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杏子「例えなくなる世界だとしても」
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叛逆から2周年と言うわけで書いたわけではないですが
久しぶりの投稿です。
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杏子「おりゃああ!」
ザシュ…
魔獣「ギャアアアアア…」
ドーン…
シュウゥ…
杏子「ふう…」
杏子「ひと仕事終わりっ」
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スタスタ…
マミ「あら、佐倉さん?」
杏子「お、マミ」
マミ「偶然ね、こんなことで…」
杏子「ああ」
杏子「てめーも魔獣退治か?」
マミ「まあ…」
杏子「終わったのか?」
マミ「ええ、もう戻るとこ」
杏子「お、んじゃあ…」
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〜マミの家〜
マミ「…もう、お腹が空いてるなら、空いてるって素直に言ってくれれば良かったのに」
杏子「だってよ〜」
モグモグ
マミ「そんなに急いで食べると、お腹壊すわよ」
杏子「大丈夫大丈夫っ」
杏子「ところでさ、マミ」
マミ「ん?」
杏子「この間話してたさ”円環の理”って…」
マミ「…ああ、美樹さんの事…」
杏子「まあな、あれからアタシも色々考えたんだけど、さやかは本当にあれで良かったのかなって」
杏子「いつも考えちまうんだ…」
マミ「……」
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マミ「いつか私たちを導く、円環の理」
マミ「存在も明らかではないし、確認されたわけでもないわ…」
マミ「ただ、私たち魔法少女に伝わる噂ね」
マミ「私だって、聞いた限りの事でしかないけど、そこは魔法少女だけの天国のような場所だとか…」
杏子「……」
マミ「美樹さんだって、私たちみたいにQBと契約した時点で、わかっていたはずよ…」
マミ「そして、彼女は逝ってしまった」
マミ「私は美樹さんが信じた道を信じたいわ…」
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杏子「…なんだかなあ」
杏子「アイツがいなくなっちまってさ、アタシは魔法少女って何なんだってよく考えるようになっちまったんだ」
マミ「そうよね…私も魔法少女になりたての事はよく考えてたけど…」
マミ「でも…いくら考えても、今できることを精一杯するしかないんじゃないかしら」
杏子「だよなあ…アタシも結局、考えてた事が馬鹿らしくなっちまうんだ」
マミ「…美樹さんは自分が魔法少女になった意味を見つけれたのよ」
杏子「……」
マミ「大丈夫よ、いつか会えるわ」
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杏子「ああ…そうだな」
マミ「そういえば、暁美さんは元気…?」
杏子「ああ、アイツか?」
杏子「相変わらず変わってる奴だけど、元気にやってるみたいだよ」
マミ「そう、それは…」
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…ピンポーン
杏子「??」
マミ「あ、は、はーい」
マミ「誰かしら、こんな時間に」
ガチャ…
ほむら「あの…いきなりごめんなさい」
マミ「あら、暁美さん! どうしたの?」
ほむら「たまたま近くを通ったから、時間は遅かったけど…いるかなって思って…」
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マミ「そうなの? 上がって、上がって!」
マミ「今、ちょうど佐倉さんも来てるのよ」
ほむら「杏子…?」
ほむら「じゃあ…お邪魔します」
マミ「あ、今お茶淹れるから、ちょっと待っててね」
スタスタ…
杏子「おー」
杏子「アンタも魔獣退治の帰りかい?」
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ほむら「ええ、そんなところよ」
杏子「ちょうどアンタの話をしてたところさ」
ほむら「?」
ほむら「私の話を…??」
マミ「ええ、暁美さんが元気かなって話をしてたとこなのよ」
マミ「はい、紅茶でよかったかしら」
…カチャ
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ほむら「ええ、ありがと」
ほむら「…私は相変わらずよ」
杏子「だと思ったぜ、まあアンタの事だ」
杏子「心配するほどのことでもねーなって思ってたんだけど」
マミ「でも、元気そうで良かったわ、暁美さん」
マミ「そういえばこうして私たち3人で集まるのって初めてじゃないかしら?」
杏子「言われてみりゃあ、そうだな」
ほむら「……」
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杏子「さやかが逝っちまう前に確か4人で集まったよな」
マミ「ええ、あのときは楽しかったわ」
マミ「久しぶりにうちも賑わって…」
ほむら「…もう遠い昔のことに思えるわ」
杏子「……」
杏子「なあ、アンタはどう思う…?」
ほむら「何のことかしら」
杏子「さやかのことさ、アイツはあれで良かったと思うか…」
ほむら「…美樹さやかだって、わかってたんじゃないかしら」
杏子「……」
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マミ「円環の理ね…」
ほむら「!」
杏子「あ、そーいや、アンタ」
杏子「さやかがいなくなっちまった時、なんか言ってたな…」
マミ「そういえば、”まどか”だったかしら」
杏子「誰なんだよ、”まどか”って」
ほむら「……」
ほむら「話したところで、信じてもらえない」
杏子「はあ?」
マミ「信じてもらえない? って、どういう意味?」
