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隣国の姫「ねえ、起きて」
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童話の「眠り姫」を百合っぽくしたものです。
苦手な方は戻ってください。
むかしむかし、と言ってもそれほどむかしでは
ないくらいのむかしの話。
あるところのある国には、それはそれは
美しい姫がおりました。
どのくらい美しいかというと、周りの国じゅうから
求婚がくるほどです。それもまいにち。
なにしろ姫は、日向のようなあたたかい黄金色をした髪をもち、
瞳は朝露がきらめく若葉の色でした。
周囲の王子たちが日夜おくりものをしてくるのも
むりはありません。
ですが姫は、ひとりの魔女に魔法をかけられ、
100年の眠りについてしまいました。
これは、そんな眠り姫と、ひとりの隣国の姫のおはなしです。
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隣国の姫は、うつくしいものがすきでした。
なぜかというと、じぶんがうつくしくないからです。
まわりからみるとそうでもないし、兄たちは、「あいつけっこういける
じゃん。隣の国の眠り姫ほどじゃないけど。」とおもっていました。
けれど姫はじぶんが大嫌いでした。
艶やかな黒い髪は夜空みたいで、瞳も、カワセミの羽根のように
澄み切ったあおいろでした。
でも、継母は姫が小さいころに、
「あなたは世界で一番おろかでみにくい、きたない子、いらない子」と
こっそり言い続けてきたので、やっぱり姫は、じぶんはおろかでみにくくて
きたない、いらない子なのだと思っていました。
それどころか継母は、いらない子のじぶんに親切にも忠告してくれた、
やさしいひとだとかんがえていました。
やっぱりちょっとおろかなのかもしれません。
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百合っぽいって事はガチ百合ではないのか?
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そんな隣国の姫が、うつくしいと評判の姫が
眠ってしまったことを知りました。
隣国の姫「あの黄金色の髪をした姫が呪いに?」
侍従「ええ、どうやら魔女の呪いで眠らされたようです」
隣国の姫「チャンスだわ」
侍従「どうしてですか?(まさか姫が眠っているうちに求婚にきていた
一番お金持ちの王子とむりやり結婚しようと?やるなあ)」
隣国の姫「だって、姫が起きているときは人も多いし、それに
はずかしくて直接お会いできなかったんだもの!」
侍従「ああ、そっちですか。(そうだった、うちの姫はこういう方だった
ことを忘れていた)」
隣国の姫「そっちってどっちよ?」
侍従「いえなんでも」
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>3 ぬる百合片思い的なかんじです(あいまいですみません)
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なるほど、とりま期待
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ふむふむ
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隣国の姫「ちょっと眠り姫に会えないかお父様に訊いてもらってくる」
侍従「いってらっしゃいませ(こういうときだけやたらアクティブ
だよな・・・・)」
隣国の姫「駄目だって。お義母様が「あなたはそんなところに
行って、わが城を恥さらしにするつもりですか!」って。」
侍従「また姫様はそのようなお戯れを本気でうけとって・・・・。
(あのクソババアいつか殺す)」
隣国の姫「お義母様はお優しいから、わたしにほんとうのことを
教えてくださってるのよ」
侍従「・・・・俺は、姫様のこと、かわいいと思います。
(言ったーーーーー!!言っちゃった!!!ついに!!)」
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隣国=南トンスル国
職業姫=出張慰安婦
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隣国の姫「・・・あなたはうそつきね」
侍従「・・・・。(決して嘘ではないけれど、こういうときの
姫は何を言ってもききいれてくださらない)」
隣国の姫「気晴らしに散歩にでも行こうかしら」
侍従「お供します」
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〜深い森〜
隣国の姫「・・・あれは、なにかしら?」
そこには、たくさんの花で飾られた白い棺がありました。
そして、その中には眠っている美しい少女が。
侍従「姫様、お待ちくださいー!」
隣国の姫「!!」
隣国の姫「・・・帰る」
侍従「え?」
隣国の姫「もう疲れたから、帰るわ」
侍従「かしこまりました。(姫の様子が変だ)」
