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【別・第35回】生きている子
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随分とお待たせしました、「メウレンの花」以来の長丁場、そして今回は男爵どのが活躍の予定
前回のリプレイ(三つの魔石)のログはこちら
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/55867/1415458680/
冒険するのは、いつものこいつら
http://wikiwiki.jp/vipwirthyado/?%B9%F5%C5%B4%A4%CE%C9%F7%BB%C2%A4%EA%B1%A9%BA%AC
今回は割と有名なのをチョイス、戦闘シナじゃないし下限でも大丈夫だろう(楽観)
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各キャラの口調・役割は何時もどおり、こんな感じでスタート
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何処かへと向かう馬車の上で、疲れ果てたザイウスの愚痴から物語は始まる
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アプリコット「でも30回以上も冒険してるんだし、ベテランとは言えなくても中堅くらいはあるよね?」
アレクシオス「まあ『危険は無い・拘束期間長い・寄り道禁止』の三拍子揃った簡単な仕事とか
一週間前に冒険者始めたようなパーティの、二回目の冒険向け依頼なのは確かだけどな」
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ザイウス「とは言えそれだけの理由だったら、もっと他に適任が居そうなものですけどねぇ」
アレクシオス「その通りだが、割と込み入った事情が出来てるんだよ、男爵どのが寝てた間に」
ザイウス「君なら何か適当な理由をつけて、蹴りそうな感じの依頼だったんですがね
快く引き受けていたことに、正直なところ私のほうが驚きましたよ」
アレクシオス「まあそれが、込み入った事情の、込み入った事情たる所以なんでな……」
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アレクシオス「お前ら馬車の上で暴れるな! 一応これ借り物なんだからな!?」
ザイウス「ところで、その『込み入った事情』を説明して欲しいんですが……」
アレクシオス「こいつらを止めるのが先決なのと、あと展開の都合があるから後でな!」
セレナ「おお、メタいメタい(笑)」
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かくしてそれぞれの思いを胸に、一行を乗せた馬車は件の村へと到着したのだが……
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アレクシオス「良くない噂だとしても、火の無いところに煙は立たないとも言うがな」
セレナ「例えば事件が起きたのは近くの別の村で、そっちと混同されているという場合や
何某かの相手とトラブルを抱えて、悪い噂を流されたりとかですね」
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ヴィーヴィ「ちょっと、助け舟くらい出しなさいよ! あんた抜け目も隙も無いんだから
依頼人のした話とか、一言一句漏らさず記憶済みなんでしょ!?」
アレクシオス「ああ聞いてた! 聞いてたから! だからお前も俺に刃物を向けないのっ!」
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セレナ「彼女を弄るのもこの辺にしておきましょうか、まだ一つ目の仕事も終わってませんし(笑)」
ザイウス「一つ目の仕事、つまり二つ目以降の仕事が『込み入った事情』ということですね」
アレクシオス「そういう事になるな、だから一つ目の仕事を終わらせるのは、村を回り話を聞いてからだ」
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セレナ「魔術師が居たのか居ないのか、ハッキリしませんね……」
アレクシオス「そもそも居なかったなら、辺鄙な村で『魔術師』なんて単語は出てきたりはしないさ
だからこの場合は居たってことだな、その魔術師が今も居るかは知らないが」
ザイウス「そして『込み入った事情』に、関わっているかどうかもまた分かりませんね」
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そしてとある民家に入って話を聞いたところ……
セレナ「北のサイト村ですか……魔物に襲われたのは実はそっちの村で、この村と混同されているとか?」
アレクシオス「とは言え近くの村が魔物に襲われたのを、誰も知らないってのはおかしいと思うがな
まあ『最近関わりが無い』なんて言うくらいは疎遠なようだが、親密だったらもっと気に掛けるだろうし」
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ユニ「あとそっちの身長3mくらいありそうな牛も無しでヨロシク!」
美濃牛「(´・ω・`)」
アプリコット「でも付近の地図は欲しいよね、他の村の事とか重要そうな情報だし」
ヴィーヴィ「だけど美濃牛以外で確実に勝てる奴を選ぶとなると、誰が行くべきかしら?」
アレクシオス「おい、なんか嫌な予感がするんだが……」
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アレクシオス「やっぱり俺かよ、明らかに責任を押し付けに来てるだけじゃないか」
ザイウス「とは言え美濃牛くん以外のメンバーだと、強さ的にはどんぐりの背比べなんですよねぇ
そうなると、手段を選ばず勝ちに行ける君が一番適任じゃないかと思いまして」
アレクシオス「人聞きの悪い事を言わないでくれ、勝つべくして勝つという、兵法を実行してるだけの話だ」
ヴィーヴィ「御託はいいからさ、やるのかやらないのか、さっさと決めなさいよ。自信が無いならあたしが行くわ
フラストレーションも溜まってるし、杖を振り回せば行けそうな気がするし、少なくとも先手は取れるし」
アレクシオス「相手の強さが分からんのは癪だが、『気がする』に任せるよりは俺の方がマシだな
……お望み通り(情け容赦手加減なく事前準備で『鏡』と『剣』出して)サシの勝負と行こうか」
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ちなみにユニのステータスだが、レベルは5とそこそこあるものの技能無しなので全く怖くない
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ユニ「ちょっと! こんな戦い方アリなの!?」
アレクシオス「アリに決まってるだろ、冒険者は相撲取りじゃないんだぞ、見合って八卦よいの合図を守る義理は無い
むしろお前のほうが準備不足なだけさ、武道家なら『練気弾』あたりで事前準備しておくことだな
