 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「おっとすまん、つい脇道に逸れた」

爪゚ー゚)「お互いに出すものは決まったし、あとは連絡方法でも決めておくかい?」

(,,゚Д゚)「この倉庫は俺の管理下だ。普段は奴隷を立たせてるから、そいつに伝えてくれればいい」

( ´_ゝ`)「ん、君らも奴隷は使うのか」

(*゚ー゚)「そうしないと運営上おかしく見えちゃうから。別に不必要に虐げたりはしてないしね」

(,,゚Д゚)「自由を求める俺らとしちゃ思うところはあるがな」

爪゚ー゚)「これだけ仲良く話しといて、実は盛大に価値観が違うとかじゃなくてよかったよ」

( ´_ゝ`)「ああ。さっき家畜の話もしたからわかってた話ではあ――」



lコ"兄者! 聴こえるか!?"



(;´_ゝ`)「!?」

165 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:13:16 ID:U9hligrQ0

(´<_`;)「まずいことになった……!」














  Case12「海色の声」
  Day7A「浦島隊」

                          To be continued...

166 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:13:49 ID:U9hligrQ0
今回はここまで

167 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:15:13 ID:U9hligrQ0
リ゚▽゚ リ<l「ペースを あげたい 所存」

168名無しさん:2024/03/18(月) 00:16:37 ID:.HY1x3iU0
乙!

169名無しさん:2024/03/19(火) 12:28:03 ID:Yyb5uYCs0
おつおつ
引くくらい冒涜するとこすき

170名無しさん:2024/03/20(水) 03:35:35 ID:aXwhdUGI0
週1ペースはマジキチだと思った
無理なくやってくれてええで!

171名無しさん:2024/03/20(水) 12:01:22 ID:BbzILSpM0
>爪゚ー゚)「そうだね、所詮鮫だし。魚類乙〜」

ここ、めっちゃ可愛いかった。
もっと冒涜してくれてええんやで^^

172名無しさん:2024/03/24(日) 20:18:06 ID:gfA7y0/M0
乙乙
リアルでも曰く付きな団体が出してる食べ物が美味しかったり物の品質が良かったりすると複雑な気持ちになる…

173名無しさん:2024/03/27(水) 22:12:10 ID:mR3Rt/lE0
乙乙
穴子の天ぷらはサクッとフワッの食感が楽しいよね

174名無しさん:2024/04/01(月) 01:52:22 ID:DoJuUqEI0
全部読み返して来た。各勢力の関係性とかが分かって読むとより一層面白かった。
是非頑張ってくれ。日向ながら応援してる。

175 ◆KDJGUfbY2o:2024/04/14(日) 23:08:54 ID:iPJbg3Mg0
>>168
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>169
(,,゚Д゚)「ぶっちゃけ引いた」

>>170
( ´_ゝ`)「今となってはどうやってたのかわからない」

>>171
爪゚ー゚)「なるほど?」

>>172
(´<_` )「ほんとそれな……」

>>173
|゚ノ ^∀^)「おいしいです」

>>174
(´・ω・`)「その言葉が聞きたかった。ジオンはあと10年は戦える」

176 ◆KDJGUfbY2o:2024/04/14(日) 23:09:28 ID:iPJbg3Mg0
リ゚▽゚ リ<l「進捗70%」

177 ◆KDJGUfbY2o:2024/04/30(火) 23:46:55 ID:fdE6EctI0
リ゚▽゚ リ<l「明日くらい投下するで」

178 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:26:52 ID:.JYb6wSU0
前回のあらすじ
・……なんか、フクザツだなぁ
・そうだね、所詮鮫だし。魚類乙〜
・まずいことになった……!


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

179 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:27:25 ID:.JYb6wSU0
Case12-Day7B
;;;彡ソ;;;ゝ);;));ヾ;;) ノ::;;ヽ;;;;ゞヽゝ'´ゞvゝ、7-ー<ヾ:'(゙'〆、,,;">-、7-ー<
ヾミ;ソ(;;;;;;フノハ:;:;ミ;;(;;;ゝヾミゞ(〆、,,;">>、;ヽ、:;;:y':/;:.バ:.:.:.:.:.:.`‐ヾミ;ソ
〃;;;彡;;i!;:i!|/〃;;;彡;"'ハ,,;)ヾ.:.:バ:.:.:.:.:.`‐ヽ:::;:;:::/:;;/ヾミ;ソ(;;;;;;フノハ:;)'.:
::':.,|:;;:i!;;i!;:i!|`ヽ\|;;レ;/;;'';;.:.:.:.:.:.゙:.~^:.:>ー.,!i!;;:;:;y'彡^.ゝミノノ:;ミ;;;'':.:.:.:.:
ヽ.:;};;:i!;;i!;:i!|;:;:;:;:);;;;;;/''ヽV/.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:l;;:;;;:;:|:.:.:.:.:);ソ.´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
;:;:Y;;:i!::i!:;;:i!|v,l|V::从X、ノメ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|;;i:;:;;:l;:;:;://v、;;、八ゞ;:;:;:;:;:;
;:;:;:|;;:i!::i!;;:i!:|、lW:八ヘ{V::从ivヾ;;) :;:;:;;;;;:;:;:;v|;;::;!i!;|:;:;{;;{wX、从,!|lilXx,,、
;:;:;:|;;:i!;:i!;;i!;:|XゞV:从XゞViv:l;,ゝ);)'"  _从(i!;:;:;;:;|::;:;ゞヽiv,l|V::从X八
八ゞivXx::イ八X、 γ从Wwv~ '   __)ゞハ/;:;;:;;:;;:l;ミx;;,イiv:l;,イイ、八ゞv
iソゞiv,l|V::从|lililレ/X、w,,'~"  . ' ィイ、X|;::i!;::;;リ'ヾゞゞ, ;ミx、:l;,イイ、八
_、八ゞiv,l|iv:l;,イイ、八イ,,~=-  ,、   .,イivV|;;:i!;;:;;:|`:;;;;;ゝ);;));ヾ;;) iv,l|V
V从;、lW:八ヘ{V::从Xゞ       (:;ハ、;vvヾヘwゝ);;));ヾ;;) ノ 从X
ハ、;vvヾヘwゞ,,;;''~"       ー'^ゞ,イiv:l;,イイ、八ゞiv:l;,ゝ);;)川 ゚ -゚)

180 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:27:59 ID:.JYb6wSU0

lコ"何があった?"

(´<_`;)「岩場で釣りをしてたらわたつみの兵と出くわしてな」

<(' _'<人ノ「釣りをしている二人に気を取られていたので不意打ちで倒しましたが、
       付近の海中に仲間が……海中では追いかけるのも難しく、取り逃がしました」

lコ"むぅ……一応確認だが、今は移動中か?"

(´<_`;)「うむ。先程差し掛かった丘からC地区らしき街は確認している」

lコ"魔術で補強してるとはいえ、それくらい近くないと通信通らないよね、。とりあえず一度合流するかい?"

<(' _'<人ノ「はい。ですが私たちの恰好でC地区に入っても大丈夫でしょうか?」

lコ"うーん、弟者はともかく美和ちゃんは怪しいな。暗くなるまで待った方が無難か?"

lコ"その方がよさそうだね。僕らは今C-3地区市場にいる。市場の場所は街に入ればすぐわかると思う"

lコ"B地区最寄りの市場だからな。……なあ、ここに仲間呼んでも大丈夫か?"

<(' _'<人ノ「どなたかご一緒なんですか?」

lコ"例の組織の人だよ"

181 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:28:32 ID:.JYb6wSU0

(´<_`;)「えっ、マジですか? 随分あっさり接触できましたね」

lコ"実に都合よく接触できたよ。何かの罠じゃないかって不安になるくらいには"

<(' _'<人ノ「それは、その……大丈夫なんでしょうか?」

lコ"総合的に見て問題ないという判断になった。十中八九大丈夫さ"

lコ"おし、オーケー貰ったぞ。日が完全に落ちたら市場の8番倉庫まで来てくれ"

(´<_`;)「……それなんだが、できれば迎えに来て貰えないか?」

lコ"ん? どういうことだ?"

<(' _'<人ノ「累次くんが呼んだ式神に荷物を載せてるんです。流石にこのままC地区に入るのは……」

lコ"えっ、荷物持ってきてるのかい?"

lコ"マジか。あった方が助かるのは事実だが……どうしてそういう判断になった?"

(´<_`;)「山だからな、追手が掛かるにも猶予があると判断した」

<(' _'<人ノ「流石に何もないと、取れる選択肢が減ってしまいますから」

182 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:29:05 ID:.JYb6wSU0

lコ"ふむ、なるほどな。そういうことなら迎えに行くわ"

lコ"どうせなら台車借りて行こうか。さっき貴族ゴッコしてた君が荷運びしちゃ見咎める人がいるかもしれないし"

<(' _'<人ノ「貴族ゴッコ……?」

lコ"ま、情報収集の一環でな。そういうことなんだが、台車借りられるか? ……二つ返事とはありがてぇ"

lコ"ってこれ築地カートじゃないか。ここでも普及してるんだねぇ"

lコ"数は少ないが自動車も走ってたし妥当なとこだろ。外でも昭和30年代には普及してたって話だしな、築地カート"

(´<_` )「悪い、無駄話はその辺にして貰えるか。人気のない林道だからさほどリスクは高くないが……」

lコ"おっとすまん。それで、迎えに行くのは良いが……問題はどこで合流するかだな"

lコ"悩ましいところだね。林道抜けちゃうと流石に見咎められそうだ"

<(' _'<人ノ「かといって何も目印がないと……」

lコ"俺らと同じルートを歩いてるなら、林から抜ける手前に作業小屋があるはずだ。そこで合流しよう」

(´<_` )「わかった。他になければ交信終わるぞ」

lコ"おk"

183 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:29:39 ID:.JYb6wSU0

(´・_ゝ・`)「いやあ、通信繋がってよかったね」

(´<_` )「はい、ようやく一息つけた感じです」

<(' _'<人ノ「合流の目途も立ちましたし、なんとかなりそうですね」

(´・_ゝ・`)「正直な話、さっきまで生きた心地がしなかったよ」

(´<_` )「いや、まだ気を抜かないでください。いきなり敵と出くわす可能性はなくなってません」

<(' _'<人ノ「私が警戒していますので、大丈夫ですよ?」

(´<_` )「美和ちゃん、本職基準で考えちゃ駄目だ。気を抜いてたら逃げることすらできなくなるのが普通だからな」

(´・_ゝ・`)「それは……否定はできないかな」

<(' _'<人ノ「む……なるほど、一理ありますね」

(´<_` )「ゴールが見えて気が抜けた瞬間が一番危ない。月並みですが」

(´・_ゝ・`)「違いない。漁でもそういうことはあるからね」

<(' _'<人ノ「万事に通じますね」

184 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:30:12 ID:.JYb6wSU0
         r-.、                      _ ,  ‐- 、_,_,,,-..ヘ
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    ,..‐'"';__;.ノ                ,/ ,:'' ::, ゙':. ': .:' /.:' ,.: ,.... :' ;\
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   `ー '"  |., `  ゙':,i:; ゙;, ,::'  :, . |:::::;,_    .::.' .,:' ,.:キ
            |゙'::..,   '、,_; .,゙ :,  ':;..|  ゙' ::..._ /,r-、'   キ
         |    ,:| ‐- _ '::,  '::゙|::.._  ,.:'.`ヽ キ   ゙''::゙i,
            |゙':, `''ー'キ.:.:.:.r ` ― ^、....::'   ' ゙",`i、.゙i ,.,._., 'i,
            ヘ .,,._ ,;キ.:丿      ゙i、_   ,.:'  `''ー -、゙':'i,
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                                         `ー-、ノ

185 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:30:45 ID:.JYb6wSU0

(´・_ゝ・`)「いやしかし、式神ってのは便利なものだね」

(´<_` )「自動車ほどではないですけどね」

<(' _'<人ノ「それは……確かに」

(´<_` )「自動車に勝るのは小回りくらいか? 他は戦闘力も含めて一切勝てない」

(´・_ゝ・`)「あぁ……だから廃れちゃったのかな?」

<(' _'<人ノ「……否定はできませんね。自動車に勝るのは魔の者を相手にする時くらいでしょうか」

(´<_` )「こいつが自動車のぶちかましより強いとでも?」

<(' _'<人ノ「物理的な破壊力だけが強さではないということです。例えば、実体のない怨霊相手なら自動車は何もできません」

(´<_` )「……なるほど(怨霊とかもいるのか……)」

<(' _'<人ノ「私も、自動車を正面から受け止めることはできませんが。自動車に負けることもありません」

(´<_` )「まあ、操縦者狙うなりタイヤ狙うなりやりようはあるもんな」

<(' _'<人ノ「直線的な動きなら避けるのは簡単ですからね。窓くらいなら障害にはなりませんし」

(;´・_ゝ・`)「えぇ……ヤバ……」

186 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:31:19 ID:.JYb6wSU0

(´<_` )「まあ、こいつには美和ちゃんと同じことはできんだろうがな。側面から飛び掛かったところで吹っ飛ばされるのがオチだ」

<(' _'<人ノ「術には、術者の気質が色濃く出ます。……累次くんは、優しいですから」

(´<_` )「あー……式神の攻撃力がしょっぱいのは俺がヘタレだからか……」

(´・_ゝ・`)「いいじゃない、適材適所ってやつでしょ」

<(' _'<人ノ「まさに。この白虎は持久力に優れていますし、気配も読み難いです」

(´<_` )「なるほどな。確かにツルさんから聞いていたより維持の負担は軽い」

(´・_ゝ・`)「足音も静かだね」

<(' _'<人ノ「今の状況では高い攻撃力よりも余程助かります」

(´<_` )「まあ、そうだな」

(´・_ゝ・`)「戦闘になったら不安があるのも事実だけど」

<(' _'<人ノ「私がいますので。切り捨てるためのサポートをして貰えれば十分です」

(´<_` )「ああ、それくらいはな」

(´・_ゝ・`)(おしとやかな見た目や仕草によらずゴリゴリの力押し脳筋志向だよねぇこの娘……)

187 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:31:52 ID:.JYb6wSU0
【作業小屋】
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188 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:32:26 ID:.JYb6wSU0

<(' _'<人ノ「……まずいですね、中に人の気配が」

(´・_ゝ・`)「えっ」

(´<_` )「む」

<(' _'<人ノ「一旦そこの茂みへ。暫く様子を見ましょう」

(´<_` )「わかった」

(´・_ゝ・`)(気配とかわかるの凄いなあ……)



 ―――。

189 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:32:59 ID:.JYb6wSU0
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190 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:33:32 ID:.JYb6wSU0
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191 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:34:05 ID:.JYb6wSU0

(´<_` )(誰か出てきたようだな。このまま立ち去ってくれればいいが……)

<(' _'<人ノ「……」

(;´・_ゝ・`)「……」



/ ゚、。 /「……」



(´<_`;)(何だ? 何をキョロキョロしている?)

<(' _'<人ノ「……」

(;´・_ゝ・`)「……」



/ ゚、。 /「……」

192 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:34:39 ID:.JYb6wSU0

/ ゚、。 /「Increspate, fate eco e smascherate i miei nemici.」

<(' _';<人ノ「っ!!」



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       |l!1!|!l./ム―7 レ .レ  i| !i| !li| |i! |! |                |l!1!|!l
       |l!1!|.//ニ7/         .i| !li| |i! l:                 |l!1!|!l
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       |l!1!|!l    //          .| |                   | |l!1!|!l
       |l!1!|!l |  |/,イ,イ ,イ        | |                l| |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!   レレ //   ,ィ    |  |               l| |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!     /'  / .i    |  |i                   || |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!       ./ /    .|/レ'i                || |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!,      //     .|/|i | i              || |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!i      ´       .|    l     /    .i    i.|| |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!l    , イ      |i | |     И  /|     .l    l:|| |l!1!|!l
━━━━━━━━━━━レ'━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



(´<_`;)(美和ちゃん!?)

193 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:35:13 ID:.JYb6wSU0
                    |!
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 :| │ ! l,゙.l'"           |l|w/\
:l''''′゙‐'''" ゙''゙'j         \{w└´ /
:!ーッ .r‐┐┌┘         \´  彡x
  :| │ .l゙ !            >  ∠─
  ‘'''"./ . l           il}   }|
   ./ /           \{  └´ /
   .ヽ‐゛            \´  彡x
                  >  ∠─             .,i \
                 il}   }|               .\ ./  ,r、
                 \{  └´ /              .`゛ ,i" ./.
                 \´  彡x                 / . /
                  >  ∠─              . /  /
                 il}   }|               r'"  /
                 \{  └´ /             ヽ‐´
                  >  ∠─
                 il}   }|
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194 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:35:46 ID:.JYb6wSU0

¨ - ¨_‐ _
    ¨ - ¨_‐ _                                /|
        ¨ - ¨_‐ _                            /::::::|
            ¨ - ¨_‐ _                        /i:::::::::::|
                ¨ - ¨_‐ _         l\      /、:/::::::::::::|
                    ¨ - ¨_‐ _   、、 | \ハ ./!/i癶ァ::::::::::|
                        ¨ - ¨_‐ _`    ∨ |/l::ィ::::/^7
                             z¨ - ¨      〈j{/:::::::/
                          <             /::::::::::::/.     l\       /|
                              ̄ア      ムィ⌒7_   、、 | \ハ ./! /::::::|
                            / -=7   /^::::::::::::/. - ¨_‐ _`     ∨ |/l::::::::::|
                              / /レ^\::::::::::/.     z¨ - ¨      〈:::::::/
                             /<:::癶:}::::::::`:/   <           /::::/
                               「::::::::/!:::::/.         ̄ア       /::::/
                               |::::::/::l/          / -=7   /^::::/
                               |::イ:/            / /レ^::::/
                               |/                 /< |::::::/
                                                   |/

195 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:36:19 ID:.JYb6wSU0

三/ ゚、。;/「むっ!?」

<(' _';<人ノ三(外されたッ!? でも障壁は剥がした、畳みかけるッ!!)

/ ゚、。 /「Onde impetuose, trafiggete i miei nemici.」

                       ,                          ,
                /'゙       イ/  >''"/       /'゙
    イ/                  // >''"  ,/    ,       >''"/    ,,/
 //     ,,/       ,    +. /  /     /   /'゙      /  /     //
/´    >''"/      /'゙      /       /            />''"    /ィ     /リィ
   ,   ,/               /    >'゛          /´  >ィ         .//+
,' /  / *               /    >'',          ,       //         //ィ゙  > ´
/  /              /  >'' /'゙      /'゙      /ィ          /'゙  /
 > ゛                  ,  > ゛              ,    ´   / +            /   /
'゙            ,      /イ        ,       /'゙     / リ         /  >''゛
         /'゙         >ィ * /'゙              /   /         /> ''
                        //                  /  /                /
   ,             /ィ         ,        / > ´                  /
  /'゙  >ィ                        /'゙       / イ                    /    > ´
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   /ィ       >''"  ,/                                        / >''"
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          /    >''                      /   /

<( _ <人ノ「――」

196 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:36:53 ID:.JYb6wSU0
              ,./                           /              l,
、           /               _..-‐''.'".`゙゙´^"'''ー ..,,/                !
.l          /              ,/゛             / `゙'ー..、              !
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   .X      ,,ii   __         |      ./               ,illll゙   llll             \/
   / l     lllll,,iiiiill!!!′     .l゙    .,/              ,illll゙   lllll     iii、,,,,,  /'、
  ./   .l    lllll!!゙″       :!  . /   ,,,iiiiiiiil           ゙゙゙    .'llll,  .゙!!!! ゙゙,illl!゙’ / .ヽ
 /   ..l   .lllll _,,,,iiiill!!′    |./    ' ゙゙゙lllll,,,,,,、                ゙ ̄     illl!゙  /   ヽ
../    ..l.   lllllll!!!゙゙´     ./|     .,,iiiiilll!!!!!!゙                       /     .ヽ
/      .l,          . /   .l                                     /       .ヽ
       . l.       ,/゛    !                               /        l,
        ヽ    _/       l、                             /         ._,,コ-'''
            l. _/゛         !                             ,i′   ._,,.. -'''"゛   l
        .,/./            l                           ,i--‐'''"゛        ゙l、
      ,/゛  ヽ            l                        _,,,.. -‐''゙゙/
    /       ヽ               l                 _,,,.. -‐''''"゛    /
. _/゛         ヽ           ヽ      _,,,.. -‐''''"´             /
″            ヽ         __...んー'''''"´                    /
               __,......+-ー''''''^゙´    .ヽ                     /
──ヽ‐.''.''."゙゙゙゙´     ヽ             ヽ                    /

197 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:37:26 ID:.JYb6wSU0

三/ ゚、。 /「ほう?」

<(' _'#<人ノ三「獲ったッ!!」

                     -、
                   -、 `、l
           〈`'-ーー-'^ヽ `、l
            ヽ-''´~ソ /
               ,/ く
             _,.r' .,へ `ヽ
           =ニ-ー'´  `;、ノ

              \    |l|\    |l|w/\    |l|w\    |l|\    |l| \    |l|w/L ,r_/
  _________\\{w└ \\{w└ ¨ ´\\{w└ ¨\\{w└ ¨\\{w└ ¨\\{w└ ¨ ´ /________
  ___________                                            _______
                /´ヾ,  r、/´ヾ,  r、r/´ヾ,  r、r /´ヾ,  r、/´ヾ,  r、/´ヾ,  r、r‐|^`
                  //  }´  //  }´   //  }´   //  }´   //  }´  //  }´
                                                       ,ー-、
                                                       `l、_l    ,,-ァ
                                                           ,,.-''/
                                                      r、__,,.-''゙,,.-'´
                                                      ヽ_,rー'゙´

198 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:37:59 ID:.JYb6wSU0

(´<_`;)「なっ……!?」

(;´・_ゝ・`)「えっ……!?」

            :,:              (/)
            ノ霜斧ミx,゜      '´          _ノ(
           (圭圭圭{!'                (圭{
           寸圭圭イ :';'''                 '´⌒
           τ'{{7⌒∴:
            )/
         。∴{!                       _,ィ(。
        _,ィ(                       `'''´⌒'・
     ,ィ圭||ア '’    __                 ,ィ(____,ィ∵               ,ィ(_
     炸圭(       ,ィ升彡               ノ圭圭圭圭そ          。  佳圭心、_
      ⌒`寸ト、   ,{抄'⌒    ノ斧ミ、 o    ∴炸圭圭圭|iて ',∴ ・         _ノ佳佳佳て。
       ゜     ノ/        ⌒∴   ・ ノ(_ノ圭斥⌒',寸ミ、        ',.:,:・'`¨∵¨¨⌒´
     ,,、    //   ノ(          /少'⌒ `       ..,, _,.。x≦少"・       ,ィ(_∴_,:・・
  π_ノ心、_ノ(,炸||(   ,,.,⌒ ・っ  ∴ ・                 ;,,ィ炒⌒;.    c=≠二,ィ炸圭圭(;''
   )圭圭圭圭圭ア  ∴:¨'`   `                     ',∴ ・     ⌒ 寸筵τ'⌒``
 τ`Ⅷ:圭圭圭圭(_ノ廴 τミx。、∴__            ノ廴_,ィ炸廴ィ
   )}圭圭圭圭圭そ `⌒'・    __,ィ圭掛x、∵      ,ィ炸圭少⌒'・
 _,ィ炸圭圭才寸圭廴。x:≦少"´⌒''''⌒¨∵¨´      ⌒¨¨∵:・
   ⌒`寸ト、∴`寸ミ、 ∵:・
      `寸そ:¨'`沁っ

199 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:38:32 ID:.JYb6wSU0

<(' _'メ<人ノ(今のは……ッ!?)

/ ゚、。 /「……なるほど、わたつみの兵が遅れを取ったというのも頷ける」

(´<_`;)(こいつは……!)

(;´・_ゝ・`)(まさか……追っ手!?)

<(' _'メ<人ノ(不意打ちを仕掛けてこれでは、少々分が悪いですか……)

(´<_`;)(不意打ちした美和ちゃんが逆にダメージを負った……信じられんが、相手との力量差があるということ!)

(;´・_ゝ・`)(待って待って、ヤバいんじゃないのこれ!?)

<(' _'メ<人ノ(最後の一撃、あちらは明らかに対処できていなかった。これは何かカラクリがありますね)

/ ゚、。 /「だんまりか、まあそれも良い。法の下に逮捕を遂行するまで」

<(' _'メ<人ノ(……ここは、時間を稼ぎますか。真理男くんが来てくれれば、カラクリごと押し切れるはず)

(´<_`;)(む、美和ちゃん。……見に回るつもりか? なら、こちらも機を見極めようか)

(;´・_ゝ・`)(はわわわわわ)



 ―――。

200 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:39:42 ID:.JYb6wSU0
            :,:           :(::)
            /⌒''⌒) :,,゜      '         ,,,,,,,
           (:::::::::::::::!'                 (::::::)
           ヽ::::::::';'''                 ''``   。
           τ'::/ .;:
            )/
         。            '  、       ;: 。
                               `'''`~''・    ' `
     f''`⌒(     ,,,,               !:(',,,,、              ::,,,,,、...
     ,!,,,、(     /::τ             ノ:::::::::::::::::)          。  !::::::::::`! 、
 :.、          !:::(     ノ::`!   o   (::::::::::::::::::τ            (:::,,;,;,、; 。
       ゜     (/      ⌒・ .   ・、;::::::::::::;;.;`` ''
     ,,、..   //   ノ'          //'''`'`'` `       ..,,.. _,,,.、 ・         ,, ...:・..
  π /;::::::::(,.,.(;;;::::(   ,,.,  ・っ                    ;,;;( ):::::;.    c::── '`'''::::::::::;''
   ):::::::::::::::::::::::::::/  '''''`   `        '`                     ⌒ ` !.:::τ'' ``
 τ !::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, γ               :'`'``:!
   (::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`'    、,:'::::::`:::,,,,        !:::::ノ         ・
 :::':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ー''''`'`''''''''"

201 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:40:15 ID:.JYb6wSU0

<(' _'メ<人ノ「くっ……!」

/ ゚、。 /「さあ、大人しく逮捕されろ」

<(' _'メ<人ノ(ふむ、実力はほぼ互角、前衛後衛の差でこちらが有利。なのに、最後の一線で返されますね)

(´<_`;)(くそっ、どっちも速すぎて機が見えん……!)

(;´・_ゝ・`)(WAWAWA!)

/ ゚、。 /「Onde morbide, afferrate i miei nemici.」

<(' _'メ<人ノ「祈念流――」

(;´・_ゝ・`)「!?」

(´<_`;)(これは――!)

202 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:40:49 ID:.JYb6wSU0
 l │    、 ,i′     ,{                           \,           ヽ\ て
ノ  |   ., llノ|゛       l                          \           ヽ ヽ/  !
\ !   メ/ . ,i'!       /                              ゙h、         ゙l、   .!l
 ..l.| ./  ./ │      !                             ゙i,゙'i、         l   / l_z¬r
  .リ ./  / . iゞ      !                           _-‐==l...lヽ、       .しイ .ヽ
   ,イ / i l゙       l                         _,,..-一ー¨¨   _l ヽ..ヽ            从__
  '/ !゛  lゝ      l                     -┬'''"´  _,,,.. --・''' ̄´  l ゙ly ヽ,         } ハ
  ./ /   .l゙       .!                 _,,.. -;;ニニ-ー'''゙゙゙´          l .゙乂 \           ∪ l /!
 / /    !、      ,!         _...;;;;ニニー''''"゛                     !  .l  .ヽ           ∨{
│/    .、 !     │    _,,.. -''^゙´                         l  l   .\           |
/./    从 }      !  -‐'″                               l,  .l    ヽ,       │
!/    N ヾl       │                                        !  l    ヽ
/    . !           ,!                                         !  ∧    ヽ
!     l        !                                    ! lハ       ヽ
 .|!、   .l       |                                     ! . l       .ヽ  /
  |,ヽ   〔       !                                     !  !       /
  )._ ヽ  l       !                                        ! /   ._/゛
   ヽ ヽ  !      │                                     ! ! , /
   .ヽ .`-ゝ      l                                     ,! '“゛
 ィて  L            !                                     ,..-'"               _
  )ン  )         !                               ,..-'"                _..-'゙//
   ム  .l           !                           ,..-'"゛                i.て
  |ハ   l        !                          _..-'"゛                _.. -''''" ._..-'´
      │        !                      _.. -'"                 ,..-‐"゛   _..-'゛_そ
      'l./         .l               _,, -''"゛                  _,, て|,!  -‐='゙′ て
      .ヽ           l             _,, ‐'"゛                    , て¨ ̄l}     ̄ ̄
     、  !         |.     .._,, ー''"゛                      ゙,゙ニ=―'||
     .l'、 .|            |,,.. -‐''"゛                     -‐¬¨¨¬--'"゛    l′
      ! ゙'ゞ  ._,,,.. -ー'''"゛                       て-‐==            l

203 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:41:23 ID:.JYb6wSU0

(´<_`;)「……」

人(´<_` )「四神転輪、救急如律令!」

     ゙ミ::::::::::::::::::::::ゝ                                         ,,ィ":::::::::::::::彡"
     ミミ:::::::::::::::::::::::ゝ                                     ,,,ィ":::::::::::::::彡"
      ゙ミミ:::::::::::::::::::::ゝ、'、                               _,, ‐":::::::::::::::彡"
        ゙ミ::::::::::::::::::::::::::ゝ_                          _,, ‐"´::::::::::::::::::彡
         ゙ミ:::::::::::::::::::::::::::::ゝ_                    _,,,, ‐"´:::::::::::::::::::::::ミ彡
         ミ::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ               _,, ‐"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ゙
.         ミミ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ          _,, ‐"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミ゙゙
          ゙ミミミ::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ--......,,__,,,, ‐"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミミミ゙゙゙
           `゙゙゙゙゙ミ:::::::::::::::::::::::::::::::.................::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミミミ゙゙
             `゙ミミ:::::/:::://::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミミミミ゙゙
        ___,,,,,,,,,,-‐""/:::/:::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;ミミミミミミミ゙゙゙
        ヾ;;;;;;;;;;;;;;;/::/::::::/::::::/:::.:::/;;;;;;;;;;;:: : : : : : .::::゙l
           _,/:::/::::::::/::::::::/;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;:::.:.:.:.:.:.:.:.::::ヽ
          `゙゙゙゙゙゙‐‐--‐‐ッ‐''"´:::::::::::::::::::::::::::;:‐"´´``ヾ::|
               ,,,ィ´::::::::::_;;::‐ュ:::::::::::::ノ      ヾ
.              ,ィ::::,. ‐ "´ ,ィ":::::::::/
              /./"    ,/,;:::-‐"´
              /./    //
              .// 、  ,//
             ノン'  ヾ 〃
            ,ィ'/_,../从|
          ノi〕_..| 、_ノ' ||
         ノ''´l.ノ |.|     '
          //  |
          "   '

204 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:41:57 ID:.JYb6wSU0
【林道】
;;;彡ソ;;;ゝ);;));ヾ;;) ノ::;;ヽ;;;;ゞヽゝ'´ゞvゝ、7-ー<ヾ:'(゙'〆、,,;">-、7-ー<
ヾミ;ソ(;;;;;;フノハ:;:;ミ;;(;;;ゝヾミゞ(〆、,,;">>、;ヽ、:;;:y':/;:.バ:.:.:.:.:.:.`‐ヾミ;ソ
〃;;;彡;;i!;:i!|/〃;;;彡;"'ハ,,;)ヾ.:.:バ:.:.:.:.:.`‐ヽ:::;:;:::/:;;/ヾミ;ソ(;;;;;;フノハ:;)'.:
::':.,|:;;:i!;;i!;:i!|`ヽ\|;;レ;/;;'';;.:.:.:.:.:.゙:.~^:.:>ー.,!i!;;:;:;y'彡^.ゝミノノ:;ミ;;;'':.:.:.:.:
ヽ.:;};;:i!;;i!;:i!|;:;:;:;:);;;;;;/''ヽV/.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:l;;:;;;:;:|:.:.:.:.:);ソ.´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
;:;:Y;;:i!::i!:;;:i!|v,l|V::从X、ノメ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|;;i:;:;;:l;:;:;://v、;;、八ゞ;:;:;:;:;:;
;:;:;:|;;:i!::i!;;:i!:|、lW:八ヘ{V::从ivヾ;;) :;:;:;;;;;:;:;:;v|;;::;!i!;|:;:;{;;{wX、从,!|lilXx,,、
;:;:;:|;;:i!;:i!;;i!;:|XゞV:从XゞViv:l;,ゝ);)'"  _从(i!;:;:;;:;|::;:;ゞヽiv,l|V::从X八
八ゞivXx::イ八X、 γ从Wwv~ '   __)ゞハ/;:;;:;;:;;:l;ミx;;,イiv:l;,イイ、八ゞv
iソゞiv,l|V::从|lililレ/X、w,,'~"  . ' ィイ、X|;::i!;::;;リ'ヾゞゞ, ;ミx、:l;,イイ、八
_、八ゞiv,l|iv:l;,イイ、八イ,,~=-  ,、   .,イivV|;;:i!;;:;;:|`:;;;;;ゝ);;));ヾ;;) iv,l|V
V从;、lW:八ヘ{V::从Xゞ       (:;ハ、;vvヾヘwゝ);;));ヾ;;) ノ 从X
ハ、;vvヾヘwゞ,,;;''~"       ー'^ゞ,イiv:l;,イイ、八ゞiv:l;,ゝ);;)川 ゚ -゚)

205 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:42:31 ID:.JYb6wSU0

( ´_ゝ`)「さて、もうちょいで到着するが」

爪゚ー゚)「どうでもいいけど、操縦うまいね?」

( ´_ゝ`)「耕運機とかで慣れてるからな」

爪゚ー゚)「え、耕運機と似てるのかい?」

( ´_ゝ`)「近いっちゃ近い。小型特殊らしいといった趣」

爪゚ー゚)「ふむ、なるほどね」

( ´_ゝ`)「……ところで、気付いてるか?」

爪゚ー゚)「まあね。あれ、管理局かな?」

( ´_ゝ`)「ギコが監視着けてる可能性もゼロではないな」

爪゚ー゚)「……ゼロではないけど、高くはないね」

( ´_ゝ`)「うむ、だいたいそんな感じ」

爪゚ー゚)「殺るかい?」

( ´_ゝ`)「……うーむ。どうしたもんか」

206 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:43:04 ID:.JYb6wSU0

爪゚ー゚)「ふむ? 放置しておいて良いとも思えないけど」

( ´_ゝ`)「合流して叩くべきか、ともな」

爪゚ー゚)「あー……確かにその方がいいかな?」

( ´_ゝ`)「一人でも逃がしたら大惨事だからな。一網打尽にするなら戦力が多い方がいい」

爪゚ー゚)「一理ある」

( ´_ゝ`)「というわけでこのまま前進だ」

爪゚ー゚)「了解」

( ´_ゝ`)「言うまでもないと思うが、警戒は怠るなよ」

爪゚ー゚)「もちろんさ、君の童貞を貰うまで死にたくはないからね」

( ´_ゝ`)「童貞の証拠はないし、仮に童貞だったとしても貴様にはやらん」

爪゚ー゚)「絶対童貞でしょ。タカさんとかガガーランさんに絡まれてそうな童貞臭がする」

( ´_ゝ`)「Theガッツ知ってるとか何歳だよ……」

爪゚ー゚)「ブーメラン乙」

207 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:43:38 ID:.JYb6wSU0

爪゚ー゚)「おや? 何だか特徴的な鳥がこっちに来るね」

( ´_ゝ`)「む……? あれって……弟者の式神か?」

爪゚ー゚)「何かあったのかな?」

( ´_ゝ`)「……そういうことだろうな。何もなきゃ荷運びさせてるはずだし」

爪゚ー゚)「あっ、戻ってく。……どうする?」

( ´_ゝ`)「予定変更だ。一旦停めるから、地流さんはこれ持って走ってくれ」

爪゚ー゚)「君はどうするんだい?」

( ´_ゝ`)「追っ手を待ち伏せ。敵なら狩る」

爪゚ー゚)「……これ持ってっちゃっても大丈夫なのかな?」

( ´_ゝ`)「持ってかないと意味がない。式神加勢させてないってことは、加勢できないほどの戦闘だってことだ」

爪゚ー゚)「そんな戦闘に嘴挟む自信ないんだけど……慣れた武器ならともかく」

( ´_ゝ`)「牽制になりゃ、あとは美和ちゃんが何とかするっしょ。こっちは無理そうならどうにか足止めだけしとく」

爪゚ー゚)「まあ、追っ手が敵なら逃がすわけにはいかないしね……あっち何とかして戻ってくるしかない、か」

レ ^∀^)「……」

208 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:45:21 ID:.JYb6wSU0
                                     |.l
                                     l .|           /
                        \            ! }        //
                         \\        .,, / │   .,i / /
                          \ \    i、 巛  !  , '/./  /
                            \ `.-、 l`、|   !/ 〃 ,/
                             \ `'-.ゝ         ./ //
                         _..-'"゛ .ッ \             / /
                         _ / ._..-''____Z                 ̄'''―--z__
                 ──==二二二__         、.      r────────
                  / _/´      _.;;彡-ッ     '、.ヽ,   .,,,,、 \
                / ,/       '"´  / ,.. /    ヽ .ヽ.  ..\¨''ーニ;;、、
              ,/./           ,.;;ン‐″./   .,    l  .゙!l>、.  \   ´
               ,/,/          ,..广   ./.,v /!  .i'i.|.l   ヽ`'-、. `'-,
             /,/           "     .,i./ |./ ,!  l゙ リ !    ヽ.  `'-、\
         /./                  〃  i}′|  l   .l    .ヽ   `'''ゝ
       /,./                   ,i″     !  ,!   .l     .ヽ
      .,ノ./                    l′    │ /    l      ヽ
    .,ノン゛                           | /     .}      .ヽ
   ,ノ/                             |/      l       l,
  .,ノ./                               |′     !          l,
..,i'/                                       ,!           l
./                                         !           l
                                          !            l
                                          !            !
                                          !          |
                                         l             !
                                         !           !
                                         l           !

209 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:45:54 ID:.JYb6wSU0

三<(' _'メ;<人ノ「くうっ!」

/ ゚、。 /「貰ったッ!」

¨ - ¨_‐ _
    ¨ - ¨_‐ _                                /|
        ¨ - ¨_‐ _                            /::::::|
            ¨ - ¨_‐ _                        /::::::::::::|
                ¨ - ¨_‐ _         l\      /::::::::::::::::::|
                    ¨ - ¨_‐ _   、、 | \ハ ./!:::::::::::::::::::::::|
                        ¨ - ¨_‐ _`    ∨ |/l::::::::::::::::::/
                             z¨ - ¨      〈:::::::::::::::/
                          <             /::::::::::::/
                              ̄ア        /::::::::::::/
                            / -=7   /^::::::::::::/
                              / /レ^:::::::::::::::/
                             /<::::::::::::::::::::::/
                               |::::::::::::::::::/
                               |::::::::::::/
                               |::::::/
                               |/

/;゚、。 /「っ!? これは――」

人(´<_`;)「……」

210 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:46:27 ID:.JYb6wSU0

<(' _'メ<人ノ「ふう……助かりました」

(´<_` )「これくらいしかできないがな。どうやら、手打ちの魔術程度なら問題なく完封できるらしい」

/ ゚、。 /「結界術師だったか……面倒な組み合わせだ」

(´<_` )「物は相談なんだが、ここらで終わりにしないか? 2対1で……五体満足で勝てるとは思ってないよな?」

/ ゚、。 /「問題ない。面倒だが、それだけだ」

(´<_` )「……致命傷への確定カウンターのカラクリ、大体見えてきたと言ってもか?」

/ ゚、。 /「……ハッタリだな」

人(´<_` )「試してみるか?」

/ ゚、。 /「……」

人(´<_` )(兄者達が想定通りに動いてくれれば……!)



草ー゚)
草草草

211 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:47:01 ID:.JYb6wSU0

爪;゚ー゚)r=≡=
      ジャキッ
三/;゚、。 /「っ!?」



         |  /        |  / ,                                __
      ,\__ノし//     \__ノし// 、      ___   __    _   __ __    / /
    /  )/⌒ヽ(_  __)/⌒ヽ(_ ',      7 /ン )  / /    /,イ |   /,イ|./,イ.|    / /
     ̄ ̄)ヽ__ノ( ̄ ̄   ̄)ヽ__ノ( ̄ ̄ ̄   ./ /ン)  / /_.   //7| // | './ | |   .L/
    ´  /⌒|「⌒\    /⌒|「⌒\.      ̄ ̄    ̄ ̄ ̄   ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ ∠フ            __
                    |  / ,                  ___   __    _   __ __    / /
                    \__ノし//´                     7 /ン )  / /    /,イ |   /,イ|./,イ.|    / /
             |  / ,, )/⌒ヽ(_                   / /ン)  / /_.   //7| // | './ | |   .L/
             \__ノし// ̄)ヽ__ノ( ̄ ̄ ̄                 ̄ ̄    ̄ ̄ ̄   ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ ∠フ
           )/⌒ヽ(_ /⌒|「⌒\
          ̄ ̄)ヽ__ノ( ̄ ̄ ̄
         ´  /⌒|「⌒\




/;゚、。 /「ぐはっ……!! Vapore, esplodere e nascondermi.」

212 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:47:34 ID:.JYb6wSU0
          r'⌒ヽ.           '⌒ .
          (     )           ヽ...ノ⌒:
           )ノ´              )ー'
          (               ,             ( )
    ..ノ⌒ヽ   ,                    , '⌒ヽ
   (      }                      (    ノ          r'⌒ヽ.
   ,ゝ.   人                       ,ゝ ⌒ヽ        (     )
  (    、  `ヽ.         ..ノ⌒ヽ.      (     `⌒ヽ      )ノ´
   ヽ       r '⌒ヽ     (    ノ       ヽ   ..    .ノ     (
     ) .ノ、  ノ   .人    ノ   (         )'   Y´        ,
    (     (   、   )〜'⌒ヽ   )'⌒ヽ、  ノ⌒    人..ノ⌒ヽ
     ヽ                  (                   ⌒ヽ
      (        ノ         )                      }
                  ..'⌒       )'                ..ノ



<(' _'メ<人ノ「煙幕!?」

(´<_` )「ちっ、判断が早い。地流さん、あいつの魔力はどっちに?」

爪;゚ー゚)「どうやら逃げ出したみたいだ」

<(' _'メ<人ノ「むぅ……咄嗟に追撃できずすみません。まさかいきなり撃つとは……」

(´<_` )「兄者はレモナの護衛ですか?」

爪;゚ー゚)「いや、彼は追っ手と接触中。だから急いで戻らないと」

(´<_`;)「何だって!?」

213 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:48:08 ID:.JYb6wSU0
         r-.、                      _ ,  ‐- 、_,_,,,-..ヘ
        ノ゙'::,ノ                 , -.. ''" ..:' .::' ,.:'.. ゙';: .`'.!
    ,..‐'"';__;.ノ                ,/ ,:'' ::, ゙':. ': .:' /.:' ,.: ,.... :' ;\
   ,r´゙':,r'´        _,, -―,, '',::'.:' '  ゙':   ゙':ヾ ::. '::, ::, ,._ 、 i,,.〉
  /_,., ′     _ - ´ ,:' .:' .:;' ;::'   ,.::::;,  ゙:.   ';, ゙':...゙ `'' _ .. `!
  ,l゙''"|    ,, -";: ゙;,  ::;' .; ':, .';:   '  ゙':,   ':.   '':;,、:, r' ヽ  ヘ
  .|':;,:'、  / .! :, ':,    ゙ ; ,;'  .゙  ゙' ,'   .,   :   ,r `i ':,_  ノー '
  ' , . ,:'`´,::'_,イ':.,   '; ,.:' ,;'  :;   ψ     ':  ゙.:.゙  ,:' i  ゝ-'
   `ー '"  |., `  ゙':,i:; ゙;, ,::'  :, . |:::::;,_    .::.' .,:' ,.:キ
            |゙'::..,   '、,_; .,゙ :,  ':;..|  ゙' ::..._ /,r-、'   キ
         |    ,:| ‐- _ '::,  '::゙|::.._  ,.:'.`ヽ キ   ゙''::゙i,
            |゙':, `''ー'キ.:.:.:.r ` ― ^、....::'   ' ゙",`i、.゙i ,.,._., 'i,
            ヘ .,,._ ,;キ.:丿      ゙i、_   ,.:'  `''ー -、゙':'i,
             l\゙'' ''゙ノ/                ̄ `' ‐ 、._、';  \\
             | ., , T:ノ                  ベ   ,) ;'ヽ._
           ゝ'_,ノ                    ゝ、_ノ \   )゙.´`;
                                         `ー-、ノ

214 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:48:41 ID:.JYb6wSU0

( ´_ゝ`)ノ「よう、早かったな」

爪;゚ー゚)「ふう、無事だったようだね」

<(' _'メ<人ノ「真理男くん、追っ手とやらは?」

( ´_ゝ`)「まさかの浦島隊だった。見慣れない奴が備品のカート使ってるから気になったんだと」

爪゚ー゚)「えぇ……それって本当だろうね?」

(´<_` )「兄者の読心技術があるとはいえ、まさか鵜呑みにしたのか?」

( ´_ゝ`)「あっちの口からギコの名前が出たからな、ギコが泳がされてるんでもなきゃ大丈夫だろう
      これは地流さんにしか伝わらないだろうけど、レモナにも確認したし」

爪゚ー゚)「ふむ、であれば問題はなさそうだ」

<(' _'メ<人ノ「ギコというのが、通信で仰っていた浦島隊の方ですか?」

爪゚ー゚)「そうだよ」

( ´_ゝ`)「ところで、そっちはどうなったんだ?」

(´<_` )「刺客らしき男と戦闘になったんだが、取り逃がした」

(;´_ゝ`)「えっ、マズイなそれ。美和ちゃんでも仕留めきれなかったのか……」

<(' _'メ<人ノ「面目ないです……」

(´<_` )「インチキ臭い絡め手を持ってる相手で、攻めきれなかった。地流さんが不意打ちしてくれて助かったよ」

215 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:49:15 ID:.JYb6wSU0

(;´_ゝ`)「そうなると、立ち話してる場合じゃねーな。8番倉庫に急ぐぞ」

爪゚ー゚)「だね。町に入る前に管理局員の警戒網を敷かれちゃ、身動きが取れなくなる」

<(' _'メ<人ノ「荷物、積み込みました!」

( ´_ゝ`)「弟者、運転頼む。俺と美和ちゃんで盛岡さんとレモナ背負ってササッと町まで入る」

(´<_` )「……運転嫌だとか言ってる場合でもないからな、了解。朱雀に上空から偵察させとく」

<(' _'メ<人ノ「レモナさん、乗ってください」

レ;^∀^)「は、はい」

( ´_ゝ`)「盛岡さんも」

(;´・_ゝ・`)「わ、わかった」

( ´_ゝ`)「地流さんはカートに追走して、周囲の探知を。少しでも異変あれば通信くれ」

爪゚ー゚)「任されよう」



 ―――。

216 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:49:48 ID:.JYb6wSU0
【8番倉庫】
{__].:| | | | | l\\\:|\||/||\\\\\\\/ | :| :|//\\\\\\.| |\\  | | |  //| |
{__].:| | | | | | | |\\|\||/||\\\\\\/:| :| :|//\\\\\\\ | |  \\| | |//  | |
{__].:| | | | | | | | 「|\|\||/||\\\\\/  :| :|//\\\\\\\\、| |    \| | |/    | |
{__].:| | | | | | | | | | | |\||/|l\\\\/| :| :|//\\\\\\\\_、- | |_─ ̄| | | ̄─_| |
{__].:| | | | | | | | | | | |\||/|l\\\/  | :|// \\\\\\\ _、<ニ=:| |_‐‐ ̄| | | ̄‐‐_| |
{__].:| | | | | | | | | | | |\||/|l\\/ :| :|// \ \\\\\ ,、<ニ=- .::| |\\  | | |  //| |
{__].:| | | | | | | | | | | |\||/|| l:/  | :|// \\\\\\.,、<ニー   : : :| |  \\| | |//  | |
{__].:| | | | | | | | | | | |/||\l/ :| :|//\\\\\\ _、<ニ=-     _ =:| |    \| | |/    | |
{__].:| | | | | | | | | | | |\|l / | :|//\\\\\\,、<ニ=ー      _ = ̄ | |--¬¨¨| | |¨¨¬--| |
込ヘ,| | | | | | | | | | | |i::/ | :|//.::| | | \\\ ,、<ニ=-    _ = ̄___   | |--¬¨¨| | |¨¨¬--| |
(し' .) | | | | | | | | | | |/| |  |//| | | | | | | | \/ニ=-' ̄|l  _ = ̄_ ‐' ̄ |   | |\\  | | |  //| |
≧≦ニニニニニニニニニ::|/| l_//ニニニニニニニニニニ:|=-「  __,|l= ̄   |     |   | |  \\| | |//  | |
  \  ||  /  :.:.::|/|//|: : : | |: : /: :\: : |: :||_ =  ̄||    .:|   _ ┘ー| |    \| | |/    | |
    \||/   : :.:|/||\||: \| |/: : : : : :\|:=||´ :/|:||    └T「=  ̄: : | |_  -‐| | |‐‐-   .| |
¨¨¨¨~¨~||¨¨¨¨~¨¨~゙|\||/||¨¨¨| |¨¨¨¨¨¨¨¨¨:|: :|| : || |:||__ == ''^| |: : : : : ::| |_,   -| | |─--  | |
      ||     : :|/||\||: : : | |: : : : : : : : : :|: :||: _|| |:||'"´   : :| |: : : : : ::| |\\  | | |  //| |
==|¨~¨¨¨~¨¨゙|===:=:|\||/||==| ̄|=========|'"||´ |/.:||: :.:  i´ ̄ ̄ ̄`i: :| |  \\| | |//  | |
  |  匚] 匚]|  : : |/||\||: : |  |: : : : : : : : : |: :||: :.: :.::_||:| ̄ ̄|____|: :| |    \| | |/    | |
  |  匚] 匚]|  : : |\||/||: : |_|: : : : : : : : : |: :||___γ⌒'|    |´ ̄ ̄ ̄`|: :| |--‐‐…| | |…─--| |
==|  i|¨¨¨¨¨:|i====:|/||\||====||=========|:ァ⌒V:ハ::::{===={====}: :| |--─…| | |…─--| |
  |  i|=====:|i   . .:|\||/||: :| ̄ ̄|: : : : : : ⌒i|::::::::|:::::::|:::|    |        |: :| |\    | | |    /| |
_|  i|     |i__,|/||\||: :|    |: : : : : :|:::: ||::::::::|:::::::|:.:{===={====} | |\\  | | |  //| |
/ ̄└──┘ ̄\|\||/|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ゝイ乂__ノ_ノ__|    |        |_,,| |_\\| | |//_| |
 ̄ ̄¨/: : : : : `、 ̄ \  ̄ ̄    . . . . . . . : : : : : : : : : : : :  ̄ ̄≧=‐-‐=≦:;j|_|二二\| | |/二二| |
 ̄ ̄/    . .:`、 ̄ ̄\      . . . . . . : : : : : : : : : : : : : : : : ::;.:,:;.:,:;.:, ̄””¨¨¨”””” ̄ ̄

217 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:50:22 ID:.JYb6wSU0

(´<_`;)「ふう……どうにか無事にたどり着けたか」

( ´_ゝ`)「ああ。だが、ここからが問題だ」

(,,゚Д゚)「すぐに捜索が始まるだろう。悪いが、長期間庇い切れる自信はない」

爪;゚ー゚)「そりゃ、そうだろうね。3人……いや、実質4人が人相割れちゃってるし」

( ´_ゝ`)「なら、だ。ここは逆に打って出るしかないだろう」

(´<_`;)「それは……何か勝算があって言ってるのか?」

( ´_ゝ`)「浦島隊が掴んでいる中で、管理局のサーバーに繋がっている端末の情報があるらしい。
      末端はともかく、支部単位の連絡は意外にもこいつで取っているらしいから……あとはわかるな?」

(´<_`;)「……なるほど。欺瞞情報流しまくって引っ掻き回そうってわけだ」

( ´_ゝ`)「そゆこと。E地区に向かったことにでもしちまって、その隙に山まで逃避行できればベスト」

<(' _'メ<人ノ「そううまく行きますかね……? もちろん、累次くんの技術は心配してませんが」

爪゚ー゚)「まあ、上手くキマっても平坦な道ではないだろうね。とはいえ――」

( ´_ゝ`)「他に名案があれば飛びつくぞ。何かあるか?」

(´<_` )「……ないな。残念ながら」

( ´_ゝ`)「みんな、異論はないな? ……よし、準備して管理局施設にGOだ!」

218 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:50:55 ID:.JYb6wSU0

(;*゚ー゚)「えっ、正気なのこの人たち……!?」

(;,,゚Д゚)「これが……外の人間……!」












  Case12「海色の声」
  Day7B「発覚」

                          To be continued...

219 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:51:29 ID:.JYb6wSU0
Case12-Tips11 観測者

|::━◎┥「情報:ゲストアカウントとしてログイン成功」

*(‘‘)*「おっしゃああ!! 検索:聖印!」

|::━◎┥「検索結果:1件」

*(‘‘)*「スクリーン!」

|::━◎┥「状況を表示します」

*(‘‘)*「……なにこれ、キャンプ?」

*(‘‘)*「ま、まあそっか、やられちゃったんでもなきゃ生活しなきゃだもんね?」

*(‘‘)*「魔力探知:異界全体 ソート順:魔力降順」

|::━◎┥「結果を表示します」

*(;‘‘)*「うわっ、ヤバいねこれ。見つかったら絶体絶命……!」

|::━◎┥「メッセージ受信:教授」

*(‘‘)*「……うーん。……うーーーーーーーーーーん」

|::━◎┥「メッセージを表示しますか?」

220 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:52:02 ID:.JYb6wSU0
Case12-Tips12 C地区最強の男

/ ゚、。 /「おい」

(;1兵1)「だ、ダイオード曹長! ……!? そ、そのお怪我は!?」

/ ゚、。 /「……不覚を取った。少尉殿に連絡。敵は4名、薙刀使いの白い女、結界術師の地味な男、散弾使いの暗殺者。もう1名は詳細不明。
      1対1なら負けんが、各々が油断ならない実力を持っている、と」

(;1兵1)ゝ「はっ! 復唱しま――」

/ ゚、。 /「不要だ、早く行け。詳細は追って連絡すると伝えろ」

(;1兵1)ゝ「了解!」

(;2兵2)「曹長! 肩をお貸しします、早く医務室へ!」

/ ゚、。 /「ああ、すまないな……」

(;2兵2)「しかし……信じられません。正面戦闘ならC地区最強の曹長が、このようなお怪我を……」

/ ゚、。 /「詳細不明の1名を警戒していたが、もう1名潜んでいたのが計算外だった。
      少尉殿なら察知できたのだろうが……これが生まれの差というものか」

(;2兵2)「はい、いいえ曹長殿! 少尉殿では察知はできても生存はできなかったでしょう!」

/ ゚、。 /「……それは否定しない。それほどの手練れだった」

221 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:52:35 ID:.JYb6wSU0
今回はここまで

222名無しさん:2024/05/01(水) 21:54:03 ID:t4hj2ZGg0
乙だ

223名無しさん:2024/05/01(水) 22:51:19 ID:P08KPJrw0
乙乙なんだか面白そうな敵が来た
>結界術師の地味な男
地味に酷い事言ってる

224名無しさん:2024/05/04(土) 00:31:09 ID:/K1GQ9MQ0
乙!

225名無しさん:2024/05/05(日) 16:58:11 ID:evOVz1dA0

後方支援職は地味な方が怖いような気もする

226名無しさん:2024/05/08(水) 15:14:18 ID:Y5EAIMkk0
乙乙
ヘリカルがめっちゃ頑張ってるけど教授からのメッセージかぁ
続きが楽しみ

227 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:28:39 ID:WUIiGwUQ0
>>222,224
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>223
∬´_ゝ`)「単なる事実だが?」

>>225
(´・ω・`)「正直それはあります」

>>226
(‘_L’)「相変わらずみたいですね、彼女は」

228 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:29:46 ID:WUIiGwUQ0
前回のあらすじ
・ってこれ築地カートじゃないか。ここでも普及してるんだねぇ
・最後の一撃、あちらは明らかに対処できていなかった。これは何かカラクリがありますね
・……なるほど。欺瞞情報流しまくって引っ掻き回そうってわけだ


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

229 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:30:20 ID:WUIiGwUQ0
Case12-Day7C
|≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠|≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠|
|                                    |                                    |
|≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠|≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠|
|                                    |                                    |
|≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠|≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠≠米≠|
|                                    |                                    |
|ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ|ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
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|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|
|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X|

230 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:30:54 ID:WUIiGwUQ0

(´<_` )"人目を避けて近くまで来たは良いが……本当にうまくいくのか?"

( ´_ゝ`)"基本的に外敵はいないわけだから、そもそも警備の経験知不足だし気も緩んでいるのが道理。
      最近は浦島隊が活動してるって言っても、外の工作員やテロリストと比べりゃお遊びレベル。ギコ達には悪いがな"

爪゚ー゚)"ふむ、一応周囲に結界は張られているようだ"

( ´_ゝ`)"流石にその程度はな。だが、恐らく下水道までは警戒されていないはず"

(´<_` )"はず、ねぇ。下水道なんか、何なら化け物でも蔓延ってそうだけどな。汚水も一応水だし"

( ´_ゝ`)"無論そんな状態だったらプラン変更。とりあえずは人目に着かなそうなマンホール探して中の様子を調べる"

爪゚ー゚)"正直、下水道とかご勘弁願いたいけどねぇ……一番無難そうなプランなんだから仕方ないね"

( ´_ゝ`)"うむ、無論俺だって嫌だ。名案があるなら出してくれ、弟者"

(´<_` )"ねーよ。あったらとっくに言ってる"

( ´_ゝ`)"というわけで、まずはマンホール探し。スタートだ"



 ―――。

231 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:31:27 ID:WUIiGwUQ0
                    _,,、、-‐‐‐‐- 、.,_
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      ,`.    ,:゙ \/\/\/\/\/\/ . ゜,..   ',
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.      ;.     ,゜./\/\/.┌──‐┐_/\/\/゚,    :
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.       !.   { /\/\/`゚|     .|../\/\/ヽ}.   i
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..     ´,.   ゚:,_/\/\/\/\/\/\/ヽ,:゙.   ,'
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                  ´''‐- 、、.,,_____,,..、、-‐ ''`

232 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:32:01 ID:WUIiGwUQ0

( ´_ゝ`)"よし、ここなら人目に着かなそうだ"

(´<_` )"工事中の看板は立てたぞ"

爪゚ー゚)"ククク、なんだか楽しくなってきたね"

( ´_ゝ`)"流石だな。俺は楽しいというより過去の仕事思い出してちょい落ち着いた"

(´<_` )"あー、わかるわ。何度もやってるからな、工事看板。急に日常感出てきた"

爪゚ー゚)"ふ、リラックスできたなら何よりだ"

( ´_ゝ`)"ああよ。焦ってしくじるリスクは下がった"

(´<_` )"朱雀、屋上に到着したぞ。マジで上はがら空きなのな"

( ´_ゝ`)"そりゃ、警戒する対象がいねーからな。中世の軍隊が対空警戒しないのと同じ"

爪゚ー゚)"この距離でも操れるってのは便利なもんだね。僕も習ってみようかな?"

(´<_` )"どうでしょうね、距離については俺の適性が大いに影響してそうなんで"

爪゚ー゚)"ふむ、まあ今度試しに教えてよ"

( ´_ゝ`)"よっと"

233 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:32:34 ID:WUIiGwUQ0
                 _,,.. -──‐-.._,,、、-‐‐‐‐- 、.,_
              ,. =二三三三_、-'' `          ´''‐ ,_
             , ===三三三_、‐`.        __,,,,,__.         ´'‐,_
.           =三三三三 、 `.    ,   '"´ \/\´"'  ,..    ^ _
        ,ニ三三三三、`.    , ゛..\/\/\/\/..゜ 。.     ´ ,
.        =ニ三三三三,`    , '゙ \/\/\/\/\/. ゜。   ´_
      ,i三三三三二,`.    ,:゙ \/\/\/\/\/\/ . ゜,..   ',
.      i三三三三二,′.  ,: \/\/\/\/\/\/\/...゚,...  '
.     i三三三三三.;.     ,゜./\/\/.┌──‐┐_/\/\/゚,    :
     |三三三三三゙!.   ; . \/\/\ |     .| \_/\/\. ;     i
      |三三三三三 !.   { /\/\/`゚|     .|../\/\/ヽ}.   i
     |三三三三三 ,     ゚, \/\/\_.└──‐┘\/\/\._,゜    ;
.     l三三三三三 '.     ゚,/\/\/\/\/\/\/\/.,'     ,′
..     =三三三三ニ´,.   ゚:,_/\/\/\/\/\/\/ヽ,:゙.   ,'
.       =三三三三ニ´_     ゚ , _/\/\/\/\/\/\. '     _`
.         =三三三三三^、    ゜ , _/\/\/\/\/\ ゜    、`
         =三三三三二' _      ' ., '\/\/\/,. '゛.    _ `
          =三三三三ニ´-._.      ´ ' ー----‐ ''"       、‐`
             =三三三三ニ´‐、,_                 _,、‐'`
             ` ==三三三三ニ''‐- 、、.,,_____,,..、、-‐ ''`
                 `` ‐-----‐ '"´

( ´_ゝ`)"おし、既に悪臭漂ってるが入るぞ。地流さん、探知に反応あったらすぐ教えて"

爪゚ー゚)"了解"

(´<_` )"……気は進まないがしゃあないよなぁ"



 ―――。

234 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:33:08 ID:WUIiGwUQ0
【下水道】
  \ :  #  '   #; : . .       \ :  #  '   #; : . . . . : ;#   '  #  : /        . . : ;#   '  #  : /
#;, ; \ " ;  '  ;,  ',; ;:. #;,   ;  \ " ;  '  ;,  ',; ;:..:; ;,'  ,;  '  ; ゛ /  ;   ,;# .:; ;,'  ,;  '  ; ゛ /  ;
;; #;. ;_  __ , ; '  ; .   .   #;.  ; _   __, ; '  ; ._ ..__ . ;  ' ; , _ __  ;  .;#   . _. ;  ' ; , _ __ ;
 ̄ ̄  i ̄   ̄ ̄   ̄  ̄ ̄   ̄ ̄  i ̄   ̄  ̄ ̄    ̄ ̄ ̄   ̄ ̄  i ̄   ̄ ̄ ̄  ̄   ̄   ̄ ̄  i ̄ ̄
      |                    |              ;;:゙´       √...:    ;,.#,.;,.,,,.,' .,                |
 ;.,;.,;    ;,._z;.,;;   ;.,;';.  ;;.,##;;.       l                    ;,.;'' ;,..,, '' |
 メ;,;  l              ;,'';.,"'" ;,.; ,; ;                       l                        !
      |.   ;. ;,.'                   :              ;.,;.,;    ;,._z;.,;; |......;.,;';.  ;;.,##;;             :
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          ;;,#    ::';、;;,''           |                      ;. ;,.'..|                    |
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   ''.,;..|.         ;;;;;;;,.'       "".,;,,゙|.       ;,';                   l    ::';、;;,''
      :                         i                       |                    :
      |              ;.,';.''' '.,;                                                 | ';
      |                    |         ;.,';.,  ;;;;.            i                         !
      |                  ;,.;,';.,'...... !.     ;.,;;.,;z=-               :                         :
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      |                    |                       |         ;,.;,';.,'           ;.,;;.,;z=-
 ̄ ̄ /  ̄ ̄    ̄   ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ /  ̄ ̄    ̄   ̄ ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ \  ̄ ̄    ̄   ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ \  ̄
 ̄  :| ̄     ̄ ̄   ̄  ̄      ̄    :| ̄    ̄ ̄   ̄  ̄     ̄    ̄  ̄ ̄ :| ̄     ̄ ̄   ̄  ̄      ̄    :| ̄
ー ~゚= ~゚=- ^~゚ ゜-= ~゚=- ゜^~゚- =゚^~  - ー~゚~゚=  =-゚^ ~゚゚ ゚゚゚~  ^゚~-=~゚~゚゚゚=-  ゚~ ~- =~゚ -ー^~゚= ゚゚~ ~゚ ゚^~=-
-  =  -    ―=  ≡  =  ―    _   -  =  -    ―=  ≡  =  ―    _  -  =  -    ―=
 ー = -   _ ― _   =    -  _ -  =   ー = -   _ ― _   =    -  _ -  =  ー = -   _ ―
      _ =  ≡  = -       _ -=   ≡        _ =  ≡  = -       _ -=   ≡       _ =  ≡
   _ =  ≡ = _ =        ― = _        _ =  ≡ = _ =        ― = _       _ =  ≡ = _

235 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:33:42 ID:WUIiGwUQ0

(;´_ゝ`)「うへ、くっさ」

(´<_`;)「下水道のメンテしてる人達、改めて凄いな……」

爪;゚ー゚)「ちゃっちゃと抜けちゃおう。とりあえず灯り」

     \|/
    ― ○ ―
( ´_ゝ`)∩「ほい」

(´<_` )「方向は……あっちか」

爪゚ー゚)「あってると思うよ」

( ´_ゝ`)「地流さん、今のところ探知は問題ないよな?」

爪゚ー゚)「問題なし」

( ´_ゝ`)「んじゃ、行くぞ。さっさとオサラバしないと体調崩しそうだ」



 ―――。

236 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:34:15 ID:WUIiGwUQ0
┌──────────────────────────────────────┐
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237 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:34:48 ID:WUIiGwUQ0

( ´_ゝ`)「ふむ、流石に柵くらいはあるか」

(´<_` )「距離的にはそろそろ敷地に入るくらい、か」

爪゚ー゚)「結界は……あるにはあるけど、経年劣化してるね。この程度なら簡単に誤魔化せそうだ」

(´<_` )「鍵開けはいけそうか?」

( ´_ゝ`)「余裕だな、やはりというか申し訳程度でしかない」

爪゚ー゚)「正直助かるね、長居したくないし……よし、結界の方はこれでオッケー」

( ´_ゝ`)「おし、鍵も開いた。いくぞいくぞー」

爪゚ー゚)「順調すぎるくらい順調だねぇ」

(´<_` )「ですね、油断しないで行きましょう」

( ´_ゝ`)9m「高度に柔軟な警戒を維持しつつ臨機応変に前進」

(´<_` )「それ駄目なやつじゃねーか……」



 ―――。

238 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:35:22 ID:WUIiGwUQ0
【出口】
  \ :  #  '   #; : . .       \ :  #  '   #; : . . . . : ;#   '  #  : /        . . : ;#   '  #/ ̄ ̄ ̄ ̄\
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;; #;. ;_  __ , ; '  ; .   .   #;.  ; _   __, ; '  ; ._ ..__ . ;  ' ; , _ __  ;  .;#   . _. ;  ' ; ,_\      /
 ̄ ̄  i ̄   ̄ ̄   ̄  ̄ ̄   ̄ ̄  i ̄   ̄  ̄ ̄    ̄ ̄ ̄   ̄ ̄  i ̄   ̄ ̄ ̄  ̄   ̄   ̄ ̄  i====
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.  ,'.... |..  メ           ;;,'.,'    |               ;,.';,,,,.., ..,                          l
   ''.,;..|.         ;;;;;;;,.'       "".,;,,゙|.       ;,';                   l    ::';、;;,''               ====
      :                         i                       |                    :.
      |              ;.,';.''' '.,;                                                 |====
      |                    |         ;.,';.,  ;;;;.            i                         !
      |                  ;,.;,';.,'...... !.     ;.,;;.,;z=-               :                         :.====
      i                    :                                            i.;.,';.,  ;;;;
      |                    |                       |         ;,.;,';.,'           ;.,;;.,;z=-
 ̄ ̄ /  ̄ ̄    ̄   ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ /  ̄ ̄    ̄   ̄ ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ \  ̄ ̄    ̄   ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ \  ̄
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   _ =  ≡ = _ =        ― = _        _ =  ≡ = _ =        ― = _       _ =  ≡ = _

239 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:35:56 ID:WUIiGwUQ0

(´<_` )"お、これじゃないか?"

( ´_ゝ`)"恐らくそうだろう。とりあえず登るか"

爪゚ー゚)"……パッシブ探知では、近くに魔力の多い人間はいなさそう"

( ´_ゝ`)"よっ、ほっ、一番上まで行ってもう一度探るぞ"

爪゚ー゚)"そうだね"

(´<_` )"ふむ……"

( ´_ゝ`)"最上段到達。……周囲に物音はなし"

爪゚ー゚)"……魔力も、大丈夫そうだ"

( ´_ゝ`)"それじゃあ、機を逃さないようビビらずパパっといくか"

(´<_` )"怖いな……"

( ´_ゝ`)"最悪速攻でとんずらこくから、心の準備だけよろしく"

爪゚ー゚)"ああ"

(´<_` )"わかってる"

(;´_ゝ`)"それじゃ、開けるぞ……!"

240 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:36:29 ID:WUIiGwUQ0
【倉庫?】
                       /"'' ‐- ,,.._
                     /  |      "'' ‐- ,,.._
                   /    |            "'' ‐- ,,.._
                 /      |                  "'' ‐- ,,.._
               /        |              ' ‐- ,,.._      "'' ‐- ,,.._             .:'"゙:.:゙
             ./          .|        ーー''''"゙゙ |     "'' ‐- ,,.._      "'' ‐-      |/:;,':,:;.,:.,
            /      〆|    .|        |_,,,、--''"゙゙' ‐- , ,.._       "'' ‐- ,,.._   |  ,";'.:.:;”:;,`:;,':,”:;:;
   ”:;:;.,:;.:;'.:.:;”:;.....|     〃  |    .|    .∩         ‐- , ,.._  " '' ‐ - , ,.._       "'' ‐. :;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"ノ
   ,"ノ'.:;ノ'.:.:;”:;,` | >、  |_ソ    .|    | |                      " '' ‐ - - , , .. |,`ヽ|/:;,':,:;.,:;.:∨
.   :∨//.:";'/.:.:.| | 丿          .|    .∪         ┌ ,,.._                 |.. :;.:'";|'ノ.:.:;”:;,`:;:i
 イイイイイイイイイイイイイ             .|              |       ||"'    ┐      |. ;\i;|i;/:,:;.,:;.::i;i;
 |         .| .|             .|              |       ||     |       .| . :".:i;i|.:';'.:.:;”:|:i|.;,
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 |  |   .0|  | .|             .|              |       ||     |       .| . ".:i;i|.:';'.:.:;:i;i||”:;,
 |  |    |∩ | .|             .|              |       ||     |       .|. :;,i;;i|;'.:.:;”|:i;i|.:;l:;
 |  |    |.|.| .| ミ、、          .|              |       ||     .|       .| . '.:.:|iii|;”" :i;i|.|i;,`::
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    """""""""""""""         """""""""""""""""""""             \       \

241 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:37:02 ID:WUIiGwUQ0

( ´_ゝ`)"……よし、付近に気配なし"

爪゚ー゚)"探知もクリア"

(´<_` )"ここは……倉庫、か?"

( ´_ゝ`)"幸いこれも鍵はしょっぱそう、中入って着替えとかしよう"

爪゚ー゚)"ああ、この恰好のままじゃ臭いで即バレだし……"

( ´_ゝ`)"ただの物陰とかより安心して作業できる、ツイてるぜ"

(´<_` )"ツキを使い果たさなきゃいいがな……"

( ´_ゝ`)"おし、開いた"



 ―――。

242 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:37:36 ID:WUIiGwUQ0
【倉庫】
           ... . .. . .. . ................... ..................................
             : : .:: . .:.::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::.: .: .:
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                 :: : .: .::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::: : ::. :.
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243 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:38:32 ID:WUIiGwUQ0

( ´_ゝ`)"ふぅ、これで一息つけるな"

爪゚ー゚)"一息つくのは着替えと消臭済ませてからにしよう。……これ、ほんとに消臭剤で何とかなるのかな?"

(´<_` )"どうでしょうね……見える汚れは基本アウターで止まってるとはいえ、怪しい気がしますが"

( ´_ゝ`)"……入念に消臭剤漬けになるしかないな。とりあえず、判定できるように鼻の中洗っとくか……"

爪゚ー゚)"ところで、なんで二人とも顔を背けているのかな?"

( ´_ゝ`)"インナーまで脱ぐわけじゃないとはいえ、ジロジロ見るもんでもないだろ"

(´<_` )"右に同じです"

爪゚ー゚)"えー。まあ確かに腋毛とか剃れてないから恥ずかしいけどさ"

( ´_ゝ`)"だからこそ、見て欲しいって? 状況考えろよ?"

(´<_` )"そういうの本当によくないと思います"

爪゚ー゚)"えー"

( ´_ゝ`)"えーじゃない。さっさと着替える"

(´<_` )"真面目にやってください"

爪゚ー゚)"大真面目なんだけどなあ……まあいっか"



 ―――。

244 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:39:05 ID:WUIiGwUQ0
【俯瞰マップ】
 _____________| 門 |_____________
 | ____________ (人) ._____    _____ ..|
 | |                    |    |       |    |        |  |
 | |                    |    |       |    |  倉庫  |  |
 | |                    |    |       |    |        |  |
 | |                    |    |       |    |____|  |
 | |      事務棟?      |    | 倉庫?....|    _____  .|
 | |                    |    |       | ..(マ)...|        |  |
 | |                    |    |       |    |  倉庫  |  |
 | |                    |    |       |    |        |  |
 | |                    |    |       |    |        |  |
 | |___________. |    |_______.|    |____|  |
 ̄                                               |
門 (人)                     (マ)                     |
_ ____________...    _____    _____ .|
 | |                    |    |       |    |       |...|
 | |                    |    |       |    |       |...|
 | |                    |    |       |    |       |...|
 | |                    |    |       |    |       |...|
 | |      格納庫?      |    | 宿舎?....| ..(マ)...| 宿舎?....|...|
 | |                    |    |       |    |       |...|
 | |      (ヘリ)         |    |       |    |       |...|
 | |                    |    |       |    |       |...|
 | |                    |    |       |    |       |...|
 | |___________ .|    |_______.|    |_______.|...|
 |                    (人) .                        |
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| 門 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

245 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:39:39 ID:WUIiGwUQ0

(´<_` )「朱雀との視界共有で見た限りこんな感じだな」

( ´_ゝ`)「式神有能すぎるだろ……今度から仕事で使おう」

爪゚ー゚)「なるほど、やっぱり手前にあったマンホールは避けて正解だったみたいだね」

( ´_ゝ`)「ど真ん中だもんな。まあ警備は門前にしかいないようではあるが」

(´<_` )「時折見回りもいるようだ。緩んじゃいるが無警戒というわけでもない」

( ´_ゝ`)「さて、どうするか。良い場所あったお陰で熟慮できるな」

爪゚ー゚)「お目当ての端末はたぶん事務棟っぽいビルだろうね」

(´<_` )「噂のヘリは格納庫っぽい建物の屋上だ。位置的には近いな」

( ´_ゝ`)「うーん……西側の見張りが不安だな」

爪゚ー゚)「意識は外に向いてるだろうけど……微妙なとこだよね」

(´<_` )「すっかり夜中ですからね。おかげで通行する人は少ないですが、逆に言うと目立つ」

( ´_ゝ`)「ちなみにビルもまだ灯りは点いてるのか?」

(´<_` )「ガンガン点いてるぞ。この場で深夜まで待つのも手かもしれん」

爪゚ー゚)「うーん、難しいところだね。どうする、リーダー?」

( ´_ゝ`)「うーむ……」

246 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:40:14 ID:WUIiGwUQ0

( ´_ゝ`)「……よし、待とう。近場で単独行動してる奴がいれば襲撃、IDカードとかあれば強奪、で夢の臨界」

(´<_` )「ギコさんの用意してくれた衣装でコスプレしちゃいるが、IDは検められたらバレるからな」

爪゚ー゚)「だし、機械警備の可能性もあるからね」

(´<_` )「突破は可能でしょうが、あった方が楽はできますね」

( ´_ゝ`)「機械警備……入退室くらいならいいが、閉館でフロアとかビル全体にかけられると面倒だな」

(´<_` )「む、それは確かにあるな。そうなると……今行った方がマシか?」

爪゚ー゚)「んー、やっぱ誰か一人とっ捕まえたいね。その辺の情報がないとやらかしそうだ」

( ´_ゝ`)「だな。カロリーバーでも食いながら機会を待つか」

(´<_` )「問題は、そろそろ式神の維持が厳しい。発見は二人に任せても?」

爪゚ー゚)「ん、まあ……大丈夫じゃないかな?」

( ´_ゝ`)「あくまで近場に来た奴を察知するだけだからな」

(´<_` )「んじゃ、一旦解除するぞ。……ふう」

爪゚ー゚)「お疲れ。何なら少し寝ておくかい?」

(´<_` )「……すみません、そうさせて貰います。流石に魔力使いすぎました」

( ´_ゝ`)「今日のうち何時間も式神出してそれで済むんだから、師匠のツルさんもビックリしそうだ」

247 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:40:47 ID:WUIiGwUQ0

爪゚ー゚)「個人差でかいよね。僕の念話もそうだけど」

( ´_ゝ`)「ほんと、適性ってあるんだよな。ギコ達も念話使ってみて燃費の悪さに苦い顔してたし」

(´<_` )「俺らに至ってはほぼ使えないもんな、念話。何でも満遍なく使えるハロルドさんやっぱおかしいわ」

爪゚ー゚)「あ、寝る前にカロリーバー食べとくかい?」

(´<_` )「そうですね、頂きます」

( ´_ゝ`)「起きたら鉄火場でしたとかありえるしな」

(´<_` )「縁起でもないこと言うなよ」

爪゚ー゚)「いや、ここ敵地だからね? いつどうなったっておかしくはないさ」

( ´_ゝ`)「ま、だから食えるうちに食っとこうってことよ」

(´<_` )「ああ、そうだな」

爪゚ー゚)「はてさて、待ってみてどうなるか……」



 ―――。

248 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:41:21 ID:WUIiGwUQ0
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   .  __ |ロロ|/  \ __ |ロロ|/  \ __ |ロロ| __..|ロロ|/  \
   _|田|_|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_
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249 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:41:54 ID:WUIiGwUQ0

(´<_- )「ん……」

( ´_ゝ`)「おう、起きたか」

爪゚ー゚)「丁度今、捕まえた奴から情報抜いたとこだよ」

(´<_` )「首尾よく行ったんですね。起こしてくれてもよかったのに……」

( ´_ゝ`)「ちょっとでも魔力回復させといてもらわにゃ、いざという時困る」

爪゚ー゚)「そういうことさ。結界も出せませんじゃ不安しかないからね」

(´<_` )「それなりに回復しましたよ。……で、情報はどうだった?」

( ´_ゝ`)「機械警備はなし。物理鍵、監視カメラはあるが、リアルタイムで監視はされてない」

(´<_` )「ふむ。鍵開けの時間がかかりそうなのだけが難点か」

( ´_ゝ`)「あとは、完全に消灯してからだと灯りがネックになるから、早めに乗り込みたい」

爪゚ー゚)「弟君も起きたことだし、早速行こうか」

(´<_` )「ちょっと待ってください、先に朱雀飛ばします」

( ´_ゝ`)「ああ、頼む」



 ―――。

250 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:42:28 ID:WUIiGwUQ0
【管理局施設】
                           只 只
                            | ̄ ̄ ̄ ̄| ̄|
                | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄|
                |  []  []  []  []  []  []  []  | ロ
                |                        |  |
        ┌―――|  []  []  []  []  []  []  []  | ロ___________
    ┌―|      |                        |  | = = = = = = = = | || | | || |_
三三三三三三三三三三三] ]   []  []  []  []  []  | ロ = = = = = = = = | || | | || |┴┐―┐
 __________|                   |  |______=_|_||_|_|_||_|  |  |
                     | ]  []   ┌―――――――┬―――┐_ | ∩ ∩ ∩ ∩ ll  |  |
               |         |              |二二ヽ二二ヽ 三三三三三| ̄ ̄|   |
               |   []   [|              |||冂l_g|_ _|g ∩ ∩ ∩ | 「| 「||   |
               | . . .   |             _|||_| |     |_|_|_.|_| .|_|....|_|」_|.||__|
               |       {叮 六‐r┬┬┬‐f7六ヘ _ヒl__ヒ!=== ‘=“==========
               |       └ヽ゚ノノ┴宀┴乍{ヽ゚ノノー┴――┘

251 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:43:02 ID:WUIiGwUQ0

( ´_ゝ`)"ふむ、ササッと行けば気取られなそうだな"

(´<_` )"なによりだな。ってかマンホールから侵入できた時点で思ってたがザルぅ"

爪゚ー゚)"それこそなによりじゃないか。外の軍事施設基準で警備なんかされちゃ、逃げ帰るより他なかったし"

( ´_ゝ`)"竜宮会も外ではやってるだろうにな。安全地帯であるという心の隙はこうまで響くものか"

(´<_` )"身につまされる話だ"

( ´_ゝ`)"いざという時は式神で攪乱頼むぞ"

(´<_` )"勿論だ"

爪゚ー゚)"その保険あるのもでかいなあ。多少怪しまれたくらいだったらもっと怪しいものが出てくれば意識から外れるってね"

( ´_ゝ`)"式神、ほんと有能"

(´<_` )"ツルさんには足むけて寝れないな"

爪゚ー゚)"まあその手を使う事態にならないことを祈るけど"

( ´_ゝ`)"それはそう。警戒体勢敷かれちゃ後がなくなるからな"

(´<_` )"そうなったらプランBか……マジでやりたくないが"

爪゚ー゚)"そうかい? それはそれで楽しそうだよ"

252 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:43:52 ID:WUIiGwUQ0
【事務棟? 1F廊下】
                          \.      |
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253 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:44:34 ID:WUIiGwUQ0

( ´_ゝ`)"うん、普通に正面開いてたし受付嬢とかもいない感じ"

(´<_` )"あとは下手に人と出くわさなければ満点だな"

爪゚ー゚)"狙いは最上階の所長室っぽい部屋で変わらず?"

( ´_ゝ`)"一旦は。一般の事務端末より色々やりやすいだろうし"

(´<_` )"電気点いてたし、消灯されてる部屋から事務室探す方が無難じゃないか?"

