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【版権OK】なりきりリョナチャット★2戦目【オリジナルOK】

1 : 名無しさん :2015/09/24(木) 23:40:55 ???
引き続き皆さんが好きなキャラ、リョナってみたいキャラになりきってチャットするスレッドです。
版権キャラ、オリジナルキャラ構いません。
固定ハンドルネームを付けてなりきりリョナチャットを楽しみましょう。

キャラ概要のテンプレ
【名前】
【年齢】
【外見】
【髪型】
【希望シチュエーション】
【NGシチュエーション】

【オリジナル】なりきりチャット受けキャラ投稿【版権】
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422884972/l50
類似スレもありますので、こちらも併用すると良いかも知れません。

それでは2ラウンド目、開始です。


2 : 名無しさん :2015/09/25(金) 17:27:46 MkTTMUCo
あっ、別の人同士でマッチング成立したのか。
では自分はこれで


3 : 名無しさん :2015/09/25(金) 17:30:58 ???
観戦ということで


4 : 名無しさん :2015/09/25(金) 17:36:06 qttKDuuQ
一応、こちらの方もよろしくお願いします。

【オリジナル】なりきりチャット責めキャラ投稿【版権】
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/


5 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/25(金) 23:33:18 ???
>>2
私でもよろしければ如何ですか?
キャラはこちらになります。
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422884972/4


6 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/09/26(土) 00:56:51 wRs9XqgA
ひとまず、まだ続けるのであれば
自分は待機し続けますー。


7 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/26(土) 01:17:37 MkTTMUCo
>>5
よろしくお願いします〜

キャラは責めキャラスレ40のダンジョンメイカーを使用するつもりですが、他に希望があれば何でも。

元々1日1レスぐらいの予定で、かなりまったりレスになりますが。


8 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/26(土) 01:25:59 ???
>>7
わかりました。
私もゆっくりで大丈夫なのでお互いに無理のないペースでできたらと思います。
責めキャラもダンジョンメイカーで大丈夫です。
アリスに対するリクエスト(服装やダンジョンに入る理由など)はありますか?
あと、書き始めはどちらからにしましょう?
お願いしても構わないようでしたら、背景等を踏まえて書き始めていただけると助かります。
よろしくお願いします。


9 : 名無しさん :2015/09/26(土) 01:30:23 MkTTMUCo
>>8
服装は制服か戦士系が好みです。
ダンジョンに入る理由はなんでもokです。

ダンジョンですが、どういう感じのダンジョンが良いですか?

木属性、電気属性、鋼属性、火属性、地属性など。


10 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/26(土) 01:35:14 MkTTMUCo
>>8
ダンジョンの外見描写(私)→ダンジョンに入る(アリスさん)
でも
ダンジョンに入る(アリスさん)→ダンジョンの内部描写(私)
でも

名前忘れてました、失礼。


11 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/26(土) 07:19:01 ???
>>10
わかりました。
では、アリスは制服でいきますね。
アリス自身は火属性なので弱点属性は水、有利属性は金、補助属性は木ですが、有利属性といっても魔力量次第では負けることもありますのでどの属性でも大丈夫です。
色々な属性が出てきて都度対応を迫られる形もいいかも知れません。
基本的に受けなので、NGを除けば責め手の好きなように嬲って下さい。
あと、魔力を吸収する妖刀もあるので、その辺りも注意しておいて下さい。
書き始めはダンジョンの外観からお願いしても良いですか?
それに合わせてダンジョン内に入ります。
ダンジョンに入る理由は、友達をダンジョン内に閉じ込めたという手紙(実際には友達はダンジョン内にいない)を見てダンジョンに向かうというのは如何でしょうか?


12 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/26(土) 10:32:05 MkTTMUCo
>>11

【了解しました。】

そこにあったのは、半径10メートルほどの小さな石造りの建造物だった。
石造りとはいっても、ここの素材は歪かつ粗大で、
入念に設計されたものではなく、但近辺にある大小の岩を張り合わせたようなものだ。
辺り一面を吹き荒れる砂塵が、建造物の間隙を埋め、赤茶色の岩肌をベージュに染めている。
建造物の大きさから察するに、このダンジョンは地下へと続いているタイプのものだろう。
入り口には、左右に二体の石像が鎮座している。
それはいずれも裸体の女性のもので、手に剣を有し、一方は疲れ果てて地に座り込み、もう片方は苦痛に悶える表情を浮かべていた。
その二人の身体のいたるところに、無残な傷跡が彫刻されている。
それは自然の風化作用によるものではなく、デザインとして意図されたものであることは明白だった。

【文章力あまり高くないですが、よろしくお願いします。】


13 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/26(土) 14:15:34 ???
>>12

とある建造物の前に私は立っていた。建造物の入り口の両脇には二体の女性像が目にとまる。まるで中に足を踏み入れる者の運命を表しているかのような姿に背筋がぞわぞわする。裸体の女性像はどちらも全身に傷を受け、疲れ果て苦痛の表情を浮かべていた。
思わず後退りした私は手にした紙を強く握りしめた。

事の発端は下校時に遡る。帰ろうとした私はローファーの上に手紙が置かれていることに気づいた。その無機質な手紙には、今日学校を休んでいた私の友達を誘拐したと記載されていた。その友達が閉じ込められているという場所、それが今私の前にある建造物だった。余り大きくはないため、何もなければすぐに友達を連れ出せるに違いない。それでも、入り口の両脇の女性像に嫌な予感が拭えない。ただ、急がなければ友達の身にも危険が及ぶかも知れない。
意を決した私は、震えそうになる脚を奮い立たせるように建造物の扉を開け、中の様子を伺った。中には誰もおらず、中心部へ誘うような地下へと続く階段が見える。罠かも知れない。そう思っても、行くしかない。私はゆっくりと階段へ近づいていった。

【私も文章力は余りないので気にしないで下さいね】


14 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/26(土) 17:00:42 MkTTMUCo
>>13
階段を下りると、
背後でガタンという音が鳴った。
アリスが振り返ると、ダンジョンの入り口は塞がれていた。
閉じ込められた。
進行方向に存在するのは、横向きにならなければ通れないような、細長い通路のみ。それは丁度人を横から見たような複雑な形状をしており、そこにすっぽり入らなければ進めないようだ。
そのとき、どこからともなく声が響いた。
「よく来てくれましたね。私のダンジョンに。お分かりの通り、これは罠です。あなたの友人は、誘拐などされていません。」
機械的に加工された、中性的な声。
「あなたには、今からこの細い通路を進んでもらいます。この通路には柱が飛び出す仕掛けがあり、それは丁度あなたの腹部、鳩尾の辺りを突くようになっています。」
通路の一方から柱飛び出し、反対側の壁をドンと打ち付けた。強烈な音がした。これを腹部にまともに受けたりしたら、一般的な女子高生の腹筋ではとても耐えきれず、内臓破裂の危険性もありそうだ。
「上手く気を付ければ避けることは不可能ではありません。私はこのダンジョンのどこかで、あなたが悶え苦しむ姿を見守っているので、頑張ってください。」
そう言い残して、放送は途絶えた。同時に通路の仕掛けが動き始める。柱の動きは定期的で、上手くタイミングを図らなければ、アリスの内臓は無惨なことになるかもしれない。

【内臓破裂はあくまでレトリックなので耐えてokです。】


15 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/26(土) 17:01:50 MkTTMUCo
ダンジョンですが、岩属性、地属性のダンジョンにしてみました。


16 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/26(土) 19:23:00 ???
>>14

罠だということが明らかになっても、私には進む以外の選択肢はなかった。退路は既に塞がれている。目の前にある細い通路はまるで私の体型を知っているかのように、私の身体を通そうとすると1cm程度の隙間しかない。更に規則的とはいえ私の腹部を打ち抜こうとする柱が待ち構えているのだ。速く抜けなければならないのに抜けるためには時間を要するという形状に、心臓が激しく脈打つ。
ただ、立ち止まっている暇はない。一刻も速くこんな趣味の悪い場所から脱出しないと。私は一度深呼吸してからタイミングを確認し、隙間に身体を押し込んだ。
しかし、タイミングを見計らった意味がなくなるほど通路は通りにくく思っていた以上に速度が出ない。焦りと狭さから体温が上がり汗が噴き出す。上腿を伝う汗の不快感に焦りが加速してくる。

【投稿秒数が1,3,6,8の場合】
「ああぁぁっ……」
激痛が腹部を貫く。余りの痛みに身体が反射的に跳ねるものの岩壁に阻まれ動けなかった。このままではまずい。そう本能で


17 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/26(土) 19:24:12 ???
途中で投稿されたので>>16は無効にして下さい。

>>14

罠だということが明らかになっても、私には進む以外の選択肢はなかった。退路は既に塞がれている。目の前にある細い通路はまるで私の体型を知っているかのように、私の身体を通そうとすると1cm程度の隙間しかない。更に規則的とはいえ私の腹部を打ち抜こうとする柱が待ち構えているのだ。速く抜けなければならないのに抜けるためには時間を要するという形状に、心臓が激しく脈打つ。
ただ、立ち止まっている暇はない。一刻も速くこんな趣味の悪い場所から脱出しないと。私は一度深呼吸してからタイミングを確認し、隙間に身体を押し込んだ。
しかし、タイミングを見計らった意味がなくなるほど通路は通りにくく思っていた以上に速度が出ない。焦りと狭さから体温が上がり汗が噴き出す。上腿を伝う汗の不快感に焦りが加速してくる。

【投稿秒数が1,3,6,8の場合】
「ああぁぁっ……」
激痛が腹部を貫く。余りの痛みに身体が反射的に跳ねるものの岩壁に阻まれ動けなかった。このままではまずい。そう本能で感じた私は必死に痛みに耐えながら、それでも少しずつ進み始めた。

【投稿秒数が2,4,7,9の場合】
「ああぁぁっ……」
激痛が腹部を貫く。余りの痛みに身体が反射的に跳ねるものの岩壁に阻まれ動けなかった。このままではまずい。そう本能で感じたながらも、身体を捩ろうと悶えることしかできなかった。速くここから動かないとまた柱に打ち抜かれてしまう。それなのに、痙攣しているかのように震える脚を動かすことができない。

【投稿秒数が5,0の場合】
「っ……」
予想より時間が掛かってしまったせいで、突き出してくる柱が私の脇腹を掠めた。擦られた痛みに思わず顔を歪めてしまう。ただ、この程度で済んだことは幸いだった。とにかく、前に進むしかない。


18 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/26(土) 19:26:27 ???
>>17
投稿時刻が19:24:12なので、投稿秒数は2判定ですね。
柱の直撃を受けて痛みの余り動けなくなってしまったところです。
よろしくお願いします。


19 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/26(土) 20:52:19 MkTTMUCo
>>17

私は黒いソファに腰を下ろし、右手で最愛のシャム猫のポナを撫でながら、モニターを眺めていた。モニターの中では、制服の少女が細い通路の中で、痛みに身をよじらせている。

石柱はアリスの鳩尾を見事に撃ち抜き、その腹筋を砕いていた。この状態でダメージを受ければ、内臓を直接殴られているのも同然だろう。直撃の痛みは彼女の体力をも奪い去り、石柱に二発目のチャンスを与えていた。

ああ、なんと素晴らしいのだろう。強気で正義感のある少女が、必死で腹筋に力を入れて苦痛に耐える姿は。腹筋の柔らか女性にとって、腹部へのダメージは耐え難いものだろう。それなのにこのアリスという少女は、石柱をまともに鳩尾に受け、なお身体の中に生命をみなぎらせている。私はこの強く、逞しい少女が、身体にありとあらゆる苦痛を受けてもなお生きている姿を見たくて仕方がなかった。彼女が腹筋を完全に壊された状態で腹部に打撃を受け、内臓をボロボロにされながらもなお生きている姿が。

この石柱が壁を打つ頻度は、六秒に一度。既に約二秒が経過している。あと四秒以内に逃げることができなければ、彼女の鳩尾を再び柱が貫き、彼女の胃や腸を破壊してしまうだろう。

【ダメージを受けているので、私の下一桁0〜3で回避、4〜9で二発目直撃で。一回のレスで何発食らっていただいても、食らった後脱出していただいても構いません。】

【リレー小説みたいにならないように、私は自キャラの操作に徹しようと思います。】


20 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/26(土) 23:18:03 ???
>>19

このままではまずい。そう思っても動けなかった。
「あぁっ……ごほっごほっ……」
再度柱が私の腹部を打ち抜いた。一度目とは比べ物にならないほどの激痛に頭がおかしくなりそうだった。一瞬息が詰まり、直後に咳き込んでしまう。
「うっ……」
動けないまま三発目が私の腹部を押し潰してくる。このままでは永遠に進むことはできない。渾身の力で石壁を殴りつけ、痛む身体を鼓舞する。とにかくここを抜けるしかない。無理矢理にでも身体を少しずつ動かしていく。
「くっ……」
四発目が脇腹を翳め、擦られた痛みに唇を噛む。それでも、前に進むしかない。気持ちに身体が着いてこないじれったさを感じながらも、私は少しずつ進んで行った。

「はぁ……はぁ……」
通路を抜けた私はその場にへたり込み、両腕でお腹を押さえながら座ったまま上体をうつ伏せて痛みに耐えていた。


21 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/27(日) 12:20:26 MkTTMUCo
>>20

「あらあら、良いリアクションですね。とても興奮します。」

ダンジョン内に放送が響く。

アリスはこれで腹部に四発の打撃を受けた。うち一発は位置がずれ、脇腹に直撃している。彼女の内臓はボロボロで、肋骨も皹割れているだろう。
しかし、これはまだこのダンジョンの序の口に過ぎない。彼女はこの身体で、数々の仕掛けを突破しながら私の元にたどり着かなくてはならないのだ。彼女はその度に傷を負う。私とアリスが出会う頃には、彼女はどんな身体になっているのだろうか。
次に待ち受けるのも、彼女の身体がすっぽりと嵌まる、同様の通路だ。しかし、今度は柱が下から飛び出してくる。彼女は何度も股間を強打し、その度に悶え苦しむことになる。
腹を抱えて苦しむアリスの傍らで、次の試練が稼働し始めた。アリスの丁度下腹部の辺りから、柱が勢いよくつき出す。もしタイミングを誤れば、彼女の性器は無惨なことになるだろう。

【柱は太いので、NGの処女喪失には当たらないと思います。0〜2直撃し悶絶、3〜6直撃し耐える、7〜9回避ですが、もしNGであれば数値に関わらず回避して下さい。】


22 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/27(日) 13:45:01 ???
>>21

「あらあら、良いリアクションですね。とても興奮します。」
私が腹部を抱えながらうずくまっていると、それを見ているかのように放送が流れてきた。それの意味するところは、今この瞬間も何処かで私の様子を見ているということだ。内部へ侵入したタイミングで自動的に動作する類のものではない。もし目の前にいればいくらでも妖刀を振るうことができるのに何処にいるのかもわからない状況ではそれすらも叶わない。
ゆっくりと立ち上がった私は、先に進む道が今抜けてきた道と同様に横向きでしか通れない、私にぴったりと合わさった道になっていることを確認した。ただし、今度は下から柱が突き出してくる。嫌な予感に背筋がぞくっと震えた。

下から突き出してくる柱も先程と同じでタイミングは規則的なようだった。腹部の痛みのせいで身体を動かすことすら辛い。
「うっ……」
腕が左脇腹に触れるだけで激痛が疾る。骨が折れているのではないかと思えるほどの激痛に、思わず声が漏れてしまう。それでも、放送主の言葉を考えると単に放送主を喜ばせることにしかならないと感じた私は必死に抑え込みながら先へ進むことにした。タイミングを計りながら、素早く通路へ身体を滑り込ませる。
「いっ……」
その素早さが仇となり身体の振動で再び激痛が全身を駆け抜け、一瞬動きを止めてしまった。速く通過しなければならないという焦りが勝り、それでも無理矢理先へ進む。
「うああぁぁっ……」
突然襲い来る突き上げるような衝撃に全身へ電流が疾った。実際に電流が発生した訳ではないが、それほどまでの痛みが股間部に叩き込まれたのだ。想像を絶する激痛に悶絶しそうになった私は歯を食い縛って耐えようとした。
「くっ……」
歯を食い縛る際に唇を強く噛んでしまった私の口内に鉄の香が立ち込める。それで辛うじて意識を保った私は腹部の二の舞にならないよう、身体を動かし前へと進んだ。

「あぁっ……くぅっ……」
通路を抜けたところで脱力した私はその場に倒れ込み、痛む股間部を両手で押さえながら悶えることしかできなかった。


23 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/27(日) 18:10:44 MkTTMUCo
>>22

「よくがんばりましたね。そうやって必死で耐えている姿をも好みですよ。」

次の部屋には、分岐を用意しておいた。扉は左右と前に1つづつある。

右側の扉は鉄製の円蓋で、半開きになっているので内部が見える。部屋は金属製で円筒になっていて、下には大量の岩や石が敷き詰めされている。これが一体何を意味しているのか、彼女は察することができるだろうか。とりあえず、鉄蓋の傍らには傷だらけのアリス似の少女像を置いておいた。

左の扉は、堅く閉ざされている。しかし表面に、人形の溝があり、そこにポーズを合わせて身体を入れれば、開く仕組みになっている。溝は、起立したまま左右に足を広げて、かつ後ろ手に左右の手首を揃えたポーズをしていた。傍らには天を仰いで歯を食い縛り、苦痛に悶える少女の像が設置されている。

中央の扉も同様に閉ざされている。しかし、溝の代わりに、台座に乗った盥(タライ)があり、その中では長さ3センチ程のミミズのような不気味な虫がくねくねと群れている。傍らの像は、その虫とおぼしきものを口に含んでいた。

どれを選ぶかは、彼女次第。

【ルートチョイスよろしくお願いします。】


24 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/27(日) 18:16:23 MkTTMUCo
【とくにアリスさんが特別な行動をしたいということがなければ、アリスがルート選ぶ場面のレスだけでokです。】


25 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/27(日) 18:35:13 ???
>>23

「よくがんばりましたね。そうやって必死で耐えている姿をも好みですよ。」
何とか耐え切り、震える身体に鞭打つようにゆっくりと立ち上がる。そんな私に満足げな放送が降ってきた。正体不明の相手の思い通りになってしまっている悔しさに奥歯を噛む。このまま相手の掌で踊り続ける訳にはいかない。
「これは……」
部屋が三つに分岐している。この中のどれかを選ばなければならないようだ。ただ、どれか一つを選んで抜けても、その先にまた選ばなかった部屋が用意されている可能性もある。どの部屋も不気味な暗示を示しているような像が設置されていた。それでも進むしかない。

【投稿秒数一桁が1,4,7,0の場合、右の部屋を選択】
私は半開きになっている右側の扉を選んだ。部屋が半開きになっていて内部が見えること、設置された像のうちこの像だけが私に似ていることから、この部屋に誘われているような気がしたからだ。岩や石が敷き詰められていることは気になるものの、裸足ではないため大した問題ではない。それに、誘われているのなら敢えてそこを選び、そこを突破することで相手の思惑を打ち破りたかった。
半開きになっている扉を押し開け、私は右の部屋に入った。

【投稿秒数一桁が2,5,8の場合、左の部屋を選択】
私は左側の扉を選んだ。左側の部屋は私に似た像が設置されている上、扉が半開きになっている。まるで私を誘っているようで嫌な予感がしたのだ。中央の扉は論外だ。私は虫が苦手なのだ。特にこのようなうねうねしているものは見ているだけでも気持ち悪い。結局、消去法で左側の扉しか選択肢はなかった。
左側の扉は押しても開かない。どうやら人型の溝に身体をはめ込まなければならないようだ。恐るおそる、後ろ手に両手首を重ねて人型に合わせて足を広げながら身体を押し込む。私の体型を知っているかのように、私の身体はぴったり収まった。

【投稿秒数一桁が3,6,9の場合、中央の部屋を選択】
私は中央の扉を選んだ。左側の部屋は私に似た像が設置されている上、扉が半開きになっている。まるで私を誘っているようで嫌な予感がしたのだ。左側の扉は、押してみても動かない。身体を扉の溝の形に嵌め込まなければならないようだ。身体の自由を奪われてしまっては、相手のなすがままになってしまう。それだけは避けたい。中央の扉の虫は強い嫌悪感を覚えたものの、虫なら妖刀でいくらでも切り捨てることができる。妖刀『龍娘刀』なら焼き払うことも可能だ。ただ、地属性なら私の火属性は不利になるかも知れない。地属性は火属性により強化される可能性が高いからだ。それでも、切り捨てることは十分に可能なのだからそこまで気にすることでもないだろう。
中央の扉の前に立った私は、意を決してゆっくりとその扉を押した。


26 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/27(日) 19:34:43 MkTTMUCo
>>25

しかし、扉は微動だにしない。
この扉には封印が掛けられていて、あることをすれば開くようになっている。

ちなみにこの扉の先は他の二つのルートとは異なり、これといった危険は待ち受けていない。すぐに左右二つの分岐と合流するようにできている。

【長文ありがとうございます。無理して全パターンかかなくていいですよ。】


27 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/27(日) 19:36:43 MkTTMUCo
【なお、NGの場合はルート変更でお願いします】


28 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/27(日) 19:51:25 ???
>>26
【パターンは書きたいというのもあって書いています。ランダム選択の際のアリスの動きも自分で表現したいというのもあって。なので気にしないで下さいね。】

中央の扉はいくら押してもびくともしなかった。嫌な予感に背筋に悪寒が疾る。そう、中央の扉の脇に佇む像は虫を口に入れているのだ。これと同じように虫を口に含めば扉を開くことができるのかも知れない。でも、そこまでしてもし開かなかったら……いや、そもそも虫を口に含むこと自体が有り得ない。実際に口にした訳でもないのに、想像しただけでその虫の感触が口内に広がるような錯覚を覚え、思わず身震いしてしまった。激しく首を左右に振りその妄想を振り払う。
こうなったら、左右どちらかを選ぶしかない。

【投稿秒数一桁が1,3,7,9の場合、右の部屋を選択】
迷った挙句、私は右の扉を選ぶことにした。部屋が半開きになっていて内部が見えること、設置された像のうちこの像だけが私に似ていることから、この部屋に誘われているような気がしたからだ。岩や石が敷き詰められていることは気になるものの、裸足ではないため大した問題ではない。それに、誘われているのなら敢えてそこを選び、そこを突破することで相手の思惑を打ち破りたかった。
半開きになっている扉を押し開け、私は右の部屋に入った。

【投稿秒数一桁が2,4,6,8の場合、左の部屋を選択】
迷った挙句、私は左の扉を選ぶことにした。右側の部屋は私に似た像が設置されている上、扉が半開きになっている。まるで私を誘っているようで嫌な予感がしたのだ。
左側の扉は押しても開かない。どうやら人型の溝に身体をはめ込まなければならないようだ。恐るおそる、後ろ手に両手首を重ねて人型に合わせて足を広げながら身体を押し込む。私の体型を知っているかのように、私の身体はぴったり収まった。

【投稿秒数一桁が5,0の場合、中央の部屋を選択】
迷った挙句、私は中央の扉を選ぶことにした。一度自分が選んだ扉を開かないからといって変えることは卑怯な気がしたのだ。その選択がどれほど嫌なものでも、ここで逃げたら逆に相手の思う壺かも知れない。それに、相手はどこかで私を見張っている。中央の扉を開こうとしたことも知っているに違いない。ここで変えたら嘲笑われてしまう。それだけは避けたかった。
台座の上に乗った盥の中に、そっと手を伸ばす。指先がびくびくと震えていた。手で触らないといけない上、それを口に含まなければならないのだ。そう思うだけで全身が震える。それでも、ここで止める訳にはいかない。それに、何匹口に含めば良いのかもわからない。もしこの中の全てだとしたら……身体がびくっと反応し、思わず後ずさってしまった。
「ふぅ……」
そっと深呼吸した私は、盥を手に取ると目を閉じた。手で触ることを諦め、直接盥に口を付けて流し込むことにしたのだ。目を閉じたのはこの恐怖心に打ち克つため。盥に口を当てた私は盥を傾け、虫を口内へ流し込んだ。


29 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/27(日) 23:59:52 MkTTMUCo
【了解しました。】

苦悶の表情を浮かべながら、不気味な生物を口に押し込む少女。その姿態度は私をひどく興奮させた。

虫はくねくねと蠢きながら、苦みのある白い液体を分泌し、アリスの口内を蹂躙した。アリスは膨大な量の虫の体液を口から溢れさせながら、必死でそれを呑みこもうと格闘している。私は彼女をさらに苦しめようと、アナウンスであることを告げる。

「この虫は、コックワーム。男性の陰茎に寄生し、精子を栄養として生きる生物です。あなたは今、成人男性約五十人分の精液をほおばっているのです。」

この虫の表皮は堅く、人間の歯ではなかなか噛み砕くことができない。虫のうち約半数を、彼女は生きたまま呑み込むことになる。

「この虫は酸への耐性があるため、飲み込まれた後、あなたのお腹のなかで行き続けることになるでしょう。あなたがこのダンジョンを探索する始終、虫はあなたの体内で疼き、あなたの肉をかじり、内側からあなたを苛むことになります。」

アリスは虫をすべて平らげ、無様なカメラに表情を晒した。扉の封印は解けたが、盥に満杯の幼虫、それも男性器に生息している虫を飲み干した少女の精神状態は、平常であるはずはないだろう。

【ところで、虫を生むのはNGですか? 】


30 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/28(月) 00:01:53 MkTTMUCo
訂正です
姿態度→姿態


31 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/28(月) 00:05:46 MkTTMUCo
無様なカメラに表情を晒した→無様な表情をカメラに晒した

です。


32 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/28(月) 00:27:26 ???
>>29

私の口内へ入り込んだ虫は突如粘性のある白い液体を大量に分泌し始めた。そのぬめぬめとした感覚と強烈な臭いに思わず嘔吐感が込み上げてきた。ここで吐いたらダメ。相手の思う壺になってしまう。口内に溢れ出す液体を吐き出そうにも虫まで吐き出してしまっては意味がない。そう思った私は不快感に耐えながらも必死に飲み込もうとした。余りの量の多さに口から液体が溢れ出し、糸を引きながら滴り落ち制服を汚す。それでも扉は開かなかった。どうやら虫を口内へ入れるだけでは開かないようだ。呑み込むしかない。生きた虫を飲み込むなんて正直考えられなかった。それでも、選んでしまった以上、どうしようもない。流石に胃酸で溶けて死滅するだろう。両手で口元を押さえながら、少しずつ虫を胃袋へ押し込んだ。
「この虫は、コックワーム。男性の陰茎に寄生し、精子を栄養として生きる生物です。あなたは今、成人男性約五十人分の精液をほおばっているのです。」
精液。その放送の言葉に、自分の飲み込んだ液体の正体を知り急激に吐き気が強くなる。頭がおかしくなりそうだった。それでも、とにかく呑み込み続けることしか私には選べなかった。大量の精液と虫で満腹感が襲ってくる。
「この虫は酸への耐性があるため、飲み込まれた後、あなたのお腹のなかで行き続けることになるでしょう。あなたがこのダンジョンを探索する始終、虫はあなたの体内で疼き、あなたの肉をかじり、内側からあなたを苛むことになります。」
全ての虫を呑み込み終えたところで扉が開かれ、アナウンスが流れた。酸への耐性があるため体内で生き続けるという言葉に衝撃を受けた。
「かはっ……ごほっ……ごほっ……」
噎せ返りながらも、虫を吐き出そうと必死に咳き込んだ。扉が開いた以上、この虫は吐き出しても問題ないはずだ。そう思ったものの、ただの一匹すら吐き出せない。体内で虫の蠢く感覚に、酔ったような感覚に陥る。それだけではなく、精液塗れになっていること自体も耐えられなかった。

【投稿秒数一桁が1,3,5,7,9の場合、中央の部屋へ進む】
吐き出すことができないとわかった以上、一刻も早くこのダンジョンをクリアするしかない。相手さえいればいくらでも妖刀を振るえる。それなのに、ただ相手の用意した罠に掛かることしかできないことに悔しさが募る。屈辱感に苛まれながらも、私はそのまま中央の扉を潜り先へと進んだ。

【投稿秒数一桁が2,4,6,8,0の場合、右の部屋へ進む】
余りの出来事に放心状態だった私は開いた中央の扉ではなく、半開きになっている右の扉を潜ってしまっていた。方向感覚が狂ってしまっていたらしく、その上目が霞み視界が狭くなっていた。右の扉を潜ってしまったことに気付いたのは、入った部屋に岩石が敷き詰められていたからだ。しかし、気付いた時には既に遅く背後で扉の閉まる音が鳴り響いた。


【虫は呑み込みOKとして進めました。また、中央の扉が開いたにも関わらず、勝手に分岐させてしまいました。もし不都合があれば投稿秒数に関係なく中央の部屋へ進ませて下さい。】


33 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/09/28(月) 10:53:50 MkTTMUCo
>>32

【むしろありがとうございます。これボツにしてしまうの勿体ないと思っていたぐらいなので。】

閉じ込められて困惑するアリスを見ただけで、私の股間の辺りに熱いものがこみ上げていた。彼女の逞しい身体には、これからどれほどの量の傷が刻まれるのだろうか。そもそも生き延びることができるのだろうか。

私は椅子に付いた20個のボタンのうちの一つを押す。横倒しになった円筒状の金属性の部屋が、緩慢に回転を始めた。

モニターの少女は、バランスを崩しその場に倒れ込んだ。身動きがとれない少女の上に、無数の岩石が覆い被さる。苦しそうに悲鳴を上げる少女を見て、私の股間はどんどん熱くなる。

少女の身体はやがて円筒の中を転がり始め、無数の岩石とともにかき回された。彼女の身体は何度も岩に押しつぶされ、皮膚は無数の岩石と擦れ合っている。

部屋の回転はスピードを上げ、私のモニターには、もはや彼女の姿は見えず、回り続ける部屋の中でただ悲鳴が響き続けるのみ。全身の皮膚がずる向けで、身体中の骨もボキボキに折れ、それでもなお必死に生きようとするアリスを想像して、私の興奮は頂点を向かえた。


34 : ダンジョンメイカー  ◆rg6xuCj532 :2015/09/28(月) 13:04:22 2VfPxXAA
私の特注マイクは、岩石がぶつかり合う轟音の中から、
アリスの骨が砕け、皮膚が剥がれる生々しい音を拾い集める。

ボキボキボキ、グチャグチャグチャ……

苦しそうな嗚咽も響き続けている。
やがて岩の表面に血が付き始める。これほどの出血に、果たして彼女は耐えられるだろうか。

【少し簡素だったので、追記しました。】


35 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/28(月) 13:41:18 ???
>>34

閉じ込められた私はどうしたらよいのかわからず困惑していた。まさかとは思うが、賽の河原のように永遠と石積みをさせる訳ではないだろう。ヒントとなるものも何もない。アナウンス放送が流れるまで待つしかないのだろうか。
「きゃっ……いやぁっ……あくっ……」
と、突然部屋が回転を始めた。バランスを崩した私はその場に倒れ込む。倒れ込んだ私に容赦なく岩石が降り注ぎ埋もれてしまった。圧迫される苦しさと痛みに呼吸が苦しくなる。
「え……?ちょっと……やめてぇ……ああぁぁっ……」
部屋の回転が徐々に速度を増し、私の身体は岩石もろとも掻き回され始めた。室内を跳ねた身体が岩石にぶつかりまた室内に叩きつけられる。
「くっ……」
私は咄嗟に妖刀『龍娘刀』を引き抜き両腕で必死に顔を庇った。妖刀を引き抜いたのは炎のバリアを張るためだ。すぐに私の周りが炎に包まれる。しかし、相性が悪かった。魔力を持たない岩石は僅かに燃えるだけで炎のバリアを突き破り私の身体に降り注ぐ。強烈な痛みと周囲へ広がる鉄の香りに意識が遠退きかける。
「うああぁぁぁっ……」
全身に突き刺さる激痛に頭が割れそうになる。骨が折れているような気がするほどの激痛だった。それでも、こんなところで死ぬ訳にはいかない。この部屋の動きさえ止まれば、どうにかできる。荒業ではあるものの、炎龍と同期すれば出血止められ、折れた骨も修復できる。ただ、いくら修復できるとはいっても鎮痛作用はない。骨が折れている時の痛みはそのまま残ってしまうのだ。それでも、前に進めるのなら受け容れるしかない。そのためにも、この妖刀を引き抜いたのだ。そんな算段をしながら、必死に部屋が止まるのを待っていた。
「う……」
腹部に大きめの岩石の直撃を受けた私の呼吸が詰まる。次の瞬間、多少の保護機能を有していた炎のバリアは消え失せ、私は意識を手放していた。


36 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/28(月) 13:57:24 ???
【捕捉です。アリスは気絶しただけで現時点では生きています。なお龍娘刀を手にしないと炎龍との同期はできません。】


37 : ダンジョンメイカー  ◆rg6xuCj532 :2015/09/28(月) 15:14:54 2VfPxXAA
【了解しました。】

>>35
アリスが気を失った瞬間、龍娘刀は岩石の山に呑み込まれてしまった。
炎龍との同期が失われた今では、彼女は無防備なただの少女に過ぎない。
それでも岩石の海は容赦なく彼女を巻き込み、皮膚を千切り、骨を砕いた。

数分後、部屋の回転が停止した。

彼女は空中へと投げ出され、鋼鉄の壁に激突した後、岩山に叩きつけられた。
運良く岩山に埋もれることはなかったものの、気絶しており、弱々しく呼吸している。

真っ黒に汚れた制服はあらゆる所が破け、痛々しい傷に塗れた肌が露出している。
カメラに分析させた所、彼女の肋骨、胸骨、鎖骨の数カ所に罅が入っており、
早く回復しなければ命の危険さえある状態だ。
しかも、左足と右腕を骨折したいるため、この岩山から妖刀を見つけ出すのも容易ではない。
お腹の中の蟲も、彼女を愛刀を見つけるのを阻むだろう。

やりすぎた。このままでは彼女は死んでしまうかもしれない。
そうなれば、彼女が死の瀬戸際で必死に戦う姿をもう見ることは出来なくなってしまう。
私は激しく後悔した。

しかし、もし万一彼女が生きて龍娘刀を手にすることが出来た場合に備えて、
私はスイッチを押し、出口の円蓋を開いた。

【責めの強弱(行き過ぎ、もっと)などもお願いします。】


38 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/28(月) 16:40:07 ???
>>37

「ん……」
どれくらい意識を失っていたのだろうか。目を覚ました私はすぐに動けずぼんやりと天井を見上げていた。呼吸するだけでも痛みが疾る。腕や脚も思うように動かせなかった。一度意識が途絶えたせいか、頭ははっきりと冴えている。恐らく、右腕と左脚は確実に骨が折れている。この状況で生きるには龍娘刀の力が必要だ。私とリンクしている妖刀は所在がわかるようになっていた。意識を研ぎ澄ますと、今私が横たわっている岩石の山に埋もれていることが感じ取れる。
「うっ……ごほっ……ごほっ……」
身体をゆっくりと反転させ四つん這い状態になった瞬間、体内で何かが蠢き痛みを感じた。そのおぞましい感覚に嘔吐感を覚えた私は左手で口元を押さえながら岩石に突っ伏して咳き込む。しかし、まるで体内からの逆流を防ごうと栓がされているように何も逆流してこない。体内で蠢く虫を吐き出すことすらできないようだった。更に、咳き込んだせいで胸部に激痛が疾る。
「くぅっ……」
何とか痛みに耐えながら、嘔吐感を抑え込む。いくら吐こうとしても何も出せずに嘔吐感は消えない。それなら無理にでも抑え込むしかなかった。全身の痛みに苛まれながらも、私は左手で魔娘刀を引き抜き少しずつ岩石を斬り崩し始めた。その衝撃だけでも激痛が流れる。それでも、止める訳にはいかなかった。せめてこの岩石が魔力を持っていたなら、魔娘刀の力で魔力を吸収し多少の力にはなってくれただろう。そんな期待も虚しく、無機質な岩石には魔力の欠片も感じられなかった。
幾度も吐きそうになりながら全身の痛みに苛まれ、岩石の斬り崩しは思うように進まない。それでも、少し斬り崩しては休み、休んでは斬り崩す作業を繰り返す。私の気力が持つか、力尽きるか。私に残された選択は気力の続く限り力尽きるまで動き続けるしかない。私は黙々と作業を続けた。

【死ななければ抗い続けられますので、責め手の判断にお任せします。】


39 : ダンジョンメイカー  ◆rg6xuCj532 :2015/09/28(月) 22:58:33 2VfPxXAA
>>38
まさか……

アリスは満身創痍の身体で、大小の岩を掻き分けながら愛刀を探している。
ずるむけになった皮膚が岩に触れれば、それだけで激痛が走るだろう。
おまけに前身の骨折と、蟲による体内からの攻撃も加わる。
果たしてこの少女はどれほどの痛みに、今耐えているのだろうか。
私はこの少女の生命力に驚きを隠せなかった。


40 : ダンジョンメイカー  ◆rg6xuCj532 :2015/09/28(月) 22:59:46 2VfPxXAA
【了解しました。】
【とくに行動が思いつかなかったので、観察レスということで。】


41 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2015/09/28(月) 23:43:49 ???
>>39

どれほどの時間を要しただろうか。何度も痛みに負けそうになりながら、それでも諦めずに妖刀を振るう。
「やっと……」
妖刀が斬り砕いた先に、もう一刀の妖刀が見えた。そこで魔娘刀を収めた私は龍娘刀へ手を伸ばした。触れることさえできれば、それで十分だ。岩石に触れた胸部に激痛が疾る。それでも歯を食い縛りながら左手を伸ばした。

「あああぁぁっ……」
全身に魔力が流れ込んでくる。龍娘刀に触れた瞬間から、私と炎龍の同期が開始されたのだ。溢れ出していた出血が止まり、右腕と左脚も動かせるようになる。皮膚も僅かながら回復した。とはいえ、万全な状態に戻る前に炎龍との同期を解除した。炎龍との長時間の同期は危険を伴うだけでなく、いざという時の切り札として取っておく必要があるからだ。
「っ……」
ゆっくりと立ち上がった私は、痛みに顔を歪めてしまった。身体を動かせるようにはなったものの、傷が完全に癒えた訳でもなく、痛覚も残ったままの状態だった。さらに、体内の虫も蠢き続けていることを感じていた。一刻も早くこの部屋を出たい。開いた扉を潜り抜けた私は妖刀を収めるとその場にうずくまってしまった。

「はぁはぁ……」
肩で息をしながら、痛む身体を抱くようにしてぐったりとしていた私は体内を蠢く虫の感覚に吐き気を催していた。あの時は虫の気持ち悪さで動転していたが、よく考えてみるとどこの誰ともわからない男性の精液をあれほど飲まされてしまったのだ。その悍ましさと気持ち悪さに今更になって身体が震える。どうして私がこんな目に遭わなければならないのだろう。吐き出したくても吐き出せない。そう、何も吐き出せないということは精液も体内に留まっているということになる。考えれば考えるほど、悔しさに涙が止まらなくなっていた。


42 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/10/02(金) 01:40:49 0fojOQsg
//申し訳ありませんー。
//動きがなければこちらの方をやってもよろしいでしょうかねー。


43 : ダンジョンメイカー ◆rg6xuCj532 :2015/10/04(日) 01:24:37 iWqIgXvw
>>42
>>41
アリスさん、少し忙しくなってきたので、一時中断させて下さい。

みずきさんへ。アリスさんがokであれば、私としては問題ありませんよ。

前スレでは並行していたこともあるので、そもそもガブっても問題なかったかも。

それからアリスさん、次に暇ができたらまた41に続きのレスをしようと思ってるんですが、いかがでしょうか?


44 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/10/04(日) 19:22:37 jJX9lWFQ
>>43
ありがとうございますー。
じゃあ自分はこのまま待っておきます。


45 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/10/18(日) 01:55:20 jIaM7VEc
とりあえず、自分はまだ待ち続けますのでその時はよろしくお願いします。


46 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/11/16(月) 00:53:04 .K71Li5I
一ヶ月近く待ちましたが…
こなさそうなので

またどなたか、絡んでいただける方がいらっしゃればぜひともお願いします。


47 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/01(火) 14:31:27 445LmuQk
まぁ、もうちょっとだけ誰かいるかまってみますかね


48 : 名無しさん :2015/12/01(火) 22:36:27 1g7GLWbQ
以前ドクターB役として一緒に遊びましたが、久しぶりにまたやりますか?

モンスターとの戦いか、モンスターから逃げる形でよければですが
ほかにも誰かいたら


49 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/01(火) 22:44:36 445LmuQk
>>48
自分はそれで大丈夫ですよー。


50 : 名無しさん :2015/12/01(火) 22:55:19 ???
>>49
では、モンスターからの逃亡、もしくは戦いという形でいきます

使用するのは責めキャラスレに投稿しましたモンスターウーズを予定してます
導入はどうしましょうか


51 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/01(火) 22:59:06 445LmuQk
>>50
いいですよ〜。
そうですね。導入は、

不死身の肉体狙いでいろんなモンスターに襲われて
逃げてる途中という感じで…

場所はそちらにお任せします。
廃工場とか、人気のない港とかそういうのを考えてますが


52 : 名無しさん :2015/12/01(火) 23:04:32 ???
>>51
港みたいな水の多すぎる場所だと、ウーズは設定的に強くなりすぎますね

廃ビルのような場所で密室に逃げ込んだけれど、ダクトなどからウーズに不意打ちされる感じの始まりにしましょうか


53 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/01(火) 23:07:45 ???
>>52
いいですねー。
廃ビルにしましょうか。

不意打ち大好きですし、
シチュエーションはそんな感じでいきましょう。

最初のレスは、そちらに任せてもいいでしょうかね?


54 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/01(火) 23:15:06 ???
そろそろトリつけます

【廃ビルへと逃げ込む龍ケ崎みずき
奥の部屋の一つへと息を切らしながら逃げ込み、
扉を閉めて鍵をロックするみずき。
「ここまでくれば」
一息ついて、体の汗を拭い、思わず壁にもたれかかり座り込む
思わず眠気すら襲ってくる
彼女の頭上の位置にある通風口から不気味な気配が近づいていることにまだ気がついていない】

こんな感じでしょうか
ウーズとの遭遇は初めてか否か、装備の有無や服装などは任せます


55 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/01(火) 23:21:29 ???
>>54
「はぁ…はぁ…」
廃ビルの中へ必死になって逃げこんでいたみずき。

彼女が着込んでいる学校の制服も汗で少ししっとりと濡れており、
彼女のグラマラスな身体を強調させている。

「まったく…ここまでくればいいわよね…
 私ってば…モテモテなんだから…」
そう言ってブレザーを脱ぎ、自分の腰の辺りに結んだ。

「なんとか…逃げてたけど…
 しばらく休まないと…ね…」
護身用と持っていた鋭いナイフと、拳銃でどうにか敵を追い払い続けていたが…
ナノマシンの異常活性化を何度も使っていたため、疲労も激しい。

しばらくここで体力の回復を待とうとしていた。

…疲れのせいなのか、
普段なら気づきそうな不気味な気配にも気づいていない。

//問題無いです。おもいっきりどうぞ。


56 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/01(火) 23:37:45 ???
座り込むみずき
その頭上に位置する通風口
鉄の格子に覆われた30cm×30cm程度のそれを通過できるのは
精々小動物か虫くらいだろうがウーズにそれは関係ない

ゲル状になった体でダクトを移動する
通風口からドロリと、ウーズの一部が現れると、
それは徐々に人の上半身のような姿へと変わっていく

ウーズの腕にあたる部分が伸び、素早くみずきの首へと絡みつく
かつて人の爪だったそれがみずきの首の太い血管へと食い込み、
血液を吸い取り出す

同時にウーズの体の一部が溶けるようにみずきの豊満な体へと滴っていく
ウーズの肉片と体が触れた部分に極太の注射を打たれるような痛みが走ると同時にみずきは体中の血をウーズに奪われ始めてることを知る

//あらためてお願いします
//本日はもうここまでかもう1回くらいか
//だいたいいつも夜の9、10時〜12時くらいに覗くと思います


57 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/01(火) 23:50:55 ???
>>56
「くそっ…いつになったら疲れは取れるのかしら…」
と、みずきがしばらく辺りを確認していたが…

段々とダクトの中を移動し始め、通風口の外へと移動を開始した。

「なっ…今の音は…!」
みずきが妖しい音に気づいて見上げた頃にはもう遅い。

バシュゥッ!!

「あっ…がっ…!」
素早くみずきの首へとウーズの液体のような腕が絡みついていく。
まるで首をつるように無理やり立たされる形となり始める。

ドクッ
   ドクンッ…
         ズギュルルルル

「あああああっ…!はぁっ…あっ…ふあぁっうぐぅっ!!」
太い血管から一気に血液を吸い上げられ、激しい痛みに身体が激しく悶だす。

ピタッ…バシュゥゥゥゥ
「あぐぁっあああっ…
 いやっ…い、いたいっ…がぁっ…!」
みずきの豊満な胸や、その上の肩や腕に体の一部が滴り、入り込んでいく。

(血、血が…無くなりそうっ…!)
何度も苦しみの声を上げながら、みずきは必死で、ナイフを手に取ろうとする。
つかめるかどうかはわからない。

「あうううっ…ぐはぁっ…ううっうううう…」
みずきは不死身、血液も吸い上げられる端からすぐに体内から生み出され、命を奪わないだろうが、
その激痛は地獄だ。

//了解ですー。


58 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 00:00:53 ???
みずきの血を奪い力を増していくウーズ

みずきの首を掴んだまま、ダクトから全身を出し、
みずきと正対する形で水死体を彷彿とさせる姿を現す

ヤツメウナギのような牙が並んだ口にあたる部分が開き、舌のようなものが伸びる
みずきの口から直接、より大量の血を奪い、肉を喰らうつもりなのだ
既にこれだけの血を奪われた獲物は既に抵抗する力はない
知能は低いが、ウーズは経験的にそう思った


59 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 00:16:45 ???
>>58
「はぁっ…うぐあっ…!!」
余裕を見せたのか、みずきの目の前にその不気味な姿を表したウーズ。

「こ、こいつ…うっ…」
自分の口の中へ舌を突っ込もうとするのを見て、その激痛に満ちた表情で睨みつける。

「調子に…の…ん…なっ…!」
ようやくナイフを拾うことが出来た。

必死で自分に伸び始めた舌を切り落とそうとナイフを振り上げる。


60 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 00:23:23 ???
「ーーーー!」
舌を切り落とされた
思わぬ反撃に、思わずみずきから手を放すウーズ
しかし、ウーズにとって大きなダメージではない

爪を現し、みずきの上半身を切り裂かんとする
超回復を持つとはいえ、体中のほとんどの血を奪われたみずきにそれを避ける術はない

//では、今日はここまでで


61 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 00:43:39 ???
>>60
首から腕が離され、膝からくずおれる。
「はっ…はぁっ…
 ざま…みろ…」
みずきはどうにか立ち上がり、距離を取ろうと歩こうとするが

シュッ!!

それよりも早くウーズの爪がみずきを狙う。
「あっ…!」
大量の血を抜かれた直後では流石に避けることなど出来ない!

バシュウ!!
「あぐううううぅあああっ!」
鋭い爪はみずきの豊満な両胸を勢い良く引き裂いた。
ブシュゥゥゥゥッ…!
激しい鮮血が周囲へとあふれだす。

「あがっ…うっ…」
みずきの身体は再び壁に力なくもたれかかる。
激しい痛みで一瞬からだが大きく揺れ動き…

それが彼女にとって逃げ道を失う大きな隙となるのだ。
これから目の前の怪物に嗜虐されるように思えて、ならなかった。

//了解、また今夜に。


62 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 17:56:58 ???
器官である舌を破壊されたが、十分に血を吸い取った
ウーズはみずきを殺すことを優先する

鮮血を流し、壁にもたれかかったみずきをさらに両手の爪で1度2度3度と切り裂く
とはいえ、不死のみずきを殺せるほどの攻撃力は今のウーズにはない

みずきの身体に付着したウーズの肉片は、激痛と共に蛭のように血を啜り続けているが
体内の失われた血は急速に補われ、身体を切り裂かれながらもみずきは反撃の機会を伺っている


//スマホからだけど、ちゃんと酉つくかな
//責め手の好みですが、一方的にやるのは面白くないので反撃のチャンスを出します


63 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 18:43:14 ???
>>62
「あ…うう…」
痛みに体を震わせる…
しかしそれだけでは収まらず

 ザシュッ!! バシュッ!! ドシュッ!!
「あぐうぅ!
      ぎぃいっあぁぁ!
                うあ゛ぁああっ!!」
何度も胸と腹を引き裂かれて、そのたびに苦しみの悲鳴が上がる。

「がはっ…ごふっ…」
内臓にも少なからず損傷を与える傷跡だ。
えぐられた痛みで、激しく口からも血が吹き出す。

「ぐっ…なめない…でよっ…」
激痛をこらえながら、ウーズを睨みつけたみずきは僅かな隙を見て

「これくらいでっ…
 私は殺せないんだからぁ…!!」
一気にかけ出してナイフを何度もウーズへと振り回し、何度も切り裂いていく!
普通ならばこれで殺せるくらいの威力だろうが…?

//せっかくなので反撃します。了解ですー。


64 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 20:22:55 ???
//基本はアドリブで進めるつもりですが一応予定としては何度か逃亡、戦闘の後何かしらの方法でウーズを撃破というのを考えてます
//あまりに長くなったりグダったりしたら無理やり終わらせます

本来ならばとっくに失血しているであろう相手からの反撃をうけたウーズは
仰向けに地面に倒れ、動く様子を見せない


65 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 20:42:32 ???
//わかりました。
>>64
「…ふぅ…はぁ…
 お、終わったかしらね…」
念の為にみずきは倒れこんだ化物にもう一撃を加えて

「…や、っと…おわった…よね…
 ここから…逃げないと…」
自分で閉めた扉を開けてどうにかしてここから立ち去ろうとする。
激痛を味わった後であるために足取りは重たい。

傷がふさがり始めているものの、
やはり体力の消耗は大きいらしく、外に出たとしてもまだすぐには走れない状況だ。
体中血塗れではあるが、歩くのには支障はない。


66 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 21:15:35 ???
なんとか、ウーズの手から一時逃れるみずきであったが、
体に付着したウーズの肉片は、いまだにみずきの血を吸い続け
赤黒く不気味に胎動し、そして大きくなっている

このウーズの肉片を取り去るには、付着した自身の体ごと
ナイフなどで削ぎ落とすか、どうにかして炎などを見つけなければいけないだろう


67 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 21:23:16 ???
>>66
「ぐっ…あっ…
 くっ…」
みずきの身体を執拗に責め立てるウーズの肉片。
この周囲に炎が出ている場所などは辺りがつかない。

「なら…しょうがないか…!」
みずきはナイフを自分に向ける

ザグッ

「あっ…ぐぅぅぅっ…!!!」
自分の肉体のウーズを激痛をこらえ、ナイフで切り落としていく。
痛みに悲鳴が上がるが、それでもこれを排除しなければ脅威は去ることがない。

「くっ…ううっ…」
ほのおが弱点ということはわからない。
火元などを探している暇もないだろう。


68 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 21:35:39 ???
なんとかウーズの肉片を取り去ったみずき
外は暗くなり、雨も降り出している
体を休める場所を探すためビル内に留まるか、それとも外に出るか


69 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 21:39:32 ???
>>68
「はぁっ…あっ…」
どうにかして肉片を取り払うことが出来た…
しかし、ウーズの肉片が動いていたことをずっと気にかけている。

(…このままじゃまずい…かも…
 休むにしてもここじゃ危ない…
 別の場所にしなきゃ…)
またウーズが動き出すかわからない。
そう考えたみずきは、雨が降りしきる中、外へと出始める。

雨の強さはどのくらいかは分からないが、ひとまずは別の隠れられそうな場所へ行くつもりだ。


70 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 21:48:51 ???
若干、視界が悪くなる程度の雨模様の中、みずきは外に出る
しばらく歩いていると、自分の足音とは別の足音が耳に入る


先ほど動かなくなっていたはずのウーズ
雨の水を吸ったのか、上半身が肥大化した体に、どこで手に入れたのか
右手には刃渡り40cmほどの狩猟刀(マチェット)を右腕から生やすようにして持っている

外に出たのは失敗だったかもしれない

みずきはウーズから逃げようとする


71 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 21:54:57 ???
>>70
「…何っ?
 倒したはずなのにっ…!」
そこに現れたのは体格が大きくなったウーズ。
更に大きな身体とかしており、
濡れた身体を引きずって歩いてくる。

「…に、逃げなきゃ…!!」
みずきは相手に背を向け、再び必死で逃げ始める。
どこに行けばいいのかは分からないが、
とにかく逃げるために走る!


72 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 22:03:04 ???
逃げようとするみずきの背中に向かって、ウーズは高圧放水を浴びせる
距離が近ければ、体に風穴が空いているであろう圧力と勢いを持つ水流が、みずきを襲う

凄まじい衝撃にみずきの体は前方に吹き飛ばされ、泥土の中を転がっていく


73 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 22:07:41 ???
>>72
必死で逃げようとしたみずきの背中に、
強烈な放水が放たれる!

バシィッ!!
「がぁあぁっ!!!」
みずきの身体が激しく前方へと、体を大きく反らせながら吹き飛ぶ

ドシャァ!

「がっ…う…!」
落下地点はぬかるんだ地面であった。
彼女の身体も泥土に汚れながら転がっていき、やがて止まった。

「うっ…くそっ…!」
激しい痛みで動きが鈍りながらも、どうにか土の中から立ち上がろうとする。
身体のあちこちが泥に汚れて見窄らしい姿になっていながらも、逃げなければ…と考える。

だが、痛みで動きが僅かにだが鈍っている…


74 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 22:15:05 ???

立ち上がろうとするみずきの体に、さらに高圧放水が浴びせられる

上から絶え間なく重りを落とされるような衝撃を受けつづけてまともに身動きが取れない
その間にもウーズとの距離はつまり、焦燥感が募っていく


75 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 22:20:16 ???
>>74
「うああっ…!ああアアっ!!
 ぐぅっああ…!」
何度も浴びせられる高圧水流。
何度も地面にその身を落とされる!

激しい痛みはあるが、先程よりはダメージが少ない。
だが、身体の疲労は治らない。

(…やっぱり異常活性を使いすぎた…
 早く治らないと…お願い…!)
水流を押し返す力もない。
今は耐えるしか無い。

(…そうだ…
 拳銃…拳銃を…)
ふと思い出す。
自分の持っていた拳銃が今は、太もものホルダーに有る。

…必死で片方の手をそこへ伸ばそうとする。


76 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 22:24:45 ???
ウーズとみずきの距離はだいぶ縮まってきた
放水でみずきを抑えているためか、以前のようにみずきを捕獲しようとはしない

マチェットが届く位置にまで距離が縮まった時、ウーズは右腕を大きく振り上げ、みずきの首を落とさんと狙う


77 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 22:27:48 ???
>>76
「ぐっ…首は…
 嫌なんだって…!!」
みずきは必死になって、拳銃を握りしめた。

ガギッ…!
「くっ…!!」
拳銃でどうにかマチェットの首への一撃を受け止め…
どうにか引き金を引いた。

この一撃が通用するかはわからない…!