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ほむら「……」
杏子「黙ってちゃ、わかんねーだろー」
ほむら「……」
ほむら「私が魔法少女になった理由…」
マミ杏「?」
杏子「…言われてみりゃあ聞いたことねーな…」
マミ「そうね」
ほむら「…もうこの世界のどこにもいない少女の為に、私は魔法少女になったの」
杏子「この世界のどこにも…」
マミ「いない…!?」
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ほむら「ええ、彼女、”まどか”はもうこの世界にはいないの」
ほむら「彼女は世界の法則を変えて、今のこの世界を創り、誰の記憶に残されることなく消滅したの…」
杏子「ど、どういう意味だ…」
ほむら「私がかつての世界で、この見滝原に転校してきた時に、まどかは既に魔法少女で」
ほむら「魔女に襲われた私をまどかは助けてくれたわ」
マミ「魔女…??」
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ほむら「待って、魔女については後でわかるわ…」
ほむら「そして、まどかはこの町を守るために命を落としたの」
マミ杏「……」
………
杏子「…なるほどな、んでアンタは一人置いてかれちまったわけか」
マミ「置いていったというより、その”まどか”って子は自分の事を覚えてる暁美さんに生きててほしかったんじゃないかしら…」
ほむら「……」
ほむら「私にはまどかの選択が正しかったのかわからない…」
ほむら「でも私だけがまどかを覚えてる以上、私はこの世界で戦い続けなきゃいけないと思うの…」
ほむら「たとえそれが、どれだけ孤独なものであっても…」
マミ杏「……」
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………
ほむら「それじゃあ、今日はこの辺で…」
杏子「あーアタシもそろそろ帰るぜ」
マミ「うん、気をつけてね、2人とも」
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数日後
〜見滝原市内〜
マミ「あれよ!」
杏子「ちっ、今日も大物魔獣かよ!」
マミ「暁美さんは私と一緒に佐倉さんのバックアップ」
ほむら「ええ」
マミ「佐倉さん、お願い!」
杏子「おう! 任せとけ!」
ザシュ!
ザシュシュ!
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マミ「暁美さん、一緒に」
ほむら「…」コク
ドシュッ!ドシュッ!
ババババッ!
杏子「くっ!」
杏子「ダメだっ!」
杏子「攻撃力が足りねえ!」
マミ「後、少しなのに…」
マミ「美樹さんがいてくれたら…!」
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ほむら「…っ」
バッ!
マミ「あっ! ちょ、暁美さん! それ以上近づいたら…!」
ほむら「……」
ドシュッ!
ドシュッ!
ドシュッ!!
大型魔獣「キエエエエエエ」
シュウウウ…
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スタッ…
ほむら「はあ、はあ、はあ…」
杏子「お、お前…」
マミ「大丈夫!? 2人とも!!」
杏子「アタシは大丈夫だ…」
ほむら「はあ、はあ、はあ…」
マミ「暁美さん、危険過ぎよ」
ほむら「ああする以外に倒す方法はなかったわ…」
ほむら「それに、私がしないと…」
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…パシッ!!
ほむら「っ!」
杏子「!」
マミ「自分勝手な事を言わないでちょうだい!!」
マミ「あなたは孤独なんかじゃないわ、私たちがいるじゃない!」
マミ「あなたを失えば、私たちは悲しいわ…!」
マミ「だから、だから…もうあんな事しないで…っ」
ほむら「…!」
ほむら「ごめんなさい…勝手が過ぎたわ…」
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杏子「まあ、今日のとこは魔獣倒せたから結果オーライだけどさ」
杏子「無茶はすんなよな…」
ほむら「……」
マミ「…美樹さんは確かに、魔法少女になった意味を見つけられたのかも知れないわ…」
マミ「でも、それは同時にこの世界からいなくなる事を意味するのよ…」
ほむ杏「……」
マミ「私は、あなたたちがいなくなってしまうは嫌…」
杏子「アタシにゃ、まだそんな気ねーよ」
ほむら「私も…」
マミ「良かった…もうこれ以上減っちゃうと魔獣退治もできなくなっちゃうもんね」
マミ「さあ、ソウルジェムを出して」
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その後
〜ほむらの家〜
ほむら「……」
ほむら(私はまどかの守ったこの世界で戦い続けなければならない…)
ほむら(でも、このまままどかのいない世界で戦い続ける事に意味はあるの…!)
ほむら「まどか…!」
ほむら「私は…! 私は…!!」
??「やあ、どうかしたのかい?」
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ほむら「QB…」
ほむら「いえ、なんでもないわ…」
ほむら「何も用事がないのに、現れるなんて珍しいわね…」
QB「僕の方は用事があるんだ」
ほむら「?」
QB「今日は、君がかつて話してくれたことを証明できる準備が整ったから」
QB「君を呼びに来たんだ…」
ほむら「??」
ほむら「…なんのこと?」
QB「僕についてくれば、わかるよ」
ほむら「……」
…スタスタ
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数日後
〜見滝原中教室〜
教師「…で、あるからして、この公式は…」
杏子「…ふぁああ」
マミ(佐倉さん、ちょっといい…?)
杏子(んあ? マミか、どうした)
マミ(暁美さんは今日もお休み?)