( ´_ゝ`)"流石の弟者でもゼロからハックは時間かかるだろ。所長からパスワード抜く、これが一番早いと思います"

爪゚ー゚)"夢の臨界様々だねぇ……"

(´<_` )"不本意ながら、かなり頼ってしまってはいますね……"

( ´_ゝ`)"便利すぎるからしゃあない。道具は道具、作者とは関係ない"

爪゚ー゚)"いやベプレーゴの檻は作者ベッタリだし、それに附随する夢の臨界もかなり作者と関係あると思うけども"

(´<_` )"後で実は裏で借金膨らんでました、とかならなきゃ良いですけどね……"

( ´_ゝ`)"素人の俺らは雨霧ジャッジを信じるしかねー"

254 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:45:08 ID:WUIiGwUQ0
【事務棟? エレベーター】
                     ▽ 囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗 △
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                 |  ||          |          ||  |
                  |  ||         |         ||  |
                   l.   ||         |         ||    .|
                    l:   ||        |        ||    :l _
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                |:   ||       |       ||   :| |Ц|
                 |     ||       |       ||     | |△|
                  l    |l           l           ||     | |▽|
                   |    |l           l           ||    | ̄
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               |   ||           |           ||   |
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255 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:45:42 ID:WUIiGwUQ0

(A管A)

(;´_ゝ`)"おっと"

(A管A)「あ、お疲れ様です。夜勤ですか?」

( ´_ゝ`)「お疲れ様です。そうなんです、急に呼ばれてしまって」

(A管A)「ありますよねー、頑張ってください。失礼します」

( ´_ゝ`)「はい、ありがとうございます」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)"おし、のりこめー"

爪゚ー゚)"わぁい"

(´<_`;)"一瞬ヒヤッとしたわ"

(;´_ゝ`)"俺も内心バクバク"

爪゚ー゚)"良いスリルだねえ"

256 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:46:15 ID:WUIiGwUQ0
【事務棟? 8F廊下】
                          \.      |
________   ________.    | ̄ ̄| |
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|      〔i|      ||   |,/    /                     \||    |
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|     ||.  //./      /                          \,|
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./

257 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:46:49 ID:WUIiGwUQ0

(B管B)

(;´_ゝ`)"むっ"

(B管B)ペコリ

( ´_ゝ`)ペコリ

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)"おけ、行くぞ"

(´<_` )"意外と怪しまれないもんだな"

爪゚ー゚)"弟君が人見知りっぽくそっぽ向いてくれてるのが大きいかな、双子は流石に厳しい"

( ´_ゝ`)"メイクはしてるがマジマジ見られると微妙だからな"

(´<_` )"今の自分の顔見てないから何とも言えん"

爪゚ー゚)"造形変わるほどじゃないけど雰囲気は普段以上に違うね。愚かな方と地味な方だっけ?"

( ´_ゝ`)"その言い方やめろ"

(´<_` )"ああ、道理で兄者はいつもより3割増で"

( ´_ゝ`)"3割増で、何だ? おい?"

爪゚ー゚)"3割増で軽薄な感じ?"

258 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:47:22 ID:WUIiGwUQ0
【事務棟? 所長室前】
                         所長室
     _______________________________
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259 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:47:56 ID:WUIiGwUQ0

( ´_ゝ`)"うむ、やはり所長室であっていたらしい"

爪゚ー゚)"中の魔力は一つ。一般的な魔術師レベル"

(´<_` )"朱雀は近くまで移動させたぞ"

( ´_ゝ`)"んじゃ、頼むぜ地流さん"

爪;゚ー゚)"……いやー、流石に緊張するね"

( ´_ゝ`)"頼むからニヤケたりしないでくれよ? 絶対だぞ?"

(´<_` )"心配するとこそこか?"

爪゚ー゚)"ん、まあ任せてくれたまえ。顔に出さずに達するのは得意だ"

( ´_ゝ`)"ひでー特技もあったもんだ"

(´<_` )"兄者こそしくじるなよ? 一撃で狩れないとプランB不可避だからな"

( ´_ゝ`)"地流さんが怪しまれなきゃ何とかなるはず。弟者がタイミングしくっても厳しいが"

(´<_` )"二人のお陰で余計な緊張はしてないから大丈夫だと思うぞ"

爪゚ー゚)"ひでー特技のおかげだね"

( ´_ゝ`)"そうか?"

爪゚ー゚)"そうだよ"

260 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:48:29 ID:WUIiGwUQ0



 コンコンコン...



(   )「ん? 入っていいぞ」

爪゚ー゚)「失礼します」

(@長@)「君は――」



 カツーン!



(@長@)「ん?」

261 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:49:03 ID:WUIiGwUQ0

爪;゚ー゚)9m「ひぃっ!? 窓に、窓に!!」

(;@長@)「む――何っ!?」

     ゙ミ::::::::::::::::::::::ゝ                                         ,,ィ":::::::::::::::彡"
     ミミ:::::::::::::::::::::::ゝ                                     ,,,ィ":::::::::::::::彡"
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         ゙ミ:::::::::::::::::::::::::::::ゝ_                    _,,,, ‐"´:::::::::::::::::::::::ミ彡
         ミ::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ               _,, ‐"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ゙
.         ミミ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ          _,, ‐"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミ゙゙
          ゙ミミミ::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ--......,,__,,,, ‐"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミミミ゙゙゙
           `゙゙゙゙゙ミ:::::::::::::::::::::::::::::::.................::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミミミ゙゙
             `゙ミミ:::::/:::://::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミミミミ゙゙
        ___,,,,,,,,,,-‐""/:::/:::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;ミミミミミミミ゙゙゙
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             ノン'  ヾ 〃
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          ノi〕_..| 、_ノ' ||
         ノ''´l.ノ |.|     '
          //  |
          "   '

262 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:49:37 ID:WUIiGwUQ0
                                              /////////
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                /ム―7 レ .レ                          ///
                 //ニ7/                           //
              /' ̄7/                        /
                //           |
                /'   __          i|    ‘   /
                /´ > ,.イ     i|     ,  /  ‘
                ´ ̄  /_/     i!|  '  ./
                       //      .|i|   / ,
                //          |!し//
                ̄ |/,イ,イ ,イ      `ヽ  て_     ̄    _                   ̄
    ――         ̄.レレ //   ,ィ ―  } (____    __   _―― ̄__
 ___         __ /'.  / } ―   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ――           ― ___
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263 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:50:37 ID:WUIiGwUQ0
               _  [][]
              |  |
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              |  ___|
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                ̄
                        `
                         \ ,,_人、ノヽ
                          )ヽ    (
                       - <       >─
                          )     て
                         /^⌒`Y´^\
                                         __
                                        |__|
                                                /\
                                              / /
                                         ___/ /
                                         |___/

264 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:51:10 ID:WUIiGwUQ0

(;@長@)「が……!?」



 ガクッ!



(;´_ゝ`)b"うっし!"

d(´<_`;)"ナイス"

爪;゚ー゚)b"完璧だね"

( ´_ゝ`)"んじゃ、俺は所長からパス抜くわ"

(´<_` )"その間に準備しとく"

爪゚ー゚)"外の警戒は任せて"

( ´_ゝ`)"……すげーやりやすいなこのチーム"

(´<_` )"ハロルドさんもそうだけど、二人ともできないとこ埋めて貰えると安心感が違う"

爪゚ー゚)"ん、引き抜きかい?"

( ´_ゝ`)"あっ、そういうんじゃないんで"

(´<_` )"うちの収入でフルタイム3人は貧困行きです……"

爪゚ー゚)"世知辛い……"



 ―――。

265 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:51:44 ID:WUIiGwUQ0



        ( ´_ゝ`)
        /⌒   ヽ (´<_` )
        | |     /   \
        | ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ   ヽ
  ____|. |. ヽ  FMV   ヽとニ__)
      ⊂ u) ヽ_____ヽ/



(´<_` )"おし、必要そうな重要情報は粗方抜いたし欺瞞工作も完了、あとは逃げるだけ"

爪゚ー゚)"鮮やかな手際だなあ。感心するよ"

( ´_ゝ`)"だろ?"

(´<_` )"何故兄者が得意顔なんだ……"

爪゚ー゚)"ふふ。それより早く脱出しようよ"

( ´_ゝ`)"だな、さっさとオサラバといこう"



 ―――。

266 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:52:17 ID:WUIiGwUQ0
【管理局施設】
                           只 只
                            | ̄ ̄ ̄ ̄| ̄|
                | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄|
                |  []  []  []  []  []  []  []  | ロ
                |                        |  |
        ┌―――|  []  []  []  []  []  []  []  | ロ___________
    ┌―|      |                        |  | = = = = = = = = | || | | || |_
三三三三三三三三三三三] ]   []  []  []  []  []  | ロ = = = = = = = = | || | | || |┴┐―┐
 __________|                   |  |______=_|_||_|_|_||_|  |  |
                     | ]  []   ┌―――――――┬―――┐_ | ∩ ∩ ∩ ∩ ll  |  |
               |         |              |二二ヽ二二ヽ 三三三三三| ̄ ̄|   |
               |   []   [|              |||冂l_g|_ _|g ∩ ∩ ∩ | 「| 「||   |
               | . . .   |             _|||_| |     |_|_|_.|_| .|_|....|_|」_|.||__|
               |       {叮 六‐r┬┬┬‐f7六ヘ _ヒl__ヒ!=== ‘=“==========
               |       └ヽ゚ノノ┴宀┴乍{ヽ゚ノノー┴――┘

267 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:52:51 ID:WUIiGwUQ0

爪゚ー゚)"む、進行方向に大きい魔力が"

( ´_ゝ`)"……これまで通り。何食わぬ顔でやり過ごす"

爪゚ー゚)"オーケー"

(´<_` )"意外なほど通用してしまって驚いている"

( ´_ゝ`)"平和ボケって怖いね"

爪゚ー゚)"最初は某北の国みたいなの想像してたから、意外っちゃ意外だけどねぇ……"

(´<_` )"そうですよね"

( ´_ゝ`)"侵入も脱出も想定しなくていいならまあそんなもん"



 ザッ...



/ ゚、。 /「……!」

268 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:53:24 ID:WUIiGwUQ0

爪;゚ー゚)「「あっ……」」(´<_`;)














  Case12「海色の声」
  Day7C「情報奪取」

                          To be continued...

269 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:54:47 ID:WUIiGwUQ0
Case12-Tips13 粉骨砕身

ミサ ^ー^)ト「屈辱ですわ」

( ´W`)「ああ、なんとおいたわしい。限界を超えて舞えば破滅、その程度のこともわからないとは何とも可愛らしいのでしょう」

ミサ ^ー^)ト「るせー、わたくしの限界はわたくしが決めますの」

( ´W`)「ククク、それでこそ我が主! その輝きのなんと美味たることか……!」

ミサ ^ー^)ト「……次は仕留めますわよ」

( ´W`)「そうですね、そろそろ痛み分けにも飽いてきたところです」

ミサ ^ー^)ト「やはりあの神器が厄介ですわね。神話に語られるだけはありますわ」

( ´W`)「まあ、我らが神も苦笑いをしたというほどの逸品でありますれば」

ミサ ^ー^)ト「我らが神? わたくしは何も信じませんわよ」

( ´W`)「ククク、サブロウ様しか信じない、の間違いでは?」

ミサ ^ー^)ト「あら、あなたのこともほんの1mmくらいは信じておりますわ? 我が従者」

( ´W`)「心にもない台詞、大変有難く。この白髭、より一層の粉骨砕身をお約束しましょう」

ミサ ^ー^)ト「粉骨砕身してもすぐ治る化け物がよく言いやがりますわ」

270 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/10(金) 23:55:21 ID:WUIiGwUQ0
今回はここまで

271名無しさん:2024/05/11(土) 06:06:22 ID:Hnrad4P.0
おつ

272名無しさん:2024/05/11(土) 22:14:43 ID:3nMDiaWw0
乙乙
朱雀便利なの、強いキャラ手に入れてゲームの後半が前半よりうんと楽になる現象に似てる

273名無しさん:2024/05/14(火) 21:06:39 ID:uFxALLOk0
乙!次話はダイオードとの激戦必至やーー。

274名無しさん:2024/05/16(木) 19:37:10 ID:7.B2N42E0
乙!
飛行ユニットは有能、古事記にも多分書いてある

275 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:42:49 ID:Np0aMy8A0
>>271
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」


>>272
八-ム-)「そこまで便利なもんじゃないはずなんだけどねぇ……そのくせ戦闘はからっきしとか、どうなってるんだか」

>>273
/ ゚、。 /「逮捕する……!」

>>274
(´<_` )「そうか?」

( ´_ゝ`)「そうだ」

276 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:43:52 ID:Np0aMy8A0
前回のあらすじ
・式神有能すぎるだろ……今度から仕事で使おう
・おし、必要そうな重要情報は粗方抜いたし欺瞞工作も完了、あとは逃げるだけ
・あっ……


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

277 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:44:26 ID:Np0aMy8A0
Case12-Day8A
                       ,                          ,
                /'゙       イ/  >''"/       /'゙
    イ/                  // >''"  ,/    ,       >''"/    ,,/
 //     ,,/       ,    +. /  /     /   /'゙      /  /     //
/´    >''"/      /'゙      /       /            />''"    /ィ     /リィ
   ,   ,/               /    >'゛          /´  >ィ         .//+
,' /  / *               /    >'',          ,       //         //ィ゙  > ´
/  /              /  >'' /'゙      /'゙      /ィ          /'゙  /
 > ゛                  ,  > ゛              ,    ´   / +            /   /
'゙            ,      /イ        ,       /'゙     / リ         /  >''゛
         /'゙         >ィ * /'゙              /   /         /> ''
                        //                  /  /                /
   ,             /ィ         ,        / > ´                  /
  /'゙  >ィ                        /'゙       / イ                    /    > ´
    //        >''"/               /゛                    * /   > ´
   /ィ       >''"  ,/                                        / >''"
             /     /                    + /                 / ィ
            /    >'゛ *                    / リ                 /゙
          /    >''                      /   /

278 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:45:00 ID:Np0aMy8A0

(;´_ゝ`)┫三「うおおっ!?」

(´<_`;)「美和ちゃん、プランB!」

爪;゚ー゚)r=≡=「なんてこったい……!」

三/ ゚、。 /「はっ!」

三(;´_ゝ`)┫「ちいっ!」

━━━━━━━━ ,イ━━ ,イ ,イ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       |l!1!|!l./ム―7 レ .レ  i| !i| !li| |i! |! |                |l!1!|!l
       |l!1!|.//ニ7/         .i| !li| |i! l:                 |l!1!|!l
       |l!1!|/' ̄7/          il !li| |i! |               |l!1!|!l
       |l!1!|!l.  //             !li| |i!                  |l!1!|!l.
       |l!1!|!l. /' . __         li| |i                    |l!1!|!l
       |l!1!|!l   /´ > ,.イ    i| |!:                 |l!1!|!l
       |l!1!|!l   ´ ̄  /_/      !| |                      |l!1!|!l
       |l!1!|!l     //      | |                      |l!1!|!l
       |l!1!|!l    //          .| |                   | |l!1!|!l
       |l!1!|!l |  |/,イ,イ ,イ        | |                l| |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!   レレ //   ,ィ    |  |               l| |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!     /'  / .i    |  |i                   || |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!       ./ /    .|/レ'i                || |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!,      //     .|/|i | i              || |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!i      ´       .|    l     /    .i    i.|| |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!l    , イ      |i | |     И  /|     .l    l:|| |l!1!|!l
━━━━━━━━━━━レ'━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

279 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:45:33 ID:Np0aMy8A0

¨ - ¨_‐ _
    ¨ - ¨_‐ _                                /|
        ¨ - ¨_‐ _                            /::::::|
            ¨ - ¨_‐ _                        /i:::::::::::|
                ¨ - ¨_‐ _         l\      /、:/::::::::::::|
                    ¨ - ¨_‐ _   、、 | \ハ ./!/i癶ァ::::::::::|
                        ¨ - ¨_‐ _`    ∨ |/l::ィ::::/^7
                             z¨ - ¨      〈j{/:::::::/
                          <             /::::::::::::/.     l\       /|
                              ̄ア      ムィ⌒7_   、、 | \ハ ./! /::::::|
                            / -=7   /^::::::::::::/. - ¨_‐ _`     ∨ |/l::::::::::|
                              / /レ^\::::::::::/.     z¨ - ¨      〈:::::::/
                             /<:::癶:}::::::::`:/   <           /::::/
                               「::::::::/!:::::/.         ̄ア       /::::/
                               |::::::/::l/          / -=7   /^::::/
                               |::イ:/            / /レ^::::/
                               |/                 /< |::::::/
                                                   |/

三/ ゚、。 /「むう……!」

三( ´_ゝ`)┫「貰った!」

280 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:46:45 ID:Np0aMy8A0
...`'-、       \
  ...`'-、       `-、                                                    /       /
    ...`'-、      .\.                                                 /      _/゛
          `'-、      \                                         /      _/゛
            .`'-、.     `-、                                        /     ,/゛
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                     ──==二二二__                 r────────
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                              '"´  / ,.. /        .  ..\ \.'-..,.、
                              ,..-'./. ./   .,     l\ ゙!l>、  . \.\ ゙ ゙i._
                            _./ ゙ /.. ../.,v /!  .i'i.| 丶、'、`'-、. `'-,.\ "\,
                      ,/゛ /    .,i./ |./ ,!  l゙ リ    \   .`'-、\ \ ″‐.、
                    ,..‐″ /    ..〃  i}′|  l            `'''ゝ  \,. ″‐.、
                 ,..‐″ .,/       .,i″     !  ,!                      \,.  "\_
               _/゛  .,/         .l′    │ /                         \   "\_
            _/゛   /                 | /                          \,.   ゛‐..,
             ,..‐"   .,/                  |/                             \ .   "\_
        ._/゛   . /                    |′                            \,    "\_
     ._/゛    ,/                                                       \

281 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:47:18 ID:Np0aMy8A0

(;´_ゝ`)・:∴「ぐはっ!?」

人(´<_`;)「兄者!」

(;´_ゝ`)┫(ちっ、なるほどな。美和ちゃんの言ってたのはこれか)

爪;゚ー゚)r=≡=「……」

/ ゚、。 /「……」

(;´_ゝ`)┫(既に門番がこっちに気付いた……睨み合いで時間をかけるわけにもいかねぇ。ここは一つ、やってみるか)

(;´_ゝ`)┫"弟者、地流さん。俺の合図に合わせて攻撃してくれ"

人(´<_`;)"む、わかった"

爪;゚ー゚)r=≡="なるほど、同時攻撃なら通るかもしれないね"

(;´_ゝ`)┫"通らずとも、恐らく遠距離反撃はできないと見た。俺さえ耐えりゃ立て直せる"

人(´<_`;)"……同時に結界は張れんぞ"

(;´_ゝ`)┫"構わん。一撃で獲られるほどヤワじゃねぇ"

爪;゚ー゚)r=≡="そりゃ、シビレるねえ"

(;´_ゝ`)┫"……行くぞ!"

282 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:47:52 ID:Np0aMy8A0
                                              /////////
                                              ///////
                                              /////
               ,イ    ,イ ,イ                          ///
                /ム―7 レ .レ                          ///
                 //ニ7/                           //
              /' ̄7/                        /
                //           |
                /'   __          i|    ‘   /
                /´ > ,.イ     i|     ,  /  ‘
                ´ ̄  /_/     i!|  '  ./
                       //      .|i|   / ,
                //          |!し//
                ̄ |/,イ,イ ,イ      `ヽ  て_     ̄    _                   ̄
    ――         ̄.レレ //   ,ィ ―  } (____    __   _―― ̄__
 ___         __ /'.  / } ―   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ――           ― ___
 ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――. / / __ =―              ==━___ ̄―
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐―.// ――――    ==  ̄ ̄ ̄  ――_―― ̄___ ̄―
 ̄___ ̄―===━___ ´.  ==  ̄ ̄ ̄  ――_――__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐―
______――― ̄ ̄ ̄ , イ _____――━━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄___
――――― ̄ ̄___ ̄ ̄ レ'   ̄_____――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄__

283 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:48:25 ID:Np0aMy8A0
 l │    、 ,i′     ,{                           \,           ヽ\ て
ノ  |   ., llノ|゛       l                          \           ヽ ヽ/  !
\ !   メ/ . ,i'!       /                              ゙h、         ゙l、   .!l
 ..l.| ./  ./ │      !                             ゙i,゙'i、         l   / l_z¬r
  .リ ./  / . iゞ      !                           _-‐==l...lヽ、       .しイ .ヽ
   ,イ / i l゙       l                         _,,..-一ー¨¨   _l ヽ..ヽ            从__
  '/ !゛  lゝ      l                     -┬'''"´  _,,,.. --・''' ̄´  l ゙ly ヽ,         } ハ
  ./ /   .l゙       .!                 _,,.. -;;ニニ-ー'''゙゙゙´          l .゙乂 \           ∪ l /!
 / /    !、      ,!         _...;;;;ニニー''''"゛                     !  .l  .ヽ           ∨{
│/    .、 !     │    _,,.. -''^゙´                         l  l   .\           |
/./    从 }      !  -‐'″                               l,  .l    ヽ,       │
!/    N ヾl       │                                        !  l    ヽ
/    . !           ,!                                         !  ∧    ヽ
!     l        !                                    ! lハ       ヽ
 .|!、   .l       |                                     ! . l       .ヽ  /
  |,ヽ   〔       !                                     !  !       /
  )._ ヽ  l       !                                        ! /   ._/゛
   ヽ ヽ  !      │                                     ! ! , /
   .ヽ .`-ゝ      l                                     ,! '“゛
 ィて  L            !                                     ,..-'"               _
  )ン  )         !                               ,..-'"                _..-'゙//
   ム  .l           !                           ,..-'"゛                i.て
  |ハ   l        !                          _..-'"゛                _.. -''''" ._..-'´
      │        !                      _.. -'"                 ,..-‐"゛   _..-'゛_そ
      'l./         .l               _,, -''"゛                  _,, て|,!  -‐='゙′ て
      .ヽ           l             _,, ‐'"゛                    , て¨ ̄l}     ̄ ̄
     、  !         |.     .._,, ー''"゛                      ゙,゙ニ=―'||
     .l'、 .|            |,,.. -‐''"゛                     -‐¬¨¨¬--'"゛    l′
      ! ゙'ゞ  ._,,,.. -ー'''"゛                       て-‐==            l

284 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:48:59 ID:Np0aMy8A0

(  _ゝ )・:∴「っ!!」

∴:・/メ゚、。 /「っ……!?」

     ゙ミ::::::::::::::::::::::ゝ                                         ,,ィ":::::::::::::::彡"
     ミミ:::::::::::::::::::::::ゝ                                     ,,,ィ":::::::::::::::彡"
      ゙ミミ:::::::::::::::::::::ゝ、'、                               _,, ‐":::::::::::::::彡"
        ゙ミ::::::::::::::::::::::::::ゝ_                          _,, ‐"´::::::::::::::::::彡
         ゙ミ:::::::::::::::::::::::::::::ゝ_                    _,,,, ‐"´:::::::::::::::::::::::ミ彡
         ミ::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ               _,, ‐"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ゙
.         ミミ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ          _,, ‐"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミ゙゙
          ゙ミミミ::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ--......,,__,,,, ‐"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミミミ゙゙゙
           `゙゙゙゙゙ミ:::::::::::::::::::::::::::::::.................::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミミミ゙゙
             `゙ミミ:::::/:::://::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミミミミ゙゙
        ___,,,,,,,,,,-‐""/:::/:::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;ミミミミミミミ゙゙゙
        ヾ;;;;;;;;;;;;;;;/::/::::::/::::::/:::.:::/;;;;;;;;;;;:: : : : : : .::::゙l
           _,/:::/::::::::/::::::::/;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;:::.:.:.:.:.:.:.:.::::ヽ
          `゙゙゙゙゙゙‐‐--‐‐ッ‐''"´:::::::::::::::::::::::::::;:‐"´´``ヾ::|
               ,,,ィ´::::::::::_;;::‐ュ:::::::::::::ノ      ヾ
.              ,ィ::::,. ‐ "´ ,ィ":::::::::/
              /./"    ,/,;:::-‐"´
              /./    //
              .// 、  ,//
             ノン'  ヾ 〃
            ,ィ'/_,../从|
          ノi〕_..| 、_ノ' ||
         ノ''´l.ノ |.|     '
          //  |
          "   '
__
|_|⊂(´<_`;)「ナウマク・サマンダ・ボダナン――」

285 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:49:32 ID:Np0aMy8A0
爪;゚ー゚)r=≡=
         |  /        |  / ,                                __
      ,\__ノし//     \__ノし// 、      ___   __    _   __ __    / /
    /  )/⌒ヽ(_  __)/⌒ヽ(_ ',      7 /ン )  / /    /,イ |   /,イ|./,イ.|    / /
     ̄ ̄)ヽ__ノ( ̄ ̄   ̄)ヽ__ノ( ̄ ̄ ̄   ./ /ン)  / /_.   //7| // | './ | |   .L/
    ´  /⌒|「⌒\    /⌒|「⌒\.      ̄ ̄    ̄ ̄ ̄   ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ ∠フ            __
                    |  / ,                  ___   __    _   __ __    / /
                    \__ノし//´                     7 /ン )  / /    /,イ |   /,イ|./,イ.|    / /
             |  / ,, )/⌒ヽ(_                   / /ン)  / /_.   //7| // | './ | |   .L/
             \__ノし// ̄)ヽ__ノ( ̄ ̄ ̄                 ̄ ̄    ̄ ̄ ̄   ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ ∠フ
           )/⌒ヽ(_ /⌒|「⌒\
          ̄ ̄)ヽ__ノ( ̄ ̄ ̄
         ´  /⌒|「⌒\
__
|_|⊂(´<_`;)「――インダラヤ・ソワカ!」
.             / i‐`-ニニニ;;―、      `゙'''ー ..,,,      ゙'-、    .l  "   /   ,/   .,,,.
... ゙゙̄"'''''''――-.......... / l_      l.l           `゙''ー ,,、  `'-.   `    .ヾ ./  .-‐'″
.               / ./   ̄ ゙゙゙̄''''''..l|. ―--..........,,,,___,      `            ´
._________/./ .. -―-..,_ ____゙h ___________               ______
.          _-/ "       `"'〜..l.l,、        _.          .,i         ,、
.       ,,/゛              !.! `゙゙'''ー゙゙''' ̄ ̄ ̄!    .,..     ./l゙     .、  `''ー 、_
.       ヽ            iー .._          `''┐  . l -‐″  ,,  / l゙      . \    `''ー
.        ..l         l,  `゙''、,,,,_,           `'く,./    .,/_,, ┘/ l 、.i    、\,
.   . _,,,,.. -ー' \         .ヽ ''''″   `゙''''―- ..,,,   .!゙ ̄ ̄~´   /   ! ,! !    \ \.
..''"゙´       l .|゙>、     .\  ._,, -'" ._.. ,,,r'"| ゙゙'ー‐' ̄ ̄┬√ ̄}  l  :!  ! ..l   \  `-、
.     _,,, -ー .,! l   ヽ      ヽ'"  ._..-'".l゙.,..-',゙メ..,,,、   \_/l  |  .l  .ヽ .、 \  .`'
.... -‐'''"゛     / |    .ヽ,     `'-,゙  .,..-'゙y‐゙_,.. -'" ,.  ,.  .r  /  :!  !   l, .ヽ  ヽ,
.          ! .! ,,..-'"゛ .\     .,..-'゙. / .`'-- ....,,. ./ /   /   l゙   |   !   ヽ .ヽ  ヽ
.           _、l゙  !   _..-'" \._ / .,/゛          `'-、 '"   /  .,..‐"ヽ ,!   |   ヽ ヽ  ."
.    _.. -'"゛ .!  . l -'"     ,./ ,..‐"               \  /.,/゙_,,,.. _\′  .}   .ヽ ヽ
.._..-‐'´     _..ヽ. .!    ._ / . _/゛ .\ ,/   ,イ ,イ       `'‐ジ'"´ 、 . \ ゝ..、 |    ヽ ヽ
..     ._..-',/]    , /  .,/゛  .,///  ////            `'、  l  .l │ .,/ .!    . l  ヽ
.  ._..-'". /   .,! _ir'"  ,/゛――――//  /| レ レ              ヽ l゙  ,!  .l /   .!     . l. .゙'
..'"゛ ./    .'″ ゙l. / `゙ ̄ ̄ ̄ ̄ //   l |  .    _,.. -z_       ゙!、  .l゙  !l    .!     ..l,
.  ./   .,-   , /  . /     .,///   l |   ,.ニ7./二._       `'、 ! / │   .!      .ヽ
. ./    く .  .ヽ. /     ./ //    l l   'ー''7/´ ̄        _,, -'__、'゙´    .!      ゙‐
.._ ,l゙        _..-'"    .,/  //   Y     /  '__ノ>/〉    ´  ´゛ .`'、、    l
.. ゝ .......... ー''"゛      ./   /             ¨j/´〃           _/     .l

286 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:50:06 ID:Np0aMy8A0



/メ:::、:::/シュゥゥゥゥ....



(´<_`;)「殺った……のか?」

爪;゚ー゚)r=≡=「死んではいないようだけど……どう見ても致命傷には見える。ただそれより――」

(  _ゝ )

(´<_`;)三「兄者ッ!!」

(´<_`;)「っ!! この出血は……まずいッ!」

爪;゚ー゚)r=≡=「門番は何とかする。回復を」

(;1兵1)[ヲヰ━「ぐ、軍曹殿ッ!?」

(;2兵2)[ヲヰ━「う、動くな!」

爪;゚ー゚)r=≡=(こりゃまずいな……あっ)



 ガッシャーン!!



(;1兵1)「「!?」」(2兵2;)

287 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:50:39 ID:Np0aMy8A0

(;1兵1)「「えウッソ!?」」(2兵2;)



         _,ー 、    __,,,,,、、--─''"" ̄|>─-、、、__
       ; ̄__ ヽ、 .Y--─''''''|| ̄  ||  |Y"ヽ    `>─-、、、__
       l 人 +ヽ i......|. ..    ||    ||  |.{  } ``          ̄二─-、==i_
       <('ー'<_ノ i... .|  _.  ..||    r||  |_ゝ-'                 /三.`|
       丶/X*。ヽノ...|  l.l   ||. .. .!||  |三二==≡─-、、、_        // / .|
        〆ノヽ_/`_.....|  ´ =...||    ||  | ̄ ̄ゝlィ──--、、、、_三三二── /  |
 _r二ヽ──ヽl_|_lノ ==--、.,.-lll ||    ||  |三二ゝiイ三二──----、、、、___/  ...|
..|r==i r====i  |-i | ̄| ̄| ヽ-ァi ||    ||  | ̄ ̄ ̄```````─────----'.    |
..||::::::| |:::::::::::i  | .!---!--! ゝiィi ||    ゝ.T..|   r--i                  |
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.. ̄|"二二───=====i─r─f三======ii、 .|_=_l___ノ__ノ三l丿--!───イ─-'
  r.-||=||=| |──l──-+-+-、( ̄"ゝ二 ̄ ̄"___,,,---==、 i  i ─、_..|、_|  ̄,_,====、二l
  |。。i|=||=| | ,---|  __i  ゝii  |_||ヽ=,,,,,,、、 r-=== ̄\---}}}_〉-' _/∩:∩Y=i'
 _|- ||=||=| | l ゚ ゚..| /ィ─ヘ',  .|'  |_o(ll.ハ ハ )Y´`Y´ハY|/ヽi_||||||| ゝ.._∪:∪ノ ドルルンドルルン
..|``─----、、、、__|/''イ´ヽ.Y_ヘ . |_,l」」」__>''イイイイ|( )l ゝソノ
 ヽ==≡、、、___,r-'{::::l ().ノ.l==ィ´          ゝ.--''``"
      ̄    人__`_イノ



(;1兵1)「「トマレ! トマレナサーイ!」」(2兵2;)

288 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:51:12 ID:Np0aMy8A0
  \\             | | |       /       /
.  \\\           .| | |        /      /
     \\          | |       /'!     /
       \\..        | |      ./ !    //
        \     |\   |     //| |___
         \    |  \ |    .// .l_   /
       ____| |\\/\//  / /
        \  ____|  \/\/ / /  _______
         \ \            /   ̄ ̄  __     /
          \ \  __lV 、_  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄― ""   / ―――
           /  / , >  へ´  ` 、 ̄ ̄         / ――
             /  ///  Y l\    \         く ――――――
         /  /./    !  \  | ̄         \
           / / //  /! .! l\ \l   ! ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        // ..// / ...! l l  \     |       \
         /   //// | .l l l    \   |         \
     / /   / /   l ∥l     \ |         \\
    ./ /    //     l  .i       `        \\



(;1兵1)「「ギャアーッ!!」」(2兵2;)

爪;゚ー゚)ノ「美和、助かった! 弟君、治療はどうだい!?」

(´<_`;)「致命傷は脱したと思います!」(薬師如来の札で治しきれないとは……)

人(´<_`;)「兄者は白虎で車に載せます! 四神転輪、急急如律令!」

289 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:51:45 ID:Np0aMy8A0

(;´・_ゝ・`)「早く乗ってください!」

爪;゚ー゚)「ああ。美和、マスターキーは頼むよ!」

<(' _'<人ノ「任されました!」

                     -、
                   -、 `、l
           〈`'-ーー-'^ヽ `、l
            ヽ-''´~ソ /
               ,/ く
             _,.r' .,へ `ヽ
           =ニ-ー'´  `;、ノ


              \    |l|\    |l|w/\    |l|w\    |l|\    |l| \    |l|w/L ,r_/
  _________\\{w└ \\{w└ ¨ ´\\{w└ ¨\\{w└ ¨\\{w└ ¨\\{w└ ¨ ´ /________
  ___________                                            _______
                /´ヾ,  r、/´ヾ,  r、r/´ヾ,  r、r /´ヾ,  r、/´ヾ,  r、/´ヾ,  r、r‐|^`
                  //  }´  //  }´   //  }´   //  }´   //  }´  //  }´


                                                       ,ー-、
                                                       `l、_l    ,,-ァ
                                                           ,,.-''/
                                                      r、__,,.-''゙,,.-'´
                                                      ヽ_,rー'゙´

290 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:52:18 ID:Np0aMy8A0
【格納庫?】
       :H l i:                    :||:        i|:     :ll:
       :H l i:                    :||:        i|:     :ll:
       :H l i:                    :||:        i|:     :ll:
       :H l i:                    :||:        i|:     :ll:
       :H l i:.,             .          :||:        i|:     :ll:
        」 l i;::                       .:||: ,.       i|:     :ll:
      」/l...l i:::                    :||:;.        i|:     :ll:
     」/'/...l i.;:                    :||:        i|:     :ll:
   」/'/ ::' l i:;.                    :||:;           i|:     :ll:
  」/'/ :::'.  l i.,,                    :||:::        i|:     :ll:
」/ / :::'' ..: ::::l i.;;                    :||::        .i|:     :ll:
 /:::'  ,_ _」 _i:::......................................................................:||:.....     .   i|:..................:ll:
./   ./,,/l/l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:||   [_]/ ,/i/i     :         :;         :;       :   .  ;
:||   [_][_]/i/  :   ;  ,       . ;    ;         ;    .  ;
:||   [_][_]/  ;     ;:       ;       ; ,       :      :
(◎/ .,,,,,, .,. :. 日     .,. :.  :: . :      : .            ;
              ,   :: .       :  :  .       ; ;:      :  ,
    .;     ;           ,. :.  :       : . :
  .;    ;      ;                 ;      ,      ,
      .        :;           ;       ; :            :;   Y
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

291 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:52:52 ID:Np0aMy8A0

爪;゚ー゚)「たぶんエレベーターは避けた方がいい! 坂を走ろう!」

lコ"了解だよ!"

(  _ゝ )

(´<_`;)「兄者……」

|゚ノ;^∀^)「アニジャさん……」

爪;゚ー゚)「……大丈夫だよ。それくらいでくたばるほどヤワじゃないって」

(´<_`;)「まあ、はい。そうは思いますが」

|゚ノ;^∀^)「心配、です」

爪゚ー゚)(え……他人の心配もできるのか、この娘。何か人間味増してきてないか?
     となると、前世要素がより前面に出てきていたり……?)

爪゚ー゚)「レモナ。もしかして、傷を治すような魔術を使えたりしないかな?」

|゚ノ;^∀^)「え?」

爪゚ー゚)「ちょっと、記憶を探ってみて貰えないかい? 何か、前世で覚えていた魔術を思い出しているかも」

|゚ノ;^∀^)「や、やってみます」

292 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:53:26 ID:Np0aMy8A0
         r-.、                      _ ,  ‐- 、_,_,,,-..ヘ
        ノ゙'::,ノ                 , -.. ''" ..:' .::' ,.:'.. ゙';: .`'.!
    ,..‐'"';__;.ノ                ,/ ,:'' ::, ゙':. ': .:' /.:' ,.: ,.... :' ;\
   ,r´゙':,r'´        _,, -―,, '',::'.:' '  ゙':   ゙':ヾ ::. '::, ::, ,._ 、 i,,.〉
  /_,., ′     _ - ´ ,:' .:' .:;' ;::'   ,.::::;,  ゙:.   ';, ゙':...゙ `'' _ .. `!
  ,l゙''"|    ,, -";: ゙;,  ::;' .; ':, .';:   '  ゙':,   ':.   '':;,、:, r' ヽ  ヘ
  .|':;,:'、  / .! :, ':,    ゙ ; ,;'  .゙  ゙' ,'   .,   :   ,r `i ':,_  ノー '
  ' , . ,:'`´,::'_,イ':.,   '; ,.:' ,;'  :;   ψ     ':  ゙.:.゙  ,:' i  ゝ-'
   `ー '"  |., `  ゙':,i:; ゙;, ,::'  :, . |:::::;,_    .::.' .,:' ,.:キ
            |゙'::..,   '、,_; .,゙ :,  ':;..|  ゙' ::..._ /,r-、'   キ
         |    ,:| ‐- _ '::,  '::゙|::.._  ,.:'.`ヽ キ   ゙''::゙i,
            |゙':, `''ー'キ.:.:.:.r ` ― ^、....::'   ' ゙",`i、.゙i ,.,._., 'i,
            ヘ .,,._ ,;キ.:丿      ゙i、_   ,.:'  `''ー -、゙':'i,
             l\゙'' ''゙ノ/                ̄ `' ‐ 、._、';  \\
             | ., , T:ノ                  ベ   ,) ;'ヽ._
           ゝ'_,ノ                    ゝ、_ノ \   )゙.´`;
                                         `ー-、ノ

293 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:53:59 ID:Np0aMy8A0

(;3兵3)「うわっ!?」

<(' _'<人ノ「隙あり!」

(;3/ /兵3)「いy」

(;4兵4)[ヲヰ━*ダダダダダ...

(;4/ /兵4)「なん」

(;5兵5)[ヲヰ━*ダダ゙ダ...

三<(' _';<人ノ「くっ!?」

jf" 。 )::} |::〉「グオッ!」

(;5兵5)彡「あっ」

<(' _';<人ノ「御免!」

(;5/ /兵5)「やだっ」

<(' _'<人ノ「累次くん、助かりました」

jf" 。 )::} |::〉「グオッ!」

(;´・_ゝ・`)(ひえぇ〜! 頼むから流れ弾当たらないでくれよ!?)

294 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:54:33 ID:Np0aMy8A0

爪゚ー゚)「外の様子は?」

(´<_`;)「美和ちゃんが順調に無双してますよ」

爪゚ー゚)「結構。じゃあまずいのは流れ弾と――」

(´<_`;)「強敵が出て来た場合、ですかね。今一番まずいのは地流さんが負傷することなんで、しっかり伏せててくださいよ?」

爪゚ー゚)「この体勢で会話してるのも何かシュールだけどねえ」

|゚ノ ^∀^)「……」

爪゚ー゚)「で、レモナはどう? 何か使えそう?」

|゚ノ ^∀^)「……わからないです」

(´<_` )「そうか……」

爪゚ー゚)「まあダメ元だったしね」

(  _ゝ )

(´<_` )「……外に集中します」

爪゚ー゚)「ん、それが良いかもね」

295 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:55:07 ID:Np0aMy8A0
              |
               |
               |               _
                |             /::::_::ヽ
                  |    .||        (;6兵6) __|______
                |   ||        (0l呂|| )  :][ノノ ̄ ̄ ̄ ̄                      _  ―ユコ^0
                 |  []        rzzzzzzzュ[二]//   .r―‐r‐t´          ,..-―ュ--―  ̄__  ―   ̄
             ____Fニニニニママママ二二二二±---≧二_―トユコLl」_ _,,..ュ、... -‐ユ[  _マゞ―  ̄
             EトEト」____ _ゞゞゞゞr――‐t   |         ̄「 ̄ ̄`l l  {ミ オ_ .-‐` ´
             ``‐L_ll_ll_L_」-;-;-;ァ[仁[仁{  l         l    L_ゝ_.ゞ'' ´
  「 ̄ ̄ ̄`±¬―――――ゝ――――――、____l_zzzz:r―――┴――±;;>'"´
  Ll  ___   _,__,_    _,___,_    _,___,_   _,___,_ 仝     ̄``ユ―z .....,,_ ̄`` {00}コt__   {00}_
    ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `>z≧ュ  ̄``ィ( ) ‐、≧ュ
     {―ィ― 、       |            |               |        ./ ::    | -:-:-:-:-ア ;::  :|
     凶{{ 〈 ℃}\____|_________|__________|_____∠±―ァァ-ァ┘   /矛L:::::::」
      ヾ、zア、 /´  :ヽ γ´ _、ヽヾγ´ _, ヽγ´ _ ヽヾ  γ´ _ ヽヾ:γ´ _ヽヾ ゞ、 〃アアア―‐ュ‐ゞ T ノアアア
        `ヾ、ミl  0) l::: l  :0) }::: {  0) }:{  0) }:::}  {  0)  }::}{  0) :}:::}  _>之フ´ ;;χ´}   _ィ之フ´
          `ヾゝ、__.ノ.ノ__ゝ、__,ノ:ノ .ゝ、__.ノ:ノゝ、__.ノ ノ  :ゝ、___,ノ ノ ゝ、__,ノ,ノィフフフ´ ゞ;;;;;ノノ,ィフフ- ´
             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ~~~~~~~´  ̄ ̄ ̄~~~~~´
            ※注:画像はイメージです、機種は90式ではありません

<(' _';<人ノ「ウッ!?」

(;´・_ゝ・`)「戦車あああぁぁぁ!?」

<(' _';<人ノ(まさか主砲は撃ってこないでしょうが、機銃を連射されると車がまずいですね。一足飛びには遠いですし――)

jf" 。 )::} |::〉「グルッ!」

296 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:55:40 ID:Np0aMy8A0
     ゙ミ::::::::::::::::::::::ゝ                                         ,,ィ":::::::::::::::彡"
     ミミ:::::::::::::::::::::::ゝ                                     ,,,ィ":::::::::::::::彡"
      ゙ミミ:::::::::::::::::::::ゝ、'、                               _,, ‐":::::::::::::::彡"
        ゙ミ::::::::::::::::::::::::::ゝ_                          _,, ‐"´::::::::::::::::::彡
         ゙ミ:::::::::::::::::::::::::::::ゝ_                    _,,,, ‐"´:::::::::::::::::::::::ミ彡
         ミ::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ               _,, ‐"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ゙
.         ミミ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ          _,, ‐"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミ゙゙
          ゙ミミミ::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ--......,,__,,,, ‐"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミミミ゙゙゙
           `゙゙゙゙゙ミ:::::::::::::::::::::::::::::::.................::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミミミ゙゙
             `゙ミミ:::::/:::://::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミミミミ゙゙
        ___,,,,,,,,,,-‐""/:::/:::/::::/:::::/;;;;;;;;;;;;;ミミミミミミミ゙゙゙
        ヾ;;;;;;;;;;;;;;;/::/::::::/::::::/:::.:::/;;;;;;;;;;;:: : : : : : .::::゙l
           _,/:::/::::::::/::::::::/;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;:::.:.:.:.:.:.:.:.::::ヽ
          `゙゙゙゙゙゙‐‐--‐‐ッ‐''"´:::::::::::::::::::::::::::;:‐"´´``ヾ::|
               ,,,ィ´::::::::::_;;::‐ュ:::::::::::::ノ      ヾ
.              ,ィ::::,. ‐ "´ ,ィ":::::::::/
              /./"    ,/,;:::-‐"´
              /./    //
              .// 、  ,//
             ノン'  ヾ 〃
            ,ィ'/_,../从|
          ノi〕_..| 、_ノ' ||
         ノ''´l.ノ |.|     '
          //  |
          "   '

<(' _'<人ノ「あっ」

297 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:56:13 ID:Np0aMy8A0

(;6兵6)「うわっ、なんだこい――」

<(' _'#<人ノ「せいっ!!」



              ":∵ ::´: :. .; .;: :∴:
             :':´.;∴.;..``:;": :´; `"∴;":
              、-': .; "∵: .;": ::″: ; .;".;"
                | .;".;":: :.;".; ` ;..``:.;`; :∵`;
                  |  ; "∵;": ::″.;":: :.;".;∴":・.;______
                |   ・  ,´ ;:  ;` ::.;".;"∴∵[ノノ ̄ ̄ ̄ ̄                      _  ―ユコ^0
                 |  []        rzzzzzzzュ[二]//   .r―‐r‐t´          ,..-―ュ--―  ̄__  ―   ̄
             ____Fニニニニママママ二二二二±---≧二_―トユコLl」_ _,,..ュ、... -‐ユ[  _マゞ―  ̄
             EトEト」____ _ゞゞゞゞr――‐t   |         ̄「 ̄ ̄`l l  {ミ オ_ .-‐` ´
             ``‐L_ll_ll_L_」-;-;-;ァ[仁[仁{  l         l    L_ゝ_.ゞ'' ´
  「 ̄ ̄ ̄`±¬―――――ゝ――――――、____l_zzzz:r―――┴――±;;>'"´
  Ll  ___   _,__,_    _,___,_    _,___,_   _,___,_ 仝     ̄``ユ―z .....,,_ ̄`` {00}コt__   {00}_
    ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `>z≧ュ  ̄``ィ( ) ‐、≧ュ
     {―ィ― 、       |            |               |        ./ ::    | -:-:-:-:-ア ;::  :|
     凶{{ 〈 ℃}\____|_________|__________|_____∠±―ァァ-ァ┘   /矛L:::::::」
      ヾ、zア、 /´  :ヽ γ´ _、ヽヾγ´ _, ヽγ´ _ ヽヾ  γ´ _ ヽヾ:γ´ _ヽヾ ゞ、 〃アアア―‐ュ‐ゞ T ノアアア
        `ヾ、ミl  0) l::: l  :0) }::: {  0) }:{  0) }:::}  {  0)  }::}{  0) :}:::}  _>之フ´ ;;χ´}   _ィ之フ´
          `ヾゝ、__.ノ.ノ__ゝ、__,ノ:ノ .ゝ、__.ノ:ノゝ、__.ノ ノ  :ゝ、___,ノ ノ ゝ、__,ノ,ノィフフフ´ ゞ;;;;;ノノ,ィフフ- ´
             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ~~~~~~~´  ̄ ̄ ̄~~~~~´

<(' _' <人ノ「よし、銃座は潰しました。後は逃げ切りで!」

(;´・_ゝ・`)「ひえぇ〜!」

298 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:56:47 ID:Np0aMy8A0
【格納庫? 屋上】
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 ニニニニニニニニニニニ=-‐         ,・‘         /       |       \         ‘ ・ ,
 ニニニニニ=-‐              ,・‘               /        |        \        ‘ ・ ,
 =-‐  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,・‘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
             ,・‘              /               |               \            ‘ ・ ,
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                /                              |                              \
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299 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:57:20 ID:Np0aMy8A0

(´<_`;)「地流さん、お願いします! 追手は俺と美和ちゃんで防ぎます!」

爪゚ー゚)b「オーケー、任せておきたまえ。ただ、強運でも5分ほど貰うよ」

(´<_`;)「了解です」

爪゚ー゚)ノ「武運を祈る!」

(´<_`;)(最短5分……凌ぎ切れると良いが)

(  _ゝ )

|゚ノ;^∀^)「……」

(´<_` )「君はこのまま伏せててくれ。兄者を頼むぞ?」

|゚ノ;^∀^)「はい」



 ―――。

300 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:57:54 ID:Np0aMy8A0
              ,./                           /              l,
、           /               _..-‐''.'".`゙゙´^"'''ー ..,,/                !
.l          /              ,/゛             / `゙'ー..、              !
..!,           /               /               /      `'-、            |
 |       /               /            /          `'-、            !
  〉     /                  /              /              \        l
  l    ./               /             ,/                    \      |
   l  ./                   l゙         /           ,,,    : r ̄y  .\   │
   l ./                   l′      . /            ,iilll!  .,iii、弋_ノ    \  !
   .X      ,,ii   __         |      ./               ,illll゙   llll             \/
   / l     lllll,,iiiiill!!!′     .l゙    .,/              ,illll゙   lllll     iii、,,,,,  /'、
  ./   .l    lllll!!゙″       :!  . /   ,,,iiiiiiiil           ゙゙゙    .'llll,  .゙!!!! ゙゙,illl!゙’ / .ヽ
 /   ..l   .lllll _,,,,iiiill!!′    |./    ' ゙゙゙lllll,,,,,,、                ゙ ̄     illl!゙  /   ヽ
../    ..l.   lllllll!!!゙゙´     ./|     .,,iiiiilll!!!!!!゙                       /     .ヽ
/      .l,          . /   .l                                     /       .ヽ
       . l.       ,/゛    !                               /        l,
        ヽ    _/       l、                             /         ._,,コ-'''
            l. _/゛         !                             ,i′   ._,,.. -'''"゛   l
        .,/./            l                           ,i--‐'''"゛        ゙l、
      ,/゛  ヽ            l                        _,,,.. -‐''゙゙/
    /       ヽ               l                 _,,,.. -‐''''"゛    /
. _/゛         ヽ           ヽ      _,,,.. -‐''''"´             /
″            ヽ         __...んー'''''"´                    /
               __,......+-ー''''''^゙´    .ヽ                     /
──ヽ‐.''.''."゙゙゙゙´     ヽ             ヽ                    /

301 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:58:27 ID:Np0aMy8A0

<(' _';<人ノ「ふうっ……!」

(´<_` )「美和ちゃん!」

<(' _'<人ノ「累次くん!」

(´<_` )「地流さん、5分くれってよ」

<(' _'<人ノ「5分? 流石ですね、一気に気が楽になりました」

(´<_` )「いくらなんでも早すぎる気はするが……倍で見積もっても10分、頑張れない時間じゃない」

<(' _'<人ノ「累次くんが隣にいてくれれば、百人力です!」

(´<_` )「元から百人力くらいあるだろ……一体どこに行ってしまうんだ」

<(' _'<人ノ「私はどこにも行きません。累次君の隣が私の居場所です」

(´<_` )「いやそういう意味じゃなくて……まあいいけど」

<(' _'<人ノ「さて……いつでも来なさい、賊ども! 叩き切ってあげます!」

(´<_` )「今は俺らが賊なんだけどな……」

m9(' _'<人ノ「勝てば官軍です! ヨシ!」

(´<_` )「なんだろう、帰ったら玄葉師範とちょっとオハナシしないといけないようだな……」

<(' _'<人ノ「? はい、是非。師範のお話はとても勉強になります」

302 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:59:01 ID:Np0aMy8A0

(´<_`;)「っ!?」

                       ,                          ,
                /'゙       イ/  >''"/       /'゙
    イ/                  // >''"  ,/    ,       >''"/    ,,/
 //     ,,/       ,    +. /  /     /   /'゙      /  /     //
/´    >''"/      /'゙      /       /            />''"    /ィ     /リィ
   ,   ,/               /    >'゛          /´  >ィ         .//+
,' /  / *               /    >'',          ,       //         //ィ゙  > ´
/  /              /  >'' /'゙      /'゙      /ィ          /'゙  /
 > ゛                  ,  > ゛              ,    ´   / +            /   /
'゙            ,      /イ        ,       /'゙     / リ         /  >''゛
         /'゙         >ィ * /'゙              /   /         /> ''
                        //                  /  /                /
   ,             /ィ         ,        / > ´                  /
  /'゙  >ィ                        /'゙       / イ                    /    > ´
    //        >''"/               /゛                    * /   > ´
   /ィ       >''"  ,/                                        / >''"
             /     /                    + /                 / ィ
            /    >'゛ *                    / リ                 /゙
          /    >''                      /   /


<(' _';<人ノ「えっ!?」

人(´<_`;)「五行結界、急急如律令!」

303 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 22:59:34 ID:Np0aMy8A0

¨ - ¨_‐ _
    ¨ - ¨_‐ _                                /|
        ¨ - ¨_‐ _                            /::::::|
            ¨ - ¨_‐ _                        /i:::::::::::|
                ¨ - ¨_‐ _         l\      /、:/::::::::::::|
                    ¨ - ¨_‐ _   、、 | \ハ ./!/i癶ァ::::::::::|
                        ¨ - ¨_‐ _`    ∨ |/l::ィ::::/^7
                             z¨ - ¨      〈j{/:::::::/
                          <             /::::::::::::/.     l\       /|
                              ̄ア      ムィ⌒7_   、、 | \ハ ./! /::::::|
                            / -=7   /^::::::::::::/. - ¨_‐ _`     ∨ |/l::::::::::|
                              / /レ^\::::::::::/.     z¨ - ¨      〈:::::::/
                             /<:::癶:}::::::::`:/   <           /::::/
                               「::::::::/!:::::/.         ̄ア       /::::/
                               |::::::/::l/          / -=7   /^::::/
                               |::イ:/            / /レ^::::/
                               |/                 /< |::::::/
                                                   |/

304 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:00:07 ID:Np0aMy8A0

/::::、。 /「……」

(;´・_ゝ・`)「ひえっ!?」

<(' _';<人ノ「なっ……!?」

(´<_`;)「油断大敵だ。……見た目より随分元気そうだぞ?」

/::::、。 /「殺す……!」

<(' _'<人ノ「……そのようですね」

/::::、。 /「Ghiaccio...」

<(' _'<人ノ「む……!」

人(´<_`;)「白虎!」

/::::、。 /「――sparare per uccidere!」

<(' _'<人ノ「はあっ!」

305 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:00:41 ID:Np0aMy8A0
 l │    、 ,i′     ,{                           \,           ヽ\ て
ノ  |   ., llノ|゛       l                          \           ヽ ヽ/  !
\ !   メ/ . ,i'!       /                              ゙h、         ゙l、   .!l
 ..l.| ./  ./ │      !                             ゙i,゙'i、         l   / l_z¬r
  .リ ./  / . iゞ      !                           _-‐==l...lヽ、       .しイ .ヽ
   ,イ / i l゙       l                         _,,..-一ー¨¨   _l ヽ..ヽ            从__
  '/ !゛  lゝ      l                     -┬'''"´  _,,,.. --・''' ̄´  l ゙ly ヽ,         } ハ
  ./ /   .l゙       .!                 _,,.. -;;ニニ-ー'''゙゙゙´          l .゙乂 \           ∪ l /!
 / /    !、      ,!         _...;;;;ニニー''''"゛                     !  .l  .ヽ           ∨{
│/    .、 !     │    _,,.. -''^゙´                         l  l   .\           |
/./    从 }      !  -‐'″                               l,  .l    ヽ,       │
!/    N ヾl       │                                        !  l    ヽ
/    . !           ,!                                         !  ∧    ヽ
!     l        !                                    ! lハ       ヽ
 .|!、   .l       |                                     ! . l       .ヽ  /
  |,ヽ   〔       !                                     !  !       /
  )._ ヽ  l       !                                        ! /   ._/゛
   ヽ ヽ  !      │                                     ! ! , /
   .ヽ .`-ゝ      l                                     ,! '“゛
 ィて  L            !                                     ,..-'"               _
  )ン  )         !                               ,..-'"                _..-'゙//
   ム  .l           !                           ,..-'"゛                i.て
  |ハ   l        !                          _..-'"゛                _.. -''''" ._..-'´
      │        !                      _.. -'"                 ,..-‐"゛   _..-'゛_そ
      'l./         .l               _,, -''"゛                  _,, て|,!  -‐='゙′ て
      .ヽ           l             _,, ‐'"゛                    , て¨ ̄l}     ̄ ̄
     、  !         |.     .._,, ー''"゛                      ゙,゙ニ=―'||
     .l'、 .|            |,,.. -‐''"゛                     -‐¬¨¨¬--'"゛    l′
      ! ゙'ゞ  ._,,,.. -ー'''"゛                       て-‐==            l

306 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:01:15 ID:Np0aMy8A0

(  _ゝ )「ウッ......?」

|゚ノ ^∀^)「アニジャさん!」

(  _ゝ )「レ……モナ……?」

(;´_ゝ`)「ぐっ……!?」

|゚ノ ^∀^)「今は屋上です!」

(;´_ゝ`)「そう、か……」

|゚ノ ^∀^)「寝ててください!」

(;´_ゝ`)「むぅ……弟者、は……」

|゚ノ ^∀^)「オトジャさんは外です!」

(;´_ゝ`)(……まずそうな状況だ、な……)

|゚ノ ^∀^)「美和さんがバッタバッタです!」

(;´_ゝ`)「そ、そうか……」

|゚ノ ^∀^)「寝ててください!」

(;´_ゝ`)(レモナ……?)



 ―――。

307 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:01:49 ID:Np0aMy8A0
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、  :::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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     y. : : : : : :):y'"~)                 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,                 ノ::⌒:::〜':" : .  y: ⌒ :
.    : : : : : : : : : : :⌒ソ:::::::::::::::::::::r.         ,;;;;;;'';;;;;;;;;;;;;;;;;;'';;;;;;,                     :::::::::::::::::::::,:' :〜 { :
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: : : : : : : : : : : 、.              ,;;;;;, .;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;:;;;,  :-、:: ,.'⌒: : . .,,. - ⌒: : : .y'" . ..,). . : : : 〜 : :
: : :':⌒ : : : : : : . . . ':.             '':;,゙ .;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;  '"  '": : : . . .: : :.:"'y'´. . ... : : : ::: :): : . .r'"~: .: : . . : : : :
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: :  . . : 〜'~ソ: :,. y'                     ;;;;;;;;.;:;;;;;;; ,:' :〜 { : . : : : ::: :): : . .r'"~: .: : . . ''”~: ..、. . : : : : : :
     y. : : : : : :):y'"~)                  .:〜'; :〜''”~: ..、. . : : : : : : . .. :ノ ⌒: : .:ノ ⌒: : . . {,,... : : . :.. . . :  :
.     : : : : : : : : : : :⌒ソ      ,. : -ー'"~"'"⌒ . ... :ノ ⌒: : . . {,,... : : . :.. . . : ⌒: : : .y'"⌒: : : .y'" . ..,). . : : : 〜 : :
.     : : : : : :::.::  ,,..': :y'"~~  :-、:: . ⌒: : . .,,. - ⌒: : : .y'" . ..,). . : : : 〜 : :  ... : : : ::: :):. : : : ::: :): : . .r'"~: .: : . . : : : :
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308 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:03:00 ID:Np0aMy8A0

<(' _';<人ノ「くっ……この期に及んでも……!」

人(´<_`;)「完全に優勢なのに、押し切れんとは……!」

/::::、。 /「……」

<(' _'<人ノ「ですが……今の一合で、何となくカラクリは見えて来ました」

(´<_` )「! 本当か?」

<(' _'<人ノ「祈念流師範代の看板に賭けて」

(´<_` )「……なら、切り札を切る」

<(' _'<人ノ「お願いします。私が仕掛けるのに合わせてください」

(´<_` )(やはり同時攻撃が鍵……だが、同時攻撃自体は今もしている。通った時との違いは何だ?)

/::::、。 /「Ghiaccio...!」

<(' _'<人ノ「……!」

人(´<_` )(思考は捨てる! ここは美和ちゃんに委ねろ……!)

309 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:03:33 ID:Np0aMy8A0
                       ,                          ,
                /'゙       イ/  >''"/       /'゙
    イ/                  // >''"  ,/    ,       >''"/    ,,/
 //     ,,/       ,    +. /  /     /   /'゙      /  /     //
/´    >''"/      /'゙      /       /            />''"    /ィ     /リィ
   ,   ,/               /    >'゛          /´  >ィ         .//+
,' /  / *               /    >'',          ,       //         //ィ゙  > ´
/  /              /  >'' /'゙      /'゙      /ィ          /'゙  /
 > ゛                  ,  > ゛              ,    ´   / +            /   /
'゙            ,      /イ        ,       /'゙     / リ         /  >''゛
         /'゙         >ィ * /'゙              /   /         /> ''
                        //                  /  /                /
   ,             /ィ         ,        / > ´                  /
  /'゙  >ィ                        /'゙       / イ                    /    > ´
    //        >''"/               /゛                    * /   > ´
   /ィ       >''"  ,/                                        / >''"
             /     /                    + /                 / ィ
            /    >'゛ *                    / リ                 /゙
          /    >''                      /   /


<(' _'#<人ノ「今ッ!! はあっ!!!!」

人(´<_` )「白縄自縛、急急――!」

/::::、。 /「無駄……!」



 ―――。

310 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:04:06 ID:Np0aMy8A0

|゚ノ ∀ )「……おん・きりく・ぎゃく・うん・そわか」

(;´_ゝ`)「……?」

|゚ノ ∀ )「おん・きりく・ぎゃく・うん・そわか」

(;´_ゝ`)「レモ……ナ……?」

|゚ノ#^∀^)人「オン・キリク・ギャク・ウン・ソワカ……!」


    \    ./         |            \ 丶          、    、丶`     \
.       \ /       ____              /\           \ `
        /\     ─=ニニニ=──    /              、丶` \
          \/    --+--      \丶    \     、丶`
         /\     │      / . \      丶
            /    |     \丶    、丶`    \
              \  │   / \
            i              /、丶`                            i
  ____i│___          __                         ________!____
   ̄ ̄ ̄ ̄|│ ̄ ̄             ___ ̄                      ̄ ̄ ̄│   ̄ ̄
         !   、ヽ`                                       !
        、ヽ`     /     .\           `~^ '' ‐-    _  / /
      \` \   /     \=彡'                       / …‐-/  __/ _/
.  、丶`  \   ≧=‐-      -‐=彡'                              / 7 =‐-
丶`          /‐-=   i       \/                            /
             /       |         / 丶
          ≧=‐-      |           \
                       !
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311 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:04:40 ID:Np0aMy8A0
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312 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:05:13 ID:Np0aMy8A0

/::::、。 /・:∴「がはっ……!?」

<(' _';<人ノ「なっ……! 今のは……!?」

人(´<_`;)「兄者……なのか?」

<(' _'<人ノ「いえ……」

「おおーい! 準備できたよー!」

(´<_`;)「! 地流さん!」

<(' _'<人ノ「早い! 流石ですね!」

(´<_` )「……今はとにかくヘリへ!」

<(' _'<人ノ「累次くんは先に行ってください。ギリギリまでここを守ります」

(´<_` )「……白虎は置いてくぞ」

<(' _'<人ノ「ありがとうございます、百人力です!」

(´<_` )「君の百人力の基準はよくわからんな……」

<(' _'<人ノ「いいから、早く行ってください!」

(´<_`;)「お、おう」

313 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:05:46 ID:Np0aMy8A0

(´<_`;)「レモナさん! ヘリに乗りますよ!」

|゚ノ ^∀^)「……えっ? あっ、はい!」

(;´_ゝ`)「弟……者……」

(´<_`;)「! 兄者! 意識が戻ったか!」

(;´_ゝ`)「ごめ、背負って……」

(´<_`;)「皆まで言うな! 俺が背負ってってやるからな!」

|゚ノ ^∀^)「私も手伝います!」

(´<_`;)「大丈夫なんで、先にヘリ乗ってください!」

|゚ノ ^∀^)「……わかりました!」

(´<_`;)(何か、雰囲気変わったか……?)

(;´_ゝ`)「……」



 ―――。

314 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:06:20 ID:Np0aMy8A0
          _ .. -=ニ                          _
─────   ヽ   三  ---──────_─r=エユニ「`Yトr七ニ二二¨ _
  ̄  ̄ ̄  ̄   \ 三  ̄  ̄ ̄  ̄           r- ┴'_土ヱユ
              rュ ニr宀、_, ュ__ _      /  ̄     {
 ---───=_≡二辷二孑卉r¬辷r─…¬、_ ̄_三三二二二二二二二二二
    ̄   ̄     └'r仁二二`フ¬、            l,⊥      {Y} |
                  〉      {  _ 丿           l|仁!         |
              |     ;   ヽ   __    l|二|        _」_
       _     _j ___  ⊥ .. _゙v∠[丁ミ`ヽ  ll三」    /  ̄ミヽ
.     〈  Y才テ'ニ、     _ -、      ̄`ニ 「二 - _...⊥ r'⌒vート、
      `ーヘヘ厶_j    「___ ヽ               ̄¨ ‐<ゝニン川厂}
         V  ̄ l7'  ̄~l「 ̄ ¨7i r-、   _             ヘニ∠ー'
            l __ll___ _j!___ ' |||   | fヽ!   r、            l  \
         /´             `r 、二   | | ∥  | |   「l   r、     l   ヽ
           L          / !| |   ',`='j  ゝ   J   | |  「l  !    |
           | \       /   厶'′     「 ̄`ヽ‐-  、_ `′└   l  /
         ',   `┐   r '    /       |         ,ニ、¬‐ 、 -〈
         ゙弋¬ jr  ヽ. __/        r!      l      |:::::!    ヽ‐ヽ
        r辷ユ==T'「.......:::::.:.::::::::::::.:::.:.:.:.:.. ._ ノ    ノ     ヾン      ト }
            `| 「¨ =- :_:::::::::::::::: ̄.:.::_二二 ,ニT「`ー- ニ _    j_イ
            i´ ry⌒!       ̄ T卞二´_::::::::l 7Y `! ̄ ̄::::::::::_ 二l´ h
            | jハ  |          L.リ       ̄| {r! j|¬冖'  ̄   ! リ
            ー' ー'                ー' ー'         `´
        ※注:画像はイメージです、機種はCH-47Jではありません

315 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:06:54 ID:Np0aMy8A0

爪;゚ー゚)ノシ「早く乗ってッ!!」

(´<_`;)「はい!」

|゚ノ;^∀^)「乗ります!」

爪;゚ー゚)「あーもうもどかしい! 離陸前に落されないかヒヤヒヤだよ!」

(´<_`;)「すみません、乗りました!」

|゚ノ;^∀^)「乗りました!」

(;´・_ゝ・`)「同じく!」

爪;゚ー゚)「あとは……美和ー! 切りの良いとこで!」

「はあっ!!」

爪;゚ー゚)「美和! 聴こえないのかい!?」

(´<_`#)「美和! 早く来い!」

「! はいっ!!」

爪゚ー゚)「ヒュゥ……やるねぇ。妬けちゃうよ」

(´<_` )「……お恥ずかしい」

316 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:07:28 ID:Np0aMy8A0

<(' _';<人ノ「お待たせしました!」

爪゚ー゚)「おっしゃ離陸するよ! 盛岡さん手伝いよろしく!」

(;´・_ゝ・`)「が、頑張るよ!」

人(´<_` )「お願いします! 有象無象の攻撃は結界で防ぎます!」

<(' _'<人ノ「あ、私も結界を!」

(;´_ゝ`)(何とか……なりそうか……)

|゚ノ ^∀^)「……よかった……」

(;´_ゝ`)(……レモナ、さっき……真言を……)

爪#゚ー゚)「うおおおおお! 離陸!」

(;´・_ゝ・`)「離陸します!」

人(´<_` )「五行結界!」

<(- _-<人ノ「……祓え給い、清め給え、神ながら守り給い、幸え給え……!」



 ―――。

317 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:08:01 ID:Np0aMy8A0

爪#゚ー゚)「いっけえええぇぇぇぇ!!!!!」














  Case12「海色の声」
  Day8A「プランB」

                          To be continued...

318 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/16(木) 23:08:34 ID:Np0aMy8A0
今回はここまで

319名無しさん:2024/05/16(木) 23:49:04 ID:u1Jl3sLM0
おつです

320名無しさん:2024/05/18(土) 18:43:28 ID:SDptCP620
乙!!

321名無しさん:2024/05/19(日) 12:30:32 ID:NECGhkCU0
おつ!
更新早すぎる嬉しい
弟者の魔術師っぷり凄いな…

322名無しさん:2024/05/19(日) 22:26:23 ID:s8dactDQ0

弟者が援護して兄者が前衛
姉者が占って母者が無双
父者が薄くて妹者が可愛い
流石家って凄いね...

323名無しさん:2024/05/19(日) 22:39:46 ID:ghXmqdYc0
父者は薄いけど包容力凄そう薄いけど
乙乙

324 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:09:32 ID:w8Av3rek0
>>319-320
リ゚▽゚ リ<l「乙ありなん」

>>321
∬´_ゝ`)「ふぅん、地味な方の弟の分際で生意気この上ない」

>>322
l从・∀・ノ!リ人「また髪の話してるのじゃ」

>>323
( ´_ゝ`)「冗談か本気か知らんが上皇陛下の物腰の足元に及ぶことが人生の目標らしいぞ」

325 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:10:39 ID:w8Av3rek0
前回のあらすじ
・なるほど、同時攻撃なら通るかもしれないね
・美和ちゃんが順調に無双してますよ
・あーもうもどかしい! 離陸前に落されないかヒヤヒヤだよ!


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

326 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:11:13 ID:w8Av3rek0
Case12-Day8B
          _ .. -=ニ                          _
─────   ヽ   三  ---──────_─r=エユニ「`Yトr七ニ二二¨ _
  ̄  ̄ ̄  ̄   \ 三  ̄  ̄ ̄  ̄           r- ┴'_土ヱユ
              rュ ニr宀、_, ュ__ _      /  ̄     {
 ---───=_≡二辷二孑卉r¬辷r─…¬、_ ̄_三三二二二二二二二二二
    ̄   ̄     └'r仁二二`フ¬、            l,⊥      {Y} |
                  〉      {  _ 丿           l|仁!         |
              |     ;   ヽ   __    l|二|        _」_
       _     _j ___  ⊥ .. _゙v∠[丁ミ`ヽ  ll三」    /  ̄ミヽ
.     〈  Y才テ'ニ、     _ -、      ̄`ニ 「二 - _...⊥ r'⌒vート、
      `ーヘヘ厶_j    「___ ヽ               ̄¨ ‐<ゝニン川厂}
         V  ̄ l7'  ̄~l「 ̄ ¨7i r-、   _             ヘニ∠ー'
            l __ll___ _j!___ ' |||   | fヽ!   r、            l  \
         /´             `r 、二   | | ∥  | |   「l   r、     l   ヽ
           L          / !| |   ',`='j  ゝ   J   | |  「l  !    |
           | \       /   厶'′     「 ̄`ヽ‐-  、_ `′└   l  /
         ',   `┐   r '    /       |         ,ニ、¬‐ 、 -〈
         ゙弋¬ jr  ヽ. __/        r!      l      |:::::!    ヽ‐ヽ
        r辷ユ==T'「.......:::::.:.::::::::::::.:::.:.:.:.:.. ._ ノ    ノ     ヾン      ト }
            `| 「¨ =- :_:::::::::::::::: ̄.:.::_二二 ,ニT「`ー- ニ _    j_イ
            i´ ry⌒!       ̄ T卞二´_::::::::l 7Y `! ̄ ̄::::::::::_ 二l´ h
            | jハ  |          L.リ       ̄| {r! j|¬冖'  ̄   ! リ
            ー' ー'                ー' ー'         `´

327 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:11:47 ID:w8Av3rek0

爪゚ー゚)「ふぅ……ここまで上昇すれば大丈夫かな?」

(´<_` )「恐らくは」

(;´・_ゝ・`)「いやー、生きた心地がしなかったよ」

<(' _'<人ノ「しかし、困りましたね」

(´<_` )「ああ。あんだけ派手に暴れた以上、欺瞞工作もどこまで効果があるか」

爪゚ー゚)「……ちなみに、発つ前からわかってた悪い報せがあるんだけど」

<(' _'<人ノ「何ですか……?」

爪;゚ー゚)「燃料、あんまりない」

(;´・_ゝ・`)「ええっ!?」

(´<_`;)「それは……」

<(' _'<人ノ「むぅ……となると、どこに向かいましょう?」

(´<_` )「……難しいな。逃げ隠れるならB地区かD地区が良いとは思うが」

爪゚ー゚)「山に戻る、ってのもアリかもね。B地区やD地区じゃ、そもそもヘリを隠す余地がない」

(´・_ゝ・`)「確かに……普通に目撃されそうだ」

328 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:12:20 ID:w8Av3rek0

(´<_` )「それを言うと……山だってB地区上空通過したら普通にバレるから駄目な気が」

<(' _'<人ノ「八方塞がり、ですね……」

(´・_ゝ・`)「……山まで逃げて、船で移動するのはどうだろう?」

爪゚ー゚)「ありっちゃありかも。付近を張り込みされてなければ、という注釈が着くけど」

(´<_` )「張り込みは……ない気がしますね。船が見つかってれば張り込みじゃなくて接収されてそうです」

<(' _'<人ノ「確かに。船さえなければ袋の鼠ですからね、わざわざ張り込んだりはしないかもしれません」

(´<_` )「船があることに賭けて山行き、は一考の余地ありか」

爪゚ー゚)「……まあ、話しながらもう山に向かってるよ。山まで行けるか結構ギリギリなんだ、燃料」

(´・_ゝ・`)「選択の余地なしかぁ……僕の意見で決まるのはプレッシャー感じちゃうね」

(´<_` )「いや、たぶん本当に選択の余地ないですよ。少なくとも数分で思い浮かぶ気はしない」

<(' _'<人ノ「はい。……真理男くんなら何か思いついたんでしょうか?」

爪゚ー゚)「や、無理でしょ。もうちょい燃料に余裕あればともかく」

(  _ゝ )

|゚ノ ^∀^)「アニジャさん……」

329 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:12:53 ID:w8Av3rek0

(´・_ゝ・`)「しかし地流さん、ヘリの操縦なんてどこで覚えたんだい?」

爪゚ー゚)「ハワイで親父にね……」

(´<_` )「これは嘘松」

爪゚ー゚)「だいたいあってるんだよなあ。父親がヘリパイでね、今はハワイのスクールで教官やってるんだ」

(´・_ゝ・`)「へぇー、凄い」

(´<_` )「マジですか」

<(' _'<人ノ「本当だと思いますよ? 昔、両親が自分を置いてハワイに移住したって愚痴ってましたから」

爪゚ー゚)「当時学生だったからねぇ、東京で一人暮らししてたとはいえ不安になったもんさ」

(´<_` )「それは……確かにそうでしょうね」

<(' _'<人ノ「私は未だに実家暮らしなので、どういう気持ちになるのか想像できません」

爪゚ー゚)「まあ美和は一生実家暮らしでしょ、弟君は入り婿になりそうだし」

(´<_` )「何を根拠に……」

<(' _'*<人ノ「む、婿……!」

爪゚ー゚)「だって君、伊佐神社の伝統を捨てろとは言えないでしょ」

(´<_` )「む……それは……」

330 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:13:27 ID:w8Av3rek0

爪゚ー゚)「伊佐はそうやって家伝を繋いで来たんだから。美和が一人娘じゃなきゃ話は違ったんだけど」

(´<_` )「……なるほど」

<(' _'<人ノ「……別に、累次君が捨てろと言うなら捨てても構いませんよ?」

(´<_` )「馬鹿言っちゃいけない。その歴史の価値を、偉大さを、知らんとは言わせんぞ」

<(' _'<人ノ「それでも、です。累次くんと比べられるものではありません」

爪゚ー゚)「あーあっついあっつい。よそでやってよ」

(´<_` )「あんたが振ったんだが……」

<(' _'<人ノ「そうです。何ですかその言い草は?」

爪゚ー゚)「何って、嫉妬かな? 弟君ばっかりズルい! 僕だって美和にヴェルタースオリジナル宣言されたい!」

<(' _'<人ノ「ヴェルタ……?」

(´・_ゝ・`)「おやおや、三角関係かな?」

(´<_` )(マジでそうなんで、やめてください)

爪゚ー゚)「まさに三角関係だよ。ああ、僕はこんなにも美和のことを愛しているのに……!」

<(' _'<人ノ「ふふ、ありがとうございます。あなたは大切な友人です」

(´<_` )「よかったですね」

331 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:14:01 ID:w8Av3rek0

爪゚ー゚)「ふぅん、煽りよる……」

(´<_` )「あなたのような見境のない獣には渡しませんよ」

爪゚ー゚)「見境はあるよ? ちゃんと選り好みしてる」

(´<_` )「猶更悪いわ」

爪゚ー゚)「どうやら決着を着けなければいけないようだね……ベッドで」

<(' _'<人ノ「ん? 今何て?」

(´<_` )「そういうところだぞ」

(´・_ゝ・`)「んん?? 四角……いや、二重三角……??」

爪゚ー゚)「……ふっ、まあいい。今は二人の営みに乱入する計画を考えておくに留めよう」

(´<_` )「ふざけんな」

<(' _'<人ノ「営み……営み……ッ!?」

<(' _'*<人ノ

(´・_ゝ・`)「はっはっは、これは愉快」

(´<_` )「他人事だと思って笑わないでください……」

332 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:14:34 ID:w8Av3rek0

(  _ゝ )

(´<_` )「■■■■■■■■」

爪゚ー゚)「■■■■■■■■■■■■■」

<(' _'<人ノ「■■■■■?」

爪゚ー゚)「■■」

<(' _'<人ノ「■■■■■■■■■■?」

爪゚ー゚)「■■■■■■」

(´・_ゝ・`)「■■■■」

(  _ゝ )(みんな……無事、なのか……)

|゚ノ ^∀^)「■■■■■■?」

(  _ゝ )(だが、プランB……生きる、路は……)

<(' _'<人ノ「……■■■■■■■■」

爪*゚ー゚)「■■■■■」

(  _ゝ )(……意識……が……)



 ―――。

333 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:15:24 ID:w8Av3rek0
―――━━―――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______―――――____ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____ ̄ ̄ ̄ ̄―━━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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――――― ̄ ̄___ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄____  ――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
______―――━━――― ̄ ̄ ̄ ̄  ....|丶  __ ̄___ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____―━━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄____
―――━━―――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ . !  |ヽ  | |....―――――____ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____ ̄ ̄ ̄ ̄―━━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
______――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_   /|  | | ヽ.....━― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____――― ̄ ̄ ̄ ̄__
――――― ̄ ̄  ....i..  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ . / .|   ヽ. ――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄______ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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――――― ̄  .. ̄ ̄ ̄\ |   / /  __  ――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      ___ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_____――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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334 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:15:58 ID:w8Av3rek0














 (  _ゝ )













.

