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アニ「私はアニ・レオンハート。10さい。乙女なの」
-
※エレン「ジュマンジ……?」の世界観設定です。
後日談ではなく、『もしもアニが子供の頃にアレでちょっとアレな感じで、色々アレな人だったら』という設定での原作焼き直しです。
特定のカップリングは予定してません。さっさとドリフ完結させて種付け書けオルァ、というコメントは禁止です。泣く。
・巨人の大陸・それっぽい王城
偉い人「かくかくしかじか、というわけで壁内の人類を皆殺しにして、『座標』を得て故郷に戻ってくるのじゃ。もちろんやってくれるな?」
アニ(10歳)「いやだ」
偉い人「えっ」
ライナー「えっ」
ベルトルト「えっ」
アニ「ざんこくなこと言ってんじゃない!」プンスカ
ライナー「」
ベルトルト「」
偉い人「」
"
"
-
エレアニでしょ!?
-
…
……
………
・壁の大陸へ向かう船上 〜海のどまんなか〜
アニ「………なんやかんやで追い出されるように故郷をあとにした私たちなのであった。りふじんだ。ひどい。あんまりだ。もぅマヂ無理。リスカしょ……」
ライナー「い、いや、大手を振って故郷に帰るためにも頑張ろうぜ?」
ベルトルト「そ、そうだよ! ライナーの言うとおりだ! あんな悪魔の末裔なんて、僕らの力があれば簡単に一ひねりだ! やってやろう、アニ!」
アニ「イヤったらイヤだよ」プイ
ライナー「えー………」
ベルトルト「………」キャワイイ
-
ライナー「駄々をこねるなアニ! おまえは戦士だろう!?」
アニ「ちがう」
ライナー「えっ?」
アニ「私は乙女だ」
ライナー「えー………」
ベルトルト「………」キュン
アニ「女戦士なんて、敵に捕らえられていやんな感じにふしだらなことをされてしまうマケグミじゃないか」
ライナー「エロ同人誌の読み過ぎだからそれ!!」
ベルトルト(むしろ乙女の方がエロいことするときに妙な悲壮感漂ってて、僕としては結構………////)モンモン
ベルトルトはちょっとフェチ入ったムッツリであった。お年頃でもある。
ライナー「クソッ、おまえがそういうつもりなら、こっちにも考えがあるぞ!」
アニ「私に乱暴するの? 無理やり服をはいで、えっちなことをするの?」
ベルトルト「最低だよライナー! 僕がやりたいよそれェ!!」
ライナー「ベルトルト黙れマジでちょっと黙ってろ」
-
期待するよ
"
"
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アニ「言うこと聞かないから無理やり言うこと聞かすって? そういう分かりやすいの、嫌いじゃないよ」スッ
ライナー「こっちは二人だ。おまえがいくら強くっても、男二人に太刀打ちできるか?」
ベルトルト「ライナー、いま凄く性犯罪者っぽいね」
ライナー「うるせえ! いいから行くぞ! こいつにゃ体で分からせるしかねえ!!」
アニ「いちいち変態ちっくな言い方だね。これが私がおそらく将来知り合うだろう駆逐系少年だったら不思議とふしだらに聞こえないんだろうけれど」
ベルトルト「と、とにかく、ごめんね、アニ。ちょっと痛いかもしれないけど、君のためでもあるんだ――――」ダッ
ライナー「覚悟しろ、アニ!!」
アニ「乙女パンチ」ドガッ
ライナー「モルスァ!」
アニ「乙女キック!」ジュババゥ
ベルトルト「ぎゃんっ!!」
アニ「乙女デスロック」ガシッ、ギリギリギリ
ライベル「ぎゃ、ぎゃおおおおおおお!? おっ、おれるぅうううううう!!」グハッ
アニ「やめてよね。本気でやったら、ライナーとベルトルトが乙女である私に勝てるわけないだろ………」ギリギリギリギリ
-
ライナー「ぎゃーーぶおーーーぎゃーーー!! やっ、やめっ、おっ、折れるぅぅううう!!」ヒィィィ
ベルトルト「つ、強い! 乙女ってマジで強い!!」ヌァアア
アニ「乙女に勝てる奴なんて存在しないの」ドヤァ
ライナー「アイエエエエエ!!」
ベルトルト「オトメ?! オトメ、ナンデ?!」
アニ「二人ともそこに正座」ビシッ
ライナー「はい」ピシッ
ベルトルト「はい」ピシッ
-
アニ「壁内の人にも家族はいる。ファミリーだ。わかる?」
ライナー「あ、ああ」
ベルトルト「そうだね」
アニ「もしも、ライナーとベルトルトの家族が巨人に食べられちゃったらどう思う?」
ライナー「えっ」
ベルトルト「ど、どうって………」
アニ「その人たちの気持ちを考えてみなよ」
ライナー「…………」
ベルトルト「…………」
ライナー「…………かわいそうだ」ハッ
ベルトルト「――――たしかに」ハッ
アニ「でしょ?」ドヤァ
ライナー「俺たちが間違っていたのか………」
ベルトルト「うん………そうだね。もっと平和的な解決方法を考えよう」
アニ「わかればいいのさ」ドヤァアア
-
sienn
-
アニ「私は壁の中で暮らすことにする。あんたらはどうするの? 故郷に戻る?」
ベルトルト「ぼ、僕はアニについていくよ!!」
アニ「乙女についてくるって、それどういうストーカー? やだ、力寄らないで……えっちなことするきでしょ?」
ベルトルト「えー………」
ライナー「そう言うな、アニ。女の子を一人放っておけるほど、俺達は男として腐っちゃいない。おまえだって俺たちがいた方が心強いだろ?」
アニ「別に?」
ライナー「」
ベルトルト「」
アニ「ついてきたいなら、勝手にしな。だけど、物事には順序というものがあり、礼儀がいると思うんだ」
アニ「―――――お供させてください、だろ?」
ライナー「」
ベルトルト「」
アニ「行きますよ、ゴリラさん、腰ぎんちゃくさん」ホッホッホ
かくしてアニに率いられた二人は、海路から陸路を経て、ついにウォールマリアの前にまで辿り着くのであった。
-
・ウォールマリア・シガンシナ区前
ライナー「ここがウォールマリア。シガンシナとかいう突出区か」
アニ「ここが家畜小屋か」
ベルトルト(すごいこと言った。乙女すごい!)
ライナー(もう俺にはこの時点でアニのキャラがわからん)
ライナー「しかしどうするか。ここで生きるためにも衣食住を確保しねえと」
ベルトルト「それもそうだけど、どうやって壁の中に入るの? 門叩いて入れて―って? 怪しさぷんぷんだよそれ」
アニ「大丈夫。私にいい考えがある」
-
楽しんでいる。
-
ライナー「えっ?」
ベルトルト「えっ、ど、どうするの?」
ライナー「俺としてはやはり夜間を狙って、ベルトルトが巨人化してだな、俺達を壁の中に入れて……」
ベルトルト「それが妥当だと思ってたんだけど」
アニ「乙女はそんなまどろっこしいことはしない」
ライナー「どうにかできるのか?」
アニ「乙女の力をなめないで。こうするの」
アニは掌を天高く伸ばし、
アニ「乙女ドリル」ギュィイイイイイイ
ドリルを召喚した。
ライナー「アイエエエエエエエエエエエエエ!? ドリル!? ナンデ!? ドリルナンデ?!」
ベルトルト「でかい」
-
ライナー「つよい……ってまて、それどっから出した、何する気だ」
アニ「これも乙女の巨人ぱわーのちょっとした応用だ」
ベルトルト「便利な言葉だな、乙女って」
ライナー「それで壁に穴を開けんのか?」
アニ「そんなことしたら巨人が入ってきちゃうでしょ」
ライナー「そ、それもそうか」
アニ「ライナーって本当にゴリラだね」
ライナー「す、すまん……ゴリラで」
アニ「でも、私、ゴリラは好き。優しい顔をしているから」ニコッ
ライナー「キュン」
ベルトルト「」ムカッ
-
アニ「さあ、これで地面の中を掘り進むよ」
ライナー「成程。壁の下をくぐるんだな」
ベルトルト「さすがはアニだ!」
アニ「さあ、これを使って掘り進んで、キリンさん」
ベルトルト「」←キリン
ライナー「」ブフォッ
アニ「ほら、早く」スッ
ベルトルト「えっ、ななななんで僕!? あとなんで僕キリンなの!?」
アニ「首が長い。あと全体的に長い。キリンっぽい」
ベルトルト「それだけぇ!?」
アニ「それとデカい」
ベルトルト「共通点それだけえええええ?!」
アニ「いいから早くして。私、乙女だから、こんなに重いものをずっと持っていられない」
ライベル(じゃあなんでそんなモンを出したんだよ………)
ベルトルト「わ、わかったよ………って重ッ! すっごく重いこれ!!」
-
アニ「しっかり持ってね」ヒシ
ベルトルト「う、うんっ/////(あ、アニが背中に抱き付いて……おんぶだとわかってるけど、ああ、ああ)」クネクネ
アニ「ゴリラも捕まる」
ライナー「おう」ガシッ
アニ「それでは、れっつドリラー」ゴー
ガリガリガリガリガリ
ベルトルト「しかしこのドリルすごいね。掘ると自動で前に進むよ」
アニ「うん。だからしっかりつかまる」ギュムッ
ベルトルト「う、うん//////(う、うわぁああ、10歳とは思えない質量のあるオッパイが僕の背に、背に!!)」ドキドキ
ベルトルト「………ん? なんだろう、このドリル、ヘンなボタンがついてる」ポチッ
アニ「あっ」
ベルトルト「えっ」
ライナー「どうした?」
-
アニ「そのボタンは、ギガドリルブレイクのボタン」
ベルトルト「えっ、ええっ? な、な、なにこれ!? ド、ドリルが、巨大化してっ……?! す、すごい回転を!!」
アニ「っ、まずい。ゴリ、しっかりベルトルトにつかまって」ガシッ
ライナー「わ、分かった」ガシッ
ベルトルト「う、うわああああああああああああ!!?」
アニ「発進」
ギュアアアアアアアアアアアアアアアアアアアォオオオオオオオオオオオオオオンッ
ベルトルト「うわああああああああああっ!?」
ライナー「おぉおおおおおおおおおおおっ!?」
アニ「ひゅー、とんだ暴れ馬だよ」ニコニコ
ベルトルト「こ、これっ、止まらないッ?! これ、とっくにシガンシナ区通り超えた先向かってないかっ!?」
………
……
…
-
………
……
…
・アッカーマン家
モブ「ふひひ、ドーモ、アッカーマン=サン。人買いです」
ミカ父「アイエッ?! 人買い!? ナンデ?! 人買いナンデ?!」
ミカ母「ミカサ、お逃げなさい!!」
ミカサ「あ、あう、あああ………」ガタガタ
モブ2「へへっ、どこにも逃げるところなんてn」
ボゴォッ、ズギャギャギャギャギャ!!
ブズッ
モブ「ぎゅああああああああああああああああああああああああああああ!!!?」
-
ズリュッ
ミカ父「な、なんだ?! 地面からドリルが生えて、人買いモブの尻を………うげえ」
ミカ母「い、いったい、何が……」
アニ「ふー、やっとシャバに出れたね」
ライナー「ムショ帰りみたいな言い方すんな」
ベルトルト「うげえ………この人の尻、酷いことに……」
アニ「大丈夫、人工肛門で元に戻るよ」
ミカ母「あ、貴方たちは……?」
アニ「あ、私はアニ。アニ・レオンハート。10さいの乙女です」ペコリ
ミカ父「早く逃げなさい!! ミカサもだ!!」
ミカ母「誰かは知らないけれど、この子を、ミカサをお願い! 一緒に逃げて!!」
ミカサ「いや、いやだっ、お母さん、お父さんっ!!」
モブ2「よ、よくも俺っちの兄貴の肛門をガバガバにしてくれやがったな! 見ろ!! もう完全に筋が切れて垂れ流し状態だ!!」
アニ「大丈夫。人工肛門がある」
-
モブ3「なにがなんだかわからねえが、もとはと言えばテメエらが地面の中から急に出て来たのがいけないんだ! 死ねええええ!!」シュバッ
アニ「乙女トゥーキック!」ゲシィッ
モブ2「テレッテッ!?」
アニ「シャイ! シャイ!」シュバッ、シュババッ
モブ3「うべろばっ!?」
アニ「だいたい事情はわかった……おまえら、この幸せそうな家族のだんらんを、母と娘の親子丼展開でチュッチュクチュッチュクして犯そうとしている変態だな」
ライナー(だからエロ同人誌の読み過ぎだってそれ)
ベルトルト(あながち間違ってなさそうだけど、なんかエロい)
モブ2「こ、このメスガキ、つ、つええ………なんなんだ、てめえは!!」
アニ「これから死にゆく者に名乗る乙女はいない……」
モブ2「ぐっ………な、なんだこいつ。圧倒的オーラを感じる………くそお、その目をやめさせてやるっ!」ダッ
モブ3「やめろ! ケンシロウが雑魚敵を血祭りにあげるときのような言い方で俺たちを蔑むな!! 死ねええええ!!」ダッ
アニ「…………せめて奥義で葬ってやろう」
-
アニ「乙女! 無情破顔拳!」
ドズッ、ドブスッ
モブ2「あぎっああああああああああ」
モブ3「ぎゃあっ」
アニ「秘孔・唖屁顔を突いた………これから一生あんたたちの顔は18禁エロ漫画でアクメキメた女キャラの如き変顔で固定される。さながら巨人めいた」
モブ3「ムゴイ! むしろ爆裂四散のほうがマシ! スゴイムゴイ!」
モブ2「アイエエエエエ!! ナンデ?! アヘ顔ナンデ!?」
ミカ父「あ、アバー……な、なんというワザマエ!」ゾクッ
ミカ母「アイエエエ、ニンジャ!? ナンデ!? ニンジャナンデ!? オ、オタスケー………!!」ガタガタ
ミカサ「ア、アワワワ………」ガクガク
アニ「もう悪者はやっつけた。安心していい。それと私はニンジャじゃあない――――どこからどう見てもオトメだ」
ライナー(乙女……一体何者なんだ)
ベルトルト(………何が何だかわからない)
-
ミカサ「あ、あなたは、だれ?」
アニ「私はアニ。乙女なの。あなたは?」ジロッ
ミカサ「ひん」ビクッ
アニ「あなたも乙女なの?」
ミカサ「おとめ……? よく、わからない」
アニ「なんだ、こむすめか」
ミカサ「」
その後、おっとり刀で駆けつけた憲兵によって、人買い=サンは捕縛された。
アニ「――――というわけで、おせわになってやります」
ライナー「コラッ、アニ! す、すいません。お世話になります」
ベルトルト(ま、まあ、結果オーライだよね?)
アニら三人は、人買いが攫った身元不明の子として認識され、
ミカ父「ここにも人さらいが来るようになった。もうシガンシナ区に引っ越そうと考えているんだ。一緒に来ないかい?」
-
アニ「私たちが?」
ライナー「いや、しかしそれは」
ベルトルト「はい。御厄介になるのでは」
ミカ父「君たちは命の恩人だ。いくところがないのなら、僕かイェーガー先生のところで養子にならないか?」
イェーガー「ここで出会ったのも縁だろう。遠慮せず、私の世話にならないかい?」
ミカ母「遠慮なんてしなくてもいいのよ? あなたたちは私たちの家族を、助けてくれた。私のことはママと呼んでいいのよ?」
アニ「―――――まま?」
ミカ母「そうよ。私が貴方のママよ、アニちゃん」
アニ「まま!!」ダッ
ミカ母「わぷっ………ふふ、アニはずいぶんとお転婆な子なのね」ナデナデ
アニ「えへへ………/////」
ミカサ「むー………」
エレン「何膨れてんだよ。えっと、ミカサつったっけ? そんなカッコじゃ寒いだろ。ほら、マフラー」スッ
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ミカサ「あ、あり、ありが………ありがと/////」キュン
ライナー(ありゃ惚れたな)
ベルトルト(汚いな。流石主人公汚い。傷心に付け込んで優しくするとかマジでフラグ建築士。これで僕はエレンが嫌いになったね)
アニ「だけど、その申し出は受けられない。私たちは文無しなの。つまりごくつぶしになる。それはいやだ。というか乙女としてダメだ、それは」
グリシャ「そんなことは気にしなくてもいい(乙女っていうか人としては駄目だけど。子供なんだしOKだろ)」
アニ「乙女でもゴリラでもキリンでもこむすめだろうと、とにかくごくつぶしだけはダメ。これは譲れない乙女の意地なの」
ベルトルト「そんなこと言っても、僕たちみたいな子供がどうやってお金を稼ぐのさ」
ミカ母「そうよ。本当に、気持ちは嬉しいけれど、そんなことは考えなくてもいいのよ」
アニ「すいませんが、お暇をいただきます。お金を稼いでから、ご厄介になりますので。乙女だから」ガシッ
ライナー「うわっ!? な、なんだ、アニ!? 何故俺を掴む! そしてそのドリルッ!? 何をする気だ!!」
ベルトルト「ぼ、僕まで?! ま、まさか、また―――――」
アニ「内地に行くよ! いっかくせんきん狙って、壁内ドリームを達成する! 乙女らしく!」ポチッ
ギャリリリリリリッ、ギュアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ
エレン「うわっ、なんだあれ?! ドリルっ!? ドリルで地面掘って――――――行っちまったぞ!?」
-
・ウォールシーナ・地下街――――賭博場
アニ「ロン。それだよ、オッサン」
モブ「あばばばっばばばばばばば」
アニ「ツモ。20000オール。ゴミ手だが、まあ景気づけだね」
アカギ「」ゴバァッ
アニ「ツモ。四暗刻。ドラ4」
ワシズ「イーーピーーーーーン!!!」グシャア
アニ「ご無礼。八連荘。勝ち」
竜「」
アニ「ツモ。全部白。二兆点」
ヒラコー「」
アニはあぶく銭を稼ぎまくっていた。
-
アニ「ロン、倍満」
そしてアニは、着々と
アニ「それだよ、ニーチャン」
地下街の闇に立ち向かい、
アニ「―――――御無礼。リーのみです」
それをことごとく打ち破っては、次なる敵を倒し、
アニ「あンた、背中が煤けてるぜ………」
ひたすらに勝利を重ねて来た!
アニ「ライジング・サン」
その勝ち方はあまりに露骨。そして全く容赦がない。
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アニ「エンド・オブ・ハート」
ケツの毛一本までむしりとらんとする賭博への姿勢と、まったく表情を変えないことから、彼女はいずれこう呼ばれるようになっていた。
アニ「倍プッシュだ………」
――――氷の女王、と。
…
……
………
―――半年後。
………
……
…
アニ「うん…………少し、力が入りすぎたね」
アニ「―――――賭博場が潰れてしまったよ」
-
ベルトルト「あわわわ、賭博場のオーナーが首に縄くくってブランコしてる……」
アニ「ほとんどの人間が人生で一度しか体験できないブランコ遊びだね。私は遠慮するけれど」
ライナー「鬼かおまえは」コワイ
アニ「残ったのは一生遊んで暮らせるだけの金と、このイーピンだけ、か………ふふ、むなしくなるね」
ライナー(すげえ笑顔で言うセリフじゃねえよ………)
アニ「さあ、帰ろう――――シガンシナ区に」ニコッ
ライナー「お、おう/////」
ベルトルト「う、うん//////」
アニ「さあ、ドリルを廻して」ガシッ
ライナー「頼むぞ、ベルトルト」ガシッ
ベルトルト「フツーに帰ろうよ! ってまたこれぇええええええええええええええええええええ……」
ギュィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ……
-
ひょんなことからアッカーマン家の惨劇を救ったアニ一行。
金も権力も手に入れた。次はどうする何をする。
何、友達? お友達が増えるのはいいことだ。で、あんたの名前は?
次回『アニ乙女』第二話は――――『アルミン』。
こうご期待!
君は自分の中に、乙女パワーを感じたことがあるか!
-
お、乙
-
アニがいい意味でキャラ崩壊。ノリがいいな。続き期待。
-
じ、次回作にも期待している
乙。
-
〜シガンシナ区・アッカーマン家前〜
アニ「ここがあの女のハウスね!」
ライナー「あのミカサって女の子の家な」
ベルトルト「東洋人の子だったね」
アニ「とうようじん? なにそれ?」
ベルトルト「何って………うーん、なんて言えばいいんだろ。人種っていうか、僕らとはこう、髪とか顔立ちとか違うっていうか」
ライナー「ほら、あまり見ない顔立ちしてただろう? 黒髪に黒い瞳が特徴的な、俺達の巨人の大陸の人達とも違う、別の大陸の種族の末裔だ」
アニ「ああ、平たい顔族のことか。知ってる知ってる。ニンジャがいてスリケンとか投げるんでしょ? うん、知ってる知ってる。存在がギャグみたいな連中でしょ?」
ライナー(これが差別か)
ベルトルト(絶対悪気はないんだろうけれど、乙女って怖いなあ)
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アニ「いいかい。これから私たちはここでお世話になってやるんだ。最初の挨拶が肝心だよ。奴らはニンジャとかいう薄汚れた暗殺集団の末裔だ。機嫌を損ねたらトチ狂って襲い掛かってくるかもしれないから、シツレイに値することは禁止だ。いいね?」
ライナー(すでに礼儀が遥か彼方の空遠くな言い草なんだが)
ベルトルト(親の顔が見てみた………ああ、ちょっとイカレた人だったな、アニの父さん。そりゃアニもこうなるよ)
アニ「それじゃ、入るよ。ベルトルト、ドアをノックしてドアノブに誰かが手を掛けた瞬間を狙って、扉にドリルをブチ込みな」
ライナー「殺す気満々じゃねえか!! 礼儀とかマナーうんぬん以前に犯罪だやめろ!! バカかおまえバッカじゃねえのか!? あるいはアホか!? やめろよ! 絶対やめろよ!!」
ベルトルト「普通に入ろうよ………ほら、ドア開けるよ」
アニ「仕方ない………いいかい。これから仲良くやっていくんだ。笑顔で挨拶するんだよ?」
ライナー(不安しかねえ)
ベルトルト(もうどーにでもなーれ)
-
ここから更に続くとは...
お、終わりじゃなかったの?
見てるよ。
-
ガチャッ
アニ「ノックしてもしもぉ〜〜し」
ミカサ「!?」
エレン「!?」
アニ「フッフッフ………こむすめ〜〜〜〜〜! 私の名前を言ってみろ!!」ドンッ
ミカサ「ひっ、あの時のすごく強い人………」ビクッ
ライナー(笑顔だけど! 確かに笑顔だけど!!)
