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2戦目用SS+イラスト置き場

35珪素(聖稜院):2007/12/16(日) 21:04:56
多分もう使う事はなさそうですが、折角なので貼ります。

奇印太郎能力発動用未使用SS『キグルイ』


「羅漢……」

服部の忍としての本能が
前方から迫る魔人達の気配を捕らえた

熟練の魔人のほとんどが羅漢への攻め手に回っている今
奇印を守護する希望崎の布陣は
年端の行かぬ服部を含めて わずか3人に過ぎない

関西滅亡を生き延びた手練である羅漢の魔人と立ち会えば
こちらが不利である事は明白である

「奇印どの!」

「……」

かつてダンゲロス無双と謳われた
希望崎の2人の長の一角である奇印だが
服部の呼びかけに対して 未だ曖昧な状態にあり

「希望崎学園番長 奇印どのにござるか」

「覚悟」

羅漢の魔人達が 各々の得物に手をかけたと同時に
奇印を守るように立ち塞がったのは

「番長!」

「ここは拙者らが」

永澄健仁と三田康成である
魔人としての戦闘能力に乏しい彼らだが

番長である奇印のため 元より盾となって死ぬ覚悟である

「それなるが希望崎の番長か 笑止」

「希望崎の長は物狂いばかりという噂はまことであったか」

しかし 羅漢の魔人の発した明確な侮辱に対し
曖昧と思われていた奇印が

「ウェ」

「…」

服部の足元にごろりと転がった物体が 耐えがたい異臭を放った
永澄と三田の上半身である

(ひ……)

羅漢の魔人達の誤算は
この時の奇印太郎が 正気でも曖昧でもなく
敵であろうと味方であろうと
間合いに入ったもの全てを斬る魔人へと変貌をとげたこと

「こやつ、人……」

口にしかけた羅漢の魔人の首が瞬時に斬り飛ばされ

「ゴぉ」

隣に居た魔人の顎部に砲弾のごとき速度で命中
さらに

「か……怪物め」

踵を返し逃走を試みた魔人は
背後から投げかけられた短刀により
電柱に縫い付けられ即死している

 “其の形相鬼神のごとくにして
   狂態奇印の名に相応しく候”
              -希望崎事件史-

その場に居た服部は
この異様なる惨殺劇を留め得る術を持たなかったが

「奇印……ど……の……」

奇印の神速の斬撃により
既に腹部からは大腸がこぼれ落ち

「暗君……」

これが後に関東を血に染め 羅漢と希望崎の双方に多数の死者を生み出した猟奇事件
“希望崎学園鎌鼬”の幕開けである


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