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戦士「勇者とは何か」
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_____
戦士「........ここでお別れか、自分の実力不足が不甲斐ない」
勇者「戦士が弱いわけじゃあない、ただ........」
戦士「いや、自分でも解っている。俺が皆の脚を引っ張っていたことを........どうか、魔王を倒してくれ。身体はついて行けなくとも、心は勇者、お前たちと共にあるつもりだ........」スチャッ
戦士「この剣を、持っていってくれ」
勇者「........ああ、ありがとう」
戦士「勇者、女武闘家、女盗賊、女賢者........元気でな、武運を祈る」
勇者「ああ、戦士も元気でな」
女武闘家「戦士の分も、存分に暴れてきてやるわ!」グッ
女盗賊「役立たずのアンタがいなくなると、清々するわ........っと、目にゴミが入っちまったかな」ホロリ
女賢者「神のご加護が在らんことを........どうか、元気で」
"
"
-
いつものハーレムパーティにしたかっただけのやつじゃん
こっから戦士が頑張ったりするんでしょ?
-
____
___
村人「戦士さん、戦士さん!まーた村に魔物がきただべ!!」
戦士「承知した、すぐ助太刀にいく!」ダッ
少し、昔の事を思い出してしまったか。
酒場で黄昏ていると、不意に村人が飛び込んできた。
最近、魔物が多くなってきている。
比較的平和だったこの村も、連日魔物が襲い来るようになっている。
村人「オラも鍬さもって助太刀するべ!いつまでも戦士さんばっかに頼っていちゃあ行けねえべなあ!」タッタッタッ
戦士「すまないな!」
村の入口から聞こえる叫び声。
既に村人が何人かやられたか、自分の脚の遅さを恨む。
戦士「魔物ォッ!」ダンッ
飛び込むと、そこには魔物。
血塗れの村人が地に横たわり、魔物がその村人の屍肉を貪っている。
-
>>2
そうだよ
-
村人「モキチぃぃぃぃぃ!!」ダッ
マンティコア「ヴォオオオオオッ!!」
戦士「闇雲に飛び込むな!退けッ!」グッ
マンティコア。
人の顔にライオンの身体、サソリの尾をもった魔物。
尾から毒性の針を飛ばす厄介な魔物だ。
飛び出そうとする村人を制し、魔物の様子を見る。
マンティコア「ヴルルルルル........」ググッ
尾を立て、牙を剥いている。
次の獲物を定めているのだろうか。
戦士「させんッ!」ダッ
飛び込み、鉄製の剣を横凪ぎに振るう!
爪で応戦しようとしたマンティコアだが、剣は爪ごとマンティコアの胸を切り裂いたッ!
血が噴き出し、マンティコアの眼の色が変わる。
どうやら本気でかかってくるようだ。
戦士「この俺をみくびってもらっちゃあ困る........次は左の爪だ、覚悟しろッ!」ダンッ
"
"
-
マンティコア「ヴァウッ!!!!」ドピュンッ
尾を振り、毒性の針を飛ばす。
目測15cm程の大きな毒針が、真っ直ぐと飛んでくる。
戦士「効かぬッ!」ズガンッ
鉄製の盾で針を防ぐ!
強烈な毒が盾の一部を侵食し、穴を開ける。
どうやら強烈な毒のようだ、鎧を着ていれど食らってしまえば危ない。
針の射線から逃れるように斜め右へ飛び込み、そのまま走り剣を振るう!
戦士「どあああッ!!」ズバッ!
マンティコアの左前足を切り上げるッ!
真っ直ぐと裂き、左前足の半分をスッパリと切り落とすッ!
骨まで削られ、血が噴き出すッ!
最早立つのも敵わないッ!
-
マンティコア「ヴアアアアッ!ヴオオオオオオオオッ!!!!」ブォンッ
必死に尾を振り回し悪あがきをするが、尾は虚しく空を斬る。
脳天に深々と剣を突き刺され、マンティコアは絶命した。
戦士「っと........これで、終わりだ」
村人「も、モキチ........オメェ、なんで........!!」グッ
戦士「すまなかった........俺がもう少し早ければ........」
村人「........いいや、戦士さんは悪くねえだ。被害が出てるのに兵士の一人さえ出さねえ国が悪い!いや、魔王とかいうのをさっさと倒さねえ勇者とかいうのが悪いんだべ!!」
戦士「勇者、か........」
-
勇者。
俺でも惚れるくらいの中性的な美形で、剣も魔法もめっぽう強い。
いっつも女共と風呂に入る位の女好きで、遂に俺はアイツと風呂に入る事はなかった。
嫌味な位にうらやましいヤツだが、何故か憎めないヤツだった。
いつも本音で、嘘をつくことはなかった。
1ヶ月前のあの時の言葉も、きっと本音なんだろう。
「戦士が弱いわけじゃない」
俺も解っている。自惚れじゃあ無いが、それなりには戦えたつもりだ。
だが、それでも駄目だった。
あの『先』に行くには、俺の実力じゃあ駄目だったという訳だ。
今頃勇者は、世界を救うために奮闘しているだろう。
こんな村で燻っている俺とは違って。
戦士「俺は、何してんだろうな........」
-
いったんここまで
-
村人「キモチィィィィィ!」に見えた
-
俺もキモチィに見えた。期待。
-
>>10
>>11
実は俺も書いてる途中にそう見えた
-
_____
村の酒場。
何人かの村人と共に、木のテーブルを囲んで話をしている。
戦士「今動ける村の自警団は?」
村人「モキチも死んで、ジロウさはケガで........オラを合わせても、7人しか動けねえだ」
村人B「村で一番狩りのうめえジロウさがケガしちまったんだ、オイラ達じゃ無理なんじゃあねえか........?」
戦士「........くそ、王都は何をやってるんだッ!」ダンッ
苛立ちに身を任せ、木のテーブルを拳で叩く。
魔物の勢力が強くなって来ている今、まともな支援も受けられない村は少なくない。
王都には1週間も前に支援の要請を出した。
しかし、兵士どころか食べ物さえ来ない。
この村は、度重なる魔物の襲撃と食料の減少によって疲弊しきっていた。
-
村人「戦士さん........どうします?」
戦士「この村の自警団で、戦うしかないだろう.........」
助けが無ければ、自分達でなんとかするしか無い。
戦える者が居なくとも、自ら戦いに出るしか生き残る道はないのだ。
村人B「だけど、オイラ達は武器の握り方さえ知らねえんだ!勝てるわけねえべ!」
戦士「俺が教える」
村人B「........へ?」
戦士「俺が、まともな武器の使い方を教えてやる!」ズオッ
-
村人「するってえと、オラ達に剣の技を教えてくれるって事か!」
村人B「オイラも戦士さんみたいに戦えるんだべなあ!」
戦士「いや、剣は駄目だ」
村人「え、なんでだべ!?」
戦士は言う。
今まで戦闘経験のほとんどない者が、一朝一夕の練習で剣を握るのは無謀。
人手も無くケガを極力減らしたいこの状況では、無闇に近付き、死ぬような真似はしたくない。
しかし弓や魔法は習得が難しく、付け焼き刃では仲間を傷付ける事になってしまう。
戦士「そこで、槍だ」
村人「........槍?」
-
戦士「槍はある程度のリーチを保てるから、付け焼き刃の剣技よりかは安全になる。それに、簡単な槍なら村にある物だけで作れるんだ」
村人「はえー」
戦士「自警団は身体は鍛えているが肝心の武器が農具だ、俺が少し槍術を教えるだけで今より幾分かは楽になるよ」
戦士の言葉に、村人達は目を輝かせる。
そういえば、自分が王国の戦士として勇者と二人で旅立った時もこんな顔をしていた。
あの頃は、『自分が勇者の剣となる』なんてクサい台詞を吐いていたなあ。
そんなことは、夢のまた夢だった訳だが。
昔を思い出し、目を瞑る。
村人B「オイラもお城の騎士みたいに白い馬に乗って魔物を倒せるんだべなあ!」
村人「いいや、オメェの顔じゃあ精々ロバってところだべ!ほれ、オメェの顔があんまりひでぇもんだから、戦士さんも目瞑ってるべ!」
村人B「あんだとオメェ!オイラの顔がそんなにひでぇなら、オメェは精々豚ってところだべ!」
戦士「ロバでも豚でもどっちでも良いが、村の自警団を集めてきてくれ。今から槍術を教え込む」
-
はいここまで
次回はね、そろそろね、動こうと思うよ(多分)
>>1「キモチぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
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モキチ「キモチィとは何か」
-
きたい
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_____数日後、夜
村の自警団達は筋が良い。
少し槍術を教え込んだだけで、もう初級クラスの魔物なら一人で倒してしまえるレベルになった。
使えなくなった備中鍬などを改造して作った取り合えずの『槍』。
ただの農具で魔物とやりあうよりかは良いが、やはり鋭利さや使いやすさが『本物』とは程遠い。
戦士「ふう........こんな物か」カチャッ
鉄の棒を芯とし、魔物の鱗や鞣した毛皮で胴金や太刀打ちを加工。
穂には魔物の牙を磨ぎ、鋭利にしたものを使う。
これで有り合わせの材料で『槍』が出来る。
元々、魔物の素材を使った武器の修繕や作製は得意だった。
元パーティメンバーだった女盗賊の『器用な戦士なんてキモチ悪い』という言葉を思い出す。
戦士「器用で何が悪かろう........っと、これで10本か」グッグッ
-
基本的な事は、2、3日ですべて覚えてくれた。
中でもかなりのセンスがある村人に後を任せ、自分は村の自警団の為に装備を作ってやっていた。
戦士「っと、あとは........マンティコアの毒針くらいか........こいつは、聖水で清めて捨てるに限るな」
マンティコアの針の毒は、本体が死んだ後でも作用する。
素手で触るのはもっての他、手袋をしていたとしても危険なくらいである。
戦士(どういう理屈で毒が抜けるのか知らんが........聖水ってのは、便利だな)バシャッ
戦士が装備を作りはじめてから数日、かなりの装備が酒場には並べられている。
様々な魔物の素材を使った、『槍』
鞣した革や鱗で加工した『鎧』
他にも、毛皮の帽子やブーツがところ狭しと並んでいる。
-
戦士(........俺がこの村に『最後』に出来る事は、こんなこと位だからな)
『最後』
戦士は決意した。
今からでも、勇者の後を追うと。
自分一人で何処までいけるか解らない。
もう勇者には追い付けないかもしれない。
だが、戦士は思った。
『このまま、この村で燻っていてもいいのか?俺には、やるべき事があるはずだ』
勇者程の実力は無い、魔法も使えない、そもそも一人だ。
しかし........
戦士(........俺はやると決めたんだ)カリカリ
置き手紙を残し、夜の内に去ろう。
干し肉、聖水、マントに薬草........
他にも、旅に使う物は全てずだ袋に入れた。
もう旅立ちの準備は、整った。
-
戦士「二度目の、旅立ちか........」
朝焼けが地平線を染める頃
戦士はもう、村を出ていた。
戦士(勇者がまっすぐ魔王を倒しに行ったのだとしたら........先ずは勇者と別れた『武道の街』まで向かい、そこから船を借りて『東の大陸』か、行ければ『北の大陸』まで行かなきゃならんわけだな........)
この世界は3つの大陸と複数の小島、それと広大な海から成っている。
まずは、王都や武道の街の存在で比較的安全な、ここ『南の大陸』
次に、魔王の軍と王都の兵士の主な戦場である『東の大陸』
砦や塔など、軍事施設の近くに村や街がある事が多い。
最後に、最早殆どが魔物の領地となった『北の大陸』
魔王の城があるのもここである。
港や、王都の精鋭の駐屯地、有志が魔物から奪還した街等は北の大陸では比較的安全である。
-
戦士「ここから『武道の街』までは........ううむ、順調に進めたとしても2日か」
腰に携えた鉄の剣に手を沿えながら、足早に歩く。
一人の孤独な旅、戦闘での苦労は勿論、道中や休憩時に話す相手が居ないのは寂しい。
戦士(さっさと、人のいる場所に行かねばな)スタスタ
ひたすらに、ただひたすらに歩く。
岩地を過ぎ、森を過ぎ、小さな河のほとりまで脚を進めた。
道中、ウルフや暴れ猿などの下級モンスターや、盗賊なんぞにも襲われたが戦士は全て切り伏せた。
聖水を振り撒き、焚き火を作り........野営の準備を終えた頃には、夕日が沈み群青の空に星が輝く時間になっていた。
戦士「ったく、疲れたな........まあ、マンティコアなんかの上級モンスターに会わなかっただけマシか........」グタッ
河の水を小さな鍋に入れ、調味料や野草、小さく切った干し肉を入れて煮込む。
野草と干し肉で作ったスープだ。パンが無いところが惜しい所だが。
この決して美味くはないが疲れた身体に染み渡る何とも言えない塩気が、戦士は好きだった。
戦士「ああぁ、不味い........が、なんかクセになるんだよなあ」ズズズ...
ひたすら、スープを飲み、肉を噛み、独り言を呟く。
寂しい。が、悪い気分ではない。
戦士「待ってろよ........勇者」ムチャムチャ
-
ここまで
次回はね、なんかあるかもね(まだ考えてない)
村人「この槍、オラの家の包丁より良く切れるべ」ニンジンサクー
-
乙
戦士が切り捨てられたのにまだ先に街があるのか……
-
乙
キモチ悪い
と片仮名で表記するあたりにイッチのモキチ愛を感じる
-
モキチ「乙&期待」
-
____
盗賊「火炎よッ!」ブォォッ!