//首切り落としはなるべく避けますです。すいません。


78 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 22:34:16 ???
//わかっていてあえてやっちゃいました。こちらこそすいません

無防備なウーズの胸に、銃弾が吸い込まれていく
ウーズが後ずさる

なんとか体勢を整えようとするみずきだが、再びウーズは高圧放水による攻撃を浴びせる

再び吹き飛ばされてしまったが、結果としてウーズとの距離が開き、先ほどより水流の勢いも弱い


79 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 22:38:54 ???
>>78
//いえいえ。
命中したのを見て、ひとまずひと安心して立ち上がろうとするが

バシュゥゥゥ!

「ぐっ…このっ…!!」
まだ水流はみずきの身体を襲う。
だが、先程よりは威力が低い。
どうにか、意識を失うことはないはずだ

「まだだって…の!!」
みずきは苦しそうな顔を抑えながら
何度も銃弾をウーズへと撃ち込みまくる!


80 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 22:44:07 ???
銃弾を受けながらも、ウーズの方が一気に距離を縮めようと走り出す
距離が縮まるごとに水流の圧力が強くなる
再びマチェットがみずきへ襲いかからんとしている

//防御したり避けるかは自由に
//予定位通り進んだ場合、また場面転換があると思いますが、次はどうしましょうか


81 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 22:47:00 ???
>>80
//何度も刺されるとか、ある程度いたぶられてからでも構わんですが、
//ひとまず攻撃を

「…ぐっ…このっ…
 ふざけないでって…」
みずきに襲いかかる水流が強くなる。
だが、どうにか横方向へ避けられそうだ。

なんとか横へと飛んで、一気にウーズの横へと詰める!

「これでっ…どうだ!!」
再びナイフを振り下ろしに向かう。
狙いはウーズの首筋だ!


82 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 22:54:57 ???
//もう少し続けます
//というより、ピンチシーンに入ります

みずきのナイフを首筋に受けるウーズ
だが、ウーズにとって首筋は急所ではない

みずきの方へ顔を向けるウーズ
そして、ウーズの口が開き、舌が伸びる
一度はみずきに切り落とされた舌をより強固に再生させたのだ
みずきの細い首に舌が巻きつき、締め上げられる
思わず口が開いた瞬間、口の中にウーズの舌が侵入する
喉奥まで犯されると同時に、無防備な口内と体内から血液が凄まじい勢いで奪われていく
常人ならば瞬時にショック死し、干からびているだろう


83 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 23:01:19 ???
>>82
「…だ、ダメ…?」
首筋を確かに狙ったのに相手は意にも返さない。
相手も不死身に近い…ということを失念していた…

そして

しゅるしゅるシュルシュル!!

「あっ…あぐああぁっ…!!」
自分の首に強烈な勢いで舌が巻き付いてきた。
苦しげに口を開いたところに

「むぅぅっ!?ああっ…ぐあっ…!」
強引にウーズの舌が自分の口の中にねじり込まれる。

「ぐえっ…えほっ…は…」
吐きそうになる不快感と苦しい感覚…

ドギュゥゥゥウウ!!

「アグアアアアアアあああっ!!」
凄まじい勢いで血液を吸い上げられていく。
干からびそうになるが、それでもみずきの身体は美しい体を保ち続ける。
まるで永久機関だ。

「ぐあええああああああああ!
 ぎああああああああああ!!」
大粒の涙をこぼしながらみずきは必死で手足を動かしてウーズに抵抗を試みる。
何度も殴るケルの必死の攻撃を行い続ける!吸い上げられるたびに身体がビクビクと、激しく痙攣し始める!


84 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 23:08:07 ???
さらに長く舌を伸ばし、みずきの体を宙吊りの形に持ち上げる
みずきの抵抗も意に介さないように、マチェットでみずきの下半身を中心に切り裂き始める
みずきの体からはほとんど血も出なくなっていたが、愉悦に浸るようにウーズはみずきの血が混じった雨を全身に浴びる

さらに舌はみずきの体内の奥深くへと侵入し、内蔵すらも侵していく


85 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 23:13:04 ???
>>84
「ぐああああっああああっ…
 ぎいっ…あえっ…!」
みずきの身体は宙吊りにされ、手足がウーズへと届かなくなる。

ザクッバシュッ…ズバシュッ!!

みずきの下半身…太ももや下腹部、足の下などをしつこく切り裂かれる。
「うあっ、あ、く、ああぁっ…うぐぁっ…く、うぅっ…!!ああっ!うっうぅ・・・あ!」
血の雨が降り注ぎ、みずきの身体がビクビクと震える。

「あっ…ぐえっ…あああっ…うっ…」
段々と抵抗が少なくなり、だらりと両手足が人形のようにだらけ始める。
ただ痙攣をするだけのように見えるが…


86 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 23:17:52 ???
ウーズはみずきの体を下ろす

既にみずきの肌は蝋人形のように白く、涙と雨でしとどに濡れた顔には生気など欠片も感じられない
体内に侵入された舌は、腸にまで届かんとしている

今度は肉を喰らおうと、今までより大きくウーズの口が開く


87 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 23:23:00 ???
>>86
「はぐっ…あっ…うっ…」
激しい痛みが体中に走る。
自分の体の中にねじり込まれた舌は胃を乱暴に突き抜けて腸の中を入り込もうとしている。

ぐぼっ…
    ぼじゅる…
          ずりゅ…
身体の中に不気味な音が響く、みずきの腹がまるで流動するかのように
体内で暴れるたびに、身体が左右にビクビクと振られた。
身体が支配されるかのような、そんな痛みだ。

「ぐぅっ…うああっ…やああっ…やっ…やっ…」
自分に向けて口を開いたウーズに、
みずきは大粒のナミダを流しながら首を横に振る。
必死で手足を動かそうとするが、血液を多量に失った身体が思うように動かない。

だが、ナノマシンは彼女を生かし続ける。
恐怖を与えながら活かす。
段々とナノマシンの調子が戻り始める感覚は有る。
だが、この状況を超えられるかはわからない。


88 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 23:31:02 ???
みずきが、生の意思を見せていることに困惑したような態度を見せるウーズ

ウーズは、基本的に飢えと乾きを癒すことしか考えない
珍しくウーズは考えた
この獲物は特別だ。ただ食べるのは惜しいかもしれないと

//ちょっと中断してどうしましょうか
//捕食を続けるか、別の場所へ連れ去られるか、もしくは別の案があればそちらでも


89 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/02(水) 23:38:19 ???
>>88
「ごふっ…うぅっ…」
少なくとも力を発揮はしていないらしい…
今ならば抵抗なく連れ去ることも、
この場で食らうことも出来そうだが…

//連れ去られた先である程度身体を食べられたりとかしたらいいかなと思います。


90 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/02(水) 23:52:47 ???
//わかりました
//面白そうなのでショッピングモールに設定しましたが、他に案があれば変更もいけます

人気のなくなったショッピングモール
その一室にみずきは連れられていた
拘束具のようにウーズの肉片が体にまとわりつき、体の自由を奪われている
口の周りにも肉片が絡み、声も出せず、その姿は見るものが見れば扇情を煽られるだろうが、
ウーズからすれば都合のいい「食料」に過ぎない

人間が大きめのチキンを食べる時のそれのように、ウーズの両手で体を持ち上げられ、
柔らかな脇腹や乳房、太腿を中心に体を齧られる

内蔵が美味なのか、じゅるじゅるとじっくり啜られていく
ひとしきり終えると、ウーズはみずきの体を床に落とし去っていった

みずきにとって唯一の幸運は、ウーズがみずきの超回復の速度までを、計算できるほどの知能を有してはいないことか

//捕食の内容はやりすぎだったら言ってください


91 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/03(木) 00:11:59 ???
>>90
ショッピングモールにて…
四肢を肉片に拘束され、抵抗できないようにされている。

「う…あ…」
僅かに声が出る程度にしかみずきは抵抗できない。
そしてそのまま両手で体を持ち上げられ、

ガブシュッ
「ぎッ……いああああ!」
彼女のやわらかな脇腹がかじり取られる。

「ああああっ…やがあっ…
 たべ…ないでええ…!がホッごはっぐぼあっ…!!」
豊満な乳房を貪られ、艷やかな太ももをむしられる

ぐじゅっ…ぐじゅっぐしゃっ…
右の乳房をむしりとられ、太ももは骨が見えるほどに食いちぎられている。
更にお腹に大穴を開けられ、内臓を存分に貪られ、吸い取られる。
ずじゅるるるるる
「がああああっ…うごっ…あっ…」
ガクガクと震えるみずきの悲鳴を音楽にして

「痛い……もうやめ…でっ…、いだい……痛、い゛ぃ……あがっ……!!」
ウーズは極上の餌であるみずきの身体を存分に堪能した。

ドシャッ…
「ぐっ…うっ…あっ…」
ウーズは満足気に無様に血塗れで倒れるみずきを見やってから立ち去る。

…みずきの身体は酷い有様だった。
片方の乳房は噛みちぎられて失われ、内臓が露出した腹部はまだ脈動を続ける。
それでも…みずきの身体は少しずつ治り始めていた。

「はぁっ…あっ…あああっ…」
治るまで地獄の苦しみを味わうみずき。
ビクビクと身体が激しくうごめいた。

//問題なしです。


92 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/03(木) 00:22:36 ???
日用品が雑多に散らかる一室の床に転がり、
激痛に悶えながら、ひたすら体の回復に務めるみずき
まだウーズが戻ってくる気配はない
逃げ出さねば

無残な傷は完全に癒えていないが、体をよじる程度のことはできるようになると
体を拘束する肉片を剥がせるものを探そうとする

だがみずきの抵抗の意思を感じると、それに連動するようにウーズの肉片は蠢き、
みずきの体を責めはじめるのだった

//では、今日はここまでにさせていただきます


93 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/03(木) 01:31:02 ???
>>92
「うぐっ…
 ぐ…はっ…」
身体が少しずつ回復し始める。
どうにか身体をよじるくらいにはなった

(…ナイフは…
 さっきのやつはないの?)
周囲を確認し、使えそうなものを探すが…

「あぐぅっ…!ああっ…
 ぐぅ…!」
激しく責め立てられるみずきの体。
その度に体が激しくよじれて悶え苦しむことになった。

//どうもありがとうございます。


94 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/03(木) 21:40:44 ???
みずきの体で、無傷なのは顔ぐらいしかない

みずきが体を動かすたび、体にまとわりついたウーズの肉片は苦痛を与えてくる
やすりで肉を削がれるような苦痛に加え、体中のまだ癒えていない傷が床に擦れ、体が汚れ傷が膿んでいく
それでも床を這っていく

ナイフのようなものは見つからない
精々切れ味が悪そうなハサミやカッターナイフくらいだ

他にはライターオイルが入った銀色の缶

コンセントと、それに差し込めそうな銅線


少しずつでも削ぎ落とすか、ライターオイルを用いるか、コンセントと銅線で通電させるか
いずれにせよ、この縛めをとくには、自身の体を傷つけるしかない


95 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/03(木) 21:50:37 ???
>>94
「…ぐっ…あうっ…あっ…!」
激しい痛みを受け、そのたびに悲鳴を上げつつも、
それでもこれから逃れるために履い続ける。

ようやくなんとか出来そうなアイテムは見つかった。
オイルの入った缶、ハサミとナイフ、そして銅線。

・・・必死で痛みに耐えながら、これらで有効に使えそうなものを考える…

(…ナイフとかじゃ、時間がかかる・・・。)
そう思ったみずきは、近くにあったオイル缶を手に取り。
自分の顔以外の部分にふりかける。

(…まとめて燃やしてやれば…
 いいじゃない…!)
じっとりと油にまみれた身体を眺めながら、
今度は銅線をコンセントに差し込み、

激しく通電させる。

その火花で体を燃やし、ウーズをまとめて滅ぼそうとしているのだ。


96 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/03(木) 22:00:13 ???
ライターオイルで濡れた体に、電流が走る
普通の人間ならば自殺行為も甚だしい行為だ
通電が心臓に届き、ショックで死んでいてもおかしくない


炎に包まれたウーズの肉片が、炎に包まれながら床に落ちていく
あたりに肉の焼けた香ばしい匂いが広がる中で、炎に包まれながら転げまわるみずき
この不死の少女はあまりに強引なやり方で自身の身を焼いた


97 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/03(木) 22:20:46 ???
>>96
「あぐぅあっ…!」
強力な通電でみずきの身体は激しく揺らぐ。

「あぐあああっ!!!がああああああっ!!」
予想はできていたものの、全身を焼きつくす痛みは果てしなく苦しい。
体中がただれる感覚はかなりの痛みを伴う。

激痛にのたうち回りながら周囲をごろごろと転がり、
しばらく身を焼く激痛に身を預ける。

…やがて体中の火が消え去った時に、ウーズや周囲はどうなっているのだろうか


98 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/03(木) 22:32:55 ???
ウーズの肉片は燃え尽き、みずきは自由を取り戻した
痛覚が敏感な神経が露出した皮膚は、わずかな刺激で激痛が走り、体力も限界に近いが、
自由を取り戻したみずきはゆっくりと立ち上がり、壁を支えにしながら歩き出す

逃げることを優先するか、武器と服を確保してどこかで体を休ませるか

//少し行動をお任せします


99 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/03(木) 22:38:41 ???
>>98
「あぐっ…うっ…うぅっ…」
ようやくほのおが燃え尽き、自由を取り戻す。
全身を焼いたために、体中が激しく痛い。

(…くっ…
 無茶したけど…でもあいつは…
 炎に弱いってことね…)
体力の限界を迎えながらも、なんとか衣服をと武器を確保しなければ。
今の状態では逃げようにも間に合わないだろう。

ちょうど近くにスポーツ用品店が有る。
ジャージが近くにおいてあったためそれを確保しておく。

そして武器になりそうな物を探す。
先ほどの炎に使えそうなものだ。

まずは身を隠し、ある程度回復するまで待つ。


100 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/03(木) 22:46:21 ???
ジャージを身にまとうみずき

痛みは少しずつやわらいできたが、代わりに凄まじい疲労感と空腹が襲ってくる
まだ走れるほどには体力は戻っておらず、傷もいえていないが


101 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/03(木) 22:51:48 ???
>>100
「ふぅ…痛みが引いてきた…」
とりあえずは火傷も皮膚程度にまで完治し始めた。
この辺りでみずきはジャージを着こむ。

「むっ…胸が…キツイ…」
ズボンはどうにか通すことが出来たが
上はファスナーが中々上がらず、無理やり胸を押し込んで止めた。
今にもはちきれそうなくらい盛り上がっている。

「…まぁいいわ。
 あとは…」
ひとまず敵を仕留めるために火種となるライターと
燃焼させる灯油缶を探すためにゆっくりと歩き出す。

近くに食品コーナーがあればおにぎりも拝借する。


102 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/03(木) 23:10:15 ???
体の調子は戻ってきた感じがするが、まだ走れるほどの余裕はない
覚束無い足取りながらも、ショッピングモールの地図を見つける

モール内では豊富な物資がありそうなホームセンター
食料がたっぷりありそうなスーパーマーケット
脱出の足を確保できそうなサイクルショップ
みずきも普段よく利用してるカフェなどもある

そして、外を出てすぐにガソリンスタンド

外はまだ雨が降っている


103 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/03(木) 23:14:09 ???
>>102
「おっ…地図さえあればこっちのもんだわ!」
地図を拾うことが出来た。
このモール内の構図がしっかりと分かる。

「…ひとまずはお腹すいたってことで…
 あっちに行くか…」
まずは何はなくとも体力の確保だ。
食べ物が置かれているであろうスーパーマーケットに足を運んでいく。

すぐに食べられるおにぎりがあればそれを食べるつもりである。


104 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/03(木) 23:22:27 ???
スーパーマーケット
広々とした空間だが、足首が浸かる程度に床が浸水している
ところどころ水道が破壊されており、それによって浸水したようだ

入口から中を見る限り、まだ食料は残っているようだが


105 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/03(木) 23:28:42 ???
>>104
「水道が壊されてる…?
 水を吸ってあいつが元気になってるわけだから…」
浸水した床に不安を覚える。
とは言え、お腹が空いてしょうがない。

「…おにぎりをとっておくか。」
できる限り手早く、おにぎりを確保するために歩き出す。


106 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/03(木) 23:35:09 ???
スーパーの中に入り、食料を口にしてほっと一息をつくみずき

みずきの耳に、不穏な水音が聞こえてくる
水の中を凄まじい勢いで泳いでくるような、そんな音だ
そして、その音は確実に近づいてくる

食べ物を口にして体力を戻した今なら走れるかもしれない


107 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/03(木) 23:41:08 ???
>>106
「もぐ…
 ふう…とりあえず良かった。」
食料を一通り食べ終えたが…
周囲から嫌な水音が聞こえてくる…

「…こんなところに長居は無用ね…
 いくか…!」
体力を取り戻したみずきは勢い良く走りだす。
店の外にでて、今度はホームセンターへと走りだす。


108 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/03(木) 23:45:47 ???
ホームセンター
先ほどのスーパーと同じく、水道が壊されたのか浸水している
それに加え、天井もところどころ破壊されて穴があいており、スプリンクラーが発動してる場所もある

天井から吊るされた案内板のおかげで、灯油缶のありそうな場所と武器の代わりになりそうな工具売り場などの場所は確認できた


109 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/03(木) 23:50:32 ???
>>108
「どこもかしこも…か…」
すでに相手は自分のホームグラウンドに変えているようだ。
だが、目的のものは個々にあるはずだ。

「…あれだね…とにかくは…」
案内板を頼りに灯油缶のある場所を探す。

「…武器は…」
とりあえず道すがら、工具類も探す。
のこぎりなどがまず思いついた。


110 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/04(金) 00:06:08 ???
体を濡らしながら、武器と灯油を手に入れようとするみずき

ホームセンターの戸棚が、倒れる音が響く
ウーズがここにきたのだと直感する

まだ目的のものは手に入れていない

//本日はここまでとさせていただきます


111 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/04(金) 17:13:44 ???
>>110
(…やっぱり逃げきれないか…)
冷静に考えてみれば、ここまで自分を運んだのだ。
多分あらゆる場所を把握しているのだろう。

(…武器を見つけないとね)
ひとまずみずきは、日を付けられるライター、或いはチャッカマンなどを探すために
その方面へと歩く。灯油はその近くにある…はずだと思いたい


112 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/04(金) 22:17:00 ???
急いで武器と灯油を確保しようとするみずき
天井への注意が逸れてしまう

崩れた天井の穴に潜んでいたゲル状に変化したウーズが
みずきの頭上に落ち被さる

体の自由を完全に奪われるほどでないが、視界を塞がれる


113 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/04(金) 22:27:17 ???
>>112
「何っ!?うわっ…!!」
いきなり頭上に落下してきたゲル状の物質で
視界が塞がれる。

「うぐっ…この…!
 離れ…!」
あたりが見えないまま必死でその物質を引き剥がそうと
両手を激しく動かす。視界が確保できなければ現状を打破できない。
辺りにぶつかるかもしれない。


114 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/04(金) 22:46:23 ???
周りにぶつかりながら、
ウーズを引き剥がそうと抵抗するみずき

顔についたウーズは取り払ったが、ウーズに体を強く締め付けられ、息が苦しくなる
上半身は、腕を動かすのが難しくなってくる
大型ウーズの気配も近づいてくるきている


115 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/04(金) 22:55:24 ???
>>114
どうにか引き剥がしたが、
今度は身体が締め付けられ始める。

「あぐっ…ぐぅっ…!」
胸のあたりを大きく強く圧迫される。
激しく変形する胸部。

「ま、まだ…
 うごく…なら…」
必死でみずきは走りだす。
ライターが置かれている商品コーナーへ向けて走るしか無い。
火を付けられるものがあれば引き剥がせる!


116 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/04(金) 23:12:01 ???
火をつけられるものを探すみずき

そのみずきに向かって、大型ウーズは高圧放水を浴びせる

今度はただの水ではない
大型ウーズの体内に取り込まれていたビスやネジ、釘が水とともに放たれる
それは高圧の水流というよりも大口径の散弾銃というのが正しいだろう


117 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/04(金) 23:20:01 ???
>>116
どうにか探そうとしていたところに、
高圧の放水が金属を含んで放たれる。

「あぐあぁっ…!!」
体中に無数の金属が突き刺さる。
まさしくその威力は散弾銃のような破壊力だ。
再び吹き飛ばされて、地面に倒れ込む。

バシャァ!!

倒れた場所も水たまりだ。
まだ起き上がれるかわからない。
「くっ…うっ…ううっ…」
それでも探さなければ…
必死でウーズを引き剥がそうとしつつも、
探しものがないかとあたりを見る。


118 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/04(金) 23:27:39 ???
破壊された戸棚から流れてきたのか、みずきの前にライターと都合の良いことにヘアスプレーが流れてきている
濡れたライターで着火できるかはわからない

みずきに対して再び、多量の金属を含んだ水流が放たれる
かわせるかはわからない


119 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/04(金) 23:34:57 ???
>>118
「うっ…ちょうど…いい!」
自分の腕が動かせるうちにやらなければ!
みずきは急いでヘアスプレーとライターを手に取る。

「ぐぅぅぅあああっ!!」
またしても金属の雨が突き刺さる。
かなりの痛みだが、それでも吹き飛ばされたダメージで済んでいる…

ライターに火がつくか…
確かめないといけない!作動させてみるつもりだ。


120 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/04(金) 23:51:10 ???
何度かライターの作動を試み、念願の火がついた
その間にも、金属の雨はみずきを責め続ける


121 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/04(金) 23:53:38 ???
>>120
「…ぐううっ…」
何度も身体を貫く痛みに耐えながら、
ようやく日がついた。

「調子にのるな…!!」
そして、自分についたウーズへとヘアスプレーを向け、
同時にライターを近づける!


122 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/04(金) 23:59:06 ???
小さなライターの火は、ヘアスプレーによって火炎放射となる
自身の体ごとウーズを焼いて滅ぼすみずき

自由は取り戻したが、金属に貫かれたダメージは小さくなく下半身も負傷している
もうすぐ大型ウーズと正対することになるだろう


123 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/05(土) 00:09:47 ???
>>122
「くううううあっ…!!
 またやっちゃったけど…さ!」
どうにか焼きつくし、身体にまとわりついたウーズを撃破した。

「…まだ来るつもりなら…」
目の前に大型ウーズが現れる…
ならば…

「一気に仕留めてやる…!」
先ほどのヘアスプレーを握りしめる。
すぐ近くまで行かないと仕留め切れない…!
相手の動きを見て、水流をかわして攻撃を仕掛ける!


124 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/05(土) 00:15:12 ???
高圧放水の攻撃が止む
数多の金属片を浴び、みずきの体はボロボロとなっている
それでもライターとヘアスプレーは胸の中に隠し持っている

みずきを捕らえようというのか、ウーズの腕が伸びてみずきの足に絡みつく
水上を走るように、みずきがウーズの方へと引き寄せられていく


125 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/05(土) 00:19:54 ???
>>124
「ぐっ…
 くるか…!」
みずきの足に絡みついたウーズの腕。
このまま自分を食べるつもりなのかそれとも傷めつけるつもりなのか…
いずれにしろ

「…ここで一気に…!」
ウーズのすぐ近くまで引き寄せられたところを見計らい!

「くたばれっ!!」
ライターとヘアスプレーを取り出し

火を着けて噴射する!


126 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/05(土) 00:23:56 ???
ヘアスプレーとライターの簡易火炎放射器がウーズの体を包む

みずきを手放し、炎に包まれながらもがいているようだ
下半身と上半身の半分をゲル状に変化させて、水中に潜む
水上にはウーズの体の一部が、燃え残っている


127 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/05(土) 00:28:18 ???
>>126
「…また潜り込んだか…!」
あと一息と思われたが…まだ水の中に敵は潜んでいる…
この水まみれのフィールドは相手に優位が有るのだ

「だったら…
 あれしかないな…!」
そう言って、灯油が置かれているコーナーに目を向ける。

「…アレを使えば…!」
みずきは再び勢い良く走りだす。
狙いは灯油が入った缶…或いはタンク等だ。
見つけたならすぐに壊してぶちまける予定だが…


128 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/05(土) 01:14:51 ???
灯油の置かれたコーナーへと向かうみずき

ウーズは場所を移動し、ややみずきから距離を取る
そして、ふたたび高圧放水を行う
今度は、高圧放水とともに放たれたのはダンベル
30キロはあろうかという質量をもつ物体が、驚異的な水流とともに放たれる


129 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/05(土) 01:37:30 ???
>>128
「もう少しで…!」
と、灯油コーナーにはいろうとしたところで
勢い良く放たれるダンベル

バキボキッ!!
「がはぁっ…!!」
かなりの質量を持った物体がみずきの背中に命中。
背骨を激しくへし折って吹き飛ばした。

ガシャァ!
「ぐあぁああっ!!」
商品棚に強烈にたたきつけられ、意識がぐらつき始める。
体中が痛い。力が抜けてしまい、回復まで少しの隙ができる


130 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/05(土) 01:49:50 ???
派手な音ともに破壊された戸棚とみずきの体が倒れこむ

ウーズはさらに体に取り込んでいた武器を水流とともに放つ
先端が尖った鉄棒と、鉄パイプ

四肢、腹、腰などに高速の鉄棒を撃ち込まれる
鉄棒はみずきの体を貫通して床まで刺さり、みずきは床に貼り付けられる
水深は深くはないが、今の状況のみずきを溺れさせるには十分すぎる


131 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/05(土) 02:00:19 ???
>>130
「ぐうっがっ…!」
無数の鉄棒がみずきの身体を貫き、
まるで昆虫標本のように地面に縫い付けられた。

顔は地面の水たまりに押し込まれており

「がほっげほっごぼっがっ…!」
口の中に続々と水が入り込み、激しく溺れる苦しみが襲いかかる。

だが溺死しようとしても、みずきは死なずに生き続ける。
苦しみながら必死で手足を動かそうとする。この縫い付けられた身体を動かすことができるだろうか


132 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/05(土) 02:07:19 ???
右腕は二の腕に鉄パイプが貫通しているが、幸い骨は避けられている
文字通り、肉を千切れば右腕は自由になるかもしれない

ウーズは先ほどの火炎で警戒しているのか、近づいてこない


133 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/05(土) 02:10:44 ???
>>132
(…今更腕の一つや2つくらい平気だ‥!!)
今の耐え難い苦しみを避けるためには縫い付けられた腕を引き剥がすしか無い。

「ぐ…うううううううううううう!!!」
全力で右腕を大きく前に振り上げ、肉を引きちぎることを試みる。
「あがあああああああっ!!」
それができたのであれば、今度は左腕だ。
両手を自由にしなければ…
肉が引きちぎれる痛みは先程食われた痛みよりはマシ、そう必死で考える。

//すいません、今日はここまでで。


134 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/05(土) 08:43:48 ???
肉を千切る痛みに耐えながら、右腕を引き抜く

左腕は、骨まで貫通してしまって同じように抜くのは難しい

自由になった右腕で体に刺さる鉄棒を抜いていく
その間、金属片を含んだ放水がみずきの体に降りかかる


135 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/05(土) 11:50:50 ???
>>134
「はぁ…くっ…急がないと…」
急いで他の鉄棒も抜きにかかるが、
その間にどんどんと後方から放水が襲いかかる。

「あっ…がはっ…あぐっ…!!」
背中から金属片が突き刺さる痛み。
そして鉄棒を引き抜いていく痛み。

だがそれでも耐えることを選び、
なんと下線部の鉄棒を引き抜くところまで終わらせる。

周囲に何かないか、それだけを考えて顔を上げる。


136 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/05(土) 12:34:26 ???
周囲に油の臭いが広がる
ウーズの放った高圧放水と金属片によって
破壊された灯油缶の中身が、みずきのあたりにまで広がってきたようだ

ライターは完全に濡れて使い物にならなくたなっただろうが、
崩れた天井の上部から切れた電気のコードが垂れ下がっている

みずきが抵抗する様子を見せないからか、ウーズはみずきへと近づいていく、
距離が縮まるごとに放水がより強く体をうち、体の金属片はより深く食い込んでいく


137 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/05(土) 12:41:22 ???
>>136
(…油が広がってる…
 この調子なら…)
相手は水の中に逃げる
ならば逃げ場を火と変えれば相手は今度こそ終わりだ…

「い…ぐっ…ううううっ…
 あっ…!!」
どんどんと放水の力が強くなり、金属片が背中に食い込んでいく。
だが…これがチャンスなのだ。

(そ…そうだ…もっと近づいてくるんだ…!
 それで…!)
みずきは電気コードの方まで歩き出す。
そして相手が灯油缶が広がったあたりまで来るのを狙うのだ。


138 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/05(土) 12:55:03 ???
みずきが立ち上がり歩き出す

それを見たウーズは一度足を止めると、今度は工具売り場の戸棚に陳列されていた
丸鋸の円盤状の刃を体に取り込みみずきに向かって撃ちだす

一度みずきによって体を焼かれたこと、そしてみずきが自由に動くことが気に入らないようだ

みずきの周りには破壊されたがまだ中身が残っている灯油缶が浮かんでいる


139 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/05(土) 13:40:41 ???
>>138
「…これだ…!」
みずきは近くに落ちていた灯油缶を手にとった。
そして

ザグゥッ!!
「がっ…あうっ…!」
今度突き刺さったのはさらに強烈なものだった。
振り向いた表紙に胸の中心へざっくりと、丸鋸の刃が命中したのである。

「ぐふっ…
 こんなくらいで…!」
だがそれは望み通りとも言える。

手に持っていた灯油缶をすっぱりと切り裂いて
周囲に大量の灯油を溢れさせたのだ。

「くらえっ…!!」
残った灯油缶の中身をウーズに向けてぶちまける!


140 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/05(土) 13:52:36 ???
灯油缶はウーズに命中し、ウーズの体が油に塗れる

高圧放水による攻撃は続くが、ウーズが吸い上げ、放水している水にも灯油が混ざりだしている


141 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/05(土) 14:14:04 ???
>>140
「ぐううう…!!」
放水で吹き飛ばされそうになるところをぐっとこらえる。
だが、吐き出された水から灯油の匂いがすることがわかった。

(要するに…あいつの腹の中は
 灯油が混ざって…)
今しかない…
みずきはそう思ってぶら下がっていた電気コードを掴んだ

(悪いけど…逃げ場はもう…ない!)
そう思って地面に向けて

「今度はアンタも焼ける番だぁぁあ!!」
バチバチとはじけている電気コードを灯油が混ざった地面へと近づけた。


142 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/05(土) 17:18:18 ???
周囲が炎の海に包まれる

ウーズもみずきも炎に包まれる
炎に巻かれながら、ウーズはみずきの元へと走り出す

人間の肋骨だったものが中世の拷問具のように変化する
みずきの体にウーズの骨が突き刺さり、捕縛される
ゲル状となったウーズの肉が、炎から逃れようとしてるのか
みずきの体内に侵入しようとする


//そろそろ〆となってもよろしいでしょうか


143 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/05(土) 20:40:54 ???
>>142
「ぐうううう!!!」
みずきの身体も炎に包まれている。
全身を激しい痛みが走る。
が、

ザグゥッ!!

「ガフッ…いだっ…あっ…!」
激しい痛みが全身に刺さる。
胸や腹などに骨が突き刺さっていく。

「食わせて…たまるか…
 がああああっ!!」
だが自分の体内にはいろうとするウーズを見て、
必死で口をふさごうとする。
これが最後の抵抗だ。
必死で両手を使って塞ごうとし続ける。

//了解ですよー


144 : ◆XksB4AwhxU :2015/12/05(土) 20:57:47 ???
炎が鎭まり、静かになった一室で、一つの人影が動く
体の一部が炭化するほどの火勢を浴び、肺が煤けるほどの煙を吸い込んだが、
この不死の少女は生きている

四つん這いになるように体を起し、口から多量の吐瀉物を吐き出す
体内に侵入を許してしまったウーズの肉片だった
溶けた肉のようになったそれは、完全に沈黙している
少女の体内に逃げ込んでも生きることはできなかったのか、
それともナノマシンの自衛機能か

体に刺さったウーズの骨、胸に刺さった丸鋸の刃、体に食い込んだ金属片を
痛みに呻きつつも取り除いていく


また服を探さないと
それより喉が渇いて死にそうだ
水たまりの中でみずきはそんなことを思った


//お疲れ様でした
//前回のゲームに続いてお付き合いくださりありがとうございます

//なるべく単調な責めにならぬよう気をつけたつもりでしたが、結局最後の方は何かを撃ちだしてばかりでした。
//楽しんでくださったなら幸いです
//こちらは楽しかったです

//また何か新しいモンスターを思いついたら、参加するかもしれません。では、また


145 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2015/12/05(土) 21:12:56 ???
>>144
「ぐごがっ…ああああああ…」
何度も炎に焼かれ、体の一部が炭へと変わりながら…
ようやくほのおが燃え尽きていった。


しばらくしてぴくっと、体が動く。

「うっ…ぐふっ…ごぼっがふっ…!」
強烈な嘔吐感が喉を走り、勢い良く吐き出したのだ。
ウーズは体内に入りこんだらしい。だが、大量の熱が体内に入りこんだのだ。
もはや生きてはいないだろう。

「…ははっ…どう・・・だ…
 私は…これくらいできるんだよ…」
そういって
「うぐっ…ぐっ…」
悲鳴を上げながら体中に突き刺さった異物を取り除いていった。
ようやく自由になれた。

(…とりあえず…
 飲み物は無事かなぁ…)
だが、体内は著しく乾いている。
ゆっくりと体を起こし、無事な服と、飲み物を探しに行くのであった。

//わかりました。なかなかいいリョナが多くてよかったですよ!
//こちらこそありがとうございます。
//またいずれ!


146 : 御坂美琴 ◆xAulOWU2Ek :2016/01/13(水) 00:58:37 ???
麦野とプロレスを希望
こちらが関節に受けで
無様に敗北する感じで


147 : 御坂美琴 ◆xAulOWU2Ek :2016/01/13(水) 01:01:13 ???
完全によ


148 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/25(月) 18:53:07 h2Br0Vzc
やろうにも自分はよく知らないきゃらです…


こちら側でも新キャラを早速リョナらせたいと思いますが、
どなたかいらっしゃいましたらぜひお願いします。


149 : 名無しさん :2016/01/30(土) 23:11:54 bYjikr1s
責めキャラスレに新キャラ 悪魔の本を投稿したので、相手を募集します

設定的に短め、10から20くらいのレス数で終了させる予定です


150 : 名無しさん :2016/01/30(土) 23:13:02 ???
短めにするつもりなので複数同時進行もOKです


151 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 00:41:33 Q.n2S.zk
>>149-150
自分のキャラで良ければぜひ


152 : 149 ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 10:02:42 ???
>>151
やりましょうか
導入は古本屋なり、本を拾うなりなんでもよいのでお任せします
表紙や本の形態はそのキャラが手にとってページを開いてしまうものということで

ほかにも参加者お待ちしてます


153 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 10:09:00 Q.n2S.zk
>>152
わかりましたー。
ひとまずは、道端とかで本を拾うという感じでもよろしいでしょうかね


154 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 10:17:32 ???
>>153
導入部はお任せしますので、どうぞ


155 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 10:20:20 Q.n2S.zk
>>154
【では今から導入部に】

ここはいつもの通り道。
イリアは自分のいつもどおりの格好など気にとめることなく
家路につこうとしていた。

「…喜んでくれる、かな。」
久しぶりに外で買い物をしようと思い立ったのは
みずきのことを考えてでもある。

イリアはちょっとだけ近道をしようと路地裏を通ろうと考えているようだ。
そこに何があるかは彼女も知らないこと。


156 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 10:32:12 ???
路地裏

エアコンの排気熱とゴミが一層陰鬱とした雰囲気を作る
そこに、不釣合にポツンと置かれた一冊の本

誰に作られたか定かではないが、魂と命と、力を持った本

(誰か、いや、ナニかが来たのか?)

人間の女、にしては少し様子が異なる
だが、それが何だろうと人間に近い存在なら大した違いはない

自らの装丁を相手の興味が惹きそうなものへと変化させる

(さあ、オレを開け)

【よろしくお願いします】


157 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 10:39:42 Q.n2S.zk
>>156
「…妙な声がする…」
彼女は人の心を持ってはいるものの
人の手によって生み出されし異形。

だが、その路地裏の謎の声ははっきりと響いて聞こえた。

「…これ」
本の装丁を確認すると
それは、自分の大好きなみずきがずっとほしいと思っていた
小説の装丁とよく似ていた。

「……ちょっと中身を、
 見ておこう」
もしかしたらこれが欲しがっていた小説かもしれない。
そう思って彼女は何気なく本を開いてみる…


158 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 10:55:08 ???
人間の女、ではやはりない
人間を模して作られたもの

なんとも悪趣味な代物か
だが、よくできている
(退屈しのぎにはなるか)

少女が本を拾い上げ、表紙に手を触れ、そしてページを開いた
開いた本の真ん中に巨大な穴のような黒シミが存在する

そして、黒シミが歪に形を変え、コードのような触手が少女へと伸びる
上半身を絡め取られた少女は多少の抵抗を行うものの、強力な力で引っ張られ、
黒シミへと少女の体が吸い込まれていく

本に少女が喰われたとしか形容できない光景のあと、本だけが路地裏に残った


159 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 11:01:34 Q.n2S.zk
>>158
「…!」
本を開いた瞬間に、
何か不気味な感覚を感じたが…
それよりも早く本から飛び出してきた無数の触手に絡め取られる。

「はな…せ…!!」
抵抗も虚しく、彼女の身体は本の中へと吸い込まれ、
後には本が残るのみとなる。

…イリアが次に目を覚ますとき
辺りはどうなっているのだろうか


160 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 11:10:43 ???
獲物を引きずり込んだ
さて、どうしようか
そうだ。とりあえず針の山に落とそうか
体中を針で貫かれたあと、血を流しながら息絶えて
標本のように飾られる展開にしよう

『暗闇の中へ落ちていく女。その暗闇の底には餌を待つ雛鳥のように鋼鉄の針山が鎮座していた』

残りページ数:20

【『』の中が本に書かれた内容で、イリアに襲いかかるシチュエーションです。空を飛べるようなので回避なども自由に】


161 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 11:14:58 Q.n2S.zk
>>160
「…これは…」
暗い中をひたすら落ちていく少女。
だが、地の底には無数の針が存在しているようだ。

「平気…じゃないし…」
彼女の身体はあの程度では息絶えないが…
それでも遠慮したい。

ガシャッ…

ボゴォンッ!!

背中からウイングを展開して上空に向けてジェット噴射を行った。
ギリギリのところで針山は回避可能だろうが…

「ここは…どこなのかな…」
辺りを確認する。
それでも周囲の様子を確認するまでにはまだ時間がかかりそうだ。


162 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 11:29:00 ???
手応えがない
人間じゃないものか
小癪なやつだ
では、次はどうするかな
無理やり針山に引きずり込むのも美しくない

円盤状のノコギリはどうだろうか
それも一つでは足りないな
手始めに全身を切り刻んでやろう
それとも、他に何か武器でも持っているかな

『不愉快なモーターの駆動音と共に、暗闇の中からコウモリのように無数の機械駆動の丸ノコが少女へと襲いかかる。人間の手のひら大のそれは、致命傷は与えずとも数という圧倒的な暴力を伴ってくる』


163 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 11:33:25 Q.n2S.zk
>>162
ギュイイイイイ
「…!」
無数の丸ノコが不気味な音を立てながらイリアに迫る。

「こんなの…!」
少し驚いた表情を見せたイリアだったが、
それでもどうにか振り払おうと

バシュッ!!
右手の指から無数の弾丸を発射して弾こうとする。
幾つかは撃ち落とすことは出来たものの

ギュイイイイ
丸ノコの量は更に数多い。
ガキンっ、バシュッ

「くっ…あっ…!」
次第に身体に無数の丸ノコが斬りつけてくる。
彼女は機械にもかかわらず、あえて痛みを感じるように作られている。
致命傷には至らなくとも、段々と身体に傷を刻みこんでくる。
それでも機械であるためか、そこまで激しく傷を刻まれていないようだ。
少しずつ高度が落ちていってしまうが…!


164 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 11:45:23 ???
苦悶の声が聞こえる
いい気味だ
人でないもののくせに、人の真似事ができるようになっているらしい
次はどうするか

針山は、もう大して意味がないだろう

そうだ。熱さは感じるのだろうか
熱がいい。煮えた油を使おう
それだけじゃつまらないから上からも降らせて逃げ場をなくそう
人でないものでも、慌てるだろうか

『凄まじい熱気を帯びた蒸気が湧き上がり、少女の体を包み出すと共に暗闇の底から煮えた油が少女を飲み込まんと迫ってくる。空は見えぬが上空からも雨のように煮えた油が雨のように降ってくる』

残りページ数:19

【ページ数の変化は適当です】


165 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 11:55:26 Q.n2S.zk
>>164
「な…何…?」
痛みにこらえる表情を見せながら辺りを確認すると…
段々と熱さが伝わってくる。
下から何か熱いものが迫り来ているようだ…

「…まずい…かも…」
無表情のまま、今度は上空へ逃げようと空へ飛んでいくが

ジュワ…バシュウ…
「がっ…あつ…うっ…」
上空から降り注いでくる煮えたぎった油に
体中を焼かれ、先ほどの無表情から苦しげな表情へ変わる。

「こ…これくらい…で…」
煮えたぎった油から必死で逃げようとするも、
痛みに上空へ飛ぶことが困難になり始める…


166 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 12:04:15 ???
追い詰められ始めているか
このまま油に落としてやるのもいいが、それでは面白くない
逃げ道を準備してみるか
無論、それが平穏なものとは限らないが

『熱に悶えながら、少女は逃げる。少女の視界に、油から身を隠せそうな横穴が見える。横穴へ身を隠し、さらに奥に進んで油から逃げるか』


167 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 12:08:43 Q.n2S.zk
>>166
「…あれは…」
必死で熱から逃げようとしていた彼女の目の前に横穴が見える。
どうやら油から逃れることは出来そうだ…

「…ここよりは…いいかな…」
イリアはジェットエンジンを一気に蒸かして
横穴へと勢い良く飛び込んでいった。

どしゃっ
「ぐっ…ううう…」
どうにかして熱から逃れることが出来たが、
外に出るのは危険だろう。
イリアはそのまま奥を確認しながら進むことを考える。


168 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 12:15:40 ???
『少女の背後で、扉が閉まるような音が響く。油に襲われる可能性はなくなっただろうが、もう進むしかないだろう。狭い横穴を四つん這いのような姿勢になる少女の体へと電流が流れる。穴は少しづつ狭くなり、最後は匍匐の体勢にならなければならないが、電流は流れ続ける』

(一応続きは考えてあるが、途中で死ぬかもしれないな。どれくらい進めるかな)


169 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 12:25:15 Q.n2S.zk
>>168
「…うっ…
 にげ…ないと…」
背後から扉の閉まる音が響く。
この先は四つん這いの姿勢で進むしかない。

バリバリバリバリッ
「うあああっ!!!
 あぐっ…電流…痛覚…ああああっ!!!」
身体に流れ続ける電流に
イリアは激しい悲鳴を上げながら身悶え始める。

「痛みが…
 うぐっ…ああああっ…!!」
悲鳴を上げながらその先へと向かおうとする。
機械であるがゆえに、電気への痛みは他の人間を超える。
ショート寸前になりながらも、苦しげな表情を浮かべながら先へ。


170 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 12:35:53 ???
『狭くなる穴の道を進んでいく。匍匐前進のような姿勢になり、背中と腹は電熱で焼け焦げているだろう。やがて、少女は広い空間へたどり着く。無機質な、白で包まれた体育館のような広さの空間。少女が壊れることなくここにたどり着けたら穴は塞がり、再び少女は孤独に空間に取り残される』

(さて、壊れることなくたどり着けるかな)

残りページ数:18


171 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 12:42:26 Q.n2S.zk
>>170
「がっ、あああっ
 ううっあああっ…!!」
激しい痛みに悲鳴を上げながら、広い空間へとひたすら進んでいく。
体中の配線を引きちぎられそうな痛みを受けながら、
どうにか…・

「あっあああ…!」
身体が壊れると思われる直前で
広い空間へとギリギリで辿り着いた。

「…あっ…ぐっ…」
まだ身体に残る電気のせいで
倒れこんだまま、ビクビクと身体を痙攣させる。

「ナノ…マシン…
 修復を…あっ…ぐっ…」
傷の修復のために体をしばらく動かすことが出来ないと思われる。


172 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 13:42:58 ???
動く気配がない
だが、壊れたわけでないらしい
よく見るとなにやら治っていっているのだろうか
まずは試しと

『床がバネか生き物のように隆起し、少女は天井へ叩きつけられる。また床に落ちても再び蠢く床によって天井や壁へと叩きつけられる』

残りページ数:17


173 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 13:49:51 Q.n2S.zk
>>172
バシィッ!!
床が勢い良くバネのように飛び出して、

「あうっ!!」
イリアの身体は天井へ吹き飛ばされ
バゴォッ!!

「がはっ…あっ…」
天井へ激しくたたきつけられた。
目を見開き、激しく悲鳴を上げてから
地面へ落下していく。

だがそれでも容赦はしない

ボゴッ! バゴッ!! ドゴォッ!!

「がぁっあっうぐあっあぐぅぅっ!!」
何度も何度もアチラコチラへと身体をたたきつけられ、
体中の痛みが収まることがない。

「…こ、こんなっ…がっ…!」
なんとかこの状態から逃れようと、必死で背中のジェットを噴射して地面から逃れようとしているようだ。


174 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 13:57:44 ???
空中に浮かぶことで現状から逃れようとしているか
そして、やはり相当に壊れにくいようだ

『天井、床、壁に穴が開き、そこから数十の鎖が放出され少女を捕らえようと迫る』

残りページ数:16


175 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 14:15:07 Q.n2S.zk
>>174
「何っ…うっ…」
ジャラジャラと無数の鎖が放出され、そのすべてが彼女を捕らえんと迫っている。

「にげ…」
彼女は鎖から逃れようとしたが、流石にこの無数の鎖の前では避けきれるはずもない。

ジャラジャラジャラ

「うっ…こいつ…あっ…!」
まず足に鎖が絡みつき、そしてその一瞬をついて両手に鎖が巻き付いてくる。

「ああぁっ…!!」
イリアの身体は大の字に縛り上げられ、まるで空中に磔にされたかのような姿になった。
胸も握りつぶされん程の勢いで締めあげられる。

「がはっ…はっ…」
呼吸が必要なわけでもないのに
彼女は苦しいという感覚を覚えている。
いずれにしても彼女は、もはや脱出ができない。
まるで処刑を待つ罪人のように宙に固定されていた。


176 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 14:28:24 ???
『鎖に混じって数本のロボットアームが現れ、捕らえられた少女へと伸びていく。二の腕、太腿をつねられる。豊満な乳房を乱暴に掴み、捩じりながら引っ張られる。口をむりやりこじ開けられて舌が引きちぎられる寸前まで弄られる』


177 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 14:35:27 ???
>>176
少し訂正

捕らえた
ダメージは蓄積されているらしい
少しばかり弄んでやろう

『鎖に混じって数本のロボットアームが現れ、捕らえられた少女へと伸びていく。二の腕、太腿をつねられる。豊満な乳房を乱暴に掴み、捩じりながら引っ張られる。口をむりやりこじ開けられて舌が引きちぎられる寸前まで弄られる』


178 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 14:36:15 Q.n2S.zk
>>176
「うっ…いたっ…」
何本も現れたロボットアームが
イリアの身体をつねり始める。
まるで人肌のような柔らかい肌はある程度伸縮を行うようだ。

「うああっううっ…あっ!!」
彼女の乳房もそのボリュームにふさわしく
柔らかく、激しくねじれながらちぎられそうだ。
特に痛いのだろうか、今まで異常の苦しい表情で首を激しく降る。

「ぐあっうぁっはっ…」
更に自分の下も引きちぎられそうになるほどに引っ張られる。
涙がこぼれだしているのも確認できるのだ。
ロボットではあるが、まるで人肌のような質感を持つ舌はまるで本物のようだ。

イリアは両手足をふろうとするが、がっちり固定されていてそれもこんなんだ。
ただ身を捩らせ、嫌らしく身体をくねらせるだけだ


179 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 14:53:56 ???
涙まで流している
どこまで人を模せば気が済むのか
先ほどの電流で随分なダメージを受けていたな

『少女の体を捕らえる鎖に電流が流れる。舌を掴まれた少女は苦悶の声すらあげることはかなわないだろう。鎖で締め付けられ、体があバラバラにされそうな苦痛、体を弄ばれる苦痛、電流による苦痛の3重の苦しみを味わい続ける』

意識を失ったりしたら次の段階を考えよう。その前に壊れるかもしれないが

残りページ数:12


180 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 15:01:51 Q.n2S.zk
>>179
バリバリバリバリバリ!
「!!!っ…!!!!
 ぁ…!!!!」
全身を激しく走る電流。
拷問の如き激しい責めは、イリアの身体から無数の煙を上げさせる。
折れんばかりに両手足をピンと張り、のけぞり続ける。
激しく揺れる胸は握りつぶされそうなほどの力だ。

そして体中を弄ばれ、締めあげられ、今にも体中を壊されそうだ。

「がふっ…ふぅっ…!
 うっ…ふうううっ…!!」
思考回路が焼ききれそうなところを体中のナノマシンが治そうとする。
それこそは彼女の不幸。彼女は壊れることも、気絶することすら許されずに
苦痛を喰らい続けるのだ。

「はぁっ…あっ…」
目が虚ろになり始める。
意識が混濁しているのだろうか…


181 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 15:11:35 ???
責め苦が行われてから数時間が経とうとしているか
体中から煙が上がり、壊れかけたり、意識を失いそうにもなるが寸前で止まっている

これでは物語が進まない
次の段階へ行こうか

『少女の体からロボットアームと鎖が離れていく。首に絡まった鎖だけは残り、少女は首吊りの格好となる。天井が大きく開き鎖が少女を伴って移っていく。首を絞められた状態のまま少女は別の場所へと連れて行かれる』

残りページ数:11


182 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 15:16:50 Q.n2S.zk
>>181
「あ…ぐぁ…っうぇ…」
全身を壊されかけたまま、イリアは別の場所へと連れさらわれていく。

首を絞められたまま吊り下げられたイリアの身体は
まるで人形のように力なくブラブラと揺れながら垂れ下がっている。

「…あぐっ…ぐっ…」
呼吸を必要としないにもかかわらず、
首を絞められた苦しみが彼女を延々と苦しめ続ける…
時々生体反応のごとくビクビクと身体が震えているようだ。


183 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 15:25:03 ???
そうだ
人を模して作られたもの
それを壊すなら、然るべき方法があるだろう
なぜそのことに早く気付かなかっただろうか

『壊れかけた少女は工場のような場所へ運ばれる。首に絡まった鎖が外され、代わりに少女の体を複数のロボットアームが拘束し、金属製のベッドに仰向けに寝かせられる。大の字になるように四肢と体と頭を金属製のロックで固定され、手足の指もパーの形になるように固定され、文字通り指一つ動かせない状態にされる』

残りページ数:10


184 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 15:28:35 Q.n2S.zk
>>183
「…あっ…ぐっ…
 なに…」
ようやく混濁した意識が元に戻り、
気がついた時には完全に固定されてしまっていた。

文字通り身動き一つ取れない。
四肢を完全に動かせない状態だ。

「…だめ…
 まだ…!」
イリアは身体の中にあるエンジンなどの機能を動かそうと試みる。
ナノマシンの修復が追いついていなければまるっきり動かせないだろうが…


185 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 15:36:08 ???
『少女を固定した金属のベッドはベルトコンベアの上に載せられる。機械が作動してベッドと少女が移動していく。その先には多数のロボットアームが順序よく並んでいる。それらが持っているのはドライバー、ノコギリ、ブレーカー、レーザーカッター。機械を解体するためのあらゆる道具が仕事の順番がくるのを待っている。』
『まず、少女の手足の指が順に外されていく』

【頭は手をつけないつもりですが、それ以外でNG要素があれば言ってください】


186 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 15:41:49 Q.n2S.zk
>>185
「…ぎぃっ…ああっ!!
 ぐあぁっ…!」
指を順々に外される痛みは想像を絶する物がある。
彼女を形成する金属骨格も
関節部分はうまく外されていく。

「あぐぅ…!!
ぎぃっ…!」
必死で抵抗しようにも全身を固定された彼女にはどうしようもない。
どうにかならないかと体を動かそうとするが。
それも無駄なあがきなのだ。

【一応、完全粉砕でなければある程度は問題なしです。顔以外は。】


187 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 15:45:23 ???
『少女の苦悶が工場内で響くが、ロボットたちは作業をやめようとはしない。再び金属のベッドが移動する。チェーンソウのような電気駆動の刃を持つロボットアームが少女へと迫り、手足を切り落とそうとする』

残りページ数:6


188 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 15:49:40 Q.n2S.zk
>>187
ギュイイイイイイ
無慈悲な機械音が彼女に迫る。

ギギギギギギギギ
「アアアアアアアアアアアアアアアア!!」
手足は火花を上げながらチェーンソーのような腕に切り落とされていく

バシュゥ、ブシュウウ

「がああああああ!!
 いや、いやあああああああああああああ!!」
彼女の身体を流れる液状のエネルギーが手足から溢れ出す。
体液は空気に触れた瞬間から劣化し、まるで血液のように赤黒く染まる。

「ぐううううううう!あああああああああ!!」
それでもちぎれた配線は修復を開始し、
なおもナノマシンは彼女の身体を保とうと恐るべき速さで治ろうとする。
彼女は涙のような液体を目から発しながら激痛に狂う。
狂うほどに悲鳴を上げながら身体をビクビクと跳ね回らせる。


189 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 15:58:44 ???
血、とは少し違うらしい赤黒い液体が漏れ出している
だが、切られた端から修復が始まっている
俺よりよほど不思議な存在ではないか
これは
中身はどれくらい人間に近づけて作られているのだろうか

『悲痛な少女の叫び声をBGMにして工場は稼働する。切り落とされた手足と指がいずこかへ運ばれていくのを少女は目撃する。金属ベッドが動き、四肢を失い達磨と化した少女の腹を電熱カッターが割かんとする』


190 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 16:05:09 Q.n2S.zk
>>189
「うあああ…
 やめて…やめてえ…」
身体の修復を続ける中でも
切り落とされた四肢は何処かへと運び去られる。
これでは新しい四肢の生成が必要になり
もはやこの間の修復はできないかもしれない。

更に迫り来るのは、電熱カッター。

ガリガリガリガリガリ
「げはぁっ!?
 あがあああっああああっごはっげほっがはっあぐあっがあああああ!!」
電熱カッターが彼女の腹を容赦なく突き刺し、裂き始める。
ここからも液体が激しく溢れだし、彼女の身体を染める。
火傷のようなシステムがないためか、傷が塞がることはない。

ガクガクガクガクガク
「うげあっあがあっげはっ…!!」
激しくイリアの身体が震え始める。
まるで引き裂いていくカッターに連動するかのように。

身体の中には無数のパーツがまるで内蔵のように配置されている。
人体を再現するかのように複雑な機構だ。


191 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 17:01:31 ???
なんとも奇想天外なやつだ
だが、俺はこいつのことが気に入ってきたかもしれない

『精密作業用のピンセットのような指を持つロボットアームが少女の腹の中を探り、パーツを抜き取っていく。その度に部品の名前を読み上げる機械音声が響き、少女に自分が解体されていく事実を突きつけていく』

【後頭部の開口などは大丈夫でしょうか】


192 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 17:13:10 Q.n2S.zk
>>191
バギッ
    グシっ
         ゴキャ
ズリュ
「ごふっ…ごっ………ぐっ………おっ…ぐぇ…」
内蔵を抉るように、次々と腹の中のパーツを抜き取られ
ぶちまけられていく。もはや激痛のみしか彼女を支配していない。

ビクビクと、彼女の身体は痙攣しながら悲鳴を吐き出し続ける。

「うううっ…ふううっ…ふううう…! …ううっ! 
…うっ!…うふうっ!」
悲鳴が止むことなく苦痛に体が反応を重ねる。
まさしく不死身。機械らしいとも言える強靭さだった。

【頭が破壊されなければギリギリで】


193 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 17:22:41 ???
かわいいやつじゃないか

『抵抗する手段をなくし、達磨と化した少女の胴体を無造作にロボットアームが掴み、持ち上げる。少女の後頭部にドリルで穴が開けられる。その穴からおそらくは脳に相当する部分へとコードが潜入する
少女に向かって”俺”は語りかける
「お前のことを色々知りたくなったぞ」』


194 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 17:26:19 Q.n2S.zk
>>193
「あがっ…う」
人形のように垂れ下がった少女の体を持ち上げるアーム。
と、

ガリガリガリガリガリ
「うああああああっああああっ!!」
後頭部に穿たれる。そして何かが…

「はあっああっ…」
彼女の頭のなかに侵入したコードから
直接声が聞こえてくる。

「な、なにこれぇ…
 あ、頭が…頭のなかに…こえが…」
ゲホッゲホッ、と口から液体を吐き出しながら
響いてくる声に恐怖し怯え始めた。

彼女がいかにして作り上げられたかが、語りかける声に情報として響く…


195 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 17:39:42 ???
ファイリクサス、いや、龍ヶ崎イリアか
”名前”がわかった
これで、こいつはもう俺のものになったと言っていい
ページ数も残り少なくなってきた
だが、こいつとここで終わるのは少々惜しい

そして、龍ヶ崎みずき、か

『名前を知られた少女はには、最早自分の意思など関係もなくなる。この空間において”俺”の所有物となったのに等しい
”俺”は龍ヶ崎イリアに問いかける。
「残りページも少ない。ここで終わるか、それとも俺のおもちゃになりながらも、みずきとこれからも生きることを選ぶか」と』

残りページ数:2


196 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 17:46:44 Q.n2S.zk
>>195
「……………」
彼女の意思には関係なくなっていく。

このまま終わることはやすらぎだろうが

だが、彼女の意思は無関係にある選択をした。


「み、ず、き…
 と…いき…る…」
彼女はまるで苦しむことを選ばされるようにその選択をする。
このままおもちゃにされ続けることがわかりつつも

何故そうしたのかが

彼女にはわからない。


197 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 17:55:19 ???
チキチキ…チキチキ…
その間にも、龍ヶ崎イリアの電子頭脳から様々な情報を吸い上げていく

『龍ヶ崎イリアは生きることを選んだ
「ならば龍ヶ崎イリア。俺に名前をつけるんだ。
俺もいつまでもただの本ではな。
俺に名前をつけること。それが”契約”になる
何、そう怯えることはない。むしろ悪い話じゃない。
お前はこれからもみずきと一緒にいればいい。
俺はお前が気に入ってるんだ。
お前に害を為すものがいれば、俺が助けてやることもやぶさかじゃあない。
ただ、退屈を紛らわせてくれればいい」』

残りページ数:1

【ちょっと後半好き勝手しちゃいましたが、そろそろ締めにします】


198 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 18:25:41 Q.n2S.zk
>>197
「なまえ…
 なまえ…
 名前は…」
情報が吸い上げられているが、
どうやらこれ異常の害を持つことはないらしい。
そして…

彼の名をつけろと言われて、
最後にイリアはつぶやいた。

「…名前…
 サクリファイス…
 それが…名前…お前の…」
すべてが繋がったせいなのか
先程までショートしそうなほどに混乱していた心は
不思議と落ち着いていた。

【ありがとうございました。】


199 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 19:41:40 ???
サクリファイス
そうだ
今日から俺は"サクリファイス"だ

『「契約は成った」
イリアを掴んだロボットアームが移動する
イリアの真下に広がるのは、多数の刃が扇風機のように回転する巨大な粉砕機
アームの手が少しずつ開き、イリアは命を乞う叫びを出す
アームが完全に開き、イリアの体は粉砕機へと落ちて』

残りページ数:0


強制的にシャットダウンされたような感覚のあと、イリアは意識を取り戻した
あの路地裏
切り落とされた手足も指も無事で、システムも異常はない
それより、イリア自身なぜ自分が異様な恐怖感を抱いているのか理解できなかった
(サクリファイスによって、あの空間で起こった出来事の記憶をデリートされたからだが)

みずきのところに帰ろうとするイリアの視界に、一冊の本が目に留まる

"サクリファイス〜とある機械少女の耐久テスト 解体記録〜"

なぜだかイリアは、それを持って帰らないといけない気持ちになった


【ありがとうござました。少しでも楽しんでもらえたなら幸いです。最後はやっぱりメカ娘ならチキチキはいるかなと】


200 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 20:21:07 Q.n2S.zk
>>199
「うあ…ああ…
 やめてやめてやめてやめて…
 やめ…」

ゴシャッ…




「…ん、はっ!」
一瞬で元の路地裏に意識が戻った。

「夢?…機械の、私が…?」
果たして機械である自分が眠るなどありえるのか、
だが、何か恐ろしい経験をしたということだけははっきりと感じた。
…何なのかは忘れてしまったが

「…そうだ。
 早く帰らないと…
 心配してる…」
そう言って自分が抱えていた荷物を再び持って帰ろうとしたところで…


…一つの本が目に止まった。
「…なんだろう…
 この本は…」
何故か、その本を持って帰りたいと思ったイリアは

「…ちゃんと持って帰らないと…」
そう言って本を手に取り、そのまま帰路につくことになった。

果たしてその本は何なのか…彼女にはわからなかった。
【こちらこそありがとうございました。
 結構スムーズに進んで良かったです】


201 : ◆XksB4AwhxU :2016/01/31(日) 20:54:58 ???
改めてありがとうございます

中途半端でも終えられるように本という設定を考えたものの、ページ数消費が適当すぎましたね
自分の好きなようにやったので、次は相手の希望シチュに沿って展開できるように考えたいです


202 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/01/31(日) 21:03:55 ???
>>201
了解です。
これからもまたお願いします。


203 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/10(水) 03:09:40 ???
一日一レスくらいのペースでよろしければ、どなたか絡んで頂けないでしょうか。
不死性のために常人なら数十回は死ぬような極端な責めを受けたいです。
オリキャラですが、キャラ詳細は受けキャラ詳細スレの35にありますので、目を通しておいて頂けると幸いです。


204 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/10(水) 14:51:20 ???
>>203
責めキャラスレのホムンクルス連中などでよろしければ、どうでしょうか。


205 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/11(木) 02:44:49 ???
>>204
是非ともよろしくお願いしますー

受け手に対して何かご注文があれば気軽にお願いします。

何かやりたいシチュエーション等ございますか?


