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貴音「明る月」
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貴音「あなた様、こちらにいらしたのですか」
「ああ、星が綺麗だろう」
貴音「真、月の無い夜もまた、趣があります」
「ふむ……」
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月影絶えて空灯り 天に満ちる星明明
月隠りしや星灯り 天に流るる星麓麓
人影絶えて空眺め 地に吹きゆ風清清
人在りしや星眺め 地に点るる星炯炯
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貴音「ふふ、今宵のあなた様は、詩人なのですね」
貴音「私も、あなた様に倣い、戯れましょう」
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天を満つ 星ひた見入る 影一つ
至上の光りや いずこにあるらん
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「胸の内、か?」
貴音「とっぷしぃくれっと、です」
「そうか」
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天に満つ 月ぞ高嶺の きにかかる
心に映さば ただ影あかる
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貴音「はい、真、良夜にございますね」
「かなわないな、冷えてきた、そろそろ戻ろう」
貴音「ふふ、いけずなあなた様」
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星隠す み空の明りも 今は闇
盈ちてぞ虧けじ 月の色人
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「どうかしたか?」
貴音「いえ、何でもありません」
あなた様、どうか月の輝きを、永く、末永く――
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以上です。
テーマは「新月と満月」
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地の文をつけた補完編1
貴音の決意
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私が進むべき道はどこにあるのでしょう。
これまで、はるか高みを目指して歩んできました。
しかし、その高みにあるはずの輝きはとうに失われています。
それでも私は歩まねばなりません。
なれど、その歩んだ先には果たして何があるのか――。
――はて、そういえばここは、どこなのでしょうか。
思いに沈むうちに、道に迷ってしまったのでしょうか。
……いえ、どうやらそうではないようですね。
ここは、よく月を見に訪れる公園の近くのようです。
ふふ、せっかくですから、寄っていきましょう。
今宵は月が出ていませんが、それもまた良いでしょう。
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おや、あそこにいるのは……。
この距離では風体がわかりにくいですが、私が見間違えようはずもありません。
――あなた様、ここにいらしたのですか。
私と共に高みへ至らんとするあなた様。
何故、あなた様がここに?
――ああ、星が綺麗だから。
ふふ、どうやら私と同じ理由のようです。
しかし、私をちらと見ただけで、すぐに天を仰がれるとは。
確かに、この綺羅星の煌きは心奪われるものがありますが。
――真、月のない夜もまた、趣があります。
月の無い闇夜に何を思うか。
それはまるで――。
――ふむ……。
はてさて、いったい何を考えておられるのやら。
私は進むべき道に迷い、懊悩しておりましたが、別のことを考えておられるのでしょう。
仕事一筋のこの方のことです。
いかにして高みに至るのか、その道程についてでしょうか。
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月影絶えて空灯り 天に満ちる星明明
月隠りしや星灯り 天に流るる星麓麓
人影絶えて空眺め 地に吹きゆ風清清
人在りしや星眺め 地に点るる星炯炯
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ふふ、ふふふ。
まさか詩を考えておられたとは。
意外な一面を垣間見たようです。
――ふふ、今宵のあなた様は詩人なのですね。
星ばかりが輝き、月は暗く。
それはまるで、今の私のよう。
私の見るべき光は一体どこにあるのでしょう。
――私も、あなた様に倣い、戯れましょう。
この心持ちを歌に託しましょう。
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天を満つ 星ひた見入る 影一つ
至上の光り いずこにあるらん
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私を導く標はどこに……。
――胸の内、か?
ふふ、その返事はもちろん……。
――とっぷしぃくれっと、です。
私は歌に想いを込めました。
この上語る言葉を持ち合わせておりません。
――そうか。
あなた様のその優しさ、嬉しく思います。
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天に満つ 月ぞ高嶺の きにかかる
心に映さば ただ影あかる
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あなた様には、私の輝くのが見えているのですね。
――はい、真、良夜にございますね。
ならば私は、あなた様の心の月を、私の心の標としましょう。
――かなわないな。
いいえ、私はあなた様がいなければ、何もできない女。
あなた様が行くところ、私もどこまでも付き従いましょう。
――冷えてきた、そろそろ戻ろう。
思えば随分と眺めていたものです。
ですが、まだ私は――
――ふふ、いけずなあなた様。
私はまだ、あなた様と月を眺めていたいのに。
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星隠す み空の明りも 今は闇
盈ちてぞ虧けじ 月の色人
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月はこれより輝くばかり。
空にも、心にも。
――どうかしたか?
私は輝けるでしょうか。
――いえ、何でもありません。
あなた様という光があるならば、私は闇夜を真昼のごとく照らせましょう。
あなた様、どうか月の輝きを、永く、末永く――
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以上、貴音の決意
以下、貴音の恋心
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一体どこへ行ってしまわれたのでしょうか。
二人きりでの旅行だというのに。
私を置いて行ってしまうとは。
おや、彼方に見えるのは――。
――あなた様、ここにいらしたのですか。
全く、私を置いていくとはどういうことなのでしょうか。
――ああ、星が綺麗だから。
確かに今宵は月も無く、星が綺麗です。
しかし私のほうを見もしないとは。
私より星の方がよいのでしょうか。
――真、月のない夜もまた、趣があります。
心奪われるほどに。
――ふむ……。
はあ、本当に心を奪われているようです。
私はしょっくです。
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月影絶えて空灯り 天に満ちる星明明
月隠りしや星灯り 天に流るる星麓麓
人影絶えて空眺め 地に吹きゆ風清清
人在りしや星眺め 地に点るる星炯炯
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詩を捧げるほどとは。
ますます我慢なりません。
――ふふ、今宵のあなた様は詩人なのですね。
私が心にかけるのは中天にかかる月だけだというのに。
あなた様は星の方が気にかかるのでしょうか。
――私も、あなた様に倣い、戯れましょう。
確かめましょう。
あなた様の心を。
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天を満つ 星ひた見入る 影一つ
至上の光り いずこにあるらん
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あなた様の目には、私は写らないのでしょうか。
あなた様の心には、私は映らないのでしょうか。
――胸の内、か?
そのようなこと、確かめるまでもないでしょう。
――とっぷしぃくれっと、です。
ご自分の胸に聞いてくださいませ。
――そうか。
そうですとも。
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天に満つ 月ぞ高嶺の きにかかる
心に映さば ただ影あかる
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ふむ、心には常に私がいると。
……まあ、いいでしょう。
この場はこれで手打ちとします。
――はい、真、良夜にございますね。
私の心にも、常にあなた様がおります。
忘れないでくださいませ。
――かなわないな。
あなた様が星ばかりを見ていなければ良いことです。
――冷えてきた、そろそろ戻ろう。
そのようなことを、おっしゃるとは。
――ふふ、いけずなあなた様。
私はまだ、あなた様とこの空を眺めていないのに。
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星隠す み空の明りも 今は闇
盈ちてぞ虧けじ 月の色人
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今はまだ、誰にも言えませんが、いつかは――。
いえ、たとえ公にできずとも、私はあなたを想い続けます。
この想いは、終生変わることはないでしょう。
――どうかしたか?
あなた様への想いを、確かめていたところです。
――いえ、何でもありません。
私は、あなた様に捕らえられた月にございます。
もはや、あなた様と離れることなど考えられません。
あなた様、どうか月の輝きを、永く、末永く――
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以上、補完編2
貴音の恋心
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よく考えたら恋心より思慕の方が適切だったか?
まあいいか
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