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〜城〜
侍従「姫、さきほどはどうかされたのですか?」
隣国の姫「なんでもないわ、放っておいて」
侍従「・・・・かしこまりました」バタン
隣国の姫「よし、行ったわね」
隣国の姫「・・・・行かなきゃ」
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〜深い森〜
隣国の姫「見つけた・・・!!」
姫は、先ほど見つけた棺桶のガラスの蓋を開きました。
白いドレスをまとった、金髪の少女は、どうやら眠っているようです。
隣国の姫「きれい・・・・」
うつくしいものがだいすきな姫は、眠り姫のかがやくような髪に、
陶器のような肌に、眠り姫のそのすべてに目を奪われました。
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隣国の姫「あなたが、おとなりのお姫様?」
隣国の姫「きれいな髪ね・・・触れてもいいかしら?」
隣国の姫「ふふ、天然パーマなの?くるくるしてて、とても愛らしいわ」
隣国の姫「いったいどうしてここで眠っているのかしら?」
隣国の姫は、眠り姫に話しかけました。
何度も、何度も。
答えが返ってくることはないというのに。
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隣国の姫「あなたが目覚めるまで、あと百年もあるのね・・・」
隣国の姫「わたしそれまで生きていられるかしら」
隣国の姫「かなうなら、あなたの宝石のような緑の瞳を見たいな」
隣国の姫「それで、この森で2人だけでおしゃべりして・・・・」
と、そのとき。
がさがさと草木をかきわける音がしました。
隣国の姫「誰?」
魔女「おやおや、かわいらしい姫様だこと」
それは、眠り姫に呪いをかけた魔女でした。
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隣国の姫「あなたは・・・?」
魔女「わたくしはただのあわれな老婆でございます」
隣国の姫「そうは、見えないのだけれど」
魔女「姫様は勘が鋭くていらっしゃるようですねぇ」
魔女は、にちゃりとわらいました。
魔女「ここでお会いしたのも何かのご縁、姫様の願いを
叶えて差し上げましょうか?」
隣国の姫「そんなことできるの?」
魔女「ええ。姫様は、そこの眠り姫のために、どんなことでも
できますか?」
隣国の姫「ええ、もちろんよ!この子の声がきけるなら、
みにくいわたしなんか死んだって構わない!」
魔女「さようでございますか。では、このわたくしめにおまかせを・・・」
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魔女は、姫が100日間ずっとここにくることができたなら、
眠り姫をめざめさせる、といいました。
姫の命を対価として。
もちろん、100日かかさずくることができなかったならば、
その時点で命をいただきにくる、と言い残し、魔女は
姫がまばたきをした間に、煙のようにいなくなりました。
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隣国の姫「大丈夫、あなたはわたしが助けるから」
侍従「・・・姫」
隣国の姫「!!」
侍従「聞いていましたよ、すべてを」
隣国の姫「だって、でも・・・・わたしは・・・」
侍従「言い訳は無用です。帰りますよ」
隣国の姫「・・・・・」
侍従「・・・はぁ。てこでもうごかないつもりですか?」
隣国の姫「わたしは、あのことずっとお話ししてみたかったの・・・!!」
侍従「ですが、魔女との契約は絶対です!取り消すことなどできないし、
100日たったらあなたは死んでしまうんですよ!?」
隣国の姫「それでも、かまわないわ」
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隣国の姫「わたしはあのこのことが、ずっとすきだった!」
侍従「っすこしは、あなたを慕っている者たちのことも
考えてください・・・・!!」
隣国の姫「そんな人いないわ。わたしは、みにくくて、おろかな
城の飾りにもならないどうしようもないお姫さまだもの」
隣国の姫「知っていた?あなた、女中たちの間じゃ、「姫さまの犬」なんて
呼ばれているのよ」
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侍従「そんなこと、知っています」
侍従「姫様は、いつも俺の言葉をきいてはくださらない」
侍従「ですが、今回だけは別です。どうか、俺の話を聞いてください」
そうして侍従ははなしはじめました。
自分が、じつは未来からきた人間であること。
童話として語り継がれている「眠り姫」を一目みたくて
この世界にやってきたこと。
童話では、隣国の姫がでてこないこと。
すべてを、はなしました。
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侍従「姫様には、恩義を感じています。なのにいままで黙っていて、
申し訳ありませんでした。」