335 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:17:01 ID:w8Av3rek0
【???】
: : : : : : : : :ニ‐ ._     \
: r- _ : : : : : : : ニ- _     \
: |: : :.::|¨| __: : : : : : : ニ- _   \
: |: : :.::| :|:|.:´"''i..,_ : : : : : :ニ- _   \            γ´ ̄ ̄ `丶
: |: : :.::| :|:| : :::::|:.::´"i- __ : : : ニ- _   \          ゝ  _  ノ
: |: : :.::| :|:| : :::::|: : :.::|: :.::|:|´'ir ._ : : :ニ- _ \                            /
: |: : :.::| :|:| : :::::|: : :.::|: :.::|:|: :l|: :| |┬ __: :.ニ─i──────ーーーーー‐|二二二二二二二二二二
叩口пi|:|┐::::|┌-i|: :.::|:|:: l|: :| |::| |:| ||`i | |:|¨¨¨| |¨¨¨| |¨¨¨| |~二二~|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。
干ヨTナ¬十モE宇ユュ_:」」__||_::| |::| |:| || :| | |:|: : : | |: : : | |: : : |[ ̄|::i|::|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。
小い|:|-匝i|區]}⌒Ⅵ平丁└[||_h口n.|[]|:|┌冖┐┌冖┐┌::::|: | |::i|::|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。
ii|》}}[|:|丁|:||} }}乂_,ノハ,厂|㎜h|||j乢L]ロ|囲ミ|襾襾|:|而而|:|而而|: | |::i|::|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。
水尖士|::|:|リ 庁:川:|]::匚|川|jリ|i:i:|「「L]」」jj||_,||_,||:|||匝]|:|「「|||||: | |::i|::|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。
小Ⅵi:|::|/∠44⇒⇔-‐|テ赱孛求斈弔仄「正]「|:|而而|:|而而|: | |::i|::|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。
玉正不|∠二..Eュj炸=-:|{巛:リ《(|::Ⅶi:l幺斗乎刋:||||||||||:||||||||||: | |::i|::|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。
亥^「「|::|//ニ|| |囲{{_|}ニ}|襾}}巛リ|]]|i|::|: ┌|三三三三三三三 |: | |::i|::|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。
ノ癶|:|:[//厄i|| |囲{{[|}三:|凵リ[)〉::|::: ノ_jニ-  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄匚三|::i|::|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。
ん{(|:|//「「引| |囲 リ‐:::::|::::::::::::::::|ニ- : : : : : : : : : . . .     └┘[三三|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。
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336 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:17:35 ID:w8Av3rek0

( ´_ゝ`)「……えっ?」

*(‘‘)*「ようこそ、流石探偵」

( ´_ゝ`)「えっ?」

*(‘‘)*「突然の招待、失礼しました」

(;´_ゝ`)「……もしかして、死んだのか? 俺」

*(‘‘)*「いえ、幸いにも命に別状はないでしょう」

( ´_ゝ`)「ほっ。じゃあ、一体……?」

*(‘‘)*「危急の状況のようでしたので」

( ´_ゝ`)「それは……よく知ってるな」

*(‘‘)*「神はいつもあなたを見守っています」

( ´_ゝ`)「うわぁ……」

*(‘‘)*「うわぁとは何ですうわぁとは」

( ´_ゝ`)「だってさぁ。逆に聞くけど「先程は快便でしたね」って俺に言われたらどう思う?」

*(‘‘)*「は?? 神を愚かな人類と一緒にしないで頂けますか?」

( ´_ゝ`)「あっはい」

337 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:18:09 ID:w8Av3rek0

*(‘‘)*「……ごほん。それはそれとして」

( ´_ゝ`)「もしかして、何か助けてくれるってことで良いのか?」

*(‘‘)*「その通りです。この幸運を神に感謝し咽び泣きなさい」

( ´_ゝ`)「……」

( ;_ゝ;)「ウッ……よかった! 本当によかった! ……グスッ。神様ありがとー!!」

*(;‘‘)*「えっ、えええええっ!?」

( ´_ゝ`)「どうした? 何か問題でも?」

*(#‘‘)*「こ、こいつ……!」

( ´_ゝ`)「ざっくばらんで良いぞ。愚かな人類相手に慇懃でいる必要もなかろうよ」

*(‘‘)*「……はぁ。はいはい、それじゃあご期待に応えて」

( ´_ゝ`)「助かる。腹の探り合いとかする気分じゃねぇ」

*(‘‘)*「何か勘違いしているみたいだけど、探り合いなんかできないよ? こっちは全部わかってるんだから」

( ´_ゝ`)「ふむ……そうか。それならそれでも良い」

*(‘‘)*「素直でよろしい。で、本題に入るんだけど」

338 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:18:41 ID:w8Av3rek0

( ´_ゝ`)「知っての通り、ぶっちゃけ詰んでいる」

*(‘‘)*「このままじゃ確実に全滅だね」

( ´_ゝ`)「……何とかなります?」

*(‘‘)*「ふっふっふ、そのために私が来た!」

( ´_ゝ`)「来たのは俺だけどな。それで、どういうプランなんだ?」

*(‘‘)*「知りたい? 知りたい? えーどうしようかなぁー?」

( ´_ゝ`)「ざっくばらんにとは言ったがメスガキムーヴはやめてほしい」

*(‘‘)*「そう?」

( ´_ゝ`)「そうだ」

*(‘‘)*「……ま、そんなに難しい話じゃないよ。今、何が一番困ってる?」

( ´_ゝ`)「異界からの脱出、だな。任意のタイミングで道を開く方法はサーバーにあったが、素人の俺らには行使不可能だ」

*(‘‘)*「うんうん、そうだよね」

( ´_ゝ`)「……もしかして、今から魔術教室が始まる?」

*(‘‘)*「えっ? もしかしてトレーニングすれば使えると思ってる? 自信過剰?」

339 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:19:15 ID:w8Av3rek0

( ´_ゝ`)「……無理なのか」

*(‘‘)*「そりゃそうでしょ」

( ´_ゝ`)「ってことは……そういうことか」

*(‘‘)*「うん、そういうことだけど」

( ´_ゝ`)「……それって、アリなのか?」

*(‘‘)*「もちろん。……たぶん、恐らく、メイビー」

( ´_ゝ`)「えぇ……良いのかよ?」

*(‘‘)*「……ま、天罰食らうほどのことじゃない……筈。きっと」

( ´_ゝ`)「どうして俺らのためにそこまで」

*(‘‘)*「は? あんたらのためじゃないから。わかってて言ってるでしょ?」

( ´_ゝ`)「……ミノリちゃんは実に良い姉貴分を持ったらしい」

*(‘‘)*「でしょでしょー? あのピエロも姉扱いなのは思う所あるけど……」

( ´_ゝ`)(たぶん教授はあんたもピエロ扱いしてたと思うぞ)

*(‘‘)*「何そのニヤケ顔? 舐めてんの?」

340 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:19:49 ID:w8Av3rek0

( ´_ゝ`)ノシ「いやいやいや、そんなそんな」

*(‘‘)*「あー! 絶対馬鹿にしてるでしょ!? 助けるのやめても良いんだけど!?」

( ´_ゝ`)「マジでごめんなさい何でもします焼き土下座でもいいです」

*(‘‘)*「……ふぅーん? 今何でもするって言った?」

( ´_ゝ`)「……ぶっちゃけ、現在の危機を脱せるなら入信してもいいぞ」

*(‘‘)*「ふっ、その言葉が聞きたかった」

( ´_ゝ`)「だろうな」

*(‘‘)*「でも、お情け入信みたいなのはいりませーん! せいぜい有難味を積み上げなさい」

( ´_ゝ`)「ありがてえ、ありがてえ……!」

*(‘‘)*「ふっふっふ。神は偉大なり」

( ´_ゝ`)「少なくとも八百万の神の中で特別な存在にはなってきた」

*(‘‘)*「称えよ! 崇めよ! その名は――!」

( ´_ゝ`)「あっ、それはちょっと待って。その名には自分で辿り着くべき。そうだろう?」

*(‘‘)*「……ま、そうだね。どうせなら? せっかくだから?」

341 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:20:34 ID:w8Av3rek0

( ´_ゝ`)「……感謝してるのは本当だぞ。神様にも、あんたにもだ」

*(‘‘)*「私はただの使いっぱしりだし、全部神様にツケといて」

( ´_ゝ`)「ミノリちゃんのことでの感謝も、ツケていいのか?」

*(‘‘)*「……それは、私に」

( ´_ゝ`)「だよな。違ったら色々考え直さにゃならんかった」

*(‘‘)*「? それはどういう――」

( ´_ゝ`)「全部わかってんじゃなかったのかよ?」

*(‘‘)*「私、神じゃないし? わかってるのは今の状況だけだし?」

( ´_ゝ`)「なるほど、大体わかった」

*(‘‘)*「……何だろう、やっぱ普通の人間ではないよね。可哀想に」

( ´_ゝ`)「そうか?」

*(‘‘)*「そうだよ。ま、せいぜい調子に乗って破滅しないように」

( ´_ゝ`)「ご忠告痛み入る」

*(‘‘)*「だから……この場は任せて貰うよ?」



 ―――。

342 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:21:33 ID:w8Av3rek0
【鮫島? 上空】
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   _ ::   ::   ::/   `\ ::   ::   ::   ::   ::   ::   ::   :: 。 ::   ::   ::   ::
     `ヽ  :  : /         :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :
      ::  ー-、  :       l :  :  :  :   :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :
     ::::..    :) :  :     /  :  :  :  :   :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :  :
      ::::::::.... (     ー一  :   :   :   :   :   :   :   :   :   :   :   :   :   :
      ::::::::   Y⌒ヽ :   :   :   :   :   :   :   :   :   :   :   :   :   :   :
   ::      .:.:ノ   '⌒ ┐
   ::::::           .::ノ                                    r‐- 、
   ::::::::::::::         く                                 ノ   y '⌒)
                 Y⌒ ー- .._                   _,. -r'⌒   ::..     ( _
           ..::::::          r'⌒              __ ノ:.:.     :::::::::....     `y^ー-.、_
         ......:::::::::::::            ノ                   ̄ へ    ::::::::       ノ  ..:::ノ⌒

343 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:22:06 ID:w8Av3rek0

(  _ゝ )「ウッ.....」

|゚ノ ^∀^)「! 皆さん、アニジャさんが!」

(;´_ゝ`)「……弟、者」

(´<_`;)「兄者!」

(;´_ゝ`)「船、に……」

(´<_`;)「船? 今向かってるとこだ」

(;´_ゝ`)「岩礁の先から、脱出……問題、ない……」

(´<_`;)「何? まさかあれを使えると?」

(;´_ゝ`)「違う、が……問題、ない……」

(´<_`;)「……わかった。なら、信じるぞ」

(;´_ゝ`)「ああ……」


( -_ゝ-)


|゚ノ ^∀^)「……寝ちゃいました」

344 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:22:40 ID:w8Av3rek0

爪゚ー゚)「ま、ジッサイ他のプランも思いつかないし……」

<(' _'<人ノ「あれとは何ですか?」

(´<_` )「『星辰を揃える』魔術。サーバーの中に詳細があった」

(´・_ゝ・`)「それって」

爪゚ー゚)「強制的に外との道を開けられるはず……なんだけど」

(´<_` )「膨大な魔力が必要な上に、術が難解すぎます」

爪゚ー゚)「全員の魔力をかき集めても足りるか怪しいし、とてもアドリブで使える代物じゃない」

<(' _'<人ノ「むぅ……それは……」

(;´・_ゝ・`)「えぇ? じゃあどうするんだい?」

(´<_` )「わかりません。ですが、俺は兄者を信じます」

爪゚ー゚)「選択の余地ないからね。まあ、万が一もっと良いプランが浮かんだら信じるのやめるけど」

<(' _'<人ノ「ふむ、そうですね。到着まで考えて何も浮かばないなら、止む無しですか」

(;´・_ゝ・`)「ふ、不安だ……」

|゚ノ;^∀^)「不安ですね……」

345 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:23:14 ID:w8Av3rek0

(´<_` )「……飯でも食いますか。操縦中の地流さんには悪いですが」

爪゚ー゚)「ん? 気にしないでいいよ。ちょっと糖分だけ欲しいけど……盛岡さん、助手として食べさせてくれるかい?」

(´・_ゝ・`)「えっ? いやまあ、良いけど……」

(´<_` )(……まさかこの期に盛岡さんにまで粉かける気じゃないだろうな?)

<(' _'<人ノ「そうですね、今のうちに食べておくのが良いと思います」

爪゚ー゚)「うん、着いた途端大歓迎状態かもしれないし。最後の晩餐的な?」

(´<_` )「縁起でもないですよ」

<(' _'<人ノ「辞世の句を詠むにはまだ早いです」

爪゚ー゚)「カイシャク……いや何でもない」

(´<_` )(ニンスレ……)

<(' _'<人ノ「?」

(´<_` )「ところで、火は使わない方がいいですよね?」

爪゚ー゚)「んー……一応、やめといて貰った方が無難かな?」

<(' _'<人ノ「そうなると、食べられるものも限られてきますね」

346 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:23:48 ID:w8Av3rek0

(´<_` )「お湯も人数分はないしな……いやまあ、水混ぜてぬるま湯にしてもカレーいけるか?」

|゚ノ ^∀^)「カレー!」

(´・_ゝ・`)「ん……? カレーを知ってるのかい?」

|゚ノ ^∀^)「あ、えと……おいしそうな名前です」

爪゚ー゚)「うまいよ」

(´<_` )「とはいえ時間もないですしね。カロリーバーとか燻製しといた魚が無難か」

<(' _'<人ノ「カレールーも一人分くらい溶かせるのでは? レモナさんにはそれを」

爪゚ー゚)「まあ、あれこそ人類の叡智が詰まった味だからね。レモナに体験して貰うのは良いと思う」

(´<_` )「じゃあ用意しますよ」

(´・_ゝ・`)「僕は燻製でいいよ。地流さんにはお菓子とかがいいかな?

<(' _'<人ノ「わかりました、渡すのでちょっと待ってくださいね」



 ―――。

347 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:24:21 ID:w8Av3rek0
              _,,,-==ニ三二ニ==- 、
         _,,;;-='.:´.:.:.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:`"'=- 、
       ,,;;;'´ ミヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:`"'-、
     /ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_,,,,,,...........,,,,,,,,,,_:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:\
   ./ヾ:;:;:;:;:;:;:;:;, -='"´: : : : : : : : : : : : : : : `"'=- 、:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:\
   /ミヾ:;:;:;:;:;/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ:;:;:;:;:;;:;ヽ:::::ハ
  ./ミヽ:;:;:;:;/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .\:;:;:;:;.ヽ::,ハ
 /ミミヽ:;:;/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ:;:;:;:;i::::::ハ
 i三ミ:;:;/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ:;:;:;:i;.:.:.:.|
 ,iミヽ∥: : : : : : : : : : : : : : : : ,ヘ ヘ   .: : : : : : : : :: : : : :: : .i:;:;/.:.:. i
 ゝ⌒ヽ: : : : : : : : : : : : : : <ヽ く"ヽ /ヽ: : : : : : : : : : : : : : ./.:.:.:.:∥      __
 .`iヽ=-ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ./.:.:.:.:.:/     ./  `ヽ
  ヽ.:`ヽ .\: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /.:.:.:.:.:/       /   /
   ヽ.:.:`ヽ、` 、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : _,,-'"´.:.:.:.:.:.:/       /  /
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                                i    .//
                                ヽ、_,,,/

348 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:24:55 ID:w8Av3rek0

|゚ノ ;∀;)「……!」

(´<_`;)「な、泣くほどうまいのか……こんな適当カレーが」

爪゚ー゚)「前世ぶりのカレーだろうからね、仕方ないね」

(´・_ゝ・`)「地流さん、口開けて」

爪゚ー゚)「はいはい」

<(' _'<人ノ「モグ……おいしいですね、燻製」

(´<_` )「モグ……流石はプロの技だ」

(´・_ゝ・`)「いや趣味だからね? 確かに最近はうちの宿で売ってるけど」

爪゚ー゚)「じゃあプロであってるじゃないか。うーん、やっぱり僕も少しだけ貰おうかな?」

(´<_` )「操縦に支障ないならどうぞ」

爪゚ー゚)「盛岡さん、ちょっとだけ」

(´・_ゝ・`)「はいはい、今千切るから」

(´<_` )(やっぱ食べるって大事だな……一気に落ち着いた気がする)

|゚ノ ;∀;)「グスッ……」

349 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:25:29 ID:w8Av3rek0
【鮫島? 山】
                                 ..,,;;
                          ___      ''゙゙""ヾ.,
                        / ̄/i:i:i\       ''';;
                       /  ノi:i:i:i:i:i:i\    ..__..,;゙゙   ,,.;;;::、__,,....
                     /   ノ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:`,,、___ ..,.,::;;;,,,,
       .......,,,,        ...::::;;;;;''""""''::;;;,,,,,..:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:;.;;..;;   ゙゙ヾ,,,,..,
     ,,;;;""" """::;,,,,   __/,,,;:::"""''゙゙/i:i:i:i:i:i:i:i:i::i:i:...;;""
,,..;;'';;''"";;;;,        '''';;,,,,,,:::"""/ ノi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ソ,,
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ノ :::::::::::::\;;;;:,,,..;;;;""/  /i:i:i:i::  /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i....ノ....,.,...,,;;;:::::    ::,,,:::;''"゙   iil|||
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__,ィ´ ̄ :::::::::::::::::::::\__ノ:i:i:i:i:i:i:ノi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:''゙゙゙""" ノ  /:i:i:i:i:i:i:ノ  /:i:i:i:i:ノkkk;
^、ノ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/,.,,... /i:i:i:i:i:i:i∧ /i:i:i:i:/kkkkk;
∧ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\i:i:i:i:i:i:;;;:'''゙゙゙ ""ヾ:""゙゙ ...,,ゞ\i:i:i:i://:i:i:i:i/kkkkkkkノ
爻ヾ∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..;;;;'''""..:::;;;:;...,,;;''' 〜'""::::::::::::::::::/ ̄kkkkkk ∧kkkk
ハハ从'从∧::::∧::::::::::::::::::::::::::::,,;.;.'' ;;;;;''":::::::::::::::::::::::::::::::::::__/kkkkkkkkkノノヾ从ノノ;
ノノゞゞ"ヾハ∧从∧:::::::::::::::::::::::''''""::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/kkkkkkkkkk∧kk,',,彡ミ彡爻',
〃゙ゞ∧ノノ',ゞ从゙ゞソ∧,,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__ノ¨kkkkkkkk,,∧从从゙ゞ;:;"ゞ,,ソゞ从
∧゙ミ爻彡从爻"ハハ彡ゞ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.ノkkkkk∧kk∧ミ从ミゞ',从リ冫';',彡ンゞ,
爻Y;'ハリ从ソゞミハ∧ゞ゙ヽ ̄ ̄) 冫 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄从;爻゙ヾ,,∧゙ヾ彡,,"彡ゞ,,∧ゞ;,゙ヾ"
iiiiソヾii彡Y;;ミソハ人爻,;'ゞ',,../  (_        从ゞ从,,У,ヾ::爻::;人ン;爻ハハノ爻ゞ;
||||||||||ゞ八;;";;}iiiiiゞ从ハゞミ';, __  ̄ ̄¨三二ニ=┤ノノソハ,;;"爻ンiiiiiiソiiiii',ハヾソiiiiii
,,.゜。::: ,"・。;, ,…,¨;;゙ヾ:・ゞ三 ̄  ̄=三 _  _ー`ヽニ"''__ノiiiiiii;|||||||||,,。・ :,;;‥ ,:;.
: ;・' ,¨:,,:;、;;゚;・:''=="¨ニ  ─  =_  ─-    __ニ三三 =‥"ヾ,,。ヾ、 ,,::':
¨¨二  ̄¨ニニ''"  ___  ── ニ__   ── ─  __─ ニ゙"¨゚`ゞ,,,.:・。
ニ_三 一ニ  三 ̄     ____   ─____  二─   ─__ ̄ ̄二¨¨"
__ ─      ___  ‐──  -─‐──   _   _─    ̄ ̄_____

350 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:26:02 ID:w8Av3rek0

爪゚ー゚)「よーしよし、何とか燃料もったね」

(;´・_ゝ・`)「メーター見ててヒヤヒヤしたよ」

<(' _'<人ノ「累次くん、着きましたよ」

(´<_- )「むっ……」

爪゚ー゚)「膝枕でぐっすりとは良いご身分だね」

(´<_` )「むぅ……何も言い返せん」

(´・_ゝ・`)「いやそこは言い返しなよ、戦略的仮眠なんだから」

<(' _'<人ノ「そうですよ、累次くんが謝る必要はないです」

(´<_` )「そうか?」

爪゚ー゚)「そうだよ。ただの軽妙なジョークだったんだけど」

(´・_ゝ・`)「軽妙とか自分で言っちゃうんだ」

(´<_` )「……まあ本人が良いって言うならほっとくか」

爪゚ー゚)「うむ、それでよし」

(´・_ゝ・`)「それじゃあ、さっさと降りる準備しようか」

351 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:26:36 ID:w8Av3rek0

(´<_` )「白虎、兄者を」

( -_ゝ-)

<(' _'<人ノ「……正直、真理男くんがここまでやられるほどの実力差はなかったと思いますが……」

爪゚ー゚)「精神コマンド"捨て身"かけて突っ込んだのがよくなかったんだろうね」

(´<_` )「とはいえ、あそこで手間取っていたら囲まれてたでしょうし……難しいですね」

<(' _'<人ノ「……認識できない二本の腕、なんですよ。たぶん」

爪゚ー゚)「それは……納得はできるね。結果論だけど、意識外の攻撃は通っていたように思う」

(´<_` )「ですね……。朱雀のヘナチョコ攻撃が通った時点で気付くべきでした」

<(' _'<人ノ「……戦闘中に気付くのはなかなか難しいことです。戦い慣れていなければ猶更」

(´<_` )「まあ、生きてただけよかったと思うしかないな」

爪゚ー゚)「だね。ぶっちゃけ死にましたねぇと思って血の気引いた」

<(' _'<人ノ「無事でよかったのは確かです」

(´・_ゝ・`)(とはいえ、やっぱり彼が引っ張ってくれないと心細いなあ……)



 ―――。

352 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:27:10 ID:w8Av3rek0

【漁船】
              l=ニ二三γ了三ニ=l    , ', ' ,'| ::| ', ' ,
                     `]」_      ,.'  ,' | ::|  ',  ' ,
                 n   /丁l/ -‐ ' 4    ,' _| ::|  ',   ' ,
                 ||   `丁|    , ' 」|   ,' |::!  |{,     ' ,
              ,┌='_ニ二二三三 , '三三二ニ=ュ|::!  || ',     ' ,
                |/`エ,Τ_丁_丁_丁_丁_丁_丁Τエ|::!  || ',     ' ,
              /lニ二二二三三三三三三三三二二| ::| z TlΤ ̄Τ ̄ΤT、
               レ|| _.Z]ニ冖ニ冖ニ冖ニ冖ニ冖ニ冖ニ[`|_Z. -┴┴―┴―┴ ' - .._
             「| ̄ ̄ ̄ ̄ , '  ̄ ̄ ̄ -‐  '''"´           , 、       /
             |l| 囗  ロ ' -‐ '''"´           rャ  rゃ  ー' rゃ rャ/
             |,|    ,.'´      _ -‐  ´                /
             |l| ,.'´  _  -‐                           /
             Z  zァ              _                 /_
           r/   /'              ∨r 、          ,/∨
           「   /                 ∨_|        ,/∨
           |  l| /         、         ∨          /∨
===== = ‐ l、 /                             /―――――――――――――‐
            ` ‐- _                      / ‐-         -‐
                  ‐- _:::::::::::::::::::::::::::....................................l′       -‐
                     ‐- _::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|     ̄
                         ‐- _-―-―ー―-┘ 〜  _
                               ‐- _   -‐

353 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:27:44 ID:w8Av3rek0

(´・_ゝ・`)「漁船かくにん! よかった」

(´<_` )「おっし、第一関門クリア」

爪゚ー゚)「船なかったら流石に死に方を考えるフェーズに入ったよね」

<(' _'<人ノ「良い流れですね。まだ死にたくはないですし」

爪゚ー゚)「僕も美和の子供を抱くまでは死ねないよ」

<(' _'*<人ノ「こどっ……!」

(´<_` )「指一本触れさせたくないですね」

爪゚ー゚)「えっ。流石の僕でもそこにやましい気持ちはないんだけど?」

(´<_` )「いつ何時生えてくるかわかったもんじゃないです」

(´・_ゝ・`)「うーん……ちょっと擁護できないかなあ」

爪゚ー゚)「盛岡さんまで」

|゚ノ ^∀^)「アバズレ、です」

爪゚ー゚)「……なんだろう、レモナに言われると神妙な気持ちになる」

(´<_` )「そのまま神妙にお縄についてください」

354 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:28:18 ID:w8Av3rek0

爪゚ー゚)「えぇー……やっぱ自分で自分を逮捕しなきゃ駄目?」

(´<_` )「逮捕……できるんでしたっけ? 今のところ罪状がないんじゃ?」

爪゚ー゚)「まだないね。一応気を付けてるし?」

<(' _'<人ノ「本当に、気を付けてくださいね?」

爪゚ー゚)「もちろんさ。これでも警察官だからね」

(´<_` )「地流さんが神奈川県警じゃなくてよかったですよ」

<(' _'<人ノ「モラルというのは、容易に汚染されていきますからね」

(´・_ゝ・`)「……よし、出航いけるよ!」

爪゚ー゚)「流石プロ、早い」

(´<_` )「出してください、とりあえず岩礁まで」

(´・_ゝ・`)「オーケー!」

<(' _'<人ノ「甲板に出ます。敵が立ちふさがれば切り捨てますので」

(´<_` )「一人で行くなよ、何かあれば結界張る」

爪゚ー゚)「で、僕が探知と。チーム力発揮してくよ!」



 ―――。

355 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:28:51 ID:w8Av3rek0
【鮫島? 岩礁】
                                            _,.. --―==´ ̄ ̄\
                                  __,,<  ̄ ̄         ,,<    ̄>、
                                 ,,<         \    ̄   ̄       / /
                                 ,,´ /    ̄ ̄    ̄    ̄ ̄    ̄\//  .!
                               /  ̄   ー -:.._    _  __   _/∨l∧ヘ|             / ̄
,.ィヽ                         ,,<__        -    __,,<三二 ̄/  /.∧∧/              l
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 戈   ∧.        ,.< ̄         /      ̄ ̄ ̄      /_/\_ ,ィ´  ̄ \ _∧               /   // l
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三≧ー ー`',゚゙´ ̄ `¨゚゙´  ̄ ̄,ィ≧≦゚ ` ̄ー,' ̄ ̄`¨ヾ´ ̄ ̄ ̄ヾ`≦二 ― .三/      -    ―       ー /  /
        ` ー __ 不      ヽ      ー戈 > 、  > 、   `戈  ̄ >-―=== ー   、_ /  ∧   /
 ̄  _ -  _          ヽ、    ー       ヾ   `< -==≡==≦三   ≧== ―-- 、     '`゚ー=<,.≦__
´`ヽ、    -==≡≦ ≧=- 、     ̄    ̄ ヽ 、 ヽ、_  >=-―- ー 、            `ー  -   __
   戈_  -==  ー 、   _, -― - 、_       弌≧=  ー-― ー  、  ̄ ー-  -――― - 、_  __
三≧=―- 、_   _   ̄   > 、     `ヽ `ー 、  _ ―- 、__              ̄ `ー-  - 、__

356 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:29:24 ID:w8Av3rek0

(´・_ゝ・`)「見えた! 岩礁!」

爪゚ー゚)「追手は……たぶんなし!」

<(' _'<人ノ「順調ですね」

(´<_` )「ああ、怖いくらいにな」

|゚ノ ^∀^)「……」

<(' _'<人ノ「? どうしました?」

|゚ノ ^∀^)「……いえ、なんでも」

爪;゚ー゚)ゾクッ!

爪;゚ー゚)「何だい、この感じ?」

<(' _';<人ノ「これは……風が……!?」

(;´・_ゝ・`)「きゅ、急に時化てきたよ!?」

(´<_`;)「扉が開いた、のか……?」

爪;゚ー゚)「盛岡さん! 全速前進!」

(;´・_ゝ・`)「わかった!」

357 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:29:57 ID:w8Av3rek0
              l=ニ二三γ了三ニ=l    , ', ' ,'| ::| ', ' ,
                     `]」_      ,.'  ,' | ::|  ',  ' ,
                 n   /丁l/ -‐ ' 4    ,' _| ::|  ',   ' ,
                 ||   `丁|    , ' 」|   ,' |::!  |{,     ' ,
              ,┌='_ニ二二三三 , '三三二ニ=ュ|::!  || ',     ' ,
                |/`エ,Τ_丁_丁_丁_丁_丁_丁Τエ|::!  || ',     ' ,
              /lニ二二二三三三三三三三三二二| ::| z TlΤ ̄Τ ̄ΤT、
               レ|| _.Z]ニ冖ニ冖ニ冖ニ冖ニ冖ニ冖ニ[`|_Z. -┴┴―┴―┴ ' - .._
             「| ̄ ̄ ̄ ̄ , '  ̄ ̄ ̄ -‐  '''"´           , 、       /
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           「   /                 ∨_|        ,/∨
           |  l| /         、         ∨          /∨
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                               ‐- _   -‐

358 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:30:30 ID:w8Av3rek0

(;´・_ゝ・`)「そろそろ差し掛かるよ!」

|゚ノ;^∀^)「わわっ!?」

<(' _'<人ノ「よっと、大丈夫ですか?」

(´<_` )「揺れがきちぃ。白虎、兄者が人間ピンボールにならんように頼むぞ」

爪゚ー゚)「これだけ揺れてよく転覆しないもんだね」

(;´・_ゝ・`)「転覆したらごめん!」

(´<_`;)「いや、そこまでの状況なら風天切りますけど?」

爪゚ー゚)「まだまだ余裕ありそうだよ? 流石は元漁師」

(;´・_ゝ・`)「余裕とかないから! でも切り札はまだ取っといて!」

(´<_` )(まあ、以前は喋れないくらいだったしな……実際余力はありそう)

爪゚ー゚)「いやあ、盛岡さんが既婚者なのが実に残念だ」

<(' _'<人ノ「えっ? まさかあなた……」

(´<_` )「盛岡さんが既婚者でよかったよ。本当によかった」

(;´・_ゝ・`)「えっ何の話!?」

爪;゚ー゚)「ッ!? これは――!」

359 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:31:04 ID:w8Av3rek0

爪;゚ー゚)「高魔力反応! ……右前方!?」



                          、
           r‐          / 〉
           |  |          〈 /
            乂ノ             `

         _,、- ''"゚~~~~゚"'' ‐ ,_
 (\   _ ‐^. . : :      / 〉 `'‐,_
  \) _- . :          〈 /  : . \
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   :゙ . :      . : .::::;;;;;;;::. : .        : . ゚,
  .: . :       : : :::::'   ':::::. : .     : : }
  { : :     : : ;;::;l    l::::: : :    . : ‘
   ゚, : .     :(   )   ,.:::: : :      . : ,゚  ⊂ニニ⊃
   ゚,: .      `¨゛ ' : : ' : : :       . : _'
    ‘、 : .      ` : : : : :      . : _^
     ‘:、 : .             . : _.‐
      `'‐ ,_ : . . .     . . . : _、‐^
         ^ '‐: :、、、、、: :‐' ^   ( \
        / 〉            \_)
         〈__/



(´<_`;)「な、何だあれは……ッ!?」

<(' _';<人ノ「岩礁に向かっていきます! 一体……!?」

360 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:31:38 ID:w8Av3rek0
                  |!        |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|
                  |  ”    |!|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:     ・      "
                         】|i:●:i:i:i:i:i:i:i:i:i:h         /
      ∵              ・   |i::・::i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:{
                        ―━┥:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|               /
     【       、             | :i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|
                             ji:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:!   ・
                         |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i【          /
            ∴           |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: 》              ”
                         |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|                       /
                      |  ・ |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|  ・          '   /
       【                 |!   j} i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:{ " !
             、         !   】i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i {h   |!        ”
                          |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:{h  !            】
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        、                 j}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i{h
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                、     | ヽ、, i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i{h
        __            )\i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/( ・ /     /
                   \ ト、:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ノ(/   :         ―
       ̄二  __     _ )\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/(__     ”  二 ̄
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 二二i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:●i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i二二=― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                       ̄ ̄7i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i( ̄ ̄      ・
                     /    /⌒^Y・ .” |/ ^⌒   \
                     /   ”           |   、     \    "

361 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:32:11 ID:w8Av3rek0

(;´・_ゝ・`)「うわあッ!?」

グラッ
|゚ノ;^∀^)(' _';<人ノ
       ガシッ

(´<_`;)「っ……!」

爪;゚ー゚)「高魔力反応、消滅! ……いや、これは……ッ!?」

<(' _';<人ノ「はっ……!?」

(; _ゝ )ウッ...!

(´<_`;)「な……んだ、これは……」

爪;゚ー゚)「は……ははははは……何だい、これ?」

<(' _';<人ノ「……どうやら、辞世の句が必要かもしれません」

(;´・_ゝ・`)「みんなして何!? 何が起こってるの!?」

|゚ノ;^∀^)「……終わり、です」

(´<_`;)「魔力探知なんてほぼできない俺でもわかる、これは……!!」

(; _ゝ )「に……げろ……ッ!」

362 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:32:44 ID:w8Av3rek0
                     |l|lil|l     |l|川l|lY|l|l|l|l{        _,.. --―==´ ̄ ̄\
                     |l| l|     |l|  l||   l|,,<  ̄ ̄         ,,<    ̄>、
                     |l| l|     |l|  l||   l|     \    ̄   ̄       / /
                 |l||l|川リ  |l川|l|l|l|l|l|l|l  l||   l| ̄ ̄    ̄    ̄ ̄    ̄\//  .!
                 |l|            |l|  l||   l|            || || || _/∨l∧ヘ|             / ̄
,.ィヽ               |l|  l|l|l|l|l|l|l|l|l|川  |l|l|l|川|l|l|ll|l|               || ..|| ||/.∧∧/              l
 i|: |               |l|川リ        リ   l||                         || .|| .||`¨              /\
  !∧            __...|l|         l|  l||.. ̄ ̄ ̄ ̄....|l|l|l|l.  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄―――|| ||__           /!  ∧
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 戈   _ ̄       .|| ||             j|  l||     |l|l|l|l|l| ||l|l川|{     |l|l|l|l{|l|l|l|{.      || ||       ̄  // l
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ー === -,;/\||||           .゛      、  ′     、 " .     ,  ′  .   ´ ,   、 |||        / ̄
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363 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:33:23 ID:w8Av3rek0
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                       /:l〉 : : : : : : : : : : : |∧: \     ./:::::::|
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   _ - _ -     ィ     /: : : 〈{: : :/: : : : : : : : : : : : : : :>v ./:::::/
        rf/ {≧==ヘ : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : V/ /:::::イ
      -_-/\ : : \ノ}: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/  .}::::::リ
      -_-|  \: : : : : ノ}、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/   /::::::l  - _ - _
       -_-乂    、: : : : : : /}: : : : : : : : : : : : : : : : :/   }::::::::|-_
        -_-_-ヽ.   \: : : : : : V }ー── ---===彡    }::::::::|-_-_   - _ - _
         -_-_-\    ー────‐===≦  ̄      }::::::::|-_-_-_   - _ - _         __
            -_-_- 、                      /:::::::-_-_-_-_-_   - _ - _   __∠__ \___
  - _ - _         -_-\                       }:::::-_-_-_-_-_-   - _ - _    \           /
            -_-_-_ー…-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_彡-_-_-_-_-_-   - _ - _     〜〜〜〜〜〜〜〜〜
        - _ - _     -_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-                ↑船
          - _ - _          -_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-     - _ - _
            - _ - _      -_-_-_-_-_-_-_-_-_-    - _ - _

364 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:33:57 ID:w8Av3rek0

(゚<_゚ ;)「――ッ!?」














  Case12「海色の声」
  Day8B「境界に眠る者」

                          To be continued...

365 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/23(木) 22:34:46 ID:w8Av3rek0
今回はここまで

366名無しさん:2024/05/24(金) 00:26:57 ID:Z7UGT9G60


367名無しさん:2024/05/25(土) 21:43:21 ID:wIfUQeRw0
おつ!
更新頻度高くてほんとうれしい
兄弟の信頼関係ほんと流石だなやばいことなってるけど

368 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:41:52 ID:IQuCm.q20
>>366
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>367
( ´_ゝ`)ノ「流石だよな、俺ら」

369 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:45:44 ID:IQuCm.q20
おや??

370 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:48:52 ID:IQuCm.q20
あ、直った
投下しますん

371 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:49:26 ID:IQuCm.q20
前回のあらすじ
・なるほど、同時攻撃なら通るかもしれないね
・美和ちゃんが順調に無双してますよ
・あーもうもどかしい! 離陸前に落されないかヒヤヒヤだよ!


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

372 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:49:59 ID:IQuCm.q20
Case12-Day8C
                                   --
                                  /_::::::::::::\
                                  /   \::::::::::..
                               __/         :::::.:::::.
                           /      `      |::::::::::i
                           /____      \  |::::::::::|
                           />r‐,─  \      rヘ::::::::|
                     /V: : : ∨: : :∨\\       }::::::|
                       /:l〉 : : : : : : : : : : : |∧: \     ./:::::::|
                   /:イ: : : : : : :/: : : : : : :L\ハ    |:::::::::|
                     / V: : : : : : /: : : : : : : : : :∠}:|    |:::{圭}
                 /: 〈{: : : : : :/: : : : : : : : : : : : :}:|    |:::::::::|
                   /: :〈{: : : : : /: : : : : : : : : : : :<}:|    |:::::::/
                     /: : 〈{: : : : :/: : : : : : : : : : : : :/}:|   /::::::′
    _ - _ - _ -     /: : :〈{: : : : /: : : : : : : : : : : : : ;>}:|  ./:::::/
   _ - _ -     ィ     /: : : 〈{: : :/: : : : : : : : : : : : : : :>v ./:::::/
        rf/ {≧==ヘ : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : V/ /:::::イ
      -_-/\ : : \ノ}: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/  .}::::::リ
      -_-|  \: : : : : ノ}、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/   /::::::l  - _ - _
       -_-乂    、: : : : : : /}: : : : : : : : : : : : : : : : :/   }::::::::|-_
        -_-_-ヽ.   \: : : : : : V }ー── ---===彡    }::::::::|-_-_   - _ - _
         -_-_-\    ー────‐===≦  ̄      }::::::::|-_-_-_   - _ - _         __
            -_-_- 、                      /:::::::-_-_-_-_-_   - _ - _   __∠__ \___
  - _ - _         -_-\                       }:::::-_-_-_-_-_-   - _ - _    \           /
            -_-_-_ー…-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_彡-_-_-_-_-_-   - _ - _     〜〜〜〜〜〜〜〜〜
        - _ - _     -_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-
          - _ - _          -_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-     - _ - _
            - _ - _      -_-_-_-_-_-_-_-_-_-    - _ - _

373 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:50:33 ID:IQuCm.q20



爪゚ー゚)「……は」



(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」



爪*゚ー゚)「はっ……はははははは! 何だいあれ!? 凄い! すっごぉぉぉい!!」



<(' _';<人ノ「なんっ、という……!」



(;´・_ゝ・`)「はわわわわわッ!?」



(;´_ゝ-)「くっ……!」



|゚ノ;^∀^)「アニジャさん!?」

374 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:51:07 ID:IQuCm.q20

<(' _';<人ノ「累次くん? 累次くん!!」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

爪*゚ー゚)9m「すっげぇー! でっけぇー!! かっこいー!!! はははははは!!!!」

(;´・_ゝ・`)「ど、どどどどどうすれば!?」

(;´_ゝ`)「ちっ……盛岡さん、とりあえず90度回頭」

(;´・_ゝ・`)「はっ!? 目が覚めたのかい!?」

(;´_ゝ`)「いいから早く!」

(;´・_ゝ・`)「わ、わかった!」

|゚ノ;^∀^)人「……オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ。オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ。オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ」

爪゚ー゚)「はははは……は?」

爪;゚ー゚)「はっ……僕は何を……?」


ガクッ!
( <_  )(' _';<人ノ「累次くん!?」

375 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:51:39 ID:IQuCm.q20

(;´_ゝ`)「美和ちゃん、弟者は任せろ」

<(' _';<人ノ「真理男くん!?」

(;´_ゝ`)「言い難いことなんだが」

<(' _'<人ノ「はい?」

(;´_ゝ`)「……悪い、囮になってくれ」

<(' _'<人ノ「……」

(;´_ゝ`)「無視できない一撃を入れてくれるだけで良い。その間に離脱の準備をする」

<(' _'<人ノ「……」

(;´_ゝ`)「頼む」

<(' _'<人ノ「……わかりました。死ぬ気はありませんが、駄目だったら累次くんに謝っておいてください」

(;´_ゝ`)「たぶん駄目だったら全滅だから大丈夫」

<(' _'<人ノ「ふふ、それは絶対失敗できませんね」

(;´_ゝ`)b「魚類どもに祈念流の偉大さを教育してやれ」

<(' _'<人ノ「ええ……! 存分に教育してやりましょう!」

376 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:52:13 ID:IQuCm.q20

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       |l!1!|!l./ム―7 レ .レ  i| !i| !li| |i! |! |                |l!1!|!l
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       |l!1!|/' ̄7/          il !li| |i! |               |l!1!|!l
       |l!1!|!l.  //             !li| |i!                  |l!1!|!l.
       |l!1!|!l. /' . __         li| |i                    |l!1!|!l
       |l!1!|!l   /´ > ,.イ    i| |!:                 |l!1!|!l
       |l!1!|!l   ´ ̄  /_/      !| |                      |l!1!|!l
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       |l!1!|!l |!       ./ /    .|/レ'i                || |l!1!|!l
       |l!1!|!l |!,      //     .|/|i | i              || |l!1!|!l
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377 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:52:46 ID:IQuCm.q20
                              _
                            .:::::´/  \
                            /::::::: /
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                      /::::::::::::/ ぐ{       ハ
                / :::::::::::: /  `       ヾi{
                   /::::r  :::::::/                 ヽ
               /:::::ハフ::/        ̄ ̄ ̄` 、}
                 /::::::: ー:::/   ´   -───-
             /:::::::::::::::/  / ィ i|\|\∧/∨∨イヽ〉
               /:::::::::::::::/  / ∧\|ニニニニニニニニニ| }
              / :::::::::::: /  イ /ヽ|ニニニニニニニニニニニニV
           / ::::::::::::::: /  /ニニニニニニニニニニニニニニニニニ!
          /::::::::::::::::: /  /:|ニニニニニニニニニニニニニニニニニ|
          ./:::::::::::::::::::: /  / |ニニニニニニニニニニニニニニニニニ|  /\
         /::::::::::::::::: /     /ニニニニニニニニニニニニニニニニニ丿/    、
      :、/::::::::::::::::: /      ==ミニニニニニニニニニニニ=====彡 /\
       \:::::::::::::: /   /    \/¨¨¨¨ ̄ ̄____/_   、
        ー…┴…=彡イ \___ノ\  /
                             /` ー……───
                       \______/



<( _ <人ノ「はあああああああ……ッ!!!!」

378 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:53:19 ID:IQuCm.q20
                                  /
                              /
                       l       / /
                       l  ∧ // /
                       | し ∨ /                                                    >''”
                  _ノ     /                                    /                 >''”
             ─=ニ二_   '゙,  /                                  //     /       >''”
                    )    /                               // /   / (_____>''”
                    /   /                          ///   〈_/
                   //  /                         //    ,
                    /  /                           //
                      /  /                        //
                     //  /                            /         '゙                     _-=ニ⌒
                  / '  /                         /           ,  , /             _-=ニ⌒
                    /.   /                      >''゛        // 〈/ ,,     _  -=ニ⌒
                  //.   /                    >''”            /            (
              /    /                  >''”                        ( ̄ \
                /    /               >''”                           \
              //    /              >''”                      /|      /⌒\\\
          / '    /            >''”                     _-=ニ/ ///|   |   /       \
            /.     /       >''”                   _-=ニ⌒  7 //  |│ | //           \
.       //.     /    .>''”                   _-=ニ⌒     / /    |│ |'/
.         /      / >''”                    _-=ニ⌒          /       |│
.       //    >''”                   _-=ニ⌒                     |¦
      /                        _-=ニ⌒                      |
.     /                _-=ニ⌒
.   //            _-=ニ⌒
  /             _ -=ニ⌒
//      _-=ニ⌒
/    _-=ニ⌒
 -=ニ⌒

379 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:53:53 ID:IQuCm.q20

(;´_ゝ`)「地流さん、弟者の懐から風天の札を……」

爪;゚ー゚)「了解」

(;´_ゝ`)「……レモナ。風を操る魔術は使えるか?」

|゚ノ;^∀^)「……はい」

(;´_ゝ`)n「おっし、ツイてる……!」

爪;゚ー゚)「あったよ!」

(;´_ゝ`)「そしたら俺の魔力を全部レモナに」

爪;゚ー゚)「む……大丈夫かい?」

(;´_ゝ`)「ごめん全部は嫌な予感する、ちょっとだけ残して」

爪;゚ー゚)「だよね、その状態で魔力枯渇したらたぶん死ぬよ?」

(;´_ゝ`)「ウッス……」

(;´・_ゝ・`)「回頭完了したよ!」

(;´_ゝ`)「よし、じゃあ――」

380 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:54:27 ID:IQuCm.q20
            :,:           :(::)
            /⌒''⌒) :,,゜      '         ,,,,,,,
           (:::::::::::::::!'                 (::::::)
           ヽ::::::::';'''                 ''``   。
           τ'::/ .;:
            )/
         。            '  、       ;: 。
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381 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:55:00 ID:IQuCm.q20

∴:・( _ <人ノ「――っ」

(;´_ゝ`)「美和ちゃん……! 駄目だったか……ッ!?」

爪;゚ー゚)「……見捨てるしか、ないかな」

|゚ノ;^∀^)「そんな……!」

(;´_ゝ`)「迷ってる暇もなけりゃ手出しできる力もない。いずれ地獄で謝るさ……!」

(;´・_ゝ・`)「っ!? あいつ、こっちに!」

(;´_ゝ`)「……万策尽きたな」

爪;゚ー゚)「こりゃ、逆に謝られちゃいそうだねえ……」

( ´_ゝ`)┫「……どうせ死ぬなら一発かましとくか。ろくに体動かんが」

爪゚ー゚)r=≡=「ふっ、もしかしたら1クリ出て海に還ってくかもしれないしね?」

(;´・_ゝ・`)「えぇ?」

|゚ノ ^∀^)「……なら、船に風を纏わせてぶつけます」

( ´_ゝ`)「そりゃいい。かのクトゥルフも漁船のぶちかましを受けて尻尾巻いたらしいしな」

爪゚ー゚)「はは、ゲン担ぎにしちゃ出来すぎだ。マジでワンチャンあるかもね」

382 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:55:34 ID:IQuCm.q20
                                    __
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                               ム            {i:ハ
                                「          ::::::゚,
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383 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:56:07 ID:IQuCm.q20
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      ,!      l     ._ .彡、._,,,..-ー''"゙゙ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ニニニ==-、                     `゙'ー ..、
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      .l          l   .,,..ノ  , ‐''"´          三゙ニ¬- ..,、   .`゙''て ,,
     │          !   \ . l,彡   彡             三三   .`''ー..、  '(,゙゙゙゙´.、
      !        l    \i、 彡 彡           二三三三   .`、  `'-, ゙''-、
     .!        │     "''' 彡                     三    |  /'┘  `'-、
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     .l゙          !        彡彡                      三三 ,!            `'-、
    │         │     ./l  .彡彡__        ____,,、    三三               `'-、.
     l          │   / .―‐''"゛  ―ー'''''''''"゙゙ ̄ ̄ iニ,゙___、   三三三            `'-、
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    l               ! `'、   ,,-¬''''冖''―-- ..,,,,_                         ̄''''―;=_
    !            !  .ヽ   \   .彡彡彡     .`゙"''― ,,,_                  `゙''ー ,,、
    .!             !  ,,,..ゝ   `''‐ 彡彡           `゙"'ー-..,,,、                 \

384 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:56:41 ID:IQuCm.q20
       .l;;i′      /     .!;;/ .イ、;;;;;;;;;;;;;;./ |;;;;;; /         .r' /     ,イ゙ .,〃     ../; /
       .|/       ノ      .l;;; !  l;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ !;;./           ,,ilr'"     ,i'./        ,./ ,/ .,.
       :l゙                 | !  /;;;;;;;;;;;; /  /./         '″      .,l./        ,,ノン"  .フ;;
              _,,          !゙.,,.,i";;;;;;;;;,./  .iУ                             ,i'/ .,..r'";;;;;
   .i}′        / ;;,! .,      /;゙;;;;;;;;; /   .l″            ,ν         / /_..-'";;;;;;;;;;;;;;
   `           i";;;,/ /      /;;;;;;;;;;;;/                   il l′         _..-";;;;;;";;;;;;;;;;;;;;;;;;_,,.
           l /  ."、    / ;;;;;;;;;;/               _    ,,i!!″     .,..r'";;;;;;;;;;;;;;;;;;.,,,r‐ー'″
          /./    l「    .../ ;;;;;;;;; /              ,,il″   .´     .,,./ ゙;;;;;;;;;;;;;;;;;_ン'"
     .,i''l   .,〃    .〃 /  ./ ;;;;;;;;;./    .,.     _ /″           _/;;;;;;;;;;;;;;;;;,./ ´        _ン'
    ,lゾ  .〃   .,〃 ./  ,i";;;;;;;;./     ./     ,r'./     .,    ._/;;;;;;;;;;;;;;,,,./ ゛       . _,,-へ.iii
   .〃   ./l   、〃 ,ir / ;;;;;;; /    .,〃    .,ノン′  .,,ir'"  _/丶;;;;;;,ン'″    ,, ;;二二r‐''''、;;;;;;;.
   〃  .,ノ~;/  .,/./ .,ノ/ / ;;;;;;;;;;;;l  .,.. |″    ,i'ン"   ,ii'" .,..-'";;;;;;;;;;;,/゛  _,,,,,__ ,ir!'"       `'''″
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385 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:57:14 ID:IQuCm.q20













【グオオオオオオッ!?】












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386 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:57:48 ID:IQuCm.q20

(;´・_ゝ・`)「えっ、はっ?」

爪;゚ー゚)「はっ……!? この、魔力は……!」

(;´_ゝ`)「間一髪、間に合ったか……ッ!」



(’T’)|)



(;´_ゝ`)「円谷さん……ッ!」

爪;゚ー゚)「それに……!」

387 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:58:22 ID:IQuCm.q20

ミサ メー^)ト「全く、世話の焼ける蒸し鶏さん方ですわね!」

( ´W`)「ククク。そのようなお体で戦場に立つ我が主ほどではないと、愚考致しますがね?」

(;’T’)|)「……まさか、私の弓がここまでの威力になるとは」

(´・ω・`)「更に威力倍々プッシュ行けますね。皆さん今ので凡そ感覚は掴めたでしょう」

N| "゚'` {"゚`lリ「ふっ、まさかあれほどご立派な神格がお出ましとは思わなかったがね」

ミサ メー^)ト「ですわね。たかが侵入者に切る札ではありませんわ」

(´・ω・`)「……八つ当たり、かな? そうだとしたら、あの話にも信憑性が出てくる」

(’T’)|)「第二射、いきますよ」

ミサ メー^)ト「ばっちこいですわ!」

( ´W`)「ここで仕留めるべきでしょう、全魔力を投じますぞ」

(´・ω・`)「同感だ。恐らく三度は通じない」

(;’T’)|)「うわ、凄い魔力だ……! 大丈夫なんですか竹葉さん!?」

N| "゚'` {"゚`lリ「男は度胸、何でも試してみるもんだ。砲身の俺に遠慮なんていらねぇから、ぶっといのお見舞いしてやんな」

(´・ω・`)「フン……チート野郎め」

388 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:58:55 ID:IQuCm.q20
   \    .`'、、 \    ヽ  ヽ .ヽ   l   ! .! │ │ !  . l   ./    ./   ./   ./   .,/  ,/゛
`'-、   \    \. .\    .ヽ  ヽ .ヽ   !  ││ |  ! .!  l   /    /  ./  /   . /  .,/゛  ,
   `'-、.  `'-、  `'-、 \   .ヽ ヽ .l   !  .l |  !  .! l  l   ./   /   /   /   .../  ,/゛  .,..‐″
`'‐、、  `''-、  \   \ \   .\ .ヽ .ヽ  .l  .! .| .!  l ,!  /  ./   ./  ./  /   . / ,/゛ .,..r'"  ,..
...,,  `''-..、 `''-、 ゙'-、  `'、. \   ヽ, .ヽ ヽ  l  ! .l ,! ,! .l  /  /   /  / /  ./ . /  _..‐'゛ ._..-'″
  `''ー、,、 ゙''-、、 .`'-、. `'-、 .\ \  ヽ. ヽ.ヽ .l.  !│ ! l ! /  ./  ./ ./ ,./  ,/. / . ,..r'" .,..-'″  _.. ‐
- ..,_   `'''-、、`'‐、、 `'-,,. \ .`'、,\.  \.ヽヽ . l .l .! .! ! l /  /  / /./ / / ,..r'" ._..-'″ . _.. -'"゛
   .`'''ー ,,_  `''-..,,`''-、. `'-、 \ `-,\ .ヽ.ヽ.l. l l│| .l゙.l / ./ . ,i"./ / ,//゙.,..r'"._..-'" ._..-‐″     .
〜 ,,,_   .`''ー ,,. `''ー、,゙'-、,.`'-..\,`-ヽ, ヽヽ!、.l .!.| | l゙,! / ./ .,i'ン./,,-シ'゙,..r'"_..-'"._,, -'"゛    ._,,.. -''''"゛
    .`゙'''ー ..,,、 `'''ー ..,, `''-ミ;; 、"-ミヾ' \ ヽヽ l. ` ! .,! l /..,iシ//‐,゙ ‐' / ,゙..-'"゛   _,, ー'''"   ._,,,.. -
‘''''―- ..,,,,_,   `゙"'ー-..,,,_`゙''ー ..,`'''ニ;;,.`'-,,.`     .l .|  ".゙,ノ / .゙_..-彡彡-'"゛ ._,, -''''"゛_,,,.. -ー''"´
        `゙゙"''―- ....,,,_ `゙゙'''ー 二ー 二 `'-.     ゛    .'゛ ./ ゙‐'´ ._,,, ー'',゙,゙.. -ー''''"´.__,,,.... -―''''''゙゙ ̄゛
"'''''¬――-.... ........,,,,,,                                 --ー';;;;二,゙,,,,............---一ー''''''''''
_________ ミサ ^ー^)ト ( ´W`) N| "゚'` {"゚`lリ (’T’) (´・ω・`) ___________
_____,,,,,,,,,,,.............. ----     「「くたばれ、クソ魚類ッ!!!!」」     .-..........,,,,__
         _,,,,.... --ー;                           ..,,,_ '''ー二,゙''― ..,,,_  ゙゙゙゙̄"''''''―ー-..........,,,,__
..... --ー¬''^゙゙´_.. -‐'''"゙_,,.. -;;ニニ''''_、.,..-'.,,.         、  、  . \ -、,`''ー ミ¬- ..,,, `゙゙'''― ..,,,_
  _,,,.. -‐'''"´ _,,, ー''二-‐''" _..-'彡;;'".,/ン.,ノ./   ,  .!  .ヽ . ' |-.\,`'-、、 `''ー、,,.`゙''ー ,,,、  . ´゙"''― ..,,_,
`   ._,,, ー'''"_,, ‐''"゛ ,.. ‐'゙,゙ ‐彡''ン'゛./,ノ゙,ノ/   /   | . .ヽ.┐゙'、\ \ .`''-、.  ..`''ー 、、 .`゙''ー ,,,、
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389 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 22:59:28 ID:IQuCm.q20
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390 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:00:01 ID:IQuCm.q20
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                                          r'⌒ゞ' (_,囗 ロ   。⌒ヾ゛
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                                      r'⌒( ノ)丿{ 、_ ヽ 囗ロ []  []        ロ
                                      ゝソ )´,. 、γ ヽ ) [] ロ    囗    []        ロ
                                      ノ y‐-'ノ'´. ´゙  乂   □ □ []   ロ
                                    _,ゝ' /⌒) /    ., ヽ 囗 []   ロ    []
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391 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:00:35 ID:IQuCm.q20
















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392 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:01:08 ID:IQuCm.q20

(;´・_ゝ・`)「殺った……!?」

(;´_ゝ`)「た、助かった……!」

爪;゚ー゚)「ひゅぅ……たまんないね」

|゚ノ;^∀^)「彼は……!」

爪;゚ー゚)「あっ! そうだ、美和!」

(;´_ゝ`)「あっ……え、巻き添え食らったりしてない、よな……?」

爪;゚ー゚)「……だっ、大丈夫! 魔力あるから少なくとも消し飛んではない!」

(;´_ゝ`)「弟者、式神を――は無理だった。え、今の俺ら、時化の海ポチャした美和ちゃんを助ける手立てなくない……?」

爪;゚ー゚)「……マジ?」

(;´・_ゝ・`)「彼らに連絡取ってお願いしようよ!」

爪;゚ー゚)「盛岡さんナイス! この距離なら念話通――してみせる!」

(;´_ゝ`)「そう、意外と距離あるんだよ……」

爪;゚ー゚)「うおおおおおっ! 筋肉ムキムキマッチョマンの彼、聴こえるかい!?」

(;´_ゝ`)「あ、普通に船の無線で良いような気も……」


 ―――。

393 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:01:42 ID:IQuCm.q20

<( _ <人ノ

(´・ω・`)「よっと」

爪;゚ー゚)「美和!」

|゚ノ;^∀^)「ウッ...!?」

(;´_ゝ`)「……こりゃ酷ぇ。美和ちゃん、すまねぇ……!」

(´・ω・`)「かろうじて生きてるけど、危ういな。何とかできるかもしれないチート野郎連れて来ますよ」

爪;゚ー゚)「頼む!」

(;´_ゝ`)「待て。チート野郎ってのは」

(´・ω・`)「……自称霊能力探偵、竹葉不明門」

(;´_ゝ`)「……ツナギの男、か?」

(´・ω・`)「そうですよ」

(;´_ゝ`)「……わかった、行ってくれ」

(´・ω・`)「はい、ちょっと待っててくださいね」

|゚ノ ^∀^)「……」



 ―――。

394 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:02:15 ID:IQuCm.q20

N| "゚'` {"゚`lリ「やあ。久しぶりだな、少年。噂は聞いてるよ」

( ´_ゝ`)「……阿部さん」

N| "゚'` {"゚`lリ「おっと、今は竹葉と呼んでくれ。裏の仕事中なんでね」

( ´_ゝ`)(まさか竹葉不明門が……俺らが憧れた阿部さんだったとは、な……)

爪;゚ー゚)「ちょっと、呑気に挨拶してないで早く美和を!」

N|;"゚'` {"゚`lリ「おっといけね。……おい、こりゃあ……」

爪;゚ー゚)「……」

N| "゚'` {"゚`lリ「……全員、外に出てくれ。ちょいと表沙汰に出来ねぇ術を使う」

爪;゚ー゚)「美和は助かるのかい……?」

N| "゚'` {"゚`lリ「どうにか命は助ける。それ以上は保証できん」

( ´_ゝ`)「地流さん、安心しろ。この人なら信用できる」

爪;゚ー゚)「むぅ……わかったよ、駄々こねて時間かけるわけにもいかない」

N| "゚'` {"゚`lリ「ふっ、イイ女だなあんた。俺がゲイじゃなきゃ惚れちまうところだ」

爪;゚ー゚)「美和を頼んだよ、イイ男」

395 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:02:48 ID:IQuCm.q20

(;´・_ゝ・`)「えっ、あっちの船から発進促されてるけど僕も外出た方が良いかい?」

N| "゚'` {"゚`lリ「あー……すぐにここを発たないとマズイ、操縦者以外で頼む」

( ´_ゝ`)「わかった。さ、地流さん」

爪゚ー゚)「うん……」

|゚ノ ^∀^)「……」



( <_  )

<( _ <人ノ



 ―――。

396 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:03:21 ID:IQuCm.q20

【漁船】
              l=ニ二三γ了三ニ=l    , ', ' ,'| ::| ', ' ,
                     `]」_      ,.'  ,' | ::|  ',  ' ,
                 n   /丁l/ -‐ ' 4    ,' _| ::|  ',   ' ,
                 ||   `丁|    , ' 」|   ,' |::!  |{,     ' ,
              ,┌='_ニ二二三三 , '三三二ニ=ュ|::!  || ',     ' ,
                |/`エ,Τ_丁_丁_丁_丁_丁_丁Τエ|::!  || ',     ' ,
              /lニ二二二三三三三三三三三二二| ::| z TlΤ ̄Τ ̄ΤT、
               レ|| _.Z]ニ冖ニ冖ニ冖ニ冖ニ冖ニ冖ニ[`|_Z. -┴┴―┴―┴ ' - .._
             「| ̄ ̄ ̄ ̄ , '  ̄ ̄ ̄ -‐  '''"´           , 、       /
             |l| 囗  ロ ' -‐ '''"´           rャ  rゃ  ー' rゃ rャ/
             |,|    ,.'´      _ -‐  ´                /
             |l| ,.'´  _  -‐                           /
             Z  zァ              _                 /_
           r/   /'              ∨r 、          ,/∨
           「   /                 ∨_|        ,/∨
           |  l| /         、         ∨          /∨
===== = ‐ l、 /                             /―――――――――――――‐
            ` ‐- _                      / ‐-         -‐
                  ‐- _:::::::::::::::::::::::::::....................................l′       -‐
                     ‐- _::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|     ̄
                         ‐- _-―-―ー―-┘ 〜  _
                               ‐- _   -‐

397 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:03:54 ID:IQuCm.q20

爪゚ー゚)「しかし……君は彼らが来ることをわかってたのかい?」

( ´_ゝ`)「ん、少なくとも円谷さんはな」

爪゚ー゚)「気を紛らわすために、一体どういうカラクリなのか教えて欲しいね」

( ´_ゝ`)「……以前行ったことのある異界の主が骨を折ってくれてな。寝てる間にそっちに招待された」

爪゚ー゚)「へぇ……そんなこともできるのか」

( ´_ゝ`)「俺が持ってるこの魔道具がなきゃ無理だったろうって話だけどな」

爪゚ー゚)「それ、例のやつじゃないか。なるほどね」

( ´_ゝ`)「で、そっから黒磯さん……って言ってもわからんか。招待されて、戻って他の人に繋げて貰った」

爪゚ー゚)「魔術はどうやって伝達したんだい?」

( ´_ゝ`)「そこは異界の主がうまいことやってくれた。詳細はわからん」

爪゚ー゚)「ふむ。欲を言えばあと1分早く来てくれればなぁ……」

( ´_ゝ`)「扉開いてから入ってくる以上しゃあなし。むしろ1分後じゃなくてよかった」

爪゚ー゚)「1分後だったら全滅してたのは確かだね」

( ´_ゝ`)「ほんと九死に一生だった」

398 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:04:27 ID:IQuCm.q20

爪゚ー゚)「美和は……まあ置いといて。弟君もかなりヤバそうだったけど」

( ´_ゝ`)「……美和ちゃんの治療がひと段落着いたらもっかいレモナに頼むわ」

爪゚ー゚)「そうだね。僕もなんかおかしくなってたけど、その比じゃなさそうだったから」

( ´_ゝ`)「大丈夫だとは、思うが……」

爪゚ー゚)「もし、大丈夫じゃなかったら……美和もメンタルヤバそう」

( ´_ゝ`)「逆パターンの方がよりやべーよ、弟者のメンタル絶対もたん」

爪゚ー゚)「とりあえずは美和が生きのこってくれないと、だね」

( ´_ゝ`)「阿部さんを信じるしかねぇ……」

爪゚ー゚)「ところで彼、何者なんだい?」

( ´_ゝ`)「昔、妹者が誘拐された話はしたっけ?」

爪゚ー゚)「いや、聞いてないけど」

( ´_ゝ`)「そんな事件があってな、解決してくれたのが阿部さん。俺らが探偵になったきっかけでもある」

爪゚ー゚)「あー、それは目指したくもなる。僕だって警官に助けられて目指したしね」

( ´_ゝ`)「まさかオカルト面でも大先輩だとは思わなかったがな……」

399 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:05:01 ID:IQuCm.q20

( ´_ゝ`)「ところで……レモナ。記憶、戻ったのか?」

|゚ノ ^∀^)「……はい」

爪゚ー゚)「それは、よかったねと言って良い感じなのかな?」

|゚ノ ^∀^)「はい!」

( ´_ゝ`)「ちなみに、マスター見て驚いてたみたいだけど……もしかして知り合い?」

|゚ノ ^∀^)「……たぶん、そうです」

爪゚ー゚)「えっ、マジ?」

( ´_ゝ`)「真言扱ってる時点で真っ先に思い浮かべはしたが……まさかだな」

|゚ノ ^∀^)「ショカツリョーさん……元気そうでよかった」

爪゚ー゚)「諸葛亮……??」

( ´_ゝ`)「ぷっ、その自称知ってるってことは間違いなく知り合いのようだな」

|゚ノ ^∀^)「私がその名前で呼ぶと、皆さんニコニコしていました」

( ´_ゝ`)「そらそう。……ってことは、話に出て来たおじいちゃんは……荒巻さんかな」

|゚ノ ^∀^)「あっ……! おじいちゃん、元気なんですか……!?」

400 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:05:34 ID:IQuCm.q20

( ´_ゝ`)「めっちゃピンシャンしてる」

|゚ノ ^∀^)「流石にお歳だし、もう亡くなっているかと……!」

( ´_ゝ`)(ってことは……おねえちゃんは……)

|゚ノ ^∀^)「じゃ、じゃあ。おねえちゃん……伊藤さんは……!?」

( ´_ゝ`)「……生きてはいるが、無事ではない」

|゚ノ;^∀^)「えっ……!?」

( ´_ゝ`)「"堕ちた"……で、伝わるか?」

|゚ノ;^∀^)「そ、れは……」

( ´_ゝ`)「……」

( ´_ゝ`)(フォローする言葉を持たない……)

爪゚ー゚)(まあ、全滅してなかっただけ良かったんだろうね……)

( ´_ゝ`)「こういうこと言うのはなんだけど……荒巻さんもマスターも、君が君だと知ったら喜ぶと思うよ」

|゚ノ ^∀^)「あっ……。はい」

( ´_ゝ`)(なんなら号泣すんじゃないかマスター?)

401 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:06:08 ID:IQuCm.q20

( ´_ゝ`)(あっ……でもあれだな。レモナが特課預かりになったらマズイ気がするな……)

|゚ノ ^∀^)「?」

爪゚ー゚)"どうかしたのかい? 急にそんなしかめっ面して"

( ´_ゝ`)"……レモナの身柄、普通に考えて特課預かりになりそうだよなって"

爪゚ー゚)"ああ……それはそうだね"

( ´_ゝ`)"帰してやりたい、かつての仲間の許に"

爪゚ー゚)"……円谷さんの政治力には期待できないから、他の方向から攻める必要があるね"

( ´_ゝ`)"冨竹も実質失脚してるし……影響力強そうな知り合いは教授くらいしか……"

爪゚ー゚)"教授は流石に駄目でしょ……。祈念流から言って貰うとか?"

( ´_ゝ`)"群馬なら通りそうだが……うーん"

爪゚ー゚)"あ。……何なら君の提言なら、一回くらいは誤射が通るかもよ?"

( ´_ゝ`)"は……?"

爪゚ー゚)"以前救ったんでしょ? 近隣地域"

( ´_ゝ`)"それは、そうだが……"

402 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:06:41 ID:IQuCm.q20

爪゚ー゚)"群馬の特課で君が何て言われてるか知ってるかい? 「群馬に帰ってきて欲しい男」だよ"

( ´_ゝ`)"えぇ……マジで?"

爪゚ー゚)"マジマジ、何なら冨竹って人が副隊長で留まったのも多少なり君らの心象気にしてると思うよ?"

( ´_ゝ`)"嘘ぉ……"

爪゚ー゚)"君が自覚している以上に、界隈は君に注目しているよ"

( ´_ゝ`)"勘弁してくれ"

爪゚ー゚)"小野木さんなんかは、「一手お手合わせ願いたいもんですねぇ」とか言ってたっけな"

( ´_ゝ`)"小野木って過激派寄りの現隊長じゃん……マジか?"

爪゚ー゚)"ね、一発くらいなら通りそうじゃない?"

( ´_ゝ`)"……検討はしとく"

爪゚ー゚)"後はそうだなぁ……阿部さんって人は何かコネとかないのかな?"

( ´_ゝ`)"……あるかもしれんな。増田さんの話からして少なくとも神奈川に縁はあるようだし"

爪゚ー゚)"あの見るからにヤバいマッチョがチート扱いするくらいだし、力に伴ったコネくらいはあるでしょ"

( ´_ゝ`)"改めて考えると、チート勢のマスターからチート扱いとか最早世界のバグだろ……"

403 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:07:15 ID:IQuCm.q20

|゚ノ ^∀^)「あの……?」

( ´_ゝ`)「おっとすまん。……レモナは、荒巻さんやマスターのところに帰りたいか?」

|゚ノ ^∀^)「それは……はい」

爪゚ー゚)「やっぱり君が一肌脱ぐべき、そうすべき」

( ´_ゝ`)「しゃあなし、阿部さんに借り増やすか」

爪゚ー゚)「それ、返済できるのかい?」

( ´_ゝ`)「自国通貨建でお願いします」

爪゚ー゚)「それは阿部さんに言ってよ」

( ´_ゝ`)「デフォルトしちゃううう」

爪゚ー゚)「だから阿部さんに言ってよ」

( ´_ゝ`)「……言える? 言えなくね?」

爪゚ー゚)「言えるっしょ? 言えるよね?」

( ´_ゝ`)「……善処します」

爪゚ー゚)「ヘタレかな??」

404 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:07:48 ID:IQuCm.q20
                 ,。 \ ・:*        :・゚  '☆,。・:   *:
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405 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:08:22 ID:IQuCm.q20

( ´_ゝ`)「おお、町が見えて来た……!」

爪゚ー゚)「……帰って来たんだなぁ」

N|;"゚'` {"゚`lリ「ふぅ……」

(;´_ゝ`)「阿部さん!」

爪;゚ー゚)「美和は……!?」

N| "゚'` {"゚`lリ「どうにか、ってとこだ。かなりの臓器がオシャカになってたからな……」

( ´_ゝ`)「……こりゃ、美和ちゃんには返しきれん借りができちまったな」

爪゚ー゚)「だね。でも、助かってよかった」

N| "゚'` {"゚`lリ「……」

( ´_ゝ`)「阿部さんにも感謝」

爪゚ー゚)「ああ、もちろん。イイ男でも紹介すればいいのかな?」

( ´_ゝ`)「おい」

N| "゚'` {"゚`lリ「よせやい、浮気なんざしちゃ相棒に愛想つかされちまうよ」

( ´_ゝ`)(どうしよ、借りを返しきれる気がしねぇ……)

406 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:08:55 ID:IQuCm.q20

N| "゚'` {"゚`lリ「それによ、どこの馬の骨かわからんような男よりアンタの方がイイな」

爪゚ー゚)「えっ?」

( ´_ゝ`)「ちょっと」

N| "゚'` {"゚`lリ「いやはや……見ないうちにイイ女捕まえたじゃないか、少年」

( ´_ゝ`)「いや、そういう関係じゃな――」

爪゚ー゚)「ふふん、だろう?」

(#´_ゝ`)「あっ、このふざけんなこいつ」

N| "゚'` {"゚`lリ「ははは、照れるな照れるな。……どちらかがいつ死んでもおかしくない。俺らがいるのはそういう地平だぜ?」

( ´_ゝ`)「む……」

N| "゚'` {"゚`lリ「くだらん遠慮や羞恥心にかまけてちゃ、後悔することになる」

爪゚ー゚)「うんうん! そうだよ!」

( ´_ゝ`)「一理あるが、悪いが恋愛感情はない」

爪゚ー゚)「えぇ……僕じゃ勃たないかい?」

( ´_ゝ`)「いや、あのね……」

407 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:09:28 ID:IQuCm.q20

N| "゚'` {"゚`lリ「インポか少年? よければ知り合いの名医を紹介するが……」

( ´_ゝ`)「ありがた迷惑ッ!」

爪-ー-)「――も――ない――けどなぁ」

( ´_ゝ`)「……なんて?」

爪゚ー゚)「ふっ、言わせんな恥ずかしい」

|゚ノ ^∀^)「あの……オトジャさん、放っておいていいんですか?」

( ´_ゝ`)「あっ」

爪゚ー゚)「あっ」

N| "゚'` {"゚`lリ「ん?」

( ´_ゝ`)「……レモナ、すまんがさっきのもっかい頼むわ。ついでに例のお茶も流し込んどくか」

|゚ノ ^∀^)「はい!」

N| "゚'` {"゚`lリ「気を失ってるだけかと思ったが……アレを視た影響だったか?」

爪゚ー゚)「そういうこと」

( ´_ゝ`)「……まあ、大丈夫だとは思うけど」

408 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:10:01 ID:IQuCm.q20

【船内】

|゚ノ ^∀^)人「オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ。オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ。オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ」

                 \     ,    !      ,:   /     ,..  ´
            `      \   ゙i.   !.    ,:  /      `
               `  ,  \  ゙i  |    ,: ,..    `
                  `  、\ ,. ;    , ,.. :`
                       ` `       ´
   ‐――   ――――――――             ――――――   ――――――――――――――――――――――
                         ,.        ,
                     ,.. :` ,. ,  ,.  ,  、` .,
                 ,.. :`. /. ,:   ! ′,  \  `  .,
                      /   ,:   !.   ゙i.  \    `  .,
                     `    ,:    ;     ゙i     ,     `  、
                 /.    ,      |          \     `  、
                 /.     ,:.     !      ゙i     \.        `  、
            /       ,:.      i.       ゙i.      `           `  .,
            /       ,                             \         `  、
         ./        ,:       |         ゙i          \             `  、
      /          ,        |.          ゙i.          \               `  、
    ./          ,:         !            ,          \             `  、
   ./           ,            ,         ゙i            \                `  、
                  ,:          i             ゙i             \                `  、
                  ,              |           ゙i                \                    `  .,
              ,            |               ゙i                 \                  `  .,
              ,:               l                                 ,                       `  .,

( <_  )

409 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:10:35 ID:IQuCm.q20

|゚ノ;^∀^)人「……」

N| "゚'` {"゚`lリ「……」

( ´_ゝ`)「……」

爪゚ー゚)「……反応、ないね」



(゚<_゚ )パチッ!



(;´_ゝ`)「弟者!」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

爪;゚ー゚)「……これは……」

N| "゚'` {"゚`lリ「……」

|゚ノ;^∀^)人「……オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ。オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ。オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

N| "゚'` {"゚`lリ「むぅ……」

410 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:11:08 ID:IQuCm.q20

(;´_ゝ`)「かなり重症、っぽいな。お茶も真言も駄目とは」

爪゚ー゚)「帰ったら専門の病院に連れて行った方がいいね」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

N| "゚'` {"゚`lリ「……いや、こいつぁ……」

( ´_ゝ`)「……」

( ´_ゝ`)「あ。もしかしてそっち方面のヒーリングもいける感じ?」

N| "゚'` {"゚`lリ「多少はな。だが――」

( ´_ゝ`)「流石阿部さん! ほんと頼りになるな!」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

N| "゚'` {"゚`lリ「おい、少年」

( ´_ゝ`)「……」

( ´_ゝ`)「弟者は、大丈夫なんだよな……?」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

N| "゚'` {"゚`lリ「……」

( ´_ゝ`)「……何とか、言ってくれよ」

411 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:11:42 ID:IQuCm.q20

N| "゚'` {"゚`lリ「……残念だが、もう――」















  Case12「海色の声」
  Day8C「深淵に沈む」

                          To be continued...

412 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/31(金) 23:12:16 ID:IQuCm.q20
今回はここまで

413名無しさん:2024/06/01(土) 08:52:22 ID:wPoZu3LI0
えっ…嘘だよな?

414名無しさん:2024/06/01(土) 12:38:30 ID:yok0TOQ20
いやいやいや。廃人エンド回避を信じてるで!!

415名無しさん:2024/06/01(土) 17:40:15 ID:BU8SjRX.0
おつ!
弟者…これは永久的狂気か…?

416名無しさん:2024/06/01(土) 17:58:44 ID:n2wAlg8U0


417名無しさん:2024/06/05(水) 09:50:48 ID:dQpewVWo0

古くから呪いを解くには真実の愛のキスが相場だよね(現実逃避)

418名無しさん:2024/06/06(木) 16:02:40 ID:CAgYpXNQ0
兄者の空回り感が痛々しい…
どうなるんだこれ。早く続きが読みたいけど読みたくない………。

419名無しさん:2024/06/07(金) 23:48:11 ID:zWNNTtlg0
乙乙
オトジャ復活してくれ…!
阿部さんの相棒気になる。あと全然関係無いけど地流さん革ジャン着てそうなイメージがずっとある

420 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/08(土) 23:29:10 ID:3cKbA.U60
>>413-415
( ´_ゝ`)「……」

>>416
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやでー」

>>417
<(' _'<人ノ「行きます!!!!!!!!!!!!!!!!!」

爪゚ー゚)「勢い余ってトドメ刺しそうな気迫」

>>418
(´・ω・`)「邪神エターナでも召喚しますか?」

>>419
N| "゚'` {"゚`lリ「俺の相棒はもちろんイイ男だぜ?」

421 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/08(土) 23:29:43 ID:3cKbA.U60
Case12-Tips14 救援者たち

(;;・∀・;;)「――ということなんです」

( ´W`)「なるほど、話はわかりました。まさかそのような面白可笑しいことになっていようとは」

(;;・∀・;;)「すみませんが対応をお願いできますか?」

( ´W`)「ふむ。しかし手負いの私一人では少々荷が勝ちすぎますな」

ミサ メー^)ト「あら、一人で行く気ですの?」

(;;・∀・;;)「!!」

( ´W`)「おや、お目覚めでしたか。私は我が主のように無謀を愛してはいませんからな、ルイーダの酒場にでも向かいますよ」

ミサ メー^)ト「当然わたくしも行きますわよ」

( ´W`)「……僭越ながら、今は治療に専念した方がよろしいかと。儚い人の身でありますれば」

ミサ メー^)ト「不可能ですわね」

( ´W`)「はあ……流石は我が主、我が身を顧みぬ愚かしさには惚れ惚れいたしますが」

ミサ メー^)ト「ほら、さっさと行きますわよ!」

( ´W`)「こうなっては何を言っても聞きませんね。止むを得ません、参りましょうか」



 ―――。

422 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/08(土) 23:30:39 ID:3cKbA.U60
【BAR バーボンハウス】

       Ⅲ A Ⅱ ∨ 日
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
(´・ω・`)  目 W ][ ∩ Ⅲ
|つ凵⊂| _________
 ̄ ̄ ̄ ̄ (    )
   ――⊂   .|――――――
       (,___)
        ━┳━   ━┳━
   ̄ ̄ ̄ ̄┻ ̄ ̄ ̄ ┻  ̄

423 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/08(土) 23:31:12 ID:3cKbA.U60

(´・ω・`)「……なるほど、それで?」

ミサ メー^)ト「カチコミかけますわよ!」

(´・ω・`)「頭沸いてんのか?」

( ´W`)「ご明察です」

ミサ メー^)ト「るせーですわ!」

(´・ω・`)「僕と手負いのあんた達だけじゃ、行ったところでどうにもならん」

ミサ メー^)ト「パッと入って一発かましてサッと逃げれば問題ありませんわ!」

( ´W`)「さて、一発かます相手がいるかは不明ですが」

(´・ω・`)「……」

( ´W`)「……一応補足しますと。道が開くのはごく短時間です。
     そして、一度無理矢理に揃えた星辰は大きく乱れ、長期に亘って閉ざされることになる。
     もう一度無理矢理開こうにも、途方もない魔力が必要になるそうですよ」

ミサ メー^)ト「ですから、追撃の心配はさほどなし! 逃げ得ッ!」

(´・ω・`)「……」

(´・ω・`)「リスクが高すぎる。確かに彼らには恩があるが……」

424 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/08(土) 23:31:46 ID:3cKbA.U60

ミサ メー^)ト「それだけの力を持っておいて恩人救出に尻込みとか……流石にダサすぎませんこと?」

( ´W`)「ぷっ、ですな。男として恥ずかしくないんですか正太郎クン?」

(´・ω・`)「ぶっちゃけ恥ずかしい。しかし――」



N| "゚'` {"゚`lリ「邪魔するぜ」



(;´・ω・`)「なっ……!? お前は!」

ミサ メー^)ト「あら?」

( ´W`)「……これはこれは。まさかあなたがお出ましとは」

N| "゚'` {"゚`lリ「ダチの恩人から依頼されちまったからな」

(´・ω・`)「竹葉不明門……!」

N| "゚'` {"゚`lリ「おいおい、そんな怖い顔するなよ。あんたらを味方しに来たんだぜ?」

( ´W`)「それは心強い! さて、我が主。後はこの男に任せて帰るとしましょう」

ミサ メー^)ト「帰りませんわよ!」

425 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/08(土) 23:32:20 ID:3cKbA.U60

N| "゚'` {"゚`lリ「待て待て待て、流石の俺も一人じゃどうにもなんねえっての」

( ´W`)「ま、小粋なジョークというやつです。我が主はどうせ帰りませんし」

ミサ メー^)ト「当たり前ですわ!」

(´・ω・`)「……教授の差し金か?」

N| "゚'` {"゚`lリ「あー、確かに奴からも似たような依頼をされたがな。そっちはウザイから断った」

ミサ メー^)ト「えっ?」

( ´W`)「ククク、プロフェッサーをそこまでぞんざいに扱えるのはあなたくらいのものでしょう」

(´・ω・`)「……駄目だな、到底信用できん。竹葉が乗るなら僕は降りる」

N| "゚'` {"゚`lリ「まあそう言うなって。あの時だって助けてやったろ?」

(´・ω・`)「む……」

N| "゚'` {"゚`lリ「な、頼むよ。お前の力が必要なんだ」

( ´W`)「我々としても正太郎クンの助力は是非とも欲しい。さ、土下座致しますぞ我が主」

ミサ メー^)ト「あっ、それは優秀な従者に任せますわ」

(´・ω・`)「……」

426 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/08(土) 23:32:53 ID:3cKbA.U60

(´・ω・`)「一つ聞かせろ」

N| "゚'` {"゚`lリ「ん、何だ?」

(´・ω・`)「……あの時、何故あんなことを」

N| "゚'` {"゚`lリ「あの野郎を満足させねーと後から掃除しそうだったからな。
         奴が愉悦するに足るものを見せて貰うためにああした。それだけだ」

(´・ω・`)「なるほど、な」

N| "゚'` {"゚`lリ「……まあ、判断誤ったかもしれないが。まさかこれほどまでになるとは、ね」

(´・ω・`)「言いたいことはわかる。だが、踏み止まってみせるさ」

N| "゚'` {"゚`lリ「ふっ……カッコイイぜ。あの時と同じ、男の目をしてる」

(´・ω・`)「……そりゃ、どーも」

N| "゚'` {"゚`lリ「だからよ、もっとカッコイイとこ見せてくんねーか?」

(´・ω・`)「……」

( ´W`)「フライングバルセロナ土下座ッ!!」

ミサ メー^)ト「ではわたくしは土下寝を」

427 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/08(土) 23:33:27 ID:3cKbA.U60

(´-ω-`)「……」

(´・ω・`)「いいだろう。僕も付き合う」

N| "゚'` {"゚`lリ ニッ!

( ´W`)「流石は正太郎クン。不肖白髭、感動に打ち震えております……!」

ミサ メー^)ト「笑いを堪えてるようにしか見えませんわ」

(´・ω・`)「馬鹿やってないで行くぞ。時間がないんだろ?」

( ´W`)「そもそも真っ当な手段では間に合わない気が致しますがね」

ミサ メー^)ト「飛んで行けば何とかなりますわ。消耗も大きいですけれど」

N| "゚'` {"゚`lリ「いや岩手まで魔術で飛んでくとか正気か?」

( ´W`)「残念ながら」

ミサ メー^)ト「その口ぶり、他に案がありまして?」

N| "゚'` {"゚`lリ「ちょっとしたツテでな、特別製のヘリを手配してある」

(´・ω・`)「ヒュウ……それはまた」

ミサ メー^)ト「ヘリ! 乗ってみたいですわ!」

428 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/08(土) 23:34:00 ID:3cKbA.U60

N| "゚'` {"゚`lリ「お嬢さんが風属性に自信アリってんなら、想定以上に早く着けそうだな」

ミサ メー^)ト「自信しかありませんわ!」

(´・ω・`)「着いた後の段取りは?」

N| "゚'` {"゚`lリ「そこらは移動中に。ちなみにだが、あちらさん……現地の特課には連絡済だ」

(´・ω・`)(連絡済……つまり、ここに来る前から他のルートで詳細を聞いていたのか?
      あり得るとしたら……まあ、教授か……やはり信用はしきれん)

( ´W`)「では、ミスター竹葉。案内をお願いします」

N| "゚'` {"゚`lリ「ああよ。ちょいと飛ばすが逸れるなよ?」

ミサ メー^)ト「無論ですわ!」

(´・ω・`)「ふん、あまり舐めるなよ?」

( ´W`)「ククク、この面子では流石に自信がありませんな。逸れたら捨て置いて頂いて結構」

N| "゚'` {"゚`lリ「よし、じゃあ早速――行くぞ!」

429 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/08(土) 23:34:34 ID:3cKbA.U60
本編はたぶん明日

430名無しさん:2024/06/09(日) 13:16:13 ID:Oerm1iFM0
‪wktk(•ω•⸝⸝。𖠗)‬

431 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:00:49 ID:FBY8KdD20
>>430
omts! リ゚▽゚ リ<l

432 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:04:27 ID:FBY8KdD20
前回のあらすじ
・間一髪、間に合ったか……ッ!
・……こりゃ酷ぇ。美和ちゃん、すまねぇ……!
・弟者は、大丈夫なんだよな……?