戦士「うおっ........!」ズガァン!
盗賊「盾で守ったか........なら接近だッ!」タンッ
魔法はズルい。
自分が近付く前にべらぼうに威力の高い飛び道具をあれよこれよと出してくる。
対して自分はどうだ?
どれだけ筋肉を鍛えても、素振りを星の数程こなしても、たいした剣技は身に付かない。
こう、剣圧が飛んで遠くの敵を切り裂く様なカッコいい技が欲しいのだが........
盗賊「うらあああッ!」フオッ
戦士「燕返しッ!」ヒュババッ
目の前の敵を切るッ!
そして間髪入れずに切り上げるッ!!
盗賊「ッ........!!」ドシャアアッ
血飛沫をあげて地に沈む!
盗賊が動かなくなるのを確認し、戦士は足早にそこを離れた。
-
燕返し。
一太刀目を振った後に、素早く下から斜めに切り上げる剣技。
一太刀目が当たったら追い打ちを。
一太刀目がかわされたらカウンターを決める事が出来る。
戦士(でも、なんかもっと........ズバァッ!と行きたいモノだ........)
勇者は、素早く剣を振り抜きその剣圧を飛ばし相手を攻撃する『真空刃』なる技を持っていた。
何処が真空で、何で刃なのか........
とか言う意味不明ないちゃもんを今頃頭の中で言ってみたりするが、返答は無い。
戦士「........実際、遠距離使えたら楽だろうなあ」ウーン
悩みながら、草原を歩いていく。
すると遠くの方に海が見え、その辺りに大きな灯台が見えた。
戦士「........『武道の街』だ」フゥ
代わり映えしない景色にうんざりしてきた所で、やっと遠くの方に目的地が見えた。
砂漠の中でオアシスを見つけたような感覚に、戦士は顔を綻ばせながら歩いていった。
-
_____武道の街
街は活気に溢れている。
『武道の街』と言うだけあって、剣道場や武道場などが至るところに点在し、武具を扱う店がところ狭しと並んでいる。
何故か街の真ん中にどでかい灯台があり、そこを登ってゆっくりと上から街を眺めるのもまたオツである。
世界の中で最も武具が集まる場所とも言われ、武の道を往く者なら一回は言ってみたい街とも言われている。
戦士(ここは、二回目だ........)
勇者と別れる前........
この街に初めて来たときは、海の魔物によって武器の輸入がままならない状態だった。
勇者達は海の魔物を倒そうと奮闘していた。
俺も頑張った。
しかし『クラーケン』の触手を制しきれず、俺はやられたんだ........
戦士(あの時、クラーケンに負けていなければ........何か変わっていたかもな)
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昔を思いだし、苦虫を噛み潰したような顔をしていると。
不意に、声をかけられた。
店員「よお、あんちゃん!そーんな難しい顔をしてどうしたってんだ?」
戦士「いや........少し、な」
店員「いやー、解るよ!俺にも!それくらい鍛えられてくると『もっと強くなれないだろうか』『武器がいけない、防具がいけない』なーんて考えちまうもんさ!」
戦士「いや、別にそこまでは........」
店員「わーってる、わーってるよ!兄ちゃんも罪だねェ!よーし解った!ハンサムな顔に免じて値段を10パーセントオフだ!さあ、買うしかないなあ!?」
戦士「え、えぇ........」
-
戦士「しかし........ううむ」
店に飾られた数々の剣を見る。
鋼鉄の剣........40000G
炎の剣........60000G
氷の剣........60000G
金色の宝剣........120000G
品は良いし、値段も安いのだが........
持ち合わせが無いのだ。
店員「兄ちゃん、そーんな高い『剣』なんかより、アンタには割安の『斧』が似合うと思うぜ、俺はよ!」
戦士「斧、か........しかし、俺は斧の心得が無くてな........」
店員「かーっ!解っちゃいねえなあ、兄ちゃん!アンタ程の筋肉なら、セコセコ剣を振るより斧振り回した方が良いに決まってんだろ?」
店員「『やったことないから無理』じゃあなく、『やったこと無いけどやる』のが得するぜ、なあ!兄ちゃん!自分の可能性を信じてみろよ!」
戦士(『自分の可能性』か........まだ俺にも、そんなモノがあるのか........?)
店員「ほれ、今ならあの大戦士が書いた『斧技大全』と鋼鉄の斧をセットで30000Gだ!さあどうだ!?」
戦士「........」
-
剣では見いだせなかった、新たな自分の可能性........
『まだ、やれるかも知れない』
戦士は、藁にもすがる想いでその斧を買った。
自分に、まだ可能性があると信じて。
戦士「........これで、俺も強くなれるだろうか」
戦士「........勇者の、ように................」グッ
空を見上げ、不安をかきけす。
そして、戦士はまた歩き出した。
-
ここまで
戦士は魔物を解体して素材を売っぱらって生計を立ててます。
勇者一行なら割り引き利くのにね!可哀想にね!フハハハハ!
次回はね、船に乗ります(多分)
鎧着た戦士にはやっぱ斧が似合うよね、斧が
-
重鎧なら大盾と槍
軽鎧なら剣や槍のイメージだなぁ
斧は半裸のマッチョマンか、獣革を被った半裸のマッチョマンのイメージ
どちらにしろ半裸のマッチョマン
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土も掘れる、盾にもできる、頑張れば木も切れる、フライパンにもなる、敵を殴り倒すこともできる最強の近接武器シャベルしかないな。
-
ポルノの岡野ってハゲた?
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___宿
戦士「勇者は、東に向かったらしいな........」
簡素なベッドに腰掛け、荷物を整理する。
鎧や剣を磨き、服を脱ぐ。
部屋に備え付けである小さな風呂に入り、湯で汗を流す。
戦士「くああああ................ここの風呂は馬鹿みたいに小さいが、久しぶりの風呂はやっぱ気持ちいいな........!!」シャワーッ
戦士「風呂は良い........!不思議と高揚するな........!!」シャワーーーッ
鍛えぬかれた身体に、艶かしく湯が伝る。
濡れた髪が湯気をあげる。
背中に刻まれた幾つもの古傷が、見る者に威厳をも感じさせる。
まあ、誰も見ていないのだが。
-
__
___
戦士「ふう、すっきりした........さて、今後の移動についてだが................」
東に行くなら、いくらでも手段はある。
しかし、金が無い。
戦士(だからと言って、悠長に金を稼いでなんかいられんのだ........)
........密航
その言葉が脳裏によぎるが、それをかき消す。
密航が嫌なら、一気に金を稼ぐ........
その方法が、この街にはある。
戦士「........コロシアムに出るしか無いな」
コロシアム。
命知らずの馬鹿共が、莫大な賞金を夢に命を賭けて殺しあう場所。
勝てば名誉と賞金が、負け犬に待つのは『死』のみである。
戦士(所詮、ここで死ねば東ではやっていけん........ここで、命を賭けて俺の力を試す)
戦士「この斧で........俺は変われるのか?」グッ
-
短いけどこれだけ
すまんな
-
ええんやで(ニッコリ
-
ヌッ!
-
これか
-
待ってた
-
酉忘れてんじゃねーよ!
-
書きため溜まったんだろうな(ニッコリ
-
待ってたで(ニッコリ)
-
(まだかけません許して下さいなんでもしますから!)
-
______
屈強な男「ルールを確認する。武器は一種類のみ使用可能、盾や鎧兜等の防具は着用不可能。衣類は下半身の下着のみ着用可能だ」
戦士「了解した」
屈強な男「一人倒す事に闘技を続けるか、賞金を持ち帰るかを選ぶ事が出来る。倒した相手を殺すか生かすかは、勝者の自由だ」
戦士「ああ........」
狂気的な熱気に包まれたコロシアムの控え室で、準備を行う戦士。
『例え奴隷や其以下の身分であっても、勝てば賞金を手にする事が出来る』という夢を扱っている部分もあるため、貧乏人にも配慮して出来るだけ公平なルールとしてある。
例えば値段により性能が大きく異なる防具類は、武器と違い個々の技術で性能の違いを大きくカバー出来る物ではない。
よって防具類の着用は不可能と定められているのだ。
屈強な男「最後の晩餐かも知れん、何か食べていけ」
控え室のテーブルを指差す屈強な男。
石で出来たテーブルには、丸焼きの肉や色とりどりのフルーツが並べられている。
しかし、戦士は断る。
戦士「いや、いい」
戦士「俺は、こんな所で最後の晩餐を終えたくは無いからな」
戦士の眼には、確かな覚悟が宿っていた。
-
重い門が開かれる。
それと同時に割れんばかりの歓声が、塊となって会場から流れ込んでくる。
確かな緊張と一抹の不安を拳に握り締めながら、戦士はコロシアムの真ん中へと脚を進める。
実況「さあっ!命知らずの男がまた一人やってきたッ!!!!名前は戦士、得物は斧だあああああああーッ!!コイツに懸かる賞金は2000Gッ!!初出場ながら確かな期待を感じるぞォーッ!!!!」ワァーッ ワァーッ
戦士「........」
剣士「........」
実況「対するはッ!!これまで2連勝の剣士ッ!!!!首に懸かるは28000Gッ!!!!さあ、剣士の剣は新人でさえもいとも容易く喰らい尽くすのかッ!!!!」
剣士「アンタ、運が無かったね........出来るだけ一撃で殺してやる、感謝しな」スウッ
戦士「ほざけ、下級止まりの剣士紛いめ」グッ
審判「両者、準備はいいか?........では」
審判「始めッ!!」
剣士・戦士「「.....ッ!!」」ダンッ!
-
戦士「フンッ!!」ヴォンッ
横凪ぎに斧を振るう。
剣士は自前の剣で応戦するも力負けし尻餅をつく。
しかしソコは場数を踏んだ剣士。素早く後転し距離を取り、立ち上がる。
戦士(今ので仕留められるとは思っていない。本を読み練習はしたが此方はまだまだ不慣れな斧だ、確実に攻めるか)グッ
再び斧を構える。
剣士の攻撃を待ちながら、呼吸を整える。
戦士(悠長に修行していても船は出ていってしまう。多少強引だがどの道実戦で鍛えるしか道は無かった)
剣士が踏み込み、飛び出してくる。
流星のような素早さであったとしても、戦士は臆しない。
戦士「らあっ!」ブンッ
剣士「くぉ........ッ!?」バギィッ!
縦に振られる剣に会わせ、斧を横に振るい相手の剣を弾く。
流石は斧、と言った所か。弾いた剣は脆く折れ、持っていた剣士共々横へと凪ぎ払った。
確かな感触。
戦士(斧........。馴染む、手に馴染むぞ)グッ
剣では得られなかった重量感、圧倒的な破壊力、そしてそれを扱えるだけの筋力は充分。
戦士は、確かな好感を斧に見出だしていた。
-
待ってたぞ
-
剣士「舐めるなァッ!!」タンッ
折れた剣で尚も果敢に攻める剣士。
剣が短くなった分小回りが効くようになり、大振りになる斧では対処が効きづらい。
悪手を打ってしまった。
剣士「逃がすかッ!」シュパッ
戦士「ぬうっ........!」ダンッ
懐に入られ、横に一閃。
一瞬遅れて後ろに飛ぶが、脇に浅い傷ができる。
どうやら傷は深くは無いようだが、もう少し遅ければやられていた。
戦士「っはあ........!」スウッ
短く息を吐き、斧を構え直す。
落ち着いて対処すれば勝てない相手ではない。
剣士の能力自体が上がった訳では無いのだ、反撃の目処は充分にある。
剣士「死ねェッ!!」タンッ
よく見れば最悪手を打ったわけでも無いのが解る。
剣士は剣の腕はそこそこだが、短剣での戦い方がまるでなっていない。
大きな獲物でも無いのに、無駄に大きな構え。コンパクトに振りダメージを蓄積させて行くのが短剣での戦い方だが、剣士は未だ自分の持つ得物を『剣』と勘違いしているのだ。
戦士「甘いッ!!」ヴォンッ
剣士「ッ!!!」グッ
剣士は、戦士の振るう斧を受け流そうとしてようやく自分の得物が何か思い出す。衝撃に耐えれる状態でも、受け流せる長さでも無いのだ。
咄嗟にブレーキをかけ、後ろに飛ぼうとするがもう遅い。
-
戦士「........ッ!!」ズダンッ!
剣士「........ッああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」ドシャアアアッ
戦士の斧が、剣士の身体を袈裟斬りに切り裂いた。
血飛沫が舞い、割れんばかりの喝采が会場を包む。
審判「勝者、戦士」サッ
実況「飛び入りの戦士、剣士を斧で斬り倒したあああーああッ!!これは予想外ッ!!!!なんと二連勝の剣士をあっさりと斬り伏せましたッ!!!!」ワァーッ ワァーッ
戦士「勝った、か」グッ
暫し余韻に浸る。
慣れたとはいえ、人を斬る時はやはり一抹の情を感じてしまう。
そういう甘い所が、勇者との差に繋がるのだと解ってはいるのだが。
審判「今降りれば30000Gの賞金が受け取れるが、どうする?」
3万G。
大金である事には間違いないのだが、如何せん今は勇者一行としては行動していない。
色々と割引が効く時とは違い、大陸を渡るとなると必要な金の桁が違うのだ。
船でついたらスッカラカラン、なんてのは冗談でも笑えない。
戦士「もう一人、稼げるヤツを寄越して貰おう」
審判「ほう........分かった、続行だな」
-
実況「戦士は、試合の続行を選択ッ!!血に濡れた斧で、一体何人葬るつもりなのかァーッ!!」ワァーッ!ワァーッ!
