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ヒルメス「アンドラゴラスの小倅めに呪いを掛けろ」

1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:24:40 ryaSXdoI

魔道士「……呪いとな?」

ヒルメス「そうだ」

ヒルメス「アトロパテネの時の様な、大掛かりな魔術でなくとも良い」

ヒルメス「今のお主ででも出来る 呪いを奴に掛けてやれ」

魔道士「…………」

魔道士「……よかろう」

魔道士「だが、掛ける呪いは こちらの裁量に任せてもらうが?」

ヒルメス「軽い物では、こちらの溜飲も下がらぬ」

ヒルメス「できれば日常生活にも困る物を頼む」

魔道士「わかった」


"
"
2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:26:04 ryaSXdoI

ヒルメス「ふん……」

     ザッ ザッ ザッ…

魔道士「…………」

弟子「……尊師。 よろしいので?」

魔道士「良い。 ちょうど試してみたい呪いがあったのでな」

弟子「左様でしたか」

弟子「準備は? 何を用意致しましょう?」

魔道士「女子(おなご)の身に付ける下着を用意せい」

弟子「…………」

弟子「……すみませぬ、尊師。 今一度おっしゃってください」

魔道士「女子(おなご)の身に付ける下着だ。 使用済みであれば なお良い」

魔道士「用意せい」

弟子「……御意」


3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:26:38 ryaSXdoI


―――――――――――


ペシャワール城


ルーシャン「――となりまして」

ルーシャン「いささか時間をいただきたいのです」

アルスラーン「ふむ……」

アルスラーン「ナルサス、少々予定が遅れるが問題はないだろうか?」

ナルサス「はい。 このくらいならば予測の範疇(はんちゅう)にございます」

アルスラーン「では、その様に取り計らってくれ、ルーシャン」

ルーシャン「はっ。 ありがとうございます」

アルスラーン「うむ」


4 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:27:49 ryaSXdoI

アルスラーン「他に議題はあるだろうか?」

     …………

アルスラーン「では、本日の会議は終了とする」

アルスラーン「解散」

     ゾロ ゾロ ゾロ…

アルスラーン「ふう……」

ダリューン「お疲れ様でした、殿下」

アルスラーン「ダリューン」

アルスラーン「この程度で疲れていては、王(シャーオ)などには成れぬ」

アルスラーン「とは言え……まだまだ、という気がするが」 クスッ

ダリューン「大丈夫でございます、殿下」

ダリューン「なあ? ナルサス」


5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:28:38 ryaSXdoI

ナルサス「まったく……お主は過保護にすぎる」

ナルサス「たまには殿下をお諌(いさ)めするのも臣下の務めだぞ?」

ダリューン「もちろん心得ている」

ダリューン「俺は自分の思った事、言った事に偽りなどないぞ」

ナルサス「やれやれ……」

ダリューン「おい、ナルサス」

アルスラーン「ナルサス、そのくらいで良いだろう」

アルスラーン「私の事でケンカなどしないでくれ」 クスッ

ダリューン「め、滅相もございませぬ」

ナルサス「分かっておりますとも、殿下」


"
"
6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:29:46 ryaSXdoI

アルスラーン「では……少し早いが」

アルスラーン「皆で食事を……」

     フラッ…

ダリューン「!」

ナルサス「!」

     ガシッ!

ダリューン「殿下! 大丈夫ですか!?」

アルスラーン「す、すまない、ダリューン」

アルスラーン「たぶん立ちくらみだろう。 大丈夫だ」

ダリューン「そ、そうですか……なら良いのですが」

アルスラーン「うむ。 つまらない事で心配をかけた」

アルスラーン「本当にもう大丈夫。 一人で歩けるから」

ダリューン「はっ……」

アルスラーン「では、食事を取ろう」


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:30:45 ryaSXdoI


―――――――――――


エラム「あ、殿下。 それにナルサス様、ダリューン様」

アルスラーン「エラム。 少し早いが、食事にしようと思って来た」

アルスラーン「構わないだろうか?」

エラム「ええ、もちろんいいですよ」

エラム「少々お待ちください」

アルスラーン「すまないな」

ダリューン「メニューは何になる?」

エラム「良い鴨肉が手に入りましたので、それのシチューを」

エラム「それとパン、良ければチーズも付けましょうか?」

ダリューン「頼む」


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:31:25 ryaSXdoI

アルフリード「んー! いい匂い」

アルフリード「美味しそうだね!」

エラム「出たな女狐」

アルフリード「いいじゃない。 食事の時くらい大目に見なさいよ」

アルフリード「ねーナルサス!」

エラム「このっ……!」

アルスラーン「ま、まあまあ、エラム」

アルスラーン「そのくらいで……」

     ズルッ

アルスラーン「うわっ!?」

アルフリード「へっ?」

     ドササッ!!


