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お題を30コ 貰って物語を紡ぐようです
1
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/02/15(日) 16:07:32 ID:WcymttMI0
突然ですが、三題噺というものをご存じでしょうか?
三題噺とは3つのお題を貰い、そこからストーリーを生み出すというものです。
てんでバラバラなものを結びつけて物語を紡いでいく。考えただけでワクワクします。
是非チャレンジしてみたい! ただ、3つでは物足りなさそう。
でも、すでに300コのお題消化に挑んだ偉大な先人がブーン系にはいますが、あれには流石に敵いません。
なので3と300の間を取ってお題の数は「30こ」にしたいと思いました。
そのかわり、いただいた30のお題は丁寧に丁寧に使わせていただきます。
一瞬ぽっと出してハイ消化!なんて勿体ないことは、いたしません。
30のうちどれか一つが欠けてもダメ、そんな物語を目指します。
長さはお題次第ですが、短編か中編ぐらいになると思います。
ジャンルは未定、カニの味噌汁。
投下はお題が集まってから1ヶ月後以内に投下しはじめるよう頑張ります。
( ^ω^)グダグダと書いてるけれど要するに?
・
>>1
は縛りプレイに興味津々な変態(´・ω・`)
・お題や縛りを合計30コ 募集します
・投下は30コ 集まってから1ヶ月後以内にスタート
85
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/03/24(火) 01:26:50 ID:KbfJEJ.g0
というわけで、「サイキック・キッズのようです」第1話(
>>48
から)の投下完了です。
宣言2回も破ってしまいました。申し訳ありません……
あと、自分レスの切り方下手すぎワロタ。勉強してきます。
長丁場になりそうですが、お暇な時にお付き合いいただければと思います。
それでは、早けりゃ明日、遅くとも1ヶ月後に。失礼します。
86
:
名も無きAAのようです
:2015/03/24(火) 01:35:56 ID:CZl3X61M0
乙!他の皆の能力が気になるな
お題消化の判定基準が厳しくてわろた
面白そうだしお題の使われ方も気になるから期待してる。頑張って
87
:
名も無きAAのようです
:2015/03/24(火) 01:48:38 ID:7jEUaQJc0
乙!
88
:
名も無きAAのようです
:2015/03/24(火) 01:58:51 ID:GWEbO5uI0
やった!ダディだ!
おつおつ
89
:
名も無きAAのようです
:2015/03/24(火) 02:00:39 ID:TN2c/3M.0
乙!面白いしこれからも期待
90
:
名も無きAAのようです
:2015/03/24(火) 03:15:08 ID:Evam9duI0
本当に来るとは思わんかったわ
おつ
91
:
名も無きAAのようです
:2015/03/24(火) 03:29:22 ID:y3ntOET60
この雰囲気からどうちんこを主人公にするんだ・・・
おつ
92
:
名も無きAAのようです
:2015/03/24(火) 09:53:47 ID:hbdafVfc0
乙
93
:
名も無きAAのようです
:2015/03/24(火) 10:58:48 ID:Nj8ekBZkO
正直消化して欲しくないお題がいくつかあるな……
94
:
名も無きAAのようです
:2015/03/24(火) 10:58:53 ID:X3kFnIWg0
おもしろかった
95
:
名も無きAAのようです
:2015/03/24(火) 13:58:13 ID:HkTf9N5I0
今後期待
乙
96
:
名も無きAAのようです
:2015/03/25(水) 22:27:18 ID:ONFGQCBs0
乙!
期待
97
:
名も無きAAのようです
:2015/03/30(月) 21:48:17 ID:C5OcWfMo0
乙!気軽にお題投下したら、まさかのタイトルになってたでござる
98
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/04/23(木) 13:46:08 ID:6HgeP83g0
さぁ覚えている方がいるのかどうか。誠に不安ではありますが
そろそろ1ヶ月経ちますので、ご報告いたします。
今週末中には、遅くとも祝日までには投下できそうです。
GW前には何とか……
多分次回、8を◇消化開始に出来るはず。
ただ「そんなの卑怯だ!」と怒られないか戦々恐々としております。
それではまた。
99
:
名も無きAAのようです
:2015/04/23(木) 19:01:51 ID:SVbaWx.M0
まってるぞ!
