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リゾナントブルーのMVからストーリーを想像するスレ 第159話

1 名無し募集中。。。 :2017/10/16(月) 20:06:02
明日もよろしく。その次の日も。そのまた次の日も。

星が散って、落ちていく。
辿り着いた先でもまた、多くの光に囲まれるだろう。
自分の手と足で集まれ光よ、胸の高鳴る方へ。


第158話 「保全作(愛ガキ・ぽんぽん)」 より


前回のお話はこちら
【小説】リゾナントブルーのMVからストーリーを想像するスレ 第158話
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290 名無し募集中。。。 :2017/12/07(木) 02:48:45

>>287 続きです。

 「どこの子?殺し屋とかどっかの組織?」
 「ハルが怖くないのか?人を殺してる所まで見た一般人の態度じゃないよ」
 「なんだ、普通に喋れるんやね。
  まあ何度か似たようなのに鉢合わせになっとるし、このおじさんも物を盗むのに
  何人か殺っとると、だから何となくそうかなって」

まるで日常的な光景とでも言いたげに穏やかな物言いは寒気すら覚える。

 「でもれなも慣れるんに時間かかったとよ。怖いの嫌いやけん。
  そもそも今日ガキさんが担当やったのに押し付けられたと。
  マジで意味分からん。誰も付いてきてくれんし、別にどうでもいいけど」

愚痴を喋り出す女性は頬を膨らませた。
冷静に判断する理性を持った女性は何を見ているのか、工藤を見つめる。
確認するように覗き込む視線に耐え切れずに逸らす。
手には肉を裂く感触。冷えた血。奥歯を噛みしめる。

 「ハルは殺したよ。このじっちゃんと同じだ」

言うべき言葉を投げた。女性の耳にも声ははっきりと届いている。

 「ハルは殺した。自分のために」
 「れなもしようと思っとったと。れなも同じやね」
 「あんたは違う。あんたは綺麗だから。綺麗な、空のように綺麗だから違う」
 「そんな連呼されると信用できんっちゃけど」
 「………」
 「ま、信用できるような仲やないし別にいいんじゃない?凄い姿よ?」

291 名無し募集中。。。 :2017/12/07(木) 02:50:17

見下ろすと、工藤の両手と両袖は血塗れだった。
男が掴んだジーンズの左足首も血で濡れている。
ついでに男の死体は腹と首から血を出していた。

 「連絡するけん。ここ片付けるからちょっとどいてくれる?」

女性が立ちあがり、路地を去っていく。
しばらくして車が入ってきた。

車で脇道を塞ぐように止めて、横の扉が開いた。
二人の男性が共に降りてくる。エプロンを着て長靴を履いていた。
ゴム手袋に覆われた手には、青いビニールシートが握られている。

女が両手でビニールシートを広げ、男の死体を抱え込む。
足は折りたたみ、腕は曲げた足を包み込むようにして、出来るだけ
周囲に血が落ちない様に手際よく一度で入れる。

袋のようにビニールシートが畳まれ、男の手が口を締める。
車のトランクを開けると、内部にも敷かれたビニールが見えた。
車内に血痕が残らないようにするために用心に用心を重ねている
トランクへ、ビニールシートに包んだ男の死体を入れる。

そこでようやく工藤は立ち上がることが出来た。膝が痛い。

 「ここに放ってもおけんし、とりあえず付いてくる?」

292 名無し募集中。。。 :2017/12/07(木) 02:51:29

後部座席で見守っていた女性が工藤に手招きする。
開いた扉の横手から道具箱を開き、タオルを引っ張り出すとそれを工藤に渡す。
袖の血はどうしようもないので、放置する。
男二人はポリタンクを出して路地に広がる血の染みの上にかけた。

 「ちょっと岡見さん、そっちちゃんとかけてくださいよ」
 「ブラシでしごくにゃこれでいいんだよ。ほら持ってこい啓太君」
 「年が一緒だからって下で呼ぶな。相変わらず態度のデカい奴」

まるで友達のように会話する男達にまるで緊張感は無い。何者なのか聞くのも戸惑う。
デッキブラシでアスファルトを擦って、側溝へと流していく。
さらに洗剤をぶちまけ、擦る。
残った水で流すと、本当は酸があればいいのだが、さすがに公道では出来ない。
これだけしておけばルミノール反応で血液鑑定でもしない限り分からない。
車のトランクを閉めて、着替え終わった男が戻ってきた。

