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企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.4
1
:
しらにゅい
:2014/01/27(月) 22:11:13
ここはキャラ企画つれっどにて投稿されたキャラクターを小説化しよう!というスレです
本編とはかかわりがなく、あくまでもアナザーストーリーという扱いです
時系列は本編(2002年のGW4月28日〜)よりも前の話が主になります
本編キャラの名前が名字無しカタカナの為、小説ではそれに合わせた呼び方が多いです
人様のキャラクターを借りる時は、設定を良く見て矛盾が無いように敬意を持って扱いましょう
詳しい説明などは下のURLをご覧ください
ナイアナ企画@wiki―「はじめに:企画キャラとは」
http://www22.atwiki.jp/naianakikaku/pages/1057.html
過去スレ
企画されたキャラを小説化してみませんか?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1208562457/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.2
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1301901588/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.3
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1317809300/
企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.3.5
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14155/1330491756/
4
:
スゴロク
:2014/03/08(土) 15:18:15
ヴァイスの話です。(六x・)さんから「冬也」をお借りしました。
その日、空橋 冬也はその男と偶然に遭遇していた。
自分にとって忘れがたいトラウマを植え付けた張本人、漆黒を纏う最悪の愉快犯。
「!? ヴァイス=シュヴァルツ……!!」
名を呼ばれた本人は、「おや」と空を見上げていた顔を降ろして振り返り、何とも意外そうな表情をしていた。
「誰かと思えば、いつぞやの……その後、あの氷使いとはいかがですかね」
「お前に心配される謂れはない……!」
目の前にいるのは紛れもない敵、しかし冬也個人には戦う術はほぼない。
ヴァイスがその辺をわかっているかどうかは不明だが、人気のないこの状況で向こうがかかって来ないのは不幸中の幸いだった。
簡単に逃げられないのはわかっている、ならば少しでも情報を引き出すまで。
決意して、目の前の男に「万象透視」を使おうとして、
「!!」
「……ふむ」
直前で踏みとどまった。ヴァイスの能力「マニピュレイト」は目を合わせた相手を操る。意識を集中するために「見る」必要がある自分の能力とは相性が悪かった。
「存外冷静ですね」
「……お前、ここで何を」
問うと、ヴァイスはまた空を仰ぐ。
「さあて、ねぇ。何かをしようとは思っていたのですが……はて、何をしたかったのでしょうかね」
空々しい言葉だったが、冬也は警戒しつつも違和感を覚えていた。
自分の知る、あるいは仲間達の語るヴァイスにあった、どこか壊れたような狂気の気配が欠片もないのである。
むしろ、獏也に通じる自然な感覚があった。
「……お前……本当にヴァイスか?」
思わずそう尋ねてしまったのも、無理からぬことと言えよう。
対するヴァイスは、落ち着き払ってこう言った。
「その問いが、『今、ここにいるワタシがヴァイス=シュヴァルツであるのか否か』という意味でしたら、その通りと答えましょう。それも真実です」
まるで、他にも真実があるかのような物言いだった。
冬也の困惑を意に介さず、ヴァイスは言う。
「空橋 冬也さんでしたか。アナタには、ワタシが確かにここにいると、断言できますか?」
「何……?」
断言も何も、実際に目の前にいるのだからそうするしかない。
そう思う冬也をこそ、ヴァイスは嗤う。
「何がおかしい!」
「ククク……いえ、ね。『確かにここにいる』と断言されれば、真実と認めざるを得ないのですよ。事実としてワタシはここに『も』いるワケですから」
相変わらず人を煙に巻く物言いだったが、冬也の認識はその中に聞き逃せない一言を捉えていた。
5
:
スゴロク
:2014/03/08(土) 15:18:48
「……ここに『も』いる、だって?」
「そう、ここに『も』です。ワタシはここにいる。そして、秋山神社にいる。『運命の歪み』の本拠にいる。ストラウル跡地にいる。いかせのごれ高校にいる。UHラボ跡地にいる。ホウオウグループの支部にいる……」
「な、に?」
不意にすっ、と笑みが消える。
「ワタシはね、空橋 冬也さん。『遍在』しているのですよ」
「遍、在?」
「『遍』く『在』る。もっとも、『こう』なったのは少し前の話ですがね。そう、ワタシの死亡記事が出たあの日ですよ」
その記事は冬也も知っていた。左目のない、黒ずくめの男の身元不明死体が発見され、今なお身元がわかっていないというあのニュースだ。
ウスワイヤ情報ではその後、回収された遺体が消えた、と掴んでいる。
「諸事情あって一度死にましたが……これによってワタシという存在は、遍在へと変わりました」
「…………?」
意味のつかめない冬也に、ヴァイスはなおも語る。
「今のワタシは、場所も、時間も関係なく『在る』モノです。過去も、未来も関係なく、ワタシは『在る』。ですから、そう」
「語られていない過去の事件に、ワタシが関わっていたとしても、何の不思議もないのですよ。例え遙かな過去だろうと、今のワタシが『在る』のですから」
「な……!」
「アナタは不思議に思いませんか? このいかせのごれは、世界全体を見ても類のないほど、能力者や超常の存在が闊歩している。言うなればここは、神の手違いが集約された場所なのですよ」
ヴァイスは言う。それはつまり、このいかせのごれには世界……運命の歪みとでもいうべきモノがあふれているのだと。
「歪みが大きくなれば、その分事象にもズレが生じ、やがてはいかせのごれ全体のバランスの崩壊を招きかねません。そう、明らかに超常の事件でありながら、未だ解決されていない事象などがね」
トリガーの定かならぬ事象は、いずれ巡り巡っていかせのごれ全体に波及する。
「今のワタシは言うなれば、世界の歪みの化身にして、それを是正する者。霧に隠された事件に『原因』という形で関わり、世界に調和を齎すための必要悪。それが、アナタ達の知る、あの死亡記事以降のワタシです。………都市伝説に近いですかね?」
「………!」
「以前のワタシには人としての過去がありましたが、『こう』なった時点でほぼ無意味となりましたよ。ま、どうでもいい話ですが」
絶句する他なかった。それでは、まるで……。
「まあ、ワタシ個人の趣味も多分に含まれていますがね。大仰な使命感など背負った覚えはないのですよ。ワタシはどこまでも運命の歪みであり、それ以上に演出家なのですから」
くつくつと、心底愉しげに笑う。
「ともかくそういうワケです。今のワタシは、殺すことは出来ても滅ぼすことは出来ません。例えここにいるワタシを殺したとて、仮に存在を消し去ったところで、それはワタシの『遍在』を否定するには足りないのですから」
「……何度殺しても、何度滅ぼしても、また現れるっていうのか」
「そういうコトです。もっとも、だからと言って素直に殺されるつもりはありませんがね」
それでは、と一礼し。
「長話はこれまでとして、失礼させていただきます。今後の健闘をお祈りしますよ、アースセイバーの皆さん」
前触れもなく、不意に、ヴァイスの姿が消えた。
「…………」
残された冬也は、ただ呆然と、彼のいた場所を見つめていた。
道化師、遍く
(暗躍はなおも続く……)
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