ベルトルト(家に入る前のやりとりはなんだったんだ)ガビーン
エレン「おお、久しぶりだな! えっと、たしかアニっつったっけ? そっちはライナーと、ええっと………」
ベルトルト「君は確かエレンだったかな。僕はベルトルトだよ」
エレン「おお、そうだった。悪いな、何分結構前のことだし、その、お前の名前って………」
ベルトルト「アハハ、よく覚えづらいって言われるから気にしないで」
-
エレン「そうか。これからよろしくな、ベルゼビュート」
ベルトルト「ちげえよ!! 忘れるのは許そう! だがお約束のように僕の名前を間違えるな! しかもそれは悪魔の末裔の名前だ!」
アニ(まさかのマジギレ)
ライナー(しかも忘れるのはいいのか)
ベルトルト「いいか、僕の名前はベルトルトだ。二度と間違えるな!」
エレン「ごめんごめん、噛んだんだ。悪かったな」
ベルトルト「ちがう……わざとだ……」
エレン「わざとじゃないんだ。許してくれよ、ベルペオル」
ベルトルト「わざとじゃねえか!!」
アニ「あんまり大声出さないでよ、ベルフェゴール」
ベルトルト「さっきから『ベル』しか合ってねえんだよ!! っていうか悪魔の名前ばっかりじゃないか!! どんだけ悪魔好きなんだよおまえら! 悪魔から離れろ!!」
ミカサ「ベンソジア?」
ベルトルト「今度は『ベ』しか合ってねえ! それは悪魔の薬だよ!! マイナーすぎてついてこれるヤツがいないよ!!」
-
アニ「ベルゼバブ?」
ベルトルト「違うッ! 著名な悪魔の名前だッ!! 有名かそうでないかは問題じゃないんだッ! 僕はベルトルトだ!!」
ライナー「落ち着くんだ、ベルベルト」
ベルトルト「活字だと見逃しやすいけど、素で間違えんなよ!! 一番傷つくんだよッ!! 僕ら親友じゃなかったっけ!?」
アニ「ベガス」
ベルトルト「それは君が一番行きたいところだろ!!」
ライナー「ベガス・フィーバー」
ベルトルト「博奕生活にどっぷり浸かったせいで脳味噌スカスカになったのか!? 原型すらねえよ!!」
アニ「ベベベベベ」
ベルトルト「どこの復活の呪文だ!? いい加減にしろ!!」
エレン(面白いやつらだな。仲良くやれそうだ)
ミカサ(悪い人たちではなさそう)
-
かくしてアニ一行は、アッカーマン家に世話になることになったのだ。
アニ「手付金です。はした金ですが………」ドサドサドサッ
ミカ父「」
ミカ母「」
ミカサ「知ってる。これ、金貨だ。しかもいっぱい………アニはおかねもち?」
アニ「成金というんだ。覚えておきな、こむすめ」
ミカサ「わかった。べんきょうになる………アニは成金で乙女なのね」フムフム
アニ「そうだ。呑み込みが早い子は好きだよ」ウフフ
アッカーマン家の経済は非常に潤った。
ミカ父は肩身が狭くなった。
アニ「何分勝手がわからないから、ミカサにはいろいろと教えてもらうよ」
ミカサ「う、うん」ビクビク
アニ「そんなに固くならなくてもいい。まずはあらためて自己紹介だ」
-
ミカサ「う、うん。私はミカサ。ミカサ・アッカーマン。このあいだ10さいになった」
アニ「私は来月で11さいだよ。アダルティでしょ?」ドヤッ
ミカサ「アニは成金で乙女であだるてぃ。覚えた」フンス
アニ「つまり、私の方がお姉ちゃんだね」
ミカサ「お、お姉ちゃん………アニは私の、お姉ちゃん………」
アニ「アニ姉とか、アニ姉ちゃんとか、お姉ちゃんとか、好きに呼びな。私はあんたをミカサと呼ぶ。私のたった一人の可愛い妹としてね」
ミカサ「キュン」
エレン「落ちたな」
ライナー「チョロい子だったんだな」
ベルトルト「ミカサって子、マジでヒロイン」
-
エレン「あ、そういえばアニ、ライナー、ベルトルト(合ってる)、三人に紹介したいヤツがいるんだよ。俺とミカサの友達なんだ」
アニ「苦しゅうない。この乙女たるアニは、来るものは乙女力の愛を以って受け入れ、去る者は壁の果てまで追いかけてギガドリルブレイク」
ライナー「ちっさ! 器ちっさ!!」
ベルトルト「なんにしてもどんな子かな。合わせてよ、エレン」
エレン「おう。アルミーン!!」
アルミン「そんなに大きな声出さなくても聞こえるよ………って、あれ? お客さん?」
エレン「ほら、前に話したろ」
ミカサ「私や私のお父さんとお母さんの命の恩人」
アルミン「ああ、それじゃあ君たちが――――アニ、ライナー、ベヘリットだね」
ベルトルト「まだこのネタ引っ張る気か!? 誰が覇王の卵だよ捧げて贄にしてやろうか」フーッフーッ
ライナー「どうどう、落ち着けキレトルト」
ベルトルト「キレてんだよ、主におまえらのせいで!!」
-
アルミン「個性的な人たちみたいだねー。あ、僕はアルミン。アルミン・アルレルトだよ」
アニ「ひでえ名前だね。名付け親は誰? センスと育ちと人格と性根を疑うよ」
ライナー「全否定からの喧嘩腰はやめろ!! すまん、アルミン。こいつは口は悪いが、そう悪いヤツじゃないんだ」
アルミン「あはは、大丈夫だよ。ライナーやベルトルトみたいな人がお友達なんだし、アニが悪い人のわけないじゃないか」ニコリ
ライナー「キュン」
ベルトルト「キュン」
エレン「さすがアルミンだ。あっさり男衆を虜にしやがった」
アルミン「君は、アニって子?」
アニ「そうだよ、ピクミン」
アルミン「違うよ?! アルミンだよ!!」
ベルトルト「矛先が僕からアルミンに向いた!!!?」
アニ「こっち向いて♪ はずかしがらーなーいでー♪」
アルミン「それムーミンだから! ここシガンシナでムーミン谷じゃないからァアアア!!」
-
アニ「ああ、あれだ……明らかにブラック企業の鑑みたいな企業のくせに、自分たちはホワイトだと経営陣が主張する居酒屋チェーンの、ワタm」
アルミン「それ以上はだめだ! マズい、マズイって!!」
アニ「じゃあアレでしょ? 国から国へ根なし草の、放浪を続ける」
アルミン「流民だよそれ……」
アニ「お口クチュクチュ?」
アルミン「モンダミン!」
アニ「セミ?」
アルミン「みーんみんみんみんみーんって違う!!」
アニ「アイマス勢!」
アルミン「愚民と言いたいのかい、ええ?」
アニ「あんたって、いつも胃薬を飲んでる……」
アルミン「あー、まあ、不本意だけど、そうそう」
アニ「ビオフェルミン」
アルミン「このドS!」
-
ほのぼのとしてきた
-
アニ「グロリアミンだっけ?」
アルミン「それも胃薬だよ!!」
アニ「酔い止めの方だっけ?」
アルミン「トラベルミンだよ!! もう薬から離れてくれミン!!」
アニ「えっ」
アルミン「あっ………か、噛んじゃった/////」カァアッ
アニ(きゃわわ)キュン
アニ(………も、もうちょっと弄ろう)
アニ「そんなに大声出して怒らないで、こわい。アルギニンは怖い人なの?」
アルミン「誰のせいだよ! あとアミノ酸の一種は怖くないよ有用だよ!!」
アニ「ごめん、噛んだの」
アルミン「うそだ……わざとだ……」
-
アルミン「こっちの台詞だ………」
アニ「男があんまりグチグチ言ってると燃やすよ?」
アルミン「ケシズミン!!?」
アニ「永遠に眠りたくなければ、大声出すのはやめな」
アルミン「う、ううう……僕もまだエイミンのオヤスミンはしたくない……分かったよぅ」
アニ「チュミミィィ〜〜〜ン」
アルミン「ACT4?」
アニ「いや、女教皇」
アルミン「最悪だ!!」
アニ「あんたとはうまくやっていけそうな気がするよ」
アルミン「僕は今後こうしていじられていくのかと思うと、胃が痛いよぉ……」キリキリキリ
なんやかんやで仲良しになった六人組であった。
野を駆け、追いかけ、へとへとになるまで、六人は毎日遊び続けた。
日に日にアニやミカサの服装が、平民のそれから貴族の淑女が着るような美麗なそれに代わっていったことについては、誰も触れようとはしなかった。
-
月日が経つのは早い。
正史においては超大型巨人と鎧の巨人が襲来し、シガンシナは破壊され、
人類はウォールローゼまで生活圏を後退させていたが、何事もなく二年の歳月が過ぎた。
エレン、ミカサ、アルミンの三人が12さいとなったとき、楽しかった日々は終わりを告げる。
長年の夢を叶える第一歩を踏み出すエレン。それに続くミカサ、アルミン。
巨人と乙女の三人はどうするのか?
ミカサはエレンとフラグを立てたが、肉体をコントロールすべがないので普通の女の子なんだぞ!
『アニ乙女』次回、第三話―――――『よかろう。次は訓練兵団を支配してやる! このアニがなッ!』
訓練場に、血の雨が降る……。
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乙
>血の雨が降る……。
特に理由のない暴力がライナーを襲う予感
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続きが楽しみだ。乙。
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支援
ぶっ飛んでて面白いぞ
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・二年後〜ウォールマリア・シガンシナ区〜
アニ「あれから二年…………シガンシナ区制圧からは、早一年か…………全く他愛もない。また退屈な日々が戻ってきてしまったね」
アルミン「…………」スッ
エレン「や、やめろアルミン。気持ちは分かるけど、死に急ぐんじゃあないッ!! そのナイフを離せ!!」
ライナー「なぜかお前が言うな、という言葉が頭に浮かんだが、エレンが正しいぞ! 落ち着けアルミン!! スゲーわかるが、ここは抑えろ!!」
アルミン「はなせぇえええええ!! 僕がこの二年間、どれだけッ、どれだけェ!! 畜生ッ、てめえ! アニッ! てめえの血は何色だァーーーー!!」
アニ「情熱の赤………かな。そんな血走った目で私の事を見ないでよ、アルミンのえっち////」ポッ
アルミン「殺してやるッ! 殺してやるぞアニィィイイ〜〜〜〜〜!!」フギャーーーッ
エレン「だからやめろって!! ライナーも手伝え! すげえ力だ!!」
ライナー「呼吸を整えろ、アルミン! 人殺しの目をやめろ!! 怖い! 地味に怖い! スリ硝子のような光沢のない瞳で睨むな!!」
ミカサ「今日もアルミンとおねえちゃんはとっても仲が良い」
ベルトルト「ミカサ、断言してもいい。君の目は腐ってる」
-
アニたちがアッカーマン家に住み着いてから、およそ二年………。
始まりはアニの一言だった。
アニ『壁の中には夢も希望もない? そういう時は逆に考えるんだ。夢も希望も創り上げちゃえばいいさ、と』
深く考えずに同意したのはエレンであった。
ライナーとベルトルトはまたいつもの気まぐれが始まったと頭を抱え、まだ付き合いの浅かったミカサとアルミンは首をかしげるばかりであった。
壁内に足りないもの、それはエンターテイメント事業だと、アニは考えた。
必要なのは建設費用。これはクリア。建設資材はどこから調達するか? 商会とコネを作り、あわよくば乗っ取ればよい。
そして一年が経つ頃には、シガンシナを始め、ウォールマリア南部の商会はアニによって乗っ取られていた。
次に必要なものは何だ? そう、土地である。
アニは土地の接収に乗り出した。要は地上げ屋である。総会屋ともいう。マフィアと言い換えても良し。
圧倒的な資金力と、アニ曰く乙女パワーという名の暴力、そして巨人の大陸から持ち込んだノウハウをこれでもかというほどに活かしまくり、着々とその権威の及ぶ範囲を広めていった。
-
アニ『経過はどんな感じ? 『順調』か『問題なし』以外の答えは認めないから』
アルミン『どうしろっていうんだよ!? そ、それが思っていたよりも人手が足りなくて………』
アニ『何? 人手が少なくて生産性が上がらない? 逆に考えるんだ。アルミンに全部任せちゃえばいいさ、と』
アルミン『』
アニの躍進の陰には、常に胃を痛める少年の姿があった。
しかしアルミンのストレス以外にはこれといって犠牲はなかった。
アニが掲げた壁内ディ●ニーランド計画の魅力もさることながら、それを推し進めるアニ自身の妙なカリスマ性に惹かれる者も少なくなく、今やアニは暴君の如き傍若無人な振る舞いを見せていた。
-
アニ『区画整理のお時間だよ。とりあえずここいら一帯の土地使ってレオンハートランド造るから出ていかせてね』
アルミン『し、しかし、代替の土地がないよ………?』
アニ『代替の土地? 壁外が広いではないか……行け』
アルミン『か、壁外ィィイイイ?! 壁外には巨人があふれかえっていますよォーーーー?!』
アニ『関係ない。行け』
乙女にとって、人道や倫理などはさしたる問題ではない。
夢と希望と愛にあふれたアミューズメントパークの設立こそが重要なのであり、夢も希望も失った大人などアニにとって冷めた中華料理にも劣る価値でしかなかった。
エレン『おい、なんでウォールマリアの壁にでっけえ目ん玉模様描く必要があんだよ!!』
アニ『新名所、『マリア様がこっちみてる』だよ。略してマリみて』
エレン『女神さまってのはあんなに目力つええのか!?』
ベルトルト『しかも駐屯兵団の兵士が作業してるんだけど!?』
アニ『これも乙女ぱわーのちょっとした応用だ。最近、地方のいい酒が山ほど手に入ったからね』
死んだ魚のような瞳で、駐屯兵たちは黙々と壁にぶら下がり、ペイントを施していく。
-
エレン『お、おい? いくらワイロつっても、あの生気のなさはなんだ? 酒が入ってるにしても、どこかおかしいぞ?』
アニ『くっくっく……ちょっと家の裏の畑で育てたステキなにおいのする草を混ぜた酒だよ。素敵にトリップできるんだ。中毒性も抜群。これも市場に売り出すことにしよう』
ライナー『麻薬販売じゃねえか!? 真っ黒だなおまえの乙女ってのは!!』
アニ『乙女御流合戦礼法、『月欠』が崩し―――――フォーリンダウン・レイディバグ』
ライナー『ぶべっ!?』
アルミン『ライナーが、飛んだ!?』
跳躍からの空中前転かかと落としがライナーの脳天に突き刺さった。ライナーの首の骨が折れた。
アニ『私の邪魔をする者はゆるさない。私の野望、アニちゃんぷれぜんつ夢と希望に溢れるアミューズメントパーク『レオンハートランド』は、必ず完成させる』
ベルトルト『ちょっ、これ………ライナー、おい、ライナー?!』
エレン『い、医者! 医者を呼ばねえと!! 親父ッ! 急患だッ!! 首が折れちまってんだ!!』
グリシャ『棺桶の手配はしておこう』
ベルトルト『そ、そんな………ライナーーーーー!!』
次の日の食卓で普通にライナーがメシを食っていたのを目撃したエレンとベルトルトは、ライナーに容赦なく拳の雨を降らせた。
-
時には住民から強い反対や抵抗を受けることもあったが、アニの乙女パワーの前には全くの無力であった。
モブC『区画整理押しつけ反対!! 反対!』
アニ『イヤかい? イヤなら以前旅行に行ったトロスト区で拾ってきたこの男性器に酷似した女児をおまえの尻に根元までぶち込む』
ミーナ『』ビンビン
モブABC『アイエエエエ!!? デッカイチ●コ!? デッカイチ●コナンデ!?』
アニ『乙女の命令には笑顔でイエスといえ。あるいは泣いてハイといえ』
モブABC『ヒィイ、ヨロコンデー!!』
ミーナ『』ビクンビクン
巨人が襲ってこようがこまいが、いずれにしろ口減らしは起こる運命であった。
アニ『よろしい。アルミン、あとは任せたよ』ニコリ
アルミン『』
あらゆる方面にスゴイ迷惑をかけるアニのしりぬぐいをするのは、いつもアルミンであった。
-
これにはさすがのアルミンも苦笑いを通り越してゲスミンにならざるを得なかった。
アルミン『ちょっ、てめ………人が下手に出てればいい気になって………いい加減にしてくれる!? 僕に投げればとりあえずなんとかなるとか思い込んでない?!』
アニ『イヤかい? イヤならこのトロスト区の商会で拾ってきた男色に目覚めつつある変態おじさんをアルミンのケツミンに……』ゴゴゴゴゴゴ
変態おじさん『はぁ、はぁ………ねえ、坊や。肛門何色?』ハァハァ
アルミン『やればいいんだろ畜生ッ!!』ポロポロ
アニ『やらせていただきますアニ様、と言え』
アルミン『やらせていただきますアニ様ッ!』ポロポロ
アニ『笑顔で言わんかーーーーーーッ!!』
アルミン『やらぜでいだだぎまず、アニざまっ!!!』ニコ……
アニ『ならばよし』ニッコリ
アニと知り合ってから二年、アルミンはアニという乙女の本質を心の底から理解していた。
アニ・レオンハートには、やると言ったらやる『スゴ味』があった。
やらねばヤられるのである。
-
やっぱりミーナの扱いはこうでないとなww
-
アニ『アルミン………』
アルミン『なんだよ!! これ以上何を望むk』ポロポロ
アニ『―――――『仕事をくれてありがとうございます』………が足りないよ?』ゴゴゴゴゴゴ
アルミン『ぅ、うう、お、おげっ、げろっ、おげええ………』ビチャビチャ
吐き気を催す邪悪の笑顔を間近で直視し、アルミンは吐瀉した。
アニ『ゲロを吐くほど喜ぶことはないじゃあないか………安心しろ。安心しなよ、アルミン………』
アルミン『あう、あ、くぅ、あ………』ハァーハァーハァー
アニ『アルミン。あんたの快い協力を礎に、聖乙女・十字陵は完成する。その日まで笑顔で働くんだ。笑顔を振りまくんだ。泣くぐらいなら死ねばよい。そしてレオンハート帝国は限りなくホワイトに近い素敵な職場だと触れて回るんだ……いいね?』
アルミン『うっ、ううっ、ちくしょう………うへへ、ちくしょう………』エグッエグッ
かくしてレオンハートランドは完成した。アトラクションの目玉は立体機動の技術をどっかから盗み出したものを応用して作り出したジェットコースター。
ガスの噴射を動力に縦横無尽に駆け回る『巨人からの逃亡』は、大人にも子供にもウケる一番人気のアトラクションである。
安全基準についてもバッチリだ。テスターとしてライナーを七日七晩フル稼働するジェットコースターに載せ続けることで、十分な安全性を確保している。
ライナーは紫色の泡を吹いて、一週間ほど目を覚まさなかった。
-
この二年、ミカサも遊んでいたわけではない。
アニは可愛いものに目がなく、事業拡大の片手間にミカサをアイドル『ミカ☆りん』として売り出したところ、これが大ヒット。
アッカーマン家の惨劇がない世界において、ミカサは普通の腹筋をした普通の美少女に過ぎなかった。ここには腹筋系駆逐アイドルなど存在しない。
ふわふわゆるゆるな露出度がそこそこ高い衣装を着て、歌って踊れる黒髪黒目の美少女アイドル。しかも東洋人の末裔とくれば、売れないわけがなかった。
シガンシナ住民はもちろん、遠く北のクロルバ区からも足を運んでミカ☆りんの雄姿を一目見ようと多くの客が集まる。
ツアーを企画した際の初日の動員数はなんと五十万人を突破し、今や人気絶頂、なおも人気が高まり続けるトップスターアイドルとしてミカサは八面六臂の大活躍だった。
ミカサの見せる笑顔は、正史を辿っていたならば滅多にみられるものではなく、無邪気さと可憐なはかなさを内包した美しさがあった。
傍らにはマネージャーとしてエレンが常に付き添っていることも、ミカサの笑顔がより輝く一因であったことは言うまでもない。
シガンシナを中心として活動する歌って踊ってアニ直伝の格闘もできるアイドルとして、老若男女を問わず幅広いファン層を獲得。
圧倒的かつ絶大な人気を誇っていた。
アニが博奕や事業で稼いだ金に、ミカサのアイドル活動で稼いだ金、それらを手伝うライナー、ベルトルト、エレン、アルミンの所得は、一般の家庭が一年間に稼ぎ出す額のおよそ数十倍から数千倍にも上る。
この一件で経済も周り、シガンシナ区は非常に経済が潤っていたが、意外なところにその弊害が生まれていた。
ミカ父である。養子として迎え入れた三人が毎月家に入れる金は、ミカ父の年収のほぼ三倍の額。実の娘であるミカサもアイドル活動を始めてから、それと同等の額を家に入れるようになった。
アッカーマン家の経済は今やなんだってできるレベルにまで発展しているのだ。
ミカ父は肩身が狭すぎるストレスのせいで髪が後退。おまけにアニに対する言葉遣いが敬語になってしまうほどにやつれきってしまっていた。
-
アニ「乙女であることは罪だね」
ライナー(おい、またアニがなんか語り始めたぞ)ヒソヒソ
エレン(ほっとけ。十秒で飽きる)ヒソヒソ
ベルトルト(でも相手にしないとそれはそれで理不尽にキレられるよ。アルミン、なんとかしてよ)
アルミン(やだよ僕ばっかり。たまにはベルトルトも理由のない暴力に襲われてきなよ)
アニ「ほら、ミカサ。口元に食べかすがついているよ。動かないで、とったげる」フキフキ
ミカサ「わぷ………あ、ありがとう、お姉ちゃん」
アニ「いいんだよ、私はあんたのお姉ちゃんなんだから。けど、もうちょっと乙女としてのたしなみを身につけなきゃね」
ミカサ「うん、私、がんばる」
アニ「その調子だ。それならきっと、あんたの好きな人もいつかきっと振り向いてくれるさ」フフフ
ミカサ「あぅ………」カァアア
-
ベルトルト「すっかりミカサのお姉さんが板についたね」
エレン「相変わらずアニはちびっこいけどな」ボソッ
アルミン「やめてエレン。聞こえたらなぜかライナーが殺されるよ」
ライナー「そうだぞ。なぜかエレンが悪口言っても俺に当たってくるんだアイツはってまておかしいだろどういうことだよ俺悪くねえじゃん関係ねえじゃんどうして俺が蹴られるんだよ」
アルミン「今頃になってライナーがそのおかしさを悟ったらしいよ」
ベルトルト「君ってマジでゴリラかなんかじゃないのかい、ライナー………」
ライナー「ハハハ、しかしアレだな。アニはアニなのにミカサの姉とはこれいかに」ハッハッハ
アニ「」
ベルトルト「」
エレン「」
ミカサ「」
アルミン「」
アニベルエレミカアル「 ( ´・ω) (´・ω・) (・ω・`) (ω・` )」審議中……
ネエ、イマノドウオモウ?