実況「対して、戦士に対する挑戦者は........『黒夜の忍』こと、忍者のスズメだあーーッ!!首に懸かるは50000G!流石に戦士、絶体絶命かァーッ!?」ワァーッ!ワァーッ!
重い門から出でてくるは、小さな剣を持つ女。
顔を見ればそれは美人で、頬の傷跡がなければそれはもうモテたのであろう。黒く長い髪は後ろで纏めている。
だが身体は『戦士』としての身体つきであった。
発達した太股、脹ら脛は男にも劣らず、美しい筋肉美を作り出していた。
六つに割れた腹筋に、瞬発性に絞りこまれたであろう腕の筋肉。胸筋も発達し、唯一女らしい乳房の下には硬い筋肉の鎧があるに違いない。
正直、先ほどの剣士の男よりよっぽど身体付きが良いのだ。
それに加えてこの醸し出される雰囲気、構えられた短剣は片刃だが、妖しい輝きを放っている。噂に効く刀のようなものだろうか。
忍者「此処で会ったが運の尽き、と。そう、諦めてくれ」スッ
戦士「........」グッ
舐めていた。
仮にも勇者と旅した自分だ。こんな所で、自分と同等かそれ以上に戦える人間に会うとは思ってもいなかった。
後悔しても、もう遅いのだ。
審判「両者、準備はいいか?........では」
こんな所で、死にたくはない。
死にたくなければ、勝つしか無い。
審判「始めッ!!」バッ
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村人「モキチィィィィィィィィィィィィィィィ!」
ここまで
-
何度見ても村人が絶頂を迎えているようにしか見えんなぁ……
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おつおつ
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観衆の面前で女を組伏せ装備を全て剥ぎ取っての公開レ◯プですね
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メスゴリラ大好き
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戦士「しッ!!」ダンッ
忍者「はッ!!」ダンッ
同時に飛び出す二人。
距離は直ぐに詰まる。武器を悠長に構える暇もない。
忍者の潜るような低い走行に合わせ、斧を下から切り上げるように振るう。
戦士「フンッ!!」ヴォンッ
忍者「ほう........ッ!」キィンッ
しかし相手も腕が立つ。
斧の重い一撃を細い刀身で受け流すと、そのまま懐に飛び込んでくる。
がら空きの胴に、忍者は蹴りを打ち込む。
忍者「破ァッ!!」ズドムッ!
戦士「んぐぅッ!?」ドシャアアアッ
予想以上の衝撃が戦士を襲う。
いくら脚が発達していようとも、自分も鍛えた肉体がある。人間の蹴り程度なら耐えれる自信も肉体もあったのだ。
しかし。
忍者のその強烈な蹴りは戦士の身体を浮かせると、そのまま2、3メートルほど飛ばしたのだ。
あの脚で、鍛えた人間を吹き飛ばすほどの蹴りを放つとは。
戦士(肉体強化の魔法か........!小癪な、ただでも強い脚力を更に強くしてるってワケか........)ダムッ
後ろに飛び、距離を取りながら分析をする。
『忍者』と呼ばれるカラクリは、魔法にあったのだ。
ただ筋力で動くだけならば、戦士にでも出来る。
おおかた、肉体強化の魔法を使うことで忍者のような超人的な動きを手にする........というところだろう
-
女忍者は凌辱されるって決まってるんだから
-
戦士「魔力の差、か........!」グッ
魔力の差が出来るのは、三つの理由がある。
一つは、才能の差。
産まれ落ちたその時から、一人一人に魔力量の差が出来る。
二つ目は、努力の差。
自分の魔力量を増やす修行を行う事によって出来る差である。
そして最後に、男女の差だ。
戦士「しかし、負けん!」ダンッ
しかし、戦士には経験がある。
ここであっさりと負けるような男では無い。右足で強く踏み込み、忍者目掛けて飛び出す!
勿論忍者も、誘いには乗ってくるだろう。
戦士「フンッ!!」ヴォンッ
忍者「其れを馬鹿の一つ覚えと、言うのだ!」キィンッ
斧を下から切り上げるように振るう。
当然忍者は、『先ほどと同じように』刀で受け流す。
そして。
忍者「破ァッ!!」ヒュバッ
戦士「........」ニヤッ
『先ほどと同じように』、蹴りを入れてくるであろう。
戦士「馬鹿はお前だッ!」グンッ
斧の遠心力に逆らい、無理矢理に身体を伏せる。当然、忍者の脚は空を貫く。
-
短いがここまで
>>60
パンツと武器以外装備なんて無いんだよなあ........
-
>>65
そういやそうだったな……ん?
つまりなにか、乳ほっぽりだしてんのか
こりゃあ戦士さんの戦士さん、突っ張って戦いどころじゃねっすよ?
-
今まで偉大な女忍者が作ってきた
忍者道を此処で無視するわけにはいかんでしょ
観客席でアサギさんもアへ顔できっと見てるよ
-
無理矢理に戻したせいで痛む腕にむち打ち、しゃがんだ状態から再度忍者に向かい斧を振るう!
戦士「その脚、貰ったァッ!!」ヴォンッ
忍者「っああああッ!!?!」ズグンッ
虚空を突くまま突き出された脚は格好の的!
その太い脚に斧を食い込ませ、忍者の右脚を潰すッ!!
しかし、脚を切断するには到らず。
充分に力を入れられなかったのもあるが、『肉体強化の魔法』が効いているのだろう。
戦士「だが、骨までは喰わせたぞ........!」グンッ
斧を引き抜きつつ、身体を上げる。
半歩下がり、間合いをとると。
未だ痛みに悶える忍者の鳩尾に、硬く握った拳で容赦なく突きを打ち込むッ!!
戦士「っらぁ!!」ドゴォッ
忍者「っげぇぇぇええええッ!!!」ゴポォッ
吐瀉物を撒き散らし、膝から崩れ落ちる忍者。
一度隙を見せたならば、攻め続けなければ此方に『次』は無い。
-
忍者「おぇ、うぷっ......かはぁ......、はあ、はあ、........おえええっ」ビチャビチャ
戦士「無様だな」スウッ
下を向き未だ吐瀉物を吐き出す忍者に狙いをさだめ、脚を大きく後ろに反らす。
そして、思い切り力を込め忍者の顔面を蹴り飛ばすッ!!
戦士「おらァッ!!」ゴキャアッ
忍者「ッぶがあああああッ!!!!」ドシャアアアッ
鼻血を吹きながら、衝撃で後ろへと飛んでいく忍者。
戦士は思う。
もう動けはしないだろう。
右の太股は切り傷が骨まで達し、腹に突きを入れ顔面に蹴りまで喰らわせたのだ。
いくら強かろうが女だ、もうここらで限界だろう。
そう、油断していたのだ。
戦士「もう、降参したらどうだ?流石に恨みも無い女を殺すのは心が痛む」スッ
構えを解き、忍者に向かって歩き出す戦士。
しかし忍者は、その隙を見逃す筈も無かった。
忍者「........ッ!」スウッ
戦士「ッ!!まだやる気かッ!?」グッ
忍者が不穏な動きを見せるのをみて、ようやく戦士が斧を構え直す。
しかし、もう遅い。
忍者「『火遁の術』ッ!!」ボウッ!!
-
忍者の頬が膨らんだかと思うと、その口から大きな火炎の玉が飛び出す!
斧で防御する暇も無く、飛来した火炎の玉は戦士の胸に直撃したッ!!
戦士「っがあああああ!?!?!!?」ボォォォォッ
胸に火炎の玉が直撃。その瞬間、戦士に炎がまとわりつきその身を焼かんと燃え盛るッ!!
オイルを被せられて居なかったのが幸いか、炎は2秒ほどで消えたが、その2秒で戦士は大きな火傷と隙を作る事となった。
忍者「忍者とは、耐え忍ぶ者ッ!!この程度の傷で、倒したと思うなッ!」ザヒュッ
戦士「っあああああああッ!!」ドバァッ
傷の深い右脚でそのまま踏み込み、戦士の胸を小刀で切り裂くッ!
痛みに堪らず叫び声を上げる!
しかし、戦士は倒れないッ!!
戦士「負けて........堪るものかあああああっ!!」ズオオオオッ
痛みに目を瞑りながら、斧を天高く振り上げるッ!!
そしてッ!!
戦士「っどおらああああああああああッ!!!!」ズゴォォォンッ!!
ありったけの力で振り降ろす!
忍者は大振り過ぎる攻撃を鼻で笑い、後ろに半歩下がる。
しかし、『この攻撃』はこれでは終わらなかったッ!!
-
地面に突き刺さる斧ッ!
その莫大な力の余波がッ!!
『衝撃波の塊』となってッ!!!
忍者を襲い、吹き飛ばしたのだッ!!!!
忍者「なっ........ぐあああああッ!!!!」ドシャアアアッ
戦士「はあ、はあ、はあ........!」フラッ
一か八かだった。
斧の技の一つである『衝撃波』。
これは、斧を叩きつけた際に発生する衝撃波を魔力で凝縮、増強し、前方に地を這う塊として撃ち出す初級技である。
この技、戦士にとって限り無く習得の難しい技であった。
斧を扱う力は在れど、戦士には衝撃波を『凝縮、増強』する程の魔力が無いのだ。
なので、戦士は考えたのだ。
魔力の消費量を極力抑えられる方法を。
衝撃波を『凝縮、増強』するこの過程で、魔力を『凝縮』だけに集中させ、衝撃波の威力の増強をしないという方法を。
しかし、それはほぼ不可能と言っていい方法だった。
-
自前で作る衝撃波の威力。
これを凝縮しただけでは、威力は不充分。
飛ばしたとしても、威力はたかが知れている。
しかし、戦士は土壇場でやってのけた。
自分の持てる力全てを斧に込め、大地を叩き。
魔力で補う筈の威力を、自分の力で打ち出したのだ。
戦士「かはぁ、かはぁ、はぁ........!!」ググッ
筋肉は疲労し、血は抜け。
痛みと疲れで意識が飛びそうなのを、グッと堪えて前を見据える。
たった一撃だけで、魔力の殆どを消費した。
魔力の欠乏で頭は痛み、今にも倒れてしまいそうだ。
そして。
審判「勝者、戦士!」サッ
その声を聞き届けると、安心した身体が崩れ落ち。
意識は暗闇へと落ちた。
-
ここまで。
滅茶苦茶なのは気のせい。
次はようやっと戦士がこの街から動き出すところやろなあ........
-
これは女忍者が戦士に一目惚れして
同行するパターンやな
-
戦士の戦士が戦士になる展開かな?
-
___船
身体に包帯を巻かれた戦士が、船の甲板で物想いに更ける。
戦士(いよいよ........東の大陸か)
ここから先は未知。
一応地図があるとはいえ、実際に足を運んだことが無いのだ。
薬草の効果で、半日経たずとも治りつつある傷口を撫でる。
ざらついた包帯の感触と共に、コロシアムでの出来事が脳裏に甦る。
戦士(一つ、良い経験を積めたな)
自分と実力の近い者との死闘。
その命のやり取りの合間にこそ、成長の糧があるのだ。
新しい技も習得した。
新しい武器も手に入れた。
もう、勇者に置いていかれたあの頃とは違う。
眼前に見える港を前に、戦士はそう確信した。
-
___東の港
船長「ハイ、30000G........たしかに受け取ったよ」ジャラッ
戦士「ああ」
船長「東の大陸も、最近は魔物の勢力が激しいらしいね........何処に行くかは知らんが、気を付けてな」
戦士「........ああ」
船長と軽い挨拶を済ました後、地図を広げる。
勇者が何処に行ったかは解らないが、先ずはここから一番近い砦『東第三砦』へと向かう事にした。
3週間も前には、勇者も東の大陸に上陸した筈だが........
未だ、東の大陸での勇者の戦果は聞いていない。もしかしたら追い付けるやも知れんと、戦士は張り切っていた。
戦士「第三砦までは........半日もあればつけるな」
ずだ袋を腰にくくりつけ、防具をきっちりと装備しなおす。
重い鎧を着ながら足取りは軽やかに、戦士は砦へと歩き始めた。
-
港から東第三砦へと続く道は、起伏の多い山道となっている。
港と砦に挟まれている事もあり、魔物の気配は感じられない。しかし、それはそれで寂しいものだ。
戦士(戦っても辛い、戦わなくても辛い........一人というのは寂しいものだ)
勇者の顔を思い出す。
凛々しく、芯のある瞳をしていた。
その瞳を見たとき、俺は思った。
まさしく、この男こそが世界を救う『勇者』だと。
戦士「勇者、か........」
人は、なにをもって人を勇者と認定するか。
力のある者か。頭の回る者か。心の優しい者か。心の強い者か。
はたまた風格のある者か。
俺はどうあれば、勇者になれたのか。
考えても、答えは出てこない。
-
短いけどここまで
寝るゥーんだ!
-
待ってた
-
いいぞ!
-
乙、つづき期待してる
-
____東第三砦
砦と言えどもここは戦線からは遠く、砦の横に商店や宿なども立ち並んでいる。
東の大陸では比較的人々が賑わう場所である。
戦士はとりあえず今日の宿を取ると、勇者の動向についての情報を探る事とした。
戦士(勇者......お前は俺を、実力不足と言うだろうが)
戦士(俺も、こんな所で終わりたくはないんだ)グッ
たとえ実力が無くとも。
この身が塵と消えるまで。
勇者の為、世界の為に。
戦っていたい。
戦士(それが、戦士の性ってもんだろう......!)
