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王様「おお勇者よ!魔王を倒してきてくれ!」少女「は?」
1
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/08(木) 20:45:28 ID:cNfu98mE
ここは、のどかな草原。
暖かい日向の下に、花が咲き、蝶が舞い、小鳥がさえずり……
そんな、見ていて心が癒される場所。
などではなく
薄暗く、小汚く、不気味で、
動物たちの鳴き声が至る所から聞こえてくる…
そんな場所に彼女は住んでいた。
2
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/08(木) 20:57:04 ID:cNfu98mE
兵士1「……こんな森の奥に、本当に人がいるのか?」
兵士2「わからないが……王様の命である以上、探すしかないだろ」
兵士3「まったく……人使い荒いよなぁ…」
少女「安月給だしね」
兵士1「そうそう…だいたい、ここに人が住んでるって情報も占いだし…」
兵士3「俺占いとかよくわかんねーんだよな」
少女「信憑性が薄いよね」
兵士2「俺たちが占いを信じようが信じまいが、ここに住む者こそ勇者だという話だ」
兵士2「俺たちにできるのは、ここに住むその者に勇者になってくれるようお願いすることだけだ」
少女「大変だねー」
兵士1「そうなんだよ……ほんとにたいへ……ん……………?」
兵士1「……」
兵士2「……」
兵士3「……」
少女「……」
兵士123「居たっ!!?」
少女「?」
3
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/08(木) 21:04:05 ID:cNfu98mE
兵士3「なんで普通に会話に混ざってんだよ!」
少女「…乙女心?」
兵士1「乙女心……なのかい?しかも、なぜ疑問系…」
兵士1「あの…一応聞くけど、ここに住んでるのって…キミ?」
少女「そうだよ?」
兵士3「……本当にこんな女の子が?勇者?」
兵士2「他に誰かこの森に住んでいる者はいるかな?」
少女「一人暮らしだよ。偉いでしょ」
兵士1「マジで!?その歳で!?すげぇ!」
兵士2「おい……」
兵士1「こほん。取り乱しました」
4
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/08(木) 22:25:13 ID:cNfu98mE
兵士2「とりあえず、お城に来てもらってもいいかい?」
少女「……えー」
兵士3「お菓子とかジュースいっぱいあるぜ?あ、なんならアクセサリーとか……好きなもの何でも買ってやるよ!」
少女「怪しい」
兵士3「えっ」
少女「そーいうこと言うのは不審人物」ジロリ
兵士2「まったく、余計な事を…お前は黙ってろ」
兵士3「す、スマソ……」
兵士1「なあ、どうしたら城に来てくれる?」
少女「うーん」
少女「あんこ」
兵士1「へっ?」
少女「あんこ食べたい」
兵士1「……あんこ?」
5
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/08(木) 22:30:58 ID:cNfu98mE
ーカンブリア城ー
兵士1「というわけで……」
兵士2「一応、交換条件と引き換えに連れてきたのですが……」
王様「……なるほど、それで『あんこ』を振る舞ったと……」
兵士3「はい……そして…」
少女「けぷっ」ポンポン
兵士123「カンブリア国内のあんこが全て食いつくされました……」
王様「…………そうか…」
6
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/08(木) 22:36:42 ID:cNfu98mE
王様「……まあ、いい。あんこはいくらでも生産できる!ご苦労だったな」
兵士123「ハッ!」
王様「……さて、満足したかね?」
少女「適度な甘みでした」
王様「おっ、この国のあんこの良さがわかるのかね?」
少女「つぶつぶのあんこがいっぱい入っていてー…」
王様「うむ」
少女「それでいて、口の中に密度を感じさせない柔らかさ……」
王様「うむうむ!よくわかっているじゃないか!わたしもあんこが大好きでね!」
王様「この国のあんこ生産は、わたしの指示で行っているのだ!」
少女「おおー」
7
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/09(金) 07:39:16 ID:gCuvw5NU
王様「……それで、本題に入るが」
王様「この国を……いや、この世界を、勇者となって救ってくれぬか?」
少女「…………」
少女「は?」
8
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/09(金) 07:45:41 ID:gCuvw5NU
王様「近頃、魔物が増えてきていることは知っているだろう?」
王様「そこで、占い師に頼んだら、キミが勇者とのお告げがでてな」
王様「……という訳で、勇者になってくれぬか?」
少女「ムリです」
王様「即答ッ!!」
9
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/09(金) 18:05:18 ID:gCuvw5NU
王様「何故だ!?褒美ははずむし、勇者には手厚い支援もするぞ!」
少女「……」
少女「常識的に考えてですねー」
王様「……うむ?」
少女「こんなちっちゃい少女に危ない目に遭ってもらいたいんですかー?」
王様「……うぐっ…」
少女「ほうびなんてもらっても、死んじゃ意味ないですしー」
王様「ま、まあそうだが……」
少女「それに、わたしは魔物で困ってないのでー」
王様「…………」
10
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/09(金) 18:08:34 ID:gCuvw5NU
王様「『あんこ永遠に食べ放題券』」
少女「魔王討伐行ってきまーす」
王様「変わり身早いねキミ!!」
11
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/09(金) 18:34:55 ID:gCuvw5NU
少女「あんこっあんこっあんこっ」
王様「分かってる!分かってるから、少し落ち着きなさい!そのまま行ったらそれこそ死んでしまう!」
少女「あんこ?」
少女「あんこあんこ」
王様「言葉を話してくれぬか…」
王様「では、身支度用に10000G程用意した。これで装備を整えるといい」
少女「ふとっぱらだね」
王様「あとは、仲間もいるだろう。ちょうど城下町に酒場があるから、そこで……」
勇者「ちょっと待てオラアァァ!!」ガシャーンッ!
王様「!!」
少女「?」
12
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/09(金) 21:14:31 ID:gCuvw5NU
勇者「勇者はオレだろ!なんでそんなガキが勇者なんだよ!!」
少女「……ガキ?」ムカッ
王様「勇者……何故ここに…」
勇者「町を歩いてたら、町民が『勇者が決まったらしい』とか噂しててな……」
勇者「慌てて戻ってきたらこのザマだ……オレに隠れてコソコソこんな事しやがって!!」
王様「別に隠れてやってたわけじゃないが……」
勇者「るせぇ!!とにかく勇者はオレなんだよ!!」
勇者「だいたい!そんなチビじゃ魔王どころかスライムも倒せねーだろ!!」
少女「…………」ブチッ
13
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/09(金) 21:31:11 ID:gCuvw5NU
少女「……」テクテク…
勇者「……ああ?なんだ?何か文句でも……」
少女「どるまどん」ズガァァァンッッ!!
勇者「」
14
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/10(土) 09:12:00 ID:K4hYykd.
少女「…………」
王様「……」
少女が一言、言葉を放った次の瞬間には
勇者が立っていた場所はガレキの山と化していた
少女「ご愁傷様でした」パンッパンッ
王様「……死んで……ないかね?」
少女「……うーん」
少女「たぶん」
王様「……そうか…」
15
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/10(土) 09:17:00 ID:K4hYykd.
王様「実は、そいつは私の息子でね」
王様「勇者になってほしくて、安直に『勇者』って名前をつけたんだが……」
少女「勇者にはなれなかったんですね」
王様「ああ。残念な性格で終わった」
勇者「…だれが……残念だ……」ヨロッ…
少女「生きてたの?」
勇者「…生きてるけど死にそうだよ……!」
少女「一体誰がそんなことを……」
勇者「テメーだろ!」
16
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/10(土) 09:20:54 ID:K4hYykd.
勇者「オイ!本当にこんな、人めがけて暗黒系最強呪文放つようなヤツが勇者でいいのかよ!?」
王様「うむ…占いで出たし……今見た通り実力もあるみたいだし……頼んだのはこっちだし…」
少女「『あんこ』のために精一杯頑張ります」
勇者「『人々のため』とかじゃねーのかよ!」
王様「そんなに言うなら、二人で行けばいいのではないか?」
勇者「……は?」
少女「えー」
17
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/10(土) 09:27:09 ID:K4hYykd.
王様「少女も一人では何かと大変だろう。どうせ仲間を探すのなら、勇者を連れていってやってくれぬか」
勇者「お、おい!何勝手なこと……」
少女「そーですねー。見かけによらずタフですし。仲間にいてくれると頼れますねー」
勇者「えっ?ま、マジ」
少女「まじまじ」
勇者「……」
王様「どうする?行くか、勇者?」
勇者「……そこまで言われちゃ仕方ねぇな!俺がアシストしてやるよ!」
少女「ちょろい(わーい、うれしー)」
勇者「おい、本音でてんぞ」
18
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/10(土) 09:37:05 ID:K4hYykd.
そんなこんなで
魔王討伐への旅を始めることになった二人
人々の生活の安泰は
この相性最悪の二人に託されました
ーカンブリア城下町ー
勇者「…はあ、勢いに乗って行くとはいったものの…」チラッ
少女「あんこーあんこー」テクテク…
勇者「こんなガキのサポートだなんて……」
少女「……」チラッ…
勇者(やべ)
19
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/10(土) 09:49:04 ID:K4hYykd.