と言うかゴブリン退治に来た冒険者にでも張り付いて、まず『掌破』くらいは覚えてないと話にならん」
ユニ「ぐぬぬぬぬ……」
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アレクシオス「まあ組手の相手も無しに、独学で武道を続けるのには限界があるってことだ
小銭を貯めて二週間ばかり馬車に揺られて、リューンに観光にでも来てみると良い
武術の技能を伝達してる店も腐るほどあるからな、基礎はできてるし修得も早いはずさ」
ユニ「……技能を身につけたら、絶対に再戦だからね!」
アレクシオス「ああ、期待しないで待ってるよ」
ザイウス「(ところで本当に強くなって再戦に来たら、どうするんです?)」
アレクシオス「(再戦もタイマンでと言われた覚えは無いからな、美濃牛と二人がかりだよ
仲間集めてから来いって煽れば、もう数ヶ月先延ばしにできるだろ)」
セレナ「(いやー、本当に酷い人ですね(笑))」
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アレクシオス「ジョンイね……届け先が学校だったし、そいつは教師ってとこか?」
セレナ「ほほう、秘密と言われると_好奇心旺盛が疼きますね、こっそり開けてみるとか……」
アレクシオス「バレたら依頼放棄扱いで違約金だ、こんな小さい仕事でそれは止めとけ」
ヴィーヴィ「中身がどうにも不味い物じゃないかって事なら、開封もやむ無しだけどそうでもないしね」
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そして回れるところは全部回ったので、最後に残った荷物の届け先である学校へ
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ザイウス「やはり学校とくれば教師ですね、この小さな村で運営費用が賄えるのかとも思いますが
そういえば周辺に他の村も二つありますし、そちらからも生徒を募っているのかもしれません」
アレクシオス「そして報酬は1000spか……拘束期間の長さを考えると、まあまあって所だな」
アプリコット「それに学校なら親に行かされてたよ、冒険者になってからは一度も行ってないけど
実際に冒険するほうが得るものは多いし、兄貴のほうが色々知ってるしね」
ヴィーヴィ「……ほんと、贅沢な話よね」
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美濃牛「(´・ω・`)」
セレナ「リューンのような大都市から遠く離れた村に、冒険者が来たみたいな珍しいイベントがあると
冒険話をせがむ子供も多いですけど、中にはこういう内気な子供も居るものですよ」
ザイウス「……」
アレクシオス「うん、どうした男爵どの?」
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唐突なザイウスの話題転換から一行は学校の外へ、一体何があったというのか
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ヴィーヴィ「やっぱり、見た目通りの長閑な村では無さそうってことじゃないの」
セレナ「まあ見た目通りの長閑な村だったら、私たちが来る必要はありませんでしたから(笑)」
ザイウス「おお、ようやく『込み入った事情』の話ですか、随分と待たされましたねぇ」
アレクシオス「ああ喜んで良いぞ、お望み通り、ベテラン冒険者に相応しい依頼だからな」
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話は二週間前、宿の親父から依頼を受けて、荷物を受け取った時刻にまで遡る
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店主「正確にはお前さんの抜け目の無さ、立ち回りの上手さを信頼している。本当に拙いと判断したら
依頼を放棄することも辞さず。しかし自身の力の能う限りは、やらねばやらない事ならばやってのける
その狡猾さを……どんなにツケを溜め込んでいても、儂に宿を追い出させないそれをだ」
アレクシオス「野郎に褒められてもやる気は出ないな、仕事のほうも何時も通りさ」
店主「……頼んだぞ」
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ザイウス「私が席を外している間に、随分と急展開していたんですねぇ、今も急展開なんですけど!」
アレクシオス「散々誂われた八つ当たりなら、後で自棄酒でも付き合ってやるから落ち着けへっぽこ盗賊!」
ヴィーヴィ「宥める気があるのか無いのか、どっちなのよ! でも、あんたの言葉を借りるなら
安心して今のあたしは極めてクールよ殺しはしない、何故なら……」
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セレナ「こ、これ、は……!」
アプリコット「あ、兄貴、魔眼で何か分からない?」
アレクシオス「悪いが魔眼は使いたくないな、どうにも怖気が走って止まらん」
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アレクシオス「何をどう考えても普通じゃないし、報酬の1000sp握りしめて帰ったほうが得策だとは思うんだが
このまま帰ったら、絶対にろくでも無いことが起きる嫌な予感が、ヒシヒシとするんだよな」
ザイウス「明らかに、人間のそれとは思えない反応でしたからねぇ、あれに近い反応となると
それこそ機甲の兵士やゴーレムのような、操作されている木偶とかじゃないでしょうか」
セレナ「子どもたちが、精神操作の魔法等で操り人形にされていると? もしそうなら
確かに放っておくわけには行きませんね、良心とは神聖不可侵なものですから」
ヴィーヴィ「ましてや相手が子供ならね、やれるだけのことはやってみましょうか」
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かくして一行は、行方不明の冒険者捜索に加え、この異変について調べることに
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聞き込みを開始した一行が気づいた違和感、子供が一人も居ないはずの村で、何故か逆に子供の数が多いようだ
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アレクシオス「なんだお前か、一日も経たないうちに再戦希望ってのは、さすがに無謀だと思うぞ?」
ヴィーヴィ「そんなわけないでしょ……だけど山奥に住んでいる子って、もしかして一人で?」
ザイウス「そう言えば、昔は村に魔術師がどうとかいう話を、老婆から聞きましたね。もしかしたら
村から少し離れた山奥に居を構え、研究を行っていたその魔術師の子供かも知れません」
セレナ「その親である魔術師が死んで、今は一人暮らしと? もしそうならば
子供一人では危険ですし、村に引っ越した方が良い気がしますけどね」
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アレクシオス「姉妹といえば、お前の家に居た子供とは、どういう続柄なんだ?
