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重装兵「あう」
重「それは、、、、なんかやだ」
重「え、遠慮させていただこうかな...」
姫騎士「やーだ。姫なんだからお姫様だっこしてもいいのよ」
騎士「私は忙しいのです。他の騎士に」
姫騎士「姫の命令に逆らうの？処女奪ったくせに」
騎士「あれは姫が私を拘束して無理やり、、、、あっここでその話題はやめましょう重戦士様がみてます」
姫騎士「はーい」
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バーテンダー「無理もないんじゃないですかねー」
重装兵「ちょっと抱き上げてくれりゃいいだけじゃないさ！」ﾄﾞﾝｯ
バーテンダー「そのごっつい鎧を脱げば解決すんじゃないですかねー」
重装兵「男ってみんなそう！ おんなじことばっか言って！」
バーテンダー「いやー女でも同意見だと思いますがねー」
重装兵「……そうなのかな？」ｸﾙﾘ
姫騎士「あきらめないで、ありのままの貴女を羽根のように軽いって持ち上げてくれる王子様がいつか現れるわ？」
重装兵「ほら！ ほらぁ！！」ﾊﾞﾝﾊﾞﾝ
バーテンダー「……アンタ、この人になんか恨みでもあんですか」
姫騎士「乙女心は否定しちゃいけないものよ」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ
重装兵・姫騎士「「おかわり！」」ﾀﾞﾝｯ
→ 樽ジョッキの山
バーテンダー「自称乙女の実態に男心は粉々ですがねー」
二等兵「へえ」ﾋｭﾝｯ
ｶﾞｷｨﾝ
重装兵「ほら、こないだ魔王が復活したじゃないか」
二等兵「そうだな」ﾋｭｵｯ
ﾊﾟｷｰﾝ
重装兵「で、うちの王様が勇者を選定しただろう？」
二等兵「ちっ――予備が切れたか」
重装兵「さすがに勇者様ともなれば私を抱っこすることだって可能じゃないか！ と！！」
二等兵「仕方ねえ、また明日な」
重装兵「って、なんで帰るんだ！ 話がまだ途中なのに」
二等兵「用意してた剣がぜんぶ折れた。模擬訓練にならん」
重装兵「ふふっ、私を貫ける武器など存在しない！」
二等兵「…………つうかお前な、話がしたいなら兜くらい外せよ」ｺﾞﾂﾝ
重装兵「あう」
姫騎士「ごめんなさいね？」
重装兵「私の長年の夢が……積年の願いが……」ｻﾒｻﾞﾒ
姫騎士「本当に悪かったと思ってるわ」ﾖｼﾖｼ
重装兵「ああ、なんでよりによって勇者に選ばれたりするんだ――騎士」
（元騎士）勇者「いわれのない中傷はやめていただけませんか？」
重装兵「私だって女だ、念願のお姫様抱っこを、ひとの男にしてもらおうとは思わない」
姫騎士「寝込みを襲われて無理やり処女を奪われちゃって本当にごめんなさいね？」
勇者「いわれのない誹謗はやめていただけませんかっ！？」
姫騎士「あーら、事実じゃない」ｹﾛﾘ
勇者「ええそうですね寝込みを襲われて無理やり奪われたのは私ですけどね！？」
勇者「それで王様に八つ当たりで勇者指名されたんですけれどね！！？」
姫騎士「これで魔王を倒して凱旋したら貴方は国の英雄、晴れて結婚できるわね」ｸｽｸｽ
勇者「ハメられた！」
重装兵「やだ……ハメるとか卑猥」
側近「……」
魔王「おい聞いとるのか」
側近「……」ｼｬｶｼｬjｶ
魔王「こ、こやつ」
側近「〜♪ 〜〜♪」ｼｬｶｼｬｶ
魔王「音漏れしとるんじゃ！」ｸﾞｲｯ
側近「あっ……なにすっだよ魔王、歌姫様の久々の新曲ぐらい落ちついて聞かせてけろ」ﾌﾞｰﾌﾞｰ
魔王「くっ、貴様は上司をなんだと思っとるんじゃい」
側近「そったら高圧的なオッサン魔王なんど今どき流行んねえべな」
