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【RP】最後に残ったおとぎ話

1クロン共和国:2014/09/27(土) 22:30:04
衝合に於いて失われた十の魔王遺物。
彼らはそれらに魅入られ、運命を狂わされて、彷徨い、求め、そして互いに相争う。あるものは災禍をもたらすそれの封印のため、あるものはその身を焦がす野心のため、またあるものはそれを巡る闘争を渇望して──

トリップ戦闘ルール(下記URL参照)を使用した戦闘RPスレッドです。
http://etc3.fc2web.com/charaneta/20040718/1087551477.html

キャラクターの視点から台詞や地の文で書き込んでください。
本スレッドは『期間限定タイプ』になります。事前に二人のプレイヤーでキャラクターを設定し、勝敗を決めます。途中参加/乱入は了承が必要です。

舞台やシチュエーションは不定です。その都度第一発言者が描写してください。勝者は「魔王遺物」という特別なアーティファクトを設定/所持する権利を持ちます。時間の流れは気にせずに、こちらに書き込みながら、別のスレッドで書き込んでも構いません。

2リヴァディア魔法帝国 ◆WBRXcNtpf.:2014/09/27(土) 23:33:31
【カノッサ・ヴァレンタイン/幻想種/白青/女騎士の鎧】
「ここに魔王の遺物があるのか。」
彼女はリヴァディアの名門ヴァレンタイン家の令嬢でリヴァディアでも1000本の指に入る大魔導師。
今日も今日とて、質素な鎧に身をまといその金髪をはためかせながら、似合わない森へ入る。
お供はいない。幾多の戦いで名を挙げた名門家の娘として、一人で事を成し遂げたという結果を彼女が求めたからだ。

しかし今回はそれが吉と出るか凶と出るか。彼女が使えるのは白のA級のcodeまで彼女より強いものが現れないといいが……。

3クロン共和国 ◆xdszxH5rLE:2014/09/28(日) 00:27:07
【ジャスリー・クラルヴェルン 魔族種(夢魔)/青黒/儚き美女】

「…ええ。貴方の求めるものはここに」

 静寂なる森の奥で。封印物の祭壇の前で、カーディナルの探索者の独り言に応える。
 この魔王遺物は私には不要のものだけれど、彼女には生死と名誉を賭けるほどに意味があるのだろう。

「危険を乗り越えて、よくここまでたどり着けましたね。…けれど、貴方は何故これを求めるのかしら。私は長い刻を生きて、力など要らない、足ることを知ることが幸せ…だと思うようになったの」

 無意味な問い。そんな達観ができるのは聖者か永生者だけ。定命のものは限られた時間と命を精一杯に生きて、自分がこの世界に居たという証を求めるのだ。

4リヴァディア魔法帝国 ◆WBRXcNtpf.:2014/09/28(日) 00:59:40
【カノッサ・ヴァレンタイン/幻想種/白青/女騎士の鎧】
いきなり聖者かのようなことをいいだした彼女はこの森の主だろうか。
彼女の言っている事は理解できる。ただそれは地位の捨てた者だけが言えること。名家の子女として、名門の名を背負い、宮廷魔導師になることを義務付けられた私にはそんな言葉は通じない。

「お前の問答につきあうつもりはない。私はその遺物を求めてここに来た。貴殿がどかぬというなら、悪いが力で押し通す」

剣を抜く。旅立つ前に心配性のじいや(上級魔導師)から丹精込めたA級コードを渡されたが、これは私の力ではない。
ココは私のB級青コードで強化された剣を持ってこいつを切り伏せる。

5クロン共和国 ◆xdszxH5rLE:2014/09/28(日) 02:16:01
【ジャスリー・クラルヴェルン 魔族種(夢魔)/青黒/儚き美女】

「力で押し通す? 無謀なことを言うのね」

 ちょっとだけ驚いた。私は争い事は避けようと言葉を選んだつもりだったけれど、心は読み切れなかったみたい。やはりことのはで信念を翻すことは難しい。

「…でも、私は貴方を責めたりはしないわ。私は貴方の想像の範囲外の存在だもの。理解できなくても仕方ない」

 私に向けられた魔法剣。それを、どうするの? 私が渡さないと言ったら私を殺すの? 首を撥ねるの? 頭蓋をかち割る? 内臓を引き裂き続ける? ひとつの知的生命体を滅ぼすこと、貴方にはできるの?
 彼女の目を見る。……本気なのね。ここに来るまでに、犠牲にしたものがあったのかしら。過去に誓ったのかしら、未来が無いのかしら。

「良いでしょう。貴方の勇気に敬意を。ドロレスの遺物を賭けて、お相手致しましょう」

 貴方に夢魔の魔法を披露してあげる。
 夢魔は自分の姿を自由に変えることができる。人が見ている前ではできないけれど、私は夢魔の王。変化にかかる時間はほんの一瞬、100ミリ秒以下。つまり、貴方が無意識に行うまばたきをする間に姿を変えることができるの。

「ほっほっほ、カノッサよ。わしとも知らず剣を向けるとはまだまだ未熟じゃのう」

 貴方の心の中を覗いて、貴方の苦手とする姿を借りる。貴方の敬愛する上級魔導師。魔術の師。仕草も口調も完璧にコピー。卑怯だなんて言わないで。これが夢魔を相手にするということなの。
 魔導杖を掲げて、攻撃的な赤コードの魔力を解放する。スパークする杖、触れたらショックで身体も意識も飛んでしまうわ。ふふふ、どこからもかかっていらっしゃい。ちょっとだけ楽しくなってきたかも。

6イーゼンステイン@sionhako:2014/09/28(日) 09:41:22
【レェスクヴァ/人類種/赤黒/鎧を身に纏ったヴァルキューレ】
 ヴァルキューレには、何種類かいる。エルダの娘、特別な者達は、感情をコントロールできる。
私は違う、感情がコントロールできない。血が騒ぐ。国を出る前、ヘルヴィルトと挨拶をしたけれど、見抜かれてしまった。
血が騒ぐ、闘争を、流れる血を、英雄の死を求めて、感情が抑えきれないのだ。
 魔王遺物を求めて、カーディナルでは英雄同士が戦うだろう。そして死ぬだろう。
私はヴァルキューレだ。英雄の魂をヴァルハラに!
魔王遺物は不幸しか齎さない。数多の婦人が涙する呪いの遺物。それは私が手にするからだ。
魔王遺物を以て、栄光ある破滅を!無残な死を!英雄たちに齎そう!

