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2戦目用SS+イラスト置き場
1
:
あっちん
:2007/12/12(水) 10:12:54
とりあえず自分のSSを・・。
もしスタメンに選ばれても、能力発動する機会はほぼないと思いますが、
余裕がある場合に使ってくれれば嬉しいです。
あっちん用SS
「ククク・・。羅漢の奴らもやるじゃねぇか。希望崎がここまで追い詰められるとは思ってなかったぜ。まさか、こいつの出番が来るとはな・・。」
そう言いながら、あっちんは試験管を取り出す。
「まさかそれは、ずっと研究していた例の殺人ウイルスか?!」
「バ、バカ!止めろ!!効果がデカ過ぎて兵器として使い物にならないって、自分で言ってたじゃないか。」
「そう・・。問題はそこだったんだ。2次感染を含めるとその大陸の生物の99.9%が一瞬で死滅してしまうんだ。兵器として使ったら、もう魔人も人間もそこには住めなくなるからな。」
「だが、関西が滅亡した今、そんなに大きな問題じゃないだろ?被害が関西から本州に拡大するだけだ。」
「・・・それに前もって抗体を渡してあるだろ? それを合図と一緒に注射すれば死ぬことはない。」
「ほら、お前らと話している間に、羅漢の奴らが怖い顔して向かってくるじゃねぇか・・。さっさと行くぞ。タイミングを間違うなよ。」
「3・・・、2・・・、1・・・。」
パリ〜〜〜ンッッ・・。
(ククク・・。もう、恐怖すら与えてあげないよ。エボラウイルスを改良して作った、この兵器。脳を沸騰させて死んじまいな。)
・・・・・。
・・・。
(あ、あれ?もしかして間違えた俺?? こ、これは修学旅行で覗きに使ったヤツじゃん。 あぁ、しまったッ!! ノリで殺人ウイルスを弟にあげちゃったんだった・・。やっべー・・。)
「おい!!あっちん。テメー、まさか・・。」
「ちょっと、どうしてくれるのよ〜!!お気に入りの服だったのよ!」
「ひぃ〜。・・・ごめ〜ん・・なさい。」
とりゐ「あひゃひゃひゃ・・・。」
30
:
ENT(あへんとたいま)
:2007/12/16(日) 20:57:45
推敲してる暇がなかった・・・。
転校生決着SS
『ふたり』その1
ぼろぼろに壊れた教室。
少女はその細い両手首を掴まれ、壁に押し付けられる形で半ば宙吊りにされていた。
同じ顔をしたもう一人の少女は、やや離れたところで冷たくなっていた。
「女性はもっと優しく扱うものですわよ?」
あへんは笑顔でそう言った。
ねずみの顔をした異形の男は、無言であへんの腹に拳を埋めた。
苦痛のうめき声とともに、血と胃液の混じったものが吐き出された。
同時に両手は開放され、床の上に崩れ落ちた。
「無様に這いつくばるんだ。そして泣きわめいて許しを請うといいよ」
「もちろんそんなことでお前たちの罪は償われない。ただぼくたちの気分が晴れるだけさ」
瞳孔が大きく開き、とても人間のものとは思えない無感情な目が4つ、少女の眼前に突きつけられた。
「うふふ」
苦痛にゆがむ顔で無理やり笑うあへん。
「何がおかしいの」
「狂ったの?お前の片割れはもっと耐えたよ」
「あなたたちが可哀想で、おかしくて」
この後、少女の体は少しずつ目減りしていくだろう。妹のたいまがそうであったように。
でも、体だけではなく心も潰したいねずみたちは、あへんの次の言葉を待った。
後悔か、あるいは侮蔑の言葉が出るだろう。
どちらにしろ苦しむ様が見られるはずだ。
しかし、少女の口からは出た言葉は、そのどちらでもなかった。
「あなたたちは、もとから双子でしたのよ」
笑う。校舎中に響き渡る声で、心の底から楽しそうに。
31
:
ENT(あへんとたいま)
:2007/12/16(日) 20:59:04
転校生決着SS『ふたり』 その2
「愚羅、やっぱり狂ったみたいだ」
「残念だね。もっともっと苦しめたかったのに」