隣国の姫「そう。あなたはわたしが、村はずれでぼろぼろになっているところを
ひろったのよね」
侍従「ええ。あの時はこの世界に来たばかりでしたので、姫にひろわれたことは
ほんとうに幸運でした」
隣国の姫「で、はなしというのはそれだけ?」
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侍従「いいえ。ですがこの話は、城に帰ってからにいたしましょう。
もうじき日が沈みます」
隣国の姫「ねえ、魔女と約束したこと、だれにも話さないでくれる?」
侍従「ええ。もちろん」
侍従「ですが姫様も、俺が未来からきたこと、はなさないでくださいますね?」
隣国の姫「当然よ。今もまだ半信半疑だもの」
侍従「ではなぜ信じてくださるのですか?」
隣国の姫「なんか、あなたってそういう感じするもの。
人と違う、誰も知らないことをしっているような」
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いつのまにか侍従フラグたってますがちゃんと百合に
もってけるようがんばります
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いつのまにかってwwww
ちゃんとってwww
なるようになったらいいさ、支援
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〜城〜
それから侍従は、「眠り姫」の童話のあらすじを
姫にはなしました
隣国の姫「じゃあ、明日からあの棺のまわりには、茨が生えるのね」
侍従「はい、おそらくは」
隣国の姫「かまわないわ。どうせ、あと100日もしたら死ぬんだもの。
私は眠り姫とお話しできればそれでいいの」
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侍従「・・・では、もう行かなければ」
隣国の姫「どこへ行くの?」
侍従「俺は、未来の人間であることを知られてしまった。だから、
もう帰らなくてはいけないんです」
侍従「さようなら、姫」
隣国の姫「ええ。あなたのいれる紅茶、おいしかったわ」
侍従「光栄です。・・・・・では、お元気で」
隣国の姫「死ぬ人間に対してお元気で、なんて変わってるわね」
侍従「・・・・俺は、あなたの幸せを祈っています」
侍従(姫に幸せになってほしいからこそ、言えない。
100年の眠りから王子の口づけで目覚めた眠り姫は、
王子と結婚して幸せに暮らしました・・・・なんて、残酷なハッピーエンドは。)
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〜翌日〜
侍従「おはようございます。本日から姫様のお世話をさせていただきます」
隣国の姫「ええ。よろしく」
侍従「朝食はどうなさいますか?」
隣国の姫「紅茶だけでいいわ」
侍従「かしこまりました」カチャカチャ
隣国の姫「・・・・まず」
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〜深い森〜
隣国の姫「きゃっ、茨が・・・」
隣国の姫「痛い・・・」
侍従のいったとおり、茨が眠り姫をつつむようにはえていました。
それでも姫は、服が裂け、体が傷ついても、毎日、毎日、眠り姫のもとにかよいます。
隣国の姫「あなたの瞳は、輝いた新緑の色をしていたわね」
隣国の姫「とても、とてもきれいだった・・・・」
隣国の姫「あなたよりきれいな人間なんて、きっとこの世にいないわ」
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姫はそれからもずっと、朝起きてすぐ森に行き、
日がしずむころかえってきました。
いつもぼろぼろのすがたでかえってくる姫をみて、従者たちだけでなく、
国王や姫の兄たちもきみわるがりました。
もともと内向的な姫にはなしかけるものはおりませんでしたが、
とうとう城では、だれも姫にかかわろうとしなくなりました。
国王は姫が森でないをしているのかたずねましたが、姫が
「止めるのならば、わたしはいまここででも死にましょう」というと
それ以上はもうなにもいいませんでした。
それに、継母にできた赤子のことで、城全体がさわがしかったのです。
だから姫はそれからもまいにち森へいきました。
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そうした生活がつづくうちに、姫はどんどんやつれていきました。
ごはんもあまりたべず、茨がどんどんはえてくるせいで、姫の体にはいまや
無数の傷跡がついています。
それでも姫は、森へゆき、まいにち眠り姫にはなしかけたり、
世話をしたりしてすごしました。
そんな、あるひのこと。
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がさがさと、茨をかきわけてだれかがやってくる音に、姫は気がつきました。
他国の領地に勝手に侵入していたとなれば、姫でもただではすみません。
とっさに、近くの木の陰に身をひそめました。
茨をきりすてながらやってきた人物は、どうやら海のむこうの王子のようでした。