206 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/11(木) 02:51:38 ???
>>205
そうですね〜。
シチュエーションですが…

ひとまず場所は人気のない駐車場あたりでいいでしょうかね。
…導入部分では

別の女性がなぶられてるところを止めに入るなどと言った感じでどうでしょう。

…その場の思いつきで、責めキャラスレに描いてない新敵も出たりするかもですが、いいでしょうか?


207 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/11(木) 03:51:48 ???
>>206
いいですね!

それで、後々よりリョナ向きな場所へ移動していくといった感じでお願いしたいんですが……ホムンクルスの巣やらヒロインをリョナることだけを目的に創られた異世界みたいな……

なぶられてるのを止めに入るのいいですね〜、青い正義感が垣間見えて……

新敵は全然OKですよ!

どちらが書き始めますか?
ホムンクルスのイメージを掴みたいので(言葉を話すのか、どんな能力を持っているのかなど)できればお願いしたいのですが……


208 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/11(木) 09:15:24 ???
>>207
それもいいですね。
場所変えはやってみたいと思います。

じゃあこちらから先に書き始めようと思いますので少々お待ちください。


209 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/11(木) 11:30:34 ???
>>208
よろしくお願いします〜

そういえば、里香は学校の制服姿になる予定ですがそれでも構いませんか?


210 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/11(木) 11:43:01 ???
>>209
構いませんよ。むしろお願いします!

とりあえず投下してみます。





…深夜、人気がすっかりなくなった地下駐車場…
あまり人が使わないため、ここは恐ろしい怪物が潜りこむことがある

そして、その怪物に羽をむしられる哀れな蝶もいるのだ


「あっ…がぁっ…あああっ…」
駐車場の柱に、四肢を蜘蛛の糸で磔にさせられた少女がいる。
見る限りでは学生のようだ。
その彼女の顔は、アイドルといえるくらいに可愛らしいものだったが
涙をこぼして、首をグラグラ揺らしながら苦しんでいた。

「キキキキ…キキキキ…」
なぜならば、彼女を不気味な蜘蛛のホムンクルス、『デスパイダー』が何時間も慰み者にしていたからだ。
言葉は介さないが、彼女の表情を、悲鳴を、痛みを与える度に発する反応を楽しんでいるのがわかる。
この怪物は彼女の悲鳴を嬉しそうに聞きながら、何度も何度も鋭い足で身体を突き刺していたのだ

ザグッ
    ブシュッ
「うああっ…ああああっ…
 たすけ…だれか…」
彼女の身体には痛みを増幅させ、死ににくくさせる毒を回らせていた。
まるで侵食されるかのように、身体のあちこちの血管が紫に染まっている。

人形を弄ぶように、この不気味な怪物は
獲物をじっくりと痛めつけていたのだ。

……この駐車場には、まだ恐ろしい怪物が何匹も潜んでいるのだろうか…


211 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/11(木) 13:16:13 ???
>>210

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

人気のすっかり無くなった道を、制服姿の少女が急いでいた。
少女の名前は村山里香、見たところは何の変哲もない平凡な女子高生だ。
ただ一点を除いては……。

(この辺……! この辺で……誰かがひどい目にあってる……!)

里香は、この世ならざるものの存在を感じることができた。
確かにこの辺りからそれを感じるのだが……

(ここだ! ……え?)

それはとあるビルの地下駐車場だった。
里香は駐車場へ通じる扉に手をかけ、躊躇うことなく開いた。
それと同時に、助けを求めるか細い声を里香は聞いた。

「うぅぅ……だ、だれか……たすけ……」

(や、ヤバい! 急がないと!)

どうやら状況は里香が考えていたよりずっと悪いらしい。
里香は階段を一段飛ばしで駆け下る。
しかし、そこで里香の見たものは俄には受け入れがたいものだった。
蜘蛛形の異形と、駐車場の柱に蜘蛛の糸によって四肢を磔にされ、身体を幾度もその足に貫かれている少女。
少女の身体は所々毒々しく紫色に染まり、生きているのが不思議な程の傷を負っていた。

「うあぁ……たすけて……」

「大丈夫、大丈夫だよ! あたしはあなたを助けにきたの!」

里香はそう気炎を上げた。
しかし、里香は気がついていなかった。
異形の気配が、他にも複数あるということに……


【それでは投下します。無理のない範囲で進めて行きましょう】


212 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/11(木) 13:26:17 ???
>>211
「がっ…あっ…たすけ……」
少女は、助けに来た人の姿を見やった。
間違いなく生きているが、その顔は心を壊される手前にも思える。
柱には彼女の血が大量につたい、根本に血溜まりを作りあげていた。
「ギギ…?グギイイィッ!!」
蜘蛛のホムンクルスも声を聞いて振り向いた。
自分の楽しみを邪魔されたと思い、声のした方に脅すような声を上げるが

「ギ…?ギュ…?……キキキ…キキキキキ!」
怒るような声は喜ぶような声に変わる。
どうやらこの怪物は、先程まで襲っていた少女に飽きを感じていたらしい。
何度も傷めつけた結果、元気を失い、悲鳴も弱くなり始めていたことが理由だ。
目の前の元気な少女を見て、新しい慰みものを見つけたと喜んでいるようだ。

デスパイダーは、先程まで苦しめていた少女を放置すると、
彼女に相対して、大きく背中の蜘蛛の足を動かし始める。
口元からは粘ついた糸を少しずつこぼしている。
ややかがんだ姿勢をしており、今にもこちらへ跳びかかってきそうだ。

…ガサッ…
人には聞きづらい、コソコソと動く音が周囲からわずかに響いた。

【了解です。】


213 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/12(金) 00:44:40 ???
>>212

「今のうちに! 逃げて! 早く!」

里香は少女の動きを封じていた蜘蛛の糸を力任せに解いた。
しかし、少女は己の血だまりに倒れこんだまま硬直している。
無理もない、人間の限界を超えた責めをつい先ほどまで受けていたのだから。

「うう……、や、やば……」

(どうにかして、あたしがこの娘を守ってあげないと……)

デスパイダーは無機質な複眼でじっと里香を見据えている。
この怪物の興味が少女から自分に移ったことは明白だ。
里香は傍らに横たわっている少女に尋ねた。

「大丈夫? 歩ける?」

「うえぇ、うええぇ……」

しかし、少女は幼子のように泣くばかり。
自分が解放されたことを認識しているかどうかすら疑問だ。
里香は改めて目の前の異形に目をやった。
今にも飛びかかってきそうな姿勢をとっている。

(逃げないと……でも、どうやって……)

だが、里香は自らが彼らの罠にかかり、囲まれていることに気が付いていなかった。
この時点で既に逃げるという選択肢が失われていたのだが、里香はそれをまだ知らない。
デスパイダーが里香に襲い掛かった。


【遅くなりました、申しわけありません】


214 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/12(金) 00:59:40 ???
>>213
「グギイィィィイ!!」
もうすでに食い散らかした蝶に興味はない。
デスパイダーは新鮮な獲物に一気に近寄ってくる。

「ギギギギギ!!」
蜘蛛の糸を吐き出して拘束しようとしているようだ。
一応、戦闘慣れしているならば避けるのは容易いだろう。


「…ギュゥゥゥ?」
一瞬視線が里香から外れて後ろを見たように見える。
だが…獲物に視線は戻ってきたようだ。

ガサ、ガサガサ…

里香のいる場所の後ろから、アリの頭部を持った不気味な怪人が何匹か現れ始める…
一匹は強靭な拳を持ち、もう一匹は縄と杭を持っている。さらにもう一匹は四本の腕にナイフを持ち、それぞれが獲物を定めている…

たとえ目の前の蜘蛛の怪物を仕留めたところで…
彼女に逃げ場はない

【気にしないでいいですよ】


215 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/12(金) 04:06:15 ???
>>214

「ううっ、クソっ!」

デスパイダーが急に近寄ってきたため、里香は身構えた。
里香は格闘技はかじったことがある程度だ。
だが、度重なる異形との戦闘により、実践には慣れているつもりでいた。

(くぅ……あたしも糸で捕まえる気!?)

しかし、里香にとってもその程度なら見切る自信があった。
不意にデスパイダーが里香から視線を外した。
残念ながら、里香はそれに気付きこそすれど違和感を抱くには至らなかった。
獲物を狙う蜘蛛が、気を緩める筈はないというのに……

デスパイダーの視線が再び哀れな蝶に注がれる。
ただ眼前の敵のみを見据えている里香に、背後を気にする余裕はなかった。
里香の後ろから、音も立てずにアリの頭を持つ異形が数体現れた。
それぞれが、凶器となりうる武器を持っている。

(早くあの女の子を助けてあげなきゃ……)

里香の脳みそは、如何にして少女を救うかということに稼働させられていた。
しかし、この状況で妙案など浮かぶはずがない。

そして、里香の背後にはアリの頭を持つ異形が待ち構えている。
里香は彼等に未だ気づいていないし、彼等が動き出す気配もなかった。

「来ないなら、あたしから行くよ……やあああぁぁぁ!」

地下駐車場に里香の声が響きわたる。
里香は拳を固く握りしめると、自分を見つめているデスパイダーに殴りかかった。


【レス早いですね! 恐縮です! ちなみに、アリの怪人たちもホムンクルスという認識で合っていますか?】


216 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/12(金) 06:27:55 ???
>>215
じっと見つめていたデスパイダーは、
不意に抵抗を試みた少女のパンチを…

「ギィッ!」
割とあっさりと食らってしまった。
ここにいる個体は、戦闘慣れしていないということだろうか、
思ったより大したことのない相手のようだ。

このまま追撃を仕掛けることができれば仕留められるかもしれない…
が…

ヒュオッ!!

不意に後ろから、頑丈な縄が飛んで来る。
その縄は彼女の四肢のいずれかに勢い良く巻き付いてくるかもしれない。

もし巻き付いてしまったら、そのまま勢い良く引きずられ…
アリ型のホムンクルスたちの元へと引っ張られるだろう。

【いえいえ、記述不足ですいません。
 そちらもホムンクルスです。】


217 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/12(金) 10:17:06 ???
>>216

「ギィッ!」

(よし、効いてる!)

意外にも簡単に拳がデスパイダーにヒットし、里香は表情を綻ばせた。
なんだ、あまり大したやつじゃなさそうだし、どうにかなるかもしれない……
里香の心に余裕が生まれた。

(このままこいつをやっつけて、この女の子を助ける……!)

里香は再び半身に構えると、デスパイダーを追撃すべく拳を握り締めた。
そして、大きく振りかぶってデスパイダーに殴りかかる。
だが……

ヒュンッ!!

里香の背後から荒く頑丈な縄が飛んできた。
それは里香の利き足である右足に巻き付き、里香の攻撃を阻止した。

「うっ……! な、何……!?」

それだけではない。
里香が背後を振り返る間もなくその縄が思い切り引かれ、里香は足元を掬われた。
支えを失ったようにして前方へ倒れ込む里香。

「あぐッ!!」

その際に頭部をコンクリートの地面に強打し、血が流れ出た。
縄を投げた、アリの頭を持つホムンクルスは釣果に満足することなく強い力で縄を引いた。
里香が地面をアリの怪人たちのいるほうに向かって引きずられていく。

「ううッ……」

里香は引きずられながらもどうにか身体を返した。
そして周囲の状況を確認しようとするが……

「なッ、い、いつの間に!?」

そこにアリの頭を持つ異形がいることに驚愕する里香。
存在を眼で確認するまで、本当に気がつかなかった。

(ヤバい! 敵の数が多い!)

里香はアリ型のホムンクルスの足元にまで引きずってこられてしまった。
その数、恐らくは三体……いや、もちろんそれ以上いるかもしれないが……
蜘蛛型のホムンクルスと合わせて、少なくとも四体。
里香は、たった一人でそれを相手取らなくてはならないのだ。


218 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/12(金) 14:14:27 ???
>>217
蟻のホムンクルスたちは、自分たちの近くまで引きずりだした女性の身体をじっくりと見やる。
どんな身体をしてるのか品定めをするかのようである。

…しかし、突然、先程まで里香が居た方向から

「ギィアアアアア!!」
すさまじい怒りの声を上げながら、デスパイダーが彼女の元へと駆け寄ってきた。
不意の一撃を受けて激怒しているようだ。
彼らは、些細な抵抗ならば楽しむのだろうが、自分より強い力を持ったものを許す気がないらしい。

「ガグアアア!」
デスパイダーはそのまま里香の鳩尾の辺りに顔を振り下ろし

ズシュッ…

ジュルジュルジュル…ズズズ…ドクンッ…

口内の針を突き刺して、大量の毒を注入し始める。
…その毒は注入される度に激しい痛みを与えるだろう。

ドグッドグッ

よほど腹に据えかねたのか、先ほどの少女以上に大量の毒を送り込もうとしているようだ。
彼女の鳩尾を中心に、まるで根を張るかのように紫色の線が広がり始める…

…だが、強い精神力を持つ里香ならば、その激痛に耐え切れるかもしれない。
更に、治癒能力を持っているならば程なくその毒も解毒される可能性がある。


219 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/12(金) 16:26:11 ???
>>218

「あぅ、……があああああぁぁ!?」

投げ出されたように地面に横になっている里香。
デスパイダーにされるがまま、身体に猛毒を分泌する針を突き刺されてしまう。

「ああああぁぁぁ!! がああぁぁ!!」

凄まじい激痛が里香の身体を襲った。
まるで神経を直接弄くられているような痛み……
常人ならば発狂する可能性すらある。
だか、幸運なのか里香は痛みにはある程度の耐性があった。

「ぐううぅぅ……」

歯を食いしばって激痛に耐える里香……
彼女自信、毒を体内に直接注入されるなど初めての経験だった。

(いつになったら……終わるの……)

デスパイダーは里香への怒りをぶつけるかの如く、毒の注入を止めようとはしない。
幸いにも、里香の不死能力は毒物に対しても作用するので、死にはしないのだが……
たちどころに解毒される、というわけではない。いくらかの時間が必要なのだ。
つまり、里香はこの猛毒による激痛を耐えながら、怪物共の攻撃を凌がなければならないのだ。


220 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/12(金) 16:42:02 ???
>>219
痛みを高ぶらせるのと同時に、
その毒には、人間を死ににくくさせるという恐るべき効果もあった。
ドグッドグッ
ドグッドグッ
ドグッドグッ
ドグッドグッ
ドグッドグッ
体内の毒のすべてを流しこんだデスパイダーは、
ようやく気が済んだのだろうか

ズリュッ…
鳩尾から針を抜き取って少し下がる。
…少し奥の方から、少し人間よりの蟻の怪人が現れたのだ。
人間に近く、その手には杖を持っている。頭には王冠をかぶっているようだ。

「…クケケケ」
不気味に笑いながら、杖で地面を軽く叩くと


「ギイイイ!!」
強靭な拳を持った蟻怪人が彼女の身体の上にまたがって

「ガアアアア!!」
彼女の胸と腹を何度も何度も、数十回以上も殴り始めたのだ。
殴られる痛みならば、彼女も耐えられるだろう…通常ならば

ドガドガドガドガ!ドガドガドガ!
だが、毒の作用によっていつも以上に過剰に反応する痛覚は、
腹パンや胸パンの痛みを、槍で刺し貫かれるかというほどにまで高められている。
肋骨をへし折り、内蔵を潰すほどの強烈なパンチだ。

「クケケケケ!」
            「キキキキ…」
                     「ギャハハハハ!!」
周囲から響く嘲笑の声、彼らは今か今かと自分が苦痛を与えるのを待っている。
彼女の悲鳴と苦痛に悶える姿を楽しんでいるかのようだ。
…いや、実際に彼らは楽しんでいた。
まるでおもちゃを弄ぶように、いや…食物を味わうように
彼女の苦しむ姿に喜びを見出している…


221 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/12(金) 22:20:53 ???
>>220

「あぅっ……ぐ……ぁ……うぐッ!!」

里香は通常考えられないほどに毒を注入されてしまった。
痛覚を限界まで酷使されているかのような激痛……少し動いただけで電流が流れるような感覚だ。

「はぁっ、はぁっ……あうぅぅぅ!!」

経験したこともないような苦痛に呻くことしかできない里香。
しかし、里香への責め苦はまだまだ序の口だった。

王冠をかぶった蟻のホムンクルスの合図で、強靭な拳を持った怪人が里香に跨がる。
そして、毒に侵された箇所をさらに痛めつけるかのごとく、殴りつけた。

「があああぁぁぁぁっ!!?」

鳩尾にホムンクルスの拳が埋まり、里香は悲鳴を抑えきれなかった。
猛烈な嘔吐感を覚えたが、それはどうにか飲み込んだ。
そして、その一撃を皮切りに、ホムンクルスは数え切れない程の拳を里香の胴体を中心に浴びせた。

「がえっ……ぎぃ! がああぁぁぁ!? ぐううぅぅ!!」

一撃ごとに、聞いてられないような絶叫が地下駐車場に反響する。
彼等は、その響きを楽しんでいるかに見えた。

(こいつら……あたしをいたぶって遊んでるんだ……)

痛みに慣れている里香でさえもここまで苦しんでいるのだ。
先ほど自分が助けた少女にとって、どれほど辛かっただろう。

(絶対に……許せない……!)

朦朧としつつある意識の中、里香は正義感が燃え上がるのを感じた。
そして、決意する。
何としてでもこいつらは倒す、と。

しかし、そんな里香の決意を嘲笑うかのように、新たな責め苦が待っていたのだ。


222 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/12(金) 22:39:29 ???
>>221
しばらく蟻のうちの一匹は、彼女を何度も殴り続けていたが…
ドガッ…ゴっ…

コォン

トーチャーアント、王冠を被ったありのホムンクルスは次の合図を出す。
殴るアリは、それに素直に従って下がる。

「グギギギ、ギャハハハハ!」
次に彼女を襲おうとしているのは、禍々しい形状のナイフを四本構えた蟻だ。

…先ほどのパンチの連打でも想像を絶する痛みだが…
「ギャハハ!」
肉を裂くためにあるような形状のナイフを一気に

ビュオッ!!
両胸にそれぞれ二本、そして臍の周りにむけて二本振り下ろして
突き刺そうとしているのだ。
その後は、ナイフをぐしゃぐしゃと動かし、傷口を何度もえぐりにかかるつもりだ。


223 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/13(土) 00:16:29 ???
>>222

「ぅ……ぁ……」

既に満身創痍の里香だが、彼女に対する暴虐は終わることを知らない。
碌な抵抗もできずに殴られ続けていた里香……

しかし、蟻の怪人は王冠のホムンクルスの合図によってようやく殴打を止めた。
当然、それは彼女を更に痛めつけるための行動だ。

(うぅ……次は何をする気なの……)

彼等の行動は予測し難いが、そこに「里香を苦しめる」という意図があるのは明らかだ。
そして、次に攻撃する姿勢を見せたのは、四本腕にそれぞれ禍々しい形状のナイフを持ったホムンクルス。

(何……あれ……)

そのナイフは里香が今まで見たことがないような形状……まるで、人を引き裂くために造られたようだ。
四本腕のホムンクルスはそれらを振りかぶると……思い切り里香に突き立てた。

「ぎっ!? があああああぁぁぁぁぁぁッ!!!」

それは筆舌に尽くしがたい激痛だった。
ナイフで刺されるなど、ただでさえ堪えがたい痛みを伴う……
その上に、痛覚の増幅とナイフの形状。
里香が不死能力を有していなければ、ショックで死んでいたかもしれない。

「ああああぁぁぁ!! があああああぁぁぁぁぁ!!!」

四本のナイフは、それぞれ里香の両胸、そして臍の両脇に刺さっている。
女性に特有の乳房のお陰で胸に刺さっているものは肺などの重要な器官には達していない。
だが、臍周りに突き立てられたものは確実に里香の内臓を傷つけているだろう。
そして、四本腕のホムンクルスは、里香にナイフを突き刺しただけでは飽きたらず、
それぞれのナイフの柄を握ると、思い切り捻った。

「んぎっ!!? あああああああぁぁぁぁ!!!」

傷口に更なるダメージを与えられ、里香は絶叫した。
苦痛が里香の思考を支配していた。


【ところで注文が一つだけあるのですが、いつでもいいので電流で責めてもらえると嬉しいです】


224 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/13(土) 00:32:49 ???
>>223
先ほどの毒の力を考えているからこそ、
死にかねないようなことを平気でやり始めているのかもしれない。

「ギャハハハハハハハ!!」
ナイフを持つアリは、狂ったような声を上げて、彼女の苦痛に歪んだ顔を眺める。
時折口から垂れ流されるよだれのような液体は、彼女の肌に触れれば皮膚の表面を溶かすものとなる…

ナイフをグリグリと動かしたあとで、ようやく引き抜いてみせる。

ブシャァァァ

彼女の血は、アリの怪人の身体を染め、更に彼女の体も血に染めていく。
「ぐ…ヒヒヒヒ!」
それではまだ足りないとばかりに再びナイフを向ける。

 ザシュッ! 
ドシュッ!
 ザクッ! 
ズシュッ!
確かな手応えを感じたのか、彼女のお腹をめった刺しにし始めた。
内蔵をえぐりだしてしまいそうなほどに何度も何度も、苦痛を与えるのに夢中になっているらしい。

…しかし、血液を噴出したのが効いたのだろうか。
或いは、治癒の力が毒に効き始めたのか
毒の力が著しく弱まっていくのを感じるかもしれない。

ここにいる怪人たちはすっかり油断しているようだ。

【わかりました。電流責め、次の怪人あたりで試してみます】


225 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/13(土) 01:31:18 ???
>>224

「あうッ!? ぐ……ぎあぁっ!! ああああぁぁ!!」

里香に跨がるようにして立っているアリのホムンクルスは、ナイフをぐりぐりと動かした。
傷口から再度血が噴出した。
狂ったように笑い続けるアリの口から酸性の涎が垂れ、里香の胸元に落ちた。

「うぐッ!?」

皮膚が焼かれ、化学反応による煙が立ち上る。
里香はそれまでとは違った種類の激痛に悲鳴を漏らした。
そんな里香を尻目に、ホムンクルスがナイフを抜き去る。
血がどくどくと流れ出て里香とホムンクルスの身体が血に染まっていく。

そして、ホムンクルスは里香の腹部を中心に何度も何度もナイフを突き立てた。
明らかに命に関わる量の血液を失って尚、里香は生きていた。
不死能力のためである。
しかし、ここで死んでいればどんなに幸運だったろうか……

「あぐッ!! があッ!! ぐ……あァッ!? ぎぃぃぃ!!」

しかし。
里香は己を体を侵していた毒が次第に弱まるのを感じた。
それは決して治癒能力のためではない。
毒に侵された箇所の出血により、その毒が排出されたのだ。

(うぅ……いける……立てる!)

怪人どもが油断していたことは、里香にとっては幸運だった。
なんせ、里香には作戦も何もなかったのだ。

「おぉ……りゃあッ!!」

里香は全身の苦痛に耐えながら、四本腕のホムンクルスが隙を見せた瞬間を狙って蹴り飛ばした。
ホムンクルスは体勢を崩して倒れ込む。

「うぅっ……く……こんなの、ぜんぜん……へっちゃら、なんだから……!」

里香は足をがくがくと震わせながらもようやく立ち上がった。
だが、立った所で一体何ができるだろう。
依然、里香が圧倒的に不利であることに変わりはない。


【ありがとうございます】


226 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/13(土) 01:51:25 ???
>>225
「ガッ!?」
先程まで完全に油断していたホムンクルスは、思わぬ一撃を受けて倒れこんだ。
幸運にも、そのアリが持っていたナイフの一つが里香の近くに転がり落ちた。
武器だ。武器さえあれば対抗手段はある。

「グギイイ?!」
見れば他のホムンクルスも同様の色を見せている。
猛毒を注入し、これだけの攻撃を受けながら反撃を行えるということにだ

「グゥウ…」
他の三匹が威嚇し続ける中…リーダーだと思われる王冠アリは黙っている。
興味深そうに見ているかのようだ。

そして

コォーン
何かの合図をするかのように杖を鳴らすと、
…蟻のホムンクルスたちは出口の方へときびすを返して去っていく。
……何かを伝えに行くかのような動作だ。

「ギ…ギギギ!」
だが…蜘蛛の怪物だけはまだ去る気配がない。
ここに来て不満は更に高まっているようだ。
反抗できる人間が許せない。とでも言うかのように。

「グガァッ!」
デスパイダーは、有利な相手だと見て
彼女に向けて突進してくる。

口の中の針は猛毒が空っぽになっているが…
コンクリートにその滴る液体が溢れる度に地面を溶かす。

…まだ消化液という武器があったようだ。


227 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/13(土) 03:26:41 ???
>>226

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

息も絶え絶えの里香。
立ち上がったはいいものの、身体は立っているだけでも辛い。

(かなりヤバいかも……)

毒素は大分抜けたとはいえ、傷そのものが治癒したわけでもない。
今の里香は、手負いの実験動物も同然だ。
だが、驚くべきことに、先ほどまで見ているだけだった蟻の怪人達が地下駐車場から出て行ったのだ。
どういうことか里香にはわからなかったが、とりあえず今は目の前の敵に集中しなければならない。
蜘蛛のホムンクルスは未だに里香に狙いを定めている。

(うぅ、武器……ナイフを……)

身体に走る痛みに耐えつつ、里香は身体を屈ませて蟻の取り落としたナイフに手を伸ばした。
本来ならば武器を嫌う里香だが、今はそんなことを言っていられる状況ではない。

「はぅっ、ぐぅ……」

痛みを呻きながらも里香はナイフに手をかけた。
しかし……

「あぐぅッ!?」

図らずもそれは蜘蛛の異形によって阻止された。
蜘蛛の毒針から分泌された消化液が、里香の手にかかったのだ。
先ほどの蟻の唾液とは比べものにならないほど強いそれは、里香の手の皮膚を部分的とはいえ完全に溶かしてしまう。

「ぐうううぅぅぅ!! な、なにこれ……」

里香は右手を庇いながらもナイフを諦めた。
そして、蜘蛛のホムンクルスは里香に突進し、急接近していた……


228 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/13(土) 07:47:07 ???
>>227
「キイイイイ!」
デスパイダーは、里香に対して一気に詰め寄り

ズシュ!!
背中に備えた四本の蜘蛛足を彼女の四肢に突き刺しにかかる

それが済んだならば、彼女の身体を、ちょうどX字になるように四肢を伸ばさせ

…柱に足を突き刺して磔の態勢にしたのだ。

「キキキキキキ……」
ようやく完全な優位を得たと思ったのだろう。
デスパイダーは、彼女の苦しむ姿を不気味に笑いながら見つめる。
そして…彼女の腹の傷をじっくり見つめながら、不死性に気づきそうになっている。

…蜘蛛の捕食という恐ろしい行動の前の下調べだ


229 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/13(土) 12:14:51 ???
>>228

「……え?」

手の傷に気を取られていた里香が気がつくと、デスパイダーがいつの間にかすぐ目の前に立っていた。
その異形は躊躇うことなく背中から四本の鋭い蜘蛛の足を里香の四肢にそれぞれ突き刺した。

「い゙っ!? があああああああぁぁぁぁぁッ!!!」

両手首、そして両足首を刺され、里香はそのまま柱にX字に磔にされてしまった。
傷口からは痛々しく血が滲んでいる。

「はあ゙ッ……うぁっ……」

デスパイダーは里香の腹の傷を観察した。
人を死ににくくさせる効果を持つ毒は殆ど抜けているのに、里香は死んでいない……
ならば、これを説明できる現象はたった一つ……
里香は、毒など関係なく、元から死ぬことができないのだ。
デスパイダーはそれに気がつくと嬉しそうに哄笑を響かせた。

「うぐ……な、何……?」

そして、蜘蛛のホムンクルスは先ほどから里香を苦しめていた毒針を里香の腹部に突き刺した。

「あ゙ぐッ!?」

里香は悲鳴を漏らしてしまう。
だが、デスパイダーはまるでこんな苦痛など幕開けに過ぎないと言わんばかりに……
消化液を里香の腹部に注入し始めたのだ。

「ゔ……が……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」

あまりの苦痛に、里香は獣のような悲鳴を上げた。
蜘蛛は捕食の際、体外消化という方法で獲物を消化する。
里香は今まさにそれを味わっているのだ。

「ゔゔゔゔゔゔゔ!? ぎあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」

だが、内臓を直接溶かされるという責め苦を受けて尚、里香が命を落とす気配はない……
デスパイダーは最高の玩具を見つけたとでも言いたげに甲高い笑い声を上げた。


230 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/13(土) 13:43:11 ???
>>229
捕食はめったに行えない。
なぜならば、万が一捕食をしてしまえば、その女性は確実に死ぬからだ。
だが、目の前の少女は違った。

ズシュッ…ズリュッ・・ズリュッ…
「ギィィィィ…キキキキキキ!」
デスパイダーは満足そうな声を上げながら消化液を注入し、
溶けた内蔵を啜る。
己の腹を満たし、更に苦痛の悲鳴で己の快楽を満たす。
2つを同時にこなせるこの少女は極めて優秀だったと微笑んでいるのだ。

何度も何度も消化液を注入し、溶け出た内蔵を吸い取り続ける。
…しばらく夢中になって獲物を味わい続けていたが…
突然。

ザクッ!!

「グギィィィィィ!?」
背後から攻撃が起こった。
見れば、デスパイダーの頭部に深々と、あのアリが持っていたナイフが突き刺さっていたのだ。

「その……人を…
 放し…」
…そこに居たのは、先程まで傷めつけられていた少女だ。体中穴だらけで、今にも死にそうな
しかし鬼気迫る表情で抵抗を示したのだ。
すっかり里香を傷めつけることと、味わうことに夢中になっていたせいだろうか。
普通なら気づくはずの素人の背後からの攻撃を完全に失念していた。

「グウウウウ!!」
思わず里香を放したデスパイダーはその場で苦しみだした。
緑色の液体…血液だろうか?それを頭部から吹き出してのたうち回っている。
…今ならば、トドメを刺せる可能性はある…かも知れない。


231 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/13(土) 16:46:15 ???
>>230

「あ゙……げぼッ……ぐゔゔゔ!?」

内臓を溶かされたせいか、里香は絶えず吐血していた。
身体を溶かされるなど、およそ人間に堪えうる苦痛ではない。
しかし、それでも里香は死ぬことも狂うこともできなかった……

「あ゙ぎッ……ぐ……」

それからどれほどの時間が経っただろうか……少なくともあまり長い時間ではない。
里香は何度も消化液を注入され、それでも死ねず、地獄でも生温いような苦痛を味わっている。

しかし、突然蜘蛛のホムンクルスが捕食を止めたかと思うと、頭部から緑色の体液を撒き散らして苦しみ始めた。
見ると、先ほどまでこの怪物に苦しめられていた少女が、地面に転がっていたナイフを突き刺したのだ。

「あぐッ……」

里香は突如解放され、血だまりになっている地面に倒れ込んだ。
だが、総身を震わせながらもどうにか立ち上がる。
傷だらけの少女は、のたうちまわっているホムンクルスを見つめつつも全身がくがくと震えている。
相当無理をしているのだろう。
里香は血塗れの手で少女の手をとった。

「あ、りがとう……あとは、ぐぅッ……あたしが、やるから……」

心配そうに里香を見つめる少女を横目に、里香は穴の開いた四肢を酷使して苦しんでいる怪物に近寄っていく。
横になってもがいているホムンクルスに馬乗りになって抑えつけると、里香は頭部に突き刺さっているナイフを抜いた。
それと同時にホムンクルスの傷口から緑色の体液が噴出し、里香の顔を汚した。
しかし里香はそれを厭わずにナイフを手にとると、思い切りホムンクルスの脳天目掛けて振り下ろした。
ホムンクルスはビクビクと少し痙攣した後、動かなくなった。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……終わった……の……?」

辺りに敵の気配はない。
里香は少女の方を向いて、苦痛を堪えながらにっこりと微笑んだ。
少女はそれを見て笑い返すと、気力を使い果たしたように崩れ落ちた。
里香は慌てて少女に近寄った。
息はある。
里香は安堵感に溜め息をついた。

「あ゙ぅッ、ぐ……ゲボッ、病院、つれてかないと……」

里香は血の塊を吐き出すと、全身の力を振り絞って少女を背負った。
しかし、里香の地獄はまだ始まったばかりであるということを、彼女は未だに知らなかった。


232 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/13(土) 17:01:42 ???
>>231
「グゲ…」
ホムンクルスの最期はあっけないものだった。
…何もかも終わったように思える…

少女は笑い返してから倒れこんだ。
どうやら死んでは居ないようだが、それでも彼女の状態は危険なのだろう。

少女を背負い、地上へと向かうであろう里香。
気配はしないが…

地上付近の入り口まで登ったところで

シュルシュル!
突然、無数の触手が天井付近から伸びる!
少女もろとも里香を捕らえんとしているようだ。


233 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/13(土) 17:16:49 ???
>>232

「ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ……」

荒い息を吐きながら、少女を背負い歩みを進める里香。
しかし、里香は死んでいないだけで、負った傷だけで言えば少女よりもずっと深い。
現に傷はまだ塞がっておらず、里香が動く度に血が滲む。

「はぁ、はぁ、大丈夫……大丈夫だからね……」

気を失っている少女に言い聞かせるように、里香は呟いた。
里香の歩いた後には血痕が点々と残されている。

「ぜぇ……ぜぇ……」

重傷の里香にとって、人を一人背負ったまま階段を上るのはかなり辛い作業だった。
それでもようやく出口付近に到達する。

(救急車、呼ばないと……)

だが、里香は携帯電話を忘れていることに気付いた。
少女はどうだろうか……しかし、望みは薄い。

そんなことを考えていたせいで、里香は自らの頭上から触手が無数に伸びてきていることに気が付かなかった。
空気の動く気配を感じたために、里香はようやく上を向いた。

「んなッ……!? 何これ……!?」

咄嗟の判断で、里香は少女を階段に下ろした。
しかし、里香自身は容易く触手に捕まってしまう……

(何で……!? なんにも感じなかったのに……!?)

元々里香のみが標的だったのか、触手は少女にまでは襲いかかろうとはしなかった。
だが、里香はそんなことは知らず、健気にも少女を気にかけていた。
他人の心配などしている場合ではないというのに……


234 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/13(土) 17:27:07 ???
>>233
ドシャァッ
少女は気を失ったまま倒れこむ。
触手の動きは片方の少女のことなど歯牙にもかけない。
あくまで標的は里香のようだ。

ポタッ
   ポタッ
しばらくしてまるで水がにじむように何かがゆっくりと天井から降りてくる。
気配を感じなかったのは、上の階に居たからだということなのだろう。

頭部の形状がまるでクラゲの形状をしている…
新たなホムンクルスだ。
それも次々とこぼれ落ちてくる。
全部で5体…だろうか。

だが…今のところ何もしない…触手で拘束するが、
シュルシュル!

五体が一斉に触手を伸ばし、
彼女の四肢を伸ばして、腹をよく見える状態にする。

…しばらくして
「……見事見事…ねぇー」
女性の声が聞こえてくる。コウモリの翼を生やした女性…
彼女もホムンクルスだろうか?


235 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/13(土) 18:04:00 ???
>>234

「ぐ……あ……」

(な、何……? こいつら……)

里香は触手に拘束され、身動きがとれない。
しかし、標的はあくまで自分……倒れている少女には興味はないらしい。
そのことが里香をある程度安心させる。

クラゲの形をしたホムンクルスが、天井から滴るように落ちてくる。
その数、五体。

「う、あ……や゙めろ、離せッ……!」

里香は必死の抵抗を試みるが、クラゲのホムンクルスは意にも介さない。
触手は見かけによらず一本一本の力がとても強い。
比較的力の強い里香でさえ、完全に抑えつけてしまっている。

クラゲは触手を器用に動かすと、里香の四肢を動かして腹を丸見えにしてしまう。
重傷を負った四肢からは血が流れ、苦痛が走る。

「ゔあ゙ッ……」

しばらくすると、里香は艶めかしい女性の声を聞いた。
見ると、背中から蝙蝠の翼を生やした女が立っている。
やつらの仲間か。

「な、何……あんた……」

言葉が通じるようなので、里香はその女に話しかけた。


236 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/13(土) 18:11:34 ???
>>235
「………」
クラゲ怪人はただ、怪我の治り具合を見続けている。
それ以上のことをしないのは、死なない理由を求めてるのだろう。

「うふふふ…いい格好よねぇ?
 ああ…私はサキュバス・チドリ…
 さっきの気持ち悪い奴らとおんなじ、ホムンクルス…」
ニヤニヤ笑いながら彼女は答えた。

「あなたがどうしてあれだけのことをされて死なないのかって…
 私達の創造主様は興味を持っているのよぉ?
 だから、もうちょっと苦しんでもらおうかなって。言われたのよぉ
 …アナタは私達を昇華させてくれるかも、しれないからね。」
時折クラゲ怪人から、電気が発生している。
静電気以上のしびれが起こるが、耐えられないものではない。

そして、チドリと名乗ったホムンクルスは近くに居た倒れこんだ少女を抱きかかえる。

「…それとこの子は…」
そう言って軽く少女の傷を舐める。

「普通の人間だったのに、死にかけておきながら
 デスパイダーに一撃加えるなんて根性見せたでしょぉ?
 だから…きっと強靭なホムンクルスになるから連れてらっしゃいってね、言われたわ。」
気絶している少女に頬をすり合わせながら微笑んでいる。


237 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/13(土) 18:43:11 ???
>>236

「サキュバス……?」

里香は呆然と呟いた。
どこかで聞いたことのあるような言葉だが、思い出せない……
しかし、そんなことはどうでもいい。

「な、何、ふざけないでよ、そんなことさせるわけ……あゔッ!?」

里香を拘束している触手から電流が流れ、里香は苦痛に呻いた。
しかし、あまり強いものではない。
問題なく耐えられる程度だ。
チドリと名乗った女ホムンクルスが少女に手を伸ばす。

「ちょ、何やってんの!? その子に手ぇ出したら許さないんだから……あ゙ぁッ!」

気まぐれに発生する電流が里香の言葉を遮る。
チドリの語った言葉を聞き、里香は焦った。

「ふっざ……けんな!! あんたたちに人の命を自由にする権利なんてないんだからね!? あたしが絶対許さない!」

里香は激しく抵抗する。
身体の痛みなどどうでもいい。
自分の目の前で、人が危険に晒されているのだ。
だが、電流がその抵抗を阻んだ。
チドリはそんな彼女を見ると、嗜虐的な笑みを浮かべた。


238 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/13(土) 18:50:21 ???
>>237
「あーらあら、やっぱりあなたは最高よねぇ。
 こんなに死にそうになってるのに、強気に声を上げるなんてねぇ。
 可愛いわ。食べちゃいたいわぁ。」
そう言って嗜虐的な笑みを浮かべる。

「そんなこと言われてもねぇ?
 私達にとって、痛みと苦しみは最高のごちそうなのよぉ?
 特に…」
そう言ってから、少女の傷跡をなぞる。

「あなた達みたいな、若くて可愛い女の子の
 痛みと苦しみの叫びとかが特にね?
 …死なせちゃいけないのが難儀なのよぉ。だから…」
そこまで言うと、四肢を拘束していた周囲の触手から

バリバリバリバリバリ!!
強烈な電流が流れ込み始めた。
先ほどの電撃とは比較にならない。
全身を突き刺すような激痛に包む、何万ボルトという電流だ。
残っていた一匹は彼女の臍の方へ触手をねじ込み、電流を流し始めた。


239 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/13(土) 19:24:51 ???
>>238

「くっ……」

チドリの浮かべた笑みを見ていると、寒気がするようだった。
それは、自分のことを完全に実験動物か何かとして考えているような表情だ。

チドリが少女の傷痕に手を伸ばすのを見て、思わずかっとなってしまう。

「だから! その子に触るなって言ってるでしょ!?」

しかしチドリは全く聞いていない様子で、少女を指先で弄び続ける。
そして、チドリの放った「痛みと苦しみの叫び」という言葉に敏感に反応する里香。

「な、何を……!? そんなの……絶対に間違ってる……!」

怒りを発散できずに呟く里香を尻目にチドリは言葉を続けた。
そして、意味深長に言葉を止めると……
里香を拘束していた触手から、何万ボルトという電流が放たれた。

「げあ゙ッ!? があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ!!」

アメリカ合衆国の一部の州では未だに電気椅子による死刑が行われているらしい。
だが、その際に死刑囚の身体に印加される電圧ですら、せいぜいが2000ボルトというもの……
その何十倍もの電圧である。
里香は筆舌に尽くしがたい激痛に神経を支配され、ただ叫ぶことしかできなかった。
それだけではない。
電流を放つ怪人の内の一体は、里香の臍のあたりの傷口から無理やり触手をねじ込むと、
同じように超高電圧の電流を放ち始めた。

「ぎい゙い゙い゙い゙い゙い゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ!!?」

内臓を直接焼かれる苦痛に、里香の脳味噌は機能を停止してしまってもおかしくはなかった。
もちろん、そんな責め苦を受けてさえ死ぬことも狂うことも里香にはできないのだが……


240 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/13(土) 19:37:19 ???
>>239
「あははっ♪本当に死なないわ!
 普通の女の子には、これだけの威力なんて出せないから
 ほんとうに最高だわぁ!あなた!」
自分の胸元を抑えながら、チドリは電撃に苦しみ悶える
里香の様子を、少々悦も入りながら見つめ続けた。


「はぁーい、ストぉ〜ップ」
チドリが一声上げると、発せられていた電撃が一気に引いていく。
突然電撃を止ませたのは、彼女の電撃を食らった後の反応を楽しみたいからなのだろう。

「……おわかりぃ?
 あなたは私達のお気に入りってこと。
 いくら壊しても壊れない最高のオモチャってこと。
 あなたの苦しみが、私達の最高の栄養になるわぁ。」
にっこり微笑みながら答える。少女は未だ意識を失っている。

「フフフ…ほらほら…もっと根性見せてよぉ。
 じゃないと、あなたのだーいすきなこの子を…」
そう言って少女の頭に手を当てて、その唇を寄せようとしている。

「めちゃくちゃにしちゃおっかなぁ〜?私の好みだしぃ…」
ちらっと里香を見ながら行っており、明らかな挑発。里香の反応を確かめたいのは明らかだ


241 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/13(土) 20:23:22 ???
>>240

「があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ!! ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あッ!!」

里香は己の全身を支配する苦痛にどうすることもできない。
ただ獣のように絶叫し、目を見開いて悶えている。

「ぎあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!? があ゙あ゙ッ!?」

チドリは里香の悲鳴をひとしきり楽しんだ後、ようやく電流を止めた。
里香の全身の力が抜けて、首がガクンと落ちた。

「あ゙……あ゙ぁ……」

黒い煙がぷすぷすと上がっていた。
里香は全身が焼け焦げ、身体中どこと言わず黒く煤けている。
服も部分的に焼け落ち、里香の痛々しい傷が露出していた。
血管が破裂したため、瞳からは血の涙を流し、鼻孔からは鼻血を垂れ流す。
四肢の触手と直に接していた箇所はぐずぐずに火傷している。
里香は顔を上げると、大量に吐血した。
内臓へのダメージも甚大なのだ。
股間では、煮えた小水が下着を濡らしていた。
失禁してしまったのだ。

「ゔ……あ゙ぁ……」

誰の目から見ても、里香はもはや死に体に見えた。
チドリはそれを知りながらも、少女を弄んで里香を挑発した。
度々里香に目をやっては、反応を伺っている。

(あたしが……しっかり……しないと……あの子が……)

里香は朦朧としつつある意識の中で考えた。
あの無力な少女を護れるのは、自分しかいないのだ。
里香は再び吐血しながらも、痛みをこらえて言葉を紡いでいく。

「……ろ……、な……せ……」

それは最初、蚊の鳴くような声だった。
チドリにもよく聞こえなかったようで、首をかしげている。

「やめ、ろ……その、子を……は、なせ……」

言い終えた後、里香は血混じりの咳をした。
だが、今度は誰の耳にもはっきりと聞こえた。
里香は、今確かに「やめろ」と言ったのだ。


【リクエストに応えてもらってありがとうございますー】


242 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/13(土) 20:55:18 ???
>>241
「あらあらぁ?いい格好になったじゃないの。
 アハハハッ♪」
朦朧とした意識の向こうで、チドリの嘲笑が聞こえる。

そして、顔を近づけようとしたところで…
手を止める。
「……本当に健気なのねぇ。
 そんなになっても私たちに敵意を向けるなんて…
 可愛いわぁ本当に…」
と、抱き寄せた少女を見せながらクスクスと笑う。
…チドリの目的は彼女を連れ去ることのはず…
だがもはや楽しみのほうを優先させているようだ。

「そんなにこの子が大事なら…
 ほらぁ、腕尽くで助けに来てみなさいよぉ!」
ケラケラと笑いながら答える。
完全に彼女のことをオモチャとしか見てないようだ。
クラゲの怪人たちは、今度は続々と彼女の臍へ向けて触手を集合させていく。

ぐじゅっぐじゅっ
彼女の臍の中へ無理やり触手をねじ込んでいき…

ぐちゃ

    ぐちゃ

ぐちゃ
            ぐちゃ
ぐちゃ    ぐちゃ


ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ

ズタボロになった彼女の腹の中を撹拌するようにぐちゃぐちゃとかき回し始めた。
普通ならとどめを刺す態勢だが、これが楽しみの一つなのだから恐ろしいことだ。

手足を拘束していた触手は少なくなっているが…それでもどうにかなるのだろうか?