その口ぶりだとあの子供とは姉妹ってわけじゃ無さそうな感じなんだが」
アプリコット「実はシングルマザーで、あの子は娘だったりして」
ザイウス「田舎だと結婚年齢が早いとは聞きますが、さすがにそれは無い……ですよね?」
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アレクシオス「……なかなか面白いセリフだ、口の方は達者みたいだな眼鏡くん」
ヴィーヴィ「(抜くのはまだよ、明らかに怪しいのは確かだけど、まだ何も突き止めてないんだから)」
アレクシオス「(安心しろ今の俺は極めてクールだ、と本家本元も言わせてもらおう。キッチリ証拠を抑えて
追い詰めてから確実に息の根を止めてやるよ、社会的か生命活動かはその時の気分次第でな)」
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アレクシオス「(マヤナとか言ったっけか、あの子供もとばっちりだな……)」
セレナ「(あなた何気に子供には対応が優しいですからね(笑))」
アレクシオス「(喧しいわ、兎に角あの眼鏡には意趣返しを食らわせてやらねばだ)」
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アレクシオス「やめとけやめとけ、あの眼鏡は随分と性格が悪そうだぞ? 比較対象の少ない田舎だから
仕方ないことかも知れんが、男を見る目を養わないとな……だから一度くらいリューンに来てみろよ
アレよりもっと顔が良くて頭が良くて性格良くて金も地位も持ってる、良物件がゴロゴロいるから」
セレナ「自分がそうだとは言わないんですね(笑)」
アレクシオス「……俺だって、自分で自分を省みることが出来ない程のバカじゃないからな?」
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なんやかんやあって村長の家に到着、だが冒険者が大人しく部屋にこもっているはずもなく……
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ザイウス「何しろリーダーが悪(ワル)ですからねぇ、私も随分染まってきたという所ですかハッハッハ」
アレクシオス「大きなお世話だ全く……だが先ずやるべきことは、『念のために』で寝込みを襲われる危険を考え
窓と扉に軽く罠を仕掛けるのと、見張りの順番を決めることだな。見張りは村の様子を観察して
抜け出すタイミングを図る役目も兼ねているから、それなりに真面目にやるようにな」
ヴィーヴィ「その辺の抜け目なさ過ぎる諸々が、悪(ワル)なんて呼ばれる原因よね……」
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アレクシオス「(最近ずっと馬車で寝泊まりだったからな、気疲れしているのか……自覚は無いんだが)」
アプリコット「ねえ兄貴、何処から手を付けるの?」
アレクシオス「当ても無く村の周辺を探しても、成果が得られるとは思えないしな。それよりは
確実に成果の有りそうな所から回ろう、例えば怪しい奴が根城にしている建物とかだ」
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アレクシオスは_繊細で_神経質なので、狭かろうが屋根裏だろうが絶対に一人部屋を借りていて
ザイウスと一匹で二人分くらいの体積がある美濃牛が一つ目の三人部屋、女性陣三人が
二つ目の三人部屋を借りているとか、そんなイメージだったり>宿での部屋割り
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ヴィーヴィ「……要するに学校ね、確かに怪しい奴(ジョンイ)が根城にしてる建物だけどさ
盗賊から足を洗った身としては、町中で盗賊技を使うのは危ないんだけど……っと」
アレクシオス「リューンから馬車で二週間なんて距離の辺鄙な村に、ギルドの盗賊なんて居ないだろ
居たとしても速やかに行方不明にするだけさ、それよりも鍵はどうだ?」
ヴィーヴィ「言うわねー……鍵の方は問題無いわ、物々しいのを付けられる場所じゃないし
昔とった杵柄でも十分ね、あんたの手を借りるほどじゃないわよ」
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アレクシオス「この村が妖魔に襲われたのは確かなのか、だが何故その事実を隠す必要がある?」
ザイウス「妖魔の撃退に成功したなら、そう言えば済む話ですからねぇ、隠す意味が無い
付近の政情が不安定で、妖魔を撃退できる戦力があると知れたら徴兵されるだとか
もしくは危険視されて攻め込まれるとか、そういう不安があるならまだしも」
アレクシオス「政情不安の噂なんて、特に聞いてないしな……」
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アレクシオス「サイト村……ユニの言っていた、果物の産地で、そして最近交流の無い村の名前だな」
セレナ「妖魔に滅ぼされた事実を、隠蔽しているのですか! しかもメディック村という、別の村のことまで
ジョンイ氏一人でできる事ではありません、少なくとも村長はこの事を知っているはず」
アレクシオス「ありがとよユニ、どうやら確かに、お前のくれた地図は役に立ちそうだ」
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情報を手に入れた一行が部屋を後にしようとすると、謎のフード男が乱入してきたが……アッと言う間に返り討ち
全員が攻撃技能ガン積みかつ、技能カードの引き優先で軽装の『黒鉄の風斬り羽』は、中ボスとの遭遇戦に滅法強い
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しかし謎のフード男もタダでは転ばない、書類に炎の魔法を放ち証拠隠滅を図りつつ逃走
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アレクシオス「狙った物だけを燃やす炎の魔法とは、味な真似をしてくれるな……!」
ザイウス「顔を隠そうが、この学校の資料の存在を知っていたという事実、ジョンイさんで間違いありませんね
そして彼が老婆の話していた『魔術師』でもあるようです。老婆しか知らなかったということは
この村に移って来てからは素性を隠し、その知識を教師として使って生活してきたと」
アレクシオス「聞き込みの時、都会での生活に疲れて村に移り住んできた、って語っていた女性もいたからな
それは別に良いさ、だが俺の敵になるというなら、その生活もろともブッ潰してやるだけだ」
セレナ「いやー、怖いですね(笑)」