少女「勇者はわたしのことをバカにしてるの?」
勇者「正直に言えばな。歳は見た目10〜12で身長も小せぇし、いくら強いったって精神は子供だろ?」
少女「目の前に精神年齢10歳がいます」
勇者「てめえ」
少女「でも、そこら辺を勇者がサポートしてくれるんだよね?」
勇者「……」
少女「身長とか」
勇者「それは違うだろ」
20
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/10(土) 09:56:11 ID:K4hYykd.
勇者「…まあ、とにかく今は旅の準備だな」
少女「何買うの?」
勇者「必要なのは、回復系アイテムとか、食料とか、あと寝袋とかか?」
少女「10000Gで全部足りる?」
勇者「ああ、金なら心配いらねえよ。だてに王の息子じゃねーから」
少女「じゃあわたしこれ全部あんこに変えてくる」つ10000G
勇者「おい待て」ガシッ
21
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/10(土) 11:19:11 ID:K4hYykd.
少女「はなせ」バタバタ
勇者「いくらなんでも無駄遣いだろ。それに、さっきお前が食い尽くしたから、しばらく売らねえよ」
少女「……えー」
勇者「どんだけ底無しの胃袋なんだよ……」
勇者「とりあえず、装備揃えるか。先に食い物買うと邪魔だしな」
少女「装備?」
勇者「剣だの盾だの防具だの……10000Gもあれば、余裕で良いの揃えられんだろ」
少女「なるほどー」
22
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/10(土) 11:27:39 ID:K4hYykd.
ーカンブリア城下町・装備屋ー
勇者「品揃えはまあまあだな」
少女「わたしこれがいい」つ大剣
勇者「お前魔法主体じゃねえのか……?それに、絶対持てねぇだろ」
少女「これがいい……」プルプル……
勇者「持つな!!下ろせ!置け!!危なっかしい!」
少女「あ」ブンッ
勇者「あぶねぇっ!!?」ビュンッ
勇者「……おとなしく、杖にしとけ。お前がアレ持ってたら、敵より先にオレが斬られる」
少女「ぶーぶー」
勇者「なんでそこまで大剣に拘ってんだ…」
少女「乙女心?」
勇者「知らねえよ!」
23
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/10(土) 18:44:31 ID:Zc1kBOCQ
勇者「…よし、あらかた装備は揃ったな」
少女「そうだねー」ガシャガシャ
E:ロトシリーズ
勇者「どこで買ったそんなの!?」
少女「井戸の中のおじいさんから奪ってきた」ガシャガシャ
勇者「それクリア後のクエスト報酬とかだろ!!返してきてやれよ!」
少女「えー」
24
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 07:20:07 ID:CMij15ww
勇者「…そういえばお前、どっかの森の奥に住んでたんだろ?」
少女「ここから近いよ」
勇者「ああ、あの森か。…で、家族とかはどうしてんだ?」
少女「死んじゃった」
勇者「……そ、そうか…」
少女「うそ」
勇者「おい」
25
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 07:24:45 ID:CMij15ww
少女「わたしの家族は国家機密なので」
勇者「……まあいいや……もう一つ聞きたいんだが…」
勇者「お前、どこであんな呪文覚えた?」
少女「呪文?」
勇者「さっきオレに向けて放ったろ」
少女「……」
少女「なんのことだかさっぱり」
勇者「シラを切るつもりかテメー…」
26
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 07:29:20 ID:CMij15ww
少女「乙女には人に話せないことがいっぱいあるのです」
勇者「なにが乙女だ」
少女「勇者こそ王子にならないの?」
勇者「……」
勇者「開かれた道なんてまっぴらだ」
少女「……」
勇者「オレは自分で道を切り開く。そういう性格だからな」
少女「意外としっかりしてるね」
勇者「『意外と』ってどういうことだ!!」
27
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 07:35:54 ID:CMij15ww
勇者「……よし、アイテムはこんなもんでいいな」
少女「それ持つのー…」
勇者「お前の分の食料がいらねえなら置いてってもいいけどな」
少女「きちく」
勇者「誰が鬼畜だテメェ!!」
少女「でも、結局どこいけばいいの?」
勇者「魔王のいる場所は知らねーけど、とりあえずはオルドビス国だ」
少女「ここ以外にも国があるんだ」
勇者「他にもいっぱいあんだろ。…で、そこで情報の聞きこみだ」
勇者「この国の付近に魔物が出たのは最近だし、情報も少ないからな。この国では聞くだけ無駄だ」
少女「ほえー」
28
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 07:46:22 ID:CMij15ww
ーアポロ地方・カンブリア国周辺ー
勇者「見るからに『ザコ』って感じの敵がウヨウヨいやがる」
少女「キノコ美味しそう」
勇者「ありゃおばけキノコだ。腐ってんぞ」
少女「メラ」ボウッ
おばけキノコ「……」チリチリチリ…
勇者「いい感じに炙るな!!」
29
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 07:51:19 ID:CMij15ww
おばけキノコ「キノキノッ!!」ブンブンッ!!
勇者「…めっちゃ怒ってんじゃねーか」
少女「冷ます?」
勇者「手遅れだろ」
おばけキノコ「キノッ」ブワサッ
勇者「……!これはねむり粉!!」
勇者「少女!この粉を吸い込むな…」
少女「ぐう」
勇者「もう寝てやがる!?」
30
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 07:55:56 ID:CMij15ww
勇者(とにかく、少女を連れて一旦離れるか…!)バッ
しかし、引き返した方向には……
おばけキノコB「キノッ…」
おばけキノコC「キキノッ」
おばけキノコD「キノキノ…」
勇者(…なっ!?こいつら、いつの間に沸き出てきやがった!?)
おばけキノコ「……」ジリジリ
勇者「……ったく、メンドクセーなぁ…!」
31
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 08:02:25 ID:CMij15ww
勇者「……はい、もうお手上げだ。降参降参」
おばけキノコたち「キノキノキノ…」ジリジリ
…
勇者「もう敵わねーや、煮るなり焼くなり好きにしろ」
少女「すぴー」
おばけキノコたち「……」ジリジリ…
一歩
また一歩とおばけキノコたちが二人に近づき
あと2〜3mのところまで来たとき
勇者「……範囲内…」グルンッ
おばけキノコたち「」ズバアッ
32
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 08:08:34 ID:CMij15ww
勇者「剣持ってる相手に迂闊に近寄んなアホキノコ」
少女「……うーん?」パチッ
勇者「…やっと起きたか……」
少女「あんこドロボー!」バシッ!!
勇者「痛ぇ!!なんだよ急に!!」
少女「あんこ返せ!」
勇者「夢だろ!知らねえよ!」
33
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 08:11:37 ID:CMij15ww
少女「……?」キョロキョロ
勇者「どーした?」
少女「キノコの残骸」
勇者「ああ、群がってきたからまとめて斬った」
少女「……」
勇者(……もしかして、悲しんでる…のか…?)
少女「何食分?」
勇者「食えねえよ」
34
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 16:24:10 ID:jRkbIsGk
勇者「…だいぶ歩いたなぁ」
少女「つかれたーつかれたーつかれたー」
勇者「疲れた疲れたうるせえ!だいたい、さっきからお前は戦闘に全く参加してねぇじゃねえか!!」
少女「魔王に向けて力を蓄えてる」
勇者「そんな風には全く見えねーけどな」
35
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 16:31:01 ID:jRkbIsGk
勇者「まあ、もう日も暮れそうだし、ここらで休むとするか」
少女「わーい」
勇者「こいつ…休むって言った瞬間元気になりやがって…」
少女「寝袋寝袋」
勇者「ああ、寝袋は買わなかった」
少女「え"」
勇者「露骨に嫌な顔すんな!買わなかった理由があんだよ!」
勇者「よいしょっと…これだこれ」ガシャン
少女「なにそれー?」
勇者「寝袋買おうと思ってたけど、よく考えたらオレ、テント持ってたんだよ」
勇者「このテント、うち(お城の)だから無駄に金かけてて、敵が入れないようになってんだ」
少女「便利だねー」
36
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 16:34:32 ID:jRkbIsGk
勇者「んじゃ、組み立てっか」
少女「頑張って」
勇者「手伝えよ!!」
少女「でも、周りが」
勇者「…ん?」
キラーパンサーA「グルルル…」
キラーパンサーB「ガルル…」
勇者「……そういえば、魔物はほとんど夜行性か…」
少女「リアルフレンドパークだね」
勇者「言ってる場合か!」
37
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 16:46:05 ID:jRkbIsGk
勇者「普通に倒せるけど……倒してたらキリがねえな。寝れねぇよ」
少女「仕方ないなー。わたしが一肌ぬぎますか」
勇者「…態度はムカつくが、頼んだ。これを組み立てるまで時間稼いでくれ」ガチャガチャ
少女「りょーかい」
キラーパンサーA「グルルルッ!!」バッ!
少女「メラっ」ボウッ
キラーパンサーB「ガウガウッ!」ババッ!