100
:
名も無きAAのようです
:2015/04/23(木) 19:33:21 ID:HM6Us59s0
いよいよ主人公の登場か・・・
101
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:06:56 ID:KFDxvgIc0
【前回までのあらすじ】
ダディとハインが運営している超能力者だらけの少年養育施設「クール院」。
サイコキネシスが使える少女ξ゚⊿゚)ξは そのクール院に引き取られた。
消化状況:◇5 ◆0
遅くなってすみません!
それでは、投下します。短めだけどご容赦ください。
102
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:08:19 ID:KFDxvgIc0
クール院のメンバーが1人増えてから、3日経つ。
彼等は、近くの砂浜に遊びに来ていた。
|( ^ ), 、( ^ )、|「いやあ、実に良い天気だ」
遊びまわる子供達を眺めながら、ダディは呟く。傍らには釣竿を何本か置いてある。
从 ∀从「そうだ、本当にいい天気だ」
一方隣でレジャーシートに座るハインは、体をわなわなと震わせる。
从 ∀从「なのに、なのに……!」
从# ゚∀从「どうして誰も海に入らないんだよ!」
彼女は松葉づえを振り上げ叫んだ。
額に当たりそうになり、ダディはそれを避ける。
从# ゚∀从「なんだよそれ、麺なしスープだけのラーメンみたいなもんじゃねーか」
|(●), 、(●)、|「ラーメンの本質はスープにあると私は思うよ」
从# ∀从「揚げ足取るな!」
|(ー), 、(ー)、|「いいじゃないか、彼らが楽しんでるのだから」
从# ゚∀从「だけど、だけど……!」
シートの上にはビーチサンダルと水着の入った袋、水鉄砲、ビート板、その他諸々が散乱していた。
浮き輪は5個全てが膨らませてある。
103
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:09:33 ID:KFDxvgIc0
从# ゚∀从「ちったぁ興味示してもいいじゃん! なのにあいつら、波打ち際にすら近づかねぇ!」
从# ゚∀从「こっちは行きたくても行けないのによ! あんまりだ!」
|(●), 、(●)、|「なら私が背負おうか? 入れなくとも触れるぐらいは出来るだろう」
从# -∀从「……悪かった、俺が大人げなかった」
彼女は長く息を吐いた。
上空でカモメが鳴く。
从 -∀从「あーあ、なんでアンタは平気なんだろうな」
ハインは恨めしそうにダディを睨む。彼女の右足には包帯が巻かれている。
先日、ガラスを裸足で踏んでしまった結果だ。
ハインはツバつけときゃ治ると主張したが、血が止まらなかったためダディが強制的に病院に連れて行った。
するとそこで医師に足の裏を三針ほど縫われたのである。
風呂に入る際も傷口を濡らさぬよう、看護師にも注意された。
真水ですら禁止なのだから、海水など論外である。
一方、ダディは傷一つ負っていなかった。
二人とも床を確認する余裕がなかったにも関わらず、である。
無鉄砲に飛び出したのだから、この怪我は仕方ないとハインは思う。
しかし同じ状況なのに彼は無傷なのが、彼女の腑に落ちなかった。
104
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:10:39 ID:KFDxvgIc0
从 -∀从「ダディ、あんた実は超能力者なんじゃないのか? めちゃくちゃ運がいい、とかさ」
|(ー), 、(ー)、|「むしろ運は悪い方だよ、私は」
从 ゚∀从「かつて宝くじの一等当てた男が、よく言うぜ」
|(●), 、(●)、|「あれは偶々だ」
从 ゚∀从「それが『運がいい』ってことだよ」
|;(ー), 、(ー)、|「そもそも私には超能力を発達させるキッカケがない」
从 -∀从「長い人生で辛い事の一つや二つはあっただろ」
|(●), 、(●)、|「ゼロではないが、取るに足らない事ばかりだよ」
从 ゚∀从「じゃあ、知らぬ間に重病が進行し体内が蝕まれてるパターンかもな」
|;(●), 、(●)、|「運がいいどころか最悪じゃないか!」
从 ^∀从「違いねーや」
ハインはカラカラと笑う。
そして最後に、こう付け加えた。
从 ゚∀从「超能力なんざ、あっても面倒なだけだ。無いに限るね」
*
.