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

433 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:05:00 ID:FBY8KdD20
Case12-Day9「月日は巡る」
                              ________
                             /           /|
               / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /           / _ |
             /             | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  ::|
       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|  _____.|                |  ::|
     /          . /  |/|     . |________  |  ::|
    /          . /   |____/         /|  |  ::|
  /_______/   ./               / _ |  |  ::|
  | 筆府市立病院  |   /               / _   |  |  ::|
  | ≡≡≡≡≡≡  |  /__________/ _     |  |  /
  | ≡≡≡≡≡≡  |  ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡          ,;:'""':;
  | ≡≡≡≡≡≡  |  ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡      ,,;:"   ,;
  | ≡≡≡≡≡≡  |  ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡    ,,;:'    ,;"
  | ≡≡≡≡≡≡  |  ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡    ,;'"   ,;"
  | ≡=====/ .≡  |  ≡≡≡≡≡≡,;;"'':;,≡,;:'"":;,;:'"  ,;:''"
  | ≡||   ||/ ≡  |/ ̄ ̄ ̄ ̄,;:'"",,.,,,___ "':;____,,_,,,_;'"
   ̄ ̄----   ̄ ̄ ̄         ̄     ̄
,, , , ,,;;:;-,,;;.,,.                    ,,;;;,;;-.;;,,;;-;,;,;-.;;,,;;-;,;,;-
 " "'     ""'':i;,,          ,,;;i;:''"""''"
            "':;       ,i'
                "':;     ,;'
 ,, ,, ,,,  ;,,,   ,;, ,,; ,;:'    ,;",, ,, ;;, ;,  ;, ,; ,;, ,; , ;;; ;,; ,,
 l,,;;;ll,;;;,il;;::;,,li;;i;i,,li,;li;;;;;ll/    "';l,,l,,ii,,,l,i,,,i,,,ll, ii, i,ll ,i,,,,l,,,ii l,,l,ii, i,ll ,i,,,,l,,,ii l,,l,ii,
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

434 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:09:31 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)「よう弟者、生きてるか?」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

( ´_ゝ`)「ふむ……今日は心なしか元気そうじゃないか」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

( ´_ゝ`)「美和ちゃん、ようやく退院の目途が立ったとよ」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

( ´_ゝ`)「今のお前と会わせて良いもんかどうか、悩ましいがな」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

( ´_ゝ`)「……駄目、だろうな。到底耐えられるとは思えん」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

( ´_ゝ`)「さりとて、引き留めも限界……どうしたもんかね」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

( ´_ゝ`)「お前が治ってくれりゃ解決なんだが……そこんとこどうなんだ?」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

435 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:10:04 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)「お姫様のキスで目覚めるのに賭けるしかないのか?」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

( ´_ゝ`)「……ないわな、そんなご都合主義。科学の徒たる弟者ならそう言う」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

( ´_ゝ`)「聴こえてんのか知らねーけど、お前は愛する女の心も守れねえってのか?」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

( ´_ゝ`)「起きろよ、弟者。美和ちゃん孕ませなきゃ死ぬに死ねねーだろう?」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

(  _ゝ )「……起きろってんだよ、寝坊は俺の役目だろうが」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

(  _ゝ )「五月館のこと美和ちゃんに全部バラすからな?」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

(#´_ゝ`)「……何とか言えよ、なぁ……!」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

436 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:10:38 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)「……」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

( ´_ゝ`)「頼むから、入院費で破産する前に良くなってくれよ?」

(゚<_゚ )「ぁっ……ぁっ……」

( ´_ゝ`)「……また来る」



 ―――。

437 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:23:31 ID:FBY8KdD20
【流石探偵事務所】
         |  | ̄ ̄ ̄|:l  |       | ::|       ,| |
        | ̄ ̄      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
        |       流 石 探 偵 事 務 所      | |
        l__________________,| |
           |  |`''-、_                 | |
           |  |   「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
           |  |   |         |          | |
           |  |   |         |          | |
           |  |   |         r‐┐| r‐┐      ,| |
           |  |   |         |  ||!  !       .| |
ノヽ-ヘィiヘl^ヽ-,   |  |   l        └‐'゙ l└‐'      | |
―――――┐ス  !  !    |         |          | |
          | ,レi |  |   |______,|_____,,| |
          | Z |  |  /                   ,|_|/
          | ヘ |_|/

438 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:24:04 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)「戻ったぞー」

('A`)「あっ、所長。お帰りなさい」

( ´_ゝ`)「特に何もなかった?」

('A`)「はい、宮崎さんからお礼のお電話があったくらいです」

( ´_ゝ`)「お、離婚調停うまくいった感じかな?」

('A`)「らしいです。よろしくお伝えくださいって言ってました」

( ´_ゝ`)「よかった。結構気になってたんだよな」

('A`)「ちなみにどんな案件だったんですか?」

( ´_ゝ`)「托卵」

(;'A`)「うわぁ……」

( ´_ゝ`)「元々は浮気調査の依頼だったんだけど、浮気相手が息子さんとそっくりでな……」

(;'A`)「ほんとにあるんですね、そんなこと」

( ´_ゝ`)「今でも何かの間違いだったと思いたい」

('A`)「そもそも浮気自体理解できないけど、輪をかけて理解不能だなぁ……」

439 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:24:56 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)「天丼さんの依頼は何とかなりそう?」

('A`)「はい、どうにか。副所長ほど上手くはやれてないと思いますけど」

( ´_ゝ`)「十分十分。太客手放さなくて済んで助かってるよ」

('A`)「凄いですよね、天丼さん。お金持ちなんですかね?」

( ´_ゝ`)「お金持ちなんだろうな」

('A`)「世の中には色んな人がいるなあと実感します」

( ´_ゝ`)「それはほんとにそう。この仕事してるとよくわかる」

('A`)「世界が広がった感じがして面白いです」

( ´_ゝ`)「……しかし本当によかったのか? ヌケドも就活もやめちまって」

('A`)「就活はやめたんじゃなくて終わったんですよ。今更内定取り消しとか言わないでくださいよ?」

( ´_ゝ`)「いや、それはないが……本当にこんなヤクザな仕事でいいのか?」

('A`)「正直迷いましたけどね。実際にバイトして、結構楽しいなって」

( ´_ゝ`)「まあ、こっちは助かるしドッくんが良いなら止めないが……」

('A`)「正直、SE目指してたのも惰性でしたから……むしろ良かったのかも」

440 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:25:42 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)「いきなり潰れるかもよ?」

('A`)「まあ、その時はその時じゃないですかね。
    御前さんの話だと、今やってるような経験あれば引く手数多らしいですし」

( ´_ゝ`)「フリーランスBPとしてならいつでも捻じ込めるとも言ってたな……」

('A`)「どんだけ人手不足なんでしょうね……」

( ´_ゝ`)「半人前で上等、いない方がマシな人材ですら割と案件決まってくとか地獄みある」

('A`)「ですよねぇ」

( ´_ゝ`)「ドッくんはいたら確実に役に立つから御前さんも手ぐすね引いてそう」

('A`)「ですかねぇ」

( ´_ゝ`)「仕事の飲み込み早すぎるんよ。弱点は口下手とチキンハートと声が小さいことくらい?」

('A`)「そうですか?」

( ´_ゝ`)「そうだ」

('A`)「うーん、自分ではよくわかんないですけどね」

( ´_ゝ`)「まあ、長所ってそんなもんだよな」

441 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:26:15 ID:FBY8KdD20

('A`)「……強いて後悔してると言えば、ヌケドやめたことくらいですか」

( ´_ゝ`)「なかなか会えなくなったもんな」

('A`)「ヌケドにはちょくちょく顔出してるし、たまに食事にも行ってますけどね」

( ´_ゝ`)「そろそろちゃんとしたデートに誘ってもいいんじゃないか?」

('A`)「どうなんでしょう? 迷惑じゃないですか?」

( ´_ゝ`)「興味ないことなら面倒がるだろうが、興味あることなら大丈夫だと思うぞ」

('A`)「うーん……剣道の大会とか?」

( ´_ゝ`)「悪くはなさそう。ドッくんが興味あるなら」

('A`)「……正直あんまないですね」

( ´_ゝ`)「それは悪手。死んでも相手に合わせ続ける覚悟があるならいいけど」

('A`)「あ、居合。居合はちょっと見てみたいです」

( ´_ゝ`)「ほう。なら講習会的なのとか、道場の見学が良いかもな」

('A`)「なるほど」

( ´_ゝ`)「ちょっと調べてみたら良いかもね」

442 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:26:49 ID:FBY8KdD20

「邪魔するよ」

( ´_ゝ`)「むっ?」

(;'A`)「えっ? ……あっ」



             @@@
            @#_、_@
             (  ノ`)       (´<_`∬
           (⌒`::::  ⌒ヽ   ,r'⌒  ::::`⌒)
           ..ヽ:::: ~~⌒γ⌒)(⌒γ⌒~~ ::::,r'
             ヽー―'^ー-'  '-ー^'―ー,r'
              〉    │   │    〈
   / ̄/ココ    / ̄/ココ    / ̄/ココ   ./ ̄/ココ    / ̄/ココ    / ̄/ココ
   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;
  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙
  /_/     /_/     /_/     /_/     /_/     /_/




∬´_ゝ`)「ふぅん、久しいな愚弟よ」

( ´_ゝ`)「母者、姉者」

443 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:27:22 ID:FBY8KdD20

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「随分と腑抜けたツラしてんじゃないか」

( ´_ゝ`)「そうか?」

∬´_ゝ`)「そうだ。実に情けないツラをしている」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「む、あんたがドクオくんかい。愚息が世話になってるね」

(;'A`)「え? ど、どうも」

∬´_ゝ`)「愚弟、茶くらい出さんか」

( ´_ゝ`)「あーはいはい、ちょっと待ってろよ」

(;'A`)「えっ?」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「あんた、あの子からパワハラとか受けてないかい?」

(;'A`)「いえ、いつも良くして頂いてます」

∬´_ゝ`)「奴が適当なことを言っていたらきちんと躾けるのだぞ」

(;'A`)「は、はぁ……?」

444 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:27:56 ID:FBY8KdD20



                         jI斗一    ̄ ̄  `
                     ア゚    ,.,           `'≪
                     ア゜     ~"寸     〝〟
                     ,'    ,イ   ア ヽ
                   i    {{    ゝ '   ノリ      _jI斗‐━ァマ
                     ¦   ゞー__  。o 彡''  f^''"~     j!  ',
                  ‘, _,, ...__ ・ ̄         ',      {   j}
                    ¦ ,ィ   ~"''≪       ゛、_rf(  ̄~"''ゝ。'
                  _У       `寸          ァ(
                   / ';     ,, r‐  ',       _,xく
         _j幺ェェォ__イ__,:ノ. r㎡_       ア_幺孑ヤ升
       ,,。*''“゚      j´。厂゛>、  うぅ==七"
    ,ィ'”    ..: : '⊂⊃ ノo゚イ .   寸
   〃  . : '       χ イ{  ゛ :.   マ
   {{ .0o 。  ゜  ζ δ  ゚  :. リ
   “t。  ゚    c。 λ .。廴   s  ;,ィ(、
  /∧(h。      ゙^ 〜  ‘’ ,+`,らヘ
  た//,   う≧=ー-- 一=≦   八/ム
 £///: ,                  ,:'////}
  Ⅵ///_ゝ、,          . イ////Ⅳ
   ゞ//////≧ぃzッzzャぉI〔///////
    `'≪////_///////////__j彡''’
         ̄ ―--=‐━   ̄

445 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:29:17 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)「見舞い帰りか?」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「ああ」

∬´_ゝ`)「相変わらずだったがな」

( ´_ゝ`)「だよな……」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「あんたがそんなツラしてちゃ治るもんも治んないさ」

( ´_ゝ`)「そうか?」

∬´_ゝ`)「そうだ。貴様が塞ぎ込んでどうする、いつも通り愚かしいツラを晒していろ」

( ´_ゝ`)「えぇ……」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「デイジーの言う通りだよ。病は気から!」

( ´_ゝ`)「いや病んでるの俺じゃないんだけど……」

(;'A`)(すごい圧だなあ……)

446 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:29:50 ID:FBY8KdD20

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「ちょいと鍛えなおしてやるとするかい」

( ´_ゝ`)「えぇ……」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「あんたがもっと強かったら、違う結果もあったんじゃないのかい?」

( ´_ゝ`)「そうかな……そうかも?」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「もっと強くなんな。そんな結果はなかったって言い切れるくらいに」

( ´_ゝ`)「いやそれ結局解決してないんじゃ……」

∬´_ゝ`)「少なくともそんな煮え切らん顔にはなるまい。違うか?」

( ´_ゝ`)「……」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「午後は九折の知り合いのとこ手伝ってるから、仕事終わったら連絡しな」

( ´_ゝ`)「わかった」



 ―――。

447 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:30:23 ID:FBY8KdD20

('A`)「いやー、おっかないですね」

( ´_ゝ`)「だろ?」

('A`)「でも……何て言うんだろう、暖かい思いやりのようなものを感じました」

( ´_ゝ`)「……まあな」

('A`)「素敵なお母さんじゃないですか」

( ´_ゝ`)「ドッくんのそういうとこ、素直に凄いと思うよ」

('A`)「そうですか?」

( ´_ゝ`)「そうだ。……ま、俺もいい加減切り替えなきゃかな」

('A`)「副所長が復帰する前に事務所潰れちゃ目も当てられませんしね」

( ´_ゝ`)「普通にありえるから困る」

('A`)「俺も頑張るんで、なんとか維持しましょ」

( ´_ゝ`)「ありがてぇ……ドッくんが来てくれてよかったよ、ほんとに」

('A`)「はは、なんか照れますね」



 ―――。

448 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:32:47 ID:FBY8KdD20
【中華そば 小池】
. :|:..  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...:|: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:|__|  |
__小___________.十___________| ̄|  |_____
 |  |{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',    |  |_|
 |  |:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.,,:.:.:.:.:.:.:.;;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',   |___|
 |  |:::',:.:.:.:.:〝:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.#:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',   | ;,::,:,|
 |  |:::::',,,,,,,,,,,,,,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',  !.  |
 |  |_ ',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:':,|. |
 |  ||γ!:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\____|______
 |  ||〈大_\_____________________\.!__|___
 |  |.-.-.-.-.|::::::::::::::::::|::::::::::::::::: |::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::|::::::::::::::::: |.!   !三三三三三
 |  ||「 ̄ ̄.|::::::中::::::||::::::華::::::||::::::そ::::::||::::::ば::::::||:::::小池:::|| ;.  |三三三三三
 |  ||| //  .!:::::::::::::::::|| :::::::::::::: ||:::::::::::::::::|| :::::::::::::: ||::::::::::::::::: ||   |三三三三三
 |  ||| /    ̄/|| ̄ ̄ ̄ ̄ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||/ / ̄ ̄/ || ̄ ̄!   !三三三三三
 |  |||′    / .||         ||//     // || /    / . ||:::┐::| ,,  |三三三三三
 |  ||「 ̄ ̄ ̄ ̄|         |「 ̄ ̄ ̄ ̄.[!|「 ̄ ̄ ̄ ̄.!三[:::| # .|三三三三三
 |  |├ ――‐,┤      .||----------||--------.||:::]三|   |三三三三三
 |  |||        ||         ||  ,;,     ||        .||三;/:|   |三三三三三
 |  |||        ||         ||          ||        .||:::] [::|,,   |三三三三三
 |  |||        ||         ||          ||    ##" ||ニニニ|   |三三三三三
 |  |||========||         ||==========||========.||::::::::::|   |三三三三三
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\:::::::::::::\:::::::::::::\:::::::::::::\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄人_人 ̄ ̄ ̄ ̄

449 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:33:20 ID:FBY8KdD20

( "'Д')「らっしゃーせー!」


( ´_ゝ`)ノ「ちっす」

('A`)「こんにちは」


( "'Д')「おっ、あんたらか。いつもので?」

( ´_ゝ`)「うっす」

('A`)「お願いします!」

( "'Д')「あいよ!」

450 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:34:17 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)「おやっさん、奥さんの具合はどう?」

( "'Д')「あー、よくはねーな。今んとこ杖がありゃ何とかなるが」

( ´_ゝ`)「……しつこいようだけど閉店延期してよかったのか?」

( "'Д')「俺もそう思ったんだけどよ、当のかかあに続けとけって言われちまっちゃあな」

( ´_ゝ`)「なんか俺らのせいで予定狂ったのかなって恐縮だけど……その分通わせて貰うよ」

( "'Д')「はは、だからそんなんじゃねーって。弟の方にもっかい喰わせるまで畳みたくねえってのも本音だけどな!」

('A`)「早く良くなるといいんですけどね」

( ´_ゝ`)「ああ……」

( "'Д')「シケたツラすんなよ! どうせラーメン食いたくて帰ってくるぜ!」

( ´_ゝ`)「ああ、そうだな……うん。ここのラーメンはうまいからな!」

( "'Д')「へへ、あたぼーよ! それだけが取り得だからな!」

('A`)「ほんと、飽きないんですよねぇ……何で前まで通ってなかったんだろと思うくらい」

( ´_ゝ`)「おやっさんには悪いけど初見は微妙だからな。何度か食うとハマる、俺らもそうだった」

( "'Д')「よく言われるぜ! ヤベー薬とかは入ってないから安心しろよ?」

451 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:37:31 ID:FBY8KdD20

( "'Д')「らっしゃーせー!」

タ ・ケ・)ダ「あっ」

( ´_ゝ`)「あっ」

タ ・ケ・)ダ「どうも」

( ´_ゝ`)「ああ」

( "'Д')「あんちゃん、ご注文は?」

タ ・ケ・)ダ「ええと……中華そば大盛りで」

( "'Д')「あいよ!」

( ´_ゝ`)「……」

タ ・ケ・)ダ「……」

(;'A`)(き、気まずい……)

タ ・ケ・)ダ「あの……」

( ´_ゝ`)「む」

452 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:38:04 ID:FBY8KdD20

タ ・ケ・)ダ「……すみませんでした。弟さんがあんなことになるほど手を尽くしてくれたのに、八つ当たりしてしまって」

( ´_ゝ`)「……いや、渾身の依頼を失敗しちまったからな。何の言い訳もできねぇ」

タ ・ケ・)ダ「元々、可能性の低い話だというのは理解してましたから。それでも受け入れられなかったわけですが……」

( ´_ゝ`)「ここに来たのは……もしかして」

タ ・ケ・)ダ「事務所に伺う前に、もう一度気を落ち着かせようと思いまして」

( ´_ゝ`)「なるほど……」

タ ・ケ・)ダ「今更ですが、ありがとうございました」

( ´_ゝ`)「……ああ。プロとして受け取り難くはあるが、ありがたく受け取らせて貰う」

タ ・ケ・)ダ「よかったです。酷いことを言ってしまったのでずっと気になっていて……」

( ´_ゝ`)「オーケー、ここはお互いラーメンスープに流すってことで」

タ ・ケ・)ダ「ははっ、それはいいですね!」

( "'Д')「ガハハ、うめーこと言うじゃねぇか。ほれ、うめーこと繋がりでうめーラーメンだぜ」

( ´_ゝ`)「おっ、来た来た」

453 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:38:37 ID:FBY8KdD20

( "'Д')つ「チャーシュー大盛、ネギ塩、中華そば大盛りお待ち!」



            ζζζ
            ____
     ( "'Д')つ\∽∽/
              └─┘




  ( ´_ゝ`)ズー タ ・ケ・)ダ ズー ('A`)ズー
  (っ. 川 .o   (っ川.o    o 川⊂)
 ̄ ̄`ー―′ ̄ ̄`ー―′ ̄ `ー―′ ̄\




( ´_ゝ`)b「「うめぇ……!」」d('A`)



タ ・ケ・)ダ「あれ……? うまい……!?」

( ´_ゝ`)b「ここのラーメンは二回目からが本番」

d('A`)「めっちゃうまいですよね!」

454 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:40:25 ID:FBY8KdD20

タ ・ケ・)ダ「こんなにうまかったっけ……!?」

( ´_ゝ`)「はぁ〜……やっぱこれだね」

('A`)「わかります。それだけに後継者問題……何とかしたいですね」

タ ・ケ・)ダ「あー……そういえばそんな話でしたね」

( ´_ゝ`)「うーん……風狸ちゃんには断られちまったしな」

('A`)「鳥華族の店員さんでしたっけ? まあラーメン屋ってイメージではないですよね」

( ´_ゝ`)「あ。そういえば内藤君とか就活どうなってるん?」

('A`)「絶賛就活中ですね、食品メーカー中心で。何故かエロゲメーカーも受けてましたけど」

( ´_ゝ`)「引っ張れたりしないか……?」

('A`)「いやー、どうでしょう。あいつにゃ一人で切り盛りするのは厳しいんじゃないですかね」

( ´_ゝ`)「しかも小豚の大将に怒られそうだな」

('A`)「確かに。相変わらず孫みたいに可愛がってるし、飲食やるなら自分のとこ継がせたがりそう」

( ´_ゝ`)「膝出くんの状況も気になるな……ちょっと連絡してみるか」

('A`)「あー、あのデカい人。一緒に回ってるって言ってたので無い内定かもですね」

455 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:40:58 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)「改めてツテを洗ってみるか。この店なくなると仕事やる気なくなりそうだし」

タ ・ケ・)ダ「俺も知り合い当たってみますよ」

('A`)「もちろん俺もです」

( ´_ゝ`)「たすかる」

( "'Д')「いやー若い人らにそこまで言って貰えると、嬉しいもんだな!」

( ´_ゝ`)「それだけ、おやっさんが人の心を動かすほどのものを積み上げてきたってことだ」

('A`)「そういえば、この店って何年くらいやってるんですか?」

( "'Д')「今年で52年だな。5年は屋台でやってたから、この店って意味じゃ47年か」

タ ・ケ・)ダ「えっ、やば」

( ´_ゝ`)「半世紀。もはや町の歴史だよな」

('A`)「凄いなぁ……」

( "'Д')「ガハハ! 褒めたってラーメンしか出ねーぞ?」

( ´_ゝ`)「それで良い、それが良い」



 ―――。

456名無しさん:2024/06/09(日) 22:42:00 ID:Z8mCDmbg0
おぉ…もう…

457 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:43:28 ID:FBY8KdD20
【九折山中】
:ヾゞ;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ   /;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞ   |ii;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞヾ;ゞヾ:ヾ
ノ;;ヾ ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ ヾゞ;|  <;;/::ヾゞ;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞ;;::iiゞゞ;;ゞゞ;;ゞヾ;;>;ゞヾ;ゞ
ゞヾ ;ゞゞ;ゞiilヾ;ゞゞ゙ゞ;;:::ii|  |;:ヾゞ   "ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾiii| <:;ヾ:ヾ;;>ヾ;ゞ'';ゞヾ;ゞ
|;:ilヾ \ |::;ii|   ヾ;ゞゞ''ノヾ|;:i|    ノヾゞ:ヾヾ::ヾ\ |i;;:iii| /;;ゞ :;ヾ:,    |i;ゞゞ
|;:i|  \`'';:::ii| ヾ:ヾ;;>;ゞヾ|  |;:i|/^    '|i|  |;:i| \`";;::ii| ノ / :ヾ;;>ヾ;ゞ ;ゞヾゞ
|;:i|   ゙ヽ,;:;;;l| /゙;ゞゞ;ゞ:::ii|  |;:i|       |i|  |;:i|   ~|ii;;:ii"´/ |;;::ii|    |i|/
|;:i|     |:::;iii~ ノ  ,,|;;::ii|  |;:i|       |i|  |;:i|   |i::;;iii|~   .|;;::ii|  ''\|i|
':;,`:ヽ|/,'|:;:;ii|:,:;*.,:;/.:::;.:":::"''''⌒ヾゞ   γ''"""''""''"' |ii;;i;('')''"''''"""''"""'''''"""''
";*'.:.:;”:;゙|:;;iii|`:;,':,*”:;:;.,:;.:;'.:.:;”:;ヾヾ))  ((,:ソミ;.:';';';::;.:". |i;;;::;iii|`:;,':,:;.,:;.:;';',: ':::;.:".:;.:';
.:;”:`:;,' *”|:;:;ii|:,:;*.,:;/.:::;,':,*”:;:;.,:;.:;'.:ソ    "''~`''"゙"'''~ノ;;ii;:iilli;ゝ"''~`''"゙"''~`''"゙"''~゙
"''~`''"゙ ノノシillゝ"''~`''"゙"''~`''"゙"''~            "'''''''''''''''"  ..,,、vji、iijww、ii..,
     "'''''''''"               '""'''""'"""
 ,..,.,.,.,、                                    ,..,.,.,.,、
           ''''""'"'''"""
;;;ゝ);;));ヾ;;)              ,..,.,.,.,、        ''"""~
))ゝ;;;ミ,,、,,;;;ゝ;;)ゝ))ゝ
;;;) ;;;)ヾミゞ((;;;ゝヾ;⌒;;)   iijww、ii.       """~"           ''"""~
ヾミ;ソ(;;;ゝヾ;))ゝ;ミ;;(::;ゝ;;;))                     ,..,.,.,.,、

458 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:44:01 ID:FBY8KdD20
                         `     '
                           、   ノヾ     '
                           )ヽ/  ヽ、ノ|ノ´
                            `r      r'
                            )     (
                          , '´⌒`Y´⌒` 、        ,、    /
                             ,              キ人_,/
            `                                )  て
             \ ,,_人、ノヽ                       /´⌒Y,.
              )ヽ    (               、ハ,          \
           - <       >─           ^ <  て
              )     て              ./'Y''~ヾ
             /^⌒`Y´^\              `

459 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:44:34 ID:FBY8KdD20

(;´_ゝ`)┫「はあっ! はあっ!」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「ふうっ……! やるようになったじゃないか」

(;´_ゝ`)「伊達に修羅場潜ってねーからな……」

(;'A`)(相変わらずのヤムチャ目線……)

∬´_ゝ`)「母者にそこまで言わせるとはな、大したものだ」

( ´_ゝ`)「そういや一つ聞きたかったんだが……母者は魔術って知ってるか?」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「魔術? ……知ってはいるね」

( ´_ゝ`)「そう、か……」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「なにせ父さんは元陰陽師だし」

( ´_ゝ`)「そうそう父者は陰陽――は??」

∬´_ゝ`)「なん……だと……?」

460 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:45:08 ID:FBY8KdD20

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「ま、才能なかったから裏方に回ったらしいけどね」

( ´_ゝ`)「あ……そういうこと、か? 美和ちゃんと接点があったのも」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「文化庁から出向して、県内の神社仏閣の調整役をやってるのさ」

( ´_ゝ`)「なるほどな……」

∬´_ゝ`)「おい、魔術とは何だ?」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「あたしゃ説明できるほど知らないよ。帰ったら父さんにでも聞くんだね」

(;´_ゝ`)「ってことは……やっぱ母者の強さは素のフィジカルなのか……やべぇな」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「魔力とやらを使っているらしいことは聞いてるよ。あたしは所謂"気"ってもんだって認識だったけどね」

(;´_ゝ`)「よ、よかった……流石に人類の範疇超えるからな……」

('A`)(……流儀によっては"気"とか"霊力"とか呼ぶこともある、って砂緒さん言ってたな)

461 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:45:42 ID:FBY8KdD20

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「フン。所詮ヒグマと引き分ける程度さ、北海道じゃペーペーだね。……あいつとはいずれ決着を着けるが」

( ´_ゝ`)(そいつ絶対普通のヒグマじゃないだろ……それに北海道の猟師はライフルありきだろうに)

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「技術だってまだまだ本物の達人クラスにゃ及ばないしねぇ、精進あるのみだよ」

( ´_ゝ`)「本物の達人クラス……玄葉師範とかか」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「……祈念流かい。あの時の息子さん、そこまでに成ったか……」

( ´_ゝ`)「道場破り以来会ってない感じか」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「そりゃ、合わせる顔がないからね。
       技術の粋をパワーで捻じ伏せて良い気になってたのが恥ずかしくて恥ずかしくて……」

( ´_ゝ`)「あー……だからこその、あの奥義なんだな。母者らしくない、テクニック極振りの一撃」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「そうさ。ようやく手が届いた、達人の世界の一丁目ってとこだよ」

462 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:46:16 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)「まさしく一丁目だな……師範は全ての戦闘挙動があの水準だし」

 @@@
@#_、_@
 (; ノ`) 「えっ……それ、本当に人間かい……? 流石にそこまでとは思わなかったよ」

( ´_ゝ`)「向こうも同じことを言うと思うぞ、母者の全力のパワーを見たら」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「ふっ……隣の芝は青いってやつかね?」

( ´_ゝ`)「いい加減昔の話だろうし、一度訪ねてみてもいいんじゃないか? お互い良い刺激になるだろうよ」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「考えとくよ」

∬´_ゝ`)「ふぅん、話はよくわからんが……少しは発散したようだな、愚弟よ」

( ´_ゝ`)「ん……そうだな。久しぶりに全力で動いたらちょっとスッキリした」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「あんたは鍛錬をサボりすぎさ。もう少し真面目にやるんだね」

('A`)(俺じゃ抗うこともできずに即死だなあ、どっちも)

463 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:52:06 ID:FBY8KdD20
【BAR バーボンハウス】

       Ⅲ A Ⅱ ∨ 日
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
(´・ω・`)  目 W ][ ∩ Ⅲ
|つ凵⊂| _________
 ̄ ̄ ̄ ̄ (    )
   ――⊂   .|――――――
       (,___)
        ━┳━   ━┳━
   ̄ ̄ ̄ ̄┻ ̄ ̄ ̄ ┻  ̄


(´・ω・`)「ん?」

( ´_ゝ`)ノ「ういっす」

('A`)「こんばんは」

(´・ω・`)「らっしゃい――おや?」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「邪魔するよ」

∬´_ゝ`)「ふぅん、相変わらずシブい店だ」

(´・ω・`)「ああ、お久しぶりです」

464 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:52:39 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)「いつもの」

('A`)「ジントニックお願いします」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「生、大ジョッキ」

∬´_ゝ`)「ウォッカを、ロックで頼む」

(´・ω・`)「はいよ」

( ´_ゝ`)「マスター、レモナは元気?」

(´・ω・`)「ええ、お陰様で。飼鱈場の方にいるので僕もあまり会いませんが」

( ´_ゝ`)「言ってみるもんだよな、まさか本当に通るとは思わんかったが」

(´・ω・`)「感謝してますよ。あの子が地獄から抜け出せたのも、平穏な暮らしを得られたのもあなた方のお陰です」

( ´_ゝ`)「大号泣だったもんなマスター」

(´・ω・`)「そりゃそうですよ。失ったと思った仲間があんな形で帰って来たんですから」

( ´_ゝ`)(それは……いや、言葉にするべきではない、か)

(´・ω・`)「……お待たせしました、カミカゼ、ジントニック、生大、それとウォッカね」

465 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:53:13 ID:FBY8KdD20
                           ,. -‐==、、
              ,. ===、、 o   ○o.  i       :::ト、
            _,/      `ヾ´´`ヽ、 ゚ .l       :::ト、\
            //      .::::/  :::::!===l      :::|ス. ',
             /./       .::::/   ::::l    |  __ ..... _::::|} ヽ l-、
.           ,ィク ,'..__    .::::/    ::::l    :l '´    `)'`ヽ ヾ;\
       /::{゙ ヽ、 ``丶、;/‐‐- 、::::l     `'::┬‐--<_   } ./;:::::\
     /::::::::!   ,>---‐'゙ー- ...__)イ ,. -‐‐-、ト、   |l::ヽ /;';';';';::::\
.     /|::::::;';';'\/} (ヽ、  _/|   (´    _,.ィ!::ヽ.  ヾー'´;';';';';';';';';:: /ヽ、



 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「ぷはー! うまい!」

∬´_ゝ`)「店主。何か良いツマミはあるか?」

(´・ω・`)「今日のお勧めはモツカレーです」

( ´_ゝ`)「おっ、旨そう」

∬´_ゝ`)「ではそれを……4人前で構わんな?」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)b「ああ!」( ´_ゝ`)b「無論」

('A`)b「大丈夫です!」

466 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:53:46 ID:FBY8KdD20

(´・ω・`)「辛さお好みあります? 元が普通の中辛くらいで、辛味足せますが」

('A`)「激辛でお願いします!」

( ´_ゝ`)「辛口くらいで頼みたい」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「何をヌルイこと言ってるんだい、ここは激辛だろ?」

∬´_ゝ`)「店主、構わん。全員に激辛を」

(´・ω・`)「ふっ、あいよ」

( ´_ゝ`)「えぇ……」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「今のあんたには更なる発汗が必要だ」

∬´_ゝ`)「違いないな。まだまだしょぼくれたツラをしている」

( ´_ゝ`)「……ドッくんもそう思う?」

('A`)「いや、わかんないですけど……その聞き方はなんか、らしくない気はします」

( ´_ゝ`)「なるほど……」

467 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:54:20 ID:FBY8KdD20

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「よく食べてよく動いてよく寝る! これ以上の薬はないからね」

( ´_ゝ`)「まあな……幸い胃腸は母者譲りで強靭だし」

('A`)「胃腸弱い人がメンタルやられると悪循環になるってよく聞きますしね」

∬´_ゝ`)「うちの客でも精神科に10年通っているという女がいたが、
      消化器内科を勧めたら病気が見つかったということがあったな」

( ´_ゝ`)「ほーう。精神科で気付かんかったんかねそれ」

∬´_ゝ`)「いや、医者は検査を勧めてはいたようだ。本人が頑なに拒否していたらしい」

('A`)「そこをうまいこと占いで促した、と。なんか凄いですね」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「占い師なんてヤクザな商売だと思ってたけどね。意外と真っ当に仕事してるんだよ、この子」

∬´_ゝ`)「意外とは何だ意外とは」

( ´_ゝ`)「まあ、占いのあるべき姿ではあるわな。迷い道を照らすってのは」

('A`)「なるほどなぁ。なんか占いに対する印象変わっちゃいますね」

468 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:56:57 ID:FBY8KdD20
               ,-(`⌒√)r-,
            ,. ,-{;::::.ヽ:::::::(::::ノ────────- 、
         , -'" (;::(:.、_`ヽヾ/......_,..-''' ̄"'''- ._..........  "'-.、
        /    ....\`r-、\:. ) '          `ヽ::::\  \
       /    /r- 、`ヽr /        ,.,,;;;,,-、    \:::....   \
        /   // _  )、:/    , ' ,'/_/⌒ヽ;;\    ',:::::\  ',',
      ||  /:::_,.-'',、 "'- 、{  ./   ,'∧( `ヽ::::::\;;;i    ' ,:::::::ヽ  ',',
      || /:/( ) ヽ_)( )  Y/   /::|||||\_::\:::|;;;|    }:::::::::::| | .|
       ', ::/ (\  ,-、とつ/    /:::|:|||:|::::\_;;;\....::::::::::::::ヘ:::::::::| | |
        ',、::/⌒ヽ::::::::::::(     /:::::|:|:||:|:::::::::\;;;...::::::::::::: へ :::::::::::}/'
        ',ヽ   ..::::::::::::::ヽ....  /:::::::|:| |:|:|:::::::::::::::::::::::::::/ /.:: ヾ:://
        ':, \:::::>::::::(::Y::⌒:ヽ:::|:| | |:|:::::::::::::::::へ::::\_.:::::::::://
         ':,  'ヽ、:::}:)(:::t:r::)|:| | |:|:::::/^ゝ:::::::::::::::_,.-'" /
          \  "'''-.._(::::):::}|:| | | |::( r 、ヽ_,..-'''"  , /
           \     "'''ー─------──'''"~       /
             "'- 、                 _,,-''''"
                "'''- ..__     ___,..-'''"
                       ̄ ̄ ̄

469 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:57:31 ID:FBY8KdD20

(´・ω・`)「モツカレー激辛、お待ち」

( ´_ゝ`)「来た来た。……ほう、スープカレー風とは珍しいな」

('A`)「確かにモツカレーって言ったらカレーライス風のを想像しますね」

(´・ω・`)「あー、清水のモツカレーのイメージですかね? 名前がよくなかったかな」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「こりゃうまそうじゃないか」

∬´_ゝ`)「うむ、スパイスの香りが実にそそる」

( ´_ゝ`)「どれ、早速……うむ、旨――」

(;´_ゝ`)「いや辛ッ!!」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「パンチの効いた辛味だね。おかげでモツのモッタリした後味が引き締まって、実に後を引く」

∬´_ゝ`)「それに、見た目よりもしっかりした旨味だ。これは魚介系か……?」

(´・ω・`)「ご名答、オイスターソースを使ってます」

('A`)「うんま! ニンニクとショウガの香りがいいですね!」

470 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:58:04 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)「辛いの苦手なつもりはなかったが……俺以外全員激辛党……」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「ふぅー……濃い味で酒に合うねぇ。大ジョッキおかわり」

∬´_ゝ`)「ウォッカも頼む」

(´・ω・`)「あいよ」

( ´_ゝ`)「だが、辛いが旨い……いやマジで旨いなこれ?」

('A`)「旨いですよね。濃い味だから酒か米がないときついですけど」

( ´_ゝ`)「米か。いいな米、貰えるかマスター?」

(´・ω・`)「あいよ」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「そうだ、どんどん食いな! よく食べてよく動いてよく寝る!」

( ´_ゝ`)「わかったよ、ガキじゃないんだから何度も言うなって」

('A`)(良いお母さんだなぁ……)

(´・ω・`)「ふふふ、おかわりまだまだありますからね」



 ―――。

471 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 22:59:56 ID:FBY8KdD20
      |   γ⌒ヽ
      |    ゝ,,__ノ    γ;)____
      |           || |゚    ゚|
      |       (;´⌒.   || | 〃.  |
      |      (: ) )   リ |。  〃。|
      |       ノ  ノ   ̄ ̄
      |________屯==、
       /と ( ´_ゝ`) つ . /|
     / .,' `Y,,.. .,. .Y´.`i |{ |_
    / .,' ,; ~      ';i |L/_ 占占__
.   / ,' ,;〜  ~ 〜.  i |/
         Λ
 / ̄ ̄ ̄ ̄    ̄ ̄ ̄\
 |   ふぃ〜〜……!   |

472 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 23:00:48 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)(ああ、今日は良い日だったな……おかげで随分と心が軽くなった)

( ´_ゝ`)(周りの人に支えられて生きてるんだなって、改めて実感する)

( ´_ゝ`)(特にドッくんにはもう頭上がらんな……いてくれなきゃ時既に廃業だったろうし)

( ´_ゝ`)「ドッくん様々だ」

( ´_ゝ`)(まあいなかったらいなかったで村上さん頼れば誰か派遣してくれたかもだけど)

( ´_ゝ`)(裏の話できないと相当しんどいしな、ほんとありがたいわ)

( ´_ゝ`)(……弟者は、いつか必ず目覚める)

( ´_ゝ`)(阿部さんだって、未来の可能性までは否定しなかった)

( ´_ゝ`)「そうだ、絶対に帰ってくる」

( ´_ゝ`)(帰って来た時に一緒にラーメン食えるように。俺が今できることをやってくしかないよな)

( ´_ゝ`)(マジでお姫様のキスで目覚めたりは……やっぱないか? ワンチャンあるのか?)

( ´_ゝ`)(駄目だった場合の美和ちゃんのケアは……まあ、地流さんに任せるか……)

473 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 23:01:23 ID:FBY8KdD20

( ´_ゝ`)「……うっし、明日から気合入れなおしてくか!」















  Case12「海色の声」 Complete!


                          To be continued...

474 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 23:01:56 ID:FBY8KdD20
Case12-Tips14 台風一過

(,,゚Д゚)「いやー……何だったんだろうな、あいつら」

(*゚ー゚)「ほんとに。引っ掻き回すだけ引っ掻き回していなくなっちゃうし」

(,,゚Д゚)「まあ、置き土産のCD-Rは今後の切り札になりそうだが」

(*゚ー゚)「端末に入れてCDブート? とやらをするだけで好き放題できるって本当なのかな?」

(,,゚Д゚)「実際やったんだからそうなんだろ。対策される可能性は低いってのが自信過剰じゃなきゃだけどよ」

(*゚ー゚)「施設に潜り込むの自体はタイミングさえ計れば可能だし……ちょっとずつ仕込みを入れていければいいのかな」

(,,゚Д゚)「問題は、今のメンバーでコンピューター扱える奴がいないってところか」

(*゚ー゚)「そりゃあね。コンピューターに触れるのは基本的に体制側の奴だもん」

(,,゚Д゚)「情報収集の優先度変えるか。じわじわと毒を仕込めれば脱出の可能性も見えてきそうだ」

(*゚ー゚)「それもだけど、重要情報が一気に得られそうだし」

(,,゚Д゚)「ああ、そっちの方がでかいか……それこそ、外との道を開くための魔術だって見つかるかもしれない」

(*゚ー゚)「そうなったら凄いよ! いよいよ外に出られるかも!」

(,,゚Д゚)「ふふふ、面白くなってきたぜ……!」

475名無しさん:2024/06/09(日) 23:02:42 ID:mAbfSL/A0

弟者一時離脱は寂しいが、復帰まで兄者がんばれ!
そしてどっくん就職は意外だった!めでたい!

476 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 23:02:43 ID:FBY8KdD20
Case12-Tips15 黄泉比良坂

<(' _'<人ノ「ようやく、ようやくです……! 退院してからなら文句はないでしょう、椎菜?」

爪゚ー゚)「いやー……そうだね。残念ながら」

<(' _'<人ノ「ああ、累次くん……! 今行きますからね!」

爪゚ー゚)「ねえ、やっぱりやめといた方が――」

<(' _'<人ノ「だまらっしゃい! 行かずにいられますか!」

爪゚ー゚)「うーんこの。自分の後遺症のこと聞いてずっと塞ぎ込んでたのに」

<(' _'<人ノ「あなたが発破かけたんじゃないですか!」

爪゚ー゚)「いやそうだけどさ、まさかここまで吹っ切れるとは……」

<(' _'<人ノ「大丈夫、愛の力で奇跡は起こります!」

爪゚ー゚)「なんという脳筋理論……美和らしいっちゃらしいけど」

<(' _'<人ノ「……伊佐の祭神である二柱のご利益を、神職である私が信じないのは筋が通りませんから」

爪゚ー゚)「あぁ……その結論もまた、実に君らしいよ」

爪゚ー゚)(確かに祭神が祭神だから、そこは意外と何とかなるのかもしれないけどね……問題はそれ以前の段階。
     弟君に会いに黄泉の国まで行って帰ってこない、なんてことにはなってくれるなよ……?)

477 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 23:03:31 ID:FBY8KdD20
Case12-Tips16 "民間"の力

( ・3・)「――以上が、群馬からの報告です」

( `ゝ´)「なるほどねぇ……巫女は奪われるも、少なくとも当面の時間は稼いだ、か」

( ・3・)「そうなりますね。……ただ、時間を稼いだところで……大丈夫なんすかね?」

( `ゝ´)「さてね。現実的に今以上の戦力配置は難しい以上、あちらさん次第ってことになるが」

( ・3・)「うへー……自助努力でどうにかなる範疇とは思えないっすけど」

( `ゝ´)「最悪、先生が出張る羽目になりかねん。こっちとしちゃあそれを計算に入れて動く必要があるな」

( ・3・)「……いい加減、無い袖は振れなくないっすか? 情けない話ですけど、"民間"の力も積極的に頼るしか」

( `ゝ´)「ままならんねぇ……。結局のところ"隊長殿"が正しかった……そういうことになるか?」

( ・3・)「そこは、自分には何とも……ただ、筆府の"民間"戦力が他に類を見ないほど高まってるのは確かっすね」

( □ー□)「小野木隊長」

( `ゝ´)「おや、噂をすれば」

( □ー□)「……折入って相談が。流石探偵からの要請です」

( `ゝ´)「ほう……詳しく頼む」

478 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 23:04:04 ID:FBY8KdD20
今回はここまで

479 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/09(日) 23:06:12 ID:FBY8KdD20
>>456
リ゚▽゚ リ<l「ンモゥ......アトワズカ......!」

>>475
('A`)「まだ内定なので油断はできないんですよね、世間的に」

480名無しさん:2024/06/10(月) 18:25:32 ID:N37ypaDY0
乙です

481 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/10(月) 22:57:04 ID:.waG1mKY0
>>480
リ゚▽゚ リ<l「乙ありさんや」

482 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/10(月) 23:04:17 ID:.waG1mKY0
最終章(Case13)は来月投下開始予定
Case12.5は書くか書かないか今のところ五分五分

来週か再来週のどこかで一周年以来の振り返り配信やるつもりです
聞いときたいこととか言っときたいことあれば下記フォームで
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd5pOnfxKsl8WQRwDmzzJTnK9ziAgU-zllmmwQmNd5yqMKwQA/viewform?usp=sf_link

日程決まったらまた連絡しますわ

483名無しさん:2024/06/11(火) 00:04:18 ID:7gRIDy0E0
なん…だと…?
寂しい気持ちもあるが、感慨深いな。最後まで頑張ってくれ!

484名無しさん:2024/06/14(金) 11:06:51 ID:hFSih9yA0
乙カレー
最終章も楽しみにしてるぜ

485名無しさん:2024/06/15(土) 20:22:40 ID:xiMiyd2E0
乙乙
モツカレー食べたこと無いや。濃い目なの美味しそう。
流石探偵事務所、人雇えるほど稼いでるのも凄い。

486 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/16(日) 23:11:55 ID:xuuhOvHc0
>>483
( ´ー`)「エタっては寂しさすら味わえんからな……」

>>484
リ゚▽゚ リ<l「ありがとさんやで」

>>485
(´<_` )「俺の知る限り人を雇える余裕はないはずなんだが……兄者?」

( ´_ゝ`)「村上さんに融資して貰った」

(´<_` )「えぇ……返せるのかそれ?」

( ´_ゝ`)「だから、帰ってこい(切実)」

(´<_` )「帰りたくねぇ……」

487 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/16(日) 23:13:24 ID:xuuhOvHc0
終わりも近いのでまとめサイト作った
https://sites.google.com/view/akane-chan-no-youyade/%E4%BD%9C%E5%93%81%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81/%E3%81%93%E3%81%A1%E3%82%89%E6%B5%81%E7%9F%B3%E6%8E%A2%E5%81%B5%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80

488 ◆KDJGUfbY2o:2024/06/19(水) 22:18:22 ID:tF7D0YcA0
話すネタあった方が楽しいので引き続き募集ー
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd5pOnfxKsl8WQRwDmzzJTnK9ziAgU-zllmmwQmNd5yqMKwQA/viewform?usp=sf_link

489 ◆KDJGUfbY2o:2024/07/04(木) 22:13:42 ID:73FZv2B60
引き続き募集ー
配信日程は迷子中
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd5pOnfxKsl8WQRwDmzzJTnK9ziAgU-zllmmwQmNd5yqMKwQA/viewform?usp=sf_link

490名無しさん:2024/08/01(木) 03:21:21 ID:x4GfBESk0
来……月……?

491 ◆KDJGUfbY2o:2024/08/01(木) 21:45:51 ID:MkbQefsc0
>>490
リ゚▽゚ リ<l「お便りこないなーと思ってるうちに一ヶ月経っていた
      もしかしたら時間泥棒か月島さんの仕業かもしれない」

492名無しさん:2024/08/05(月) 04:20:05 ID:gAHXfe4Q0
>>491

しょうがないにゃあ
遅刻したご褒美に、お便りに「兄者が早く椎菜さんと母者を抱きますように。夜這いでも可」と書いておいたぜ

493名無しさん:2024/08/12(月) 21:54:34 ID:8pcvSh8U0
このシリーズ大好きだから完結が楽しみでもあり、寂しくもある

494 ◆KDJGUfbY2o:2024/08/25(日) 22:11:03 ID:KkdK9ZYU0
リ゚▽゚ リ<l「ズルズル延びちゃうので8/31 21:00〜配信に決めたー」

495名無しさん:2024/08/28(水) 05:44:54 ID:w0TOkwB.0
楽しみにしてるぜ!

496 ◆KDJGUfbY2o:2024/08/31(土) 20:54:32 ID:j9AZz4tU0
予定通り21:00開始ー

497 ◆KDJGUfbY2o:2024/08/31(土) 21:01:35 ID:j9AZz4tU0
開始します

会場
https://twitcasting.tv/jihoumegane

498 ◆KDJGUfbY2o:2024/09/01(日) 00:40:26 ID:1qZfzCXw0
アーカイブ
1:https://twitcasting.tv/jihoumegane/movie/800612963
2:https://twitcasting.tv/jihoumegane/movie/800632858

499 ◆KDJGUfbY2o:2024/09/01(日) 00:41:23 ID:1qZfzCXw0
リ゚▽゚ リ<l「結局誰か聴いとったんか……? 真相を解明すべく我々探検隊はamazonに向かった」

500名無しさん:2024/09/17(火) 16:07:43 ID:bzS4kM220
待っとるでな

501名無しさん:2024/09/23(月) 19:56:38 ID:n3.9Uf4Y0
弟者…

502名無しさん:2024/11/03(日) 16:23:06 ID:gvNmnb7A0
amazonから帰ってこないな
誰か捜索してこいよ

503名無しさん:2024/11/04(月) 10:58:59 ID:tAv2nJjY0
お前らが企画参加しないから…

504 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 18:50:21 ID:7rl/Aeic0
( ´_ゝ`)「また失踪してんのか、天丼さんも大変だな」

('A`)「行き先アマゾンとか、普通に死んでるのでは?」

リ゚▽゚ リ<l「いや帰国してんで。今日中に投下するわ」

505 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:06:46 ID:7rl/Aeic0
Case12-Day8C-AdditionalTime
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506 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:07:20 ID:7rl/Aeic0














 ( <_  )













.

507 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:07:54 ID:7rl/Aeic0
【???】
: : : : : : : : :ニ‐ ._     \
: r- _ : : : : : : : ニ- _     \
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叩口пi|:|┐::::|┌-i|: :.::|:|:: l|: :| |::| |:| ||`i | |:|¨¨¨| |¨¨¨| |¨¨¨| |~二二~|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。
干ヨTナ¬十モE宇ユュ_:」」__||_::| |::| |:| || :| | |:|: : : | |: : : | |: : : |[ ̄|::i|::|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。|:゚:゚:゚|゚。゚。
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508 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:08:27 ID:7rl/Aeic0

(´<_`;)「はっ……?」

*(‘‘)*「ようこそ、流石探偵」

(´<_`;)「はっ?」

*(‘‘)*「突然の招待、失礼しました」

(´<_`;)「……まさか、死にましたか? 俺」

*(‘‘)*「ふふっ」

(´<_` )「何がおかしいんです?」

*(‘‘)*「いえ、二人して同じことを言っているので」

(´<_` )「……兄者のことですか?」

*(‘‘)*「はい。先程までこちらに」

(´<_` )「なるほど……そういうことですか」

*(‘‘)*「はい、そういうことです」

(´<_` )「……それで、何故俺をここに?」

509 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:09:02 ID:7rl/Aeic0

*(‘‘)*「あなたはまだ亡くなってはいませんが、それに近い状態にあります」

(´<_`;)「……」

*(‘‘)*「魂はギリギリで耐えましたが、神経が耐えられませんでした」

(´<_`;)「そ、れは……」

*(‘‘)*「……意識して肉体を動かすことは、奇跡でも起こらない限りできないでしょう」

(´<_`;)「そう……ですか」

*(‘‘)*「……まあ、――ないわけでも……」

(´<_` )「えっ?」

*(‘‘)*「ああいえ、何でもありません」

(´<_` )「……それで、質問を繰り返しますが。何故俺をここに?」

*(‘‘)*「こちらも繰り返します。あなたはまだ亡くなってはいません」

(´<_` )「はい」

*(‘‘)*「そこで――」

510 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:09:35 ID:7rl/Aeic0

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                    ゙   、 ,,,,,,_____,,,,... ''"

511 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:10:44 ID:7rl/Aeic0
                   ↑ここまでロスタイム↑
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                    ↓ ここから最終章 ↓

512 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:11:35 ID:7rl/Aeic0
前回のあらすじ
・頼むから、入院費で破産する前に良くなってくれよ?
・もっと強くなんな。そんな結果はなかったって言い切れるくらいに
・帰って来た時に一緒にラーメン食えるように。俺が今できることをやってくしかないよな


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

513 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:12:08 ID:7rl/Aeic0
Case13-Day1A
         |  | ̄ ̄ ̄|:l  |       | ::|       ,| |
        | ̄ ̄      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
        |       流 石 探 偵 事 務 所      | |
        l__________________,| |
           |  |`''-、_                 | |
           |  |   「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
           |  |   |         |          | |
           |  |   |         |          | |
           |  |   |         r‐┐| r‐┐      ,| |
           |  |   |         |  ||!  !       .| |
ノヽ-ヘィiヘl^ヽ-,   |  |   l        └‐'゙ l└‐'      | |
―――――┐ス  !  !    |         |          | |
          | ,レi |  |   |______,|_____,,| |
          | Z |  |  /                   ,|_|/
          | ヘ |_|/

514 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:12:42 ID:7rl/Aeic0

( ´_ゝ`)「さて、そろそろ来るかな」

('A`)「殺人事件の犯人の人ですよね? 今更だけどちょっと怖いなあ……」

( ´_ゝ`)「なに、今のドッくんなら貧弱一般男性に襲われてもどうとでもなる」

('A`)「いや襲われる前提で言わないでくださいよ」

( ´_ゝ`)「絶対襲われないから安心しろい」

('A`)「わかってても怖いんですって」

( ´_ゝ`)「じゃあ早く逃げないと。実は俺も人殺してるし」

('A`)「えっ?」

( ´_ゝ`)「長岡君なんか何倍も殺してるだろうよ」

('A`)「む……」

( ´_ゝ`)「あんま道徳的な話じゃないが、大事なのは刃がどこ向いてるかじゃないのか?」

('A`)「……そう言われると、そうかもですね」

( ´_ゝ`)「まあ、そう言って全部許容してるといずれ社会が崩壊するんだが」

('A`)「あー……難しいですね、バランス感覚」

515 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:13:16 ID:7rl/Aeic0

( ´_ゝ`)「こう、アウトローに身を置いてると染まってっちまうからな。たまに法と倫理に立ち戻るのは大切」

('A`)「ヤクザとかブラック企業も結構慈善事業してたりしますしね」

( ´_ゝ`)「そういうとこでバランス取らないとどんどん正気失ってくから。行きつく先は破滅」

('A`)「そもそも全てが法と倫理の範疇で解決できればそれが一番なんですけど」

( ´_ゝ`)「どうしたって零れる部分は出る。世の中ままならん」

('A`)「こないだの案件なんてまさに思い知らされました」

( ´_ゝ`)「だなあ。家族におかしなのがいると大変だ」

('A`)「話は通じないし警察は動けない、黙って引っ越しても追いかけてくるってんじゃ」

( ´_ゝ`)「法と倫理の範疇で立ち向かえない、俺らみたいなのが掬い取らなきゃならん部分」

('A`)「なかなか本人が依頼できるような話ではないですけどね、良い友人がいてよかった」

( ´_ゝ`)「なんとか助けたいって想いに打たれたよな」

('A`)「新生活も順調みたいだし、赤字でも請けてよかったです」

( ´_ゝ`)「今まで苦労した分、幸せになってほしいもんだ」

('A`)「まったくですね」



 ―――。

516 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:13:50 ID:7rl/Aeic0

( ´ー`)ノ「よう」

( ´_ゝ`)ノ「うっす」

(=゚ω゚)ノ「こんにちは」

('A`)「ども」

( ´ー`)「何の憂いもなく殺人犯のデリバリーすることになるとは、人生わからんな」

( ´_ゝ`)「嘘つけ、憂いはあるだろ」

( ´ー`)「トータルでプラスなら無いようなもんだ」

(=゚ω゚)ノ「仮にガイシャが生きてても死刑確定ですしね」

( ´ー`)「死刑すら生ぬるいな」

( ´_ゝ`)「完全に同意なんだけど、公僕が言って良い台詞じゃねーぞ」

( ´ー`)「神奈川県警に遵法精神なんざ期待すんなよ。俺は俺の信念に殉ずるだけだ」

( ´_ゝ`)「その理屈だと――いやまあ、白根さんは過たないだろうが」

( ´ー`)「言いたいことはわかるぜ? 人はいくらでも独善を極められる」

(=゚ω゚)ノ「だから法律が大事なんですよねぇ……」

517 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:14:24 ID:7rl/Aeic0

( `ー´)「久しぶりだね、探偵さん」

( ´_ゝ`)「根野さん。……ちょっと痩せたか?」

( `ー´)「やっぱりね、悪いことをすれば報いはあるもんだよ。あんなのでも長年友達やってたから……夢見が悪くてしょうがない」

( ´_ゝ`)「あー……なるほど」

( `ー´)「しかし、どんな刑でも甘んじて受けるつもりだったのに……まさか無罪放免とは」

( ´ー`)「いや、執行猶予ついてるとはいえ無罪放免ではないからな?」

(=゚ω゚)ノ「くれぐれも品行方正にしててくださいよ?」

( ´_ゝ`)「そこは心配ないだろ、根野さんが何かやらかすとしたら風狸ちゃんに何かあった時くらいだろうし」

(=゚ω゚)ノ「いや、何かあってもやらかしちゃ駄目ですからね!?」

( ´ー`)「だな。そんなことになったら絶対相談しろよ、俺らが何とかする。なぁ?」

( ´_ゝ`)「おう」

( `ー´)「……ありがとうございます、心強いです。もっと早く皆さんと出会えていればなぁ……」

( ´_ゝ`)(いやそれでも絶対自分で手を下したと思うが……まあ言うのも野暮か)

('A`)(良い人っぽいんだけど、やっぱりなんか普通の人とは違う雰囲気があるなあ)

518 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:14:58 ID:7rl/Aeic0

( ´_ゝ`)「そういや取材とかは大丈夫だったのか?」

( `ー´)「いやー、凄かったよ。ようやく落ち着いたからこうして来てるんだし」

(=゚ω゚)ノ「あれだけ話題になった殺人事件で執行猶予付きっていうのも異例ですからね」

( ´ー`)「結局取材OKしたのはあの姉ちゃんだけだよな。……あー、なんだっけ?」

(=゚ω゚)ノ「筆府速報です」

( ´_ゝ`)「あー……トソンか」

( `ー´)「探偵さんと只ならぬ関係と聞いたからね」

( ´_ゝ`)「語弊しかない」

('A`)(あの人かー)

( `ー´)「まあ、それがなくてもOKしたかも。他の人とはちょっと違う感じだったから」

(=゚ω゚)ノ「ですね。マスコミらしくないというか、真摯に真実を追い求めてるように感じました」

( ´ー`)「本当はそれがマスコミの仕事なんだけどな……ま、商売じゃないからこそかもしれん」

( ´_ゝ`)「もしかして白根さん達も同席した感じ?」

( ´ー`)「ああ」

519 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:15:33 ID:7rl/Aeic0

( `ー´)「一人で取材を受けるのも不安だったからね。知り合いって話だったから渡りに船で」

( ´_ゝ`)「ってことは噂のハゲニキも来てたのか?」

( ´ー`)「ん? ああ……あの自称付き添いの」

(=゚ω゚)ノ「どう見てもヒットマンでしたよねぇ」

( ´_ゝ`)「……白根さんから見てどうだった?」

( ´ー`)「恐らく陸自出身だな、振る舞いの端々にそういった色が見えた。ありゃかなりの手練れだぞ」

( ´_ゝ`)「なるほどな。だったら多少は安心できるか……」

('A`)「噂のハゲニキですか。そういえば気にしてましたね」

( `ー´)「凄い美女だったけど……実際只ならぬ関係なのかな?」

( ´_ゝ`)「いや、普通に飲み友達だな。お互いそういうのは多めに見積もっても1割ないだろ」

('A`)(この人の恋愛観いまいちわかんないなー……)

( ´ー`)「妙な拘りあんのがお前らしいぜ。若い頃の俺ならとりあえずコナかけてるな」

(=゚ω゚)ノ「えっ、それはそれで意外なんですけど」

( ´_ゝ`)(今はそんな感じ全然ないけど、昔は結構イケイケだったのか?)

520 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:16:06 ID:7rl/Aeic0

( ´_ゝ`)「おっ、村上さんも来たみたいだぞ」

(´Д`)「ネーノ!」

( `ー´)「むらっち」

(´Д`)「いやーよかった、本当によかったよ!」

( `ー´)「えーと……ありがとう、でいいのかな?」

( ´_ゝ`)b「大丈夫だ、問題ない」

('A`)「何で所長がドヤ顔なんですか?」

(´Д`)「殺人なんて許されないことだけど、事情が事情だし。僕らにも責任の一端があるからね」

( `ー´)「……」

( ´_ゝ`)b「どうせ反省してるわけでもなし、黙って受け取っとけよ」

('A`)「そのドヤ顔やめません??」

( `ー´)「まあ、そうだね。ありがとう、むらっち」

(´Д`)b

521 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:16:41 ID:7rl/Aeic0

(‘_L’)「どうも、来ましたよ」

( `ー´)「フィン」

从 ゚∀从「よっ! 結構元気そうじゃん」

( `ー´)「高ちゃんも」

( ´_ゝ`)(いよいよ本命登場か)

(´Д`)「あれ? 風狸ちゃんは?」

(‘_L’)9m「どんな顔すればいいかわからないって顔でそこにいますよ」

从 ゚∀从「っかー、そんな言い方あるかよ。デリカシーねーな」

┐(‘_L’)┌「はいはい、すみませんね」

从 ゚∀从「おーい風狸。そろそろ入ってこいよ」

(‘_L’)「ちょっと。あなたも人のこと言えないのでは?」

('A`)(なんかお似合いだなあ)



从´ヮ`从ト

522 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:17:15 ID:7rl/Aeic0

( `ー´)「あっ……」

从´ヮ`从ト「……」

( `ー´)「……風狸」

从´ヮ`从ト「お父さん……」

('A`)(おー、マジで鳥華族の店員さんだ。確かにこうして見るとちょっと雰囲気似てるかな?)

( `ー´)「あー……なんだろう。どんな顔すればいいかわからないや」

从´ヮ`从ト「えっと、私も」

( ´_ゝ`)「笑えばいいと思うよ?」

从 ゚∀从「るせー黙れ」(‘_L’)「殴りますよ?」

( ´_ゝ`)「お、おう」

( `ー´)「……はは」

从´ヮ`从ト「ふふ……」

( ´_ゝ`)9m「ほら笑ってんじゃん」

('A`)「黙りましょう」

( ´_ゝ`)「はい……」

523 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:17:49 ID:7rl/Aeic0

( `ー´)「言いたいことも色々あったはずなのに、会っただけで満足しちゃったよ。はは」

从´ヮ`从ト「ふふ、そうだね」

( ´_ゝ`)9m「ほら」

('A`)「で?」

( ´_ゝ`)「ショボーン」

(‘_L’)「ふっ、ネーノらしいですね」

(´Д`)「だね」

从 ゚∀从「ハグしろハグ!」

(‘_L’)「あなたも黙った方がいいですね」

从 ゚∀从「あ? なんだ文句あっか?」

d(´Д`)b「んもー、今は静かに見守ろうよ二人とも!」

( `ー´)「そんな大声で言うことじゃないね、むらっち……」

从´ヮ`从ト「です」

\(´Д`)/「ごめ〜ん!」

524 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:18:23 ID:7rl/Aeic0

( ´ー`)「ふっ、いいんじゃねーか? 肩の力抜けたみたいじゃねーか」

( `ー´)「いやー……それはそうですけど」

( ´_ゝ`)「膝カックン状態?」

( `ー´)「ん? まあ、そんな感じ……?」

('A`)9m「所長、お茶」

( ´_ゝ`)「あっ、はい……」

(‘_L’)「ほう、なかなか見どころのありそうな若者ですね?」

('A`)「えっ?」

( ´ー`)「そうなんだよ。見た目は地味だが、ハートはアツい男だぜ」

(=゚ω゚)ノ「あの流石探偵が助手として認めたわけですしねぇ、大したもんですよ」

( ´_ゝ`)b「ジッサイ凄く逸材」

('A`)「お茶」

( ´_ゝ`)「へぇい」

(´Д`)b「やるねぇ!」

525 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:18:57 ID:7rl/Aeic0



                         jI斗一    ̄ ̄  `
                     ア゚    ,.,           `'≪
                     ア゜     ~"寸     〝〟
                     ,'    ,イ   ア ヽ
                   i    {{    ゝ '   ノリ      _jI斗‐━ァマ
                     ¦   ゞー__  。o 彡''  f^''"~     j!  ',
                  ‘, _,, ...__ ・ ̄         ',      {   j}
                    ¦ ,ィ   ~"''≪       ゛、_rf(  ̄~"''ゝ。'
                  _У       `寸          ァ(
                   / ';     ,, r‐  ',       _,xく
         _j幺ェェォ__イ__,:ノ. r㎡_       ア_幺孑ヤ升
       ,,。*''“゚      j´。厂゛>、  うぅ==七"
    ,ィ'”    ..: : '⊂⊃ ノo゚イ .   寸
   〃  . : '       χ イ{  ゛ :.   マ
   {{ .0o 。  ゜  ζ δ  ゚  :. リ
   “t。  ゚    c。 λ .。廴   s  ;,ィ(、
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526 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:19:31 ID:7rl/Aeic0

(´Д`)「えっ? 一緒に暮らさないの?」

( `ー´)「いやあ、流石にどのツラ下げてって感じだし……」

从´ヮ`从ト「そんなことは……」

( ´_ゝ`)「当人はこう言っているが?」

( `ー´)「僕はどう言い繕ったところで殺人犯だから。フィン達と暮らした方がずっといい」

( ´_ゝ`)(うーん比較対象が異教徒の臓物ブチマケまくってるであろうフィレンクトさんではなぁ……)

(‘_L’)「……」

从 ゚∀从「うるせー黙れ! ネーノの考えなんてどうでもいい!」

(´Д`)「えーっ!?」

从 ゚∀从「大事なのは風狸がどうしたいか、だろ!? 違うか!?」

(‘_L’)「……ふっ、そうですね。どうなんですか、風狸?」

从´ヮ`从ト「私、私は……。私は……お父さんと暮らしたい」

( ´_ゝ`)「当人はこう言っているが?」

( `ー´)「あー……うーん……」

527 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:20:05 ID:7rl/Aeic0

(‘_L’)「はぁー……しっかりしてください。あなたは、"何"ですか? 殺人犯ですか?」

( `ー´)「……」

( ´_ゝ`)「それとも忍者ですか?」

('A`)「はいはい、変な茶々入れない」

( ´_ゝ`)「へぇい」

从 ゚∀从「……なあ、ネーノ」

( `ー´)「何かな?」

从 ゚∀从

从 ゚∀从/スチャッ

(‘_L’)/スチャッ

d(´Д`)/スチャッ

( ´_ゝ`)/スチャッ

(;'A`)「!?」

从 ゚∀从「釣り竿担いで、ちょいと海まで……当然付き合うよなぁ?」



 ―――。

528 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:20:39 ID:7rl/Aeic0
【津久井湖】
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529 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:21:13 ID:7rl/Aeic0

( ´_ゝ`)「いや湖なんだが?」

从 ゚∀从ノシ「こまけーことはいーんだよ! 今から海は、遠いッ!」

(‘_L’)「そうですね。むらっちならヘリでひとっ飛びかもしれませんが」

(´Д`)「いやヘリ移動なんてそんな普段からしてないからね!?」

('A`)「津久井湖はバス釣りで有名ですよね。あとはワカサギも釣れるんでしたっけ?」

从 ゚∀从「おっ、知ってるか? あとはギルとかヘラブナ、コイだな」

( ´_ゝ`)「生態系乱れ過ぎ定期」

( `ー´)「外来種だらけなのはそうだけどね、どれもおいしいよ?」

从´ヮ`从ト「えっ、ブラックバスって食べられるの?」

从 ゚∀从「食えるぞ。久しぶりにあれ食いたいぜ、バスのムニエル」

(‘_L’)「あれは良いですね。バスなんて食用とは考えてませんでしたが」

( `ー´)「素材に合った調理をすればおいしい魚だよ。ブルーギルもね」

('A`)「元々食用で輸入されたって話ですもんね」

(=゚ω゚)ノ「警部、僕らもご一緒しちゃってよかったんですかねぇ……?」

( ´ー`)「署長が良いって言うから良いんじゃねーか? 最近働きづめだったしな」

530 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:21:46 ID:7rl/Aeic0

(‘_L’)「ボート乗ります? 別におかっぱりでも良いですけど」

从´ヮ`从ト「あ、乗ってみたい」

从 ゚∀从「んじゃ、風狸とネーノはボートな」

( `ー´)「うん」

('A`)ノ「あ、俺も乗ってみたいです。ボート乗ったことないんで」

(‘_L’)「では私がご一緒しましょうか」

从 ゚∀从「じゃあ残りはおかっぱりだな。あんまり時間もないしちゃっちゃと準備するか」

( ´_ゝ`)「ご指導ご鞭撻のほどをよろしく頼むゾ」

( ´ー`)「釣りなんかガキの頃以来だな」

(=゚ω゚)ノ「なんかワクワクしますねぇ」

(´Д`)b「いよーし! 竿準備するからみんなこっち来てー!」



 ―――。

531 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:22:20 ID:7rl/Aeic0
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 .ゝ-オ

532 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:22:53 ID:7rl/Aeic0

( ´_ゝ`)「さーて、釣れるかな?」

从 ゚∀从「どうだろな、全員ボウズってことはないだろうが」

( ´ー`)「おっ、これでいいのか?」

(´Д`)b「バッチリ!」

(=゚ω゚)ノ「狙った場所に落とすの、結構難しいですねぇ」

从 ゚∀从「慣れだな。狙った場所が良いとも限らねーけど」

(´Д`)「そこらへんは最終的には運だよね」

( ´_ゝ`)「でもまあ、物陰とかが狙い目なのは間違いないんだろ?」

从 ゚∀从「ああよ。カバーネコだから引っかかり難いし、狙ってくのがいいな」

( ´ー`)「こんな仕掛けもあるんだなと感心したぜ。普通の仕掛けじゃ引っかかり放題だろ?」

(´Д`)「だねぇ。物陰とか狙うなら引っかかりにくい仕掛けじゃないと」

(=゚ω゚)ノ「うーん、良い景色だし気持ちいいですね」

从 ゚∀从「釣りは良い空気と良い景色を楽しみながらじゃないとな。待ち時間長いし」

( ´_ゝ`)「ジッサイ良いリフレッシュになりそうだ」

533 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:23:27 ID:7rl/Aeic0


  \       __________/ゝ
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     (二二ノソ゚      ノ   ⌒ ̄;:;:;;::;:;:|!|i:;:;;;:;:;:;:;|
      ヽー-ニニーーー'''''´        ;:;:;:;;:;!|i|:;:;:;:;:;:;|
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         、      ゜        ``ヽ   ,/  `        ´
     。                _____ソ::: ,/   。
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          ;´       ゜ 。   ゞ,;:;:;:;:/     ,.   ゚
              ゜     ; 、゚ヽ |:;;;/′´゜,。°  ゜          ゜
        ,.     ゚、   、从。ヽ`人丶゚;、ヾ从人ノ;。゚,、从,゜〆。  ,。
     ソ゚ゞ〜/゚〜^/ゞー从〜⌒ヾソ从シ⌒〜'ノ(ゞ゚〜从人〜'〜ソ゚〜⌒〜ノゞ〜人〜'〜ヾ〜"〜゚从〜〜丿゚ヾ-〜〜

534 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:24:00 ID:7rl/Aeic0

( ´_ゝ`)「意外なほどの大漁」

(´Д`)「いやー運がよかったねこれは」

(=゚ω゚)ノ「全員釣れましたもんね」

( ´ー`)「一人だけバスじゃなかったが」

( ´_ゝ`)「スン...」

从 ゚∀从「一番の大物だったけどな」

( ´_ゝ`)「スック」

(´Д`)b「いやー見事なコイだよね! あんなにアッサリ揚げてたのに!」

( ´ー`)「馬鹿力にもほどがある」

从 ゚∀从「実はマグロ漁船にでも乗ってたのか?」

( ´_ゝ`)「ほら、鍛えてっから」

(=゚ω゚)ノ「やっぱり鍛え方が違うんですかねぇ?」

( ´ー`)「そういう次元じゃねーよ、間違ってもマネできると思うなよ?」

d(´Д`)b「流石だよアニジャくん!」

535 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:24:35 ID:7rl/Aeic0

( `ー´)ノシ「おーい!」

( ´_ゝ`)「お、ボート組が帰って来た」

从 ゚∀从「おーう、どうだった?」

从´ヮ`从ト「釣れたよ!」

( ´_ゝ`)「ドッくんはどうよ?」

('A`)「あー……一応釣れましたけど」

(‘_L’)「どうも不満みたいですね。私は別に構わないと思うんですが」

('A`)「うーん、でもなんかズルしたみたいで」

( ´_ゝ`)「あっ(察し)。……まあ修行にもなっていいんじゃねーの、うん」

('A`)「ですかねぇ?」

(‘_L’)「なかなか筋がいいですね。よかったらミサに参加しませんか?」

( ´_ゝ`)「おい勧誘やめろ」

('A`)「いやー、うち仏教なんで……」

(‘_L’)「気が変わったら歓迎しますよ」

536 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:25:09 ID:7rl/Aeic0

从 ゚∀从「おっ、なんだまた勧誘してんのか?」

(‘_L’)「またとは何ですかまたとは」

从 ゚∀从「ミサの度に私にも風狸にも断られてるじゃん」

(´Д`)「えっ、そうなの? そこまで熱心なのは珍しいね」

( ´_ゝ`)「無理強いはしないんじゃなかったっけ?」

(‘_L’)「別に無理強いはしていませんよ」

从 ゚∀从「おう、しつこいだけだな」

( ´_ゝ`)(フィレンクトさんも色々と思うとこあるんだろうな……)

从 ゚∀从「……ま、"私は"「どうしても」って言うなら行ってやってもいいけど?」

(‘_L’)「どうしても、とまでは言いませんよ」

( ´_ゝ`)「いやそこは言えよ」

(´Д`)「だよね」

(‘_L’)「ん……? 二人とも、何ですかその目は?」

( ´_ゝ`)「いや別に?」(´Д`)「相変わらずだなあって」



 ―――。

537 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:25:42 ID:7rl/Aeic0

                      _.......----‐‐‐‐''''''-- 、..,,
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      /  ( ´_ゝ`)   ('A`)     /  // ̄ ̄ヽ  .l lヽヽ  l  l    l      l
     /    G⌒Q   ( ∞ )    /''‐、/      /  ,,l lヽヽ l  l    l      l
   ィ__,,.........----―‐‐‐''''''''''''''' ̄´/  l/_,......--‐‐''''´ ̄  l l ヽ-‐    l      l
  /                   ./   l            l l    ̄ ̄ ̄ ̄l ̄ ̄ ̄`l
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l                __........----‐‐''''l           l l l         l       l
l l ̄ ̄ ̄`-´ ̄ ̄ ̄ ̄´/          l            l l l         l / ̄ヽ l
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l  l              l          l     / ̄ ̄\ ヽ l ....-‐'''´   l/ l l
.l  l             .l          l    ./  /ヽ l l l     ,,..-‐l'´ ヽ/l
..l  `‐‐‐---..............,,__   l    __   l    / /   l l / l_,,..-‐''    ヽ_/
 l     l    l    ̄ ̄    l   l   l..--‐T  l    l 〉‐''´
 └---.._l...,,____l         `‐-、l       l  l    l l
          ´`''''''''‐---..........,,____,,......--‐'''''''〈   \__,/ /
                             ヽ___/

538 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:26:16 ID:7rl/Aeic0
【村上邸 居間】
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                                      _  -=ニ⌒                 __,,..、、 -‐=ニ⌒
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539 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:26:50 ID:7rl/Aeic0

(´Д`)「まあまあ、適当に座ってよ」

('A`)(めっちゃ豪邸、流石はあの村上会長。この椅子とかも、見た目は普通だけど高いんだろうなあ)

(=゚ω゚)ノ「なんか凄いとこにお呼ばれしちゃいましたね警部」

( ´ー`)「おう、これが金持ちの家ってやつか……」

( `ー´)「それじゃ、僕は厨房に行くよ」

从´ヮ`从ト「私も手伝うね」

('A`)「あ、よかったら俺も手伝いますけど。一応、拙いですけど三枚おろしくらいはできます」

( `ー´)「そうかい? じゃあ手伝って貰おうかな」

(‘_L’)「ふむ、料理もできるんですか……確かに逸材ですね」

( ´_ゝ`)「だろ? やらんぞ?」

(´Д`)「フィンも高ちゃんも料理はからっきしだもんね。僕もだけど」

(‘_L’)「否定はできません」从 ゚∀从「私は食べる専門」

( ´ー`)「俺も典型的な男料理くらいしかできん」(=゚ω゚)ノ「同じくです」

( ´_ゝ`)「残った俺ら、仲間だな……」

540 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:27:23 ID:7rl/Aeic0

(´Д`)「今は風狸ちゃんがご飯作ってくれてるんだよね?」

(‘_L’)「ええ。ありがたいですね」

从 ゚∀从「あー……風狸出てったらお惣菜ローテに逆戻りだな」

( ´_ゝ`)「いや、むしろ食事のレベル上がると思うぞ?」

(´Д`)「えっ?」

( ´_ゝ`)「一緒に暮らすったって二人暮らしする気はないだろ根野さん」

(‘_L’)「ん……そうなんでしょうか?」

从 ゚∀从「あっ……? そういうこと、か? 居候とかネーノらしくはないが、それはつまり、それほど……」

( ´_ゝ`)「メシの後にでも言い出すと思うぞ。根野さんはあんたらの方が良い親をやれるって、本気で思ってそうだからな」

( ´ー`)「……なんとなくわかるような気はするな。奴が考えてること」

(=゚ω゚)ノ「えっ、そうなんですか?」

( ´ー`)「考えてみりゃ尤もな懸念だぜ、野暮だから口にはしないがな」

从 ゚∀从「……正直思うところはあるが、そこを誤魔化さずにちゃんと向き合うのはあいつらしいっちゃらしい」

( ´_ゝ`)「高岡さんがピンと来たなら大体あってそうだな。本来そうじゃなかった筈の、悲しい話」

541 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:27:57 ID:7rl/Aeic0

(´Д`)「一体どういうこと??」

从 ゚∀从「まあうん、口では説明し辛いんだが」

( ´_ゝ`)「根野さんの判断は、たぶん正しい。それを信じてやってくれ」

(‘_L’)「ふむ……よくわかりませんが。別に拒む理由はありませんね」

从 ゚∀从「おう、フィンならそう言うと思ってたぜ。毎日ネーノのメシ食えるし」

(´Д`)「えーッ!? 気になるんだけど!?」

( ´_ゝ`)「聞くなら本人から、二人きりで聞いてくれ。俺から言えるのはそれだけだな」

从 ゚∀从「だな。いくらむらっち相手でも、軽々しく口にできねーわ」

( ´ー`)「ちっ。嫌な話だぜ、本当に」

(=゚ω゚)ノ「うーん……? 全然わかんないです」

( ´ー`)「お前もそのうちわかっちまうだろうぜ、刑事を続けてりゃな」

( ´_ゝ`)「そうか?」

( ´ー`)「そうだ。まったく因果な稼業だぜ」

( ´_ゝ`)(いうて白根さんも大概偏った経験してそうだからなー)

542 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:30:04 ID:7rl/Aeic0
         / /                  _)`ヽ、                                 \ \
         / /                   ⌒):.:.:.:.`ー:.、..xィュ、、                           \ \
                         人:.:.:.:.:.:.:.):;:;:;:;{巛〉ゝ、、 _..._ _ ..、                       .  '
      ′ ′                  . : : .`ゝィ彡ゝーく;ヾミ三ミ〈:.:.:.:.ヽ:::::|:.:....                        .   '.,
    .'  .                   . : : : : : ..i:.i:.i:{: : : : : :.)冬三小ゝ:.:.:.:} :::j:.:.:.:.:.:.:.:..                     .   '.、
    /   /                . . : : : : : : i:.ヾ:.ゝ: : :.イi:i:i:i:ヾi:i:i:i:i〉:.:.ム:イ: : : : : .:.:.:.:.:.....                  .    .
   /   /              . : :   :.:.:.:.: ヾ≧三ニ>--ー‐ヘi:i:/ククハソ    : : : :.:.:.:.:.:....                   .    .
  .  .              . : : :   ..:.:.:.:.:...  : : : : /: .: .: .: .: .: .:.`ー=く才       : : : :.:.:.:.:.....                   .   .
  .  .               .:.:,:,:,:,.,.,.,.,;,;,;,;,;,;,;,;,;....  .:/: .: .: .: .: :. .: .: .: .: .: i:`ヽ: : :_:_        : : :               .   .
 .   .           γ´: : : : : : : : : : : : : : : :':':':':':':':';:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ: :.γ:γ´ ̄`:.:ー:.:.:-:.:.:、、: : . . .             l   l
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543 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:30:37 ID:7rl/Aeic0

( `ー´)「ブラックバスのムニエルと」

从´ヮ`从ト「コイの赤ワイン煮です!」

( ´_ゝ`)「うおー、うまそうだ」

('A`)b「ちょっと味見しましたけどジッサイうまいです。流石はプロ」

(´Д`)b「じゃ、早速頂こうか!」

从 ゚∀从「あ゛ぁ゛〜〜〜これだよこれ! うめぇ!」

(‘_L’)「やっぱり、淡泊な白身がムニエルに合いますね」

( ´ー`)「ほう、生臭さとか全くないんだな」

(=゚ω゚)ノ「ですね。うまいです!」

( `ー´)「バスの臭みは大体調理工程の問題です。……まあ、釣れた場所によってはどうにもならなかったりもするけど」

('A`)「ドブ川とかはヤバそう」

从 ゚∀从「ネーノを舐めちゃ困るぜ若人、そこらのドブ川くらいなら普通に旨くしてくる」

(‘_L’)「あー、ありましたねそんなこと。調理技術というものに敬意を抱いたのはあれが初めてでした」

(´Д`)b「うんまい! ブラックバスサイコー!」

544 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:31:38 ID:7rl/Aeic0

( ´_ゝ`)「むっ、俺のコイもうまいじゃないか」

('A`)「ですよね。小骨が気にならないのが意外でした」

( `ー´)「コイは小骨が難点だから、圧力鍋でガッツリしばいてるよ」

从´ヮ`从ト「です」

从 ゚∀从「うめー! 最高だな!」

(‘_L’)「甘み、塩味、旨味、酸味、ほのかな渋味、バランスが絶妙ですね」

( ´ー`)「赤ワイン煮なんてハイカラなもんは初めて食ったが、なかなか良いもんだな」

(=゚ω゚)ノ「深い味わいですねぇ。馬鹿舌でもわかります」

( ´_ゝ`)「だな。普段ラーメンか焼きそばの親戚ばっか食ってるが、これが美味いのはわかる」

('A`)「やっぱメシ作りに行きましょうか? 早死にしますよ?」

( ´_ゝ`)「ノーセンキュー。そこまでお世話されてしまったら所長の威厳が風前の灯」

( ´ー`)「手遅れじゃねーの?」

(=゚ω゚)ノ「っぽいですよねぇ?」

( ´_ゝ`)「そうか?」

( ´ー`)「そうだ」

545 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:32:11 ID:7rl/Aeic0



((lコ)) ブーン



( ´_ゝ`)「ん? 電話……マスターからか」

( ´ー`)「なんだと? また厄介ごとか?」

( ´_ゝ`)「そうじゃないと願いたいね。……ちょっと外出るわ」

('A`)「あ、はい」



 ―――。

546 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:33:10 ID:7rl/Aeic0

( ´_ゝ`)コ「もしもし?」

lコ"ちょっと今大丈夫ですか?"

( ´_ゝ`)コ「大丈夫だけど、何かあった?」

lコ"若伝さんのご自宅、ご存じですかね?"