-
____
兵士A「知らねえなあ、勇者様の事なんて」
____
兵士B「この砦に来てたのは覚えてるぜ」
____
商人「ウチの店のパンを買ってったよ」
____
武具屋「そんな事より装備はいかがかね?」
____
魔術師「はあ......?解るわけないでしょうが」
____
-
戦士「ううむ......中々有力な情報が無いな......」
この砦に来たことは確かなのだが、そこからの動向がやはり掴めない。
魔王の城に近付くなら、このまま一直線に『東第一砦』へと向かい戦場を突っ切るか『魔の塔』を経由して回り込むかしか無いのだが......
戦士(アイツの事だ、最近魔物の勢力が増してきているという『東第二砦』へと向かっていてもおかしくはない)
どうもお人好しな節があり、苦しんでいる人を見過ごせないのがアイツだ。
どっちへ向かっていてもおかしくはない。
戦士(やはり、『勇者の事を追いかける』のは不可能に近いか......なら)
-
戦士(『東第一砦』を経由し、北の大陸へ行くのが一番だな)
勇者は『魔王』を倒す為に戦っている。
ならば、魔王の根城が近い北の大陸へと向かえばいずれは会えるのだ。
わざわざ勇者の後を律儀に追いかける事もない。
戦士(『東第一砦』へは、歩いて一ヶ月と一週間ほど......馬車は金がかかるから使えんが、途中、いくつか塔や街がある。これなら歩いてでも平気か)
地図を眺め、大体の憶測をつける。
大陸を移動するのだ、ある程度の道筋を決めておかなければのたれ死ぬ事になる。
戦士(明日の昼には、出発しよう......ただでさえ遠いのに、こんな所でモタモタしては要られん......)
-
短い上に少しアレだがここまで
参考程度に、那覇市から根室市までが徒歩で約22日やで(Googlemap調べ)
-
不眠不休で歩くんか…
-
>>88
(それも考慮して徒歩の期間を少し長くしたんやで............少しな)
-
もうすこし まってね
-
待つわ
いつまでも待つわ
-
____
長い旅路。
もう三週間ほど移動を続けている。
途中、野営や村・町での休憩を挟みながら移動しているものの、重い鎧を着込み装備や道具をもったまま歩き続けるのだ。
体力の消費は尋常ではない。
戦士(今日はこの先にあるらしい洞窟で休憩を取ろう........)
魔物の影は少ないものの、寝ている間に襲われかねない。
道具を節約したい今は、聖水を撒き続けていれば良いと言う訳でもないのだ。
戦士(あの洞窟、魔物が住んでいなければ良いのだが........)
-
目星をつけて二時間。
目的の洞窟についた戦士は、魔力灯に魔力を流し込み光を灯らせる。
魔力灯とは、微量の魔力を流し込むことで発光させることができる便利な道具である。
極めて少ない魔力で使用でき、また1度流すと3時間ほどは発光を続けるので魔力が極端に少ない人間でも難なく使うことが出来るのだ。
戦士「........魔物の気配は.....」
耳を澄ます。
しかし、洞窟の奥から風が吹き込んでいるのだろうか。
風の音が邪魔して気配をよく探れない。
戦士(........奥へ進んでみるか)
魔力灯を盾の持ち手に引っ掛け、左手でその二つを持つ。
右手に斧を持ち、慎重に奥へと進むことにした。
-
数分ほど道なりに進んだ戦士。
妙な胸騒ぎが収まらず、辺りを見回す。
どうやらいつの間にか大きな空間に出たようだ。
バキバキと、枝を踏み潰すような足元の感触。
そしてうっすらと獣の臭い。
戦士(........獣の住処か?)チラッ
そう思い、ふと足下を見る。
そして戦慄。
戦士「ほ、骨........!」
-
足下の骨に気を取られる戦士。
それを見計らったかのように暗闇から刃が飛び出す!
何とかいなし飛び退く戦士!
戦士「剣........!?」ズザァァッ
魔力灯が照らす先に見えるのは、血糊のこびりついたサーベル。
それを持つ腕は籠手をつけているが、その指先には鋭い爪。
鋭い目は蛇のように禍々しく、鋭い。
固い鱗に覆われた身体の上から軽めの胸当てをつけているようだ。
竜戦士「我が名は........竜戦士」ギロリ
竜戦士「我が行動を起こさぬうちにこの根城を見つけるとは........流石は勇者、といったところか................?」
そう言いながら剣を構え直す竜戦士。
戦士「勇者........だと?この俺が?」
-
竜戦士「今更惚けても無駄よ、勇者。この我の前に一人で来るなど愚の骨頂!貴様の首、もらい受けるっ!!」ビュンッ
戦士「ちぃっ........!」ガギィンッ
どうやら、相手はなにか勘違いを起こしているようだ。
しかし訂正している暇は無い。
少しでも気を抜けば、殺られる。
それほどまでの殺気を感じとり、先程の一撃で確信した。
戦士「やるしかない........!」ブンッ
右手に握る斧を横凪ぎに振るうッ!
竜戦士は盾でその一撃を防ぐと、素早くサーベルで斬りかかる!
戦士「甘いッ!」グンッ
素早く身を反転させ斬撃をかわすと、その勢いのまま相手の背中に回し蹴りを決めるッ!
-
カウンターにふらつく竜戦士の胴に斧で重い一撃を放つッ!
鱗を貫き相手に血を流させるが、傷は浅いッ!
戦士(この鱗、硬すぎる........ッ!)
竜戦士「その程度か、勇者ッ!」ズガッ!
隙だらけの戦士に竜戦士が重い蹴りを放つッ!
戦士「チィ........!」ズザッ
ふらつく体をなんとか踏みとどまらせ、斧を上から振り下ろす。
しかし切断したのは相手の盾のみ、身体は素早く戦士の側面に回り込んでいるッ!
竜戦士「喰らえ勇者ッ!『魔閃斬り』ッ!」ブワッ!
竜戦士が剣に魔力を込めッ!
そして戦士の脇腹を目掛けて剣を横凪ぎに振るうッ!
剣が戦士の鎧に直撃したその瞬間ッ!!
戦士「ッぐああああああああ!!!!」ドガアアアンッ
剣に紫の閃光ッ!
それは爆風となり戦士の身体をいとも容易く吹き飛ばしたッ!!
-
壁に叩きつけられ、平衡感覚が乱れる戦士。
ふらふらと立ち上がるも、すぐに膝から崩れ落ちる。
戦士(鎧が........砕けている........が)
先程の一撃で鎧に亀裂が入り、砕けている箇所もある。最早防具としての役は殆ど成さないだろう。
しかし、うっすらと血を流す脇腹の傷が深くないことにとりあえず安堵する。
戦士(安物とは言え鎧を着ていても血が出るか.......着てなければ骨まで達していたかも知れん)ググッ
なんとか頭をあげ、敵の方を見据える。
ゆっくり。ゆっくりと、一歩ずつこちらへと向かってくる竜戦士。
戦士(強すぎる........だが、こんな所で........)グッ
なんとか立ち上がると、右手で斧を構え、言う。
戦士「こんな所で、死ぬわけにはいかない........ッ!」
竜戦士「ほう........今の一撃をくらい立ち上がるとは........流石勇者、そうでなくては殺す方も味気ない........!」スラァッ
-
勇者なら。
勇者なら剣や魔法を使い、この竜戦士と互角以上の戦いを繰り広げるだろう。
だが俺は勇者ではない。
まともにやりあえば塵と化す。
いまここで息をしていることさえ奇跡な実力差なのである。
ならばどうするか。
戦士「........」グッ
斧を握り締め、覚悟を決める。
そして、一気に踏み出し駆け抜けるッ!!
竜戦士「っ来いッ!!」ギラリ
戦士「だらぁッ!!」ブンッ
盾を投げるッ!!
それを避けるために隙を見せた竜戦士に、戦士は渾身の一撃を放つッ!!
戦士「『剛斬斧』ゥッ!!」ズドオオオッ!
魔力を込め飛躍的に威力と切れ味が増した斧を振り下ろしッ!!
竜戦士の左肩に食い込ませッ!!
切断ッ!!!!
竜戦士「ギヤアアアアアアアアッ!!!!」ッダァン!
-
さらに魔力灯を袋から二つとりだし、眼を瞑り思いきり魔力を入れるッ!
瞬間、とてつもない閃光が洞窟内を埋め尽くすッ!!
戦士の首を刈ろうと戦士の方に眼をギラつかせていた竜戦士は、眼を抑えてのたうち回るっ!!
戦士「っ........!!」ダッ
そして一目散に元来た道へと走りだしッ!
戦士(これだと『まだ』だ........!もうひとつ........!)ゴソッ
戦士「喰らえッ!」ポイッ
戦士が竜戦士の方へと向かい投げつけたのは、『聖水』である。
聖水は邪を寄せ付けぬ、聖なる水。
普通は呪われた物や毒に犯された物を浄めたり、魔物を寄せ付けぬよう道に撒いたりするが。
魔物に直接振り掛ければ、少しではあるがダメージが期待できる。
人間であれば、塩酸をかけられた程度の痛みを与えることは出来るのだ。
戦士(痛みに気をとられているうちに........逃げるしかない........!!)ダッ
-
命からがら洞窟から抜け出すと、辺りはもう日が落ちている。
だが、今は休むより先に進んだほうがまだマシだと判断し、即座に先へと進みだす。
戦士「しかし........魔力切れを起こさなくてよかった........少しは、成長したと言うことか........?」ゼェハァ
先程使った『剛斬斧』。これは衝撃波よりも少ない量で済むが魔力を必要とする。
それに加えて三本もの魔力灯を使い、内二つは目眩ましに使うため多目に魔力を入れたのだ。
思いもよらなかった『成長』の方向に、顔を綻ばせながら袋から取り出した干し肉を頬張る。
鎧はボロボロになり、盾は失った。
だが、まだ動ける。
動ける限り前へ進む。
それが今の、目的だ。
戦士(........しかし、鎧も盾も買い直しとなると高くつくぞ................盾はともかく、鎧なんて俺では作れん)ウーン
-
今日はここまで
-
おつ
-
徐々に成長していくのって好き
-
____東第一砦
長い旅路を行き、ついに東第一砦へと到着した戦士。
今現在も魔王軍の幹部が擁する軍隊と交戦中のこの砦は、ある意味かなり賑わっている。
魔物の毛皮や牙などの素材を買い取ってもらいその金で防具や盾を工面すると、戦士は疲れた身体を休めようと宿を探すことにした。
戦士(斧も手に馴染んできた。微量ではあるが魔力の成長も感じる........)