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:32:29 ryaSXdoI

ダリューン「で、殿下!?」

ダリューン「大丈夫で……」

ダリューン「」

アルスラーン「むぐぐっ」

アルフリード「痛た……んっ!?」///

ナルサス「」

エラム「」

アルスラーン「もがもがっ!(ど、どいてっ!)」

アルフリード「やんっ! な、何で殿下がそんなところに顔をっ!?」///

ダリューン「と、ともかく! どくんだ、アルフリード!」

アルフリード「は、はいっ」///


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:33:31 ryaSXdoI

アルスラーン「……ぶはっ!!」

アルスラーン「はあっはあっ……」

アルスラーン「し、死ぬかと……思った……」

アルフリード「……っ」///

エラム(いい気味だ……と、思えない程の事故だった……)

ナルサス(殿下が足を滑らせた、と思ったら)

ナルサス(アルフリードの履いているズボンに手が引っかかり、それを下着ごと脱がし)

ナルサス(なおかつ、彼女の股間に顔をうずめる様に倒れこんでしまうとは……)

ダリューン(器用……というより、狙ってもできん芸当だ……)

アルスラーン「す、すまない、アルフリード……」

アルスラーン「怪我は無いか?」

アルフリード「なっ!? ちゃ、ちゃんと生えてますよ!!」///

アルスラーン「え? 生えている?」


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:34:09 ryaSXdoI

ナルサス「お、落ち着くんだ、アルフリード」

ナルサス「ともかくファランギース殿のところに……」

ファランギース「……何の騒ぎじゃ?」

ギーヴ「何か催し物でもやってるのか?」

ナルサス「おお、ファランギース殿。 良いところに来てくれた」

ナルサス「事情は後で。 とにかくアルフリードを……」

アルスラーン「私からも頼……」

     ズルンッ!

アルスラーン「わわっ!?」

ファランギース「っ!?」

     ドササッ!!


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:35:04 ryaSXdoI

ダリューン「」

ナルサス「」

エラム「」

アルフリード「」

ギーヴ「」

アルスラーン「ふががっ!?」 ジタ バタ

ファランギース「っ!」 ビクンッ!

ファランギース「なっ、で……殿下っ……」///

ファランギース「!?」

ファランギース(この気配……もしや!)

ギーヴ「何て羨ま……もとい、大変な事態に!」

ギーヴ「今、お助けしますぞ! 殿下!」


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:35:47 ryaSXdoI

ファランギース「待て」

ギーヴ「いやいや、この状況。 一人では何とも出来ま」

ファランギース「待てと言っておろう」

     ドゴォッ!

ギーヴ「ヘボォッ!?」

ナル・ダリ・エラ・アル(安定のギーヴ……)

ファランギース「殿下」

ファランギース「慌てず、落ち着いて、大きく息を吸ってくだされ」

アルスラーン「ふが?」

     スー…

ファランギース「今度は、ゆっくり吐いて……」

     フゥー……


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:36:31 ryaSXdoI

ファランギース「……ふむ」

ファランギース「そのまま……ゆっくりと目を閉じ、身をお引きくだされ」

アルスラーン「あ、ああ……」

     スッ…… ススッ

アルスラーン「……これで良いだろうか?」

ファランギース「しばらくそのままで……」

     サッ ササッ…(服を整え)

