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『スウィート・メモリーズ』ロールスレッド
637
:
2/4『あなたの声』
:2023/09/23(土) 01:46:18 ID:???
>>636
「雀蜂が墜ちた…………?フム、とんだ邪魔が入ったものですが……我々の戦術的優位に揺るぎはありません」
突如として現れた未来からの乱入者に眉を顰めつつも、これしきのイレギュラーで作戦が崩れる事はないと自信満々に言い放つ。
元々外様のHEXAに関してはそれほど信頼を置いてはいなかった。もとよりこの『眼』討伐作戦はカノッサ主導ものだ。
戦力供与とは言いつつも、投入戦力の規模はHEXAよりもC.T.S.S.の方が上回るだろう。
両者一歩も引かず、ついに互いの間合いの中で戦闘が始まった──────!
──────────────────
────────────
──────
「──────そこで私は銃を引き抜き、複数人の越境者を相手に大立ち回りを見せつけたのです」
「残念ながら決着こそ付きませんでしたが……その実力を買われ、こうして治安維持の立役者に抜擢されたという事ですね、ウン」
戦いを終えてもなお、a-03の雄弁な語り口調は衰えることを知らない。
少々自信過剰な気もするが、それでも通常のクローン兵の常識を覆すほどに彼女は強かった。
しかしそれを語るのは瘴気の溢れる崖際の戦場ではなく、ランタンと白熱級の明かりが照らす木造の酒場の中である。
──────6か月後、狭間のスクラップヤード──────
a-03はスクラップヤードにも顔を出すようになっていた。まだバロウズに仕えているのか、それともフリーランスで行動しているのかは謎であるが。
元々がコントラクトありきの執行部隊である以上、一度敵対したとしても特別怨恨のようなものは抱かない性分であるのかもしれない。
そして酒場の老人たちに己の武勇を口伝するa-03の姿を遠巻きに見守っているのは……ミスカ達である。
「かなり私たちが勝ってた気がするけどねぇ〜……」
「ですよね、”未来の私”さん?」
彼女らもまたHEXA部隊やa-03らを撤退へと追い込み、生き残った。あり得なかったはずの未来を勝ち取ったのである。
ハチミツエードで満たされたジョッキを両手で抱えながら笑う姿は、教皇ガブリエラに仕える騎士団長や、エリシウム魔法大学の研究員としての側面があるとは思えない。
アキレスの隣に腰かけたまま、彼を挟んで反対側に座る橙の髪の女へと声をかける。
「私の事は”ハイプリエステス”でいいって言ったのを忘れたのかい、ミスカ?」
彼女は小さな自分から「私」と呼ばれるのを訂正する。彼女はミスカとしてではなく、”ハイプリエステス”として生きるという選択をした。
HEXA本社襲撃の日、彼女はやり残していた最後の仕事を、ジョシュアと共同でオムニとグッドマンの同時多発的な暗殺を成功させたのである。
今ではかつての圧倒的な強さはなく、内臓の損傷によって長時間の運動は出来なくなってしまったが。気分は晴れ晴れとして表情もとても穏やかになった。
「…………あれから半年も経つのか……だけど、まだ帰ってきた実感がないよ」
「こうして、キミの隣に」
薄布のチュニックから伸びた細い腕がアキレスの膝に触れる。
女教皇として戦場に出ていた際、闇夜に紛れるような色の革コートの下にはこんな傷だらけの体が隠されていたのだ。
一体どれだけの研鑽を重ねたのだろうか、きっと血の滲むような努力だったに違いない。
だがそうやって得た強さを失ってもなお、有り余る幸せがこの未来にはあった。
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