( ´_ゝ`)コ「え、若伝……ああ。俺は知らんけど、白根さんなら知ってると思う」

lコ"ちょっと、気になる電話がありまして。こっちから掛けなおしても反応がないので"

( ´_ゝ`)(あの"徘徊する占い師"が、か。それは――)

( ´_ゝ`)コ「それは……途轍もなく気になるな。今丁度白根さん達も一緒だけど合流するか?」

lコ"ああ、そうですね。それは手間が省けて助かります"

( ´_ゝ`)コ「んじゃ、九祖崇礼の一番筆府駅寄りの橋で待ち合わせでいいか?」

lコ"わかりました、それでお願いします"



 ―――。

547 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:33:43 ID:7rl/Aeic0

( ´_ゝ`)「どうも、厄介ごとっぽい雰囲気」

( ´ー`)「あーあ、なんてこった。九祖崇礼ってことは例のあいつか?」

( ´_ゝ`)「そう。何か変な電話があってから音信不通らしい」

( ´ー`)「マジか。そいつはヤバそうだな」

( ´_ゝ`)「勝手に約束しちゃったけど行ける?」

( ´ー`)「今日は実質非番だからな、動けるぜ」

( ´_ゝ`)「んじゃ、ドッくんと伊藤さん呼んで向かうか。正直嫌な予感しかしない」

( ´ー`)「だな」



 ―――。

548 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:34:17 ID:7rl/Aeic0

( ´_ゝ`)「ごめん村上さん、ちょっと急ぎの用件入ったからここらでお暇するわ」

(´Д`)「えっ!?」

('A`)「マジですか」

( ´ー`)「伊藤、悪いが仕事だ」

(=゚ω゚)ノ「あっ、はい」

(´Д`)「刑事さんもってことは……何か事件が?」

( ´_ゝ`)「共通の知り合いの安否確認なんだけど、場所が九祖崇礼でさ。事件かもしれないから」

从 ゚∀从「九祖崇礼かー。確かにあんま治安よくないとは聞くな」

(‘_L’)「ふむ……?」

( ´_ゝ`)(フィレンクトさんには一応あとで連絡しとくか)

('A`)「すぐ出る感じですか?」

( ´_ゝ`)「ああ、事件だったら知り合いの危険が危ないからな」

549 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:35:07 ID:7rl/Aeic0

( `ー´)「それなら一言だけ。探偵さんも、刑事さんも、本当にありがとう」

从´ヮ`从ト「ありがとうございます!」

( ´_ゝ`)「おう、料理ごちそうさん。うまかったぜ」

( ´ー`)「くれぐれも事件は起こすなよ?」

( `ー´)「もちろんです」

(‘_L’)「こっちでちゃんと見ておきますよ」

从 ゚∀从「だな、安心してくれ」

( ´ー`)「ふっ、そりゃ助かる。良いダチじゃねーか」

( `ー´)「……ええ、本当に」

( ´_ゝ`)ノ「それじゃまたな皆の衆」

(=゚ω゚)ノ「「ごちそうさまでした!」」('A`)



 ―――。

550 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:35:41 ID:7rl/Aeic0
【九祖崇礼町】
  ____________.  |    /           |:.. _____________
  !\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ │    /__i __ヽ          |/:: :: :: :: :: :: ;:;:;:;:: :: ;;;;;;/
  | `ー'ー'ー'ー'ー'ー'┬' .|   /___;i___i_;ヽ       ィ'________;;イ、_,
  |  / /  ||      |  |   :./                 | i:':':':':':':':':':':':':':':':':':':i:
  |       ||      |  |:  /                | ト ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐l:
  |       ||      |  |:: /         _ __i ,__!_ | l-------|::
  |       ||      |_l:./          /___;i___i_;__ヽ|-------l::.  ::......
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551 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:36:14 ID:7rl/Aeic0

( ´_ゝ`)「マスター」

(´・ω・`)「急に来て貰ってすみません」

( ´ー`)「あの占い師のこととなりゃ、放っておけねーよ」

(´・ω・`)「住所だけ貰って先に向かうことも考えましたが」

( ´_ゝ`)9m「車ん中に渡辺さんいるので大体察したわ」

( ´ー`)「また何か見ちまってぶっ倒れてるかもしれねぇ、だからヒーラーが必要」

( ´_ゝ`)「でも、そうじゃなくマスターに向けた罠だったら。体が不自由な渡辺さんを守り切れるか不安がある。そんなところか」

(´・ω・`)「正解です。生憎他のメンバーは動かせなかったので」

('A`)(ジョルジュ、またどっかで暴れてんのかな?)

(=゚ω゚)ノ「体が不自由とは言っても、僕より強そうですけどねぇ」

( ´ー`)「どうだかな。戦ってるとこを見たわけでもなし」

( ´_ゝ`)「恐らくフル装備の伊藤さんと同程度だろうな、俺も渡辺さんが戦ってるとこを見たことはないけども」

( ´ー`)「伊藤も修羅場潜って強くなってるからな、そんなとこだろうよ」

(=゚ω゚)ノ「ですかねぇ?」

552 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:36:47 ID:7rl/Aeic0

(´・ω・`)「とにかく、向かいましょう。案内をお願いします」

(=゚ω゚)ノ「先導します」

( ´_ゝ`)「こっちの車に乗るか? 何かあった時マスターがすぐ動けた方がいいだろ」

(´・ω・`)「む……そうですね、その方がよさそうだ。渡辺を運ぶんでちょっと待ってください」

('A`)「あ、荷台開けときます」

( ´_ゝ`)「若伝さんの電話の内容は……まあ、道すがら聞けばいいか」

(´・ω・`)「よっと」

从'ー'从「痛っ、ちょっとマスター、乱暴ですよ!」

(´・ω・`)「あ、すまん。軽いから加減を間違えた」

(;'A`)(ば、馬鹿力すぎる……風船でも持つくらいの感じだったぞ?)

( ´_ゝ`)「そういや手加減苦手って聞いたな……」

从'ー'从「ほんとそうなんですよー。こういう時困っちゃいます」

(´・ω・`)「車椅子も載せて……よし、出してください」

( ´_ゝ`)「おう」

553 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:37:20 ID:7rl/Aeic0

( ´_ゝ`)「泥酔して寝てるだけ、とかだったらいいなぁ……」















  Case13「混沌の極点」
  Day1A「終わりの始まり」

                          To be continued...

554 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/04(月) 22:37:54 ID:7rl/Aeic0
今回はここまで

555名無しさん:2024/11/05(火) 01:24:29 ID:tMqQmhes0
おつ!!

556名無しさん:2024/11/05(火) 02:05:30 ID:ZgMf/PY.0
乙!
終わりが本当に近そうでドキドキする…。

557名無しさん:2024/11/06(水) 07:54:52 ID:skWC.s7Y0
乙乙
アナコンダにでも喰われたかと思ってたぜ

558名無しさん:2024/11/06(水) 19:48:37 ID:QI4BLvwk0

いつもながら良い引きの仕方するなぁ
前回も気になりすぎて危うく
Amazonまで探しに行くとこだったよ

559名無しさん:2024/11/06(水) 22:27:33 ID:zhp9hcoA0
乙乙久しぶりの更新嬉しい
風狸ちゃんと根野さん、良かったね

560 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/10(日) 00:35:16 ID:x6c8238.0
>>555
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>556
(;´_ゝ`)「一方こちらは、本当に終われるかドキドキしている……ッ!」

>>557
(´<_` )「そんなものを食べたらお腹を壊すぞ」

ハ’ノ_’ ハ「石化解除の呪文ですね」

>>558
( ゚∋゚)「絶対遭難するんでやめてほしいっすね」

>>559
从 ゚∀从「あー……まあ、そうだな……」

561 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/10(日) 00:35:52 ID:x6c8238.0
Case13-Tips1 流石の僕でも

爪゚ー゚)「美和さ」

<(' _'<人ノ「はい」

爪゚ー゚)「流石の僕でもドン引きなんだけど」

<(' _'<人ノ「……」

爪゚ー゚)「別に責める気はないけどさ。それって、胸を張れるのかい? 自分に、そして――」

<(' _'<人ノ「……」

爪゚ー゚)「黙っててもわかるけど敢えて言おう。黙ってちゃわかんないよ」

<(' _'<人ノ「……後悔はありません」

爪゚ー゚)「はぁ……ごめん、流石に笑えない。正直見損なったよ」

<(' _'<人ノ「……はい」

爪゚ー゚)「君は結局、彼のことなんてどうでもいいんだ」

<(' _'<人ノ「それは……!」

爪゚ー゚)「いつもお説教される側の僕だけどね? たまには、ガッツリとお説教させて貰おうかな?」

562 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/10(日) 00:36:25 ID:x6c8238.0
Case13-Tips2 ???

「さて、そろそろですか」

「そろそろ……?」

「物語のクライマックスですよ」

「ああ……あなたがご執心の」

「おや、焼き餅をやかせてしまいましたか?」

「妬いてません」

「クク、なるほど。それは少し寂しいですね」

「……ごほん。それで、物語はどのような結末に?」

「さて、どうでしょうか。エブディバリの黒き霧……彼らの悲願が成就すれば、原初の混沌が遍く世界を支配することでしょう」

「させるんですか? 成就」

「成否について積極的に関わるつもりはありません。どちらに転ぶのかわかってしまっては興醒めというもの」

「成否について、ですか。舞台に上がるつもりはある、と?」

「そうですね……予想通りの展開になれば、でしょうか」

563 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/10(日) 00:36:58 ID:x6c8238.0
Case13-Tips3 年期が違う
【小川駄菓子店】
                     |                      |
               ┌──┴──‐┬──────┐:::........|
               | . 文具・菓子 . .|             |    |
               |             |             |    |
               | 小川駄菓子店|             |    |
               |_______|________|__|_____
                _。r≦                 .。s≦ ト 、
        _。r≦                     .。s≦     |   `ト、
      r≦――――――――――――≦――――‐‐ |___`ト、
      `trtri-----!--!ュ------ュ-----┘::r--ュi_i_i_i_i_i_i_||‐┬――! i 〕iト、__
        |}}}}|     .|冊|.||_i_i_i_i_i_i|        |  |i_i_i_i_i_i_i_|| .|: : : : :.| | `ー――
                |冊|.||_i_i_i_i_i_i|     .└‐┘_i_i_i_i_i_i_|| . |: : : : :.| | |
                   ||_i_i_i_i_i_i|         .|i_i_i_i_i_i_i_|| .|: : : : :.| | |
                   ||_i_i_i_i_i_i|         .|i_i_i_i_i_i_i_|| .|: : : : :.| | |
              i箱箱!菓_i|        ィ----ュ_i_i_|| .|: : : : :.| | |
               |箱箱!菓_i|          i!三::| ̄| ̄|`i .|: : : : :.| | |
         _r-f‐-i|箱箱|菓_i|       i!三i.l|㍊|樫|. i .|: : : : :.| | |
         .| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄i .|   ____i!三!:l|柘|柘|`! .|: : : : :.| | |
            |      |      i .|   {=========.{二|二|-.! :|: : : :.:.| | |

564 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/10(日) 00:37:32 ID:x6c8238.0

八-ム-)「邪魔するよ」

88 @-@)「いらっしゃ――おや?」

八-ム-)「うーん……? こう何十年も経っちゃ、流石に記憶と一致しないね」

88 @-@)「あんた、もしかして。ツルちゃんかい……?」

八-ム-)「そうさね。来るって手紙送っただろう?」

88 @-@)「そうかいそうかい! 随分とまあ立派になって」

八-ム-)「……いやよく覚えてたもんだ。こっちはすっかり忘れてたってのに」

88 @-@)「助けられた恩人を忘れるもんかい。毎年年賀状も出してたしね」

八-ム-)「あー……その節はすまなかった。あたしまで届いちゃいなかったんだ、うちの実家の落ち度さ」

88 @-@)「いいよいいよ。私が勝手に送ってただけだからね」

八-ム-)「そう言って貰えると助かるね」

88 @-@)「こっちこそ、急に変な手紙送って悪かったよ」

八-ム-)「構わないさ。まあ、丁度あたしが実家に戻ったタイミングでよかった」

88 @-@)「駄目元で送ったから、返事が来て驚いたよ」

565 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/10(日) 00:38:05 ID:x6c8238.0

八-ム-)「それで、手紙に書いてた問題は解決したのかい?」

88 @-@)「解決……かどうかは微妙だね。暫く時間ができたのは確かだけど」

八-ム-)「はぁ、何処も同じかい。まったく世知辛い世の中さ」

88 @-@)「そう言うもんじゃないよ。こうしてまた話ができるのは、世知辛いかい?」

八-ム-)「……いいや。ま、なかなかどうして捨てたもんではないね」

88 @-@)「そうでしょう? ふふ」

八-ム-)「凄いね、あんた。あたしの数十年間なんて知らないはずなのに」

88 @-@)「知らなくてもわかることはあるさ。長年の苦労が実った、そんな顔をしているよ」

八-ム-)「……あたしも大概、食えないババアのつもりだったが。あんたには敵いそうにない」

88 @-@)「何年ババアやってると思ってるの? 年期が違うよ、ツルちゃん?」

八-ム-)「年期の問題じゃないと思うけどね、それはそれとして。あたしの力は必要かい?」

88 @-@)「もちろんさ。よければ、神主さんを助けてやっとくれ」

八-ム-)「ふむ。三泊四日じゃできることは少ないと思うけど、できることはしようじゃないか」

88 @-@)「ありがたいことだねえ」

566 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/10(日) 00:39:17 ID:x6c8238.0
本編はたぶん今週末くらい

567 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:42:38 ID:YeYBxqy60
前回のあらすじ
・殺人事件の犯人の人ですよね? 今更だけどちょっと怖いなあ……
・釣り竿担いで、ちょいと海まで……当然付き合うよなぁ?
・共通の知り合いの安否確認なんだけど、場所が九祖崇礼でさ。事件かもしれないから


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

568 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:43:11 ID:YeYBxqy60
Case13-Day1B
                      _.......----‐‐‐‐''''''-- 、..,,
             _,,......--‐‐''''''´       /  ,-‐‐---  ll`‐‐-......,,__
          /´               /  /       l l l ̄`''''‐--..二l―‐-...,,,_
        /                 /  /       l l lヽ   l ̄l   l `''''''ー-l
      /  ( ´_ゝ`)   ('A`)     /  // ̄ ̄ヽ   .l lヽヽ  l  l    l      l
     /    G⌒Q   ( ∞ )    /''‐、/      /  ,,l lヽヽ l  l    l      l
   ィ__,,.........----―‐‐‐''''''''''''''' ̄´/  l/_,......--‐‐''''´ ̄  l l ヽ-‐    l      l
  /                   ./   l            l l    ̄ ̄ ̄ ̄l ̄ ̄ ̄`l
. /.                    l    l          ´ l l l_____,,,,......l-----―l
.l                     l    l   ,,........--‐‐''''''''´l l        l      l
l                __........----‐‐''''l           l l l         l       l
l l ̄ ̄ ̄`-´ ̄ ̄ ̄ ̄´/          l            l l l         l / ̄ヽ l
l l―――――――――l           l           / `l        l /`ヽ -' l
l`'-------------------l------.-------l      / ̄ ̄〈  l      _,,.,... l l /`ぃン
l  l              l          l     / ̄ ̄\ ヽ l ....-‐'''´   l/ l l
.l  l             .l          l    ./  /ヽ l l l     ,,..-‐l'´ ヽ/l
..l  `‐‐‐---..............,,__   l    __   l    / /   l l / l_,,..-‐''    ヽ_/
 l     l    l    ̄ ̄    l   l   l..--‐T  l    l 〉‐''´
 └---.._l...,,____l         `‐-、l       l  l    l l
          ´`''''''''‐---..........,,____,,......--‐'''''''〈   \__,/ /
                             ヽ___/

569 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:43:46 ID:YeYBxqy60

( ´_ゝ`)「んで、若伝さんからの電話はどういう内容だったんだ?」

(´・ω・`)「率直に言って、支離滅裂な内容でした。また何かを視てしまったのかもしれません」

('A`)「具体的には……?」

(´・ω・`)「……全く要領を得ませんでしたが、いくつか気になった言葉はあります。"混沌の極点" "時間がない" "もうおしまいだ"とかですね」

(;´_ゝ`)「「うわぁ……」」('A`;)

从'ー'从「やっぱり絶対ヤバいの視ちゃってますよーそれ」

(´・ω・`)「その可能性が高いとは思うが。罠である可能性も、やはり捨てきれない」

( ´_ゝ`)「むしろそっちの方がいいまであるな」

(´・ω・`)「彼が敵の手に落ちている、というパターンも相当まずいですよ」

( ´_ゝ`)「今まで何もなかったし、そこまでの能力者だって事実は露呈してないと思ってたが……」

(´・ω・`)「ですね。例の札が破られたサインも飛んでませんし」

( ´_ゝ`)「敵の洗脳能力者のことはあるが、人相は伝えてあるしな。札を破る暇もないとは思えん」

(´・ω・`)「同じような能力持ちが他にもいた、あるいは高度な変装……可能性はなくはないですね」

(;´_ゝ`)「あー……ちょっと楽観的すぎた可能性は、あるな……」

570 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:44:20 ID:YeYBxqy60

(´・ω・`)「……とはいえ、わざわざ彼を餌に罠を張るという可能性は低そうです」

( ´_ゝ`)「ああ、予知能力者が手に入ったなら。わざわざマスターにちょっかい掛けない方が無難だな」

(´・ω・`)「そうです。コッソリと水面下で動く方が余程いい」

( ´_ゝ`)「可能性としては……最後の仕上げ、とかか」

(´・ω・`)「ですね。この町で派手な儀式をするつもりなら、最終段階は流石に隠しきれないでしょうから」

( ´_ゝ`)「どうだかな。以前のような内容ならバレそうにない」

(´・ω・`)「ああいったパターンはレアですよ、同じ地で二種も起こるとは思えない。
      通常は、かなり前から魔力の高まりを感知できるはずです」

( ´_ゝ`)「ふむ……その直前に邪魔者を不意打ち、なくはないな」

(´・ω・`)「なくはない、ですね。やはり可能性は低い」

( ´_ゝ`)「だろうな。こうして疑われてるし、通り魔的に襲撃した方がマシに思える」

(´・ω・`)「ただ、そうなると……一体何を視てしまったのか、なんですよね」

( ´_ゝ`)「あーあー、嫌だなぁ。ただ単に焼酎飲みすぎただけであって欲しいわマジで」

(´・ω・`)「そうであれば平和ですけどね。……あまり良い予感はしません」

571 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:44:54 ID:YeYBxqy60
【若伝宅】



       __________
      ///////////\
    ///////////:::::\\
  /∠∠∠∠∠∠∠∠∠/::::::::::::::::\\
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    |::::├┼┤├┼┤:::: |::::::::l ̄ ̄|:::::::|
    |::::└┴┘└┴┘:::: |::::::::l   。 |:::::::|
    | ┬┬┬┬┬┬┬ :| ┬:l   |:::::::|
  """"""""""""""""""""""""""""""""



.

572 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:45:28 ID:YeYBxqy60

('A`)「こりゃまた、絵に描いたようなあばら家ですね」

( ´_ゝ`)「イメージ通りすぎる」

(=゚ω゚)ノ「……静かですね」

( ´ー`)「ああ。……どうする?」

( ´_ゝ`)「そうだな……俺とマスターで突入するのが無難か?」

(´・ω・`)「それがよさそうです。刑事のお二人の装備を考えると、開けた場所の方が活きそうだ」

( ´_ゝ`)「というわけだから、3人で渡辺さんの護衛を頼む。ドッくんも白根さんの指示に従って」

( ´ー`)「任せろ」('A`)「わかりました」

从'ー'从「よろしくですー」

(´・ω・`)「それじゃあ行きますか。本人以外の魔力は感じませんが、気は抜かないでください」

( ´_ゝ`)「無論。ちなみに鍵は――」

バキャッ!

(´・ω・`)∩「この手に限る」

( ´_ゝ`)「あー……ちゃんと弁償しろよ?」

573 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:46:02 ID:YeYBxqy60
【若伝宅 内部】
            ││              // /
  ̄ ̄ . ̄  ̄.. ̄ ̄│ l  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ // / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ //
   ̄         │ li ___________________    // /  ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐   //
       ̄ ̄ ̄ ̄│ ll ________// / ________//
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │ ll            // /   _________     // /
 li. ____    │.ll            // /、-      ‐‐     // /
 .li______ │.ll _______// / _______ // /
  li         │ll ___            // /             // /
   li. _____ │ll ______// /________// /
   li          l ll           // /               .// /
    li ‐‐  ____  l ll  -   ‐‐ // /         ____   .// /
 __li_____l ll _____// /._ ______ // /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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574 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:46:40 ID:YeYBxqy60

                      _       ,/' ̄''ヽ、
                     { r `ー-=´ ̄      `ヽ
          __          __,,,======'     / `ヽ  \
         {iiiii`;;ー‐===ニ´          .r‐==〈    `ヽ .ゝ-、
         ゝ、iiiiiiiiiヽ____,,,..==-‐''´ ̄ ̄ ̄`Y    /       {λ}_},}}
            ー‐ '                /==-v′
                                /iiiiiiiiiii}
                           〉iiiiiiiii/
                                ゝ==ノ



(´・ω・`)「若伝さん!」

( ´_ゝ`)「俺が診る、周囲警戒を」

(´・ω・`)「任されます」

( ´_ゝ`)「呼吸は……浅いが、ある。大丈夫ですかー!」

( <―><―>) ……。

( ´_ゝ`)「意識なし。アルコールの臭気なし。……こりゃ救急車か?」

(´・ω・`)「その前にヒーラー、ですかね。救急車、なるべく呼びたくはないですし」

( ´_ゝ`)「んだな。連れてくるわ」

575 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:47:14 ID:YeYBxqy60
【若伝宅】



       __________
      ///////////\
    ///////////:::::\\
  /∠∠∠∠∠∠∠∠∠/::::::::::::::::\\
   ̄|::::┌┬┐┌┬┐:::: l::::::::::::::::::::::::::::l ̄
    |::::├┼┤├┼┤:::: |::::::::l ̄ ̄|:::::::|
    |::::└┴┘└┴┘:::: |::::::::l   。 |:::::::|
    | ┬┬┬┬┬┬┬ :| ┬:l   |:::::::|
  """"""""""""""""""""""""""""""""



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576 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:47:48 ID:YeYBxqy60

( ´_ゝ`)「出番だぞ、渡辺さん」

从'ー'从「あー、やっぱりぶっ倒れてる感じです?」

( ´_ゝ`)「ものの見事に。ドッくん、車椅子押して」

('A`)「あっ、はい」

( ´ー`)「俺らは引き続き周囲を見張っとくぜ」

( ´_ゝ`)「頼む」

(=゚ω゚)ノ「了解です!」

( ´_ゝ`)「ドッくんは俺が守護るから安心して押してくれ」

('A`)「守護るは縁起悪いんで普通に守って貰えます?」

从'ー'从「私も守ってくださいー」

( ´_ゝ`)「大丈夫、まーかせて」

('A`)「真面目にやって欲しいんですけど……」



 ―――。

577 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:48:22 ID:YeYBxqy60
【若伝宅 内部】
            ││              // /
  ̄ ̄ . ̄  ̄.. ̄ ̄│ l  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ // / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ //
   ̄         │ li ___________________    // /  ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐   //
       ̄ ̄ ̄ ̄│ ll ________// / ________//
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │ ll            // /   _________     // /
 li. ____    │.ll            // /、-      ‐‐     // /
 .li______ │.ll _______// / _______ // /
  li         │ll ___            // /             // /
   li. _____ │ll ______// /________// /
   li          l ll           // /               .// /
    li ‐‐  ____  l ll  -   ‐‐ // /         ____   .// /
 __li_____l ll _____// /._ ______ // /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
 _________________________
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578 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:48:55 ID:YeYBxqy60

从'ー'从「オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ。オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ。オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ」

                 \     ,    !      ,:   /     ,..  ´
            `      \   ゙i.   !.    ,:  /      `
               `  ,  \  ゙i  |    ,: ,..    `
                  `  、\ ,. ;    , ,.. :`
                       ` `       ´
   ‐――   ――――――――             ――――――   ――――――――――――――――――――――
                         ,.        ,
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                 /.    ,      |          \     `  、
                 /.     ,:.     !      ゙i     \.        `  、
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            /       ,                             \         `  、
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    ./          ,:         !            ,          \             `  、
   ./           ,            ,         ゙i            \                `  、
                  ,:          i             ゙i             \                `  、
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              ,:               l                                 ,                       `  .,

579 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:49:29 ID:YeYBxqy60

( <―><●>)「ウッ...」

( ´_ゝ`)「おっ、意識が――」

((( <○><○>)))「ウウウウウ...!」

(;´・ω・`)「これは……!?」



∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
∴∵( <○><○>)∴∵∴∵∴∵∵∴
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∵∴∵∴∵∴∵∴
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∵∴
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴
∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴
∵∴∵∴∵∴∵∴
∵∴


(;´_ゝ`)「むっ!?」

从;'ー'从「ひっ!?」



ミ―――――――==三三三◎

580 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:50:02 ID:YeYBxqy60


            。s≦二二二≧s。
           /ニニニニニニニニ\
          /ニニニニニニニニニニ\
        /ニニニニニニニニニニニニニ
          |ニニニニニニニニニニニニニニ
          |ニニニニニニニニニニニニニニ|
        \ニニニニニニニニニニニニニ| ,:”
            `ヾ、ニ:::::ニニ::::::ニニニニニニ.;儘s。     _,,;rf孛㌘㍉,
              ヾニニレニニニニニニ;儘㌢ ”, ,_x彡"     ”㍉㍉
             ヾニニニロニニニ,g≧x,_, ;・”~        :; ;”
               ` ー―――‘菴樂眄・””;;           ;;
                                 :;            ;;
                             ;;
                  ____            ;; ,     ¨    ;”
          。s≦ニニニニニ\__    "・,,,;溺‰x’ ,”  ,㌘      ,
         x≦ニニニニニニニ三ニニ≧s。__灘黯㍊㌢  ,;%”      ・
      ./ニニニニニニニ三ニニニニニニニニ≧“囓蠶樂k',;・”
   .x≦ニニニニニニニ三ニニニニニニニニニニニニ‘菴㍊, ,,
 x≦ニニニニニニニニ三三ニニニニニニニニニニニニニ>x ”  ”
/ニニニニニニニニニイニニニニニニニニニニニニニニニニニ>x



(;´_ゝ`)「は……?」

581 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:50:37 ID:YeYBxqy60

从;'ー'从「えっ……マスター?」

(;´_ゝ`)「初手斬首!?」

((('A`)))「ひえっ」

(´ ω `)「……」

(;´・ω・`)「……今の黒い霧。あまりにも悍ましいものを感じて、つい手が……」

从;'ー'从「た、確かに私も身が竦みましたけど……助けに来たのに容赦が……」

(;´_ゝ`)「むぅ……ヤバそうではあったが、ある意味恩人を躊躇なく殺れるほどかというと……」

(´・ω・`)「すみません、殺すべきではなかった」

( ´_ゝ`)「……いや、マスターの感覚が正しければワンチャン全滅してた可能性もある。安易に責められん」

从'ー'从「た、確かに……咄嗟に対応が出てこなかったですし」

(´・ω・`)「全滅よりマシなのは確かですが……これでは何が起こったのか」

( ´_ゝ`)「役者交代、こっからは探偵と警察の領分だ」

(´・ω・`)「……わかりました、お任せします」



 ―――。

582 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:51:10 ID:YeYBxqy60

( ´ー`)「やれやれ、こんなことになるとはな」

( ´_ゝ`)「まったくだ。罠というよりは視てしまった何かに呑まれた、という感じだが」

( ´ー`)「用心するに越したことはないな。奴の様子がどことなくおかしいのも気にかかる」

( ´_ゝ`)「やっぱ白根さんもそう思う?」

( ´ー`)「俺らをハメる罠ってことはないだろうが、伊藤には一応警戒するように言ってある」

( ´_ゝ`)「ドッくんにも一応。渡辺さんも変な目で見てたし、最悪の事態でも初手は凌いでくれると思う」

( ´ー`)「……まあ、あいつが俺らをどうこうしようとした時点で、初手を凌げたところでって感じではあるが」

( ´_ゝ`)「いや、あの様子が"呑まれかけてる"兆候だとしたら……初手凌いで逃走も可能性はあるぞ」

( ´ー`)「あーあー、嫌になるな。自分の力じゃどうにもならないってのはよ」

( ´_ゝ`)「どうかな。きちんとチームプレーできれば意外と何とかなるかもよ?」

( ´ー`)「訓練もなしにチームワークを発揮できるなら、な。とはいえ可能性があるだけ十分か?」

( ´_ゝ`)「ゼロじゃなきゃ」

( ´ー`)「掴めばいい。まあそうだな、らしくなく弱気になっちまったぜ」

( ´_ゝ`)「気持ちはわかる……」

583 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:51:44 ID:YeYBxqy60

( ´_ゝ`)「さて、死体検分は白根さんに任せるぞ。年期モノのスマホは外のドッくんに託したし、俺は室内を探索する」

( ´ー`)「死体検分、意味あるか?」

( ´_ゝ`)「……例えば、元からゾンビだったとしても俺は驚かんぞ」

( ´ー`)「あー……なくはない、か。精巧なゴーレムとかの可能性も否定はできん」

( ´_ゝ`)「ほぼないとは思うが、念のためな」

( ´ー`)「案外、そういうのが身を助けたりするからな」

( ´_ゝ`)「違いない。想定外を潰すの大事」

( ´ー`)「よし、取り掛かるか」

( ´_ゝ`)「おう、お互い何かあれば声かけよう」



 ―――。

584 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:52:18 ID:YeYBxqy60

( ´ー`)「こりゃどう見ても普通の人間だし、死因は斬首、暴行や薬物注射の形跡もない」

( ´_ゝ`)「ひとまず安心」

( ´ー`)「で、そっちは?」

( ´_ゝ`)「何者かの手が入った形跡は、ないな。気になるのは、チラシの裏に書きなぐられたこれ」

( ´ー`)「お、く、+……?」

( ´_ゝ`)「……たぶんこれ、"た"の書き出しじゃないかと」

( ´ー`)「おくた……奥多摩、か」

( ´_ゝ`)「可能性は高い、と思う。元々キナ臭い話もあるし」

( ´ー`)「と、なると……俺らはここまでかもしれんな」

( ´_ゝ`)「神奈川県警だからな。しかし俺らも……うーん」

( ´ー`)「何も情報がないんじゃ動き辛いか」

( ´_ゝ`)「ああ。座して待ったら取り返しのつかないことになりそうな予感はビンビンするんだが……」

( ´ー`)「……一度特課と話すべきだろうな」

( ´_ゝ`)「とりあえず……ドッくんの方の結果聞いてから、冨竹に連絡するか」

585 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:52:53 ID:YeYBxqy60
【若伝宅】



       __________
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  /∠∠∠∠∠∠∠∠∠/::::::::::::::::\\
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.

586 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:53:27 ID:YeYBxqy60

(;'A`)「あ、所長」

(´・ω・`)「何かわかりましたか?」

( ´_ゝ`)「あ、ちょっと待って。ドッくんの方どんな感じ?」

(;'A`)「えっと、それが……マスターの前に電話していた人がいたみたいです」

( ´_ゝ`)「ほう」

(;'A`)「それで、ええと……それ、俺の知り合いで……」

(;´_ゝ`)「えっ、マジ?」

(;'A`)「はい。ヌケドでバイトしてる若内君です」

( ´ー`)「話を聞いた方がいいだろうな」

( ´_ゝ`)「だな。そっちは俺らで当たるから、特課への繋ぎを頼んでいいか?」

( ´ー`)「わかった。だがその前に、一度情報を共有しよう」

(´・ω・`)「そうして貰えると助かります」

( ´_ゝ`)「それじゃあ話すが――」



 ―――。

587 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:54:00 ID:YeYBxqy60

(´・ω・`)「……なるほど、奥多摩ですか」

( ´_ゝ`)「マスターには、教授陣営……というか雨霧さんへの繋ぎを頼みたい」

(´・ω・`)「正直あの人と話したくないですけど……まあ承ります」

( ´_ゝ`)「気持ちはわかるがあっちはマスターに一目置いてるしな、適材適所」

( ´ー`)「伊藤、俺らは一度署長を待つぞ。この状態の現場を放置はできん」

(=゚ω゚)ノ「了解です。……表向きどういう話になるんでしょうね、これ」

( ´ー`)「……失踪、だろうな。遺族には申し訳ないが……」

( ´_ゝ`)「……」(´-ω-`)「……」

( ´_ゝ`)「俺らは……マスター達を車まで送ってからヌケドだな」

('A`)「あ、勤務中かどうか本人と店長にLiner送っときます」

( ´_ゝ`)「それぞれ何かあれば連絡よろしく」

( ´ー`)「おう」(´・ω・`)「はい」



 ―――。

588 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:54:34 ID:YeYBxqy60
【ヌケドナノレド 筆府店】

                                   Nukedo Nanoled
::::::::::::::::: _______________    ▲                  ____
 :::::::::::..: ||  / /                    ||  □]                 |. い...|
 ::::::.: :   ||/ /                      ||  ▼  ___________ |....ま....|
 :::: :   || /                  / .||       |       |       | | だ....|
        ||                   /  ,l|       |       |       | |....け ..|
        ||                    /     ||       |       |       | |..ダブ..|
        ||                  /      l|       |       |       | |...チキ...|
 ____||                     /    ||       |       |       | | 発 |
  (⌒;;;)| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| (⌒;;)  ̄| ̄ ||       |       | | 売 |
 (  ;;;⌒;;)| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄(⌒;;;;;;  ;;) ̄ |       |       | | 中 |
  , .,.;;;;( ,.,;;;;,) | ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄(⌒;;`;´;`  ,;;;;.,. ,;;;;)___|       |       | |    |
 三三三三三i/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|三三三三三三三i/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄

589 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:55:07 ID:YeYBxqy60

( ><)「いらっしゃいませー!」

('A`)ノ「あ、丁度いました。若内くん!」

( ><)「あ、茂手内さん。お久しぶりなんです」

('A`)「聞きたいことがあるんだけど、ちょっと時間取れる?」

( ><)「ちょっとだけなら店長が代われると思うんです」

('A`)「代わって貰っていい? 一応店長にはLinerで伝えてはいるんだけど」

( ><)「わかったんです」



 ―――。

590 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:55:40 ID:YeYBxqy60
【車内】
                      _.......----‐‐‐‐''''''-- 、..,,
             _,,......--‐‐''''''´       /  ,-‐‐---  ll`‐‐-......,,__
          /´               /  /       l l l ̄`''''‐--..二l―‐-...,,,_
        /                 /  /       l l lヽ   l ̄l   l `''''''ー-l
      /                 /  // ̄ ̄ヽ   .l lヽヽ  l  l    l      l
     /                  /''‐、/      /  ,,l lヽヽ l  l    l      l
   ィ__,,.........----―‐‐‐''''''''''''''' ̄´/  l/_,......--‐‐''''´ ̄  l l ヽ-‐    l      l
  /                   ./   l            l l    ̄ ̄ ̄ ̄l ̄ ̄ ̄`l
. /.                    l    l          ´ l l l_____,,,,......l-----―l
.l                     l    l   ,,........--‐‐''''''''´l l        l      l
l                __........----‐‐''''l           l l l         l       l
l l ̄ ̄ ̄`-´ ̄ ̄ ̄ ̄´/          l            l l l         l / ̄ヽ l
l l―――――――――l           l           / `l        l /`ヽ -' l
l`'-------------------l------.-------l      / ̄ ̄〈  l      _,,.,... l l /`ぃン
l  l              l          l     / ̄ ̄\ ヽ l ....-‐'''´   l/ l l
.l  l             .l          l    ./  /ヽ l l l     ,,..-‐l'´ ヽ/l
..l  `‐‐‐---..............,,__   l    __   l    / /   l l / l_,,..-‐''    ヽ_/
 l     l    l    ̄ ̄    l   l   l..--‐T  l    l 〉‐''´
 └---.._l...,,____l         `‐-、l       l  l    l l
          ´`''''''''‐---..........,,____,,......--‐'''''''〈   \__,/ /
                             ヽ___/

591 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:56:14 ID:YeYBxqy60

('A`)「それで、聞きたいことなんだけど。さっき、若伝万寿さんから電話来なかった?」

( ><)「えっ、何で知ってるんですか?」

('A`)「知り合いのところにもよくわかんない電話来ててさ、その後音信不通ってことで警察の人と一緒に自宅に行ったんだ」

( ><)「はい」

('A`)「そしたら……裳抜けの殻で、スマホが放置されてた。警察の人が中身を見て、若内くんに電話してたのがわかったんだ」

( ><)「んー……まあ、普段からフラフラしてるらしいですからね」

('A`)「ちなみに、どういう関係?」

( ><)「叔父さんなんです。同じ市内に住んでるのに殆ど会ったことないんですけど」

('A`)「あ、そうなんだ。てっきり親しいのかと」

( ><)「全然親しくないんです。連絡先は交換してましたけど、それだけなんです」

( ´_ゝ`)(あの性格だからな……甥っ子と連絡先交換してる時点で、あちらは結構な親しみがあったんじゃないか?)

( ><)「あれ? でも、何で警察じゃなく茂手内さんが?」

('A`)「これは内緒にして欲しいんだけど、探偵として警察に捜査協力しててさ」

(;><)「捜査協力!? なんか凄いんです!」

592 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:56:52 ID:YeYBxqy60

('A`)「電話の内容とかから、警察は事件性があるって考えてるみたいで。若内くんの電話の内容の聞き込みを頼まれたんだ」

(;><)「えっ、事件なんです!? 確かに何か変なこと言ってましたけど……」

('A`)「何を言ってたか教えて貰える?」

( ><)「ええと……逃げろ、と」

('A`)「逃げろ……? それは、どこに、何から」

( ><)「関東から、いや日本から……って言い直してました。何からは……コントンノ何とか?
      地の底から溢れるなんちゃら、ナントカの黒き霧、とか」

( ´_ゝ`)(地の底……黒き霧……確度上昇)

('A`)「それは確かに、わけがわからないね」

( ><)「そうなんです。元々変な人だから、遂に気が振れたのかなと思ったんです」

('A`)「何て答えたの?」

( ><)「いや、捲し立てるだけ捲し立てて切れちゃいました。正直、ちょっと怖かったんです」

('A`)「そっか。他には何か言ってた?」

( ><)「あとは、急がないと、時間がない、って繰り返してたのが印象的でした」

('A`)「なるほど……」

593 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:57:26 ID:YeYBxqy60

( ><)「電話の話で覚えてるのはこれくらいなんです」

('A`)「あとは……そうだな……若伝さんについて知ってることがあれば、何でも」

( ><)「うーん、殆ど知らないんです。
      母曰く、"万寿兄さんは悪い人じゃないんだけど、働かずにフラフラしてるし、何考えてるかよくわからない"と。
      最後に会ったのは一昨年、おじいちゃんのお葬式でしたけど、僕も同じ印象なんです」

('A`)「あの人占い師だったらしいんだけど、占いをして貰ったりとかは?」

( ><)「いや、ないんです。というか占い師だったんですか? 母も知らないと思うんです」

('A`)「うーむ」

( ><)「あ、でも。会う度にお小遣いをくれます。いつも無表情で渡してくるから怖いんですけど」

( ´_ゝ`)(やっぱり、あちらさんとしては結構な情があったように思えるな……)

('A`)「なるほど。……こんなとこですかね、所長」

( ´_ゝ`)「ああ、忙しいとこありがとう。これ、少ないけど謝礼」

( ><)「え、あ。ありがとうございます」

('A`)「もし何か思い出したこととかあったらLiner頂戴」

( ><)「わかったんです、失礼するんです」



 ―――。

594 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:58:01 ID:YeYBxqy60
  ________
. /_||_| |_||_||三三≡=─
f目テ=、____|三三≡=─
`て((◎)――(◎)三三三≡=─



( ´_ゝ`)「奥多摩でヤバいことが起こる確度はかなり上がった」

('A`)「地の底、ですかね」

( ´_ゝ`)「それ。更に、ナントカの黒き霧……目覚めた若伝さんから溢れ出したのが、それかもしれない」

('A`)「うーん……もし仮に、全てがマジだとすると。……日本から逃げろ、ってのは穏やかじゃないですね」

( ´_ゝ`)「やっぱり、座して待つ選択は取れなそうだ。特課が胸を張って「任せてくれ」って言うなら別だが」

('A`)「なさそうですね、聞いた話でしか知らないですけど」

( ´_ゝ`)「絶対ないと思う。常にオワタ式も真っ青な綱渡り運用だし」

('A`)「ってことは……奥多摩行きですか?」

( ´_ゝ`)「そうなるだろうなぁ。あっちの知り合いも心配だし」

('A`)「じゃあ、案件調整しないとですねぇ」

( ´_ゝ`)「うむ。いつもなら弟者がうまいこと整理してくれるんだが……」

('A`)「あー……流石に俺だけじゃ無理なんで、一緒に頑張りましょ?」

595 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:58:45 ID:YeYBxqy60
【BAR バーボンハウス】

       Ⅲ A Ⅱ ∨ 日
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
(´・ω・`)  目 W ][ ∩ Ⅲ
|つ凵⊂| _________
 ̄ ̄ ̄ ̄ (    )
   ――⊂   .|――――――
       (,___)
        ━┳━   ━┳━
   ̄ ̄ ̄ ̄┻ ̄ ̄ ̄ ┻  ̄



( ´_ゝ`)「――って感じ」

(´・ω・`)「なるほど。……実はね、ずっとわからなかったんですよ」

( ´_ゝ`)「ん?」

(´・ω・`)「奥多摩です。奴らは奥多摩に執着があるような動きをしているのに、実際に大きなことは起こっていない」

( ´_ゝ`)「その口ぶりだと、裏の歴史的に見てもってことだよな?」

(´・ω・`)「そうなります。龍神の民間伝承はちらほらあるようですが、それだけです。
      そもそも大名神社が何を祀っているのかすら、我々は正確なところを把握できていない」

( ´_ゝ`)「……筆府に至っちゃ、本当に何もなかったしな。知られざる歴史があるってことかね」

596 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:59:18 ID:YeYBxqy60

(´・ω・`)「日本は、世界的に見ても中世から残る文字資料が多い。
      そんな日本で何の痕跡もないというのは――」

( ´_ゝ`)「――それ以前の古代か、或いは……空白の4世紀」

('A`)「空白の4世紀っていうと……倭の五王までの、大陸での記録がない期間ですか」

( ´_ゝ`)「うむ。弟者から聞いたことがある」

(´・ω・`)「記録も何もないので憶測でしかないですが、いかにもありそうですよね」

( ´_ゝ`)「空白の4世紀じゃないにせよ、古代の話である可能性は高そうだ」

(´・ω・`)「或いは、土御門など長らく裏の中心にいた家では何かしら伝わっているのかも。
      ……それにしては特課のマークが甘い気がしますが」

( ´_ゝ`)「土御門っていうと……陰陽師の家だっけ? 今の特課にもいるのか?」

(´・ω・`)「あってますよ。母体が陰陽寮ですからね、当然土御門も噛んでます」

('A`)「でも、本家本元は後継者問題で困ってるんじゃなかったでしたっけ? 分家筋ですか?」

(´・ω・`)「らしいですね。本家が首を傾げる程度には遠縁のようですよ」

( ´_ゝ`)「ふーん。まあ、そこまで名前が通ってなくても古くから裏にいる家ってのはありそうだけどな」

(´・ω・`)「です。又聞きレベルですが」

597 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 22:59:52 ID:YeYBxqy60

( ´_ゝ`)「で、だ。早々に奥多摩に行って調査する必要がある、と俺は感じてる」

(´・ω・`)「……まあ、特課に任せておくには不安なのは確かです」

( ´_ゝ`)「問題は、闇雲に調査してもどうにもならんことだ。正面から本丸に乗り込むわけにもいかんし」

(´・ω・`)「大名神社ですか。そうですね、流石に無謀でしょう」

( ´_ゝ`)「なんか名案ある?」

(´・ω・`)「……一つ言えるのは、大名神社以外の侵入ルートを見つけるのは確実に必要でしょう」

( ´_ゝ`)「そうなんだよな、そしてその手掛かりがない……うーむ」

('A`)「あの」

( ´_ゝ`)「ん?」

('A`)「前に言ってませんでしたっけ? 奥多摩廃坑ツアーがどうとか」

( ´_ゝ`)「……星野ガービーか。しかし廃坑といっても」

(´・ω・`)「ふむ。もし、地下で何かが進められているなら。付近の廃坑などは何らかの影響が出ている可能性がありますね」

( ´_ゝ`)「なるほど……そういう可能性もあるか。とりあえず話を聞いてみてもいいかもしれないな」

(´・ω・`)「最近廃坑に立ち入った人物がいるなら、聞いてみる価値はあるかと」

598 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 23:00:26 ID:YeYBxqy60

( ´_ゝ`)「思い当たることがなかったとしても、案内役としては適任か」

(´・ω・`)「地下から探知することで何かがわかる可能性もあります。僕がいれば多少の崩落が起きても死にはしないでしょうし」

( ´_ゝ`)「……その口ぶり、もしかして行く気満々か?」

(´・ω・`)「意外ですか?」

( ´_ゝ`)「正直な。こないだはあんなに渋ってたのに」

(´・ω・`)「海の話は縁も所縁もないですからね。奴らとは因縁があるし、若伝さんを殺めてしまった責任もある」

( ´_ゝ`)「ちなみに、雨霧さんの方は?」

(´・ω・`)「サブロウは私が守りますわ、だそうで」

( ´_ゝ`)「あー……引っぱり出せるかは特課の動き次第か」

(´・ω・`)「白髭さんの感触だと、教授は静観だろうと」

( ´_ゝ`)「アホくさ。いつか誰かが言ってたけど、大物ぶってる間に滅びるぞあいつ」

(´・ω・`)「ふっ。らしいといえばらしい末路ではあります」

( ´_ゝ`)「問題は、今回ガチだと俺らも滅びることだな」

(´・ω・`)「御免被りますね。やはり奥多摩に行く必要はあるでしょう」

599 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 23:01:29 ID:YeYBxqy60

( ´ー`)「おう、来たぞ」

( ´_ゝ`)「おっ、白根さん。そっちはどうだった?」

( ´ー`)「丁度空いてたみたいでな、連れて来たぜ」

( □ー□)「どうも、お久しぶりです」

(´・ω・`)「どうも、冨竹さん。すっかり僕ら係みたいになってますね」

( □ー□)「はは……情けない話ですが、皆さんをアテにしないと回らなくなってきてますから」

( ´_ゝ`)「笑えねー。そこは嘘でも虚勢張ってくれよ」

( ´ー`)「そうか? 真に受けて油断させられるよりよっぽどマシだぜ」

(´・ω・`)「違いない。表立って連携を取れるようになったのは、大きな進歩です」

( □ー□)「いや、一応表立ってではないんだけど……」

( ´_ゝ`)「建前一枚しか隔ててないんなら表立ってるようなもんだ」

(=゚ω゚)ノ「その建前一枚が大事なんですけどね、公僕やってると」

( □ー□)「そうですね」

( ´_ゝ`)「そこはそれ、確かに大事。でも、マスターの趣旨は支障がないってとこだからな」

600 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 23:02:03 ID:YeYBxqy60

( ´ー`)「それで、何かわかったか?」

( ´_ゝ`)「関東から、いや日本から逃げろ。コントンノ何とか、地の底から溢れるなんちゃら、ナントカの黒き霧」

(=゚ω゚)ノ「日本からとは、また……」

( □ー□)「地の底から、溢れる……嫌な想像が膨らみますね」

(´・ω・`)「ナントカの黒き霧。状況から見て、若伝さんの体から溢れ出たものと見て間違いないでしょう」

( ´_ゝ`)「マスターがビビッて手が出ちまうほどの代物。良い予感はしないな」

( ´ー`)「そうなってくると、奥多摩へのガサ入れが必要そうだが……特課は動けんのか?」

(;□ー□)「うーん……大規模には難しい、と言わざるを得ないです」

( ´_ゝ`)「情報源の問題か?」

( □ー□)「はい、現状では説得材料として流石に弱い」

(´・ω・`)「具体的に、どの程度動けそうですかね?」

( □ー□)「現地の修験者一名は、当人を説得すればすぐ動けると思います。後は上がどこまで取り合ってくれるか次第ですが……」

( ´ー`)「お寒い限りだな……」

( ´_ゝ`)「やっぱ任せてはおけん感じだなぁ。なにせ"時間がない"だし」

601 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 23:02:54 ID:YeYBxqy60

( □ー□)「ある程度動けるように努力はしますが、どうしても時間はかかると思います」

( ´_ゝ`)「となるとやっぱり、俺らで奥多摩行くしかないが……」

(´・ω・`)「まずはその、何でしたっけ? 星野コーヒー? から話を聞いてからですかね」

( ´_ゝ`)「星野ガービーな。廃墟探訪で、先日奥多摩廃坑ツアーを主催した」

( □ー□)「ああ、あの人……以前も大名神社に行き当ってましたし、今回も何か見ていたりするかも?」

(=゚ω゚)ノ「もしそうだったら、運のない人ですねぇ」

('A`)(いやその引き運で平穏無事に過ごしてるならむしろ強運まであるんじゃ?)

( ´_ゝ`)「何も見てなかったとしても、あのへんの地下に詳しいなら必須の人材だ」

(´・ω・`)「案内とかして貰うとして……どこまで話します?」

( ´ー`)「おい、まさか本気で廃坑に入るつもりか?」

( ´_ゝ`)「やりたきゃねーが仕方ないだろ。日本滅亡が大盛りだったとしても、奥多摩滅亡しそうだし」

(=゚ω゚)ノ「なにせあの人の予言ですからねぇ……」

( □ー□)「立場上、裏の話をあまり吹聴して欲しくはないですが……我々の方で何とかできないのが悪いので、文句は言えませんね」

( ´_ゝ`)「口止めは必要だろうが、話せることは全部話す。ある程度把握しといてもらわにゃ緊急時に詰みかねん」

602 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 23:03:27 ID:YeYBxqy60

( ´ー`)「はぁ……なんか腹減ってきたな」

(´・ω・`)「まずは星野さんとやらと話してみないと、という感じですしお開きにします?」

( ´_ゝ`)「あー、そうだな。話を続けるにしても何か腹に入れたいわ」

( □ー□)「じゃあ、僕は戻って調整始めます」

( ´ー`)「早い方がいいからな、そうしてくれ」

( ´_ゝ`)「何故かトントン拍子に話が進んでくれることを祈っとく」

( □ー□)「いやー……出来る限り頑張ります。それでは」

( ´_ゝ`)「……俺も星野ガービーに連絡しとくか」

('A`)「あ、裏で準備しときました。宛先これであってますよね?」

( ´_ゝ`)「有能。宛先あってんよ」

(´・ω・`)「酒もいりますかね?」

( ´ー`)「ん、冷酒お勧めくれ」( ´_ゝ`)「カミカゼ」

(=゚ω゚)ノ「飲むんですか?」

( ´ー`)「飲まなきゃやってらんねーよ」

603 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 23:04:28 ID:YeYBxqy60

(=゚ω゚)ノ「じゃあ生ください」('A`)「冷酒貰おうかな?」

(´・ω・`)「あいよ。食べ物は……ボラなんかどうです?」

( ´ー`)「ボラってあのボラか?」

(´・ω・`)「釣りの外道で有名なボラですね」

('A`)「意外とうまいって聞いたことあります」

(=゚ω゚)ノ「へぇー」

(´・ω・`)「ボラは当たり外れ大きいんですが、たまたま良いのが入ったので」

( ´_ゝ`)「鮮度良いうちに出しちゃいたい感じか」

(´・ω・`)「せっかくなので。今なら刺身でもいけますよ」

( ´ー`)「ほう。それなら食ってみるか、丁度冷酒だしな」

( ´_ゝ`)「調子戻って来たみたいだな、マスター」

(´・ω・`)「ん……そうですね。やっぱりバレてましたか」

( ´_ゝ`)「結構ヒヤヒヤしてた。この様子なら大丈夫そうだな」

( ´ー`)「正直ほっとしたな」

604 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 23:05:01 ID:YeYBxqy60

(´・ω・`)「お酒お待ち。冷酒は伯楽星の純米吟醸冷卸です」

( ´_ゝ`)「バーなのにいつ来ても季節ものの日本酒あるよな」

(´・ω・`)「意外と出ますからね。季節ものは流石に何種類も置けませんけど」

( ´ー`)「おっ、伯楽星か。いいじゃねーの」

('A`)「伯楽星いいですよね。ひやおろしは初めてですけど……ん、うまい。ひやおろしらしからぬフレッシュ感」

(´・ω・`)「こいつはボラ刺しにもなかなか合うと思いますよ」

( ´_ゝ`)「ほーん。俺も冷酒にすりゃよかったかな」

(=゚ω゚)ノ「ちょっと気になっちゃいますよねぇ」

(´・ω・`)「味見用にお猪口で出しましょうか?」

( ´_ゝ`)「お、じゃあ貰うか」(=゚ω゚)ノ「貰います!」

('A`)(目にも止まらぬ速さで包丁振りながら普通に話してるの、いつ見てもシュールだな……)

( ´_ゝ`)「それにしても……料理の時は力加減誤らないのか?」

(´・ω・`)「そもそも戦闘以外は四六時中ではないですよ、たまに気を付けてないとうっかりする程度で」

( ´_ゝ`)「渡辺さん運ぶ時くらいは同じ集中力発揮してやれよ……」

605 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 23:06:17 ID:YeYBxqy60

(´・ω・`)「……よし。ボラの刺身盛りお待ち」

( ´ー`)「おっ、こりゃあ。普通にうまそうじゃねーか」

( ´_ゝ`)「どれ、早速一切れ……ぬおっ、うめぇ! なんだこれ」

('A`)「うわ、めっちゃ脂乗ってる。ちょっとブリっぽいけどまた違った旨さがありますね」

(=゚ω゚)ノ「若干、独特の香りがありますけど……変な臭みとかはないですね、意外と」

( ´ー`)「こいつを伯楽星で流すと……はぁー、たまらんなこいつは」

('A`)「主張の強い脂と独特な香りに、ひやおろしのまろやかさと伯楽星のフレッシュ感が丁度良い塩梅で噛み合いますね。うまいです」

( ´_ゝ`)「さっき食ったバスといい、意外な旨さを持った食材ってあるもんだな」

(´・ω・`)「そう言って貰えると仕入れた甲斐がありましたよ。焼きとか煮つけも意外と旨いんですけど、個人的には刺身ですね」

( ´ー`)「とはいえ、さっきの口ぶりからしてこんな旨いボラはレアなんだよな?」

(´・ω・`)「ですね。場所によってかなり左右される魚なので、この辺ではレアです」

( ´_ゝ`)「世の中知らないことだらけだな。こういう身近な……どこにでもいるような魚のことでも、ほんとそう思うわ」

('A`)「ほんとそうですよね。世間は狭いけど世界は広い」

( ´_ゝ`)「ああ。ましてや全然身近じゃない裏のことともなれば――」

606 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 23:07:31 ID:YeYBxqy60

( ´_ゝ`)(弟者を回復させる方法だって……虎穴の中に落ちてるかもしれないよな?)















  Case13「混沌の極点」
  Day1B「黒き霧」

                          To be continued...

607 ◆KDJGUfbY2o:2024/11/17(日) 23:08:05 ID:YeYBxqy60
今回はここまで

608名無しさん:2024/11/18(月) 23:57:47 ID:DSlccWa60
乙!

609名無しさん:2024/11/19(火) 01:56:50 ID:LFfG6HOY0
乙!( <●><●>)割と好きやったが、そうか。。。

610名無しさん:2024/11/20(水) 18:12:42 ID:2u9Mf4660
乙!
ボラはやっすいやつカルパッチョとかにしてたが良いやつならあの変な匂いも少ないんかねぇ

611 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:23:30 ID:1Brc1aAs0
>>608
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>609
( ´ー`)「わかるぜ……」

>>610
(´<_` )「生育域によってかなり変わるとは聞く」

612 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:25:37 ID:1Brc1aAs0
Case13-Tips4 刀傷沙汰
【田無山荘】
" ; ;ヾ ; " " ヾ ; " ; " ; ; ヾ, ////////┌────────┐/////////\
" ; ;ヾ ; " " ヾ ; " ; " ; ; ヾ, ////////│  田無   山荘   | //////////\
; ;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ ///////l└────────┘////////////ゝ
" ; ;ヾ ; " " ヾ ; " ; " ; ; ヾ,.三三三三三三三三三三三三三三三三三三三┃
; ;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ _ ___________________ ┃
" ;ヾ ; ;";ヾ; ;"/" ; ;ヾ ;ヾ "" 〃  l....... .... |=====l=====| | 〃 |  〃|  ┃
ヾ ;"; "i "; ;ヾ; ;ヾ; ;メヾ "   〃   l ........ ...|=====l=====| |__|__|  ┃
゛ ヾ;i;;ii ;iiメソ ヾ; ;ゞ "         l::::: ... ...|=====l=====| | 〃 |  〃|  ┃
 ""|l!|| ll|ソ  ""           l....    |=====l=====| |__|__|  ┃
   li(~):|l|   ,,,,,, ,             l....    |=====l=====|:::        ::::┃
   |:l||l |l| ,,iiiii;;;::..゙ ,,iiiii;;;::. ゙ ,,iiiii;;;::. ゙,,iiiii;;;::. ゙ ,,iiiii;;;::. ゙,,iiiii;;;::. ゙ ,,iiiii;;;::. ゙,,iiiii;;;┌───┐
   |;l!l| |;;) iiiiii;;;;:::::::iiiii;;;;;:::::::iiiii;;;;;:::::::iii__________;;;;;:::::::iii l │      |
   |ill|| lll(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)|三三三三三三三三三三|(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)
 二llil|l l!| (⌒)(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)|三三三三三三三三三三|口(⌒)(⌒)(⌒)(⌒)
、.,.ノiiノ:l|| !ヽ、.,.,             ,.、.,       ,.、.,,,.、.,      .、.,.,
 "" ^~"" ^~ " "
  .,.,,.、.,.,,.、.,.,,.、.,.,,.、
                                  .,.,,.、.,.,,.、.,.,,.、

613 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:26:11 ID:1Brc1aAs0

( ^ハ^)「こんにちは、ククル君」

( ゚∋゚)「どうも」

( ^ハ^)「急に呼んで悪いね」

( ゚∋゚)「いえ、仕事なんで。……そこで伸びてる男性は被害者ですか?」

( ^ハ^)「こいつが犯人だよ。またく勘弁してほしいね」

( ゚∋゚)「ですね。でも、どうして倒れてるんすか?」

( ^ハ^)「カナさんが制圧してくれたよ」

( ゚∋゚)「えぇー……何やってんだあの人」

( ^ハ^)「まま、そう言わないで。こちは助かたからね」

( ゚∋゚)「まあ、刃物持って暴れてたって話が本当ならそうっすけど。ちなみに当人はどこです?」

( ^ハ^)「被害者に付き添てくれてるよ」

( ゚∋゚)「なるほど。犯人伸びてるし、先に話を聞きたいっすね」

( ^ハ^)「わかたよ、こち来て」



 ―――。

614 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:26:44 ID:1Brc1aAs0

( ‘∀‘)「いやーびっくりした! 急にナイフ振り回すんだもんさ」

( ゚∋゚)「被害者からも聞きましたけど、知ってる人だったりします?」

( ‘∀‘)「いや全然知らん。そっちも?」

( ゚∋゚)「そうっすね。装備見る感じベテランっぽいですけど」

( ‘∀‘)「だな。何でこんなことしたんだろ?」

( ゚∋゚)「謎っすね。被害者とも面識なかったみたいですし」

( ‘∀‘)「な。軽傷だからまだよかったけど」

( ゚∋゚)「香那さんは大丈夫だったんすか?」

( ‘∀‘)「あーまあ素人だったしな、よゆーよゆー」

( ゚∋゚)「なによりです。あんまり強くは言えないっすけど、無茶しないでくださいよ?」

( ‘∀‘)「流石に強そうだったら逃げるの優先したかな? いやーでもな、やらなきゃ死人出そうだったし」

( ゚∋゚)「だから、強くは言わないっす。立場上礼も言えないっすけど」

( ‘∀‘)「ん、それでいい。ただ、あれだ。犯人の動機とかわかったらコッソリ教えて」

( ゚∋゚)「む……それはちょっと……」

615 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:27:17 ID:1Brc1aAs0

( ‘∀‘)「じゃ、ここで叩き起こして聞くかー。それなら問題ないっしょ?」

( ゚∋゚)「えぇー……問題ないと明言はできないっすけど」

( ‘∀‘)「いやだってさ、気になりすぎるでしょ流石に」

( ゚∋゚)「まあ、同意します」

( ‘∀‘)「殴り合いならともかく刃物振り回すとか聞いたことないもん」

( ゚∋゚)「タンさんから電話来た時聞き返しました」

( ‘∀‘)「だよな。こえーこえー、あたしがいてよかったなと思う」

( ゚∋゚)(……もしいなかったとして、タンさんはどう対処したんだろ?)

( ‘∀‘)(タンさんがまっちゃんの言う曲者なら、タンさんが何とかしたんかな?)

( ゚∋゚)「……犯人連行に同行して貰ってもいいすか?」

( ‘∀‘)「おん? 別にオーケー」

( ゚∋゚)(なんか、不安だな……あとで先輩にも相談しとこうかな?)

( ‘∀‘)(なーんか、早くここを離れたい気がするな……なんでだろ?)

616 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:30:58 ID:1Brc1aAs0
前回のあらすじ
・……今の黒い霧。あまりにも悍ましいものを感じて、つい手が……
・関東から、いや日本から逃げろ。コントンノ何とか、地の底から溢れるなんちゃら、ナントカの黒き霧
・まずはその、何でしたっけ? 星野コーヒー? から話を聞いてからですかね


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

617 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:31:31 ID:1Brc1aAs0
Case13-Day2
         |  | ̄ ̄ ̄|:l  |       | ::|       ,| |
        | ̄ ̄      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
        |       流 石 探 偵 事 務 所      | |
        l__________________,| |
           |  |`''-、_                 | |
           |  |   「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
           |  |   |         |          | |
           |  |   |         |          | |
           |  |   |         r‐┐| r‐┐      ,| |
           |  |   |         |  ||!  !       .| |
ノヽ-ヘィiヘl^ヽ-,   |  |   l        └‐'゙ l└‐'      | |
―――――┐ス  !  !    |         |          | |
          | ,レi |  |   |______,|_____,,| |
          | Z |  |  /                   ,|_|/
          | ヘ |_|/

618 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:32:06 ID:1Brc1aAs0

('A`)「どうしたんです?」

( ´_ゝ`)「うー、緊張してきた」

('A`)「えっ、何言ってんすか?」

( ´_ゝ`)「だって、廃墟好きが嵩じて廃坑ツアー主催しちゃうようなイカレた奴だぞ?」

('A`)「化け物と切った張ったしてる人がそれ言います?」

( ´_ゝ`)「前提が違う。抗いようもない相手との戦いに進んで赴いたりせん」

('A`)「似たようなもんだと思いますけどねぇ……」

( ´_ゝ`)「そうか?」

('A`)「そうです」

( ´_ゝ`)「うーむ……端からはそう見えるのか」

('A`)「命がいくつあっても足りないですよ」

( ´_ゝ`)「それは否定しないが、自分から飛び込むのとあっちから降りかかってくるのじゃ全然違う」

('A`)「そうですかねぇ……?」

( ´_ゝ`)「そうだ」

619 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:32:39 ID:1Brc1aAs0

('A`)「……まあ、自分から飛び込むのは確かに違いますか」

( ´_ゝ`)「そう。どうかしてる」

('A`)「廃坑なんてちょっと運が悪ければ即死しそうですもんね」

( ´_ゝ`)「俺くらいのフィジカルがあれば確率は半分以下にはなりそうだが、そういうのもなしに潜るとか」

('A`)「命知らずってやつですか」

( ´_ゝ`)「それ。……崩落しても死にはしないと豪語するマスターも大概だけどな」

('A`)「流石に自信過剰な気がしますけど」

( ´_ゝ`)「いや、ジッサイ死なないと思う」

('A`)「えぇ……マジでバケモンじゃないっすか」

( ´_ゝ`)「マスターはバケモン。俺ですらようやく本当の実力が見えてきたくらい」

('A`)「……暴走したらどうするつもりなんです?」

( ´_ゝ`)「前に行った通り、逃走一択。単に逃げても速すぎて追いつかれるが」

('A`)「ひと当てして逃げる、でしたっけ。できる自信ないですけど」

( ´_ゝ`)「砂かける程度でいいよ、一人で対峙する状況にはさせるつもりないし」

620 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:33:13 ID:1Brc1aAs0

('A`)「やっぱ足手纏いですかね、俺」

( ´_ゝ`)「戦いにおいてはそうだ。余程条件が重なってない限り、戦おうとはするなよ?」

('A`)「まあ、そもそも戦いたくはないです」

( ´_ゝ`)「だからこそ、長岡君も認めたんだろうぜ。あくまで自衛手段なのがはっきりしてるからな」

('A`)「あー、そうじゃない人もいますもんね」

( ´_ゝ`)「長岡君なんか当人がバトルジャンキー気味だしな。引き際は弁えてそうだが」

('A`)「所長も割とそっち寄りだと思いますよ?」

( ´_ゝ`)「そうか?」

('A`)「そうです」

( ´_ゝ`)「うーん……振り返れば否定はできないか」

('A`)「割と楽しんでる感じしますもん」

( ´_ゝ`)「何事も楽しむ主義ではあるな」

('A`)「じゃあ書類仕事も楽しみましょう」

( ´_ゝ`)「撤回する」

621 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:33:46 ID:1Brc1aAs0

( ’▽’)「こんにちはー」

( ´_ゝ`)ノ「ヘイらっしゃい!」

( ’▽’)「ヘイらっしゃい?」

('A`)「こんにちは。星野さんですか?」

( ’▽’)「あっ、はい」

( ´_ゝ`)「良い鯖入ってますよ」

( ’▽’)「はい?」

('A`)「お呼び立てしてしまってすみません。ささ、どうぞこちらに」

( ´_ゝ`)「くるしゅうない」

('A`)「所長、お茶」

┌( ´_ゝ`)┘「こいつぁ失敬、さささのさ」

( ’▽’)「?」

('A`)「失礼しました。どうぞお座りください」



 ―――。

622 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:34:21 ID:1Brc1aAs0



                         jI斗一    ̄ ̄  `
                     ア゚    ,.,           `'≪
                     ア゜     ~"寸     〝〟
                     ,'    ,イ   ア ヽ
                   i    {{    ゝ '   ノリ      _jI斗‐━ァマ
                     ¦   ゞー__  。o 彡''  f^''"~     j!  ',
                  ‘, _,, ...__ ・ ̄         ',      {   j}
                    ¦ ,ィ   ~"''≪       ゛、_rf(  ̄~"''ゝ。'
                  _У       `寸          ァ(
                   / ';     ,, r‐  ',       _,xく
         _j幺ェェォ__イ__,:ノ. r㎡_       ア_幺孑ヤ升
       ,,。*''“゚      j´。厂゛>、  うぅ==七"
    ,ィ'”    ..: : '⊂⊃ ノo゚イ .   寸
   〃  . : '       χ イ{  ゛ :.   マ
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623 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:34:54 ID:1Brc1aAs0

('A`)「さて、所長。そろそろ真面目にお願いします」

( ´_ゝ`)「ああ。星野さん」

( ’▽’)「はい」

( ´_ゝ`)「先日、奥多摩の廃坑ツアーをやったと木葉さんから聞いてる。その時のことについて話を聞きたい」

( ’▽’)「ええと、どういった話をすれば?」

( ´_ゝ`)「そうだな……ざっくりとした聞き方にはなるが、何か変わったことや気になったことはなかったか?」

( ’▽’)「……もしかして、木葉さんから何か聞きました?」

( ´_ゝ`)「ん……? いや、特には聞いてないが……」

( ’▽’)「うーん……あんまり言いふらして良い物かどうか。探偵さんも知ってますよね? 例の」

( ´_ゝ`)「冨竹の話か? 質問を返すが、あいつの正体は知ってるか?」

( ’▽’)「正体?」

( ´_ゝ`)「あいつ、表沙汰にできない特殊部隊の隊長……いや、元隊長か」

( ’▽’)「えっ?」

( ´_ゝ`)「あれから色々あって、普通じゃ知れないことを色々知った。……聞きたい?」

624 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:35:30 ID:1Brc1aAs0

( ’▽’)「なんすかそれ、正直興味ありますねぇ……!」

( ´_ゝ`)「おっと、思った以上に前のめり。ドッくん、例のものを」

('A`)「……ほんとにこれ使うんです?」

( ´_ゝ`)「スクリーン用意するゾ」

('A`)「えっと……では、こちらのスライドをご覧ください」

( ’▽’)「おおっ?」



┌───────────────────┐
│                                |
│                                |
│           【極秘】               |
│      「裏」事情についての現状説明       |
│                                |
│                                |
│        (c)流石探偵事務所          |
│                                |
│                                |
└───────────────────┘



 ―――。

625 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:36:04 ID:1Brc1aAs0

(*’▽’)「いやー凄い! 今、初めて池島に行った時や足尾の廃坑に入った時くらいにワクワクしてますよ!」

('A`)「えぇ……?」

( ´_ゝ`)「やっぱやべーなこいつ」

(;'A`)「ちょっ」

( ’▽’)「あ、すみません。魔術なんて夢のようなものを見せて貰ったから、つい興奮して……」

( ´_ゝ`)「それで、だ。奥多摩の地下でヤバいことが起こりそうなんで、何か気になることがあれば教えてほしい」

( ’▽’)「なるほど……。実は、あったんですよ。気になること」

('A`)「えっ?」

( ’▽’)「廃坑の中って、崩落とかで様相が変わることが結構あるんですけど。
      大体は道が埋まって行けなくなるとかなんですが、たまに逆のこともあって」

( ´_ゝ`)「どこか、今まで行けなかったところが行けるようになった、と?」

( ’▽’)「ですです。それで、行ってみたんですけど……どうにも奇妙で」

('A`)「奇妙というと?」

( ’▽’)「えー……何と言っていいかな。まず、結構な深部で塞がれてた個所があったんですけど。
      そこが崩落して、奥に進める隙間ができたんですよね」

626 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:36:38 ID:1Brc1aAs0

(;´_ゝ`)「えっ……まさか、そこ入ってったの?」

( ’▽’)「はい、見立てでは暫く追加の崩落はなさそうだったので。あの日は上級者ばかりでしたし、あの程度なら行きますね」

(;'A`)「えぇ……やば」

( ’▽’)「で、そこを進んだんですけど……色々と気になるところがあって」

( ´_ゝ`)「と、いうと?」

( ’▽’)「まず、少し進んだところで岩の色が変わりました。石灰鉱山なので白い岸壁が多かったんですが、何とも言えない黒い色に」

('A`)「なんとも言えない……?」

( ’▽’)「全体的に黒いんですけど、光の当たり方によって虹色にも……ああ、丁度水たまりの油膜のような」

( ´_ゝ`)「ふむ……? 黒いの自体は珍しくはないのか?」

( ’▽’)「珍しくはないですね。石灰って結構、混ざってる鉱石によって黒くなったりもするので」

( ´_ゝ`)「だが、油膜のような虹色には心当たりがない、と」

( ’▽’)「はい、初めて見ましたね。最初は油かとも思ったんですけど、普通に乾いてて」

('A`)「……気味悪くなかったんですか?」

( ’▽’)「意外に。今思うと、ガスとかを警戒して引き返す場面だったと思うんですけど」

627 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:37:13 ID:1Brc1aAs0

( ´_ゝ`)「流石にその辺の危機意識はあるのか……その時は働かなかったようだが」

( ’▽’)「そりゃ、ないと死にますからね。ガスは気付きにくいから特にヤバい」

('A`)「なるほど……それで、その後は?」

( ’▽’)「ええと、結構奥まで進んだところで妙なものを見つけたんです。これも、何と言っていいか……」

( ´_ゝ`)「どんな形をしてたんだ?」

( ’▽’)「……門、ですかねぇ。不可思議な形をしてましたが、道を塞いでいて、開きそうな構造でもあったので」

(;'A`)(もうここまででクトゥルフ神話とかだったら絶対あかんやつ……)

( ´_ゝ`)「開きそうな構造ってことは、開かなかったのか?」

( ’▽’)「です。開かないか調べてはみたんですけど、ふと我に返って怖くなってきまして」

( ´_ゝ`)「遅すぎて草」

('A`)「ちょっと」

(;’▽’)「いやほんとそうなんですよね。全然気にせず進んじゃったこと含め、振り返ると怖いです」

( ´_ゝ`)「何らかの影響受けてた可能性とかもありそうだな」

(;’▽’)「ですかねぇ……」

628 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:37:48 ID:1Brc1aAs0

('A`)「しかしこれ……ビンゴっぽくないですか、所長」

( ´_ゝ`)「だな。到底真っ当な設備とは思えん」

( ’▽’)「明らかに鉱山施設ではなかったですし、誰が何の目的で、って怖さは実際ありました」

( ´_ゝ`)「その時見たのはそれだけか?」

( ’▽’)「あ、いや……見た、ではないですけど」

('A`)「……?」

( ’▽’)「唸るような重低音が遠く聴こえてましたね。たぶん遠くの風音か水音だとは思うんですが」

( ´_ゝ`)「ふむ……」

('A`)「ますます不気味……」

( ’▽’)「そんな感じでまあ、百戦錬磨の探索隊もそそくさ退散したわけです」

( ´_ゝ`)「よくわかった。……とりあえず行ってみる価値はありそうだな」

(;'A`)「マジですか」

(;’▽’)「えっ? いや魔法使いとはいえ流石にあそこまで素人連れてくのは……」

( ´_ゝ`)「では、ちょいと本気フィジカルを見て貰うとしよう。場所を変えるぞ」



 ―――。

629 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:38:20 ID:1Brc1aAs0
【九折山中】
:ヾゞ;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ   /;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞ   |ii;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞヾ;ゞヾ:ヾ
ノ;;ヾ ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ ヾゞ;|  <;;/::ヾゞ;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞ;;::iiゞゞ;;ゞゞ;;ゞヾ;;>;ゞヾ;ゞ
ゞヾ ;ゞゞ;ゞiilヾ;ゞゞ゙ゞ;;:::ii|  |;:ヾゞ   "ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾiii| <:;ヾ:ヾ;;>ヾ;ゞ'';ゞヾ;ゞ
|;:ilヾ \ |::;ii|   ヾ;ゞゞ''ノヾ|;:i|    ノヾゞ:ヾヾ::ヾ\ |i;;:iii| /;;ゞ :;ヾ:,    |i;ゞゞ
|;:i|  \`'';:::ii| ヾ:ヾ;;>;ゞヾ|  |;:i|/^    '|i|  |;:i| \`";;::ii| ノ / :ヾ;;>ヾ;ゞ ;ゞヾゞ
|;:i|   ゙ヽ,;:;;;l| /゙;ゞゞ;ゞ:::ii|  |;:i|       |i|  |;:i|   ~|ii;;:ii"´/ |;;::ii|    |i|/
|;:i|     |:::;iii~ ノ  ,,|;;::ii|  |;:i|       |i|  |;:i|   |i::;;iii|~   .|;;::ii|  ''\|i|
':;,`:ヽ|/,'|:;:;ii|:,:;*.,:;/.:::;.:":::"''''⌒ヾゞ   γ''"""''""''"' |ii;;i;('')''"''''"""''"""'''''"""''
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"''~`''"゙ ノノシillゝ"''~`''"゙"''~`''"゙"''~            "'''''''''''''''"  ..,,、vji、iijww、ii..,
     "'''''''''"               '""'''""'"""
 ,..,.,.,.,、                                    ,..,.,.,.,、
           ''''""'"'''"""
;;;ゝ);;));ヾ;;)              ,..,.,.,.,、        ''"""~
))ゝ;;;ミ,,、,,;;;ゝ;;)ゝ))ゝ
;;;) ;;;)ヾミゞ((;;;ゝヾ;⌒;;)   iijww、ii.       """~"           ''"""~
ヾミ;ソ(;;;ゝヾ;))ゝ;ミ;;(::;ゝ;;;))                     ,..,.,.,.,、

630 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:38:55 ID:1Brc1aAs0

(´・ω・`)「呼ばれたので来ましたが」

( ´_ゝ`)┫「助かる。折角だから一手御指南願おうと思ってな」

(´・ω・`)「ふむ……?(チラッ」

( ’▽’)?