7イーゼンステイン@sionhako ◆4zNVjMv1/I:2014/09/28(日) 09:44:29
トリップ未記入の為追加。

8リヴァディア魔法帝国 ◆IwjmeSx3m6:2014/09/28(日) 17:56:59
【カノッサ・ヴァレンタイン/幻想種/白青/女騎士の鎧】
この女の言動。何かに引っ掛かるところがあると思ったらそうオネイロンの黒の魔法使いと似ているのだ。
私を見るや突き刺すような冷たい目をして、「あなたはつまらない」と私を見下したあいつに。
ローマティス様はその私を憐れんでか上層部に私の実力を見せつけるチャンスとしてこの遺物探索を命じられた。
私の名、そしてローマティス様の名前にかけて私はここで遺物を持って帰らないわけにはいかないのだ。

「蒼きローマティスの加護よ、聖騎士の身を護りたまへ」

剣に魔力を込める。B級青コード【エニシャンシィ】が発動し、剣を青い光が包む。

「来い。貴殿に恨みはないが、いざ正々堂々と勝負!」

と、相手を見る。……は?

「ほっほっほ、カノッサよ。わしとも知らず剣を向けるとはまだまだ未熟じゃのう」

じいや……?いや、じいやは西進中の軍団の留守を守るためオネイロンで指揮を執っているはず。こんなところにいるはずがない。
これは幻だ。卑怯な手段を使う。

「おのれ、お前は悪魔だったか! リヴァディアの魔法騎士をなめるなよ!」

目の前のじいやモドキめがけて剣をふるう。あれは幻あれは幻あれは幻あれは幻あれは幻



でも 口調 仕草 それに あの顔は……私の師であり、永遠の目標でもあるじいやだ。

9クロン共和国 ◆xdszxH5rLE:2014/09/28(日) 19:15:13
<魔王遺物十番勝負:1:カノッサvsジャスリー>
【ジャスリー・クラルヴェルン 魔族種(夢魔)/青黒/老魔術師】

 彼女の魔法剣が私に迫る。あっという間に間合いに入って。明確な殺意とともに躊躇なく切っ先が振り降ろされる。速い。目では追えない。
 咄嗟に魔導杖で剣を受ける。青と赤のコードの魔力が反発しあう。
 爆発音。衝撃。
 宙に吹き飛ばされた老魔導師たる私は、ひらりと優雅に着地して、同じように吹き飛ばされた彼女を見ながら先に仕掛ける。

 魔導杖を振りかざしながら唱えるのはS級赤コード【ミジウム・モーターズ】。対いのらにも使われる秘儀のひとつ。
 森一面に降り注ぐ炎の雨。雨というのは比喩。落ちてくる火球一つ一つは人間を消し炭にするのに充分。地に墜ちたあとは四方に燃え広がり、世界を一面の灼熱の赫炎の光景に変える。
 降り注ぐのは灼熱の真紅の死。熱死。高熱の死。死の現象。燃えさかる火炎。それは魔法。
 それは無数に降り注ぐ。照準をつけることはできないけれど、私の頭上にはそれは落ちてこない。私は運命を操るから。貴方はどうかしら。

「…。」

 失敗だったかしら。火の手が上がりすぎて、陽炎と影と爆音で彼女を見失ってしまった。そのまま焼死するならばともかく、どこからか襲ってきたら、あの速度、老いたこの身体でまた防ぐことはできないかもしれない。

 だから私はまた姿を変える。貴方に隙を見せたこと無い存在に。貴方が叶わないと認めてしまった存在に。

「…さあ来なさい。来ることができなければ、どうせ貴女は死ぬしかない」

 黒のフォローガ。世界最高の魔導師のひとり。やっぱり少女の姿はよく馴染む。拳銃を手にして私は貴方を探す。

10リヴァディア魔法帝国 ◆IwjmeSx3m6:2014/09/28(日) 20:23:35
【カノッサ・ヴァレンタイン/幻想種/白青/女騎士の鎧】
ジャスリーの放った【ミジウム・モーターズ】によって灼熱の炎が地面を焼き尽くす中、その炎の中に隠れるカノッサの姿があった。
彼女の周りには白い球が円を作って回っている。その球がカノッサに降りかかる火の粉を防いでいた。---A級コード【ガルディアン】術者を守護する魔法。S級魔法の攻撃でも広範囲魔法ならば防ぐことができる。

危なかった。先ほどの攻撃は間違いなくS級魔法。じいやの渡してくれた白のA級コード【ガルディアン】が無ければ間違いなく死んでいた。
でも先ほどの打ち合いから分かった。じいやは接近戦は苦手だ。そしてじいやに変身したあいつも接近戦は得意でないようだった。
ならばこの炎の陰に隠れてあいつを狙えば、勝てるそう思っていたのに。

「あいつは……」

黒のフォローガ、冷酷なる執行者にて帝国最強の魔導師。そして殺してやりたいくらい憎い相手。
なんであいつがここに?さっきの奴の変身?それともそもそもさっきの女はフォローガだった?いや、そんな訳はない。あいつは興味が無い相手にはどこまでも無関心だ。
私なんかに構うわけがない。
あいつは、あいつは偽物。あの女の変身。分かってる。フォローガじゃない。
私の殺したいほど憎い相手。分かってる。でも頭でわかっていても震えが止まらない。
あいつの顔を見るだけで胃の中のモノが全部出てきそうだ。気持ち悪い。足がすくむ。……怖い。戦えない。逃げたい。でもこのままじゃ……死。し、死にたくない。

その時【ガルディアン】の球が彼女の背中に当たる。

「ガルディアン……じいやのA級コード。」
『怖い時こそ勇気を振り絞って。お嬢様のお力はじいやが一番よく知っておりますぞ。」

そう、そうだねじいや。私だけじゃない。ここにはじいやの力がある。パンペリングにも心配かけちゃったね---じいやの契約精霊つまりA級白コード【ガルディアン】---
私は負けない。私は一人じゃないから。

「お願い。フォローガ様、ダスカロス---じいや---、パンペリング私に力を貸して」

あいつは私に気づいてない。このまま炎の陰に隠れてあいつを斬る。

「食らえ!ヴァレンタイン流魔法剣術『スワルドチャロー』」

【エンシャンシィ】で強化された無数の刃がジャスリー目がけて襲いかかる。その刃の陰に隠れて彼女もまたジャスリーに向けて切りかかる。

11クロン共和国 ◆kxrJVlZ8OE:2014/09/28(日) 21:46:05
<魔王遺物十番勝負:1:カノッサvsジャスリー>
【ジャスリー・クラルヴェルン 魔族種(夢魔)/青黒/黒の魔法少女】

 研ぎ澄まされた感覚にて感じる、膨れあがる殺気。
 はやり生きていたのね。どうやってかは解らないけれど。彼女が私に勝つには奇襲、一瞬のひらめきに賭けるしかない。
 即座に振り返って、降りかかる魔力刃の群れを見る。もうそのときには間に合わない。かわせない。八つ裂きにされる──!