キラーパンサーC「グルルッ…ガウッ!」ビュンッ!
少女「バギ」ザシュッ
キラーパンサーA「グルル……」ジリジリ…
38
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 17:07:46 ID:jRkbIsGk
勇者「……」ガチャガチャ…
勇者(…負けてはいないが……呪文の威力が弱くないか?)
勇者(確かにあいつの年齢からしたら、この威力は妥当なんだろうが……)
勇者(……アイツ、ドルマドン放てるしな……)
勇者(なんで弱いのばっか放ってんだ?)
少女「ヒャド」ヒュンッ
キラーパンサーB「ガウッ!」
キラーパンサーA「グルルッ!」
少女「イオ」バンッ
キラーパンサーC「ガッ!」
勇者「よし!組み立てたぞ!こっちこい少女!!」
少女「わかったー」
39
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 17:18:30 ID:jRkbIsGk
ーテント内ー
勇者「はー、やっと休めるな」
少女「ホントに入ってこれないんだね」
勇者「オレも若干それが心配だったんだよ。埃被ってたからな」
勇者「お前、なんでさっさとドルマドンとか放たなかったんだ?」
勇者「魔力節約とか……それか、他に理由があんのか?」
少女「……じつは…」
勇者「……」
少女「一回の戦いで、属性魔法をこんぷりーとしようと思って」
勇者「遊ぶな」
少女「あと、デインとギラとドルマでこんぷりーとだった」
勇者「知るか」
40
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 19:20:55 ID:jRkbIsGk
勇者「さーて、飯も食ったし、寝るか!」
少女「女の子とひとつ屋根の下で……きゃー」
勇者「追い出すぞ!つべこべ言ってねーでさっさと寝ろ」
パチッという音とともに、簡易ランプの光が消える
勇者「……」
少女「星が見えるね」
勇者「ああ。無駄に金かかってるから、天井は少し透けて見えるんだろうな。星が見えるように」
少女「あ、流れ星だよ」
勇者「金金金」
少女「あんこあんこあんこ」
勇者「……」
少女「……」
41
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 19:31:44 ID:jRkbIsGk
勇者「……3回なんてムリだな。つーか言っても叶わねーよ」
少女「あんこ……」
勇者(……オルドビス国のあんこは食い尽くされるな…)
少女「……勇者ー」
勇者「…あ?なんだ?」
少女「おやすみー」
勇者「…おう、お休m」
少女「すぴー」
勇者(もう寝てやがる!?)
42
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 19:42:20 ID:jRkbIsGk
ーアポロ地方・朝ー
勇者「……ん…朝か…」パチ…
勇者(…普通のテントよりは寝れるが……やっぱベッドで寝てぇな…)
少女「すぴー。すぴー」
勇者「……」
勇者(朝飯ができるまでは寝かしといてやるか……)
少女「むにゃむにゃ……めら…」ボワッ
勇者「あぢぢぢぢっ!?コイツッ!寝言で呪文唱えやがった!」バタバタ
少女「……うーん、うるさいなー…」ムクリ…
勇者「……こいつ…」ギリッ…
43
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 20:02:29 ID:jRkbIsGk
ーアポロ地方・オルドビス国周辺ー
勇者「おっ、今日中には着きそうだな。あっちの方に見えてきたぞ?」
少女「ルーラ出来ないのー?」
勇者「行ったことない場所だし無理だろ」
少女「…………」
少女「役立たずめ」
勇者「今なんつったオイ」
44
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 20:07:32 ID:jRkbIsGk
少女「あ、宝箱」
勇者「宝箱?」
少女「ほら、あれだよ」
勇者「……毒の沼地の真ん中か…」
少女「わたし無効化できるよ」
勇者「ホントか?それなら、早速やってくれ」
少女「ポイズン」
勇者「!!?」ドクドクッ
45
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 20:11:39 ID:jRkbIsGk
勇者「何してくれてんだ!?トラマナとかだろ普通!!」ドクドク…
少女「最初っから毒ならためらわずに取りにいけるよ?」
勇者「人の命なんだと思ってんだ!?」ドクドク
少女「大丈夫?」
勇者「大丈夫じゃねーよ!!…チッ、もういいや!とにかく取ってくる!!」ドクドク
<こいつミミックじゃねーか!!
少女「……あーめん」
46
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 20:16:35 ID:jRkbIsGk
勇者「……何とか倒せた……強ぇなミミック……」ドクドク…
少女「やっぱり勇者ってタフだね」
勇者「一応昔から訓練はしてたからな……って、いいから毒を消してくれ…」ドクドク…
少女「ザメハ」
勇者「……」ドクドク…
少女「まちがえた。リレミト」
勇者「……」ドクドク…
少女「あれ?」
勇者「……早く思い出してくれ…死ぬ…」ドクドク…
47
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:23:25 ID:jRkbIsGk
勇者「結局、どくけし草食うハメになったぜ……苦ぇ…」
少女「我慢しなさい」
勇者「誰のせいだと思ってんだ」
少女「あ、もう少しだよ」
勇者「…ったく、話をそらしやがって…」
48
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:27:08 ID:jRkbIsGk
ーオルドビス国・城下町ー
勇者「……なんか…アレだな…」
少女「廃れてるね」
勇者「昔、親父と来たときはもっと活気があって、カンブリア国に負けず劣らずって感じだったが……」
少女「何があったのかなー?」
勇者「王に聞くのが手っ取り早いな。城に行くぞ」
49
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:32:13 ID:jRkbIsGk
ーオルドビス城ー
兵士「…む、何者だ?」
勇者「一応、今までに何度か訪れてるんだが……」
兵士「……!」
兵士「こ、これは失礼しました!カンブリア国王の御子息様でございましたか!」
勇者「この国で起きてることや、魔王について聞きたい。王に会えるか?」
兵士「ははっ!今すぐ案内致します!」
勇者「……」
少女「勇者ってすごいんだね」
勇者「あんまりこの権力は使いたくねえけどな。こういう場合、しょうがない」
50
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:37:35 ID:jRkbIsGk
オルドビス王「よくこられた、カンブリア国の王子よ」
勇者「お久しぶりです。まあ、オレは王子にはなってないんですけどね」
オルドビス王「ああ、そうであったな」
勇者「……それで、この国、どうしたんですか?」
オルドビス王「……うむ、実はな…」
オルドビス王「ある魔族のグループに目をつけられてしまい……」
オルドビス王「いわゆる、植民地にされてしまったのだよ」
勇者「……なるほど…」
51
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:45:53 ID:jRkbIsGk
オルドビス王「毎日、食べ物や金、労働力を、ギリギリ国が潰れない程度に要求してくる」
オルドビス王「王も、ワタシのままにしておくことで、魔族が直接統治するより反乱を起きにくくしているのだろう」
オルドビス王「本当に頭が良い連中だ……」
勇者「……」
勇者「……あの、そいつら、どこにいるんですか?」
オルドビス王「……北の洞窟にアジトがあるようだが……」
オルドビス王「…!もしかして、キミは行くつもりなのか!?」
勇者「…もちろんです」
オルドビス王「だ、だめだ!奴らはとても強い!キミでも勝てるかどうか……」
勇者「色々お世話になったこの国を見捨てられませんよ」
オルドビス王「し、しかし……」
勇者「……それに…」
オルドビス王「……?」
52
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:50:08 ID:jRkbIsGk
勇者「オレには、コイツがいるんで」
少女「はじめましてー」
オルドビス王「……その子は…?」
勇者「『勇者』です。本物の」
オルドビス王「……勇者様!?そんなに幼い少女が……?」
勇者「信じられないでしょうが、本当です。俺が保証します」
少女「えっへん」
勇者「あんま調子のるなバカ」ペシッ
少女「あ。幼女虐待」
勇者「…その言葉はめちゃくちゃ効果的だな……」
53
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:56:19 ID:jRkbIsGk
オルドビス王「……本当に…救っていただけるのでしょうか…」
勇者「もちろんです。…だよな?少女」
少女「倒したらあんこください」
勇者「こんなときにもまだ言ってんのか!?」
オルドビス王「…お願いします!この国の民のため、あの魔物たちをうちとってくだされ!!」
少女「よーし、いこー」テクテク
勇者「ノリ軽いな!」
54
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:00:49 ID:jRkbIsGk
ーオルドビス国・城下町ー
勇者「……もう日が暮れてきたな…」
少女「宿やー?」
勇者「……そうしたいとこだが…」
勇者「明日んなったら、また魔物共がこの国に来ちまうだろうからな」
勇者「国内で戦闘になったら、人々が巻き込まれる」
少女「どるまどん放ったら…」
勇者「常人は即死だな」
少女「おそろしや」
勇者「お前がな」
少女「それを受けて生きてる勇者は」
勇者「……まあ、確かにタフだなオレ…」
55
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:10:41 ID:jRkbIsGk
ー北の洞窟(アノマロ洞窟)ー
勇者「ここら辺で洞窟つったら、ここしかねーな」
少女「暗いね」
勇者「確かにな……ランプ出すか」ガサガサ
勇者「よっと」カチッ
少女「これで探索できるね」
勇者「もしかしたら、捕らえられてる人がいるかもしれないから、迂闊に大技放つなよ?」
少女「おもいっきり、まひゃでどす放とうとしてました」
勇者「危ねぇ…!」
56
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:17:56 ID:jRkbIsGk
ーアノマロ洞窟・内部ー
勇者「……一体どんな魔物共がいるのか…」
少女「ここでゲームオーバー?」
勇者「縁起でもないこと言うな」
少女「…何かの気配がしてくるよ」
勇者「ああ……魔物か人かはわかんねえけどな」
少女「……」
勇者「……」
コウモリ「キキー」バサバサ
勇者(!!)ビクッ!!