(´・ω・`)「……なるほど。構いませんよ」

( ´_ゝ`)┫「あんたとの現時点での力量差も、ちゃんと把握しておくべきだろうしな」

(´・ω・`)「まあ、そうですね。奇跡までは必要ないくらいだとは思います」

( ´_ゝ`)┫「そうか?」

(´・ω・`)「そうです。1割くらいかな?」

( ´_ゝ`)┫「そりゃまた。随分と高く買ってくれてるんだな?」

(´・ω・`)「妥当な評価だと思いますけどね。舐めプすれば狩られかねないくらいには近い次元ですよ」

( ´_ゝ`)┫「どうかな、1%くらいのような気がするけど」

(´・ω・`)「……まあ、やってみますか。うっかり死なれても困るんで、なるべく当てないようにはしますよ」

(;´_ゝ`)┫「力加減問題あるからこえーな。こりゃ早まったか……?」



 ―――。

631 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:39:28 ID:1Brc1aAs0
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        /ム―7 レ .レ                                  /                                /ム―7 レ .レ
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         /´ > ,.イ     i|     ,  /  ‘       /             `.、          .i|            /´ > ,.イ
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         ̄.レレ //   ,ィ ―  } (____/  __   _―― ̄       _ __) ≦⌒                 レレ //   ,ィ _
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632 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:40:02 ID:1Brc1aAs0
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633 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:40:36 ID:1Brc1aAs0
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                 \)         ≧__                           ・    、
           "  . ―=         て ̄ ̄ ̄         \         /
       /        ―          =―              \)\ノ|/                    \
       /      .  ―=         =―            .――≦   r―                    \
                /)        て_            ―=   く          \      \
   .         /     //|/^ヽ{ \「\(  \                  /⌒|  \                   \
         /       ・       |

634 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:41:09 ID:1Brc1aAs0

―=三(´・ω・`)「全力。外します」
                            /`ヽ、__
                          /     ` ー--、
                         /            | ̄`ヽ、
  ー--、                   /        /     |    |
     ` ヽ 、 ________,. ィ´     `ヽ  /ヽ   r{   __ノ
 ー=                  ´          }=-\  .! } ̄ ヽ
                               /__)  ` --'   ノ
                    |          ノニ、 ー 、__/
                 _  ヽ        ノヽ、 //       l
              ,. ―― ヽ /    ̄ ̄´ ,//ヽ`ヽ、     ノ
           ̄ ̄                 ,ハ/    ̄ ̄´ }
                             /  /\__  /
          _ __ ――- ----' ー-- __,. --、 __ノ― ' ̄
 ー― ―   ̄

(;´_ゝ`)三=―「っ!!!!」
        .....:::::::::::::::::__                        /::::::::::::::::::::::::::::::::::
           .:.::::::::::::::::: ̄ ̄≧x、             /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                        `ヽ         〃V´
          _______                           _______
        /    __      \                   /     __     \
      /     /   \    \ヾ    ::::::.       〃/    /   \    \
    〈      |   〇  |         ::::::::        :::           |  〇   |      〉
             \___/        ::::::::::            ::::::::::       \___/
                  _彡                   ミ_
      三三三三三三三三三                      三三三三三三三三三
  U                       ....::
 u                            .....::::

635 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:41:43 ID:1Brc1aAs0
                      !L
                      l l
                 、    l ..l
                  リ、   l  l  |.l
                  }ヽ. i、.!  . l ! l
                   ! ヽ.|゙i}  .l│ !
                   |  .゙'! ″  ...ll .l _
                   !       ″ .l ,!|
       _ィ'⌒゙''ー-、,,_      l            l,! .l
_,,. r‐'''"~         ̄`''ヽ、,│        ″ .!
:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :. :. :. :. :. :. : :、      !           l ..:    . ...  ...
:.:.::::::.:.:.::.:.:.:.::.:.:.:. :. _,,.ィ〜゙lヽ,  、  .!              !  .!l   ..:        . ..
´~ ̄~~"^´ ̄~゙^´   _,,,.l,.\ 'ト、 .l              l l .l            _,,. -ー'''
 .... . .. :...  -─-= 二、..,,_l. ..ヽ l'、 .l              l ! !..     -='、'゙´:.::.:.:.:.:.:.:..:.:
...  ...         l、   l.  ヽ l.ヽ|           ネ .!./|        ~`"゙''ー- 、
. :;:;'r-=´へ  .. ... .. .゙ぐ、,  .ヽ  .゙'レ'l|                |" l
/ / '::... `:.\、    ヽ \ ヽ  ゛               l .、. .. ..   ..:    . .
.::"/::..`._ ;'".へ'´`yヽ√´ヽ \ ヽ                / /lゝ . : .:,ハ. .. ..   .. : :
 "`''''''ー――-´--------ヽ  \'、    .. /⌒i           |./ l  ,iリ,フ;:,'ゝ------‐―
   . : ..: .:. 、,、w..:、,、、,、wヽ,  .\、_,,..、 .|  / ,..-、     ″ ! ,i'゙/ フ.:;ilゞ,ハ.:.....:.,ヘ..::::
,、,、,、wリ゙W゛jリwj从リj"W゙リwリ゙W\  .゙ l   l | /´ l,、_ノ ,        l゙./ ./ヘ;;ハバゝ;>.:,ハ';'ヽ、
 从;: `:、リ゙W゛jリw''、`'.、,:`:,,‐'゛\ヽ,  |  i' '´_,,、           ド  !ノハil;:ヽゝ ノハil;:ヽゝ
`wリ゙W゛jリwj从リj`'.、-='´  _,ywj\' !、 .|  し''´ 」           !  ,, ノノ ノ'ノ,'ハハゝ
.wj从リj`'.、 ,:,-‐'゛,,vw-‐W゛w从 Wヾ'!l|  ,,.-''´  .         l .,/ !ハ';'ヽ..::...,ヘ、ハ.:;>
 ̄~^ ̄^ ̄ ̄~`^゙'、,゛jリw :;.:".:;.:'、,,,_ `'、| .|      ,、 r‐'l .r、、'"  ^フヽハil;:ヽハ,ハ';'ヽ、
'' ゚   ;~ ,;    ww:,、v、从リjw`'-,`"".l、_ノ     i ゙l.| ゙l / l゙    ,i′ハl; ノハil;:ヽゝフ
           `゙''、::wj,、,、,、从リj`'-、      │ ゙l | |/ l゙    /l;:.'ilハil;: ノ'ノ,'ハハ,ゝ
  ~' ',;   ''"'     、,,'.、゛jリwj__ミッ      ゙l,,ノ '"│ /    ,,,,,ニ=-ハl;:.'ilゞヾベ .:;
~              ``'‐;.:".:;.:'"゙:`'''ー┐ .___´  .l゙ l゙__z-⊥';'ヽ、 .:;>ヘ:..::ハ::
     ~' '  ,;''        ~'ー:;.:;;wリ゙、从リj"::.:;.:'lilベ: \,l゙ツノノ;:'ハ;;:.ノハil;:ヽゝ li>ノハハ
           ~'   '      ``リ゙ jリwj从jr、'^  シハノシ;:,';:, ノノハハl;:.'ilゞヾノvノ;:,l'
~         '゚   ;  ~' ',;''       `゙''、:w从jリ 彡ハハノ;;:, フノ;:,'ハノハハレ;;:ノノハハ
   ~' ',;''                     `゙'':::..wj 彡ヾ;:ノハハレ;:,.'ilヾ ノノハハノノ;:'ヘ;;ハハ

636 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:42:16 ID:1Brc1aAs0
       _ィ'⌒゙''ー-、,,_
_,,. r‐'''"~         ̄`''ヽ、,,___
:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :. :. :. :. :. :. : :: . : . :. .,,.r-〜''´ ̄   .. .. ..   ..:    . ...  ...
:.:.::::::.:.:.::.:.:.:.::.:.:.:. :. _,,.ィ〜'⌒゙'''" .:::: .. . .... .. ..   . ...  ...    ..:        . ..
´~ ̄~~"^´ ̄~゙^´   _,,,..,,_,. -─- 、..,,____,,.....,,,_.. ..                _,,. -ー'''
 .... . .. :...  -─-= 二、..,,____,,.....,,,_.._,..r-'''"´      .. . ..     -='、'゙´:.::.:.:.:.:.:.:..:.:
...  ...                                         ~`"゙''ー- 、
. :;:;'r-=´へ  .. ... .. ..   . ... ...    ..::   .         ,ヘ
/ / '::... `:.\、                         ,ハ';'ヽ、. .. ..   ..:    . .
.::"/::..`._ ;'".へ'´`yヽ√´\,ヘヘ,、 :.     ,ヘ       ノハil;:ヽゝ . : .:,ハ. .. ..   .. : :
 "`''''''ー――-´--------- ,....へ.,.,.,,,,,,,.. ハ';'ヽ、  __,.,,, ノ'ノ,'ハハ,ゝ..... ,フ;:,'ゝ------‐―
   . : ..: .:. 、,、w..:、,、、,、w:.、,、v、,、v、;. ノハil;:ヽゝ    ノノ;:'ヘ;;ハバゝ, フ.:;ilゞ,ハ.:.....:.,ヘ..::::
,、,、,、wリ゙W゛jリwj从リj"W゙リwリ゙W゛j;yノw''" ノ'ノ,'ハハ,ゝ ハ 彡゙;:.'ハヾゞ';'ヽヘ;;ハバゝ;>.:,ハ';'ヽ、
 从;: `:、リ゙W゛jリw''、`'.、,:`:,,‐'゛' ~    彡;:'ヘ;;ハバ ノハヽ、,ツノノ;:'ハ;;:. ノハil;:ヽゝ ノハil;:ヽゝ
`wリ゙W゛jリwj从リj`'.、-='´  _,ywj从リWv,ハヾゞ;;:. ゞノvノ;:,l'レゝ,ハ';'シハノシ;:,ヘ, ノノ ノ'ノ,'ハハゝ
.wj从リj`'.、 ,:,-‐'゛,,vw-‐W゛w从 W:;,',:从シハノシ;:,';,ノノゝハハ,ゝヘ,::..ヘ.:;ilゞ ハ';'ヽ..::...,ヘ、ハ.:;>
 ̄~^ ̄^ ̄ ̄~`^゙'、,゛jリw :;.:".:;.:'"゙:.:゙,;`彡ハノ;|ililヾvフノ;:,'ハ';'ヽ;;ハバゝハ';' ハ';'ヽハil;:ヽハ,ハ';'ヽ、
'' ゚   ;~ ,;    ww:,、v、从リjwv,:.:.、;..:...: ;:ノハil;:ヽ_,,_ -ー'''''' ̄ ̄''――- ..,_ハl; ノハil;:ヽゝフ
           `゙''、::wj,、,、,、从リj":::",:.:.、;:../゛  ..   '、 l、 .l  .. .,. . `'、'ノ,'ハハ,ゝ
  ~' ',;   ''"'     、,,'.、゛jリwj从リ、从:'/ i、 .\ `'-、  l ゝ l ./ ./.,/,. ヽヾベ .:;
~              ``'‐;.:".:;.:'"゙:jリ . " .ノ /''ーニッui,,゙__、  _____,,....ニ--‐r'". ‐´:..::ハ::
     ~' '  ,;''        ~'ー:;.:;;wリ゙、从リ.゛  !  .′.!  ̄~| ヽ ′゙'  ゙ゝ li>ノハハ
           ~'   '      ``リ゙ jリwj从jr、'^  シハノシ;:,';:, ノノハハl;:.'ilゞヾノvノ;:,l'
~         '゚   ;  ~' ',;''       `゙''、:w从jリ 彡ハハノ;;:, フノ;:,'ハノハハレ;;:ノノハハ
   ~' ',;''                     `゙'':::..wj 彡ヾ;:ノハハレ;:,.'ilヾ ノノハハノノ;:'ヘ;;ハハ

637 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:42:49 ID:1Brc1aAs0

(;'A`)「……大丈夫です?」

(;´_ゝ`)「……タマヒュン。ってか最後の一撃で地形が……流石に怒られるなこれ」

(´・ω・`)「あー……すみません。一応全力の一撃も見せておこうかと」

(:’▽’)

('A`)「思った以上にヤバくて引かれちゃってますよ?」

( ´_ゝ`)「無理もない」

(´・ω・`)「で、どうですか。手も足も出ないってほどじゃなかったでしょう?」

( ´_ゝ`)「いや普通に手も足も出なかったんだが?」

('A`)(マスターが最後に打ったビッグバンインパクト以外、殆ど何が起きてるのかわからんかった……)

(´・ω・`)「そうですか?」

( ´_ゝ`)「そうだ。何とか一撃入れたけどノーダメージじゃん」

(´・ω・`)「まあまあ痛かったですね。当てられてダメージも通ってるならワンチャンありますよ」

( ´_ゝ`)「通常攻撃レベルとはいえ小突かれた程度じゃなあ。全力攻撃をバカスカ当てるとかそれこそ奇跡だし」

(´・ω・`)「策を凝らせば不可能ではないでしょう。奇跡ってそんな安いもんじゃないですよ」

638 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:43:22 ID:1Brc1aAs0

( ´_ゝ`)「策ねぇ……どれだけ犠牲がいるのやら」

(´・ω・`)「放置して出る犠牲よりは少ないんじゃないですかね」

( ´_ゝ`)「景気悪い話だなあ……そんな状況にならないことを改めて祈るよ」

(´・ω・`)「ですね。まだまだやりたいことは多いですし」

('A`)(砂緒さんも……)

( ´_ゝ`)「んで、星野さんや」

(:’▽’)「あっ、はい」

( ´_ゝ`)「崩落とか転落はどうにかなりそうなのわかって貰えた?」

(:’▽’)「えー、そうですね。パンチでクレーター作っちゃうような人達を心配するだけ無駄かも、とは」

('A`)「気持ちわかります」

( ´_ゝ`)「じゃあ、案内して貰えるってことで良いよな?」

(:’▽’)「わ、わかりました」

(´・ω・`)「話がまとまったようでよかったです」



 ―――。

639 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:43:55 ID:1Brc1aAs0
  ________
. /_||_| |_||_||三三≡=─
f目テ=、____|三三≡=─
`て((◎)――(◎)三三三≡=─



( ´_ゝ`)「さて、話は着いたし……あとは物資の準備か」

('A`)「何を準備するつもりなんです?」

( ´_ゝ`)「主にクライミング系の装備だな。あとは消耗品系と、今のより良いライトがあれば欲しい」

('A`)「なるほど」

( ´_ゝ`)「特にライトは重要だろうからな、一番良いのを頼もう」

('A`)「間違いないですね。最悪は魔術でもなんとかなるとはいえ、温存できるに越したことはないですし」

( ´_ゝ`)「あとは重量や体積と相談だな。買うだけ買って車に置いとくでもいいけど」

('A`)「その辺の判断は全然わからないんでお任せします」

( ´_ゝ`)「うむ」

640 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:44:35 ID:1Brc1aAs0
【日吉山荘 筆府店】
          ||/(XX)(XX)(XX)|三三|/ |XXX|/ |三三|/ |ニニ|/ 凵/ 凵/ |  i |:___
  __ __  :||≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ≡ ≡ ≡ ≡ ≡ ≡ ≡ ≡ ≡ ≡ ≡ ≡ ≡ |  i |:___
/  /  /| :||/日 凸 □□□/   |ニニ|/|XXXX|/|三三|/|三三|/  ○/ |  i |:___
| ̄ ̄| ̄ ̄|  |          ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡|  i |:___
| // | // | | ̄ ̄ ̄|\--l          ___                          |  i |:___
| ̄ ̄| ̄ ̄| |___|  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄////|/ ̄ ̄.:::/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:|  i |:___
| // | // | |___|/_______.| ̄ ̄ ̄|/___/                 |  i |:___
| ̄ ̄ ̄ ̄                   ̄ ̄ ̄|  |    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  i |:___
|                                |  | :::::::::::::|                |  i |:___
|___________________|/::::::::::::::::|___________|  i |_________
                                                  └─┘

641 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:45:08 ID:1Brc1aAs0

( l┴l)「いらっしゃ――およ?」

( ´_ゝ`)ノ「山ちゃん先輩」

( l┴l)「こないだ来たばっかなのに珍しいじょん」

( ´_ゝ`)「ちょいと洞窟探検しないといけなくなって」

(;l┴l)「洞窟ぅ!? マジか」

( ´_ゝ`)「そんなわけで、一番良いライトを頼む」

( l┴l)「ほいほい、ライトね。しっかし探偵ってのはほんと大変だな」

( ´_ゝ`)「それほどでもある」

( l┴l)「これなんかどう? こないだ来たケイビング勢も買ってった代物、このサイズで最大2300ルーメン!」

( ´_ゝ`)「ほほう、このコンパクトさで2000ルーメン超えは偉い」

( l┴l)「バランス型ならこれ! 最大4600ルーメン!」

( ´_ゝ`)「サイズ感とか今使ってるのと近くてしっくり来る」

( l┴l)「ハイパワーならこっち! 最大14000ルーメン!」

( ´_ゝ`)「おー。狭所で使うには持ち腐れそうだが……パワー必要な場面もあるかもしれないから悪くない」

642 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:45:58 ID:1Brc1aAs0

( l┴l)「ハンドライトのお勧めはこのへんだな。ヘッドランプは……まさかとは思うけど水中入る?」

( ´_ゝ`)「……可能性は否定できない」

(;l┴l)「死ぬ気か!?」

( ´_ゝ`)「プロ中のプロにガイドして貰うから、そっちに判断して貰うさ」

( l┴l)「うーむ……まあ、プロいるなら素人に水中行かせないか」

( ´_ゝ`)「そうそう。でも一応「こんなこともあろうかと」精神で行きたい」

( l┴l)「そんならこのへんかな。コンパクトで完全防水、パワーは控えめだけど照射距離は意外と長い」

( ´_ゝ`)「おっ、なんか玄人好みそうなの出て来た」

( l┴l)「ダイビング用ってわけじゃないんだけど、結構ダイバーに人気」

( ´_ゝ`)「使いやすそうでいいな」

( l┴l)「取り回しのいいヘッドランプにスポットのハンドライトを組み合わせるのがケイビングの鉄板だな」

( ´_ゝ`)「なるほど。ヘッドランプには疎いから助かる」



 ―――。

643 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:46:35 ID:1Brc1aAs0
  ________
. /_||_| |_||_||三三≡=─
f目テ=、____|三三≡=─
`て((◎)――(◎)三三三≡=─



('A`)「結構買い込みましたね」

( ´_ゝ`)「あれを買っておけば、なんて後悔は御免だ」

('A`)「それはそうですけどね」

( ´_ゝ`)「何か言いたげだな?」

('A`)「……帰って来たら仕事頑張らないとです」

( ´_ゝ`)「あーあー聞こえなーい」

('A`)「給料出せなくなったら流石に辞めますからね?」

( ´_ゝ`)「すみません頑張ります……」

('A`)「頼みますよほんとに」



 ―――。

644 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:47:10 ID:1Brc1aAs0
【流石探偵事務所】
         |  | ̄ ̄ ̄|:l  |       | ::|       ,| |
        | ̄ ̄      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
        |       流 石 探 偵 事 務 所      | |
        l__________________,| |
           |  |`''-、_                 | |
           |  |   「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
           |  |   |         |          | |
           |  |   |         |          | |
           |  |   |         r‐┐| r‐┐      ,| |
           |  |   |         |  ||!  !       .| |
ノヽ-ヘィiヘl^ヽ-,   |  |   l        └‐'゙ l└‐'      | |
―――――┐ス  !  !    |         |          | |
          | ,レi |  |   |______,|_____,,| |
          | Z |  |  /                   ,|_|/
          | ヘ |_|/

645 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:47:43 ID:1Brc1aAs0

( ´_ゝ`)「「ありがとうございましたー」」('A`)



( ´_ゝ`)「……さて、これで仕事の整理も終わったな」

('A`)「意外と何とかなるもんですね」

( ´_ゝ`)「直近の稼ぎに目を瞑ればな」

('A`)「……帰ったら2tubeチャンネルでも開設しますか」

( ´_ゝ`)「アリだな。今やネット関係の依頼の方がコスパいいし」

('A`)「です。まあ玉石混合すぎて選別が面倒ですけど」

( ´_ゝ`)「あと俺の活躍が少ない」

('A`)「そうですか? しょっちゅう言いくるめて貰ってるイメージですけど」

( ´_ゝ`)「それはまあ確かに」

('A`)「リアルで動かなきゃいけないことも結構ありますしね、俺はその辺まだまだですから」

( ´_ゝ`)「所長の威厳は辛うじて保たれている」

('A`)「辛うじてってこともないでしょう。所詮バイトなんで、俺」

646 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:48:18 ID:1Brc1aAs0

( ´_ゝ`)「……その所詮バイトを鉄火場に連れてって良いもんかどうか、正直迷ってる」

('A`)「座して待つとか普通に気が気じゃなくて嫌なんですが」

( ´_ゝ`)「気持ちはわかる」

('A`)「まあ、待てと言うなら待ちますけど。バイトなんで」

( ´_ゝ`)「悩ましい」

('A`)「死んでも後悔しないとは言いませんけど、俺も何かしたいですよ」

( ´_ゝ`)「超悩ましい」

('A`)「キャンプ地の維持とかでもいいんで」

( ´_ゝ`)「確かにそれも必要だが、実はそっちの方が危険な可能性も」

('A`)「とはいえ人、います?」

( ´_ゝ`)「それを言われると苦しい……クックルとかっちゃんだけじゃ不安はある」

('A`)「俺がいた方が安全性高まりますよね?」

( ´_ゝ`)「意外とグイグイ来るよなあ、ドッくん」

(;'A`)「いやほんと、留守番嫌すぎるんですよ。マジで気が気じゃないですって」

647 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:48:52 ID:1Brc1aAs0

( ´_ゝ`)「……じゃあ、行くか。マジで死ぬかもしれんが」

(;'A`)「それはそれで嫌なんですけどねぇ……自分でコントロールできる余地がある方がまだ良いです」

( ´_ゝ`)「ドッくんが考えて出した結論ならもう何も言わん。頼むぞ」

('A`)「はい」

( ´_ゝ`)「あとできることは……仁田さん頼るかぁ……?」

('A`)「誰でしたっけ?」

( ´_ゝ`)「中国マフィアの幹部」

('A`)「うわぁ……」

( ´_ゝ`)「借り作ると後が怖い」

('A`)「やめときましょうよ。別に凄い魔術師がいるとかじゃないですよね?」

( ´_ゝ`)「ソンミンさんとか借りれれば結構頼りにはなるが……リスクに見合うほどではないかな。
      ハロルドさんはワンオペ魔術師だから流石にツケで貸してはくれんだろうし」

('A`)「じゃあやめときましょう」

( ´_ゝ`)「そうだな……」

648 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:49:49 ID:1Brc1aAs0

('A`)「所長のお母さんに来て頂くというのは?」

( ´_ゝ`)「群馬もバタバタしてるようだからちょっとタイミングがなあ」

('A`)「まあ呼べるなら既に声かけてますよね」

( ´_ゝ`)「うむ、勝率変わるレベルだからな」

('A`)「そうなると、もう人事は尽くした感じです?」

( ´_ゝ`)「ああ。後は現地で合流してから――いや、荷物整理しないとだな」

('A`)「あ、確かに」

( ´_ゝ`)「何をどう詰めるか十分に吟味して荷造りせんと」

('A`)「じゃあ、早速やりますか」

( ´_ゝ`)「おう」



 ―――。

649 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:50:23 ID:1Brc1aAs0
                 ,。 \ ・:*        :・゚  '☆,。・:   *:
             \       ☆
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   .  __ |ロロ|/  \ __ |ロロ|/  \ __ |ロロ| __..|ロロ|/  \
   _|田|_|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_
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650 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:50:56 ID:1Brc1aAs0

【とんかつ 小豚】
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |ニニ|二二二二二二|ニ|二二二二二|ニニ| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄    |
  |////| 人灯人. |ニニ|:_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|:|ニ|_|_|_|_|_|_|_|_|_:|ニニ|  |                      |   | |
  |////|   `´   .|ニニ|:_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|:|ニ|_|_|_|_|_|_|_|_|_:|ニニ|  |                      |   | |
   ̄ ̄         |ニニ|:_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|:|ニ|_|_|_|_|_|_|_|_|_:|ニニ|  |                      |   | |
    ____   |ニニ|:_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|:|ニ|_|_|_|_|_|_|_|_|_:|ニニ|  |                      |   ├: .|_
   ||お品書  || |ニニ|:_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|:|ニ|_|_|_|_|_|_|_|_|_:|ニニ|  |                      |   |: :|: : :
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   ||:::::::::::::::::::::|| |ニニ|:_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|:|ニ|_|_|_|_|_|_|_|_|_:|ニニ|                         |: :|: : :
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651 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:51:29 ID:1Brc1aAs0

( ^ω^)「いらっしゃいませー……おっ?」

('A`)ノ「よう、ブーン」

( ^ω^)「あっ、ドクオおいすー」

( ´_ゝ`)ノ「よっ」

( ^ω^)「こんばんわですお。こちらのお席どうぞー」

('A`)「何食います?」

( ´_ゝ`)「トンカツ定食大盛り。ドッくんは?」

('A`)「えー、じゃあカツ丼で」

( ^ω^)「かしこまりましたお」

( -@ω@)「お、いらっしゃい。ちょっと久々じゃない?」

( ´_ゝ`)「あー、確かにちょっとご無沙汰だったな。今日はちょっとゲン担ぎに来た」

( -@ω@)「ん? デカい仕事でも入ったの?」

( ´_ゝ`)「そう、明日から奥多摩出張」

( -@ω@)「へぇー、じゃあ腹いっぱい食ってってよ」

652 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:52:04 ID:1Brc1aAs0

( ´_ゝ`)b「無論そのつもり」

( ^ω^)「お水お持ちしましたお」

('A`)「ブーン、就活はどんな感じだ?」

( ^ω^)「おーん……未だ無い内定だおね」

( -@ω@)「うちの店継いでくれても良いんだけど」

(;^ω^)「や、流石に気遣いでそんなの悪いですお」

( -@ω@)「別にお情けじゃないんだけどねぇ……」

(;^ω^)「最近練習させて貰ってる調理も全然ですお……」

( -@ω@)「スジは悪くないさ。このまま練習してけばきっと――」

( -@ω@)「おっと、手が止まってた。待たせちゃ悪いね」

( ^ω^)「ですお」

( ´_ゝ`)(大将本気なんだよなあ。通じるといいね)

('A`)(どうしてもやりたい仕事があるわけでもなし、お言葉に甘えちゃえば良いと思うんだけど)



 ―――。

653 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:52:37 ID:1Brc1aAs0
               。    _|\ _
            。 O   / 。  u `ー、___
          ゚  。 \ヽ / u ⌒'ヽ゛  u /   ゚
          -  ・。 / ; ゚―   u⌒ヽ i   @ 。
        ,  ゚ 0 ─ { U u r- ゝ \  .| / 。  ,'´ ̄ ̄`',
         ゚ ,,、,r-'⌒l u //トェェェ、 ) 。゚ / o    ,! ハ ハ !
      。 ゚ r-'⌒`ー-'´ヾ,. ir- r 、//u / 。 ・゚  l フ ム l
        ヾヽ、_,,,、-、/ミ,ヽヽ/ ノ_, -イ-、\   ∠  ハ ッ j
          ー = ^〜、 ̄r'´ ̄`''jヽ、  〃ヾ ゚ 。 ヽ フ   /
 jヽjvi、人ノl__     / /  ヽ´{ミ,_   ̄`'''-ヽヾ    ` ̄ ̄
 )   ハ   7      /  / `'='´l  ̄i'-、_,,ン ノ 。
 )   フ    て   /  /   !。 l  l  - ニ
 7   ッ    (  __ヽ、__l ___ .!。 l__l__,-=-,___
  )   !!     ( ,-=-, ∠ヾゞゝヽ ,-≡-,l  l-=二=-,
  ^⌒~^⌒^~⌒^└==┘   ̄ ̄ ̄ ヽ==ノヽ=ノ\__/

( ´_ゝ`)「とんかつうめぇー」

('A`)「やっぱトンカツなんだよなあ」

( ´_ゝ`)「ゲン担ぎなぞ口実、物理的に勝ちに近づくパワーメシ」

('A`)「それはありますよねえ。この旨さ、精神的にも効きますよ」

( ´_ゝ`)「それな。特にここのカツはほろ苦い香ばしさがやはり素晴らしい」

('A`)「玉ねぎの甘さともよく合って、ふわとろ卵で旨さ爆発、最高です」

654 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:53:10 ID:1Brc1aAs0

( -@ω@)「いつも旨そうに食ってくれるから嬉しいねぇ」

( ´_ゝ`)「ジッサイ旨い」

('A`)「です」

( ^ω^)「おっおっ、いつも食べ過ぎるお」

( ´_ゝ`)「難しい出張だけど、なんとかなるかもって気になってきた」

('A`)「ですねぇ。やっぱ人生旨いもん食ってナンボですわ」

( -@ω@)「はは、それはよかった」

( ^ω^)「ドクオも一緒に行くのかお?」

('A`)「ああ、手伝い程度だけどな」

( ´_ゝ`)「……とても心強い。ドッくんは有能だからな」

( ^ω^)「おっおっ。帰ったら奥多摩の旨いもんについて教えて欲しいお」

('A`)「……おう。土産話楽しみにしといてくれ」

( ´_ゝ`)「こりゃ、土産話のテンション下げないように仕事成功させないとだな」

('A`)「ですね。……絶対、成功させましょう」

655 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:53:44 ID:1Brc1aAs0

( ´_ゝ`)「ああ、勝って帰ろう。必ずな」















  Case13「混沌の極点」
  Day2「探索者の供述」

                          To be continued...

656 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/01(日) 21:54:19 ID:1Brc1aAs0
今回はここまで

657名無しさん:2024/12/02(月) 01:50:00 ID:uAFGEX9Q0
乙乙
( ’▽’)の話だけで都市伝説が一作出来上がってる感じだし飯テロもあったりでご褒美感のある濃厚な回だった
ドッくん活躍しそうな気配がしてwktk

658名無しさん:2024/12/02(月) 07:19:30 ID:qH8DZQXI0
乙!
実際うまい飯にはパワーがある

659名無しさん:2024/12/08(日) 00:45:34 ID:BDk2GwjQ0
トンカツは、トンカツはイイぞ!!

660 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:09:47 ID:7FUTwYdI0
>>657
('A`;)「ぶっちゃけ活躍するような状況に陥りたくねぇ……」

>>658
( ´_ゝ`)「おう、間違いない」

>>659
( ^ω^)「とんかつ美味いお!」

661 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:10:21 ID:7FUTwYdI0
Case13-Tips5 一方その頃
        __                                __
        \三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三/
          \三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三/
             //////////////////////////////////////////∧
           /////////////////////////////////////////////\
         /////////////////////////////////////////////////\
       /////////////////////////////////////////////////////\
      ` ̄||ロ=ロ=ロ= ロ= ロ= ロ = ロ= ロ= ロ= ロ= ロ= ロ|| ̄´
                       | |二二二二二二二二二| |
                       | ||ll:::::::::::/ /:::::::::::/ ヽ::::ll|| |
                       | ||ll::::::::/ /:::::::::::/  /::::ll|| |
                       | ||ll:::::/ ∧:::::::::/ ./\:ll|| |
                       | ||ll:::::::/ /::::::::;/  /::ll|| |
                       | ||ll::::∧/:::::::::::\/\::ll|| |
                       | ||ニニ∨ヘニニニ/\/ニ.l| |
                   __| ||/::::::∨∧::::::\/\::',|| |__
               |ニニ| |二二二二二/  /二| |ニニ|
                ___Lニニ| |三/____.\/ '∨/| |ニニ」___
           /ニニニニニ三ニニニニニニニニニニ三ニニニニニヘ
            |三三三三/  /三三三三三三三三ヘ  ヘ三三三三|
            Lニニニニ| ̄ |ニ/==============|ニ|  ̄|ニニニニ」
                    └─┘              └─┘

662 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:10:55 ID:7FUTwYdI0

<(' _'#<人ノ三「はあっ!!」
                       l  ∧ // /
                       | し ∨ /
                  _ノ     /                                    /
             ─=ニ二_   '゙,  /                                  //     /       >''”
                    )    /                               // /   / (_____>''”
                    /   /                          ///   〈_/
                   //  /                         //    ,
                    /  /                           //
                      /  /                        //
                     //  /                            /         '゙                     _-=ニ⌒
                  / '  /                         /           ,  , /             _-=ニ⌒
                    /.   /                      >''゛        // 〈/ ,,     _  -=ニ⌒
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                /    /               >''”                           \
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663 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:11:29 ID:7FUTwYdI0

           |  \\∧へ| レへ厶 /   /  |
           |   ∧  \       /  /  /
           ゝ_Zソ           厶Zイ
             「     _       _ ∧  厶
            Z//┃ヽ    | / /┃ヽ|∧ Z
           ≦ {| ┃ |   \|/   | ┃ | へ /
           ヘ  ヽ┃'   _} {_.ヽ.┃/Z  厶
           /∧   三三Zミ イ三三三7 / ∧
            / Z     // `Y´ V\厶イ   ∧´
        /∧   へ    | `Y´  |ヘ三三三∧ ∧
____ / / ∧    \.イ| `Y´  | |三三/  ヘ  へ
     /  /  ∧      へ   ノ /三/     ヘ   \___
          〈    \      {ニニニ}イ三/     /
        へ    \    三三三三 イ    /



/;①八①ヽ「くっ、キリがないな! まだいけるか高崎君!?」

<(' _';<人ノ「大丈夫です!」

(' _' レミ「……出し惜しみしている余裕はなさそうですね。皆さん、木霊を!」

/;①八①ヽ「ヨシ! 伊佐の木霊が発動するまで持ちこたえるぞ!」

<(' _';<人ノ「はい!」



 ―――。

664 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:12:04 ID:7FUTwYdI0
【群馬県 乗附某所】
゙;゙;゙;';゙;';|::::  :|;';'i:|;';';'|:::|\|:::|;:;:;';';|:|;';/;':;.:,:;.:,.:.:ノ:;.:,:;、゙;゙;゙;゙;゙;:、|;'|:|//|:|:. :  .:  .::!//;'\、|: .     . :.:.:.::;|
ミミ゙;゙;゙;゙|:::::  |;';';':|;';';|:::|:;. ,|:::|/:;.:,:|:|:/:/:;.:,:;..:i´.:.:.: : :;'\|:;.:,;\V:|/:. .  :   : .::: |/:: : . .     . :/:;.:,:;. |
ミ;ミ;ミ;x|;:;::: :|;';|:::|;:;:|:: |ミ;';|:::|l; ; ; |:::|/:/:;.:|:|: |: : :.:.::゙;';i|:;.:|:|/:|:::|:    :  .i |::::|: ..      . ://゙;゙;゙;゙;゙:;.|
ミ;ミ;ミ;ミ;x:::: :|ミ|:::|ミ|::::|/|:::|:|゙; ; ;|:::|/ :|:;:゙ |:|/: :  : :.:|:||:;.:|:|: :|:..    : :::::| |:::.      ..:|/:∧゙;゙|i/゙;゙;|::::::::
`i::| :|;:;::: .:| |:::|: :|::::|: :|:|:|;';/;'|:::| |::|/ |:|: /⌒ ヽ:|:|\|:i      ..: ::|::::: |.      . ::::::::/.:.::∨|.:⌒'|:::::::
:ミ|::| |;:;::::  |:|:::|: :|::::|: : |:::|::|/ : |:::| |::|ヽ, |:|/   \|:|: . l i   . ::i:|: :|: .      . : ::|:::::::::|: : : :| |: : :|::::
: :|::|: |:;:;::::  ||:::|:.:.| : | : |:::||::|  :|:::| |::|;';゙^|:|     | |  | i  ..:|: : |:i: .     . :i::|: : |:::::::::|: : : :|::|: : : :|:::::
xX爻爻爻爻爻: :|:::::|:.:|:::| |::|  |:::| |::|v,、ノj_    _,|::|..、,| i. :|:::|, :      ...: |,.,.|::|: : |:::::::::|~"'く|::レ'"´|::::
爻爻狄狄狄爻ミ |:::: |ミ|:::|'"´´'Y⌒ヽ:;.ノ´´  ̄ ̄´" ''〜:レ'´: .    . . :i |::::|:;.:|::|'^゙|::::: : |:;.:,:;.:,'´:;.:,:;.:|::::::
狄狄絲絲狄爻': |::::::|;'|:::|:;.:,゙;゙;゙;};';';'ノ´     .....:.:.:.:.:: :,´';':;. . . .  /:::::::| |::::|,、|_|,、,,|::::::::::|ミ;ミ;x,、,、,、, |:::::::
狄絲絲絲狄i´xXXXx|:::|゙;゙;゙;゙;゙;ノ'´:: : : . .    .: .: : : : : . .    . : /::::::::::| |::::|゙;゙;゙;゙;゙;'|::::::::::|ミ;ミ;ミ;ミ;゙;゙;゙;゙|::::::::
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ミ;ミ/爻爻x\:::::``''<ミ;ミ;ミ;:;:;:;:;:;:             . . . : : : : : :.:ヾ;:ミ:ヾ;:ミ:yミ;ミ;ミ;ミ;|::::::::xX爻爻爻ミ|:::::::
必淡狄狄爻爻viv,、_>'`;:;:;:;: ;: : . . .      . . . : : : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:.:⌒¨¨アミ;ミ;ミ;ミ;:ソ:::y狄狄淡淡爻|::::::::
慫淡淡淡狄狄辷'"´;:;:;:;:::::::::::::::::.:.‐:.:.:.:.:.:.: . .    . . ._:_: : : : : : : :.:.:.:.:ノ⌒""⌒つy(狄狄淡淡父ソ:::::::
比此批批ニ‐ ‐:;.:,:;.:,::::::: ‐: ‐.        . . :.:.:::::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;.:,:;.:,::::::::::;.:,:;.:,:;.:,:;.:,--ミ;ミ;淡淡淡ィ此此ヒヒ
比批豼豼ニニ.:.: .: : :.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:;:;:‐‐‐;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::;.:,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:‐‐ニニミ;ミ;比此此比ヒ
ヒ批豼ヒΞニ:;.:, : : : :.:.:::::‐‐ ‐二二‐ ‐‐二二‐ ‐‐::: . .      . . . : : :.:.:.:::::::;:;:;:;:;:;‐ ‐‐‐ニニミ爻此批豼豼
紕ヒΞニ;:;:;:;:;:;: :, :, : ,:‐‐二ΞΞΞ二二:;.:,:;.:,‐‐‐‐‐二二二‐‐   ;:;:;:;:;:;:;:;:‐‐‐‐二二二二ΞΞミヒヒ批豼

665 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:12:37 ID:7FUTwYdI0

                     |  \\∧へ| レへ厶 /   /  |
                     |   ∧  \       /  /  /
                     ゝ_Zソ           厶Zイ
                       「     _       _ ∧  厶
                      Z//┃ヽ    | / /┃ヽ|∧ Z
                     ≦ {| ┃ |   \|/   | ┃ | へ /
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 ―===ニニニニ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二____________
                              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        /∧   へ    | `Y´  |ヘ三三三∧ ∧
____ / / ∧    \.イ| `Y´  | |三三/  ヘ  へ
     /  /  ∧      へ   ノ /三/     ヘ   \___
          〈    \      {ニニニ}イ三/     /
        へ    \    三三三三 イ    /

666 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:13:12 ID:7FUTwYdI0

           |  \\∧へ| レへ厶 /   /  |
           |   ∧  \       /  /  /
           ゝ_Zソ           厶Zイ
             「     _       _ ∧  厶
            Z//┃ヽ    | / /┃ヽ|∧ Z
           ≦ {| ┃ |   \|/   | ┃ | へ /
           ヘ  ヽ┃'   _} {_.ヽ.┃/Z  厶
           /∧   三三Zミ イ三三三7 / ∧
            / Z     // `Y´ V\厶イ   ∧´
        /∧   へ    | `Y´  |ヘ三三三∧ ∧
____ / / ∧    \.イ| `Y´  | |三三/  ヘ  へ
     /  /  ∧      へ   ノ /三/     ヘ   \___
          〈    \      {ニニニ}イ三/     /
        へ    \    三三三三 イ    /

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「妙だね……こうも大挙してお出ましとは」

                     |  \\∧へ| レへ厶 /   /  |
                     |   ∧  \       /  /  /
                     ゝ_Zソ           厶Zイ
                       「     _       _ ∧  厶
                      Z//┃ヽ    | / /┃ヽ|∧ Z
                     ≦ {| ┃ |   \|/   | ┃ | へ /
                       _____________ ____ ___ _ -‐=====================
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                              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        /∧   へ    | `Y´  |ヘ三三三∧ ∧
____ / / ∧    \.イ| `Y´  | |三三/  ヘ  へ
     /  /  ∧      へ   ノ /三/     ヘ   \___
          〈    \      {ニニニ}イ三/     /
        へ    \    三三三三 イ    /

667 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:13:45 ID:7FUTwYdI0

           |  \\∧へ| レへ厶 /   /  |
           |   ∧  \       /  /  /
           ゝ_Zソ           厶Zイ
             「     _       _ ∧  厶
            Z//┃ヽ    | / /┃ヽ|∧ Z
           ≦ {| ┃ |   \|/   | ┃ | へ /
           ヘ  ヽ┃'   _} {_.ヽ.┃/Z  厶
           /∧   三三Zミ イ三三三7 / ∧
            / Z     // `Y´ V\厶イ   ∧´
        /∧   へ    | `Y´  |ヘ三三三∧ ∧
____ / / ∧    \.イ| `Y´  | |三三/  ヘ  へ
     /  /  ∧      へ   ノ /三/     ヘ   \___
          〈    \      {ニニニ}イ三/     /
        へ    \    三三三三 イ    /

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「……良くない予感がするね。とりあえず中心まで行ってみるかい」

                     |  \\∧へ| レへ厶 /   /  |
                     |   ∧  \       /  /  /
                     ゝ_Zソ           厶Zイ
                       「     _       _ ∧  厶
                      Z//┃ヽ    | / /┃ヽ|∧ Z
                     ≦ {| ┃ |   \|/   | ┃ | へ /
                       _____________ ____ ___ _ -‐=====================
 ―===ニニニニ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二____________
                              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        /∧   へ    | `Y´  |ヘ三三三∧ ∧
____ / / ∧    \.イ| `Y´  | |三三/  ヘ  へ
     /  /  ∧      へ   ノ /三/     ヘ   \___
          〈    \      {ニニニ}イ三/     /
        へ    \    三三三三 イ    /

668 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:14:19 ID:7FUTwYdI0
【大名神社】
        __                                __
        \三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三/
          \三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三/
             //////////////////////////////////////////∧
           /////////////////////////////////////////////\
         /////////////////////////////////////////////////\
       /////////////////////////////////////////////////////\
      ` ̄||ロ=ロ=ロ= ロ= ロ= ロ = ロ= ロ= ロ= ロ= ロ= ロ|| ̄´
                       | |二二二二二二二二二| |
                       | ||ll:::::::::::/ /:::::::::::/ ヽ::::ll|| |
                       | ||ll::::::::/ /:::::::::::/  /::::ll|| |
                       | ||ll:::::/ ∧:::::::::/ ./\:ll|| |
                       | ||ll:::::::/ /::::::::;/  /::ll|| |
                       | ||ll::::∧/:::::::::::\/\::ll|| |
                       | ||ニニ∨ヘニニニ/\/ニ.l| |
                   __| ||/::::::∨∧::::::\/\::',|| |__
               |ニニ| |二二二二二/  /二| |ニニ|
                ___Lニニ| |三/____.\/ '∨/| |ニニ」___
           /ニニニニニ三ニニニニニニニニニニ三ニニニニニヘ
            |三三三三/  /三三三三三三三三ヘ  ヘ三三三三|
            Lニニニニ| ̄ |ニ/==============|ニ|  ̄|ニニニニ」
                    └─┘              └─┘

669 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:14:52 ID:7FUTwYdI0
            (               (;;、(,,,   、       (;; ;;''')) 、
  (;;((  ))      )   ノノ           ,,)    (
            ((   ,,,;)          ( (    ,;;)      (",)ソ;ソ ⌒)
.(;;、(;;⌒'')        )  ノ              ヽヽ  ,,ノ       ('"⌒;; ノ;;
,,,..   ;;⌒'')、    ( _ ⌒)               ) ))       ノ''⌒;;)⌒)..,,,
 (;(、(( .,,;;;;⌒),,     (  (             (,, (     (⌒;;;;,,.⌒)   )));)
::⌒;ソ⌒;;;;''')ノ,)ソ_,,,.....=) ノ--''''""""" ̄ ̄`゙゙ー‐-- ノ、,,,,,,,_,_ (;; `)⌒;;,,.⌒)  )));)
(;(((  (⌒.从从''"""^  )ノ        ....;;;;;;;::..         ""'''''从从,,,,,,'-、,,,  ,,,;;))
'';,,,,)_,'从从,,,,、     .'';;;"   ::::::;;;;;;,,,....               ;;;;;;:::::,,,' 从从,,,, )),)
,,,;;;;;;   ΛΛ   ,、...      ::::;;;;;           / ⌒・〜
,,,;;;;   / ⌒  )  ::::;;;;;                  / ;・ ヽ;),、..
    / ;:/ つ.・.                   (   ) ∪:::::::::.
 〜(    )                         V V   ;;;;;;:::::::::,,,
    〜 ⊃

670 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:15:27 ID:7FUTwYdI0

/;①八①ヽ「ふうっ……何とかなったか」

<(' _'<人ノ「伊邪那美命の力……伊佐の秘術によるそれに、抗えるモノは存在しません」

(' _' レミ「……いえ、一部仕損じています。数が多すぎて分散しましたか」

/ ①八①ヽ「む、確かにそのようだ。ならば、我らで最後の掃除と行こうか」

<(' _'<人ノ「はい――っ!?」

.      i!               ,'
.      |}            /
.      |;!           /                 _,, ャ彡 ´
       ,{i|    i|  ,!   /                _ャ≦ ≠ ´
      i{;l;}   i{|  .i}  ,i}  /           _ ャ≦>''"´
.!  :  ,i{ l }  .,i{:}  ,i}  ,/}  /       , ャ≦>''"´
!|  : :  i{  }! . ,i| l  ,i} ,//! .,','   /  ャヤ戊"´
|.li : .! i{  }l .,il' .} ,','.,!//,' //. ィ/,.イ彡''"/
| li; l .l l{  .}|,il ;} !}///,',ィ'i/'イ ,ィ彡" ´/
  ';l : ;{   ;lil'  },.'.〃 '/〃/イ彡" ´                       _,, -=ニ二三三三
      ; /      , ィ;彡" ´               .    ´  _,, -‐≠三三二ニ= ''' ̄
     .' / .;    ,.彳彡"               .  ´  _,, -≠三ニ= '' ̄
     {!'  ,i   ,ィ彡"             .  ´  _,, ャ≦彡'''" ̄
   i , ・; ’イ'"             .  ´  _ ャ≦彡 ''"´
.    }   ,'             ,  ´  , ィ彡 ''"´
    }  .,'            , '   , イ≦=-‐ ''
    、;//’,         /   _∠三三二ニ=ェェェェ=
     ’ ”         ≦=‐      _,, -‐≠''  ̄
     .,    ≧    _,,.. -‐  ‐=ニ三......,,,,,,,,,,,,__
     ’ ・     ̄   ‐-   = ニ ニ 二二三三=  ̄ ̄

671 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:16:01 ID:7FUTwYdI0

<( _ <人ノ「ぐはっ!?」

(' _';レミ「美和さん!? 大丈夫ですか!?」

<(' _';<人ノ「な、なんとか防御が間に合いました……!」

/;①八①ヽ「むうっ!? き、貴様らは……っ!」

シリ ‘ -‘リ「ドーモ、祈念流=サン」

J ゚ ゝ゚J「そして伊佐神社=サン」

<(' _'<人ノ「……!」

/#①八①ヽ「……ノコノコ現れるとは手間が省けた! 先日の借りを返してやろう!」

シリ ‘ -‘リ「ふふ、怖い怖い」

J ゚ ゝ゚J「そっくりそのままお返ししましょうか。最早、あなた方如きではこの子を止められない」

(' _' レミ「聞き捨てなりませんね。祈念流と伊佐の総力を――」

/ ①八①ヽ「――舐めて貰っては困るな、若造ども」

シリ ‘ -‘リ「うふふふふ」

J ゚ ゝ゚J「ははははは」

672 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:16:38 ID:7FUTwYdI0
                                                -ニニニニニニ- -ニニニニ-
                、                {Kh、_                    -ニニニニニ- -ニニニニ-
                             寸ム7                     -ニニニニニ- -ニニニ-
                                寸h、                     -ニニニニ- -ニニニニ-
                             __  _寸h、                    -ニニニニ- -ニニニ-
                        __ . .-.{ニニ`.、ニ-kh、                     -ニニニニ- -ニニニ-
                     /: : :\:{ニニニ∨ニ-kh、                   -ニニニニ- -ニニニ-
                      -ニ/: :l: : :./∨ニニ∨ニニ-kh、                   -ニニニニ-  ニニ-
                  /ニニ{: :/\:(卷Vニニ:∧:`:Yニニノh、               -ニニニニ-  ニニ-
                 Vニニ{: l卷    VニニニV\:てム}kkh、__            -ニニニニ-  ニニ-
                   ∨ニ∧:l  y‐ヘ、 VニニニVニ\!ム斗}Kh、/ニ`ヽ            -ニニニニ-   ニ-
_                     `<ニ∧ヽ ヽ ノ {ニVニ|ニVニニ}厶/Kk/ニニニ\          -ニニニ-   ニ-
-                     \<==` -ニ{ニ/ニ7ニニ}ニニ}ム} VK∨ニニニニ\        -ニニニ-   --
ニ                       /ニ/ニニニニ{ニニ/ニニ}ニニ}ム! VK∨ニニニニ:∧          -ニニ-   -
ニ-                   /ニニ/∨ニニニ`〜、ニニ/ニ/厶}  ∨k∨ニニニニ:∧         -ニニ-
ニ-                     /ニニ/l :l∨ニニニニニ∧‐‘ 寸厶  VK∨ニニニニニ:}            -ニ-
ニニ                   {ニニニ}: l: l:∨ニニニニニニ\  寸厶 ∨k\ニニニニ7             --
ニニ-               {ニニニ}l :l :l :∨ニニニニニニニ\ 寸厶/`丶、`丶、ニニ/            -
ニニニ-                   {ニニニ}:l :l :l :l \ニニニニニニニ\ \寸h、::::::::: ̄::⌒寸x           -
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ニ-    -ニニニ-         / イ::⌒`:...-..'.`::.- _ /.: : :l: : : : : : :\: \ニニニ:}          ⌒寸x::::::::::::::::::::⌒寸x
ニニ-    -ニニニ-.     {.: :.|:::::::::::::::::::::::::::::||::::γ: : :l: : : : : : : : :\: \ニニ}            ⌒寸x::::::::::::::::::::⌒寸x
ニニニニ-  -ニニニ-     {.: :‘:::::_:-   ̄  -‘_::::`:..-..:⌒::.‐t:‐:‐:‐:´: : :\ニ}              ⌒寸x::::::::::::::::::::⌒寸x
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ニニニニニニ- -ニニニ-   \∧i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∨i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/                     ⌒寸x::::::::::::::::::::⌒寸x

673 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:17:12 ID:7FUTwYdI0
.      \
-、       `-、                                                    /       /
 `'-、      .\.                                                 /      _/゛
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             `''-、   .`-、.            ! }        //     ./   .,/゛
                     `'-、.  .\,...        .,, / │   .,i / /    ./   .,..‐"
                     ゙'-、.  `\     .i、 巛  !  , '/./  /.. ./  . /
                     ′.. .\.-、 l`、|   !/ 〃 ,/..../ _..イ゛       ′
.......),     ((    、           /i  ,.`'-、 .\,'-.ゝ         ././ _/゛         ./
./(       ヾ\   〉\     /:,:し/. .ッ.`'-、"            /,. /             /し′
.____三二ニニ=-‐へ .メ、   ./  /. ____Z               /..... ̄'''―--z__ / /   _______
               /:: . ヽ  /  イ //                 /|  ...r─────./ {__,/    ....::::: :.:.: :
            ./::::: : : ____〉 /. ... ..し′廴 .\、.         / .|..,,,,、 \      ./  /   ....:::::::::.: : : .:..
       .,.......::::::::: : : : :/\三二ニ==‐-  __ \ヽ--‐‐…‐‐ノ 乂从厂 ̄ ̄\._,ノ ./  ./    /
... ...,........::::: : : : : : : . . ./  /    ̄三二ニ=-    ヾ ゝ      ,_三二ニ==‐=ニ二三__人ノヽ._从/( /
. ::::::::: : : : : : : : :: . . ..../  /        ̄ ̄ ̄三二 =     /_ノ          /「 ̄ ̄¨フ
                /  /          __ 三二 =    /「           //`¨´ ̄/

674 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:17:46 ID:7FUTwYdI0

/  八 ヽ「がふっ――!?」

<(' _';<人ノ「師範っ!?」

m9(' _';レミ「前衛ッ! 止めなさいッ!!」

J ゚ ゝ゚J「無駄無駄」

シリ ‘ -‘リ「ずんばらりん」

                                          _ノし    _,ir'"゛
                              _,、    .,.  ,..-'彡__て   _..‐/'゛ 乂
                            / (    ノレ  '''¨゙´   _..-'"  .¨ ̄  `'''ー---ッ___z---
            ,                ,r┴'' ̄ _.-'"  !-ー'゙~''''''^゙゙゙゙゛   ___,,,,,,.... ---―¬'''''''¨¨¨¨¨ ̄ ̄
          /./          _,   ."._,,-‐'''''″    ._,,,,.. -―''''''''゙゙ ̄´
        ノ __l゙ .,,、  .,i|   _r≦乙_ -‐'"   _,.. -ー'''"´
      ,i/'゛ _ノ/ ./ |./      _,,―''"゛
     : 「  .///      ,,, ‐'"
 ,  i、  ,l′      _..-‐″
 'リ、. |`''ー"     ./゛
  l ´         /
   )       .l
   \〟     `-、,
 人 ゙ィ .\.      `'‐ ,,,_
 ) ヽ    \ ,           `゛''''''ー--ッ___
 \ \  ‐=マ=‐z_               "` ゙゙゙゙̄^'''''''―--------ッ___z--------ッ_z---――¬
   "゛'ミ_;;_.      "¨¨仁
       ゛'    __二仁
            -‐==ニニ二―¬¨¨¨ ̄ ̄>
   -‐==ニニ二二ニニ==‐--r_    ,、-''´    _z--――¬'''ニ>           ____
               ̄゛''''―――≧=‐ ̄ ̄ ̄ ̄´             ̄ ̄¨'''''‐-ッ_zー''' ̄ ̄     ̄¨¨¨

675 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:18:35 ID:7FUTwYdI0

(   ;)「「「ぬわーっ!!」」」

(' _';レミ「なっ……ななっ……!?」

J ゚ ゝ゚J「城壁たる前衛が崩れれば、あとは蹂躙するのみですね」

シリ ‘ -‘リ「城壁? 紙切れのようでしたよ? ふふ」

\(' _';<人ノ「くっ……!」

J ゚ ゝ゚J「もう諦めなさい。抵抗しない方が楽に死ねますよ?」

シリ ‘ -‘リ「いいえ、抵抗しなさい。あなただけは楽に死なせない、そう決めているのだから」

J ゚ ゝ゚J「おや……?」

<(' _';<人ノ「……?」

シリ ‘ -‘リ「まずは脚をもぎましょう。続いて腕を。そうしたら、ケダモノ達の仔を孕ませてあげます」

<(' _';<人ノ「……」

シリ ‘ -‘リ「フワモコなご家庭、とっても素敵! 私は死んでも御免ですけど。ふふ」

J ゚ ゝ゚J「ふむ……っ!?」

<(' _';<人ノ(……はっ!? この、気配は……っ!?)

676 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:19:10 ID:7FUTwYdI0
                        ,..-──- 、
                       /. : : : : : : : : : \
                      /.: : : : : : : : : : : : : : ヽ
                       ,!::: : : :,-…-…-ミ: : : : :',i
                      {:: : : : :i#ヽ´::::/、 i : : : :}
                       {:: : : : |::: ̄ |  ̄ :}: : : : :}
                     { : : : :|  ノ.、   :|:: : : :;!
                      .ヾ: :: :i  ―― :/ : : :ノ
                    __,. -ゞイ! ヽ _ ノ イゞ‐─- __
               _ -‐ ''"     \` ー一'´丿 !\
             ,r'"´ ノ"    )=、 ̄ ̄,,..ィ'"´i       ヽ、
             (       ノ  ´ ̄ `Y"´            i
               )     __,,..         レ      _,,,,、       j、、
            r''ヽ. ,.ィ'''i"        J   ,,.ィ'"~  `'ヲ''ー-、ノ、 ヽ、
           / ,,.イ')'"  人        ,,l、        ノt   ) `ヽヽ
          /   /   / `ゝ、       人       ,,イ  jt、 ヽ    i
         f ,   ノ   /、   `ー--;::-ニ"_,ゝ=---‐''"    ノ ヽ、 ヽ  t、、
         )'  f   ノ ヽ、 r  、 f"   `i´ ̄` Y  `ヽ /   ゝ-,ヲ'''   )
.         ( ,.ィ''ーr"~    ヽj  ミi      !    j'   | /       ,r"    ft
         ノ、,ノ   ヽ,     `i  、〉、.__,人,___,..イ、,i" j''       (   ,ノ j
        ( t、    l      i  ヽf     Y    ,j,.  ,/      ) ,.イ´ ノ
        fヽ ヽ、   l      l ヽ、    .|   ノ ,. /     ,.イ '"ノ   ノ
        t i   l、.  t      l  、j`ー‐‐'`ー="レ' j'     // / ,/

   / ̄/ココ    / ̄/ココ    / ̄/ココ   ./ ̄/ココ    / ̄/ココ    / ̄/ココ   ./ ̄/ココ
   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;
  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙
  /_/     /_/     /_/     /_/     /_/     /_/     /_/

677 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:19:44 ID:7FUTwYdI0

<(' _';<人ノ「あっ!?」

J ゚ ゝ゚J「……!」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「これは……どういう状況だい?」

<(' _';<人ノ「お義母さん! 助力をお願いします!」

(' _';レミ「えっ、お義母さん……? 美和さん、あなた……!?」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)9m「……なるほど、そこの胡散臭い二人がこの騒動の首謀者かい」

J ゚ ゝ゚J「これはこれは。まさかあなたが現れるとは」

シリ ‘ -‘リ「別府さん、あれは?」

J ゚ ゝ゚J「……流石保林。この辺りのケダモノ達の天敵、といったところでしょうか」

シリ ‘ -‘リ「へぇ……この人が、あの」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「あん……? なんで殺気引っ込めてるんだい?」

678 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:20:18 ID:7FUTwYdI0

シリ ‘ -‘リ「初めましてお義母さま。累次の嫁です」

J ゚ ゝ゚J「「は……?」」<(' _'<人ノ

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「寝言は累次の見舞いに来てから言うんだね」

シリ ‘ -‘リ「見舞い……?」

J ゚ ゝ゚J「あー……なるほど。少々面倒なバグが発生しているようですね」

<(' _'<人ノ「あなたが……山井五月。累次くんの嫁は、この私です!」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「えっ?」

シリ ‘ -‘リ「は?? 黙れ売女。累次は私のもの」

<(' _'<人ノ「そっくりそのままお返しします。お子様の出る幕はありません」

シリ ‘ -‘リ「は?? これは、四肢だけではなくその脂肪の塊も切除する必要がありそうですね?」

<(' _'<人ノ「移植の間違いじゃないですか? 累次くんはこの乳房が大好きですから。可哀想に」

シリ ‘ -‘リ「……後悔させてやります」

679 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:20:51 ID:7FUTwYdI0

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「落ち着きな」

<(' _';<人ノ「むっ!?」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「力量差がわからないほどのボンクラじゃないだろう?」

<(' _'<人ノ「それは……!」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「ここはあたしに任せな。……未来の娘を死なせるわけにはいかないからね」

<(' _'*<人ノ「えっ……!?」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「……というわけであたしが相手だ、フリークス」

J ゚ ゝ゚J「……まあ、試運転には相応しい相手ですか。五月、行けますね?」

シリ ‘ -‘リ「はい! ぶちのめして累次を貰います!」

J ゚ ゝ゚J「あー……まあ、ひとまずそんな感じで良いでしょう」

680 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:21:25 ID:7FUTwYdI0
                        ,..-──- 、
                       /. : : : : : : : : : \
                      /.: : : : : : : : : : : : : : ヽ
                       ,!::: : : :,-…-…-ミ: : : : :',i
                      {:: : : : :i#ヽ´::::/、 i : : : :}     「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                       {:: : : : |::: ̄ |  ̄ :}: : : : :}     | さあ
                     { : : : :|  ノ.、   :|:: : : :;!    | 始めようか
                      .ヾ: :: :i  ―― :/ : : :ノ   _ノ
                    __,. -ゞイ! ヽ _ ノ イゞ‐─- __ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
               _ -‐ ''"     \` ー一'´丿 !\
             ,r'"´ ノ"    )=、 ̄ ̄,,..ィ'"´i       ヽ、
             (       ノ  ´ ̄ `Y"´            i
               )     __,,..         レ      _,,,,、       j、、
            r''ヽ. ,.ィ'''i"        J   ,,.ィ'"~  `'ヲ''ー-、ノ、 ヽ、
           / ,,.イ')'"  人        ,,l、        ノt   ) `ヽヽ
          /   /   / `ゝ、       人       ,,イ  jt、 ヽ    i
         f ,   ノ   /、   `ー--;::-ニ"_,ゝ=---‐''"    ノ ヽ、 ヽ  t、、
         )'  f   ノ ヽ、 r  、 f"   `i´ ̄` Y  `ヽ /   ゝ-,ヲ'''   )
.         ( ,.ィ''ーr"~    ヽj  ミi      !    j'   | /       ,r"    ft
         ノ、,ノ   ヽ,     `i  、〉、.__,人,___,..イ、,i" j''       (   ,ノ j
        ( t、    l      i  ヽf     Y    ,j,.  ,/      ) ,.イ´ ノ
        fヽ ヽ、   l      l ヽ、    .|   ノ ,. /     ,.イ '"ノ   ノ
        t i   l、.  t      l  、j`ー‐‐'`ー="レ' j'     // / ,/

   / ̄/ココ    / ̄/ココ    / ̄/ココ   ./ ̄/ココ    / ̄/ココ    / ̄/ココ   ./ ̄/ココ
   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;
  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙
  /_/     /_/     /_/     /_/     /_/     /_/     /_/

681 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/09(月) 00:21:58 ID:7FUTwYdI0
本編は年内には

682名無しさん:2024/12/09(月) 04:59:58 ID:hQdixHl60
乙!!

683名無しさん:2024/12/10(火) 17:05:09 ID:/wXGCurE0
乙乙
弟者のいないとこで弟者をめぐる女の戦いが始まってる……
責任を取るためにも目を覚まさないとね

684名無しさん:2024/12/12(木) 23:12:05 ID:r7BdgC4c0
乙乙
弟者ばっかりモテてずるい…

685名無しさん:2024/12/15(日) 15:48:52 ID:pRPLhm1M0
母者の強者感やっぱり半端ないわ。安心感が違う。

686名無しさん:2024/12/20(金) 21:32:10 ID:D5YmfQFs0
乙!
やっぱり味方側の最強戦力が来ると安心感がすごいな
コレが…母性…!

687 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 22:49:18 ID:12MsDpLE0
年内とは……?

688名無しさん:2024/12/31(火) 22:59:28 ID:1eHSiZIs0
全裸待機のままだから風邪ひく前に頼むぜ
良いお年を

689 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:46:44 ID:12MsDpLE0
>>682
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>683-684
(´<_` )「待とう、待ってくれ。さ――山井さんは頭がおかしくなってるだけだから俺の責任では」

>>685
/;①八①ヽ「こ、これがあの時の――!」

>>686
爪゚ー゚)「もちろん乳もでかい」

>>688
( ´_ゝ`)「まず服を着ます」

690 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:47:17 ID:12MsDpLE0
Case13-Tips6 仏さんのお導き
         |  | ̄ ̄ ̄|:l  |       | ::|       ,| |
        | ̄ ̄      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
        |       流 石 探 偵 事 務 所      | |
        l__________________,| |
           |  |`''-、_                 | |
           |  |   「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
           |  |   |         |          | |
           |  |   |         |          | |
           |  |   |         r‐┐| r‐┐      ,| |
           |  |   |         |  ||!  !       .| |
ノヽ-ヘィiヘl^ヽ-,   |  |   l        └‐'゙ l└‐'      | |
―――――┐ス  !  !    |         |          | |
          | ,レi |  |   |______,|_____,,| |
          | Z |  |  /                   ,|_|/
          | ヘ |_|/

691 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:47:51 ID:12MsDpLE0

八-ム-)「むっ……出張中、か」

八^⊿^)「えーっ!? 探偵いないのか!?」

リ’-’ル「会いたかったのにー」

八-ム-)「すまないね、こりゃ連絡してなかったあたしが悪い」

八^⊿^)「残念だなー……事件の話とか聞きたかったのに」

リ’-’ル「ね!」

八-ム-)「まあ、また機会はあるさ」

ハ’ノ_’ ハ「おや……? あなたは、ツルさん?」

八-ム-)「あん? あんたは……?」

ハ’ノ_’ ハ「ハロルド・エンヴィーです。異界でお世話になりました」

八-ム-)「ああ……そういえば見た顔だね。あんたもかい、異界のあたしは余程の世話焼きだったようだ」

ハ’ノ_’ ハ「ぶっちゃけ尊敬してます。あの、このシャツにサインして頂けませんか?」

八;^⊿^)「サイン!?」

リ’-’*ル「ばっちゃん凄い! ゲーノージンみたい!」

692 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:48:25 ID:12MsDpLE0

八-ム-)「あんた何言ってるんだい?」

ハ’ノ_’ ハ「立ち話もなんです、よかったらご一緒にラーメンでも如何ですか? 生憎流石探偵は留守のようですし」

八^⊿^)「ラーメン!」

リ’-’ル「わっ、食べたーい!」

八-ム-)「ちょっとあんたたち」

ハ’ノ_’ ハ「ご都合悪いですかね? ご馳走しますけど」

八-ム-)「……まあ、予定もなくなっちまったとこだ。ご馳走になろうかね」

八^⊿^)「やったな、リル!」

リ’-’ル「ラーメン! ラーメン!」

ハ’ノ_’ ハ「ではご案内します」



 ―――。

693 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:48:58 ID:12MsDpLE0
【中華そば 小池】
. :|:..  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...:|: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:|__|  |
__小___________.十___________| ̄|  |_____
 |  |{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',    |  |_|
 |  |:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.,,:.:.:.:.:.:.:.;;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',   |___|
 |  |:::',:.:.:.:.:〝:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.#:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',   | ;,::,:,|
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694 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:49:31 ID:12MsDpLE0

( "'Д')「らっしゃーせー!」


ハ’ノ_’ ハ「こんにちは」

八-ム-)「邪魔するよ」


( "'Д')「おっ、新しいお客さん連れてきてくれたのか?」

ハ’ノ_’ ハ「九州から旅行に来てる方々です」

( "'Д')「へぇ、そいつぁ遠いとこから来たもんだ!」

リ’-’ル「岩手に行ったんだよ!」

八^⊿^)「岩手めっちゃんこ遠かった、です」

( "'Д')「そりゃすげー! 九州から岩手とか殆ど日本一周したようなもんだぜ!」

リ’-’ル「わーい!」

八^⊿^)「北海道も行ってみたい、です」

( "'Д')「おっ、いいじゃねーか! 北海道にもうまいラーメンがあるぜ、うちもうまいけどな!」

ハ’ノ_’ ハ(北海道旅行行きたいなあ)

695 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:50:05 ID:12MsDpLE0

ハ’ノ_’ ハ「中華そば大盛りお願いします」

八-ム-)「あたしゃネギを頂こうかね」

八^⊿^)「俺はチャーシュー!」

リ’-’ル「お兄ちゃんとおんなじの!」

ハ’ノ_’ ハ「結構量あるけど大丈夫かな?」

八-ム-)「この子のは少な目で頼むよ」

リ’-’ル「すくなめー!」

( "'Д')「あいよ! 大盛り、ネギ、チャーシュー、チャーシュー小盛だな」

ハ’ノ_’ ハ「チャーシュー人気ですよね」

( "'Д')「ん? おう。常連にはブロックで売ってるぜ、事前に言ってくれればよ」

ハ’ノ_’ ハ「あ、そういうのもあるんですね」

( "'Д')「急に言われても用意できないけどな! だから常連限定」

ハ’ノ_’ ハ「なるほど」

リ’-’ル「わくわく」

696 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:50:38 ID:12MsDpLE0

八-ム-)「それで……エンヴィーさん、だったかい?」

ハ’ノ_’ ハ「ハロルドでいいですよ」

八-ム-)「むぅ……事情は知っちゃいるが、こっちは殆ど初対面だよ。礼儀知らずのババアにはなりたかないね」

ハ’ノ_’ ハ「あぁ、そうか。そうですよね……すみません」

八-ム-)「あたしに何か用だったかい?」

ハ’ノ_’ ハ「えっ? いえ、特には……恩人を見かけたからメシくらい奢りたいなあと思っただけで」

八;-ム-)「そ、そうかい。わかってても面食らうもんだね」

ハ’ノ_’ ハ「"違う"のはわかってるつもりなんですけどね……」

八-ム-)「一概にそうとも言い切れんさ、アレの権能ともなれば」

ハ’ノ_’ ハ「それはまあ……確かに」

八-ム-)「それはいいとして。自称弟子は最近どうだい?」

ハ’ノ_’ ハ「えっ、聞いてないんですか?」

八-ム-)「ん……?」

ハ’ノ_’ ハ「実は――」

697 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:51:12 ID:12MsDpLE0

( "'Д')つ「大盛り、ネギ、チャーシュー、チャーシュー小盛お待ち!」



            ζζζ
            ____
     ( "'Д')つ\∽∽/
              └─┘




  八^⊿^) ズー 八-ム-)ズー リ’-’ル ズー ハ’ノ_’ ハ ズー
  (っ. 川 .o   (っ 川.o    o川u)    o 川⊂)
 ̄ ̄`ー―′ ̄ ̄`ー―′ ̄ `ー―′ ̄ ̄ `ー―′ ̄\




八*^⊿^)「「うめぇ……!」」ハ’ノ_’*ハ

リ’-’ル「おいしー!」

八;-ム-)「こっ、これは……!?」

698 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:51:45 ID:12MsDpLE0

ハ’ノ_’ ハ「ん、どうかしました?」

八-ム-)「この味は……店主!」

( "'Д')「おっ、なんだ?」

八-ム-)「あんた……神戸出身だったりしないかい?」

( "'Д')「いや、ここいらだぜ」

八-ム-)「む、そうかい……? このチャーシュー、食べたことある味だと思ったんだけどね」

( "'Д')「ン、そいつぁ……」

ハ’ノ_’ ハ「ラーメンは独学だって言ってましたよね」

八^⊿^)「なにそれかっけー!」

リ’-’ル「お兄ちゃん、ドクガクってなにー?」

( "'Д')「いやそうなんだけどよ。ちょいと不思議な話もあってな」

八-ム-)「不思議な話?」

( "'Д')「麺もスープもメンマも、屋台時代に試行錯誤して完成したもんだ。
      しかしなぁ……チャーシューだけはどうも」

699 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:52:18 ID:12MsDpLE0

ハ’ノ_’ ハ「え、不満があるとかそういう話です? 食べ飽きないしめっちゃうまいですけど」

( "'Д')「いや、俺もそう思うよ? だけどな、このチャーシューがどうやって完成したのか……とんと思い出せねーんだわ」

八-ム-)「そ、れは……!」

( "'Д')「試行錯誤してた時期はよく覚えてるんだけどよ、そっからどうしてこうなったのか」

ハ’ノ_’ ハ「へぇー、それは確かに不思議ですね。……あれ?」

八-ム-)「……」

( "'Д')「まああれだな、仏さんのお導きかもしれねーな!」

ハ’ノ_’ ハ「仏さんの」

八-ム-)「……そう、なのかもしれないね……」

( "'Д')「実際、誰かに教わったような気がしてならねぇんだよなぁ……本当に仏さんなのかもな」

八-ム-)「きっとそうさ。……あたしのことも、見守ってくれていたのかな……」

( "'Д')「ん? 何て言ったんだ?」

八-ム-)「チャーシューを買いたいって言ったんだ」

( "'Д')「おっ! 気に入ってくれたみてーだな!」

700 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:52:51 ID:12MsDpLE0

八-ム-)「懐かしい味がするんだよ」

ハ’ノ_’ ハ「それは……」

八-ム-)「もしかしたら……いや、たぶんきっと……」

( "'Д')「うーん、普段なら当日は断るんだが。今日は余り気味だから出せないこともなさそうだな」

八^⊿^)「えっ、マジ!?」

リ’-’*ル「チャーシューおいしー!」

( "'Д')「折角遠くから来てくれたしな! 土産に買ってってくれ!」

八-ム-)「それはありがたいね。生きてるうちにまた来るよ」

( "'Д')「何言ってんだ、見たとこ50代だろ? 人生まだまだこれからだぜ!」

ハ’ノ_’ ハ「おやっさんが言うと説得力ありますねえ」

八-ム-)「これでも還暦は超えちまってるんだけどねぇ。そうかい、まだまだこれからか」

( "'Д')「おう! 人生意外と長いし、年寄り暮らしも思ったより悪くねーもんだ!」

ハ’ノ_’ ハ「良いですね、人生の先達がそう言ってくれると勇気が湧いてきます」

( "'Д')「先達なんて大したもんじゃねーけどな!」

701 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:53:26 ID:12MsDpLE0

八-ム-)「……いや、大したもんだよ。こんなうまいもんを作れるんだからね」

八*^⊿^)「ラーメンってうめー! 岩手で食ったのともまた違ってうまい!」

リ’-’*ル「おいしー!」

( "'Д')「ガハハ! それほどでもあるけどな、なんつって!」

八-ム-)「岩手でも凄いババアに会ってきたけどね、まさかここでは凄いジジイとは」

ハ’ノ_’ ハ「俺は五島でも凄いお婆さんに会いましたけどね」

八^⊿^)「祖母ちゃんすげーからなあ。イノシシが突進してきてもズドン! だし」

リ’-’ル「ばーちゃんすごい!」

( "'Д')「はは、良い孫じゃねーか! な、まだまだくたばってらんねーだろ?」

八-ム-)「ふっ……そうか、そうだね」

( "'Д')「せっかく生きて来たんだ、行けるとこまで行かねーとよ!」

八-ム-)「ああ。……仏さんに報いるためにも、ね」

ハ’ノ_’ ハ「……」

八-ム-)(顔も覚えてないあんた。あたしゃ、意外と元気にやってるよ……)

702 ◆KDJGUfbY2o:2024/12/31(火) 23:53:59 ID:12MsDpLE0
Tipsに時間かけすぎて本編進捗60%くらい

703 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:46:57 ID:woFwOlXE0
前回のあらすじ
・だって、廃墟好きが嵩じて廃坑ツアー主催しちゃうようなイカレた奴だぞ?
・策を凝らせば不可能ではないでしょう。奇跡ってそんな安いもんじゃないですよ
・こりゃ、土産話のテンション下げないように仕事成功させないとだな


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

704 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:47:31 ID:woFwOlXE0
Case13-Day3A
                      _.......----‐‐‐‐''''''-- 、..,,
             _,,......--‐‐''''''´       /  ,-‐‐---  ll`‐‐-......,,__
          /´               /  /       l l l ̄`''''‐--..二l―‐-...,,,_
        /                 /  /       l l lヽ   l ̄l   l `''''''ー-l
      /  ( ´_ゝ`)   ('A`)     /  // ̄ ̄ヽ   .l lヽヽ  l  l    l      l
     /    G⌒Q   ( ∞ )    /''‐、/      /  ,,l lヽヽ l  l    l      l
   ィ__,,.........----―‐‐‐''''''''''''''' ̄´/  l/_,......--‐‐''''´ ̄  l l ヽ-‐    l      l
  /                   ./   l            l l    ̄ ̄ ̄ ̄l ̄ ̄ ̄`l
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l                __........----‐‐''''l           l l l         l       l
l l ̄ ̄ ̄`-´ ̄ ̄ ̄ ̄´/          l            l l l         l / ̄ヽ l
l l―――――――――l           l           / `l        l /`ヽ -' l
l`'-------------------l------.-------l      / ̄ ̄〈  l      _,,.,... l l /`ぃン
l  l              l          l     / ̄ ̄\ ヽ l ....-‐'''´   l/ l l
.l  l             .l          l    ./  /ヽ l l l     ,,..-‐l'´ ヽ/l
..l  `‐‐‐---..............,,__   l    __   l    / /   l l / l_,,..-‐''    ヽ_/
 l     l    l    ̄ ̄    l   l   l..--‐T  l    l 〉‐''´
 └---.._l...,,____l         `‐-、l       l  l    l l
          ´`''''''''‐---..........,,____,,......--‐'''''''〈   \__,/ /
                             ヽ___/

705 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:48:06 ID:woFwOlXE0
  ________
. /_||_| |_||_||三三≡=─
f目テ=、____|三三≡=─
`て((◎)――(◎)三三三≡=─



( ´_ゝ`)「いよいよだな」

('A`)「ですねぇ」

( ´_ゝ`)「出来る限りの準備はしたつもりだが」

('A`)「どんぐら不安ですねぇ」

( ´_ゝ`)「その割にはリラックスしてるな」

('A`)「なるようにしかなりませんし」

( ´_ゝ`)「メンタル強者の理屈だなあ」

('A`)「所長ほどじゃないです」

( ´_ゝ`)「そうか?」

('A`)「そうです」

( ´_ゝ`)「まあ我ながら超合金メンタルではある」

706 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:48:39 ID:woFwOlXE0
           _______________
.__          |     ┌────────┐     |
|  |_____|  ○ |    奥 多 摩    | ○  |
|  |_____|     └────────┘     |
|  |          | ┌────────────┐ |
|  |  ┏━━┓| |                        | |
|  |  ┣━━╋| |   こ の 先   3 k m     | |
|  |  ┣━━╋| |                        | |
|  |─╂──╂| └────────────┘ |
|  |━┻━┳┻┳━━━━━━┳━━━━━┳━
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|  |



____________________               _____ __ |  .:ii|_ ____
XXX「]XXXXXX「]XXXXXX「]XXXXXX「]              「]XXXXXX「]XXX゙|  .:ii|X「]XXXXXX「]X
XXX|||XXXXXX|||X| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |:X|||              |||XXXXXX|||XXX゙|  .:ii|X|||XXXXXX|||XX
XXX|||XXXXXX|||X|  村営駐車場 |:X|||              |||XXXXXX|||XXX゙|  .:ii|X|||XXXXXX|||XX
XXX|||XXXXXX|||X|_______|:X|||              |||XXXXXX|||XXX゙|  .:ii|X|||XXXXXX|||XXX
XXX|||XXXXXX|||XXXXXX|||XXXXXX|||              |||XXXXXX|||XXX゙|  .:ii|X|||XXXXXX|||XXX
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|             | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_|  .:ii| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |__i」 ̄

707 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:49:13 ID:woFwOlXE0
【奥多摩】
       (⌒ ヽ
      (     )
       (    ヽ⌒ヽ 、
        (          )
               , ⌒ヽ.
             (    '
             ゝ   `ヽ
              (    ⌒ヽ
              _,,,...:-‐‐=-..,,,_
.、            ,r'":: ::      ::\,,..,、.,                   __,,.. -'''""
::.`'::.、      ,,r'":: :: :...     ::: . ::; :::.`'::.、        __,,.. - ‐‐ ''''"" ..:: :: ..::..
::  :::.`'::.、  ,:r'::: :: .::: ::      ::    :; ::: .:: `':.、--‐‐''''"" ::: :: .::: ...::   ..::.. ...::
..:: ..:::.  ,r'":::.. ..:: ..:::. ....      :  ::  :; :: ::. ::`'::、_ ...:::  ::: ...:::..  ..:: ::__,,,,-‐
 ヾ  ,r'"::::   ;ゞ   ゞ    '''' ''':‐-,, ,,      ::. ::`'::、_     __,, - ''"":::.. ::.
ゞヾ; ゞ,;''ゞゞ ,;ゞヾ ,;ゞヾ''';ヾゞ; ::.. ::::... :: " ''''‐- ,..,,,...   __,,,-‐‐''''" ..:: ..::.. .:: ..::..
ヾ ;'''';,,;'''''';; ,;''''';;;''''''; ゞヾ;,,ゞ'''';. . . . . . . , , , , , , , . . . . . . . . , , , , , , , , , , , , . . . .
,,ヾヾ;;ゞi;;;;;i; ゞヾ; ゞ   ヾ;;ゞゞ ゞ'; : :: :,,,::;; ;; :::: :::: :::::;; ;;;: :: :::: ;;:: ::: ;::;;; ;:: ::,: :;;;; ;:: ;;; ;;:: ::
;ゞヾ ヾ ゞi;:,;:, ,、,、  ゞ;; ゞゞ ゞヾ;;;;i ''"~""'' ''""'' ''""'' ''"~""' ''"""'' ''""'' ''""'' ''""
ゞゞ ;ヾゞ , ;;ゞヾ;ゞ  ヾゞ ゞ;ヾ ゞil゙ ''"""~  ~"""'  ''""" ..:::::_::::::.......  ....:::::........::::::.......

708 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:49:47 ID:woFwOlXE0

( ‘∀‘)ノ「まっちゃん!」

( ´_ゝ`)ノ「かっちゃんおひさ」

( ゚∋゚)「どもっす」

( ´_ゝ`)「よっ、クックルも久しぶりだな」

('A`)「初めまして」

( ‘∀‘)「あ、君が例の助手君?」

('A`)「です。ドクオっていいます」

( ‘∀‘)「あたしは御前香那!」

( ゚∋゚)「俺は大木括、よろしく」

('A`)「よろしくお願いします」

( ´_ゝ`)「悪いな、無理言って」

( ‘∀‘)ノシ「いやいや、地元の危機って言われちゃほっとけないって」

( ゚∋゚)「っすね。どれだけ力になれるかはわかんないっすけど」

( ´_ゝ`)「いや、どんな援軍より頼もしいぜ」

709 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:50:21 ID:woFwOlXE0

('A`)「俺が言うのもなんですけど、よく信じましたね」

( ‘∀‘)「おいおい何言ってんだ、まっちゃんほどの男が助けを求めてんだぞ?」

( ゚∋゚)「こういうジョーク言える人間じゃないっすからね、先輩は」

( ´_ゝ`)「……やべ、なんかちょっと泣きそう」

('A`)(あ、マジでちょっと涙ぐんでる)

( ‘∀‘)「ガハハ! ま、あたしがどれだけ力になれるかはわかんないけどさ」

( ´_ゝ`)「百人力」

( ゚∋゚)「上からも手回しがありましたし」

( ´_ゝ`)「むっ、そうか。一応言っておいたからな」

( ゚∋゚)「まあ、なくても来たっすけど」

( ´_ゝ`)「ありがてぇ……!」

('A`)(人望あるよなぁ所長)



 ―――。

710 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:50:54 ID:woFwOlXE0
【修験者の家】
.::|: :|: ::|:|:  / / : |:| : : :.  |:|   :   . . ::|:|: .    |:|: : ノ,           .|:|.:.:|:|.:,.:.|:|: : | |: :| ::|: : |:| :| :|: :
~|: :|´"|:|"' ′   |:|: : ::|:i  |:|   :    . :|:|:.::    ¦: : :ノ,____  . :.:|:|.:;:|:|.:.:.:|:|: : | | : | ::|:; :|:l.: | :|.:.:
_|: :|:.:.::|;| ,:  .' ´~|:ト、: j|:|: . ’  :|    /´´´´´´三三三三三三三∧.:. : : |:|.:.:|:|.:.,.:|:|: : | |: :|| ::|.:.:|:| :|| :|:;.:,
:|: :|:;.:, : : /__./: :   | ´'|:|: : i    :|:i   `ア^´´´´´´´´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:};: \ : |:|;.:,|:|:;.:.:|:|: : | |: :|:| ::|:;:|:|_,|:| :|'"
:l: :|:;.:,:;.:,/ /: : : :   :.  ´´"|:|:.  .,|:|   . :      .    . : : .    };:;.:;:;.ヽ|:|:;.:|:|.:.:.:|:|: : | |‐:| | ::|~|:|: | | :|: :
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ヽ`丶、::::/:;.:,: : : : :    ::..   :::::../       . . : : : :.   . : : .    :} ;: :;:, ;:;,.:;;\'´.:|:|  | | | || ::|  | || :|: :
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 ̄`|``'く ̄:|:::|`ヽノく:::::::{'´ ̄`ヽ、, ;爻爻v : ; : ; : ;';';';' ; ; ,    : : : : ; ; ;;';';';';ァ'´ ̄`ヽノイつ-(__ノ⌒)ノX狄狄ミ
.:.:.:人,.:.:.:.\|:::|i:, .{.:.:.:\ノ'く⌒''〜ミ爻父uv_j_:_: ; ; ; : .   . . : : : vivぃfv、、 j/⌒7´``ノ'´ ノ|:|ー‐‐-ミ爻ミ爻ミ
.:./|.:.:.}h、.:.:.:寸ソ込,.:.:.:.:}::::ノ)>。,_____ ´く㌻¨.:.:.,ィf爪北vぃvfぃぃvf此此批批紕紕紕{: :.i´: ,ィi紕|:|)>。,.:.:. 寸爻ミミ
/狄.:ノ}}尖c。.,_∨/父=彡狄絲絲狄爻'゙.:.:.:,ィi紕妣妣批此北此北批批妣妣妣刈ミ狄ノ{,ィi紕批|:|批尖c。,_V爻爻

711 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:51:28 ID:woFwOlXE0

( ´_ゝ`)「ここが修験者のハウスね」

( ゚∋゚)「へー、こんなとこに家あったんすね」

( ‘∀‘)「あたしは近場で仕事したことある。住んでる人に会ったことはないけど」

('A`)「なんというか、古風な家ですね」

( ´_ゝ`)「いまどき修験者なんてやってる人間の住処としてはしっくり来る感じ」

('A`)「確かにマンションとかよりはイメージ近いですかね」

( ´_ゝ`)「……ひょっとして洞窟とか想像してた?」

('A`)「あっはい。少し」

( ‘∀‘)「流石にそんな仙人みたいな奴いたら有名人だと思うぞ?」

( ゚∋゚)「修験者ってだけで十分仙人みたいっすけど」

( ´_ゝ`)「それでいて二人とも知らないってことは、余程ひっそり修行してるんかな」

('A`)「そこはイメージ通りですけどね、2tube配信しながらド派手に修行とかしてたら流石にビビります」

( ‘∀‘)「なにそれおもろ」

( ´_ゝ`)「まあそうだなあ」

712 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:52:02 ID:woFwOlXE0

(=゚д゚)「その通り」

(;´_ゝ`)「「っ!?」」(‘∀‘;)

( ゚∋゚)「「えっ??」」('A`)

(=゚д゚)「ひっそりとやらせて貰っておるよ。世を騒がすのはご法度故な」

(;´_ゝ`)「い、いつから……? 全く気付かなかった……!」

(=゚д゚)「ここで瞑想しておったからの。お主ほどの手練れに気取らせぬとは、良い瞑想ができておったようじゃ」

( ‘∀‘)「おー、なんかホンモノっぽい!」

('A`)(思ってたより若そう……40前くらいか? だけど確かに雰囲気あるな、出で立ちも和装だし)

( ´_ゝ`)「あんたが登良さんか。聞いてると思うが、俺は流石真理男。探偵だ」

(=゚д゚)「ワシは登良義行。修行の傍ら、特課の外部協力者などしておる」

( ´_ゝ`)「熟練の修験者とは聞いていたが、どうやら本当らしい」

(=゚д゚)「ワシなどまだまだ。特課の若造よりは先を行っているつもりじゃがの」

( ‘∀‘)「あたしは御前香那!」

(=゚д゚)「御前……ひょっとして利夫殿の縁者かね?」

713 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:52:37 ID:woFwOlXE0

( ‘∀‘)「孫! なに、じっちゃんと知り合いなん?」

(=゚д゚)「何度かお会いしたことがあるくらいじゃな」

( ‘∀‘)「へー」

( ゚∋゚)「大木括です」

('A`)「探偵助手のドクオです。よろしくお願いします」

(=゚д゚)「うむ、よろしく頼むぞ。立ち話もなんじゃて、中に入るとええ」

( ´_ゝ`)「それじゃお言葉に甘えて」

( ‘∀‘)「家ん中どんな感じなのかちょい楽しみ!」

( ゚∋゚)「「お邪魔します」」('A`)



 ―――。

714 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:53:11 ID:woFwOlXE0
【登良の家 室内】
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715 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:53:44 ID:woFwOlXE0

('A`)「囲炉裏……素敵ですね」

(=゚д゚)「そうかの? 若いのに物好きじゃな」

( ‘∀‘)「すげー、イマドキあるんだな」

( ゚∋゚)「ですよね。普段使いしてるのは流石に見たことないっす」

( ´_ゝ`)「俺は割と最近見たが、より本格的な感じだな」

(=゚д゚)「戦前から残る建物を改修しておるからのう」

('A`)「うわ、凄い」

( ‘∀‘)「先祖代々って感じ?」

(=゚д゚)「いや、ワシに教えを授けた師が戦後に買い取ったものじゃ」

( ゚∋゚)「それを受け継いでるわけっすね」

( ´_ゝ`)「じゃあ、長いことここに住んではいるんだな」

(=゚д゚)「そうじゃな、もう20年以上か」

( ´_ゝ`)「なるほど、それだけの間周囲に気取らせないんだから……俺が気付かなかったのも納得か」

('A`)(あれ? 意外と気にしてたのかな?)