ショウジキナイワー
ボクモフォローデキナイヨ
バンシニアタイスル
ギルティッ……ギルティッ……
ライナー「お、おい。なんだよ。ほんの冗談だろ………俺を寒い人を見るような目でみるんじゃない……やめろ……」
-
アニベルエレミカアル「<●><●>」ジーッ
ライナー「やめろ!! ケンシロウがラオウを倒した時のような目で俺を見るな!!」
-
エレン「さておき、俺ももう12さいだ! 訓練兵団に入るぞ! 母さんの反対がなんだ! 俺はやるっていったら絶対やるんだ!」
アルミン「僕もだ! 外の世界を冒険したい! 僕にだってやれることがあるんだってことを、証明したいんだッ!」
ベルトルト「本音は?」
アルミン「一刻も早くアニの元から離れたい。物理的にも精神的にももうストレスでヤバいんだ。顔を間近で直視したら多分ゲロ吐くレベル。一度吐いたし」
ベルトルト(不憫な………)
ミカサ「わ、私も………でも………アイドルが………」シュン
アニ「いいよ、別に。行ってきな」
ミカサ「えっ」
アニ「可愛い妹の頼みだ。このアニ・レオンハートが、可愛い妹の恋路を邪魔するような他愛のない奴だとでも思っているのかい?」
ミカサ「お姉ちゃん………」キラキラキラキラ
アニ「それに歌って踊って戦える兵士なアイドルって路線もイケると思うの」
ベルトルト「最後の最後でオチをつけるんだね」
ライナー「オチつけなきゃイイハナシダナーで終わってたのにな」
-
アニ「さて、ザーボンさん、ドドリアさん」クルッ
ベルトルト「まさかとは思うんだけど、それって僕たちのこと言ってる? ねえ? どっちがザーボン? どっちがドドリア?」
アニ「それは想像に任せる。私たちも訓練兵になるよ」
ライナー「嫌だと言ってもそうするんだろ………まあ、今度は何をたくらんでんのかは知らんが、お手柔らかにな」
アニ「たくらむなんて失敬な事を言うんじゃないよ。私はいつだって自分の夢を叶えるために必死で努力するけなげな乙女じゃないか」
ベルトルト(極力自分の手を汚さずに法の隙間スレスレを行き来して人を嵌めて脅して屈服させて奪い取ることが努力というなら、そうなんだろう)
ライナー(そして大体被害に遭うのは俺かアルミンなんだ………何も知らないエレンとミカサが羨ましい)
アニ「さあ行くよ!! 兵士王に、私はなる!!」どんっ
ベルトルト「まあ、いいけどさ。具体的にはどうするの?」
アニ「インパクトは大事だよね、入団初日のさ」ニヘラ
ライナー(あ、イヤな予感しかしねえ)
-
※ここでいったん切ります。続きは入団初日から。
邪魔だ〜道をあけろ〜! 乙女様のお通りだぁ〜。
ひれ伏せぇ〜〜。汚物は消毒だぁ〜〜〜〜。
ヒャッハッハ、ひれ伏せひれ伏せぇ〜! 消毒されてえか〜〜〜〜!!
-
乙
やっぱりライナーに暴力はつきものだな
そしてエレンに暴力は振るわないアニ可愛い
-
乙女とはなんだろう。乙。
-
この>>1の妹系ミカサはかわいい。
頑張れ、期待している
-
なんやかんやで入団式の日はやってきたのだ。
エレンをはじめとする入団希望者たちは、トロスト区の訓練場に集められていた。
しかし、そこにアニ、ライナー、ベルトルトの姿はなかった。
エレン「いよいよ入団だな」
アルミン「とうとうこの日がやってきたね!!(ここにはアニがいない!! 素晴らしい!! 最高だ!!)」ニッコニッコ
ミカサ「う、うん」ドキドキ
エレン「なんだ、ミカサ。表情硬いぞ? 緊張してんのか?」
ミカサ「そ、そんなことない。だいじょうぶ。いつも、舞台に立っているときとおんなじ………すーはーすーはー」ガチガチ
エレン「無理すんな。アニがいなくて不安なんだろうが、俺やアルミンだっているんだ。いつでも頼っていい、安心しろよミカサ」ポンポン
ミカサ「っ………う、うん!!」パァアアッ
アルミン(ふふ、微笑ましいや……ああ、なんだろう……凄く和む……ああ、そうだよ。平穏ってこういうのを言うんだ………)ホッコリ
アルミンは幸せをかみしめていた。
しかし数十分後! アルミンの幸せは崩壊するッ!!
-
・通過儀礼中
キース「貴様は何者だ!!」
ミーナ「豚小屋出身のほぉぉおおおおお!! 家畜以下のほぉぉおおおお雌豚でしゅぅぅんほぉおおおおお///////」アヘアヘ
キース「ち、違うぞ! おまえはトロスト区出身、ミーナ・カロライナだ!」アセアセ
ミーナ「ンギィイイイイ//// ち、ちぎゃいましゅぅうううううう!! わりゃひはぁああああめしゅぶたでしゅあへええええええええええ/////」ブシャアアアア
キース「な、何をしにここに来た!!(き、きたねえ………)」ウエエエ
ミーナ「愚問でしゅのぉぉおおおお!! め、めしゅぶたはぁあああ肉便器にしかなれましぇんのほぉおおおおおおおお!! りっぱなおち●ちんをしごいてへぇええええみりゅくジュルジュルしゅるためにきまちたのほぉおおおおお//////」ビクンビクン
キース「」
ミーナは度重なるち●こ扱いに精神が耐え切れず、処女にしてヤリチンと化していた。
そしてシガンシナ区では既に性の現人神、兼教祖として崇め奉られている存在である。
すべてアニの差し金であることは言うまでもなかった。
-
ミーナが気が付いたときには、もはやすべてが手遅れになっていた。
子供A『あー、ミーナ様!』
子供B『ちがうよ、マーラ様だよ!』
子供C『わたち知ってる! マーラさまはかみさま! ちんちんのかみさま!! わたち知ってる!!』
老婆『ああ、マーラ様………ありがたや、ありがたや』オイノリ
女性『ご利益ご利益………子宝に恵まれますように』オイノリ
男性『勃起不全が治りますように………』オイノリ
ミーナ『』
世界は残酷であった。
こうなってしまっては、ミーナに残った選択肢はもはや開き直るしかなかったのである。
こうしてミーナが拝まれるようになった頃、ウォール教はシガンシナから撤退していた。いくら壁が神であると説こうが、既にそこにある現人神以上の説得力などあるわけがない。
撤退を選択したウォール教徒は賢明であった。あと少し撤退が遅ければ、アニによって巨人の餌とされていたであろう。
こうしてミーナは今日も元気にBIN☆BINであった。最近の悩みは、ご近所の奥様から熱っぽい視線を送られることである。
なお常時アヘ顔を晒してはいるが、アニは秘孔を突いてはいない。
-
眼鏡教官「や、やってるな」
モブ兵士「こ、今年はずいぶんとその………個性的? ですね?」
眼鏡教官「あ、ああやって恫喝することで、自尊心を砕いて、兵士としてまっさらな精神を作り出すのが目的、なんだ、が………」
モブ兵士「あ、あの子は、その、自尊心どころか羞恥心すら、かけらもないようで………」ハハ
眼鏡教官「な、なぁに! あれはきっと例外だよ! おっ、次の奴に声をかけるみたいだぞ」
キース「貴様は何者だ!!」
エレン「シガンシナ区出身!! エレン・イェーガーです!!」
キース「!? し、シガンシナ区、だと………!?」ギョッ
オ、オイ、マジカヨ
シ、シガンシナダッテ…!?
ミカリンノ……?
ッテイウカ、ミカリンイルゾ!?
ウッソ、ナンデ!?
キース(ゲェーーーーッ!? あの悪魔の地区からか!! しかも、グリシャの子か!? 全然似てねえーーーー!! なんつー悪人面してやがる!)
-
キース「こ、ここへ来た目的は何だ!?」
エレン「巨人を殺しに来ました!」
キース「巨人を殺したいのか? ならば殺す目をしろ!!」
エレン「絶対殺すマン」ギョロンッ
キース「ひぃいいいい!? だっ、誰が人殺しの目をしろといった!! 怖い! じゃない! き、貴様ができるのは脆弱な人間をいびり殺す程度だ!! 迫力なし! 練習しとけ!」
エレン「ハッ! エレン・イェーガー訓練兵、練習に励みます!!(なんだあのオッサン………脆そうだぜ)」ギラギラ
キース(あービックリした。絶対二三人殺してるよあいつ………っていうかグリシャの子だったのか………ちょっとチビッた。これからの三年間、どれだけ成長するのか今から恐ろしくてならん)ガクブル
キース(さて、次は………ん? あいつは………うん。気が弱そうだし、あいつにしとこ)
キース「貴様は何者だ!!」
アルミン「シ、シガンシナ区出身! アルミン・アルレルトです!!」バッ
キース(やはり気が弱そうだ。こいつには悪いが、ここでビシッと決めよう。周囲に俺という恐怖を刻み付けることで、兵士の上下関係の厳しさを示してやる)
浅はかな考えであったことをキースが後悔するまで、あと三秒であった。
-
キース「何をしにここに来た!!(ん? ちょっとまて………シガンシナ区出身?)」アレ?
アルミン「何をしに………?」
キース「どうしたッ! シャキシャキ答えんk」
アルミン「ケヒッ、ケヒッ!! あ、悪魔をッ! 悪魔を駆逐するための力をォ!! 身に着けに来ましたァ!!」グヘヘッ
キース「」
アルミン・アルレルト。ここにきて完全にキャラが崩壊し、ゲスミンと化す。
アルミン「そーだよ、せっかく訓練兵になるんだ! 僕はもう逃げないッ! あの金色の獣を!! あの小さな魔女を!! 僕のこの手でブチ壊してやるために!! 力だッ! 力が欲しいッ!! 力を寄越せッ!!」
キース「が、がんばってください………」ガクガクブルブル
アルミン「はいっ! あの野郎、絶対にブッ殺してやるッ………何が乙女だ腐れ三次元中二病ビッチが………犯してブッ殺して、死体をもう一度犯してやる………ブッ殺すッと心の中で思った次の瞬間には行動を終わらせられるぐらいに僕はここで強くなるんだ………」ブツブツ
キース(目がイッちまってやがる………なんて野郎だ)ガクガクブルブル
-
キース(かなりチビッた……むしろ漏れた。アルレルト訓練兵はこの世の地獄でも見て来たのか………いや、しかしシガンシナなら)
キース(くそう………このままじゃあ俺の威厳が………教官としての立場が………今年のボーナスが………)
キース(ん………? あ、あれは!?)
キース「貴様は何者だ!(わああああ生ミカ☆りんだああああああああああああ)」
ミカサ「し、シガンシナ区出身、ミカサ・アッカーマンです」ビクビク
キース「くだらない偶像なんぞお呼びではない! 何の用だ!? わざわざこんなところまで男漁りか、ああ!?(わああああああビクビクして怯えてるきゃわいよぉおおおおおおお)」
ミカサ「ち、ちがいます」
キース「ならば何をしにここに来た!?」
ミカサ「わ、私は…………歌って踊って巨人も削げる最強無敵のアイドルを目指してここに来ました!!」ビクビク
キース(きゃわわ)キュン
ジャン(きゃわわ)キュンキュン
-
キース(………この子はフツーにいい子だな。だが、すまない。これも兵士としての役目なのだ………)
キース「そうか………巨人も殺せるアイドルになりたいか」ギロッ
ミカサ「は、はい!」
キース「ふんっ!!」ヘッドバッド
ミカサ「あうっ!?」ゴツンッ
ドサッ
キース「ふんっ! 何を這いつくばっている!! こんな程度でへこたれるヤツが兵士になんぞなれるわk」
ミカサ「い、いたい………」プルプル
キース「えっ」
ミカサ「いたい………いたいよぉ………ふぇえええ!! いだいぃいいいいいい!!」ビエエエエエエエッ
キース「えっ」
ミカサ「やらっ! もうやらぁっ!! かえるっ!! ミカサおうぢがえるぅっ!! おかあざーーん!! おねえちゃあああん!!」ビエエエエエエッ
キース「ええええええええええええええええええ」
アニの妹として二年間を過ごしたミカサは、どこに出しても恥ずかしくない箱入り娘として成長していた。
-
ミカサ「びえええええええええええええ!!」エグッエグッ
キース「えっ、あっ、ちょ………」オロオロ
エレン「うわ、酷いブサイク面。どうしたミカサ? 何か悲しいことでもあったのか。俺に話してみろ」
キース「い、イェーガー訓練兵! 隊列を勝手にみだs」
ミカサ「ヒック………こ、この、おじざんが………ヒック、わ、私、何も、悪くないのに、い、いきなり、ヘッドバッドしてきて、い、痛くて………私」
エレン「ほぉー…………いきなり理由のねえ暴力とは、偉えんだなぁ、教官様ってのは…………」シャガッ
キース「」
アルミン(きゃーーーー、シガンシナの『狂犬』エレンが暴走モードに入ったようです。こいつぁ目が離せないやー)
二年前の話である。妹としてアニに可愛がられたミカサ同様、エレンもなぜか弟として気に入られ、アニからサツジン=ジツの指導を受けていた。
『乙女の嗜み』として、そして『紳士の嗜み』として、身に着けるのは必須だとアニにまんまと説き伏せられたエレンは、スポンジが液体を吸うような素直さで、着実にそれを身に着けていった。
そして二年後―――――そこには肉体を100%コントロールする術を体得し、リヴァイ兵長も真っ青なサツジン=ジツを身に着けた、殺意いっぱいのエレンの姿が!!
-
エレン「おいコラてめえ………何ミカサ泣かしてんだよ? 新兵苛めて過ごす老後は楽しいかジジィ?」ア?
キース「ひっ」ビクッ
エレン「火? 火あぶりがお望みか? あ? それとも何か、真っ赤に染めてほしいってか、あぁコラァ? おいコッチ向け。何目線そらしてんだオイ」ギラギラ
キース「ち、ちがっ………」
エレン「どうなんだ? ええ? 質問には答えろよ教官殿よぉ………弱い者いじめは楽しいかっつってんだよゴラ。なんなら………俺が代理戦争してやろうか? ン?」ナイフペローッ
キース(あ、死んだな俺)
キースが己の死を覚悟した瞬間、奇跡は起こった。
アニ「さがれ!! 道をあけろ〜〜〜〜!! 乙女様のお通りだぁああああああ!!」
そこに、ミーナを横抱きに抱えたアニが、すれ違う訓練兵たちの顔をつぶさに睨みつけながらゆっくりと闊歩する姿があった。
キース「」
アルミン「ゲェエーーーーーッ!?(なんか企んでると思ったらあのアマ、入団しにきやがったぁああああああああああ!!?)」ゲェーーーッ
エレン「おお、アニ!」
ミカサ「お、おねえちゃん!!」パァアッ
-
アニ「ひれ伏せ〜! 崇めろ〜! 拝め〜! 奉れ〜! アニ・レオンハート様のお通りだよ!!」
コニー「ヒ、ヒィイイイイ!!」ドゲザァ
サシャ「なんだかわかりませんがひれ伏さないとヤバいと勘が告げてますぅうううう」ドゲザァ
ジャン「何が起こってるんだ………」ドゲザァ
ライナー(本能で察してくれたか………それでいい)ホッ
ベルトルト(このまま、何事もなく終わってくれればいいんだけど………)ハラハラ
アニに付き従うように続くベルトルトの不安は的中した。
どこにでもいるものだ。不正に突っ込みたがる委員長タイプの人間というものは。
そしてそういう人間ほど、余計な割を食って後悔することになる。
今回、それに当てはまる哀れな人間は、そう――――。
マルコ「き、君たち! 今は神聖な入団式の最中で―――――」
マルコ・ボット。王に遣える憲兵を目指す、純真な少年で『あった』。この時までは。
過去形なのが残念である。
-
アニ「汚物はミーナだあああああああああ!!」ズブリッ
次の瞬間、マルコの尻穴にミーナがブチ込まれた! ワザマエ!!
マルコ「ぎゃあああああああああああああああああああ」
ミーナ「」ビクンビクン
ライナー「で、出たぁあああああああ!! ミーナのズブリ=アタックだ!! あれを喰らった人間は肛門が破壊され、人工肛門化待ったなし!! 極一部の連中はそっちの道に目覚めるって話だ!!」
ベルトルト「これでとうとう千人斬りを達成だああああああ!!」
エレン「おお!! ライナーとベイスターズも入団するのか! 楽しくなりそうだな!」
アルミン(エレンは平常運航だね、こんな時でも………畜生、僕も馬鹿に生まれたかった)アウアウ
ミカサ「おねえちゃんが来てくれた…………私、がんばれる!」ヨシ!
-
マルコ「あ、あが、あがががががが………」ガクガクビクンビクン
ミーナ(わあ、このヒトの中、キツキツであったかいナリィ………/////)グリングリン
ベルトルト「ミ、ミーナが悦んでる! 悦んでるぞッ!! あんな嬉しそうに蠢くミーナは初めて見た!!」
ライナー「そうか………千人目にしてようやく収まるべきケツを見つけたんだな………ヘヘッ、なんだか涙が出てきやがった」ゴシゴシ
アニ「ミーナをズブリし続けて来た身として、感慨深いものがあるね」グスッ
マルコ「が、がは…………な、なぜ…………ぼ、ぼくが、こんな………」
キース(え、なに。これ、どうすればいいの? マニュアルにねえよ、こんな非常事態への対応策なんて)
アニ「ミーナ、具合はどう?」
ミーナ「もう最高………私、とうとう居場所を見つけた。ここが、私の帰るべき場所………」ジーン
マルコ「そ、そこは、帰るところじゃなくて………だ、出すところ、だ………」ゼヒーゼヒーゼヒー
マルコ・ボット。意外に余裕があった。
-
アニ「おめでとう、ミーナ」パチパチパチ
アルミン「おめでとう」パチパチパチ
ライナー「おめでとう」パチパチパチ
ベルトルト「おめでとう」パチパチパチ
エレン「(よくわからんが)めでたいなあ」パチパチパチ
ミカサ「(なんだかわからないけど)おめでとう」パチパチパチ
その他「」
訓練兵たちは思考停止した。理解が追いつかなかったのである。
-
アニ「どうした? 感動的な光景じゃないか………どうして拍手をしない? ン?」
その他「!?」ビクッ
アニ「それともなにかい? 嫉妬かい? 羨ましいのかい? あんたらも、ミーナにブチこまれたいと? もといミーナをブチこまれたいと?」ン?
その他「!!?」ガクガクブルブル
訓練兵たちは理解した。この乙女に逆らったら―――――肛門が死ぬ。
ジャン「お、おめでとう、ございます」パチパチパチ
コニー「め、めでてえ、ことだな」パチパチパチ
サシャ「お、おめっとさん」パチパチパチパチ
アニ「笑顔で拍手しな!!」
オメデトォオオオオオオオオオオオ!!! パチパチパチパチパチパチパチ
万雷の拍手で祝福されるミーナは、幸せそうにビクンッと身を震わせた。
ミーナ(ありがとう………ありがとう、皆………/////)プルプル、ビュッ
マルコ「もる、すぁ………」ビクンビクン
-
クリスタ「あっ………」
ユミル「ど、どうしたクリスタ! さっさと拍手しろ! おまえもブチ込まれるぞ!?」パチパチパチパチ
クリスタ「あ、うん。知り合いなの」
ユミル「知り合いがどうしたってんだ?! そんなのいいんだよ! 早く笑顔で拍手しろッ! 間に合わなくなっても知らんぞッ!」パチパチパチパチ
クリスタ「あのね、私を助けてくれた人たち………あのアニと、ライナーと、ベルトルトなの」
ユミル「――――は?」ピタッ
クリスタ「そう。今でも思い出せる。二年半くらい前に、シーナで………」
ユミル「え? あ、なに? 語り出すの? 回想始まるの? 始まっちゃうの? え?」オロオロ
…
……
………
-
………
……
…
二年半前………ウォール・シーナ某貴族邸宅にて………その忌々しい事件は起こったのだ。
貴族子息A「やーい、ヒストリアはいらない子ー」
貴族子息B「不義の子ー、不貞の子ー」
ヒストリア「あうう、やめてよぉ………」ヒックヒック
貴族子息C「へへ、でも可愛い顔してるよな、こいつ………」ゴクリ
ヒストリア「ひっ………!?」
貴族子息D「不義の子でも、あそこの形は普通の女と変わらないか確かめてやるよ」
貴族子息A「ホーラ、ヒストリアちゃーん、ぬぎぬぎしましょうねぇ〜」ケケケ
ヒストリア「ひっ、や、やめて………」
ヒストリア・レイス。絶賛貞操のピンチであった。
-
貴族親「ワハハ、ワハハハ、まったくレイス卿も粋なことをなさる。こんな極上の玩具を息子たちに譲ってくださるとは」
ヒストリア「誰か、誰かぁ………」ヒックヒック
貴族子息A「ヒャッハハハ、呼んだって誰一人来やしねえよ!!」
アニ「いるさっ! ここに三人もな!!」パリーンッ
ヒストリア「!?」
貴族子息ズ「!!??」
貴族親「」
それはまぎれもなくアニだった。
-
貴族親「ろ、狼藉者!? ええい、警備の者は何をしている!!」
アニ「外にいた連中なら、今頃地獄でねぼけてるよ…………いたいけな少女がヒドイりょうじょくを受けてあひんあひんしてしまう薄い本のような悲劇にはもう飽きた。そんな無体はこの乙女が絶対に許さない!」
貴族子息D「ヘッ、許さねえならどうだってんだ? たった一人でのこのこレイプされにきたのか、お嬢ちゃん」ケッケッケ
アニ「三人といったはず! ライさん、ベルさん、懲らしめてあげなさい!」
貴族子息A「なっ!? う、後ろに誰かいるッ!?」
貴族子息B「誰だッ!?」
ライナー「当ててみな。壁外に招待してやるぜ」ガブッ
ベルトルト「最も、君らみたいな糞のにおいのする連中なんざ、巨人も見向きもしないだろうがね」ガブッ
カッ!!