 一瞬。ほんの一瞬だけ時間を止めて、後ろに跳んで辛うじてかわす。さっきまで私がいた地面が鋭利にえぐれて、残りの刃は私の脇をかすめた。魔法少女の服が破れる。
 凄いわ貴方。【レイン】を使わせるなんて。
 感心する間もなく、カノッサ自身の、その手に構えた斬撃が迫る。
 私は拳銃を構え、照準も付けずに正確無比の一発を。
 ワンチャンス、ワンショット、ワンキル。それがこの黒のフォローガのポリシー。

(トリップ勝負)

12リヴァディア魔法帝国 ◆4X8Om9G8NE:2014/09/28(日) 21:51:18
【カノッサ・ヴァレンタイン/幻想種/白青/女騎士の鎧】

躱された!? でもこの剣は躱せまい。いや躱させない。
相手が反撃の準備を整えるその前に、防御を捨てた捨て身の攻撃。

相手が私を殺す前にあいつに当てたら私の勝ち。頼む、みんな私を助けて。

(いざ勝負)

13クロン共和国 ◆xdszxH5rLE:2014/09/28(日) 22:33:51
<魔王遺物十番勝負:1:カノッサvsジャスリー>
【ジャスリー・クラルヴェルン 魔族種(夢魔)/青黒/黒の魔法少女】

 炎の森に響く銃声。狙いは違わず、女騎士の腹部を撃ち抜き、鎧を貫通し、彼女は地面に叩き付けられた。
 激痛が彼女を襲う。だが彼女は這ったまま顔を上げて、私を睨み付ける。立ち上がろうとあがいて、その闘志は未だ衰えていない。けれど……それ以上動けそうになかった。

「…まだ生きていたい? 怖がる必要はないの。私は悪魔にしては優しい方だから」

 元の姿に戻って、手を差し伸べる。痛み止めは夢魔の本来の力。多少なら応急処置もできる。彼女の持ち物を漁れば薬草やポーションもあるだろう。

 ジャスリー・クラルヴェルン、魔王遺物【君主の聖衣/Garb of Lords】取得。

14リヴァディア魔法帝国 ◆4X8Om9G8NE:2014/09/28(日) 22:59:07
【カノッサ・ヴァレンタイン/幻想種/白青/女騎士の鎧】
応急処置だと? ふざけた真似を。私は誇り高きヴァレンタイン家の一門、負けたら死を選ぶ。

「くっ殺せ」
「あなたには大事な人がいるのでしょう?先ほどあなたの心を見た時にいたわ。あなたの帰りを待つ人が、じいや、と言ったかしら」

っこの女痛いところを突いてくる。ふと手元を見る。A級白コード【ガルディアン】。
『じいやのコードをお嬢様に渡しますぞ。大事なコードですのでちゃんと持って帰ってじいやに帰してくださいな』
そうだったじいやにこのコードは返さなくては。ただでさえ帝国の数少ないA級コードだから。

「敗者は勝者に従うもの。傷は治してあげるからさっさとここから立ち去りなさい」

悔しいが、今は剣を持つことすらできない。それにまた傷をいやしてもこいつには勝てない。
帰る理由もできてしまった。でも

「ごめん、じいや。私はやっぱり勝てなかったよ」

今はただ泣かせてほしいかな。

これからのことは泣き終わってから考えよう

カノッサ・ヴァレンタイン、魔王遺物取得失敗

15パルティアノイ旅団 ◆1/EI4tlxCE:2014/09/29(月) 00:13:23
<魔王遺物十番勝負:2:レェスクヴァvsイサベレ>

【イサベレ/魔族種/黒青/フードを被った新月兎族】
 ...とんでもないものを見つけてしまった。
私は世界を放浪するのが仕事。即ち世界の情勢をいち早く私たちの"旅団"に伝える事。
とっても危険だから誰もやりたがらない。だけど私は見てみたかった。広き大地を。静かに流るる小川を。だから私は此の仕事に自ら志願した。
けれども私は今、この仕事を選んだことを一番後悔している。なぜなら出発前、リサ姫様に言われた事が現実になってしまったのだ。
「世界には、魔王の残した痕跡が僅かながらある。それを見つけたらいち早く回収せよ。魔王様は大いなる苦痛と災厄を与えてきた。しかしながら衝突により魔王様は世界を去られた。それでも未だ魔王の痕跡、即ち"魔王遺物"は活動し、その呪いを振りまき続けている。これを回収し、排除するのは私たちの義務であり、贖罪なのだ。」
私はこのお言葉を冗談半分で聞いていた。然し今、その、魔王遺物が目の前にある。
回収はかなりの危険を伴うでしょう。けれども私は仕事を放棄するわけにはいかない!
後ろから足音が迫る。振り向くと鎧を身に纏った人類種。多分あれは...イーゼンステイン人っ!勇敢であることで有名だ。逃げたい所だが逃げ場はない。私は私の持てる僅かながらの力を以て彼女と対峙し守らねばならないっ!勇気を振り絞って!


「魔王遺物は私が "回 収" するっ!」

16イーゼンステイン@sionhako:2014/09/29(月) 00:49:54
<魔王遺物十番勝負:2:レェスクヴァvsイサベレ>
【レェスクヴァ/人類種/赤黒/騎乗したヴァルキューレ】
「やめろ、やめてくれー!殺さないでくれー」
3匹のオークを追いかける。この逃げまどう豚どもは、分別も持たずに襲いかかってきた馬鹿者どもだ。
1匹目のオークに追い付いた。ランスでオークの体を貫いた。口と腹から血を噴き出し1匹目は死んだ。槍は捨てた。
2匹目のオークに追い付いた。戦斧を力任せに振り下ろした。オークは頭から肋骨のあたりまで裂けて死んだ。斧の柄は折れてしまった。
3匹目のオークに追い付いた。こいつは珍しい雌オークで、命乞いをして来た。
「おねげえだ。許してけろ…おめえに襲いかかったのはさっきの2匹だ。おらは子供が腹に居るんだ。おねげえだ。子供は殺さないでけろ!」
私は馬から降りて言った。
「駄目だな」
ヴィーキングソードで、雌オークの子の宿した腹を切り裂いた。
無様な豚の悲鳴とともに腹を抱えてのたうち回った雌オークは、周囲に血を撒き散らしながら死んだ。
ふと、目をやると、女が見ている。フードをかぶった女。女は恐れている。私が3匹のオークを殺したから?
違う。女は守ろうとしている。そう、それは魔王遺物。混沌を齎すもの。災いの種。
女は私がオークを殺したことにも気がついていない。魔王遺物という重大なものの為に、周囲の事にさえ
気がつかない。
「そこの新月兎族の貴女。貴女が守ろうとしているものは魔王遺物。そして私が欲するモノ。初めてであった私たちだけれど、
私と取引をしない?私は旅の為にいろいろなものを持ってきているの。貴女の望むものもあるかも知れないわ?」

17パルティアノイ旅団:2014/09/29(月) 01:44:23

【イサベレ/魔族種/黒青/フードを被った新月兎族】

どうやらやはり彼女は遺物を求めているようだ。けれども私はこれを旅団へ送らなければならない。これは仕事だ。喩えそれが業火の道であっても相手がジョーカーであっても、遂行しなければならない。
自然と手が懐の魔弾銃に掛る。さあ自らに自信を持って!絶対やれる!私は私と私たちの為にやるんだ!相手がなんだろうが私は負けないっ!