ファランギース「……では、目を開けてくだされ、殿下」

アルスラーン「う、うむ……」

ファランギース「…………」

ファランギース「殿下、しばらくその姿勢のまま、地面に座り込んでいていただきたい」

アルスラーン「……? 分かった……」


15 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:37:58 ryaSXdoI

ファランギース「ナルサス卿、ダリューン卿」

ダリューン「む?」

ナルサス「……何か問題が?」

ファランギース「おそらく、殿下は”呪い”を受けておる」

ダリューン「呪い……だと?」

ナルサス「魔導の類(たぐい)か?」

ファランギース「うむ……」

ファランギース「何度か祓いの義を行って来た事がある故、気づけたが……」

ダリューン「……どの様な禍いが起こるのだ?」

ファランギース「あまり口にしたくなのじゃが……」


16 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:38:44 ryaSXdoI

ファランギース「これはユウ・キーリトという呪いじゃろう」

ファランギース「この呪いを受けると、女性(にょしょう)の大事な部分に」

ファランギース「本人の意思とは無関係に顔をうずめてしまう様になるのじゃ」

ダリューン「…………」

ナルサス「…………」

ダリューン「……何か、くだらない事の様に感じるのだが」

ファランギース「この呪いは場所や時間を選ばぬ」

ファランギース「公務や謁見の場など、相対した姫君相手ですら例外なくそうなるのじゃ」

ナルサス「ならば、対処として女性(にょしょう)を近づけぬ様にすれば良いのでは?」

ファランギース「……この呪いの恐ろしいところは、な」

ファランギース「触られた女性(にょしょう)の……気分を高揚させてしまう効果がある」

ファランギース「女性(にょしょう)の方から無意識に近づいてしまうのじゃ……」

ダリューン「段々と恐ろしさが分かってきた……」

ナルサス「このままでは日常生活すら危ういな……」


17 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:39:47 ryaSXdoI

ギーヴ「なんと羨ま……もとい、危険な呪いがあったものか!」

ギーヴ「代われるものならば、このギーヴ。 ぜひ代わって差し上げるのに!」

ファランギース「……お主の存在の方が余程危険じゃ」

ファランギース「殿下、少々お時間をくださいませ」

ファランギース「すぐにでも祓いの儀式を準備致しましょう」

アルスラーン「う、うむ。 頼む、ファランギース」

ダリューン「では、俺は殿下をお部屋までお連れしよう」

ナルサス「それがいい」

ナルサス「儀式が終わるまで、食事を殿下のお部屋へお運びしましょう」

ナルサス「エラム、頼めるか?」

エラム「はい、ナルサス様」


18 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:40:30 ryaSXdoI

アルスラーン「みな、苦労をかけるな……」

ナルサス「いえ。 殿下のせいではございま……」

ナルサス「!」

ファランギース「ナルサス卿?」

ナルサス「……そうだ」

ナルサス「少々バカバカしいが、この呪いを使った者に仕返しが出来るやもしれぬ」

ギーヴ「どんな方法だ?」

ナルサス「ファランギース殿、少々待ってくれ」

ナルサス「ギーヴ。 お主にも手伝ってもらいたい」

ギーヴ「……?」


19 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:41:15 ryaSXdoI


―――――――――――


ヒルメス「これはどういう事だ!?」

魔導士「……騒々しい奴よ」

魔導士「いったい何事か?」

ヒルメス「アンドラゴラスの小倅めが、奇妙な呪いにかかったが」

ヒルメス「逆にそのおかげで、美女を侍(はべ)らせておると報告があったのだ!」

魔導士「……ほう」

ヒルメス「説明しろ!」

―――――――――――

魔導士「……という呪いだ」

ヒルメス「」


20 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:42:09 ryaSXdoI

ヒルメス「貴様ァ……誰がそんな まー○ゃん先輩の様な呪いを掛けろと言った!?」

魔導士「メタ発言とは らしくないの、ヒルメス」

ヒルメス「黙れ!」

ヒルメス「もうよい! その様な呪いなら要らぬ!」

ヒルメス「即刻やめよ!」

魔導士「……分かった」

魔導士「では、他の呪いを試すか?」

ヒルメス「……くだらぬものなら殺すぞ?」

魔導士「簡単に説明するのならば、所構わず女子(おなご)に殴られる、というものだ」

ヒルメス「…………」

ヒルメス「先のモノよりはマシか……」

ヒルメス「よし。 やるがいい」


21 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:43:02 ryaSXdoI


―――――――――――


ダリューン「殿下。 体調の方はいかかですか?」

アルスラーン「うむ。 それは問題ない。 が……」

アルスラーン「自分が美女を侍(はべ)らせている、などという噂を広められるのは」

アルスラーン「呪いのせいに出来るとしても気持ちのいいものではないな……」

ダリューン「後でナルサスめを懲らしめておきます」

アルスラーン「それにギーヴ」

アルスラーン「本当に呪いを代わってもらって良かったのだろうか……?」

ダリューン「本人が望んだのですから、構わないでしょう」

ダリューン「それにしてもファランギース殿は有能ですな」

アルスラーン「ああ。 本当にありがたい」


22 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:43:46 ryaSXdoI

ギーヴ「おおっと!」

     ズルンッ!

女官「きゃあっ!」///

ギーヴ「いやぁすまぬ。 これも呪いのせいでなぁ」

     サワサワ

女官「んっ……! はっ……んんっ……!」///

ギーヴ(ふふふ、何と都合の良い呪いだ!)

ギーヴ(事情は説明してあるし、何もしないでも勝手に向こうから美女がやってくる!)

ギーヴ(これほどの役得があろうものか!)