鎧の巨人「THIS WAY………」オレタチオマエ
超大型巨人「FOLLOW ME………」マルカジリ
貴族子息ズ「」
アンギャーーーーー
-
貴族親「きょ、巨人だと…………!? そ、そんな………こ、こんなバカなことが!!」
アニ「あとはきさま一人だね………因果応報。天網恢恢。悪因には悪果あるべし。さあ、力を抜くんだ………やったらやり返される。やっていいのは、やられる覚悟のある奴だけだ。ただし清らかな乙女は除く」ブンブン
ミーナ「サイショカラクライマックスダゼ」ブルンブルン
貴族親「」
それはペ●スというにはあまりにも大きすぎた。
大きく、長く、重く、太く、そしてカリ高すぎた。
――――それはまさに巨根だった。
後に『巨人ころし(意味深)』と呼ばれるアニ・レオンハート最強のスタンドである。
恐るべきことに未だ成長過程であり、その成長性はランクにしてAであった。
-
貴族親「ひぃっ!? く、くるな! そんな明らかにサイズ過剰なペ●スをブルンブルンさせながらこっちにくるんじゃあないッ!!」ケガラワシイゾッ
アニ「あんた初めてか? 心配しなくても、ローションぐらいぬってやる。乙女の慈悲だ」ブブブブブブブ
ミーナ「ヤッテヤルデス」グリングリン
貴族親「やめろ! そのヌメッた肉バイブを小刻みに振動させんな!! 初めてだろうと熟練者だろうとローション塗ってようと入らねえものは入らないッ!! 鼻の穴にスイカが入らないようにッ!! 物事には適正サイズというものがあるッ!!」ヒィイイイ
アニ「だいじょうぶ。ちょっとドモンッとかブチンッとかボゴォッとかいう形容しがたい音がした瞬間、肛門括約筋が根こそぎ引きちぎられ、激痛が体中を駆けめぐるだけで害はない。ちょっと人工肛門になってしまうけれど」ブルンッ
ミーナ「/////」ビンビンッ
貴族親「おそろしいわ!! く、くそっ、こうなったら!!」ガシッ
ヒストリア「きゃあっ!?」
ライナー(人質か………必死だな)ムリモナイガ
ベルトルト(だが無意味だ)ゴシュウショウサマ
アニ「その子を離しな。激しく掘るぞ」
貴族親「へ、へへ! できるもんか! こ、このナイフが見えるか! 見えるなら、それ以上近づくな! こいつがどうなってもいいのか!」
アニ「論理の欠片もないね、いいわけないだろ。だから離せ――――そして激しく掘られろ」
貴族親「交渉になってねえ!! それが嫌だからこうして人質取ってるんだよ! 分かれよ!!」
-
アニ「その程度のコウショウ=ジツで乙女たる私を説き伏せられると思っているのかこのスイーツ脳が。眼球にミーナぶっ刺すぞ」
貴族親「そんなんで世の中渡っていけると思ってんのかダボがッ! てめーこそ頭に何詰まってんだシュガーか!」
アニ「待ってな、そこの乙女。すぐにこの変態をボラーレウィーアさせて助けてあげるからね」
ヒストリア「は、はい」ビクビク
貴族親「聞けよ!!」
アニ「いいや、聞く必要はないね。もはや――――既に………」
アニ「準備は出来ている」バァーーーンッ
-
アニ「準備は出来ている」バァーーーンッ
貴族親「何の準備だボゲッ!! 降参の準備か、あぁ〜〜〜〜ん?」
アニ「………乙女として、あんたに足りないものを一つ教えておいてやる」
貴族親「足りねーのはてめえの脳味噌だウスラバカがッ! だが聞くだけ聞いてやるよ………何が足りないって?」
アニ「危機感だ」ゴゴゴゴゴゴゴ
貴族親「何ぃ…………ッ!?」
アニ「…………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
貴族親「お、おい、きさま…………さっきまで抱えてたやつはどうした」
アニ「抱えてたやつ? なんのことだい………?」ドドドドドドドド
貴族親「とぼけるんじゃあねェーーーーーッ!! てめえついさっきまでッ! さながら巨人用と疑いたくなるような大人のオモチャ手にしてただろうがーーーーッ!!」
-
アニ「ああ、それならあんたの後ろにいるよ」
貴族親「ッ………へ、へへ、やっぱり頭脳がマヌケだな、てめェーッ! そんな誘導に引っかかってスキを見せるとおも」
ミーナ「ガトチュエロスタイム!!」ズモンッ
貴族親「おぎゃあああああああああああああああああッ!!!!!!?」
アニ「あんたまさか―――――追い詰められた挙句に人質、なんていう三下の見本のような即死コンボを出したヤツが、ここを切り抜けられるとでも本気で思っているのかい………?」
ミーナ「フルパワー!! エイッ!!」ミチミチミチッ
貴族親「ぴぎぃいいいいいさけちゃうにょほぉおおおおおおおおおおおお!!」アババババ
-
ヒストリア「あうっ!!」フラッ
ライナー「おっと」スッ
ヒストリア「あっ………////(お、お姫様だっこされちゃった………)」カァアッ
ライナー「大丈夫か? どこか怪我はしていないか?」
ヒストリア「あ、ありがとうございます………私なら、おかげさまでだいじょうぶです////」
ライナー「ならよかった………怖かったろう?」
ヒストリア「いいえ、ちっとも////」ニコッ
ライナー(結婚したい)
ベルトルト(おのれライナー)
貴族親「ハァーッハァーッハァーッ………ば、バカな………ば、バイブが、なぜ、バイブが、ひとりでに俺の尻を突き刺したのだ………?」ガフッ
アニ「ミーナは汎用自律マラ型決戦肉バイブだ………自動的に尻穴を追尾し、自らの意志で貫くべき悪の肛門を貫く」
ミーナ「一体いつから――――私がただのバイブだと錯覚していた?」ギチチチッ
貴族親「ぐ、ぐぎ………け、ケツの中から、声が………ア、アバーッ………そ、そんな、意思持つバイブなどと…………」
ベルトルト(どこに突っ込めばいいんだ。いや、突っ込んでるのはミーナなんだけど、決してギャグじゃないんだけど、なんなんだこれ、なんだこれ)
-
貴族親「ヒッ、ヒィーーーーー!」ヒッヒッフーヒッヒッフー
アニ「どう? ミーナ、その変態の具合は」
ミーナ「最悪よ。冗談のようにガバガバなアナルね」
アニ「略してジョバァーナね」
ライナー(荒木先生に謝れ。そういう意味じゃねーから)
ベルトルト(つーか君にブチ込まれたら誰でもジョバァーナになるだろう)
貴族親「ぎぎぎ………や、やめろ、人様の腹ごしに会話するな………」ゼヒーゼヒー
しかしこの二年半後、ベルトルトの予想は裏切られる。
よもやミーナを許容するアナルを持つ人類が現れようとは、この時点では誰も予想がつかなかったのである。
ミーナ「ジョバァーナ! いいわねそれッ! いい表現だわッ! 気に入ったーーーーーーッ!」
アニ「ニョホッ」グッ
ミーナ「ニョホッ」グッ
貴族親「アヒィ、アヒィ、アヒィイイイイイイ!!」イタイヨイタイヨ
-
貴族親「し、尻が、尻が焼ける………お、おれの、肛門がァアアアア………」
アニ「だいじょうぶ。人工肛門がある………と言いたいところだけど、まだまだこれからだ」
貴族親「こ、これ以上、な、なにをしようっていうんだ………」
アニ「なにって………言わせないで、はずかしい////」ポッ
ライナー(ナニする気か。しかし恥ずかしがるポイントがわからん)
ベルトルト(アニマジ乙女可愛い)
アニ「あんたがこれまで重ねて来た悪行は、これぐらいじゃ生ぬるい。まだまだ『つけ』の支払いが足りていないんだ」
貴族親「な………ど、どういう、ことだ?」
アニ「バクチをやっているといろんなツテができてね。そのスジのやつから聞いたんだよ。あるシーナの貴族がその権威をかさにきて、民に実際ヒドイことをしていると………可憐な乙女をむりやりはずかしめて、その『尊厳』をふみにじっている『不貞の輩』がいると………」
貴族親「!?」ビクッ
-
アニ「―――――このアニ・レオンハートは………いわゆる乙女という称賛を一身に浴びている」
ライナー(ねーよ)
ベルトルト(あると思います)
アニ「掛け金を払えないバクチ相手を必要以上にミーナでガズボズボして、いまだ病院から出てこれないヤツもいる……」
アニ「イバるだけで能無しなんでミーナをブチ込んでやった憲兵野郎はもう二度と自力で排便を我慢できない………」
アニ「料金以下のマズい飯を食わせた店の店主の尻をミーナで抉るなんてことはしょっちゅうよ!!」
ライナー(俺達、よくも今まで無事に生きてこられたもんだ。つーか改めて考えなくても悪魔だなこの女)
ベルトルト(だが乙女と言い張る。言ってのける。そこにシビれるアコがれる)
アニ「そんな私だからこそ、『はき気』のする悪は分かる!!」ギラッ
アニ「『悪』とはてめー自身のためだけに弱者を利用しふみつけるやつのことだ!! ただしやるのが乙女ならばOK」ピキーン
ベルトルト(論理的に間違っている)
ライナー(そして人としても致命的に間違ってる)
-
ヒストリア「何が何だか分からない………」
アニ「ましてや乙女をーーーーーッ!! あんたのやったことはそれだ。あ〜〜〜〜ん、あんたは権力者で、か弱い乙女をてごめにしたって被害者は泣き寝入りするしかないし、憲兵も動かない……だから!」
アニ「私が裁く!」ピシュッ
貴族親「アイエッ、アイエエエエエエエエエエエ!!?」
アニ「そしてあんたの財産は全て私が貰い受ける」ホッコリ
ライナー(どっちかというとそっちが主目的で、この子助けるのはついでだったろ)ワルモノハテメーダ
ベルトルト(流石はアニ………本当に頭のいい乙女)コノチンコデイチコロトイウワケヨ
-
貴族親「た、たのむぅ………み、見逃して、くれぇ。これ、これを、抜いて、抜いてくれ………」
アニ「だめだ」ニッコリ
貴族親「ですよねー」ニコリ
アニ「むしろヌくのはこっちだ。ミーナはもうBIN☆BINなのさ」
ミーナ「//////」ビンッビンッ
貴族親「ち、ちくしょう、何が悪いってんだ………おれは権力者なんだ。弱いヤツから搾取して、なにが………」
アニ「悪いに決まっている。あんたは乙女じゃあない。薄汚い変態だからな………仮に悪くないとして―――――これから私があんたに行うことは、全てあんたがやってきたこと。つまり」
アニ『私は悪くない』
ライナー(アニが括弧つけた)キュン
ベルトルト(やだ、かっこいい……////)キュン
ヒストリア(あ………////)ドキッ
-
アニ「つまりィ」パチンッ
貴族親「!?」
アニ「悪いのは―――――てめえのほうじゃないかァーーーーー!!」ヤッチマイナー
ミーナ「ヤッテヤルデス」ギュイイイイイイ
貴族親「いぎゃあああああああああああああああ!!!!?」
ミーナ「マラマラマラマラマラマラマラララララ!!」メリメリメリ
貴族親「あびゅぅびぃいいいいいいいいいいいいいいいい!?」
ミーナ「マララララマラ裁くのはッ!!」ガズボズボ
貴族親「あぼべっ、ぶぼっ、おべろばっ!?」
ミーナ「私のマラだァーーーーーーーーー!!!」ドッピュゥーーーーーン
貴族親「アヘェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ」
ライナー「なあ、ベルトルト。見慣れたはずのこの光景だが、いつもいつも嫌なデジャビュを感じるんだ」ガクガクブルブル
ベルトルト「僕もだ。なぜか僕はドリルで尻から脳天までを貫かれるような恐怖を感じる」ブルブルガタガタ
ヒストリア「二人とも、疲れているのよ」
-
………
……
…
アニ「悪者はやっつけた。もうあんたは自由だよ………帰る家は、あるのかい?」
ヒストリア「…………」
アニ「そうか。悪いことを聞いたね…………あんた、名前は?」
ヒストリア「わ、私はヒスト…………」
アニ「ん?」
ヒストリア「あ、いや、その、えっと…………」
もはやヒストリア・レイスは名乗れない。
私にはもう、名前がないのだ――――。
-
アニ「名乗る名前がないのかい? じゃあ私が名付けてやるよ」
ヒストリア「えっ」
アニ「ティンポジ・ズレテールコ」
ヒストリア「」
ミーナ「まあッ! 素敵な名前ねッ! 愛称は『ティンコ』ねッ!!」
ヒストリア「」
お分かりいただけただろうか。
『レオンハートランド』しかり『聖乙女・十字陵』しかり『マリみて』しかり、アニには致命的なまでにネーミングセンスというものがなかった。
乙女のちょっとしたギャップ萌えというヤツである。
-
アニ「ステキな名前だろう? これからはそう名乗るといいよ」ニコリ
ヒストリア「あ、い、いえ、その………」オロオロ
ライナー(そ、そんなすがるような目で見られても、す、すまない………これに限っては、アニは本気で悪気がないんだ。むしろ善意だ………自分でなんとかしてくれ、名も知らぬ美少女よ)スマヌ
ベルトルト(マジで大真面目だから否定できないんだよ………自力で切り抜けてくれ。このままじゃ君、『ティンコ』だよマジで)スマヌ
アニ「どうしたの、ティンポジ」
ヒストリア「ッッッ………!!(やばい! やばいよ! このままじゃ私マジでティンポジなんて名前で残りの人生を過ごすことになるッ!!)」
-
ヒストリア「そ、そうッ! 思い出したッ! わ、私はクリスタ・レンズです!!」
アニ「クリトリス・レズ? なにそれ淫猥」
クリスタ「クリスタ!! クリスタ・レンズ!!」
アニ「クリスマス・レズ? なにそれ非生産的」
クリスタ「違うってば! ク・リ・ス・タ!! クリスタ・レンズ!!」
アニ「クンニリングス・レズ? 何が国だよクンニしろオラァーーで有名な、あの?」
クリスタ「あのってどの!? レズから離れてッ! お願いッ! マジでッ!」ブワッ
ベルトルト「なぜか近い将来、僕も名前ネタで弄られる気がしてきたぞッ!」
ライナー「ベギラゴン、おまえ疲れてるんだよ」
ベルトルト「ほォーらきやがったァーーーー!! 誰が閃熱系極大魔法だよイオナズンするぞてめえコラ」ピキピキ
-
アニ「ああ、クリスタ・レンズね。全く紛らわしい名前だ。ああいやらしいいやらしい」
クリスタ「ご、ごめんなさい(ひどい)」シュン
アニ「紛らわしいから、せめて苗字は変えな」
クリスタ「えっ」
アニ「――――レオンハート、だ。そう名乗って、ここを訪ねな」スッ
クリスタ「えっ………」
アニ「私の息がかかった連中だ。少し気は荒いが、悪い連中じゃあない。私の名前を出して、これを渡せば、身の回りの面倒ぐらいは見てくれる」
クリスタ「そ、そんな。こんな、こんな、どうして私なんかに………」オロオロ
アニ「――――困っている乙女を助けるのに、理由がいるのかい?」フッ
クリスタ「ッ………」ブワッ
ライナー(あ、あれ? なんかイイハナシダナーでまとまりかけてね? 嘘だろ………?)
ベルトルト(そしてライナー。君、立てたフラグがポッキリへし折れそうになってるよ)
-
アニ「あんたは今日から、クリスタ・レオンハートだ。あんたが堂々と自らの名前を名乗って生きられないのなら、胸を張って私の姓を名乗り」
アニ「私の妹として気高く生きろ」
クリスタ「キュン」
ライナー(お、落としたー! 落としよったああああああ!!)
ベルトルト(かっけーッス! アニ様マジかっけー!! 僕が女なら黙って股開くレベルッス!!)
クリスタ「お、お姉さま…………/////」ドキドキ
アニ「うん。そっちの方がいいな。暗い顔してるより、その笑顔がいい。やはり乙女は笑顔でなくっちゃあね」フッフッフ
ライナー(イイハナシダナー)
ベルトルト(ホンマやで。ええハナシや………)
-
アニ「さあ、帰るザマスよ」
ベルトルト「いくでガンス」
ライナー「フンガー」
クリスタ「ありがとう………ありがとう………」ポロポロ
アニ「おっと、忘れていた」クルッ
貴族親「」ピクピク
アニ「…………」サラサラ
アニ「『つけ』の―――――領収書だよ」ビッ
クルッ
バァーーーーン!!!
-
………
……
…
夜・食堂
クリスタ「――――ってことがあったのよね、お姉さま!」ニコニコ
アニ「懐かしいね。あの頃の私は少しばかりおてんばだったよ」フフ
エレン「いいはなじだなぁ………」エグッエグッ
ミカサ「むー………」プクーッ
クリスタ「こんなところで再会できるなんて思わなかった。私、すごくうれしいよ」ニコニコ
アニ「私も嬉しいよ。ところでミカサ、どうしてそんなふくれっ面をしているんだい?」
ミカサ「ぷいっ」プクー
エレン「はは、あれだよ。きっと自分のねーちゃんをクリスタに取られたみたいで悔しいんだろ」
ミカサ「なっ………ち、ちがっ、ちがう。そんなことで、私は………」ワタワタ
-
アニ「そういうこと…………馬鹿だね、ミカサは。本当に出来の悪い妹だ」
ミカサ「ふえ………」ジワッ
アニ「あんただけのお姉ちゃんではいられないけれど………ミカサはミカサ、クリスタはクリスタ」
アニ「どちらも私にとっては、最高の妹だ。同じ姉妹だ。仲良くやりな」
ミカサ「お、おねえちゃん!」ギュッ
クリスタ「お姉さま!」ギュッ
アニ「はっはっは、くるしゅうないくるしゅうない」オホホホホホ
ライナー(クリスタに抱き付かれるなんてうらやましい!!)グヌヌ
ジャン(ミカ☆りんに抱き付かれるなんてうらやましい!!)グヌヌ
ベルトルト(アニに抱き付けるなんてうらやましい!!)グヌヌ
アルミン(そのまま絞め殺してくれないかなあ……)ニコニコ
エレン(家族が増えたな。どんどんにぎやかになっていいことだ)ハハハ
-
訓練場を血に染めるマルコの純ケツ(意味深)
なんやかんやで入団時のインパクトで、訓練兵団の恐怖支配に成功したアニ一行。
厳しくも楽しい訓練兵団での日々を過ごしながら、アニたちは壁の秘密、そして世界の真実へと迫っていく………。
次回『アニ乙女』第四話―――――『巨人だ!! なあ、巨人だ! 巨人だろうおまえ!!』を、皆で見よう!
ユミル逃げて。超逃げて。
-
大量更新きたと思ったらミーナ祭りだぜ!
乙!
-
アニとミーナが弾けまくってるな。乙。
-
おとめの ちからって すげー
-
マルコ、すげえ。
-
乙。
ミーナ弄りが盛りだくさんでワロタw
ミーナこわい((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタカタカタカタ
-
続き楽しみ。
-
尻穴追尾機能搭載ミーナに爆笑した
-
おいつまんねえぞ
-
保守
-
血の入団式を終え、アニたちは訓練兵団へと入団した。
そして一か月後!!
アニたちは!!
〜夜・食堂〜
エレン「四つん這いにしたジャンを椅子に足を組んで腰掛け、右手でワイングラスを揺らし、左手に鞭とか何様だおまえは」
ジャン「」
アニ「乙女様だ。この人間に酷似した馬面は馬なだけあってとても座り心地がいいんだよ」
ジャン「なぜだ………なぜこうなった………どうして俺は、こんなことになってる………?」ブツブツ
アニ「馬が人間様の言葉を喋るな………全身が性感帯になる秘孔突くぞ」ビシィッ
ジャン「ヒヒンッ!?」イタイ
-
アニ「うん。馬はそれがいい。ヒヒーンがいい」ドヤァ
ライナー「乙女とは程遠い格好だぞそれ………どっかの女帝か」
アニ「失敬だね。これは淑女の優雅なひとときのポーズだよ」
ライナー「独裁者のポーズとか支配者のポーズっていうんだそれは。楽しいか、それ?」
アニ「ぶっちゃけ飽きたね。退屈だ。ライナー、ちょっと面白いことしなよ」
ライナー「おまえはいつもいつも唐突すぎるわ………いきなり無茶振りとかやめろ」
アニ「突然ライナーの乳腺が異常発達して母乳を分泌するような超展開が起こったりしないの?」
ライナー「しねえよ! 誰が得するんだよそんな展開」
アニ「皆がライナーのことをキモがってライナーの心が著しく傷つき、結果として精神が八つに分裂したりして、それを見た私が愉悦に浸ることができるよ」
ライナー「おまえ最低だな!?」
-
アニ「ライナーは全く使えないね」
ライナー「オイ。コラ。オイ」
アニ「となると………」チラッ
エレン「はぁ、はぁ………へ、へへへ、やっぱりこの研石と金属のこすれあう感触は最高だ………ひと研ぎごとにきらめきを増して………ふひふひひ、おまえの輝きが今日も俺を狂わせる………」ハァハァ
アニ「そこでナイフ研ぎながらニタついてる愚弟。面白いことをしな」
エレン「え………やだよ。俺、夜はナイフ研ぐって決めてんだ。やらないと寝つきが悪くなるんだよ」
アニ「いいからやりな。ちゃんとできたらこのエリミネイターやるから」
エレン「マジで!!?」
アニ「マジだ。やりな」
エレン「誰を愉快なオブジェにすればいいんだ? ライナーか? ライナーでいいんだよな?」ワクワク
ライナー「」ゾクッ
アニ「バカ、ゴリラはもはやゴリラで完成形なんだ。そこに改めて手を加えようなんてシツレイに当たる。そんな前衛芸術なんか見てもぶどうジュースがマズくなるだろう」ゴクゴク
エレン「あー、それもそうだな」
ベルトルト(ワインじゃないのかアレ)
ライナー(セーフ。俺セーフ。あそこでアニが「殺れ」と言ったら俺は死んでいたな………それとエレン。おまえ後で説教な。二つの意味で)
-
アニ「ほら、ここに都合よく丸太があるから、私の彫像をナイフで彫ってごらん。仕上がりが美しくなかったら抉るからね」
エレン「は? 俺の不器用さは知ってんだろ」
アニ「何、今のうちに言い訳? みっともないね、男の子でしょ?」
エレン「そうじゃねえよ。アニをそのまんま彫ったら美形になるだろ。アニは美人だし。何の嫌がらせか知らねえけど、俺、不器用だから。わざわざブスに作れねえよ」
アニ「キュン(×20)」
エレン「やった、20キュンだ」
アニ「や、やるね。あと5キュンでバタフライナイフと交換だよ/////」テレテレ
ベルトルト「どういうポイント制なんだこれ………」
ライナー「アニをきゅんきゅんさせるごとにポイントが溜まっていき、ポイントの合計に応じてアニからご褒美がもらえるというシステムだぞ。なんだ、知らなかったのかベルトルト?」
ベルトルト「!? し、しらない!!」
アニ「あ、ベルトルトにきゅんとさせられたことはなかったから教えてなかった」シレッ
ベルトルト「」
-
乙女きたー!
