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【第三期】ダークファンタジーTRPGスレ【避難所】

86アウラ ◆OmrbZWDMUs:2016/03/29(火) 23:49:20
現れたのは、神々しいオーラさえ感じるような女性。
どんな強敵が出て来るかと臨戦態勢だったのも忘れて、アウラは思わず呟いた。

「聖女……様?」

「ええ、お初にお目にかかります。わたくしは第六聖女シャルロットと申します」

聖女のオーラに圧倒されつつも、その顔立ちに何故か既視感を感じるアウラ。
その既視感の正体は、聖女の次の言葉で明かされることとなる。

「ハウスイッツ伯爵――いえ、アレン。
よくぞ皆をここまで連れてきてくれました――“私を滅する事が出来る可能性がある者達”を」

「姉さん……すまなかった。姉さんを助けるどころか結局奴の言いなりになっただけだった」

「良いのです。異界の魔王をこの身に封じたあの日、本来なら私はとうに死んでいるのだから――」

聖女と伯爵が抱き合っている。
何気に伯爵の上の名前を初めて聞いた気がする、と思いつつ、とりあえず手近なところから質問するアウラ。

「えっ、何? 二人は姉弟ってこと?」

「あまり時間がないのでよく聞いてください。20年ほど前のことだったでしょうか。
とある魔術師が禁忌の魔術により魔界の門を開けてしまったのです。そこから現れたのは恐るべし魔族の王――。
私達は総力で挑みましたが勝てないと悟り、やむを得ず私が魔族の王を自らの体に封印した上で私ごと滅してもらう作戦に出ました。
封印したところまではよかったのですが……いかなる攻撃も魔王を取り込んだ私を滅する事は出来ませんでした。
それからというもの世情は荒廃し、魔王の呪いたる疫病は流行る始末……。
魔王の侵食は年月を重ねるごとに進み、今では私が私でいられる時間はほんの時々。
もはや完全に乗っ取られるのは時間の問題でしょう」

「そっか……そういえば世の中がこんなに荒れ始めたのもそれぐらいからだっけ。
もし完全に乗っ取られたらどうなるの……?」

「それは魔王の復活を意味します……おそらく世界は滅びる事になるのでしょう。
そして”ネクロノミコン”は魔王復活のために送り込まれ名を変え姿を変えながら遥か昔から歴史の影で暗躍していた書――」

「僕は姉を助ける方法を教えてやるという甘言にまんまと騙され精神支配を受けて魔王復活の下準備をさせられていたというわけだ……。
魔術師に禁忌の魔術を使うように仕向けたのもおそらく”本”だろう。」

「なるほど……本に操られている間は”魔王”、支配が解けてからは聖女様の指示で動いていたってわけだね。
それならそうと言ってくれたらよかったのに。一瞬黒幕かと思っちゃったよ」

「すまない……”魔王”の手勢の物に知られるリスクは極力少なくしておきたかった。
ここまで来たら意味はなかったみたいだが」


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