【どういたしまして。他にもリクエストが有れば出来る限りお応えします。】


243 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/13(土) 21:21:30 ???
>>242

「あ゙……ぐぁ……ゔ……」

気持ちでは負けていないつもりでも、身体はもはや言うことを聞かない。
チドリは意識のない少女を抱きしめながら見せつけてくる。
ボロボロになりながらもチドリを見据えると、里香は息も絶え絶えに言う。

「ゔぇ、げほ、げほ……その子を、は、はなぜ……げほ……」

舌が痺れ、呂律が回らない……それでも里香はどうにか話す。
しかしチドリは里香のことを玩具としか考えていないらしく、言葉に耳を貸そうともしない。
その上、クラゲの怪人達になにか合図をすると……
里香の四肢を拘束していた触手の内の何本かが離れ、里香の臍に集まっていく。
そして、そのまま臍から、傷口から、里香の体内に侵入する。

「あ゙ゔッ……があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!?」

再び獣のような悲鳴を上げる里香。
だが、怪人達はそれだけでは満足せず、触手で里香の体内をぐちゃぐちゃに掻き回す。
既にボロボロの身体に、更なるダメージ。
里香はまたも大量に吐血し、絶叫した。

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ!? ゔぐゔゔゔゔゔゔ!!」

そんな里香の有り様を見ながら、チドリは嘲るように笑っていた。
心の底から楽しんでいるような、そんな笑い方だった。

「い゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!! があ゙あ゙ッッ!!」

しかし、激痛に支配された思考の中で、里香は己を拘束する触手が少なくなっていることに気付いた。
それは奇跡的な気づきだった。

(これ、なら……どうにか……)

「うあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ!!」

里香は一際強く叫ぶと、ズタボロの四肢に力を込める。
もともと里香は力が強い。
触手から解放されることは、案外難しいことではなかった。
体内を掻き回していた触手も引っ込み、里香は地面に投げ出された。
しかし、解放されたはいいものの……ぐずぐすに火傷し、穴も開いている四肢では、すぐには立ち上がれない。
それでも地面に爪を立てると、ガクガクと震えながらもチドリに這いよっていく……


【ありがとうございます、また何かあったらリクエストさせて頂きます】


244 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/13(土) 21:33:46 ???
>>243
「アハハハハッ!
 最高ねぇ!死なない女の子だなんて!」
その様子を見てひどくケラケラと笑い続ける。

だが
「!!…」
思わぬ力を受けて触手はちぎれ飛んだ。
周囲に居たクラゲ怪人たちは、思わぬ抵抗に思わず触手を引っ込める。
…そのまま様子を見守っているようだ。

「へえー、本当に助けに来るなんてねーぇ。
 関心だわ。それじゃあ…」
そう言って彼女は少女の姿をよく見せる。

「ほーらほーら♪」
よく見せた後、里香の頭を足蹴にする。

「もっと頑張ってみてぇ?
 助かるかも、しれないわねぇー?」
嬉しそうな様子でこちらへの進行を止める。
そのまま苦しむ様子を楽しもうとしているらしい。

「じゃーないと…ほぉら」
彼女は少女の傷だらけの身体のなかの、胸部の穴に指を突っ込み

「この子がもぉぉ〜っと苦しんじゃうわよぉ?」
軽く傷口をえぐりだす。里香にはか細い悲鳴が届くだろう。
思わぬ力を里香は発揮するかも知れない。

【わかりました。】


245 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 00:01:38 ???
>>244

「ぐぅッ、はぁッ、はぁッ……」

血の痕を残しながら、里香は少女を抱きかかえるチドリに向かって身体を引きずっていく。
身体はボロボロだが、心はまだ負けていない……だが、その精神力が里香をより苦しめることになるのだ。

「待ってて……今、助ける、から……ね……」

少女に呼びかけるように、自分に言い聞かせるように呟きながらも、里香は這いずる。
しかし、チドリがそれを黙って許す筈がなかった。

里香の無力さを知らしめるように少女の傷だらけの肢体を見せつける。
そして、チドリは里香の頭を蹴りつけた。

「あぐッ……!」

チドリはそのまま里香の頭を踏みつけ、進行を止めてしまった。
それでも懸命に少女に手を伸ばす里香……
だが、そんな里香を嘲笑うかのごとく、チドリは少女に更なる苦痛を与える。
胸部の傷口に指を突っ込んで、えぐり始めたのだ。
意識があるのかないのか、少女のか細い悲鳴が里香の耳に届いた。

「や゙ッ……や゙めろお゙お゙お゙お゙お゙ッ!!」

里香は身体に力が漲るような気がした。
漫画とは違って、怒りによって力が増幅するなどということは現実にはありえない……
だが、その激情は、里香に一瞬とはいえ全身の激痛を忘れさせた。
そして、その瞬間を逃さず、里香は全身に力を込めると、生まれたての子馬のように足を震えさせながらも立ち上がった。
チドリは急に里香が立ち上がったためか、体勢を崩して尻餅をついてしまう。
またとない好機に、里香はボロボロの身体に鞭打ってチドリから少女を守るべく、近づいていった。


246 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 00:12:20 ???
>>245
「なっ…あぐっ!!」
彼女の思わぬ反撃を受け、体制を崩して倒れこんでしまう。
少女はチドリから離れ、少し離れた位置に倒れる。

そこに行けば彼女を守りに行くことは出来る…かも知れない。
だが、それをチドリが黙ってみることもなく

「あら…私をいじめてくれるのかと思ったけど…
 そうでもないみたいね?」
彼女も思わぬ抵抗にムッと来たのだろうか。
或いは自分を無視して少女を護ろうとする姿勢が気に喰わないのだろうか。

「…ちょーっと私…思っちゃうわよ?」
そう言って彼女は立ち上がって、悪魔のようなしっぽを生やす。

パシィン!!
ムチのように地面に振るわれたその尻尾は、かなりの威力があるようだ。

「もうちょっといじめてあげようかしらね!!」
そう言って、少女へ向かおうとする里香に向けて何度もその尻尾を打ち下ろす。

SMで使うような、痛みを与えるだけのムチなどでは済まない威力、
肉を傷つけ、最悪引き裂いてしまうほどの威力がある連撃が何度もぶつけられる。
時折、少女に向けようとする攻撃もある。彼女が護ろうとすると踏んでの行動だろう。

【逆転などといったことも問題ありませんので、ご自由に行動を。】


247 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 00:38:30 ???
>>246

「ぜぇ、はぁ、はぁ、はぁ……」

息も絶え絶えになりながら、少女へ近付いていく里香。
チドリから守るための行動だが、それをチドリが黙って見ている筈がなかった。
背中から悪魔のような尻尾が生えてくると、鞭のようにしなるそれで思い切り里香を打擲した。

「あ゙ゔッ……がァッ!!」

ただでさえ傷だらけの身体に、鞭の苦痛は凄まじいものだ……
しかし、それでも健気に少女を守るべく里香は歩みを進めた。

「あ゙あ゙ッ!! ぐあ゙ッ!? ゔゔ……あ゙ッ!!」

打ち据えられた箇所のなかには、肉が裂けて血が滲んでいるものまである……
業を煮やしたのか、チドリは少女に向かって尻尾を振るった。

「ゔあ゙ッ……だ、ダメ……!! あ゙あ゙ッ!!」

少女に当たってしまう……!
里香は少女とチドリの間に割って入ると、自らその鞭を受け止めた。
背中がばっくりと裂け、血がどくどくと流れ出る……

(ぐうぅ、こ、このままじゃ、二人ともやられちゃう……)

自分が鞭を受け止めるにも、限界がある……
里香は意を決したようにチドリの方を振り返った。

「あうッ!?」

尻尾が里香の頬を掠めた。
頬が裂けて傷口から血が流れ出る。
しかし、里香は意を決したようにチドリに向かって飛びかかった。


【ありがとうございますw でも、基本的には抵抗はしても逆転はしない方向です。徹底的にやっちゃってください。それと、首から上ももっと責めてもらえると嬉しいです】


248 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 00:48:44 ???
>>247
「アハッ…ほんとに健気ねぇ。
 だからこそちょっと…ムカつくわ!」
彼女の苦痛に満足はしていたが、
やはりチドリは態度が気に入らないらしい。

「死に損ないのあなたなんかに、
 護れるはずないのにねえ?
 泣きわめいて、許しを請いたりはしないのかしら?」
そう言って靴音を立て、チドリは近寄ってくる。

「そんなんじゃ、私たちにもーっとひどいこと」
そう言って鋭い爪を取り出して駆け寄ってくる。

「されるだけなのにねぇ!」
そう言って里香の頬に思い切り振り上げる。
肉を引き裂く切れ味は恐るべきものがある。


【わかりましたー。首から上は、できるかぎりやってみようかと思います。】


249 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 01:02:26 ???
>>248

「はぁッ……はぁッ……はぁッ……」

ようやく鞭……尻尾による連撃が止んだ。
里香はチドリに飛びかかるが、軽くかわされてしまった。

「うぐッ……くそぉ……」

里香は頬から流れる血を拭った。
先ほどからかなり動き回ったためか、身体はもう限界だ。

「ふざ、けんな……だれが、あやまったり、なんか……」

チドリの挑発にまんまと乗せられてしまい、里香は怒りを露わにする。
しかし、もう遅い。
チドリは鋭い爪を生やすと、里香に飛びかかり、頬に思い切り振りかぶった。

「うわッ……!?」

里香は間一髪で首を捻ったが、その爪は掠っただけでも里香の頬に五本の切り傷を残した。
そのすべてから血が流れ出て、見るも痛々しい……
そして里香は体勢を崩してしまい、仰向けに倒れ込んだ。


【ありがとうございます。それと注文がうるさいかもしれませんが、顔を責めるときは馬乗りになってボコボコにするような形でお願いしたいのですが……いつでもいいので】


250 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 01:13:52 ???
>>249
「…あらあら、謝る気はないってことなのねぇ?」
そう言って彼女の仰向けに倒れた姿を見下ろす。

「フフッ…謝らなかったら…
 どうなっちゃうか想像出来てるのかしら?」
そう言って仰向けに倒れこんだ彼女の身体の上にまたがる。

「こんな風に…」
そう言って彼女は拳を握りしめる。

「なっちゃうのよ!!」
そう言って彼女の頬をおもいっきり殴りつけた。

「さぁ、謝りなさいな!
 調子に乗ってごめんなさいって!」
何度も殴る。

「お許しくださいチドリ様!
 貴方様に全てを捧げますってねぇ!」
何度も何度も殴る。
彼女はどうしようもなく怒っていることがわかる。
泣き顔を見せないことにそろそろ苛立ってきたのだろうか。

【どうもどうも。できるかぎり顔は綺麗な形でボコボコにするつもりです。一応容赦なしという感じでお願いします。】


251 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 02:18:28 ???
>>250

「うあッ、はぁ、はぁ……」

里香は頬に手をやった。
べっとりと赤い血が付着しており、チドリの爪の鋭さを窺わせる。

「だ、れが……あやまる、もんか……」

だが、里香には謝るつもりなど毛頭なかった。
その意地と根性が更なる暴力を呼ぶとも知らずに……
果たしてチドリは里香に馬乗りになると、拳を固く握り締めて里香の顔面を殴打した。
かなり容赦のない殴り方で、里香は口から血を吹いた。

「あうッ、ぐあッ、ゔあ゙ッ、があ゙ッ!!」

チドリはその力をもってして、幾度も幾度も里香を殴りつける……
里香の顔が血で真っ赤に染まると、ようやくチドリは里香を殴るのをやめた。
ねっとりと里香の顔とチドリの拳の間に血の橋が架かる……
そして、チドリは再び里香に謝ることを迫った。
しかし……

「げほッ、がはッ……絶対に、謝りなんて、しないんだから……」

里香は血を吐きながらもどうにか言葉を紡ぐ。
それがさらにチドリを激昂させるともわからずに……


【ありがとうございます、そしてすみません、無理言っちゃって……】


252 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 02:55:45 ???
>>251
「……あっそう。」
そう言って、チドリは両手の爪を伸ばした。
そして

ぞぶっ

彼女の両胸にすべての爪を突き刺し、
力を込めて肺を握りつぶしにかかった。

呼吸ができなくなるという苦しみを味わわせるためのようだ。

「……フフフ…
 気に入ったわ、本当に…」
そう言って彼女の苦しむ顔を眺めるチドリ
そして…

「…あなた達、あの子を連れて行きなさい。
 その子はだ〜いじな同胞になる子なんだから、
 殺しちゃダメよ。」
と、クラゲのホムンクルスたちに指示を出した。
精神的な苦しみも与えようと言うつもりなのだろうか。

残った怪人たちは彼女の言葉に従うだろう。


253 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 03:08:18 ???
>>252

「あがッ、はあ゙ッ、ゔあ゙……」

謝るくらいなら、死んだ方がマシだ……
死ねないとはいえ、里香はそう思っていた。
そもそも、全ての発端はこのホムンクルスだ。
謝る理由など微塵もない。

しかし、チドリはそんな彼女を痛めつけるような目で見つめると、両腕の爪を伸ばす。
それを振りかぶると、そのまま里香の両胸に爪を突き立てた。

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!?」

違った種類の痛みに、里香は絶叫する……
今日、いったい何度苦痛に叫んだたろう?
喉から込み上げるものを感じ、里香は喀血した。

「がはッ、げほッ、ゔゔ……」

里香は酸素を求めるように必死に呼吸しようとした……だが、呼吸ができないのだ。
空気を吸えば吸うほど、穴を通じて肺から漏れてしまう。

遠くなりつつある意識の中、里香はチドリが少女を連れていくよう指示するのを聞いた……
里香はチドリに怒声を浴びせようとしたが、呼吸もままならない状態では、声など出ない。
ただ双眸に涙を浮かべることしかできないのだ。

(うう、ごめん……助けるから……絶対助けてあげるから……!)

里香は心の中で少女に固く誓った。
だが、そんなことをチドリが知る由もない。


254 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 09:49:38 ???
>>253
「ふふふ、もう言葉も出せないようねぇ?」
再び愉悦の表情を浮かべる。
またしても優位に立てたことが嬉しいようだ

「…残念ながら、あなたのだ〜いじなあの子は
 もう連れて行っちゃうわよ?
 謝ったら……助けてあげたかもねぇ?」
ニヤニヤと彼女の苦しげな顔を見る。
…そんなつもりなどどう見てもなさそうだが、彼女への苦痛を与えるためだろうか。

「さて……まだまだ、やろうかしらねえ。」
そう言ってチドリは彼女の首筋をぺろりと舐める。

「……アナタの血は…私を潤してくれるのかしらねえ?」
そう言ってから…鋭い八重歯をむき出しにして

ガッ…
彼女の首筋に勢い良く噛みつき、
溢れ出る血を啜り始める。

彼女はコウモリの特性を取り込んでいたのだろうか。
その一撃は頸動脈をちぎるほどの威力がある。

……意識を失ってしまうだろうか…?


255 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 11:50:47 ???
>>254

「え゙あ゙……がッ……」

言葉を発することのできない里香。
チドリの愉悦の表情に唾を吐きかけようとするが、それすらできない。

「ぐぅ、ゔゔ……」

チドリの言葉に精神を責め立てられ、瞳から涙を流す里香。
何度も心の中で少女に謝罪の言葉を並べる。

(ごめん、絶対助けるから……ごめんね……ごめんね……)

そんなことは露知らず、チドリは里香の首筋、ちょうど頸動脈のあるあたりを舐めている……
そして、鋭い八重歯を剥き出しにした。
それはコウモリというよりは、ドラキュラを彷彿とさせた。

「ア゙ッ!?」

里香は物理的に絞り出されたかのような悲鳴を上げた。
頸動脈に穴を開けられ、血を大量に吸われている……
そして、死なないとはいえ、里香の脳への血液の供給が間に合わなくなってきた。

(うあ、や、ヤバい……)

必死に意識を繋ぎ止めようとする里香だが、指一本動かせないほどの苦痛の中、どうすることもできない。
……そして、遂に里香は気を失ってしまった。


256 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 11:57:09 ???
>>255
「…フフフ…さーて…」
ついに意識を失った里香を見て、ゆっくりと口を話した。
残った血液が辺りを赤く染める。

「……創造主様にお見せすれば…
 どれだけ面白いものが見られるかしらねえ?」
そう言ってチドリは彼女をかるく持ち上げると、翼をひろげて何処かへと飛んで行く

「…面白いものを見せてあげるから…
 楽しみにしてなさい?」
…気を失っている彼女にはもはや聞こえないだろうが…
彼女は不気味に笑った。

――――――――――


…里香は…ラボのような機械的な場所に運ばれている。
彼女の身体は周囲の機械が、何度もスキャンを行い、調べている最中だ。
その両手足は頑丈な鎖のついた枷に拘束され、宙に浮いた形で固定されている。
……かなり長い時間が経過したのか、身体の怪我もほぼ完治している状態だ。

どうやら…敵の根城に運ばれたらしい。

【場所移動ですが、よろしいでしょうか?】


257 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 12:19:07 ???
>>256

「あ゙、ゔ……ここは……?」

次に意識を取り戻した時、里香は何かの研究所のような場所にいた。
辺りを見回してみると、何だかよくわからない機械がスキャンして里香を調べている。

「ぐ……痛ッ!?」

身体の傷は殆どが治っているか、治りかけだった。
しかし服はそのままで、身体も拭かれていないので、かなりみずぼらしい格好である。

「う……は……離せぇ……」

己を拘束している太い鎖に抵抗してガチャガチャと両手両足で暴れるが、無論解放されるわけがない。
ここは一体どこなのだろうか……

「あ、あの……女の子は……?」

あの少女も共に連れてこられているハズだ……
助けなければ。
里香は再び拘束を解こうとガチャガチャと足掻いた。


【はい、ありがとうございます】


258 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 12:30:59 ???
>>257
彼女はしばらく抵抗してみるが…
全く微動だにしない。

「そんなことでは、無理よ?」
と、声が聞こえたかと思うと、目の前にあった扉が自動的に開いた。

「……なんたって、ホムンクルスを捕縛するための鎖だからね。
 あなた程度の力じゃ、ちぎれないわよ?」
そこに居たのは……メガネを掛け、豊満な胸を白衣で包み込んだ
艶やかな顔立ちをした女性…先ほどのチドリとは違う…。
彼女よりも年が上のように見える。
長い髪の毛は濡髪のように光っている。

「はじめまして…村山里香さん。
 私はサディーレ・リョナス…
 ホムンクルスを作ったのは…この私よ?」
ニッコリ笑いながら自己紹介をする。
人の良さそうな顔立ちをしているが…彼女が元凶ということだ…


259 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 12:41:34 ???
>>258

「はあッ、はあッ、はあッ……」

(ダメだ、外れない……)

幾度も強い力をかけて試してみたが、鎖がやかましいばかりで外れる気配はない。

(早く逃げて……あの子を助けないと……)

里香の中で焦りが募る。
しかし、それを遮るかのように里香は妖しい声を聞いた……

「だ、誰……あんた……?」

里香は敵意を露わにして聞いた。
その女性が人の良さそうな笑顔を浮かべて答える……

「ホムンクルスを……ってことは……あんた……!」

再び里香は激情に駆られ、四肢をガチャガチャと暴れさせた。
当然その程度ではどうにもならないのだが……

「あの子に何かしたら……あたしが許さないんだからね!?」

里香はあくまで強気だ。
もしかしたら、状況を理解していないのかもしれない……


260 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 12:52:21 ???
>>259
「だからー、ダメだって言ってるでしょう?」
ニコニコ笑いながら彼女の様子を見る。

「あの子?…
 ああ、デスパイダーを一匹仕留めたあの子のことかしら?」
厳密には倒す一助をした女の子だが…

「あの子なら大丈夫よ?
 死んでないし…むしろ…」
そう言って隣の部屋を見る

「あの子を救ってあげるのよ?
 私のホムンクルスとなって、
 永遠を得られる…素晴らしいことでしょう?」
優しい声で、人ならざることを平気で吐き出す女性。
彼女を死の直前まで追い込んだのは自分たちでありながら。
彼女の気配も人ならざるものであることは明らかだ。

「このまま死なせるには惜しい子だからねえ?」
…隣の部屋に居るのは…ベッドに横たわっている先ほどの少女…
その隣には

ウジュルウジュル…
スライムが人形を取ったかのような不気味な生物がいる。


261 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 13:52:22 ???
>>260

「そう、その子! その子に何かしたら……」

里香は今にも噛み付かん勢いだ。
しかし、白衣の女性はそれを横目で受け流す。
そして、隣の部屋を見ると……果たしてそこにはあの少女が横たわっていた。

「あッ!? ぐッ……くそッ……!!」

里香は再び激しく鎖を鳴らした。
だが、里香の力をもってしても鎖はびくともしない……

「救う……? ホムンクルス……? ふっ……ふざけんな!! そんなの絶対おかしい!」

しかし、女性は里香の言葉に全く耳を貸さず、自己完結しているようだった。
その様子に人ならざるものを感じ、里香の背中に寒気が走った。

隣の部屋を見ると、少女の近くに人型のスライムのような謎の生物がいる。
あれもホムンクルスなのだろうか。

「ああッ!? や、やめろ! やめろおぉぉ!!」

里香はただならぬ気配を察知し、拘束を解こうと力を込める……
しかし、女性はそれを見て嗜虐的な笑みを浮かべた。


262 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 14:01:36 ???
>>261
「…あらあら、まるで犬ね」
届かない距離まで下がって嬉しそうに答える。

「何がおかしいのかしら?
 負いもせず、美しい体のまま永遠を生きられる…
 私たちはその高みに至るのよ?」

そう言ってから、少女の方に顔を向ける。

「ああ、あれはホムンクルスよ?
 素体だけどね…」
そう言ってニッコリ微笑んだ。

「素体のホムンクルスが、他の生物を取り込み、合一することによって
 生物の力を持ったホムンクルスが誕生するのよ。
 まぁ…理性のないいきものだと、醜い怪物が出来上がってしまうけど…」
そう言ってる間に、生物は少女の身体をぬらぬらと覆い始める。

「人間と合一すればより強い生き物が誕生するわ。
 …最も、あの子が耐えられれば…だけどね。」
少女の傷口に少しずつ素体が流れ込んでいく。

すると

「あがっ!?アアアアアアアア!!
 がはっ…うげぇっ…うあああっ…ああああ!!」
少女は激しく身体をよじり、血液を吐き出しながら悲鳴を上げ始める。
悲鳴だけでなく、少女の部屋の方からは咀嚼音のような不気味な音が連続して響いてくるのだ

「なんてったって…人間だった部位を『喰らい尽くして』取り込んで、
 食らった部分を即座にホムンクルスの体に置き換えるんだから…
 『死ぬほど』辛いのよ。うまく言った人なんて、私と、チドリくらいかしらねえ?」
少女の苦しむ様子を、ニヤつきながら見続ける。


263 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 14:14:01 ???
>>262

「うう……そんなの、間違ってる……」

里香はがくりと首を落とした。
女性の言うところによると、あれもホムンクルスらしい……

「うあ、や、やめろ……」

ホムンクルスの素体が少女の身体を覆い、傷口を通して体内に侵入していく……
そして、獣のような少女の絶叫が響いた。

「ああああぁぁ!? やめろおお!! やめろおおおぉぉぉ!!」

里香は涙目になりながらも訴える……
そんな里香を尻目に、女性は本当に楽しそうに少女がどんな目に遭っているのか説明した。
死ぬほど辛いという苦痛……
少女に耐えられるだろうか。

「うあ、や、やめて……あたしに……あたしにやればいいでしょ……」

里香は涙ながらに懇願する。
だが、女性はクスリと笑っただけだった。


264 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 14:27:00 ???
>>263
「あらあら、泣けるじゃないのー。
 いい子ねェ。その悲鳴も私たちにはいい栄養なんだから。」
彼女にはもう人の心などない。
このような輩に少女は変えられてしまうというのだ。


「あなたに?ダメね。」
そう言って手をフッと振るった。

「あなたは死なないからだ、しかも身体が驚くべき速さで再生するのだもの…
 素体が消えてしまうわ。」
つまらなそうに答えた。
彼女では替わりになどなれないということなのだ。

「ほら、そんなことよりも見てご覧なさいよ」

「ああああ!!だ、助けてぇ…!!
 だ、だれがぁああああああ!!」
悲鳴がますます激しくなっていく。
やがて、少女の口の中にも侵入し始め
「うぐぅっ!!ごはっ…えうっ…あぐぅっ…!!」
くぐもった悲鳴ばかりが響くようになる。
そしてだんだん彼女の姿は、素体に覆い尽くされて見えなくなっていった。


…サディーレは、その様子を見たあと、里香の耳元で囁いた
「…まもなく彼女の再誕の時よ。」


265 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 14:45:03 ???
>>264

「うう……ぐぅ……」

(ごめん……あたしのせいで……あたしが弱かったから……)

里香は自責の念に駆られて涙を流す。
耳には絶えず少女の悲鳴が聞こえてくる……

「ぐうぅ……ちくしょう……」

サディーレの艶めかしい声が耳元で囁かれる度、何とも言えない悪寒が身体を走る……
この女に人間らしい心など欠片も残されていないのだと、里香は改めて思い知らされる。

そして、段々と少女の悲鳴はか細くなり、姿もスライムに覆い尽くされて見えなくなっていく……

「再……誕……?」

サディーレの言葉に何か不吉なものを感じた里香。
恐る恐る少女のいた方を見る……


266 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 14:56:04 ???
>>265
しばらく続いていた悲鳴が、段々と聞こえなくなってくる…
やがて、全く聞こえなくなったところで

ギュル、ギュルギュルギュル!!!
急激に素体のホムンクルスの身体が収縮して、
少女の中に取り込まれていった

「……」
少女の体は傷一つない美しい姿になっていた。
いや…スタイルも、少し前に比べても美しい物に変わっている。
胸も大きくなり、ウエストも引き締まった体型になった。

「…どう、綺麗でしょう?
 あの子は、生まれ変わったわ。
 脆弱な人の体を脱ぎ捨てた、永遠の存在にね。」

少女の頭には、大きな花がまるで髪飾りのように咲いている。
そして、身体のあちこちには植物の根のようなものが張り巡らされていた。
少女は、ボーッとした顔であたりを見回す。
そして…

バサァッ!
背中からは、カラスのような翼が生え始めた。
「あらあら、動物と植物が混ざっちゃったみたいね。」
そう言ってサディーレは微笑む。
少女は変わってしまった。
異形の怪物に

人を苦しめることに悦楽を覚える悪魔に。

「…こっちにいらっしゃい。
 あなたの最初の遊び相手はもう決めてあるわ。」
そう言ってサディーレは部屋の向こうの少女を誘う。
…少女は言われるがまま、ゆっくりとこちらの部屋へと向かってきた。

【彼女が最後のリョナ相手として設定しますが、よろしいでしょうか?】


267 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 15:06:03 ???
>>266

「あ……あ……」

里香は信じられない、と言うばかりに呆然としている。
やがて、素体が少女の身体に取り込まれ……傷一つない少女の裸体が現れた。
その姿は、控えめに言っても非常に美しくなっている。

「うう……くぅ……」

自分の無力さを今更嘆いたところでどうにもならない……
里香は少女を見据えた。
背中からカラスのような翼を生やし、全身に植物の根のようなものが張り巡らされている。

「ごめん……ごめんね……」

(何か……何かあの子を元に戻す方法はないの!?)

里香は必死に頭を働かせるも、何も思い浮かばない……
仮に方法があるとしても、どうにかしてこの女から聞き出すしかなさそうだ。

少女が抵抗のできない里香を見つめ、ゆっくりと近づいてくる。


【はい、徹底的にやっちゃってください】


268 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 15:15:27 ???
>>267
「さて、あの子の名前は…百合香ちゃんだったわねぇ。」
そう言ってポケットの中に突っ込んでいた生徒手帳を確認する女性。

「里香ちゃん?
 百合香ちゃんと、直に関わったらどう?」
そういったところで、部屋の中へ少女が入ってきた。

「……」
うつろな目でしばらく里香を見つめる。

「どう?百合香ちゃん。
 このこの事は…どう思う?」
そう言うと、虚ろだった少女は、顔をゆっくり上げて

「あ…う…」
しばらく首を傾げたあとで

「大好き…私…
 大好きぃ…」
悦の混ざった声で少女は、荒い息を吐き出しながら答える。

「そう…じゃあどうしたい?」
サディーレが尋ねると

「あう…なんでなんだろう…
 私…里香ちゃんを…ぐちゃぐちゃにしたいよぉ…
 ずたずたにして…めちゃくちゃにして…
 身も心も…私のものにしたいよぉ…」
そう言ってゆっくりと近寄ってくる。
常軌を逸した、興奮した顔で近寄ってくる。


269 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 15:34:26 ???
>>268

「百合香……そうか、百合香って言うんだ……」

(あたし、この子の名前も知らなかった……)

なぜサディーレはそれを知っているのか。
恐らくは事前に調べていたのだろう…… 

「ゆ……百合香ちゃん!? わかる? あたし……里香だよ!?」

里香は必死に百合香に呼びかけるが、百合香には聞こえていない様子だ……
虚ろな瞳で里香を眺めている百合香。

(ダメだ……聞こえてない……!)

そして、百合香はまるで悦んでいるような声で言った……
里香を苦しめることに対して、だ。

「そ、そんな……百合香ちゃん……」

百合香は、里香を傷つけたくてたまらないようだ……
そして、ずんずんと里香に近づいてくる。

里香は百合香の身体から漂う甘い匂いを感じた。
その顔は、明らかに常軌を逸している……
それでも里香は、百合香を安心させるように呟いた。

「大丈夫……あたしが、なんとかするから……」


270 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 15:46:06 ???
>>269
「それじゃあ、
 愛する者同士で仲良くやりなさいな?
 私たちに、苦痛と絶望の悲鳴を…」
そう言って近くの椅子に腰掛けて微笑んだ。

「ああ…里香ちゃん…嬉しいよぉ…
 私のことを愛してくれるのぉ?」
段々と、身体に巻き付いていた木の根がバキバキと音を立てて蠢き始める。

「…嬉しい…嬉しいよぉ!」
そう言って彼女は一気に駆け寄ってくる。
そして

「あはぁあぁ!
 大好きィィィ!!」
バキバキバキ!
お腹に巻かれた鋭く尖った木の根を伸ばし、
彼女の腹にそれを突き刺すように抱きしめた!


271 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/14(日) 21:45:56 ???
>>270

(くそ……一体どうすれば……)

里香は鎖に拘束され、どうすることもできない……
ちらりとサディーレの方を見たが、彼女はニヤニヤしているばかりだ。

「ち、違うよ、百合香ちゃん……こんなの間違ってる……」

もしかすると百合香が正気を取り戻すのではと淡い期待を抱いて呼びかけるものの、百合香が耳を傾ける様子はない。
完全に「向こう側」に行ってしまったようだ。

(うう……百合香ちゃんは……まだ人を殺してない……)

里香は、百合香がまだ間に合う内に、どうにか人間に戻すと決意した。
どうすればいいのかはわからないが……

(それには、あたしが……ここで百合香ちゃんの気を引かないと……)

何をされても死ぬ心配のない自分だけを犠牲にして、百合香も、その他大勢の人間も助ける……
里香の正義感と、不死能力がなければ成り立たない作戦だった。

しかし、百合香はそれを嘲笑うように奇矯な笑みを浮かべて里香に駆け寄った。
そして、全身の根が蠢いたかと思えば、鋭く先端の尖った根を腹から何本も生やす。
そのまま百合香は里香に抱きつく……当然、それらは里香の腹部に直に突き刺さる。

「があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!」

その想像を絶する苦痛に里香は喉から出血しそうなほどに絶叫した。
それでも百合香の顔を見据えると、己の決意を再度固めた。


272 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/14(日) 21:56:09 ???
>>271
「うふふ…それじゃあ、後はお二人さんでご自由に…」
そう言うと、サディーレは扉の方へと歩き去っていく…

「あはあ…いいよぉ…
 里香ちゃんの悲鳴…気持いいよぉ…」
悦楽に溺れるように体をのけぞらせながら、激しく悶える百合香。
苦痛を糧にすることがホムンクルスの特性。
彼女は染まっているということがわかった。

「一緒になろ…?
 私…里香ちゃんを…
 全部…」
そういうのと同時に…彼女が突き刺した根が
徐々に徐々に…

ミシッ…ビキッ…ビキッ…
まるで地面に根を張るかのように
里香の皮膚に、強引に音を張り始めたのだ。
里香の身体を徐々に犯し始める。

「あはっ…一つだよぉ…
 里香ちゃんと一つにぃ…
 感じてるぅ…」

ビキッ…ボキッ…
徐々に徐々に根っこが里香の身体を侵蝕する。
血管を裂き、内蔵を潰し、骨を砕きながら…

ドクッ…
      ドクッ…
            ドクッ…
その根っこは里香の精気を吸い取り始めても居るようだ。

「ねえ…里香ちゃんも…私の事…好きぃ?あはっ…」
そう言って彼女に顔を近づけていく。
吸いとった精気を、再び彼女に還元しようと、口をつけようとしてるのだろうか


273 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/15(月) 00:06:34 ???
>>272

「ちがっ……だ、ダメだよ、百合香ちゃん……ゲホッ、ゲホッ……」

里香は喀血し、息も絶え絶えになりながらどうにか言った。
それを尻目に、サディーレが部屋を出て行ってしまう……

「あ……ま、待てッ……!」

サディーレには聞かなければならないことが幾つもある……
認めたくはないが、里香は今彼女を必要としているのだ。
向こうが何を考えているのかはわからないが……

そして、苦痛に悶える里香に恍惚とするように百合香が顔を赤らめる。
放つ言葉も、もはや正気の人間のそれではない。

「え゙……あ゙……があ゙ッ……!? ぐあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ!!」

身体を百合香の根に侵食され、里香は激痛に獣のような悲鳴を上げた。
内臓の潰れる音、骨の砕ける音、肉の裂かれる音。
しばらく里香が耳にしたのは、それだけだった。

さらに、百合香は里香の精気までも吸い取り始める。
里香はいくら精気を吸われたところで死ぬことはないが、それでも全身に凄まじい疲労感がどっとのしかかる。
ぐったりとした様子の里香に、百合香は唇を無理やり重ね合わせる。
口を通して里香に精気を返そうとしているのだ。

「うあ……だ、ダメ……百合香ちゃん……うぷっ……」

しかし、一度ホムンクルスの身体を通った精気は、里香にとっては毒に近い。
里香は激しい嘔吐感を覚え、殆ど空っぽの胃の内容物を吐き戻した。
百合香は信じられない、穢らわしいといった表情でそれを見ている……


274 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/15(月) 00:20:15 ???
>>273
「はぁ…里香ちゃんの悲鳴…
 気持いいよぉ…
 ぐちゃぐちゃにする感触…あぁ…はぁ…」
彼女は心底嬉しそうだった。
痛みを与えることはこれほどの快楽なのかと、
彼女は感じている。

「んっ…!」
重ねあわせた唇から漏れだした吐瀉物を見て、思わず百合香は口を離す…

「どうして…なんでそんなことするの…」
穢らわしい物を見るかのような顔で里香の唇を見る。

「私はこんなに!
 里香ちゃんを…愛してるのに…
 ひどいよ…ひどいよひどいよひどいよひどいよひどいよ!!!
 そんなひどいことしないでよ!!」
彼女は本気で涙を流していた。拒絶されたことに激しく涙している。

「足りないの…私の思いが、愛が…足りないの!!!?ねぇ…
 ねえ!!」
侵食させた根を一斉に、羽ばたくように蠢かせた。
内臓が撹拌される想像を絶する激痛が里香を襲い始める。

「ねぇっ…感じて…
 もっと私の愛を感じてぇ!!
 もう里香ちゃんは誰にも上げないんだから…
 ぐちゃぐちゃにするのは…ずっとずっと死なせるのは…
 私以外にさせないんだからアアアアアアアアア!!」

常軌を逸した眼差しで百合香は何度も彼女を殺す。
助けてくれた感謝の心が、ホムンクルスに取り込まれて
異常な愛情に変わっていたのだ。
彼女の苦しみに呼応するように、百合香の感情も高ぶっていった。


275 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/15(月) 00:35:41 ???
>>274

「げほっ、げぇ……ち、違う、そういうことじゃ……」

百合香の見せた理不尽な怒りに、里香はどうにか弁解を図る。
しかし、素でそうなのか、それともホムンクルスになったせいかはわからないが、百合香は里香の言葉に耳を貸そうとしない。
本気で涙を流している百合香を見て、里香は多少なりとも申し訳なく感じてしまう。
が、その感情も数秒後にはかき消された。

「え゙ゔッ!? あ゙ッ……ぐ……があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ!!」

里香の身体の隅々まで張り巡らされた根……
百合香はそれを一度にすべて蠢かせたのだ。
その激痛は、里香がその日受けたものの中でも飛び抜けていた……
激痛によって気を失い、激痛によって意識を戻される無間地獄はしばらく続いた。

「お゙お゙ッ!? ごぼえ゙ええ゙えッ!! んあ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!」

里香は止めどもなく口から胃液まじりの赤黒い血液を吐き散らした。
心臓も幾度も潰されたが、里香の不死能力はそれを許さないかのように直ぐに心臓を修復してしまう。
まるで、里香の苦しみを長引かせようとしているようだった。

そして、里香が常人ならば数秒ももたない地獄を数分間味わって尚、百合香は満足していないようだ。


276 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/15(月) 00:43:48 ???
>>275
「はぁ…はぁ…はぁ…
 あぁ…」
数分立って、彼女の激しい苦しみを味わい、多少冷静になれたのだろうか。

「……里香ちゃん…
 あなたがどう思ってても…私はね…
 ずっとずっとね…もっと…」
そう言って、体内に蠢かせる木の根が
段々と、枝を発し始める。
それは彼女の身体を突き破ろうと、どんどん成長をし続ける。

「私の…私のことを感じて…
 あははっ…ねぇっ…
 どう思ってるのか…聞かせてぇ…!」
体内の感触でわかるだろう。

花だ

まるで自身を樹木とし、無数の花を咲かせるかのように
蕾を持った枝が、突き破らんとしているのだ。

…激しい責め苦の影響なのか、段々と彼女を拘束していた
手枷…を支えていた天井や床にヒビが生じ始めている。
このまま行くと…


277 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/15(月) 01:38:14 ???
>>276

「あ゙ゔ……ぐぁ……」

体内をぐちゃぐちゃにかき回され、精気を吸われ……里香は、もはや死に体だ。
この状態で解放されたところで、抵抗どころか、指一本動かせるかすら怪しい。

しかし、百合香はそんな里香の苦痛でさえ満足できないのか、更なる暴虐を里香に加える。

「う……?」

里香は体内の根が何か蠢くのを感じた。
何かが膨らみ、内側から皮膚を突き破ろうとしている……

「あ゙……あ゙ぁッ……があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!?」

そして、里香の体内から蕾を付けた枝が無数に伸びてきた……体表を突き破って。
それらは里香の生命力を吸い、妖しい花を咲かせた。
この花が一つ咲くのに必要な生命力は、ちょうど人間一人分らしい……里香の身体にはそれが無数に咲いている。
生きているのが不思議なほどだ……

が、しかし。
それらの常識を超えた責めの影響か、里香の四肢を拘束する鎖の根元あたりの床及び天井にひびが生じた。
そして……

ガラン、ガシャアアン!
凄まじい音と共に、天井と床が崩れ落ち、里香は下階の部屋まで落下した。
百合香が慌てて床に空いた穴から下を見ると、そこには瓦礫の山しかない……
里香はそこに埋まっているのだろうか。

百合香はそこまで翼を使って降りて行く。
粉塵と埃で、視界が悪い……
しかし。
ガラッ……
瓦礫の山から血塗れの腕が這い出してきた。
そのままその手が床を掴むと、瓦礫から全身を血に染めた里香が這い出てきたのだ。
体中の皮膚を切り裂かれ、幾つもの吸命の花を咲かせながら……それでも里香は生きている。
そして、そこに百合香の姿を認めると、蚊の鳴くような声で言った。

「……キライ、だよ……」

百合香にはよく聞こえなかったのか、何を言っているのだ、という表情をしている。
そのまま里香は傷だらけの身体に鞭打って、がくがくと震えながらも立ち上がる。

「あたしは……そんな、ゲホッ……自分に、負けるような、人は……キライ……だよ」

そして、里香は毅然とした様子で百合香を見据えた。
こんな状態だと、何をされたところで抵抗すらできないだろうに……


278 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/15(月) 14:38:48 ???
>>277
「ああっ…里香ちゃぁん!」
突然崩れ落ちた天井と床を見て、
百合香は下の方へ降りていく

…心配などではない。
折角の大事なものを失うのが嫌だからなのだ。

「…ああ…
 よかった……まだいるんだね」
彼女の姿を見て、ホッとしたような顔で百合香は答える…

「……今なんて言ったの?」
彼女の言葉を信じられないという表情で見る。

「私が…自分に負けて…?
 嫌い…?」
そういった瞬間に
再び根っこが勢いよく里香に伸び、両胸と、臍を同時に貫き通す。

「おかしいなぁ…
 そんなこと言うはずないのに…
 聞き間違いかもしれない……」
その後、百合香は根っこを引き抜いて、再び問う

「……私の事…好きだよね?」
あちこちに、カラスの羽が舞う。
彼女が羽ばたきを大きくするのは、何のためだろうか。

【結末はどのような感じがおこのみですか?】


279 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/16(火) 00:01:32 ???
>>278

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

里香の全身には切り傷や擦り傷、打撲傷が無数に刻まれ、見るも痛々しい。
里香は百合香が咄嗟に自分に駆け寄ってくるのを見て、もしかしたら……と思ったのだが。
百合香が自分を心配などしていないということは、里香にもわかった。
言うならば、玩具を大切にする子供……百合香はそんな様子だった。

そして、百合香は里香の姿を認めると、安心したような表情を浮かばせた。
勿論、それは里香への心配からではない……自分のものが壊れなくてよかった、という手前勝手な感情からだ。
百合香は里香の真意を確かめるかのように、根を伸ばして里香を突き刺した。

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!」

散々かき回された内臓に更なるダメージを加えられ、里香は絶叫する。
その悲鳴をひとしきり味わった百合香が根を里香の身体から抜き去ると、傷口からどくどくと血が流れ出た。
里香はがくりと膝をつく。

そして、百合香は己の背中に生えたカラスの翼をはためかせる。
辺りにカラスの羽根が舞っているが、一体それで何をしようというのか……
だが、心の内の恐怖を抑えつけ、里香は言い放った。

「はぁ、はぁ……い、言った……でしょ、キライ、だって……」

その言葉を聞いた百合香は、憤怒に表情を歪めた。


【そうですねー、里香と百合香はどうにか解放されるけれどもサディーレに目をつけられてしまう、といった感じがいいです】


280 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/16(火) 00:18:47 ???
>>279
「………」
自分が傷めつけて快楽を感じているはずなのに…
どういうわけか百合香は浮かない顔のままだ。

「うう……
 なんでつまらないんだろう……」
彼女はホムンクルスとなって、苦しみと痛みを糧としている…
そのはずなのだが…

「…もっと…
 もっと傷めつけたら…
 変わるかな?」
すると、周囲を待っていたカラスの羽が…

シュシュシュシュ!
あらゆる方位から、里香の胴体に突き刺さる。
更に…

ぐしゃぐしゃぐしゃ

まるでカラスが腐肉をついばむかのように、
里香の肉を食い荒らし始めた。
突き刺さった羽は、ぐちゃぐちゃと音を立てながら、
里香の返り血を浴びて赤い羽根へと変わる。

…なのに彼女は浮かない顔をする…
先程まで楽しんでいた彼女の何が変わったのか…

…或いは先ほど里香の精気を吸い取った際に
何か影響があったのかもしれない

【了解です。ひとまず…脱出させる形でしょうか?】


281 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/16(火) 01:15:44 ???
>>280

「ゔあ゙……あ゙……」

膝をついたままどうにかこらえている里香。
一瞬でも気を抜くと、そのまま身体が崩れ落ちてしまいそうだ。
だが、ズタボロの里香に、ようやく一筋の光明が見えた。

(百合香……ちゃん……?)

先ほどから百合香は、何か納得のいかないような、浮かない顔をしている。
里香を痛めつけることに、快楽を感じなくなってきたのだろうか?
藁にもすがる思いで、里香は百合香に呼びかける。

「ねぇ、百合香、ちゃん……ゲホッ、ゲホッ……」

だが、百合香は意識してそうしているのか、耳を傾けない。
そして、里香の周囲を舞っていた羽根が一斉に里香のほうを向くと……
風を切るような音と共に、里香の胴体に向かって飛んでいく。

「があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!?」

その羽根は見た目よりもずっと鋭く、容易く里香の身体に突き刺さった。
それこそ、無数に……
しかも、それぞれの羽根がぐちゃぐちゃと音を立てながら里香の身体をついばむように傷口を抉る。
そのあまりの激痛に、里香は意識を危うく手放すところだった。
だが、朦朧とする意識の中、里香は確かに百合香が首を傾げるのを目にした。
確実に、彼女は何かを取り戻しつつある……

「百合香、ちゃん……」

里香は息も絶え絶えに呟いた。

【そうですね、脱出する方向で……過程はおまかせします】


282 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/16(火) 01:31:28 ???
>>281
「……」
ずっとずっと百合香は、里香を痛めつけてきた。
だが、それがつながりを強くしたのかもしれない…

「わからない……
 気持ちいいはずなのに…
 あんまりいい気分じゃない…
 なんで…なのかなあ…」
ホムンクルスとしての彼女のままのようだが…
それでも彼女の中で何かが変わり始めている。

「……ここじゃわからないかな…」
そう言って、じっと彼女の苦しそうな顔を見つめる…

「私…どうしたら良いと思う?」
……募る疑問を、
イマでもひたすら傷つけ続けている彼女へ向けて、聞いてみる。


283 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/16(火) 03:40:07 ???
>>282

「あ゙うッ……が……はァッ!? ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!! ぐあ゙あ゙ッ!!」

カラスの羽根が里香の胴体を抉る度、里香は絶叫した。
今は、苦痛が思考を占領している……何も考えられない……

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!」

百合香はしかし、里香の苦痛に恍惚としていない……
何かが変わりつつある。

不意に、百合香が質問を投げかけてくる。
靄のかかる思考の中で、里香は懸命にそれに答えた。

「ゆ、りが……ぢゃん、は、げぼっ、自分、を……づよぐ、もっで……まげぢゃ、ダメ……」

血を吐きながら、里香は真っ直ぐな瞳で百合香を見据える。
その眼差しに、百合香は何を思っただろう。


284 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/16(火) 18:06:19 ???
>>283
「…へんだな…
 なんだろう…きもちいい…はずなんだけど…」
段々とその顔は、つらそうなものに変わり始めている。
百合香の中に取り込まれた里香の精気が、
どうやら影響を与えているようだ。

「…うう…
 なんでこんなに悲しくて…」
そう言って頭を抱えてうずくまり始める。

…そうこうしている間にも、無数の羽は里香を責め立て続ける。
無数の羽にむしり取られた部位からは別の恐ろしい感覚が起こる。

…あくまで感覚のみなのだが、
まるで刺された部位が腐り落ちるかのような恐ろしい痛みを与えてくるのだ。
自分が腐肉に変えられるかのような恐ろしい痛み。

ぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞ――――――
まるでとどめを刺すかのように、羽の動きは激しさを増していく。
もはやついばむというよりも、肉をちぎり取って撒き散らすかのように乱暴に彼女を食い散らかし始めた。

「……うう…これって…
 あの時と同じ…」

「おや……」
その様子をモニターで確認していたサディーレは、少しニッコリと笑った。

「……まさか、ホムンクルスでありながら人の心を取り戻そうと?
 面白いわ…」
そう言って彼女は指示を出そうとする。

「ちょっと試しに……
 その子の前に出てみなさい。」
と、クラゲの怪人に指示を出していった。


285 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/16(火) 19:07:52 ???
>>284

百合香の表情が、何か切なさを孕んだようなものへ変わっていく。
そして頭を抱えうずくまるが、里香への責めは継続していた。

「あ゙ゔッ……がッ……あ゙あ゙ッ!!」

しかも、羽根に抉られた部位からはそれまでとは違った感覚が襲う。
まるでその場所だけ腐敗していくような、おぞましい感覚が……

「ゔ……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!?」

里香はその感覚に思考すら腐っていくような気がした。
しかし、百合香は相変わらずうずくまったままだ……
彼女の中で、明確に何かが変わろうとしつつある。

(百合香……ちゃん……)

だが、里香が希望を抱く、まさにその瞬間。
あのクラゲ形の怪人が姿を現したのだ。
あの電撃の記憶を呼び覚まされ、里香は思わず身震いした。


286 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/16(火) 19:13:37 ???
>>285
「………」
百合香はしばらくうずくまった…

「……グググ…」
クラゲ怪人は再び里香の前に立ち、触手を伸ばして
彼女を電撃の餌食にしようとゆっくり迫る。

そして再び彼女の腹部へと電流を浴びせかけ始めた。

………そして数刻経過して…

……

ドスッ!!

「!?!?!?!?」
クラゲ怪人の腹部から、突如鋭く尖った木の根がつきだした。
…いや、背後から伸びてきた根に貫かれたのだ。

「?!?!!?!?」
声にならない悲鳴を上げながら、
クラゲ怪人は一気に萎れて消滅してしまった。

「……はぁ…
 はぁ…その人を…
 離して…………」
百合香は、自分の腕に深く爪を立てて
里香に向けて答える。

……まだ目は濁っているが、
人としての意識が目覚めているようだ。

…気づけば、先程まで激しく責め立てていた羽が全て抜け落ち、
ただの羽のようにアチラコチラへと散らばっていく…


287 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/16(火) 22:33:57 ???
>>286

クラゲの怪人は里香と百合香の間に割って入るように立つ。
だが、当然ながら里香を守るためでなく、更に痛めつけるための行動だ。


「ゔ……あ゙あ゙……」

里香は未だに全身の肉をぐちゃぐちゃとついばまれている。
そこへ、クラゲ怪人は触手を伸ばす。
そして、触手が里香の腹部をずぶりと貫いた……

「が……あ゙あ゙ッ!?」

しかし、それが終わりではない。
クラゲ怪人は、以前にもそうしたように触手に何万ボルトもの電流を流した。

「ぐあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!」

内臓を直接焼かれる激痛に、里香は獣のような咆哮を上げた。

一体どれほどの間、その拷問が続いただろうか……
不意に電流が止み、身体からぷすぷすと黒煙を上げながら里香は地面に倒れ込んだ。
里香の傷だらけの肌は黒く煤け、全身に火傷を負い、目や鼻から血を垂れ流す……
血の塊を里香は吐いた。

何故電流が止んだのか、里香はクラゲ怪人を見やった。
しかし、クラゲ怪人は既にその場にいなかった……百合香に倒され、消滅したのだ。

「ゆ、ゆり……が……ぢゃん……?」

気が付けば先ほどまで休むことなく自分を苛み続けた羽根も地面に散らばっている。
そして、ようやく里香は百合香が正気を取り戻したことを悟ったのだった。


288 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/16(火) 22:40:27 ???
>>287
「はぁ…ふぅ…
 …すぐに…逃げよう…」
百合香は、里香にゆっくりと近づいてくる

「うっ…うぅっ……」
どこかつらそうな表情をしている。

「だめ……もう…そんなこと…したら…」
未だに彼女の中では葛藤が続いているようだ。
彼女をぐちゃぐちゃにしたいという願望が、油断をすれば表に出てしまう。

「…い、いこう…」
百合香は木の根っ子を伸ばしてくる。
だが今度は刺し貫くのではない。
ゆりかごのように彼女を優しく包み込んで

バサァッ!!
羽を広げてどこか遠くへと飛び去りに行こうとしていた

―――――
「………まぁ、いいわ」
その様子をモニターで確認していたサディーレは…不敵に微笑む。

「あの子の追跡は…どこにたどり着いたかだけを追うだけでいいわ。
 人としての理性を取り戻しても…身体が欲する本能に苦しむことになるんだからね…」
そう言ってクスクスと笑った

「永遠にお幸せにね…ふたりとも…」
そう言って笑った。

【ひとまず、脱出はしましたが……どこかに逃げ帰ってから…ちょっとエピローグでリョナっぽくな感じでいいでしょうかね。】


289 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/16(火) 23:58:19 ???
>>288

「ぁ……ゔ……」

里香は全身の激痛に呻き続ける。
落ち着いたかと思うと、喉から血が込み上げてきて、吐血してしまう。
それを繰り返していた。

「ゆりか、ちゃん……? うッ……!?」

百合香が里香へと歩み寄っていき、根を伸ばした。
それに里香は思わず身構えてしまうが……その必要はなかった。
根は里香の身体を貫かず、優しく包み込んだ。

「百合香ちゃん! 戻ったんだ! よかった!」

里香は百合香が自我を取り戻したことを素直に喜んだ。
その表情がどこか浮かなく、葛藤に満ちたものには気が付いていなかったが……

百合香は背中の扉を広げ、研究所に空いた穴から外界へと飛び去った。
全てを見られているとも知らずに……


【エピローグでリョナっぽく……どうしますか?】


290 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/17(水) 00:06:01 ???
>>289
上空を高く飛び上がりながら…
自分の胸元に抱き寄せた里香を見つめる。
「……ごめん…
 私のせいで…こんな…
 苦しい思いを…」
穏やかな顔立ちだ。でもその顔は未だにつらそうだ。
元はといえば自分が蜘蛛のホムンクルスに襲われたせい…
そしてまた自分のせいで彼女はずたずたになってしまった。自分の手で…

「……でも…どこににげたら…いいかな…
 私…こんな体になったら…」
カラスの翼、植物の根、これらを見て、
自分が人間ではなくなってしまったと思い知り、涙をボロボロとこぼす。

「もう…お父さんとお母さんのところになんて戻れない…
 それに…このまま戻ったら…
 誰かを…また…里香ちゃんみたいに…」
彼女は自分の中にある葛藤を恐れていた。
誰かを傷つけたい。痛めつけたいと、時折起こる恐ろしい感覚が
まるで波打つように緩急をつけて迫るのだ。

「…どうしたら…」
いくら自我を取り戻したところで、
彼女の中にあるホムンクルスとしての感情は拭い去るのは不可能だ。
…彼女をこのまま何処かへ離せば…誰かを襲ってしまうかもしれない。

【そうですね…時折襲わせたり生気を吸わせるなどして、彼女の嗜虐心を満たさせる…なんていうのを頭のなかで少し考えてましたが……どうでしょう?】


291 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/17(水) 00:23:27 ???
>>290

「う……?」

百合香の腕の中で里香は目を覚ました。
そして、そこまま百合香の独白に耳を傾けた……

つまるところ、百合香は人としての心は取り戻したものの、本能はホムンクルスのままらしい。
彼女を放っておけば、しばらくしない内に誰かを傷つけてしまう……
そう思った里香は、思わず口を挟んだ。

「だい、じょうぶ……だよ。もし……自分に負けそうになったら、あたしを……あたしを傷つければいい。あたし、死なないくらいしか取り柄ないし、ね!」

里香は努めて明るく言った。
百合香に気負わせないように、という里香なりの配慮だ。

「だから……あたしん家、来る? どうせ、家族もいないから……」

里香は高校生でありながら、自活している。
その家に、百合香を匿おうと提案しているのだ。


【そうですねー、そんな感じでお願いします】


292 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/17(水) 00:32:10 ???
>>291
「…里香ちゃ…ん?」
彼女は悲しげな顔でその言葉を聞いた。
そう、彼女は死ぬことがない。
何度も傷つけ、死に至る攻撃を受けながら、平気だったのだ。

…自分の理性を保つには彼女と居るしかない…そう思った。

「ありがとう…
 私なんかのために…
 うう…ごめん…ごめんね…」
これから自分が行ってしまうかもしれない所業を思い、
罪悪感に押しつぶされそうになる心をどうにか奮い立たせる…

「…わかった…
 場所を…教えて。
 そこに飛んで行くから…」
そう言って、彼女は人の見ることのない高高度から、
町の方へと飛んで行く。

そこで…彼女の家に住み始めてから、数日ほど過ぎた時に…彼女の中の
最初の「それ」は訪れることになる。

【どうもありがとうございます。】


293 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/17(水) 02:51:55 ???
>>292

「ふぅ、ただいま……」

里香の先日負った傷は、驚くべきことに数日で綺麗に治癒してしまった。
そして、今日は久しぶりに学校へと顔を出し、丁度帰宅したところなのだが……

「ゆ、百合香!? どうしたの!?」

百合香の様子が明らかにおかしいので、里香は狼狽した。
百合香はまるで自分を抑えつけるように苦しそうだ……
ホムンクルスの嗜虐的欲求を感じているのだ。
ついに、恐れていたものが訪れてしまった……
だが、里香は躊躇しなかった。

「百合香、百合香! ほら、あたしだよ! あたし! 里香!」

百合香の首を掴んで、自分の顔と向き合わせる。
すると、百合香の表情が玩具を見つけた子供のそれへと変貌する……


294 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/17(水) 06:31:54 ???
>>293
「あ…はぁっ…
 ううっ…あっ…!」
帰ってきた里香は、自分を必死でおさえていた百合香の姿を見る

今の彼女に近づけばどうなるかは明らかだろう

だが、約束したことだ。
彼女が誰かを傷つける前に……


「里香ちゃん…ごめ…っん…」
そういいながらも、その顔は
オモチャを見つけた子供のように嬉しそうだった。

「あああああああ!」
彼女を勢い良く床に押し倒して

「あああっ…!!」
来ていた服を引き裂いて木の根を何度も伸ばし、
彼女の胸を、腹を、ずたずたに引き裂くようにめった刺しを始める。

「あああああ……!気持ちいい…
 こんなこと…しちゃダメなのに……
 気持いいよぉ……!うああああ…!!
 里香ちゃあぁん……!あああああ…!」
彼女の顔は満たされるような嬉しそうな顔だが…
その一方で、大粒のナミダを流していた。
本能が満たされる一方で、理性が悲しみに満ちているのだった。

…数分間、彼女を満足するまで、そんなふうに里香を傷めつけ続ける…


295 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/17(水) 11:41:44 ???
>>294

「うぐッ!?」

百合香が勢いよく迫ってきて、里香を床に押し倒す。
そして……

「あ゙ッ……があ゙あ゙……ぐッ……!?」

根を伸ばして、里香の胴体を何度も刺し貫いた。
里香は大声を上げるわけにもいかず、必死に悲鳴を押し殺した。

百合香は里香を痛めつける間中、瞳から涙を流していた……
人としての理性がそうさせているのだろう。

(百合香……)

里香は悲しげに心の内で呟くと、何としても百合香を元に戻すということを誓った。
数分後……

「はぁッ……はぁッ……はぁッ……」

百合香は里香を満足いくまで苦しめ、ようやく解放した。


296 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/17(水) 14:02:29 ???
>>295
「はぁ……はぁ…はぁ……」
しばらく彼女を何度も突き刺していた百合香は…
ようやく理性を取り戻したのか、洗い息を吐きながら、ゆっくりと木の根を身体へ戻していった

「…うっ…うっ…
 ぐすっ…うああああ…」
彼女は悲しみの涙をボロボロとこぼしていく

「ご…ごめんなさ…
 うっ…また…ひどい……こと…
 ごめ…ん…ごめ…」
血があふれた床と、穴だらけになった里香の身体を見ながら
彼女は号泣した。落ち着くまでずっと鳴き続けた。


「……本当に…ごめん…」
落ち着きを取り戻した彼女は、
そう言ってから、床を必死で吹いていた。
血液は簡単には落ちない。部屋の中にむせ返るような
錆びた鉄のような匂いが漂っていた。

――――――
「……このままじっくり待てばいいわね…」
その様子をサディーレは音声つきでじっくりと監視していた

「後何百年もまたなきゃいけないかと思ったけど…
 いずれは完成しそうね」
そう言って近くに置かれた容器の中の石を見る。

「……本当の不老不死が手に入る賢者の石…
 彼女たちの悲鳴と慟哭を聴き続けてちょうだいね。」
そう言ってニッコリと微笑んだ。

【次のあたりで終了にしましょうか?】


297 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/17(水) 23:17:44 ???
>>296

「あゔッ……ぐ……」

里香は苦痛に呻きながらも、百合香の頬を涙が伝うのを見るとそれを押し殺した。
そして、安心させるように優しく言う。

「大丈夫……大丈夫だから……百合香は……悪くないよ……」

その光景を見られているとは露ほども思っておらず、里香は百合香を諭す。
部屋にはむせかえるような血の匂いが立ち込める。

「大丈夫だから……ね……」

里香は自分に言い聞かせるようにもう一度そう言うと、意識を失った。


【そうですね、お願いします】


298 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/17(水) 23:28:08 ???
>>297
「…里香ちゃん……」
自分の感じる罪悪感は、彼女の顔を見ると強まるが…
同時に、死なせてしまわなくてよかったという安堵の気持ちも感じる…

「……早く…
 制御…しないと…」
そう言って彼女の周囲を掃除し始めた。
何かをやって気を紛らわそう…
そんなふうに考えながら

こうして、この日の夜の帳が下りていく

次に里香が目を開けた時には、いつもどおりの百合香の笑顔を見られるだろう。
それが、自分の苦痛の代償なのだとも。
――――――
「もし、本能を抑えこんだらどうするの?」
ホムンクルス・チドリがサディーレに対して答えた

「その時はまた、彼女に嗜虐の光景を見せればいい。
 抑えこむなんて不可能なのよ。
 人が、物を食べなければ生きられないのと同じ、
 ホムンクルスは、人を苦しめ、傷めつけながらしか生きられない定めなのだからね…」
クックック、と彼女は笑った。

―――こうして、数奇な運命の話は、ひとまずここで幕を閉じる。

【とりあえずこの辺でおしまいのレスとさせていただきます。長い間ありがとうございました。】


299 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/18(木) 00:00:35 ???
>>298
はい、長い間ありがとうございました!
また何か機会があればよろしくお願いします。


300 : ◆ztq7pWnU8A :2016/02/18(木) 00:13:50 ???
>>299
こちらこそありがとうございました。
満足して頂けたか心配ですが、ひとまず終わらせられて良かったです。
こちらこそ、何か機会があればぜひまた。

ご感想があればお好きに。


301 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/20(土) 03:48:36 ???
待機してるので、どなたかロールやって頂ける方がいらっしゃれば是非お願いしますー


302 : ◆nMT0hdBY.c :2016/02/25(木) 13:50:35 CAUKBS/A
>>301
少し時間が経ってしまいましたが、宜しければお相手頂けませんでしょうか。
お返事お待ちしております。


303 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/26(金) 02:55:33 ???
>>302
是非お願いします!
ただ、投稿ペースが遅くなってしまうかもしれないのですが、それでもよろしいですか?