少女「こうもりだー」
勇者「……」ドクンドクン…
57
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:24:59 ID:jRkbIsGk
勇者「…そろそろ本拠地に着くな」
少女「たくさんの気配があるよ」
勇者「……」
<さっさと働けェ!
<命が惜しければ、早く運べ!!
勇者「……これは…魔物の声か!」
少女「他にも、いろんな声が聞こえてくるよ?」
勇者「……急ぐぞ!」
58
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:32:16 ID:jRkbIsGk
ーアノマロ洞窟・採掘場ー
アークデーモン「人間風情が休むんじゃねぇ!さっさと掘って運べ!!」
人々「もうダメだ……」
人々「耐えられない……」
勇者「ここは……採掘現場か。見たところ、休む間もなく働かされてるみたいだな……」
少女「魔物もわんさかいるね」
勇者「……あんだけ人がいると、お前の呪文で一掃できねえし……どうするか…」
少女「できるよー」
勇者「……!本当か!?」
少女「ただ、ちょっと問題が」
勇者「…問題?」
59
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:36:08 ID:jRkbIsGk
アークデーモン「掘れ!運べ!掘れ!運べぇ!」
アンクルホーン「サボった者は、生きて帰れないと思え」
人々「ハァ…ハァ…」
勇者「すいませーーん!!魔物の方々はいらっしゃいますかーー!!」バーン!
人々「……!?」
魔物たち「……?」
アークデーモン「…なんだアイツは……」
60
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:43:21 ID:jRkbIsGk
勇者「あの、オレちょっと…その……実はさぼってたんですけど…」
アンクルホーン「…何……?」
勇者「あ、いや!聞いてください!!」
勇者「実は、そこら辺うろついてて、すごいの見つけたんですよ!!」
アークデーモン「何だ?言ってみろ」
勇者「……あーっと、その、そこにいる人たちに聞かれるとマズイことです」
アークデーモン「ん?何故だ?」
勇者「……人間は、今からオレがいう言葉に貪欲で、下手したら、それを欲しがって反逆を起こすかもしれないからです」
アークデーモン「お前もそう……反逆を起こしたいと思ってるってことか?」
勇者「いえ、オレ一人ではどっちみち無理じゃないですか」
勇者「だから、これ以上人数が増えないように、人間たちには耳を閉じててほしいんです」
アークデーモン「なるほど……人間ども!!耳を閉じろ!!殺されたくなかったらな!!」
勇者「……」
アンクルホーン「……よし、言ってみろ」
勇者「……少女…」
アークデーモン「ん?」
61
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:47:00 ID:jRkbIsGk
勇者「……少女ォ!!今だっ!!」
少女「……すー…」
勇者が合図すると同時に、隠れていた少女は息を大きく吸い込み
少女「にふらむっっっ!!!」
そこにいた魔物共を消し去った
62
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:52:54 ID:jRkbIsGk
〜次の日の朝〜
ーオルドビス城ー
オルドビス王「本当に……本当にありがとう!!二人とも!!」
勇者「いえ、日頃の恩返しです」
少女「ひかえおろー」
オルドビス王「本当に感謝しています、勇者様。…最初はバカにしてしまい、申し訳なかった…!」
勇者「ああ、オレも最初はバカにしてたんで、しょうがないと思いますよ」
少女「見た目は子供。頭脳は大人」
勇者「頭脳も子供だろ」
63
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 23:00:36 ID:jRkbIsGk
勇者「…あ、王様、魔王について何か知ってますか?どんな些細なことでもいいんです」
オルドビス王「そうだな……魔王の場所は知らないが……」
オルドビス王「私が聞いたところでは、この隣の大陸に、恐ろしい魔物が到来したらしい……」
オルドビス王「…なんでも、ひとつの国がたった半日で滅んだというのだ」
オルドビス王「聞いただけで恐ろしい……」
勇者「…そんな魔物が……。教えてくれてありがとうございました」
オルドビス王「何か、私たちで力になれることはないかね!?」
勇者「いえ、そんな……」
オルドビス王「できることなら、何でもする!お礼をしたいのだ!」
勇者「……なら…」
64
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 23:08:00 ID:jRkbIsGk
勇者「こいつに、あんこをやってくれますか?」
少女「あんこっ!」
オルドビス王「…そんなことでいいのかい?」
勇者「あ、でも、この国のあんこ全部食い尽くされますよ?」ハハハ
オルドビス王「構わない!いくらでも食べてくれ!」
少女「わぁい!」
勇者「それと、できたらもうひとつ…」
勇者「うちと……カンブリア国と、今後も仲良く通商を続けていってくれますか?」
オルドビス王「ああ、当たり前だ!」
勇者「ありがとうございます。…んじゃ行くか、少女」
少女「なんかむず痒そうだね」
勇者「感謝されるのに慣れてねえんだよ……」
65
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 23:15:09 ID:jRkbIsGk
ーオルドビス城下町ー
勇者「…あんとき俺、自分の耳塞ぐのギリギリまで忘れててよ……」
少女「消えちゃうところだったね」
勇者「危なかったぜホント……」
少女「でも、そうなってたら、わたしが生き返らせてたよ」
勇者「ニフラムにザオリクとか効くのか?」
少女「ゾンビ召喚の儀式とか」
勇者「人として生き返らせてくれ!!」
ーオルドビス国・お菓子売り場ー
少女「あんこあんこ」
勇者「好きなだけ食え。オレのじゃねーけど」
少女「このあんこ、カンブリア国のと味が全然違うけど、これもこれで美味しい」
勇者「熱弁されても、あんま分かんねーよ……」
66
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 23:19:21 ID:jRkbIsGk
勇者「…さて、情報は手に入れたが…」
勇者「隣の大陸までどう移動するか……」
少女「ルーラ」
勇者「だから行ったことねーっつーの」
少女「でも、結局勇者はオルドビス国来たことあったよね」
勇者「……あ…」
少女「じー…」ジー…
勇者「う、うるせえな!忘れてたんだよ!それに俺はどっちみちルーラ使えねえから!!」
少女「じー…」ジー…
勇者「見んな!!」
67
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 07:59:06 ID:/E24C9y.
兵士「お二方!ここにいましたか!」
勇者「…ん?どうしたんですか?」
兵士「隣の大陸まで、お二方を船でお送り致します!」
少女「おー」
勇者「本当ですか?ありがたいです」
兵士「ではこちらへ。船着き場まで案内します」
68
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 08:04:03 ID:/E24C9y.
ーオルドビス国・船着き場ー
兵士「では、こちらでお待ちください。只今、船員を呼んできます」
勇者「わかりました」
少女「船だねー」
勇者「船だな」
少女「おっきいよ。いかだの20倍くらい」
勇者「いまいち分かんねえな」
少女「探検してくるね」テクテク
勇者「おい待て」ガシッ
少女「はなせ」バタバタ
69
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 08:10:06 ID:/E24C9y.
勇者「そこら辺うろついて何か壊したらどうすんだ」
少女「そんなドジ踏むように見える?」
勇者「めちゃくちゃ見えるわ」
兵士「お待たせしました」
船長「勇者様、王子殿、快適な船旅になるよう尽力しますので、どうぞおくつろぎくだされ」
少女「じゃあ、くつろいでます」
勇者「ありがとうございます。あと、オレまだ王子じゃないんです」
船長「そうだったのですか?自分で道を決めるとは……すごいですね」
勇者「いや、そんな大したことじゃないですよ」
少女「確かに」
勇者「おい」
70
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 08:17:22 ID:/E24C9y.
兵士「それでは、いってらっしゃいませ!無事を祈っています!!」
勇者「あなたたちも、どうかご無事で」
少女「カンブリア国と一緒にあんこ生産頑張ってねー」
勇者「……」
ーバージェス海ー
船長「隣の大陸に着くまで、2日ほどかかりますので…その間、お暇かと思われますが、ご容赦ください」
勇者「いえ、送ってもらえるだけでありがたいですから」
船長「では、失礼します」ガチャ
勇者「しっかし、こんな広い部屋が備えられてるとはな」
少女「ふかふかのベッドだー」ポヨーン
勇者「早速トランポリンにして遊ぶな!」
71
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 08:31:10 ID:/E24C9y.