-
エレン「そんじゃ彫るぞー。てややー」ヒュン
ズバッ、ザクッ、シュシュシュッ
エレン「どうだ」ドヤァ
アニ「これは………エクセレント!」
ミカサ「醜いゴリラを足蹴にすることで、お姉ちゃんの美しさがより際立っている」
クリスタ「お姉さまの表情も凄く凛々しくてステキ」
アニ「実に紳士的だ。私の教育の賜物だね。パーフェクトだ、エレン」
エレン「感謝の極み」
ライナー「もう俺の扱いはゴリラで固定なんだな」
ベルトルト「爽やかな笑みを浮かべたアニに踏まれて泣きじゃくってるライナーの彫像か………これまた誰が得するんだろう」
アニ「はい、エリミネイター」ハイ
エレン「わーやったーーー!!!」
ライナー「もうエレンはダメだな」
ベルトルト「ああ。手遅れだね。彼は頭の具合がよろしくないせいもあって、早々にアニの洗脳にやられたから………」
-
アニ「ふう。一時の暇つぶしにはなったね。だけどまた暇になってしまったよ………じゃあ」チラッ
アルミン(やべえ。こっち見た………)ゾクッ
アニ「アルミン。いっちょここいらで『実は僕、女の子だったんだ………』とか衝撃の事実をカミングアウトしてくれない?」
アルミン「僕は生まれた時から今まで、そしてこれからもずっと性別男で生きていくつもりなんだけど!? っていうかこれまた誰が得するの?!」
アニ「………みんなの意見を聞いてみよう。ハイ」ハイ
ライナー「ぶっちゃけ、アリだな」ウンウン
ベルトルト「アルミンは中性的な容姿をしているからね。悪い意味じゃなく」ウンウン
ミカサ「アルミンは、かわいい」コクコク
クリスタ「お姉さまが仰ることなら………」コクコク
アルミン「どいつもこいつもチクショウ!!」
-
エレン「何言ってんだよ。アルミンは男だろうが………つーか何度も一緒に風呂入ってるだろ………」
アルミン「君だけが僕の味方だよエレン!!」
アニ「エレン。あんたの大したことのない脳内記憶にあるアルミンの股間をいまじねーしょん」
エレン「んー? ぽわぽわぽわ………」
アルミン「えっ!? ちょ、何してんの!? エレンも律儀に思い出さないでよ!」
アニ「してみた? ハイ、そのうえでミーナのご立派にそそり立つ威容を一瞥」
エレン「じーっ………うん。今日もミーナはご立派だな。ご立派様だ」ウンウン
ミーナ「ポッ/////」
アニ「ハイ、アルミンに視線を戻しましょう。股間あたりに視線を集中させるとベターです。ではもう一度答えを述べてごらん。かもん」
エレン「…………!! ア、アルミン、お、おま、女だったのかよ! だ、ダメだろ! 子供の頃とはいえ、お、男と一緒に風呂なんて………」アワアワワワ
アルミン「―――――――」ジャキン
ベルトルト「やめるんだアルミン!! そのククリナイフどっから出した!! やめて!! やめてったら!!」
アルミン「ゆるさぬ。ゆるさぬぞきさまら………もはや友とはおもわぬ」
ベルトルト「落ち着いて! やめて! 大丈夫、膨張率という救済の慈愛に満ちた言葉がこの世にはあるんだ!!」
アルミン「ぶちころしてやるです」ピキピキ
-
ライナー「アニ! どうにかしろ!!」
アニ「仕方ないね………ほら、アルミン。お座り」
アルミン「ハイ」チョコン
アニ「いい子いい子」ナデナデ
アルミン「ゴロゴロ………」
ライナー「ふぅ………アルミンが既に魂レベルで調教済みじゃなかったら即死だった………」
ミカサ「うう、エレンと一緒にお風呂なんてねたましい」グヌヌ
アニ「気持ちを落ち着けるんだ、ミカサ。フォースの暗黒面に囚われてはいけない。憎しみは全てライナーに向けるんだ。森のゴリラは大らかだ。寛大な心ですべて受け止めてくれるはず」
ライナー「!?」エッ
ミカサ「うん、わかった」
ライナー「!?」エエッ
ミカサ「えい、えい、えい」ゲシッゲシッゲシッ
ライナー「ぎゃっ、み、ミカサ! 脛を蹴るな! 地味に痛い! 地味に痛い!」
-
アニ「もっと腰を入れて。左右にリズムを取ってテンポよく。高速のシフトウェイトだ。親指で地面を掴むように、上から叩きつけるように、腰で足を振るんだ」
ミカサ「しっ、しゃっ、きゃおらっ」シュバシュバシュバッ
ライナー「なに的確にアドバイスしてんの?! かなり痛い! かなり痛い! 段々一撃一撃が重くなってきてる痛いやだコイツ呑み込み速い!!」
アニ「シャイ! シャイ! シャイ!」ヒュバズガッゴキッ
ミカサ「しゃい! しゃい! しゃい!」バシュドガッ
ライナー「テ、テメーアニなんでテメーまで俺を蹴、ギャッ、前後攻めはっ、ぎゃっ、ぎゃっ! く、クリスタァアアアア!! この二人を止めてくれェエエエエエエ!!」アイエエエエ
クリスタ「お姉さま、アレを使うわ」
アニ「ええ、良くってよ」ニコリ
ライナー「神は死んだ」
ミカサ「すーぱー!」
クリスタ「いなずまー!」
アニ「ミーナ=アタック」ズブリッ
ライナー「うわらば」ゴシャア
ベルトルト(今日も壁内は平和だな………)
-
アニ「じゃあお次はサシャ。犬の物まねで私を楽しませな」
サシャ「え、ええええっ!? で、でもそんなこと、いきなり………私だって女の子ですし、そんなはしたないことは」オロオロ
アニ「上手にできたら骨付き肉をあげよう」
サシャ「どうぞお気軽に犬とお呼びください」
アニ「犬」
さしゃ「わんっ」ヘッヘッ
ライナー「安いな」
ベルトルト「安いね」
アニ「何個欲しいんだ? 二個でいいか?」
さしゃ「わふっ、わうわうわう!!」
アニ「三個!! 三個欲しいのか! 太いの三個欲しいのか? 三個………イヤしんぼめ!」
ライナー「日に日にサシャの扱いが愛玩動物のそれになっていっているな」
ベルトルト「アニもそのつもりで接してると思うよ」
-
アニ「ホラ、ミカサも餌付けしてごらん。大丈夫! 食には意地汚いけど、決して噛まないから」
ミカサ「う、うん」ドキドキ
さしゃ「わふっ! わふわふっ!!」ハグハグ
ミカサ「わぁああ………」パァアアッ
クリスタ「お姉さま、私も! 私も!」ピョンピョン
アニ「ふふ、しょうがないねえ。ほら」
さしゃ「わうっ、わうんっ、わうっ!」ガツガツ
ライナー「餌付けてるのが本当に犬猫なら、単なる微笑ましい絵面なんだがな」
ベルトルト「シュールレアリズムを通り越して軽く涅槃に至りそうな心地だよ」
アルミン「恐ろしいね。何が恐ろしいって、もうこんなフザけた光景に慣れてしまったことが恐ろしい」
ベルトルト「そうだね」
-
アニ「そういえばアルミン。暇つぶしのために作らせておいたアレはどうなってる」
アルミン「ああ、あれ? 一応ベータ版が出来てるよ。ホラ」ドスン
ベルトルト「なにこれ。鉄の箱?」
アルミン「パソコン」
ライナー「とうとう世界観ブッちぎってきやがったな」
アニ「よろしい。じゃあプレイしよう」
ライナー「何の話だ」
アニ「ギャルゲー作らせてみた」
ライナー「ソフトウェア開発まで!!」
-
ライナー「で、なんだこりゃ。R卒団指定のエロゲー? 恋愛シミュレーションゲームかこりゃ?」
アニ「普通のギャルゲーならそうだね。けれど、このゲームは一味違う。攻略するのは主人公の方じゃあない。むしろ主人公は攻略対象なの」
ベルトルト「え? それってあべこべじゃない?」
アニ「主人公には既に彼女がいる。子供の頃からずっと一緒だった可愛い幼馴染で、主人公にべったりで時に姉のように叱り妹のように甘えてくる」
ライナー「いい娘じゃないか」
ベルトルト「これってもうハッピーエンド後じゃない? というかどういうゲームなの? 交際後から始まるならその後の愛を育んだりするようなゲーム?」
アニ「違う。この主人公が攻略対象だって言ったでしょ。簡単に言えば、主人公はモテモテキャラで、彼女がいても他のキャラクターたちがなりふり構わずフラグを立てようと、こちらの好感度を上げる行動を取ってくる」
ライナー「成程。そいつらの誘惑を振り切って幼馴染への一途な愛を貫けばいいわけだな」
ベルトルト「あるいはアプローチをかけてくる他のヒロインに乗り換える、と。その修羅場が見どころだったりするのかな? それはそれで面白そうだね」
ライナー「うん。フツーに面白そうなゲームだな」
ベルトルト「そうだね」
アルミン「…………」
ライナー「オイ開発者、なんだその空虚な笑みは。何が言いたい。どういうゲームなんだ。言いたいことがあれば言え」
-
アルミン「………ヒロインは全部で二十人。下級生、同級生、上級生を始め、教師、血の繋がらない妹と姉、義母、王女など多岐にわたる立ち位置。属性もツンデレからヤンデレまで王道各種、体型もロリっ子からグラマー、スレンダーに合法ロリ、熟女まで取り揃えている」
ライナー「多いな。主人公はそんな人数から一斉にアプローチを受けるのか」
ベルトルト「その中で好みの子がいたら、つい揺らいじゃうかもね」
アルミン「ただし、全員ブサイクだ」
ライナー「」
ベルトルト「」
-
アルミン「だが、彼女たちの心は美しいんだ。誰も彼も雨の中捨てられている子犬や子猫を抱き上げて家に連れ帰り、ミルクを与え、温かい寝床を用意してあげる慈愛に溢れている」
ライナー「そ、そうか。だ、だったらいいんじゃないか」
ベルトルト「で、でもホラ、やっぱり最初から付き合っている子の気持ちを裏切ってほかの女の子になびくのはどうかなぁ、なんて………」
アルミン「言い忘れていたね。幼馴染のメインヒロインだけど、その子は美人だが、恐ろしく心が醜い」
ライナー「」
ベルトルト「」
アルミン「雨の中捨てられている子犬や子猫を嬉々として嬲り殺しにするレベルで性根が腐ってる。主人公の前でだけは猫っかぶりだ。ちなみにこれはゲームを進めていくと段々恋人の本性が明らかになっていく設定だ」
-
ライナー「心折設計にもほどがあるだろ………」
ベルトルト「だ、だったら、アレだね。ヒロインたちの誰かに乗り換えちゃってもいいんじゃないかな。ほら、顔がインスマスブスだとしても心がアトランティス美形ならそれで」
アルミン「なおヒロインの大半はワキガで、歯槽膿漏の子が何人かいる。中には腐った生魚のような香りを出す子も」
ライナー「」
ベルトルト「」
アルミン「もちろんギャルゲーだからエロシーンも完備だ。ヒロイン一人当たり平均で五回ほどHイベントがある」
ライナー「」
ベルトルト「」
アルミン「イベントCGは各員50枚以上だ。差分抜きで。一切の手抜きをしていない。僕は、頑張ったよ。何を頑張ったかは、言わなくてもわかるね? わかるだろ? わかれ………!!!」ポロポロ
ライナー「」ポロポロ
ベルトルト「」ポロポロ
アルミン「こんな、こんなッ………こんなゲームッ………ひっ、ひどすぎるっ………あんまりだァ………」ポロポロ
ライナー「心折設計のゲームだな」
ベルトルト「どっち選んでもプレイヤーにとってはバッドエンドとか、鬱ゲーってレベルじゃねーぞ」
-
アニ「見た目の美しさと心の美しさ。どちらを選ぶか――――などという他愛もないことを問うてはいない。これは真実の愛を問う新感覚ギャルゲーなのさ。己にとってのハッピーエンドとは何か? それを見つけ出す人生のようなゲームだ」
ライナー「見た目も中身も美しいヒロインを用意しろよ!!」
アニ「そんな私やミカサやクリスタみたいな完璧な乙女がそうそういる訳ないだろ………これだから夢見がちな童貞は」
ライナー「どっからツッコめばいいんだよ!! 自意識過剰すぎんだよ!! あとゲームにくらい夢見させろよ!!」
ベルトルト「誰が得すんだよそんなゲーム!!」
このひと月後に発売された『らぶすとっ☆ 〜TRUE LOVE〜』はその内容の凄まじさに反し、爆発的なヒットを記録した。
エルヴィン団長は布教用に十本ほど購入したという。
ある意味、兵士にとっては精神鍛錬を行えるゲームとして話題を呼び、じわじわと今も売れ行きを伸ばしているのだという。
-
ベルトルト「こんなの作ってるより、僕らには兵士として、いや、戦士としてやらなきゃならないことがあるでしょ………? そうだろ、アニ?」
アニ「じゃあベルトルト。あんたが面白いことしなよ」
ベルトルト「うわー聞いちゃいねえや。矛先が僕に向いてきた」
アニ「アンタ存在そのものが面白くないんだから、少しは人の笑いを取ろうと努力しないといずれ存在が消え去ってしまうよ?」
ベルトルト「僕、そんな風に思われてたの!?」
アニ「全く、私としたことがライナーとベルトルトについては教育を間違えたよ………」
ベルトルト「育てられた覚えはないんだけど!?」
アニ「養われた覚えもないと? ン? どうなんだ、ごくつぶしども」
ベルトルト「」
ライナー(やべえ。そういや壁内に来てからというもの、ぐうの音もでないほど俺らヒモだったわ)
-
アニ「ミカサはアイドルとしての活動で、もう一生遊んで暮らせるほどの金銭を稼いで親孝行している」
ミカサ「えっへん」ムン
アニ「エレンもこの一年ほどは私の教えたサツジン=ジツで、私の邪魔………もとい乙女の敵を暗殺する仕事を何百とこなしてる。どこの組織に行っても引く手あまただろう」
エレン「得意技は相手に一切気づかれることなくして心臓を抜き取ることだ」ビキビキビキッ
アニ「アルミンは下僕としてよく尽くしてくれいる」
アルミン「憶えてやがれ。いつかゼッテーブチかます」
アニ「こういう反抗的なところもなかなかカワイイので、兼ペットでもある」ナデナデ
アルミン「ッ………///// ち、ちがうからねッ! ナデナデされて嬉しくなんかないんだよッ!? こ、これは、そ、そう! 屈辱のあまりちょっと震えてるだけで!!」
ベルトルト(畜生、既に調教済み………僕もされたことないのにッ!! おのれアルミン………)
アニ「そしてミーナはご神体で今日も元気にご立派で、マルコとパコッている」
ミーナ「ここか? あぁん? ここか! ここがええのんか!!」ズッチュズッチュ
マルコ「アオォオオオオオオオオオオオオオオオ」
ミーナ「ヘッヘッ、すっかり私専用だね。口ではどうこう言っていても、抜き差しするたびに締め付けてくるもんねえ!!」ズンッ
マルコ「うぉおおおおおおっ、んほぉおおおおおおおおおおおっ!!」
-
ベルトルト「く、クリスタは!! クリスタは!!」
アニ「クリスタはこの二年間で、私の息のかかったあれくれ者連中を一人残らず魅了し、女神と崇められながら日々慈善活動を行い、更にご近所からも天使とか結婚したいとか言われてきたそうだ」
クリスタ「わ、私でもできることがないかって思って頑張ってたら、みなさんいつの間にか………////」テレテレ
アニ「つまり、ライナー、ベルトルト。あんたたちだけだ。おんぶにだっこでどうしようもないヒモ野郎は。乙女として恥ずかしいよ、ホント」
ライナー「ぐうの音も出ん」
ベルトルト「仰る通りです」
ライナー「けどな、そんなことより分かってるのかアニ。いずれ『猿』がやってくるぞ。俺らが裏切ったことがバレたら、壁内に新たな『戦士』が送り込まれる。そうなる前に何らかの対策をだな」
アニ「……………あっ」
ライナー「忘れてたんだな!? そうなんだな!?」
アニ「大丈夫だ、問題ない」ガクガクブルブル
ライナー「少しは動揺を隠せよ!!」
-
※というあたりで今回はここまで。次回はユミルがエロ同人みたいなことになるかもわからんね。
ゴールデンウィークゥ? 何それェ? 祝日? 何それェ?
明日から三日はひたすら寝たり里帰りしたりして時間を潰します。
-
乙。ドリフターズも気長に待つよ。
-
乙
-
ジャン…
-
エレン「ち・よ・つ・と・ま・て」
ライナー「なんだ、エレン! 今俺らはメッチャ取り込み中――――」
クリスタ「お姉さまたち、巨人だったんですか?」
ミカサ「初耳」
アニ「」
ライナー「」
ベルトルト「」
エレン「え! 三人とも巨人なのか? 殺さなきゃ」ジャキン
アニ(あ、ヤベ)
ライナー(調教が行き届き過ぎだアニ………)
ベルトルト(ここでぼくらのぼうけんはおわってしまうのか)
アルミン(いや、僕気づいてたけどね。隠す気あったんだろうかこいつら)アホダ
-
エレン「巨人は殺す。殺さなきゃ。殺さなきゃ」ブツブツ
アニ「誰に口をきいてるのエレン。お座り」
エレン「巨人は殺す」ジリジリ
アニ「す、座って」オロオロ
エレン「巨人、コロス」ジリジリ
アニ「お、お願いだよぉ………話を聞いてよぉ………」ウルウル
エレン「!!! ぐぬぬ…………乙女を泣かせてはいけない。そう、そうだったな………わかった。だが納得のいく説明をしてくれるんだろうな」
アニ「グスッ………もちろんだよ」エグエグ
エレン「ごめんな。アニ。ついカッとなってやりすぎたよ………俺にとってもアニはお姉さんみたいなもんだってのに、ごめん、ごめんな」ヨシヨシ
アニ「ううん………私たちだってずっと騙していたようなものだし、ごめん、ごめんね」ヒックヒック
エレン「いいんだ。いいんだ………姉さん」ヒシッ
アニ「私を姉さんと言ってくれるのかい。エレン………ありがとう、ありがとう………」ヒシッ
エレン「うん、うん………」ポロポロ
アニ(計画通り…………)ニヤァ
-
ミカサ「壁内人類が泣いた」エグエグ
クリスタ「アカデミー賞ものだよぉ」シクシク
ライナー「アニの演技に今回ばかりは感謝だ」
ベルトルト「寿命が縮む思いだよ」
アルミン「いいからさっさと説明してよアホども」
かくかくしかじか。
エレン「なるほど、わからん」
アルミン「エレンは黙っていようね。おおよその事情は理解したよ………君たちは巨人の大陸からの尖兵で、だけど壁内人類を皆殺しにするのが嫌で裏切った。ここまではいいね?」
アニ「その通りだ。お美しくもお優しいこのアニ様は、壁内人類が実際アワレだと思って手を下すことを良しとしなかったんだ。いわば私は壁内の救世主だ。乙女神として拝め祈れ崇め奉れ」
アルミン「エレン。この女だけはブッ殺してもいいよ」
-
エレン「そんなこと言っちゃだめだ。アニはなんやかんやでいいやつだぞ」
アニ「そーだそーだ、アルミンのくせになまいきだぞ」
アルミン「ぐぬぬ」
アニ「どうせ殺るならゴリラにしなさい」
エレン「ゴリラならいいのか」ジャキン
ライナー「だめだ。ベルトルトにしろ」
エレン「ゴリラに拒否権はない」ズバッ
ライナー「あひん」ブシューーーーッ
ベルトルト「きたねえ噴水だ」
-
ライナー「俺が巨人化能力者じゃなかったら死んでるぞアホが」
エレン「傷口が再生してやがる…………キモッ」オエッ
アルミン「話が進まないからゴリラのキモさは置いておくとしてだ。いずれその『猿』やらほかの『戦士』やらがやってくるのなら、何か対策を考えなきゃ」
アニ「策を言え、アルミン」
アルミン「プラン①.巨人を人間に戻す都合のよいお薬を開発する」
アニ「可能なの?」
アルミン「現状では不可能だ。プラン②.クーデター起こして壁内を制圧。民には事情を説明し、因果を含めた上で王と貴族、中央憲兵などの現政権に深くかかわる権力者たちは軒並み虐殺する方向にもっていく。その後は駐屯兵・調査兵を中心とした軍事政権を確立し、軍備拡張を押し広げて戦士の襲来に備える」
アニ「マジデビルだよあんた………親の顔が見てみたいわ」
ライナー「鬼かおまえは」
ベルトルト「アルミンマジ悪魔の末裔」
アルミン「どの口がホザいてんだクソやろうども………で? 下準備は面倒だけど、君の持つ財や権力を総動員して、巨人化能力も駆使すればやってやれないこともない。かなり現実的なプランだけど?」
アニ「まどろっこしい上に、罪のない乙女たちが巻き込まれそうなのでそれは却下。何よりウチの国と争いたくはない。次」
アルミン「プラン③.とりあえずエレンが王を抹殺。実質的な権力を持つ中央憲兵の高官どもも同様に抹殺。一時的に無政府状態にしたスキを突いて『猿』とコンタクトを取り、全面降伏を受け入れてもらう」
アニ「敗北主義の雄豚野郎め。生まれた国を売る気か」
アルミン「だからテメーにだけは言われたくねえよ雌豚女郎。これも駄目ならもう打つ手なしだ。一縷の希望にかけてこのままのんべんだらりと生活するほかないよ」
-
アニ「ぐぬぬ…………どうすれば」
ライナー「皆目見当がつかん。猿が来ないことを祈ってズルズル兵士続けてるしかないのか………」
ベルトルト「でもなんとかしなきゃ………あいつらが諦めるはずがない」
クリスタ「あのう」
アニ「なんだい、まいりとるしすたー」
クリスタ「なんとかできるかも」
アニ「何?」
クリスタ「私のかつての名前、ヒストリア・レイスっていうの。壁内の秘密を継承してきた貴族の末裔なんだ」
アニ「マジで?」
クリスタ「えっへん」ムン
ライナー(可愛い)
-
クリスタ「かくかくしかじか」
アニ「しかくいむーぶというわけか………辛かっただろう?」
クリスタ「いいえ、ちっとも」ニコリ
ライナー「道理でウォール教の連中がウロウロしてるわけだ」
ベルトルト「時々怪しげな連中が宿舎の回りをウロついてるもんね」
アニ「しょうなのぉ?」
ライナー「テメー故郷での話まったく聞いてなかったろ」
アニ「大量殺戮を推奨する連中の話なんぞ誰が聞くかい」フンッ
ベルトルト「こういうところだけは常識人だよね君って………」
アニ「なんにしてもレイス家か………巨人化に関する秘密を何か握ってる可能性もあるね。少しそこから調べて、プラン①の方向につなげていこうか」
-
アルミン「その方向性で行こうか。となるとまずは情報収集だね。まずはこのあたりをウロついてるウォール教信者だけど、これは?」
エレン「それは俺が引き受ける。実害はなさそうだったから殺らなかったけど、今度見つけたらシメ上げて色々吐かせよう」
アニ「うん。頼んだよエレン」
エレン「一人残して後は皆殺しでいいよな?」ニコリ
アニ「乙女に付きまとうストーカー野郎なんぞ社会のゴミも同然。よきにはからえ」ニコリ
アルミン「よくねえ。やめろ。裏にどんな連中がいるかわからない現状、ウカツに皆殺しは避けよう」
エレン「チッ」ペッ
アルミン「もう君という人が分からないよエレン………」
-
アニ「一応手下どもにも声をかけておこう。人海戦術だ。とにかく壁のことについては片っ端から調べさせる」
ベルトルト「それやけっぱちって言うんだよアニ」
ライナー「下手な鉄砲でも数撃ちゃ当たると思ってるクチだろおまえ」
アニ「黙れ腐れニートども。ミーナぶちこむぞ」
ミーナ「こちとら男根。いつだって滾ってる」ビンビン
アルミン「いたんだ、ミーナ………それとペニスケースもといマルコ」
マルコ「」ビクンビクン
-
ベルトルト「そういえば、ユミルのことなんだけど」
アニ「ユミル? ああ、あのほっそりした体型の」
ベルトルト「そうそう」
アニ「サバサバしてて下品な性格だけど、実は耳年増なだけの純情処女っていう属性がひどく似合うソバカス乙女のことだろ。ベルトルトの好物そうだよね。気になるの? ヤりたいの?」
ベルトルト「人の性癖を捏造しないでくれないかな!? 気になってはいるけど、ユミルっていう名前のことだよ!!」
エレン「名前? 確かに珍しい名前ではあるけど、ユミルがどうかしたのか」
ライナー「あ、ああ、ユミルって名前は巨人の国の中では特別な意味があってな。始まりの巨人の名前がユミルだったといわれている」
アニ「そういえばそうだった」
ベルトルト「僕をなんだと思ってたの、アニ?」
アニ「………………ブス専?」
ベルトルト「僕としてもユミルとしても不名誉に過ぎる言葉だ撤回しろ。彼女ブスじゃないだろ。むしろスタイル良いし美人だろ。ちょっと目つき悪いけど」
ライナー「あ、ああ、分かるよベルトルト。あれだろ? 妙に完全無欠な美人だとちょっと気おくれしちまうっつーか、少しばかり癖のある感じの顔立ちの方がなんかこうムラッとするというかそんな感じの」ハハハ
ベルトルト「ちげえよなんでそんな憐れんだ目で僕を見てんだよぶっ殺すぞゴリラ野郎」
-
アニ「ふむ、ユミルか…………調べてみる価値はありそうだね―――――クリスタ。仕事だ」
クリスタ「はい、お姉さま」
アニ「あのユミルとかいう名前からして怪しすぎるソバカス腐れビッチを気取る処女乙女を籠絡してこい」
クリスタ「」
アニ「アレはあんたに気がある。間違いない。ちょっと胸元でもチラ見せすればコロリと落ちるだろう。そんで洗いざらい吐かせろ」
ライナー「過程や方法などどうでもいいのだと言わんばかりのその行動理念に自称乙女として何か思うところはないのかテメー」
アニ「勝てばよかろうなのだ」
ライナー「ぶっちゃけやがったな」
アニ「私のカンだとあれはガチでレズだ問題ない」
ベルトルト「それが仮にも姉の立場にある者がすることかい」
アニ「姉がやれといったからにはやれ」
クリスタ(理不尽すぎる)
-
アニ「クリスタ、出来なかったらあんたのあだ名を「クリちゃん」にする」
クリスタ「」
アニ「そしてそれを世間様に定着させる」
クリスタ「それだけは!! それだけは!! 死んでしまいます!!」
アニ「イヤか? イヤならさっさとあの腐れ×××をオトすんだ。大丈夫。あんたは魔性の女だから」
クリスタ「レオンハートの名に懸けて!!」バッ
クリスタは思わず心臓を捧げる敬礼のポーズを取っていた。
何せ年頃の乙女としては致命的なあだ名である。尊厳が死ぬ。羞恥で死ぬ。天使がビッチに堕天してしまう。
妹であろうとアニはスパルタな時はスパルタなのだ。やるといったらやる女である。
ベルトルト「スパルタっていうよりただの外道じゃないかな」
ライナー「ゲスいな。しかしクリちゃん………クリスタのクリちゃんか………」ハァハァ
ベルトルト「それ以上やめろ」
ライナー「クリクリ………クリちゃんクリクリ………」フヒフヒ
ベルトルト「黙れ殺すぞ。エレンけしかけんぞ」
-
エレン「斬る? 刺す? 割く? 抉る? 削ぐ? それとも死ぬ?」ニコニコ
ライナー「すいませんでした。殺さないでください」
エレン「分かりました殺しません」チッ
アニ「ミカサ。あんたもやるんだ」
ミカサ「わ、私は何を?」
アニ「保険だ。内地に赴いて、腑抜けた憲兵どもを更に腑抜けにしてくるんだ。ついでに資金を集めて、あわよくば弱みを握るんだ。大丈夫、エレンがボディガードにつくし、あんたはただ内地でライブ活動をするだけでいい」
エレン「時を止めることのできる化け物でもない限り返り討ちだ。問題ない」
アニ「幸いあんたには既に有名アイドルという下地がある………大丈夫、あんたは最強無敵のアイドルだ。簡単に籠絡できる」
ミカサ「で、でも、もし失敗してしまったら………」
アニ「失敗? 失敗したら『ミカ☆りんはお股のゆるい女』という風評を流すだけだよ。必死こきな」ニコリ
ミカサ「」
アニ「そしてそれを世間様に定着させる」ニコリ
ミカサ「」ゾクッ
アニはスパルタンだった。
-
ミカサ「そ、そんなことをしたらプロデューサーであるお姉ちゃんまで死んでしまう………」シャカイテキニ
アニ「無論、風評被害を受けるだろうね。自爆特攻に等しい。だが私とあんたは一蓮托生。死ぬときは一緒だよ………アニ死すれど乙女は死せず、だ」
ミカサ「お、お姉ちゃん………私がんばる!!」ヒシッ
アニ「がんばりな」ヒシッ
ライナー「なんだこの茶番は」
ベルトルト「教祖と信者の会話だね」
かくしてアニ一行は壁内で悪だくみを開始したのだった。
-
相変わらず面白い。乙。
-
乙だぜ
-
つづきまってる。
-
ソバカス乙女のエロ同人展開期待
-
アニが酷い
-
続き待ってる。
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まだかなー
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ドリフまだ?