杏子(ああ、みたいだな)
マミ(ちょっと気になるわね)
杏子(アイツが休む事なんて今までもあったし)
杏子(そんな気にする事ないっしょ)
マミ(うーん…でも、なんだか嫌な気配がするのよね)
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マミ(それに、ここ最近魔獣が現れないのも気になるし…)
杏子(じゃあ、今日あたりいってみるか)
マミ(ええ…あ、ただ、ちょっと買い物済ませてからでもいいかしら?)
杏子(アタシは別にいいけど…アタシはそれまで何してりゃあ…)
マミ(買い物についてくる?)
杏子(何買うんだ?)
マミ(タイムセールがあるみたいなのよ、だからちょっとお洋服とか)
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杏子(……じゃあ、やめとく)
マミ(そういうと思ったわ)
杏子(だって、マミの買い物って長いから付き合いきれねえんだよ〜)
杏子(予定のもの買ったと思ったら、どっかに目移りして、次のとこに行くし〜)
マミ(あら、女の子の買い物ってそういうものよ)
杏子(そうかー? アタシは買うもん買ったら、さっさと帰るぞー)
杏子(長くいると、ほしくなっちまうからな)
マミ(とりあえず、私は一人で買い物をするとして…)
マミ(佐倉さんは、それまでどうするの?)
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杏子(そうだなあ、まあラーメンでも食って時間潰すよ)
マミ(あっ、もしかして前に言ってた、風見野の!?)
杏子(ああ、アタシはあそこ以外ではラーメン食わねーからな)
マミ(私も食べたいわ!)
杏子(んなこと言われても…)
マミ(じゃあ、こうしましょう! 私は買い物を急いで済ませて)
マミ(風見野のラーメン屋で待ち合わせて、一緒にラーメンを食べましょう!)
杏子(べ、別にいいけど、買い物はいいのかよ)
マミ(早く済ませてくるわ)
杏子(遅かったら、先に食ってるからな…)
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その日の夕方
〜見滝原市デパート〜
ワイワイ…
ガヤガヤ…
マミ「ふふっ」
マミ(佐倉さんには、ああ言っちゃったけど、せっかくデパートに来たんだし…)
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その後
〜風見野市内 ラーメン屋〜
杏子「マミの奴、遅いなあ」
杏子「先に入っちまうぞ…」
…………
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杏子「ああー! もう我慢できねえ!」
ガララー!
おじさん「おーっ お嬢ちゃん久しぶりー! みない間に大きくなったね〜」
杏子「おじさん!久しぶりっ!」
杏子「おじさんは相変わらずハゲてんな」
おじさん「やめてよ、それ気にしてるんだから…」
杏子「冗談だよ、冗談っ」
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杏子「じゃあ、いつもの!」
おじさん「へい! 風見野ラーメン大盛り、チャーシュー増ね!」
………
おじさん「へい! お待ちっ!」
杏子「ひょー! いっただきまっす〜!」
ズルズル!
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夜
〜マミの家〜
さやか「この間まどかと遊んだときにさ〜…」
杏子「はあ〜? なんだよそれ〜」
……ガヤガヤ
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期待
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まどか「そういえば、マミさんと杏子ちゃんは一緒に遊んだりしないんですか?」
マミ「ん?」
杏子「そうだなあ、言われてみりゃあ確かに…」
マミ「そうね…」
マミ「でも、待って…前にいつか学校で一緒にラーメンを食べに行きましょって…」
杏子「ああ! アタシもそれ覚えてるぞ!」
マミ「あれはいつだったかしら…」
杏子「約束した覚えはあんだけどなあ…」
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さやか「どうせ大方、杏子が約束すっぽかして一人でラーメン食べてたオチなんでしょ〜」
杏子「はあ!? さすがのアタシもそんなことするかよっ」
まどか「さやかちゃん、決め付けはよくないよ…」
杏子「そうだ、そうだ」
杏子「ん…けど言われてみりゃ、アタシ一人でラーメン食ってたような…」
さやか「ほらみろー、マミさんは放って一人で食べてたんでしょー」
マミ「でも私も、佐倉さんに会いにいかなきゃってとこまでは覚えてるのよ…」
マミ「その後、どうなったのかしら…?」
杏子「アタシも一人でラーメン食べた後の記憶がねえ…」
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さやか「ふーん…不思議なことがあるもんだねえ」
まどか「多分、2人ともその日は会えなかったんじゃないかな…」
さやか「だろうねえ」
ベベ「モジョモットカマンベール!モジョモットカマンベール」(ナイトメアオル! ナイトメアオル!)
さやか「はあ、またかあ…」
杏子「いつものことだろー」
まどか「もう11時なのに…待機してて良かったですね」
マミ「ええ、それに今日はちょっとした助っ人も呼んでるの」ボソ…
マミ「さあ、行くわよ、みんな!」
まさ杏「はい!!」
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短くて申し訳ないですが以上で終わりです。
叛逆までの道を自分なりに若干のマミ杏要素を混ぜつつ書きました。
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叛逆から2年ってマジ?
早いもんだなぁ・・・
乙でした
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