魔王「な、なんじゃと」
側近「美女とか美少女とか美幼女の魔王が、ハーレム勇者とあっはんうっふんが当世風だべ」
魔王「マジでか」
側近「マジマジ、大マジだべさ。……〜〜♪」ｼｬｶｼｬｶ
魔王「ぐぬぬ、こうなったら――」
重装兵「ううん……『アイドル魔王ちゃん☆全世界デビューツアー』か」
勇者「なにがなんだか分かりません」
姫騎士「わ、私が守り続けてきたシングルチャート首位の座が……」ﾜﾅﾜﾅ
姫騎士「こんなポット出の新人に奪われるなんて！」
姫騎士「――はっ！ そうだわ、枕ね？ 体を使ってプロデューサーを篭絡したのね！？」
勇者「それは無理だと思いますよ」
重装兵「うん。姫様と違って清純派アイドルみたいだし」
勇者「……そうじゃなくて」
勇者「このアイドル魔王――ロボットでしょうに」
ロボ少女魔王『みんなー！ 今日は来てくれてありがとー！！』ｶﾞﾁｬｺﾝ ｶﾞﾁｬｺﾝ
ﾜｰﾜｰｷｬｰｷｬｰ
重装兵「ううーん、あの衣装フリフリで可愛いなあ……」ﾎﾟｴｰ
勇者「しかしこれでは魔王を倒したほうが悪役になってしまいますね」
勇者「王様に直訴して、勇者を辞退してきます」ｽﾀｽﾀ
姫騎士「私の計画をことごとく――――おのれ魔王、お前だけは許しはしない……ッ！」
「そりゃ無茶ってもんじゃわい」
「そこを、なんとか出世払いで……」ﾋｿﾋｿ
「それでも相当、値がはるぞい」
二等兵「何年ローンでも組みますよ」
「いや、それよりも――そうじゃな」
魔王「無償で提供してやってもよいが、ひとつ条件がある」
バーテンダー「アンタがおかしいのは常態でしょうがねー」
重装兵「だって、いつもは……毎日、来てくれて……なのに」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ
バーテンダー「なるほど、いつもより余計におかしいですねー」
重装兵「会いに行こうかな……でもでも」ｸﾞﾋﾞｯ
バーテンダー「おかわり要りますかねー？」
重装兵「ああ」ｸﾞﾋﾞｯ
重装兵「でも私なんて鎧がなけりゃ、ただのか弱い乙女なんだ……」
バーテンダー「か弱い乙女は重装備したら動けないと思いますがねー」
重装兵「兜がなけりゃ……恥ずかしくて目も合わせられないんだ」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ
バーテンダー「エール飲むときまで兜を被ってるとか軽く不審者ですよねー」
重装兵「ぷっはぁ」
重装兵「私がバカだった……誰でもいいわけじゃないって今さら気づくなんて」
重装兵「おかわり！」ｸﾞｲｯ
バーテンダー「毎度ありー」
重装兵「今、なんて？」
「――俺は兵士をやめて、この国を出る、と言った」
重装兵「……なんで？ な、なんで！？」
二等兵「魔王にスカウトされてな」
重装兵「っ」
二等兵「なんでも元からいた側近に反旗をひるがえされたんだと」
二等兵「まあ、実質アイドルのマネージャーみたいな仕事らし」
重装兵「……って」
二等兵「なんだ？」
重装兵「なんで――だって、まだ」
二等兵「まだ？」
重装兵「……っ、い、いや、いいんだ。私が勝手に……そっか、そうなんだ。あはは」
二等兵「そうだな」
二等兵「結局お前の装甲には最後まで歯が立たなかったってわけだ」
重装兵「っ」
重装兵「……い、いつ行くの？」
二等兵「先方にはできるだけ早くって言われてる」
重装兵「そ、そっかあ」
重装兵「どうしよ、餞別とか……用意する時間あるかなあ？ あは、は」
二等兵「別にそんなの要らん」
重装兵「そ、そう？ でも、その」
二等兵「むしろお前にくれてやりたい物がある」ｺﾞｿｺﾞｿ