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保守
-
ほ
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保守
-
保守
-
保守
-
保守
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アニ「エレン。ウォール教徒の拷問は?」
エレン「一向に吐かん。ただのイカレ宗教狂いというわけではないらしい」
アニ「ふむ、あんたが体に聞いているのに吐かないってことは、それこそ何か重大すぎる秘密を握っているってことになるね」
エレン「ああ、それは間違いない。だが痛みも、薬による快楽も、家族の命を対価とした脅迫も、まるで効果はなかった。恐らくどんな責め方をしても吐かんぞ、あれは。アルミン特製の『都合のよいおくすり』を使ってもダメだったから、まず間違いない」
ゲスミン「フフ、あれはなかなかいいデクだった」クックック
ベルトルト「なんかスゲー怖い話してるのは分かったよ。じゃあどうするんだい?」
アニ「こうなったらやはりユミルの方だな」
エレン「ふむ。じゃあ攫ってくるか?」
アニ「そんな犯罪者みたいなことは乙女道に反する」
ベルトルト(人を拷問にかけることは犯罪じゃないってか。道に反さないってか。もう僕は疲れたよ)
ライナー「じゃあどうするんだ? クリスタの報告を待つのか?」
アニ「いいや。もう待っているヒマはない。まあ聞きな――――私にいい考えがある」
ベルトルト(イヤな予感しかしねえ)
…
……
………
-
………
……
…
かくして、アニ一行は本格的な悪だくみを開始したのだ。
アニ「クリスタはうまくやっているみたいだね。フフフ、必死だね………失敗すれば『クリちゃん』だからね………そりゃ必死にもなるか」ククク
ベルトルト「ねえアニ………やっぱやめようよ。いくらユミルが怪しいとはいえ、こんなやり方は良くないって」
アニ「嫌だフォイ」
ベルトルト「いや、フォイじゃなくて………」
ライナー「………」
ベルトルト「ライナーも黙ってないで何とか言ってよ。君もそう思うでしょ?」
ライナー「俺は一向に構わんッッ!!」
ベルトルト(駄目だ……エレンにしろアルミンにしろ、完全にアニの手駒と化した。ライナーもクリスタ愛を拗らせて性欲に狂ってしまった………)
アニ一行は今、トロスト区郊外にある寂れた集合住宅(アパート)の一室を借りきっていた。
目的は、隣接する連れ込み宿の監視・盗聴である。件のクリスタがターゲットであるユミルを連れて、連れ込み宿へと二人連れ立っていったところであった。
-
調査の結果、残念ながらユミルはガチレズでも軽い百合でもなかったことが明らかになった。クリスタは焦った。このままでは自分は『クリちゃん』となってしまう。そうなったらもうあらゆる意味でおしまいだった。
なりふり構わなくなったクリスタは、強引な手段を取ることにした。
外はバケツをひっくり返したかのような酷い雨風で、横殴りの雨粒が目を開けていられないほどの勢いで飛び込んできている。
これはクリスタの策略の内であった。雨が降ることが分かっていて、ユミルを買物に誘ったのだ。
雨が降ってきたタイミングで『雨宿りしよう。女同士だから連れ込み宿でもいいよね。服を乾かそう!』という流れに持ち込み、半ば無理やりに連れ込み宿へとユミルを引きずり込んだのである。
そう。ユミルがレズであろうとなかろうと、アニにとってはどちらでも構わなかった。とにかく密室内で二人きりという状況下において、下着姿になるということが重要だった。
二人が下着姿になったところで、タイミングよくアニ一行は突入する予定である。
つまりこれは百合版の美人局であった。「ウチの妹になにしてくれてんじゃこんスベタが、ああ?」というグレーターヤクザの十八番である。
「っていうかわざわざこんな回りくどいことしてハメるくらいなら、直接拉致して尋問した方がよっぽど早いんじゃ?」というベルトルトの至極まっとうな意見は、アニによって却下されていた。
アニ「今更怖気づいたのかい、ベイダー卿………シスの暗黒卿としての自覚が足りないね」
ベルトルト「フーバーだっつってんだろ!! あんなにコーホー言ってねえよ! ちょっと語呂が似てるからって勝手に暗黒面に引きずり込むんじゃねえ!」
アニ「黙れ。いい子ちゃんぶってやる気がないなら帰れ、この穀潰し! せっかくあんたが少しは役に立ちたいっていうから連れてきてやったってのに、足を引っ張るなんてホントグズだね!」
ベルトルト「うう………ある意味否定できない」
-
アニ「アルミンを見習いな! あんなにも嬉々として作戦準備してる!」
ゲスミン「ヒャヒャヒャヒャ………ん!? 間違えたかな………」グツグツ
ベルトルト「僕には鍋に得体のしれないモノを次々放り込んではかき混ぜて怪しげな薬を作ろうとしているようにしか見えないんだけど………顔つきまで劇画風に」アワワワワ
アニ「あっ、そうそうエレン。突入時はこの台本通りに振る舞うんだ、いいね」スッ
エレン「アッハイ」パラパラ
ベルトルト(無視かよ……なんで僕、こんな子に一時はホレてたんだろう)
さすがのベルトルトもアニに対する思いはいろんな意味で冷めていた。
アニ「読みながら答えてほしいんだけど、ミカサの方は順調かい」
エレン「ああ、想像以上に中央は腐ってやがる。順調すぎて歯ごたえがない」
アニ「ちゃんと仕事してるんだろうね、愚弟」
エレン「もちろんだ、姉上。ああ、そういや一度、中央憲兵のアホが権力にモノ言わせて、ミカサに枕を持ちかけて来たな」
ミーナ「ほほーう。それでそのしつけのなっていないクソ犬は今頃屠殺場の染みか? それとも豚の餌か?」
エレン「ああ。実に物覚えの悪い、まさしく駄犬だった。キンタマをナッツみたいに割られる頃に、ようやく自分の立場ってのを理解してくれたよ。口癖が『殺してください』になるまでさほど時間はかからなかった」
アニ「オーライ、クソッタレ。それでこそだ。それでこそ私の弟だ。かなりきゅんと来たぞ」フフフ
-
エレン「そうそうアルミン。お前のくれた薬も役に立ったぞ。定期的に摂取しないと精神が不安定になる習慣性の高いお薬なんてどこで手に入れたんだよ」
ゲスミン「フフフ、アレは自作だよ。宿舎の裏にいい感じにイリーガルな雰囲気漂わせてるステキな草があるだろ? あれを乾燥させて煎じるだけの実に簡単なお薬だ」
エレン「そういやあったな」
アニ「飛ぶように売れたねアレは。おかげでどんどん資金が潤っていき、内地の馬鹿貴族どもからも力を削げる………まさに一石二鳥の夢のお薬だよ」フフフ
エレン「GEHAHAHAHAHA」
ゲスミン「GUHAHAHAHA」
アニ「AHAHAHAHAHA」
ミーナ「WRYYYYYYYYY」
ベルトルト(こいつら怖いよぉ)
ライナー「そ、そんなことより。まだか? クリスタの下着姿もとい突入はまだか!?」
アニ「おっと、そういえばそうだった」
思い出したかのように、アニは双眼鏡をのぞき込む。
アニ「さてさて、どんな状況か………え、う、うお、うおっ!? う、嘘でしょ、舐めるの!?」
ライナー「えっ、何!? 何が起こってるの!?」
-
アニ「うわ、わ、わぁ………そんなことしちゃうのかい。うわぁ………うわぁっ………」
ライナー「ッ………!」ゴ、ゴクリ
アニ「えっ、そ、そんな、そんなことまで………!? やっぱりミカサは置いてきて正解だったよ。あの子にはちょいと刺激が強すぎる……」
ライナー「――――アニ。いや、アニ様。忠実なる下僕として一生のお願いがございます」
アニ「どうせロクでもないことだフォイ?」
ライナー「その双眼鏡から見える光景を、桃源郷を、私めにも………どうか、どうか!!」ドゲザァ
アニ「ホントにろくでもないことだったフォイ。嫌だフォイ」
ライナー「そ、そんなこと仰らず! ほんと! まじで! お願いします! お願いします!」
アニ「ダメだフォイ」
ライナー「なんでや!? それとフォイフォイ言うなよ!!」
アニ「その口の利き方でいいのかフォイ?」
ライナー「おねがいじまず、アニさま………ぐりずだのはだががみたいです………」エグッエグッ
ゲスミン「泣いwwてるwwwwどんだけwwwww予想外すぎバロッシュwwwwwライナー必死すぎwwwwキモすぎワロリンヌwwwww」
ベルトルト(アルミンに何があったんだろう……彼、疲れてるのかな)
-
アニ「そんなにコレから見える光景が見たいのかフォイ?」
ライナー「はいっ………はいっ………」ヒックヒック
アニ「しょーもないヤツだフォイ………ホラ、貸してやるフォイ。二十秒だけだフォイ? 一番右の部屋を見てみるフォイ」
ライナー「ありがてえっ………ありがてえっ………」ポロポロ
顔中を粘液まみれにしながら笑うライナーは、マイルドに言っても不気味以外の何物でもなかった。
そうして彼は双眼鏡をのぞき込む。
かくしてそこにはライナーの望む理想郷が存在――――――せず。
ライナーの視界は、八十代と思われる熟年カップルがハッスルしている姿を捉えた。
ライナー「オ、オボボーーーーッ」ビチャビチャ
アニ「油断したなポッターwwwwクリスタとユミルは一番左の部屋だwwww」
ゲスミン「オウフwwww爺と婆のファックはどうでしたかなwwww眼福でありましたかなライナー氏wwww滾りましたかなドゥフフwwww」ゲラゲラゲラゲラ
ベルトルト「ゲスいにも程があるわっつーか何やってんだよ爺婆はナニしてるんですねってやかましいわ」
ライナー「おげげぇーーーっ、げぇええーーーーっ」
-
アニ「さて、ゲロゴリラは置いておいて、突入のお時間だ。野郎ども、準備はいいかい?」
ミーナ「こちとら男根。いつだって滾ってる」ビンビン
マルコ「だいぶ慣れてきてもう装着感に違和感すらなくなってきた。こうなったらとことんまで付き合うよ」
エレン「ブッ込んでいくぞオラァ!」
ゲスミン「アニ様は本当に頭の良いお方」ゲッゲッゲ
ベルトルト「もうどうにでもなーれ」
かくして一行はラブホに突撃したのである。
ガチャッ
アニ「困りますなァ、うちの妹に手ェ出してくれちゃって………」スパー
ユミル「えっ………」
クリスタ「ごめん………ユミル」
エレン「ザッケンナコラー!! スッゾコラー!! 誰の家族に手ェ出したと思ってんだコラー!? 子宮えぐり出すゾ!?」ギンッ
ユミル「ア、アイエエエエ?! ヤクザ!? ヤクザナンデ!?」
-
エレン「明日の〝朝刊〟に載ったゾ!? オメーッ!!」ビキッピキィッ
ユミル「アワワワワ………ク、クリスタ、こ、これは………」
クリスタ「ごめんなさい、ユミル。恨むなら、怪しげな出自の自分自身と、アニお姉さまを呪うといいよ。全ては私のあだ名を「クリちゃん」にするなんていう、お姉さまが悪いんだから………」
ユミル(ウカツ!! 美人局!! 朝から妙に怪しいわ強引だったのは全てこのためだったというのか!?)
ユミル「謀ったな! 謀ったなッ、クリスタッ!! 妾! 妾! 妾の子! やることなすことビッチ臭い!!」
ゆみる は にげだした。
だが まわりこまれてしまった!
アニ「………知らなかったのか? 乙女からは逃げられない………!!」ディーフェンス、ディーフェンス
ミーナ「おまえも人工肛門にしてやろうか」ビンビン
ユミル「テメーみたいな乙女がいるか大魔王め!!」
アニ「きさまのはらわたでねっくれすをこしらえてくれるわー」グハハハ
ユミル「この悪魔の末裔が!!」
ベルトルト(僕の台詞盗られた……)
-
ライナー「おとなしくしてもらおう」ガシッ
ユミル「くっ、このゴリラ………ッ!? そ、そんな………ベルトルさん、なんで、あんたまで」
ベルトルト「え? 僕?」
ユミル「うそ、だろ? そのキチ○イ集団の中で、あんただけは、マトモだと思ってたのに……優しい人だと、思ってたのに、そんな……」ポロポロ
ベルトルト「えっ、涙っ!? えっ、えっ?」オロオロ
ライナー「なんかユミルがベルトルトを見て想像以上に動揺してるんだが、クリスタ、どういうことだ?」
アニ「私も気になるね。説明してよ」
クリスタ「んー? それはねー。実は私前々から―――――ユミルに恋愛相談を受けててね」
ベルトルト「え?」
ユミル「ッ、や、やめろクリスタ! 言うな!!」
ゲストリア「だめだ」
ベルトルト「うわあダメだこいつゲストリアモード入ってる」
ゲストリア「というわけで、回想スタート」
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********************************
ユミル「そ、それで、だな……実はその、ベルトルさんのことが、ちょっと、ちょっとだぞ!? き、気になってるっつーか……」
クリスタ「ふーん? いつから気になりだしたの?」
ユミル「な、なんつーか、エレンやらアルミンやらゴリラやら、あの悪の首領めいたアニとかのグループに入ってる割に真人間っていうか……迷惑ばっかかけるあいつらのフォローに回ってるところが、ちょっと気になってな。お人よしっつーかなんつーか、ああいうの嫌いなハズだったんだけどさ、気が付いたら目で追うようになって……」
クリスタ「なるほどなるほど。で、どこが好きなの?」
ユミル「っ、す、好きって、だ、だだだから、気になるってだけで、そんな……」
クリスタ「どこが好きなのー?」
ユミル「……じ、人生いつもどんづまりみたいな表情してるとこ……」
クリスタ(何気に趣味嗜好が変だねユミルは)
********************************
-
ゲストリア「以上、回想おーわりっと」クスクス
ベルトルト「え……ぼ、僕?」
ユミル「やめてくれ……私を見ないでくれ、ベルトルさん……」カァアッ
ベルトルト「」キュンッ
アニ「ほう」シャガッ
アニの嗅覚は、ユミルから急速に高まりつつある乙女力を嗅ぎ取った。
ベルトルトからも、甘酸っぱい青春ラブコメディめいたアトモスフィアを感じ取る。
そしてアニは、笑みを浮かべた。
それを直視したライナーは凍り付いた。あの笑みを浮かべたアニが、ろくなことを思いついた試しがないのだ。
アニ「………いいことを思いついた。エレン――――」
エレン「おうヨ」
アニ「ユミルを縛り上げろ」
エレン「イェッサ」バッ
-
ユミル「う、ぅう………たすけて、助けて、ベルトルさん」エグエグ
ベルトルト「ご、ごめん、ぼ、僕は…………」
エレン「縛ったぞ」
アニ「よろしい。だが聞きたい」
エレン「なんだ、アニ」
アニ「拘束するのはよろしい。しかし、M字開脚縛りにした理由は?」
エレン「え? ベルトルトがこういうのが好みだって聞いてたからだけど」サラリ
ベルトルト「!?」ギョッ
アニ「ほー……」チラリ
クリスタ「うわぁ………」サゲスミ
ユミル「ぅう………ベルトルさんのけだものぉ………////」カァアッ
ベルトルト「エレェエエエエン!! なんでバラすんだよ!? 僕がそんなに憎いかよ!?」
エレン「…………?」クビカシゲ
ベルトルト「なにキョトンとした顔してんだよ!! 善意かよ!? 善意のつもりかよ!!?」
-
エレン「ご、ごめんな? 一番好きなのは触手凌辱プレイだって言ってたもんな……でも、さすがに触手は用意できねえよ……ファンタジーやメルヘンじゃないんだから……」
ベルトルト「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
エレン「悪いがこれで我慢してくれよな。でも拘束プレイは放尿プレイより好きだって言ってたろ?」ハハハ
ベルトルト「テメーそれ以上喋ったら壁内滅ぼすぞマジで」
ライナー「さすがの俺でもそれは引くわー」
アニ「」ウワァ
クリスタ「」ヒキッ
ユミル「ぅう……思い人が想像以上にルナティックな性癖持ってるぜ………」
-
アニ「さぁて、尋問のお時間です」ニコリ
ユミル「くっ………殺せ!//////」カァアアッ
アニ「なんか私たちが悪者みたいだね」
ライナー「下着姿の女をよってたかって縛り上げるとか、はた目にはどこからどうみても俺たちが悪者だろうが………」
クリスタ「ユミル、顔真っ赤にしてかわいい。でもベルトルト、どうして前かがみになってるの?」
ベルトルト「聞かないでほしい………(く、くやしい! でも! このシチュエーション、僕のドストライクだ!!)」ビクンビクン
アニ「これからいくつかあんたに質問する。イエスかノーで答えよ。黙ったり嘘をついたりしたら、このゲスミン特製の『手っ取り早いおくすり』を注射する………この意味が分かるな?」
ゲスミン「これだぁ! こいつは効くぜぇ〜! この媚薬でイチコロというわけよ!」ケケケ
ユミル「」
ベルトルト「いや、誰だお前」
-
ライナー「ゲスミン。いや、ゲスミン様。後で俺にも分けてください。お願いします」ドゲザァ
ゲスミン「フフフ、このメスが正直に話せば不要なものだ。後でくれてやる。それはそれとして僕の靴を舐めろゴリラ」
ライナー「ありがたき幸せ」ペロペロ
ユミル「ふ、ふざけるな! そんな都合のよいお薬が、簡単に作れるわけないだろう!!」
ゲスミン「出来るんだなぁ、僕には! 僕は天才だからなぁ、はははははははは!!」
ベルトルト「SS時空におけるアルミンの便利さ・万能性は実際異常だよ………それはそれとして誰だお前」
アニ「ククク、疑うのかい? ならばその目で確かめてみるといい…………ほら、効果のほどはこの通り………治験を買って出てくれたマルコミナのBIN☆BIN具合を見れば確定的に明らか」
ミーナ「何がマルコだよケツマ○コしろオラァアアアアアアアア」ZUNZUN
マ○コ「DAN☆DAN心惹かれてくぅぅううううううううううう!!」アヘエエエエ
ラメェエエエエ ココロトカラダガベツモノナノォォオオオ
ヘッヘッヘ カワイイマ○コチャンジャネエカヨ コンナニブーブーイッチマッテヨォ
ブヒィィイイイ………
ユミル「ヒィイイイイ!! いつも通りのように見えると思ったらさりげなくマルコがノリノリになってるじゃあねえか………!!」ガタガタブルブル
アニ「アヘマ○コちゃんと名付けよう」
クリスタ(ちびま○子ちゃんみたいなニュアンスで言った………!!)