あの時、剣を捨て斧を手にした。
その選択は間違ってはいなかった。
戦士(俺も.....まだまだ強くなれる........!)グッ
そう信じれるだけの可能性を、今は感じていた。
-
宿屋につき、食事を口にする。
戦時中と言えども、ここには食料が集まってくるのだろうか。
コーンブレッドに、数種の野菜のスープ。鶏肉のステーキと彩りの良い木の実が数個。
意外に豪勢であった。
戦士(まあ、高い金出してるんだからこれくらいは出してもらわにゃな)ムシャムシャ
コーンブレットは、とうもろこしの粉を使って作られたパン。
独特の食感と特有の甘味が、戦士はたまらなく好きだった。
スープには、キャベツ・人参・玉ねぎが使われており、ほどよい食感に煮込まれている。
しんなりとした玉ねぎとキャベツ、ホクホクとした人参が、
鶏肉かなにかの出汁を塩と胡椒で味付けされたシンプルな味のスープと溶け合い調和し、これはなかなかにうまい。
塩、胡椒、ニンニクで味付けされた鶏肉のステーキは、噛み締める度に鶏肉特有のうま味が滲み出て口の中を幸福感で満たす。
舌休めにと置かれた木の実は、ポリポリと小気味良い食感と木の実特有のさっぱりとした甘味が心身共に癒される。
これまたブレッドと一緒に食べてみると中々にうまく、戦士は身体の疲れも忘れ夢中で食べ、飲み、舌鼓を打った。
-
戦士「くう、うまかった........」ゲフ
次からは、少し高く付くがパンの代わりにコーンブレッドを食糧として持っていこうかと悩んでいた時。
不意に戦士に声がかかる。
「もし、そこの旅人さん」トントン
戦士「........ん?」
振り向いて見ると、そこには黒いフード付きのローブを羽織った女性。
深く被られたフードから除く茶色く艶のある髪と妖艶な唇、ローブの上からでもわかる豊満な肉体がその人物が『女性』であると視認させた。
戦士「何か、俺に用か?」
女っ毛のなかったここ数週間だったので、つい『そっちの気』になりがちだったが。
冷静になり、その女性の話を聞くことにした。
魔術師「見たところ、一人旅のようですが........申し遅れました、私は『魔術師』のドロシーと申します」
魔術師「早速ですが、貴方........『魔術』に興味はありませんか?」
戦士「........魔術?」
-
魔術師「ええ、魔術........魔法とも言いますが、そこら辺にあまり区切りはありません」
魔術師は、戦士の横に腰掛けるとそのまま話を続ける。
魔術師「今、魔物や悪人が蔓延るこの時代........武器一つではなにかと不安でしょう」
魔術師「しかし魔法は、習得こそ難しいですが使えればそこらの魔物など蹴散らせるほどの効力!それを今ならたったの10000Gで!」ズイッ
そう言い、戦士の首もとまですり寄ると、
魔術師「初級魔法なら10000G、それに加えて中級一つなら20000G!初級魔法と中級三つの習得ならなんとお得な35000G!どうです!お得ですよ!」グイグイ
戦士は深い溜め息をつく。
戦士「........ようは、金って事だろう?お生憎だが、俺は生まれつき魔力の量が乏しくてな。魔法なんか覚えても使えんよ........他をあたってくれ」
そう言うと、肩にかかっていた手を鬱陶しそうに払いのけ、その場を去ろうと立ち上がる戦士。
-
魔術師「ま、まって!まってまって!他って言ってももう全員逃げられたんですぅ!もう貴方しかいないんですよぉぉぉ!!」ズルズル
歩き出す戦士の腰にしがみつき、必死に引き留めようとする魔術師。
ここだけ見られれば何か勘違いされそうである。
戦士「だから、言っているだろ、俺は!........俺は魔力が少ないんだ、覚える必要も意味もない」ハァ
腰に絡み付く魔術師の腕を強引にはがすと、もう一度言い聞かせるように同じことを言う。
すると、魔術師は下に俯いて黙りこんでしまった。
諦めたか、と思い去ろうとすると。
魔術師がヌッと立ち上がり戦士の首根っこを掴む。
魔術師「........だったら」ズイッ
魔術師「だったら、貴方の魔力量を増やすことさえ出来れば、受けてくれるんですか?........受けてくれるんですね?」ニッコリ
有無を言わさず、魔術師は思考を確定させた。
-
今日はここまで
村人「モキチ........」
-
おつ
-
宿屋の一室に、戦士と魔術師は対座している。
あれから、何がなんでも魔力量を増やしてやろうと奮起した魔術師に引っ張られ、この部屋へと連れてこられたのだ。
魔術師「まず、貴方は魔力量を増やすために何かやったことはあるかしら?」
戦士「........そうだな、兵士時代には魔力のある食べ物を食べてみたり、聖水に浸かり精神統一をしてみたり........一般的に『効果のある』と言われている物は殆ど試してみたな」
戦士「まあ、結局それではこれっぽっちも上がらなかったわけだが」ハァ
魔術師「なるほどね、なら........」ウーン
唇に指を当て、思考する魔術師。
数秒考え込んだ後、懐から緑色の液体が入った細長い瓶を取り出した。
魔術師「コレ。けっこう強力な『魔法薬』で、飲むと体内の『魔力炉』を活性化させる働きがあるのよ........私レベルの魔術師が飲むと常時魔力垂れ流しになっちゃうからもて余してたのだけれど........」
魔力炉。
本来の働きの他に、個々の生物の魔力を生成する働きをする器官を総称してそう呼ばれている。
そのどれもが生命に関わる大事な役割を働いており、脳・心臓・生殖器の三つが『魔力炉』と呼ばれている。
なので魔力が多い人間はこの三つが発達しており、他の種よりその三つの器官に関わる病気などに強いとされる。
魔術師「魔力炉が魔力精製として働いてない人間にはこういうのが一番だけど........魔力を受け入れる『魔力容量』が低い人間となると、話は別ね........」
魔術師「イメージで言えば....『魔力量』が低い人は....大きな壺に雨粒程の水しか入れられない人と、小さな壺に滝のような水を入れようとしてる人........の二タイプに別れてるわ、例えで言えばだけど」
-
魔術師「........でも、まずは器を大きくする方法から試してみましょう。そっちの方が確実よ」
確かに、戦士が『容量が小さいタイプ』の人間だったら、いくら魔力炉を活性化させても意味はない。
魔術師「まずは........そうね!私の魔力を貴方の身体に流し込むわ!少し痛いけど無理矢理広げれば簡単よ!」パッ
戦士「おい、待て........」
戦士の有無も言わず手を出すと、戦士の腕に繋ぐ。
そして、即座に魔力を流し込みはじめたのだろうか。
繋ぐ手のまわりを淡い光が包む。
それと同時に、全身に温かいものが流れ込んでくる感覚。
戦士(これは、なかなかに、.....ん?)ピクッ
最初の数秒は、気持ちいい感覚があったが。
徐々に、徐々に。
ピリピリと。
そしてズキズキと。
戦士「ぐぅ.....!?」ズキッ
痛みはじめる!
痛みを感じて数秒、それはすぐに声を押さえられないような激痛に変わるッ!!
戦士「がっ.....あああああ!い、いだ.....ああああああああッ!!」ダンッ
魔術師「きゃあっ!!」パシィッ
-
即座に魔術師の手を乱暴に払い除け、それと同時に椅子から転げ落ちる戦士。
ぜえぜえと息を切らしながら、よろよろと立ち上がる。
戦士「はあ、はあ.....死ぬかと思ったぞ........殺す気か、貴様........!」
魔術師「参ったわ、まさかそんなに容量が小さいなんて........」ウーン
一方魔術師は、またも考え込む。
どうやら戦士の魔力容量は存外に少ないらしい。
魔術師「ごめんなさいね、まさか貴方のがそんなに小さいとは思わなかったから........」フゥ
戦士「いや、良いんだ。尽力は感謝する........」グッ
戦士は振り返り、部屋から出ようと歩みを進める。
しかしそれを魔術師が制止した。
魔術師「待って!........まだ方法はあるわ、帰るのには早いんじゃないかしら?」
戦士「........」
無言で魔術師を見つめる戦士。
その目は疑心に満ちている。
魔術師「そ、そんなに疑わなくても良いじゃない........ほら、次はこれよ」
-
いつのまにか床に書かれていた魔法陣に驚きつつ、魔術師の誘導に従いそこに立つ戦士。
戦士「なんだ?これは........」
魔術師「この魔法陣の真ん中に人。六角にはそれぞれ1リットルの聖水・ドラゴンの鱗・銀・500ミリリットルのぬるま湯・蛇の目・金を置く........」ブツブツ
そう言いながら、戦士のまわりに小物が置かれて行く。
そしてそれら全てがおかれたとき、部屋を不思議な光が包み込む。
魔術師「『その中心に置かれるのは器。悪魔の杯を手にする半翼の天使である。』」コォォォォ
魔術師の言葉と共に魔法陣が光り、戦士の体を白い光が包み込む。
戦士(これは........古式魔法?何をしようと言うのだ........?)
戦士の疑問を他所に、儀式は進んで行く。
魔術師「『その前に置かれるは聖水。神が聖なる湖に流したもうた聖水。その対極におかれるは煮え湯。人の血の温もりを模して温められた邪な煮え湯。』」コォォォォォォォッ
-
その言葉と共に目の前の聖水が浮かび上がる。背後のぬるま湯も浮かびあがり、その双方が空中で静止する。
魔術師「『手の伸びる位置に置かれるは、龍の鱗。邪を許さず光の城を守る勇ましき龍の鱗。背を突ける位置に置かれるは、蛇の眼。邪をもたらし光を妬み嫌う狡猾な大蛇の眼。』」コォォォォ
魔術師「『翼の生える位置に置かれるは、純粋な銀。聖なる魔力を放つ聖なる鉱物。翼のもがれた位置に置かれるは、純粋な金。邪悪なる魔力を放つ悪の鉱物。』」 コォォォォ
戦士のまわりに、六つの物が浮かび上がる。
それと同時に魔術師が勢いよく両腕を上げ、叫ぶ。
魔術師「『杯に注がれるは悪魔の酒ッ!!杯を形作るは天使の吐息ッ!!今ここに、混沌にゃっ........』あっ」
舌を噛み、詠唱が止まる。
それと同時に、浮かび上がった六つの道具がカタカタと揺れ出す。
魔術師「ま、間違えた........」
その言葉と同時に、六つの道具が部屋の中で爆散したッ!!
-
魔術師「きゃあああああっ!!」バシャアアッ
戦士「っあぶない!!」ガバッ
咄嗟に戦士が魔術師を押し倒し、その爆散した道具から守ろうとする。
しかし、一歩遅く。
押し倒した魔術師は、聖水で全身が雨を浴びたように濡れていた。
戦士「........」ゴクッ
魔術師「さっきのは、私の魔力容量を........わけようと................したのだけれど........」
頬が赤く染まる魔術師。
深く被られていたフードは外れ、綺麗な栗色の髪と珠のように美しい瞳が露になっている。
その服は大量の水分を含み、魔術師の豊満な肉体にピッチリと張り付く。
手に余るほどの乳房。美しく、そして華奢な腰。むっちりとした尻と太股。
あって数時間のこの女に。
戦士は魅了されている。
-
戦士「........」
魔術師「最後に、もうひとつ良い方法があるわ........」
顔を紅に染めながら、言う。
魔術師「................魔力の多い人間とまぐわうと、魔力炉全てが、その人間と感応して........良い効果が........生まれるらしいわ」
そこまで言うと、後は戦士に委ねたかのように。
目を瞑る。
戦士「........!!」チュッ
魔術師「んっ........ふ」チュプッ
唇を重ねる。
そしてまさぐるように、魔術師───ドロシーの唇を舌で撫ぜる。
小さく開かれたその口内に舌を進め、お互いの舌を、唾液を。
絡ませ、濃厚に接吻を交わす。
上気する吐息が、体温が。
お互いの頬を染め、血を巡らせる。
-
戦士「っ........はあ................!」スッ
魔術師「っぷはぁ........はぁ........!」スルッ
ドロシーのローブの中に、腕を忍ばせる。
そして、その胸を抑える下着を取り、外す。
押さえ付ける布から解放された二つの乳房が、ぷるんと大きく揺れる。
小さい下着をつけていたのか、外すことにより一層大きく感じるその柔らかな乳房を、両手で優しく愛撫する。
もちもちとしたその大きなモノに指を沈ませると、その弾力が指を楽しませる。
親指でその頂点にある突起を刺激する。
時に優しく、そして激しく。
その突起の回りをフェザータッチで焦らし、そそり立たせ、それを容赦なく二つの指でコリコリと刺激する。
甘い吐息が、鼻先にかかる。
ローブから手を出し、それでもなお自己主張する二つの突起を、ローブの上から刺激する。
甘い声を出すドロシーの、首筋をぬらりと舐める。
首筋に滲む汗が戦士の唾液と混ざり、床に落ちる。
-
ローブを脱がす。
ドロシーの白く美しい肌が、紅に染まって上気している。
露にされた大きな二つの乳房の頂点には、固く勃起した乳首。
淡い桜色の乳首が、快感を求めそそり立っている。
白い簡素な下着は明らかに水ではない液体が滴っている。
太股を撫で、腰を撫で、尻を撫でる。
優しく、ゆっくりと。
その手が秘部に近付く度、ドロシーは息を震わせる。
もっちりとした尻肉が左の指を包む。右手で下着越しにその蒸れて熱くなった『場所』を愛撫する。
指で撫で、擦り、沈める。
指が動く度、ドロシーの高い声が吐息と共に口から漏れる。
分泌液が戦士の右手をてらてらと輝かせる程に塗らした時、戦士はその濡れに濡れた下着を脱がせる。
そして、露になった秘部に顔を埋め、舌を挿れる。
-
喘ぎ声を上げるドロシー。
それに答えるようにチュプチュプと音を立てて舐め、吸い、動かす。
不意に、股間の窮屈感が無くなる。
これでもかと熱を帯び、固く、太く、大きくなった戦士の逸物が解放されたのだ。
その巨根を自ら解放したドロシーは、愛おしそうにその巨根を舌で舐める。
快感が戦士を襲う。
ドロシーは一通り竿を舐め終えると、その大きく膨らんだ亀頭を口に含んだ。
ぬらぬらと生温かい口内一杯にぎゅうと含まれた亀頭。
舌が亀頭をにゅるにゅると、まるで味わうように舐め、快感を与えてくる。
戦士も負けじとドロシーの陰部を舌で刺激し、快感を与える。
-
何分か、舐めあい。
ドロシーの腰が浮き、体液が飛び散る。
絶頂に達したのだ。
そろそろ頃合いかと、ドロシーの口から自身の逸物を抜く。
そして、ドロシーの秘部にあてがい。
言う。
戦士「................いいのか?」
魔術師「........私、単純かもしれないけど、一目惚れだった。東第三砦で貴方を見たときから。ずっと。................たとえ勢いだったとしても。私は、嬉しいわ................」
魔術師「........来て」
その言葉が終わると同時に、戦士の大きな『モノ』が、ドロシーの『中』に突き刺さった。
-
___
_____
_______
5時間後。
何度目かの射精を彼女の『中』に放つと。
その男根をゆっくりと引き抜いた。
魔術師「んああ、はあ、んはあ、あっ................はあっ」グタッ
肩で呼吸をし、ベッドに裸で仰向けにいるドロシー。
その秘部からは、白濁した液体が『中』に入りきらず流れ出ている。
胸や顔にも精液がかけられ、顔を真っ赤にしてだらしなく口を開けている。
その口に先ほど秘部から出した男根をあてがうと、それを受け入れちうちうと鈴口を吸い出す。
その行為に再度勃起した自らの逸物をドロシーの口に含ませると、無理矢理に奥まで突き立てた。
男根に喉まで犯され、涙目になりえずく。しかし同時に幸せそうに、深く突き立てられたその大きな男根を舌で舐め、自らの喉でストロークさせる。
段々とはやくなり、そしてその喉の奥に生の種が吐き出される。
喉に絡み付き、口に溢れる精液の味。
それに満足すると、魔術師は目を瞑りベッドに倒れこんだ。
-
戦士(........朝、か................)