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ここで状況を整理、現在集まっている情報カード、核心に近づいてはいるようだが
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アレクシオス「夜が明けたら村を離れないといけない、今夜だけの勝負だ……お休みの所悪いが
少々起きて俺の喧嘩に、眼鏡くんへの意趣返しに付き合ってもらうとしよう」
セレナ「有力な証拠だった資料も、焼かれてしまいましたし……手段は選んでられませんね」
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そしてマヤナを叩き起こす_過激なアプリコット、_穏健な兄貴が泣きそうな光景である
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アレクシオス「情報はそれなりに集まってると思うんだがな、核心その物ではないが……」
ヴィーヴィ「資料を焼かれたのは痛いわね……ってそもそもの話、その核心に至れる
情報を得られるかと思って、あたし達はこの家に来たんだけどな?」
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アレクシオス「とはいえ村の中で調べられる所はもう無いし、ここが最後の当てだったんだが」
ザイウス「村の周囲は、まだ調べてませんでしたよね? まあ漠然とした範囲ですので
核心に近づけるような重要な何かが、あるかどうかは分かりませんが」
アレクシオス「とはいえ他に調べられる場所も無い、何かあることを期待するしか無いか」
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かくして一行は町の外へ、落ちてた薬草を拾いつつ進むと、そこには怪しすぎる扉が一つ
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アレクシオス「いやいやいや、この扉は怪しすぎるにも程があるだろ、村人は誰も気付かなかったのか?」
ヴィーヴィ「村人が、あまり踏み入らない場所なんじゃないの? もし人の行き来が多い場所だったら
薬草も誰かが摘んでただろうし。薬草が残ってた事自体が、最近人が来てない証拠じゃないかしら」
アプリコット「とても強い技って、例えば『一撃必殺』キーコードが付いてるような技とかかな?」
セレナ「もしも鍵が見つからなかったら、力尽くでこじ開けるしかありませんからね
朝になったらもうタイムアップですから、村人に拾われてない事を祈りましょう」
アレクシオス「そもそも鍵が、この付近に落ちているのか、ってことがまず問題なんだけどな」
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付近を捜索していると、固定敵らしい狼と遭遇、技能を節約して素殴りで戦ったら
思いの外強くて手傷を負ってしまった、対象レベル下限で突入したから苦戦は仕方ないか
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そして狼のいたマップから、進める二つの道の先を調べると……
アレクシオス「……妖魔は二度、この村に来たのか? サイト村の方は一度目で子供を
二度目で全ての村民を殺されたらしいが、この村にそんな被害は無かったよな?」
ヴィーヴィ「その辺は分からないわね。扉の向こうに、多少なりとも手がかりになる物があれば良いけど
そして本当に鍵が落ちてるとか……あの狼やけに強かったけど、まさかこれの門番だったりしてね」
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扉の先にあったのは奇妙な光景、使用済みの魔道具が七個、無造作に転がっている広場だった
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調査していると、この付近では見ない奇怪な妖魔が襲いかかってくるが
黒鉄の風斬り羽根に不意打ちは通じぬ、すかさず技能の乱れ打ちで返り討ちに
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これで残っていた二つの情報カードも集まった、後はマヤナの家で答え合わせタイムだ
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アレクシオス「推理タイムか……悪いが俺は参加しない、推理が終わる直前後に例のフード男が
乗り込んできて魔法乱射、なんて在り来り過ぎるパターンは嫌だしな、表の方を見てるよ」
ヴィーヴィ「ちょっと! あんたが推理に参加しないで、いったい誰が推理するのよ!?」
アレクシオス「それは勿論、俺より知力の高いやつがさ……男爵どのだよ」
ザイウス「ちょ、わ、私ですかぁ!?」
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この推理タイム、プレイヤーは根拠アイテムをリーダーに持たせて使うだろうと想定していたらしく
参謀のザイウスに使わせてたら、アレクシオスが全く喋らなかったので、こういうロールプレイになりました
なお短気なヴィーヴィ、謎解きは真面目に考えるアレクシオス、調子だけは良いアプリコット
色々とズレているセレナ、頭悪いし最初から投げている美濃牛、という面々であった
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ザイウス「えー、このたび推理を担当させていただきます……」
ヴィーヴィ「挨拶はいいから、まずは小手調べからよろしく推理してね」
ザイウス「はいはい、まだこの辺は本当に小手調べですね、核心には程遠い」
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セレナ「そういえば本当にオープニングで言ってましたね、北から来る妖魔に襲われたと」
ザイウス「そして村の周辺を捜索して、見つけた妖魔の足跡も北側でした、間違い無いでしょう」
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アプリコット「兄貴も言ってたね、妖魔は二度この村に来たみたいなのに、どうしてサイト村みたいに
村人に被害が出てないのかって、撃退したならそれで済む話なんだけどって」
ザイウス「……それは少々難しい推理になりますね、確たる証拠がある話ではありませんから」
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ザイウス「学校に資料があることを知っていて、証拠隠滅に来る時点でジョンイ氏ですよねぇ
自分の目と手の届く場所に隠しておいて、強行突入されたから慌てて処分したんでしょう」