ギーヴ(女性(にょしょう)を知らぬとはいえ、アルスラーン殿下も惜しげ無いものよ)

ギーヴ(……だが、ひとつ心残りなのは)

ギーヴ(ファランギース殿に警戒されて近づいてこぬ、という事)


23 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:44:38 ryaSXdoI

ギーヴ(……夜、寝所へ忍び込んでみるか?)

ギーヴ(今ならばこの呪いの効果で、いかなファランギース殿といえど)

ギーヴ(抗うのは容易では無いはず)

ギーヴ(…………)

ギーヴ(ふふふ……どうやらこのギーヴ)

ギーヴ(いよいよ身命を賭してやる事が出来た様だな……!)

     …クラッ

ギーヴ「おっ……?」

ギーヴ「…………」

ギーヴ(今……多少目眩がしたような?)

ギーヴ(まあ、いいか)


24 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:45:27 ryaSXdoI

女官「……あの」

女官「早くどいてくれませんか?」

ギーヴ「おお、これはすまぬな」

     ススス…

ギーヴ(……あれ?)

ギーヴ(いつもならもっと約得な出来事が起こるのに……?)

女官「ふう……」

ギーヴ「いやはや、災難であったな」

ギーヴ「どれ、着付けを手伝って……」

     バシッ!

ギーヴ「へブァッ!?」

女官「それでは、失礼します」

ギーヴ「…………」


25 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:45:59 ryaSXdoI

―――――――――――

     バゴォッ!

ギーヴ「ハギャアッ!?」

踊り娘「あっ!? ごめんなさい!」

踊り娘「練習していて気がつきませんでした……」

ギーヴ「い、いや、大丈夫だ。 ははは……」

―――――――――――

     ゴインッ!

ギーヴ「ブゲェッ!?」

給仕娘「ちょっとー気をつけてよ」

ギーヴ「す、すまん……」

―――――――――――

     ドゴォッ! バグンッ!


26 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:46:46 ryaSXdoI

ファランギース「…………」

     ドンッ ドンッ!

ギーヴ「ファ、ファランギース殿!」

ファランギース「……何をしに来た」

ファランギース「私の部屋には近づくなと言っておいたはずじゃ」

ファランギース「その扉を開けた瞬間に切るぞ?」

ギーヴ「わ、分かっている!」

ギーヴ「だが、どうにも様子がおかしいんだ!」

ファランギース「……聞くだけは聞いてやろう」

―――――――――――

ギーヴ「という訳で、何故か女性(によしょう)から痛い目に合わされるんだ!」


27 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:47:41 ryaSXdoI

ファランギース「ふむ……」

ファランギース「少し待て」

ギーヴ「あ、ああ……」

―――――――――――

ファランギース「原因がわかったぞ」

ギーヴ「! そ、それは!?」

ファランギース「お主に新しい呪いが掛けられたせいじゃな」

ギーヴ「」

ギーヴ「新しい呪い!?」

ファランギース「うむ。 殿下には魔除けを持たせておるし」

ファランギース「どうやら敵は呪いを掛けている者を辿って、かけ直した様じゃ」


28 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:48:29 ryaSXdoI

ギーヴ「ど、どんな呪いなんだ?」

ファランギース「お主から聞いた出来事を鑑みると、おそらく」

ファランギース「ワンサ・マーという呪いであろう」

ファランギース「理由もなく女性(にょしょう)から理不尽な暴力を受けるという呪いじゃ」

ギーヴ「」

ギーヴ「そ、そんな!?」

ギーヴ「ファ、ファランギース殿! さっそく祓いの準備をしてくれ!」

ファランギース「今日はもう遅い」

ファランギース「それにナルサス卿に伝えてから判断しなければな」

ギーヴ「」

ギーヴ「ファ、ファランギース殿!?」

ファランギース「今日くらい我慢するがよかろう。 すぐに死ぬという呪いでもないのでな」

ギーヴ「ファ、ファランギース殿ぉぉぉっ!!!」


29 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:49:43 ryaSXdoI



     結局

     ギーヴの呪いが解かれたのは3日後だった。

     以降はアルスラーン以外も魔除けを所持し

     こうして、呪いの騒動は収まった。



     ヒルメスが魔導師のところへ

     怒鳴り込みに行ったのは言うまでもない。




     終わり!


30 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:51:54 ryaSXdoI
呪いってこわいね!
以上!