105
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:11:55 ID:KFDxvgIc0
*
新しくクール院に来た少女――ツンと名付けられた彼女は、暇を持て余していた。
彼女が立っている場所は ちょうど砂浜の中心である。
手近な所には何もなく、座れるような場所もない。
海辺近くには双子の青年。
道路との階段近くにはもう一人の双子の青年。
荷物が置いてあるシートには院長。
いずれにもツンは近づきたくなかった。
考えた末、彼女は左後方に居た少年・ブーンに歩みよる。
ブーンは先ほどから、一人で足踏みを繰り返していた。
ξ゚⊿゚)ξ「何してるの?」
( ^ω^)「お、ツンだお!」
彼は靴と靴下を脱いでおり、裸足だ。
だが、飛び跳ねるほど砂は熱くない。
( ^ω^)「ここの砂は音がするってアニジャが言ってたんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「何それ」
( ^ω^)「『なきすな』ってやつらしいお」
ブーンは休まず足踏みを続ける。
しかし砂はウンともスンとも言わない。
ぽすぽすと足が砂に潜り込むだけである。
ξ゚⊿゚)ξ「なんにも起きないじゃない」
( ;^ω^)「難しいおね……」
( ^ω^)「ともかく、ツンもやってみるお!」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ツンは片足を上げ、スニーカーを突き刺すように振り下ろす。
すると砂から きゅっ と高く短い音が上がった。
ξ゚⊿゚)ξ「!」
.
106
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:12:48 ID:KFDxvgIc0
驚いて少女は右足を引っ込める。
もう一度、今度はゆっくり踏みしめる。
すると砂は、小さく可愛らしい声で応えた。
ツンはハムスターの鳴き声を思い出す。
( ^ω^)「すごいお! どうやってやるんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ほら」
彼女はつま先を上げ、かかとで きゅっきゅっと得意げに鳴らす。
ξ*゚⊿゚)ξ「えい」
彼女は片足を上げ、つま先立ちでくるっとターンをする。
きゅるきゅると砂は歌い、白砂が舞い上がる。
( ^ω^)「キレイだお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「こんなの簡単よ」
ブーンに褒められ、ツンの顔は自然と綻ぶ。
( ^ω^)「じゃあ僕も!」
少年は少女に習って右足を振り上げ片足で立った。
( ^ω^)「お?」
けれど回り方が分からず、空を仰いで考える。
そのうちバランスを崩し、彼は砂の上に倒れた。
ξ*^⊿^)ξ 「馬鹿じゃないの?」
ツンは笑った。この地に来てから初めての笑顔だ。
.
107
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:13:43 ID:KFDxvgIc0
ξ゚⊿゚)ξ「あ」
しまった、と少女は思う。
彼女は口元を手で覆い、頬から力を抜いた。
奥歯にぐっと力を入れ、眉間に皺を寄せる。
これは彼女の癖だった。ポリシーと呼ぶべきかもしれない。
ラウンジの養育施設に居た時から、そうだった。
彼女は自分が笑うことを嫌う。
笑みがこぼれそうになると、押し殺そうとする。
( *^ω^)「ツンさっきの聞いたかお!」
ξ゚⊿゚)ξ「五月蝿いわね聞いてないわよ」
( *^ω^) 「僕も鳴らせたお!」
ξ゚⊿゚)ξ「へぇ」
( *^ω^)「ほら!」
ブーンは右手の平を砂につけ、体重をかける。
すると砂は、ぎゅぅうと低く長く鳴いた。
( *^ω^)「手の形を変えると、音も変わるお!」
少年は手の甲で押したり拳を握りしめたり人差し指を差し込んだりと、ひたすら砂と戯れる。
ξ-⊿゚)ξ「はいはい良かったわね」
.
108
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:15:05 ID:KFDxvgIc0
無邪気な少年の様子を眺めるうち、ツンは、自分が下らない意地を張っているような気がした。
はて何故自分は笑顔になるのを拒むのだろうか。今まで考えてもみなかった。
彼女は己に問いかけるが、まだ幼い彼女には理解しきれない。
ただ嫌なのだ。ひたすらに嫌なのだ。けれど嫌だと感じているのも嫌かもしれない。
でも嫌だという思いを捨てたその先が嫌で嫌で堪らないのかもしれない。
しかし嫌で嫌で堪らないと閉じこもるのも嫌で……
ξ#-⊿-)ξ
ツンの頭がグチャグチャになっていく。
苛立ちに任せて地面を蹴った。
白砂は悲鳴をあげる。
少し申し訳なく感じた。
ξ゚⊿゚)ξ「そうだ」
ξ゚⊿゚)ξ「靴履いてみたら」
( ^ω^)「靴?」
ξ゚⊿゚)ξ「アタシ靴履いてるけど、あんたは裸足じゃん。そのせいかもよ、鳴らなかったの」
( ^ω^)「おー、なるほどだお!」
ひとまずツンは、この感情を保留することにした。
*
.