304 : ◆nMT0hdBY.c :2016/02/26(金) 09:23:03 ???
>>303
置きレス気味に〜ということでしょうか、私の方はスローペースでも大丈夫です。
スレにご迷惑にならない範囲でゆっくり出来たら幸いです、是非お願いします。
早速ですが、責めキャラの方に投下させて頂いたキャラが三つ程居りまして、>>47〜49がそうなのですが
里香さんが責められるならどちらのキャラクターが宜しいでしょうか、ご希望の展開などお聞かせください。


305 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/26(金) 12:15:12 ???
>>304
そうですね、あの中でしたらアイリ先生でしょうか。
Sの女性に責められたいので……
ちなみに、里香のキャラ設定はこちらになります。
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422884972/35
一応目を通して頂けると幸いです。
希望の展開としては、
・アイリ先生の配下にリンチされる
・捕まって拷問を受ける
・不死であることを見抜かれて人体実験的に扱われる
などでしょうか。もちろん、その場の展開に合わせて自由にやっちゃって構いません。
不死性のために常人なら即死するようなリョナをお願いしたいです。


306 : ◆nMT0hdBY.c :2016/02/26(金) 13:29:00 ???
>>305
アイリですね、了解しました。
どこまでサディスティックに出来るか不安ですが、それではアイリでお相手させて頂きますね。
実を言うと、あの三人は村山さんの設定を読んでからちょっとリアルな路線の責めキャラと言う事で考案した物なので、
事前に村山さんの設定は読ませて頂いてます。ご希望の展開等も了解しました、出来る限りご期待に添えられるよう頑張ります。
参考までに、こちらのNGはスカ、過度なグロテスク表現(達磨、死亡)等です。宜しくお願いします。此方は準備が出来次第始められますが、村山さんは如何ですか?


307 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/26(金) 14:10:09 ???
>>306
はい、NGも了解です。
置きレスという形になってしまうかもしれませんが、準備ができ次第よろしくお願いします。


308 : ◆nMT0hdBY.c :2016/02/26(金) 23:31:37 ???
>>307
返事が遅くなりすみません、畏まりました。
それでは書き出しは此方からの方がスムーズかと思いますので、今夜中に投下させて頂きます。
お時間の宜しい時で構いませんので、お返事いただけますようよろしくお願いします。


309 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/02/27(土) 00:04:48 ???

「―――ねぇ。この間提示した金額が幾らだったか、貴方覚えてる?」

「……覚えてない様ね。違うわ、1万円じゃない。"10万円"よ、一桁間違えているの、貴方。」

「……本当に覚えてないの? よくないわね。進学校の生徒がそんな事じゃ、良い大学には行けないわよ。」

「それとも―――まさかこの私を相手に、"値切ろう"とでも考えたのかしら。」


深夜の廃墟ビル。以前はオフィスや倉庫として利用されていたであろう事を物語る物資が放置された其処は、
同時に使われなくなって久しいと言う事もその寂れ具合を通して見る者に訴えかけてくる様だった。
古びたデスク、壊れた旧型のパソコン、画面の割れたブラウン管テレビ、壊れた充電器―――エトセトラ。
その中の一つ、キーキーと耳障りな音を立てる車輪の外れたオフィス・チェアに、一人の学生が縛り付けられていた。
両腕を背もたれの部分に固定されロープで全身を縛られた男子生徒と思わしき彼は、俯いたまま目の前の"女性"の言葉を受け取っていた。
はて、"男子生徒と思わしき"―――と表現したのは、当該の彼、両頬を"殴られすぎて"目玉も鼻も確認できないほどボコボコに肉が膨れ上がっており
ろくに声を発する事もできないのか、抵抗もままならないまま「うー、うー、」と上手く回らない口を使って呻くのが精一杯という状況だったからだ。

その状況で、学生を見下ろす影が一つ、黒いスーツと白のぴっちりとしたブラウスに身を包んだ、
一見するとオフィスレディと言った様な風体の女性だ。彼女は身に着けた黒縁の眼鏡をくい、と上げると
涼しげな表情で脚を生徒の座るチェアに乗せ、ゆっくりと蹴り出し、廃墟ビルの中をガラガラ音を立てながら"押し"進めていく。

「―――提示した金額が払えないなら薬は売らない。それが約束なのに、貴方はそれを破ろうとした。」

「それだけならまだしも、この私から"安く仕入れて"、それを"他の連中へと横流し"しようとした―――つまり。」

「私を利用して金儲けを画策した、ってワケ。……え? 何? 聞こえないわねぇ、ふがふが言ってるだけじゃわからないわ。」

「ともかく……二度とそんな事が無いよう、ちょっとお仕置きしてあげなきゃいけないの。当然でしょ? だって私は―――、」



「―――貴方の、先生なんですから。ね。」


ぐい。ぐい。脚で椅子を押し、縛られた学生をどんどんと廃ビルの中央から縁、建物の"際"へと進めていく。
当然ながら窓は割れており、下界と建物を塞ぐ障害は存在していない。つまり、このまま進めていけば生徒は―――
縁から落とされ地面に落下する事になる、という事だった。此処は二階、当たり所が悪ければ死も在りえる。
生徒は膨れ上がった顔を左右にぶんぶんと振り回しながら「ふ、うう、うう、」ともがき、呻くのみ。
"先生"と名乗ったその女は、眼鏡の奥に嗜虐的な紫の瞳を湛えながら、椅子を蹴って縁へともって行き、そして―――、


【こんな感じでお願いします。止めるもよし、止めないもよし、です!】


310 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/27(土) 02:05:54 ???
>>309

「はぁ、はぁ……」

不死能力を持っていて、運動が人より得意である以外は何の変哲もない少女、
村山里香は人気の無い夜道を一人歩いていた。
何故こんな場所を歩いているのかというと、つい先ほど里香は人外の怪物の気配を察知し、
それを退治すべく孤独な戦いに身を投じていたからだ。

「結構……ヤバかったな……」

里香は呟く。
敵はこれまで相手取ってきた異形と比べればさして手強いものではなかったが、
耐久力が高く、里香は持久戦を強いられていた。
消耗した里香の身体には掠り傷や切り傷が散見される。
また、疲労もかなりのものだった。
里香の持つ不死能力は、決して治癒能力と同じ種類のものではない。
生命力が底上げされ、命に関わる負傷であれば僅かに癒やすような、その程度のものだ。
それでも勿論、死ぬということはない。

「あれ……? どこだ、ここ……?」

気がつくと、里香は廃墟ビル群に迷い込んでいた。
この街に、まだこんな場所があったのか……しかし、楽観している場合ではない。
傷を治すためにも、できる限り速やかに里香は帰宅したかった。

その時である。

「んー! んー!」

死にかけの呻き声が聞こえてきたかと思うと、廃墟ビルの一つから、椅子に縛られた人間が落下してきたのだ。
この暗さ、この条件でそれを視認するのは常人にはできなかったかもしれない。
だが、里香は落下しているのが人間であることに気がつくと、躊躇することなく身体を投げ出した。
衝撃から(おそらくは)彼を救うためである。
庇う、と言い換えてもいいかもしれない。
どちらにせよ、不死能力のタフネスと正義感を持ち合わせた里香にしかできない行動だった。

「ぐあああああぁぁッ!!」

不死であっても、苦痛は常人と同等に感じる……里香はその激痛に悲鳴を上げた。
しかし、自分の心配はそこそこに、里香は落下してきた彼を見やった。
人相がわからない程に殴られているが、息はある。

「あぐッ……はぁ……だ、大丈夫……?」

が、その行動がさらなる悲劇を呼ぶことになるなど、その時の里香には想像すらできなかった。


【そうですね、こんな感じで続けましょう、無理のないペースで。勝手に里香を手負いにしちゃいましたが、問題ありませんか?】


311 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/02/27(土) 11:47:09 ???
>>310

蹴落とした椅子。タイヤが加重に耐え切れず外れ、キィキィと嫌な音を立てながら落下していく。
死ぬだろうか。死なないだろうか。どちらにせよ、問題は無い。この生徒は成績も良くなければ素行もよくない、
進学校には珍しいタイプの不良だったからだ。両親の監督能力も低く、また家庭環境も私立校への"ご奉公"故切羽詰っている状況。
暴力団を使えば強請ることなど容易いし、誰にも口外などさせはしない。つまるところ―――死のうが死ぬまいがどうとでも出来る、そんな学生なのだ。

さて、これからどうやって金をふんだくってやろうか。まあ、死んだら死んだで死体処理が大好きな変態どもに金を渡して消させるだけだ。
生きていれば良し、死んでいてもそれはそれで"自分の悪事"をテリトリー外に拡散させようとする不確定要素が消えるだけ、それも良しだ。
どちらに賭けても自分は勝者、さあ結果を覗いて見ようか。

ごしゃり。落下した音が耳を貫く。
それと同時、聞こえてきた悲鳴が一つ、二つ―――、

「……二つ?」

可笑しい。聞こえてくるべきは男子生徒の断末魔のみで、"別の声"がするのは異常事態だ。
それも女子生徒の声となれば、また自分のあまり好きではない"不確定要素"の登場と言う事になる。
忌々しい、こんな人気の無い場所にどうして別の人間が―――上から下を覗き込むのを辞め、アイリはスマートフォンを操作。
「まだ待機しておけ」と一言だけメッセージをどこかに連絡を送ると、音を立てずに階段をくだり、少女と生徒のいる一階へと降りていった。


(……死んでない、か。と言う事は、突然現れたあの"小娘"が下敷きになって助かった、という事かしら。)

(……やっぱり可笑しい。だとしたら、普通は死体が二つに増えるか、もしくは矢張り"下敷きになった方が変わりに死ぬ"か、どちらかでなくては。)

「……なぁんで、両方生きてるのかしら……。」


小さくそう漏らしながら、ポケットに手を入れたまま眼鏡をかけなおし、アイリは暗い建物の中から二人の前へ姿を現した。


「う……、ふぅ、・・・・・・………、。」

生徒の方は―――息があるようだ。安心して良い、だが極度の緊張と恐怖で失禁し、気を失っている。
それよりも少女―――里香は警戒しなくてはならないだろう。突然現れた金髪の妖しげなこの女性は―――


「……タフなのねぇ。どちかは死んでて欲しかったんだけど。貴女、一体どちら様かしら。どうしてソイツを助けたの?」

口ぶりを鑑みるに、どうやら先程の"落下"の仕掛け人、生徒を突き落とした張本人らしいからだ。
アイリの瞳が鋭く里香を貫く。気が強い、とか、Sっ気がある、とか。そういう言葉ではちょっと表現出来ないような、
冷徹で血の気を感じさせない―――獲物を見やる昆虫の様な視線。この女性、平然と自らの罪を認めている事からも分かるように、
どうやらただの殺人者ではないらしい。幾度も修羅場を潜り抜けてきた里香ならば分かるだろう、何か怪物めいた雰囲気を感じ取れるはずだ。
妖気や霊気とはまた違う、人間の憎悪を凝縮したかのような―――そんな、冷たく醜い、危険な雰囲気をだ。

【はい、大丈夫ですよ。此方もあまり強くは無いので(笑)むしろありがたいくらいです。それでは、よろしくお願いします!】


312 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/27(土) 16:04:37 ???
>>311

「はぁ、よ、よかった……生きてる……」

自らの負傷も省みず、男子生徒の生存を確認すると、里香はほっと一息ついた。
しかし、里香はこの時まだ理解していなかった。
この場所に、自分たちの他に「彼を落とした人間」が居るということに。

「えっと、とりあえず、……救急車……呼ばないと……う、でも、どこだろう、ここ……」

全身に絶え間なく感じる激痛を堪えながら、
里香はスマートフォンを取り出して現在地を確認しようとする。
先ほどの衝撃のせいか、画面は蜘蛛の巣のように割れてしまっていた。

「うそ、電池切れ……?」

電源ボタンを押しても、画面が点灯しない。
恐らくは電池切れか、壊れてしまったのだろう。

「どうすれば……うぐッ!?」

ずきり、と胴体に痛みが走った。
この少年を庇った際に、肋骨が数本折れてしまったのだ。
激痛に、里香はその場にうずくまった。ビルを下る足音にも気付かずに……

そして、廃ビルから眼鏡を掛けた女性が姿を現した。
華奢な女性……長いブロンドヘアーに、透き通るように白い肌は、目が眩むほどに美しい。
だが、その美しさに隠れて、女性が恐ろしい残虐性と嗜虐性を秘めているということを、里香は本能的に察知した。
その女性は里香に問いかける。

「は? 何でって……あたりまえじゃん!? 助けられる人は、助けないと……」

里香は警戒心をむき出しにして答えた。
女性の射抜くような視線には、感情というか、善意のようなものが欠片も感じられない。
ロボットか何かのほうが、まだ人間味に溢れている……そう思えた。
少なくとも、只者ではない。
里香は少年を守るようにして、女性に立ちはだかった。


【それじゃ、よろしくお願いします。何か希望があれば何なりと】


313 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/02/28(日) 22:49:32 ???
>>312

幸いにして、携帯電話は故障しているようだった。当然か、あれほどの衝撃だ。
G-SHOCKのスマートフォンでも画面割れだけは防げないだろう。アイリはひとまず、警察を呼ばれる危険から開放された。
となれば、後はこの面倒な女の口封じに勤しむのが当面の目標だ。気絶した生徒の方は放っておけば良い、どうせ何も出来やしない。
―――危険を顧みず、落下してくる人間を助けようと下敷きになる少女。厄介だ。それだけでも厄介なのに、尋常ではない肉体をしているらしい。


「……質問の答えになってないのよねぇ。その様子だと、肺をやられたのか肋骨がダメになってるかどちらかは期待できるんでしょうけど―――、」

「可笑しいのよ、それが。"そんな事"在りえないのよ。普通。」

「なんで、二階から落っこちてくる金属の椅子と男子高校生の体重を諸に受けてそんなダメージで居られるのか―――というより、」

「―――"どうして易々と身を投げ出せたのか"、といった方が正しいかしら。普通なら"自分が死ぬ"可能性を考えてそんな事、しないでしょ。」

「でも貴女は"助かる命があるなら"と言う。……まあ、実際助かってるわけだからその通りなんだけど、私にはそれが疑問。」

「……自分を犠牲にするつもりだったのか。それは考えにくいわよね。だって見ず知らずの人間ですもの。そう簡単に命まで投げ出せない。」

「ならどうしてそんな無茶をしたのか―――考えられる理由は一つ。」


ゆっくりと、アイリが歩を進める。里香の方へと近づいていきながら、警戒した表情の彼女を冷たい視線で見下ろし。

「―――貴女は普通の人間じゃない。だから"自分の命は勿論、相手の命も助けられる"と踏んで身を投げ出した……、そんなところかしら。」

別に、見ず知らずの人の為に命を投げ出せる人間がいたって良い。だが、アイリはそんなもの「絶対にありえない」と最初から考慮すらせず
そういった人間的優しさ、情緒、道徳的観念などこの世に端から存在していないと言うかのような口ぶりで―――されど正確に、状況を分析する。
見ず知らずの人間でも身体を張って助けられる=実際に双方助かっている=何か可笑しなロジックがある、と。
そこまで瞬時に見抜くと、アイリは片手を掲げて里香を指差すような動きをする。まるで、"誰か"に指示を出すように、だ。

「―――残念だったわね、通りすぎる事も出来たのに。貴女が悪いのよ、自分の力を"無駄な事"に使おうとするから。」

すっ、と。建物の暗い影から大人の男が三人、姿を現す。こういう"荒事"に如何にも慣れていそうな風体の男達だ。

「けどね、目撃者をそのまま帰すってワケにもいかないの。だから―――大人しく眠って頂戴な。」

黒いスーツに身を包んだ長身の男と、シルバーのスーツにびかびかとしたアクセサリーを着けた太った男、
そしてサングラスをつけた長髪の男がそれぞれ、里香から向かって正面、右手、左手の三方に分かれてゆっくりと歩み寄り―――
直後、駆け出す。まず最初に里香へと飛び掛ったのは、意外にも太った男だ。如何にも怪力そうなソイツは拳を振り上げると
大振りな動作で一閃、宙を凪ぐようにして上から下へ腕を振り下ろす。指にはメリケンサックとゴツい指輪が大量だ、命中すれば怪我は逃れない。
しかし速度は遅く、また動きも大きい為見切るのも容易いだろう。だが、直後には左手からサングラスの男がキックを放ってくる。
いわゆる喧嘩キックというやつで、速度はたいした物ではないが、正面めがけ思い切り振り上げた脚は重みも加わり中々の威力だ。
そして最後に正面から、スーツの男もけりを放つ。此方はむしろ速度に割り振った一撃で、見事な回転蹴りだ。
動きを見るに、何かしらの武術に長けているのは間違いないだろうが―――回避不能なほどきわどい物でも、無い。
三重攻撃が遅いかかるが、所詮は人間の物。怪物相手に日夜拳を交える里香にとっては―――さほどの脅威には、なりえないかもしれない。

【遅くなってごめんなさい。希望、というとアレなのですが、最初は戦闘を楽しみたいかもしれないです。】
【いきなり一方的に嬲るわけではなくて、こう、徐々に徐々に削っていくような……!】
【里香さんも、"こういう風に痛めつけて欲しい!"というリクエストがありましたら是非是非仰って下さいね。出来る限りで、がんばります!】


314 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/29(月) 00:23:17 ???
>>313

「ぐ、くそッ……」

里香は再びスマートフォンをいじくるが、当然のように何の反応もない。
がらくたになったそれを投げ捨てると、里香は女性と向き合う。
ちらりと男子生徒のほうに目を向けるが、彼は死んでしまったかのように動かない。
自分が守らなければ。

「な、何言ってるの……?」

金髪の女性が何やら語り始める。
聞いていると、この女性が自分とは全く違った前提のもとに生きているような気がして、里香は寒気がした。
その言葉には感情の起伏など微塵も感じられない。
里香はますます警戒を深めた。
どうやら、女性は里香が男子生徒を救えたことに、何かトリックがあると疑っているらしい。
いや、もしかすると既に里香の不死能力を見抜いていることもありえる。
そして、女性は里香を見据えたまま、腕で誰かに向けた合図のように、里香を指差した。

「な、何……? こいつら……」

いつの間にそこにいたのか、三人の男がビルの陰から姿を現した。
太っている男、長髪の男、スーツの男……いずれもどうやらこの女性に忠実であるらしい。
彼等は里香の逃げ道を塞ぐようにして、里香の正面、そして両脇に立ちはだかる。
里香は本能的に彼等の敵意を察知し、身構えた。

最初に襲いかかってきたのは、里香の右手にいた太った男だ。
メリケンサックに、厳つい指輪をいくつも指に嵌めており、里香は警戒したが……
見た目に違わずのろい動きに、軌道が大振りだったため、避けることは容易かった。

「ふん、そんなんじゃ一生当たんないよ――うわっ!?」

里香は小ばかにしたように鼻を鳴らすが、ちょうど後方にいた長髪の男がそれを遮った。
あまり洗練されていない喧嘩キック――だが、それでもその威力は充分に脅威だ。
里香はどうにかそれも身体を捻ってすんでのところでかわした。
だが、そんな里香に息をつかせず、スーツの男がすかさず回転蹴りを加えてきた。

「くッ……!」

里香は仰け反るようにしてそれを皮一枚で逃れるも、体勢を崩して尻餅をついてしまう。
それと同時に、脇腹がずきん、と痛んだ。里香はとっさにそこを手で抑える。

「あぐぅ……!?」

無理な動きをしたせいで、骨折部位をさらに痛めてしまったのかもしれない。
三人の男は、依然として感情の無い瞳で里香を見下ろしている……


【了解です。こちらもできる限り抵抗します】


315 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/02/29(月) 01:24:32 ???
>>314

「何、って。まあ、考えてみればそういう疑問が出てくるのも当然か。貴女、見た目は普通の女学生って感じですものね。」

「でもさぁ、なんとなく想像できるんじゃない? ―――自分の置かれた状況、さっき突き落とされたその"男子生徒"、そして私。」

「これだけ胡散臭い物が重なって、その上貴女は今襲われている。と、いう事は―――"貴女は何か、不味い物を見てしまった"。」

「そして、その目撃者たる貴女を消す為の"プロ"が、今貴女が相手している連中―――と言う事。理解できたかしら?」

「……ま。死ぬ前にそれくらい、理解しておいても罰は当たらないでしょ。」


淡々と、"今から私はお前を殺す"、というニュアンスの言葉を続ける。
さも当然かの様に、哀れみも情けも何一つ感じさせない声色で、アイリはそう告げるとタバコを取り出し
自らはただ後方からその様子を眺め、悠長に煙を吹かした―――"小娘一人、どうと言う事はない"、と。そう思っているのだろう。

『なっ―――!!』 [小娘……コイツ、意外と……っ!] {怯んでどうする、続けッ!!}

三人の屈強な男たちは、自らの攻撃が意図も簡単に見切られたことに驚愕する。
自分たちは荒事処理のプロ、常に面倒な輩を黙らせることで金を稼いでいるその方面のエキスパートだ。
今まで沢山の間抜けを片付け、その後処理を任されてきた。当然、中には此方側の人間もいたが、そんな連中だって相手取ってきた。
だが、初手をこうも易々と避けられたのはこれが初めてだ。それも、相手はプロでもなんでもなく、ただのクソガキ―――、舐められた物だ。
男たちは尻餅をついた里香に即座に飛び掛り、まずは長髪の男がストンピングの要領で頭部をめがけ脚を振り下ろす。
軌道は粗く、また挙動も大きい。回避は簡単だが、そうはさせまいと左手から太っちょが両手を伸ばして襲い掛かる。
里香を捕まえられたなら、即座に拳をお見舞いしようとするだろう。スーツの男は二人の攻撃の成否を見てから動く様だ。
この中で一番"戦い慣れて"いそうなのはやはり、スーツの男だ。動きが他の二人とは違い、また冷静だ。
彼は里香から二歩ほど離れた位置で様子を伺い、拳を構え待機―――だが、何かあれば直ぐにでも動ける位置取りだ。


316 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/02/29(月) 03:26:16 ???
>>315

「くそッ……」

女性はただ淡々と、なぜ里香が今狙われているのか語った。
その声色には、相変わらず情けや慈悲といった人間的感情の色が全くなかった。

(マズいもの……? それって、もしかしてさっきの……?)

それを受けて、鈍い里香もようやく状況を飲み込み始める。
だが、里香に考える時間を与えないかのように男たちが襲いかかってきた。

「うぐッ、ちくしょっ……」

里香はどうにか立ち上がろうとするが、長髪の男がそれを許さない。
ストンピングをするように、里香の頭部めがけて足を振り下ろした。

「うわっ!?」

それを視認すると、里香はぎりぎりの判断で地面を転がってそれを回避した。
里香の学生服に土がまとわりついて汚れていくが、それを気にしている場合ではない。
しかし、里香は太った男が自分に手を伸ばしていることに気がつかなかった。

「ぐっ、し、しまった!?」

完全に不意を突かれ、里香は太った男によって捕らえられてしまう。
太った男は今にも里香を殴りつけてしまいそうだ。


317 : ◆nMT0hdBY.c :2016/03/01(火) 15:06:09 ???
>>316

状況を呑み込めているかどうかはともかく、里香も此方を敵と認識はしている様だ。
本当は何も分かっていない状況で"片づけて"しまうのが理想なのだが―――まあ、そこはせめてもの情けだ。
あとは、畏怖の念を抱かせて動揺や恐怖を誘うのが目的だ。脚が竦んでくれれば良いのだが……どうにも、そうはいかないらしい。

(戦い慣れている……肝が据わってるなんてレベルじゃないわね。)

(普通はこんな状況で男が三人も出てきたら抵抗なんて出来やしないし、すぐに逃げ出そうとする筈。)

(でもそんな気配は微塵も無いし、それにあの動き……やっぱり只の学生ってワケじゃなさそうね、この娘。ますます―――)

「―――消す必要が高くなった。」


アイリの言葉が響くのと同時、太っちょの腕が里香の身体を捉える。
丁度右腕で胸倉を捕まえる様な形で、地面にそのまま押しつけ、マウントを取ろうと体重を掛ける。
その間、当然攻撃は忘れない。左手で握りこぶしを作ると里香の整った顔めがけ振り下ろし、横っ面を殴りつけようとする。
それに成功するかしないかはともかく、太っちょは左手で何度も何度も攻撃を繰り返すだろう。ガードをするもよし、反撃をするもよし。
だが気をつけなくてはいけないのが、相手は1人きりでは無いという事。横からストンピングを繰り出したグラサンが、わき腹や腹部を蹴りつけてくる。
スーツの男は後方で尚も待機。だが、煙草を吸ったり携帯を弄ったりと言った様な、無駄な動きは一切見せない。
ただ里香をじっと見つめ、彼女の動きを捉えている。―――尤も、それはアイリも同じだったが。

『っ、へへへ……!! おら、オラッ! どうした、小娘っ!! さっきみたいにぴょんぴょん動いてみせろ、オイ!』

太っちょの男が叫ぶ。グラサンも下卑た笑いを浮かべながら、尚も腹部めがけて攻撃を続ける。


318 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/01(火) 21:44:57 ???
>>317

「ちっ、くしょッ……?」

里香は胸倉を掴まれ、地面に押し付けられてしまう。
太った男は下卑た笑い声をあたりに響かせながら、左手で里香の横面を殴りつけてくる。

「ぐッ……!」

里香はやにわに右手で顔を覆い、それを防ごうとする。
だが、里香は不幸にも太った男が両手をメリケンサック、そして指輪で武装していることを忘れていた。

「う――ぐああぁッ!?」

メキリ、と嫌な音が辺りに響いた。
下手に力を入れていたせいか、里香の右手の骨にヒビが入ってしまった。
手の甲も皮膚が擦りむけ、紅い血が滲んでいる。

「くそおぉッ……」

里香は太った男に向き直る。
男は再び左手を振り上げ、里香の顔面めがけて握り拳を振り下ろそうとしている。
里香は太った男に意識を集中させるが、当然ながら敵はこいつ一人ではない。
傍らに立っていた長髪のグラサンが、出し抜けに里香の脇腹を――それも、狙ったのかは不明だが、先ほどの事故で肋骨が折れている部位を――靴のつま先で蹴りつけた。

「あっがああああぁぁぁ!!?」

傷口を抉られ、堪えがたい激痛に里香は獣のように叫んだ。
それを聞くと、太った男はさも愉快そうに顔を歪ませる。
さらに、そんな里香に追い討ちをかけるように、里香の顔面をメリケンサックで強化された拳が襲った。

「うぶぇッ!!」

ガードもできずにまともに喰らい、里香は口内に鉄の味を感じた。

(うう……こ、このままじゃヤバい……)

太った男を見上げると、既に拳を振り上げ、次の攻撃の体勢に入っていた。
だが、男はたかが小娘と舐めきっているのか、それとも多勢に無勢という安堵感のせいか、動きは緩慢で隙だらけだ。
それに、太った男は下半身を全く意識していない様子で、がら空きである。

(たしか、男の人って……股間に……)

里香は太った男の、がら空きの股間を思い切り蹴り上げた。
男は奇矯な悲鳴を上げながら悶絶し、里香のことも忘れて地面に転がった。
グラサンも、里香の思わぬ反撃に尻込みしているようで、目を見開いて棒立ちになっている。

(これぐらいの……痛み……なんでもない……!)

その間隙をついて、里香は全身の激痛を押し殺して無理矢理に立ち上がった。
そのまま後方に跳ね、三人の男たちと距離をとった。

「はぁ、はぁ、……どうだ!」

だが、里香には逆転のための策などなく、体力も消耗しきっている。
何せ、つい先ほど怪物との戦闘を終えたばかりなのだ。


319 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/01(火) 23:14:45 ???
>>318

着々と、里香にダメージが累積していく。まずは右手。
メリケンサックと強固な指輪で武装した拳により攻撃されたそこは強い衝撃で骨に皹が入り
手の甲は赤く滲んで皮が少々捲れている状態、動かせない、というほどでは無いだろうが―――
拳をふるって攻撃するのは自分にとっても痛手となりそうだ。少女の残り少ない戦力を更に削ぐ一撃だった。

それから、太っちょに意識を集中させた事で喰らった脇腹への一撃。
最初に落下した学生を受け止めたそれによって受けていた肋骨へのダメージを
更に加速させる事となったそれが、里香の身体に更なる激痛を走らせる。

「ふぅん……"そこ"が、痛いのね。」

アイリはじっくりと観察していた。そして、それは恐らく後方に控えているスーツの男も同じだ。
里香の反応を良く見て、どこを怪我しているのか、どこを攻撃すればより効率的に痛めつけられるか、
それをめざとく見つけては脳裏に刻み込む。尤も、この分なら自分が出て行く必要はなさそうだが―――と。

油断していたその時だった。
二つ目の拳が頬を殴打し、里香の顔がぐらり、と揺れたの直後、隙を突いた彼女の反撃が開始された。
太った男の股間を鋭い蹴りが襲い、見事に命中したそれが男の全神経を悶絶させた―――溜まらずもんどりうって、股間を押さえる男。
そのままのたうちまわり、せっかく奪ったマウントポジションから里香を開放してしまう。呆気に取られたグラサンも対応が遅れていた。

『う、ぎぁぁぁぁっ!? ああ、あ、ああっ、くっ、ふぅぅっ!!』

[て、てめっ―――よくも、この野郎!!]

何も考えず、グラサンが飛び掛った。相棒をやられた焦りからか、動きは先程以上に荒く、そして見切りやすい。
正面から飛び掛って掴みかかれば、むちゃくちゃに里香を殴りつけようとするだろう。だが前述の通り直線的な動きだ。
しかしそんな男の動きに紛れるようにして、スーツの男がひっそりと里香の背後に回り込もうとしているのには―――注意がいくだろうか。


320 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/01(火) 23:35:34 ???
>>319

「はぁ、はぁ、……あぐッ!?」

どうにかマウントポジションから解放されたはいいものの、
無理な運動のせいか里香の身体が悲鳴を上げる。
特に、脇腹の傷は酷く痛む。
折れた骨が内臓を傷つけてしまったのかもしれない。

(くそ、ど、どうすれば……)

里香は、ちらりと先ほど助けた男子生徒を見やった。
どうやら、今のところ彼等に男子生徒への害意はないらしい……だが。
そもそも自分がこの状況を切り抜けることができなければ、意味はない。

そして、ついさっきまで棒立ちになっていた長髪の男が襲いかかってくる。
しかしそれは全く洗練されていない素人同然の動きで、手負いの里香でも避けるのは簡単だ。

「くっ……!」

痛みに歯を食いしばりながらも軽く後方に飛んで里香はそれを回避した。
だが、里香は先ほどまで何も気配を感じなかったはずの背後に、何者かが回り込んでいることに気がついた。
先ほどまで静観を保っていたスーツの男だ。

「なっ、い、いつの間に!?」

必死に距離を稼ごうとする里香だが、それももう手遅れ。
里香は、完全に男の間合いに踏み込んでしまっていた。


321 : 茄宰アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/03(木) 16:15:47 ???
>>320

後方に控えるアイリは、里香の動きは勿論、"視線"をもチェックしていた。
先程から度々、彼女は"椅子に縛られた彼"の事を気にかけている。まあ、当然だ。
自分が身を呈して助けた命、そう簡単に死なれては困るのだろう。―――と、いうことは。

「(……切り札、って所かしらね。ま、今のままなら使うまでも無いでしょうけど……。)」

残酷な発想を頭に浮かべつつ、事の成り行きを見守る。
しかし里香は既に満身創痍、という状況だ。一人男を倒せたが、他はどうか。
残るは二人、しかもうち一人はかなりの手錬ときている。この状況、どう切り抜けるか。

[こ、このっ、ちょこまか動きやがって!!]

グラサンの攻撃が回避される。手負いの小娘一人に翻弄され、怒りは頂点に達している様だった。
だがしかし、その里香の動きをさらに上回る俊敏さと隠密さを持ったスーツの男が素早く彼女の背後に回ると
状況は一変する。里香がそれに気付いた次の瞬間には、スーツの男の蹴りが顔面めがけ飛来するだろう。
しかし攻撃はそれで止まらない。続けて返す刀で回し蹴り、さらに拳が、一連の流れで撃ち出される。
そちらに対応するのは勿論だが、当然もう一人の男には気をつけなくてはいけない。グラサンの男だ。
彼もまた痺れを切らしたのか焦りからか腰からぶら下げていたギラギラしているウォレット・チェーンを
取り外して里香の首に巻きつけようとしてくるのだ。背後のスーツ男から三連撃、正面のグラサンからチェーンによる絞撃。


『う、ぐううぅぅぅっ!! ああっ、ちくしょう!! いてぇ、いてぇよぉ……っ!!』

{チッ……股間やられたぐらいで狼狽えやがって、この根性無しが……}

[オラァァッ!! 小娘ッ!! ブチ殺してやるッ!!]

肥った男がのたうちまわっている間はまだ里香にとって多少有利な状況なのは間違いない。
三人が再び揃う前に残り二人を倒すか、もしくは逃げ切れば或いは―――。
尤も、そんな事をアイリが許す筈も無いのだが。


322 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/03(木) 22:26:49 ???
>>321

(くそ、し、しまった……)

まるで瞬間移動したかのように現れたスーツの男に驚き、里香は唖然とした。
そして、その一瞬の隙が命取りになったのだ。
スーツの男の鋭い蹴りが里香の顔面めがけて飛来する。
里香ははっとしてそれを認めたが、もう遅い。

「あがッ!?」

その一切躊躇のない蹴りは里香の顔面、鼻柱をとらえた。
鼻骨は折れなかったようだが、一部赤黒く変色し、鼻柱を横切るようにして皮膚が裂けて切り傷のようになっている。
容赦ない攻撃に脳を揺らされ、里香は半歩後ずさる。
だが、それを許さないスーツの男の回し蹴りが里香の横面に直撃した。

「ぐあッ!!」

里香はふらつき、今にも倒れそうだ。
しかし、スーツの男は追い討ちをかけるように里香の右頬に拳を見舞った。

「ぶッ……」

里香は拳の衝撃からか、そのまま地面に仰向けになって倒れ込んだ。
そこへすかさず長髪のグラサンが里香に馬乗りになると、身に付けていた財布のチェーンを外して里香の首に巻き付ける。
そのまま思い切り力を込め、里香を殺さんばかりに絞めつけた。

「あ゙……かッ……」

チェーンが里香の首に食い込み、血が僅かに流れる。
里香はチェーンに手をかけて必死に抵抗するが、右手が使い物にならない状態では到底太刀打ちできない。
そういえば、里香は不死能力を得てから、窒息させられたことはなかった。
一体どうなってしまうのだろうか……


323 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/03(木) 23:19:39 ???
>>322

捕まえた―――今度こそ、だ。先程は思わぬ反撃を受けたが、今回はそうも行かないはずだ。
グラサンが里香の身体に馬乗りになると、チェーンを素早く巻きつけ両手で左右に引き絞り、気道を狭めていく。
このまま窒息死させるのが目的だ―――が、彼らはアイリを含め当然里香の"体質"がどんな物であるのか知ってはいない。

[へへっ……! 今度こそ、捕まえたぞ……!!]

{……用心しろよ。その女、何しでかすかわからねえからな。}


連続で拳と蹴りを食らい、その上首を絞められている里香の悶絶する様に沸き立っているのか
グラサンは舌なめずりをしながらぐいぐいとチェーンにかける力を強めていく。時折は弱めて、そしてその直後には
さらに強く引き絞って―――嬲るようにして、里香の首を締め上げる。そしてスーツの男がそこに近寄っていき、
抵抗しようとチェーンにかけた里香の左手を蹴飛ばして鎖から外させると、脚で踏みつけ体重を掛け、押さえつけようとする。
太った男は未だに悶絶したままだ。このまま窒息させて、里香を殺そうとする二人―――だが。

[へっ、へへっ―――……、……? な、なんだ、こいつ……!! しぶ、てぇな……! この、このっ!!]

{……落ち着けよ。手こずらせてくれたとは言え、コイツは小娘だぞ。もっとしっかり引き絞って―――、}

[う、うるせぇっ! さっきからやってんだよっ!! けど―――くっ、この……っ!!]

―――死なない。不死の能力が心配停止を阻止する。滅茶苦茶に力を入れているので、当然
意識くらいは薄れてくるかもしれないが―――呼吸を、心臓を止めるまでには至れない。
グラサンは普通ならとっくに殺せている程の間首を締め上げているが、それでも反応が無い。
それに嫌気が差したのか、抵抗ままならない里香の腹部に拳を打ちつけ、更にはナイフを取り出し、
それを首筋に突きつけようとする―――、

だが、これはある意味で里香にとってはチャンスだ。使い物にならないだろうと"油断"している右手。
それを使って刃物を奪うことが出来れば状況の打破も或いは可能、だろうか。


324 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/04(金) 00:00:53 ???
>>323

「あ゙……かッ…………ぁ……」

掠れるような呻き声を漏らす里香。
もう、一体どれほどの間首を絞められているのだろうか。
だんだんと意識が薄れていく……だが、決して意識を失うことはできない。
さらに、スーツの男がチェーンにかかっていた里香の左手を思い切り蹴飛ばし、それを踏みつける。
これにより、里香は一切の抵抗を封じられてしまった。

「ゔ……あ゙ッ……!」

長髪がより一層力を両手に込め、里香の首にさらにチェーンが食い込んでいく。
頸椎が折れてしまうのではないかと思うほどだ。
それでも里香は死ぬことができない。
もはや、「死なない」というより「生かされている」と表現したほうが適切な気さえする。

「ゔぶッ……!?」

やがて業を煮やした長髪が里香の腹部を思い切り殴り、里香はくぐもった悲鳴を漏らした。
そして、霞のかかる視界の中、里香は長髪がナイフを取り出し、それを里香の首筋めがけて振りかぶるのを見た。

(や、ヤバい……)

それは殆ど反射的な行動だった。
里香は痛みをこらえつつも、“使い物にならない”右手で首筋をかばうように覆った。
勢いよく振り下ろされたナイフは、里香の右手の手のひらを貫き通し、手の甲から顔を出した。
凄まじい激痛だが、それに構っている場合ではない。
里香は呆気にとられた表情をしている長髪からどうにかそれを奪い取る。
依然としてナイフは里香の右手を貫いたままだ。
しかし、里香にはかえって好都合だったかもしれない。

「ゔ……あ゙あッ!」

里香はナイフに貫かれた右手で、長髪の手元を狙った。
それは見事に命中し、浅くはあるものの長髪の手に切り傷を負わせた。
予想外の反撃に怯んだ長髪は、チェーンから手を離してしまう。

「んっ!」

里香が再び右手を振りかぶると、長髪は傷つくのを嫌うように里香のマウントポジションを解除した。
スーツの男も、武器を警戒して里香から距離をとった。

「げほっ、げほっ、げほっ……げほげほ!」

里香は激しく咳き込みながらも、震える足でどうにか立ち上がる。
そして、右手を未だ貫通しているナイフに手をかけると……

「う……あああああぁぁぁ!!」

力任せにそれを引き抜いた。
傷口からどばどばと血が溢れ出る。

「クソっ……はぁ、はぁ……」

大きな代償と共に、奇跡的に窮地を脱した里香。
だが、満身創痍の少女に、何ができるというのか。


325 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/07(月) 03:06:26 ???
落ちちゃいましたかね……
とりあえず待機してます


326 : 茄宰アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/09(水) 17:01:34 ???

チェーンの音が空しく響く。人力によってガリガリと軋んだ金属が、人膚と触れて痛ましい悲鳴を奏でる。
そこに酸素を求めて喉を鳴らす里香の苦悶が加わって、思わず耳をふさぎたくなる程悲惨な協奏と化した。
しかし―――普通ならそんな光景、長くは続かない。長くても一分か、全力で締め上げているのだからそれよりもっと短いか。
少なくとも里香の様に何時までも半窒息状態が続く訳ではないのだ、グラサンは段々と怖くなり、チェーンを握る手が震え始める。

[こっ……コイツ、なんだ……!? 一体どうなってやが―――クソッ! はやく死ねッ!! はやく!!]

{おい、落ち着け。ゆっくり刺すんだ、ナイフで首をやりゃあ流石に―――}

アイリは目を細めた。いや……恐らくだが、それでは死なない。"それでも死なない"、と言った方が正しいか。
此処最近、この辺りでは妙な噂を耳にする事が多くなった。夜になると怪物が現れるだとか、
奇怪な出来事に巻き込まれるだとか―――そういう類のよくあるくだらない都市伝説だ。だが、目の前にこうして
"普通では考えられない程タフな少女"が現れると、自分の中の常識を改めざるを得なくなる。
この少女は"死ねない"のだ。そう考えれば、先程あの学生を助ける為に身を呈したのも納得がいくし、
この拷問の様な絞殺刑にもう何分も耐えているのだって辻褄が合う。……そうか。これが"怪異"か。

「……気をつけなさい。貴方達、その娘はちょっと……"普通"じゃなさそうだから。」

{言われなくても分かって……なぁっ?!}

[っ……!! こ、こんのガキィィィィッ!!]

ナイフが貫いたのは頸筋では無く、"右手の甲"だった。
とっさの判断、覚悟を決めた一瞬の行動、そしてそれらを後押ししたであろう、"不死の力"。
出血死という可能性を考えたら、いやそれ以前に普通の女子高生にはこんな防御の方法、取れない筈だ。だが彼女はやってのけた。
しかもそれだけでは無い。"刺さったまま"の腕を振りあげ、なんと長髪の手首を切り裂いたのだ。
深い切り傷でこそ無かったものの、血が噴き上げ顔面に散ったその瞬間、痛みと驚愕とで長髪は後ろにのけぞり、
そこに追撃を加えようとした里香に怯えて彼はマウントポジションを解放―――つまり、すっ転んで真横へと逃げた。


[ひっ―――!! な、なんだ……この、ガキ……っ!!]

「……だから言ったでしょう。」

{……チッ。だらしねえな。……オイ、クソガキ。てめぇ一体何者だ。どうしてこんな所うろついてやがる。}

『ううぅぅ、うぐぅぅぅ……ふぅっぅ・・・……!!』


立ち上がった里香、しかもその手には一本のナイフ。股間を蹴られうずくまったままの太っちょと、
今や完全に怯えきっている長髪。唯一冷静なのはスーツの男と―――何故か興味深そうに里香を見つめるアイリだけ、となった。

「……そうねぇ。私もそこが気になるのよ。ねえ、貴女一体なんなの? 普通ならもうとっくに死んでても良い様な状態だし、
 その右手だって放っておけば五分ともたずに出血多量で意識が薄れてくる筈。……なのにその気配が全然ないし。
 そもそも此処で何をしていたのか、それも良く分からないし―――、もういいわ。貴方達下がってて。」

アイリがそう言うと、傷ついた二人を下げたスーツの男が再び後方へと退き、代わりにアイリが里香の前へと進んできた。
先程と何一つ変わらない口調で、攻め立てる訳でも無く、怖がらせる訳でも無く―――単純に興味を持った、という様な体で。

「こういうのは、自分でやるに限るわね。」

傷ついた里香へとどんどん近付いて行き、アイリはまず蹴りを繰り出し里香が手に持ったナイフを吹き飛ばそうとするだろう。
そしてその直後、ポケットに入れていた右手から暴漢撃退用の眼つぶしスプレーを取りだし、容赦なく里香の眼へと発射する!
さらにそのスプレーを鈍器代わりにして、ガツン、と強烈な一撃を腹部に叩きこもうとするだろう。凶器を使った手慣れた行為だ。

【お待たせしてしまい申し訳ありません。少し仕事が立て込んでしまい返事が遅れてしまいました。】
【ご迷惑おかけしますが、まだ続けて頂いても宜しいでしょうか。】


327 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/09(水) 22:06:50 ???
>>326

「ぐっ……く、ううぅ……あ゙ッ……!」

里香は右手の痛みに呻きながらも、どうにかナイフを持ち直した。
右手がもう使い物にならないため、左手でナイフを握っているのだが、どこか覚束ない。
それもそのはずで、里香はこういった対人戦にそもそも慣れていないし、「武器は使わない」というポリシーのようなものもあった。
今はもう、そんなことを言っている場合ではないのだが。

そして、そんな頼りない姿を晒している里香をアイリが見逃すわけがなかった。
どうしてか男たち(スーツの男も含めて)を下がらせると、自ら里香に歩み寄ってきた。

「うッ……く、来るなッ……!」

里香は必死にナイフを突き出して威嚇するも、アイリにそんな行動は意味がない。
そして、全くの躊躇を見せずに、外見からは想像もできない鋭い蹴りを里香の左手に向けて放つ。

「うぐッ!?」

不意をつかれた里香は、簡単にナイフを取り落としてしまう。
そこに追撃をかけるように、アイリは護身用の催涙スプレーを取り出すと、里香の顔面に噴射した。
血のように鮮やかな紅色をした液体が、里香の顔を汚した。

「あああああぁぁぁぁッ!? な、何これ……うああぁッ!!」

唐辛子などの辛み成分を凝縮してつくられたそのスプレーは、里香の顔、特に眼に激痛をもたらした。
涙が止め処もなく溢れ、眼を開けるどころではない。
アイリは絶叫する里香に冷たい視線を浴びせると、スプレーを鈍器代わりに里香の腹部に強烈な打撃を加えた。
胃を直接殴られたような痛みを新たに感じ、せり上がるものを堪えきれずに里香はその場に膝をついて嘔吐した。


【すみません、てっきり落ちちゃったのかと思いまして……】
【次回また長期間書き込めないようなことがあったら、それだけでも伝えて頂けると助かります】


328 : 茄宰アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/10(木) 14:37:03 ???
>>327

結局、戦いと言うのは戦力だけが物を言う程単純ではない―――というのがアイリの考えだ。
天と地ほど差があるならともかく、同じ人間同士の戦いだ。まして、近代的な重火器がある訳でも無い。
数的有利に胡坐をかいた男たちは相手を"舐めて"いた。たかがガキ一匹。此方は複数人。勝てない筈が無い―――と。
これで殺せるだろう、と。そう油断していたのだ。そして、それ故に失敗した。


「―――相手を本気で殺すと思わなければ、一瞬の緩みが全てを狂わせる。対人戦の基本よ、"不思議な女子生徒"さん。」


なら、同じ様に"油断"させればいい。わざと黒服を下げさせ、女一人で対面する。
正確な所は分からないが、先程より状況が好転したと考えた部分はあったのではないだろうか。
手にはナイフ。男たちは恐れ慄き、その上今度の相手は女。アイリは手に握ったスプレー缶を更に振りかぶって
嘔吐している里香の腹部―――先程"グラサン"が蹴飛ばした時に一番"反応が良かった"場所めがけ、一気に振り下ろす。
つまりは、骨折箇所だ。それも今度は靴先等では無い、金属の缶をおもいきりぶつけるのだ。勿論、力は女の其れであり、さした威力ではないが。


「痛そうだったわねぇ。さっき、"此処"を打たれた時。貴女、すごい声漏らしてたけど、気がついてた?」


間髪いれずに膝をついて悶絶しているであろう里香の背に蹴りを入れると、黒服達の方へと吹き飛ばす。
その間に自分はナイフを拾い上げ、血を丁寧に黒のハンカチでふき取ると、激しい運動でずれた眼鏡をくい、とかけ直した。

「さて……それじゃ、少し質問に応えて貰おうかしら。そこの貴方、ソイツを捕まえておきなさい。しっかりとね。」

アイリが男達に指示を出すと、彼等はまるで兵隊の様に素早く、即座に行動を開始した。
スーツの男―――最も戦い慣れしていたであろう彼が里香の髪の毛をむんずと掴むと、無理やりに立たせようとする。

[はぁ……はぁっ!! こんのォ―――クソガキがァッ!!]