ヴィーヴィ「複数犯の一人かも知れないけど、証拠になりかねないものを任される、主犯格なのは確かよね」
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ザイウス「消去法ですが……子供の方は様子が奇妙です、しかし大人の方にそれは見られません
大人たちが死んでいる線は無いでしょう、ならばこちらが正解としか考えられません」
セレナ「たしかに確たる証拠の無い話ですね、とは言え二度に分けて村を襲う妖魔というのも実際考え難かった」
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ヴィーヴィ「……他の妖魔の仕業の方が、可能性はあるんじゃないかしら?」
ザイウス「もし複数種の妖魔がこの村の近辺に巣食っているとしたら、噂なり足跡なり
焼かれてしまった資料なりに痕跡が残るはず、妖魔は『子供食い』一種だけですよ」
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ザイウス「そして『子供食い』が子供しか殺さない以上、大人を殺せるのは人間だけです」
アプリコット「でもこの村に、『妖魔は二回来た』んだよ? もう子供の居ない村に
妖魔がもう一度やってきた理由、サイト村のそれとは違う理由って何?」
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ザイウス「機甲の兵士やゴーレムのような、操作されている木偶としか思えない……と一度言いましたけど
あの時意図して外していた単語があります、『屍人形(ゾンビ)としか思えない』という言葉を」
ヴィーヴィ「……名家のご子息の屍人形(by 屍の恋人)よりも、随分と上等な屍人形みたいね?」
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あまりにも異常な事実に、ヒステリー寸前で捲し立てるセレナ、こう見えて常識人(_秩序派)な聖職者で
しかもメンタルが弱い(精神が低くて法術適性も残念)ため、どうやら神経が耐え切れなかったようだ
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ザイウス「使用済みの魔道具の欠片、七個あります、この数はこの村の子供の数と同数ですが
もう一つ同数の物があります……魔術師たるジョンイ氏を除いた、この村の大人の数です」
アプリコット「つまり彼は村の大人たち全員に術をかけた、普通じゃない上級の術を……」
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ヴィーヴィ「記憶を弄るって、術の難易度以前に禁呪よね……?」
ザイウス「そうですね……まあ毒を食らわば皿まで、といったところでしょうか?
他の村の人間を殺し、死者蘇生に手を染めて、記憶操作くらいは些末事でしょう」
セレナ「神よ、こんな事があって良いのですか……」
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そして男爵どのの分かりやすいまとめ、この村周辺で子供を巡り相当の血が流されてきた模様
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そして『月下の妖蛇』以来、子供の説得が堂に入ってきたアプリコットに促され、マヤナは語りだした
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マヤナの母は一攫千金を夢見て洞窟を転々とする考古学者、つまり冒険者の同類だったらしい
しかも冒険者のように、小さな仕事で糊口をしのぐ事をしなかった(出来なかった?)ので
冒険者よりも貧しい生活だったようだ……しかしそんなある時、サイト村近辺の洞窟で謎の真珠を発見
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ヴィーヴィ「あまり気分の良い話じゃないわね、飢えてる子供を放っておく親ってのは」
セレナ「……うちのリーダーみたいに、一見ダメそうに見えて実は世渡り上手
立ち回りも抜け目ない、なんて人はそうそう居ませんから」
ザイウス「おっと、心の準備の方は大丈夫ですか?」
セレナ「まあ一応は、これでも曲がりなりにも冒険者ですよ」
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マヤナの母は操った妖魔でサイト村の子供を殺害、そして死者蘇生に手を染めた
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そして彼女の言葉に乗せられたサイト村の大人たちは、心臓を手に入れるため他の村を……
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彼女が居なければ再び子供は死んでしまう、そして彼女はサイト村を手に入れたのだった
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だが因果応報というべきか、子供の心臓を奪うために襲われたディマナ村の大人たちが復讐に訪れた
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その先頭に立っていたのが魔術師ジョンイ、真珠の資料を理解した彼は躊躇無く復讐を果たし
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そして子供を生き返らせるのに必要な、『真珠』と『契約者の血縁者』を入手したのだ
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その後、真珠に関する諸々の恐怖で、与えられた家に引き篭ってしまったマヤナだったが……
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そんなマヤナの友人になってくれたのがユニであり、彼女のおかげで引き篭もりから抜け出せたのだ
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そしてユニに連れられ、初めてディマナ村に来たマヤナ……彼女が見たのは
過去の事件など全く知らないように振る舞う、記憶を消された村人たちの姿だった
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アレクシオス「立ち回りが悪すぎたな、お前の母親……お貴族でも金持ちでも、子供は弱い、結構死ぬ
契約者の血族は絶対必要で、あの眼鏡がそうしてないって事は、変更する方法も無いんだろ?
