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ダンゲロスロワ

1 ◆fKOYRw.njI:2019/06/16(日) 00:00:42
暗闇の中、ド正義卓也は目を覚ました。
先程まで生徒会室で執務に勤しんでいたはずなのに、ここはどこだ?
頭が痛い。身体がふらつく。
暫く目を凝らしていると、部屋のあちらこちらで蠢く影があるのが分かった。

ド正義は眼鏡を中指で押し上げた。
何者かに拉致されたのかもしれない。
ここがどこかは分からないが、いざとなったら自身の魔人能力『超高潔速攻裁判』で”対応”することも必要だろう。

「十二分と三十四秒。やっと全員起きたようだねぇ」

そんなことを考えていると、男の声が響き、突如として部屋が明るくなった。
まだ光に慣れない目で周囲を見回してみると、周りにいたのは自分と同じように不安げな顔をしている年も性別も違う様々な者たちだった。
さらによく見てみると見知った顔も何人かいる。彼らは全員、希望崎学園の生徒だ。

すると他の者たちよりも高い位置に設けられたお立ち台のような場所に人影があるのをド正義は見つけた。
髪を左から右に流し、いかにもキザな眼鏡をかけた青年だ。
『生徒会長』と赤字でデカデカと書かれた椅子に座っている。

「やあ、魔人諸君。僕の名前は『小竹』。諸君をここに集めたのは僕さ」

小竹と名乗る青年の声は先程のド正義を起こした”モーニングコール”と同じものだった。

「早速だが諸君にはある『ゲーム』をしてもらいたい」

小竹の目が嫌味に釣り上がる。

「ルールは単純。この場にいる者を全員殺し、最後に残った者が優勝者となる……というゲームさ。
 ふふ、バトルロワイヤルのお約束として、優勝者にはどんな願いだって叶えてあげよう。
 もちろん元の世界に帰した上で。ただし『死者蘇生』は一人だけだけどね。
 あとは、一応『支給品』や『名簿』、『禁止エリア』とかのルールもあるんだけど……。
 まあ、詳しいことは『転送先』で伝えるよ。とにかく諸君は殺し合ってもらえればいい」

そう言うと小竹は大きなアクビを一つした。

「他に何か質問は? 無ければ早速だけど始めるよ」

小竹は右手を挙げ、指を鳴らそうとした。

――次の瞬間。

「ふざけるなッッ!!!!」

ド正義卓也は叫んでいた。

「何が『殺し合い』だ! ふざけるのも大概にするんだな。これだけの人数をいきなり拉致とはいい度胸だ。
 この中には僕の学校の生徒もたくさんいるんだぞッ! 僕は生徒会長として彼らを守る責任があるッ!」

ド正義は大股でズカズカと小竹に詰め寄っていく。

「あ〜〜、君は確か……」

小竹はそんなド正義の怒りなどどこ吹く風といった様子で手元から一枚の紙を取り出し、広げた。

「ああ! 『ド正義卓也』か。能力は『超高潔速攻裁判』。
 『自身が”悪”だと認識した者を睨みつけることで発動し、即座に対象を死刑にできる』、ねえ……」

「そうだッ! 流石は誘拐犯、よく調べ上げたな!
 腕力には自身の無い僕だが、これでも魔人の端くれ。僕は貴様を一発殴らなくては気が収ま――」

ド正義は続く言葉を吐くことなく、頭が爆発してその場に倒れ込んだ。
誰かがド正義を抱き起こしたが、頭の無いその身体が既に事切れているのはひと目で明らかだった。

「――とまあ、こんな風に僕には諸君を爆発させる能力がある。
 もちろん例外は無しだ。不死の魔人だろうと、何だろうと殺せるのさ。
 フフ、誰かもう一人ぐらい試してみるかい?」

その言葉には”本当に殺せる”という凄みと余裕があった。
そのためかどうかは分からないが、続いて反論を試みる者はいなかった。

「結構。最初の禁止エリアは”B-6”だ。では諸君の健闘を祈る」

小竹は今度こそ右手を挙げ、指を鳴らした。
辺りに刺激臭が立ち込め、集められた者たちの意識は暗転した。

57 ◆G7wbG9fIug:2019/07/04(木) 21:35:19
 ある所に、無神論者が居た。彼は今まで神の愛に触れた事がなく、悪魔さえも信じてはいなかった。
 母を知らず、いくら呪えども嘲りが絶えない世界にあっては、それも無理からぬ話であろう。
 しかし、天使ならば信じていた。そこにあった「それ」を、確かに天使であると、信じていた。