興奮した様子のグラサンが脇から駆け寄ると、里香の頬を殴りつけようとするだろう。
かなりの勢いだ、よほどナイフで切られた事が気に入らなかったのだろう、目が恐怖と興奮で血走っている。

『……は、はは、……へへへっ!! 』

そのまま、殴り飛ばされたのなら、スーツの男は里香をようやっと立ち上がったあの"太っちょ"の方へと放る。
なるほど、もし里香を拘束するなら一番力が強い男が良い。となれば―――この中では太った彼が適任と言う事だろう。
小柄な彼女の身体を受取ったデブは、両脇の下から腕を通して、怪力でぐい、と羽交い絞めにし里香を拘束しようとする筈だ。
さて―――相手は三人、いや四人。今や絶体絶命の状況だ。

【申し訳ありませんでした、今後気をつけさせて頂きます。】
【里香さんの方は、何かこうしたい、こうされたいという攻撃等はありますか?】
【自分はちょっと車を使った酷いのとか考えているのですが……。】


329 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/10(木) 16:55:52 ???
>>328

「うげ、え、げえええぇぇぇ……」

里香はまだ胃にこんなにも内容物があったのか、と自分で信じられなかった。
里香の身体の下に、吐瀉物が小さな池をつくる。
視界を奪われ、訳の分からない激痛……

さらに、アイリは里香の脇腹――ちょうど骨折した患部に思い切り金属製の缶をぶつけた。
さきほどの蹴りとは比較にならない激痛に、里香は絶叫した。

「あがあああああぁぁぁぁぁッ!!? うぐううぅぅぅ……」

膝をつき、悶絶する里香。
口の周りには、行儀を知らない子供のように吐瀉物がまとわりついている。
アイリはそんな里香の背を蹴飛ばすと、男たちのいる方に追いやった。

「あがッ、ぐ、ぐぅ……」

げほっげほっ、と里香は咳き込む。
だが、男たちは既に傷だらけの里香の髪を掴み、無理やりに立たせた。
里香は両足にどうにか力を入れ、倒れないようバランスをとった。

「がはッ!!」

しかし、興奮状態にあるグラサンが感情に任せて里香の頬を殴りつけた。
そのまま里香は殴られた勢いでスーツの男の方へ飛ばされる……
が、スーツの男は里香に追撃を加えず、ようやく立ち上がった太った男に向けて突き飛ばした。
太った男は里香を受け取ると、そのまま羽交い締めにして拘束した。

「ぐ、く……うぅ……」

アイリも勘定に入れれば、敵は少なくとも四人……到底、里香に太刀打ちできるはずがなかった。


【すみません、ありがとうございます】
【酷いことはどんどんやっちゃって下さい、死なないんで……】


330 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/13(日) 01:11:03 ???
>>329
【連絡遅れてごめんなさい、お返事の方なんですが、昨日今日と忙しかった為、】
【明日の夜にお返事させていただきたいと思います。お待たせしてごめんなさい。】


331 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/15(火) 02:47:47 ???
>>330
【すみません、できるだけ早くお返事いただけると嬉しいです……】


332 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/15(火) 19:53:23 ???
>>329

絶体絶命の状況、四人の敵を倒すのは愚か、いまや里香は囚われの身だ。
羽交い絞めに拘束した太った男が下品な笑いを零す。釣られて笑ったのはグラサンだ。
長髪の男は苦しそうにうめき声を上げる里香の髪の毛を掴み、顔を持ち上げてアイリによく見せる。

「聞こえなかったかしら。私はね、"質問に答えて"って言ってるのよ。
返事が聞こえないんだけど―――"あがっ"とか"うぐぅ"じゃなくて、きちんと喋りなさいな。」

冷たくそう言い放つと、身動きできない状態の里香の正面に立ち、アイリが手に持ったナイフで
太ももの付近をつーっ、と撫で―――直後、容赦なく切りつける。しゅっ、と素早く振るい、刃先で太ももを裂いた。

「貴女は誰。ここで何をしていたの。どうしてそんなに"頑丈"なの。……そして。」

もう片方の足にもナイフを持っていき、今度は切り裂くのではなく太ももに直接突き立てて―――ブスリ、と刃先を肌へ埋める。

「"男の子"を助けてどうするつもりだったのか。洗いざらい話してもらおうかしら。」

{……アイリさん、こいつひょっとすると俺達の"取引"を知っててそれを嗅ぎ付けたんじゃ―――}

[バカ野郎!! てめぇなんでそれを口に出して言うんだ!! このアホンダラが!]

長髪の男がグラサンを思い切り殴り飛ばす。アイリはあきれた顔で里香の顔を覗き込むと
ナイフをゆっくりと胸元から頭部へとなぞらせて、首元でぴたり、と止める

「死にたくなかったら全部話しなさい。さもないと―――ひどく痛めつけてから殺すわよ。」

簡単には殺さないぞ、という意味をこめて。アイリは小さく微笑むと、耳元で囁く。

「例えばそう―――こんな風に。」

そしてそのまま空いている方の手で先程ナイフで貫通した里香の右手をぎゅううううっ、と握り締め
鋭く尖った付け爪で思い切り傷口に―――抉るようにして指を立てる。
声が若干上擦っているのは、相手を痛めつける快感に震えているからだろう。
この女が此処にきてようやく見せた人間らしい仕草が、サディスティックな狂気に染まったソレであった事は
更に絶望感を加速させるだろう。この女なら"どんな酷い事"でもやりかねない。それこそ、
"死なない"という秘密をかぎつけたなら滅茶苦茶なことだって―――。

【遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした……。】


333 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/15(火) 21:07:18 ???
>>332

太った男に拘束された里香は、脱力したようにうなだれる。
しかし、長髪はそれを許さず、里香のショートカットの髪を掴んで頭を持ち上げた。
首もとの傷がちくりと痛む。

「ぐっ、こ、答えることなんてなにも――」

里香がそう言い終える前に、冷たい刃物の感触が太ももを伝った。
そして、里香がそれを感じた次の瞬間には、太腿に痛みが走る。
この女にナイフで切り裂かれたのだ――なんの躊躇もなく。

「あぐぅッ!? だ、だから、あたしはなんも知らな……がああああぁぁぁぁっ!!」

もう一方の太腿に凄まじい激痛を里香は感じ、絶叫してしまった。
見ると、太腿にナイフが埋まっている。
それは目の前にいるこの女の残虐性というか、嗜虐性を象徴しているように見えた。

だが、苦痛に支配された思考の中で、里香の耳はグラサンの男が発した「取引」という単語を捉えた。
その言葉を聞いた他の人間の反応を窺うに、それは言ってはならないことだったらしい。
しかし、里香の思考はそこで途切れた。
アイリに喉元にナイフを突きつけられ、それに意識を集中せざるを得なかった。

「ふん、あんたらみたいな悪いやつに、話すことなんて……」

里香は精神力を振り絞って強がりを言った。
だが、アイリはそれには全く耳を傾けず……

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁぁッ!!?」

里香の右手の傷を、鋭い付け爪で抉った。
己の肉体を「ぐちゃぐちゃ」にされる感覚に、里香は身の毛のよだつようだった。
その上、あろうことかそんなおぞましいことをしているアイリの顔は、どこか興奮しているように見えた。
つまり――この女は自分をいたぶって楽しんでいるのだと、里香もようやく理解した。
自分とは全く違う価値観の下に生きている人間は、それだけで恐怖の対象になりうる。
しかし、里香はその恐怖を根性でねじ伏せると、アイリに向かって精一杯の抵抗を示した。

「はぁ、はぁ、はぁ……ぺっ! ……だ、だから言ってるでしょ……あんたなんかに話すことはないって……」

里香は、アイリの芸術品のように美しい顔に向けて血混じりの唾を吐きかけた。
里香の中の正義感が、彼らに屈することを許さなかったのだ。
だが、今の里香はこれ以上ないほどに無力だ。
そんな状況での挑発行為は、彼らの嗜虐心を煽るだけだと、里香は気がつくことができなかった。


【いえいえ、落ちちゃうよりは全然いいので……】
【実は、チャットのペースを少し上げれないか伺おうと思っていたのですが……厳しそうですか?】


334 : 茄宰アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/16(水) 14:55:41 ???
>>>333

気が強いというよりは―――恐れ知らず。そんな印象を受けた。
この期に及んで此方の不手際を聞き取り、あまつさえ"悪い奴"呼ばわりとは。
屈しないと言う強固な姿勢を崩さない里香に対しグラサンは「なんだとコラァ!」と怒りをあらわにした。
対照的に、アイリは微笑を浮かべている。そうこなくては、と言った様な表情だ。簡単に屈せられても、つまらない。

「―――ふふ、ふふふふふ……。やだ、汚れちゃったわね。」

吐きかけられた血液混じりの唾を指で拭いとると、アイリは握っていた"里香の右手"を更に強く"握り潰し"、
そして涎が付いた方の指を里香の口元へゆっくり近づけて、顎で黒服達に指図した。
すると、長髪の男が里香の頭をむんずと掴み、無理やりに口元へ指を突きいれ、引き裂く様な勢いで顎を"こじ開け"ようとする。
無理やりに開いたそこへアイリが"指"を突っ込むと―――

「貴女の涎よ。貴女が掃除しなさい。」

尖った爪で舌を引っつかみ、思いきり突き立てるだろう。それだけではない、恐らくは凶器として使うのだろうその"付け爪"で
口内を何度も斬り、裂き、そして思い切り喉の奥へと腕を突っ込んで、いたぶり苦しめようとするだろう。
里香が吐こうが、吐くものが無くなろうが、知った事では無い、という形だ。

「それで―――質問を続けるけど。貴女何て言ったかしら。ああ、ごめんなさい……"こんな状況"じゃ言葉も出せないわね。
 ……っふふ、あっはははは……!! ほらほら、息が出来なくて死んじゃうわよ? そろそろ意識が薄れてきた? それじゃ、"起こして"あげるわ。」

勢いよく腕を引き抜くと、アイリはスーツのポケットに隠していた"機械"を取りだしそれを里香の腹部に押し付ける。
そして、"ジジジ"という聞き覚えのある音が響くと―――里香の身体には凄まじい衝撃が走るだろう。電撃だ。
アイリが取りだしたそれは、護身用のスタンガンであり、本来は弱者が卑怯者に対して使用する武具である。
だが、こうなってしまえばもはや拷問道具も同然だ。電力は制限している物の、その痛みは壮絶な物だろう。
握り締めていた右手を放してやると、スタンガンを顔の前へ持っていきアイリは再び問う。

「どう? 痛い? 苦しい? 辛い? 解放されたい? ―――なら貴女の知っている事を話すのね。
 貴女、どう見ても普通じゃない。普通の女子高生が、こんな事に巻き込まれてそんな態度で居られる筈が無い。
 何を見て、何を知って、何の為に此処に来たのか……そして、何者なのか。どこかの組織の廻し者? その可能性も高いわよねぇ。
 そうまでして口を割らないとなると、もう貴女は敵も同然。―――何が何でも、"情報"を聞きだしてあげるわ。」

バチ、バチバチバチ。スタンガンを顔の前でスパークさせ、アイリはニヤリと笑った。
言葉でこそこう言ってはいるが―――この女、本当はそんな事どうでもよいとすら思っていそうだ。
ただ、相手を痛めつける理由づけと建前が欲しい。それだけの事に、里香が巻き込まれていると気付くのは―――いつか。

【畏まりました、ではなるべく夜は返事を速く出来る様、少なくとも】
【一日一回は確実に返せるよう努力致しますので、どうぞよろしくお願いします。】


335 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/16(水) 22:21:30 ???
>>334

「はぁ、はぁ、へっ……」

里香は奴らの鼻を明かしてやったとばかりに声を漏らした。
しかし、当のアイリは全く気にもかけていないどころか、愉しんでいるようにすら見えた。
顔を伝う里香の唾液を指で拭うと、里香の右手を更に力を込めて握りしめた。

「あっ、う……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!?」

一体この女のどこにこんな力があるというのか……里香の右手が激痛に悲鳴をあげる。
もし里香が一般人であったなら、生涯この右手は使い物にならないだろう。

「が……あ……」

里香は苦痛にうなだれた。
だが、アイリはそんな里香の口にその指をねじ込んだ。
そして、そのまま鋭い付け爪をもってして里香の舌、そして口内を痛めつける。

「あ、うぶうぅ!? あぇっ、げあッ!!」

アイリは里香には目もくれずにその指をさらに奥に――食道に到達するほどに突っ込んだ。
当然、嘔吐反射によって里香の喉から吐瀉物が溢れ出し、アイリの手を汚した。
だが、アイリはそれも気にかけていない様子で、里香の嘔吐を楽しんでいるようだった。

そして、アイリの手、そして吐瀉物によって里香は呼吸を阻害されている。
だんだんと意識が薄れてくるが……
それを見計らったかのように、アイリが手を引き抜いた。
それと同時に、堰を切ったようにして里香は激しく嘔吐した。
吐瀉物が口内の傷口に染みる。

「あぅ……ぐ……ぁ……」

先ほどとは打って変わって弱った様子の里香。
意識が朦朧としているのだから仕方がないとはいえ、弱った里香を見たアイリはどこか興奮していた。
当然のように懐からある機械――スタンガンを取り出すと、威嚇するようにスパークさせる。
そして、一切の躊躇もなしに里香の腹にそのスタンガンの電極を押し付けた。

「があああああぁぁぁぁッッ!!?」

凄まじい衝撃、そして激痛に里香は息を吹き返したかのように絶叫する。
アイリはそれを見て満足したようにスタンガンを里香の体から離す。
しかし、火傷のような痛みとじんじんとする疼痛は里香を苛み続ける。
アイリは里香の眼前にスタンガンを持って行き、脅しをかけるように再びそれをスパークさせた。

「ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ……だ、だから……知らないものは、知らないって……言ってるじゃん……」

酸素を求めて激しく呼吸しながらも、里香は気丈にもアイリの質問……いや拷問に抵抗する。
未だ、里香はこの女が自分を痛めつける理由をよくわかっていない……
しかし、先ほど自分が助けた男子生徒を護るため、そして悪人に対する正義感……
そのために、里香は頑なにも屈しようとしなかった。
里香は、ことがここまでに及んで尚、戦意を失ってはいなかったのだ。


【無理を言ってしまってすみません、そしてありがとうございます。】
【こちらもできるだけ速やかにレスを返せるよう努力致します】


336 : 茄宰アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/18(金) 13:28:27 ???
>>335

バチバチと、目の前で火花を見せるスタンガン。アイリの冷たい微笑が、その向こう側に見える。
しかしそれでも尚、抵抗を止めない里香はある意味で、不死能力よりも強大な力を持っていると言えるだろう。
それはこの手の人種―――つまるところは法の向こう側に生きる悪徒―――にとって、最も忌み嫌うべき力。"立ち向かう勇気"だ。

『クソガキが……何も知らねえだと? 調子に乗るなッ!!』

[オラァッ!! 吐け!! 吐けって言ってんだよ!!]

{やり方が生ぬるいんだよ……殴っても駄目だ、こういうのは"精神"に訴えてやるんだ。}

これだけやっても何も吐かない、それは里香に対する怒りか、それとも先程同様の焦りか。
グラサンと太っちょが激昂し、羽交い絞めにした両腕に更に力を入れきつく戒め、ぐい、と胸を反らせて
無防備な腹部と胸部をさらけ出させると、そこにグラサンの拳が殺到する。一発、二発、三発―――止まることなく。
最初は腹に、拳が胃袋まで届くかと言う様な勢いの一撃、次に胸、横から撃ちつけるようにして放ち、それから膝蹴りを股間にブチ込む。
しかしそんな事じゃ駄目だと言わんばかりに長髪が煙草に火を付けると、里香の顔へと近づけていき―――

{嬢ちゃん、良く見るとキレーな面構えしてるじゃねえか。……なぁ?}

じゅっ、という音と共に流麗な里香の頬に、煙草を押しつけてしまうだろう。
逃げようとするなら顎を掴んで抑えつけてでも、長髪は里香の女性として大事な―――顔を傷つけようとする。

{……なぁ。一発ならまだなんとかなる。けどよ、"大量"に火傷付けられたら女としゃあおしまいだぜ。}

「……ま、何でもいいんだけどね。それより私、ちょっと"試したい事"があるのよ。」

{……あ? なんだよ。口を割らせるのが優先だろ?}

「そうでも無いわ。というか、割らせるよりもこっちの方が手っ取り早いと思うの。」

そう言うと、アイリは目で合図して太っちょに拘束を止める様指示する。
大人しくそれに従った太っちょが両腕を解放すると、アイリの足元に向けて突き飛ばすだろう。
静かにボロボロになった里香を見降ろすアイリの背後に、月が浮かぶ。美しく残酷な灯りが、雲間の中に消えて行った。

「―――大丈夫よ、ただの実験だから。肩の力を抜いておきなさいな。」

ゴムの手袋を装着すると、アイリはスタンガンの電力調整を最大レベルにまで上昇させる。
市販のモノでは在りえない音が木霊する。恐らく、"改造"を施してあるのだろう。
拷問用の低出力のモノから、"口封じ"の為の強力なモノまで自在に操れるような、改造を―――。

「―――喰らいなさい。」

アイリは里香の髪の毛を掴むと地面に押しつけて拘束し、凄まじい火花を散らせるスタンガンを素早く、
迅速に里香の首筋へと―――押し付ける。強烈な、余りに強烈な衝撃と激痛が里香を襲うだろう。
常人なら一撃で死亡出来る程の火力だ。だが、アイリは半ば確信していた。

(―――死なないんでしょう、貴女は。そうよねぇ……う、ふふふ……!!)

狂気に染まった瞳から、小柄な少女を射ぬく。"立ち向かう勇気"と間逆の―――邪悪な精神の籠ったそれが。


337 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/18(金) 16:42:19 ???
>>336

「ふぅ……ふぅ……」

スタンガンの火花に怯えた素振りを見せないよう、里香はアイリから顔を背ける。
だが、太った男はそんなことは気にも留めずに、里香を更にきつく拘束する。
そして無防備に露わになった里香の腹、そして胸をグラサンが思い切り殴りつけた。

「あうッ!! があッ!? ああ゙ッ!! お゙ゔッ……!!」

容赦など微塵も感じられない殴り方に、里香は情けない声を漏らし続ける。
そして、最後の一撃は里香の胃袋に到達するのではないかというほどに深かった。

「あ゙ッ……げえええぇぇぇ……」

里香は俯いてほとんどない胃の内容物を吐き出した。
しかし、長髪の男は里香の顎をぐいと押さえつけると、その血と吐瀉物に塗れた頬に煙草を押し付けた。

「う……ああああぁぁぁぁ!!」

先ほどまでとは全く種類の違う苦痛に里香は再び叫ぶ。
不死能力をもってしても、顔の火傷痕は完治するのだろうか……?

さっきから冷たく里香を見下ろすだけだったアイリが、ようやくなにか合図をした。
それを受けた太った男は、里香を突き放し、里香はアイリの足元に倒れ込んだ。

「う……ぐぅ……」

呻き声を漏らすしかできない里香にも、アイリは情けを見せない。
それどころか、例のスタンガンを取り出すと、何やらいじくっている。
そしてアイリがスパークを鳴らすと、市販のものではあり得ないような爆音が辺りに轟く。
スタンガンは強力なものでも電圧はおよそ500Vほどだが、これは一体どれほどのものなのか……。
もしかすると、数千ボルト、いやそれ以上かもしれない。
何せ、拷問に使うようなものではなく、人を殺すために使うものなのだ。

アイリが躊躇を見せずに里香の首もとに電極を押し付けた。
その瞬間、信じがたい激痛と衝撃が里香を同時に襲った。

「があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!!」

里香はそれに対してただ叫ぶことしかできない。
アイリはそんな里香を尻目に、殺人的な電流を流し続けた……。


338 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/19(土) 13:54:32 ???
>>337

人体の許容範囲を遥かに超越した、とてつもない衝撃が里香を襲う。
通常ならば、とっくにショックで心肺が停止し、血を吐き一切の生命活動が絶たれている程の電流。
だがそれでも、里香の"不死能力"は死と言う概念の一切合切を全て拒否する―――それは元来なら、救いの手となるべき力だが
この状況下に限ってはそうでもなかった。むしろ、"死ねない事"がよりいっそうに里香を酷く、手痛く追い詰めていくのだ。
通常ならばとっくに意識が吹き飛び、里香の魂は天国に送られているだろう。だが、それを不死の力が絶対に赦さない。
"死"が救いになる状況下で、死を許さない里香の"個性"はただの足枷でしかなかった。いや、むしろ里香を痛めつける最大の要因、と言い換えても良い。

 [……っ! な、なんなんだコイツ……!!]

 {……信じられねえな。……どうして"まだ"悲鳴を上げるほどの元気が残ってるんだ。}

 『ふ、普通ならよ……もうとっくに、し、死んじまってるはずじゃ―――わっ!?』

その時だった。想定される範囲外の使用を余儀なくされた改造スタンガンが、余りの電流の強さにショートしてしまい
爆発音と共に煙を上げて、凄まじい閃光を放って破砕した。男達は想像だにもしていなかった事態と
鼓膜を貫く様な破裂音に恐れ戦き、一歩後退していた。アイリはといえば―――無言でスタンガンを放り投げる。
特に驚きもせずに、むしろ満足げな表情で倒れ伏した里香を見ているのだ。矢張り、"そういうこと"らしい。

『信じられねえ! スタンガンが……なんでだよ!?』

{元々改造品だ、脆かったってのもあるが……オイ、何秒耐えた? その小娘は。}

[……十秒やそこらじゃねえぜ、一分近くは押し付けてたんだ。けど―――こんな、ことって……。]

「予想通りね。やっぱりこの娘―――"死なない"のよ。」

{……ハぁ? オイオイ、一体何言って…・・・、}


アイリは里香の身体を引っつかむと無理やりに立たせて、廃ビル郡の裏側、
瓦礫や廃材がうず高く詰まれた廃棄場へと引っ張っていき、そこで鉄筋コンクリートが何本も突き出ているレンガ・ブロックを見つけると
電撃でまだ意識もしっかりとしていないであろう里香の肩に手を置き、柔道の要領で"脚払い"をして、後方へと勢いよく"倒そうと"するだろう。
そのまま倒れれば里香の身体は古びて尖った鉄筋の"剣山"に投げ込まれる事になる―――当然、何本かは柔らかな肢体を貫き、
里香を串刺しの磔状態にしてしまうだろう。男たちはあまりの惨い光景に目を一瞬逸らそうとしたが、アイリは違った。


「よく見ていなさい―――この娘はね、こんな事くらいじゃ"死なない"から。」

「知ってるのよ。私。貴女でしょう、最近この辺りで起る"妙な事件"の首謀者というか、関係者は。」

「曰く、"巨大な化け物を見た"。 曰く、"奇怪な怪物が真夜中に襲ってきた"。 曰く、"妖怪と戦っている少女がいる"。―――エトセトラ。」

「こういう仕事をしているとね。いろんな噂が耳には言ってくるの。十中八九はくだらない都市伝説未満の風説ばかりだけど、たまに"本物"が混じってる。」

「貴女はその中の"本物"の一部、でしょう? どういう原理かは知らないし、何がどうなってるのかは分からないけど―――」

「妙な噂があって。その噂を体現するかのような存在が目の前に居る。となれば、"検証"するしかないわよねぇ。」

「―――だって。本当に貴女が"噂"の正体なら、とってもお金稼ぎに有効そうだから。」

アイリは携帯電話を取り出すと、串刺しになるだろう里香に向けて、カメラを起動しシャッターを切る―――。


339 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/19(土) 14:33:43 ???
>>338

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!! があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」

獣のようなけたたましい叫び声を里香は上げ続けた。
やがてそれも血が混じったような濁った声に変わっていく。
里香の声帯が限界を迎える直前、ようやく里香は地獄から解放された。
スタンガンがショートし、壊れてしまったのだ。

「……ぁ……ぅ……げぼっ……」

それと同時に、里香は大量に吐血した。
内臓に深刻なダメージを喰らったからだ。
それだけでなく、里香は全身からぷすぷすと黒煙を上げ、火傷を負っていた。
瞳からは血の涙を流し、鼻孔からも血を垂れ流す。
端から見れば死体とも見分けがつかないだろうが――それでも里香は生きていた。
アイリはそんな里香を見下し、満足げな表情を浮かべた。

「ぐ……うぅ……」

電撃で意識が朦朧としているためか、里香の目は焦点が定まらない。
だがそんなことは気にもかけずに、アイリは里香を無理やり立たせた。
そのままビルの裏手にあった廃材の集積場へと引っ張っていった。
足を僅かに動かすだけでも里香の身体には激痛が走った。

アイリは集積場にあった、鉄筋が何本も飛び出ているコンクリートブロックに目を留めた。
まるで巨大な剣山か何かのようだ。
その鉄筋は総じて古び、錆び付いてしまっているものもあったが、先端が尖っている。
アイリはそこへ向けて里香の脚を払って、勢いよく里香の身体を倒し込んだ――思い切り力をかけて。

「ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!?」

里香は息を吹き返したかのように絶叫した。
その身体には何本も鉄筋が突き刺さり、悪趣味なアートに見えた。
里香は右の片口、胴体、そして左の太腿を合計五本の鉄筋に貫かれていた。
生きているのが不思議なほどだが、アイリはまるでそれが当然であるかのような表情を見せた。
それどころか、ある「推測」を確かめるためだけに里香を鉄筋に突き刺したかのような……。

「あ゙っ……がはッ……」

里香の口から、再び血液が溢れ出す。
アイリは携帯電話を取り出して里香にカメラを向けると、虫の息に見える里香をシャッターに収めた。

「うゔ……や゙……や゙めろ……」

驚くべきことに、里香はどうにか貫かれていない左手を使って、身体を自由にしようと足掻き始めた。
左手をブロックに付き、身体を引き離そうとする里香。
しかし、当然だが、五本もの鉄筋に貫かれた身体を引き剥がすのは容易ではない。
ましてや里香は片手しか使えないのだ。
結局、その行動も傷口を更に抉るだけの結果に終わるだろう。
だが、それを見たアイリはどう思うだろうか。


340 : 茄宰アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/22(火) 07:02:28 ???
【返事遅くなってすみません、本日中には必ずお返ししますので】
【もう暫くお待ち頂けると幸いです】


341 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/22(火) 13:28:40 ???
>>340
【了解です、お待ちしてます】


342 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/23(水) 01:44:31 ???
>>339

信じられない、という様子だった男達の視線が奇怪な物を見るそれから
恐怖や畏怖を湛えたそれへと変わっていく。当然だ、此処までくればもう、"なんで"とは言ってられない。
それよりもむしろ神秘的な物を目の当たりにしている恐れが生まれてしまい、グラサンは遂には腰を抜かしていた。
串刺し状態で尚、声をあげ、身体を動かし、そしてやめろとすら言葉を紡いだ里香に対し「ひっ……」とくぐもった悲鳴を漏らした。
可笑しな話しだ。攻め立てているのは此方だというのに。男達の殆どはもはや怯えていた。
―――たった一人、狂気の笑みを浮かべるアイリを除いて。


「ね。死なない。凄いわねぇ、どうなってるのかしら……こんな凄い娘、一体どれほどの値がつくことやら。」

『い、言ってる場合かよ……なんだこれは、なんなんだよ……ッ!?』

{いい加減、自分の目の前で起きてることに腹が立って来たぜ……俺達は夢でも見てるのか?}

[夢ならどれほど良かった事か……こ、こいつはまるで―――悪魔の娘だ、魔女だ、のろわれてやがるんだ!!]


アイリは淡々と里香に顔を近づけると、「たすけてほしい?」
と小声で尋ねるだろう。そして、彼女の返事を待たずに怯えきった男達に"車"を用意させる。
黒塗りのセダンがその場にやってくると、彼女は後部トランクからワイヤーロープを取り出すと片方の先端を車に固定、
そしてもう片方の先端で"輪ッか"を作ると、里香の首に容赦なく巻きつける。―――ゾッとするような話しだが、もう何をするかは分かるだろう。

「―――バックギアに入れて思い切り発進。はやく……さあ、はやく!」

アイリの号令に従い車が急発進、バックで進んで思いっきり後ろへと進み―――
そうなると、ワイヤーが張って里香の身体を目いっぱい"引きずる"訳であって、串刺し状態から
一気に"無理やり引き抜こうと"するだろう。当然、丁寧に抜いてやるつもりなど無いし、激痛が走るだろうが
アイリはお構いなしだ。

「さて……貴女を"ある場所"へ連れてってあげたいんだけど。それまでに少し、体力を回復しておいて欲しいわね。
 ……っふふふ。ふふふ、あっはははははは!!」

車は方向転換し、一度止まるとアイリを乗せて、そのまままた"発進"しようとするだろう。
どこかへ向かって走り出すのだ、"どこなのか"は里香に告げないまま―――。


【遅れてすみません。このままちょっと監禁ルートに進もうと思うのですが、大丈夫でしょうか……?】


343 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/23(水) 03:22:49 ???
>>342

「ふん……く……あぁッ……!」

里香は唯一無事な左手によってどうにか脱出を目論むが、全く功を奏さない。
それもそのはずで、里香の身体を五本もの鉄筋が貫通しているのだから、片手の力で抜けるわけがない。
里香は傷口に走る激痛に悲鳴を漏らした。
今、里香がしていることは、殆ど自傷行為にも等しい、無意味なものだった。
無論、本人はそうは考えていないようだが……

不意に、アイリが嗜虐に歪んだ顔を近付けてくる。
「たすけてほしい?」寒気のするような声で、アイリはそう聞いた。
里香はそれに対してあくまで唇を固く結び、首を振って拒絶を示した。
しかし、当のアイリは里香の応えには興味もまるでないという様子だった。
セダンのトランクからワイヤーを取り出すと、それで里香の首を括り、もう一端を車に固定した。

(な、何するつもり……)

里香は内心穏やかではなかったが、それをどうにか抑えつける。
やがて、車が急にバックし始め、里香と車を繋ぐワイヤーがぴんと張り詰めた。
ワイヤーが首に食い込み、里香は再び首筋から流血してしまう。

「あ゙……か……はッ……!」

気道を塞がれ、くぐもった悲鳴しか漏らすことのできない里香。
次の瞬間、そんな里香を堪えがたい激痛が襲った。

「あ゙あ゙あ゙あ゙ッ……!! ゔあ゙ぁあ……」

身体が車に引っ張られ、少しずつ鉄筋が傷口から抜け始めたのだ。
錆びた鉄筋に傷口をさらに抉られ、里香はその苦痛に涙を浮かべた。
そして……

ずるっ!!

溜まっていた力を開放するように、里香の身体が一気に鉄筋から引き抜かれた。
それと同時に首もとのワイヤーが緩んだが、里香には咳き込む暇すらなかった。

「ゔあ゙ぁああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!? ぐあ゙あ゙ッ!!」

里香の全身に五つある貫通創から血が溢れ出し、ボロボロの衣服を血に染めた。
痛い、どころではすまない電撃的な激痛が里香を苛み続ける。
だが、里香の受難は続く。

首が急に絞まったかと思うと、身体が地面を引きずられていく。
車が、里香と繋がったままに発進したのだ。

「ぎっ……く、うぅ……!?」

身体が浮いては地面に激突し、また荒い路面が里香の肌を傷つける。
それに加えて、窒息させられる苦しみ……もはや拷問などという生温いものではない。
それほどの責めを受けてさえ、里香に絶命の「心配」はなかったのだ。

それでも、里香はなけなしの知恵を振り絞り、どうにか苦痛を和らげようとした。
車と自身を繋ぐワイヤーを引き、首を絞める輪にゆとりを持たせる。

「うぐっ……ぷ、はぁ、はぁ、はぁ……ゔッ!? ぎ……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ!!!」

窒息の心配がなくなったとはいえ、里香が車に引き回されていることに変わりはない。
これだけでたった数十秒のことだったが、里香は既に全身傷と泥に塗れていた。
そして、絶え間なく続く激痛のせいで、里香は「彼等がどこに向かっているのか」という疑問を抱くことさえできなかった。


【監禁パートOKです! ボッコボコにしちゃってください、死なないんで……】


344 : 茄宰アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/23(水) 15:11:22 ???
>>343


―――どれほどの時間を移動したのだろうか。
十分ほどだったような気もするし、一時間だったような気もする。
ハンドルを握ったグラサンの神経は恐怖と不気味さに怯えきっていて、もはや記憶がはっきりとしていない。
覚えているのは、後方から聞こえてくる"人体"を引き摺る酷い音と、悲鳴と、うめき声と、
そしてそれらを聞いて"楽しんでいる"様子のアイリの表情がバックミラー越しに見えた事だけだった。
車がどこかの建物―――と言ってもかなり山深い場所にぽつんと立っている怪しげなドームの中に入っていく。
そこでようやっとエンジンが止まり、中から男たちとアイリが降りてきた。
引き摺り続けた里香の様子を見る為だ。尤も―――こうなった悲惨な状況の彼女をまじまじと見れるのは
アイリくらいなものだったが。男たちは早々にセダンからワイヤーを外すと、"もう関わりたくない"と言った様子で車から離れて行った。

「……さて。時間の無駄かもしれないけど、一応確認するわね。生きてる?」

アイリは倒れているであろう里香の傍に寄ると、脚で蹴って仰向けにし、胸元に顔を近づけ耳を澄ます。
当然だが―――ドクン、ドクン。心音が聞こえてくる。驚異的だ。既にズタボロになってはいるが、まだ生きているのだ。

「……ふふふ。面白いわねえ。一体どういうカラクリなのかしら。
 まあ、その辺も含めてちょっと色々調べさせてもらうから……覚悟しておきなさい。」

アイリはそう告げると、里香の両手に手錠を掛け、そのままどこかの部屋に連れていく。
建物の中は暗く、明かりも所々に小さなものが用意されているだけで、雰囲気としては
先程の廃墟とそう変わらない程じめじめとしているのだが―――唯一の違いとして
地下の方から叫び声にも似た轟音が響いているのが里香には分かるだろうか。
歓声にも似た、興奮に煽られた人々の多数の声が聞こえてくるのだ。その正体は、分からないが。
ともかく、アイリは里香をある部屋に連れていくと、扉を開けてそこから里香を―――"突き落とした"。
そう、扉の外は長い階段になっていて、階数で言えば5階分程の段差がある地下へと続く道が目の前に広がっていた。
運ぶのも面倒だったのだろう、アイリは階段を転げ落とす様に里香を突き落とし、ボロボロの身体に更なる鞭を打つ。
とはいえ、当人は痛めつけているつもりはないのだろうが。この程度では死なないのだし、"やって当然"くらいの感覚だ。
ただ、どこかで止まらなければかなりの高さをごろごろと転げ落ちていく事になる。今の里香には地獄の苦しみだろう。

―――そして地下には、ベッドやテーブルの様なモノだけが簡素に用意された、広い空間があった。
アイリは遅れてゆっくりと階段を降り、里香の跡を追う。薄暗い室内には、血の匂いが染みついていた。

【えっと、少しやりたい事がありまして……】
【拷問は勿論なのですが、強制的に回復させたりとかそういうのって、いやですか?】


345 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/23(水) 16:12:47 ???
>>344

里香の時間感覚は既に曖昧で、ただ激痛と苦しみを感じているのみだった。
一時間も引きずられただろうか、ようやく車が停止した。

「ぅ……ぁ……」

その時の里香は、それは酷い有り様だった。
全身に無数の擦過傷、切り傷、打撲傷を負い、服は擦り切れて無いも同然。
素肌の色がわからないほどに血と泥に塗れた里香は、傍目には死体にしか見えなかった。
アイリはそんな状態の里香にも一切の容赦を見せず、足で蹴って仰向けに里香の身体を返した。
心音を確認しているのだろう、アイリは里香の胸元に耳を寄せた。

里香の生存を当たり前のように確認すると、アイリは里香の両手に手錠をかけて拘束した。
そのまま引きずるようにして里香をある部屋の扉の前にまで連れて行くと、
扉を開けて里香をその中に突き飛ばした。

「ぅ……あ……あ゙あ゙っ!?」

そこに床はなく、里香が見たのは異様に長い階段だった。
一体何階ぶんあるのか、里香はその階段の上を転げ落ちた。

「ゔあ゙っ!! ぐっ!! があぁっ!!? げあッ!!」

里香は階段の角に身体がぶつかる度、酷い叫び声を漏らした。
それがアイリをかえって興奮させるとも思わずに……

「ゔ……ゔ……」

里香は簡素なつくりをした広い部屋に、ボロ雑巾のように打ち捨てられていた。
その部屋には血の臭いが染み付いている……里香には嗅ぎなれた臭いだ。


【強制回復大丈夫です、でも里香の負ったダメージをチャラにしない程度にしてくださると嬉しいです】


346 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/26(土) 01:28:03 ???
>>345

「私のね……仕事ってなんだと思う?」

コツ、コツ、コツ。階段を降りてきたアイリが、ヒールの音をつめたい空間に響かせながら声を掛ける。
片手には手錠の鍵を持ち、ぷらぷらとそれを揺らしながら、里香の髪の毛を掴んでテーブルへと引っ張り
そのまま台の上に身体を載せてしまうだろう。脇にあったスイッチをアイリが押すと、ばつん!という
鈍い音と共に天井の照明がそこだけ明るく照らし出す―――その光景はさながら、手術台の様にも見えた。

「結構簡単なのよ。お薬の販売。人脈を広げて、買い手を見定めて、売る。それだけ。
 売人、ってヤツね。お薬の入手方法はちょっと大変だけど―――そこのパイプラインだけ築ければ
 後はどうにでもなる。少なくとも、私にとっては難しい仕事ではないの。けどね、難しくないという事は」

アイリは手錠で拘束されている里香の手を掴み、片方の腕にテーブルの台に備えられた"拘束具"を嵌めこむ。

「設けられる金額も然程ではない、と言う事。ええ勿論、一般の人からすれば高額なのでしょうけど―――
 これだけのリスクを負って、報酬は身を守るだけの金額すら稼げない。なんだか理不尽な気がしちゃったのよね。」

そしてその後で手錠を取る―――これで動けるようにはなるが、先述の通り片手は既に台に拘束具で固定済みだ。
アイリはもう片方の手を掴むと無理やり、其方の手も同じ様に拘束具ではめ込み、身動きを取れなくしようとするだろう。
丁度両手を左右に広げるような、十字架に貼り付けにされているのに良く似た形で拘束を試みる。
当然、それが終われば両足と胴体へ続いていく―――抵抗しなければ、里香は机に磔られてしまうだろう。


「―――でね。もっとお金を手に入れるにはどうすればいいのかな、って。考えたら方法が見つかったの。
 でも中々上手くいかないし、費用も馬鹿にならないから本当に稼げてるかは微妙だったんだけど……ふふ。
 貴女、最高ね。ええ、本当に。これ以上ないくらい完璧だわ。それじゃ、私のお金稼ぎにもう少し付き合ってもらうわね。」

アイリは一旦部屋の角に行くと、なにやら奇怪な器具が詰まれた荷台を運んでくる。
その上に置かれていた緑色の液体でいっぱいになった"注射器"を手に取ると、アイリは里香の腹部に躊躇無く―――突きたてる。

するとどうだろう。急激な細胞の活性化が体内で里香の過大なダメージを、少しずつだが癒していく。
完全にではないが―――それでも劇的だ。骨折や切り傷が直ぐに治るわけでないのだが、
それでも現代医学では正直奇跡的とも言えるほどの回復力を持った薬を、アイリは里香の身体へ投与する。

だが―――問題はその副作用だ。治っていくのと逆に、里香の体内を今までに味わった事がないほどの
"熱い"感覚が襲うだろう。まるで血管の一本一本、神経の一つ一つにバーナーを近づけて直接炙っているかのような、
衝撃的な熱の痛みが襲い掛かる。一説では火傷による痛みが人間の感じる痛みの中では最大級の苦しさを誇るそうだが
それが全身を襲う感覚はどれほどの物なのか―――アイリはにやり、と笑って。


「―――検体ナンバー290。不死者と思わしき少女を拘束。現在投与しているのは大学病院で研究中の未認証薬。
 RT-H7g/6Uのパターン3。今までの検体では傷の回復が見られるも数秒で死に至るケースが多かったが
 彼女はその生まれ持った驚異的なタフネスで耐えている様だ。これで反応が長く確認出来るため、研究には使えるだろう。
 応用すれば麻薬にも使えそうな物だが―――それもこれも、まずは彼女の身体で"試しつつ"、となるだろう。」

アイリはICレコーダーに状況を記録していく。そう、アイリの言う"金稼ぎ"とは唯一つ。
人を攫い、人体実験の餌食にし、未認証の劇的新薬を投与して反応を見るというものだった。
当然、麻薬や麻酔等の催眠性薬物から、医療用のワクチンまで様々な物を実験する"副業"だ、
医者やカルテルからの金払いはとにかく良く、麻薬を売るのが馬鹿馬鹿しくなるくらいの額が稼げた。
アイリが今使っているのは細胞を活性化させ自然治癒を劇的に早める薬物派生の試作型医薬品だ。
彼女はその広い人脈を駆使し、こういった酷い事も手掛けているのだろう。人類には貢献しているかもしれないが
里香という少女にとってはまさに、彼女の副業は絶望そのものといえるのだった


347 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/26(土) 03:48:28 ???
>>346

「あぅ……が……ぁ……」

全身をこれ以上ないほどに責め立てられ、里香はただ呻くことしかできなかった。
アイリの言っていることも、何だかよくわからない。
そんな里香を、アイリは手術台のようなテーブルに無理やり、投げるようにして載せた。

「あぅぅあああぁ!!」

たったそれだけでも全身を激痛が襲った。
里香の思考が、苦痛に埋め尽くされていく。

「あ゙ゔッ!?」

見ると、片腕に――それも、特にダメージの深い右腕に――拘束具を嵌められていた。
アイリは手錠を外したが、当然ながら右腕は拘束されているため、身動きができるわけではない。
そして、アイリは順に里香の四肢、胴体を拘束した。
これにより、里香の自由は完全に失われてしまった。
緑色の液体で満たされた注射器を持ってくると、アイリはそれを里香の腹に突き刺した。

「うゔッ!?」

里香は呻いたが……しかし、段々と身体が楽になっていくような感覚があった。
里香自身には見ることができないが、確かに傷に塗れた里香の身体が、急激に癒されていく。
骨折などの重い傷には時間がかかるのか、ゆっくりとだったが。

(お……おかしい……この……女が……あたしを……治療なんてするわけない……)

里香は朧気な思考の中、そんなことを考えた。
つい先ほどまでの経験を鑑みれば当然である。
やがて、その里香の懸念は現実のものとなった。

(なに……これ……身体、が……あつい……!?)

血管が沸々と煮えてくるような感覚が、まず里香を襲った。
そして……

「うゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!? あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!
あ゙づい゙い゙い゙い゙!! あ゙づい゙い゙い゙い゙い゙い゙ッ!!!」

それは、他人には凡そ想像もつかないような激痛だった。
死んだ方がまし――そんな言葉すら生温く思えるような、凄まじい激痛。
まるで、神経を直接炙られ、細胞を一つ一つ焦がされるような。
そのような責め苦を受けて尚、里香には死を望むことすら許されなかった。

ガチャン! ガチャン!
里香は机の上で激しく悶え、拘束具がそれを抑えた。
この拘束具は余程頑丈にできているらしく、外れたり、千切れたりすることはなかった。

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!!」

この無機質な地下室に、少女の痛々しい叫び声だけが響きわたった。


348 : 茄宰アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/29(火) 16:23:19 ???
>>347��


獣の様な叫び声を上げる里香を余所に、アイリはその様子をカメラに収めていく。

写真を数枚撮り、映像を記録しながら、まるで実験体を扱うかのように無慈悲な視線を投げかける。

もはやアイリにとって里香は人間では無かった。モルモットならまだ良いが―――モルモットですら命に限りがある。

命を奪うとなれば少しは同情も出来ようモノだが、里香は違った。何をやっても"死なない"相手。なら、容赦など必要も無いし

優しさや人情等はただのノイズだ。この際、どこまで精神が持つのか試しても良い。だがその前に、彼方此方から頼まれている"新薬"の実験が先だ。



「どう? 熱い? 此方からはその様子が良く分からないから、もっとボキャブラリー豊かに実況して欲しいのだけど。

 でも―――まあ、効果は覿面の様ね。傷が少しずついやされていく。どういう技術なのか知らないけど……

 むしろ殺人薬として活用すべきじゃないかしら。まるで今の貴女、交尾中の猫みたいな声よ?」


拷問には使えるが、現状では実用には満たない―――メモに描き加えると、アイリは間髪いれずに次の注射を里香の顔の前に持っていく。

チラ、とそれを見せて、彼女の反応を楽しもうとした。「もういやだ」「やめて」とでも言ってくれれば満足だが―――

相手はこれまでの苦痛を只管耐えてきた少女。心を折るにはそれ相応の痛みが必要になる筈だ。そう、"耐えられない"様な痛みだ。



「落ち着いてきた? 次はね、ちょっと"変わった"奴を試してあげるわ。

 私も色々薬は見てきたけど―――"生きてるのを使用する"は結構珍しいわよ。それも菌とかじゃなく。

 本物の"生き物"だから……ちょっと気持ちが悪いけど、貴女なら大丈夫よね?」


注射器の中で何かが蠢いている。目に見えるサイズの"生き物"―――昆虫か。

ミミズか、或いはハリガネムシの様な、一本で身体が構成された細い生物が

注射器の液体の中を数匹うねうねと動きまわっているのが見える筈だ。

アイリは里香の瞼を指でつまみ、ぐい、と無理やりに目を見開かせ、瞼を固定するクリップで

挟み込む―――こうすると、もう其方の眼は"瞬き"する事が出来なくなって、目が乾いてしまう。

それだけなら良いのだが、アイリはなんとその開き切った目に―――試験管に入った硫酸を流し込んだ。

硫酸。それがどういう物かは説明せずとも里香ならば一瞬で分かるだろう。失明はま逃れないし、なにより―――強烈な激痛が。

目という、鍛えようのない部位を直接、ピンポイントで溶かしてしまおうと襲いかかる。先程の薬が全身を襲うのなら、此方は本当に局所集中型だ。

そして片方の目の視力を奪い去った上で、アイリは続けて件の注射器を瞳の近くに容赦なく突き刺し、薬―――もとい、"生物"を投与する。


「この生き物はね、海外の頭が可笑しい学者が提言してる"バイオニック療法"とかいう狂った医療実験の産物なの。

 貴女も聞いた事くらいはあるでしょう? ほら、"角質を取るドクターフィッシュ"―――あれと似た様な物よ。

 この生き物は遺伝子配合で人工的に作られた"視力を回復させる効能"を持った水生生物なの。これを

 目の近くに投与すると、傷ついた網膜をこの生き物が自動的に治療してくれる、ってワケ。どういう理屈かは、毎度のごとく"知らないわ"。」


ぐるぐるぐる。視界の中を、"何かが蠢いている"感覚が里香の脳裏に襲いかかる。

そして暫しの逡巡の後―――"生物"は無残にも網膜に"喰らいついた"。

そう、傷ついて使いモノにならなくなった古い部位を捨て、破壊し、新たな眼球を創造する為に、だ。

それがどれほどの激痛を産むのかは―――アイリには分からない。いや、むしろ"知る為"に試すのだ。里香と言う少女の身体で。


「―――当然、タダで治る訳じゃない。この世のモノとは思えない痛みが走るらしいけど……どう? 感想を聞かせて頂戴な?

 ……ふ。っふふ、ふふふ! あっはははははははははははははは!!!」


ぐちゅり。ぐちゅり。生き物が蠢く音が、アイリにも聞こえてくる―――。

【なかなか拷問のネタが思いつかなくて……すみません。キツい展開でしたら仰ってください】


349 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/29(火) 18:08:37 ???
>>348

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あッ!? ゔあ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!」

里香は全身を蝕む激痛に悲鳴を上げることしかできない。
アイリの言葉によれば身体の傷が癒されていっているらしいが、里香にその実感はまるでなかった。
むしろ、傷が悪化しているのではないかとすら思える。

そんな里香を後目に、アイリは苦痛に悶える里香を映像に収めていた。
里香に対する人間的感情など一切ないのだろう。

「あ゙あッ……が……は……」

ようやく痛みが落ち着いてきたが、酷く打ち付けたかのような疼痛が里香の身体に残った。
それを見計らったように、アイリが新しい注射器を持って近寄ってくる。
その中には、ハリガネムシのような細長い生命体がうねうねと蠢いていた。

「くッ……」

一体何をするつもりなのか……。
里香は弱音をかみ殺し、歯を食いしばってそっぽを向いた。
しかしアイリはそれを許さず、無理やり里香に天井を向かせると、瞼をぐいっと開いてクリップで固定してしまった。
そして、あろうことか試験管に入っていた液体――硫酸を里香の瞳に注いだのだ。

「う……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!? あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!」

しゅう、と化学反応による白煙が里香の顔から立ち上る。
それと同時に、堪えがたい猛烈な熱さと激痛が里香を襲い、再び里香は絶叫した。
少し経つと、里香の左目は使い物にならなくなってしまった。
視界が左半分だけ暗闇に覆われている……もっとも、当の里香は激痛のせいでそれどころではなかったが。

アイリは、その使い物にならなくなった里香の左目に太い注射針を突き刺すと、例の生物を注入した。

「ぐうううううぅぅ……」

里香はぐちゃぐちゃの眼球の中を何者かが蠢く感覚に襲われた。
しかし、程なくして……その生物が、里香の網膜にかじり付くと、里香は神経を直接弄くられているような激痛を感じた。

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!!」

あまりの苦痛に、意識が朦朧とする気がする。
いっそ意識を失えればどんなによかったか……それでも、気付け薬などで無理やりに覚醒させられるのだろう。

(はぁ、……あたしを……どうするつもりなの……)

里香は苦痛に支配された思考の中で、ぼんやりと考えた。
アイリを見るに、恐らくこのようなことを行うのは初めてではない……。
つまり、自分以前にもこんな目に遭わされた被害者がいるということだ。

(絶対……許せない……こんなこと……)

喉が擦り切れるほどに絶叫しながらも、里香は再度決意を固めていった。
こいつらは、自分が倒す……と。
だが、そのためにはまずこの状況を抜け出す必要がある。


【拷問のアイデアですか……。難しいですよね。関係ないかもしれないですけど、地下闘技場みたいなところで見せしめ兼デモンストレーションでいたぶられる、ってシチュはどうでしょうか……】


350 : 茄宰アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/03/30(水) 11:15:55 ???
>>349

反応は上々だった。使いモノにならなくなった網膜が次第に回復し、段々と視力を取り戻していく。
尤も、全快状態とまでは行かない程の治癒ではあったが。アイリは生物をピンセットで引き摺りだすと
試験管に入れて診療台へと戻した。しばらくすれば、最低限視界を確保するだけの視力は取り戻せる筈だ。

「……ふぅん。ここまでされてもまだ、"そんな目つき"が出来るなんて。
 何を考えてるの? まさか、"これ以上犠牲者を出させない"とか? "私がアンタを倒す"、とか?
 挑発的な目と息遣い、見れば大体分かるのよ"そういうの"って。貴女、この状況を打破出来る気でいるわね?」

これでもまだ許しを請わない里香の強靭な精神に対し、アイリは呆れた様に言葉を投げかける。
ある意味、不死の生命力その物より里香を支えているのはその魂なのかもしれない。
普通は此処に至るまでに殺してくれと何度でも懇願する筈なのに、彼女にはそれがない。
そればかりか、未だに好戦的な態度を見せてくる程―――痛みでは彼女の心は折れない、か。

アイリは一通りの薬物実験を終えたからか、どこかに電話を掛け始める。
その内容は恐らく唐突に襲ってきた"睡魔"によって聞きとることは出来ない筈だ。
そう、今までの薬等の副作用―――強烈な眠気が里香を襲う。疲労やダメージも相まって
その破壊力は相当な物の筈だ。そして一度瞼を閉じれば次に里香が目を覚ますのは―――、


「ええ。そうよ。だから言ってるでしょう? "好きにしていい"って。
 大金が動く試合だもの。集まってるのも上の人ばかりでしょう? ならもってこいよ。
 ……しつこいわね。"死なない"んだから、なんでもやればいいわ。実験体としては貴重だけど、絶対死なないのよ?」


―――眩いスポットライトが、地下の深く、人目のつかない闇の奥底に設けられた"ステージ"を照らしだす。
里香の目に入ってくるのは、不思議な光景だ。金網で仕切られた脱出不可の檻の中に、閉じ込められた二人の男―――
一人は黒人、もう一人は相撲取りの様な巨漢―――がそれぞれ、向かい合って互いの拳をぶつけ合うという、そんな光景。
そしてその金網を囲う様に周囲に多数の席が設けられ、そのデス・マッチを笑いながら楽しむ富豪たちの姿がぽつぽつと見られる。
彼等は二人の男が互いに命を掛けて拳を打ちつけ合う姿に一喜一憂しては、やれ私はいくら賭けているだの、
負けたら命はないと思えだのと、酷い言葉を浴びせかけている。隣には美女数名を侍らせ、口元には高級なワインを堪能しながら―――
やがて、決着がつく。黒人の拳が巨漢の顎をとらえ、脳を揺さぶり、ダウンを取った。すかさず馬乗りになった黒人が、
拳のラッシュを顔面へこれでもかと言う程叩きこむ。両足で両腕を抑えつける様に跨り、十発、二十発と連続で叩きこめば
巨漢の顔面は無残に変形し身体はピクリとも動かなくなった―――歓声がわきあがり、金網の一部が開かれ勝者がリングを降りる。
そして次の戦士―――プロレスラーの様な格好をした女がリングインすると、里香の背後に居たアイリが彼女の髪の毛を掴み
無理やりに立たせて、リングの方へと蹴飛ばすだろう。気がつけば、両の手に嵌まっていた手錠は取れている。
そのままレフェリーが里香の手を取ると、強引にリングへと投げ入れられるだろう―――そう、此処は富豪が大金を投じて作った、
人間同士の殺し合いを楽しむ為の"闇リング"―――地下闘技場だ。

「精々そこの"お客様達"を楽しませなさい。勝利した回数によっては―――貴女を解放してあげても良いわ。」

アイリは笑みを浮かべながら里香にそう告げる。目の前の女性レスラーが拳に力を込め、腹部を殴りぬかんと襲いかかってきた―――。

【闘技場ネタですが、実は考えてました……w ただ、傷の全快が出来ないと言う事で
ちょっと難しいかなと思ってたのですけど、折角ですしご提案を参考にさせて頂きたいと思います。】


351 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/03/30(水) 12:58:45 ???
>>350

「ぐ……う……」

里香は歯軋りをしながらも全身に纏わりつく激痛を噛み殺す。
ぐちゃぐちゃにされた眼球も、回復していると自覚できるほどに感覚を取り戻している。

「くッ……」

見抜かれている。
アイリの言葉は、里香の心情を的確に言い表していた。
いや、そんなことは関係がない。
ここから先は、完全に自らの精神力、そして肉体に懸かっているのだ。

やがて、里香を抵抗し難い眠気が包んだ。

(う……ダメ……眠っちゃ……)

一度眠ってしまうと、次に目を覚ました時にどうなるかわからない……。
しかし、その眠気ははねのけられる程度のものではなかった。
里香は自分でも自覚できない間に、深い眠りに落ちた。


「ん……ここは……」

歓声、罵詈雑言、そしてスポットライト……
それらのせいで、里香は目を覚ました。
見ると、目の前には金網でできたケージ……いや、ステージがある。
その中で、二人の巨漢がまさに「殺し合って」いた。
文字通りのデスマッチだ。

(何……これ……酷い……)

試合に決着がついた。
巨漢のうち一人は、生死すら定かでないほどに顔面を殴られている。
アイリは勝者がリングを降りるのを待って、里香を無理やり立たせると、その金網に向かって蹴飛ばした。

「うあっ……!?」

両手首を高速していた手錠は既に外れ、手が自由になっている。
全身の傷も殆どが完治し、溶かされた左目も視界を取り戻していた。
レフェリーに手を取られ、リングへと強制的に入れられる里香。

リングには既に屈強そうな女がリングコスチュームに身を包んで仁王立ちしていた。
そして、ゴングも無しに試合が開始すると、女レスラーが不意をついて思い切り里香の腹部を殴りつけた。

「がはぁッ!?」

折角傷が治ったというのに、その身体には再び数え切れない傷が刻まれるのだろう。
しかし、勝利を重ねれば開放する、というアイリの言葉を信じ、里香は痛みを堪えて身構えるのだった。


【せっかくなので、里香の傷はほぼ全快状態にしてみました。それと、凶器攻撃とかも盛り込んでくれると嬉しいです……】


352 : 茄宰アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/04/02(土) 22:50:25 ???
【すみません、ちょっと体調崩してしましたして返事が遅くなります。】
【明日の午前の内には必ずお返事出来ますので、もう少々お待ちください】
【凶器攻撃の方は了解しました、色々使っていきたいと思います。】


353 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/04/02(土) 23:37:56 ???
>>352
【了解です】


354 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/04/03(日) 11:48:30 ???
>>351

身の丈は175cm程だろうか、女性にしては相当にガタイの良いそのレスラーは
両の拳をパキポキと鳴らすと、頭に被った覆面から覗かせた鋭い目つきで里香を睨み付け
一瞬獰猛な笑みを浮かべるとすぐさま攻撃に移った。不意打ちの一発目が入り苦しむ里香めがけ
鋭い踏み込みで接近すると手刀を一閃、里香の胸元へと叩きもうとする。続けて二発、三発と右手を振るい
まるで鞭の様に撓らせ里香をリング際―――つまりは鋼鉄製の鉄柵へと追い詰めていこうとするだろう。

「ほら、どうしたんだい!? さっさと反撃しないと、"お客さん"も飽きて帰っちまうだろう!?」

筋肉バカ―――と言うわけでもなければ、贅肉を乗せた巨漢というわけでもない。
程よい肉付きの体躯に鎧の様な無駄の無い筋肉を纏わせた、このレスラーはまさに"戦士"といった風貌だ。
観客から「"ウォリアー"、その小娘をブチ殺せ!!」「いいぞ"ウォリアー"! 処刑タイムだ!!」―――等といった
怒号が飛んでいる事から、里香の目の前にいるこの女が"ウォリアー"というリングネームを持っている事は分かるだろう。

「おら―――反撃しないなら、本当に殺しちまうからね!!」

ウォリアーは慣れた動きで里香の頭を引っつかむと、そのまま鉄の檻へとおもいきりぶつけようとするだろう。
見世物の試合とはいえ、相手は本気だ。頭部から血が流れようが、怪我をしようが、関係ないといったところだ。
ウォリアーは里香の頭を掴んだまま鉄柵にたたきつけた状態でリングを一周しようとする―――そうなると
里香の頭部は鉄の棒にガツン、ガツン、と次々頭をぶつけられ続ける事になり―――観客から歓声があがる。
ウォリアーは集まった富豪たちに自らの強さを見せ付けるかのように、里香の顔を鉄柵へ押し付け手を振り上げた―――。


355 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/04/03(日) 13:00:44 ???
>>354

腹を押さえながらも、どうにか相手は見据え続ける里香。
しかし、先ほどまでの人体実験の影響か、里香の全身には重い疲労感がのしかかっている。
そのため、その女レスラーの繰り出した手刀を、胸元にまともに食らってしまう。

「がはッ……!」

肺の空気を絞り出されるような衝撃に、里香は目を見開いた。
そのまま、女レスラーの連撃に為すすべもなくリングの際まで追い込まれる。

(反撃……反撃しないと……)

しかし、身体は思うようには動かない。
「ウォリアー」と呼ばれているらしいこのレスラーの思うがままだ。

ウォリアーは里香の頭部をぐわしと掴み、自らの力を誇示するように鉄柵に叩きつけた。

「あがぁッ!!」

額が裂け、血が流れ出る。
その光景に、観客は皆、異様なまでの興奮を示した。
狂っている――里香はそう思わずにいられなかった。
だが、その思考を断ち切るがごとく、ウォリアーは里香の頭部を金網に押し付けたまま、リングを移動する。

ガン、ガン、ガン、ガン……
規則的に、里香の頭部と鉄柵の激突する音が会場に響く。
それに混じり、里香が苦痛に呻く声も確かに聞こえる。

ウォリアーがリングを一周し終えた時、既に里香の頭部からは大量の出血があった。
すっかり紅く染められた顔は、苦痛に歪んでいる。

「あ……うぁ……ぐ……」

ウォリアーは、里香の「不死能力」について知っているのだろうか。
もし知っているとすれば……一体どんな責めを行ってくるのか。


356 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/04/06(水) 12:42:16 ???
【すみません、出来るだけ早く書き込んでくださると嬉しいです】


357 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/04/08(金) 01:05:48 ???
>>355

急な対戦相手の変更はこの手の地下リングでは珍しい事ではなかった。
なにせ自分達"地下闘技士"の境遇というのはどれもこれも似たような物で、
借金で首が回らなくなった物や犯罪組織相手に無茶な商売を吹っかけたならず者、
元は光の世界に居たが行き過ぎた"素行の悪さ"で地に落ちた格闘家など―――つまるところ、
"毎晩毎晩の様にこの世界に発生している"事件の該当者ばかりが集まっているからだ。
となれば、予定が変更されて対戦者―――もとい"犠牲者"の数が増える事もそう珍しい事ではない。
ウォリアーは自分の過去を思い出しながら目の前の相手―――急遽追加された今宵の"犠牲者"に目を向けた。

("何をやっても"死なない……ねぇ。)

「……おいおい。話に聞いてたのと違うじゃないか。アンタは不死身の"ゾンビ・ガール"なんだろ?
 それならゾンビらしく、荒々しい噛み付きくらいは見せてもらわないと―――観客も私も、退屈でしょうがない!」

ウォリアーは血塗れになった里香の頭を掴むと身体をぐるりと反転させ、丁度肩に担ぐような形で
彼女の背中を乗せ、額の辺りを両手で掴んでむんず―――と、持ち上げる。
所謂"カナディアンバックブリーカー"と呼ばれる背中を痛めつける技だ。
だが彼女の場合は掴んでいるのが腹部ではなく頭部の額―――上に力点がある分、
引き伸ばされる背中と首筋の痛みは更に強烈で過激な物となるし、場合によっては窒息死も在りえる技だ。
観客は序盤からの大技に声を上げて騒ぎ立てるが、ウォリアーの精神は落ち着いていた。

(……はん。聞かされてたのは"不死"って情報だけ……馬鹿馬鹿しい。御伽噺やドラマじゃあるまいし。
 そんな人間が居るわけがない。こんな小娘一人、さっさと片付けて次の試合に行かないと―――、
 ファイトマネーだって大したことがないんだ。それなのに……チッ、さっさとおっ死ね!)