「お断りする。貴方にはこの遺物は扱えない。持っても呪いがその身を虫食み、滅ぼすだけ。 私 た ち は過去の業への贖罪の為にこの遺物に封をし、滅さなければならない。これは私に課せられた義務。だから私は絶対に取引なぞしない。其方こそ手を引けば旅団から何らかの礼が届く様に手配する。」

18イーゼンステイン@sionhako:2014/09/29(月) 08:30:18
【【レェスクヴァ/人類種/赤黒/ヴァルキューレ】

「ピストルッ!?」

女が懐に手をかけた瞬間、私はあの新月兎族の女が銃を手に掛けた事を理解した。拳銃は危険だ。魔法文明は科学的には遅れているという。
物質文明においてさえ、拳銃は常に暴発のリスクを抱えている。向こうが脅しのつもりでも、暴発して危害が加えられるリスクは懸念される。
イーゼンステイン共和国は、混乱のさなかでさえ、武器の管理は徹底していた。軍から武器が流出する事はなかった。

「クソッ!」

危険だ!

ピストルは無力化せねばならない。間合いに入って、ラウンド・シールドで動きを封じて斬り伏せるしかない!
渾身の力を込めて飛びかかる。あっという間に間合いを詰めて、オークの血で濡れたヴィーキングソードを振り下ろす。

19アフカール朝カルディザ:2014/09/29(月) 17:04:42
【ラミ=グエイ/魔族種/黒青/顔にベールを垂らした軍服姿】

闘いの最中、廃墟の陰で一人の吸血鬼が静かに様子を窺っていた。
「片方は魔族、片方は人間か。」
魔族は魔弾銃を持っているようだ。どうも、幻想文明の者は物質世界の技術を使いたがるものらしい。私もマナを混ぜ込んだ銃弾を撃てるシュトルム・ゲベーア銃を所持している。
激しく両者は戦い合っているようだ。漁夫の利で狙撃しても良いが、イグール=ベイ陛下より賜った魔導信の文章を思い出す。

『魔王遺物を確保せよ。見込みのある者を吸血鬼化し仲間に加えろ。魔族との戦いは可能な限り避けろ。』

魔王などというものに陛下はご興味がおありなのだろうか。まあ、恐らく単なる外交の道具にでもされるのだろう。魔族との戦いを避けろというのは良く分からないが、多分に吸血鬼化できないからかな。
この戦い、片方は魔族だ。無理に参入して魔族の方と戦っても仕方がない。私はトレジャーハンターなどではなく、軍人だ。目的達成の為にはここは退くべきだな。

20パルティアノイ旅団:2014/10/04(土) 20:50:15
【イサベレ/魔族種/黒青/フードを被った新月兎族】

あっぶなァ!ギリギリの所だった...耳元を剣筋が通ったよ、流石に対応早いなぁ...魔族種だったから躱せたけど人類種なら真っ二つだなこりゃ。
まあ、向こうから攻撃してきたし、自衛の権利を行使していいよね?勝てる気がしないけど。
「流石、イーゼンステインの戦乙女。こんな場じゃなかったら戦わずに逃げの一手だった。けれど私は私の責務を果たさねばならない。だから私は...」
...手がかかっていた銃を素早く出し...
「貴方と戦い...」
...黒の魔力を籠め...
「勝って見せるッ!」
...放つッ!この一弾は私、否、私たちの 贖 罪 の為に!

21イーゼンステイン@sionhako:2014/10/04(土) 23:56:01
【レェスクヴァ/人類種/赤黒/ヴァルキューレ】
「ッ!」
振り下ろしたヴィーキングソードは紙一重でかわされた。女はピストルを引き抜き銃を向けた。
「ッァ!(早い…ッ!)」
女が引き金を引くその瞬間、楯で銃を払いのけた。
銃口は反れて、銃弾は空を舞う。
「鋭ッ!」
この隙は逃さない。心臓を狙い、ヴィーキングソードを突く。

22パルティアノイ旅団:2014/10/09(木) 22:22:25
【イサベレ/魔族種/黒青/フードを被った新月兎族】

(払われたっ!すごい動体視力。これ本当に下手な魔族種や幻想種は勝つの無理だよね。そして払われたら多分...)
突き出される剣。
「オビュッ!?(怖いぃ!)」
仰け反って何とか回避。攻撃手段は無いようだが...
(わたしゃ二丁拳銃なんだ)
袖に隠していたもう一つの魔弾銃を素早く手に持ち、撃つ。
(見えないけど不意打ちに近いから中る可能性はある!)

23イーゼンステイン共和国 ◆VIxNnFHAWg:2014/10/09(木) 22:30:40
【レェスクヴァ/人類種/赤黒/ヴァルキューレ】
女が剣をかわし、もう一丁の銃を引き抜き発砲した。心臓を狙った突きの為に、対応は遅れた

ガキン

銃弾は命中したが、掠めただけだった。チェイン・メイルの一部が砕けた。
(女の体勢が悪い。好機!)

もう一度踏み込み、渾身の一撃を振り下ろした。

トリップ判定

24パルティアノイ旅団 ◆XHM5n0AhgA:2014/10/10(金) 06:43:40
【イサベレ/魔族種/黒青/フードを被った新月兎族】

地面に倒れる。しかし、相手の斃れる音は聞こえない。
(まずっ!この感じは駄目だったか!)
恐らく相手は剣を振り下ろしている筈。
だから私は最後の手段であり、最後の武器である短剣をその振り下ろす腕目がけて投げる。
中れば軌道はぶれるであろう。然しながら大勢の悪い中でこれを行うのは分の悪い賭けだ。

しかし、わずかにでも、可能性があるなら、万に一だろうが、億に一だろうが、十分だ。

(さあ、ベットッ!)