716 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:54:17 ID:woFwOlXE0




                         jI斗一    ̄ ̄  `
                     ア゚    ,.,           `'≪
                     ア゜     ~"寸     〝〟
                     ,'    ,イ   ア ヽ
                   i    {{    ゝ '   ノリ      _jI斗‐━ァマ
                     ¦   ゞー__  。o 彡''  f^''"~     j!  ',
                  ‘, _,, ...__ ・ ̄         ',      {   j}
                    ¦ ,ィ   ~"''≪       ゛、_rf(  ̄~"''ゝ。'
                  _У       `寸          ァ(
                   / ';     ,, r‐  ',       _,xく
         _j幺ェェォ__イ__,:ノ. r㎡_       ア_幺孑ヤ升
       ,,。*''“゚      j´。厂゛>、  うぅ==七"
    ,ィ'”    ..: : '⊂⊃ ノo゚イ .   寸
   〃  . : '       χ イ{  ゛ :.   マ
   {{ .0o 。  ゜  ζ δ  ゚  :. リ
   “t。  ゚    c。 λ .。廴   s  ;,ィ(、
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  た//,   う≧=ー-- 一=≦   八/ム
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717 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:54:51 ID:woFwOlXE0

(=゚д゚)「……なるほどのう。確かにここ最近、言葉にできない違和感を覚えておった」

( ´_ゝ`)「マジか……そうなると、ますますヤバそうだな」

('A`)「言葉にできない程度なら、まだ深刻ではないんですかねぇ……?」

( ´_ゝ`)「どうだかな。地底奥深過ぎて伝わって来てないって言われても驚かんぞ」

( ‘∀‘)「そういやこないだ、山小屋で刀傷沙汰あったんだけど……何か関係あったりする?」

(=゚д゚)「ふむ……田無山荘かの?」

( ‘∀‘)「そうそれ」

(=゚д゚)「あそこの主は恐らく妖魔……関係ないとは言い切れん話じゃ」

( ´_ゝ`)「……登良さんでも恐らくってレベルなのか?」

(=゚д゚)「そうじゃのう、恐ろしく擬態が上手い。状況証拠含みじゃから、何もなければ気付かんかったろうな」

( ´_ゝ`)「心理迷彩は苦手なようだがな……」

( ゚∋゚)「でも、タンさんも困惑した感じだったっすけど」

(=゚д゚)「……奴がわざわざあそこで騒ぎを起こす理由もない、か。となると、ふむ……?」

( ´_ゝ`)「言葉にできない違和感……もしかしたら、メンタル弱者にぶっ刺さったか……?」

718 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:55:25 ID:woFwOlXE0

(=゚д゚)「霊的防備もなく、神経過敏や薄弱であるなら……ありえる話じゃな」

( ´_ゝ`)「何かあると仮定して、精密に調べることはできないのか?」

(=゚д゚)「既にやっておる。特に何も出んかったがな」

( ‘∀‘)「そういや事情聴取とかどうだったん?」

( ゚∋゚)「あー……何故あんなことをしたのかわからない、申し訳ない、って泣きながら言ってるらしいっす。
     酒もクスリもなし。容疑は認めてるのに、動機だけ全然わかんない状態っすね」

( ‘∀‘)「マジかー」

('A`)「そりゃ、薄気味悪い話ですね……」

( ´_ゝ`)「うーむ……その件は今考えてもしょうがなさそうか」

(=゚д゚)「そうじゃの。頭の片隅に置いておく必要はありそうじゃがな」

( ´_ゝ`)「ああ。気には留めておこう」

( ‘∀‘)「そういや、あと何人か来るんじゃなかったっけ?」

( ´_ゝ`)「うむ、ツアーガイドとメイン盾が来る」

('A`)「今しがた連絡あったんで、もうじき来ると思いますよ」

719 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:55:59 ID:woFwOlXE0
【登良の家 室内】
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720 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:56:33 ID:woFwOlXE0

( ’▽’)「こんにちは」

(´・ω・`)「どうも」

( ´_ゝ`)「来たか」

(;=゚д゚)「……!」

( ‘∀‘)「ん? どしたん?」

(=゚д゚)「……よもやこれほどとは。恐ろしき力じゃ」

(´・ω・`)「それはどうも」

(=゚д゚)「不躾な話ですまんが……少々術式を仕込ませて貰っても良いか? 何の安全装置もないのは心臓に悪い」

(´・ω・`)「構いませんよ。有効な安全装置があるならむしろ助かります」

(=゚д゚)「どこまで有効かはわからんがの。無いよりはマシじゃろう」

( ´_ゝ`)「間違いなく今回の不安要素の一つではあるからな……」

(´・ω・`)「そこは申し訳ないですが。いなければいないで不安要素でしょう?」

( ´_ゝ`)「そう、戦力的にな……相手のテリトリーに入ってくわけだから、逃げを打つのもままならなそう」

(´・ω・`)「最悪敵陣で自爆するつもりではいますが、無理だったらすみません」

721 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:57:07 ID:woFwOlXE0

('A`)(物騒な話だなぁ……)

( ´_ゝ`)「それは一旦置いとくとして。今回のツアーの説明をしようか」

(=゚д゚)「む、そうじゃな。そうして貰えると助かる」

( ´_ゝ`)「ドッくん、プロジェクターを」

('A`)「はい。……ちょっと見難いけど大丈夫です?」

( ‘∀‘)「問題なし!」

(=゚д゚)「すまんのう、うちにテレビがなかったばかりに」

( ´_ゝ`)「まあ見えるからいいっしょ」

( ゚∋゚)「土壁白くてよかったっすね」



 ―――。

722 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:57:41 ID:woFwOlXE0

( ´_ゝ`)「まず、今回の目的は奥多摩の地下で何かよからぬことが起きていないかの調査。
      背景としては皆も知っての通り、異能者による予言。ここまでは良いな?」

( ‘∀‘)「おう!」

(=゚д゚)「うむ、問題ないぞい」

( ´_ゝ`)「敵の本拠地に正面から乗り込むことにもいかんから、周辺の廃坑に入って様子を伺う。
      星野さんの情報によるとかなり怪しい通路があり、敵のテリトリーに繋がっている可能性もある」

( ゚∋゚)「ここまでは事前に共有して貰った情報っすね」

(´・ω・`)「ええ」

( ´_ゝ`)「ドッくん、地図を」

('A`)「はい」

( ‘∀‘)「おっ、ここいらの地図だな」

( ´_ゝ`)「現在位置がここ、ポイントα。で、目的の坑口がここ、ポイントβ」

( ゚∋゚)「あー……あそこですか」

( ‘∀‘)「お、知ってる感じ? あたしも近くまでは行ったことあるけど、あの辺にあるのかー」

( ゚∋゚)「不明者の捜索で一度。かなり巨大な廃坑に繋がってるとこっすね」

723 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:58:15 ID:woFwOlXE0

( ´_ゝ`)「そのあたりは専門家に解説頂こうかな」

( ’▽’)「実際かなりでかい石灰鉱山跡ですね、素人がうっかり入ったら迷って出てこれないでしょう。
      内部は炭鉱とか金属鉱山とかと比べれば比較的安全な方ではあります」

( ‘∀‘)「ほーん。と言ってももちろん危険なんだよな?」

( ’▽’)「そうですね、廃坑全般の話ですけど、囲いもなく放置されてる竪坑とか沢山あります。
      崩落も、危険度が高いか低いかまでは岩肌とかの様子からわかりますが、絶対ではないですし。
      閉塞している場所では酸素濃度がヤバかったり、急な増水とかでヒヤッとしたことも」

('A`)「危険だらけじゃないですか……」

( ゚∋゚)「そりゃそうですよ。閉山後も継続して管理されてる区画もあるっすけど、そうじゃないところは」

( ´_ゝ`)「現役の鉱山だって沢山犠牲が出るのにましてや、って話だな」

( ’▽’)「天然の洞窟も危険なとこ多いですからね。そっちは隙間にハマるパターンが多いんですが」

( ´_ゝ`)「予習してる時にその手の動画も出てきたから見たわ。あれ怖すぎる……」

( ’▽’)「鉱山であのパターンは崩落の隙間を無理矢理進もうとした時くらいですね」

(´・ω・`)「それは、流石に僕でも救出できるか怪しいんで気を付けてください。転落とかなら極力何とかします」

( ´_ゝ`)「変にハマり込むと無理矢理引っぱり出すのもできなくなったりするからな……」

724 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:58:49 ID:woFwOlXE0

( ゚∋゚)「海外のレスキューの資料とか勉強で読むんすけど、どうやっても引っぱり出せなくてそのまま亡くなったりとか見たっすね……」

( ‘∀‘)「こわー」

( ’▽’)「危なそうな場所は適宜教えますけど、各自でも気を付けておいてくださいね」

( ゚∋゚)「そうっすね、それがいいかと」

( ´_ゝ`)「あ、説明の順番が前後するが。坑口の近くに拠点を設営する予定だ。
      それで、クックルとかっちゃん、ドッくんはそこで見張りをして欲しい」

('A`)「了解です」

( ‘∀‘)「おう、任されよう」

( ゚∋゚)「4人だけで大丈夫っすか?」

(´・ω・`)「非常時に素早く撤退するにはむしろその方が良いですね」

(=゚д゚)「そうじゃの。狭い道も多かろうし」

( ´_ゝ`)「緊急事態を伝達する札を双方で持っておいて、何かあればそれで連絡する。
      マスター、札の射程距離とかは問題ないんだよな?」

(´・ω・`)「距離は問題ないはずですが、中で異変が起こっているとすると結界などに遮られる懸念はあります」

(=゚д゚)「そのような兆候があれば一度引き返すべきじゃろうな」

725 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:59:23 ID:woFwOlXE0

( ´_ゝ`)「そういう場合は意見を教えてくれ。最終判断は俺に委ねて貰いたい」

(´・ω・`)「それで良いでしょう」

(=゚д゚)「ふむ……通常ならお主の信頼性を問うところじゃが。
     サブロウ殿の人を見る目は確かじゃからな、信用しておくとしよう」

('A`)「人を見る目が――」(´・ω・`)「確か……?」

( ´_ゝ`)oO〇(ミサ ^ー^)ト デスワー!)

( ゚∋゚)「なんか諸説あるみたいな感じっすけど?」

(=゚д゚)「むっ……? そうか?」

( ´_ゝ`)「そうだ」

(=゚д゚)「ふっ、それも構わん。ワシはサブロウ殿を信頼しておる」

( ´_ゝ`)「信用はできるが信頼はできかねるなあ、個人的に」

(´・ω・`)「そこはまあ、同意しますけどね。反面、彼ほど信用が置ける人柄もそうない」

(=゚д゚)「破局的な人手不足の中、無理を言って外部協力という形を継続させて貰っておるでな。借りが大きすぎるのじゃ」

( ´_ゝ`)「あー……なるほど」

726 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 19:59:57 ID:woFwOlXE0

(´・ω・`)「ちなみに、入口から目的地まではどれくらいかかるんです?」

( ’▽’)「安全確認しながら進む都合、片道3時間はかかりますね」

( ‘∀‘)「うわ、マジででかいんだなー」

('A`)「想像してたより遥かに広そうですね……」

( ゚∋゚)「行くだけでそれだと、調査も含めるとかなり時間かかりそうっすね」

( ´_ゝ`)「まさにそこが拠点設営する理由。一度戻ってきてまた行く可能性もあるしな。
      逆に中で野営する可能性も考えて、寝袋とかも持っていく予定」

( ‘∀‘)「マジ? 連絡なしで一晩とかめっちゃ心配なんだけど」

( ´_ゝ`)「そこなんだよな。一応、過去にレスキューでも使用されたという洞窟特化の無線機は、ツテで仕入れてあるが」

('A`)「どこまで使い物になるかは全くわかりませんからね」

( ’▽’)「俺も初めて見ましたよこれ。噂は聞いてましたけど色々ハードル高くて」

( ゚∋゚)「使い方とか大丈夫なんすか?」

( ´_ゝ`)「使うだけならな。細かい調整はどこまでやれるか正直わからん」

( ’▽’)「それだと深部までは厳しそうですねぇ……」

727 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:00:31 ID:woFwOlXE0

(=゚д゚)「なるほどのう……そのようなものがあるなら、術で補助すれば何とかなるやもしれんぞ」

( ´_ゝ`)「むっ……なるほど?」

(´・ω・`)「いけるかもしれませんね。やってみないとわかりませんが」

('A`)「これは、ちょっと明るい材料増えましたかね」

( ´_ゝ`)「それいけたらかなり捗るな。いけること祈っとくか」

(=゚д゚)「そんなに期待されても困るんじゃが……まあ現着したらやってみるとしよう」

( ‘∀‘)「拠点側は何か気を着けとくことある?」

( ´_ゝ`)「猟師でも林業でも登山者でもなさそうな不審者が近づいてきたら即緊急事態だな。
      その場合は速攻で札破って撤収、特課の詰所……ポイントδに急行してくれ」

( ゚∋゚)「え、あそこが詰所だったんすか? 行ったことあるっす」

( ‘∀‘)「あー、岬さんのとこじゃん。そういや微妙なとこに工場建てるなーと思ってたけど、そういうこと?」

( ´_ゝ`)「高級仏具の工場とかいかにもじゃん」

(=゚д゚)「実際作ってはおるしな。実戦用じゃし仏具以外のものもあるが」

('A`)「意外とそこらへんでやってるんですねぇ」

728 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:01:04 ID:woFwOlXE0

(´・ω・`)「一旦そんなところですかね?」

( ´_ゝ`)「そうだな。内部の話とかは拠点設営後にでも」

(=゚д゚)「では、早速向かうとしようかのう」

(´・ω・`)「星野さん、現場までのナビはお願いします」

( ’▽’)「了解です」

('A`)「集団で移動したら目立ちますかね……?」

( ´_ゝ`)「……念のため、別れて向かうか。こっちのナビはクックルに頼むわ」

( ゚∋゚)「了解っす」

( ‘∀‘)「あたしはどうしよっか?」

( ´_ゝ`)「バイク組は分けよう。マスターの車についてってくれ」

(=゚д゚)「ワシは流石殿の車に同乗で構わんかの?」

( ´_ゝ`)「あー……荷物満載してるんで、マスター……あれ、そういやそっちの二人は自己紹介してたっけ?」

(´・ω・`)「してないですね。凡田です」( ’▽’)「星野です」

(=゚д゚)「ワシは登良義行、道中よろしく頼む」



 ―――。

729 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:01:38 ID:woFwOlXE0
                      _.......----‐‐‐‐''''''-- 、..,,
             _,,......--‐‐''''''´       /  ,-‐‐---  ll`‐‐-......,,__
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      /  ( ´_ゝ`)   ('A`)     /  // ̄ ̄ヽ   .l lヽヽ  l  l    l      l
     /    G⌒Q   ( ∞ )    /''‐、/      /  ,,l lヽヽ l  l    l      l
   ィ__,,.........----―‐‐‐''''''''''''''' ̄´/  l/_,......--‐‐''''´ ̄  l l ヽ-‐    l      l
  /                   ./   l            l l    ̄ ̄ ̄ ̄l ̄ ̄ ̄`l
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l                __........----‐‐''''l           l l l         l       l
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l  l              l          l     / ̄ ̄\ ヽ l ....-‐'''´   l/ l l
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..l  `‐‐‐---..............,,__   l    __   l    / /   l l / l_,,..-‐''    ヽ_/
 l     l    l    ̄ ̄    l   l   l..--‐T  l    l 〉‐''´
 └---.._l...,,____l         `‐-、l       l  l    l l
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                             ヽ___/

730 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:02:11 ID:woFwOlXE0
             ________
    〇   ≡=─. /_||_| |_||_||三三≡=─
 ∠〆〜rワ≡=─f目テ=、____|三三≡=─
 《*)ヒ≦0(*)≡=─`て((◎)――(◎)三三三≡=─


( ´_ゝ`)「さっきは助かった」

('A`)「え、何の話ですか?」

( ´_ゝ`)「別れて向かう話。全員固まってたら明らかに様子のおかしい集団だったからな」

('A`)「いやまあ、どうなんでしょう。そのくらいで気取られたりしますかね?」

( ´_ゝ`)「連中の監視網がどこに広がってるかわからんから、下げられるリスクは下げたい」

('A`)「あっちは熟練っぽい登良さんいるから良いですけど、こっちは俺のなんちゃって探知ですよ?」

( ´_ゝ`)「恐らく目視のリスクの方が高い、大名神社周辺とかならともかくな。
      無節操に魔術的監視なんかしてたら、流石の特課も対処してるだろ」

('A`)「あー……それはそうかもですね」

( ´_ゝ`)「……気付かないほど無能、という可能性は……登良さんを見る限りなさそうだしな」



 ―――。

731 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:02:45 ID:woFwOlXE0
【山林】
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 ソゝゞ,:;゙;''`|,:j;;l;,:i|"゙`| l:; | ::;;;, ::. :;;| |i;li|;':;ヾゞ;ヾ;|;:  :l:   .:|  :r :|;;:ミ:;ミ;| '; i; ト、;:ヾ:;゙';;:'|;l:j:;|;,:ij;:| 〈;:;..|;';:;|    |;;':;.
;ヾ゙;:ゞ;;:ミヾ:;|.:ij;:l;,i|.  |;. .;;':;;, ::;;:|.:;;;| |lij;|,;';,:'ゞ;, :ミ|;.|: :;|:.  .: .:;|; ;|.,.;;'ゞ'|:|; |:.;|"'`' ;:; .;, |;j:,i,l:;ij;j;| ゞ;.|;';i:|    |:i;:l;
ノj;i:;i:l;i⌒ゞ|:l:j;,l;:i;|.  |;; ,;| ;; ::;;;:| :; | |li|l|"゙'^!;li゙'`|;:|: :,| ;i.  :| .:l; .;|:'゙ ';:|,l :i|:.|!,:;:':゙;;ミ ゞ|;j;,i,.;j;j:;:|.  .|;゙;l;|    |:';:;i
.:|:;i:;,l;|:.   |;j;.i,;j.l;|:. |;,: ,;i ;; :;;;,:l ;;',|; .|li;l|;:;;、;|vl. |;.|:.  :;|:  :| .;i :| :|   . |;| .:| リ;;゙;:;";;ゞ;;.|;.j:|;;j,;j,:;|:,  |;';i;:|    |;'l;:;
:|;i;l;:l;|;.   |,.j;l:j,;j,|;, |;, y' : ,-、:; ;; ;|ヾ|l;il|:;:;ミ;!;li} |;:|:.  ;;|:. .:}:..;|: .;|:.;|  ;;;:| |: i :;|:;;゙ヾ:.ゞゞ|;:j;i:j:,;ij,;|;:  |;';i;:|    |:;'i;;
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;i;l.;;l;|;.   |.j:;j,;j.j;|;;ゞ| ;;!:;;, ';`イ:;;;: :;| lli;l!|   | il}. |:|: ;. .;| .:i,:  :|;: .;|.:.;|  ゙|:i :;l |:|  |li  |:i,;j:;j;,lj;:i|  ノ:|;'i;l:|    |;i:;;.
;:l:;j;;|゙  |:lj.;j:,j.i;|  | ;:|:,;;:,..:;;i.:;;;.:;;:| |i州   | li}.|;|: ,;};. .: :;|;,. .:|; :| : |  .|:| : | l|   |l|   |i;,j:;;j:;,j;i;| i;,::|;';l;i:|、.  .:|;':i;:
;i;:ij;tーz_,|,i;,j:j:;k,|弋|;; ;l ;;j; j゙ ;;' ,;k;| ,jl从|   | k} |:j. ;;j:: .: :;|;;:. :;!: .;t .:;|.   |,|:i:;|;.i|.  |i|  |,i;,j;j:;i,:;lj;i、,k;:|;';j;l:|:;;, . ::j:;'l;.

732 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:03:18 ID:woFwOlXE0

( ´_ゝ`)「車で行けるのはこの辺までか」

( ゚∋゚)「そっすね。残念ながら、坑口までそこそこ距離あるっす」

(´・ω・`)「星野さんによると、坑口から近い地点に拠点設営によさそうな場所があるそうです」

( ’▽’)「探索に行くときは大体そこで一息ついてから行きますね」

( ゚∋゚)「確かに思い返すと、そんな場所あったような気も」

(´・ω・`)「荷物どうします? なんなら車ごと担いでってもいいですが」

( ゚∋゚)「えっ?」

( ´_ゝ`)「ナイスジョーク。特に重いものはマスターに頼むわ、他は手分けする」

(´・ω・`)「わかりました。まあ、車なんか担いでたら普通に脚埋まりそうですからね」

('A`)(マジで持ち上げられるんだろうなぁこの人……)

( ´_ゝ`)「それじゃ、荷物振り分けるからみんな集まってくれ。終わり次第出発」



 ―――。

733 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:03:52 ID:woFwOlXE0
【山林】
. :.::| : : : : : ;:;:;:;:}い∵ン\;:;:;:;:\爻ソ| : : ;:;|; ; 爻; ;いハ乂ハン ノいソ; ; ;ノノ⌒´ . : : \\: : ::|i:i:| ; ; ; , ,.: .\i:\|i:i:|\_ノ
.  |  . . . : :;:;:;:{, , ∴ソ⌒'\;:;:;:;:\ノ: : ;:;:;:しルノい∴ノノ; ; 乂∴ノ∵; ; ∴:, . . .: .:...:i:i: : :\\ノi:i:i} ; ; ; . . ̄  \ノi:i:|: |:::::
: .|   : : ;:;:;:;:;{/`7'´ . .. : : \;:;:;:;:\;:;:;:;:|i:i:ノ/ ̄∵:いソ'^''7''"|:|/ }:i. : :Y ノi:i:i:} トミ; ;∨i:i:i:i{; ; ;.:.: . .    |i:i:i:i|: |.:.:.:
\|   : : ;:;:;:;:;:;}:::::/. .  . .i . : : |:\;:;:;:;:;}i::;:;:i:i:|.: .: .: .:__ノ:|:|/i:i:i/  |:| . : :}:i.:.: :|: {i:i:i:ノ:|i|::``|:i:i:i{;:;:.:.:. . . '´   |i:i:i:i|: |.:.:
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|  : : :;:;:i:i:i:i:{.: .: .: . . . .: .: . . ``'| : : : ;:;:;:|/""´´^/i:i:i/ : : :``''┴-爻淡爻辿ル''"´.: .: . 廴__ノ .: . . . .: . .   . . ; ; ; :|:::
_|  : : : ;:;:i:i:i:i:i}爻ノィ(ィノー…ー-:ミ.: .:|:  : : :;:;:;| ‐ ─ニ|i:i:i:i|‐ ‐ 二三ΞΞニ=-`` . . : .:.:;'.:.:. . . : : : . . . . .: : : : . . ;' ;';';';';';'; |.:
.l  : : : ;:;:i:i:i:i:i}''""^´´``'㍉,;:;:;:;:;:;:`'| : : : .: :;:;|ー---弍::i:i:|三三二-‐ ``. . : : ; ; ; : : . .  . : : : .:.:.:.::;';'.:.:;';';'.:.:.:;';爻爻淡淡|i:i:
l  : : : ;:;:;:;:i:i:i:};:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ー-ミミぃ;:;:;:| : : .:i:i:i:i:|;:;:;:;:;:;:;:;:``''ー=ニ二_:;.:,:;.:,;';';';';';';';':;.:,: : : : : : _:_:,、,、,、,vivuiuf-'^'^'^'""´::/i:i:
  : : : ;:;:;:;:i:i:i:}-_;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:`丶、::|  : : i:i:i:|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:`丶、 ´"''ー─…¬冖テ''"""">-─┐.: . . .:.: . . ;';';'.:;'/i:i:i:i:
  : : .:.:;:;:i:i:i:i:i}Ξ二‐_;:;:;:;:;\;:;:::::::::::ノ  .: .:i:i:i|、\;:;:;:;:;:;:;:;:\;:;:;:;:;:;:ニ─   -=辷彡'゙:/;:;:;/;:;:;:;:;/⌒^>─<、.:;':/i:i:i:i:i:
  : : :;:;::i:i:i:i:i:}- -‐ニΞ‐_;:;:;:;:\;:;:;:;:{    : :i:i|:、`:、\;:;:;:;:;:;:;:;:>……‐-  -=≦;:;:;/;:;:;/;:;:;:;:;:/-''"´^^㍉_、‐''゛:/i:i:i:/i:i:
  . : : ::;:i:i:i:i:i{;:;\;:;:;:;:-二二-;:;:;:;:;:;:;} :  . : :i:i|≧=‐ ‐ ‐二ΞΞ二─ ‐ --…::〈;:;:;:;:/::::_、‐''゛;';';';',、ぃゞ``. : :;';';'价vぃ爻
 : : ;:;:i:i:i:i:i:i:i}-;:; ;:\;:;:;:;:=ニ: ; ;..-=ニ} :. .:i:i:: :,i:|ΞΞニニ……─ ‐ ‐  ‐  ‐ ‐…ニΞ ̄: : : : _、‐''゛: ::;_、‐''゛:;.:,:_、‐''゛ノ(ィノ(
. : :;:;:;:;:i:i:i:i:i:i{三ニ=‐‐ ‐=ニ三Ξ竺ニ{ .:i:i:;: ;:;:i:i|‐ ‐…二三三ニ-  ‐  ‐ ‐‐ニ…- -‐…ァ''゚.:.::::::_、‐''゛;:;:;:_、‐''゛.: _、‐''゛;:;::::
. : ;:;:;:;:i:i:i:i:i:ノ `` 二   ‐ ‐ニΞ-{..:i:ソ: : ;:;:i:i|ΞΞ竺Ξ二三ニ-  -  - -=…::∵∴(: : : :::::;:;:;:;_、‐''゛─ァ''"´;:;:;:;:;.:,:;/
..;:;:;:;:i:i:i:i:i:i:{: : . . .,,..    . . . : :;.;:{i:i:i|: : :;:;i:i:i| =_=_ニモニ竺=- - - -=- -‐……ニΞΞこ二‐/γ´;:;:;/;:;:;:;:;:;:_、‐''゛::::
::::;:;:;:;:i:i:i:i:{ .. ..  ‐_‐_  . . :;.:, ;' ;';'j{i:i:i|.:.:;:;:i:i:i:|: ..    二=-  -=Ξこ三二…‥::∵Ξ二Ξヽノ;:;:;:;:j';:;:::_、‐''゛.:.::;:::/:
;:;:;:;:i:i:i:i:i:i{- -   ‐_‐_   ;';';';';'ンi:i:i:i|;:;:i:i:i:i:i:|Wぃ, _ _   ,,. ..   -Ξニ-…∴ΞΞ二‐ ‐ ‐ L__、‐''゛_、‐''゛:::/::,;'´
;:;:i:i:i:i:i:i:i:{二─ ‐   _  vu - -=彡乂i:i:i:i:i:i乂辿ぃv ‐_‐_ _ _    ‐ ‐  ∴ .   . . . : : :  . . ‐_‐_‐___彡'′.:;′.:
;:;:i:i:i:i:i:i:i:{三二─ ‐     ぃiい爻父父爻爻いぃ,ノ(ノ(爻乂-_-_-_-_   ‐ ‐  ── ‐   =_=_=_=_=_=_=_=_彡'′.:′

734 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:04:25 ID:woFwOlXE0

( ´_ゝ`)「ふうっ、ここか」

(;'A`)「はあ、はあ。んっ……フィジカルお化けの所長が息ついてるの、なんか意外です」

( ‘∀‘)「確かにちょっと意外」

( ´_ゝ`)「慣れないことすりゃ疲れるし、元々持久力はそこまで自信ない」

( ゚∋゚)「大学時代なら余裕だったと思うんすけどね」

( ´_ゝ`)「あの頃は結構登ってたから登山筋がな。逆に戦闘筋は今の方が断然ある」

(;'A`)「な、なるほど」

(;’▽’)「ふうっ、皆さん凄いですね」

(´・ω・`)「鍛えてますからね」

(=゚д゚)「そうじゃの」

( ´_ゝ`)「ドッくんと星野さんは休んでて。登良さんは周囲警戒を。残りの皆でチャチャッと設営しようか」

( ‘∀‘)「わかった!」( ゚∋゚)「了解っす」

(´・ω・`)「やり方教えてください」

(=゚д゚)「任されよう。ついでに結界も張っておこうかの」



 ―――。

735 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:04:59 ID:woFwOlXE0
【拠点】
.           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄} ̄\
        /           /      /   丶、
.      /           /       /       =- _
    /           /      /           =- _
.  /           /    _/ ___________=- ___
_,∠=-─‐┬‐───┬=ニ二  ̄ ̄| ̄{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|―――|二二ニ==―‐┐
| ___   | __    | r┬‐┐  |  |         | ̄ ̄  |//////|    |.     |
| |_((_|  | |_((_|   | |_ノノ__」   |  |       |      |//////|    |    |
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        `’<_|__       | l|           ヽ  |//////|    |
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                 `’<__{__{_ =-   ̄

736 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:05:32 ID:woFwOlXE0

( ‘∀‘)「おー、なかなか広いじゃん」

( ゚∋゚)「結構高かったんじゃないすか、これ?」

( ´_ゝ`)「懐が滅びのバーストストリーム」

(´・ω・`)「調理とかの設備も数日滞在するには十分ですね」

( ’▽’)「いやー、本格的に探検隊って感じでワクワクしてきました」

('A`)「持ってくるの大変でしたけどね。一番軽かった俺が言うのもなんですが」

( ’▽’)「同じくです。皆さん力持ちすぎません?」

( ‘∀‘)「そうか?」

( ´_ゝ`)「そうだ。ただ、マスターと比べると全てが霞む」

(´・ω・`)「屈強なクックルさんはともかく、御前さんの妹さんは想像以上でしたけど」

( ‘∀‘)「おん? 兄貴の知り合い?」

(´・ω・`)「うちの常連さんですね、いつもお世話になってます。鹿燻製も時々頂いてますよ」

( ‘∀‘)「へぇー」

737 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:06:05 ID:woFwOlXE0

(=゚д゚)「結界の設営終わったぞい」

( ´_ゝ`)「あざっす。マジ助かる」

(=゚д゚)「残留組で魔術の心得がある者はおるんじゃったか?」

('A`)「あ、俺です」

(=゚д゚)「ならば、お主に権限を移譲しておくとしよう。着いて来るのじゃ」

('A`)「わかりました」

(´・ω・`)「なら、一息つく前にこちらもいくつか」

( ´_ゝ`)「だな」

(´・ω・`)「……その、状況に似つかわしくない釣り道具。察するに――」

( ´_ゝ`)「あってる」

(´・ω・`)「今渡しておきましょう。急に託されても困るでしょうし」

( ´_ゝ`)「……おう。わかってる」

( ‘∀‘)「?」

738 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:06:38 ID:woFwOlXE0

( ´_ゝ`)「かっちゃん、これを」

( ‘∀‘)「なになに? ……えっ、これって……」

( ´_ゝ`)「行方不明扱いの闇レミントン。持っといて」

( ‘∀‘)「……わかった」

( ´_ゝ`)「いざとなったらためらわずに使ってくれよ?」

( ‘∀‘)「いやー……銃持って撃ちたくないとか思うの、誤射以来だなあ」

( ´_ゝ`)「すまん。本音を言うと渡すか迷ったが……命の方が大事だからな」

( ‘∀‘)「まっちゃんが持ってかなくていいのか?」

( ´_ゝ`)「問題ない。洞窟でショットガンぶっぱなすとか、爆音で味方がヤバい」

( ‘∀‘)「あー、それもそうか」

( ´_ゝ`)「……もっと本音を言うと、かっちゃんを巻き込みたくはなかった」

( ‘∀‘)「水くせぇな! あたしとまっちゃんの仲だろ?」

( ´_ゝ`)「結婚してくれ」

( ‘∀‘)「えっ?」(´・ω・`)「えっ?」( ゚∋゚)「えっ?」

739 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:07:13 ID:woFwOlXE0

(;´_ゝ`)「あ、いや……待て、落ち着け。今のは聞かなかったことに」

( ‘∀‘)「……わかった! あたしは何も聞いてない!」

(;゚∋゚)((えぇーッ!?))(´・ω・`;)

(;´_ゝ`)「えっ? いいのか?」

( ‘∀‘)「いいよ! ただ、"今は、聞いてなかっただけ"だからな?」

( ´_ゝ`)「……」

( ‘∀‘)「"なかったことに"は、今しか受け付けねーぞ? ……"聞かなかったことに"でいいのか?」

( ´_ゝ`)「……ああ」

( ‘∀‘)「ならよし! いずれちゃんとしたTAKE2を待ってるぜ!」

( ´_ゝ`)「俺、かっこわりぃなぁ……」

( ‘∀‘)「ガハハ! そうだなぁ!」

( ゚∋゚)「(小声)流石にカッコ悪すぎるっすよね、何でそのタイミングで言い出したか意味不明」

(´・ω・`)「(小声)その上聞かなかったことにとか何言ってんのかと思いました」

( ´_ゝ`)「聞こえてんよ」

740 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:07:46 ID:woFwOlXE0

(´・ω・`)「さて、お話が一区切り着いたところで。お二人に切り札の説明をしておきましょうか」

( ´_ゝ`)「あっはい。頼む」

( ‘∀‘)「ん? 他にも何かあんの?」

( ゚∋゚)「切り札っすか?」

(´・ω・`)「登良さんの家での会話でもちょっと出て来た"札"です」

( ‘∀‘)「あー、そういえば何のことだろうと思ってたんだよな」

( ゚∋゚)「そっすね」

(´・ω・`)「簡単に言えば魔術を封じたお札で。魔術を使えない人でも使うことが可能です」

( ‘∀‘)「おー」

( ゚∋゚)「そんなものがあるんすね」

(´・ω・`)「なのでいくつかの用途の札を渡しておきます。まず――」



 ―――。

741 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:08:21 ID:woFwOlXE0

('A`)「戻りましたー」

( ´_ゝ`)「む、どうだった?」

('A`)「無事に移譲できました。必要な時にちゃんと操作できるかは……俺次第ですけど」

(=゚д゚)「ま、問題ないじゃろう。簡素な構成じゃからの、大雑把な操作で十分じゃ」

('A`)「パニックとかにならなければ、ですね」

( ´_ゝ`)「それこそ大丈夫っしょ。ドッくん恋愛以外では見かけによらず強心臓だし」

('A`)「そうですか……?」

( ´_ゝ`)「そうだ。今ここにいる時点でな」

(´・ω・`)「ふっ、違いないですね」

( ゚∋゚)「そっちも終わったなら一息つけそうっすね。飯でも食っときます?」

( ´_ゝ`)「そうするか。アルファ米とかの保存食はかなりの量持ってきたし」

( ゚∋゚)「先輩のことだから食料は全部ラーメンかと思ってたっす」

( ´_ゝ`)「まあ俺はラーメン一択だが」

('A`)「えぇ……?」

742 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:08:54 ID:woFwOlXE0

( ´_ゝ`)「こっから先は修羅場だからな。みんなも好きなもん食っといてくれ」















  Case13「混沌の極点」
  Day3A「虎穴の前の静けさ」

                          To be continued...

743 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/02(木) 20:09:29 ID:woFwOlXE0
今回はここまで

744名無しさん:2025/01/02(木) 22:32:31 ID:.Sr1VuXA0
あけおめ乙

745名無しさん:2025/01/03(金) 10:00:05 ID:pF9Y2prM0
乙乙あけおめ
チャーシュー麺久しく食べてないな。美味しそう。
3時間かけて敵の近くまで行くのめっちゃ怖いけどテントが本格的で格好良い

746名無しさん:2025/01/04(土) 18:58:37 ID:bX61m.W.0
乙!そしてあけおめ!
どっくん成長したねぇ…

747 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/07(火) 00:13:12 ID:ejrHGYno0
>>744
リ゚▽゚ リ<l「あけめー!」

>>745
( ´_ゝ`)「実際は最初の区画抜けるのに約3時間だそうだ。やばくね?」

>>746
('A`)「素直に喜べない……」

748 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/07(火) 00:13:46 ID:ejrHGYno0
Case13-Tips7 多少無理を通しても
                                                          >'≦≧ッ。
                                                       >'´     `'ヾ}iッ。
                                                    >'´           .ヾi}ヽ
                                                  /           _,,。-‐'''"´
                                          >;;;;\ ̄ ̄ ̄ ̄  〉彡ゞ‐'''""´
                                       >'´;;;;;;;;;;;;;;;;;i}┐>===ミ_i{/
                                    >'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ=ヽ{             __
                                 >'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>ヾ_>'´           >'´  \
                               >ニ≧s。;;;;;彡ゞ'´ ` ̄´          >'´       \
                             >ニ二>ニニヾシ'´            >≦ヾ。      >'´_ノ
                           >ニ二>ニニニゞ'´           、=ッ|\イii,イii、.ヾ。 >'´ >'´
                        >'´  ヾッ。二ゞ'´          i'つi |  |.\.\.ヽ ヽゞ'´>'´
                     .>'´       }iゞ'´           .| ..| |  |   \}i >'´
                  >'´        >´              |、 >''"´ヾム,  ´
                >'´        >'´            ノミi ノヾ>''"´_,,i}ィ'
             >'´        >'´              /  /イ )i´ゝイ''"´
          >二i}ッ、      >'´                / 、/ミ /
       >≦二}、ヾ}iニi、   .>'´                  `"´'''''´
    >≦二ゞ'´、{ムニマムニiゞ'´
  >≦二ゞ'´   弌弐}i'
イニニニゞ'´       Ⅷ}
.ヾiゞ'´

749 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/07(火) 00:14:20 ID:ejrHGYno0

( ゚∋゚)「銃のメンテっすか?」

( ‘∀‘)「おう。まっちゃんを信用してないわけじゃないけど、こればっかりは自分でしっかりやらないと」

('A`)「流石はプロですね」

( ゚∋゚)「道具の状態は生死に関わりますからね」

('A`)「考えてみれば道理です。俺もパソコンのチェックは念入りにしますもん」

( ‘∀‘)「ドッくんはパソコン使えるんだよな。いやー凄いぜ」

('A`)「えっ??」

( ‘∀‘)「あたしは全然わかんないからなー。兄貴が教えてくれようとしたこともあったけど匙投げたし」

('A`)(あの人が匙投げるのは相当だなぁ)

( ゚∋゚)「俺の中でパソコンと言えば累次先輩なんだけど。教えて貰ってたりする?」

('A`)「あー、前にとあるサーバー構築の時にちょっとだけ。バイト始めた時は入院されてたんで……」

( ゚∋゚)「あー……そうか」

( ‘∀‘)「早くよくなるといいけどな。まっちゃんも結構思い詰めてたみたいだし」

750 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/07(火) 00:14:53 ID:ejrHGYno0

( ゚∋゚)「そりゃそうっすよ。二人で三人みたいな感じだったっすからね」

('A`)「? 二人で一人の間違いじゃ?」

( ゚∋゚)「いや。一人でも一人前なんだけど、二人揃うと出来高1.5倍くらいになるんだよね」

( ‘∀‘)「あー、なんとなくわかる。まっちゃん弟君いないからショボクレてたもん」

( ゚∋゚)「できれば、幻滅はしないであげてほしいっす」

( ‘∀‘)「冗談。オバチャンむしろ惚れ直したわ」

( ゚∋゚)「えぇ……?」

( ‘∀‘)「そんな状況でも強がってみんなを引っ張ってく。ちょっとカッコよすぎない?」

('A`)「わかります」

( ゚∋゚)「……そうっすね」

( ‘∀‘)「だろ? ……本当にあたしなんかで良いのか、ってのは正直な心境だよ。まっちゃんカッコよすぎる」

('A`)「いや、御前さんほどカッコイイ女性もそうそういない気がしますけど」

( ‘∀‘)「……そうか?」

( ゚∋゚)「そうっすね。出会うタイミングとか色々違えば惚れてたかもしれないっす」

751 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/07(火) 00:15:28 ID:ejrHGYno0

( ‘∀‘)「「えっ?」」('A`)

( ゚∋゚)「あ、言っときますけど深い意味はないっすよ。俺は俺で婚約者いますし」

( ‘∀‘)「うぇっ? いやそれも初耳なんだけど」

( ゚∋゚)「言ってないっすからね」

('A`)「それじゃ独り身は――」

(;'A`)「あっ!?」

( ‘∀‘)「ん、どうした?」

(;'A`)9m「結界に反応ありました。方角はあっち、敵意なし」

( ゚∋゚)「ん……それは」

( ‘∀‘)r=≡=
     ジャキッ

(;'A`)「……覚えのある魔力です。これは――」



 ―――。

752 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/07(火) 00:16:01 ID:ejrHGYno0
【拠点】
.           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄} ̄\
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753 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/07(火) 00:16:34 ID:ejrHGYno0

( ‘∀‘)r=≡=

\(;´ー`)/\(;=゚ω゚)ノ

(;´ー`)「おいおい、マジかよ」

(;'A`)「刑事さん!」

( ‘∀‘)r=≡=「……本当に本物?」

(;'A`)「……刑事さん! 俺の好きな人、知ってますよね!?」

(;´ー`)「ン……ヌケド店員のクール系美人だよな? アルバイトのプロフェッショナルを自称している」

(;=゚ω゚)ノ「黒髪ロングの店員さんです!」

('A`)「あっ、本物です」

( ‘∀‘)スッ

( ‘∀‘)「警察?」

('A`)「です」

(;‘∀‘)「ふぅ〜……緊張した」

(;´ー`)「こっちの台詞だ」



 ―――。

754 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/07(火) 00:17:08 ID:ejrHGYno0



                         jI斗一    ̄ ̄  `
                     ア゚    ,.,           `'≪
                     ア゜     ~"寸     〝〟
                     ,'    ,イ   ア ヽ
                   i    {{    ゝ '   ノリ      _jI斗‐━ァマ
                     ¦   ゞー__  。o 彡''  f^''"~     j!  ',
                  ‘, _,, ...__ ・ ̄         ',      {   j}
                    ¦ ,ィ   ~"''≪       ゛、_rf(  ̄~"''ゝ。'
                  _У       `寸          ァ(
                   / ';     ,, r‐  ',       _,xく
         _j幺ェェォ__イ__,:ノ. r㎡_       ア_幺孑ヤ升
       ,,。*''“゚      j´。厂゛>、  うぅ==七"
    ,ィ'”    ..: : '⊂⊃ ノo゚イ .   寸
   〃  . : '       χ イ{  ゛ :.   マ
   {{ .0o 。  ゜  ζ δ  ゚  :. リ
   “t。  ゚    c。 λ .。廴   s  ;,ィ(、
  /∧(h。      ゙^ 〜  ‘’ ,+`,らヘ
  た//,   う≧=ー-- 一=≦   八/ム
 £///: ,                  ,:'////}
  Ⅵ///_ゝ、,          . イ////Ⅳ
   ゞ//////≧ぃzッzzャぉI〔///////
    `'≪////_///////////__j彡''’
         ̄ ―--=‐━   ̄

755 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/07(火) 00:17:42 ID:ejrHGYno0

( ´ー`)「ふぅ、人心地ついたぜ」

(=゚ω゚)ノ「ですねぇ」

( ‘∀‘)「正直すまんかった」

( ´ー`)「いや、状況を聞いた上では妥当な判断だったと思うぜ」

(=゚ω゚)ノ「そうですね。撃たれてないから言えることですけど」

( ゚∋゚)「見てるこっちもヒヤヒヤしたっす」

('A`)「場所は教えてましたし、それを伝達しておくべきでしたね……」

( ‘∀‘)「いや、それ知ってても同じ対応したけどな?」

( ´ー`)「だろうな、今も気を抜いた風で警戒は解いてない。できるな嬢ちゃん」

( ‘∀‘)「嬢ちゃんって歳でもないけど。おかしな動きがあれば撃つよ」

( ゚∋゚)「警察手帳も本物だったっすけど」

( ‘∀‘)「本物奪い取って来たかもじゃん?」

( ´ー`)「ありえる話なのが情けねーなおい。まあ、縛るなりなんなりしてくれても良いぞ」

( ‘∀‘)「流石にそこまではなー」

756 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/07(火) 00:18:15 ID:ejrHGYno0

('A`)「それで……刑事さん達はどういったご用件で?」

( ´ー`)「許可が下りたんでな、加勢に来た」

(=゚ω゚)ノ「署長はだいぶ無茶したみたいですけどねぇ……」

( ゚∋゚)「えっ? 神奈川県警ですよね?」

( ´ー`)「ああよ。本来なら警視庁が動くところだな」

(=゚ω゚)ノ「警視庁はオカルト面ではどうしても守りを疎かにできないですからねぇ……」

('A`)「……宮内庁の意向、ですかね」

( ´ー`)「詳しい経緯は知らねーよ、憶測レベルだな。なんにせよ俺らが抜擢されたわけだ」

(=゚ω゚)ノ「教授も静観ですけど、逆に言うと筆府に戦力留め置いてますからねぇ。筆府は何とかなるという判断かと」

('A`)「行政機関にあるまじき希望的観測すぎて泣けてきますけどねぇ……」

( ´ー`)「ぐうの音も出ん」

(=゚ω゚)ノ「ですねぇ……」

( ゚∋゚)「リソースがカツカツなのはどこも同じですね」

('A`)「警察も大変だ……」

757 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/07(火) 00:18:50 ID:ejrHGYno0

( ´ー`)「ま、俺ら公僕が来たからには。いざとなったら俺らが体張る」

(=゚ω゚)ノ「皆さんはもう少しリラックスして頂いても大丈夫ですよ」

( ‘∀‘)「いやー、そうもいかんでしょ」

( ゚∋゚)「俺も公僕ですしね、非番っすけど」

('A`)「魔術師も一人くらい必要でしょう?」

( ´ー`)「そう言うんじゃないかとは思ったがな」

(=゚ω゚)ノ「ですねぇ」

( ‘∀‘)「でも、実際助かるわー。何かあったら6割がた駄目だろうなと思ってたし」

( ゚∋゚)「生々しい数字やめてください。でもこれで、6割がた大丈夫かもしれないっすね」

('A`)「魔術師は相変わらずワンオペですけどね」

( ´ー`)「魔術師の応援もじきに来るぞ」

('A`)「えっ?」

(=゚ω゚)ノ「やっぱりあれなんですよ、流石探偵。人望が凄い」

( ´ー`)「多少無理を通してでも力になりたい、そう思わされるくらいにはな」

758 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/07(火) 00:19:23 ID:ejrHGYno0
本編はもうちょいお待ちを

759 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/09(木) 23:52:26 ID:2gXAFDLc0
Case13-Day3B 進捗80%

760 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:29:21 ID:1.9LjSAM0
前回のあらすじ
・ワシは登良義行。修行の傍ら、特課の外部協力者などしておる
・実際かなりでかい石灰鉱山跡ですね、素人がうっかり入ったら迷って出てこれないでしょう。
・(小声)流石にカッコ悪すぎるっすよね、何でそのタイミングで言い出したか意味不明


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
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    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
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【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

761 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:29:55 ID:1.9LjSAM0
Case13-Day3B
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""~ア ̄~\_:_| |_:_:_:_:jニ=-‐ ''"^¨¨¨¨´´           . . . : : : :`¨¨¨ア"~ ̄| ̄丁T冖T7//: : : :./.:.:.:.:{.:.:.:;:;:;:;:
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狄小viviviv,,,;; ; ; ; ; ; , ,   . . : : :, :, : : . .       . . : : : : :, :, :, :, : : : : {  . ...::;;;{    }: : }ハ: : : //////; ; ; , , ;
狄水狄狄爻Xx;';';';';' ;' ; ,  :, :, : : : :, :, :, : : : : : : : :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, : `¨¨¨¨´ 乂__,_,,,ノ;;;,,},,///////;:;:;:;:;:;: ; ;

762 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:30:30 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「ここが坑口か……」

(´・ω・`)「いかにもって感じですね」

(=゚д゚)「星野殿。案内をよろしく頼む」

( ’▽’)「はい」

( ´_ゝ`)「いよいよか……」

(´・ω・`)「まあ、例の場所まではそんなに緊張せずとも良いでしょう。プロの案内ですし」

(=゚д゚)「あまり緩みすぎるのもよくないがの」

( ´_ゝ`)「そん時は登良さんが締めてくれ」

(´・ω・`)「昆布締めでいいですか?」

( ´_ゝ`)「昆布締めでも酢締めでもねーしマスターでもないが」

(=゚д゚)「ふっ、良い塩梅にほぐれたようじゃな」

( ´_ゝ`)「たすかる。……さて、星野さん。頼むぜ」

( ’▽’)「じゃあ、早速入っていきますね」

763 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:31:03 ID:1.9LjSAM0
【A区画 坑道】
      ;;;;;;;,,;;;;;;;,/      ―.'.'.............,! 、 "    ノ   ,,-、  、 i,__ii,_i,-''゙i,   i_,、-ー''゛!、 ミ゙ィ.
   .ゞミ ノ"''ー-、,_i   ,/''-,i_,ii__,i !ニ 」, '、,,し‐''冖'''''"、..-"  .`'--' ニ=,-ー'゛(,  i゙  ゙i   ゙i l
   l /   /  ゙i  ノ"'ー-,=ニ 」, i゙\   .,,ノ゙' 、,,し‐''  `'ー..,_,゙i ゝ,  ″、.| _,..-.゙ー ゙i l ゙i
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   _,.ソ li|    ´ ノ     :!、   ,.!  i/  ;;;;;;;;;;;;;;;;; 〉 〈   /;;;;;;;;! |   〈  {.  ソ,  ゙!、 ,.l゙
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   |!  |  .l   j   7    ,ゝ   ,」 /.:  ―――― .::..\l  ,r'´    {.   ,r'.   j. ,.|
   |、.j   .ヽ   .}    `ヽ  l/..::.  ―.'――',―  :...:.: '=, |       !.    ゙i    ン'`l,
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764 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:31:37 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「うおー……こりゃ凄え」

(´・ω・`)「下に線路通ってて、いかにも鉱山って感じですね」

(=゚д゚)「ふむ……現時点では魔術的にも変わったところはないのう」

( ’▽’)「ここらへんは概ね安全なので、サクサク行きましょう」

( ´_ゝ`)「最初の関門が数百メートル先だったか」

( ’▽’)「です。あそこは素人にはなかなか……まあ皆さんの身体能力なら大丈夫だと思いますけど」

(´・ω・`)「うっかり壊さないかだけ心配ですね……」

( ´_ゝ`)「それだけは勘弁」

(=゚д゚)「安全策を取るなら、先に拡張するべきじゃろうな」

( ´_ゝ`)「無理矢理通ろうとして支えを破壊しちまったら最悪だからな……」



 ―――。

765 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:32:11 ID:1.9LjSAM0
【A区画 坑道 崩落地点】
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   .ゞミ ノ"''ー-、,_i   ,/''-,i_,ii__,i !ニ 」, '、,,し‐''冖'''''"、..-"  .`'--' ニ=,-ー'゛(,  i゙  ゙i   ゙i l
   l /   /  ゙i  ノ"'ー-,=ニ 」, i゙\   .,,ノ゙' 、,,し‐''  `'ー..,_,゙i ゝ,  ″、.| _,..-.゙ー ゙i l ゙i
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766 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:32:44 ID:1.9LjSAM0

(;´_ゝ`)「うわっ、こりゃあ……!」

(=゚д゚)「殆ど天井まで土砂で埋まっておるの」

( ´_ゝ`)「えっ、星野さん普通にここ通ってんの?」

( ’▽’)「そうですね、ちょっとキツいポイントではありますけど」

( ´_ゝ`)「言葉が出んな……」

(´・ω・`)「あー……念のため、ちょっと拡げて貰った方が良いかもしれません」

( ´_ゝ`)「そうしよう。マスターの体格には厳しそうだし、うっかりで天井崩されたらたまらんからな」

( ’▽’)「くれぐれも慎重にお願いしますよ?」

( ´_ゝ`)「無論」

(=゚д゚)「ワシも手伝った方が良いかの?」

( ´_ゝ`)「いや、俺一人でやる」

(´・ω・`)「下手に複数人でやるよりその方がよさそうですね」

( ’▽’)「拡げ方指示するのでその通りにお願いします」



 ―――。

767 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:33:17 ID:1.9LjSAM0
【A区画 坑道 崩落地点】
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768 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:33:52 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「こんなもんか?」

(=゚д゚)「うむ、十分じゃろう」

(´・ω・`)「ありがとうございます」

( ’▽’)「いやー早いですね、それに指示した通りの正確さ。流石です」

( ´_ゝ`)「感心してないで進むぞ。まだまだ序の口だろ?」

( ’▽’)「あ、はい。そうですね、行きましょう」



 ―――。

769 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:34:26 ID:1.9LjSAM0
【A区画 坑道】
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...   :::;;;/''''--;;;,,,,,;;;;-''";;;;;;;;ヽ    ......:::::;;;;;;;;i'''--;;,,,,;/_,, ー-、    ゙̄"    ゙̄"   .´   `
...  :::;;;;;;l  ....:::;;;;;;〉--''''""''''--、,,.........::::::;;;;;;;;/...:::;;;;;;/      `    .‐―ー.  .‐―ー.   ^''
....  :::;;;;i  ...:::;;;;;;/   ......:::::::;;;;;;ヽ_,,,;;;--;;,,,i.::::::;;;;;;;〉    .^''
.....  ::::;;〉 ....:::;;;;;;;i      ...:::;;;;;/ ....::::;;;;;;〉::;;;;-‐                ,,,,,..-― .,,,,,..-― .
.  :::;;;;/ .....:::::;;;;;/     .....::::;;;;;;i.....::::::;;;;;;/""    ..,,,,,..-― .     .´     .´
... :::;;;;〉""'''''--;;;,,     .....:::::;;;;;;;〉::;;;;;;-""     _,, ー-、    ゙̄-丶    丶       _
..::::;;;;;/  .....::::;;;;;;;ヽ,, ........:::::::;;;;;;;;/"""‐                 , ーゞ  ,..-.ーゞ  ,.-/三/
''''--;;,,,   ......::::;;;;;;;〉--''''"'''-、''"                .、    . _,  .       |        ̄/
... :::;;;;ヽ  .....::::;;;;;/   ....::::;;;〉      _,, ー-、.. _,, ー-、    ゙̄"   .´   __ /  /
....  ::;;;l ...:::;;;;;;;;;;;i  .....::‐             `    .‐...`    .‐―ー   ./三ミ/  /三
...  ::;;;〉....:::;;;;;;;;〉"........:::;;;;;;;;i"         、.^''       ^''               ̄/  / ̄ ̄
... :::;;;;;l;'''-;;,,,;;--;;;,,__;;--"" _,, ー-、    ゙̄"   .´    ´゛      ´..___/  /__
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‐                  _,, ー-、    ゙̄"   .´     ____/  /_______
           、    . _,  . . `    .‐―ー    ./三 ./  /三三三三三三三三
  _,, ー-、    ゙̄"   .´.    ^''               ̄/  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      `    .‐―ー             ´..___/  /_________
.    ^''.           ,,,,,..-― .     .´./三三/  / 三三三三三三三三三三
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770 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:34:59 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「いやーヤバいなこれ。たかが数キロがこんなに遠いとは」

(=゚д゚)「確かに、距離感覚が地上とは全く違うのう」

( ´_ゝ`)「支えの木が散乱しまくってるのがほんとホラーだわ。さっきなんて木片が山になってたし」

( ’▽’)「支保杭ですね。崩落を防ぐためのものなので、崩れてると割と黄色信号ではあります」

( ´_ゝ`)「ちなみに赤信号は?」

( ’▽’)「支保杭が大きく歪んでるのは特にヤバいです、現在進行形で崩落してる状態ですからね。
      あとは露出してる岩の状態とかでの判断になりますけど、この坑道は特に崩れやすいところは金属板で覆ったりしてるので、
      赤信号レベルはつい先程の二ヶ所目の崩落くらいです」

( ´_ゝ`)「なるほどな。……って普通に赤信号渡ってるんだが?」

(´・ω・`)「確かにあそこ、金属板で覆われてましたね。突き破って崩落してましたが」

( ’▽’)「あそこ、帰れるかは毎回不安になります。通り抜けてる間の崩落は確率的に低いですけど、
      通り過ぎた後の崩落は滞在時間の関係上確率跳ね上がるので」

( ´_ゝ`)「いや酔狂だなほんと。すげーわ」

(´・ω・`)「流石に同意します」

(=゚д゚)「ワシは少々親近感を覚えるな。ワシらの修業とはある意味そういうもんじゃからな」

( ´_ゝ`)「修験道もヤベえ……」



 ―――。

771 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:35:33 ID:1.9LjSAM0
【A区画 坑道 崩落地点】
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772 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:36:07 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「既に3時間近いが未だ一本道、そしてまた崩落」

(=゚д゚)「なかなか良い精神修行になりそうじゃ」

( ´_ゝ`)「まだ心折れるほどじゃないが、かなりしんどいな……」

( ’▽’)「一本道最後の関門です。ここは拡張しなくても大丈夫そうですね」

(´・ω・`)「ええ、通れると思います」

( ´_ゝ`)「くれぐれも慎重に頼むぞ。絶対だぞ」

(´・ω・`)「わかってます」

(=゚д゚)「体が大きいというのも難儀じゃな」

( ’▽’)「細身だとこういう時に得なんですよねぇ」

( ´_ゝ`)「いや、普通はこんな状況ないけどな……」



 ―――。

773 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:36:40 ID:1.9LjSAM0
【A区画 坑道】
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774 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:37:15 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「むっ、何かでかい構造物が見えて来たぞ」

( ’▽’)「ホッパーですね。上から落とした鉱石を鉱車に積み込むための機械です」

( ´_ゝ`)「ほう、これがそうなのか。現地で見ると雰囲気違うな」

(´・ω・`)「……用途的にちょっと危なそうですね」

( ’▽’)「はい、廃坑では壊れている場合が多いです。これは直近大丈夫そうですが、崩壊しているものや寸前のものが多い」

( ´_ゝ`)「うへー、なるべく遠くを歩いた方が良いな」

(´・ω・`)「皆さんなるべく僕の近くにいてくださいね、何とかするので」

( ‘∀‘)「……何なら普段より安心感ありますね。不意の崩落なんてどうにもならないですから」

( ´_ゝ`)「そりゃそうだ。何とかなる方がおかしい」

(=゚д゚)「とはいえ岩盤ごと落ちてくるようなレベルじゃと流石にどうかの」

(´・ω・`)「パッと見無理そうなら皆さん抱えて退避しますよ」

( ´_ゝ`)「とても頼もしい」

( ’▽’)「ですねぇ」



 ―――。

775 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:38:13 ID:1.9LjSAM0
【B区画 坑道】
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776 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:38:47 ID:1.9LjSAM0

(=゚д゚)「むっ、分岐か」

( ’▽’)「ここから分岐が沢山あります。迷ったらまず出られないので、皆さんくれぐれもはぐれないように」

( ´_ゝ`)「こえー……」

(´・ω・`)「逸れなければ良い話です」

(=゚д゚)「最悪逸れても、まあ何とかなるじゃろう」

( ´_ゝ`)「二人とも流石だな。そこまで怖いもの知らずにはなれねーわ俺……」

( ’▽’)「油断はしないでください。突然足元が崩れて幾トンもの岩石とともに数百メートル真っ逆さま、なんてこともありえますから」

(´・ω・`)「すみません、気を引き締めます」

(=゚д゚)「うむ、少々緩んでおったかもしれん」

( ´_ゝ`)「頼むぜ。更には急な襲撃だってありえるんだからな」

(´・ω・`)「そうですね」

(=゚д゚)「そこに対しては気を張っておるが、今のところ変わった様子はないの」

( ´_ゝ`)「なによりだ。引き続き頼む」



 ―――。

777 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:39:20 ID:1.9LjSAM0
【B区画 坑道】
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       f__ノj   ー=≦      }     \:::::
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     / /-ニニlニ===--: : : : : :  ̄ ‐┐{_ ...::::j
     i r<ニニニニlニニニニ===--: : : ://li    ̄
   /| | . .  ̄ -=ニニニニニニニニ/ . :l  li
  _ : :| | : : : : : . . .  ̄ -=ニニ//l: :ll  li
  二 | |: : : : : : : : : : : : . . . ̄ | l  l: :ll  li
   ̄ | |: : : : : : : : : : : : : : : : : | l  l: :ll  li
  : : : ‐ -=ニ:_: : : : : : : : : : : : :| l  l: :ll  li    _
  ニ=- _7´ `ヾー=ニ _: : : : : :| l  l: :l|/. _ /: :>
    -= { O ノ .. _ 7 ¬=ニ l  |/ニニニ=- .
      ゝ ー彡=ニニニ{  O  } ‐ ´ / ̄: .-=二
      l{: :r:^: :/  ̄:乂_ ノ二=- ´: _: :/: : : :
       ̄ーl{ : : i/      ̄  -=ニニニ=- .∠
   ....::;        ̄        r'^: : /  ̄> -=ニニ
    ̄                 <{: : r:^ /    ̄
      __              ー一
     f´rク}    r ─:.、        r冖::;、
      ´     〈  .::j「         ¨¨´

778 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:39:54 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「いやマジで分岐だらけだな。あの地点からツリー状に広がってるのか?」

( ’▽’)「今までの調査でわかってる限り、そうです。大多数は途中で閉塞してますけどね」

(´・ω・`)「数少ない閉塞していない分岐を進んでいくわけですね」

( ´_ゝ`)「む、これは……トロッコか」

( ’▽’)「グランビー鉱車ですね。動力のない荷台で、当時はバッテリーロコに牽引されていたものです」

(´・ω・`)「随分と古いもののようだ。博物館みたいですね」

( ’▽’)「まさにそれが古い廃墟の魅力ですね。そういった古いものが博物館と違い、当時のままに留め置かれている」

( ´_ゝ`)「なるほどな。確かにロマンは感じる」

( ’▽’)「ここの廃坑はそういった遺構は密度薄めなんですけど、なにしろ広いから見どころは沢山あります」

( ´_ゝ`)「観光ツアーのつもりはなかったんだが、ガイドが優秀すぎるな」

(´・ω・`)「確かに、かつての光景に想いを馳せてしまいますね」

( ’▽’)「気に入ったなら今度お誘いしますけど」

( ´_ゝ`)「それは遠慮しとく」

(´・ω・`)「……考えておきます」



 ―――。

779 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:40:28 ID:1.9LjSAM0
【B区画 坑道】
│ .l  'i   |  !│ .l  'i   |  !   ′ i' .|   .!  j  ,  .,i'1  .|  l .|  ! ; i′ i' .|   .!  j  , /  /
.l゙ .i,!  .!  .|.l'  .l゙ .i,!  .!  .|.l'   、   .l   、 |  l  .|   l !   l   !  l  l   .l   、 |  l  .| l  /
.! l}  .!  | !  .! l}  .!  | !   l ...|   | .!   !  ! .  !|  .l゙   !  .「  l゙, ...|   | .!   !  ! ."  !
  |,!     |   /|,!     |   / l  .〉  | .| 「 .!,," .iト    |.ll  !   .,!    ."l  .〉  | .| 「 .!,," .iト
  ″  .,     ,! ″  .,     ,! .]/│ .|  ゙  l ,! .l l   !."! l .!  ,!  !  |,/│ .|  ゙  l ,! .l l  i
 ri    |     ″ri    | |  !   ′ i' :!   ",! .l ."  ,ゝ|!  ゙ .; .!.、 l   │ l゙  ,!:!   ",! .l ." .!
 .l! l.  .l, .,!  、 .r、、   .|.l'   、   .l   γ~’” ̄\/ .!  ., .} |│ l   l゙ l  ".!  l .、.!  !、 .l !
 .|  .l  ,! .l゙.! .,!  !  .゙l、  | !   l ...|   /      ヽ.!、 !  .!  | .! .l .!    │    l .| !.ゝ .!l゙.,.〉 ′
. i ′│  ! ."" .,! .!   .ヽ、 |   / l  .〉  ,,l}        l . l }  !  .ゝ,!    ! /   .! ! !  .ネ !   |
 !  !  !  ` ヽ ~|  .  | 、  ,! .]/│ /          l  ! ! l.゙   )、   .! .|.  1l゙  !  .,リ  j !
 ! ! |  ゛    .゙l. 」 .|  .l;;i.l、  ″ '|l゙  ,!:          /゙l ネ .;;.! i   .}i、  .! .,!|  ,!  l │l  .| !
.'i. .".!'、   │ .|゙!|  |  .!  `-.     ill         │.l  l、 |.| .l   .l!l i   !1 /  、  !  !, l゙‐ !
 l,  .l l 、  |  ! . l l., 、  l   ミ'-.  j          ] |   ヽ ./l   .ヽ|.l   !; .!  .|  !   | │
  .!  " ゙'│ "  ! .| ."l  !  l 、 | 、 \          l.!.! ! 、 .゙t、′    .! .!  .!"| .|; " ! 、  !  |i
  .!    |.l     |  .!、 .! .! .| .ゝ ! .l .l 、 ヽ       l.,.l′.l .! .; ゙゙゙.l、`'ー..__   !  !.゙"   " .l.i   ,!|
 │  i ゛|  !  .|_  .!ヽ゛ ‘ .|.! │ ` 〉 .!  !三三三三三 l │.1 .".! .|  .l i  | ,ヽ、 !    :! .、  ".l  ./ l 、
  .! .,  .!    |.!   l  l.゙li_._,, --,,,,゙,,.... -――┘三三三三三 ゙'''''"´゙'''―‐'''''ー|. !.、,!.l .、ヽ.|    ! .l     │. ′
l │.! .、  .l゙,! _,.__,.l._./   = ─二 ─ニ─―― ──二  = ─二二  !'゙‐'... l  &..,,,_、 .|   i  .!│
゛  .゛ ...l,, -¬" __  -   ニ     ――  __ ─二 ̄ ̄  __    ―   ̄ ̄`'-、l、 |  ゛ |

780 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:41:01 ID:1.9LjSAM0

( ’▽’)9m「あっちの横穴はホールに繋がってます」

(´・ω・`)「どれ……うわ、これは凄い」

( ´_ゝ`)「でかいな。ここ降りてくのか?」

( ’▽’)「まさか。下はそんなに高さないように見えますが、落ちて来た土砂で塞がってるだけですからね」

(´・ω・`)「うっかり降り立つと奈落の底まで、ってなりかねないわけですか」

( ´_ゝ`)「こわー。よく見りゃ下の方に横穴見当たらないし……奈落の底まで行かずとも普通は帰ってこれないな」

( ’▽’)「皆さんなら案外大丈夫かもしれませんけど、どのみちルートではないのでスルーです」

(´・ω・`)「なのに紹介したんですね。本格的に廃坑ツアーになってきてません?」

( ’▽’)「いやー、好きな眺めなのでつい紹介したくなっちゃったんですよね」

( ´_ゝ`)「まあ、多少なら気分転換になっていいけどな。こんな地中にいちゃ嫌でも気が滅入る」

(´・ω・`)「そうですね」

(=゚д゚)「視界も空気も悪いからのう」



 ―――。

781 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:41:35 ID:1.9LjSAM0
【B区画 竪坑】
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : _,,,.. -ー: : : :ト、: : : 、: : :.{: : : : :‐-、 : : : :Y: : : :ヽ;_;ノ: :: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :-、: : :/:Y: : : : : : : :ヽ: : : \;_;_;_;_;/\: : : : : : : :/-‐ ''" \: :^'〜 ..,,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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: : : : : : : : : : : : : ,,/″/ : : `ー--' \;_;_;_;ノ: : : : |: : \;_;_;_;_;/\: : : : : : : : |: : : ‐-: : :∠フ\: :-‐ :/  `ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : :ヽ;_;ノ: : : : : :/l: :;/ ー'''"三三三三`ー-┴― '"三三三`ー--‐, '三 \;_;_;_;ノ´三三 ヽ;_;ノ: : : : : :`ヽ、: : : : : : : : : : : : :
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782 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:42:09 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「うわ、竪穴」

( ’▽’)「これは鉱石を下に落とすための竪坑ですね。かなり下層まで続いてます」

( ’▽’)っ◇



 カツッ...ガッ!...カツーン...コッ............ドン



(;´_ゝ`)「ヒュウ」

(´・ω・`)「100m以上ありそうですね」

( ’▽’)「ここはわかりやすいのでいいですけど、わかりにくいところもあるので気を付けましょう」

( ´_ゝ`)「警告よろしく」

( ’▽’)「もちろんです」

(=゚д゚)「何事も専門家がいるもんじゃの」

(´・ω・`)「ですね」



 ―――。

783 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:42:43 ID:1.9LjSAM0
【B区画 斜坑】
               ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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           ;;;,,;;;;;;;,―.'.'―-',',― ;;;;,,;;;;;;;,,
          ;;;;;,,;;;;;;;,―.'.'――',',― ;;;;;;,,;;;;;;;,,
          ;;;;;;,,;;;;;;;,―.'.'――-',',― ;;;;;;,,;;;;;;;,,
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         ;,,;;;;;;;, ―.'.'―――-',',― ;;;;;;,,;;;;;;;,,
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         ;;;;;;,,,,,;;;;;;;,―.'―――――',―  ;;;;;;;,,,,,;;;;;;;,,
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     ;.;;;;;;,,;;;;;;;,,  .―.'.―'―――――',',―.    ;;;;;;;,,;;;;;;;,,         ;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,
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784 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:43:17 ID:1.9LjSAM0

(;´_ゝ`)「こ、今度は上下か……」

(´・ω・`)「ガイドがいないと絶対迷いますねこれ」

(=゚д゚)「ううむ、想像していた以上に広大じゃ」

( ’▽’)「今回は上層レベルに用はないので下層に向かいますが、上も色々見どころはあります」

( ´_ゝ`)「ほんと酔狂だなあ、改めて」

(´・ω・`)「ん……?」

(=゚д゚)「どうかしたかの?」

(´・ω・`)「何か……少し違和感が」

( ´_ゝ`)「えっ?」

(=゚д゚)「やはりそうか? 気のせいかと思っておったが」

(´・ω・`)「はい。下層の方から何か……嫌な感じがしますね」

(=゚д゚)「うむ。元からあった違和感が少し強くなった……気がする」

( ´_ゝ`)「それは……やはり繋がってるのか」

(=゚д゚)「可能性は高いのう。ここから先はより気を引き締めて行く必要がありそうじゃ」



 ―――。

785 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:43:51 ID:1.9LjSAM0
【C区画 坑道】
      ;;;;;;;,,;;;;;;;,/      ―.'.'.............,! 、 "    ノ   ,,-、  、 i,__ii,_i,-''゙i,   i_,、-ー''゛!、 ミ゙ィ.
   .ゞミ ノ"''ー-、,_i   ,/''-,i_,ii__,i !ニ 」, '、,,し‐''冖'''''"、..-"  .`'--' ニ=,-ー'゛(,  i゙  ゙i   ゙i l
   l /   /  ゙i  ノ"'ー-,=ニ 」, i゙\   .,,ノ゙' 、,,し‐''  `'ー..,_,゙i ゝ,  ″、.| _,..-.゙ー ゙i l ゙i
   / l / ー゙.-..,_ レ″  ,ゝ i゙\   .`i.、"゛^'‐'''"´__,、_l」..:イ;;;;   7´   〈  j l   (, | ]. !;,
  ,;! .] | ノ   l j  〉   `7   、   ,.ゝ ヾ;;;;;;;;;;;-ヘ   7  7;;;;;;; ,.!:     (, `    |il ソ.,_
   _,.ソ li|    ´ ノ     :!、   ,.!  i/  ;;;;;;;;;;;;;;;;; 〉 〈   /;;;;;;;;! |   〈  {.  ソ,  ゙!、 ,.l゙
   ゙l、 ノ゙  ,ソ  .}  〉   | !  i| j }   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;  !  〉 l.、;;;;;;;j |    ゝ, ゝ    `゛ 、. "゛
  "゛ .、 "´    ゝ ,ゝ    | j`'i   〉   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;-.L_/   ,!;;;;;;i'´    」  \    ,.. j  {
   }  j .、   /  」    `'i   〉   ;;;;;;;;;,,,,,,ニ .,.  ゙i 」 i   \        !,  {  ゛'  .
  .  '"  }  ,!        /   i 」 /,,;;;;..,, 二二    :.゙i 」,   ゝ,    7   j   l.  |  !|
   |!  |  .l   j   7    ,ゝ   ,」 /.:  ―――― .::..\l  ,r'´    {.   ,r'.   j. ,.|
   |、.j   .ヽ   .}    `ヽ  l/..::.  ―.'――',―  :...:.: '=, |       !.    ゙i    ン'`l,
   ,l`'く    /    .!       | ,=' :.:...: ―.'.'――-',',―:.:.......:.:.:;;゙ィ_゙i:    (,,    (,  {.
     .}  ノ    ,ノ    :/_ゞ;;:.:.:.......:.:―.'.'――――',',.:::::::::.:...::::::::::::'-,_., 、.,     ,.ー'゙   ,.''
  ''、  ゙'ー、    ,.、 ,._,-'::::::::::::...:.:::::::::..'.'―――――..',',― ................:::::::゛ゝ ゛;.   i''´  / 、
  、 \  `''i   .;" ゝ":::::::................   ――――――=.',',―..  ......:,,. . ,,,::::::::::゛''-,,_  ,r'  ,.
 、 ヽ  _,,-''"::::::::::,,, . .,,:......     ―――――――.............、,r'.!.゛ ⌒゛' ゙i...:::::::::::::゛''!  !.

786 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:44:24 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「かなり下ってきたな」

( ’▽’)「現在行ける中では一番下のレベルです」

       |!l i;|;!.il| !l
  ザ ザ ァl!|゚;l i;i !l i;|!;
      i ;|;!ァ l|;ァ !l i;
     ' ; !i !l i;|゚!; l!;l ァ ァ
     ! ; |!l i;|;!.il | !l    ッ
      . !l!|;li;i !l i; |!;
      ゚。.i l| !l゚;l i|i;
     ゚.': l|!i !l i;|゚!; l!;l  。
   ゚ :  ; |!l i;|;!.il | !l 。'
      i . !l!|;li;i !l i; |!;i;
    :.  l゚。.i l| !l゚;l i|i;i l|
      li;il i;|;;i !l !.il l;i。!l
     <"::'〉;;「:::/::ヾ:,〉:〉

(´・ω・`)「ところどころ水が流れてたりしますね」

( ’▽’)「管理されてない鉱山では地下水が流れ出して下層が水没しがちなんですよね」

( ´_ゝ`)「水没か……流石に水没してるところは通らないよな?」

( ’▽’)「完全水没区画は通らないですね、ここの坑道だとボートとか持ってこれないので」

( ´_ゝ`)「半端に水没してるとこは通るから全員ウェーダー装備なわけね……」



 ―――。

787 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:44:57 ID:1.9LjSAM0
【C区画 シュリンケージ】
: : :}__ト、.\.:}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{:./.、イ__{: : :
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厂{ : イ ̄\.:\lニニニニニニl./ ̄イ : }厂
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788 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:45:34 ID:1.9LjSAM0

(;´_ゝ`)「うおっ、なんだこれ。天井が見えん……」

( ’▽’)「シュリンケージですね。鉱脈に沿って縦に掘り抜く工法です」

(´・ω・`)「噛まされてる木は何か意味が?」

( ’▽’)「岩盤が閉じないように噛まされている、らしいですけど効果があるのかはよくわかりません。
      どこの鉱山でもやられているので効果があるんだとは思いますけど」

( ´_ゝ`)「あまりにも頼りなく見えるがなぁ……わからんもんだ」

(=゚д゚)「見た目ほど頼りなくはないじゃろう。木を縦に潰すは至難ゆえ」

( ´_ゝ`)「そう言われるとそうなのかもな」

(´・ω・`)「もっとも、今は最早朽ち果てて役目を果たしそうにないですが」

( ’▽’)「ですねぇ。そうは言っても何があるかわかりません、極力触れないようにお願いします」

( ´_ゝ`)「それは了解」

(=゚д゚)「何事もないのが一番じゃからな」



 ―――。

789 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:46:09 ID:1.9LjSAM0
【C区画 地底湖】
////////| /////// /// /三三三三三.`ヾ//////// ./////>-<三三三弍///////,.イ////三
////////| ////// ///.:/.三三三三三三 ::∨/////| ////     `ヾ三三三Y////Y/////:|三
////////! ////∧./∧/ ´ ̄`ヾ:.:.// ̄ ̄ヾ:i/////! !//∧        `ヾ:三.弍////|/////∧三
//////// .////| ∨        `Y:!:      ∨//./ ヾ/                  `ヾ:!,'∨/////!
/////// ./////!           `        `ヾ'’                     ´  ∨////!
////// ,//////                                           ∨///
////∧//////                                             ∨/
////. `ヾ///=― - 、__ ___         _    _____   ___    ヾ
´`´. : : : : :.`´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
 ̄ ̄  ̄ ̄ 三二ニ≡= ―― - . - .、 : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
 ̄ __ ――  二  三三  二ニ二ニ≡x、_: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
_   ― ―  ̄  _   ―  _  ―    `ニ:x、: . : . : .,,-==-、: . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
__    ―   ―   __    ― _  三 ニ弍.x . : '、_ノ `Y人_: ,,<三 三 `ヾ: . : . : .
    __  ―   _     __ -   __  三 >x、 `゙´ _,,≦ `ー 、.x< :ヾj!: . : . : .
_  ―    __     ―       _    __  ー  `ヾ: . : .`ー>=<,ノ`丈_人: . : : .
     _      ー    ――  _   ―     __   `: .、: . : .``ー=―ヾ`ー'’: . : :
- _    __    ___   ―    __  _     ―   `ヾ: . : . : . : . : . : . : . : : :

790 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:46:42 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「こりゃすげぇ……! 地底湖か」

(´・ω・`)「滅茶苦茶でかいですね……まるでラピュタだ」

( ’▽’)「水が青く澄んでて綺麗ですよね」

( ´_ゝ`)「パッと見で超深いから、落ちたらろくなことにならなそうだがな」

( ’▽’)「まあ、死にますねぇ」

(´・ω・`)「流石に装備着けたまま泳げるのは僕くらいでしょうしね」

(=゚д゚)「対処のしようはあるが、そのまま泳げはせんなあ」

( ´_ゝ`)「パニックにならなきゃパージでどうにか」

( ’▽’)「改めて人間辞めてますねぇ皆さん」

( ´_ゝ`)「いや、俺のは至極真っ当な対処法だろう?」

( ’▽’)「ウェーダー装備じゃパニック不可避ですよ、生存ありえないとまでは言いませんけど」

( ´_ゝ`)「そう言われりゃ、普通とはちょっと違うけどな」

(´・ω・`)「生存率9割と1割ってとこでしょう、ちょっとではないですね」

(=゚д゚)「謙遜が過ぎるのも考えものじゃぞ、探偵殿」

791 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:47:15 ID:1.9LjSAM0

( ’▽’)「この先半水没区画を通るので、ここで少し休憩していきましょう」

( ´_ゝ`)「む……そうか、わかった」

(´・ω・`)「ちょうど眺めも良いですしね」

(=゚д゚)「……例の違和感がまた強くなっているのが気がかりじゃがな」

( ´_ゝ`)「そいつは……もう確定だな。絶対何か起こってるし、そこに近づいてる」

(´・ω・`)「でしょうね。確証は得られたので、一度引き返すという判断もなくはないかと」

( ´_ゝ`)「援軍のアテがあれば確実にそうするが。もう少し決定的な何かが必要……そうだろ、登良さん?」

(=゚д゚)「そうじゃな……特課の本隊を動かすには"違和感"では難しい」

(´・ω・`)「……不思議、ですよね。魔力ではないし……」

(=゚д゚)「魔力ではないのか、あるいは……"魔力だと認識できていない"のか」

( ´_ゝ`)「おい、そりゃあ……」

(=゚д゚)「無いとは言い切れん話じゃ。そこまで行くと神の権能の粋ではあるがの」

(´・ω・`)「その発想はなかったですね。そうか、そういう可能性も」

( ´_ゝ`)「……"混沌の何とか"。既に復活している……?」

792 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:47:48 ID:1.9LjSAM0

(=゚д゚)「それは違うじゃろうな。仮に現世に降臨しているとしても、自由に動ける状態ではなかろうて」

(´・ω・`)「同感です。無駄に勿体ぶる意味はありませんからね」

( ´_ゝ`)「と、すると……何らかの儀式により権能の一部を引き出している?」

(=゚д゚)「もしくは、封印が解けかけているような状態か、じゃな」

(´・ω・`)「後者の方が可能性は高そうだ。不特定多数の認識を操るほどの権能、生半な儀式では行使できないでしょう」

( ´_ゝ`)「……そうとも言い切れんな。なんなら先日九州で直面したぞ?」

(=゚д゚)「なんと……」

(´・ω・`)「ああ、そうでしたね……」

( ´_ゝ`)「とはいえ……今それを論じても仕方ないか」

(´・ω・`)「そうですね。憶測の粋を出ませんし」

( ´_ゝ`)「……腹ごしらえでもしておくか」

(=゚д゚)「賛成じゃ。空腹は能力を著しく下げる」

( ’▽’)「ここから難所ですから、丁度いいと思います」

( ´_ゝ`)「おし、んじゃお湯沸かすぞ」

793 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:48:21 ID:1.9LjSAM0
          ________        ⌒ ⌒
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     \,,_ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   _,/
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

794 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:48:55 ID:1.9LjSAM0

  ( ´_ゝ`) ズー (=゚д゚) ズー (’▽’ ) ズー (´・ω・`) ズー
  (っ. 川 .o   (っ 川.o    o川 u)    o 川⊂)
 ̄ ̄`ー―′ ̄ ̄`ー―′ ̄ `ー―′ ̄ ̄ `ー―′ ̄\



( ´_ゝ`)「「うめぇ……!」」(´・ω・`)

( ´_ゝ`)b「青く澄んだ地底湖を眺めながらのカップメン。最高」

d(´・ω・`)「やはり料理はシチュエーションも大切ですね」

(=゚д゚)「……別に否定はせんが、聊か舞い上がりすぎではないかの?」

( ´_ゝ`)「登良さんもカップメンとか食うんだな」

(=゚д゚)「殺生を厭うは逃げも同然。生物として当然の罪科を受け止められぬようでは悟りはない」

(´・ω・`)「ほう? ……どうも、仲良くなれそうな気がしてきました」

( ´_ゝ`)「宗教は嫌いだし宗教家はもっと嫌いなマスターが珍しい」

(´・ω・`)「個別の哲学にまで昇華されていればその限りではないですよ。そこまで行けば別物ですから」

( ´_ゝ`)「なるほどな。まあ俺も妄信は嫌いだ、なんとなくわかるぜ」

(=゚д゚)「お主らが嫌うは薄弱な精神じゃろうな。まさに強者の論理。無暗に肯定はできん話じゃて」

795 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:49:29 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「あー……自覚はある」

(´・ω・`)「……そうですね。なんか刺さりました」

(=゚д゚)「自覚しておるなら問題はなかろうがな。社会はそういった人々の営みにこそ支えられていること、努々忘れてはいかん」

( ´_ゝ`)「改めて肝に銘じる」

(´・ω・`)「……最近はどうも、奢りがちで困ります」

(=゚д゚)「お主ほどの力を持つ者としては、十分に謙虚な範囲じゃな。じゃが――」

(´・ω・`)「お察しの通り、歯止めが効かないタイミングが増えていましてね……」

( ´_ゝ`)「むっ、それは」

(=゚д゚)「奢るなら、魔の誘惑に対してこそ傲慢さを通して欲しいものじゃ」

(´・ω・`)「では、ここいらで一品振舞いましょうか」

( ’▽’)「えっ??」

(´・ω・`)「自作の保存食をいくつか持ってきていましてね。組み合わせることで旨い雑炊になります」

( ´_ゝ`)「おっ、そいつはいいな。腹八分目には少し足らんと思ってた」

(´・ω・`)「ふふ、二人前くらいを全員で分ければ丁度よさそうですね」

796 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:50:02 ID:1.9LjSAM0
                          >   ̄ ̄ ̄ ̄  <
                        /              \
                       〈〈   > ──── <   〉〉
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                 //ゝゞ``   (________ ><   ヽ  (从
                 // / )      (─从──人)ゝ、 >  ヽ  ∨  ノ
                 ∥ /   (       ソ  ソヽノ     `ヾノヽソ∧  ∨ (
                || |/ ̄\ヽ                     ヾ∨ |ノ / >
                || | ,,,从 \)                     〉|:. |/ /--─┐ ____
              =====|| |=(   `´                   _< |:. |ノゝ人---─´       〉
           l二二二二|| |二)ソへ∠)                丿|  |:. |    乂_ソ从      /
             ,∥ ̄ ̄|| |/≧> >(  /ゝ/\       へ ,∧  |  |:. | ヘヘ   ヘミミミ ̄ ̄

797 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:50:36 ID:1.9LjSAM0

(´・ω・`)「特製・味噌雑炊お待ち」

( ´_ゝ`)「めっちゃ良い臭いしてるな。どれ……」

( ’▽’)「うまっ!」

(=゚д゚)「ほーう、これはなかなか。味噌と魚の濃厚な旨味がたまらんの」

( ´_ゝ`)「うめー、まさか地下でこんなちゃんとした料理を食えるとは。魚はアジだよな? 野菜は……何だろこれ?」

(´・ω・`)「アジの干物と、芋がら縄です。米は干し飯」

( ’▽’)「芋がら縄というのは? 干し飯はなんとなくわかりますけど」

(´・ω・`)「里芋の弦を編んだものを味噌で煮詰めたものです。干し飯は文字通り炊いた米を干したもの。どちらも戦国時代の保存食ですね」

(=゚д゚)「芋がら縄や干し飯はワシも作っておるが、これほど旨いものは初めてじゃ。それに、戻るのが早い。いかなるカラクリじゃ?」

( ´_ゝ`)「登良さんは現代で普段使いか……イメージ通りではあるが。
      しっかし保存食とは思えん完成度の雑炊だ、普通に店で出せるぞ」

(´・ω・`)「シチュエーション補正ですよ。店で出すには香りがいまいち足りてませんね、食感と色味も含めもう一捻りしたいところ」

( ´_ゝ`)「ネギ、シソ、ニラ、ノリ、ショウガ……オーソドックスな薬味でも一段階上がりそうだな、確かに」

(´・ω・`)「です。ただ、どれがベストかは非常に迷うんですよねぇ……」

798 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:51:10 ID:1.9LjSAM0

(´・ω・`)「戻りが早かったカラクリは、アクを出し切るまでガッツリしばいているからですね。
      更に実も蓋もない種明かしをすれば、乾燥がまだ不十分だったのも大きいですが……」

(=゚д゚)「合点が行った。道理で柔らかい食感だったわけじゃ」

( ´_ゝ`)「本来はもっと食感強いのか」

(´・ω・`)「もっとシャクシャクした食感ですね。戻すのにも時間がかかるし、アクもしっかり出る」

( ’▽’)「へぇー」

(=゚д゚)「……ふむ、なるほど。お主は根っからの闘士と思っておったが。……本質は料理人、なのじゃな」

(´・ω・`)「いえ、バーのマスターですが」

( ´_ゝ`)「料理禁止でバーテンダーやるのと、酒類提供禁止で板前やるなら絶対後者取るだろ」

(´・ω・`)「なんですかその究極の選択。どちらも御免被ります」

(=゚д゚)「その心、努々忘れるでないぞ。その想いこそがお主という存在を現世に留める」

(´・ω・`)「ええ、この身が朽ちるまでバーのマスターをやりますよ」

( ´_ゝ`)「おい、聞こえるか? 聞こえたら返事をしてくれ」

( ’▽’)「えっ??」

(=゚д゚)「むっ……?」

799 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:51:44 ID:1.9LjSAM0

(;´_ゝ`)「なっ……!?」















  Case13「混沌の極点」
  Day3B「探検隊」

                          To be continued...