31 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 10:52:43 kev4W1/I
乙、面白かった
ついでにアンドラゴラスの小倅が小娘になる呪いもやろうぜ


32 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:02:38 ryaSXdoI
何か魔道士の変換がめちゃくちゃになってる……
短いから、もう一度投下します。


33 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:03:33 ryaSXdoI

魔道士「……呪いとな?」

ヒルメス「そうだ」

ヒルメス「アトロパテネの時の様な、大掛かりな魔術でなくとも良い」

ヒルメス「今のお主ででも出来る 呪いを奴に掛けてやれ」

魔道士「…………」

魔道士「……よかろう」

魔道士「だが、掛ける呪いは こちらの裁量に任せてもらうが?」

ヒルメス「軽い物では、こちらの溜飲も下がらぬ」

ヒルメス「できれば日常生活にも困る物を頼む」

魔道士「わかった」


34 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:04:03 ryaSXdoI

ヒルメス「ふん……」

     ザッ ザッ ザッ…

魔道士「…………」

弟子「……尊師。 よろしいので?」

魔道士「良い。 ちょうど試してみたい呪いがあったのでな」

弟子「左様でしたか」

弟子「準備は? 何を用意致しましょう?」

魔道士「女子(おなご)の身に付ける下着を用意せい」

弟子「…………」

弟子「……すみませぬ、尊師。 今一度おっしゃってください」

魔道士「女子(おなご)の身に付ける下着だ。 使用済みであれば なお良い」

魔道士「用意せい」

弟子「……御意」


35 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:04:38 ryaSXdoI


―――――――――――


ペシャワール城


ルーシャン「――となりまして」

ルーシャン「いささか時間をいただきたいのです」

アルスラーン「ふむ……」

アルスラーン「ナルサス、少々予定が遅れるが問題はないだろうか?」

ナルサス「はい。 このくらいならば予測の範疇(はんちゅう)にございます」

アルスラーン「では、その様に取り計らってくれ、ルーシャン」

ルーシャン「はっ。 ありがとうございます」

アルスラーン「うむ」


36 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:05:11 ryaSXdoI

アルスラーン「他に議題はあるだろうか?」

     …………

アルスラーン「では、本日の会議は終了とする」

アルスラーン「解散」

     ゾロ ゾロ ゾロ…

アルスラーン「ふう……」

ダリューン「お疲れ様でした、殿下」

アルスラーン「ダリューン」

アルスラーン「この程度で疲れていては、王(シャーオ)などには成れぬ」

アルスラーン「とは言え……まだまだ、という気がするが」 クスッ

ダリューン「大丈夫でございます、殿下」

ダリューン「なあ? ナルサス」


37 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:05:41 ryaSXdoI

ナルサス「まったく……お主は過保護にすぎる」

ナルサス「たまには殿下をお諌(いさ)めするのも臣下の務めだぞ?」

ダリューン「もちろん心得ている」

ダリューン「俺は自分の思った事、言った事に偽りなどないぞ」

ナルサス「やれやれ……」

ダリューン「おい、ナルサス」

アルスラーン「ナルサス、そのくらいで良いだろう」

アルスラーン「私の事でケンカなどしないでくれ」 クスッ

ダリューン「め、滅相もございませぬ」

ナルサス「分かっておりますとも、殿下」


38 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:06:16 ryaSXdoI

アルスラーン「では……少し早いが」

アルスラーン「皆で食事を……」

     フラッ…

ダリューン「!」

ナルサス「!」

     ガシッ!

ダリューン「殿下! 大丈夫ですか!?」

アルスラーン「す、すまない、ダリューン」

アルスラーン「たぶん立ちくらみだろう。 大丈夫だ」

ダリューン「そ、そうですか……なら良いのですが」

アルスラーン「うむ。 つまらない事で心配をかけた」

アルスラーン「本当にもう大丈夫。 一人で歩けるから」

ダリューン「はっ……」

アルスラーン「では、食事を取ろう」


39 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:06:46 ryaSXdoI


―――――――――――


エラム「あ、殿下。 それにナルサス様、ダリューン様」

アルスラーン「エラム。 少し早いが、食事にしようと思って来た」

アルスラーン「構わないだろうか?」

エラム「ええ、もちろんいいですよ」

エラム「少々お待ちください」

アルスラーン「すまないな」

ダリューン「メニューは何になる?」

エラム「良い鴨肉が手に入りましたので、それのシチューを」

エラム「それとパン、良ければチーズも付けましょうか?」

ダリューン「頼む」


40 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:07:19 ryaSXdoI

アルフリード「んー! いい匂い」

アルフリード「美味しそうだね!」

エラム「出たな女狐」

アルフリード「いいじゃない。 食事の時くらい大目に見なさいよ」

アルフリード「ねーナルサス!」

エラム「このっ……!」

アルスラーン「ま、まあまあ、エラム」

アルスラーン「そのくらいで……」

     ズルッ

アルスラーン「うわっ!?」

アルフリード「へっ?」

     ドササッ!!


