女「何故かって？」
女「お前は今までに食べたパンの枚数を覚えているのか？」
男「使い方間違ってるよ」
"
男「死んだことも無いのに？」
女「誰もが皆怖いって言うよ」
男「僕は怖くない」
女「じゃあ勝手に死になよ」
男「えー…」
女「多分一生怖いと思うよ」
男「じゃあ死んだら怖くなくなるんだ」
女「だから死ぬことが怖いって………あれ？」
男「僕で良ければ」
女「どうせ自分がなったら泣いて怖がるに決まってるよ」
男「それは君だろ」
女「うるさい」
男「あれ？痩せた？」
女「こんな時に言われても嬉しくない…」
女「……」
男「なにさ」
女「太った？」
男「嬉しくない」
"
女「はい、なんか忙しいみたいで…」
看護師「え、まさか本当に彼氏さんだった？」
女「え、そうですけど…」
看護師「いいなー…私も彼氏欲しいよ」
女「あげませんよ？」
看護師「貰わないよ」
女「1年ぶりぐらいだね」
男「3日ぶりだよ」
女「そんなに短かった？」
男「体内時計どうなってるの」
女「光陰矢の如し…」
男「速すぎるよ」
女「今日はすごい元気」
男「じゃあ退院しちゃおう」
女「そこまでじゃない」
男「歩ける？」
女「うん」
男「散歩行こっか」
女「うん」
女「…」
男「…」
男「起きてるよね」
女「…なんでわかるの」
男「なんでもわかるよ」
女「私の余命」
男「60年」
女「……ふふっ」
女「うん……」
男「大丈夫？」
女「うん……」
男「何かしてほしいことある？」
女「うん……」
男「僕のこと好き？」
女「嫌い……」
男「」
男「キキョウ」
女「そっちのは？」
男「ジャスミン」
女「………これは？」
男「カトレア」
女「…………これはキンギョソウ」
男「！？」
女「どんなやつ」
男「アマガミってやつ」
女「甘噛み…？一回やらせて」
男「はい」
男「いや、森島先輩もしくは薫」
女「スク水だよ？」
男「スク水でもダメ」
女「……薫とかわかめじゃん」
男「」
女「あんまり良くない」
男「ゲームやる？」
女「やる」
男「なつかしのスマブラがなんと携帯ゲームに」
女「やる！！」
女「アイスクライマーね」
男「リストラされたよ」
女「」
男「…」
女「はぁ……はっ………おええ」
男「…」ｻｽｻｽ
男「ダメだって」
女「車椅子でいいから」
男「外出禁止」
女「はぁ……」
男「我慢しなさい」
医者「2ヶ月前後…が限界でしょうか…」
男「どうにか…助けられないんですか？」
医者「…」
医者「……移植しか…」
男「………できることなら、僕のを…」
男「ただいま」
女「なんて言われた？」
男「次の手術をすれば100年は大丈夫だってさ」
女「そっか」
男「………信じるの？」
女「信じたいよ」
女「え」
女「やだ」
男「やだじゃなくて」
女「なんでさ」
男「理由は……ないけど」
女「じゃあやだ」
男「…」
女「…はい」
看護師「もしかして、別れちゃったとか？」
女「…」
看護師「え、嘘、やだ、ごめんなさい」
女「いえ……いいんです」
女「…」
看護師「元気出して、きっと忙しいだけなんだよ」
女「でも…連絡もなにも…」
看護師「彼女ならどっしり構えて待ってなきゃ」
女「………はい」
看護師「……」
女「え…」
女「治るん、ですか？」
医者「治ります、治りますよ！」
女「嘘……」
女「…治る………治るんだ……」
女「あ、このゲームなつかしっ」
女「男と一緒にやったなー」
女「七咲ちゃんに……森島先輩に……絢辻さん………」
女「……でもやっぱり薫が一番だよねぇ」
女「…………？」