「先に片方を壊しちゃったのがいけなかったのかな」
「うれしくて抑えられなかったからね」
やれやれといった風に、二人のネズミは顔を見合わせた。
「そもそも、もとから双子なら、何の問題もないじゃないか」
「だいたい、もとから双子なら、何でぼくたちはお前を憎んでるんだい?」
『あるところに』
ネズミなどまるで目に入らぬように、あへんは静かに語りだした
あるところに双子の兄弟がいました。
ある日、ふたりは魚を釣りに湖へと向かいました。
ふたりで楽しく釣りをしていると、たいへん、弟が足を滑らせて水に落ちてしまいました。
たすけて兄さん たすけて兄さん
「そして、あなたは私たちのところに来たんですわ。助けて、と。」
32
:
ENT(あへんとたいま)
:2007/12/16(日) 20:59:49
転校生決着SS『ふたり』その3
「じゃあ何?ここにいる愚羅は、お前たちに作られた分裂体じゃなくて、溺れたところを助けられたぼくの実の弟というわけ?」
「だいたい、もしぼくが溺れたんなら、どれだけ早く駆けつけても助かるはずないじゃないか」
「お前たちの能力は溺れた人を救えるものだったっけ?」
「馬鹿馬鹿しいなあ」
「もう飽きてきたよ。愚羅、そろそろ『おりょうり』はじめようよ」
「そうだね愚李。それじゃまずはどこから切ろうか」
お話は終わり。何故なら聞き手が聞き手では無くなったから。
すぐにでも、あへんを切り刻むつもりだから。
血とあざで、見る影もなくなった少女の顔は、それでも楽しそうに笑っていた。
「お話には続きがありますのよ」
そしてぼろぼろになったスカートのポケットから、白く輝く金属片を取り出した。
鉄片?鏡?
それは
白金の剣の欠片だった
33
:
ENT(あへんとたいま)
:2007/12/16(日) 21:00:26
転校生決着SS『ふたり』 その4
小さな鏡は真実を映す。
最悪の悪夢を、思い出させる。
-----------------------------------------------------------
弟は、水に落ちてしまいました。
助けて兄さん、助けて兄さん
足がすくんでしまった兄は、それをただ見ているだけでした。
やがて弟は水の底に沈み、それきり浮かんで来ませんでした。
そして
兄は湖から駆け出し、双子の少女たちのところにやってきました。
「助けて!」と。泣きながら。
助けて
>誰から?
助けて
>何から?
"あいつが死んだせいでお父さんとお母さんに怒られちゃう!"
ぼくを助けて
-----------------------------------------------------------
その醜い姿は自らの心のせい
私たちを憎むのは、偽りの記憶を思い出さないように
「あなたは自分の保身のためだけに、分裂体で弟をつくったのですわ」
34
:
ENT(あへんとたいま)
:2007/12/16(日) 21:01:06
転校生決着SS『ふたり』 その5
遠くで勝鬨(かちどき)が聞こえる。
学園のどこかで、またひとつ戦いが決着したのだろう。
この薄暗い地下室にも、終わりのときが来ていた。
転校生、愚李と愚羅。
鏡を見た後、彼らは無言で相手を見つめ
そして、お互いの心臓に鋭い爪を手首までの埋めた
相手の方に倒れこんだその姿は、抱き合っているようにも見えた。
「たいま、私も今そっちに行くわ」
自分と同じ顔の少女の遺体に、這って近づくあへん。
もう足も動かない。
医者でなくともあへんの命が尽きかけていることはすぐに分かった。
「こんなに汚れて」
だめじゃない。女の子はきれいにしてなきゃ。
ふふ、いつも言われるのは私のほうなのにね。
制服の袖でたいまの顔にこびりついた血をぬぐう。
そして、優しく唇を重ねた。
(END)
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