41 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:07:53 ryaSXdoI

ダリューン「で、殿下!?」

ダリューン「大丈夫で……」

ダリューン「」

アルスラーン「むぐぐっ」

アルフリード「痛た……んっ!?」///

ナルサス「」

エラム「」

アルスラーン「もがもがっ!(ど、どいてっ!)」

アルフリード「やんっ! な、何で殿下がそんなところに顔をっ!?」///

ダリューン「と、ともかく! どくんだ、アルフリード!」

アルフリード「は、はいっ」///


42 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:08:28 ryaSXdoI

アルスラーン「……ぶはっ!!」

アルスラーン「はあっはあっ……」

アルスラーン「し、死ぬかと……思った……」

アルフリード「……っ」///

エラム(いい気味だ……と、思えない程の事故だった……)

ナルサス(殿下が足を滑らせた、と思ったら)

ナルサス(アルフリードの履いているズボンに手が引っかかり、それを下着ごと脱がし)

ナルサス(なおかつ、彼女の股間に顔をうずめる様に倒れこんでしまうとは……)

ダリューン(器用……というより、狙ってもできん芸当だ……)

アルスラーン「す、すまない、アルフリード……」

アルスラーン「怪我は無いか?」

アルフリード「なっ!? ちゃ、ちゃんと生えてますよ!!」///

アルスラーン「え? 生えている?」


43 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:09:01 ryaSXdoI

ナルサス「お、落ち着くんだ、アルフリード」

ナルサス「ともかくファランギース殿のところに……」

ファランギース「……何の騒ぎじゃ?」

ギーヴ「何か催し物でもやってるのか?」

ナルサス「おお、ファランギース殿。 良いところに来てくれた」

ナルサス「事情は後で。 とにかくアルフリードを……」

アルスラーン「私からも頼……」

     ズルンッ!

アルスラーン「わわっ!?」

ファランギース「っ!?」

     ドササッ!!


44 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:09:41 ryaSXdoI

ダリューン「」

ナルサス「」

エラム「」

アルフリード「」

ギーヴ「」

アルスラーン「ふががっ!?」 ジタ バタ

ファランギース「っ!」 ビクンッ!

ファランギース「なっ、で……殿下っ……」///

ファランギース「!?」

ファランギース(この気配……もしや!)

ギーヴ「何て羨ま……もとい、大変な事態に!」

ギーヴ「今、お助けしますぞ! 殿下!」


45 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:10:30 ryaSXdoI

ファランギース「待て」

ギーヴ「いやいや、この状況。 一人では何とも出来ま」

ファランギース「待てと言っておろう」

     ドゴォッ!

ギーヴ「ヘボォッ!?」

ナル・ダリ・エラ・アル(安定のギーヴ……)

ファランギース「殿下」

ファランギース「慌てず、落ち着いて、大きく息を吸ってくだされ」

アルスラーン「ふが?」

     スー…

ファランギース「今度は、ゆっくり吐いて……」

     フゥー……


46 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:11:16 ryaSXdoI

ファランギース「……ふむ」

ファランギース「そのまま……ゆっくりと目を閉じ、身をお引きくだされ」

アルスラーン「あ、ああ……」

     スッ…… ススッ

アルスラーン「……これで良いだろうか?」

ファランギース「しばらくそのままで……」

     サッ ササッ…(服を整え)

