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ーーー リョナ2板 SS総合スレ 第6巻 ーーー

535名無しさん:2024/01/10(水) 12:20:41 ID:???
先手を取ったのはこころである。
彼女はほのかに向かって再び蹴り技を放った。

「きゃっ!?」

ほのかはそれをブロックしたが、その衝撃によりバランスを崩してしまった。
よろめいたほのかの足元を見たこころは、その隙を見逃さず、こころは一瞬で距離を詰める。
ほのかは慌てて体勢を立て直そうとするが間に合わず、そのままこころの目にも止まらぬラッシュを受けてしまうことになる。

「あうぅっ!」

勢いよく押されたほのかは、リングの端に背中を打ち付けてしまう。

「だめっ!」

その勢いに合わせて負けじとカウンターパンチを返す。誰もが苦し紛れに出しただけの軽いパンチに見えたが

「やんッ……!」

思わずこころが一瞬怯んでしまった。
そのパンチは、期せずしてこころのラッシュのほんのわずかな隙に、脇腹に刺さったのだ。何度も京都で修行して一瞬の隙も無いと思い込んでいた、こころでさえも想定外のわずかな隙。

「何なんよっ……!」

苦し紛れに出しただけなので致命的なダメージにはならない。
ただの偶然のまぐれ当たりの一撃を決められて、少し苛立ちを覚えたのか、声色が少し刺々しいものになる。

しかし続けてほのかに放たれたこころのラッシュは、心を乱されたせいか先程のものよりもやや精細を欠いたものになった。
その隙を逃さずに、ほのかは反撃にでた。

「いくよ!」
「なっ!?」

こころの攻撃をかわして生まれた隙に、すぐさまこころの背後に回り込んだほのか。

「何やてっ!?」

すぐさま振り返るこころ。
彼女の黒髪が勢いよく翻るが、次の瞬間。

「うぅうっ!!?」

こころの裏返った悲鳴とともに、鋭い鉄山靠でこころが吹き飛ばされた。
ドンッ!!とリング端に勢いよく衝突したこころ。

しかし、こころも負けてはいなかった。
そのまま前のめりに倒れそうになるところを何とか踏みとどまる。

「それは、うちの技やんか……!」

彼女はすぐに立ち上がると、再びほのかに向かって走り出す。そしてこころの間合いに入ると、今度は蹴り技を放った。

「ひんっ!?」

怒り任せのこころの蹴りに恐れを成したか、ほのかは慌てて後ろに下がる。
顎に向けて放たれたこころの爪先は、わずかにほのかの鼻先を掠めるにとどまった。

「ご、ごめんなさい!」

怒るこころに、おっとりした性格のほのかは思わず謝りの言葉を口にした。
ほのかの格闘技センスは天才的なものである。他人の技を見ただけでコピーすることができるのだ。
それはほのか自身もコントロールできないほどのずば抜けた能力であった。先程の鉄山靠もあらかじめ練習したものではなく、身体の方が勝手に動いて繰り出したものである。


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