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キース「104期の問題児」
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*一気に投下する。捏造その他色々あり、転載禁止。
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"
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…教官室。
「コニー・スプリンガー、入ります!」
キース「うむ」
ガチャ…
コニー「し、失礼しますっ!」
キース「硬くなるな。今日呼んだのは叱る為じゃない」
コニー「は、はぁ…」
-
キース「給金の件だ」
コニー「あ…」
キース「成績と民間への貢献度を考慮しつつ、
この度僅かながらだが賞与が支給される」
キース「スプリンガー、貴様は受け取りを
ラガコ村の父親宛にしているが、いいんだな?」
コニー「はい、それでお願いします」
-
キース「…フ」
コニー「な、何か」
キース「いや、家族思いなのだな」
コニー「うっ…」
キース「恥ずかしがることではない。
お前が憲兵を目指しているのはそのためなのだろう」
-
コニー「いや、その…」
キース「……」
コニー「妹と弟が、まだ小さいもんで」
キース「ほぅ、弟妹がいるのか」
コニー「はい…」
"
"
-
キース「…精進しろ。今の成績だと10位内には入れるだろうが、
油断すると足をすくわれるぞ」
コニー「! はいっ!」
キース「話は以上だ。手配はしておく」
コニー「はっ! ありがとうございます!」
-
キース「……」
コニー「……」
キース「…行っていい」
コニー「! はっ! し、失礼しました!」
…バタン
-
キース「…ふぅ」
座学教官「お疲れさん」
キース「志望動機は悪くないんだが」
座学教官「まぁな…」
キース「なんとかならんのか、この座学の成績は」
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座学教官「居残らせて1対1で教えたりもしているのだが…」
キース「範囲の決まった試験で10点だぞ、選択問題有りでだぞ」
座学教官「うむ…」
キース「…最終試験はどうするつもりだ」
座学教官「スプリンガーにあわせるわけにもいかんだろ…」
キース「はぁ…」
-
座学教官「配点の高い立体機動は得意なのだろう?」
キース「あぁ…機動力だけなら、キルシュタインをも上回るだろうな」
座学教官「ほぅ」
キース「斬撃はともかく、速さも申し分ない」
座学教官「ふむ」
-
キース「だが作戦の誤認が多い…」
座学教官「はは…」
キース「毎年こんな問題児ばかりなのか?」
座学教官「お前は教官になってまだ数年だが…104期は多いな」
キース「……」
-
座学教官「スプリンガー、ブラウスを筆頭に」
キース「アルレルト、レオンハートもだな」
座学教官「レオンハート?」
キース「協調性がなさすぎる」
座学教官「あぁ…」
キース「アッカーマンはイェーガーに依存しているし
フーバーは積極性に欠け、キルシュタインは軋轢をうみやすい」
-
座学教官「…多いな」
キース「上位陣で手のかからんのは、ブラウンとボットだけだな…」
座学教官「ははは…」
キース「笑い事ではないぞ」
-
座学教官「まぁまぁ。この後用がないなら飲みに行くか?」
キース「…いや。今朝届いた書類に目を通しておきたい」
座学教官「真面目なのはいいが、たまには息も抜けよ」
キース「あぁ…」
-
…男子寮
バタン
エレン「お、おかえり。どうだった?」
コニー「ふ…聞いて驚け、俺は憲兵になれる」
ジャン「は?」
コニー「教官が言ってたんだ、このままなら10位内確実だってな」
マルコ「教官が?」
コニー「おう! ちゃんと聞いたぜ」
-
マルコ「…他に何か言ってなかった?」
コニー「うーん…足をすくわれるって何だ?」
マルコ「…隙をつかれて失敗させられる、って意味だよ」
ジャン「つまりアレだろ、10位内に入ってるが
油断すると落ちるギリギリってことなんだろ」
-
コニー「なっ、そうなのか!?」
マルコ「…多分」
コニー「かーっ! 危うく騙されるところだったぜ…」
ジャン「お前が馬鹿なだけだろ」
コニー「うっせ!」
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エレン「うーん…つまり、アレがばれたわけじゃないんだな」
コニー「おう、給金の送り先の話しただけだな」
エレン「給金の送り先?」
コニー「あ」
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マルコ「そういえば、コニーは実家に仕送りしてたんだっけ」
コニー「ま、まぁな」
エレン「へぇ、そうなのか。偉いな」
コニー「当たり前だ、オレは天才だからな」
ジャン「天才は関係ねぇ」
ライナー「まぁまぁ、それより…」
-
エレン「ほんとにヤルんだな?」
ライナー「あぁ。勝負は来月だ」
コニー「でもよお、ほんとにうまくいくか?」
ライナー「うまくいくさ、なぁ、参謀?」
アルミン「参謀はともかく…皆の協力次第だよ」
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エレン「話は向こう側にもついてるんだろ?」