なら奪われる心配は無いし、まずは子供の死んだお貴族や金持ちに取り入って、金を吸いつつ研究を続け
一通り完成した所で切られる前に切り、研究成果を発表なりして金と地位と名誉を得れば良いものを」
ザイウス「すいませんね、やはり君ほど上手に宥めながらの種明かしは難しい
今後もしああいう機会があっても、やはり君に任せておきたい気分ですよ」
アレクシオス「いや十分見事な推理だったよ男爵どの、だがまだ厄介事は終わっていないみたいだな
正直な話、銀貨も出なけりゃ因果応報なのも確かだ……もう宿の店主に義理も果たしただろう」
セレナ「では、このまま帰りますか?」
アレクシオス「悪いがお嬢さんの都合なぞ、知ったことじゃないしな。だが一度手合わせした再戦希望の武術家に
再戦前に詰まらん理由で死なれるのも嫌だな、例の眼鏡への意趣返しもまだだ……真珠は破壊する」
セレナ「あなたは何時も通りですね、ロリコンよりも年上趣味ですか(苦笑)」
アレクシオス「言ってろ豆腐メンタル、気合が足りんなら今のうちに酒でも飲んどけ」
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アレクシオス「ああ、こんな夜中にあの眼鏡が出歩いてたのは、そういう理由だったのか」
ヴィーヴィ「ちょっと! そんなの見てたなら、なにかアクション返しなさいよ!」
アレクシオス「安心しろ、事ここに至って証拠隠滅は無意味だ、俺たちは証拠の有無に関わらず
真珠を叩き壊すだけだからな。それは向こうも分かっているだろう、できる事は限られる」
アプリコット「戦力を集めて、真珠を守ること……だね」
アレクシオス「もしくは真珠の場所を移すかだ、まあ出てくる様子がない所を見ると
守る方向で動いていると見て間違いないだろう、ケリを付けに行くとしようか」
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そして一行が井戸に入ると、そこはまるでダンジョンのように改造され……そしてリドルまでもが
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セレナ「間違えて良いのか悪いのか、どっちなのですか」
アレクシオス「そりゃ一発で突破するのが最上なのは当然だろうさ、それに何より
今まで技能回復ポイント無しだからな、そのぶん大した戦闘は無かったが」
セレナ「回復技能を無駄遣いするわけには行かない、という事ですね、分かりました」
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ちなみに井戸の中にも雑魚が出てくる、能力は低いものの回避は高いし三逃げ失敗するし
素殴りが苦手とはいえ、逃げ3+7ターンもかけてしまった、被害ゼロなのは幸いだが
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と言うかこの一行、技能による攻撃がメインなので、雑魚戦による回数消耗が凄く嫌なため
技能を躊躇いなくぶっ放せた、謎フードや固定妖魔なんかと、かかる時間が違いすぎ
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アレクシオス「さて、妖魔に手こずりながらもヒントを集めて、いよいよリドルを解くわけだが
……こいつは意地が悪いな、まるであの眼鏡の性格の悪さが滲み出ているようだ」
セレナ「そう言う割には一発で突破しましたね、あなたも性格悪いからですか(笑)」
アレクシオス「5〜10分くらい、メモ帳と睨めっこしたけどな、性格の話は割とそうかも知れんぞ
少しヒントを出すと、『こいつら横一列に並んでるわけじゃない』ようだからな」
ヴィーヴィ「ちょ、えっ? 何なのよその、聞くからにアレな引っ掛けは」
(リドルのネタバレ注意)
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かくしてリドルを解いた一行は、最後の準備を整え扉を開き……
アレクシオス「やあ半日ぶりだな眼鏡くん、ちょっと調子に乗らせてもらいに来たが、時間はあるかな?」
ヴィーヴィ「今までのお返しとばかりに煽っていくわねー、こういう時はその性格が頼もしいわ」
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アレクシオス「うるせー、お前のその薄ら寒い屍人形遊びよりも、お前に散らされた
むっさいもっさい宿の花二輪のほうが、億倍の価値があったわ」
セレナ「むっさいもっさいとは人聞きの悪い、貴方一人で花三輪も侍らせておきながら(笑)」
アレクシオス「……調子が戻ってきたみたいじゃないか、酒の飲み過ぎじゃないよな?」
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アレクシオス「世の理の欠片も知らん一般人ならともかく、魂の在処についても多少は齧っているはずの
魔術師がこのザマとは見苦しいな。戦う理由も考えていたんだが、今となっては語るのも面倒だ
そっちから襲ってきてくれるなら寧ろ好都合、速やかに今生の別れとしようか眼鏡くん」
ザイウス「今日は何時になく好戦的ですね、そこまで癇に障っていましたか?」
アレクシオス「こういう理屈臭い手合には、神経逆撫でするような安っぽい理由による
問答無用の暴力で理解させてやるってのが、一番効果的な対処法だからな」
アプリコット「『カラテで片をつける』とか、『何事も暴力で解決するのが一番だ』ってやつだね!」
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かくして無慈悲に会戦
ジョンイのレベルはなんと脅威の15、アクションカードで殴られても危険だ、技能も三枚持っている
周囲の妖魔もレベル4と多少は面倒ではあるが、ジョンイに比べればどうという相手ではない
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炎の玉はリューンからのインポートではなく独自スキル、詳しい性能は不明だが単体攻撃魔法のようだ
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しかしどうやらジョンイは回避修正が大幅にマイナスされているらしく、9レベル差のある
黒鉄の風斬り羽根でも、普通に攻撃を当てることができる……となれば、集中攻撃あるのみ!
