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企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.4

36思兼:2014/04/20(日) 03:45:02
白い二人とおばけさん〜アリスといっしょ〜 より、続きです。
キャストは前回と同じです。


【人工ファンタズマ】

第15話、心を持った機械の話。


アリスはサイボーグである。

その内臓の大半は人工物に置き換えられ、筋肉はCNT製の人工筋肉で、人間サイズの体躯ながらそのパワーは超大型ダンプカーと力比べをしても圧倒してしまうほどで、極限状態での活動も可能、更には脳に埋め込まれたチップで高度な演算能力と判断力も備える。

ここまで過剰な性能を持つのも、元々アリスは戦闘・決戦用サイボーグとして改造されたことによるらしく、現行技術を遥かに凌駕するオーパーツ・オーバーテクノロジーの塊だった。

誰が何の為に作ったかは不明だが、結局静葉によって起動され現在はシリウス団に所属している。



元々のアリスがどんな人間だったかは不明だが、現在のアリスは感情に乏しい。

改造の影響らしく、徐々に取り戻しつつある今でさえまだぎこちなく不自然な面が多々ある。

だが、アリスは決して無感情なんかではない。

ある意味団の誰よりも静葉のことを思い慕っているのはアリスだし、表現できなくてもアリスにはちゃんと喜怒哀楽がある。

悩むこともあれば怒ることもある、ただ表現できないだけで。


それでも、アリスは感情を現せないことを思いつめている。

小さな2人の子供にそれを言われた時、アリスの心に影ができた。


自分は何なのだと。

本当は機械が人間のフリをして滑稽に人間を演じているだけかもしれない。
そもそも、決戦兵器の自分が感情を語るなど、おかしな話なのかもしれない。

だからアオとコオリの2人の問いかけに、答えることができなかった。

同時にそれは宣告のようにも聞こえた。

『お前は人間じゃない、戦争兵器だ』と。

うれしいや楽しいとは何かアリスには分からないし、そんなことを表現することさえできないのだから。

本来自分はただ機械的に敵を殲滅し、やがては敵に破壊されるか役目が終わった後で朽ちて消え去るだけの存在だったのだろうことを、アリス自身はよくよく理解している。


それがどうしてか、感情を持った、あるいは少しだけ取り戻した。

だからこそ、思い悩んでいる。




「アリス?」

「どうしたの?」

「ううん、アリスがなにかいやなかおしてたから。」

コオリがそういう。

微細なアリスの表情の変化を捉えることができたのはこの2人だったからだろう。

「…大丈夫だ、心配しないで。」

それでもアリスは、隠した。

また宣告されるのが、怖かったから。

「そう?じゃあ、おばけさんさがそう?」

アオがアリスの手を引く…遠くにはトンネルが見えた。

なるほど、確かによくある心霊スポットだ。


「(静葉…僕は、何なんだろう?)」

アリスの心は曇ったままだった。
本当に兵器なら『曇る心』など、無いはず…そんな些細なことに英知の結晶は気づけないまま、歩を進めた。

<To be continued>


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