アルミン「ミカサやクリスタを通じてね…」
ライナー「なら問題ないな」
アルミン「でも、その…ほんとに、アレを?」
ライナー「準備はこちらでなんとかしよう。な?」
ベルトルト「…なんで僕が」
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ジャン「どう見たってこの中じゃお前らが適任だろ」
マルコ「そうだね…僕らじゃ無理がある」
コニー「頼むぜ」
ライナー「そういうことだ。さて、この話はここまでだ。
明日も訓練だからな、寝ろ寝ろ!」
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…男子寮で作戦が繰り広げられる、1ヶ月程前。
コニー「ぜぇっ、ぜぇっ…」
サシャ「もうだめでず、はじれまぜん…」
コニー「お前、狩猟民族なら、気づけよ…」
サシャ「そのまま返しますよ…そもそも、教官は、気配がなさすぎです」
キース「ほぅ…」
-
コニサシャ「」
キース「私の気配に気づけん貴様らが、どうやって巨人に勝とうというのか」
サシャ「いやぁ、そのぉ…」
コニー「オレらは、憲兵に、ですね…」
キース「…そうだったな」
コニサシャ「?」
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キース「先日、私宛に1通の通知が届いた」
サシャ「は、はぁ」
キース「去年調査兵団に入団した者の半数が死んだようだ」
コニー「……」
キース「あいつらは、貴様らのように馬鹿ではなかったし
成績も大して良くなかった。だが、それなりの信念を持って入団したはずだ」
サシャ「……」
-
キース「…貴様らには関係のない話に思うか」
コニー「…いえ」
サシャ「…すみません」
キース「巨人が怖くて憲兵を目指すのも悪いとは言わん。
だが、今期にも調査兵団を目指す者はいる」
コニー「…はい」
キース「私には、彼らが戦い、生き残れるよう教える義務がある」
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サシャ「…辛く、ないんですか」
キース「だから私に教えられることなら全て教える。
それはたとえ、憲兵を目指す貴様らにもだ」
コニー「……」
キース「いつ何時、何が起こるかわからん。憲兵が戦うこともないとも限らん」
コニー「巨人が、シーナまで攻めてくるんでしょうか」
キース「わからん。だが5年前のことを考えると、ないとも言い切れん」
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サシャ「教官は」
キース「……」
サシャ「教官は、何故、教官に…」
キース「…さぁな」
コニー「……」
キース「私には、私に出来る事をする。それだけだ」
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………
コニー「…なぁ、サシャ」
サシャ「…はい」
コニー「教官ってさ、すげぇな」
サシャ「そうですね…」
コニー「ああー!」
サシャ「な、なんですか」
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コニー「オレらって、教官に怒られてばっかだったな」
サシャ「そうですねぇ…」
コニー「最後くらい、教官をビックリさせてやりてぇな」
サシャ「ほほぅ?」
コニー「なんかねぇかなぁ」
サシャ「それは、頭の良い人に相談しなくてはですよ!」
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…そして作戦から1ヶ月が経過。
キース「……」
座学教官「……」
キース「3、点…だと」
座学教官「…すまない」
キース「いや、謝らんでくれ…」
座学教官「あ、あぁ…」
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バタンッ
ライナー「失礼します!!」
マルコ「ボットです! 失礼します!」
キース「…何事だ、騒々しい」
ライナー「ハッ! 食堂で訓練兵同士で喧嘩が発生しており…」
マルコ「私どもでは対処しかねまして…」
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キース「喧嘩だと? その位貴様らで対応できんのか」
ライナー「…申し訳ございません」
キース「…誰が暴れたのだ」
マルコ「アッカーマンとレオンハートです!」
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キース「………行こう」
座学教官「おいおい、大丈夫か」
キース「まぁ、あいつらを止められるのは私しかおらんだろう」
ライナー「お手数をおかけ致します」
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キース「明日は解散式なのだぞ、まったく…」
ライナー「……」
キース「貴様らも女子に負けていてどうする」
マルコ「返す言葉もございません…」
キース「まぁ良い。…静かだな、入るぞ」
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「「キース教官! 3年間ありがとうございました!!」」
コニー「これ、オレらからです!!」
.