 1人の男が、光の中で立っている。男の周囲は闇と静寂に包まれており、動く者はいない。傍らには風変りな楽器が1つ。横倒しにされたグラスと
それを繋ぐ金属の棒が嵌め込まれた、一体型の装置。装置が起動すると、鉄製の棒を回し、グラスが回転を始めた。男がグラスに指を触れる。その
度に機械は共鳴し、柔らかい音色を周囲に響かせる。やがて音は反響し、幾重にも折り重なり、空間全体を包み込んだ。音の向こうに風景が見える。
穏やかに日の差す湖が、鼻をくすぐる緑が、草を揺らして駆け回る動物たちが!
蠢く春はやがて匂い立つ夏へと変わる。夏は秋へ、秋は冬へ。男の手がグラスに触れる度、香りが、色が、動きが、味覚が、次々と付け足されていく。
しんしんと降る雪が息を白くさせ、冷たい空気が肌に刺さった。思わず身震いする。辺りを見回せば氷と雪で閉ざされ、どこにも逃げ場など存在しない。
寒い。
動く物など何も存在しない、ただ、ただ冷たさだけがある世界。どこまでも濁った灰色の続く、そこは地獄であった。思わず天を仰ぐ。そして気づいた。
空を覆う分厚い雲の切れ間から、細く、しかし確かに、日の光が差し込んでいる事に。子供の声が聞こえる。その声は、足取りも軽くこちらへと駆け寄っ
てくるのが見えた。

1人の男が、光の中で立っている。傍らには風変りな楽器が1つ。男が演奏を止めた時、静寂を突き破って割れんばかりの喝さいが轟いた。

58 ◆G7wbG9fIug:2019/07/04(木) 21:36:49
『一二野 単独コンサート成功』
『想像を遥かに超える演奏 観客も涙』
『収益は全額チャリティーへ寄付』
『早くも次開催望む声』

 「…〜ッかー、やっぱ俺って天才だな!」

 男が、部屋の中で独り言ちる。手にした新聞を放り投げると、そのまま真白いベッドへと飛び込んだ。その顔はにやにやとした笑みが止まらず、
とてもだらしがなかった。

「まぁ〜全額寄付は正直勿体なかったけれど、世間的な評価は得られた訳だし。次は適当なパトロンでも見つけて、“ひっかけて”やればいいか。」
 
 男は、とても良い気分であった。大々的に宣伝した初のソロコンサートを大入り満員で迎え、そして音楽家としても篤志家としても名を挙げた
のだ。次の仕事にも繋がった。鼻歌でも歌いたい気分だった。最も、次への仕事だのは、仮に成功しなかった所でどうにでもしてしまえたのだが。

「たまには正々堂々ってのも悪くはねぇ…あぁー、い〜い気分だぜぇ〜」

ふんふん、と本当に歌いだす。その音は相棒である楽器―グラスハーモニカ「セラフ」の音色には程遠い物の、やはりとても上手かった。


男はそのまま眠りに落ちる。次に目覚めた時にどことも知れぬ島の中に居る事など、無論知る由もない。

59 ◆G7wbG9fIug:2019/07/04(木) 21:40:14
【名前】一二野 三太郎 (ひふの さんたろう)

【性別】男性
【能力】
『サイミンコキネシス』
 動植物や無生物を相手に、催眠術をかける事が出来る。かける時間さえあれば、結果として風を巻き起こしたり物体を空中浮遊させる等
も可能。催眠術は素の実力なので、普通に人間にもかけられる。但し精神攻撃なので、対象の精神力が3以上ならば無力化されてしまう。
自己催眠はいつでも可能。

【人物】
 幼少の頃からその才能を発揮し、周囲の人間を意のままに操ってきた催眠術士。自分中心でわがままな性格であり、他人を信用していない。
唯一信じているのは催眠術の腕と音楽だけ。しかしここぞという所で道を外れられなかった小心者でもある。
彼が催眠術をかける手段は多い。古典的な5円玉を用いた手法から、愛用のグラスハーモニカ「セラフ」を用いた催眠演奏まで多種多様である。

【備考】
特になし

【場所不明/1日目・時間帯不明】
【一二野 三太郎】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品。
[思考・状況]
基本行動方針:生き残る為に行動
1: 出会った相手全員に催眠術をかけ、無力化or手駒化を試みる。
2: 主催者「小竹」の無力化(状況次第。可能と見れば行う)
現在の状況での行動・思考の優先順位
[備考]
コンサート疲れで爆睡しました。ルールの把握自体は出来ているでしょう。
最大の武器であるグラス・ハーモニカ「セラフ」を無くした事にはすぐ気づきます。そしてめっちゃ落ち込みます。


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