ベッドの縁に腰掛け、一息着く戦士。
彼女が承諾したとはいえ、勢いに任せて女とまぐわってしまった。
自分はいつ死ぬかわからない身。
出来るだけ関係は作らないよう、娼婦等で我慢していた。
しかし、やってしまった。
深い罪悪感と自責の気持ちが心を支配した。
しかし、だからといってここで留まっている訳にもいかない。
戦士(勇者よ........お前が俺なら、あの時どんな選択をした........?)フゥ
彼女なら解ってくれるだろう。
だからこそ心苦しいのだ。
戦士(勝って........生きて、帰らなきゃな................)チラッ
そう思い、ふと窓から外を見ると。
そこから見えたのは、明け方だというのにやけに慌ただしい兵士たちと。
遠くの方から走ってくる、1つの馬車だった。
戦士(もしや、あれは................)
戦士「勇者........?」
-
今日はここまで
ワイに濡れ場は無理と悟った(確信)
-
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-
乙!
濡れ場いけるよ?
-
たしかに濡れ場の書き方があれやな……
クドすぎて全くエロさを感じさせない
文章やな
-
_____
_______
戦士「──勇者!勇者じゃないか!」タッタッタ
そう声を上げ、大手を振りながら馬車の元へとかける。
馬車を囲んでいた砦の兵士がこちらに気付き、道をあける。
馬車の扉が開き、そこから出てきたのは。
女賢者「まあ、まあ、まあ......!!」トタタ
女盗賊「アンタ、なんで......!」
女武闘家「え、嘘っ!?」
女賢者、女盗賊、女武闘家の順に馬車から降りる。
そして、最後に。
勇者「......戦士!」
戦士「......久しぶりだな、勇者」
-
女賢者「積もる話もあるでしょう......手続き等は私たちに任せてください」
勇者「ああ、ありがとう」ニコ
戦士「すまないな、女賢者」ニコ
気を効かせてくれる女賢者に感謝し、近くの酒場へと向かう事にした戦士。
久しぶりの顔触れに心を緩ませ、自然と笑みが溢れる。
女武闘家「あー、私も勇者と話したーい」ソロッ
女盗賊「お、オレもちょっと戦士と話したいから......」ソロッ
女賢者「貴女達はダメです!......ったく、空気が読めないんですから............」グイッ
____
______
-
___
_____
戦士「とりあえず、元気で良かった......改めてだが、久しぶりだな!勇者!」
運ばれてきた酒と料理に口を付けつつ、改めて勇者を見る。
あの頃と変わってはいないようだ。
勇者「ああ......まさか、こんな場所で会えるとは思ってなかったよ」ニコ
笑みを浮かべる勇者。
勇者「......ところで戦士、なぜこんな所に?君とは『武道の街』で別れたハズだが............」
戦士「いや、まあ......色々あってな。」
勇者「ふうん......まあ、戦士がここまで、しかも一人でこれたのはビックリだね。ここら辺になってくると、魔物の強さも上がってくるし、なにより『知恵』がついてるヤツが多い......」
勇者「とにかく、生きてて良かったよ」ニコ
戦士「ハハハ、俺もまだまだやれたって事さ......魔物と言えば、洞窟にだな......」ゴクゴク
勇者「............へえ、じゃああの竜戦士の片腕は......!!」モグモグ
積もる話に花が咲く。
一通り近況を話し合い、色々な事を語り合った。
-
戦士「......勇者」グビッ
勇者「なんだい、戦士」モグモグ
一通り話が終わったとき、戦士は言った。
戦士「『勇者』って、何なんだ?」
勇者「......はあ?」
戦士「......ずっと俺は考えてたんだ。『勇者』は何を以て『勇者』とされるのか。『勇者』とは何なのかを」
勇者「......勇者ってのはね。魔王を殺す者、ただそれだけの存在さ。それ以上でもそれ以下でもない」
勇者は言う。
勇者とは『魔王を殺す者』と。
戦士「それだけって事は無いだろう。人助けもするじゃあないか、魔王を殺す為だけにってんなら人助けはしないさ」ハハハ
勇者「......何言ってる、戦士?俺は1度も自分から進んで人助けなんかしていない」フゥ
戦士「......困ってる人をほっとけないのが、お前だろう?現に、『東第二砦』に加勢に行っていたんだろう?」
勇者「魔物のせいで困ってるヤツが、勝手に助かってるだけだよ。砦にだって、魔王軍の幹部クラスが来てたらしいから行っただけだ」
ふう、と溜め息をつき。
勇者「俺は今まで1度も人助けなんてしていない。『勇者』は魔王を殺す為の存在だ。だから魔王を楽に殺せるように行動してただけだ」ゴクゴク
-
戦士「......おいおい、冗談がキツいぞ、勇者」
震えた声で、言う。
人助けをするのが勇者だろう。
困った人をほっとけないのがお前だろう。
勇者「冗談?......戦士、わかってるだろう?俺は嘘をつくのは苦手だ......」ハァ
戦士「おい、おいおい......待てよ、違うじゃないか!勇者ってのは!」
声を荒げる。
しかし勇者は、呆れたように戦士に言う。
勇者「『勇者』にどんなイメージ抱いても良いけどさ......勇者だって人間だぜ?聖人君子なんかじゃないよ」ハァ
勇者「勝手に美化されて、勝手に決めつけられて......近くにいた奴にまで、『勇者』の肩書き一つで勘違いされる。綺麗事だけじゃ魔王は倒せないってのにさ」ハハハ
勇者「『勇者』ってのは、めんどくさいよなあ」ハァ
勇者の言っている事は正しい。
だが、戦士は納得できない。
これが、自分が認めた『勇者』だなんて。
納得も理解も、したくない。
-
戦士「......認めんぞ、勇者」グッ
勇者「認めるも認めないもどうでも良いけどさ、どうするの?」モグモグ
戦士「勝負だ、勇者。俺は、今のお前が俺の認めた『勇者』だとは信じたくない......!」
勇者「............戦士、それ本気で言ってるの?」ハァ
呆れた様に言う勇者。
バカな事だって事は自分でも解ってる。
だが、認める事が出来ない。
勝手に理想と重ねて勘違いした自分がバカなのは解っている。
だが、もっと馬鹿なこの心が。
これが勇者だと認めたくないのだ。
勇者「いいよ、戦士。本気でやろうじゃないか......キミとはずっと仲良くいたかったけど、仕方無いね」タッ
-
____
______
勇者「訓練用の武器は借りてきたよ。ほら、斧だ」スッ
戦士「......ああ」グッ
朝の澄んだ空気が身体に染み渡る。
両手でしっかりと前を見据え。
勇者「......」
戦士「......」
戦士「いくぞォォッ!!」ダンッ
勇者「こい、戦士ッ!」キッ
地面を踏み抜き、走るッ!!
-
身体中に魔力が行き渡る。
魔術師のおかげか、微量にしか無かった魔力が多くあるのを身体で感じる。
戦士「はぁッ!!」ブンッ
勇者「しっ!」ヒュバッ
斧を横凪ぎに振るう。
しかし簡単に受け流される。
戦士「おらぁッ!!」ブンッ
勇者「遅いっ!!」タンッ
下から上への斬り上げも、バックステップで簡単に避けられる。
戦士(やはり、強い......!)
勇者「次はこっちから行くぞ......っ!!」タンッ
勇者が飛び込むッ!
斧を短く持ち、繰り出された斬撃を受け止める戦士ッ!!
勇者「はっ!しィっ!そらッ!」ヒュババッ
戦士「くうっ、ふん......!」ズガガガッ
連撃をなんとか受け止めるも、よろける戦士ッ!
勇者は見逃さず、すかさず追い討ちをかけるッ!!
勇者「『爆裂剣』ッ!」ボゴォンッ!
戦士「がああああああああッ!!」ドシャアアアアッ
-
剣が当たると共に爆発を起こし、敵を吹き飛ばす剣技ッ!
まともにくらい数メートル吹き飛ぶ戦士ッ!
戦士が動く暇も与えず、勇者はさらに追い討ちをかけるッ!!
勇者「『乱れ真空刃』ッ!!」ズババババァッ!
勇者が剣を振るう。
その度に真空の刃が生み出され、戦士の元へと飛んで行くッ!!
戦士「くおおおおおっ......!!」ゴロッ
倒れた状態で横に転がり、初撃を避け。
しゃがみながらのバックステップで距離を取り残りを避けるッ!
戦士「負ける訳には......認める訳には......ッ!!『衝撃波』ァッ!!」ドォンッ
-
魔力が多く使えるようになったお陰で、苦も無く衝撃波が打てる。
しかし、少し増えたからと言って衝撃波を何度も使い続けるとあっと言う間に魔力切れを起こしてしまう。
確かに魔力は増えたが、多いという訳では無いのだ。
戦士「早めに勝負をつけなければ......ッ!」ダンッ
突き進む衝撃波と共に飛び出し、勇者に斬りかかるッ!
勇者「ぐあッ......!!」ズダァッ
戦士「まだまだァっ!!」ブンッ
衝撃波をくらい体勢のよろけた勇者に、斧を振るうッ!!
剣で防がれるも強引な力で勇者を浮かし、吹き飛ばすッ!!
勇者「ちぃっ......勝手に勘違いされて、勝手に怒られて......迷惑なんだよっ!戦士ィ!」タンッ
-
うーん、今日はここまで!w
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おつ
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嫌いじゃない
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なんで更新する必要があるんですか(暴論)
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勇者(俺だって分かってるさ、こんな言葉が嘘っぱちだって事くらい)
勇者(『お前と別れるまでの俺』は、正しく『勇者』と呼べる男だった)
勇者(お前のお陰だよ、戦士。お前が居るから、俺は『勇者』で居られたんだ)
勇者(だけど........あの日、俺はお前と別れた。別れなければならなかった。)
勇者(俺は........俺は................!!)
勇者「やめてくれよ........もう、消えてくれよッ!!」スウウウッ
勇者(もっとお前と居たかった........!!)
勇者「お前の居ない旅は楽しかったぜ、本音を隠す必要が無かったんだからな!!」ギュオオオオッ
勇者(お前と一緒にずっと旅したかったんだ........!!)
勇者「これで思い知れ、2度とその面見せるなよ........!!『雨雷槍』ッ!!」バリバリバリバリィッ!!
勇者(お前の事が........好きだったんだよ!!)
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勇者が魔力を武器に籠め、叫ぶ。
それに呼応して武器の尖端に魔法陣が浮かぶ。
戦士(お得意の雷魔法か........!!)
魔法陣が光る。
それと同時に無数の雷撃が槍となって戦士に襲い来るッ!!
戦士「お前は........何処まで........ッ!!」グッ
雷の槍一つ一つを丁寧に斧で弾く!
しかし無数に、そして高速で撃ちだされたこの魔法を完全に防ぐ事は不可能ッ!!
一つ、また一つと戦士の肉体を雷撃が襲うッ!!
戦士「グッ........あああッ........!!」ガギガギガギィンッ
戦士(お前と俺が一緒に魔王征伐の旅していたあの頃は........違かった。違かった筈だ........!!)
戦士「勇者ぁ........!!何故........何故そこまで腐ったか、勇者ァッ!!」ダンッ
雷撃により痛み、痺れ、震える身体に鞭を打つ!!
今ここでッ!!今ここで倒れてしまってはッ!!
-
戦士「っらぁっ!!」ブンッ
勇者「しっ!!」キンッ
横凪ぎに斧を振るう。
簡単にいなされるがそれは想定内。
斧を短く持ちかえ、連続で斬りかかるッ!
戦士「今の!貴様がっ!!魔王を!倒してもッ!」ヒュバババッ
勇者「ちいいいいいっ........!!」ガキギィンッ
戦士「それは勇者とは呼べんッ!!」ズガァンッ!
勇者「くおっ........!!」ズザッ
力を籠めた強烈な一撃をも勇者は防ぐが、体勢が崩れるッ!
戦士「そんな勇ましくもなんともない男をッ!!勇者と呼べるかァーーーーッ!!」ドガァァァッ!
ふらつく勇者に、渾身の蹴撃ッ!!
横に崩れる勇者ッ!!
それを待ち構えるように振り上げられる斧ッ!!
勇者「くっ........そがあああああああッ!!」バギィンッ
無理矢理剣で斧を防ぐも、砕け散る剣っ!!
戦士は勝利を確信し、不用意に構えを解いたッ!!
しかしそれは間違いであったッ!!
-
倒れた状態で、柄だけになった剣をこちらに向ける勇者。
勇者「........『電放撃』ッ!!」バチィィィッ!
戦士「ッ!!!........がっ.................は........」ビリッビリッ
突然に放たれた電撃を全身に喰らい、膝から崩れ落ちる戦士。
薄れ行く意識の中、勇者が言う。
勇者「なら........なってみろよ、お前が........その『勇ましき物』とやらに........」
勇者「なれなかった、俺の代わりに........」
そこで、戦士の視界は真っ暗になった。
-
短いけどここまでゾ
-
乙
-
おつおつまってた
-
____
_____
10日が経った。
東第一砦での出来事から。
戦士(ここら辺になると、もう魔物のテリトリーって所か........!)ズバンッ
マンティコアA「グアオオオオッ........!!」ドサッ
マンティコアB「ヴゥ........」ドシャッ
戦士は今、『魔の塔』へと向かっている。
激戦区であるあの戦場を突っ切るよりかは、塔を経由した方が幾分かマシだからである。
戦士(塔には、王国の軍備にも多大に関わったと言われる老師がいると言われる........何か、得るものがあるといいな)フゥ
マンティコアの群れを切り伏せると、戦士は返り血を拭い歩き出す。
戦士(『勇ましき者』になれ........か)
戦士「どうしてしまったんだ、勇者........」
-
すまん
昼にチーズナンを食ってから腹にインドが住み着いて書けなかった
また今度続きを書くからおにいさんゆるして(土下座)
-
えっ?昼にチーズナン食べて気づいたらインドに行ってたって!?(難聴)
-
インド人を右にやっとかないから…
-
道なりに進んで行くと、不意に喧騒が聞こえた。
何が有るのかと駆け出す戦士。
戦士(この辺りに........人でもいるのか?)タッタッタッ
戦士がたどり着いた其処には。
駆動鎧「........」ズバァーッ
護衛A「っぎゃああああー!!」ドサッ
護衛B「ひっ、ひいいいいいっ!!」
戦士(あれは........駆動鎧........?)