始めに自分が此処へ担ぎ込まれた時、生き残る為に必死に戦ったのを覚えている。
当然だ、自分はこの"不死"と噂される少女と違い殺されれば死ぬし、殺されずとも弱ければ金が稼げず死ぬのだ。
生き残る為とにかく戦った。戦い続け、勝ち続け、そして今の自分がある。地下から這い上がる為の金を溜め続ける今の自分が。
それを―――こんな小娘一匹の相手を任されるとは。仮にも格闘家としてのプライドが許さない。
ウォリアーは高い身長を生かし小柄な里香を締め上げ、その首をへし折る勢いで額を掴んだ両手に力をこめた。

(アイリのヤツ……こんな"クソ小娘"を私に宛がいやがって。何を考えてるんだか……、私の雇い主には困ったもんだ。)

【遅くなってごめんなさい。明日、明後日、明々後日は休みなので、コンスタントにお返事が出来ると思います。】
【ご心配おかけして、また大変長らくお待たせしてしまい何度も何度も申し訳ありません。】


358 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/04/08(金) 03:12:31 ???
>>357

「あぐッ……うぁぁ……」

幾度となく頭部を激しい衝撃に襲われ、里香の意識は朦朧としかけていた。
頭部の負傷のためか、がんがんとする頭痛も里香を苛んだ。

(だ……ダメ、だ……。この人……あたしなんかより、ずっと強い……)

里香はこれまで異形の怪物と戦う際は、己の拳、身体能力、そして不死能力に依存した、
荒削りのがむしゃらな戦い方しかして来なかった。
何度なぎ倒されようと、何度吹き飛ばされようと、精神力と耐久力のみで耐えしのぎ、
機を窺って相手に拳を叩き込む。
そんな喧嘩と言うにも不出来な戦い方しか知らない里香に、勝ち目は万に一つもない。

一方、荒々しくも洗練された、いかにも「戦士」らしい動きをするウォリアーは、
里香の額を握力に任せて鷲掴みにし、腕力にものを言わせて里香の全体重を持ち上げた。

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!!」

里香は本日何度目とも知れない絶叫を会場に響かせた。
それに呼応して観客達は熱狂していく。
まるで更なる加虐を求めるように。

「あ゙がはッ……かッ、はあ゙ッ……!?」

首筋から背中にかけて筆舌に尽くしがたい激痛が里香を襲う。
また、気道が押しつぶされているのか、里香は呼吸すらままならない。
これで決まった――誰もがそう思っただろう。ウォリアーでさえも。
ウォリアーは更に里香の頭に力を加えていく。
頭蓋が歪んでしまうのではないかと心配になるほどだ。

「が……はッ……」

しかし、一向に里香は死ぬどころか意識を失う気配すらない――ウォリアーもさすがに焦りを感じた。
まさか、本当にこの少女は死なないとでも言うのか。


【すみません、お気遣いありがとうございます】


359 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/04/10(日) 19:24:52 ???
>>358
湧き上がっていた歓声が―――段々と止んでいく。
興奮の渦が静けさに呑まれて行き、観衆たちの大半が目の前の光景に目を奪われていく。
それもその筈で、ウォリアーの技は完全に少女の首を捕らえており、骨折は狙えずとも窒息は確実に起きている状況であるというのに
当の少女はときたら、未だに苦しそうに呻き声を挙げるだけ―――そう、"まだ呻く"だけの力が彼女の中に残っていると、観衆たちに訴えているからだ。

「し……信じられない、彼女は不死身か!?」

「おい、急に出てきたけど一体あの女は誰なんだ。……急遽参戦の新入り? トレーナーは―――、茄宰君か。」

「あの茄宰が連れてきた新人、凄い事になってるぞ……どういう身体の構造してるんだ……!?」

「もう二分はあのままだぞ、なのに……!!」

ウォリアー自身も驚きを隠せないでいた。骨の無い相手だ、サクッと命を絶ってそれでお終い。
そう思い込んでいた。この地下リングでは殺しも勿論OKだし、それで罪に問われる事など一切無い。
そういう裏の世界とつながりが深い人間だけが此処に来ているし―――死んでも構わないと判断された人間だけが、リングに上がっているのだ。
勿論それは自分もそうだし、それに相手もそうであって、だがそれだけじゃないとしたら―――。

(……死んでも構わない、じゃなく―――"死なない"人間、ってのも当然リングに……いや、でもそんな事が現実にある訳が……、)

ウォリアーは迷いを払拭するように首を抱えた両手に怪力を加え、そのまま背負い投げの要領で前方へと
小柄な里香の体躯を思いっきり"放り投げる"だろう。とはいえ、着地点はマットではなく―――リングを覆った"鉄柵"の方だ。
そう、鉄格子めがけ思い切り身体を投げ付けたのだ。力の凄まじさで言えば先程相手にしていたあの"太っちょ"にも劣らないほどのパワー。
檻に叩き付けた直後、ウォリアーはセコンドとしてコーナーポストに控えているアイリから"余興"用として用意していたパイプ椅子を受け取り
片手で振り回すと鈍器の要領で里香の腰へと凄まじい勢いで―――打ち付ける。一発、二発、三発と、パイプがひしゃげる勢いで椅子をぶつけ、
トドメとばかりに後頭部と首の付け根めがけ椅子が壊れるのではないかというほどの力を加えパイプでブン殴ろうとするだろう。
怒涛の攻撃に再び観客達が沸きあがるが―――それもまた、先程と同様に静かな物に変わっていくだろう。それは火を見るよりも明らかだった。
コーナーからアイリがニタリ、と笑っていた。


360 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/04/10(日) 23:39:31 ???
>>359

「あうッ……かは……」

ウォリアーによる気道責めにより、里香は窒息しかけていた。
あれから――ビルから落下してきた少年を救ってから、里香は幾度もこの「呼吸ができない感覚」を味わわされていた。
意識が薄れはするものの、決して苦痛が途切れることはない……常人が知ることのできない苦しみがあった。

(どう、にか……抜け出さ……ない、と……)

このままこの責めを継続されれば、自分の不死性に気付かれてしまう。
それを危惧した里香だったが、実のところもう手遅れだった。
里香の耳には入らないものの、リングを囲う観客たちはざわめきはじめていた。
そんなこと露ほども思っていない里香がウォリアーの腕に手をかけようとした――だが、まさにその瞬間。
ウォリアーが里香の身体を放り出した。

(えっ……!?)

ガシャアアアン!! とけたたましい音を響かせ、里香はリングを取り囲む鉄柵に背中から思い切り激突した。
悲鳴を上げる間もなく里香はリングの床にうつ伏せに落下した。
まるで鈍器で殴られたような――いや、それ以上の激痛に、里香は悶えることすらできなかった。

「あ……うぐッ……」

それでも床に爪を立て、里香は必死に立ち上がろうとする。
そんな痛々しい姿には目もくれず、ウォリアーはリング外に陣取っていたアイリから凶器であるパイプ椅子を受け取った。
そして、何の躊躇もなしにウォリアーは里香の腰のあたりに狙いを定めると、ありったけの力を込めてパイプ椅子を叩きつけた。

「があああああああぁぁッ!!!」

脊椎が砕けてしまうのではないかと恐怖させるほどの衝撃が里香に走った。
そんな里香に休息を許さず、ウォリアーは激情を晴らすかのようにパイプ椅子を里香に見舞い続けた。
最後に、ひしゃげて殆どパイプ椅子の形を残していないそれで思い切り里香の後頭部を殴った。
血飛沫がウォリアーの顔を紅く染めた。

観客はウォリアーの暴力に呼応するかのように熱を持った歓声を上げた。
今度こそ確実に殺した――先ほどのあれは、何かの間違いだったのだろう。
ほとんどの観客はいつしかそう思い込んでしまっていた。

「ぅぅ……ぁ……ぐ……」

しかし、その熱は血塗れの里香がぴくりと動いたことによって一挙に冷めた。
そう、里香はこれほどの暴虐を受けて尚立ち上がろうとしていたのだ。
身体をがくがくと震わせながら四つん這いの姿勢にまで身体を持って行く里香。
それを見たウォリアーは、次にどんな行動に出るだろうか。


361 : 茄宰アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/04/13(水) 11:20:55 ???
>>360

腹が立っていないと言えば嘘になる。"不死性"という情報がまだ"完全には"信じ切れていないウォリア―にとって
何度打ちのめし、攻撃しても立ちあがってくる里香はもはや単なる犠牲者の1人では無い。"強敵"と呼べる者だった。
当然攻撃を返してくる事はないし、自分が追い詰められている訳ではないのだが、それでもウォリア―にとって彼女のタフネスは
言い換えれば"お前の攻撃は効かない"と言い聞かされている様な物であって―――激昂した彼女は血溜まりの中を動きだした里香相手に
地下闘技士としてのプライドを賭けて更なる凶器攻撃を繰り出すのだった。


「……アイリ。チェーンだ。……違う。そんな"短い"のでどうする。」

「―――もっとだ。もっと。それでもない、……そう、"ソレ"でいい。」

鉄柵の外に控えるアイリにより強力な"武器"を要求し、アイリもそれを分かっていたのか用意していた"それ"をしっかりと手渡す。
その武器の全長は―――軽く10mを超えようか。凄まじい長さの金属製チェーンだ。それをウォリア―は掴み取ると、
震えながらもゆっくりと立ちあがろうとしている里香の首にチェーンの片端を勢いよく巻きつけ、そのまま留め具で固定し気道を再び締め上げる。
だがそれだけでは終わらない。今度はもう片方の端を持ち、それを頭上めがけて放り投げると―――丁度リング全体を覆う様に作られている鉄柵の、
頭上の"梁"に当たる部分を放物線を描きながら超え、そして片端はだらん、とこちらへ下がってくる。ウォリア―は跳躍し垂れさがっているチェーンの
端をおもいっきり"体重を掛けて"引っ張り―――

「―――絞首刑だ!!」
「待ってたぞウォリアー!!」
「遂に処刑の時間だー!!」

歓声が一層激しい物となる。梁からぶら下がったチェーンをウォリア―が引けば、当然だが
その端を巻きつけられた里香の身体はチェーンに引かれて宙に浮かび上がる訳で―――
まるで"絞首刑"の様に見えるだろうか、里香は今や脚がつかない位置まで晒しあげられてしまうだろう。
だが、それだけでは終わらない。ウォリアーは持っていたチェーンを横に走る鉄柵に巻きつけ"固定"すると
宙に浮いた状態の里香へ近寄っていき、恐らくは抵抗しようともがいているであろうその両手をガッ、と掴み、
無理やりに"引き下げ"、後ろ手に捩じり上げ、絶妙なタイミングでアイリが投げ込んだ金属製のゴツイ手錠をかけてしまう。
これで里香は手で首を絞めるチェーンを外す事すらも出来なくなってしまう上、抵抗の手段までも奪われてしまう。
晒されて無防備になった里香の腹に、ゆっくりと、やさしく手を触れたウォリアーが、にやりと笑った次の瞬間―――
腹部に鋭い手刀が突き刺さる。今度は逆の手で、拳が撃ちつけられる。まるで里香は、ぶら下げられたサンドバックも同然の格好になっていた……。


362 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/04/13(水) 12:42:10 ???
>>361

「あぅッ……ぐ……あぁっ……」

懸命に立ち上がろうとする里香だが、身体は言うことを聞かない。
立ち上がりかけては地面に崩れ落ち、それを幾度と無く繰り返した。
ウォリアーはそんな里香に一瞥をくれると、アイリに更なる凶器を要求する。

「あ゙あ゙ッ……が……ッ!!?」

そして、里香の首にまたしてもチェーンが巻きつけられた。
ウォリアーはちょうど頭上を通っていた梁に、チェーンのもう一端を投げつけた。
ジャラジャラ、と金属音を響かせながら、滑車の要領で里香の身体は引き揚げられていった。

「え゙ゔッ……かッ……!?」

それは、まさしく絞首刑だった。
里香は首をきつく絞めているチェーンに手をかけ、必死に抵抗するが……
ウォリアーはリングにチェーンを固定した。
それだけでなく、里香の両手をひねり上げると、手錠をもってして後ろ手に拘束してしまった。
一切の抵抗手段を絶たれた里香は、それでも敵をきっ、と見据えた。

里香の服はボロボロで、すでに服として機能していない。
そのせいで、腹部はまったくの無防備に晒されてしまっている。
ウォリアーはそこをいたわるように撫でた。
……と思えば、容赦のない手刀が里香の腹に叩き込まれた。

「がはあぁッッ!!?」

里香はその時ようやく理解した。
これでは、サンドバッグと何も違いがないことに……


363 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/04/17(日) 19:46:04 ???
>>362

ぶら下がった状態の里香をこれでもか、という程痛めつけていくウォリアー。
柔らかな腹部に拳を突きたて怪力で殴り飛ばし、ぶらん、と振り子の要領で帰ってきたところを
再び反対の拳で打ち返す。攻撃の箇所は腹部だけではない、女性の象徴である胸部、
苦悶に呻きながらもキッと此方を睨み返してくる顔面、美しいおみ足にはキックを打ちつけ、
更には追い討ちでアイリが投げ込んだ鉄パイプを手に取り、思い切り腰めがけ振りぬく―――、

「オラァッ! どうした、もう嘆くことすら出来ないのかい!!」

窒息。首へ掛かる体重の痛み。殴打。殴打。殴打。
全身を休むことなく激痛が襲う。そして、なによりそれを楽しみ、歓声を上げる傍観者達の視線が
里香へと突き刺さっていく―――好奇の目が鉄柵を取り囲んでいた。

「……はぁっ、はぁっ……、く……!!」
(コイツ……クソッ、本当にどんな身体してやがるんだ……!!)

ウォリアーはそれだけの攻撃を重ねながら、まだ息が残っているであろう里香に驚愕し
もはやこの女を倒す方法は"殺害"ではなく―――ギブアップといわせる事しかないのではないか、と考えた。
当然デスマッチにギブアップは無い。だが、このままでは試合が終わらないのも事実。
もしこの戦いに勝敗があるとすればそれは―――口を割らせる。そう、里香の口から"参りました"の一言を引きずり出す事に他ならない。

「……アイリ、"アレ"寄越しな。」

ウォリアーがセコンドのアイリに声を掛けると、彼女はそれを待ち望んでいたかのようにニヤリ、と笑う。
アイリが背後の"凶器"を大量に積んだ籠の中から取り出したのは―――"火かき棒"だった。
火かき棒。つまりは、暖炉の薪を回転させたり、位置を変えたりするのに使う昔ながらの器具だ。
転じて、熱したそれを拷問具として使う者もいたそうだが―――ここでの使われ方は、まさにそれだ。

この火かき棒の先端には"紋章"の様な彫刻が掘り込まれている。
それはこの地下犯罪組織が使っている"サイン"の一種で、それの意味するところは"奴隷"の象徴。
つまりは敗者の刻印であった。十分に熱せられたそれが赤い鉄の"焼きごて"となって掲げられる。

観客たちが「敗者に刻印を!!」と叫びだす。
いまや吊るし刑になった里香の胸元、服で隠れているそこを思い切り破り捨てると、
ウォリアーは露になった胸部に容赦なくその―――真っ赤に燃え上がった鋼鉄の刻印を押し付けるだろう。
胸のど真ん中。いかに不死の能力といえど、これは堪える筈だ。なにせ消えない刻印だ、それこそ皮膚を剥がさない限りは。
強烈な痛みと共にやけどが膨れ上がり、奴隷と敗者を象徴する紋章が里香の綺麗な胸部、穢れの無いそこへ―――浮かび上がった。


364 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/04/18(月) 02:59:37 ???
>>363

サンドバッグ同然に天井から吊り下げられ、ウォリアーの猛攻に反撃する術もなくなされるがままの里香。

「ゔっ、がはっ……あ゙あっ!? があああ!! ぐゔゔゔゔ! ごぼぉぇっ、がッ!!」

会場に響くのは、肉体と肉体のぶつかり合う音と、里香の悲鳴のみ。
里香にこの状況を打開する策、そして能力などなかった。
できることと言えば、ただこの拷虐に耐えることのみ。

……いや、一つだけあった。
それは、この地下闘技場の異常性、そして残虐性を指摘し、ウォリアーを説得すること。
里香はこれまで数え切れないほどに人間の悪意に触れてきた。
混ざり気のない純粋などす黒い悪意、環境により歪まされた精神から生まれた悪意、
躊躇いや良心の呵責を含んだ、まだましなほうの悪意。
そして、里香の見立てでは、だが――ウォリアーから感じる悪意は、“ましなほう”だった。

里香は渇き切った口を開き、言葉を紡ごうとする。
しかし、絞首刑に処せられている現状では、悲鳴以外の声などまともに出ようはずもない。
里香は陸に上げられた鯉のように口をぱくぱくと動かすことしかできなかった。

あまりの暴力に、里香の意識は混濁し始めていた。
これはまずい。周囲の喧騒が壁を隔てたように聞こえる。

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!?」

皮肉にも、そんな里香の意識を明瞭とさせたのもまた、ウォリアーの暴力だった。
胸元、里香の小ぶりな乳房から白煙が立ち上る。肉の焦げるような、嫌なにおいもした。

「あ゙……あぁ……あああ……う……あ……」

焼き鏝を押し付けられたのだ。
里香の目には何の意味も為さないこの火傷は、この闘技場への隷従の証。
不死能力を持ってしても、このような深い火傷痕は完治するのかわからなかった。

(こ、こいつ……あたしに、……降参、させる……気、だ……)

いつまで経っても死なない里香に業を煮やしたウォリアーがとった行動。
それは、里香を精神的にも肉体的にもいたぶり尽くし、“参った”、“やめて”などといった言葉を引き出すためのものだった。

(ちく、しょう……あたしは、絶対……あんたらの言いなりになんか、なんない……!)

里香は先ほどの自分の“見立て”が間違っていたことに気付いた。
この女から感じる悪意には、躊躇いが感じられた――感じられたのだが、
それは単に里香の不死性に戸惑っていただけだったのだろう。
ウォリアーの心理は、里香には理解し難かった。
一体、次は何をしてくる?
里香の乳房に刻まれた敗北の証が、ずきりと痛んだ。


365 : 茄宰アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/04/21(木) 14:55:35 ???
>>364


―――もう、吊りあげ始めてから十分以上が経っている。
いや、もっとか。とにかく、人間が死ぬには十分すぎる程の時間が経過していたのは確かだ。
だが、目の前に"絞首刑"を受けぶら下げられたままの少女は、窒息死を迎えるどころかキッ―――と、此方を睨みかえしてくる。
苦しそうな表情、全身を襲う激痛と窒息の恐怖は確かに彼女を戒めているのに、だ。どこから来るのか分からないが、この少女はとてつもなく、強い。
身体能力の話では無い。"ここまでされて"いるのにちっとも折れないその精神の話だ。不死の能力より、ずっと恐ろしく、そしてかけがえのないモノ。

ウォリアーは焼き鏝を降ろす。この攻撃を耐えきって、まだ此方を見降ろすだけの度胸があるなんて。
ますます―――気に入らない。だが、それと同時に段々と、別の感情が湧きあがりつつあるのが余計に、ウォリアーの心を揺さぶった。


「……アンタ、一体……」

思わずそう呟いてしまったのをとがめる様に、ウォリアーは焼き鏝をマットに叩きつけて捨てると
コーナーに隠していた新たな凶器を引っつかみ、煌々と照らされたリングに堂々と"持ち込んだ"。
長さは全部で2m前後か。重量はそこまでではないが、通常の"それ"に比べれば重厚な雰囲気を漂わせる、黒の"繊維"。

「……大昔のアメリカじゃ……奴隷には必ず"罰"を与えてたんだ。」

「アンタも敗者の奴隷なら……それに相応しい"罰"を、くれてやらないとね。」

「SMで使う様なチャチなモンじゃあない、"コレ"は肉を裂き、骨を穿ち、神経を破壊してしまう―――"罰"だ。」

強烈な黒光りを見せるその凶器が凄まじい勢いで振りあげられ、空中で"ドラゴン"の様に唸りを見せる。
そしてその身をしならせた刹那―――爆発的な轟音がリングに響き渡る。テレビでよく聞く様な、鋭い音とは大きく趣を違える音だ。
彼女が振りあげたそれは、原始的な武装にして今も尚拷問の一線で使われ続ける凶器―――"鞭"であった。
だが只の鞭では無い。長さは人の身を優に越え、重量はそれに比例して重く、硬く、それでいてしなやかに身をくねらせる。
その巨大で頑丈な特製の鞭を、ウォリアー程の使い手が勢いよく振るえばどうなるか―――アイリは間近で見た事があるが、
レンガやブロックが裂ける程の威力を発揮してしまうのだ。当然、人の見に振るえばどうなるかは想像に容易い。
鞭が人を打った時に聞こえる"パチィン"という音など、聞こえはしない。本当の炸裂音が木霊し、今や奴隷とまで言われる里香の
背中、無防備に空いたそこへ鞭が殺到すれば―――皮が裂ける、いや、"吹き飛ぶ"。その下の肉が見え、一撃で鮮血が舞い上がる。
遅れて血肉が叩かれた鈍い殴打の音が響き渡った。鞭の先端は、そり返してその身を打つ瞬間に、音の世界を超越するのだ。
返り血を浴びながら、ウォリアーは皮という防御策を失ったそこへ―――二撃目を振り下ろす。正確で、無慈悲な一発が里香の背部を攻め立てる。
当然、ダメージはそこまでではない。皮が裂け、肉が切られる。だが、今までの串刺しだの骨折だのに比べれば、どうというレベルでは無い。
だが痛みだけは別だ。鞭の痛みは表皮を貫き感覚を直に刺激する耐え難い物であり―――だからこそ、拷問で使われるのだ。

「……言えッ。言えッてんだよ、"参った"と!!」

三撃目。四撃目。次々に、鞭が肉をはたいていく。骨が見えようが、知った事か。
ならば骨も叩くまで。穿ち、振るい、穿ち、引き裂く。里香の背中に×印を描く様にして
ウォリアーは全身の筋肉を躍動させ鞭を振るった―――!


366 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/04/22(金) 03:12:53 ???
>>365


心臓が脈打つのに呼応するように、焼き鏝を押し付けられた痕はずきずきと痛む。
里香は間断なく襲い来る全身の凄まじい激痛を堪えつつ、ウォリアーを見据えた。
ウォリアーはすでに焼き鏝を下ろしていた。切り替えが早い。
焼き鏝では里香のギブアップを引き出すことができないと分かるやいなや、他の道具を引っ張り出してくる。
その動作は里香に対する嗜虐心のためのものではないのではないか?
喩えるならまるで、常に最も効率のよい手段を選択する、職人のようだった。

(もしかしたら……話せば、何か……)

しかし、里香のそんな淡い期待はすぐさま打ち砕かれた。
ウォリアーが持ち出してきたものは、鞭。
鞭とはいえど、その種類は数多くある。
ウォリアーの手にしているそれは、その内でも特に非情にならなければ扱えないものだった。
里香の脳裏を、思い出したくもなかった過去の苦い記憶がよぎった。
理由もわからぬまま拐かされ、筆舌に尽くしがたい拷虐に晒された日々。
当時に受けた数々の虐待の内でも、里香を最も多く苦しめたのは鞭だ。
もちろん、“最も苦しめた”わけではないのだが。

(これじゃ……あの時の繰り返し……)

里香は唇を更に固く結んだ。
万が一にも叫び声を漏らさないように。
彼らの思い通りにはならないために。

ウォリアーが背中に回り、鞭が振るわれた。
里香は迫り来る苦痛を覚悟した。
しかし。

「ゔがあ゙ッ……!? あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あッ!!!!」

その苦痛は里香の覚悟のキャパシティをゆうに超えていた。
背中の皮膚がばっくりと裂け、血がどくどくと流れ出るのを感じた。
人体に対してその鞭はもはや鞭ではなく、刃物にも等しかった。

「ぐっ……ゔ、あ゙あ゙っ……ゔぐぅッ!!」

里香にとって、背中の傷口を視認できなかったのはかえって幸運だったかもしれない。
何しろ、皮膚が広範囲にわたって吹き飛び、身体の肉が痛々しく露出していたのだから。

当然、ウォリアーは追撃の手を緩めない。
恐るべき鞭捌きをもってして、たった今皮膚が裂けたばかりの、里香の傷口を再び正確に打擲した。
痛覚神経に直に電流を流されたかのような、耐え難い苦痛の奔流が里香を苛む。
里香は声にならない悲鳴を上げることしかかなわなかった。
初めは白く光沢を放っていたリングは、今や里香の赤黒い血で染められ、屠殺場とも見分けがつかない有り様だった。

たった一撃でどんなに屈強な兵士からもあらゆる自白を引き出すことのできるその鞭を、
ウォリアーは里香にめちゃくちゃに打ち付けた。
それに対し、里香はあまりに無力だった。抵抗などもってのほか。
だが――ウォリアーは里香の精神力を舐めていたのかもしれない。
どんなに肉体をズタズタに引き裂かれようと、骨格を粉微塵に破壊されようと、里香は――
里香は、屈することはない。


367 : 苛宰アイリ ◆gtgRlaWDVg :2016/04/26(火) 22:41:41 ???
【連絡が遅れてしまい、毎度ながら大変ご迷惑おかけしています。】
【本当に申し訳ありません、明日中には必ずお返事いたしますので、もう暫しお待ちくださいませ。】


368 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/04/28(木) 00:44:15 ???
>>366

「……小娘がァ……ッ!!」

更に一撃、もう一撃。ウォリアーの腕の動きに追従するかの様に、鞭が"撓り"を効かせて舞い上がる。
鎌首を擡げた中華龍の如く、何度も何度も里香の背中に食らいついていく。そして、その度に肉が裂け、血が吹き荒ぶ。
もはや、リングの中は凄惨な状況と化していた。一方的な展開、一切の抵抗・反撃を許さぬ状況下、片時も緩まない処刑人の攻撃。
耐える事でしかその意を示せない里香は、それでも尚折れずに挑み続ける―――その光景に対し観客の中には口を塞ぐ物まで現れ始めた。

『な、なあ……いくらなんでも、やりすぎなんじゃ……』

[試合も何も、あったもんじゃないな……これじゃあ本当に、ただの公開処刑だ……]

〔ただの公開処刑ならいつも見てるじゃないか……だが今日の"これ"はちょっと違うというか……、悲惨すぎる。〕


永遠に続く拷問。鬼気迫るウォリアーと、ギブアップをしない少女。
余りにも長く続くその攻防に恐れを抱いたのか、観客達がざわつき始める……。


「……なら……これでっ、どうだ!!」


業を煮やした処刑人は次の手段に打って出る。まずは新たな拷問具の追加だ。
アイリに用意させた凶器の中でも―――今までで"最大級"のサイズのそれが姿を現した。
それは黒い鉄板の様な"何か"であり、ウォリアーはそれを慎重に―――そう、慎重に、
ゴム手袋まで嵌めて受け取ると、マットの上に勢い良く叩きつける。瞬間、"じゅう"、という鈍い音と
何かがこげるような匂いが充満した。
そのままウォリアーは鞭を一旦手から離すと、吊り上げていたチェーンを蹴りで一閃、ロックを破壊し解除。
するとどうだろう、高所から吊られた里香は一気にマットへ―――ではなく、その上に敷かれた件の"鉄板"の上へと落下する事となり―――、


「鞭打ちの次は……"熱責め"だ。」

身体が鉄板の上に触れたなら、思わず飛び上がりたくなるほどの衝撃が全身を襲うだろう。
先程の焼き鏝による刻印をも凌ぐような、強烈な熱気と刺激―――鉄板の温度は優に300度を超えている。
急いで立ち上がれば全身が焼かれる事はま逃れるかもしれないが、そこに加えてウォリアーは更なる追撃を課す。
鞭による殴打だ。里香が立ち上がって逃げようとするのなら、それに対して今度は正面から鞭を振るい、腕や顔、胸までその標的とするだろう。
後退することで逃げる事は可能、だが―――その後方にはコーナーポスト。そして、そこには"あの"アイリが控えている……。

立ち上がる肉の焦げる匂いと絶叫に、観客たちも顔を歪めた―――。


369 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/04/28(木) 03:33:17 ???
>>368

その試合は最早ワンサイドゲームでもなく、しかし拷問ですらない。
あえて言うならば、処刑――という言葉が適しているようにすら感じられる。

「あ゙え゙ッ……あ゙ッ……ゔッ……」

だが、さすがの里香にも、限界が近づいてきている。
一撃で人を殺めることすら可能な鞭による打擲を、ダース単位でもらっているのだ。
それに加えて、喉元をきつく締め付ける鎖。
“死なない”ことだけがこの試合においての唯一のアドバンテージである少女は、反撃することすらかなわない。

一体、どれほど殴られたのだろう?
里香は最初のほうに数えるのを諦めてしまったが、その数は三桁にも及ぶかもしれない。
背中はズタズタになっており、この光景だけを切り抜けば、肉塊だと言っても誰もが信じるだろう。
だが、その責めにもようやく終わりがやってきたようだ。
ウォリアーは鞭を手放すと、リング外から何か大きな板を受け取っていた。
そのままそれを宙吊りになっている里香の足元に設置した。
すると、熱気がもわっと里香の身体を舐めていった。
これは一体――そう里香に考えさせる暇を与えず、ウォリアーは鎖を外すと、ボロ雑巾のような里香の身体をその板へ落下させた。
里香は足先から板へ落ち、バランスを崩して膝をついた。

「なッ……!?」

ようやく気道を確保できた――それは、甘い思い込みだった。
ジュウウウ! と肉を焦がす音が鳴り響き、それと同時に里香の足の裏、そして膝を凄まじい激痛が襲った。

「ゔッ……!? あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!」

満足に声を出せるようになった里香が最初に口にしたのは、耳をつんざくような絶叫。

(あっ、熱いっ、熱いっ!!)

熱さと痛みがしばしの間、里香の頭を塗りつぶした。
だが、そんなことをしている場合ではない。
早く立ち上がらなければ、皮膚が鉄板と癒着し、さらに酷いことになる。

「ゔッ、あ゙あ゙ッ……、え゙ッ!? あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」

無意識の行動が、更なる悲劇を招いた。
普段と変わらぬ方法で立ち上がろうとしたため、何も考えず手を鉄板に置いてしまったのだ。
肉の焦げる音が、さらに重なった。
そして、一切の容赦のないウォリアーの追撃。
あの鞭を持ち直したウォリアーは、激痛に叫ぶことしかできない里香をまたも打擲した――それも、正面から。
無情にも鞭は里香の顔面を捉え、鼻柱を跨がる深い切り傷を負わせた。

「があ゙あ゙あ゙あ゙ッ!? ゔゔゔゔゔゔ……」

ウォリアーの追撃から逃れるべく、里香はすでに重度の火傷を負っていた右手に力を込め、無理やりに立ち上がる。
膝小僧にも火傷が見え、痛々しい。
しかし、後が続かない。
灼熱の鉄板の上で、里香は鞭の格好の標的となった。
まだあまり鞭による被害の少なかった身体の前面が、鞭に晒されて皮膚が切り裂かれていく。
それに耐えかねて後退しようとするが、足の裏が鉄板に癒着しかけてしまっていた。
もたもたしている間に、またしても鞭による無数の打撃が里香を襲った。

「ふんぬ……ぐ……あ゙あ゙あ゙ッ!!!」

皮膚が剥がれるのも構わずに、里香は足をあげて後退した。
里香からは見えなかったが、足の裏の皮膚がところどころめくれてしまった。
これにより、里香はただ立つということですら凄まじい苦痛を味わうことになるだろう。
更に、里香には不幸なことがあった。
それは、後退した先のコーナーポストには、アイリが控えていたことだ。


370 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/05/08(日) 02:04:08 ???
【アイリさん、お待ちしてます……】


371 : 茄宰アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/05/10(火) 11:57:11 ???
【大変おまたせして申し訳ありません。本日お返し致します。】


372 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/05/11(水) 11:54:01 ???
>>369

できることは幾らでもあった。前方には鞭を構えたウォリアー。
足の裏を焼かれて機動力を奪われた獲物。それが無様にも背中を向けている状態。
そしてその後方に獲物を見据える自分。アイリには無限に選択肢があった。嬲るのは簡単だ。
だが、殺傷力の高い武器で容易くダウンを奪ってしまっては意味がない。もっと痛みを。もっと苦しみを。

二人の狂人が持つ熱気が加速していく。痛めつけろ。もっと。心を折るのではない。
粉々に砕け散るまで―――甚振ってやれ。

「後ろを確認しないで逃げるなんて―――そんなに痛めつけられたいの?」

アイリはコーナーポストから手に持った凶器を振りかぶり、思い切り里香の背中をめがけたたきつける。
それは"刃先"がギザギザな形状になっている巨大な刃物―――"鋸"をそのまま大きくしたような武具、といえば想像しやすいだろうか。
"巨大鋸"とでもいうべきその凶器を先ほど鞭でズタズタにされた里香の背中に振り下ろす―――肉を守るための皮はもう存在していない。
そこに傷口をえぐる様な危険な形状をしている刃を一閃、上から下に袈裟懸けに振り下ろせばどうなるか。後は語るまでもないだろう。
鮮血が鮮やかに吹き上がり、アイリの顔を真っ赤に染める。悲鳴が聞こえようがかまわない、アイリは返す刀で
今度は真横に"鋸"を凪ごうとする。当然、その間に前方からの鞭による打撃は止む筈もない。前後からのすさまじい凶器攻撃が始まった。

「おら、逃げんなよッ!」

ウォリアーは片手で鞭を持つともう片方の手でチェーンを拾い上げ、両方を同時に扱い里香へたたきつける。
鎖で腕を絡めとり、攻撃を防ごうとする手を退け、その間に鞭をもう片方の手で振るう。
背後からは、鋸が背中をさらに"ズタズタ"にすべく襲い掛かる。公開処刑から開放されたところで、里香を襲う激痛は止まる事を知らなかった。


373 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/05/11(水) 13:02:06 ???
>>372

鉄板から逃れたところで、鞭の射程範囲から脱出したわけではなかった。
足裏はずきん、ずきん、と断続的に激痛を里香に味わわせる。
火傷でズタズタになった箇所が、ただ立っているだけで更に痛めつけられる。
そして、一撃のもとに皮膚を、肉を吹き飛ばす鞭の嵐が吹き荒れる。

「あ゙ゔゔぅぅぅ……ッ!!? あ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁッ!!! ぐゔゔゔぅぅ……ぎいあ゙あ゙ッ!!!

里香の足元に、血だまりができていた。
ウォリアーが鞭を振るう度、リングは里香の血液に紅く汚れていく。
顔面、胴体、四肢……。
無差別に殺到する打擲に、里香はそれでも抵抗を試みた。
血に塗れた傷だらけの右腕を掲げ、可能な限りの攻撃をそれで受け止める。
しかし所詮は焼け石に水、ウォリアーは気にも留めずに鞭を振るう。

里香は、未だに気がついていなかった。
自らの後方にも、また狂人が控えていることに。
アイリが巨大な鋸のような刃物を振り上げ、里香の右肩から袈裟懸けに斬りつける。
その鋸による斬撃は、傷口を抉る程度では済まさなかった。
里香の背中の肉を文字通りに“ずたずた”――いや、“ぐちゃぐちゃ”にしてしまった。

「……ッッッ!!!?」

里香は喉が擦り切れんばかりに悲鳴を上げた。
声にならない、意味をなさない悲鳴……それが里香の苦痛の度合いを物語っていた。
状況は(里香にとって)加速度的に悪化していく。
鞭の雨が止んだかと思うと、ウォリアーは傍らに落ちていた鎖の一端を拾い上げた。
辛うじて持ちこたえていた里香の右腕目掛けて鎖を投げるように振るい、防御を引き剥がすようにして拘束した。
そして、より一層激しさを増して鞭の暴風雨が里香を襲った。
そこへアイリの容赦のない追い討ち。
真一文字を描くようにして、巨大な鋸で里香の背中を斬りつけた。
再び、少女の声にならない悲鳴が会場に響いた。

(あ……し、死ぬ……)

常人ならばショック死しても何ら不思議のない、激痛と負傷。
それは不死の少女に死を錯覚させる程のものだった。
里香の苦痛に比例するように、二人分の狂気は過激さを極めていく。
処刑場と化したリングで、次は一体何が行われようというのか――。


374 : 茄宰 アイリ ◆nMT0hdBY.c :2016/05/11(水) 14:58:48 ???
>>373

死を覚悟する―――そう。普通なら当たり前のことだ。
ここまでの状況に至るまで、常人ならいったいどれだけの回数死を覚悟するのだろう。
それどころか、本当に死んでしまうのが当然だが―――里香は違った。なにせ"死なない"のだから。
串刺しにされても、首をつられても、車で引きずられても、薬で全身を嬲られても、大量に出血しても―――
死なない。そんな"不死"の彼女までもが、死を意識せずにはいられないほどの猛攻。だが、考えてみれば当然なのかもしれない。
体は不死であろうと、魂はそれにふさわしく強靭にできているか、といえばそうではない。彼女は少女なのだ。一人の、少女。
先ほどと違い、闘気が薄れてきているのをウォリアーは感じていた。生粋の戦士たる彼女には、そういう"何か"が敏感に感じ取れた。
まだ心は屈していない。だが、この少女は実感しているのだ―――死の近づく感覚を。

「アイリ……ちょっと余興を挟んでやるか?」

ウォリアーの一言に、アイリがにやりと笑う。鋸で背中をしたから上に"斬り上げ"ると
彼女は武器をリングの外にいったん放置し、そのままコーナーポストから降りる。
ウォリアーは戦線を離脱した彼女の代わりに里香へと近づき、腹部へめがけ鋭い膝蹴りを一発、
そのまま頭をつかんで思い切り押し倒し、マウントポジションを取ると、顔面をめちゃくちゃに殴り始めるだろう。
里香がそれを腕でガードしようとするなら、空いているほうの手で両手を一纏めにして頭の上に万歳の形に固定し押さえつけ、
抵抗手段を奪ってから腹や胸―――なんなら先ほど焼き印を入れたそこにも拳を叩き込み、息をつかせるまもなく彼女を攻め立て続ける。

「オラッ! どうした、さっきまでの強気は!! もっともっと―――私達を楽しませて見せろ!!」

叫ぶウォリアー。だが、もはや観客達の半数以上があまりの凄惨な光景に口を押さえ、目を背けようとしていた。
中にはきっと居るだろう、"はやく死んでくれ、早く終わらせてくれ―――"そんな風に考えている者も。
それは自分の精神状態の安寧を守るためか、それとも悲惨すぎる少女の状態を鑑みての事なのか―――
それはわからないが、ウォリアーの拳がまだ少女を甚振り続けていた。

「……初めての"出し物"だけど。まあ、きっと観客達も気に入ってくれるでしょう。……きっと、ね。」

アイリは地下にある"保管庫"の前に来ていた。ここは闘技場で使用される凶器や、死体となってしまった"元・戦士"達を
一時的に保管しておくための場所だ。つまり、そこに"生物"の気配がある事はほぼ「ない」といっても過言ではない―――そういった場所だ。
だがしかし、現在アイリがたっている"小さな檻"の中には、"生きたソレ"の気配がむんむんと漂っていた。
呼吸をするたび口から白いと息が漏れ、その中には鋭い牙が覗き、移動すれば足先に付いた強大な"爪"がチャカ、チャカと鋼鉄を叩く。
口元からあがって来る獣臭い息を手で払いながら、アイリはその"化け物"の入った檻を配下の男達に運ばせ、再びリングへと戻っていった。

「―――ふふ。やっぱり生き物には生き物をぶつけないと、ね。」

凶暴な相方を携え、死神の様にアイリが一歩、また一歩とリングへ近づいていく―――。


375 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/05/12(木) 02:59:42 ???
>>374

前方からは鞭による打擲、そして背後からは巨大鋸による斬撃。
二人の狂人による挟撃に、里香の身体が休まる暇はひとときもなかった。
今まで、里香の肉体がこれほど酷く破壊されたことは少ない。
背後に控えるアイリが何かのついでのように鋸で里香を斬りつけると、コーナーポストを降りた。

ウォリアーはそのまま鞭と鎖を放り出し、里香の腹部に鋭い膝蹴りを見舞う。
鞭によってずたずたになった腹に、更なる苦痛。
里香の喉の奥から熱いものがこみ上げてきていた。
そのままリングへ押し倒され、里香に馬乗りになるウォリアー。
既に血と傷口、そして痣にまみれて元の肌の色すらわからないような里香の顔面に、拳がめり込んだ。
それは当然一度のことではなく、ウォリアーはマウントポジションを維持したままめちゃくちゃに里香の顔を殴る。

(あ、……ま、マジで……死ぬ……)

ウォリアーの拳は一撃が重いだけでなく、顔面の傷口を抉るような殴り方をしてくる。
鮮血の鉄臭いにおいに、ウォリアーは興奮しているのか――抵抗を試み、掲げられた里香の火傷した腕を掴み、もう一方の腕とともに拘束する。
やがて、殴打のターゲットには、里香の全身が含まれるようになった。
焼き鏝を押し当てられた痕、全身の鞭による深い切り傷、赤黒い痣など……
常人なら、この状態ですでに助かる見込みはない。

あまりの負傷に意識が遠のきつつある里香。
その五感が、久方ぶりに苦痛以外の感覚を里香にもたらした。
それは、悪臭。紛れもない、獣のにおい。
アイリの傍らに佇む異形を認めると、里香の意識は霧が晴れるように明瞭となった。

(なに……アレ……)

明らかにヒトではない何か。
里香を更なる激痛へと導く、死神だ。


376 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/05/23(月) 11:37:47 ???
【お待ちしてます……】


377 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/05/31(火) 11:06:25 ???
ここのスレはなかなか完走できませんよね……
大抵攻め手が来なくなってしまうので、私も過去 2 回途中で止まってしまいました……


378 : ◆ztq7pWnU8A :2016/05/31(火) 22:42:15 ???
また機会があれば
受け側でやってみたいところです


379 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/06/01(水) 02:39:22 ???
そうですね、かなり長期間スレを占領していますし……
アイリさんには誠に申し訳ないんですけれども、あと三日ほど待ってレスがなければ、今回のチャットは打ち切りとさせて頂きたいと思います


380 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/06/01(水) 09:28:58 ???
>>379
スレ占有ということは気にしなくて良いと思いますよ。
以前、私がやっていた時も他の方と同時に進行したりしていましたが特に問題ありませんでしたし。
一部、自分がやっている時は止めろという方もいらっしゃるようですが、現在占有状態になっているのは他にやる方がいないからだと思います。
待てるなら気長に待ってみて下さい。
ただ、割と途中で終わってしまうことが多いのでコメントさせて頂いた次第です。
気分を害してしまったらごめんなさい。


381 : 村山里香 ◆jcsA3Ruq5. :2016/06/02(木) 02:30:32 ???
そうですね、打ち切りは少し早計だったかもしれません……
アイリさんがいらっしゃるまで、できるだけ気長に待ってみたいと思います


382 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/02(木) 21:50:09 1FTJJFho
また、受け側でやりたいと思いますが…
やっていただける方がいれば、お待ちしています。


383 : 御坂美琴 ◆xAulOWU2Ek :2016/06/04(土) 00:23:21 ???
とある魔術の禁書目録の麦野とエロプロレスしたいわ。こちらが完全に受けでね。


384 : 名無しさん :2016/06/09(木) 03:50:15 ???
受けやりたい奴ばっっかりになるのって、
女性向け界隈特有の現象かと思ってたら違うのな。
女だとリアルで受け側だからある程度自然なことでしょうがないんだろうと思ってたけど
男でそうなるのはなんでだろう。
それとも実はこの板に女性の同好の士が多いとかいう夢のある状況?