800名無しさん:2025/01/12(日) 00:17:18 ID:BoSEDyos0
乙!!

801名無しさん:2025/01/13(月) 19:37:07 ID:A8Aax7To0
乙!
このメンバーでも危ないってことは坑道って怖いんだな

802名無しさん:2025/01/19(日) 00:36:47 ID:7otD7IqE0
乙乙
地底湖でヒュンしたし芋がら縄で腰に巻いたり荷物縛るのに使うやつだ!ってワクワクした

803 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:37:04 ID:eK2LmuqE0
>>800
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>801
( ´_ゝ`)「はっきり言ってヤバい」

>>802
(´・ω・`)「ワクワクしちゃいますよね」

804 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:37:38 ID:eK2LmuqE0
Case13-Tips7 多少無理を通しても
                                                          >'≦≧ッ。
                                                       >'´     `'ヾ}iッ。
                                                    >'´           .ヾi}ヽ
                                                  /           _,,。-‐'''"´
                                          >;;;;\ ̄ ̄ ̄ ̄  〉彡ゞ‐'''""´
                                       >'´;;;;;;;;;;;;;;;;;i}┐>===ミ_i{/
                                    >'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ=ヽ{             __
                                 >'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>ヾ_>'´           >'´  \
                               >ニ≧s。;;;;;彡ゞ'´ ` ̄´          >'´       \
                             >ニ二>ニニヾシ'´            >≦ヾ。      >'´_ノ
                           >ニ二>ニニニゞ'´           、=ッ|\イii,イii、.ヾ。 >'´ >'´
                        >'´  ヾッ。二ゞ'´          i'つi |  |.\.\.ヽ ヽゞ'´>'´
                     .>'´       }iゞ'´           .| ..| |  |   \}i >'´
                  >'´        >´              |、 >''"´ヾム,  ´
                >'´        >'´            ノミi ノヾ>''"´_,,i}ィ'
             >'´        >'´              /  /イ )i´ゝイ''"´
          >二i}ッ、      >'´                / 、/ミ /
       >≦二}、ヾ}iニi、   .>'´                  `"´'''''´
    >≦二ゞ'´、{ムニマムニiゞ'´
  >≦二ゞ'´   弌弐}i'
イニニニゞ'´       Ⅷ}
.ヾiゞ'´

805 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:38:13 ID:eK2LmuqE0

( ゚∋゚)「銃のメンテっすか?」

( ‘∀‘)「おう。まっちゃんを信用してないわけじゃないけど、こればっかりは自分でしっかりやらないと」

('A`)「流石はプロですね」

( ゚∋゚)「道具の状態は生死に関わりますからね」

('A`)「考えてみれば道理です。俺もパソコンのチェックは念入りにしますもん」

( ‘∀‘)「ドッくんはパソコン使えるんだよな。いやー凄いぜ」

('A`)「えっ??」

( ‘∀‘)「あたしは全然わかんないからなー。兄貴が教えてくれようとしたこともあったけど匙投げたし」

('A`)(あの人が匙投げるのは相当だなぁ)

( ゚∋゚)「俺の中でパソコンと言えば累次先輩なんだけど。教えて貰ってたりする?」

('A`)「あー、前にとあるサーバー構築の時にちょっとだけ。バイト始めた時は入院されてたんで……」

( ゚∋゚)「あー……そうか」

( ‘∀‘)「早くよくなるといいけどな。まっちゃんも結構思い詰めてたみたいだし」

806 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:38:47 ID:eK2LmuqE0

( ゚∋゚)「そりゃそうっすよ。二人で三人みたいな感じだったっすからね」

('A`)「? 二人で一人の間違いじゃ?」

( ゚∋゚)「いや。一人でも一人前なんだけど、二人揃うと出来高1.5倍くらいになるんだよね」

( ‘∀‘)「あー、なんとなくわかる。まっちゃん弟君いないからショボクレてたもん」

( ゚∋゚)「できれば、幻滅はしないであげてほしいっす」

( ‘∀‘)「冗談。オバチャンむしろ惚れ直したわ」

( ゚∋゚)「えぇ……?」

( ‘∀‘)「そんな状況でも強がってみんなを引っ張ってく。ちょっとカッコよすぎない?」

('A`)「わかります」

( ゚∋゚)「……そうっすね」

( ‘∀‘)「だろ? ……本当にあたしなんかで良いのか、ってのは正直な心境だよ。まっちゃんカッコよすぎる」

('A`)「いや、御前さんほどカッコイイ女性もそうそういない気がしますけど」

( ‘∀‘)「……そうか?」

( ゚∋゚)「そうっすね。出会うタイミングとか色々違えば惚れてたかもしれないっす」

807 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:39:21 ID:eK2LmuqE0

( ‘∀‘)「「えっ?」」('A`)

( ゚∋゚)「あ、言っときますけど深い意味はないっすよ。俺は俺で婚約者いますし」

( ‘∀‘)「うぇっ? いやそれも初耳なんだけど」

( ゚∋゚)「言ってないっすからね」

('A`)「それじゃ独り身は――」

(;'A`)「あっ!?」

( ‘∀‘)「ん、どうした?」

(;'A`)9m「結界に反応ありました。方角はあっち、敵意なし」

( ゚∋゚)「ん……それは」

( ‘∀‘)r=≡=
     ジャキッ

(;'A`)「……覚えのある魔力です。これは――」



 ―――。

808 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:39:54 ID:eK2LmuqE0
【拠点】
.           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄} ̄\
        /           /      /   丶、
.      /           /       /       =- _
    /           /      /           =- _
.  /           /    _/ ___________=- ___
_,∠=-─‐┬‐───┬=ニ二  ̄ ̄| ̄{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|―――|二二ニ==―‐┐
| ___   | __    | r┬‐┐  |  |         | ̄ ̄  |//////|    |.     |
| |_((_|  | |_((_|   | |_ノノ__」   |  |       |      |//////|    |    |
|     │       |         |  |       |      |//////|    |    |
|      |       |        |  |       |     |//////|    |     |
|      |       |        |  |       |     |//////|    |     |
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  `’<__|__       |           |  |       \     |//////|    |____|
        `’<_|__       | l|           ヽ  |//////|    |
              `’<     | |      _  =- }__|      ̄ ̄ ̄
                 `’<__{__{_ =-   ̄

809 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:40:28 ID:eK2LmuqE0

( ‘∀‘)r=≡=

\(;´ー`)/\(;=゚ω゚)ノ

(;´ー`)「おいおい、マジかよ」

(;'A`)「刑事さん!」

( ‘∀‘)r=≡=「……本当に本物?」

(;'A`)「……刑事さん! 俺の好きな人、知ってますよね!?」

(;´ー`)「ン……ヌケド店員のクール系美人だよな? アルバイトのプロフェッショナルを自称している」

(;=゚ω゚)ノ「黒髪ロングの店員さんです!」

('A`)「あっ、本物です」

( ‘∀‘)スッ

( ‘∀‘)「警察?」

('A`)「です」

(;‘∀‘)「ふぅ〜……緊張した」

(;´ー`)「こっちの台詞だ」



 ―――。

810 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:41:02 ID:eK2LmuqE0
あれ、これ投稿済だな……なかったことに

811 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:41:36 ID:eK2LmuqE0
Case13-Tips8 世の中支え合い

(´・_ゝ・`)「……」

88 @-@)「おや、デミタスくんじゃないか」

(´・_ゝ・`)「小川さん。こんにちは」

(’T’)「ご無沙汰してます」

(´・_ゝ・`)「円谷さんも。ご無沙汰です」

(’T’)「いやー先日いらした吉野さん」

(´・_ゝ・`)「ん?」

(’T’)「大変勉強になりましたよ。流石探偵の師匠というだけあります」

(´・_ゝ・`)「ああ。ご本人は首を傾げてましたけどね」

88 @-@)「あれで満更でもない感じだったけどねぇ」

(’T’)「そうなんですか?」

88 @-@)「あたしはそう感じたよ」

(´・_ゝ・`)「小川さんが言うならそうなんだろうなぁ」

812 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:42:09 ID:eK2LmuqE0

88 @-@)「でもあの子、あんたのこと褒めてたよ。まるでお手本のようだって」

(’T’)「はは……教科書通りってことですよ。どうも応用が効かなくて」

(´・_ゝ・`)「千手烏賊では貴重ですよ。みんな教科書なんてビリビリに破いてきたような人達なんだから」

88 @-@)「それはそうだねぇ。ヤンチャ坊主ばっかりだから」

(’T’)「皆さんバイタリティが凄いですよ。とても真似できません」

(´・_ゝ・`)「わかります。だから僕は漁師をやめました」

88 @-@)「色んな人間がいるさ。いなきゃいけない。世の中支え合いだよ」

(’T’)「それはここに来てから強く感じます。それぞれ得意なことで支え合う、そんな理想が千手烏賊には根付いている」

(´・_ゝ・`)「それだけに元町長が裏切ったのは痛手でしたけどね。ちゃらんぽらんな僕なんかが担ぎ出されるくらいには」

88 @-@)「本当にちゃらんぽらんならそんなこと言いやしないよ」

(’T’)「ですね。盛岡さんは立派な次期町長ですよ」

(´・_ゝ・`)「えぇ……」

88 @-@)「助けてくれた探偵さんには何か恩返ししないとね」

(’T’)「ええ、本当に」

813 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:42:43 ID:eK2LmuqE0
Case13-Tips9 ほんとお??

(,,゚Д゚)「やった……! 遂に手に入れたぞ!」

(*゚ー゚)「扉を開く魔術! これで外に出れる!」

(,,゚Д゚)「ミラクルだぜぇ、これは……! あのCD-Rとやら凄すぎるだろう」

(*゚ー゚)「まさか一発成功するとは思わなかったよね」

(,,゚Д゚)「早速脱出の計画を練るぞ。……誰が行くかで喧嘩になりそうだが」

(*゚ー゚)「それはそう」

(,,゚Д゚)「まあ、あいつらを信じて力を貸した俺らを優先して貰う。あいつらがいなきゃ絶対手に入らなかったからな」

(*゚ー゚)「うまい演説を考えないとだね」

(,,゚Д゚)「……任せる」

(*゚ー゚)「任されたよ」

(,,゚Д゚)「うまい説得は思い浮かばないが、遅いか早いかでしかない。いずれ皆が出られる」

(*゚ー゚)「そうだね。そうなるように頑張らないと」

(,,゚Д゚)「なる! 絶対に皆で脱出できる!」

814 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:43:17 ID:eK2LmuqE0
Case13-Tips10 古傷



((lコ)) prrrrrr....



∬´_ゝ`)コ「私だ」

∬´_ゝ`)コ

∬´_ゝ`)コ「今、何と言った? ……答えろ、シーナ」

∬;´_ゝ`)コ「……なん、だと」



 ―――。

815 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:43:51 ID:eK2LmuqE0
【流石家】
:.:.:... )⌒ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : ``丶、
:.;:.;:.;:.:.   ⌒:、 : : : : : : : : : : : : : : : : : ``〜ー- ..,,_        __,.,.,、,、__           _、-'"~
:.;:.;:.;.... ..,:'^: : : )、: :从从....八ハ : :ハ: : : 从从 : : : 、、、>---‐'''"~´: : : : : : : : ``〜、、   ,、-'" : : : : : :
:.;:.;:.;:.;:.;'´..., '´.′: ヽ::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;V:;:;:...:::.:,:.:.:,:.,:,:,:,::.;:.;:.;/⌒:. ヽ : : : : 从: : : : >'´: : : ハ从、、.,
;';';';';';'ノ:.;ノ;';'/: : : _ノ⌒ヽ: : rzzzzzハ ̄ ̄'.zzzュ: : /:.;:.;:.;: : : .. ㍉: :从从;';';'乂从'^^、-ハ从ハ:;:;:;:;:;:;:;:;
;';';';'彡イィ彡:.;:.'´: :.::㍉:.:.}: :| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨´;';';'´.... : : : }. . 从;:;.;,.;.;.;.::::;.;.;.;.;.从:;:;:;:;:;:;::.:.:.:;:;:;;:;:;:;:;
i:{_从_ノL_从ノノ乂:.;:.;:.;:.:._ノ__|:_:_:_: : : : : : : :_:_:_:_:_〉;';';';':.;:.;: : : ,::; : :Y:.;:.;:.;:.;:;:;:;::;:;:;:;:;:;:;i:i:i:i:i:i:::::.;:.;:.;:.;:.;i:i:
``^⌒ヽ:.;:.;:.;``く;';';';';':∧___〉ニニニニア ̄i|i:i:|'⌒Y乂..,.,;';';':.;:.;ゾ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙"":":":":"⌒"⌒"
;';';';';';';';'乂:.;:.;:.;:.;:.;`ヽ、|i:|二二二|⊥⊥⊥|‐‐┴┘_从_Yif'^^´. . . . . . : : : : : ::_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_
⌒^^''ー-ミs。゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ミs。 `゙'ミ、;';';';';';';';'ヽ、============、``〜、、,、,、,、,、,、,、,、
ニ=-  ,、,、,、,、`二二二二二二二二二二二二   ``''ー- ..二ニ=---------'".,.,.,-=ニ二_""""""
,.xX彡'"""""""""""""""""""""""""""""""゙'ミx、  ミ彡'"""""""""'"""""""゙⌒''≧s。 `'〜
: : : : : : : . . . . . . . .       . . . ., ., .: .: : : : : : : `゙'ミミx `'ミミx、: : : : . . . ., ., : : : : : : :: :; :; :; `ミx、、
:゙:゙:゙: : : : : : :: :: :; :; : : . . . ., ., ., . . ., .: .; :; :; : : : :: :: :: :; :; :ミミx、、 ``'ミx、、:; :; :; ;; :: :: :: .. .. ., ,: ,: :; :; :; :;
;゙;";゙;゙:":゙: : : : : : : : :; :; :; :; :; .. ., . .  . . : : :: : :: :; :; :; :; :; :; :; ミミメ、  `ミミミx、、:; :; :; :; :; :; :; :: :: :: : : :
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:;゙゙:゙:;":゙:;":゙;゙:゙:;":゙:":;゙:;":゙::゙:":`:゙::゙:;゙:":;゙:゙:":":;":;゙:;゙:;゙:;":゙:゙:゙:;゙:;"゙:;゙":;゙":;゙:;゙:;";゙;";゙;゙;゙弌ミミwx、  :.``'ミミx、

816 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:44:25 ID:eK2LmuqE0

爪゚ー゚)「……痛み分け、ってことですかね」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「そうなるね。不覚にも脚をやられて、まんまと逃げられちまった」

爪゚ー゚)「とはいえ、山井さんの方はその……右半身を吹き飛ばした、でしたっけ? 到底生存不可能に思えますが」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「ありゃもうマトモな人間じゃないよ。別府の様子からして、復活可能と見て間違いないだろうね」

爪゚ー゚)「ふむ……」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「ヒグマとの戦いの古傷がこんな形で……鍛え方が足りなかったかn」
爪゚ー゚)「いやそれはないです」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「そうk」
爪゚ー゚)「そうです」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「随分食い気味にくるね」

817 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:44:59 ID:eK2LmuqE0

三∬;´_ゝ`)「母者!」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「なんだい、そんな大声を出して」

∬;´_ゝ`)「いや、そうは言うが」

爪゚ー゚)「気持ちはわかるけど落ち着こうか。この通りピンピンしてるよ」

∬´_ゝ`)「……そのようだ」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「ちょいと脚をやられただけさ。三日もあれば治る」

爪゚ー゚)「骨折は三日で治らないと思います」

∬´_ゝ`)「いや、母者なら治りかねん」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「冗談さ。まあ、三日もすれば杖はいらなくなりそうだけどね」

爪゚ー゚)「ほんとに人類ですか? 魔術とかじゃなくて自然治癒ですよね?」

∬´_ゝ`)「不思議なことに、れっきとした人間だ」

818 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:45:32 ID:eK2LmuqE0

三l从;・∀・ノ!リ人「母者!」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「なんだいあんたまで」

l从;・∀・ノ!リ人「……あれ?」

∬´_ゝ`)「わかるぞ妹よ。母者が大怪我などという一報を受ければな」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「骨の一本や二本で大怪我なんて、随分大げさだね」

爪゚ー゚)「えぇー……」

l从・∀・ノ!リ人「母者……元気そうでよかったのじゃー!」

爪゚ー゚)「そもそも入院していない時点で察するべきじゃ?」

∬´_ゝ`)「ふぅん。重態でも帰れるなら帰るぞ、母者だからな」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「帰れるならそりゃ帰るさ」

爪゚ー゚)「えぇー……」

819 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:46:05 ID:eK2LmuqE0

  彡⌒ミ
三(;´_ゝ`)「母さん!」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「……あんたもかい」

爪゚ー゚)「親子だなぁ……」

∬´_ゝ`)「父者、ときに落ち着け」

l从・∀・ノ!リ人「大丈夫なのじゃー!」

 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「あれ……?」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「ちょいと脚をやられただけさ。三日もあれば治る」

 彡⌒ミ
( ;_ゝ;)「よ、よかったぁ……!」

 彡⌒ミ
( ;´_ゝ`)「……ってまずい、仕事に戻らないと」

爪゚ー゚)「同じくですね……近場だったから寄りましたけど、事後処理手伝わないと」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「行っといで。あたしゃこの通りピンピンしてるからさ」

820 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:46:38 ID:eK2LmuqE0
本編は進捗10%くらい

821名無しさん:2025/02/01(土) 19:18:21 ID:/ysraJyU0
乙!!!

822名無しさん:2025/02/01(土) 22:12:43 ID:2hg8fJgI0
乙乙
母者の骨を折るほどの存在がいるとは…

823名無しさん:2025/02/03(月) 06:40:12 ID:qwdT.Isc0
乙!
母者の骨って重機使わなくても折れるんだな…

824名無しさん:2025/02/05(水) 21:11:48 ID:Fe7IVvR.0


825名無しさん:2025/02/08(土) 01:18:54 ID:xDh7BXRg0
乙乙
家族の慌てようがおんなじでワロタ
母者が病院送りになるなんて…

826名無しさん:2025/02/16(日) 10:36:47 ID:yQziTZyY0
おつ!
別府の補助ありで山井に勝ったんなら母者はもう教授クラスか…?

827名無しさん:2025/04/03(木) 22:53:35 ID:LbpboCM20
楽しみにしとるで

828名無しさん:2025/04/15(火) 14:09:26 ID:vq/1bWlg0
楽しみにしとるで

829 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:48:07 ID:fhWh2smE0
>>821,824
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>822
(´<_` )「んなバカな、ありえん。担がれたんじゃないか?」

>>823
 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「あんた、人を何だと思ってるんだい?」

>>825
l从・∀・ノ!リ人「病院行ってないのじゃー!」

>>826
<(' _'<人ノ「本当に勝つ気があったのか疑問です」

>>827,828
( ´_ゝ`)「なるほど、大事なことだな」

830 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:48:41 ID:fhWh2smE0
Case13-Tips11 K-UMA
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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  :  : : : : : .    . : : : : : : : : : : : : : : : :    . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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                                :  : : : . . . . .
                               ...:::::::::::::::::......................: : : :
::.._   _____ ........              ...  ......:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::| 立 |:::┌────┐:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
ミ、::::::::| 入 |:::::| 群馬県 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...............:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
。 `丶| 禁 |:::::|.gunmapref.|:::::::::::::::::::::::::::, --‐=≠≦≠±;ivl.:ヾ,、__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._,.
_ ゙  |_..止_|:::└┬──┬┘ミ≧王W´M_., :.., " :.., :.;,,, ;, ナ:: ;<;,,:.,,,: ̄千;,,<:._/
. :_   || || べy. |_^V/,_○<チ《 . 。  . ̄`^⌒^´`^゙¨ ̄` 《:,,+:.,,;:.|;,ミヾ;,\
 ., ^<iコトイ,、_,,_ |_r<__; |;/.V/M`   。 ` :.  ・  ゚ ¨ ..  >ヾ\ヽ\V/
,。__;:-L:;.,_~:.:_ ≫ - " ̄ . / 。 ` ’  _  ;,  ・   ”  ゞヾVゞヾ《ヾゝゞ
  -  ~  .  :  : `‘   '  _  ;,  ;.  ・  "  :. :イヾ\\Vゞヾ《巛\
;,   `  *   "   ゚   ;,   .    _     ;l  , チミ<へ׉\ハ}V
    `    :.  .   。   +    "   :;.  , <ヾへ`\巛ぐヘイゞ\ハ、
  ; :..  :.^  ;  `  ’ /    ゙゚  *  -  《ミ\ヾ\kへイんヾ<\ゞ、ヾ
。   `  *  .:  '  "  ゙  +* . ゚ ゙ 。 ^ ゞヾぐ巛ヾ\Wミマへ` <、 ヾ

831 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:49:16 ID:fhWh2smE0

( ’▽’)「おー、ここがあの有名な県境! 看板の朽ちた感じが雰囲気ありますねぇ」

( ▼土▼)「ですねぇ。霧が出てるからより一層ミステリアスで良い」

( ’▽’)「それはそうなんすけど、霧のせいで遺構巡りは難しそうですね」

( ▼土▼)「たぶん少し待てば晴れるんじゃないかなあ。飯でも食って待ってみません?」

( ’▽’)「そっすね、せっかくここまで来ましたし」

( ▼土▼)「霧が晴れるとなかなか絶景ですよ。日本ではなかなか見られない荒野に遺構の鉄塔が映えます」

( ’▽’)「いやー楽しみです!」

( ▼土▼)「さて、そうと決まれば飯の準備しますか」

( ’▽’)「来る途中これ買ってきたんですよね。マイタケの天ぷら!」

( ▼土▼)「おっ、いいですね。俺はいつものカレーメシです」

( ’▽’)「土井さんのカレーメシうまいっすからね」

( ▼土▼)「何十年もやってりゃ改良も進むってもんですから」

( ’▽’)「メシ一つ取っても流石レジェンドって感じです」

( ▼土▼)「いやそれはどうなんだ……?」



 ―――。

832 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:49:52 ID:fhWh2smE0
            ゝ : : .                            . : : )
              ): :        _............................._           :.{
             . : : .                           : : ノ
            :{  ,  ゛                         :(
            >ゝ . . ゛                       `  `: : 、
              :} . .          ....................             : :) 、
         //. : : : :7     ,...γ⌒ヽ:__:::::::〈__ ,)::__::::::::≧s 。    ..:ノ  \
         . : : : : : : : i(.ィiii.>.::::__::::::::(ヘ  Y^ヽ::ノ__.ィ>__:::::ヽヽ::::::>.。  :(   ヽ ヽ
        _7 /. : : : : : /.::_:::::>;;;;;;;;;ヽ:::ム __( ノ. . . . . .\zx_.〉「⌒ヽ:::>┐、     ,   ,
.     _7 ,′: : : ,.<:::::「⌒ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;》:::::::_、.゛. . . . . . . . .`ヽ::::\/;;Zzx::::::r ミ    ム  V
     _ .: : : : :.ィ:::____,,,,,,,ヽノ ニ==‐´::::::::〈 . . . . . . . . . . . . . . 〉::i{;;;;;;;;;;;;ノ::ノ_ィ:::ヘ      W
     ] [: : : /:「 . . . . . . . . }>-‐‐ /. . .`''''''. . く : ,,,,__. . . .ノ:::::::_>'^゚. . . . 寸::ム   }ヤ ,
      ] ヤ: :,'.:::i. . . . . . . . . .}〃 /. . . . . . . . . . . .Y´::::<__>::::Y. . . . . . . . . . . . マ:ム ,': }  [
       Ⅴ:::: |. . . . . . . . . h{_.ノ. . . . . . . . . . . . . }:::γ⌒ヽヽマ. . . . . . . . . . . . . }::::.,'. :,'  厂
     ∧  〈:YヘL. . . . . . . ノ::::j{ . . . . . . . . . . . . ノ:::::::丶`;;;ヘ::::乂. . . . . . . ,,,. . . .j::::::}:.7
     / ∧  、〈`ヽ::::¨¨/ ̄\ 、, . . . . . . . ィ゙:::::::::〈;;;;;;;;;;;;;;ル:::__:::`~~/;;;;;;`ヽ:::::::::jフ  .′
...    ./ ∧  寸ゝ_〉::::::\  __」:::::::≧=‐‐:::::::::_____::::::>‐. .´. . . .`ヽ:::ゝ;;;;;;;;ノ ┐:::シ / ,'
.      / ヤ。  ヽ:::::::::::::::::`´::::::ニ=‐…ミ::〃    }:::/. . . . . . . . . . ヽr ミz.::::::/ .イ./
         ]l \  \:::::>' ´. . . . . . . . .ヤ、_______ィ.ア. . . . . . . . . . . . . . }:::::}ィ ゛ / ,'
       ]liiト   <   <. . . . . . . . . . . .Vr⌒ヽ::rxゝ、. . . . . . . . . . . イ>`
        .]l: : \  、     ‐= _. . . . . .}::::`¨ヽヽ_ノ:::.> . . . _,ニ=‐ ¨      イ  √
         ]l: : : : 丶   _         ‐========‐        _  ‐   /:.√
          .]l\: : : : \    ‐  _       ___     _  ‐ ニ   .イ: : : .√
        .]l   <: : : : > .,    ~    ‐-------‐   ~     .ィ:i{: : : : : :.√

833 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:50:40 ID:fhWh2smE0

( ’▽’)「そういえば」

( ▼土▼)「ん?」

( ’▽’)「あの噂って本当なんすかね? K-UMA」

( ▼土▼)「ああ、例の」

( ’▽’)「顔に傷のある体長3メートル超の大熊、って話ですよね」

( ▼土▼)「遭難者が目撃したって都市伝説がありますね」

( ’▽’)「やっぱり、ただの都市伝説なんですかね……?」

( ▼土▼)「……実は、その話の元って知り合いだったり」

( ’▽’)「ほう……!」

( ▼土▼)「場所はご存じの通りここ、毛無峠。偶然ですが、その日も霧が濃かったらしいです」

( ’▽’)「そ、それで?」

( ▼土▼)「当時の彼は若かった。まあ行けるっしょの精神で先に進んだとか」

( ’▽’)「それ絶対遭難するやつじゃないですか」

( ▼土▼)「まあ実際そうなったわけです。しかも――」

834 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:51:14 ID:fhWh2smE0

( ’▽’)「しかも?」

( ▼土▼)「……本当に荒唐無稽な話だと思うんですが、ね。襲われたらしいんです」

(;’▽’)「えっ、例のK-UMAにですか!? でもそれだけなら別に荒唐無稽とは……?」

( ▼土▼)「いえ、それとはまた別の。……人狼のような、と当人は言っていましたが」

( ’▽’)「へっ?」

( ▼土▼)「そうなりますよね。俺もそうなりました」

( ’▽’)「えー、っと……なかなか脈絡ないですよね。人狼の都市伝説なんてあんまり聞かないですし」

( ▼土▼)「です。……いや、意外とそうでもないかもしれませんが」

( ’▽’)「ん? と言うと?」

( ▼土▼)「実は、他でも人狼の話はちらほら聞いたことはあるんですよ。脈絡がなさすぎて噂にもなっていない、そんな感じかもしれません」

( ’▽’)「あー、そういうこともあるかもですね。いずれにせよ信じ難いですけど」

( ▼土▼)「ですよね。直接聞いた俺も何かの動物だと思ってますし」

( ’▽’)「あ、なるほど。それはあるかもですね」

( ▼土▼)「ホラ話ではないと思うんですけどね。爪痕みたいなのも見せられましたから」

835 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:51:47 ID:fhWh2smE0

( ’▽’)「あれ、でもそれだとK-UMAはどこで出てくるんです?」

( ▼土▼)「その、人狼? に襲われて絶体絶命という場面で、一瞬黒い影が通り過ぎ――人狼の上半身が消えた、とか」

( ’▽’)「えっ」

( ▼土▼)「驚いて影が通り過ぎた方向を見ると、巨大な――3メートル以上ある大熊が仁王立ちしていたらしいです。
       いくらなんでもでかすぎるので、大きさは流石に見間違いだと思いますが……」

( ’▽’)「へぇー……! それがK-UMA」

( ▼土▼)「ですね。噂じゃ道を教えられたって話になってますけど、本人が言ってたのはこんな話です」

( ’▽’)「毛無峠のK-UMA、まさかそんな話だったとは」

( ▼土▼)「実際は大きめの猿か何かに襲われて、2メートルくらいの熊に助けられたって感じじゃないのかなと思ってます」

( ’▽’)「猿ですか? このへんいるんでしたっけ?」

( ▼土▼)「いなくはないですね」

( ’▽’)「じゃあ、猿なんですかね? 鹿や猪じゃ人狼と見間違えたりしなそうだし」

( ▼土▼)「だと思います。本人は否定してましたけど」

( ’▽’)「うーん、流石に人狼って言われてもなあ」

836 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:52:36 ID:fhWh2smE0

( ▼土▼)「まあ非常事態じゃ見間違いなんてよくあることですしね」

( ’▽’)「それもそうですね。とか言ってたら意外とそこらへんにいるかもしれないですけど」

( ▼土▼)「いやいや、流石にないでしょ」

( ’▽’)「わっかんないですよー?」

(;▼土▼)9m「あっ!?」

(’▽’;)「えっ?」

( ▼土▼)「なんちゃって」

(;’▽’)「ちょっと、脅かさないでくださいよ!」

( ▼土▼)「あれ、意外とマジで信じてる感じです?」

( ’▽’)「いや普通の熊でも普通に嫌ですからね?」

( ▼土▼)「それはそう」

( ’▽’)「霧が濃いとはいえ物陰は少ないですから、至近距離でバッタリってことはなさそうですけど」

( ▼土▼)「距離あっても嫌だなあ、熊は」

( ’▽’)「あはは、ほんとそうですよねー」

837 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:53:11 ID:fhWh2smE0

  〇    〇 ハハハ
  | ト    ノ|.|
  | ̄|   | ̄|





                 ___ ___
                ,ィf爪//////}ト//〉   γ⌒)
                /////////// ///\      ⌒)
         _。s≦/////           /ハ    、_ノ
   γ⌒ヽ  \///////          /ム
  γ    )   Υ/////       __//\
   乂_,       |////////>       // ̄≧s。_
     ゝ     ∠///> /{         /////////\
           Z/////         ///////////\
  (⌒       ///////////              '/////\
  乂、_ノ    ////////////                 //////\
          ////////                   ///////\
       /////////                      /////ハ
        ミ///////                            /////∧
        ミ//////                         /////∧
        ミ//////          ,                       /////∧
        ミ//////     ,ィf爪                   /////∧
       ミ//////     .///                      /////}
        ミ/////    ///                          /////}
        ミ///       |//                         ////}

838 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:56:43 ID:fhWh2smE0
前回のあらすじ
・支えの木が散乱しまくってるのがほんとホラーだわ。さっきなんて木片が山になってたし
・うむ。元からあった違和感が少し強くなった……気がする
・魔力ではないのか、あるいは……"魔力だと認識できていない"のか


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

839 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:57:18 ID:fhWh2smE0
Case13-Day3C
////////| /////// /// /三三三三三.`ヾ//////// ./////>-<三三三弍///////,.イ////三
////////| ////// ///.:/.三三三三三三 ::∨/////| ////     `ヾ三三三Y////Y/////:|三
////////! ////∧./∧/ ´ ̄`ヾ:.:.// ̄ ̄ヾ:i/////! !//∧        `ヾ:三.弍////|/////∧三
//////// .////| ∨        `Y:!:      ∨//./ ヾ/                  `ヾ:!,'∨/////!
/////// ./////!           `        `ヾ'’                     ´  ∨////!
////// ,//////                                           ∨///
////∧//////                                             ∨/
////. `ヾ///=― - 、__ ___         _    _____   ___    ヾ
´`´. : : : : :.`´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
 ̄ ̄  ̄ ̄ 三二ニ≡= ―― - . - .、 : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
 ̄ __ ――  二  三三  二ニ二ニ≡x、_: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
_   ― ―  ̄  _   ―  _  ―    `ニ:x、: . : . : .,,-==-、: . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
__    ―   ―   __    ― _  三 ニ弍.x . : '、_ノ `Y人_: ,,<三 三 `ヾ: . : . : .
    __  ―   _     __ -   __  三 >x、 `゙´ _,,≦ `ー 、.x< :ヾj!: . : . : .
_  ―    __     ―       _    __  ー  `ヾ: . : .`ー>=<,ノ`丈_人: . : : .
     _      ー    ――  _   ―     __   `: .、: . : .``ー=―ヾ`ー'’: . : :
- _    __    ___   ―    __  _     ―   `ヾ: . : . : . : . : . : . : . : : :

840 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:57:56 ID:fhWh2smE0



( ´_ゝ`)「おい、聞こえるか? 聞こえたら返事をしてくれ」



( ’▽’)「えっ??」

(=゚д゚)「むっ……?」



(;´_ゝ`)「なっ……!?」



(´・ω・`)「……聞こえますよ」

841 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:58:29 ID:fhWh2smE0

(;´_ゝ`)「おt――兄者はちょっと黙っててくれ。どうも口を借りる形になるようだ」

( ’▽’)「??」

(´・ω・`)「弟さん、ですかね? 一体どうなってるんです?」

( ´_ゝ`)「まあ、ちょっと色々ありまして……兄者のお守りを介して現世に介入できるようになったみたいです」

(=゚д゚)「現世に……? よもやお主――」

( ´_ゝ`)「あ、生きてます。一応、ギリギリ……たぶん恐らくきっと……? 少なくとも沢近判定では」

(´・ω・`)「沢近……処刑人ヘリカル? ……なるほど、そういうことですか」

( ´_ゝ`)「流石はマスター、話が早くて助かります」

( ’▽’)「何言ってんですかこの人?」

(=゚д゚)「お主はあまり気にせぬが吉じゃの」

(´・ω・`)「それで。ご用件は?」

( ´_ゝ`)「俺も同行……で合ってるのか? とにかく協力するので、やれることは増えるはずです」

(´・ω・`)「ふむ……だ、そうですが。探検隊リーダーの意見は?」

( ´_ゝ`)「むっ……」

842 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:59:02 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「まず、意外と元気そう……で合ってるのか? とにかく話せて何よりだと言わせてくれ。
      ……沢近のとこなら一旦招待してくれりゃよかったのに。俺や美和ちゃんがどれだけ心配したか……」

( ´_ゝ`)「あっちもあっちの事情がある。見た目合法ロリだし一見アホの子だが、その真意は測り知れん」

( ´_ゝ`)「それはまあ、な。だから積極的に頼りたくはないんだが……グッジョブと言わざるを得ない」

(;’▽’)「なんか一人で会話してて怖いんですけど」

(=゚д゚)「ええい、気にするでない。ハゲるぞ」

( ´_ゝ`)「状況は大体把握してるつもりだ。兄者が死なないようにサポートさせて貰う」

( ;_ゝ;)「なんだよもー! 泣かせんなよ!」

( ;_ゝ;)「いや何急に泣き出してんだ」

( ;_ゝ;)「うるせー! お前に俺の気持ちがわかるか!」

( ;_ゝ;)「……心配かけて悪かった」

( ;_ゝ;)「うおお弟者ぁぁぁ!」

(;’▽’)「……」

(´・ω・`)b「麗しい兄弟愛ってやつですね」



 ―――。

843 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:59:36 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「少しは落ち着いたか?」

( ´_ゝ`)「ああよ。もう何も怖くない」

( ´_ゝ`)「ネタに走れるなら大丈夫そうだな」

( ´_ゝ`)「しかしこれはちょっと不便だな。端から見たら不気味だろうs――」
(;’▽’)「めっちゃ不気味です!」

( ´_ゝ`)「ああ。式神呼んで同期しようか、そっちで喋るようにしよう」

( ´_ゝ`)「むっ? 前試した時は発声はできても喋れなかったよな?」

( ´_ゝ`)「この数か月、俺もただ死んでたわけじゃないってことだ」

( ´_ゝ`)b「……流石だな、弟者」

( ´_ゝ`)「あの状況を生き延びた兄者ほどではないがな」

( ´_ゝ`)「マスター達来なかったら俺も終わってたが。マジで助かったぜ」

(´・ω・`)「前にも言いましたが。チート野郎がいなければ見捨ててた手前、素直には受け取れないですね」

( ´_ゝ`)「それでも、マスターいなかったらあの面子でも厳しかったろ」

(´・ω・`)「まあ、それはそうなんですが……」

844 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:00:09 ID:fhWh2smE0

(=゚д゚)「本当に謙虚じゃな。だからこそ踏み止まれている、か」

(´・ω・`)「そうなのだとしたら、努めて謙虚にいきましょう」

( ´_ゝ`)「そういえば……沢近さんからマスターに伝言です。"気張れ、私のようにはなるな"と」

(´・ω・`)「ふっ……噂の処刑人は、随分とお優しい人物のようで」

( ´_ゝ`)「ヴィーガン拗らせて発狂したアホ、と本人は言っていましたよ」

( ´_ゝ`)「ああ……やっぱりそういうことなのか」

( ´_ゝ`)「うむ。まあ、人間観察なんざできない俺の目から見てさえ……やっぱ人間とはズレてると感じたがな」

( ´_ゝ`)「人間で言や動物愛護拗らせたような感じだろうよ。そりゃ教授も面白がるわ」

(´・ω・`)「僕もそうやって面白がられてると思うと、後先考えずにぶん殴りたくなりますね」

( ´_ゝ`)「わかる。帰ったらやるか、今回うまく運べば特課のバックアップも期待できそうだ」

(´・ω・`)「良いですね、殺りましょうか。あなたなら後釜の器には十分だ」

( ´_ゝ`)「えっ。後釜とかそれは普通に嫌なんだが……マスターの方が適任だろ」

(´・ω・`)「僕では既存の柵もありますし、誰一人納得しませんよ。それくらいわかるでしょう?」

( ´_ゝ`)「やっぱそう? 気のせいってことにしときたかったなー……」

845 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:00:43 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「なあ、式神呼んでいいか?」

( ´_ゝ`)「あっ、はい」

(´・ω・`)「邪魔してすみません、どうぞ」

(=゚д゚)「式神……陰陽道かの?」

( ´_ゝ`)「俺自身はいくつか術を習っただけのにわかですけどね。師匠は古風な陰陽師です」

(=゚д゚)「現代の修験道には、長い歴史の中で陰陽道から取り入れられた術も多い。参考にさせて貰うとしよう」

( ´_ゝ`)「そう言われるとちょっと緊張しますが……参考になるようならしてください」

( ´_ゝ`)人「狐仮虎威、救急如律令」

    r‐、_             _ィ-、
    |::::::::`ヽ、,_,ィー----一-、∠::::::ハ
    >,.''':::''"ソ,.彡'==tr==ミ:ヘ、'''"_,/
     "'ーァ ,. ;i'"_,,_=''ヘ=t=/''=_,_ i! {,
     、ミ゙'' ,i:' tー-、(:、   ノ--ァ'i, 'r
     ミ'" ,il゙  ゙'==';;7   〈=='  ゙! 彡
     ,「;;: i! `'ーノ ;:゙ :::::::::: ヘー'゙ i! 'ミ
    ,.;' '─il-ヾ__,.--{^'ーv‐'^}-、_,⊥-─
    彡,--─===_: `゙'Y'´:.===‐--
     彡ノ, /'T''--一'^ー-ァヘ´⌒ヽ
     彡'ミ゙  ヾヽ、/l;;;;;;;ハノ,:'  ,ミ`
      } ":シ:::.."ヽ,,__,,ノ`ミヾ`ヾヽ、
     /il  ゙:::::::::.:::::::::::::::::::::::::'''   ゙i:,`''ー-、
      } ゙i!                i:!    `ヽ、
     / 'i、                ,i:'      `''ー

846 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:01:18 ID:fhWh2smE0

(;’▽’)「とっっ!? 虎ぁッ!?!?」

(=゚д゚)「ほう……見事な術じゃ。凪の海のように静かな発動、隠密向きじゃな」

又( ノフ「隠密性ト持久力ガ取リ得デスネ」

(;’▽’)「シャベッタァァァァ!?」

( ´_ゝ`)「おっ、いけそうじゃないか」

又( ノフ「伊達ニアノ世ハ見テネエゼ」

(´・ω・`)「なんかレトロゲーみたいな音声ですけど、十分意思疎通はできますね」

(=゚д゚)「器用なもんじゃのう。ワシにはできん芸当じゃ」

又( ノフ「ぱわーハごみデスケドネ」

( ´_ゝ`)「力の一号技の二号ってやつだな」

又( ノフ「ソウカ?」

( ´_ゝ`)「そうだ」

(;’▽’)「あばばばば」

(´・ω・`)「大丈夫ですよ、喋る馬のエドみたいなもんです」

847 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:01:52 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「気持ちはわかるけどな。数年前の俺らなら大層取り乱していただろう」

又( ノフ「ソレハ否定デキナイ。慣レッテ怖イナ」

(´・ω・`)「それは……そう、ですね」

(=゚д゚)「努々、じゃ。重ね重ねにはなるがの」

(´・ω・`)「……ここであなたと出会えてよかった。心からそう思います」

( ´_ゝ`)「本当にな。帰ったら一杯やりたいもんだ」

(=゚д゚)「ほっ。久々に宴会というのも悪くないのう」

(´・ω・`)b「腕によりをかけましょう。そこらの板前崩れには負けませんよ」

又( ノフ「違イナイデス」

( ´_ゝ`)「総合力では筆府で5本の指に入るからな。探偵の俺が言うんだ、間違いない」

又( ノフ「ソウカ?」

( ´_ゝ`)「そうだ」

(=゚д゚)「ほほう、それは楽しみじゃ。先程の雑炊もうまかったしな」

(´・ω・`)「期待しておいてください」



 ―――。

848 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:02:25 ID:fhWh2smE0
【D区画 半水没地帯】
三三三三三三三三三三三三三r'=i´  r'´ ,       、,     |=ト、二二
三三三三三三三三三三三三ソ´=j .ノ´  ´圭圭圭     j  !k| iニト 二
三三三三三三三三三三三ソ´>' ノ   圭filililif圭.       `i| |ニ| `ー
三三三三三三三三三=r‐‐'二}   {.  ヽ   .|ililili|   ノ       ! |ニ|‐、
三三三三三三三三三/二二ソ _j´ 、    lililili|‐'     ナ      |ニ|  i
三三三三三三三三ソ=二/´  ,´   乂   .|ililili|    /      |ニ|  |
三三三三三三r'二´二r'´   .r' 圭圭   ヽ  |ililili|              |ニ|  |
三三三三三r'二二二r'   Y! |  |i|       |ilili;;;i} _ ノ.        iニ', |
三三三三ノ´`i二二r'   | V.   |i|  ヽ     |ilil| |i|      .ノ    i二∧'
三三三/´{   Y二f    i   、  |i|   `;   |ilil| |i|        Y´二二ヽ
三三i'´.二l    i二|.     {   i , |i|      _|ilil| |i|___ノ λ  y'` 从 从 从
三=r'二二{    |ニ|    〉 ___,..|i|__r‐‐'´ ̄ ""゙゙`゙`...`v'´ `,' r'´ __ /
三={二二=! ---l二l‐‐‐‐‐'‐..´:::::::"゙`::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`<_r'´r'´, --' ´_
三三三i、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,‐、::::::::::::::::::::::r‐'´_____r'´_ _
三三三三::.. :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r'ヽ::::::::: ̄::::::::r‐´____
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r'´`:、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

849 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:02:58 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「うへー、めっちゃ水没しとる」

( ’▽’)「しっかり後を着いてきてくださいね。踏み外したら竪坑がないとは保証できません」

(;´_ゝ`)「こわっ!」

又( ノフ「安心シロ、最悪玄武デ助ケニ行ケル」

(´・ω・`)「僕が行ってもいいですしね」

(;’▽’)「えぇー……普通は水がないとこ以上に死亡確定なんですけどね」

( ´_ゝ`)「じつに頼りになる隊員達だ」

(=゚д゚)「お世辞でも何でもなく特課の小隊を超えるな。ま、それくらいでなくてはの」

( ’▽’)「えぇー……もう帰ってもいいですか?」

( ´_ゝ`)b「何言ってんだ、あんたも優秀な隊員の一人だぞ」

又( ノフ「違イナイ。コレホド優秀ナがいどハ他ニイナイデスヨ」

(´・ω・`)b「頼りにしてます」

( ’▽’)「えぇー……」



 ―――。

850 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:03:32 ID:fhWh2smE0
【D区画 坑道】
      ;;;;;;;,,;;;;;;;,/      ―.'.'.............,! 、 "    ノ   ,,-、  、 i,__ii,_i,-''゙i,   i_,、-ー''゛!、 ミ゙ィ.
   .ゞミ ノ"''ー-、,_i   ,/''-,i_,ii__,i !ニ 」, '、,,し‐''冖'''''"、..-"  .`'--' ニ=,-ー'゛(,  i゙  ゙i   ゙i l
   l /   /  ゙i  ノ"'ー-,=ニ 」, i゙\   .,,ノ゙' 、,,し‐''  `'ー..,_,゙i ゝ,  ″、.| _,..-.゙ー ゙i l ゙i
   / l / ー゙.-..,_ レ″  ,ゝ i゙\   .`i.、"゛^'‐'''"´__,、_l」..:イ;;;;   7´   〈  j l   (, | ]. !;,
  ,;! .] | ノ   l j  〉   `7   、   ,.ゝ ヾ;;;;;;;;;;;-ヘ   7  7;;;;;;; ,.!:     (, `    |il ソ.,_
   _,.ソ li|    ´ ノ     :!、   ,.!  i/  ;;;;;;;;;;;;;;;;; 〉 〈   /;;;;;;;;! |   〈  {.  ソ,  ゙!、 ,.l゙
   ゙l、 ノ゙  ,ソ  .}  〉   | !  i| j }   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;  !  〉 l.、;;;;;;;j |    ゝ, ゝ    `゛ 、. "゛
  "゛ .、 "´    ゝ ,ゝ    | j`'i   〉   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;-.L_/   ,!;;;;;;i'´    」  \    ,.. j  {
   }  j .、   /  」    `'i   〉   ;;;;;;;;;,,,,,,ニ .,.  ゙i 」 i   \        !,  {  ゛'  .
  .  '"  }  ,!        /   i 」 /,,;;;;..,, 二二    :.゙i 」,   ゝ,    7   j   l.  |  !|
   |!  |  .l   j   7    ,ゝ   ,」 /.:  ―――― .::..\l  ,r'´    {.   ,r'.   j. ,.|
   |、.j   .ヽ   .}    `ヽ  l/..::.  ―.'――',―  :...:.: '=, |       !.    ゙i    ン'`l,
   ,l`'く    /    .!       | ,=' :.:...: ―.'.'――-',',―:.:.......:.:.:;;゙ィ_゙i:    (,,    (,  {.
     .}  ノ    ,ノ    :/_ゞ;;:.:.:.......:.:―.'.'――――',',.:::::::::.:...::::::::::::'-,_., 、.,     ,.ー'゙   ,.''
  ''、  ゙'ー、    ,.、 ,._,-'::::::::::::...:.:::::::::..'.'―――――..',',― ................:::::::゛ゝ ゛;.   i''´  / 、
  、 \  `''i   .;" ゝ":::::::................   ――――――=.',',―..  ......:,,. . ,,,::::::::::゛''-,,_  ,r'  ,.
 、 ヽ  _,,-''"::::::::::,,, . .,,:......     ―――――――.............、,r'.!.゛ ⌒゛' ゙i...:::::::::::::゛''!  !.

851 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:04:05 ID:fhWh2smE0

(=゚д゚)「むぅ……」

(´・ω・`)「かなり違和感が強くなってきましたね」

( ´_ゝ`)「相変わらず全然わからん」

又( ノフ「ウム」

(=゚д゚)「この不快感を覚えぬのは正直羨ましいの」

(´・ω・`)「はい」

( ´_ゝ`)「そんなにか」

(=゚д゚)「星野殿が霊的に敏感ではなくてよかった、そう言っておこうか」

(´・ω・`)「ですね、だからこそ前回生還できたと言えるでしょう」

(;’▽’)「ひぇっ」

( ´_ゝ`)「俺が何も感じないのは……お守りのお陰、か?」

又( ノフ「ソノ可能性ガ高イナ。ダカラトイッテ試シニ外ソウトスルナヨ? 俺トノ接続モ切レル」

( ´_ゝ`)「わかってんよ。知ったところでさほど意味もないし」

又( ノフ「ダヨナ。ソイツノ恩恵ハヨクワカッテルシ」



 ―――。

852 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:04:41 ID:fhWh2smE0
【D区画 坑道】
│ .l  'i   |  !│ .l  'i   |  !   ′ i' .|   .!  j  ,  .,i'1  .|  l .|  ! ; i′ i' .|   .!  j  , /  /
.l゙ .i,!  .!  .|.l'  .l゙ .i,!  .!  .|.l'   、   .l   、 |  l  .|   l !   l   !  l  l   .l   、 |  l  .| l  /
.! l}  .!  | !  .! l}  .!  | !   l ...|   | .!   !  ! .  !|  .l゙   !  .「  l゙, ...|   | .!   !  ! ."  !
  |,!     |   /|,!     |   / l  .〉  | .| 「 .!,," .iト    |.ll  !   .,!    ."l  .〉  | .| 「 .!,," .iト
  ″  .,     ,! ″  .,     ,! .]/│ .|  ゙∴∵∴∵∴∵  !."! l .!  ,!  !  |,/│ .|  ゙  l ,! .l l  i
 ri    |     ″ri    | |  !   ′ i' :!∴∵∴∵∴∵∴∵!  ゙ .; .!.、 l   │ l゙  ,!:!   ",! .l ." .!
 .l! l.  .l, .,!  、 .r、、   .|.l'   、   .l∴∵γ~’” ̄\∴∵∴∵.} |│ l   l゙ l  ".!  l .、.!  !、 .l !
 .|  .l  ,! .l゙.! .,!  !  .゙l、  | !   l ...|∴∵/      ヽ∴∵ .!  | .! .l .!    │    l .| !.ゝ .!l゙.,.〉 ′
. i ′│  ! ."" .,! .!   .ヽ、 |   / l  .∴∵,l}        l ∴∵  !  .ゝ,!    ! /   .! ! !  .ネ !   |
 !  !  !  ` ヽ ~|  .  | 、  ,! .]/∴∵/          l∴∵l.゙   )、   .! .|.  1l゙  !  .,リ  j !
 ! ! |  ゛    .゙l. 」 .|  .l;;i.l、  ″ '|∴∵,!:          /∴∵;.! i   .}i、  .! .,!|  ,!  l │l  .| !
.'i. .".!'、   │ .|゙!|  |  .!  `-. "゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,'`:;,':,:;.,:;.:::;.:"゙''、,;.:'"゙:. |.| .l   .l!l i   !1 /  、  !  !, l゙‐ !
 l,  .l l 、  |  ! . l l., 、  l   ;~'',;''゚ ;~'',;;~'',;';~;,;';~.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"ヽ ./l   .ヽ|.l   !; .!  .|  !   | │
  .!  " ゙'│ "  ! .| ."l  !  l 、: ;: ;:  ; ::; : ;:; : ;:; :; :  :: :; '' ;~'',;''゚ t、′    .! .!  .!"| .|; " ! 、  !  |i
  .!    |.l     |  .!、 .! .! .|"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,'`:;,':,:;.,:;.:::;.:"゙''、,;.:'"゙:..;;.;;ii:i;゙゙゙.l、`'ー..__   !  !.゙"   " .l.i   ,!|
 │  i ゛|  !  .|_  .!ヽ゛ ‘ .|;~'',;''゚ ;~'',;;~'',;';~;,;';~.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,":.ミ,,;'',;'.|  .l i  | ,ヽ、 !    :! .、  ".l  ./ l 、
  .! .,  .!    |.!   l  l.゙li_._,, : ;: ;:  ; ::; : ;:; : ;:; :; :  :: :; '' ;~'',;''゚ ~,;''゚ :..‐'''''ー|. !.、,!.l .、ヽ.|    ! .l     │. ′
l │.! .、  .l゙,! _,.__,.l._./   =i;;:;i,'' ;~'',;''゚ ;~'',;'''',;'',;' '゚ ;~,;''゚ ;..;;.;;ii:i;= ─二二  !'゙‐'... l  &..,,,_、 .|   i  .!│
゛  .゛ ...l,, -¬" __  - ,;' ;~,;''゚ ,:;,`゙ゞ:.ミゞ:.ミ,,;'',;' ;~゙ゞ:.ミ,,;'',;' ̄ ̄  __    ―   ̄ ̄`'-、l、 |  ゛ |
                   ;~,;''゚ ,::.ミ,,;'',;' ;~ ;~,;:.ミ,,ii;'',;' ;~,;''゚ :..

853 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:06:28 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「ここが……」

( ’▽’)「はい、例の入口です」

又( ノフ「本格的ニえどがー・なずノ気分ダナ」

(´・ω・`)「誰ですそれ?」

( ´_ゝ`)「フィッシュ面蔓延るインスマスにて台車でカーチェイスし、鮫に乗って脱出した、英雄たる幼女だ」

(=゚д゚)「ほう、さような人物が」

(´・ω・`)「インスマス……ああ、クトゥルフ神話ですか」

( ’▽’)「あ、その動画見たことあります。……この先にアブホースとかいないといいですねぇ」

( ´_ゝ`)「似たようなの確実にいるだろ。ただ、まだ間に合う……はず」

(´・ω・`)「……この感じ、事前に想定していた以上に猶予はなさそうですけどね」

(=゚д゚)「そうじゃの。いざという時に応援を呼ぶ暇(いとま)があれば良いが」

( ´_ゝ`)「いくらこの面子でも、流石に応援なしでは……」

又( ノフ「一度連絡シテオキマセンカ? 多少ナリ材料ハ増エタンデショウ?」

(=゚д゚)「ふむ、妥当な提案じゃな」

854 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:07:01 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「……よし、一旦ここでキャンプ。通信機を試すか」

(´・ω・`)「良いと思います」

又( ノフ「ア、ナンカ沢近サンノ方デ黒磯サント白髭サンニハ連絡通シテクレルソウデス」

( ´_ゝ`)「おっ、そりゃ助かる」

(´・ω・`)「……聞くだに恐ろしい存在ですね。味方のうちは良いですが」

( ´_ゝ`)「ほんとそれな……。まあ、味方に着けときたきゃミノリちゃんに全力で味方することをお勧めする」

(=゚д゚)「ふむ……先程からの話から察するに、八百万の一柱かの?」

又( ノフ「当人曰ク、天成ノ崇メル神……死後ニソノ神託ヲ受ケタ巫女ダトカ」

(=゚д゚)「なるほどの。探偵殿は随分と顔が広いようじゃ」

( ´_ゝ`)「それほどでもない」

(´・ω・`)「それほどでもあるでしょう。あなたがいなければこのパーティもないですし」

( ´_ゝ`)「そうか?」

又( ノフ「ソウダ。不本意ナノハワカルガナ」



 ―――。

855 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:07:35 ID:fhWh2smE0

(=゚д゚)「術はかけたぞ。後は実際に通じるかどうかじゃな」

( ´_ゝ`)コ「ドキドキだな……もしもーし!」



lコ ザザ...



(´・ω・`)「……」

( ´_ゝ`)コ「聞こえるかー? 聞こえたら返事くれー」



lコ ザザ...



又( ノフ「……ダメカ?」

( ´_ゝ`)コ「おーい! おーい!」



lコ ザ...

856 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:08:08 ID:fhWh2smE0

lコ ザ..."まっちゃwfjz"

( ´_ゝ`)「!! かっちゃんか!?」

lコ ザ..."plmb"

又( ノフ「ますたー、ソコノツマミヲ右ニ」

(´・ω・`)「む、こうですかね?」

(=゚д゚)「こちらも少し調整する……どうじゃ?」

lコ"まっちゃん、聞こえるか?"

( ´_ゝ`)「オーケー、バッチリだ」

(=゚д゚)b d(´・ω・`)

lコ"おー、思ったより問題なく聞こえるな"

( ´_ゝ`)「そっちは何事もないか?」

lコ"おう! 今んとこ誰も――あー、怪しい奴は来てない"

( ´_ゝ`)「ほっ」

(´・ω・`)「何よりですね」

857 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:08:43 ID:fhWh2smE0

lコ"そっちはどんな感じ?"

( ´_ゝ`)「ポイントγに到達した。登良さん達の見立てによると、かなりヤバそう」

lコ"無事に到着できたのはよかったけどマジかー"

( ´_ゝ`)「ドッくんは近くにいる?」

lコ"いますよ。事件ですか事故ですか?"

( ´_ゝ`)「この状況でネタ挟むとは、随分リラックスしたみたいだな」

lコ"ええまあ。警らを兼ねたキノコ狩りが結構楽しくて"

(´・ω・`)「キノコですか。丁度いい時期ですね」

( ´_ゝ`)「かっちゃんいれば許可は取り放題だろうしな」

lコ"流石は林業の人ですね、地元で顔が広いです"

( ´_ゝ`)「だろうな」

lコ"ひらたけ炒めて食べたんですけど、うまかったですよ"

(´・ω・`)「良いですね。余ったら何か作らせてくださいよ」

lコ"えっ? まあいいですけど"

858 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:09:21 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「世間話はそんなところで。冨竹に連絡頼みたい」

lコ"内容は?"

( ´_ゝ`)「登良さんとマスターから所感を説明して貰う。それをそのまま伝えてくれりゃいい」

lコ"わかりました、伺います"

(=゚д゚)「ふむ」

(´・ω・`)「どう説明したものか、悩ましいですね」

(=゚д゚)「じゃの。この地の命運を分けることになりかねん」

( ´_ゝ`)「シンプルに思ったところを伝えれば良い。そのへん汲み取るのは得意そうだからな、冨竹」

(=゚д゚)「そうか……そうじゃな」

(´・ω・`)「……ま、なるようにしかなりませんか」

(=゚д゚)「それでは説明するぞ」



 ―――。

859 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:09:54 ID:fhWh2smE0

lコ"では、以上の内容で連絡しますね"

(=゚д゚)「うむ、よろしく頼む」

(´・ω・`)「動いて貰えるといいですが」

lコ"ほんとそうですね。仮にも政府機関ならここらで頼り甲斐のあるとこ見せてほしいです"

(=゚д゚)「耳の痛い話じゃのぉ……」

( ´_ゝ`)「官房機密費とかで騙し騙し運営してるんだ、しゃあないだろ」

(´・ω・`)「近頃は昭和の時代と違って巨額の隠し予算は難しいでしょうしね」

lコ"あぁ……そう考えるとクリーンになるのも良し悪しですね"

( ´_ゝ`)「これに限らず、必要だけど絶対に理解を得られない案件ってのは掃いて捨てるほどあるからな……」

(=゚д゚)「民主主義最大の課題じゃな。公僕の中には望まずして我ら修験者のような生活をしている者も多い」

(´・ω・`)「署長さんとか見てるとわかりますよ。彼らの使命感に依存してこの国は成り立っている」

( ´_ゝ`)「ほんとにな。……話が盛大に逸れたが、連絡よろしく」

lコ"はい、すぐ送信しますよ"



 ―――。

860 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:10:28 ID:fhWh2smE0
【D区画 坑道】
│ .l  'i   |  !│ .l  'i   |  !   ′ i' .|   .!  j  ,  .,i'1  .|  l .|  ! ; i′ i' .|   .!  j  , /  /
.l゙ .i,!  .!  .|.l'  .l゙ .i,!  .!  .|.l'   、   .l   、 |  l  .|   l !   l   !  l  l   .l   、 |  l  .| l  /
.! l}  .!  | !  .! l}  .!  | !   l ...|   | .!   !  ! .  !|  .l゙   !  .「  l゙, ...|   | .!   !  ! ."  !
  |,!     |   /|,!     |   / l  .〉  | .| 「 .!,," .iト    |.ll  !   .,!    ."l  .〉  | .| 「 .!,," .iト
  ″  .,     ,! ″  .,     ,! .]/│ .|  ゙∴∵∴∵∴∵  !."! l .!  ,!  !  |,/│ .|  ゙  l ,! .l l  i
 ri    |     ″ri    | |  !   ′ i' :!∴∵∴∵∴∵∴∵!  ゙ .; .!.、 l   │ l゙  ,!:!   ",! .l ." .!
 .l! l.  .l, .,!  、 .r、、   .|.l'   、   .l∴∵γ~’” ̄\∴∵∴∵.} |│ l   l゙ l  ".!  l .、.!  !、 .l !
 .|  .l  ,! .l゙.! .,!  !  .゙l、  | !   l ...|∴∵/      ヽ∴∵ .!  | .! .l .!    │    l .| !.ゝ .!l゙.,.〉 ′
. i ′│  ! ."" .,! .!   .ヽ、 |   / l  .∴∵,l}        l ∴∵  !  .ゝ,!    ! /   .! ! !  .ネ !   |
 !  !  !  ` ヽ ~|  .  | 、  ,! .]/∴∵/          l∴∵l.゙   )、   .! .|.  1l゙  !  .,リ  j !
 ! ! |  ゛    .゙l. 」 .|  .l;;i.l、  ″ '|∴∵,!:          /∴∵;.! i   .}i、  .! .,!|  ,!  l │l  .| !
.'i. .".!'、   │ .|゙!|  |  .!  `-. "゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,'`:;,':,:;.,:;.:::;.:"゙''、,;.:'"゙:. |.| .l   .l!l i   !1 /  、  !  !, l゙‐ !
 l,  .l l 、  |  ! . l l., 、  l   ;~'',;''゚ ;~'',;;~'',;';~;,;';~.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"ヽ ./l   .ヽ|.l   !; .!  .|  !   | │
  .!  " ゙'│ "  ! .| ."l  !  l 、: ;: ;:  ; ::; : ;:; : ;:; :; :  :: :; '' ;~'',;''゚ t、′    .! .!  .!"| .|; " ! 、  !  |i
  .!    |.l     |  .!、 .! .! .|"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,'`:;,':,:;.,:;.:::;.:"゙''、,;.:'"゙:..;;.;;ii:i;゙゙゙.l、`'ー..__   !  !.゙"   " .l.i   ,!|
 │  i ゛|  !  .|_  .!ヽ゛ ‘ .|;~'',;''゚ ;~'',;;~'',;';~;,;';~.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,":.ミ,,;'',;'.|  .l i  | ,ヽ、 !    :! .、  ".l  ./ l 、
  .! .,  .!    |.!   l  l.゙li_._,, : ;: ;:  ; ::; : ;:; : ;:; :; :  :: :; '' ;~'',;''゚ ~,;''゚ :..‐'''''ー|. !.、,!.l .、ヽ.|    ! .l     │. ′
l │.! .、  .l゙,! _,.__,.l._./   =i;;:;i,'' ;~'',;''゚ ;~'',;'''',;'',;' '゚ ;~,;''゚ ;..;;.;;ii:i;= ─二二  !'゙‐'... l  &..,,,_、 .|   i  .!│
゛  .゛ ...l,, -¬" __  - ,;' ;~,;''゚ ,:;,`゙ゞ:.ミゞ:.ミ,,;'',;' ;~゙ゞ:.ミ,,;'',;' ̄ ̄  __    ―   ̄ ̄`'-、l、 |  ゛ |
                   ;~,;''゚ ,::.ミ,,;'',;' ;~ ;~,;:.ミ,,ii;'',;' ;~,;''゚ :..

861 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:11:01 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「……さて、行くか。気は進まないが」

又( ノフ「マア、星野サンガ前回行ッタ場所マデハ大丈夫ジャナイカ?」

(´・ω・`)「そう願いたいですが、油断はできませんね」

(=゚д゚)「うむ。違和感の元は間違いなくあの先じゃ」

(;’▽’)「何かあったらよろしくお願いしますね、皆さん」

( ´_ゝ`)「おう、パニックにならないようにだけ心がけてくれ」

又( ノフ「ナカナカ難シイコトヲ言ウナ」

(´・ω・`)「ですね。とはいえ、パニックになって変な方向に走られたりしたら対応が難しいですから」

(;’▽’)「が、がんばります」

(=゚д゚)「あまり他人事ではないぞ。何が起こってもおかしくはない」

( ´_ゝ`)「確かにな。そこは認識を改めるべきか……」

又( ノフ「俺ハりもーとダカラ問題ナイデショウガ、皆サンハ気ヲ付ケタ方ガ良イカト」

(=゚д゚)「念には念じゃ、ここからは結界を張っておくとしよう」

(´・ω・`)「それは、大丈夫ですか? スタミナ的に」

862 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:11:35 ID:fhWh2smE0

(=゚д゚)「ま、何とかなるじゃろ。それほど消費の多い結界を張るつもりはない故な」

( ´_ゝ`)「そういうことなら是非頼む」

(´・ω・`)「僕も使えればよかったんですがね。どうも結界の類は不得意で」

( ´_ゝ`)「ナカーマ。まあ俺の場合は強化以外全滅なんだが」

又( ノフ「俺モ結界張ットクカ?」

( ´_ゝ`)「流石に消費まずいだろ。突入してから雲行き怪しかったら頼むかもしれん」

又( ノフ「マアソウダナ、ワカッタ」

(=゚д゚)「では早速やるとするかの」

(´・ω・`)「お願いします」



 ―――。

863 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:12:08 ID:fhWh2smE0

(´・ω・`)「むっ……?」

(=゚д゚)「ふむ」

( ´_ゝ`)「どうした?」

(´・ω・`)「違和感、だいぶ弱まりましたね」

(=゚д゚)「そうじゃの。この結界で正解だったようじゃ」

又( ノフ「後学マデニ聞キタインデスガ、ドノヨウナ結界ヲ?」

(=゚д゚)「魔除けの結界じゃ。魔の者の放つ瘴気を防ぐものじゃな」

(´・ω・`)「通常、瘴気といえば負の魔力ですが……なるほど」

(=゚д゚)「やはりと言うべきか、魔力として認識できていないという仮説が正しそうじゃの。
     地上ではハッキリしなかったが、ここでは如実に違いがわかる」

( ´_ゝ`)「……良いような悪いようなだな」

又( ノフ「少ナクトモ最悪デハナイダロウ。想定ヲ超エテハイナイッテコトダカラナ」

(´・ω・`)「はい。活動に支障が出るようなことはなさそうです」

( ´_ゝ`)「改めて言っとくけど、マスターに異変があれば即撤退だからな?」

(´・ω・`)「わかってますよ。些細な変化でも報告します」

864 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:12:42 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「……それじゃ、改めて。のりこめー^^」

又( ノフ「わぁい^^」

(´・ω・`)「何ですかそのノリ」

( ’▽’)「おちんちんランドあくしろよ」

( ´_ゝ`)「ホモはせっかち」(´・ω・`)「あっ(察し)」

(=゚д゚)「??」

( ´_ゝ`)「複合コンボしっかり決めてくる、やるなガービー」

( ’▽’)「ま、多少はね?」

(´・ω・`)「やりますねぇ!」

(=゚д゚)「???」

又( ノフ「ソノヘンニシトケ、登良サンガめだぱに食ラッテルゾ」

( ´_ゝ`)「あんだけノリノリで返事しといて何言ってんだこいつ」

(´・ω・`)「やはり精神を解すには馬鹿馬鹿しい話が一番ですね」

(=゚д゚)「????」



 ―――。

865 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:13:16 ID:fhWh2smE0
【坑道?】
  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::':::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::゙\:::::::::::::::::::,_,゙i::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::.`i.、:::::::::::::l」..:イ::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::,.ゝ ヾ;;;;;;;;;;;-ヘ   7:::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::: i/  ;;;;;;;;;;;;;;;;; 〉 〈 ::::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::}   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;  !  〉::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::〉   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;-.L_/::::::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::::::::  ;;;;;;;;;,,,,,,ニ .,.゙i::::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::/,,;;;;..,, 二二    :.゙i:::::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::\l:::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::'=,::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::,=':::::::::::::::::::::::゙ィ_゙i::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::/_ゞ:::::::::::::::::::::::::::'-,_.::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::,-'::::::::::::::::::::::::::::::::::゛ゝ:::::::::::::
  ::::::::::::::::ゝ"::::::::::::::::::::::::::::::::::::゛''-,:::::::::::
 、 ヽ::::::::::_,,-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゛' ゙i::::::::

866 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:13:51 ID:fhWh2smE0

(;´_ゝ`)「うーわ……想像以上の光景だな」

(;’▽’)「いやぁー……改めて見るとヤバいですね」

又( ノフ「何デスカネ、コノ岸壁」

(=゚д゚)「むぅ……ワシもお目にかかったことはないのう」

(´・ω・`)「右に同じです。あまり見つめない方が良いでしょう……この黒い輝き、視覚から浸食される恐れがある」

(;´_ゝ`)「こわ。なるべく見ないどこ」

(;’▽’)「ですね」

又( ノフ「ナア、俺ガ先頭行コウカ? 思ッタ以上ニやばソウダ」

( ´_ゝ`)「そうして貰うか。弟者なら残機あるし」

又( ノフ「残機アルノハ俺ジャナクテ式神ダケドナ」

(´・ω・`)「便利なもんですね」

又( ノフ「ソウ言ッテ貰エレバ、来タ甲斐ガアリマス」



 ―――。

867 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:14:25 ID:fhWh2smE0
【???】
               三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
                   |∴∵|                     |∴∵|
             三三三|____!三三三三三三三三三三三三三ニ!___|三三三
                      |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴/:: |∵|
                  |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵/∴::: |∵|
                   |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴ノ∵∴ : :::|∵|
                     |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵/∴∵∴ :::::|∵|
                |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵|∴∵∴∵∵:|∵|
                 |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵|∴∵∴∵∴ |∵|
                  |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴/∵∴∵∴∵ ::|∵|
                   |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴)∵∴∵∴∵∴ |∵|
                    |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵ ノ∴∵∴∵∴∵∴|∵|
                     |∵|∴∵∴∵∴∵∴ (∵∴∵∴∵∴∵∴|∵!
                |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵ \∴∵∴∵∴∵∴|∵!
                 |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴J∵∴∵∴∵∴::: |∵|
                  |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴/∵∴∵∴∵∴::::::|∵!
                   |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴|∵∴∵∴∵∴∵: |∵!
                    |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴|∵∴∵∴∵∴∵: :|∵!
               |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵/∴∵∴∵∴∵∴:::: |∵!
       ___    |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵U∴∵∴∵∴∵∴∵ :|∵|    ___
      l     l    :|∵|∴∵∴∵∴∵∴/∵∴∵∴∵∴∵∴∵ |∵!   l     l
      l      l    :|∵|∴∵∴∵∴∵∴|∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴:|∵|   l      l
     l       l  ::|∵|∴∵∴∵∴∵ ノ∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵:::|∵|  l       l
     :l       l  :|∵|∴∵∴∵∴/∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵::::|∵|  l       l
    :l         l  :|∵|∴∵∴∵/∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵::: |∵| l         l
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

868 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:14:58 ID:fhWh2smE0

(;´_ゝ`)「こ、これが例の」

(;’▽’)「そうです」

(´・ω・`)「門、と言われればそのように見えますね」

(=゚д゚)「ふむ。鳥居のようにも見えるの」

又( ノフ「……タブン、ドチラモ正解ナンデショウネ」

( ´_ゝ`)「むぅ……? 何か聞こえるな」

又( ノフ「水音……カ?」

(´・ω・`)「僕の耳にもそう聞こえます」

(=゚д゚)「まだ耳は遠くなっておらんが、そのように聞こえるの」

( ’▽’)「やっぱりそうですよね」

( ´_ゝ`)「……この先っぽいな。グララアガア」

(´・ω・`)「ですね。象……もとい滝でもあるのか……?」

又( ノフ「耳ノ良イ兄者トますたーガ言ウナラ当タッテソウデス」

869 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:15:32 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「それはともかく、だ。この先に進む方法を調べる必要があるな」

(´・ω・`)「左右に何か、石碑のようなものがありますね」

( ’▽’)「本当ですね。前回は気付かなかったですけど……」

又( ノフ「何カ壁画ノヨウナモノガ刻マレテマスネ」

            ========
            ========
   ∧∧    。   ::l:::::::::l::
  (,,゜Д゜) 。゚  ゚。 ;;::l:::::::::l::
  (]づy/:|~()。.。゚  :::l:::::::::l::
  /:::|:::|:::|ノ      ::l:::::::::l::
  /:::::|:::|:::|       ::l:::::::::l::
  (ノ  `J       ::l:::::::::l::
   ̄ ̄ ̄*+&”Q@S


(´・ω・`)「……素直に解釈すれば、門に何か術をかけろと?」

( ´_ゝ`)「そう見えるが、さてどんな術なのか。下にある文字らしきものがそれを示してるのか?」

(=゚д゚)「この耳、大名の信徒じゃな。となると、それに因んだ術か?」

又( ノフ「ソレダケデハ何モワカラナイヨウナモノデスネ。……? アレ、コンナノドコカデ……」

(=゚д゚)「ふむ……解析してみても良いが、相応にリスクはあるの」

870 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:16:05 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「反対側の石碑は……拝んでるのか、これは?」


              ∴∵∴∵∴∵
  ∧_∧      ∴∵∴∵∴∵
  ,( -∀-)      ∴∵∴∵∴∵∴∵
γ      i     ∴∵∴∵∴∵∴∵
と_)∪∪    ∴∵∴∵∴∵
            ∴∵∴∵∴∵
     「5=〜¥>


(´・ω・`)「これは……黒き霧、ですかね?」

( ´_ゝ`)「そんな感じがするな」

又( ノフ「さっぱりダナ。ドウスル?」

( ´_ゝ`)「むぅ」

( ’▽’)「ええと……門外漢から良いですか?」

( ´_ゝ`)「ん? 無論だ」

( ’▽’)「素直に真似してみる、というのはどうでしょう?」

(´・ω・`)「むっ、それは」

871 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:16:39 ID:fhWh2smE0

(=゚д゚)「ふむ……ワシらでは出てこない発想じゃの」

( ´_ゝ`)「相応にリスクはある気がするが、な」

(´・ω・`)「やるなら僕がやりますよ。失敗しても懸念が一つ減るだけですし」

(=゚д゚)「お主、つい先程のやりとりをもう忘れたのか?」

(´・ω・`)「あ、いえ……採れる選択肢のうち、合理的な判断をしたつもりですが」

(=゚д゚)「合理的であるのは否定せんがの。英雄願望すらない自己犠牲は、到底人の道ではないぞ」

( ´_ゝ`)「それには同感だな。だが同時に、極めて合理的だとも感じている」

又( ノフ「オイ、兄者」

( ´_ゝ`)「一つ付け加えるなら、しょうもないモノマネで唯一効果が望めそうなのがマスターだ。
      ヒトとしての信徒ではなく、ケモミミおじさんが敢えて描かれていることを考えるとな」

(´・ω・`)「ケモミミおじさん」

( ´_ゝ`)「そこんとこどうなんだよ、弟者。その肉球じゃなかなか操作が厳しそうだが」

又( ノフ「舐メンナヨ、一本指打法デモソコラノ自称SEヨリハ早イ」

( ’▽’)「ジッサイ早いですねぇ。この5倍となるとアニメのハッカーも真っ青」

872 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:17:12 ID:fhWh2smE0

又( ノフ「……何トナク既視感ガアルト思ッタガ、タブン古代まや文明ノ文字ダナコレ」

(=゚д゚)「マヤ文明じゃと……? それは確か――」

(´・ω・`)「現在のメキシコあたりで栄えた古代文明ですね」

( ´_ゝ`)「マヤ文明か、なんともいかにもな感じ。誰かキバヤシ呼んで来い」

又( ノフ「俺ガきばやし分ニナル(キリッ」

(´・ω・`)「ゴレイヌ乙」

( ´_ゝ`)「御託はいい。何て書いてあるんだ?」

又( ノフ「"我々"ヲ意味スルふぇめれふノ言イ回シ。ソシテ"祈リ"」

( ’▽’)「マヤ語翻訳できるとか、どうなってるんですかそのパソコン?」

( ´_ゝ`)「弟者の完全オリジナルPCだからな。古今東西の言語の翻訳システムくらいは入っている」

又( ノフ「昨夜真言ハナイケドナ。……落チ着イタラつるサンニ辞書登録頼ムカ?」

(´・ω・`)「ドクオさんが持ってるのがオリジナルだと思ってましたけど、違ったんですね」

( ´_ゝ`)「あっちはクローン、正真正銘こっちがオリジナル」

又( ノフ「ヨクコンナでっどうぇいとヲ持ッテキテクレタ。オカゲデ解読デキタカラナ」

873 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:17:47 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「こんなこともあろうかと、ってやつだな」

又( ノフ「マア、兄者デモコレクライハ時間カケリャ使エルダロウシナ」

( ´_ゝ`)「その時間が問題だ。……マスター、早速頼めるか?」

(´・ω・`)「ん、やってみましょう。ただ、くれぐれも気を付けてください」

( ´_ゝ`)「おう。登良さんもそれでいいな?」

(=゚д゚)「うむ、異論ない」

又( ノフ「二人トモ白虎ノ後ロニ。最悪壁ニナリマス」

( ´_ゝ`)「助かる」

(=゚д゚)「まっこと便利じゃな……」

(´・ω・`)「それじゃ、やりますよ?」

( ´_ゝ`)「頼む」

(´・ω・`)⊃「まずは――」



 ―――。

874 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:18:20 ID:fhWh2smE0

            ========
            ========
   ∧ ∧   。   ::l:::::::::l::
  (´・ω・`)。゚ :゚。   ::l:::::::::l::
  (]づy/:|~()。.。゚  :::l:::::::::l::
  /:::|:::|:::|ノ      ::l:::::::::l::
  /:::::|:::|:::|       ::l:::::::::l::
  (ノ  `J       ::l:::::::::l::
   ̄ ̄ ̄



(;=゚д゚)「むっ!?」

(;´_ゝ`)「こ、これは……っ!」

(;´・ω・`)「……どうやらビンゴかもしれませんね」

(;´_ゝ`)「これは若伝さんの時の……!」



    ∴∵∴∵∴∵
  ∴∵∴∵∴∵
   ∴∵∴∵∴∵∴∵
 ∴∵∴∵∴∵∴∵
∴∵∴∵∴∵
  ∴∵∴∵∴∵

875名無しさん:2025/04/15(火) 23:18:50 ID:YlJ/PEsE0
来てる! ミテルヨー

876 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:18:58 ID:fhWh2smE0

              ∴∵∴∵∴∵
  ∧_∧      ∴∵∴∵∴∵
  ,(´・ω・`)      ∴∵∴∵∴∵∴∵
γ      i     ∴∵∴∵∴∵∴∵
と_)∪∪    ∴∵∴∵∴∵
            ∴∵∴∵∴∵



              ∴∵∴∵∴∵
  ∧_∧      ∴∵∴∵∴∵
  ,(´-ω-`)      ∴∵∴∵∴∵∴∵
γ      i     ∴∵∴∵∴∵∴∵
と_)∪∪    ∴∵∴∵∴∵
            ∴∵∴∵∴∵



(;´_ゝ`)(祈り……マスターは何を祈る?)

又( ノフ(そこが最大の問題だ。場合によっては――)

(´-ω-`)「……」

(;´_ゝ`)「むっ!?」

(;=゚д゚)「おおっ!?」

877 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:19:31 ID:fhWh2smE0












   / ̄/ココ    / ̄/ココ    / ̄/ココ   ./ ̄/ココ    / ̄/ココ    / ̄/ココ   ./ ̄/ココ
   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;
  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙
  /_/     /_/     /_/     /_/     /_/     /_/     /_/












.

878 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:20:04 ID:fhWh2smE0

               三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
                   |∴∵|                     |∴∵|
             三三三|____!三三三三三三三三三三三三三ニ!___|三三三
                      |∵|∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴/        |∵|
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                   |∵|∵∴∵∴∵∴∵∴ノ        ノ:∵|∵|
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

879 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:20:38 ID:fhWh2smE0

(((=゚д゚)))「っ……!?」

(´ ω `)「……」













  Case13「混沌の極点」
  Day3C「太古からの呼び声」

                          To be continued...

880 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:21:12 ID:fhWh2smE0
今回はここまで

881 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:21:46 ID:fhWh2smE0
>>875
リ゚▽゚ リ<l「キテルヨー」

882名無しさん:2025/04/15(火) 23:33:09 ID:YlJ/PEsE0
乙!

883名無しさん:2025/04/16(水) 23:24:13 ID:/KVTL68.0
うおー、ドキドキやでぇ!
弟者復帰良かった!

884名無しさん:2025/04/23(水) 08:54:37 ID:/XHOyfE60
壁画のAAかわよ
乙でした、ずっと待ってたしずっと待ってるよ

885名無しさん:2025/05/03(土) 15:33:22 ID:qckIZgvU0
乙!
更新きてて嬉しいよ!!
今気がついたけどね!

886名無しさん:2025/05/10(土) 08:35:44 ID:ftnsAdzo0
乙乙
万が一細かすぎて伝わらないモノマネ選手権に出るような事あったら>>842やって落ちようと思う。ここ何度も笑っちゃった。
式神のレトロゲーみたいな音声聞いてみたいし壁画も可愛い。


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