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リゾナントブルーのMVからストーリーを想像するスレ 第159話

1 名無し募集中。。。 :2017/10/16(月) 20:06:02
明日もよろしく。その次の日も。そのまた次の日も。

星が散って、落ちていく。
辿り着いた先でもまた、多くの光に囲まれるだろう。
自分の手と足で集まれ光よ、胸の高鳴る方へ。


第158話 「保全作(愛ガキ・ぽんぽん)」 より


前回のお話はこちら
【小説】リゾナントブルーのMVからストーリーを想像するスレ 第158話
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280 名無し募集中。。。 :2017/12/06(水) 00:41:21
>>269 続きです。

 「もう行くところはないのか?」
 「じゃあのんびり歩こう」

ファミレスから出てきた二人は肩を並べ、その手は繋がれている。
再び散策へと繰り出そうとしているその姿に走り出す影。

 「Wait! Two people there!」
 「え!?」

流暢な英語に周りがどよめく。
唐突に響いた声に、前を歩いていた工藤が振り向く。
その前に影が石田の肩を引っ掴み、予定調和が始まったのだと胸が高鳴る。
ふっくらした頬に表情豊かな輝きを魅せる大きな目。
石田とそう変わらない長い黒髪。
驚いていた工藤が徐々に困惑へ、苦笑へと変わる。

 「あ、え?なんで?」
 「I'm not a fish aquarium!Not a lion in a cage!
  Not to ornamental!Take away fighting!
  I and its children, take the Which!?」
 「いやもうなんか、えっ、なになに、せめて日本語で話してそこは!
  まさかずっと付いてきてたの?」
 「え、ずっとってどういう事?」
 「いやなんか、待ってた時に偶然会ってちょっと遊んでたんだけど…。
  なにこの展開こわっ、え、どうしたのさ野中。肉まん足りなかった?」

281 名無し募集中。。。 :2017/12/06(水) 00:44:27

野中美希はふくれっ面で携帯を取り出し、見せる。
そこには工藤と一緒に撮ったらしい画像があった。

 「あ、ああ写真…え、なにこの空気。あゆみん?」
 「そっか…ふうん……つまりこれってダブルブッキングってヤツだね」
 「いやいやいやっ、だって野中とはもう終わってるから」
 「Terrible!I did was play with me!」
 「でも野中はまだ用があるみたいだよ。どうすんのこれ」
 「どうすんのって、まさかハルのせいになってる?」
 「Please choose either!」

野中は自分と石田に指で示す。そのジェスチャーで工藤は二人を見る。
口を閉じて頬を膨らませる石田と腕を組む野中。

 「ええ…えーとぉー………」

悩む最中、工藤は垂直に視線を漂わせる。
静かに浮かぶ黄昏色には誰も気づかない。
そして小さく深呼吸して再び向けたのは、野中にだった。

 「ごめん」

謝罪と共に右手を挙げ、そして再び向けたのは石田、瞬間に手を握る。

 「えっ」
 「ごめん野中っ、埋め合わせはまた今度っ。あともうちょっと日本語勉強しなーっ」

282 名無し募集中。。。 :2017/12/06(水) 00:45:25
早足でその場を去っていく二人の背中を呆然と口を開けて見送る野中。
石田は何か反応しようとして、思わず野中に視線を送る。
手を振った意味を彼女にちゃんと伝わったかは分からない。
それは羽賀朱音による思惑に踊らされた先輩と後輩の内にある繋がりだと。

だが野中自身はかなり真剣だったのか、未だに演技の世界にのめり込んでいる。
その視線がまさに「好きな人を取られた女」の其れだったのだから。

 「ちょっとどぅー、どこに行くの?」
 「決まってんだろ、この流れを作ってるヤツの所だ、よっ」
 「ひゃあっ」

石田の手を途端に離し、草陰に身を潜めていた羽賀へ突撃する。
完全に気配すら消していた彼女がこうも簡単に見つかってしまう事は
本人も想定外だったのか、カメラのシャッターを押す姿のまま硬直している。

 「なんかチラチラ光るものが見えるなって思ってたんだ。
  レンズずっとこっちに向けすぎ。あと連写し過ぎ。
  ハルには視えるって事忘れるぐらい熱中するのは分からない事はないけど」
 「分かるんかい」
 「まさかあゆみんがこんな小芝居に付き合うなんて思わなかったし。
  どうせ何か貸し借りでもしたんだろ?」
 「まあ、実際そうだけど…」
 「石田さんは悪くないんですっ」