ファランギース「……では、目を開けてくだされ、殿下」

アルスラーン「う、うむ……」

ファランギース「…………」

ファランギース「殿下、しばらくその姿勢のまま、地面に座り込んでいていただきたい」

アルスラーン「……? 分かった……」


47 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:11:52 ryaSXdoI

ファランギース「ナルサス卿、ダリューン卿」

ダリューン「む?」

ナルサス「……何か問題が?」

ファランギース「おそらく、殿下は”呪い”を受けておる」

ダリューン「呪い……だと?」

ナルサス「魔導の類(たぐい)か?」

ファランギース「うむ……」

ファランギース「何度か祓いの義を行って来た事がある故、気づけたが……」

ダリューン「……どの様な禍いが起こるのだ?」

ファランギース「あまり口にしたくなのじゃが……」


48 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:12:39 ryaSXdoI

ファランギース「これはユウ・キーリトという呪いじゃろう」

ファランギース「この呪いを受けると、女性(にょしょう)の大事な部分に」

ファランギース「本人の意思とは無関係に顔をうずめてしまう様になるのじゃ」

ダリューン「…………」

ナルサス「…………」

ダリューン「……何か、くだらない事の様に感じるのだが」

ファランギース「この呪いは場所や時間を選ばぬ」

ファランギース「公務や謁見の場など、相対した姫君相手ですら例外なくそうなるのじゃ」

ナルサス「ならば、対処として女性(にょしょう)を近づけぬ様にすれば良いのでは?」

ファランギース「……この呪いの恐ろしいところは、な」

ファランギース「触られた女性(にょしょう)の……気分を高揚させてしまう効果がある」

ファランギース「女性(にょしょう)の方から無意識に近づいてしまうのじゃ……」

ダリューン「段々と恐ろしさが分かってきた……」

ナルサス「このままでは日常生活すら危ういな……」


49 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:13:10 ryaSXdoI

ギーヴ「なんと羨ま……もとい、危険な呪いがあったものか!」

ギーヴ「代われるものならば、このギーヴ。 ぜひ代わって差し上げるのに!」

ファランギース「……お主の存在の方が余程危険じゃ」

ファランギース「殿下、少々お時間をくださいませ」

ファランギース「すぐにでも祓いの儀式を準備致しましょう」

アルスラーン「う、うむ。 頼む、ファランギース」

ダリューン「では、俺は殿下をお部屋までお連れしよう」

ナルサス「それがいい」

ナルサス「儀式が終わるまで、食事を殿下のお部屋へお運びしましょう」

ナルサス「エラム、頼めるか?」

エラム「はい、ナルサス様」


50 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:13:41 ryaSXdoI

アルスラーン「みな、苦労をかけるな……」

ナルサス「いえ。 殿下のせいではございま……」

ナルサス「!」

ファランギース「ナルサス卿?」

ナルサス「……そうだ」

ナルサス「少々バカバカしいが、この呪いを使った者に仕返しが出来るやもしれぬ」

ギーヴ「どんな方法だ?」

ナルサス「ファランギース殿、少々待ってくれ」

ナルサス「ギーヴ。 お主にも手伝ってもらいたい」

ギーヴ「……?」


51 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:14:16 ryaSXdoI


―――――――――――


ヒルメス「これはどういう事だ!?」

魔道士「……騒々しい奴よ」

魔道士「いったい何事か?」

ヒルメス「アンドラゴラスの小倅めが、奇妙な呪いにかかったが」

ヒルメス「逆にそのおかげで、美女を侍(はべ)らせておると報告があったのだ!」

魔道士「……ほう」

ヒルメス「説明しろ!」

―――――――――――

魔道士「……という呪いだ」

ヒルメス「」


52 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:14:47 ryaSXdoI

ヒルメス「貴様ァ……誰がそんな まー○ゃん先輩の様な呪いを掛けろと言った!?」

魔道士「メタ発言とは らしくないの、ヒルメス」

ヒルメス「黙れ!」

ヒルメス「もうよい! その様な呪いなら要らぬ!」

ヒルメス「即刻やめよ!」

魔道士「……分かった」

魔道士「では、他の呪いを試すか?」

ヒルメス「……くだらぬものなら殺すぞ?」

魔道士「簡単に説明するのならば、所構わず女子(おなご)に殴られる、というものだ」

ヒルメス「…………」

ヒルメス「先のモノよりはマシか……」

ヒルメス「よし。 やるがいい」


53 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:15:32 ryaSXdoI


―――――――――――


ダリューン「殿下。 体調の方はいかかですか?」

アルスラーン「うむ。 それは問題ない。 が……」

アルスラーン「自分が美女を侍(はべ)らせている、などという噂を広められるのは」

アルスラーン「呪いのせいに出来るとしても気持ちのいいものではないな……」

ダリューン「後でナルサスめを懲らしめておきます」

アルスラーン「それにギーヴ」

アルスラーン「本当に呪いを代わってもらって良かったのだろうか……?」

ダリューン「本人が望んだのですから、構わないでしょう」

ダリューン「それにしてもファランギース殿は有能ですな」

アルスラーン「ああ。 本当にありがたい」


54 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:16:05 ryaSXdoI

ギーヴ「おおっと!」

     ズルンッ!

女官「きゃあっ!」///

ギーヴ「いやぁすまぬ。 これも呪いのせいでなぁ」

     サワサワ

女官「んっ……! はっ……んんっ……!」///

ギーヴ(ふふふ、何と都合の良い呪いだ!)

ギーヴ(事情は説明してあるし、何もしないでも勝手に向こうから美女がやってくる!)