〜夜〜
勇者「……魔王ってのはどんなヤツなんだろーな」
少女「見たことないからわからないけど……」
少女「勇者みたいな顔の人だよきっと」
勇者「遠回しに悪人面っつってんだろそれ!ってゆうか、オレ自分でいうのもアレだけど結構イケメンだぞ!?モテんだぞ!?」
少女「イケメン(笑)」
勇者「てめえ!!許さねえ!!」
72
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 10:52:44 ID:/E24C9y.
少女「緊張感のない旅だね」
勇者「ああ。全くもって同感だ」
勇者「命かかってんのに、全然プレッシャーも何もねえ」
少女「死亡フラグかな」
勇者「縁起でもねーこと言うな」
少女「そういえば、死んだらどうするの?」
勇者「……お前、復活呪文とか覚えてねえのか?」
少女「『おはらい』なら」
勇者「さっそく成仏させようとしてんじゃねえよっ!!」
73
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 11:00:12 ID:/E24C9y.
勇者「回復呪文が使えないのはキツイな……」
少女「瀕死のときに大ダメージ受けたり、死んでからある程度時間がたつと、生き返らなくなるんだよね?」
勇者「ああ。ちなみにオレもベホイミ程度しか覚えてねえ」
少女「最初はそれで充分じゃない?」
勇者「……まあ、ここまで奇跡的にノーダメージだからな」
少女「なんとかなるさー」
勇者「…ま、いずれ回復役を探すとするか……」
少女「んじゃー、おやすm」zzZ…
勇者「……せめて言い終わってから寝ろよ……」
74
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 11:15:09 ID:/E24C9y.
船員たちも寝静まった真夜中
その衝撃は、突如船を襲った
ズガアアアァンッッ!!!
勇者「……っ!?なんだっ!!?」グラッ…
少女「……いだっ」ゴロゴロ……ガンッ
75
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 11:36:17 ID:/E24C9y.
勇者「……大丈夫か?凄い音したぞ…」
少女「頭が……」ズキンズキン
勇者「…多分、甲板だな。行くぞ!」
少女「頭が割れる……」ズキンズキン
ー船内・甲板ー
勇者「……魔物か……!」
ドルマゲス「……ふむ…貴様が『勇者』とやらか」
少女「頭がぁ……」ズキンズキン
勇者「……まだ治んねーのか…」
ドルマゲス「魔王様に歯向かおうなんて馬鹿げている。今すぐに引き返せ」
勇者「……」
少女「それはできません」
勇者「少女…!」
ドルマゲス「……仕方ない。本物の馬鹿だったようだな」
ドルマゲス「船ごと沈め」ゴゴゴゴゴ…
勇者「……なっ…!」
少女「…………」
76
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 11:39:39 ID:/E24C9y.
今更ですが、モンスターや呪文はドラクエから拝借しています。
77
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 13:49:03 ID:/E24C9y.
ドルマゲスの両手に魔力が集中する
右の手には炎、左の手には冷気が集まり
ドルマゲスが両手を合わせると、相対する2つの性質が合体し、一つの塊となった
ドルマゲス「……メドローア…!!」ギュインッッ!!
勇者「……くっ…!!」
勇者(あんなんくらったら、マジでひとたまりもねえぞ!!)
勇者(避けようにも避けらんねえし……やけくそでぶった斬るか!?)
勇者「畜生……!少女、相殺できるか!?」
少女「どるまどんっ!!」ドドドドッ!!
シュンッ
勇者「……!?…かき消された……」
少女「……頭が痛くて力がでない」ズキンズキン
勇者「まだ痛かったのか!!」
78
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 13:55:14 ID:/E24C9y.
勇者「他に手は……」
少女「……」スッ…
勇者「……手なんか差し出して…何するつもりだ?」
少女「協力技というものがあるのです」
勇者「協力技…?」
少女「説明してると死んじゃうから、早く握った方がいいよ」
勇者「…信じるぜっ!!」ギュッ
ドルマゲス「諦めて死ねぇ!!」
巨大な塊が目の前に差し迫った瞬間
少女「ミナデインっ!!」バチバチバチバチッッ!!
一筋の閃光がその塊を貫いた
79
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 14:17:30 ID:/E24C9y.
ドルマゲス「……バ、馬鹿な……人間ごときに私の呪文が……」
少女「……ふぅ…」
勇者「……す…すげぇ……」
少女「一人じゃ放てないけど、強力な協力わざだよ」どや
勇者「上手いこと言った。みたいな顔してんじゃねー」
ドルマゲス「……」
勇者「次はお前を狙うぜ?」
少女「命中率悪いけどね」
勇者「余計なこと言わなくていい」
ドルマゲス「……悪魔召喚ッ!!」ビュンッ!!
空中に描かれた魔法陣から、多数の魔物たちが召喚される
勇者「……まあ、そう簡単には終わんねえよな…」
少女「頭いたいのに……」
80
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 14:22:18 ID:/E24C9y.
勇者「まあ、数増やしたって変わんねーよ」
少女「そーだそーだ」
ドルマゲス「……確かに貴様らを倒すことはできないかもしれんが……」
ドルマゲス「常人なら容易く殺せる」
勇者「……まさか!!」
そう言い終えると、ドルマゲスは船内へと滑空しながら侵入していく
勇者「あいつ……船員たちを殺すつもりだ!!」
少女「この魔物たちは時間稼ぎ?」
勇者「ああ……くそっ!!」
勇者(こんなやつら倒してたら間に合わねえ!!)
81
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 14:31:17 ID:/E24C9y.
少女「行ってらっしゃーい」
勇者「……は?」
少女「ドルマゲス追いかけなくていいの?」
勇者「…でも、お前、この量は……」
魔物はざっと見たところ50体程度いた。
ニフラムには準備時間がかかるようで、この前のようにはいかないだろう。
勇者「…大丈夫なのか……?」
少女「わかんない」
勇者「……」
少女「でも、船員さんたちを助けるんでしょ?」
勇者「……ああ」
少女「わたしは大丈夫だよ。勇者だもん」
勇者「……」
勇者「……任せたぜ…!!」ダッ!!
少女「……」ノシ
82
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 14:35:02 ID:/E24C9y.
ー船内ー
勇者「……アイツ、そこら辺破壊しながら進んでってやがる…」タッタッタッ…
勇者「放っといたら、これだけでも転覆するな……」
ガシャーーンッッ!!
勇者「……あっちか!!」ダッ!
83
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 16:55:18 ID:/E24C9y.
船員1「うぅ……」
勇者「無事かっ!?」
船員1「わ、私は大丈夫ですが……船員2が…!」
船員2「……」
勇者「…!ひどいケガだな……」
勇者「応急処置程度にしかならないが……ベホイミ!」
船員2「…う……」ヒュインッ
勇者「これだけじゃ危ないから、なにかしら手当てしてやってくれ」
船員1「はい!」
勇者「急がねえとな…!」ダッ!
84
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:01:15 ID:/E24C9y.
ドルマゲス「……ここが動力炉か…」
船長「……この先には入れさせん」
ドルマゲス「…貴様ごときに止められるとでも?」
船員3「船長!危ないです!!」
船員4「俺らが変わります!!逃げてください!」
船長「船員を守るのは船長の務めだ。お前たちは逃げろ」
船員たち「……」
船長「早く!!」
船員たち「……どうかご無事で…!!」タッタッタッ…
船長「……」
ドルマゲス「…まあ、貴様を殺したあとでアイツらも殺すがな」
船長「……そんなことは絶対にさせん」チャキッ…
85
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:12:00 ID:/E24C9y.
ー船内・甲板ー
魔物たち「ウガアアァァッ!!」
少女「メラミっ、ヒャダルコっ」ゴウッ!
少女(…あんま強いの唱えると船壊れちゃうしなー)
少女(でもこの程度の威力だとジリ貧だし)
少女(どうしよー)
魔物たち「ウガァッ!!ギュアッ!」ババッ!!
少女「……っと、ぎりぎり…」ヒュンッ
少女(避けるのも疲れてきた…)
ベリアル「ウガアァァッ!!」ビュンッッ!!
少女「……っ!!」
86
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:17:10 ID:/E24C9y.
ー船内・操舵室ー
勇者「…ここも損傷がひどいな……」
船員たち「……ゆ、勇者様!」
勇者(……船員は合わせて4人……とりあえず船員は全員無事だったか)
勇者「どこか部屋に隠れてろ。それと、ドルマゲスはどこに行ったかわかるか?」
船員3「船長が……私たちの変わりに……」
船員4「ドルマゲスと……戦闘を…!!」
勇者「なっ…!」
87
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:23:40 ID:/E24C9y.
ー船内・動力炉ー
船長「……くっ…」ガキンッ!ガキンッ!!
ドルマゲス「防ぐだけでは私は倒せないぞ?」ガキンッガキンッガキンッ!!
船長「……それはわからないぞ?」カンッ!
ドルマゲス「……負け惜しみを。…飽きたから、そろそろ死ね」ギュルルル…
船長「…………」
勇者「魔神斬りッッ!!!!」ズバアッッ!!
ドルマゲス「……がはァッ!!?」ドサッ!!
88
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:33:43 ID:/E24C9y.