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ヴィーヴィ「きゃーっ! 炎の玉が直撃……ってあまり痛くない、抵抗に成功したの?」
アレクシオス「固定値ダメージ魔法なのかも知れんな、加えて乱数で最低値付近を引いたのか
天運我らにありってことだ。そして『冒険者風情』なんて、相手を侮ってかかるような奴が
長生きする所は見た事無いね、駆け出し二人と一角の戦闘集団を、同列に扱うからこうなる!」
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惜しみない技能の雨あられでジョンイが落ちれば、残された妖魔など木っ端も同然である
技能の追加オーダーで一気に薙ぎ払われ、4ターンで決着は付いた、本当に短期決戦には強い
アレクシオス「さて、あとはこの真珠をどうするかだが……お前ら好き勝手言ってくれるよな」
セレナ「誰も正しい答えは期待していませんよ、そもそも正しい答えなんて無い問題なのですから
ただ私たちを騙して納得させて欲しいんです。選べる最善の道を選んだのだと
……そう思えるような言い訳で、安心させて欲しいってことなんです」
アレクシオス「それはそれで、また難しい要求なんだけどな……納得できるような言い訳か」
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アレクシオス「じゃあ、それ(聖女の聖印)が言い訳だ」
セレナ「……この聖印が、ですか?」
アレクシオス「これは結局のところ、他の子供から奪った心臓で、死んだ子供の体を動かしてるだけの
薄ら寒い人形遊びだ。子供たちの魂は人形の中には無い、彼らは人形遊びに興じる親の姿を
何処か遠くから見ているだろう……だがリア(by 冬に咲く花)のような法力の無い彼らは、その姿に
何かを思っても、誰にも言葉を伝える事は出来ない。きっと苦しんでいるはず、親の所業とその有り様に
ユニのこともある、マヤナのこともちょっとはある、だが何よりも彼らのような言葉無き
子供たちの魂のために、俺は真珠を壊そうと思う……と、こんな感じで良いか?」
セレナ「ありがとうございます……でも以前言った(by メウレンの花)とおり、最後まで騙して欲しかったですが(苦笑)」
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アレクシオスが振り下ろしたカタナが真珠を破壊し、それを確認した一行は村へと帰還した
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アレクシオス「真珠を破壊しておいてなんだが、マヤナに事の顛末の報告だけして
さっさと宿に帰ったほうが良くないか? 絶対ろくな事にならんと思うけどな」
ヴィーヴィ「ダメよ、メディック村の人たちが復讐に来ようとしている、ってことは伝えておかないと
真珠を破壊した意味が無いじゃないの、せめてそれだけは説明しないといけないでしょ?」
アレクシオス「それも話が通じそうな奴にだけ伝えておくとか、置き手紙にするとかだな……」
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村では真珠を壊したことで子供たちが動かなくなり、ジョンイが死んだことで村人の記憶も戻りつつあった
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アレクシオス「おいおい、宥めるところで逆に煽ってどうするんだ男爵どの!?」
ザイウス「すいませんね、しかし自分と死んだ自分の子供のことは可哀想と主張するくせに
代償に殺された別の子供とその親のことは省みない、その態度に少々腹が立ちまして」
アレクシオス「まあ気持ちは分かるがね、自分が馬鹿なことをしているという自覚はあった
どこぞの名家のご子息(by 屍の恋人)のほうが、まだ真っ当な態度だったからな」
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ヴィーヴィ「(……直る可能性はあるの!?)」
アレクシオス「(真珠の入手後もジョンイが研究を続けていれば、その資料があるなら可能性はゼロじゃない
とはいえ契約者でもその血縁者でもないから、研究を進めるのは容易じゃないと思うがな
加えて証拠になりそうな書類を、俺達の手に渡らないように焼いたはずだから……)」
ヴィーヴィ「(学校を捜索したあの時ね、と言う事は可能性もほぼゼロか……でも話を聞いてくれそうにないわ!)」
アレクシオス「(だからさっさと宿に逃げ帰りたかったんだがね、どうしたものかなこの状況!)」
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そして『真珠を修復し子供を再び生き返らせる』と言う狂気に囚われた村人たちの手は
目の前の生きている子供、アプリコットの心臓へと伸ばされる、もはや彼らの目は正気ではない
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アレクシオス「アプリコット!? くそっ、美濃!!」
美濃牛「VMOOOOOOOOOOOO!!!」
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アレクシオスが抜き打ちで振り下ろしたカタナが、村人の一人の手を容赦なく斬り飛ばすと同時
美濃牛がその豪腕で村人たちを薙ぎ払った、身長3mの隆々たる筋骨、ただ一匹で村一つを滅ぼし得る怪物
しかし村人たちの狂気はミノタウロスへの恐怖すら塗り潰し、『もうこのカタナはナマクラじゃないぞ』と
アプリコットを庇いつつ言い放つアレクシオスのそれも、脅しにすらなっていなかった……
セレナ「いけませんマヤナさん!」
アレクシオス「いかん、タイミングが悪い!」
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アレクシオス「……おい武術娘、マヤナはお前の妹も同然じゃなかったのか!?」
セレナ「正気に戻る気配は、ありませんね……そういう……ことでしょう……」
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アレクシオス「斬る」