ギーヴ(これほどの役得があろうものか!)

ギーヴ(女性(にょしょう)を知らぬとはいえ、アルスラーン殿下も惜しげ無いものよ)

ギーヴ(……だが、ひとつ心残りなのは)

ギーヴ(ファランギース殿に警戒されて近づいてこぬ、という事)


55 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:16:36 ryaSXdoI

ギーヴ(……夜、寝所へ忍び込んでみるか?)

ギーヴ(今ならばこの呪いの効果で、いかなファランギース殿といえど)

ギーヴ(抗うのは容易では無いはず)

ギーヴ(…………)

ギーヴ(ふふふ……どうやらこのギーヴ)

ギーヴ(いよいよ身命を賭してやる事が出来た様だな……!)

     …クラッ

ギーヴ「おっ……?」

ギーヴ「…………」

ギーヴ(今……多少目眩がしたような?)

ギーヴ(まあ、いいか)


56 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:17:10 ryaSXdoI

女官「……あの」

女官「早くどいてくれませんか?」

ギーヴ「おお、これはすまぬな」

     ススス…

ギーヴ(……あれ?)

ギーヴ(いつもならもっと約得な出来事が起こるのに……?)

女官「ふう……」

ギーヴ「いやはや、災難であったな」

ギーヴ「どれ、着付けを手伝って……」

     バシッ!

ギーヴ「へブァッ!?」

女官「それでは、失礼します」

ギーヴ「…………」


57 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:17:51 ryaSXdoI

―――――――――――

     バゴォッ!

ギーヴ「ハギャアッ!?」

踊り娘「あっ!? ごめんなさい!」

踊り娘「練習していて気がつきませんでした……」

ギーヴ「い、いや、大丈夫だ。 ははは……」

―――――――――――

     ゴインッ!

ギーヴ「ブゲェッ!?」

給仕娘「ちょっとー気をつけてよ」

ギーヴ「す、すまん……」

―――――――――――

     ドゴォッ! バグンッ!


58 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:18:31 ryaSXdoI

ファランギース「…………」

     ドンッ ドンッ!

ギーヴ「ファ、ファランギース殿!」

ファランギース「……何をしに来た」

ファランギース「私の部屋には近づくなと言っておいたはずじゃ」

ファランギース「その扉を開けた瞬間に切るぞ?」

ギーヴ「わ、分かっている!」

ギーヴ「だが、どうにも様子がおかしいんだ!」

ファランギース「……聞くだけは聞いてやろう」

―――――――――――

ギーヴ「という訳で、何故か女性(によしょう)から痛い目に合わされるんだ!」


59 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:19:27 ryaSXdoI

ファランギース「ふむ……」

ファランギース「少し待て」

ギーヴ「あ、ああ……」

―――――――――――

ファランギース「原因がわかったぞ」

ギーヴ「! そ、それは!?」

ファランギース「お主に新しい呪いが掛けられたせいじゃな」

ギーヴ「」

ギーヴ「新しい呪い!?」

ファランギース「うむ。 殿下には魔除けを持たせておるし」

ファランギース「どうやら敵は呪いを掛けている者を辿って、かけ直した様じゃ」


60 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:19:59 ryaSXdoI

ギーヴ「ど、どんな呪いなんだ?」

ファランギース「お主から聞いた出来事を鑑みると、おそらく」

ファランギース「ワンサ・マーという呪いであろう」

ファランギース「理由もなく女性(にょしょう)から理不尽な暴力を受けるという呪いじゃ」

ギーヴ「」

ギーヴ「そ、そんな!?」

ギーヴ「ファ、ファランギース殿! さっそく祓いの準備をしてくれ!」

ファランギース「今日はもう遅い」

ファランギース「それにナルサス卿に伝えてから判断しなければな」

ギーヴ「」

ギーヴ「ファ、ファランギース殿!?」

ファランギース「今日くらい我慢するがよかろう。 すぐに死ぬという呪いでもないのでな」

ギーヴ「ファ、ファランギース殿ぉぉぉっ!!!」


61 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:20:32 ryaSXdoI



     結局

     ギーヴの呪いが解かれたのは3日後だった。

     以降はアルスラーン以外も魔除けを所持し

     こうして、呪いの騒動は収まった。



     ヒルメスが魔道士のところへ

     怒鳴り込みに行ったのは言うまでもない。




     終わり!


62 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 11:22:14 ryaSXdoI
これも呪いのせいなのか……!
呪いって怖いね!
以上!


63 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/09/26(土) 12:13:11 EzVVtctg
おつー
面白かった


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