勇者「……ふぅ、ギリギリ間に合ったな……」
船長「勇者殿、信じておりましたよ」
勇者「こっちこそ、時間を稼いでくれててありがとうございました」
勇者「お陰で運良く命中しました」
ドルマゲス「ゲハッ!……ハァ…ハァ………き…さま…!!」ヨロッ…
ドルマゲス「このワタシが……」ヨロ…
ドルマゲス「このワタシがああぁぁぁっっッ!!!!」ゴオッッ!!
勇者「……」チャキッ……
89
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:37:32 ID:/E24C9y.
勇者「無心斬」ズシャッ
ドルマゲス「ガッ……」ドサッ
勇者「…ふぅー……」
90
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:41:28 ID:/E24C9y.
船長「……本当に倒してしまうとは」
勇者「運が良かっただけです。…それより、早く甲板に戻らねえと…」
ドガアアァァン!!!
勇者「……甲板の方からだ!!」
91
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:45:10 ID:/E24C9y.
船長「……そういえば、勇者様は?」タッタッタッ…
勇者「…甲板で大勢の魔物を引きとめてるんです!船に入ってこないように!」タッタッタッ…
船長「なんと……」タッタッタッ…
勇者(無事でいろよ…少女!!)タッタッタッ…
ー船内・甲板ー
勇者「……な…」
船長「……これは……」
92
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:50:30 ID:/E24C9y.
少女「おかえりー」ノシ
勇者「……ハァ…いらねー心配だったな……はは…」
船長「この数の魔物を、一人で倒されるとは……」
勇者「……そういえば、さっきの轟音は何だったんだ?」
少女「えーと」
少女「順を追って説明しますとー…」
93
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 20:03:06 ID:/E24C9y.
〜〜〜〜
ベリアル「ウガァッ!!」ビュンッ!
少女「……っ!!」
少女(この姿勢から避けるには……)
少女(勢いよく右方向に体をひねって)
少女(そのあと、そこにいる魔物からの攻撃をよけるために、すぐにしゃがんで)
少女(で、そこに剣を持って待ち構えたのがいるから、とんで避けて……)
少女(めんどくさい)
少女(避けるのめんどくさい)
少女(でも避けなきゃ痛いし……)
少女(……)
94
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 20:19:14 ID:/E24C9y.
ベリアルのもつ三つ又の槍が、少女の体にあと僅かまで迫っていた
少女(……あ、そっか)
しかし
少女(こっちから当てればいいんだ)
心臓を貫く寸前まで差し迫ったところで、
少女「アタックカンタ」ガキイィンッ!!
ベリアル「グバァッ……」ドスンッ…
逆に、ベリアルの体が八つ裂きにされることとなった
95
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 20:32:38 ID:/E24C9y.
〜〜〜〜
少女「それでー、ずっとアタックカンタとマホカンタかけて、入り口に座ってました」
勇者「……最高に楽な方法を考えたな…」
少女「最後のほうにはそれがバレて、ブレス攻撃してくる魔物とかとか、近づいてこない魔物とかがいたから…」
少女「ちょっとだけおっきな呪文うちました」
勇者「……それが轟音の正体か……。何放ったんだ…?」
少女「ジゴスパークうちました」
勇者「……そこらじゅうの焼け跡はそれか…」
少女「一応一番船が沈みにくそうなの選んだんだよ」
勇者「まあ、そこは偉いな」
少女「ほめろほめろ」
勇者「調子のんな」
96
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 16:54:37 ID:.hlTxElw
船長「いやはや、流石ですな!ふたりの勇者様!」
少女「でしょー」
勇者「……ったく、コイツは」
船長「船員も、怪我をしたものはいましたが、とりあえず無事でしたし、御二人のお陰です」
勇者「怪我の具合は…?」
船長「出血も止まっていますので、薬をぬって包帯をまけばもう大丈夫でしょう」
勇者「よかった…」
船長「また魔物が来るかもわかりませんし、今日中に着くように速度をあげます。しっかりつかまっててくだされ」
97
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 17:01:26 ID:.hlTxElw
ーキュリー大陸・海岸ー
船長「お待たせしました」
船長「ここが、隣の大陸。『キュリー大陸』です」
勇者「キュリー大陸……」
少女「なんか、ジメジメしてるね」
船長「ここは、我々の国の周辺よりも強力な魔物が住んでいるようです」
船長「どうかお気をつけてくだされ」
勇者「はい。ここまで、ありがとうございました」
98
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 18:20:21 ID:.hlTxElw
少女「……でー、どうするのー」
勇者「とりあえず、魔物に滅ぼされた国まで行ってみるか。何か手がかりがあるかもしんねーからな」
少女「場所わかるの?」
勇者「……正直、知らねえ。この大陸には来たこともねえ」
少女「……」
少女「どうするの?」
勇者「どうすっか……」
99
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 18:25:31 ID:.hlTxElw
少女「船長に聞けばいいんじゃない?」
勇者「あっ」
〜〜〜〜
船長「それでしたら、ここから西に進んでいけば国があるので、そこだと思いますよ」
勇者「ここからどれくらいですかね」
船長「少し遠いですが、4日程で着くと思います」
少女「げ」
勇者「そうですか。ありがとうございます」
船長「いえいえ」
100
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 18:26:06 ID:.hlTxElw
少女「船長に聞けばいいんじゃない?」
勇者「あっ」
〜〜〜〜
船長「それでしたら、ここから西に進んでいけば国があるので、そこだと思いますよ」
勇者「ここからどれくらいですかね」
船長「少し遠いですが、4日程で着くと思います」
少女「げ」
勇者「そうですか。ありがとうございます」
船長「いえいえ」
101
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 18:30:59 ID:.hlTxElw
連投ミス
少女「あー、また歩くんだね」
勇者「お前、その魔力で浮いたりできねーのか?」
少女「……ハァ…」チラッ
勇者「だからその『分かってねーなコイツ』みたいな顔やめろ!」
少女「魔力は万能じゃないんだよ」
勇者「…そーなのか?」
少女「そこら辺にいる、ぐんたいアリでも分かるよ」
勇者「てめえ」
102
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 18:39:07 ID:.hlTxElw
少女「あ」
勇者「どうした?今度こそ宝箱か?」
少女「死体」
勇者「……死体…?」
女性「」
勇者「……っ!!」ダッ!
少女「……」トテトテ…
103
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 18:55:54 ID:.hlTxElw
勇者「おいっ!大丈夫かっ!」ユサユサ
女性「」
勇者「……」
少女「もう手遅れみたいだね」
勇者「なんでこんな所で……」
女性「お恵みをォオオオォッッ!!!!」ガバァッ!!!
勇者「うわあああぁっっ!!!!??」ガシッ!
104
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 19:58:36 ID:.hlTxElw
女性「食べ物をっ!!何かっ!食せるものをっっ!!お恵みくださいいぃぃぃいいいい!!!!!」ズリッ!……ズリッ!