戦士「バカな、なぜ駆動鎧が人を........!」ダッ
駆動鎧。
それは、王国が作り出した『魔力を動力に動く鎧』である。
中に人は入っておらず、動力としての魔力が籠められた石が入っている。
通常、魔物を切り伏せ人間を助ける筈のその駆動鎧が人間を襲っているその異常事態に驚きながらも、戦士はそれを止めるべく駆け出した。
-
駆動鎧「........!」ガキィンッ
戦士「何事だぁッ!!」ザッ
駆動鎧に攻撃を放ち、気を此方に向かせる。
すると、道端に停まったままの馬車から一人の男が顔を覗かせた。
商人「たっ、助けてくれぇっ!!駆動鎧が、と、突然暴走を始めたんだっ!!」
戦士「暴走だと........ッ!!」ブンッ
駆動鎧「ッ!」ガキィンッ
駆動鎧が暴走する。
そんな話、聞いたことも無い。
対処が解らない以上........
戦士「破壊するしか........無い........ッ!」グッ
-
駆動鎧を破壊する。
それは熟練の戦士でもかなり難しい事であろう。
何せ魔物と渡り合う為に作られ、設定された兵器。
それを人間の力で破壊するなど、まさに素手でマンティコアに挑むような愚行である。
戦士(しかし........今ここで俺が逃げれば)チラッ
商人「もうダメだぁっ........!!おしまいだあ........!!」ガタガタ
戦士(........逃げる訳には、いかない!!)ダァンッ
地面を蹴るッ!!
-
一直線に飛び込むと、左拳で鎧の肩を打つッ!
そのまま回転し回し蹴りを打ち込むっ!!
戦士「むぅんッ!!」ブンッ
駆動鎧「........!」ガシャアンッ!
そしてその勢いのまま斧を横凪ぎに振るい、鎧の胴に打ち込むッ!!
戦士(流石に、硬い........っ!!)ダンッ
斧の一撃をくらい尚、鎧は少しへこむのみのダメージ。
体勢を崩さない駆動鎧に危険を感じ、バックステップで後ろに下がる。
そして、次の瞬間。
-
駆動鎧「........!!」ダンッ!
飛び出す鎧ッ!!
その予想以上の速度に反応が遅れるも、なんとか対処をするッ!
戦士「っ!!?」ガギギギィッ
剣の乱舞ッ!!
勇者は兎も角、自分にすら劣る荒い剣筋だが。
とにかく力と速度が桁違いだ。
剣筋を見切る事は可能だが、少しでも油断すれば一瞬のうちに切り伏せられるッ!!
駆動鎧「........!」ヒュババババッ
戦士「くぅっ........!!」ズガギガギンッ
一瞬の隙を見付け、踏み込むッ!!
-
戦士「っらぁッ!!」ドガシャッ!
駆動鎧「........!」ヨロッ
渾身の突進ッ!!
そしてそのまま斧を振るうっ!
戦士「おりゃあああっ!!」ブンッブンッ
駆動鎧「........」ガギンッ...!
先程打ち込んだ場所と寸分違わない場所に打ち込むッ!!
そしてもう一撃ッ!!
戦士「『剛斬斧』ッ!!」ズドオオオーッ!
駆動鎧「ッ!!!」ゴギャアッ!!
鎧の胴に刃が食い込み、中の魔石に届くまであと一寸も無いッ!!
しかしッ!!
-
商人「あっ、アンタ!危ない........ッ!!」
商人が叫ぶ。
駆動鎧「........ッ!!」ズバァーッ
戦士「何........」ズパンッ
駆動鎧の動力となる魔石に刃が撃たれ、破壊される。
それと同時に。
戦士「........だと?」ドチャッ
戦士の左の肩から先が、地面へと落ちた。
-
滝のように血がとめどなく流れ、身体の末端からどんどんと痺れるように感覚がなくなってゆく。
戦士「これ........は................」ググッ
なんて無謀で、馬鹿な事をしたろう、と。
今になって後悔する。
しかし。
戦士「助ける........ことが...できて.....よかった........」ドサッ
逃げるよりかは、後悔せずにすんだろう。
そう思いながら、戦士は地へと伏した。
意識が薄れて行く中で聞こえる声が心地よい。
誰かが、自分を持ち上げたのだろうか?ふと、頬に感じる硬い地面の感触がなくなった。
そこで、戦士の意識はプツリと切れた。
-
今日はここまで
-
おつ
-
_____
戦士『よろしくお願いします、勇者殿。私が王国軍騎士団第三部隊部隊長・戦士であります』スッ
戦士『今この時から、自分が勇者殿の剣となり...勇者殿と王国に仇なす者のことごとくを打ち砕いてみせましょう........』
勇者『........そんなに畏まらないでくれよ、俺はそんなに偉くないさ』
勇者『ただ俺は......王国の平和なんて高尚な名目よりも、今この時手の届く全ての人を救うために戦いたい。それでもいいかな、戦士?』
戦士『........よろしいですとも、その慈愛の精神こそが...』
勇者『だからぁ、畏まらないでってば........敬語やめてさ、タメで話してよ...ね?』
戦士『わ、解りました........』
勇者『だからタメ口でって........まあいいや』フゥ
-
女武闘家『よろしく、戦士!』ニコッ
女盗賊『フン、足手まといだけはやめてくれよ』フゥ
女賢者『よろしくお願いします........どうか、末永く』
戦士『ああ、よろしく........』
勇者『みんないいやつさ、それに強い........盗賊のヤツも、あんなこと言ってるけどホントは仲良くしたいんだぜ』
女盗賊『バッカ、余計な事言うんじゃないよ!........おいアンタ!それと武闘家と賢者も!知らないだろうから言ってやるけど勇者は実は...!』ガッ
勇者『『それ』はシャレになんないよ!やめろって!』グイッ
戦士(........)
-
クラーケン『ギシャアアアアーッ!!』ビュババババッ
女武闘家『っあぁ!!』ドサァッ
勇者『武闘家っ!!........賢者、回復を!』
賢者『解りましたぁ、勇者様........』ヒュゴオオオーッ
女盗賊『っちぃ!なんだってこう........うぁっ!?』バチィーンッ
戦士『攻撃を受けたヤツは回復に専念しろォっ!クラーケンの触手には痺れ毒があるっ!前は任せて対処をしろっ!!』ズパァッ
勇者『すまない、戦士!俺も加勢するッ!!........賢者、そっちを頼んだ!』ダンッ
賢者『はいっ........』スッ
-
女賢者『...』ブツブツ
女盗賊『なんだってクラーケンなんかがこんな海域に........』グタァ
勇者『『雨雷槍』ッ!!』バリバリバリィッ!!
クラーケン『キシャーッ........!!』ヨロッ
戦士『そこだッ........!!』ダンッ
戦士『『燕返し』ッ!』ヒュババッ
ズパァーンッ
勇者『『真空刃』っ!!』ヒュバッ
スッパァーン!
クラーケン『ギシャアアアアーッ!!!!』
戦士『あと5本........!!』ゼェハァ
勇者『あと少しだ、踏ん張るぞっ!!』グッ
-
女賢者『........』ブツブツ
女武闘家『.....流石、勇者と戦士ね.........!最高の、コンビだわ』グタァ
女賢者『........』ブツブツ
クラーケン『キャア"ア"アアアアアッ!!』
勇者『っとぉ!』ザシュッ
戦士『終わりだ........っ』グッ
戦士『........ッ!?』グッ
勇者『戦士っ!?どうした!?』
戦士(う、動けない........!?)ググッ
勇者『危ないっ、戦士ィ!!』
バギィッッッッ!!!!
-
戦士『........ここでお別れか、自分の実力不足が不甲斐ない』
勇者『戦士が弱いわけじゃあない、ただ...』チラッ
女賢者『........』ニコリ
戦士『いや、自分でも解っている。俺が皆の脚を引っ張っていたことを........どうか、魔王を倒してくれ。身体はついて行けなくとも、心は勇者、お前たちと共にあるつもりだ........』スチャッ
戦士『この剣を、持っていってくれ』
勇者『........ああ、ありがとう』
戦士『勇者、女武闘家、女盗賊、女賢者........元気でな、武運を祈る』
勇者『ああ...戦士も元気でな』
女武闘家『戦士の分も、存分に暴れてきてやるわ!』グッ
女盗賊『役立たずのアンタがいなくなると、清々するわ........っと、目にゴミが入っちまったかな』ホロリ
女賢者『神のご加護が在らんことを........どうか、元気で』ニタァ
-
______
戦士(........ここは)
懐かしい夢から目を醒ますと、そこは石造りの建物。知らない天井だ。
それを視認すると同時に、左肩に激痛が走る。
戦士「っぐううううっ........!!」ガッッ
激痛に身を捩らせ、左肩をかきむしるように抑える。
その時の感触が。
まるで鉄のように硬く。
そういえば、自分は。
腕が落とされたハズなのに。
ならば、『コレ』はなんだ?
疑をはらすように、左肩を見ようとしたところで不意に声がかけられた。
???「ふむ、起きたか........嫌、乱暴な治療ですまんね。しかし、コレしか方法が無かったものでね?ワシは全く悪くないのじゃ、そこのところをよろしく頼むぞ」
戦士「あな、た........は?........そして、俺の、腕........どうなっ、て」ハァハァ
???「一つずつ答えよう。まずワシは『老師』、魔の塔の老師じゃ。次に、お主の腕についてじゃが........」
-
老師「まあ、簡単に言えば........『移植した』って感じかの........」
戦士「い、移植........?」
老師「だってしょうがなかったんじゃもん!血も無かったし、切り落とされた方の腕もなかった!それじゃあやることは一つしかないじゃろっ!」
老師「........というわけで、お主の左腕は........『駆動鎧』の左腕を移植しておる、感謝せい」
戦士「え?」ガシャッ
戦士「........」ジッ
戦士「........え?」
-
今日はここまで
-
賢者怖い
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━━━━━
━━━━━━━
戦士「.........」ボーゼン
老師「落ち着いたかの?」
戦士「...ええ、まあ.........ですが、まだ.........」
落ち着きはしたが、未だ理解は出来ない。
状況についていけない。
老師「まあ、混乱するのも無理はないわい.........じゃが、腕を落とされたままよりかはよいじゃろ?な?」
戦士「.........はい」
-
戦士「...ですが、老師。この駆動鎧の腕なんですが.........重いだけでピクリとも動きませんよ」
そう。動かない。
まるで左肩に重りをつけられたかのような重量感だけが残り、動きはしないのだ。
老師「ほほ、動かんか.........おっかしいのぉう.........理論的には成功のハズなんじゃが.........」
戦士「理論的にはって...」
老師「ちょうどよく人体実験が出来ると思って着けてやったのに、やっぱ失敗かのぉ.........」ハァ
戦士「ちょっ...試したコト無かったんですか、コレ?」ガタッ
老師「なぁに、理論的には完璧なはずじゃったんじゃよ!試したコトが無いだけで!!」
-
戦士「勘弁してくれよ.....」ボソッ
冗談じゃない。
治療してくれたのは有り難いが、こんなオモリまでつけられてしまったのならたまったもんじゃない。
まだ片腕のほうが何倍もマシだ。
老師は少し考え込み、何かを思い付いたようにふと顔をあげる。
老師「そうじゃ!そうじゃ、そうじゃ!お主、そこに魔力を通してみぃ!!それで動くハズじゃよ!!」
戦士「魔力を.....?」スゥッ
-
老師に促され、左腕に魔力を通すように操作する。
以前なら魔力の操作どころか、自らの魔力を感じることすら出来なかった。
しかし今の戦士は、未だ魔力の扱いに慣れてはいないが、『魔力容量』を大きく成長させた事である程度の大まかな操作なら出来るようになっていた。
戦士(これも、『彼女』のお陰か......)ググッ
戦士「.....!」
老師「ほほっ!!」ガタッ
動いた。
今、駆動鎧が動いた。
戦士「動か、せる.....!!」グググッ
-
老師「やっぱりじゃ!やっぱりワシは天才だったんじゃ!!おほほほーっ!!」ドタバタ
戦士「ちょっ!!老師!!」
喜びの余り、発狂しながら部屋を飛び出していった老師。
一人部屋に残された戦士は、左腕の感触をもう一度確かめる。
戦士「.....うん、動かせるぞ」ググッ
まるで最初からこの腕だったかのように。
滑らかに、自在に動く。
戦士「...」
先ほど心の中で蔑んだ老師に、また心の中で感謝を告げる。
そして数秒後、気付く。
戦士「この腕.....」ガッ
-
戦士「.....」スゥッ
息を吸い込み、左腕で石造りの壁に触れる。
そして、その壁を掴むように腕を操作する...