手に持った短剣を投げる。

トリップ判定

25イーゼンステイン共和国 ◆VIxNnFHAWg:2014/10/10(金) 08:35:52
【レェスクヴァ/人類種/赤黒/ヴァルキューレ】
女の投げた短剣が、右手首を切り裂いていた。ヴィーキングソードが腕から零れおちる。
チェインメイルが7分丈だったのが失敗したのだろうか…

体勢を崩して、ばたりと、倒れこんだ。
見事に動脈が切り裂かれて、右腕から洪水のように血が溢れ出る。悪寒がする。
「ふふ、これが、私と…貴女の運命の差というものよ…。動脈が切り裂かれたからには、私は2分で死ぬ…。
滅びは誰にでも必ず訪れる…わかってはいるけど…怖い…。助からないから…殺してちょうだい…。」

26パルティアノイ旅団 ◆XHM5n0AhgA:2014/10/10(金) 20:32:55
【イサベレ/魔族種/黒青/フードを被った新月兎族】

目を瞑ったが、なにも来ない。恐る恐る目を開けると右手首から血を流すヴァルキューレ。賭けに勝ったのだ。
ヴァルキュリーは己が死ぬことを望んでいる。

(私は、殺す訳にはいかない。)

懐の一つしかない小瓶。魔王国研究の僅かな成果の一つであるその小瓶の中には透き通るような蒼の液体が入っている。
本当に必要な時にしか使うなと言われたが今がその時だろう。小瓶の蓋を開け、中の液体を右手首の患部に注ぐ。

「これは私たちの研究の数少ない成果の一つ。この薬なら何とか命は繋げられるけどその右手の力はかなり衰える事になる。でもしっかりリハビリすればある程度は戻る。
もし力が戻っても貴方はもうこんな危険なものを手にしようと思わないで。貴方の力だったらそんなことよりも他の事に力を尽くせばもっとたくさんの人の不幸を幸に変えられると思うから。」

私の故郷へと歩き出す。さあ、贖罪の為の旅を続けよう。

イザベレ、魔王遺物【黝の小箱/Box of Livids】取得。

27イーゼンステイン共和国:2014/10/10(金) 21:53:31
【レェスクヴァ/人類種/赤黒/ヴァルキューレ】
血が止まらず、抜けていく、寒い。
死ぬのは恐ろしい、避けられない。
避けられないなら、長く断末魔の苦しみを味わいたくはない。
怖い。嫌だ…死にたくない…。

だが女は私に薬をかけて立ち去って行った。他の事に力を尽くせと言った。
「忠告しておく、余計な情けは…為にならないわ…。でも…ありがとう、貴女の旅に幸あらん事を…」
馬がそばに寄って来た。
「帰ろうか、生きていれば、おとうさんにも、おかあさんにも、友達にも会えるものね。」
血が抜けて力無く馬に乗って、故郷を目指してゆく…。


レェスクヴァはイーゼンステインを目指したが、国に帰る事は叶わなかった。
伝えられるところによると、彼女が帰路の途上、青い外套を羽織った帽子を深めにかぶった髭の
男とすれ違った時、落馬して死んだ。彼女の体には、鞘に納められていた筈の
ヴィーキングソードが抜き身で彼女の心臓を刺し貫いていたという…。

<魔王遺物十番勝負:2:レェスクヴァvsイサベレ> end

28アフカール朝カルディザ:2014/10/11(土) 21:05:22
【ラミ=グエイ/魔族種/黒青/顔にベールを垂らした軍服姿】

(血の匂い…先ほどの試合、勝負あったようだな。)

流石にどちらが勝ったか、正確には分からないが、この感じは人間の流した血の量の方が多いようだ。
先ほどは仕掛けずに正解だった。まあ、仲間を増やすのも重要だが、遺物とやらも探し求めねば。
この辺は魔王国の残骸が多く存在すると聞く。吸血鬼の身で調査は骨が折れる。さっさと見つけて、戦乱に巻き込まれたと聞く母国を助けねば…。

29イレール・ヴュイヤール:2014/10/12(日) 23:00:05
<魔王遺物十番勝負:3:イレール・ヴュイヤールVSラミ=グエイ>
【イレール・ヴュイヤール 人類種?/青・黒・赤/迷彩服】
…遠くから聞こえた音が明らかに自然に発する音ではなかった。
こんな人里離れた場所で戦うような暇人がいると思えないし、野生動物同士の争いだろうか。
山賊や未開の蛮ぞ…現地の住民なら困るが、凶暴な野生動物ならまだ大丈夫だ。
幸いにも私は文明世界の利器…というには大げさだが、護身の武器なら幾つか用意している。
…もっとも、ここ数年はまともに射撃訓練を受けていなかったが。
いずれにせよ、もう陽も暮れているし、これ以上前進するのは危険だ。

「おい、この馬鹿野郎!よく聞け、いいか、ここをキャンプ地とする!」

そう叫んで振り向いた彼女の前には誰もいない。
彼女はそのまま黙々と一人でテントの設営作業を続けていた。
支社から派遣されたヘリコプターからこの地に降下してからまだあまり日数が経過していないにもかかわらず、彼女はすっかり今回の調査に参ってしまっていた。
支社への定時連絡以外にまったく口を開く機会はない。
普段から口数は少ない方だったが、こうやって定期的に普段は口にしないような荒い独り言で、気を紛らわせていた。
支社から調査の機材、キャンプの資材と定時連絡の人工衛星回線の携帯電話は渡されたが、ふかふかのベットや熱いお湯の出るシャワーが備え付けられたホテルなんて高尚な設備なんてあるわけない。
せめて、毎日陽が沈んだ後は近くの街まで帰るためのヘリコプターを呼んでほしいと頼んだが、断られた。

「なんもかんも政治が悪い…」

本当なら今回の調査はもっと多くの予算も人員も参加する大規模な調査になるはずだった…幻想世界のカーディナル大陸の南の戦争が全てを白紙に戻してしまった。
交易路の封鎖だとか、軍需物資の取引だとかで忙しい支社から今回の調査の問題はすっかり忘れ去られてしまっているかのように見えた。
彼女は今回の戦争を決断したであろう各国の政治家たちや軍人たちを恨んだ(もっとも、彼女はだれ一人その名前や顔を知らなかったが)。

しかし、今回の調査もこれで終わりだ。
『コンフラックス(衝合/Conflux)』に於いて失われた十の「魔王遺物」。
そのうちの一つが今私の手元にある。
既に支社には連絡を済ませた。
明日の朝には支社からヘリコプターが迎えに来るはずだ。
…本当は今日中に迎えに来てほしかったのだが、これも断られた。
まあ、いい。
今日一晩乗り切れば、今回の調査は全て終わりだ。

慣れたとはいえ、テントの設営作業を終えたときには既に一時間以上も経過し、周りはすっかり暗くなっていた。
テントの前の焚火の光がこのテントの周りの唯一の明かりだった。

30アフカール朝カルディザ:2014/10/13(月) 00:55:13
【ラミ=グエイ/魔族種/黒青/顔にベールを垂らした軍服姿】

(おや、これはこれは…)

あたりからスープの匂いがする。どうやら人類種か何かが近くで設営しているようだ。
この付近にいる者は確実に魔王遺物を探しに来ている奴だ。しかも設営をしているとなると、それだけ本格的に探索をしていると推測される。
その予想は当たり、グエイは闇夜の中、明りの点るテントを発見することが出来た。

さて、どれだけの人数がいるのだろうか。あんまり多いと厳しいな…。
これだけ無防備にしているなら奇襲も効きそうなものだが。張られたテントはあまり大きくは無い。
まずは先制攻撃としよう。俺はゲベーア銃をテントに向かって乱射した。

31イレール・ヴュイヤール:2014/10/13(月) 15:00:07
【イレール・ヴュイヤール 人類種?/青・黒・赤/迷彩服】

飯盒の穴から漏れたスープが真下の焚火にかかり、水蒸気の蒸発する音が勢いよく響いた。

暗闇の向こうから撃ちこまれた弾丸が飯盒を貫いたという事実に彼女が気が付くまでに、瞬く間に数発の弾丸がうすいテントの幕を、そして彼女の真横を通り過ぎた。

銃声!?