勇者「こ……恐えよ!!!心臓止まるかと思ったわ!驚かすな!!」
少女「生きてたんだー?」
女性「ギリギリ生きてますがもう死にます!!食べ物を!!食べ物をっ!!あなたを食べていいですか!?」
勇者「ダメに決まってんだろ!?ま、待ってろ、今何か……」
女性「ああ!目の前にステーキが!」ガブッ
勇者「痛ぇっ!!」
女性「……あまり美味しくないですね」ガブガブ
勇者「何噛みついてんだ!?痛え!!離せ!!」ジタバタ
少女「これが……ばいおはざーど…」
105
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 20:11:41 ID:.hlTxElw
モグモグバクバクゴキュゴキュ……
……ゴクンッ…
少女「食料が全部…」
女性「……ふぅ、落ち着きました」
勇者「……そりゃ良かった…」
勇者「で、何でこんなところに?」
女性「……」
女性「……実は…」
106
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 20:26:45 ID:.hlTxElw
女性「記憶喪失でして……」
女性「…分からないんです」
勇者「……記憶喪失?」
少女「何も覚えてないの?」
女性「はい……気づいたらここにいて、歩き回っていたら空腹で倒れてしまい……」
少女「なるほど」
女性「本当に死ぬところでした!助けていただき感謝してます!!」
勇者「…ま、何はともあれ死んでなくて良かったぜ」
女性「あのまま通りすぎてたら、あなたを呪っていたところでした!!」
勇者「!!?」
107
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 00:57:00 ID:yLnuUXNs
勇者「……で、アンタはこの後どうするんだ?」
女性「……どうしましょうか…私が誰であるのかすら分からないですし……」
勇者「家とか……友人とか……何かしら覚えてないか?」
女性「……そうですね…」
女性「魚よりは肉派だったと思います」
勇者「その情報いるか?」
108
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 01:02:06 ID:yLnuUXNs
勇者「弱ったな……家の場所も分からねえんじゃ、送ることすらできねーし…」
少女「運試しのバシルーラ」
勇者「9割くらいの確率で関係無いとこに着くだろ」
女性「…そういえば、お二人は何故こんなところに?」
勇者「…ああ、自己紹介してなかったな」
少女「わたしは勇者だよ。こっちも勇者だよ」
勇者「ややこしい紹介すんな!」
女性「ダ…ダブル勇者!!?」
勇者「アンタは何に驚いてんだ!?」
109
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 01:05:12 ID:yLnuUXNs
女性「お二人をダブル勇者と見込んで、お願いがあります!」
勇者「その呼び名やめろ」
少女「なんだね、いってみたまえ」
勇者「なんだその態度」
女性「私を、お二人の旅に同行させてください!」
少女「おっけー」
女性「ありがとうございます!」
勇者「即決ッ!!?」
110
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 01:10:12 ID:yLnuUXNs
勇者「大体、オレらの旅に同行するって……何のために?」
女性「お二人と色々な国をまわっていれば、記憶が戻っていくかもしれないと思って……」
女性「それに、私の故郷も見つかるかもしれませんし」
少女「ぐっどあいでぃあ、だよね」
勇者「……まあ、お前がいいならいいけどな。ここに置いてくこともできねえし」
女性「精一杯食料整理係を務めさせていただきます!」
勇者「お前は食料には触れるな!!」
111
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 18:34:49 ID:zPTPUZmM
少女「なんて呼ぼっか?」
女性「名前を覚えてないので、『女性』とでも呼んでください」
勇者「……なんか変な感じしねえか?『おい、女性』…とかって」
女性「でもそれを言ったら『少女』とか『勇者』だって」
少女「名前じゃなくて見た目だよね」
勇者「そりゃそうだけどよ……」
112
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 18:38:01 ID:zPTPUZmM
少女「じゃあ、わたしが考えてあげる」
女性「本当ですか?」
勇者「……嫌な予感しかしねえんだが…」
少女「記憶喪失ということで……」
女性「はい」
勇者「……」
少女「ごんべ」
ごんべ(女性)「待ってください」
113
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 18:45:39 ID:zPTPUZmM
ごんべ(女性)「理由を教えてください!」
少女「名無しの」
ごんべ(女性)「まだ『名無し』のほうが良かったです!!」
少女「じゃあ『なし』で」
なし(女性)「色々とおかしいです!!」
勇者「…見事に予感が当たったな……」
114
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 19:40:45 ID:zPTPUZmM
勇者「…『姫』とかはどうだ?」
姫(女性)「姫、ですか?」
勇者「高級そうなドレス着てるし…アンタ、結構高貴な身分だったんじゃねーの?」
姫「分かりませんが……姫と呼ばれて悪い気はしませんね!それでお願いします!」
少女「……」
勇者「自分の案が採用されなかったからって俺を睨むな」
115
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 19:50:12 ID:zPTPUZmM
恐ろしい魔物を撃退し、その先で記憶喪失の女性と出会った二人……
この出会いは、必然かもしれないし、ただの偶然かもしれない
ただ、
この三人の出会いが、後に世界の運命を大きく左右するとは
このときは誰にも分からなかった
116
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 20:02:41 ID:zPTPUZmM
ーーーーーーーー
『………』
『…必ず……』
『……やり遂げてみせる…』
『……オレ一人で…』
『………………オレ一人だけの力で……必ず……』
『……』
ーーーーーーーー
117
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/15(木) 07:37:16 ID:9LQkucN6
ーテント内ー
勇者「……」
少女「何ボーっとしてるの?」
勇者「んっ?…別になんでもねーよ」
姫「あやしいですね。エロいことでも考えてたんじゃないでしょうか」
勇者「それはねえよ!!」
姫「わっ、私に魅力がないってことですか!この人最低です!!」
少女「ろくでなしー」
勇者「どうすりゃいいんだよ!?」
118
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 16:32:32 ID:d6kITars
少女「おなかすいた」
勇者「急だな」
姫「じゃあ私が何かつくりますよ」
勇者「アンタ料理できんのか?」
姫「多分、つくれる気がします」
姫「全部つまみ食いしちゃうかもしれませんけど」
勇者「座ってていい。オレがつくる」
119
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 22:33:38 ID:d6kITars
勇者「完成…っと」コトッ
少女「あんこじゃない…」
勇者「文句言うな!」
姫「これ、なんて料理ですか?」
勇者「ああ、『シチュー』だ。食ったことないのか?」
少女「あるよ」
勇者「お前に聞いてねえよ……」
姫「そうですね……初めて食べる気がしますね。いただきますっ」モグモグ
少女「いただきあむ…」モグモグ
勇者「言いながら口に入れんな」
姫「…美味しいですね!」
勇者「一応、王宮のコックから料理を学んだからな」
少女「親のスネかじって生活してる方がラクなのに」
勇者「それじゃ意味ねーよ。オレの人生じゃねえ」
120
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 22:40:36 ID:d6kITars
〜夜〜
少女「ねみぃ」
勇者「んじゃ、ライト消すか」
姫「魔物は大丈夫なんですか?」
勇者「ああ、心配いらねーよ。この中に魔物は入ってこれない。多分な」
姫「そうなんですか!安心して寝られますね!」
少女「ここにケダモノが」
勇者「誰がケダモノだこら」
121
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 22:45:25 ID:d6kITars
勇者「…ライト消すぞー。んじゃ、おやすみ」カチッ
少女「おやs…」zzZ……
姫「おやすみなさい……」
姫「…………」
122
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 22:48:30 ID:d6kITars
『……早くこっちにきやがれ…!』
『……殴られてえのか…!?』
『……黙って言うこと聞いてりゃいいんだ………!』
『……嫌…です……』
『……やめてください…』
『……やめて………』
『……助けて………』
姫「…………っ!!」ガバッ!!
123
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 22:52:33 ID:d6kITars
姫「……ハァ……ハァ…」
姫「…………」
姫(……今のは…)
姫(……私の…記憶…?)
姫(…………)
姫(………わからない…)
姫(……)
姫(………ただの…夢……ですよね…)
姫(…………)
124
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 23:00:36 ID:d6kITars
〜次の日の朝〜
勇者「んじゃ、今日もとにかく歩くぞ」
少女「つまんないね」
勇者「仕方ねーだろ……」
姫「……」
勇者「……ん?姫、どーした?」
姫「……やっぱり、私…」
姫「……私が…ついていっても、迷惑じゃないでしょうか…」
勇者「……急にどうしたんだよ…?昨日まではオレらが『来んな』っつっても来る勢いだったろ?」
姫「……」
勇者「……姫…?」
少女「迷惑じゃないよー。ぜんぜん」
姫「……本当…ですか?」
少女「迷惑なのはあいつだよー」
勇者「ああ"!!?」
125
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/17(土) 08:09:28 ID:UtoIGBMc
少女「適当に旅してるだけだから」
少女「いてもいなくても一緒だよ」
姫「……」
勇者「……どのみち、アンタは記憶を失ってる…」
勇者「そんなやつ、こんな危なっかしいとこに置いてけねーよ」
姫「………ありがとうございます…!」
126
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/17(土) 08:23:50 ID:UtoIGBMc
勇者「んじゃ、さっさと西の国をめざすぞ」
少女「おぶってよ」
勇者「ふざけんな」
姫「西の国が、私の故郷だといいんですけど…」
勇者「…いや、下手したらそこは滅んでる。そこじゃないほうがいいかもな」
姫「そうなんですか…」
127
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/17(土) 08:33:38 ID:UtoIGBMc
こうして、3人は
道行く敵をなぎはらいながら
数日間、西の国に向けて歩き続け……
ーキュリー大陸・シルル国ー
勇者「……ここか」
姫「……酷い有り様ですね」
勇者「…ほとんどガレキの山だな。人が住んでる気配なんて、ほとんど感じねえ」
少女「……」
128
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/21(水) 16:01:11 ID:9tk1dDuE
姫「一応、お城はギリギリ原型をとどめてるみたいですね」
勇者「とりあえず城に誰かいないか確かめに行こう」
少女「行ってらっしゃーい」
勇者「お前も行くんだよ!」
勇者「足の踏み場もねえ…」ガシャガシャ
姫「うっかり転んだらガラスで八つ裂きですね」ガシャガシャ
勇者「…少女、押したりすんじゃねーぞ?」ガシャガシャ
少女「ほい」ドーンッ
勇者「」ドガッシャーーンッ!!