戦士「.....!」ガリバリバギィッ
まるでパンをちぎるような感覚で、石造りの壁を削り取ってしまった。
やはり。
戦士「この腕.....『駆動鎧』の腕だからか.....?」
戦士「かなり、力が強いぞ.....」グググッ
瓦礫を握る。
そしてもう一度手を開けば、そこには粉々に砕け散った残骸。
やはり、強い。
-
戦士「凄い.....凄いぞ.....!!」
これなら.....
これなら、まだ戦える。
これなら、まだ先へ進める。
戦士「彼女に.....老師にお礼を言わねば.....!!」タンッ
跳ねるように身を翻し、老師が飛び出していった扉に駆けようとして。
戦士「...ぬわっ!!?」ゴシャッ
盛大に転び、頭を打ち付け気を失った。
-
━━━━
━━━━━━
目を開き、最初に飛び込んできたのは幼女の顔........
をした齢200になると噂の老師である。
老師は呆れたような表情で、戦士を見下ろしていた。
老師「起きたかの、このトンチキめ」フゥ
戦士「あの、これは........?」
老師「比重が違うんじゃからバランスが悪くなるのは当然の事じゃろ、それにワシの部屋の壁もあんなにしよって........」イライラ
戦士「す、すみません........」
老師「フンッ、『あのときの実験』が成功しておれば........今頃お主をボコボコに殴り倒していたところじゃよ」
-
『あのときの実験』とは........
老師が幼女の姿をしている理由でもある。
それは、120年ほど前の事らしい。
当時の国王と老師は大層仲が良く、老師の研究に多額の援助をしていたそうだ。
その援助金をアテに、老師は好きなように研究や実験を続け、悠々自適に暮らしていたそうだが........
ある日「このまま老いて死んだら、やり残した研究が進められない」と思い『不老長寿の魔術』の研究を進めることにしたそうだ。
-
そしてある日、ある一つの理論を確定させた老師は........
気がはやり、実験をせずに自分に魔術を行使したのだ。
結果は、半分成功で半分失敗。
確かに老いる事はなくなった。
確かに長く長く生きられる。
しかし姿は、16〜24の間で固定する予定であったのにそれを大きく下回る事に。
老いる事はなくなった代わりに、成長も無くなったため筋力や体力は著しく低い。
老師は実験の失敗に絶望し、密かに愛していた王に無様な姿を見られたくないがために、ここに魔の塔を建てひっそりと閉じ籠もった........と言われている
-
戦士「........しかし、本当に感謝しています。これで、まだ........」
ゆっくりと立ち上がる。
まだこのバランスに慣れてはいないが、ここでゆっくりしている理由もない。
老師「ええわい、ええわい。久しぶりに人体実験出来てワシも楽しかったしの........ほれ、お主の荷物はそっちにあるわい」
老師は一息着き、言う。
老師「........何を考えてるかは知らんが、身に余る無謀は自殺と同じじゃからの?」
自殺と同じ。
それでも........
戦士「........では、ありがとうございました」ペコッ
俺は勇者に、『頼まれた』のだ。
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今日はここまで
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続ききとったんか、しかしまた思い切った形でパワーアップしたなぁ
-
━━━━
商人「........にしても、アンタ北の大陸に行こうだなんて........駐屯地に家族でもいるのか?じゃなきゃあんな恐ろしいとこ........まあいいや」
戦士「...」
塔を去り、旅を続けようと歩き出した戦士を待っていたのはあの時の商人だった。
なんでも、「命を助けて貰ったのに、礼もしないのは男、いや人間として情けねぇ!」と言う。
北の大陸に行く船を出す港に向かう、と言ったら、快く馬車に乗せてくれた。
商人「........まあ、人の事情は知らねぇがよ?北の大陸は街や駐屯地でも安心して寝られねぇって噂だぜ?まーだ東の大陸で野宿したほうが安心って話もある」
商人「........それでも行くのかよ?」
-
戦士「........ああ」
なぜ北の大陸に行くか?
それは自分の中でもはっきりしない。
ただ、「勇者の力になりたい」とあの村を飛び出した。
この大陸に着き、勇者を追い、そして変わり果てた勇者に幻滅し、その勇者に負けた。
「もう勇者の事なんて、世界のことなんて良いじゃないか」
苦しくなる度に頭に浮かぶ。
だがその言葉を握り潰し、訳もなくただ魔王の元へと向かう。
なぜなのか。
ただ、戦士は思った。
このまま終わる事だけは、いけないと。
-
変わり果てた勇者の、あの最後の言葉が引っ掛かる。
心の奥で爪を食い込ませ、妙な感覚を与えている。
俺は、まだ何処かで勇者を信じている。
あの最後の言葉が、昔の勇者の面影を心に残している。
きっと勇者は、苦しんでいる。
なにがあったかは自分には解らないが、勇者は今も、理想と現実の狭間で苦しんでいる。
あの言動を聞いてなお、そう思ってしまうのだ。
戦士「俺には、やらねばならん事があるからな」
ならば、俺はその苦しみを解いてやりたい。
それは出来なくとも、俺は勇者の役に立ちたい。
それが、「仲間」って物なんじゃあないだろうか。
-
商人「........やらなきゃならないこと、ねぇ........」ピシッ
馬を繰りながら、商人は深い溜め息を吐く。
商人「その口振りじゃ家族がいるって訳でも無さそうだし、アンタ程の命知らずは初めて見たよ」ハハハ
商人「まあ、駆動鎧に向かってった時点で『普通じゃない』って思ってたけどな!........いや、良い意味で」
振り返り、朗らかに笑う。
商人のふくよかな腹が揺れている。
戦士「普通じゃない、か........はは、酷い言われ様だ」ククク
-
商人「........そんな命知らずの恩人をただ送るってだけじゃ、俺の中の男が黙っちゃいませんなぁ」フム
そう言いながら、鞄をゴソゴソとまさぐり始める商人。
戦士「おいおい........俺は馬車に乗せてくれるだけでも充分だぞ」
商人「アンタは充分でも俺は気がすまないの!ったく........あった!」
そう言いながら取り出したのは、何かが書かれた羊皮紙だった。
商人「これ、アンタに...」スッ
戦士「........なんだ、コレは?」
-
商人「それはな、北の大陸の街に住んでる鍛冶屋の借用書........みたいなもんだ」
戦士「........?」
商人「俺ってばこう見えて商売の腕が良くてな、色々と贔屓にしてもらってるんだが........
そこの鍛冶屋は「武器が売れねぇ」なんつって、物だけ頼んで一向に金を寄越しちゃくれねぇんだ」
商人「だからこの前それを作ってよ、次会った時に金払えなかったら店ごとうっぱらってもらうってソコに契約してたわけだ」
戦士「はぁ...」
商人「まぁアンタにゃちんぷんかんぷんだろうがよ、ソイツを目の前で破り捨てでもしたら喜んで武器くらいくれるだろうよ」ハッハッハ
戦士「よく解らないが........恩に着る」スッ
-
ちょい短いがちうだん
-
商人「........そういや、アンタ知ってるか?『魔王直属の五大魔族』の話........」
戦士「五大魔族........詳しくは無いが、聞いたことはある」
五大魔族........
魔王軍を束ねる五体の魔族であり、魔王直属の部下であるという。
怪力のオーガ。
知略のデーモン。
海のセイレーン。
空のガーゴイル。
そして、戦神のデュラハン。
この五体の魔物が、魔王に直接仕えており........
それぞれが、災害級の戦闘力を持っているのだ。
-
特に、ガーゴイルについてはその強さの一端を戦士は目の当たりにしたことがあるのだ。
戦士がまだ王国の兵士であった頃。
南の大陸に、空から大量の魔物が攻めてきたのだ。
その頃は北の大陸を戦線としており、南の大陸はまだ魔物がこの大陸にくるなんて事すら考えていなかった。
故に、王国は大打撃を受けることになってしまった。
その『空からの魔物』を討たんと揃え、出撃させられた部隊の中に、戦士も居たのだ。
-
そこで、戦士はガーゴイルを見た。
それは恐ろしい程の実力であった。
ハーピーやワイバーンを平気で薙ぎ倒すような実力を持つ兵士が、束になっても敵わなかった。
その爪は鉄の鎧をいとも容易く切り裂き、その魔術で数々の兵士や兵器が遥か彼方へと吹き飛ばされた。
やっとの想いで王国の兵器がガーゴイルの片翼を傷付け、敵を撤退させた頃にはもう南の大陸はほぼ壊滅状態だった。
戦士(........恐ろしい。あのような化物が5体も居るなど........)ゴクリ
-
おつおつ待ってる
-
戦士「それで、その五大魔族がどうかしたのか?」
商人「いや........どうやら、この大陸に勇者がいるって聞き付けて........五大魔族の一人が向かってきてるって噂だぜ。鉢合わせにならなきゃいいが........」
戦士「ふむ...なるほどな」モグ
話を切り上げ、パンを食べる。
魔力を常に流しているせいか、妙に腹が減るのだ。
戦士(...勇者に限って、五大魔族に負けるなどという事はないだろうが........もし俺が出くわしてしまったら)ゴクッゴクッ
戦士「........覚悟はしておかなければな」フウッ
-
商人「........っと!とまれぇっ!!」ググッ
不意に、商人が馬を止める。
馬車が大きく揺れると同時に、運転席から商人が飛び出した。
商人「お、おい!魔物だ!魔物が出てきた!!」
戦士「何...?」ガシャッ
慌てふためく商人を馬車に残し、外へと飛び出す。
待ち構えていたのは、数匹のオーク。
-
オークA「ジュルル....グヘヘ....」ヌッ
オークB「グヒィ........!」
オークC「ブッヘッヘッヘ........」ニタァ
不気味な笑いをあげるオークが三匹。
...オークは、個々の単純な戦闘力はマンティコアと同等かそれ以下。
しかし知能が発達しており、武器の使用や思考力に長けている分マンティコアよりも厄介だ。
戦士「........不足は無いな」グッ
斧を構え、三匹のオークを見据える。
新しい『腕』、どれほど使えるのか........
-
オークA「グオオオオッ!!」ズドッ
オークが飛び出す!
それと同時に戦士も駈ける!
オークが縦に振るう棍棒を横に跳ね回避すると、そのままオークの脇腹に回り込むッ!!
戦士「うらぁっ!!」ビュバッ!
オークA「ッ!?!!?」ズダァンッ
斧で脇から斬り込み、股関節まで至らせ左足を脇腹ごと削ぎ落とすッ!!
倒れこんだオークの後頭部に斧を落とし、切断!
戦士「問題なく動かせる........行ける!」ダンッ
オークB「オ、ォマエェェェーーーッ!!」ブルンッ
飛び出してきた戦士に合わせ、オークは棍棒を横に振るう!
-
戦士「フンッ!!」ガゴォンッ!
移植された左腕で棍棒をそのまま受け止めるっ!
そして!!
戦士「はぁっ!!」バギャッ!
握力のみで棍棒をへし折った!!
戦士(使える........かなり使えるぞ........!!)ブンッ
オークB「ンギャアアアーッ!」ズッパァン!
戦士「これなら........!」
-
オークC「コノォォォッ!!」ガッシィィィッ!
戦士「くぅっ!!!!」ギシィッ
突如、こちらを潰さんと突きだされたオークの腕に、左腕で対抗する!!
力では負けてはいないようだが、身長と体重のあるオークに上から押されてしまっては流石に戦士が不利である。
戦士(くぅっ........ど、どうにかもっと........)ギシィッ
もっと力が入らないかと、腕に魔力を籠める。
オークC「グェッヘッヘ........お、オシマイダ........!」グググググッ
戦士(もっと、もっと籠めねば........!)ギチチチチ
-
上からの過剰な圧力と大量に送られる魔力で、腕が悲鳴をあげる!!
戦士「うおお、おおおおおお........!!」バチッ!バチバチッ
オークC「........!?」
回路から魔力が溢れ、スパークを起こしッ!!
戦士「おおおおおおおーーーーッ!!!!」バリバリバチィッ!
オークC「ッ!?」バチィッ!
腕全体に回り、オークの身体に雷が突き抜けたッ!!
オーク「ッギャアアアアーーッ!!」バリバリバリィッ!
戦士「フー、フー、フウウウ........」プシュウウウ...
腕の魔力の流れを元に戻しながら、少し前に老師が話してくれた事を思い出す。
-
━━━━━
『あー、良いかの?その駆動鎧の腕........ただ着けるだけじゃ面白くないから........』
『ちょっと改造を施しておいたのじゃ!........コラ、怒るな!着けてやったんだからそれくらい良いじゃろ!!』
『....なにを着けたかって?まあ自ずと解るじゃろ!ピンチになったら腕に魔力を回すんじゃ、わかったの?』
『........なんじゃ!その不満そうな顔は!』
━━━━
-
戦士「........こういうこと、か...フフ、助かったぞ........し、しかし」フラッ
商人「お、おい!大丈夫か!」トタタッ
回りに魔物が居ないのを確認してから降りてきた商人が、ふらつく戦士を支える。
戦士「ああ、少し魔力を........使いすぎたようだ」ハァハァ
戦士(この技........かなりの魔力を消費するな、あまり気軽には使えんか)フゥーッ
しかし、思わぬ武器が手に入ったものだ。
魔物にも劣らぬ怪力に、恐らくではあるが『雷』の力を持つ技。
戦士(これがあれば........)ゴクリ
-
今日はここまで
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まだー?
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