-
アニ「なんにせよ、これで媚薬の効果は理解できたろう? 実に天才的だと思わないか、ウチのゲスミンは?」
ゲスミン「もう一度いう、僕は天才だ!! フハハハハハハハハハ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
ベルトルト「だから誰なんだ貴様は!」
ユミル「ぐ、ぬ、ぬぬ………」ウヌヌ
アニ「フフフ、状況を理解してくれたところで本題に入ろう………質問には正直に答えることだ。さもなくば、こちらの泣く子が孕むベルトルトがあんたを襲う手筈になっている」フフフ
ユミル「くっ………/////」クヤシイ
ベルトルト「そんな手筈は初耳だよ!? 襲わないよ? 襲わないからね?」
ユミル「うそだ! そんなこと言いながら、私に乱暴する気なんだろう……? エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!! 泣いても喚いてもやめないんだろ!! でも、お願い、中だけは……初めてで妊娠だけは、お願い、許して……」
ベルトルト「あ、やめて。マジやめて。狙ってるのか知らないけど、シチュエーション的に超好物なんでマジで。理性飛んじゃうからマジで。やめて。ほんと」マエカガミ
アニ「ふふふ、御覧の通りベルトルトもまんざらでもなさそうだよ………まあ、あんたにとってはどっちに転んでもオイシイ展開だろう?」ン?
ユミル「く、ぅ………////」プルプル
ベルトルト「 (˘ω˘ )」マンザラデモナイ
…
……
………
-
………
……
…
結局、ユミルは洗いざらい吐くことを選択した。
自分が巨人であること。巨人化薬の開発者であること。ある事情から再び人間に戻れたということ。
嘘ではないと判断したアニは、ユミルに今後の協力を確約させたうえで解放した。
ベルトルト「(´・ω・`)」
ベルトルトは少し残念そうだった。
-
みなさん!いよいよお別れです!
壁内を守るアニ一行は大ピンチ!
襲い来るは『獣の巨人』率いる巨人軍団!
果たしてアニ一行は、壁内の平和を守り抜くことができるのか?
次回『アニ乙女』最終話―――――『アニ一行大勝利! 希望の未来へレディ・ゴーッ!』
乙女ファイト、レディィイイイ……ゴーッ!!
-
乙
待ってた
-
待ってた甲斐があったな^^。
-
俺も待ってた
-
待ってたが……とりあえず読み直してくる
内容忘れてもうた
-
保守
-
保守
-
はよ
-
ユミルから得た情報を元に、ゲスミンは早速巨人を人間へと戻すための薬の開発に着手していた。
ゲスミンの持つご都合主義的もとい天才的な頭脳と、巨人化薬の開発者たるユミルがいればこそできる研究である。
そして月日は過ぎ――――時は850年。第104期訓練兵団の解散式、つまり正史における超大型巨人の再来まで、残り一月を切っていた。
アニ「アルえもんアルえもん、例のお薬の進捗具合はどうかな?」
ゲスミン「試作品はすでに出来ている。ユミルの巨人化が解けたことから効果は問題ない。解除薬とでも名付けようか…………後の経過を見たいところではあるが、そう悠長にしている暇もなさそうだ。すぐに量産に入ろう」
アニ「許す。金は湯水のごとく使え。だが使い方については?」
ライナー「そうだな。まさか巨人の口に投げ入れるとかじゃないよな?」
ゲスミン「どこのきび団子だそれは。霧状にして散布するタイプと、銃や弓矢を使って撃ち込むタイプの二種を用意した。前者は風上に立たなければ意味がない上に、効果が出るまでそこそこ時間がかかる。後者は確実性はあるが、有効射程は精々30メートルといったところだ」
アニ「よろしい。では量産し、シガンシナを始め各ウォールマリア突出区に駐屯する犬ども………もとい駐屯兵団に配備しよう」
ゲスミン「感謝の極み。それと解除薬の研究中、副次的に二つの薬物ができた。先に言った銃や弓矢で撃ち込むタイプだ。ひとつは巨人に理性をもたらし、こちらの指示に従わせることができる……『支配薬』とでも名付けようか。シガンシナ外壁に張り付いていた奴で実験したので効果は保証済みだ」
アニ「何………これは好都合だ」
ベルトルト「それこそどこの桃太郎印のきび団子だよ」
ライナー「まあまあ、細かいことはいいじゃないか。それ使ってシーナ占拠しようぜ。巨人の威を使えば無血開城も容易いだろう。王都堕ちりゃあとはこっちのもんだ」
クリスタ「そうだね! ミカサの営業活動のおかげで、民意も兵士の士気もこっち向きだし」
-
ミカサ「私、凄く頑張った」
アニ「うむ、よくやった。あんたは私の自慢の、お股のキツい妹だ。ゆるくない。決してゆるくなんてないぞ。キッツキツだ!!」
ミカサ(お股がゆるいと言われるよりはマシかもしれないけど、そう言われるのもなんかイヤだ)
ベルトルト(せめて身持ちが固いとか言えよ)
ゲスミン「もう一つはこれ。『強化薬』とでも言おうか。ちょいとばかし使い方がややこしいが、巨人化能力の最大出力を三倍以上に高めることができる」
アニ「えっ、なにそれすごい」
ゲスミン「ああ、すごい。だが問題点がある」
エレン「なんか予想がつくけど、言ってみ」
ゲスミン「まだ試作段階だ。というか治験してない」
アニ「よし、ライナー。出番だ」
大輪の花が咲いたように美しいアニの笑み。
ライナー「えっ」
凍り付くゴリラの顔。
-
エレン「そうだな。こういうのでワリを食うのはライナーって昔から決まってるもんな」
ライナー「えっ」
ベルトルト「ライナーは犠牲になったのだ……特に理由はないのに犠牲になるという風潮……その犠牲にな」
ライナー「えっ」
ミカサ「ライナー、どうしてすぐ犠牲になってしまうの? 自分の身も省みず、いつもいつも危険なことばっかりして」
ライナー「えっ」
ミーナ「皆を守るため、か。兄貴だねぇ………フフ、アタイそういうの嫌いじゃないよ。ヒーローになりなよゴリラ。あんたにゃその資格がある」
マルコ「そうだよ、君ならヒーローになれるさ。僕なんかペニスケースにしかなれなかったんだ!」
ライナー「えっ」
クリスタ「ライナーならいくらでも差し上げます。ですから先生、どうか、どうかこのゴリラに投薬を…………」
ゲスミン「フフフ、その言葉が聞きたかった」ガタッ
ライナー「―――――えっ」
満場一致であった。四面楚歌とも言う。紛うことなき茶番であった。
-
ゲスミン「さて、この哀れなデク………もといライナー被検体よ。心の準備は出来たかな?」
ライナー「もう何言っても無駄だろうが、とりあえず話だけでも聞くわ」
ゲスミン「ここに10リットルの水がある! 飲むんだッッ」ゲンキデルカラ
エレン「スッゲ………」
ライナー「ムリだこれムリだろ」オナカハレツシチャウ
ゲスミン「このままでは無理だ。そこでこれを混ぜる」
言いながら、ゲスミンは『強化薬』と書かれた壺を取り出した。
ゲスミン「4キロある。これを混ぜる………合計十四キロの強化薬水溶液だ。甘味料がたっぷり含まれていてお子様にも安心な飲み口だ。さあ飲むんだッッ」ゲンキデルカラ
ライナー「死ぬわ!! 飲み口云々以前に量で死ぬわ!!」
ベルトルト「スイーツ(笑)」
アニ「もう、ブタになってもいい……! だから、ありったけを」
クリスタ「明日、スカートがはけなくなってもいいという覚悟!」
ライナー「テ、テメーら、自分が飲まなくてもいいからって好き放題に言いやがって………」
-
アニ「イヤか?」
ライナー「イヤだ」
ゲスミン「ふむ、となると代案がある。一計を案じました」
アニ「これであろう」
アニの掌には『火』の一文字が書かれていた。
ゲスミン「巨人の軍勢に対し、ライナー=サンが単騎突撃! 敵中央にて火薬に点火! ライナー=サンは巨人たちを巻き込みしめやかに爆裂四散! インガオホー! サヨナラ!」
アニ「ワザマエ!!」
ライナー「ヤメテ!!」
ゲスミン「偉大なる君の先人たるレッドゴリラ=サンも『何事も暴力で解決するのが一番だ』と言っている。なるほど! 確かにその通りだ」
エレン「その通りだぜライナー。かのレッドゴリラ=サンは『面倒だ! 命令の出ておらんその他大勢は皆殺しにすれば良い。面倒は殺すに限る!』とも言った。実に胸を打つ言葉じゃあないか、ええ?」
ライナー「飲めばいいんだろ畜生がッッ!!」ゴキュゴキュゴキュゴキュッ
-
ライナー「ぶはっ、ぐ………の、飲んだ、ぞ………」
ゲスミン「元気出たでしょ?」
ライナー「元気より胃の中のもんが出そう…………ぐ、グワーーーーっ!? か、体が、あ、熱いッ………!?」
アニ「エロ同人みたいなこと言いだしたぞ」
エレン「ヤベッ、皆尻を隠せっ。油断してるとあのホモゴリラがズブリしてくるぞ!」
ベルトルト「い、いや、待つんだ。なにか様子がおかしい」
ライナー「グ、グあ…………お、あがぁ………」メキメキメキメキ
ベルトルト「…………人間の大きさのままなのに、鎧が展開されていくぞ………?」
アニ「オイ、これ大丈夫なのか」
ゲスミン「ん!? 間違えたかな………?」
エレン「お? 変身が終わったっぽいぞ」
ライナー「ハァ、ハァ…………あ、あれ? 巨人化、してねえ………」
アニ「身長そのままの1/10スケール鎧の巨人みたいになってるけど、ゲスミン、これのどこがパワーアップなの? パワーダウンにも程があるけど」
-
ゲスミン「んー、少し理解した。ねえライナー、ちょっとジャンプしてみてくれる? あ、念のため外でね」
ライナー「あ、ああ、わかった………せーのっうぉおおおおおおおおおおおおおお!?」
チュドォオオオオオンッ
エレン「お、おい。十メートルは飛んだぞ…………」
ゲスミン「うん、理解した。これは体躯の大きさはそのままにしたまま、筋力を数倍から数十倍にまで引き出げる薬だ。まさしく『強化薬』だね。巨人状態で飲むか、飲んでから巨人化すれば、更に倍になるかも」
スタッ
ライナー「あーびっくした…………お?」バラバラバラバラ
ベルトルト「鎧が剥げ落ちていくね」
ゲスミン「効果時間は一分程度か。まだまだ改良の余地はありそうだね」
ゲストリア「ミーナに飲ませたらどうなるかな。ミーナのご立派がネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲みたいになるのかな」ワクワク
ミーナ「だめぇ、壊れちゃう(マルコが)」
アニ「なんにしても、これは巨人化能力を持つ私たち以外にも使えそうな薬だな。調査兵団あたりに流して唆し、クーデターけしかけるのも悪くない」
ゲスミン「アニ様は本当に頭の良いお方」ゲッゲッゲ
ベルトルト「おまえらホントいい性格してるよね」
-
そんなこんなで薬は完成したのである。
アニ「フフ、注文通りの『解除薬』に、副次薬である『支配薬』と『強化薬』、確かに魅せてもらった。でかしたアルミン」
ゲスミン「感謝の極み」ズパッ
アニ「ユミルもご苦労だった。褒美だ、ベルトルトをくれてやろう」
ベルトルト「!?」
ユミル「わーい、やったぁ! 高身長のかっこいい鬱系草食彼氏ゲットー♪」
ベルトルト「え………なんか勝手に景品にされてたことはとりあえず置いておくとして、誰だよ君はキャラ違いすぎんぞ」
ユミル「誰って言われても、私はユミルだゾッ☆ 私、どこかおかしいの?」
ベルトルト「おかしいっつーかもう何もかもクレイジーだろ! プチ整形も驚きのレベルで別人じゃねえか! 顔面にこびりついてたソバ粒どこいった!? 三白眼は!? 君ってそんな『花○ゆめ』に出てくる少女漫画ヒロインみたいな目じゃなかったろ?!」
アニ「女は化粧で変わるんだよ。クリスタが一時間でやってくれました」
クリスタ「久々に気持ちのいい仕事をさせてもらえたよ。これが私のできる精一杯、名付けて『ザ・ベスト・オブ・ユミル』よ」ウフフフ
ベルトルト「邦楽のアルバムみたいな名前つけてんじゃねえよ!! 君も君でネーミングセンスねえなマジで。僕はもう何を信じればいいんだ!!」
-
ユミル「まるで気分はシンデレラ」キラッ
ベルトルト「キュン」
エレン「堕ちたな」
ミカサ「おめでとう、ベルナドット」
ライナー「おめでとう死ね」
ゲスミン「死ね。氏ねじゃなくて死ね。もげろ。爆発しろ。末永く爆発しろ」
アニ「しかしこれをベルユミとしていいのかどうか疑問が残るね」
ミーナ「こまけえこたぁいいんだよ」
アニ「さあ、隣に素敵なベッドルームを用意してある。たっぷり八時間はプレイするといい」
ミーナ「さくばんは おたのしみでしたね(笑)」
ユミル「さあ、ダーリン。愛し合いましょう。具体的にはベッドの上でくんずほぐれつ即ハボ!(※即ハメボテ腹の意) 実は私、ベルトルさんの超大型(意味深)に興味があったの………」ポッ
ベルトルト「やめてくれ!! 僕は! 僕ぁ清いお付き合いから始めたいんだ。合体から始まる淫らな恋愛は嫌だ!! 赤ちゃん出来ても今の僕にはまだ責任が取れないんだから!」
ベルトルトは元テロリストの分際でありながら、実は結構現実主義で堅実派だった。
-
ユミル「えー……うーん、ベルトルさんの意思は尊重したいけど、その清いお付き合いって具体的にはどんな感じなの?」
ベルトルト「まずはデートしてぎこちないながらも手をつなぐところから入って、オサレな喫茶店でお喋りして少しずつお互いのことを知って、もっと好きになって、ふとしたしぐさにどきっとした僕が君にキスしていいかを聞いてキスできるようになってから、そこから最低半年は時間を置いた上で綺麗な星の見えるリストランテで僕は君に指輪を差し出してプロポーズ。その後結婚してからの初夜で処女喪失というのが僕の考える最高のユミルの愛し方だ」
そんな純愛小説の序盤から中盤にかけてのテンプレ的展開めいたベルトルトの未来設計図に、一同は白い目を向けていた。
アニ「ぬるいわ……童貞野郎の妄想はこれだから……『あと味のよくないものを残す』とか『人生に悔いを残さない』だとか………便所ネズミのクソにも匹敵する、そのくだらない物の考え方が命とりよ! ヘドが出るわ!!」ペッ
ゲストリア「なんだそのいまどき少女漫画にも無いプラトニックな恋愛は……十週打ち切り確定だこのクソッタレが……時代はエンターテインメントとエロスなんだよ……便器の横に吐き捨てられたタンカスにも劣る」ペッ
ゲスミン「ユミルはすでにいつでもウェルカム状態だってのにその誠実アピールは逆に殺意が湧くわ。玉無し中坊が……肥溜めに頭から突っ込んで溺死しろ」ペッ
ミーナ「全くだこのヘタレカスめ……『強くなりたくば喰らえッッ』というオーガ=サンの名言を知らないのかよ……いつだって本能は理性を凌駕するんだよ」
マルコ「テメー僕の事ディスってんの? 出会って1秒即レイプだった僕の事ディスってんの? 屋上(ハッテン場)へ行こうぜ……久しぶりに……キレちまったよ……」
ライナー「結局最後にはズブリと犯るつもりなら、とっとと至ればいいだろうが…………過程や方法なぞどうでもよいのだァーッ!! それとも何? あれか? 余裕? 余裕のつもりですか? その過程でフラれる可能性はハナから排除ですか? ははは殺すぞ」
エレン「羊の皮被ったオオカミが抜かしおる………どうせ初夜には緊縛してローソクやらムチやら果ては異界から召喚した触手やらを使って、偏った愛情に満ちたプレイに興じるんだろ? ベルトルトマジD4C(いともたやすく行われるえげつない行為)」
ベルトルト「なんで僕こんな責められてんの!?」
ミカサ(…………いいな、って思ったのは私だけなのだろうか)シュン
エレン(安心しろミカサ。俺は相手に尽くすタイプだ。おまえの希望に沿ったお付き合いをしていきたい)キリッ
ミカサ(!! え、エレン………!! 直接脳内で告白だなんて頭がフットーしちゃいそうだよぉ……!!)カアアッ
-
そんなグダグダなままではあったが、なんやかんやで解散式の夜を迎えたのである。
主席:エレン・イェーガー(ダントツ)
二位:アニ・レオンハート(乙女パワーのちょっとした応用)
三位:アルミン・アルレルト(ドーピングコンソメスープ)
四位:ミカサ・アッカーマン(アイドルパワーで教官もメロメロ)
五位:ライナー・ブラウン(ゴリラ)
六位:クリスタ・レンズ(本気出した)
七位:ユミル(声までミクになった)
八位:ベルトルト・フーバー(暗黒面に堕ちた)
九位:ミーナ・カロライナ(マララギダインは無敵だ)
十位:ペニスケース(マルコ・ボット)
ジャンはただひたすらに泣いた。
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※続きは明日。明日完結予定です。
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乙。続き待ってた。相変わらずの良いキャラクターだ。
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乙。
ドーピングコンソメスープで草wwww
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獣の巨人率いる巨人の軍集団は、一路ウォールマリア・シガンシナ区をめざし進軍を開始。
獣の巨人は自軍の勝利に疑いを持っていなかった。
人と巨人の間には、それを盲信するに足る隔絶とした戦力差がある。
それはさながら原始時代の発想だ。シンプルにより優れた体躯を持ち、強大な膂力を持つ方が勝つ。
目的を持つ司令官一人いれば、後は戦略も戦術も不要。一方的な虐殺を行うことができる。
故にこそ、当然のように自分たちは勝利する。
そう信じていた。
――――シガンシナ区を、目視で確認するその時までは。
-
獣の巨人「……………えっ」
獣の巨人は絶句した。
ウォールマリア・シガンシナ区に、アニ一行が移り住んでから早五年。
この五年でただの突出区の一つに過ぎなかったシガンシナ区は、その在り方を変えていた。
曰く『要塞都市』。
神聖にして犯すべからざるはずの壁の上部には、見るからに不吉さを連想させる巨大な一門の砲塔があった。
アニによって命名されたその巨大砲塔は、『ミーナ砲』と呼ばれるご立派な威容をこれでもかと見せつけている。
アニメ化した日にはモザイク必至の卑猥さを醸し出すそれは、シガンシナ区の変貌ぶりを象徴しているかのごとく、真にイヤらしい。
――――噂に曰く、『地獄に最も近い地区』。反面、『天国に最も近い地区』とも呼ばれる、王政の権力すら及ばぬ地。
乙女を称する一人の悪魔によって支配される地区、と。
その噂は真実である。シガンシナ市内は、既にロアナプラも真っ青な無法都市と化している。
この地区においては王が定めた法は一切通用せず、憲兵も機能していない。
『レオンハート』とそれに連なる者たちに手を出すことはご法度という、シンプルにして明快なたった一つの遵守すべきルールがあるだけだ。
-
単純に言えばアニが法であり、乙女の機嫌を損ねる行いをした輩の末路は凄惨なものとなる。残る余生をアヘ顔で過ごすか、巨人の餌になるか、ミーナのペ●スケースになるかの三択であった。
しかし反面、それさえ順守するのであればなかなかに過ごしやすい地区という評判だ。
それまで黒い噂の絶えなかった商会はアニによって駆逐され、品物も自由な値段で販売することができる。
王政によるつまらない規制や禁制もなく、思想すら制限されていた学者や技術者、一攫千金や新たな事業での成功を夢を見る若者にとっては天国に等しい環境であった。
既にシガンシナでしか手に入らない食べ物、物品は数多く存在する。アニが立ち上げたレオンハートランドもまた大評判であった。
無法都市と蔑まれながらも、他の地区からの客足や移住希望者が後を絶たない理由がそこにあった。
ミカサ、もといミカ☆りんによるイメージアップ戦略も功を奏しており、シガンシナ出身と言っても、王政や憲兵に関わりがない限りは比較的好意的な意味で受け止めてくれる。
実力至上主義、夢と希望に満ち溢れ、弱いものは倒れ死んでいく、そんな街づくりをめざし、アニは実現したのだ。
獣の巨人「―――――」
獣の巨人は、背筋に氷塊を差し込まれたような怖気を覚えた。本能が、撤退を叫んでいるのは明らかだった。
――――勝てぬ、とは言わない。だが、あまりにも自分には覚悟が足りていなかった。
殺そうとする者は、返り討ちに合う覚悟を持たねばならぬ。
それは礼儀でも資格でもなく、当然の真理であった。ネズミは二度噛めばライオンをも倒す。かの哲学剣士ミヤモト・マサシも『調子に乗っている奴から負ける』と口酸っぱく言っている。
そうして獣の巨人は、遅れながらも悟ったのだ――――焼いたスシに水をかけても戻らないことを。
-
………
……
…
解散式が終わった後、アニ一行は有無を言わさず第104期訓練兵団を率い、シガンシナ区へと移動していた。
『恐らくそろそろやってくるだろう』という、ゲスミンのなんの根拠もないご都合主義的な推測は正しかった。
シガンシナ区の壁上に陣取ったアニは、視線の先――――巨人の大群と、先頭に立つ獣の巨人を正しく見下していた。
ジャン「アイエエエエエエ!!!! キョジン?! キョジンナンデ!?」
ジャンはみっともなくも悲鳴を上げていたが、それを非難する者はいない。
壁内人類は数百年単位でキョジン=サンの圧倒的な暴力(カラテ)に虐げられているため、キョジン=サンを見ると遺伝子レベルで自己防衛本能が働くようになってしまっている。
まして巨人が軍隊の体を成してシガンシナへと殺到しつつある現状は、常人には認知しがたい現実に他ならなかった。
他の訓練兵たちもほとんどが恐慌状態に陥っている。
アニ「うろたえるなァーーーーッッ!! うろたえないッ! 訓練兵団はうろたえないッ!」
アニの怒号がシガンシナの空に高々と響き渡ると、訓練兵たちはハッとしたように押し黙った。
-
場が静寂に包まれた直後、アニは壁外へを背を向け、内へと目を向ける。
眼下の壁外へと続く門の前には、アニ子飼いの憲兵や駐屯兵が行儀よく号令を待っている。その末席にはエルヴィン団長率いる調査兵団の姿もあった。
アニ「全軍、傾聴」
静かな命令に、誰もが思わず心臓を捧げる敬礼の姿勢を取った。
アニ「待ちに待った時が来たのだ…………多くの英霊達が無駄死にで無かった事の………証の為に」