芝生で姿勢を整え、カメラを胸に抱き留めて死守する羽賀は代弁する。

283 名無し募集中。。。 :2017/12/06(水) 00:46:38

 「私が、私の純粋な願いを聞き届けてくれたんですっ」
 「中身は泥酔しきってたけどね」
 「だってだって、最近お二人ずっと忙しかったし、絡み見れないんですもんっ」
 「それで野中まで引っ張って来て、一番かわいそうなのあの子だよ?
  女の子が振られるって一番傷付くことだからね」
 「その割には凄い気合い入ってたけど…どうやって誘ったの?」
 「いや、その、溜まりに溜まった一眼レフの高画質な写真を見せる約束で…」
 「先輩を売るなっ。野中も良いヤツすぎっ」
 「欲望に忠実過ぎる…」
 「とりあえず野中にフォローしないと、あれ、野中は?」
 「まだあそこでボーッと立ってる」
 「ちょっとこっち連れてきて、本番は終わったって伝えてきてマネージャー」
 「監督ですっ」
 「どっちでもいいわっ」

後輩に振り回されてしまうほど長い期間過ごしてきた仲間達。
それはきっと良い事で、良い日常だ。
血の臭いも臓物の臭いも何もない、陽だまりの温もりに抱かれた幸福。

フィクションもノーフィクションにならないとは限らない。
それが人生で、彼女達はその道をひたすら歩いている。
いつか掴んでいた手を離してしまうその時まで。

284 名無し募集中。。。 :2017/12/06(水) 00:48:01

 *

“獲物”が逃げた。

工藤は逃げる背中に追いつき、肩を引っ掴む。いかつい顔には恐怖。
強盗しただけあって、暴力で解決しようと拳を振ってくる。

工藤は横へ逃げる。相手の拳が肩に当たって痛い。
技術があったとしても喧嘩が強いかと言われればそうでもない。
能力を使えばいいのだろうが、公の場で”手懐けていない状態”の異能を
使用するなと言われている。
養成所の所員はその点に関しては特に厳しい。
その上、何の許可もなく抜け出している事が露見するかもしれない。
工藤はこういう時のためにと、腰の後ろへと手を伸ばす。

大振りした男が態勢を戻す。
抜いたサバイバルナイフを構えて特攻。
夜の街灯を反射して鈍く黒光りするナイフに男が怯む。
後退しようとした動きに合わせて前進。
防御しようとする手を切り、さらに逃げる男を追う。

ナイフを手で振るだけでは致命傷にならない。
両手で持ち直して、体の脇に構えてダッシュ。
男の手の下を抜けて、体当たりした。体重と勢いを乗せた刃は男の鳩尾に入る。
工藤の背中を男の両手がひっかり殴った。痛いが気にせず刃を押し込む。
腹の肉を抉っているが、ナイフはなかなか体内に入らない。
体勢が悪く、相手が腹を引いて工藤の肩を押さえているからだ。
焦りと共にナイフを力任せに押し込む、が、逆に押し返される。
男ともつれあったままその場で押し引きをする。

285 名無し募集中。。。 :2017/12/06(水) 00:50:24

一回抜けば終わりだ、抜いたら今度も刺せるとは限らない。
勢いをつけないとジャケットとシャツを貫通できない。

工藤は左肩を上げて、男の顎に打ち付ける。ようやく体が伸びた。
全体重をかけてナイフを根本まで突き入れる。
内臓を抜けて、肉を裂く、入ったら抉る。

頭上で「ぐう」や「ぐお」という男の息が口から抜ける音が聞こえた。
さらに抉ると、血で手とナイフの柄が濡れるが、気にせず抉る。
上下左右にナイフを動かし、内臓や筋肉をぐちゃぐちゃに抉る。
手元でナイフを引き抜くと、刀身と手、柄と袖口が真っ赤に染まっていた。

工藤が体を抜くと、男はその場にずるりと倒れ込む。
血はほとんど広がらず、男の体内で溜まり続けている。

荒い呼吸は止まらず、手が激しく震えた。
初めてではない筈なのに、どうしてこんなにも動揺しているのだろう。

倒れ伏していた男の手が動き、工藤の足首を捕らえた。

 「あっ…!」
 「お前ええぇぇ」

ナイフで刺されても即死はしていない。男の形相は工藤を心の底から
憎んで殺そうという光を持って目が血走っている。
心臓が跳ね上がる。今まで見る事さえしなかった人間の殺意に襲われる。
脳内が痺れ、体が硬直する。

 「なにやっとると!」

286 名無し募集中。。。 :2017/12/06(水) 00:51:06
女性の声が響く。路地の奥から駆け寄ってくる影が背後から見えた。
まさか第三者が現れるとは思わなかった。
その瞬間に持っていたナイフを逆手に握り、屈み込む。
下ろす勢いで首の後ろを刺す。小さく血が跳ねた。

 「ぐうううぅぅ」

男は工藤を見ながら唸り声をあげ、見上げる顔が落ちた。
屈んだ姿勢から尻餅をつき、男の死体が横たわる。
声の女性は無言で立っていた。
うるさいと思ったら自分の呼吸音が火を吹くように酸素を吸っている。
喉と肺が痛く、心臓がずっと跳ねていた。

 「れながするはずやったのに、まさか先越されるとは思わんかったと」

女性が工藤の前に屈み、その眼が彼女を見る。
空よりも濃密な蒼色の目に再び体が硬直した。


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