109
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:17:00 ID:KFDxvgIc0
*
一方マタンキ、ワカ、アニジャの3人は古びた看板を眺めていた。
看板の文字はシールになっているが、所々剥がれて読めない部分がある。
(*・∀ ・)「なーなー、アニジャ。これ、あそこに貼って!」
マタンキは人差し指で二か所を交互に指す。
一方は彼の目の前にある文字シールを、もう一方は高いところにあり 彼の手が届かないところだ。
( ´_ゝ`)「なるほどね、こりゃあ面白い」
(*・∀ ・)「だろ? だろ?」
( ´_ゝ`)「よーし、アニジャに任せとけ!」
彼は意気揚々と文字シールに手をかける。
( <●><●>)「これ公共の物ですよ。さすがにまずいのでは」
( ´_ゝ`)「気にするな! どうぜデット区に住んでるのは俺達ぐらいさ」
シベリア地方はニチャン国の最北に位置する、辺境の地である。
そしてそのさらに辺境にあるのが、ここカコログエリアだ。
気候はシベリア地方で最も安定しているのだが、問題はアクセスのしづらさだ。
シベリア地方は3つのエリアに分かれており、
そのうち一つには空港が もう一つには港がある。
だが、カコログにはどちらもない。
ただえさえ海に隔てられ、人の行き来が少ないシベリアだ。
わざわざカコログまで足を運ぶ物好きはいないのである。
しかも理由は不明だが、デット区は特別保存区に指定されているのだ。
故に新たに開発することは出来ず、施設は減る一方である。
現に昔はあった学校や商店街が、今はデット区から完全に消えている。
そのためハインは週に一度、遠くのスーパーまで車で買い出しに行くのだ。
往復およそ一時間半。
要するに、住むには非常に不便な土地なのである。
.
110
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:17:55 ID:KFDxvgIc0
( <ー><ー>)「いえ先日ハインさんの治療をしたお医者さんの娘さんはデット区に住」
( ´_ゝ`)「こまけぇこたぁいいんだよ!」
アニジャはペリペリ剥がすと指定された箇所に文字を移す。
剥がれ落ちないよう、軽く2度パンパンと叩いた。
(*・∀ ・)「やったー! 今日からここはマタンキ浜だぞー!」
( ´_ゝ`)「平和的侵略の完了だ」
アニジャは、はしゃぐマタンキとハイタッチする。
一瞬アニジャはよろけ転びそうになるが、左足が咄嗟に出て踏みとどまった。
(・∀ ・)「他におもしろいことできないかなー?」
マタンキは目線を看板に走らせる。
(・∀ ・)「あ、ゴミはなげ!」
(・∀ ・)「ゴミ鼻毛だって、変だぞー!」
( <●><●>)「その『は』、は『わ』と読むんです」
(・∀ ・)「あのなあのな、ゴミ鼻毛ってのはな、ちん太の友達なんだぞー!」
( ´_ゝ`)「おっと!」
アニジャはすかさず両耳を自分の手で塞ぐ。それから、あーーと声を出し始めた。
(#・∀ ・)「アニジャー、なんで聞いてくれないんだよー!」
.