この言葉に目を見開いたのは、調査兵団の面々である。アニも彼らへと視線を向けていた。
アニ「再び人類の理想を掲げる為に、乙女による地球の完全支配成就のために! シガンシナよ、私は帰って来たぞッ! 諸君らにとっての希望を抱えて、巨人たちにとっての絶望を背負って、私はここに帰ってきたぞッ!!」
その演説に、シガンシナ住民から歓声が上がる。当然であった。アニはシガンシナ区の絶対的支配者である。
ライナー「こういうことやらせると、アニは無敵だな」
ベルトルト「遺憾ながら全くその通りだ」
-
アニ「御覧の通り、敵は地平線を埋め尽くす、およそ五万を超える知性巨人。筆頭は獣の巨人。これまでならば敗北確定の負け戦よ。これまでならばな」
言って、アニは笑みを深める。
アニ「まずはご挨拶だ。アルミン、遠路はるばるノコノコやってきた腐れ玉無しどもに、歓迎の祝砲を上げてやれ」
ゲスミン「ヤー」
パチンとゲスミンが指先をスナップさせると、シガンシナ城壁上におったてられたご立派砲がうなりを上げて発射される。
轟音と共に放たれた砲弾は、寸分たがわず巨人の軍団中央へと着弾し―――――見るからに体に有害そうな紫色の煙が、着弾地点周囲を包み込む。
事情を知らない兵たちは、それに首を傾げた。あの煙は何だ。一体どんな意味がある。その意味を、測りかねていた。
皮肉にも、その効力を真っ先に理解したのは、最前線に立つ獣の巨人。
巨人には、人間を知覚する能力がある。より多くの人間が存在する場所に巨人が惹かれていくのは、その能力のためだ。
その能力が――――己の後方に『ただの人間』の存在を察知した。丁度、砲弾が着弾した箇所を中心として、その反応を感じる。
それが何を意味するのかを悟った瞬間――――獣の巨人は、思わずその巨大な足を一歩後退させた。
-
エルヴィン「きょ、巨人が…………に、人間になっていく………」
ハンジ「い、いや、まさか、これは、も、『戻って』いるのか………? 巨人は、本当に人間が………」
ゲスミン「ゲェハハハハハハ!! ゲハハハハハハ!!!」
アニ「見ろぉ!! 巨人どもがゴミのようだ!! いや、人間だな!! ただの!! 今や我々と変わらぬただの人間だ!!」
エレン「アニ、巨人どもに撤退の動きがあるぞ」
アニ「しゃらくせえ!! 逃がすなアルミン!!」
ゲスミン「ヒャッハー! 連発だぁーーーー!!」
次々に放たれるミーナ砲。それは超高速のピストン運動に似て卑猥であった。
ゲスミン「知ってるぜぇーーー!! おまえたちの好きなものはぁー! 母親と死体だぁーーーー!!!」
意味不明な哄笑を上げて、アルミンは砲撃を連発する。
獣の巨人を含む五万の巨人群の誰もが人間へと戻るのに、さして時間はかからなかった。
-
アニ「撃ち方やめ」
ゲスミン「濃厚でクリィミィな味なのぉーーーー!!」ゲハハハハ
アニ「撃ち方やめ! やめ!! やめっつーに! やめろボケッ!!」シュバッ
ゲスミン「ゲブッ!? イア、イア………ハスター………」ドサッ
ハイになって撃ち続けるアルミンの首筋にアニのハイキックが炸裂。アルミンは物理的に沈黙した。
アニ「さて、彼らに降伏勧告を行う前に―――――ひとつ面白い話をしよう。御覧の通り巨人は人間だ。ちなみにこの事実を王政府は知っていた。知ったうえで君たちに隠していた。――――何故だと思うね?」
そして赤裸々に語られる王政府の外道な行い。壁の秘密。レイス家の真実。そしてアニたちの目的を。
眼前のインパクトに思考が停止した兵や住民たちは、疑うこともなく、ただただ話に聞き入るばかりであった。
アニ「さあ、歴史の転換期が来た!! 現王政府を廃し、新たに正当なる王族たる、このヒストリア・レイスを新たな王とするために!! 壁の外へ希望を探す旅路に出る前の大掃除だ! 立てよ国民! 立てよ兵士諸君!!」
かくしてアニ一行は、巨人の戦士撃退とクーデターを、まとめて全部投げやり風味に片付けてしまったのだ。
…
……
………
-
そして、壁に襲撃を掛けんとした巨人たちは全員人間へと戻り、壁内人類に降伏した。
事後処理にシガンシナ区の駐屯兵と憲兵が当たる一方で、アニと調査兵団は現王政府に対するクーデターを仕掛けていた。
それに呼応する形で、各突出区においてアニの息のかかった駐屯兵団が、憲兵団を襲撃。
瞬く間に王都へ辿り着いたアニ一行と調査兵団は、電光石火の働きぶりを見せた。各地の混乱に乗じた、一方的な電撃戦である。
懸念事項とされていた中央憲兵兵団の暗部たるケニー率いる対人立体機動装置を操る部隊も、蓋を開けてみればまったく問題なかった。
アルミンの開発した『強化薬』によって人外の戦闘力を得たアニ一行と調査兵団にとっては、対人立体機動装置(笑)である。なにせ銃弾が効かないのだ。
特に活躍したのはエレンの薫陶を受けた、訓練兵たちである。誰もが戦の空気に当てられ、その瞳は血走っていた。
エレン「野郎ども! 俺達の特技はなんだっ!?」
ダズ「殺せっ!!殺せっ!!殺せっ!!」
エレン「この戦いの目的はなんだっ!?」
トーマス「殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!!」
エレン「俺達は壁内を愛しているか!? 立体機動を愛しているかっ!? 答えろクソ野郎ども!!」
ナック「ガンホー!! ガンホー!! ガンホー!!」
エレン「ならば行け! 行って殺してこい! 行って終わらせてこいッ! 俺たちは殺し屋だ! 王族と中央憲兵はキルゼムオール(皆殺しだ)!!」
訓練兵「イェッサ!! キルユーベイベェーーー!!」
-
かくしてアニ一行は、王都の中心にある王族の住まう王城へと辿り着いたのだ。
アニ「オープンセサミ………」ギュルルルルルル
アニの持つ乙女パワーの応用による乙女ドリルによって城内へと続く門はあっさりと打ち破られた。
トーマス「うおおおおお! アニ様が目にモノ見せたぞ!! てめえらもかかれぇーーーー!!」
ダズ「ヒャッハー!! 貴族だァーーー!! ザッケンナコラー! スッゾコラー! シャッコラー!」
貴族A「アナヤ!!」
サシャ「その肉をヨコセェエエエエエエエ!!」
貴族B「グワーッ!」
コニー「オアエリ! オアエリ!!」
貴族C「アバーッ!?」
ミーナ「ケツ・ノ・アナ!」ズブリッ
貴族C「アイエエエエ?! マーラ=サン!? マーラ=サンナンデ!?」
リヴァイ「カオス」
-
城内を瞬く間に蹂躙していく訓練兵団。
なすすべもなく貴族たちは捕えられ、ミーナにズブリされ純ケツを奪われていった。
そして残すは王の間である。
アニ「ドーモ、キング=サン。アニ=レオンハートです」ペコリ
宰相「ぶ、無礼者! 誰の御前とこk」
アニ「アイサツは?」パチンッ
ミーナ「無礼者にはズブリだァーーーーッ!!」ドモンッ
宰相「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
ベルトルト「もはや恒例だね」
ユミル「ねえ知ってた、ベルトルさん? 実はこの話の最初のプロットだと、私が最後にズブリされてたの」
ベルトルト「マジで!? っていうかなんで今それ言ったの!?」
ユミル「もうそろそろ終わるから、今を除いたら言えないと思って………」
ベルトルト「そ、そう」
-
クリスタ「じゃあ私も言うけど、実は最初のプロットだと、ライクリになってたんだ。二人は幸せなキスをして終了、みたいな感じの終わりだったっぽいよ」
ライナー「…………マジで!? 今からでも遅くないんじゃね! そうじゃね!?」
ゲスミン「ライナー必死すぎバロッシュwwwwwフォカヌポウwwww」
エレン「ちなみにゲスミンのウザさはプロット通りらしいぜ」
ライナー「結婚! 結婚しよ!! キスと言わずこの後メチャクチャにセックスしたみたいなエンドでよくね!? そうしよ! しよ!」
ヒストリア「は? おい、ゴリラ。私の名前を言ってみろ」
ライナー「え………?」
ヒストリア「私の名前を言ってみろと、言ったんだ」ゴゴゴゴゴ
ライナー「ヒ、ヒストリア・レイス………?」
ヒストリア「女王様をつけろよゴリラ野郎!!」ゲシッ
ライナー「あひんっ!」
王「ア、アワワワワ………」ガクガクブルブル
エレン「これが、この国の王………?」ゴゴゴゴゴゴ
王「ヒ、ヒエッ………」ビクッ
エレン「脆そうだぜ………」ゴゴゴゴゴゴゴ
-
アニ「こらこら、エレン。そんな人をグレートグロス単位で殺してそうな目で見るのはやめなさい」
エレン「でもよ、アニ。こいつ悪い奴だぜ」
アニ「そんなんでも一応はこの国の王様なんだ。一定の敬意を払え。偽りの王族とはいえ、統率者に変わりはない。それを見下すのはシツレイに値する」
エレン「そーなのかー」
アニ「そーなのだー。いいですか、エレン。殺していいのは、乙女の敵だけです」
エレン「はーい」
王様「ヒッ、ヒィー………」ガクブル
アニ「じゃあ単刀直入に言うよ、王様。速やかに王権をヒストリアに禅譲しろ。そうすれば優しくミーナがズブリしてくれる」
王様「ア、アババババ………」ビクンビクン
アニ「イヤか? イヤならハバネロを配合した特製ローションを全身に塗りたくったミーナを一気に………」
王様「禅譲しますからオタスケェーーーーッ!!」ジョババババ
かくして、ヒストリア王政は始まったとさ。
なお、アニは宰相の立場に収まった。国を影から支配する気満々である。
-
〜一年後 元ウォールマリア・シガンシナ区〜
かくして戦は終わった。
戦後処理はつつがなく終了し、壁内にはアルミン特製の解除薬が注入され、壁内の巨人は全て人間へと戻っていった。
今や人類をおしこめる壁はなく、人々は新天地をめざし、大地を駆け巡る。
巨人の大陸には未だ多くの巨人たちがひしめいており、この大陸の支配をもくろんではいる。
しかしそれもエレン率いる『消毒部隊』が新たな巨人の侵攻を、海岸線上で押しとどめ続けており、いずれ物量不足でコウショウ=ジツによる和平が行われるのは時間の問題であった。
-
そして王宮では、アニ宰相が政の指揮を取っていた。
ゲスミン「アニ宰相。この案件ですが」
アニ「あんたがやっておけ」
ゲスミン「てめえ血は何色だ宰相になってもそれかどこが指揮を取ってんだふざけんな僕を一体何だと思ってる」ピキピキ
アニ「天才で私の下僕」
ゲスミン「よし殺してやる外に出ろ」
アニ「そして私の旦那様だよ」
アルミン「え」
アニ「一体、いつからこのSSがアルアニでないと錯覚していた?」
アルミン「なん……だと……」
-
アルミン「い、言われて、みれば………い、いや。エレンとかクリスタとかミカサの方がどちらかというとフラグが立っていた印象が……」ワナワナ
アニ「思えば、あんたには辛い役目ばかりを押し付けたね」ウルウル
アルミン「やめろ……いきなり優しくするな……そんなうるんだ目で僕を見るんじゃあない……僕はギャップ萌えに弱いんだぞ……?」
アニ「好きだよ、アルミン。あんたを愛している」
アルミン「キュン」
ライナー(堕ちたな)モノカゲ
ベルトルト(一番チョロいのはヤツでしたというオチか)モノカゲ
ヒストリア(おめでとう、お姉さま)モノカゲ
-
アルミン「ハッ………?! ま、まて、騙されないぞ………あんなにも僕をコキ使った悪魔が………きっと何かを企んでいるに違いない」ブンブン
アニ「乙女の照れ隠しだよ。言わせないで、恥ずかしい」プイッ
アルミン「んなっ!?」グハッ
ライナー(もうひと押しだ。コンボだ)
ベルトルト(先は見えたな。押し込め。ねじ込め)
ヒストリア(行け行け、お姉さま)
アルミン「だ、騙される、もんか………こ、こんな、悪魔みたいな、女に………」プルプル
アニ「それとも、こんな、巨人に………化け物になれる女は、いや?」ウルウル
アルミン「ひぎぃ! らめえ! そんな目でみちゃらめなのぉ!! きゅんきゅんしちゃうのお!!」アヘェ
アニ「ねえ、どうしても駄目?」シュン
アルミン「そ、そんなこと、そ、そんなことは、な、ない………よ?」ガクガク
ライナー(生まれたての小鹿のようにプルプルしてるな)
ベルトルト(もうグロッキー寸前だな)
ヒストリア(最後の一撃、余さず纏めて極めてしまって、お姉さま)
-
アニ「じゃあ、どうなの。私の事、どう思ってるの? ねえ、アルミン」ジーッ
アルミン「ぼ、僕、ぼく、は…………き、君が」
アニ「言葉で言えないなら、態度で示して」ン
アルミン「え?」
アニ「ん」
アルミン「ど、どうして目をつむって、顔をこちらに向けてるの?」
アニ「ん」
アルミン「……………(え、こ、これって、ひょっとしてアレ? そういうことなの? ねえ、そうなの?)」オロオロ
ライナー(そういうことだよ。行けよ)
ベルトルト(それ以外に何があるっていうんだよ、さっさと行け)
ヒストリア(ゴーゴー♪ チッス〜! チッスゥ〜☆)ワクワク
-
アニ「ん!」
アルミン「わ、分かったよ! そ、その、言葉で言うから、目を開けて!」
アニ「……………うん」パチッ
アルミン「ぼ、僕は、き、君なんて、その………最初は、面白い子だなあって、そう思った」
アニ「うん」
アルミン「でも、どんどん滅茶苦茶なことをやりだして、僕はその尻拭いばっかりやらされて」
アニ「ごめんね」
アルミン「辛かったし疲れたよ。だけど―――――不思議と、僕の周りの人たちはみんな、笑顔だったんだよ」
ライナー(おっ)
ベルトルト(おおっ?)
ヒストリア(おおおっ!)
-
期待
-
アルミン「そうなんだよ。無茶なことばかり僕にやらせてさ………けど、君のやることなすこと、皆がちゃんと幸せになるように、なってたんだよね」
アニ「私は、考えることはできる。思いつくこともできる。だけど、実行するだけの力そのものは無くて………アルミンには、それがあったから」
アルミン「こき使われた身としては、やっぱりたまったもんじゃなかったけど…………頼って、くれてたんだよね?」
アニ「うん。あんたならやれる。あんたしかできない。アルミンだったら、きっとなんとかしてくれるって、そう信じてた。嫌われるかもってことは、分かってた。あんたは、私を嫌っていい」
アルミン「…………嫌えないよ。思いだしちゃったんだもの。シガンシナ区のみんなの笑顔を。思い出してしまった」
アニ「きっと、これからも私はあんたをこき使うよ」
アルミン「容赦ないなぁ………でも、みんなを笑顔にするためなんだろう?」
アニ「……………さあ、どうだろうね」プイッ
アルミン「アニの、さ。その、そういうところは、その―――――可愛いと、思う」
アニ「ッ…………」カアアッ
-
アニ「あ、あんた、何言ってんの? 私、酷い女だよ?」
アルミン「でも、優しいよ。先を見てる。人々が笑顔で暮らせるための場所を、君は作ったんだ」
アニ「一方で、壊したりもしてる」
アルミン「悪い人たちをね。エレンが積極的にそれを行っている。でもそれは、必要なことだったんだ」
アニ「じゃ、じゃあ、なに? アルミンは、私を――――」
アルミン「うん。不思議だよね。これから先何年生きるか分からないけど、その時、アニが僕の横にいてくれないのは、なんか嫌だよ」
アニ「ッ………え」
アルミン「君が好きだ。僕のそばにいてほしい。ずっと、ずっと、ずっと、死ぬまで、ずっと」
アニ「そ、それで、いいの? 私なんかで、いいの?」
アルミン「君じゃなきゃ嫌だ。君だ。君は誰だい、アニ。いつも自信満々に言ってたじゃないか」
アニ「!! ああ、そうだね。うっかりしてた。宰相とか、そう肩書きの前に、私は――――」
ライナー(そうだぜ、アニ)
ベルトルト(そうだよ、アニ)
ヒストリア(お姉さまは、いつだってそうだったでしょう?)
-
アニ「私はアニ・レオンハート。十七歳―――――アルミンのことが大好きな、ただの乙女だよ」
【劇終】
-
※というわけで、アニ乙女はこれにて終幕。
ノリで書くといいことないって分かった。次はドリフを終わらせる。
-
乙。面白い。ドリフターズ編たのしみにしてる。
-
このSSが面白かったのでドリフSS読もうと思ったけど
本編を知らなかったので漫画買ったらはまって
ドリフのSSの方も面白くて
歴史上の人物をぐぐることにはまって
ここ数ヶ月毎日楽しかったんだけど
起点はこのSSだった事を今思い出した
なんかもう本当にありがとう
-
【おまけ】
アニ「というわけで、私たち結婚しました」
アルミン「う、うん」
ミカサ「想定の範囲外。だけど、おめでとう、お姉さま。アルミン。アルミンにならお姉さまを任せられる(というよりアルミン以外には無理だ)」
エレン「そーなのかー。おめでとう。アルミンならきっとアニを幸せにできるな」
アルミン「う、うん。ありがとう、二人とも」テレテレ
ライナー「しかし意外だ。盗み見してた身でなんだが、俺はてっきり当初はエレン狙いなのかと」
アニ「乙女は略奪愛なんかしない。まして妹の思い人を奪う姉など言語道断。万死に値する」
-
ベルトルト「僕はミーナとかクリスタとかミカサとか常に侍らせてたから、乙女=百合だと思ってたよ」
ユミル「禿同」
ミーナ「右に同じ」
マルコ「まさしく」
アニ「ふざけないで。私だってちゃんとち○ち○が好きだよ。見たことないけど」
エレン(見たことないのか………)
ライナー(好きなのか……ち○ち○が………)
ベルトルト(っていうか、ち○ち○って呼び方はそそるよね………)
マルコ(ふひひ)
アニ「ん? なんか下僕(♂)どもの忠誠心が上がっている気配がする」
-
アルミン「君はもうちょっと自分の発言の効力を理解すべきだと思う」
アニ「そうなの? 分かった、留意するよ。ところでアルミン、新婚旅行はどこに行きたい?」
アルミン「え、いきなりだね」
アニ「と言っても、もう行先は決まってるんだけどね」
アルミン「………まあ、今更だね。うん、いいよ。どこに行くの?」
アニ「巨人の大陸」
アルミン「ゑっ」
アニ「つまり私の故郷だ。結婚するにしてもちゃんと段階は踏まないと。お父さんに挨拶しないとね」ニコリ
アルミン「……………あっれェ〜? っかしいなぁ、二人は幸せなセックスをして終了、みたいな流れにならねーの? 修羅場見るの? 嘘だろ? 嘘だと言ってよアーニィ」
ライナー「アニの親父さんおっかねえからなあ。まあ、おまえならなんとかなるだろ」
ベルトルト「君は天才だからね。なんとでもなるさ。僕も力になるよ、アルミン」
アニ「さっ、行くよアルミン。式を挙げるのは旅行の後、ちゃんとお父さんの許可を得た後だ。婚前交渉など不可能だと思うことだね」
アルミン「えー…………」
そしてアルミンの大冒険が、幕を上げた。
-
迫りくる巨人。新たなる強敵の出現。窮地につぐ窮地。ピンチの連続に苦しみながらも、アルミンは仲間たちと共に巨人大陸の難所を次々に攻略していく。
仲間(ライナー)の死を乗り越え、ついにアルミンはレオンハート家に辿り着いたのだ。
アニパパ「結婚? ハハ、ご冗談を。死にたいと言うなら別だがね。さあ、アニを置いてお引き取り願おうか」
アルミン「おまえが息を引き取れ」ペッ
アニパパ「上等だこの貧弱な小僧がッ!! かかってこい!!」ピキッビキィッ
アルミン「数えきれない食材・薬物を精密なバランスで配合し、特殊な味付けを施して煮込むこと七日(中略)血管から注入(たべ)る事でさらに数倍!!」ブスッ
アニパパ「ぬぅっ!?」
ムキムキン「ドーピングコンソメスープだ………さあアニパパよ、僕とアニの結婚を止めることができるかな?」ゴゴゴゴゴ
アニパパ「やるじゃなぁい」ニコリ
アニ「ああ、私を巡って男が戦いあう。素晴らしいシチュエーションだね。乙女心が滾る」
三日三晩続いた戦いは、辛くもアルミンの勝利で決着となった。
決め手となったのは、意外といい体をしているアニに対するアルミンの性欲の底力である。
-
アニパパ「ば、馬鹿なッ……こ、このアニパパが………このアニパパがァーーーーーッ!!」ガクッ
ムキムキン「さ、最後に愛(肉欲)は勝つ………」ハァハァ
アニ「よろしい。お父さん、お世話になりました。私はこの人のワイフとして幸せになるよ」
アルミン「ふぅ………丁度薬の効果も切れた。難敵だった………まさか時を止めるとは思いもしなかった」
エレン「途中でアルミンが止まった時の世界に入門しなかったら、俺がオラオラで介入するところだったぞ。心配かけさせんなアホが」
アルミン「助けてくれても良かったんだよ? マジで」
アニ「しかし、いろいろあったね。失ったものが………多くもないか。ライナーだけだし」
エレン「そうだな。ライナーだけだしな。まさか行きがけの船で嵐に遭った時、海に落ちてボッシュートだもんな」
――――ライナー! ………終わったよ。
ベルトルト「ひでえ話だなオイ」
ライナー「つーか勝手に殺してんじゃねーぞアホが」
アルミン「さあ、帰ろう。帰って結婚式あげよう。そんでメチャクチャセックスしよう。もうセルフ自家発電はツラい」
アニ「しょうがないやつだね。乙女を女にする心構えが出来てることを期待するよ」フフフ
ライナー「オイ聞けよ。生きてんだよ。足ついてんぞ。幽霊じゃねえよ」
-
こうして、世界はヒストリア王政によって統一された。
巨人という存在は伝説の中でのみ生きる存在となり、世界に平和は訪れた………。
アルミン「あ、そうだ。忘れてたよ」
アニ「何?」
アルミン「結婚するにあたって実家の倉を整理してたんだけど、なんか太鼓の音がする不思議なボードゲームを見つけたんだ」
エレン「へえ? 何なに………ジュマンジ………?」
アニ「ふぅん。プレイしてみようか」
アルミン「うん。皆でやってみようよ!」
ミカサ「楽しみ」
ユミル「おいばかやめろ」
【完】
-
乙。おまけありがとうございます。
-
乙
ひっそりと種付けも待ってる
-
ユミルがミーナにズブリされるのも見たかったかな。乙。
-
乙
女
-
ベルトルトにズブリされるからいいだろ
乙
-
いいものを読ませてもらった
乙
-
終わったスレ上げんなよ
-
わざとに決まってるだろ
嫌いなSS上げて、それっぽい感想書いとけば
皆に叩いて貰えるし
-
確かに。読んで無さそうなレスだわ
"
"
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