セレナ「本気なんですね?」
アレクシオス「あいつは俺が斬らねばならない」
セレナ「分かりました、もはや彼らに人の心は残っていない、ならば私も覚悟を決めます」
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連戦に次ぐ連戦、技能回数の回復ポイントなし、しかし引いてくるこの技能カードが、彼らの心情なのか
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アレクシオス「とんだ再戦になったな武術娘……お前が一番の難敵だったよ、強さじゃなくて心情でだがな
だが、お前がただの阿婆擦れだったと分かれば、斬ることなんて容易い。お前を斬るのが容易いなら
その他の有象無象どもなんて、それこそ野良犬を叩き殺すがごとく……ってやつさ」
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マヤナを押し退け、突き下ろされたカタナの切っ先がユニの眉間に突き刺さると、彼女はそのまま動かなくなった
アレクシオス「率直に言うと、他の連中はどうでも良いんだ……お前らの好きにしてくれ」
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そう他のメンバーに言ったアレクシオスは、どこからか拾ってきた木切れで近くの地面を掘り返し始めた
ユニのための墓である事は言わずとも知れた。他のメンバーも、マヤナを殺す気にはなれなかった
アプリコット「生きていればきっと良いことがある、なんて言うのは頭がお花畑なやつだけだ
奴隷として生まれて死ぬまで奴隷の人間とか、食われるためだけに生まれた家畜に
同じ台詞を言えるなら言ってみろ……とは言えお前は、奴隷の鎖に繋がれているわけでも
家畜の檻に入れられてるわけでもない。まだ人生に一勝負くらい賭けられるかも知れないぞ?」
ヴィーヴィ「それって、あんたの兄貴からの受け売り?」
アプリコット「うん、その後に『一勝負するなら、俺と一緒に悪い事してみない?』って続いてたけど」
ヴィーヴィ「……だと思ったわ」
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ザイウス「お見事です、それにしても妖蛇の一件以来、子供の説得が堂に入ってきましたねぇ」
アプリコット「あの時は結構頑張ったからねー、経験が後に生きるって、こういうことを言うのかな?」
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説得が終わり馬車が来ると、丁度ユニの埋葬を終えたアレクシオスも帰ってきた
そして一行は、誰一人として生きた者の居なくなったディマナ村を、後にしたのだった
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ザイウス「まだユニさんのことを、引きずっているのですか?」
アレクシオス「……さあな」
ヴィーヴィ「(これは結構重症ね……)」
セレナ「(死人には勝てません、もう暫く放っておきましょう)」
アプリコット「(むむむむむ……)」
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マヤナとはウェズマウントの街(by 行方不明者捜索)で別れた。自警団がそこそこ腕利きで治安も悪くなく
自警団に魔術顧問が居るほど魔術が盛んなら、手習いの魔術しか技能の無い子供でも何がしか
食べていく道が見つかるのではないか、というアレクシオスの意見を受けての判断だった
アレクシオス「別に良いさ恨んでも、再び孤独になってしまった子供が、生きていく力にするためなら
もし大人になっても恨みを忘れられなかったら、その時は復讐にでも来れば良い
これで俺好みの佳人に成長していたら、大人しく殺されてやらん事も……」
アプリコット「あぁ〜にぃ〜きぃ〜?」
セレナ「木っ端魔術師の一人くらい、5秒以内に返り討ちにしてくださいね(笑)」
ヴィーヴィ「こいつがこんな事言ってる時は、油断も隙も全く無いんだから信じちゃダメよ?」
アレクシオス「……お前らなぁ」
ザイウス「ハッハッハ、まあ必要とされているというのは、良いことですよ」
アレクシオス「その遠い将来でも、まだ必要とされているかどうかは分からんのだけどな」
美濃牛「ソコハ ヒツヨウト サレルヨウニ ドリョクスル トコロダト オモウノダガ」
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ザイウス「まだちょっと続きますよ、美濃牛くんがレベル7になったので、新たな技能を購入です」
美濃牛「タノモウ……」
アレクシオス「筋力適性の烈梟刃ともいうべき『二天一』、刀使いじゃなくても欲しい戦士は多いだろうな」
美濃牛「コレデ ヒトマズノ メンキョ カイデント イッタ トコロダナ」
ザイウス「残るミフネの刀技能は一つ、とは言えレベル9は随分先になりそうですねぇ」
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そしてこんな感じになりました、他のメンバーもそろそろレベル7が見えてきた
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マヤナをメインにしたリプレイはどっかにありそうなので、このリプレイではユニがメインっぽくしてみました
それなりに差別化はできたんじゃないかな? とまあそんな感じで、今日のリプレイはここまで
長時間お付き合いただき、有り難うございました! 次からは短編に戻していきたい(流石に疲れた)
そしてハーバー氏が引退したので、『月下の妖蛇』がプレイできない紹介シナリオ第一号になってしまった……
-
oopsup.comアップローダの復帰見込みが薄いため
画像ファイルを固めたものをgetuploader.comに
別・第35回.zip
http://ux.getuploader.com/CardWirthReplay05/download/1/%E5%88%A5%E3%83%BB%E7%AC%AC35%E5%9B%9E.zip
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