111
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:19:04 ID:KFDxvgIc0
マタンキが腕を引っ張るも、アニジャの手の平は耳から離れない。
アニジャは声を出し続けながらチラリとワカを見た。
ワカは頷くとアニジャをじぃっと覗きこむ。
( <●><●>)「『んー、ハナゲ君が登場せず、ちん太だけの話なら聞いてもいいぞ?』だそうです」
(#・A ・)「もういいぞー!! クーに話すもんねー!」
マタンキはベーっと舌を出した。
そして海に近いところで何やら準備をしているオトジャ、ドクオ、クーのところへと、てとてと走っていく。
アニジャはゆっくり耳から手を離した。
( ´_ゝ`)「まーた愉快な仲間たちが増えたな」
( <●><●>)「あまり責めないであげてください。私がちゃんと止めますから」
( ´_ゝ`)「非難するつもりは全くないよ。想像力はあればあるほど、いい。人間の頭は最強の武器だ」
( <●><●>)「武器、ですか」
( ´_ゝ`)「そ。これさえありゃ、何でも出来るし何でも倒せる」
( <-><->)「……」
( ´_ゝ`)「俺、今いいこと言ったろ?」
マタンキの楽しそうな声とドクオの悲鳴が聞こえてくる。
( <-><->)(何でも倒せたら、どれだけ良かったことでしょうか)
ワカは目を瞑り、過去に思いをはせる。
彼の心はズキリと痛んだ。
( <●><●>)「お言葉ですが、私は違うと思います」
( ´_ゝ`)「はにゃ?」
( <●><●>)「武器じゃなくて防具にすぎないと思いますよ」
( <-><->)「想像力は、特に」
.
112
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:19:53 ID:KFDxvgIc0
* * *
彼女は波際に立っていた。
暗い。誰もいない。空を仰ぐ。
小さな白い穴。月だ。
月明かりで てらてらと光る黒い海。
ぼんやりと己の姿を眺める。
紺のセーラー服。赤いスカーフ。
彼女はこれが夢だと理解する。
耳を澄ます。波の音。
不安や恐怖を洗い流してくれる音。
素足に波が触れる。冷たい。
凍る程に冷たい。彼女は微笑む。
.
113
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:20:37 ID:KFDxvgIc0
彼女は海が好きだった。
自分がどれだけ熱かろうが 海はびくともしない。
彼女が唯一 安心できる場所だった。
彼女は沖へと歩き出す。
くるぶしを 足首を ふくらはぎを ひざを
海は包み込んでゆく。
彼女は穏やかな心持ちで進んでゆく。
左腕に痛みが走った。
* * *
.
114
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:21:43 ID:KFDxvgIc0
从 ゚∀从「いてっ!」
ハインは目が覚める。
('A`)「やっと起きた」
ドクオとクーが上から覗き込んでいた。日はまだ高い。
クーは握っていたハインの前腕を手放す。
腕の痺れる痛みで、ハインは大体の状況を把握した。
从 ゚∀从「何も、能力使わなくたって」
('A`)「だってハイン、何度揺すっても起きねぇんだもん」
川 ゚ -゚)「ビンタよりは、この方がいいかと思って」
从;゚∀从「あー… うん。そうだな」
ハインは体を起こし、辺りを見回す。
一番離れたところにマタンキと話し込んでいるオトジャ。
その手前にワカとオニギリを頬張るアニジャ。
ダディはペットボトルを2本ブーンに渡し、ブーンはうち1本をツンに渡していた。
どうやら全員、このシートに集まっているらしい。
从 ゚∀从「で、わざわざ俺を起こして何のようだ?」
从 ^∀从「ちなみに水着ならあの赤い袋に全員分しまってあるぞ」
川 ゚ -゚)「水着?」
('A`)「いらね」
从 -∀从「……おまえら、全然海に入る気ないんだな」
.
115
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:22:30 ID:KFDxvgIc0
('A`)「だってベトベトするし」
川 ゚ -゚)「私は根本的に無理だからな」
ξ゚⊿゚)ξ「無理?」
ペットボトルを抱えたツンが、興味深そうに尋ねる。
|(●), 、(●)、|「まだツンには皆の超能力について話していなかったね」
ξ゚ー゚)ξ「……」
ダディが話しかけると、ツンは口をピタッと閉じた。
|(●), 、(●)、|「確かブーンとワカの能力は、もう知って」
ξ゚ー゚)ξ「……」
|;(ー), 、(ー)、|「……」
会話を成立させることを、ダディは諦める。
ツンがクール院に来てから3日間経つが、ずっとこの調子だ。
ダディは何度もツンに声をかけるが、彼女が返事をしたことは一度もなかった。
.