判断するまもなく本能的に彼女の体は地面に突っ伏していた。
震える手で頭を抱え、目を瞑る。

一体何処から、いや、一体誰が?

目を開け、顔をあげて、周りを見渡しても、この暗闇の中ではいったいこの銃声の主が一体どこにいるのかわからない。

もしかして、戦争がここまで広がって、どこかの兵士と間違われた?
まさか、「魔王遺物」を狙って!?
各国が「魔王遺物」を狙って、水面下で争っている…という噂はインターネットだとか、オカルト雑誌の専売特許だ。
実際にそんなゲームみたいな話があるわけない。
しかし、理由はともかく、この暗闇の向こうから私を狙った銃弾が放たれたのは事実だ。

匍匐でテントに戻ろうとしてても、目の前のテントに戻ろうとするだけなのに、体が震えて思うように前に進まない。

わ、私も撃ち返さなきゃ…

拳銃嚢に手を構える。
地面に伏せたまま、彼女は叫んだ。

「い、一体誰!?私はクロン共和国から来たただの民間人です!ここには研究で訪れただけです!攻撃は中止してください!」

この発言は語弊がある。
確かに彼女はクロン共和国からここに訪れたが、単にクロン共和国に住んでいるだけで、所謂「権利を持つクロン市民」ではない。
大体、突然、銃撃を加えてくるような奴(奴等かもしれない)がこんな呼びかけに応じるはずがない…が、もしかしたら、という一抹の希望を抱かずにいられなかった。

震えた彼女の片方の手がようやくテントの入り口に当たった。

32アフカール朝カルディザ:2014/10/13(月) 20:22:40
【ラミ=グエイ/魔族種/黒青/顔にベールを垂らした軍服姿】

「クロンの民間人、十秒以内に武装解除して投降しろ。何、目的の物を持っていなければすぐに解放してやる」

俺は鋭い声を上げた後、巧妙に回り込みをかけた。攻撃位置、発声位置に反撃されると困るからである。
本当に民間人なのかは分からないが、軍人としては素人な設営の仕方をしている。闇夜の中、堂々と明かりを点けて匂いのする食事を用意…襲えと言っているようなものだ。物質世界の通信機器もあるようだが、あれも恐らく探知可能である。

俺はリロードしつつ、注意深く裏に回っていた。研究者か。仲間に加えても損は無いだろう。

33イレール・ヴュイヤール:2014/10/14(火) 23:00:06
【イレール・ヴュイヤール 人類種?/青・黒・赤/迷彩服】
十秒以内に武装解除なんて無理に決まっているだろ、いい加減にしろ…!

「わ、わかりました!捨てます、捨てますから!」

内心とは裏腹に私は情けない声を上げた。
絶対にまともな国家の正規軍じゃない、山賊か、何かか。
抵抗しても殺されて、犯される。
抵抗しなくても犯されて、殺される。
そういう場面だ、これは…!

拳銃嚢から拳銃を抜き出して、そのまま少し離れた場所に置く。
震える体で匍匐し、テントの中から一つの大きな背嚢を持ち出して、立ち上がった。
片手だけ上にあげて、降伏を示す。
もう一方の片手は、一つずつ背嚢の中から機材を取り出していく。

「現金は持ち合わせてないです…けど、コンピューターとか売ればお金になりそうな機材ならありますから…」

本当に降伏したわけじゃない。
攻撃しようとしても、逃げようとしても、一体相手が何処にいるのかすらわからない。
降伏したふりをすれば相手が近づいてくるはず。
相手が一体何処にいるか、確認した後なら逃げ…反撃できる可能性はある…かもしれない…

34アフカール朝カルディザ:2014/10/14(火) 23:49:18
【ラミ=グエイ/魔族種/黒青/顔にベールを垂らした軍服姿】

どうやらこの自称研究者一人しかいないようだ。普通、護衛の一人か二人はいそうなものだが。訳が分からない。
まあ、本来俺もツーマンセルかスリーマンセルで行動すべきだ…。だが、アフカール朝は急激に勢力を拡大したせいで、支援体制が整っていない。援軍を魔導信したが、戦乱の影響で返信が返ってこない。
ターゲットもそういう状況なのかもしれない。ともかく、魔王遺物があるかだけ確認して、使えそうだったら吸血しておこう。

標的の背後から俺は近付いた。
「そのガラクタの入ったバッグを下ろし、ホールドアップしたまま後ずされ。妙な真似をしたら撃ち殺す。」

35イレール・ヴュイヤール:2014/10/16(木) 02:00:05
【イレール・ヴュイヤール 人類種?/青・黒・赤/迷彩服】
今の発言を聞く限りではどうやら単なるお金目当ての山賊じゃないらしい。
まさか、本当に「魔王遺物」を狙って…?
でも今は、そんな事はどうでもいいんだ。
重要な事じゃない。
「目的の物を持っていなければすぐに解放してやる」なんて言っているけど、とても信じられない。
大体、「目的の物を持っていなければ」って、逆に言えば、「目的の物」を持っていたら…

「こんな理不尽なことが私の身ばかりに…」

嗚咽する声が漏れる。
誰かに見られているわけでもないのに、泣き顔を隠そうと顔の向きを下に降ろすと、足元に小さな光が見えた。
銀色のフォークが焚火の明かりを反射して光を放っている。
さっきの乱射のときに一緒にどこかに落とした落としたフォークだ。

今、相手は私に近づいてきている…そこの隙をついて、このフォークで相手を刺せば…!