 「れいな氏、出れますよ」
 「じゃあ帰ろっか」

何の躊躇もなく死体処理を済ませた女性達に、工藤はようやく気付く。
養成所に戻らなくては。シートベルトを外して立ち上がるが、車が動き出す。

 「帰る。一人で帰れるから降ろして。」
 「そう?じゃあ送ってあげるよ」
 「いい。自分で帰れる」
 「いいからいいから。場所教えてよ。れなも知りたいし」
 「どうして?」

293 名無し募集中。。。 :2017/12/07(木) 02:55:44

 「別に?ただ気になるやん。こんな子供に人を殺させるヤツがどんなのか。
  その上着貸し、こっちで捨てとくから」
 「なんなのあんた。ハルをどこに連れて行くっていうんだ」
 「れなはどうしようとも思っとらん、ガキさんが決めるやろ」
 「がきさん?」

運転手の男がハンドルを切り、車は加速していく。

 「とりあえずこれで匂い消しとき」
 「ぷあっ、ぺっ、ぺっ。なんだこれっ」
 「あはは、いつか使う年になるけん、慣れときよ」

まだ発売して間もない香水の微量を工藤に吹き掛ける。女性が笑った。
慣れない匂いと能力の性質によってか、嗅覚が僅かに低下する。
幼い殺意が女性を射抜くが、まるで余裕とでも言いたげに笑みを浮かべる。

 「あ、そういえば名前聞いとらんかった。教えてよ」
 「あんたのも知らないぞ」
 「偉そうやねえ」

女性が取り出した携帯でメール画面を開く。
手慣れた指先で入力すると、それを工藤の目の前に突き付けた。
「田中れいな」と書かれた文字を反復する。

 「田中れいな…」
 「そ、良い名前やろ?芸能人にもおるけん。そっちは?」
 「……工藤遥」
 「ふうん、なんか声に限らず濃い名前っちゃね。漢字分からんけど」

不満顔を浮かべるが、工藤は携帯の操作が出来ない。余裕の表情にますます不満の色が濃くなる。

294 名無し募集中。。。 :2017/12/07(木) 02:57:52

 「あんた、何者?」
 「あ、れなそういう説明するの苦手やけん。あとで光井でもガキさんにでも聞いて」
 「さっきから誰だよそいつら、意味分かんねえ」
 「はんこーきやねえ。ああ、年が離れてるのが嫌なら安心しい。
  年が近い一緒の子も居るし、慣れてくれば面白いから」
 「はあ?」
 「そんな変な所におるより、こっちの方で生活すればいいっちゃない?」

突然の言葉に工藤は言葉を失う。そして徐々に笑いがこみ上げてきた。
何を言い出すのか、田中と名乗った女性はあまりにも平和ボケしている。

 「あんたちょっとおかしいんじゃない?ハルは人殺しだぞ」
 「それを片付けたのはれな達よ?」
 「だからっ、なんで知りもしないハルを助けるんだって!」
 「なんでって、そっちが呼んだんやろ。助けって」
 「…………は?」
 「れな達そういうのが聞こえるけんさ、そんな子を助けんほど鬼じゃないし」
 「ハルがいつあんたに助けを求めたっていうんだ」
 「タイミングなら車の中でかな。今後ろに乗ってるあのおじさんと
  揉めてるの見てあ、これはちょっとヤバイなって感じたと」
 「ハル言ってないぞそんな事!だ、だいたいあの場所には人が居ないのは
  ちゃんと確認したし、しかも車の中でなんて聞こえるわけないじゃないか!」
 「れなには聞こえるよ。だからこんな事になっとる」

295 名無し募集中。。。 :2017/12/07(木) 03:00:44

滅茶苦茶だ。意見や反論という次元ではない。
田中が言っているのは「元々そういうものだから仕方がない」なのだ。
工藤が口にはしていなくても、田中が目撃をする前から既に現象は起こっていた。
そこまで考えて、何を言っても無駄だと理解して、体から力が抜けていく。