129
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/26(月) 18:09:01 ID:fBkkgnZ2
姫「大丈夫ですか?血、凄い出てますけど」
勇者「少女てめえ!!言ったそばから……!!」ドクドク
少女「『フリ』かと思って」
勇者「ちげえよッ!!」ドクドク
姫「……あ、やっと門まで着きましたね」
勇者「開いててよかったぜ。ここまで来て引き返すなんてバカみてーだしな」
少女「閉まっててもこわせるよ?」
勇者「魔物かお前は」
130
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/27(火) 19:25:20 ID:yROuoeHM
ーシルル国・城内ー
勇者「中は、普通に歩けるみたいだな」
少女「誰もいないんじゃないのー?」
姫「確かに、人影は見辺りませんね…」
勇者「…この国から何か、魔王への情報が得られると思ってたんだがなぁ……」
少女「やくたたず」
勇者「しばくぞ」
131
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/31(土) 20:28:45 ID:7us.Y9EU
少女「どーするのー、このあと」
勇者「……仕方ねえ、引き返すか…」
姫「あ!この城、地下室もあるみたいですよ!!」
勇者「地下室?」
少女「興味を惹かれるひびきだね」
勇者「そうか、地下室か……。そこに避難してるのかもしんねえな」
姫「行ってみましょう!」
132
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/31(土) 20:35:24 ID:7us.Y9EU
ーシルル城・地下室ー
勇者「……暗ぇな…」
少女「暗いね」
姫「暗いですね」
勇者「……」
勇者「……分かったよ…オレがランプ出せばいいんだろ…」ガサガサ
勇者「よし」カチッ
少女「おー、明るくなった」
姫「すごいですねー」パチパチ
勇者「……お前らにもランプ渡しただろ…。出すのが面倒くせえからって…!」
少女「はて、なんのことやら?」
勇者「てめぇ……」
133
:
名無しの権兵衛殿
:2015/10/31(土) 21:43:40 ID:7us.Y9EU
少女「…あ、人がいるねー」
勇者「どこだ?」
姫「あ、あそこに……」
石像「」
姫「!!」
勇者「なっ……!?」
少女「……」
勇者「……造り物…じゃねえよな……」
姫「……っ!…奥にも、たくさんあります…」
少女「めでゅーさの呪い?」
勇者「……分かんねえ…見たことも聞いたこともねえ……人が石になるなんて……」
134
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/11/15(日) 22:21:46 ID:zruFQzWg
少女「……ん、奥にもでっかい石像がー…」
石像『』
姫「……少し大きすぎませんか?」
勇者「……まて、嫌な予感がする…」
石像『……』
ゴゴゴゴゴ…
石像『……ウ"ンッ!!』ドスンッ!!
勇者「…っ!」
姫「せ、石像が…!!」
少女「…うごいた……」
135
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/11/20(金) 22:11:59 ID:vnRBO66w
勇者「…『うごくせきぞう』と呼ばれる魔物を聞いたことがあるが……」
石像「……」ドスンッ
勇者「…アイツのことか……!」
姫「もしかしたら、あの魔物を倒せば皆さんが元に戻るかもしれませんね?」
勇者「そうだな…物は試しだ!」ダッ!!
勇者「真っ二つになりやがれッ!!」ブンッ!!
石像「……」ガキンッ!!
勇者「……っく!固ぇ…!!」
136
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/11/25(水) 00:45:50 ID:PBRVkB6I
少女「めらー」ボワッ
石像「……」ブンッ!!
少女「…かきけされちゃった」
勇者「…MPケチってんじゃねえ……」
石像「……」ドスンッ!
勇者「…くっ…ジリ貧だな…」ガンッ!
少女「石に魔法効くのー?」
勇者「知るか!とにかく、つえーの撃て!!」
少女「いおぐらんでっ」
石像「……!」
勇者「あ、おい、俺まで巻きこまr」
チュドーーーンッッ!!!
少女「……」
姫「……」
少女「……あーめん…」
姫「…勇者さん…あなたのことは忘れません……」
勇者「生きてるわッ!!」ガラガラッ…
少女「あ、すごいねー」
姫「ですね」
勇者「魔王よりお前らのが怖ーよ!!」
137
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/12/03(木) 22:41:23 ID:WrcgcLc.
少女「石像壊れたー?」
姫「多分、そう思います」
勇者「……にしても、ひでえ損壊だな……よくオレ生きてたな…」
姫「…あ!向こうで石になってた人たちが…!」
勇者「!」
男性「……オレは…一体?」
男性2「あれ…?なんか記憶があまり無いな…ここどこだ?」
女性「……?ここは…」
姫「…救えたんですね?」
勇者「ああ」
勇者「……アイツのお陰でな」チラッ…
少女「そろそろあんこ食べたいなー…」
138
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/12/07(月) 22:03:43 ID:N4pXcW8o
勇者「よし、とりあえず……」
勇者「皆さん!もしかしたら壁が崩れてくるかもしれないので、念のため外に避難してください!!」
男性「く、崩れる?」
女性「崩れてくるの!?壁が!?」
勇者「落ち着いてください!念のためです!!見た感じ崩れなさそうだけど、念のためですから!落ち着いて避難してください!!」
少女「みんなドタバタしてるねー」
少女「よけいなこと言うからー」
勇者「うるせぇ……」
139
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/12/16(水) 22:40:46 ID:IjBACbFs
ーシルル国・広場ー
姫「みなさーん、こっちが安全ですよー!こっちですー!」
少女「……ふわぁ…」ムニャムニャ…
勇者「アクビしてねーで、お前も誘導しろ」
少女「えー、みんな自力で逃げられないの?」
勇者「お年寄りとか子供もいんだからよ」
少女「わたし子供だけど逃げられるよ」ドヤ
勇者「……」
140
:
名無しの権兵衛殿
:2015/12/27(日) 05:03:59 ID:4PiqYNuI
https://dl.dropboxusercontent.com/u/150482979/2.swf
141
:
名無しの権兵衛殿
:2016/02/13(土) 21:57:21 ID:BQ5HFHHg
キュリー国王女「勇者さん。お久しぶりです」
勇者「…!王女様ですよね?良かった生きてて……」
少女「おーじょさま?」
姫「わっ、この国の王女様ですか!はじめまして!」
王女「皆さん、石になっていた私たちを助けて頂き、本当に感謝します」
王女「…見た通り、この惨状なので何もお返しは出来ませんが……」
少女「あんこは無しか……」
勇者「お前は黙っとけ」
142
:
名無しの権兵衛殿
:2016/02/15(月) 13:14:36 ID:2jgr6sLI
ミス
×キュリー国王女
↓
○シルル国王女
勇者「この国は、なんでこんなことに…?」
王女「石になっていたので、どのくらい時間が経っているのかはわかりませんが…」
王女「今から少し前、この国に一人の召喚師が訪ねてきたのです」
勇者「召喚師が?」
王女「はい…。その者がある取り引きをしに来たのです」
勇者「取り引き……」
姫「一体何を要求してきたんですか?」
143
:
◆UO0HO7RAyE
:2016/03/11(金) 21:30:17 ID:C6/knbJw
王女「『毎月貢ぎ物を寄越せ。さもなくば、この国を滅ぼす』…と」
姫「……ヒドイ人ですね!」
少女「外道だー、鬼畜だー」
勇者「だが…召喚師ってのは魔術を極めた者だけがなれたはず……」
勇者「その仙人みたいな存在が、なぜそんな要求を……」
王女「…分かりません……。ですが、あの者は私たちを……この国を、とても恨んでいました…」
勇者「…………」
勇者「よし、そいつ探してきます」
王女「……え?」
姫「!」
少女「え"っ…」
144
:
◆UO0HO7RAyE
:2016/03/11(金) 21:45:41 ID:C6/knbJw
勇者「そいつが召喚術使って、こんなことになったんですよね?」
王女「…はい。貢ぎ物の量が尋常ではなく……少し待ってほしいと言ったのですが、聞いてもらえなくて……」
勇者「捕まえて、連れてきて、理由を聞き出します」
王女「…いえ、あなた方にこれ以上迷惑は……」
勇者「いいんです。これは俺の好き勝手でやらしてもらいますから」
勇者「どんな理由があろうと……国を……人を滅ぼしていいなんてこと、ない」
王女「……勇者さん…」
姫「…そうです!こんなに大勢の人を傷つけて…!!」
姫「これじゃ、やってることは魔物と変わりありません!」
145
:
◆UO0HO7RAyE
:2016/03/12(土) 11:41:33 ID:vW8rUtHo
勇者「召喚師が、大体どの辺りにいるか分かりますか?」
王女「ここから南の洞窟で過ごしていたようですが…私たちが石になる前のことなので、今はいるかどうか……」
勇者「…なるほど」
<シルル国周辺・草原>
勇者「じゃ、洞窟に行ってみるか」
少女「ほっといていいんじゃないかなー?もう助けたんだし」
勇者「…まあ、これに至っては俺のおせっかいだ。付き合ってくれ」
少女「え…ロリコン……」
姫「…死罪ですね……」
勇者「そっちの付き合ってくれじゃねえよ!!」
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◆UO0HO7RAyE
:2016/03/25(金) 15:06:34 ID:f7u6VNq6
<サンヨウ洞窟周辺>
勇者「…おかしいな…王女の話によるとここら辺にあるはずなんだが…」
姫「辺り一面草と砂ですよ?」
少女「うへぇー……殺風景」ポスン
勇者「おい座んな、立てコラ」
少女「この年頃の女の子の歩ける限界は、こんなもんだよ」
勇者「…まあ、そうだろうが……」
姫「あっ、じゃあ私がおんぶしてあげますよ!」
少女「えー?いいのー?ホントにー?」
勇者「やめとけ。甘やかすと常時おんぶすることになるぞ」
少女「チッ…」ジロッ
勇者「舌打ちしたな?」
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