冷静に考えれば成功する可能性は極めて低い。
しかし、今の彼女には恐怖と緊張のせいで、これぐらいしか思い浮かばない。
それに、このまま座して死を待つよりも、一度でも反撃して逃亡する機会をうかがうべきだという自暴自棄的な考えが頭をよぎる。
相手が一体どんな銃を使用しているかは知らないが、それさえ叩き落とせば何とか逃げる機会はある!…かもしれない。

「わ、わかりました…置きます、今、置きます!後ろにも下がります!」

背嚢を地面に降ろす…ときに地面に手を触れたふりをして、すかさず銀色のフォークを拾う。
服の袖に銀色のフォークを忍ばせて、そのまま両手を上にあげる。
間違っても、銀色のフォークを服の袖からそのまま落とさないように慎重に後ずさる。
緊張しているのは事実だし、今にも心臓が飛び出しそうだけど、もしも、相手がこの動きに気が付いたら次の瞬間には弾丸が心臓から飛び出しかねない。

36アフカール朝カルディザ ◆irIv2aq.GM:2014/10/16(木) 03:15:25
【ラミ=グエイ/魔族種/黒青/顔にベールを垂らした軍服姿】

「…。」

俺は背後から近寄った。足元には機械の入ったバッグが落ちている。
バッグの中に何か光るものが入っているようだ…目障りだな。俺はバッグを蹴飛ばした。
その瞬間、脚に鋭い痛みが走る。

「ぐあっ…。」

ほんの少しだけ叫んだが、ターゲットはこの狼狽に気づいたようだ。不味い、不味すぎる。
なんだ、何があったのだ?罠か?そんなはずはない!不覚をとった、不覚を!
落とした小銃に代わり、咄嗟に背中のトマホークを構えようとする。しかし素人目でもその姿には隙が多い。

辺りに割れたマナカプセルが転がる。バッグは漏れ出した白マナによって薄暗く光っていた。

(トリップ勝負!)

37イレール・ヴュイヤール ◆aOLjRoi1zs:2014/10/16(木) 23:00:07
【イレール・ヴュイヤール 人類種?/青・黒・赤/迷彩服】
相手がほんの少しだけ悲鳴を上げたその瞬間、彼女はその声を見逃さなかった。
とっさに彼女が振り返ると、顔にベールを垂らした軍服姿の相手が見えた。
相手は握っているはずの銃は地面に落ち、その代わりに片手を背中に回し、何か新しい武器を取り出そうとしている。
一体、何故相手が銃を落とすほどに動揺しているのか、背中に背負っているはずの武器が一体何なのか等と彼女に考えている暇はなかった。

冷静沈着に判断したわけではない…が、機会は今しかない。
もうこうなったら何処でもいい。
顔だろうが、腹部だろうが、どこでもいいから相手の急所にこのフォークを刺すしかない。

神様、心を入れ替えて、これからはちゃんと毎週教会に通います。
礼拝の最中に居眠りもしませんし、寄付金を入れる帽子が回ってきたときだって財布を忘れてきたと言い訳したり、1ショコラしか寄付しないなんてことはしません…!
だから、今だけは助けてください…!

「ご…ごめんなさい!」

言葉とは裏腹に彼女は相手の体に勢いよく飛びかかった。
※トリップ判定。

38アフカール朝カルディザ:2014/10/21(火) 12:03:53
【ラミ=グエイ/魔族種/黒青/顔にベールを垂らした軍服姿】

「・・・。」
何かが首元に流れ入る。その瞬間、様々な記憶が湧き出るようによみがえる。
ウィルバー、大学、国家、語学勉強、恋人、合衆国、外交、渡航、共産諸国、パスポート、勤務、飛行機、駐在、コンフラックス、墜落、落下、飛行機、未知、襲撃、吸血・・・なんなんだなんなんだなんなんだ。

全てを思い出しかけたとき、私は既に灰と化していた。
「せよ・・・応・・・応答せよグエイ少尉・・・援の件だが・・・認する・・・現在のポイント・・・告せよ・・・」
灰の中で導信機が空しく鳴っていた。

(ラミ=グエイ死亡)

39イレール・ヴュイヤール:2014/10/22(水) 23:00:07
【イレール・ヴュイヤール 人類種?/青・黒・赤/迷彩服】
銀のフォークの先端を相手の首元に突き刺した。
相手は一瞬だけ何か驚いたような顔をしていたが、そのまま仰向けに倒れこむ。
彼女はそのまま跨るような形で相手を押さえつけ、フォークを首元の奥深くまでねじ込んでいく。

気がついた時には相手の姿は既になく、彼女はわずかに人間の形に見える大量の灰の上に跨っていた。

今までのことは全部夢だったのだろうか…と一瞬だけ思ったが、周りの異常な風景と相手を押さえつけていた…はずの手が血と大量の灰にまみれているという異常な状態が今までのことが現実だと彼女に教えてくれている。
まるで頭の中が真っ白になったように何も考えられない。
学生時代の戦場の経験がよみがえる。

「なんなのよ、もう…みんな、嫌い…」

彼女は地面に腰を下ろし、頭を深く項垂れると、誰も聞く相手がいないこの場所で声をあげて泣いた。

遠くの空からは救援のヘリコプターのサーチライトが周りを照らしながら近づいていた。

イレール・ヴュイヤールが魔王遺物【魔王の手首/Hand of Darkness】を取得しました。
<魔王遺物十番勝負:3:イレール・ヴュイヤールVSラミ=グエイ> end

40クロン共和国 ◆xdszxH5rLE:2014/10/26(日) 19:39:21
<魔王遺物十番勝負:4:クロン・イーゼンステイン航空演習>
【イザ・ベル航空中尉 人類種/黒】

 コンフラックス後の惑星ムルムスの人間に対して「世界最強の生物は何か?」と問えば、いのらなどの怪獣が地上を闊歩していたとしても、多くの人間はグレートドラゴンを連想するだろう。
 その連想は多くの点で誤ってはいない。大いなる竜たちは大空を音速で飛翔し、高い知性を持ち、鋼を引き裂く牙とかぎ爪と、あらゆるものを滅ぼす火炎や稲妻を口から吐き出す。前進をくまなく覆う鱗はあらゆる剣を弾き、あらゆる砲を弾き、その存在の格を矮小な我々に突きつける。

 しかしそのグレートドラゴンたちでさえも、マティエ・アルツェールの上空を飛ぶことは滅多に無い事だ。
 この物質文明大陸にはそれに匹敵する恐るべき機械の塊が、竜の代わりに存在するからである。

 戦闘機/Fighter aircraft。武装した飛行機械である。ジェットエンジンを搭載し、レーダー、電子技術、ミサイルなどの兵装を積んだ、人類の技術の結晶。
 今、この私が搭乗しているのはクロン共和国空軍の主力機アンガージュ。政治的な要因からウィルバーとの共同開発を蹴って独自に開発に着手し、完成させた”クロンの戦闘機”。
 クロンとイーゼンステインとの間で行われるドッグファイト演習は20年振りだという。南部カーディナル戦争の影響により上層部は自分たちの軍事技術に危機感を覚え、ここに急遽演習が決まった。

 眼下には雲の海。隙間から見えるマティエ・アルツェールの大地。荒野。計器異常なし。空中で一回転を加えるが、何ら違和感もなし。

「イザベル機、所定の空域に到達。演習を開始する。イーゼンステイン機に伝言を。『良き青空を!』」

41イーゼンステイン共和国:2014/10/27(月) 10:33:44
【ヴィッティグ・イルミング 空軍少佐/人類種男/赤】

 イーゼンステイン共和国では、激甚災害に指定される巨大地震が発生し、国内は大きな混乱に陥ったが、
この模擬空戦は予定どおり実施される事になった。

20年ぶりの航空演習らしい。コンフラックスの以前、この模擬空戦はエンターテイメント色の強い演習だった。
システム化された今日の航空戦でドックファイトなど考えられないからだ。しかし、南カーディナル戦争で、
にわかに政治性が帯びてきた。