116
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:23:50 ID:KFDxvgIc0
川 ゚ -゚)「私の能力はこれだよ」
クーは手を上に向ける。
バチバチっと音と共に、彼女の手のひら上で青白い光線が走った。
しばらく考え、ツンは稲光を思い出した。
ξ゚⊿゚)ξ「電気?」
こくんとクーは頷く。
川 ゚ -゚)「たしか、エロクテ……」
( ´_ゝ`)「エレクトロキネシス!」
頬にご飯粒を付けながら、アニジャが解説をする。
( ´_ゝ`)「クーちゃんの場合、正しくはヴォルトキネシスだ」
川 ゚ -゚)「ウォルトキネシス?」
( ´_ゝ`)「某遊園地とは関係ないゾ!」
川 ゚ -゚)「?」
( ´_ゝ`)「伝わらないネタほど悲しいものは無いなぁ、泣きそ」
('A`)「その二つ、何が違うんだ? ゲームじゃどっちもよく見かけるけど」
( ´_ゝ`)「エレクトロキネシスは電子、或いは電子機器を操る能力を示す場合が多いな。
一方ヴォルトキネシスは電気・電流そのものを操る。ほら2VS3オンラインで『雷使い』のルビはヴォル」
|;( - ), 、( - )、|「呼び名はともかく、だ」
アニジャの長くなりそうな話を、ダディは遮る。
|(●), 、(●)、|「要するに、クーは手から電気を出せる電気人間ということだ」
('A`)「たまに手だけじゃなくて体全身から電気が出るんだよな」
川 ゚ -゚)「ああ。最近は上手く調節できているが」
ツンがさらに尋ねようとした時、向こうでマタンキの歓声が上がった。
(´<_` )「できた」
(*・∀ ・)「やったぞー!」
.
117
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:24:32 ID:KFDxvgIc0
( <●><●>)「そういえば、ツンさんはマタンキの能力を見たことありますか?」
ツンは ふるふると首を横に振る。
ξ゚⊿゚)ξ「ない」
('A`)「いつもワカが防いでくれるからな」
ξ゚⊿゚)ξ「防ぐって何よ。物騒ね」
( ^ω^)「大丈夫、最初はビックリしたけど、全然危なくないお!」
川 ゚ -゚)「ふむ、良いタイミングだ。ツンに見てもらおう」
('A`)「だな。おーいマタンキ、今お前何してんだ?」
ドクオに声をかけられ、マタンキが振り返る。
(*・∀ ・)「オトジャがな、ちん太の船を作ってくれたんだぞー!」
マタンキは、抱えていたものを砂の上に置いた。
それは木製の1隻の小型の帆船だった。
雰囲気はヨットやボートよりも海賊船のそれに近い。
船体や柱の表面は、流木を削って作ったとは分からないほど滑らかだ。
( ^ω^)「図鑑で見たのと、そっくりだお!」
|(●), 、(●)、|「舵も付いているじゃないか。細かい箇所まで、よくできている」
(´<_` )「ありがとう。でも舵輪は飾りだ。回るけれど、方向転換まではできないよ」
( ´_ゝ`)「相変わらずいい腕してますな、オトジャ君! 今度ぜひ等身大1/20の」
(´<_` )「断る。ロクでもないのは、聞かなくとも分かる」
( ´_ゝ`)「酷いなぁ、もう」
.
118
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:25:12 ID:KFDxvgIc0
(*・∀ ・)「この船長席がな、ちん太がちゃんと座れる広さなんだぞー!」
( ^ω^)「えーっと、今はどこにいるんだお?」
(・∀ ・)「ほらここに座ってる」
川 ゚ -゚)「確かにピッタリだな」
ξ゚⊿゚)ξ「空っぽじゃない」
ブーンの肩越しに船を覗きこんだツンは、口を尖らせる。
ξ゚⊿゚)ξ「第一、ちん太って何よ」
(・∀ ・)「オレのちんこだぞー!」
ξ゚⊿゚)ξ「は?」
(*・∀ ・)「ちん太はな、いろーんなとこ旅してんだぞ! すごいんだぞ!」
ξ゚⊿゚)ξ「はい?」
(*・∀ ・)「今日はな、このマタンキ浜から出発して地球の裏側まで行くんだぞー!」
ツンは、訝しげに再び船に視線をやる。
するとそれには、確かに何かが乗っていた。
.
119
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:26:50 ID:KFDxvgIc0
手足らしき物が付いており、動いていることからそれは生き物なのだろう。
手は舵を握っており、上機嫌なのか、体をリズミカルに揺らしていた。
\(U ) ♪〜
ξ゚⊿゚)ξ「……」
\(U ) ♪〜
\(U )
( U) ?