-
キース「……」
ライナー「…受け取ってくださいませんか」
マルコ「僕達の…気持ち、です」
キース「…貴様らも加わっておるのか」
ライナー「104期全員で」
マルコ「最後まで迷惑かけまして…すみません」
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キース「……」
104期「……」
キース「最終試験を終え、貴様らは少しばかり気が緩みすぎているようだな」
104期「……」
キース「まぁ良い。これはありがたくいただこう」
104期「……」
キース「…開けた方がいいのか」
コニー「ハッ!」
キース「……」
キース「…………」
キース「…………貴様ら」
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キース「全員死ぬ寸前まで走ってこい!!!」
104期「ハッ!!!」
.
-
…教官室。
キース「…どいつもこいつも」
座学教官「お疲れ。本当に104期はおもしろい奴らばかりだったな」
キース「…これはお前の選定か」
座学教官「あぁ、お前が好きそうな銘柄を聞かれたのでね」
キース「……」
座学教官「にしても、何故全員走らせているのだ?」
キース「…これだ」
座学教官「…………ぶっ」
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キース「まったく…なんて奴らだ」
座学教官「ククク、好かれてる証拠、じゃない、か」
キース「笑うな。馬鹿にするのも大概にしろ」
座学教官「いやでもなぁ、私はお前がうらやましいよ」
キース「…今夜は飲むぞ」
座学教官「付き合おう。いい夜になりそうだ」
<完>
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プレゼントは酒とヅラだったとか。
コニーと誰かの話とお題をいただいたので、コニーと教官の話にするつもりが…
書いてるうちに104期と教官の話になってしまった、すまない。
コニーと誰かのCPが良かったのだろうか…それだったらさらにすまない。
なお、なりすまし・のっとりが増えてるようなので今後はトリつける。
では、また。
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乙 良かった
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予想以上に何の捻りもなくて驚いた。とりあえず乙
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うん、俺なりに頑張ってみたけどコニーって書きづらかったよ…精進せねばだ
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乙
ほっこりした
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乙
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普通にいい話だった。乙
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すごくほっこりした
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とても良かった。乙
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捻りを加えて突拍子も無くなるより全然いいよ
漫画における指導する大人って大概カッコいいよな
原作でも見せ場来ねえかな……
乙
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何だか読んでて恥ずかしくなるぐらい王道展開だったな
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予想以上にレスあってビックリするよ…
まぁ最近王道ばかり書いてる気もするし、鬱系かドロドロ展開もお題消費したら考えるか
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乙
最近稀に見る良スレだった
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新スレ立てずにまとめて書いたら?
荒らしに本気で困ってるなら
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リクエストした者だけどすごく良かった、ありがとう
CPとかは特に考えてなくて、>>1の原作からの広げ方とかが好きだったから
コニーに着目したらどうなるのか読んでみたかったんだ
遅れてスマン
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王道というかシンプル直球な感じがなかなか良かったよ乙
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