南カーディナル戦争では、物質諸国は参戦しなかった。だがカーディナル諸国の戦争をみる事は出来た。
南カーディナル戦争は総力戦だった。すなわち、国家の全てを戦争に投じる戦争であり、敵国の全て人民も文化も国土をも
破壊対象にした絶滅戦争だった。70年以上前の古臭い体系の戦争。しかしマティエ・アルツェールの大陸諸国にとって
これほど脅威となることは無かった。軍制は古臭く、技術的はとるに足らず、行動は緩慢で素質劣等な、
とるに足らないと見做されていたカーディナル諸国軍隊。だが総力戦の準備の無い共和国軍にとって
実際には途方もない脅威であった彼らをけん制するべく、技術の誇示の為に、また自分たちの優位性を確認するべく演習が行われる。

各機器は正常、最高に整備されている。有難い。このウィルバー製戦闘攻撃機はウィルバーの消失で稼働率が低下していたが、
この日の為に万全の機体を用意してくれたようだ。

「此方“フェオ”交戦予定空域に到達。演習を実施する」
オペレーターから、クロン空軍機より「良き青空を」の伝言を受けた事を伝えられる。
「此方“フェオ”伝言を、『両機の戦いに名誉あれ』」

42クロン共和国 ◆xdszxH5rLE:2014/10/30(木) 22:14:14
<魔王遺物十番勝負:4:クロン・イーゼンステイン航空演習>
【イザ・ベル航空中尉 人類種/黒】

「『両機の戦いに名誉あれ』か。…やはり騎士の国ということだな」

 両国機の演習空域への到達と相互の伝言がなされ、演習は始まる。後方には観測機が数機。とはいえ、彼らに配慮することはない。自分はただ任務をこなすだけだ。
 目視では捉えきれない空の彼方でさえも、レーダーは既に敵機を捉えている。あちらはどうだろうか? アンガージュのステルス性がどこまで当てになるかは不明だが。
 高度はそのまま。速度を上げ、雲海の中を一直線に接近する。エンジンは最大出力。機体が振動するもそれも一瞬のことであり、轟音と共に急加速していく。 マッハ。音速。音が伝わるよりも速い速度。多くの人間は想像することもない異世界。そして3G以上の重力加速度が鍛えられた肉体に軋みを上げさせる。

「…風が強い。下は雨か」
『F/A-18E/Fだ。気を抜くな』
「了解」

 後方との通信を行いながらも、距離は縮まっていく。

43イーゼンステイン共和国:2014/11/04(火) 22:49:37
<魔王遺物十番勝負:4:クロン・イーゼンステイン航空演習>
【ヴィッティグ・イルミング 空軍少佐/人類種男/赤】

レーダー上でクロン軍機を捕捉した。アンガージュはステルス性が考慮された戦闘機だが、ウィルバーのレーダーならば十分に捕らえられるようだ。
レーダー上のクロン機は速度をあげ、高速で接近してくる。

(向こうも発見したらしい)

アンガージュは優秀な戦闘機で、総合的には此方の性能を上回っている。だが、デルタ翼機は一般に高速域での機動性に優れるが、
低速域では十分に性能を発揮できない。低速での格闘戦であれば、低速域の機動性が極めて優れた我が戦闘機に分がある。

(一撃離脱するつもりか。)

相対して交差して格闘戦に持ち込もう…。
相手に相対して機体を加速させる。低速な戦闘機とはいえ、相手は高速で接近するので相対時の速度はすさまじい。

(正面にクロン機を視認した時、一瞬でクロン機と交差するだろう。そして旋回して格闘戦に持ち込めれば…)

44クロン共和国 ◆xdszxH5rLE:2014/11/09(日) 13:53:36
<魔王遺物十番勝負:4:クロン・イーゼンステイン航空演習>
【イザ・ベル航空中尉 人類種/黒】

 レーダーが示す状況は、互いに加速しての接近。
 相対速度はマッハ6以上。交差までの時間は@50秒。攻撃のチャンスは一瞬だ。

(距離3000、2000、1000…………見えた!)

 ゼロ時方向、視界に映る黒い飛行物体の影を認め、30mm航空機関砲の引き金を引く。実際に弾丸が発射されるわけではない──レーザー光の照射による命中判定だ。命中すれば大破か、撃墜判定が下される。
 一瞬で両機は交差した。自信はあったが撃墜判定は、ない。クロン空軍に無駄弾を撃つようなヘボは存在しないのだが、外したのか、それともかわされたのか…。しかしこちらも、まだ生きている。

 背後で敵機が旋回するのをレーダーが示す。無論のこと戦闘機に後ろを取られること事は死を意味する。こちらも旋回し、相対を示さなければならない。近接格闘戦は向こうの得意とする領域だが、受けて立つしかあるまい。

45イーゼンステイン共和国:2014/11/26(水) 14:10:28
<魔王遺物十番勝負:4:クロン・イーゼンステイン航空演習>
【ヴィッティグ・イルミング 空軍少佐/人類種男/赤】

クロン機を目視した一瞬の刹那、機体を僅かにずらした。撃たれた気がしたが、命中はしなかった。
高速で相対する機体の交差時に射撃してくるとは思わ無かったが、クロン機のパイロットは優秀だ。撃ってくる気がした。

直ちに旋回に入る。高速域での空戦は敵が優位だ。格闘戦を速度を落としていく。

クロン機は格闘戦に乗ってきた。不利な低速域での格闘戦で勝利する、腕に絶対の自信があるのだ。
機体性能の差を利用して、背後をとる。油断はできない。

46クロン共和国 ◆xdszxH5rLE:2014/11/30(日) 20:29:30
<魔王遺物十番勝負:4:クロン・イーゼンステイン航空演習>
【イザ・ベル航空中尉 人類種/黒】

接近格闘戦。レーダーを単一目標追跡モードに設定し、自動標準へ。
急降下と旋回により敵機の射撃機会を逸らす。

クロンの名誉。マティエ・アルツェール文明の誇示。
そんなことはどうでもいいことだ。
今ここで勝たなければ。
演習ではある。命のやり取りではない。しかし…今ここであれを「撃墜」しなければ私は死ぬ。そんな不可解な強迫観念が襲いかかる。
それほどに敵機からのプレッシャーは強い。

Gが掛かりすぎ、翼は音を立てて振動する。
旋回、上昇、急降下。
「ついてこれるか?」などとちらりと思ったその次の瞬間には敵機の位置に戦慄する。
まるでエースパイロットに狙われた新兵のような感覚。
このままでは殺される。その前に殺さなければ。


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