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ツンは水が半分以上入ったペットボトルを己の超能力で浮かせる。
そしてゴキブリをスリッパで はたくが如く、ペットボトルを謎の生物めがけて叩きつけた。
(・∀ ・)「あ」
数秒後、彼女はペットボトルを拾いあげる。
そこには折れたマストと共にペシャンコとなった
ξ゚⊿゚)ξ「嘘」
( U)ノシ
否、ピンピンしている謎の生命物体・ちん太が居た。
120
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:27:49 ID:KFDxvgIc0
【3、転ぶ 消化開始】
See You Next Time !
121
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/05/04(月) 13:29:12 ID:KFDxvgIc0
【お題消化状況】
1◇、超能力 2、ブロント語 3◇、転ぶ 4、学級 5、魔法使い
6◇、|(●), 、(●)、| 7、(U)←ちんこが主人公 8、段ボール箱
9、世界線 10、壺算 11◇、ハインリッヒ高岡(女性)が主要人物で登場
12、代理ミュンヒハウゼン症候群 13、マーチンゲール法 14、総合優勝
15、歴史 16、据砲 17、北海道 18、「俺は、お前の諦めた全てだ」
19、砂肝 20、天使 21◇、からあげ弁当大盛り 22、日記
23、種付けプレス 24◇、ワカッテマスと斉藤またんきの絡み
25、老子と孔子 26、三百年前からの因縁 27、巨大ロボット
28、ジョルジュの眉毛かと思ったら大量の鼻くそ
29、サバを味噌で煮込んだもの 30、雪女
◇ → 消化開始済み ◆ → (一定レベル以上)消化完了
【お題への一言】
20:え、エンジェル=天使とキューピッドは別物だって?
(∩゚д゚)アーアーきこえなーい
以上第2話(
>>102
から)でした。今回はここまで。
7の消化開始まで行けなかった。無念。
ちなみにこの物語の主人公は、いちおうツンのつもりですよ!
それではまた、遅くとも1ヶ月後に。
……いや、間に合えばケツ祭りでお会いしましょう。
.
122
:
名も無きAAのようです
:2015/05/04(月) 13:41:11 ID:Kr8/2kko0
ようやく真の主人公が現れたか…
面白かった、乙
123
:
名も無きAAのようです
:2015/05/04(月) 13:55:36 ID:bxxdqmK20
乙
124
:
名も無きAAのようです
:2015/05/04(月) 15:12:59 ID:7pDEgGsk0
乙
125
:
名も無きAAのようです
:2015/05/04(月) 18:31:47 ID:tXz3wi2oO
ツンが主人公
お題は主人公がチンコ
つまりツンはチンコ
126
:
名も無きAAのようです
:2015/05/04(月) 18:51:06 ID:bxxdqmK20
ツンコ
127
:
名も無きAAのようです
:2015/05/04(月) 22:36:44 ID:uEswC28U0
チンはツンコ
128
:
名も無きAAのようです
:2015/05/04(月) 22:40:41 ID:6VJcNxVo0
正直また一ヶ月後じゃ焦れったすぎる
皆の能力分かると思ったのに
129
:
◆6iNfcNSLzQ
:2015/06/07(日) 23:17:08 ID:.zqMxlFo0
1ヶ月経ちますので、ご報告いたします。
すみません、進んでおりません。
2週間ぐらいでサクッと次を投下する予定だったのに……
上手く話がまとまらず、書いては消してを繰り返しております。
現在、投下の目途が立たない状態です。
申し訳ありません……
お題をいただいたからには、必ずや最後まで書き上げようと考えております。
なるべく早く、3話を投下できるよう頑張ります。
6月中に投下できたらいいな……
それではまた。
130
:
名も無きAAのようです
:2015/06/08(月) 01:55:25 ID:fhdHq3XU0
まってる
131
:
名も無きAAのようです
:2015/07/11(土) 23:58:07 ID:xm7lYiCM0
さらに1ヶ月たってしまったな
132
:
名も無きAAのようです
:2015/07/22(水) 21:57:59 ID:Gvxiqkyc0
話の土台も見せれて無いうちから間隔空きすぎるのはあんまり良くないな
133
:
名も無きAAのようです
:2015/08/18(火) 19:26:50 ID:BBkv8vbE0
気が付いたら8月ゥッツーーー!
134
:
名も無きAAのようです
:2016/02/19(金) 17:12:26 ID:ZJjOIRJQ0
結構期待してたんだがな
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