重装兵「えっ？ えっ、私に！？」ﾜﾀﾜﾀ
二等兵「ああ、これだ――」
重装兵「………………これ」
重装兵「……私が装備してる鎧兜と同じに見えるんだけど」
二等兵「ああ」ｺｸﾝ
二等兵「同じデザイン、同じ防御力で作成してもらった」
重装兵「う、うれしいけど、嬉しいけどっ……？」ｸﾞﾙｸﾞﾙ
二等兵「気づかないか？」
重装兵「へっ？」ｷｮﾄ
二等兵「……重量」
重装兵「あっ」
重装兵「あ、軽い！？ 軽いよこれ！ うそっ、なんで！？」ﾋｮｲﾋｮｲ
重装兵「って魔法銀製じゃないか、これ！」
重装兵「え……えっ」
二等兵「ああ」
二等兵「それなら――お前の夢も叶うだろ？」
重装兵「私の、ために……？」
二等兵「まあな」
重装兵「な――」
二等兵「なんで、とか野暮なこと聞くなよ」
重装兵「うっ」
二等兵「で、受け取る気はあるのか？」
重装兵「！！」
重装兵「うん！ うんっ！！」ｺｸｺｸｺｸｯ
二等兵「は、そりゃよかった」
二等兵「じゃ結婚してくれ」
重装兵「……」
重装兵「……はいぃいいいい！？」
二等兵「よし、『はい』と言ったな、言質はとった」
二等兵「バージンロードで」
重装兵「！」
二等兵「お姫様抱っこしてやる」
重装兵「！！！！」
二等兵「……」
重装兵「い、いいの？」ｼﾞﾜｯ
二等兵「憧れてたんだろ」
重装兵「っ……う」
重装兵「うんっ……！」ｸﾞｽ
重装兵「で、でも国を出るって」
二等兵「だから結婚していっしょに出ようぜって言ってんだろ」ｺﾞﾂﾝ
重装兵「あう……」
騎士「だからって、なぜ私が付き合わされてるのでしょうか」
姫騎士「いいじゃない、これっくらい」
姫騎士「貴方もう勇者じゃないんだしー公務もないわよねーえ」
騎士「もともとの騎士の仕事が忙しいのですよ」
姫騎士「なによ、私の専属護衛してればいいのよ」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ
騎士「――姫様こそ」
姫騎士「なーに？」ｸﾃﾝ
騎士「王族の身でありながら騎士として歌姫として活動して」
騎士「もう楽にされてもいいのでは？」
姫騎士「なによーお説教ー？」
騎士「御身が心配なのです」
姫騎士「……昔はそんな堅っ苦しい口調じゃなかったくせにぃー」ｸﾞﾃﾞｸﾞﾃﾞ
バーテンダー「ちょっと騎士さん、その呑んだくれ持って帰ってくださいよー」
姫騎士「不敬罪よぉー、逮捕しちゃうぞー」ｺﾞﾛﾝｺﾞﾛﾝ
二等兵「どうした」
重装兵「似合うかな？ 魔王ちゃん☆ドレス」ｸﾙﾘ
ﾌﾜｯ
二等兵「……気は心だ」
重装兵「それ似合ってないってこと！？」ｶﾞﾝ
二等兵「いや、恥じらってる様子が実にいい」ｳﾝｳﾝ
重装兵「ううう」ﾓｼﾞﾓｼﾞﾓｼﾞ
二等兵「――だがな」
二等兵「いいかげん兜は脱げっ！！ これから初夜だぞ！！？」
重装兵「だ、だって恥ずかしいんだもの」ｶｧｰ
二等兵「もういいから、こっち来い」ｸﾞｲｯ
重装兵「あっ」
二等兵「まだ慣れないのか、何度もやってるのに」
重装兵「そりゃそうさ！」
重装兵「私だって女だ、お姫様抱っこにずっと憧れてたんだから！」ｷﾞｭｯ
二等兵「まあ、なんだ」
二等兵「これから何度だってやってやるさ」
――了。
工兵魔王「ワシの手を取れば、世界の半分をくれてやるじゃろ」
ロボ少女魔王「半分！ 半分！」ｶﾞｼｬｺﾝ ｶﾞｼｬｺﾝ
姫騎士「売り上げは折半ね、悪くないわ」
騎士「なぜ私までマネージャーを……」
元側近オーク「こら新人、しっかり働くど」
即興したので矛盾とかあったらすんません
あと転載禁止でお願いします
姫騎士書いて放置してみにきたら続いてた
完結おめっと