田中はこんな状況でありながら鼻歌を口から出していた。
聞いた事のない歌に興味はないが、僅かに田中れいなという人間に関心を持つ。

 「じゃあ、どうしてハルを助ける気になったの?」
 「リゾナンターやから、としか言えん」
 「リゾナンター?なにそれ、アニメかなんか?」
 「れな的に略せんから言いにくいっちゃんこの名前。
  でも愛ちゃんはこれが良いって言うし、まあいっかなって。
  アニメやったらヒーロー側と似とる事をやっとるね」
 「その年でヒーローに憧れるって」
 「甘く見んほうがいいよ。馬鹿にして後悔してきたヤツはいくらでもおったけんね」

田中の視線に、工藤は口を閉ざす。先ほど見た空のような青色ではない。
怒りと悔しさが漂う水のような無情さがある。
何があったのかは分からないが、工藤はそれっきり黙る事にした。

窓の外を眺めると初めて見る住宅街の中へ入っていく。
ますますどこへ行くのか見当がつかないが、その場所へたどり着く。

296 名無し募集中。。。 :2017/12/07(木) 03:02:00

 「では俺たちはこれで」
 「うん、ごめんね毎回呼んでしまって」
 「いやあ、れいな氏のためならどこへだって付いていきますよん。今度ご飯でもどう?」
 「お前立場と年齢を考えろって、じゃあまた連絡ください」
 「うん、遠慮なくする。バイバーイ」

田中が立ち上がって降り始め、工藤もその流れに乗って下車する。
辺りは暗がりだが、一軒の店が淡い光を窓から溢れださせていた。
工藤はその建物がどんな場所か分からない。

 「ここは?」
 「喫茶店、来た事ないと?」
 「きっさてん…」
 「コーヒー飲んだりご飯食べるとこ。お腹すいとるんやったら頼むけど」

言われて、トランクへ意識を飛ばすが、諦める。
気持ちは満たされないが腹を満たすだけなら問題はない。
明日もう一度探せばいいのだ。動揺は異能を刺激するだけ、冷静に、冷静に。

 「ラーメンあるの?」
 「あー……多分材料がないけん。インスタントならあるかも」
 「じゃあそれ」
 「即答かい。まあ聞いてみるからちょっと待っとり」

車が去っていき、田中が扉を開ける。

 「田中さん!おかえりなさい!」

その高音が声だと気付いた時には、田中は誰かに抱きしめられていた。
突撃するようにその体にしがみつく誰かは満面の笑顔を浮かべている。

297 名無し募集中。。。 :2017/12/07(木) 03:03:10

 「こら佐藤あぶないからやめり、あと時間考えなうるさい」
 「ずっと待ってたんですよ〜待ってたんです〜」
 「あーはいはい、とにかく中入れて」
 「ん〜〜〜〜〜〜」
 「重い!ぶら下がるな!」

先程の冷静沈着で悲壮感漂う人間とは全く違い、声を上げるのかと
驚愕する工藤の前で猿のように田中の首に腕を回して体重をかける少女。
剥がされてもクスクスと笑い続ける少女が視線を向けてきた。
ようやく気付いたとでも言いたげに、首を傾げる。

 「あなたは誰ですか?」
 「お前こそ誰だよ…」
 「こっちが聞いてるんですが…あれ?」

少女が工藤の顔に自分の顔を近づける。
唐突な行動に驚いて後ろに引いたが、その顔が徐々に真下へ。
綺麗な黒髪を真っ直ぐ切り揃え、整った鼻が僅かに動く。
匂いを嗅いでいたと気付いた時には離れていく。
眉がひそみ、不機嫌になっている。

 「田中さんの匂いがする…あなたもそうなんですか?」
 「言ってる意味が良く分かんないんだけど…」
 「ふーん。でも他にも変な匂いがするんです、なんでしょう」

298 名無し募集中。。。 :2017/12/07(木) 03:04:42
言われて、工藤は手を出していた。
佐藤がもう一度嗅ごうとした態勢を後ろに押し返す。
揺れてバランスを崩したが、その背後から別の高音が響く。

 「びっくりした、ころんじゃう所だったよまーちゃん」
 「この子まさと一緒です、新しい子」
 「え?あ、こんばんわ」
 「なに?新しい子が来たって聞こえたんだけど?
 「そうらしいよ。凄い、これで”四人目”だね」

少女を支える女性のその背後からまた別の声が聞こえた。
見た事がない顔が三人も出てきてしまい、困惑を通り越して気が抜ける。
この先の不安でしかない中で、店内の輝きは想像以上に眩しかった。


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