姫も、一度だけ本で、王子のような服装のものをみたことがあります。
王子「おや、こんなところにうつくしい姫が眠っている」
王子「いったいどうして?」
姫は、眠り姫に近づかないで、とさけびたかったけれど、みつかって
切り殺されては、眠り姫を助けるチャンスをうしなってしまいます。
それに、やつれはてた姫には、もう大声をだすちからもありませんでした。
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王子「それにしてもうつくしい。こっそりキスしてしまおうか」
そういった王子が、棺のふたをあけるのを、姫はただぼうぜんとみていることしか
できません。なにしろ、さけんでいるつもりでも、のどからはかすれた音しか
でないのです。
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王子が口づけたその瞬間、眠り姫がぱちりと目をあけました。
姫は、しんじられないおもいで、眠り姫がおきるのをみていました。
隣国の姫「どうして?・・・そういえば、今日は何日だったかしら?」
姫が魔女と契約してから、今日でちょうど100日でした。
隣国の姫「どうして、わたしじゃないの・・・・!!」
ああ、どうしてあの王子がわたしではないのだろう?
どうして、眠り姫が笑いかけているのはわたしではないのだろう?
どうして、侍従はこの結末を教えてくれなかったのだろう?
どうして?
そのことばだけが、姫のあたまのなかをぐるぐるとまわっていました。
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そんな姫に、現実はどこまでも残酷です。
眠り姫「わたしをおこしてくれてありがとう!あなたはどなたかしら?」
王子「海の向こうの国の第一王子です。姫、わたしと一緒にきませんか?」
眠り姫「うれしい!ご一緒いたしますわ」
あんなに眠り姫の声をきくことを望んでいたのに、姫はちっとも
うれしくありませんでした。
ぽろぽろ、ぽろぽろ。
姫の目から透明な滴がこぼれます。
「ああ、あの子は、小鳥がさえずるような声で、すきとおった目をもっているけれど、
わたしにはなしかけてくれることも、瞳にうつしてくれることもないんだわ」
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いつしか、眠り姫も王子もいなくなっていました。
あるのはただ、茨とからっぽになった棺だけ。
姫は、かつて眠り姫が眠っていた色とりどりの花で飾られた棺に、
そっと体を横たわらせて、ふかくふかく眠るのでした。
夜になり、城から姫を探しにきた兵たちが棺を見つけた時には、
そこにはもう、だれもいませんでした。
おしまい!
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百合というか隣国の姫の一方通行になってしまいました。
ここまで読んでくださったかたありがとう!
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おつ!
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乙!!
面白かった!
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侍従は何だったんだ?
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百合はキモいですからね。
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おつおつ
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>39 本当は侍従は未来から来たわけでもなんでもなくて、
姫と契約した魔女でした。
最後に棺の中で眠った姫がいないのはそういうことです。
最初にゆりって言ってしまったので描写はカットしました。
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おつありがとうございます!
本当は王子が隣国の姫をみつけて、眠り姫への求婚を取り消して
隣国の姫に結婚を申しこむ
↓
隣国の姫は眠り姫に愛されないのなら憎まれるほうがいいと
思い受け入れる
みたいなののほうがよかったですかね?
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姫って南トンスルランドのクネ婆じゃないのか
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なんで無理矢理トンスル持ってこようとしてんだよ
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スレチにも程がある。
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う、うん
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