385 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/06/09(木) 09:33:27 ???
下記のようなスレッドもありますので他の方はどうか知りませんが、私は女です
ただ、このような場で女性アピールしてもマイナスばかりなので他のスレッドに書き込みする時などはコテなしですが

ヤられてる女性キャラに感情移入してリョナニー
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1175960919/


386 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/09(木) 16:01:36 ???
自分は受け側も攻め側も大好きなのです。


387 : ◆VktIN.Uk36 :2016/06/10(金) 22:51:03 IzTOyf8E
【名前】
 宵咲 桜(よざき さくら)

【出典】
 オリジナル

【年齢】
 17歳

【外見】
 身長158cm、体重43kg、Aカップ 、闇のように深い吸い込まれそうな漆黒の瞳

【髪型】
 黒髪ロングストレート

【性格】
 強気で正義感が強く、誰に対しても物怖じせずに注意していく、どんなにボロボロになっても諦めずに戦い続ける

【口調】
 お嬢様風(〜ね、〜よ、〜だわ、みたいな感じ)

【キャラ性能】
 超能力者
  サイコキネシス:念動力、ものを自在に動かすことができ、武器や周囲の石、自分自身や相手を浮かせたり自由に操ることが可能
  パイロキネシス:発火能力、自分で発火した炎は自在に操ることが可能
  サイコプラズマ:発電能力、自分で発電した電撃は自在に操ることが可能
  テレパシー:相手の意思を読み取ったり相手へ意思を伝えることが可能
  テレポート:瞬間的に場所を移動できる

 基本的に超能力に頼っているため腕力などは弱い
 超能力で武器を操るため、剣3本・短剣5本を常備している
 機械などテレパシーの通じない相手は苦手
 テレパシーを遮断する装備なども苦手
 羞恥・煽りに弱い
 制服で戦うことが多い(私服可)
 処女

【希望シチュエーション】
 自分より弱そうな相手(歳下や小柄な子、老人など)に煽られたり翻弄されたりして手も足も出ずに嬲られ続ける
 自分より強い相手に圧倒的な力でねじ伏せられる
 人外の相手に自由を奪われながら嬲られ続け
 etc...
 相手次第です。NG以外であれば基本何でもOKです。複数相手も可。

【NGシチュエーション】
 欠損・死亡などの再起不能
 脱糞(失禁は可)
 処女喪失(喪失しなければ何やっても可、着衣のままの方が好きです、破れはOK)

【特記事項】
 日をまたいでも良いのでゆっくり進めたいです

【使用上の注意】
 できれば自分専用としたいですが、キャライメージを崩さなければ構いません。


>>4でも募集しています。


388 : ◆VktIN.Uk36 :2016/06/10(金) 22:52:58 ???
書き込むスレッドを間違えました……
ごめんなさい。


389 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/10(金) 23:44:06 ???
自分が投稿したいずれかの責めキャラでチャットしようと思っています
同時進行も可能です

ビドー
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/53

悪魔の本
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/46

モンスターウーズ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/41

マコ+フィアー
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/22
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/18


390 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 00:02:29 ???
>>389
経験済みのキャラはおりますが…
どれかでリョナられるのを希望します。


391 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 01:54:55 ???
個人的にはマコ+フィアー を希望します


392 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 06:53:13 ???
>>390
>>391
では、マコとフィアーですすめましょうか

シチュエーションと全体の流れはどんな感じにしますか


393 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 09:38:49 ???
>>392
シチュエーションは
とりあえず通り魔的な感じで襲われる形が良いです。

みずきは(ほぼ)死なないので
力を抑えずにおもいっきり傷めつけるとかにしてほしいです。

最終的な形は、乗っ取られでも、無限リョナなどでも
好きな形でお任せします。


394 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 10:47:28 ???
(では、導入はこんな感じでどうでしょうか)

家路につくものが増える夕暮れ時
マコは鼻歌まじりにブラブラと散策する

マコの反対方向から歩いてくる制服姿の女子高生(龍ヶ崎みずき)
長髪とスタイルの良い長身が目を引くが、マコの目にはまた別のものが見えた
(ふーん、何か、違うな)
ちょうど周りには他に誰もいない(いたとしても大して違いはないが)
ナイフ程度の大きさとなっている懐のフィアーの柄を握る
(ま、とりあえずまずは挨拶かな)

すれ違うと同時、フィアーを振り抜き、女の左耳を斬り落とした

(バッドエンドはあまり好みじゃないのと、あまり長引かせないために時間切れという感じで唐突に終わらせるかもしれませんがご了承を)


395 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 11:20:51 ???
>>394
(わかりました。そちらに合わせます。)

「……ふぁー…」
眠たげな様子で、目の前の女子高生はマコの方へと
意図せずに向かっていた。

そう、たまたま通りすがるだけ
それ以上の縁などない

はずだったのだが…

「!?…っだ……!!」
唐突に左耳から走った激しい痛み。
思わず触れてみれば、自分の耳が喪失していたことに気づく。

「ぐっ…いったい…
 どういう…!?」
おもわずその方向に振り向くと、
そこに居たのは単なる少年…にしかみえない。


(…まさか?)
驚愕の表情でマコを見つめる彼女。
マコからは、切り落とした部位が再生しようとしているのが見えるかもしれない。


396 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 11:28:16 ???
>>395
「ふーん」
斬り落とした耳を左手でいじる
当然ながら、女は警戒の眼差しを向ける

「ねぇ、お姉さん。なんで、もう血が出てないの。なんで、また耳が生え始めてるの。人間だよね、一応はさ」
純粋な好奇心から問いかける


397 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 11:33:57 ???
>>396
(…やっぱりそうか…)
マコの姿は単なる少年にしか見えないが…
彼から感じるのは、純粋な好奇心
そのためには誰かを傷つけるのも厭わないということが伺える。

「…なんで…
 話す必要があるのかな…?」
そう言って彼女は、
彼に背を向けて、逃げるように走りだした。

(流石に相手にしてられない…!
 どうにかして巻かないと…!)
自分の足なら逃げられる!
…と思い込んでいた。


398 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 11:40:02 ???
女が背を向けて走り出す
「何それ。つまらないなぁ」
意外と普通の反応に、マコは溜息を出す

ナイフ(フィアー)を投げる

ナイフは吸い込まれるように女の首の後ろに突き刺さる
女には、首から貫通した刃が見えるだろう

「普通は死ぬよね。これで」


399 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 11:46:44 ???
>>398
必死で走っていた彼女だったが…

「…がっ…あっ…?!」
突如自分の首から感じた痛みと
息苦しさ。

「はぐっ…う…」
自分の首からつきだした血まみれのナイフを見て
みずきはその場に膝をついて倒れこむ。

普通の人間ならばもう起き上がることすら不可能だろう…
だが
「はっ…うっ…うっ…」
彼女は倒れ込みながらも
必死でそのナイフを引き抜こうと首の後に手を伸ばそうとしていた。
苦しげな声を上げているが

死んでいない。
(…逃げられない…か…
 なら…)


400 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 12:01:11 ???
「へぇー」
女は首に刺さったフィアーを引き抜こうとしている

マコが右手を伸ばすと、フィアーはひとりでに動き出し、
首に刺さったまま回転を始める
首の肉が抉られ、血管が斬られ、地面は女の鮮血で染まる
普通の人間ならば、間違いなく失血でショック死するだろう

女の首に穴があくほどに存分に肉を抉ったあと、フィアーはそれが意思を持つように(実際意思を持っているが)
再びマコの手の中に収まる

「やりすぎたかな」


401 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 12:07:39 ???
>>400
周囲に肉を引き裂く厭な音が響き渡る
「あ゛っ…がっ…あ゛っ…あ゛っ!!」
絞りだすような悲鳴を上げて、彼女の体はビクビクと震える。

「ぐっ…ごぼっ…」
首に穴を開けられ、彼女の口からも大量の鮮血が吐き出された。
ナイフがみずきの体から外れると、彼女は力なく倒れ…

「げほっ…がっ…」
る前に、地面に手をついて起き上がろうとしている。
そして、

「…げほっ…
 よくもっ…ごほっ…」
苦しげな表情でマコを睨みつけた。

まだ、パイプから漏れだすように
鮮血が首から溢れているが、
それでも倒れずに居るようなのだ。


402 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 12:16:06 ???
「すごいね。お姉さん」
地面に手をつき、口と首から大量の血を吐きながらも気力を失っていない眼で女はマコを睨む

「本当。素直にすごいよ」
マコは笑う
ちょうど、それは新しいおもちゃを前にして目を輝かせる少年のそれによく似ていた

地面に手をつく女のところに近づいて、品定めをするように女の顎をクイッと持ち上げ顔を近づける
「僕、お姉さんのこと気に入ったかもしれない。お姉さん、キスしようか」


403 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 12:22:08 ???
>>402
「…殺すつもり…
 にしては…余裕がある……みたい…ねぇ…!」
傷は治り始めているようだ。
段々と会話もできるようになってきている。

自分のすぐ近くまで、マコはやってくる。
自分にキスをしようとしているようだ。
「…ふざけないで…
 だれが…」

彼女は拳を振り上げようとする。
そのまま殴るつもりのようだが…

「あんたみたいな…
 クソガキに…!!」


404 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 12:34:47 ???
女の振り上げた拳が、マコの顔を打つ
「いいね。ますます、殺したくなるよ。本気で」

それを意に介していないように女の首をつかみ、持ち上げる
身長差があるため、マコが思い切り腕を伸ばしても女の足は地面から離れない

「背高いね。お姉さん」
マコが悪魔としての本来の姿を表す
コウモリのような翼と、細長い尻尾と尖った耳

「ふふふ。場所を変えようか。途中で首が絞まって死んじゃうかもだけど」

翼をはためかせ、マコは女の首を掴んだまま飛び立った


405 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 12:44:01 ???
>>404
殴りつけても、少年は全く動じない。
むしろ、余計なことをしたかもしれない。

「ふざけ…がっ…!」
少年とは思えない力で自分の首を掴まれることになった。

「うぐっ…うっ…あっ…」
窒息しそうなほどの苦しさの中、
少年の本当の姿に驚愕の表情を浮かべ

(やっぱり…化物……)
「うあああっ……!あっ…!
 がはっ……あ…!」
首を締め上げられながら上空へと連れて行かれる。
体はブラブラと宙に浮き、抵抗しようと体を必死で揺らしている。

だが、効果がないと感じると
「ぐっ…うううっ…!」
段々と抵抗も弱くなっていった。


406 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 12:50:24 ???
女はしばらく抵抗していたが、それも段々弱くなっていく
「死んだ、わけじゃないよね」
首が糸のようになるまで締め上げる
女はわずかに呻いた

海に落とす
死んでなければ、近くの海岸へ泳ぎつけるだろう

「さあ、これからだよお姉さん」


407 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 12:54:10 ???
>>406
「ぐぇあっ…ぐぉ…」
限界まで首を絞られて、
彼女はビクッと体を震わせた。
意識がもうろうとしているようではあるが、
それでも死んでは居なかった

そして、不意に自分の体が重力に預けられる。
次の瞬間

バシャーン!!
「!?」
唐突に、自分の意識がはっきりとし始めた。
気がつけば周囲は海。
自分の体が海に落ちていたのだ。

「ごぼっ…げほっ…
 このっ…ぐ…このっ……!!」
みずきは必死で泳ぎ始めた。
チラッと見えた街の明かり、そちらへ向けて必死で泳ぐ。
海水を何度か飲み込んでしまうが、
窒息しない分、しっかりと海岸の方へと向かうことができていた。


408 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 13:28:26 ???
海岸にたどり着いた女は、口から海水を吐き出しながら息を整える

濡れた黒髪と制服は、なんとも艶めかしい
「あははははは。水も滴るいい女ってやつかな」

女を挑発する

マコが腕を交差させると、女の背後の海面の一部が隆起する
海水から水の柱が出現したかと思うと、それは大蛇のようにくねくねと蠢き、
その異変にまだ気づいていない女に襲いかかる

女は自身の体よりも太い水の大蛇に捕われ、空中で体を締め上げられる

(ゼルダの時オカのモーファみたいな感じです)


409 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 13:35:45 ???
>>408
「うぐっ…ごほっ……げほっ…!」
口から何遍も海水を吐き出して呼吸を整えた。
制服が体にピッタリと張り付いて
彼女のスタイルのいい体を強調している。
髪の毛も体に張り付いて乱れていた。

「冗談じゃ…
 無い…わよ…!」
地面に手をついて顔を上げ、
また少年の姿を確認する。

が、突然

「ふざけ…!?
 あぁ…!」
突然背後から勢いよく何かが伸び、
彼女の体に巻き付いた。
半透明の水が、まるでヘビのように彼女の体に巻き付いてきたのだ。

「がっ…うあっ…!!
 はなせ……あぐっ…あ…!」
再び空中にとらわれるみずき。
足をばたつかせ、必死でその信じられない存在に向けて
何度もパンチをする。締めあげられる苦しみが何度も口から漏れ出す。


410 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 13:40:22 ???
「あはは。そんなのじゃ、無駄だよ。でも、抵抗する元気があるのはうれしいな」

女は水の大蛇へ抵抗を試みるが、元が水のそれへの打撃はまるで意味をなさないでいる

マコが腕を奇妙に動かす

女への締め上げがより激しくなる
骨が軋む音が響く

「そうだ。名前を聞いてなかったな。せっかくだから教えてくれないかな。ついでに命乞いもしてみる?」


411 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 13:48:38 ???
>>410
「なに…これっ……あああっ…!!!」
彼女の振るった拳は、まるでゴムに弾かれるように受け流される。
そうしている間に、さらなる強烈な締め付けが入る。

「がはっ…あっ…やめろ…
 やっ…あぐああああ!!」
彼女の悲鳴は段々と大きくなる。
豊満な胸が変形して潰れた形になっているのが
半透明の体を通して見ることができるだろう。

「がっああ…っ…だれが…教えるかっ…
 ぐうっ…こんな程度で…命乞い……なんかっ…!!」
苦しげに彼女は反抗の意思を露わにする。
顔を赤くして、いかにも苦しげだが、それでも命乞いをしない。
最も、少年にも、みずきが命乞いをするはずがないとわかりきっていることだろう。


412 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 13:58:27 ???
「名前くらいは、教えてくれると思ったのにな」
「じゃあ、もうそんな生意気なことを言う口は塞いじゃおうか」

マコが指を動かす

水の一部が変形し、生き物のように女の口の中に侵入する
女は口から水をかき出そうと抵抗するが、蠢く海水が食道と気道を通り、消化器官、肛門、肺までを蹂躙する

「お姉さん、スタイルいいね」
マコが女を捕らえる水の大蛇の内へ侵入し、女の肢体を堪能する
女が死ぬような苦しみにとらわれていることを除けば、水中で戯れる男女のようにも見えるだろう


413 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 14:05:11 ???
>>412
「うっ…がはっ…!?」
突然自分の口の中に入り込んできたのは、大量の水。
段々と腹の中に入り込んでいく

「がっ、あっ…あ゛ぎっ…げごっ…がほっ……!」
必死でつかもうとしても意味が無い。
彼女の体の中で激しく、多量の海水が全身に収まり始める。
ビクビクと体が震え、苦しみだけが支配し始めた。

「ごっ……がっ…ぼっ…ふっ…」
少年の言葉に返すほど余裕が無い。
それでも、なお彼を睨みつけようとしている。

少年にはその苦しむみずきの体は素晴らしく見えそうだ。
そのしまったお腹はボコボコと、体内に侵入した水が脈動するのが見える。
激しい痙攣を起こすたびに、揺らされる
年齢とは裏腹の大きな胸。
顔つきも、今は歪ませられているが、その歪んだ顔さえ美しく彩られて見える。

彼女の肢体は嗜虐心をくすぐるには充分なものといえるだろう。


414 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 14:32:54 ???
乳房、腹、尻、太腿を存分に堪能したところで、いまだ女の気力が萎えていないことを知る
「お姉さんはよっぽどこういうものに慣れてるんだね。実は被虐趣味なのかな」

翼を動かし、女から離れてまた腕を動かす

女を捕らえる水の大蛇が形を変える
水の大蛇から、水のトゲが生え、女の体を貫く
水の大蛇が、女の血で赤く染まる

「でも、抵抗の余地がないっていうのは不公平だよね」
再びマコが腕を動かす
女を責める水、体内を犯し、体を締め付け、体を貫く水が氷へと変わっていく
体の内と外を冷気で責められ、女は完全に氷の塊に囚われる形となった

「氷だから砕けるかもね。ま、鉄のように硬いし死んでなければね」


415 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 14:57:43 ???
>>414
「んぐっ……」
首を振って否定しようとするが、出来ない。
確かに痛みには慣れていた。
だが、こんなのを受けたいなどという思いはない。

なおも抵抗しようとしたところで

「ぅっ……!?
 ううううううううっ!!!!!!!」
水の大蛇から生えた無数の棘が
腹を、胸を、全身を刺し貫いた。

「があああ!あああああ!!
 ぐぶっ…ぐううううう!!」
吹き出した血液は、水の大蛇の体に流れ、赤く赤く染まっていく。
みずきはより一層激しく体を震わせ、両足をジタバタとさせる。

しかし、次第に自分の体に激しい冷たさが襲うのも感じた。

「……うっ……あっ…!?」
全身を覆っていた水が、氷へと変わっていく。
体の中も、外も冷たい。
夏も近いというのに、まるで氷原に追いやられたかのような寒さが体を貫く。

(…このままじゃ…
 良いように…)
もはややるしか無い。
そう思った。震える体を必死で動かし

(ナノマシンを……活性化…!!)
体内のナノマシンを極限まで活性化させた。

これは少年から見ても変化がわかる。
彼女の濡れた黒髪が、真っ赤に染め上がり、
みずきの抵抗がこれまで以上に凄まじい物になっていたからだ。

「ぐうう…
 うああああああアアアアあ!!!!」
その力は、鉄のように硬い氷に凄まじい勢いでヒビを入れ始めたのである。


416 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 15:12:40 ???
女の髪が赤くなる
激しく氷を打ち、やがて氷が砕けた
「あっはははは。本当にすごいや」
それを見ていたマコは、なにがおかしいのかケラケラとお腹を抱えながら笑う

体は自由にはなったが、体を貫く氷のトゲと、体内を犯した氷の塊は
口から飛び出しており痛々しいと同時に滑稽な姿となっていた
それらを取り除こうと必死になっている

「じゃあ、お姉さん。正面からの勝負でもしようか」
マコは女と正対するように降り立った


417 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 15:18:09 ???
>>416
「ぐっ…うっ……」
異常活性化によって、彼女の体はどうにか自由になったが、
それでも体内の氷が苦しく、全身の氷の棘は痛みを与え続ける。

ボゴッ
「ぐっ…は…!」
自分の体にむけて、みずきはおもいっきりパンチをした。
同時に衝撃で、体の中の氷も砕ける。

「げほっ…
 これで少しは……楽になったわ…」
どうにか飛び出した氷の塊も吐き出すことが出来た。
改めて、彼女は少年へと睨みつける。

「…流石に腹も立ってきたし…
 殺る気で…させてもらうからね…!」
心の底から、彼女の声は怒りに満ち溢れていた

みずきは、そのまま一気に駆け出していく。
「くらえっ!!!」
先程よりも遥かに速いスピードで相対し、
鉄をも砕きかねないパンチを彼の顔面に食らわせようとしている。


418 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 15:34:00 ???
「ちょっとまっすぐ過ぎないかな。お姉さん」
マコに向かってくる女を、逆に細長い尻尾で鞭のように打ち据える
衝撃で女が体勢を崩す

マコは女を組み伏せようと迫る


419 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 15:36:29 ???
>>418
「くっ…!」
急に襲ってきた衝撃で、
走っていた態勢が崩れる。

怒りのせいで周囲への気配りができていなかったようだ。

「このっくらいで…!」
少年に組み付かれてしまうも、
どうにか押し返そうと力を入れる。

みずきの力は先程とは桁外れに上がっている。
しかし、相手は人外の領域。押し負ける可能性はある。


420 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 15:42:30 ???
体格の面ではマコの方が劣るが
「あはは。すごい力だね」
楽しそうにマコは笑う

組みついたまま、マコは翼を広げ、飛翔する
空中で二人の体勢が繰り返し入れ替わる
「さっきは水だったから、今度は砂の味はどうかな」
最終的に、女の背中にマコが乗っかる形になった
空中から落ちていることを除けば、弟をおんぶする姉のようでもある

二人は砂浜へ落ちる、というよりも落とされる
女は頭を含め、体の前面がほぼ砂に埋まってしまう


421 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 15:51:45 ???
>>420
「ぐっ…なんて力……!」
少年とは思えぬ力にかなりの苦戦を強いられる。

空中に持ち上げられながらも、どうにか抵抗をし、
必死でつかみ合いを行っていたが

「ぬっ…う!」
彼女の体をしたにして勢い良く地面へと落下していく。

ドゴォン!!

「うぶっ…!」
正面から砂浜へとたたきつけられ、
地面にみずきの体が埋もれていった。

濡れていた体は今度は、砂に汚されてしまう。
「げほっ…ぐっ…」
文字通り砂を噛みしめるはめになり、
咳込みながら口内の砂を吐き出す。

…起き上がろうにも邪魔をされることは間違いない。


422 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 15:56:56 ???
女の背中に馬乗りになったマコは、女の頭をつかみ地面に押し付ける
「大した力だね。そうだ」

マコは自身の体を重くしていく
正確にはごく一部の重力を操作する

40、50、60、80、100、120、150kg
凄まじい重量が、女の背中にかかっていく


423 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 16:02:32 ???
>>422
「がふっ…!」
再び砂地に顔を押し付けられる。
背中にのしかかられたせいで
手足、どちらも少年に届かない。

「ぐっ…何…するんだ…!」
段々と自分に掛かる重さが増していくのを感じ、
みずきは手足をばたつかせるも、やはり届かない。

「ぐっ…あっ…
 あっ…ぐうあっ…!」
自分の体がさらに砂地に沈んでいく。
肺を潰されるような重みがのしかかり、
更に呼吸が苦しくなりそうになっている。


424 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 20:05:27 ???
しばらく時間が経った
女は、体がVの字にへし折れ、さらに体が沈んでいく
抵抗も弱々しくなり、呼吸の音もほとんど聞こえなくなった
しかし、心臓は確かに脈打っている

「なるほど。そういうことか」
ここに至って、マコは一つの確信に辿り着いた

腕を動かしながら、女の背中から飛び退く
女の周囲の砂が動き、四肢を拘束しはじめる

女が立ち上がった
その体は砂の十字架に磔にされていたが

「さて、お姉さん」
マコは女の前に立つ
「唐突だけどさ。正直そんな体難儀じゃないかな。そんな体のせいで、
今まで碌な目にあってこなかったでしょ。最初は普通の女の子だっただろうしさ
でも、僕、お姉さんのこと気に入ったんだ。そこで、さ。お姉さんの名前、教えてくれないかな
それだけで、お姉さんは普通の女の子に戻れるんだ。僕ならそれができる。どうかな」

マコは女に語りかける
無論、その言葉は女を助けようという善意など欠片も感じさせないものであったが


425 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 20:21:18 ???
>>424
「ぐっ…うっ…」
しばらく時間が経ち、
彼女の異常活性化の時間も終わっていた。

体もへし折れ、口から血液を吐き出すほどに
内臓も損傷している。
「…ぅ…」

砂の十字架が形成され、
彼女は磔の状態で少年の前に晒される。

「……な…にを……」
その言葉を聞いて、
みずきは顔を上げる。

たしかに彼女は、化物に嗜虐され、殺されかけた日から
親によってナノマシンの移植を受け、
それ以降化物に狙われ続ける日々だった。

「そんな…こと…」
だが、みずきはどこか否定的だった

「できるわけ………ない……」
できるはずがない、そう思わざるを得ない
出来たとして…それで自分をあっさり開放してくれるとも
考えられなかった


…名前を聞くまで、彼は傷めつけるのかもしれない。
そう思っても…

「クソガキ…が……」
…屈したくないと思った。


426 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 20:29:18 ???
「ガキ? この期に及んでも、生意気な口を聞くんだね。それとも」

マコが指を鳴らすと、砂の十字架は崩れ落ちた
マコの正面に女は倒れ伏す

「自分は不死身だとか本気で思ってるのかな」
女の顔にフィアーの切っ先を突きつける


427 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 20:33:04 ???
>>426
「ぐっ…」
正面に倒れこんで、マコの姿が上に見える。
そして、突きつけられた剣を見て、思わず背筋が凍る。

「…どうするつもり…
 そんなことを言って…」
何故自分を戻せるなどというのか…
名前を話したら、できる…というのは

「…これくらい…平気…よ…」


428 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 20:40:48 ???
「あくまで、その体と共に生きるって言うの? 
ここで僕に殺された方が楽だったって思うような
人生になることは間違いないだろうに」
少しの尊敬と哀れみが混じったような、微妙な言葉をかける

フィアーを振るう
ひと振りの斬撃が、かまいたちのような衝撃波となって女の体を切り刻みながら吹き飛ばす
一撃で皮膚が全て根こそぎ削ぎ落とされたかのような痛みに、女は全身と地面を鮮血に染めながら転げ回った

(話を広げられそうな自信がないので、勝手ながら、あと数回のレスで締めさせていただきます)


429 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 20:51:04 ???
>>428
「…そんなこと…!」
彼女はそれでも立ち上がろうとしたが…

ズバズバズバズバ
「あああああああああああ!!
 がはっ…あっ…うあああっ…!!」
全身をかまいたちが引き裂いた。
鮮血が砂浜を染め上げる。

ドサッ

「あっ…ぐっ…
 やっぱり…
 殺すつもりで……!」
なんとなく察していたが
耐えてみせる…と考える。

でも
(このまま…ずっと嬲られるの……か…?)
少し不安が混じり始める。
次はどうなるのかと顔に僅かに浮かぶ

(どうも申し訳ないです。
 最後辺りにはおもいっきり行きましょう。)


430 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 21:05:39 ???
女は全身血まみれになりながらも、なおも立ち上がろうとする
マコが指を鳴らす
フィアーが4つに分裂して飛んでいく
フィアーが女の手首と足首に突き刺さり、今度は砂浜に磔にされる格好となった
ほとんど全裸となったその姿は、痛々しくも見るものに劣情を催させるほどに艶かしい

女の顔のそばにマコがしゃがむ

「特別サービス。これから僕がやろうとしてることを教えてあげるよ」

マコは体温を測定するときのように、女の額と自分の額をくっつける



女(みずき)の脳内にイメージが広がっていく



腹を切り裂かれ、そこに奇妙な卵のようなものを入れられる
卵は体内で孵化し、数万、数十万という蜘蛛が孵る
体の内側を食い尽くされながら、目や口、耳、肛門に性器など体の穴という穴から蜘蛛が這い出てくる
体から出てきた蜘蛛は、みずきの体を食いながら、成長していく

急速に成長し、体長数十メートルとなった蜘蛛は地上を蹂躙していく
みずきの思い出の街が、友人が、みずきの体から孵った蜘蛛たちによって破壊され、食い殺されていく
みずきは、蜘蛛の群れの中心で再生を繰り返しながら蜘蛛を産み、その体を同時に餌とする存在となっていく
地獄というには生温い映像であった


イメージが晴れた


「名前を教えてくれないかな」
寒気すら覚える、貼り付けたような優しい笑顔で、マコは女に語った


431 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 21:40:10 ???
>>430
「がっ…ああっ!!」
再び手足を磔にされ、激しい悲鳴を上げる。
血塗れになった体は美しくも見える。

そして…
自分のすぐ近くにまで顔を寄せてきた。
「なにを…」

そして…流れ込んでくる映像は…

「あっ…あがあああああ!!!
 うああああああああああああ!!
 や、嫌だ…やめて…嫌…あああああああああああああ!!!」
自分の体を食い荒らされる感覚
そして…自分の街が蹂躙され、滅ぼされる光景

「いや、やめて…やめてえええええええええ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」
自分の痛みはいくらでも耐えられるはずだった。
だが
自分の大切な街が、家族が、友人が
殺されていく光景は、とても自分に耐えられるものではなかった。

「う…ううう…うああああ…あああ……」
先ほどの強気な表情はもうない。
彼女は涙をボロボロと流しながら、激しく泣き崩れていた…

「う…うう…うっ…」
そして…少年の顔を見て

(…もう…見たくない…)

心を完全にへし折られた
「龍ヶ崎……みずき…」
うつむいて…絶望に満ちた顔で呟いた……


432 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 21:56:42 ???
「龍ヶ崎みずき、か。いい名前だね」
マコはニコリと笑う
今度は少年独特の愛らしさを感じさせる表情だった

「〜〜〜〜 りゅうがさき みずき ====」
途中でみずきの名前を挟みながら、不可思議な呪文を唱える
そして、みずきのへその上に手を添える

みずきの体がガクンと震え、マコが手を上げると同時に
接着剤でもついているようにみずきの腹も持ち上がる
全身の血が腹部に集まるような感覚を、みずきは感じる
心地よさすら感じるそれを、なぜかみずきは恐怖した

さらにマコの手が上がると、みずきの腹部から浅黒い塊が抜けていく
それが、今まで自分を救い、同時に苦しめてきたナノマシンの塊だとみずきは直感した

「すごいね。人間の作ったものにしてはさ」
「これがあれば、みずき、君を連れて行かなくても無限のお釣りがくる」
「じいやも喜ぶよ。きっと」
「みずき、君と同じ不死の人間がこれからたくさん生まれるよ。ここ(人間界)じゃないけどね」
「そして、たくさん苦しむんだ」

みずきの体が地面に落ちるとともに、ハンドボールのような塊がマコの手にあった
そして、ナノマシンの治癒効果が失われたためか止まりかけていた全身の切り傷から、再び血が溢れ出した

マコが指を動かすとフィアーが抜かれる
さらに手首と足首から血が溢れ出す
死んではいないが、すでにみずきは呼吸するのが精一杯の状態まで血を失っていた

「じゃあね。みずき、縁があったらまた会おうか。特別に殺さないであげるよ。
もっとも、いつまでもつかな。その状態で。誰か来るといいね」
マコはフィアーを手にすると、みずきを残して飛び立った

あとには、手首と足首に穴があいた、全身傷だらけの瀕死の少女が残された

(お疲れ様でした。やりたいことはやったつもりですが、どうにもチートキャラを使うには想像力が乏しくてダメですね。少しでも楽しんでもらえたなら幸いです)
(ほかにも対戦相手は引き続き募集したいと思います。キャラは>>389で)


433 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/11(土) 22:08:54 af9FwLXk
>>432
「うっ…ぐふっ……!」
全身の血が溢れ、集まるのを感じた。
そして、何かが抜けだしたのも同時に感じた。

「げほっ…がはっ……
 あ…ああ…」
…自分から抜き取られたのがナノマシンであることがわかると、
激しい喪失感を感じて、また涙が溢れだした。

「私の…私の力…
 そんな…あ…ああ……ああああ……」
刃が引き抜かれると同時に、
ナノマシンを失って、傷が治らないのを感じ…

「ぐっ……あああ……
 痛い……痛いよぉ……!」
今まで堪えられていたのは、治るとわかっていたからだ。
治るからと信じていたからだ。
だがもう治らない。
彼に奪われてしまったからだ

「誰か…助けて…
 あ…ああ……助けて…え……」
マコが立ち去ったあとも…
彼女は痛みと喪失感で泣き続けた……

【後日、ニュースで以下の内容が取り上げられた。】

(○月○日。
 ○○県の砂浜で、血まみれの女性が発見されました。
 被害者は、10代後半の高校生と思われる女性……通りがかった通行人が発見。
 女性は病院に運ばれましたが、意識不明の重体で、現在も危うい状態とのことです…
 女性は、衣服を身に着けておらず、何者かに襲われたと考えられるため
 警察では、暴行・および殺人未遂事件と見て、操作を続けて―――――)

(こちらこそ、ありがとうございました。
 また機会があればお願いします。)


434 : 名無しさん :2016/06/11(土) 23:10:59 UDIWFCE.
>>432

この娘でお願いできますでしょうか。
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1422884972/43

ビドーさんでお願いします。


435 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 23:26:05 ???
>>434
よろしいですよ
シチュエーションと全体の流れはどうしましょうか

特に希望がなければ、ビドーの被害者を助けようとして、という感じでどうでしょうか


436 : 名無しさん :2016/06/11(土) 23:41:45 UDIWFCE.
>>435

はい。それでお願いします。


437 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/11(土) 23:52:17 ???
>>436
草木も眠る丑三つ時とは言ったものだが、静かな夜であった
静寂の中に、二つの人影
片方は派手な格好の年頃の若い女性、もう片方は男、男の右手には奇妙な波形のナイフ
全身から汗を吹き出しながら、女性は走っていたが、やがて足がもつれて倒れた
「ファッションとファックしか頭にない女か。ブタやサルを解体するのとそう大差はないが
まあ、暇つぶしにはなるか」
この男の名前は、ビドー
今夜も一人の女性が毒牙にかかろうとしていた
女性は悲鳴をあげようとするが、口は魚のようにパクパクと動くだけであった
「声はもう出せないよ。お前の悲鳴なんて、牛丼の紅しょうがほどの価値もない」
男のナイフが光った

(では、星野みあさん、おねがいします)


438 : 星野みあ :2016/06/12(日) 00:24:55 YwPZJ8vI
「待って下さい!」
ビドーがナイフを振り上げると同時にそれ制止する声がかかった。
「その人から離れてください」
いつの間に現れたのか、ビドーの数メートル先に小さな人影が立っていた。
よく見ると近所の私立中学の制服を着た少女であることがわかる。
「早く離れないと、撃ちますよ」
少女の右手にはキラキラ輝く杖が握られていた。少女が杖を突きつけると先端に虹色の光が集まって渦を巻きはじめた。
彼女の名前は星野みあ。魔法杖ミーティアを手に町を駆ける人助けの魔法少女。女性のピンチを察知して転移して来たのだ。


439 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 00:35:42 ???
「うん?」
妙な気配を感じた方向を向くビドー
140cm程度の身長、制服からして中学生か

「ガキが、こんな時間に何やってんだ?」
明らかに不釣り合い、場違いな状況
しかも、妙な杖に輝く光
一瞬呆気に取られた
少女の目を見る
純粋な正義感、目の前で行われる非道を見逃せないという目
どういう存在かは知らないが、普通の人間より優れた力を持ち、
しかもそれを世のため人のために使うことが正しいと信じきっている
「そういうこと、かな?」
ナイフを下ろす
派手な格好の女は、遮二無二逃げ出した
あの女はこの状況下において刺身のツマにもなりはしない

「それで何をしようって言うんだぁ?」
ビドーは少女の方へ歩みだす

(続きは夜が明けてからにします。おやすみなさい)


440 : 星野みあ :2016/06/12(日) 00:54:48 YwPZJ8vI
女が逃げ去るのを見届けたみあはホッと胸を撫で下ろしていた。
みあが纏っていたはりつめた空気は一瞬にして消え去り、年相応の柔らかい空気に変わった。
「それで何をしようって言うんだぁ?」
ビドーがみあに向かって歩き出す。
それを見たみあは慌てて杖を降ろした。先端に集まっていた光は消えて無くなっていた。
「あっ、ごめんなさい。もう何もしません」
みあは笑顔で言った。
「もう悪いことは止めてくれたんですよね。良かったです」


(了解しました。それではおやすみなさい)


441 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 04:58:10 ???
「もう悪いことは止めてくれたんですよね。良かったです」
少女は笑顔で言っている
ターゲットが変わっただけとは考えていないらしい
人間はみな基本的にいい人、性善説を信じているのだろうか

「ああ、そうだな」
少女とビドーの距離がつまり、ビドーの腕が届くまでの距離となった
「その妙な杖、それがお前の力の源、か」
少女の手の杖を、奪いにかかる


442 : 名無しさん :2016/06/12(日) 06:22:40 YwPZJ8vI
「その妙な杖、それがお前の力の源、か」
ビドーの腕がミーティアを掴み、強く引っ張った。
何の警戒もしていなかったみあはあっさりとミーティアを奪われてしまった。
「あぁっ、ダメです!返してください」
みあは取り返そうとするが、ビドーが杖を持ち上げてしまったので手が届かなくなってしまった。
「早くしないと魔法が使えなくなっちゃいます!」


443 : 星野みあ :2016/06/12(日) 06:47:49 YwPZJ8vI
(名前変え忘れました)


444 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 09:08:17 ???
あっさりと杖が奪えて拍子が抜ける
一生懸命手をバタバタさせて取り返そうとしている

「早くしないと魔法が使えなくなっちゃいます!」

わざわざ聞いてもいないことを喋ってくれる
思わず笑いが漏れそうになる

「そうか。これを返して欲しいか。それじゃあ、おれとキスをしてくれるかな」


445 : 星野みあ :2016/06/12(日) 09:22:55 YwPZJ8vI
「え、キスですか?」
ビドーの提案にみあは一瞬きょとんとした表情を見せたが、直ぐに顔を真っ赤に染めた。
「だ、ダメです。だってその、キスって恋人同士でやるものだし、それに」
みあは手をもじもじさせ、俯いて言った。
「一回もやったことないし」


446 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 09:29:34 ???
予想通り、いやそれ以上の反応が帰ってきた
少ししゃがんで、顔を近づける
ガキに欲情する趣味はないが、将来を有望させてくれる顔はしている
顎に手を当ててクイと持ち上げると目と目が合う
距離にして十数センチ

おれの目を間近で見ても、まだ『おれを悪い人じゃない』と思えるか?
これだけ顔を近づけることができたなら吐息を通じて、既にウィルスは送り込んでいるが
逃げるつもりがないなら、このままキスしてやる


447 : 星野みあ :2016/06/12(日) 09:45:07 YwPZJ8vI
ビドーとみあの顔が近づく。
「待ってください。待って」
みあは待てを連呼するが、一歩も逃げようとしない。
その間にもビドーの顔はゆっくりとみあへと迫る。
ビドーの吐息がみあの唇に当たり、驚いたみあは目をぎゅっと閉じてしまった。


448 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 09:51:59 ???
あろうことか目を閉じた
ククっと喉の奥で笑いが漏れる

ビドーは少女の後頭部をおさえながら、唇を合わせた
舌を突っ込み、絡ませて念入りに吐息と唾液を交換し合う
無論、ウィルスがたっぷりと含まれているものを
少女も抵抗しているが、パニックになってるのか手足をバタバタさせるだけだ

10分近くに及ぶ行為の後、少女を放す
唇から唾液が糸を引く


449 : 星野みあ :2016/06/12(日) 10:09:33 YwPZJ8vI
唇が触れて数秒、ようやく状況を理解したみあはビドーから逃れようともがく。
しかし混乱したみあは手足を動かすばかりで録な抵抗もできなかった。
さらに急に口内に入り込んできた舌に驚いたみあは抵抗を止めてしまった。

「はぁっ、あ......」
長い接吻から解放されたみあは地面に座り込んでしまった。
「ふぇ、ぐすっ......今の何?」
唇が触れ合う程度のキスしか知らないみあは突然のディープキスにかなり混乱したようだ。
みあの瞳から涙がぽろぽろこぼれ落ちた。


450 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 10:19:09 ???
少女が泣き出す
まさか、キスしたら赤ちゃんができるなんて思ってるかもな

「大人のキスってのはこういうものさ。お前の父ちゃんと母ちゃんもやってたはずさ」
「やったことないって言ってたな。お前のファーストキスの相手はこのおれということだ」
「将来彼氏ができても、キスの度にこの時のこと、おれのことを思い出すだろうな」
クククっとこんどは笑うことを隠さない
唇を拭いながら、さらに少女は激しく泣き出す

「まあ、いい。約束通り返してやるよ」
杖を少女に差し出す
少女がまだショックで震える手で杖を取ろうとしたところで
「おっと手が滑っちまった」
杖を投げる
カンカンと音を響かせながら、杖は十数メートル先に落ちる


少女は杖の方に向かおうとするが、少女の身に異変が起こる
少女の視覚がウィルスによって侵され始める


451 : 星野みあ :2016/06/12(日) 10:53:40 YwPZJ8vI
「あ......れ?」
杖を取りに行こうと立ち上がったみあは次第に暗くなる視界に戸惑いの声をあげた。
「電気が消えて?あれ?真っ暗......」
みあの視神経はビドーのウイルスによって侵され、みあは視覚を失っていた。
「目が、目が見えない!」
みあはよろよろと歩き出す。ミーティアがあれば魔法によって視覚を取り戻せる。
しかしミーティアを手放し10分以上経ったため、ミーティアとのリンクは途切れていた。
リンクが繋がっていれば呼び戻すことも可能であったが、リンクが切れた今は手探りで探すしかない。
みあは地面に膝をついて這いながらミーティアを探し始めた。
「ミーティアどこ?ミーティアは、きゃあっ!」
ミーティアを探すみあの手が道路に生えた雑草に触れた。
それが何であるかわからないみあは怯えて、再び声をあげて泣き出してしまった。
そしてビドーに向かって叫んだ。
「お願い、ミーティアを取って!目が、目が見えないの!」


452 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 11:10:36 ???
この期に及んで、おれに助けを求めている
どこまでもおめでたい
いっそ哀れにすら思えてくる
もしくは、思う存分笑い飛ばすかだ

「ククク。自己紹介が、まだだったな」
「おれはビドー。人の恐怖と苦痛を何よりの喜びとする魔族だ」
「そして、おれの特技はウィルスを作り出すこと」
「さっきのキスで、お前の体内にたっぷりウィルスを送ったのさ。今目が見えないのもそのせいだ」
「怖いだろう不安だろう。人間は情報の大部分を視覚に頼っているからな」
「次は耳が聞こえなくなる。次はしゃべることもできなくなる。早く杖を拾ったほうがいいぞ」

暗闇に怯える少女に対して石を投げる


453 : 星野みあ :2016/06/12(日) 11:28:22 YwPZJ8vI
「ひうっ、やだ......やだぁ」
みあは飛んできた石から逃げる様に再びミーティアを探し始めた。
しかし3メートル程進む進むごとに立ち止まり嗚咽を洩らすみあは進むのにかなり時間が掛かっていた。
それに追い討ちをかけるようにみあの聴覚も弱まっていく。
「ミーティアどこ?ミーティアぁ」
自分の声も、遠くで何か言っているビドーの声もみあには遠く聞こえ、判別出来なかった。

それでも、少しずつでもみあの手は確実にミーティアへ向かっていた。


454 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 11:40:42 ???
のろのろとだが、しかし杖に向かっている
目が見えなくともなんとなくの位置はわかるんだろう
耳が聴こえなくなっても、杖の場所だけはわかるかもしれない
ここで一度拾わせるのも一興だが

四つん這いで杖を探す少女の前にビドーが立つ
ビドーはズボンのジッパーをおろし、性器を取り出すと
少女の顔に小便をかける
もちろん、この小便にもウィルスがある

「目と耳と声は元に戻してやろう」
「目が回復して最初に目にするのは、おれのイチモツというわけだ」
「代わりに、手と足の自由は奪わせてもらうがな」


455 : 星野みあ :2016/06/12(日) 12:01:41 YwPZJ8vI
「ひゃあっ!」
急に顔にかかったら液体に驚いたみあは短い悲鳴をあげた。
「臭い。これおしっこ?何で?」
そう呟き、自分の声が聞こえることに気がついたみあは恐る恐る目を開いた。
当然、彼女の目に映ったのはビドーの性器であった。
「え......?あ、いやぁっ!」
しばらく困惑したようにビドーの性器と顔を交互に見ていたみあだったが、状況を理解した瞬間、顔を真っ赤に染めて両手で目を覆った。
「何でそんな......は、恥ずかしいよぉ」


456 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 12:26:42 ???
怒りよりも羞恥の方が先に来るか
これまた予想外の反応だった
今時こんな初心な中学生もいるものか
少し溜息が出る
犯してやろうかと思ったが、なんだか萎えてしまった
ここまでガキだとは
性器をしまう

「まさかお前、自慰もしたことがないんじゃないか。
わかるか。オナニー、またはマスターベーション。
保健体育の授業真面目に受けてたのか?」


457 : 星野みあ :2016/06/12(日) 12:46:49 YwPZJ8vI
「ご、ごめんなさい。わからないです」
みあは叱られた子供のように俯いた。
「それよりもミーティアを......」


458 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 12:54:40 ???
「今の学校は何を教えてるんだかって、なんで魔族のおれがそんな心配をしなきゃいかん。
今度、お母さんにでも教えてもらえ、もっとも、今度があればいいけどな」

呆気にとられる少女の唇を再び奪う

流石に二回目となると少女の抵抗は強くなった

「体はまともにしてやる。その代わり、体内で勝手にアルコールが作られる。
どうせ酒も飲んだこともないだろう。初めての酩酊を味わえ」


459 : 星野みあ :2016/06/12(日) 13:44:34 YwPZJ8vI
「ミーティア!」
ビドーのキスから解放されたみあは立ち上がり、ミーティア拾いに走り出そうとする。
「あれ?回ってる?」
みあの体がぐらりと傾き、そのまま倒れた。
「地面が回る......気持ち悪い」
みあの額にじっとりとした汗がにじんだ。


460 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 16:20:45 ???
なんとか起き上がり、酔っぱらった状態で、フラフラと杖の方向へ向かう
目の焦点もまともにあってないだろう
足を引っ掛けてやる
転んだ

「さて。本格的にいじめるか」
ナイフを出す
ナイフを舐めて唾液を付ける
「限定的だが、痛覚が数倍になり、しかも和らがない。
皮一枚の切り傷でも、痺れるような痛みがずっと続く」

なんとか起き上がろうとしている少女の背中に、ナイフを振るう
制服が着られ、少女の白く小さな背中に一条の傷が走る


461 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 16:59:56 ???
>>460
訂正:着られ→切られ


462 : 星野みあ :2016/06/12(日) 17:41:26 YwPZJ8vI
背中を切られ、起き上がりかけていたみあは再び地面に倒れた。
「ああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
背中の傷は浅かったが、ビドーのウイルスによって痛覚が強化されたためみあには酷い重症のように思えた。
「痛い......痛いよぉ」
アルコールによる酔いは一瞬で醒め、意識は不必要なほど覚醒していた。
身動ぎ一つするだけで痛む背中を守るため、みあはうつ伏せになったまま動かなくなった。


463 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 17:55:08 ???
痛みに動けなくなった少女

いいかげん、おれが悪い人だと気づいたろう
髪の毛を掴んで立ち上がらせる
涙に濡れた顔が見える
髪の毛を掴んだまま投げる
背中を擦りながら地面に倒れて悶絶している

また髪の毛を掴んで立ち上がらせる
怯えた顔で何か言っている
今度は体の前面、制服と皮膚を切る
可愛らしい下着も切られる
痛みに悶える少女を放す


464 : 星野みあ :2016/06/12(日) 18:47:10 YwPZJ8vI
体の前も後ろも切られたみあは尻餅をついて崩れ落ちた。
「うぅっ......」
地面に衝突した瞬間、両の傷が痛み、みあは呻き声をあげた。
「何で......何でこんな酷いことするの?」
みあは地面に座り込んだまま言った。


465 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 19:23:23 ???
「言ってなかった、いや、聴こえてなかったか。
おれは苦痛と恐怖が何よりのごちそうな、魔族だ」
「お前のおかげで獲物を逃がしちまった。だから代わりになってもらうことにした」

ナイフを振るう
今度は柔らかい頬に十字の傷がついた


466 : 星野みあ :2016/06/12(日) 20:40:38 YwPZJ8vI
「いっ......」
みあが切られた頬を抑える。涙が傷に染み込んで痛覚をさらに刺激した。
「そんなのおかしいよ。人が苦しいのも怖いのも善くない事なのに」
みあはビドーを見上げて言った。
「そんな悲しいこと言わないで......」


467 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 20:51:13 ???
「だからよお。全く調子狂うぜ。おれは魔族だ。見せてやろうか。おれの本当のかおを」

ビドーの顔が変化する。
皮が剥げたネズミのような醜悪な顔だった

「考えてみろよ。いちいち肉を食べるときに、この肉はどんな一生を送ったのかとか考えたりするか。肉にされたやつらだって皮を剥がされて、体をこそぎおとされているんだぞ。こんな風にな」

またナイフを振るう。
反対側の頬の皮が失われた


468 : 星野みあ :2016/06/12(日) 21:21:43 YwPZJ8vI
「や、やだ......」
ビドーの素顔を見たみあは逃げようとするが立つことすらままならない。
「もうやめて、もうやだ」
みあは頭を抱えてうずくまった。


469 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 21:39:21 ???
頭を抱えやがった
殺すのは簡単だが、面白くない

とりあえず、右手の甲の皮を削ぎ落とす

「10秒待ってやる。あの杖を拾いに行ってみろ。アルコールの残った体、千鳥足でたどり着ければいいがな」


470 : 星野みあ :2016/06/12(日) 21:52:36 YwPZJ8vI
十秒待つ。
その言葉を聞いたみあは恐る恐る顔をあげ、ビドーを見上げた。
「どうした。もう数えてるぞ」
みあは慌てて立ち上がろうとするが、やはりバランスを取れず、倒れてしまう。
「あうぅ」
それでも諦めず、みあは四つん這いになって進んだ。


(間に合うか、間に合わないかどちらにしましょうか?)


471 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 21:56:22 ???
(自分としては後一歩のところで背中にナイフを投げられて一発くらう感じにしようかと思ってますが)

「いーち、に」
覚束無い足取りで杖に向かう

(あの程度ならあのわけのわからん力があっても、
どうとでもなる気もする。このまま嬲るか、
それとも完全に力をへし折ってやるか。まあ、どちらも悪くない)
「いつ見ても笑えるもんだ。希望にすがろうとする弱者の姿はよぉ」


472 : 星野みあ :2016/06/12(日) 22:11:20 YwPZJ8vI
「うっ......あぁ......」
みあの傷は動くたびに止まっている時の数倍の痛みをみあに与えていた。
痛みは反射的にみあの体を竦ませる。
みあ全力で這い進んだが、あと一歩あと十数センチというところでビドーのカウントが終わってしまった。


473 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 22:19:32 ???
「ゼロ」

ゼロになると同時に、ナイフを投げる
ナイフの唾液のウイルスは、末端部分から肉を腐らせる
腐った指であの杖を持てるか?

ナイフは、少女の背中に突き立った


474 : 星野みあ :2016/06/12(日) 22:48:41 YwPZJ8vI
「がはっ......!」
みあの背中にナイフが突き刺さる。
しかしミーティアにたどり着けば助かる。その希望がみあの手を前に伸ばさせた。
遂にみあの手の指先がミーティアに触れる。

しかし、それだけだった。
ミーティアの力がみあに流れることはなかった。
「え、何で」
みあが自分の右手を見ると指先から徐々にどす黒く変色していくのが見えた。
腐って生命エネルギーが流れていない指ではミーティアから力を受けとるのは不可能であった。
そしてそれを理解した瞬間、みあの中で背中のナイフの存在感が大きく増した。
「いやあぁぁぁぁ!抜いて、抜いて!」


(よろしければ抜いて欲しいです)


475 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 23:04:36 ???
(ビドーの内容を更新しました。よければ確認をお願いします)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/54


「ガタガタとうるさいやつだ。まだそんな元気が残っていたか」
「のぞみ通り抜いてやるよ」

少女の背中のナイフを引き抜く。
ナイフで栓がされていた傷口から、血が溢れ出す

「指が腐ってるなら、口で咥えやがれ」


476 : 星野みあ :2016/06/12(日) 23:17:38 YwPZJ8vI
「あ......う......」
みあはまだ腐っていない部分を杖に触れさせようとする。
しかし血を流しすぎたみあにはそんな体力は残っていなかった。
みあから流れ出た血が広がり、ビドーの足とミーティアを濡らした。


477 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 23:24:29 ???
「口でくわえやがれ」

こつんと杖を足ではじき、少女の口元へもっていく


478 : 星野みあ :2016/06/12(日) 23:41:07 YwPZJ8vI
ミーティアがみあの口に触れる。
その瞬間、ミーティアから虹色の光が溢れ、みあの体を包み込んだ。
光が晴れるとみあの傷はすっかり無くなっていた。
「ありがとうミーティア」
みあが立ち上がる。先程までの弱々しい雰囲気は消え、女を助けに来たときのようにはりつめた空気を纏っていた。
みあがミーティアを振ると服の傷、汚れは一瞬にして消え去った。
最後に目元の涙を袖でぬぐい、みあはビドーに杖を突きつけた。
「ビドーさん、もう許しません。ビドーさんの力を封印します」


479 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/12(日) 23:50:03 ???
「な、なに」
体の傷はすっかり消えた
泣き、怯え、這いずるだけの少女は、凛とした眼差しを向ける

「調子にのりすぎたか」
人間としての擬態を捨て、正体を顕にする

体から煙幕のような高濃度のウイルスを噴き出す

「一度、あの場所にいくか」

ビドーは逃走を図る


480 : 星野みあ :2016/06/12(日) 23:58:39 YwPZJ8vI
「けほっ......これ、ウイルス!?」
ビドーから噴き出した煙幕を吸い込んだみあは直ぐにウイルスであることに気が付いた。
「ミーティア!」
みあがミーティアをかざすとウイルスはミーティアに吸い込まれて消えていった。
しかし今までいたビドーがいなくなっている。
「逃がしません」
遠くを逃げるビドーを見つけたみあは強化された脚力で追跡を開始した。


481 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/13(月) 00:08:46 ???
「追ってくるか」
追跡を振り切る自信はあるが

尻から強烈な匂いの毒液を、少女に向けて噴き出す
無論、ウイルスにより触れれば肉は腐るだろう

(続きは夜が明けてからにします。おやすみなさい)


482 : 御坂美琴 ◆xAulOWU2Ek :2016/06/13(月) 00:15:14 ???
とある魔術の禁書目録の麦野沈利とエロプロレスしたいわ。こちらが完全に受けでね。


483 : 星野みあ :2016/06/13(月) 00:18:34 OoXYZVS2
「ひゃあっ!」
不意討ち気味に飛んできた毒液をみあは大きく横へ飛んで回避する。
しかしビドーとの距離が大きく開いてしまった。
このまま同じ状況をが続けばビドーを逃がしてしまうのではないか。
焦りを感じたみあは強引に追跡のスピードを上げた。

(はい。おやすみなさい)


484 : 御坂美琴 ◆xAulOWU2Ek :2016/06/13(月) 00:19:47 ???
482で募集


485 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/13(月) 05:51:06 ???
>>483
「速いな。だが」

街を離れた郊外
そこに人目を避けるようにポツンと建つ一軒家
そこにビドーは入り込んだ
少し遅れて少女もそこに入る
が、少女はそこに入ったことを後悔する

肉吊りフックで吊るされた数人の人の死体
人体のパーツを組み合わせて造られた家具の数々
どうやって造られたのかも分からない
肉塊のようなオブジェ
なのに、家の中そのものは清潔にされており、
それがより異常さを際立たせていた

ビドーの姿はなかったが、地下室へ続く扉を見つけた


486 : 星野みあ :2016/06/13(月) 07:43:43 OoXYZVS2
>>485
みあは一軒家の扉を開けて中に入る。
「何......これ......」
部屋の中のあちこちで見られる異常な光景にみあは絶句した。
魔法少女として数々の事件を陰から解決してきたみあだったが、死体を見るのはこれが初めてだった。
初めて見る死体と、それを素材とした猟奇的なオブジェはみあの精神に大きなダメージを与えた。
「ひどい、ひどすぎるよ」
みあはその場に座り込んで泣き出した。
「ぐすっ......ミーティア、この人たちを元の姿に戻して」
ミーティアが光を放つ。
吊り下げられた死体は地面に下ろされ、苦悶の表情は消え、安らかな表情に変わっていた。
オブジェも解体されたが、製作時に捨てられた部位があったのか、完全に戻らないものも多かった。
七色の光はみあをも包み込み、疲弊した精神を安定させた。
「行かなきゃ」
みあは地下室へ歩き出す。しかし精神の安定化を受けてもなおフラッシュバックする光景に、体の震えを抑えることが出来なかった。


(夕方まで返信出来なくなります)


487 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/13(月) 14:04:38 ???
(新しく責めキャラを追加したのでよければ見てください)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/55

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/56


少女(みあ)は地下室へと進む
鉄でできた扉と、肉の腐ったような臭いが鼻をつく
一瞬戸惑うが、気持ちを奮い立たせる

扉を開ける

薄暗いが体育館のように広い地下室
4、5人の人間(ビドーのゾンビ兵たち)がいた
「ギィッ!」
人とも獣ともつかない声で、少女へと飛びかかり襲いかかった


488 : 星野みあ :2016/06/13(月) 16:20:02 OoXYZVS2
薄暗い階段を降りた先、鉄製の扉の前でみあは立ち止まった。
肉が腐ったような臭いが上階のオブジェを思いだたせ、扉を開ける事を躊躇してしまう。
もし同じものが有るなら解放しなければいけない。
みあは自分を奮い立たせると重たい扉を開けた。

扉の向こうには一軒家の地下とは思えないような広い部屋があった。
みあはその中央に複数の人影を見つけた。
「もしかしてまだ生きてる人がいる?」
みあの顔が晴れる。みあは上階の人々を救えなかったことを悔やんでいた。
生きている人だけでも助けたい。みあはそう思い、人影に向かって声をかけようとした。
「ギィッ!」
人影は獣のような甲高い声で鳴いた。
「え......?」
不快感を募らせるような鳴き声を聞いて、みあは全身に鳥肌が立つのを感じた。
みあが怯んだ一瞬の隙を見逃さず人影はみあ目掛けて飛びかかった。
「え、えい!」
みあはとっさにミーティアをかざし、虹色の光弾を人影に向けて放った。
しかし、みあが最もよく使う人間用の催眠弾は人影には効かなかった。
慌ててバリアを張るみあだったが、対人用の強度に設定されたバリアは容易く破られてしまう。


489 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/13(月) 16:51:16 ???
「ギギィッ!!」
ゾンビの鋭い爪が、みあの服を切り裂く
近くだと、肥大した筋肉で避けた皮膚、生気を感じられない瞳が見えた

ゾンビの攻撃を避け、防ぐ少女。そして

「ころし、て」
ゾンビが発した言葉を聞いて、少女はすくんだ

「い、痛い、いたい、いたい〜」
「頭が、割れるように、痛いよぉ〜」
「体が、体が崩れていく、いく、く」
「痛いよ〜痛いよ〜」
「人をころすのも、もう、いやだよ〜!」
「こ、殺して〜! が、ギギギ」

涙を流し、死という救いを懇願しながら
少女を切り裂かんとするゾンビたち


490 : 星野みあ :2016/06/13(月) 17:35:36 OoXYZVS2
「この人たち、死んでるの......?」
みあの魔法では死者を生き返らせることは出来ない。
そして変質から長い時間が経ってしまったゾンビ達をもとに戻す事もまた不可能であった。
倒すしかない。
みあはゾンビにミーティアを突きつける。
「む、無理......撃てないよぉ」
死んでいるとはいえ相手には意識がある。
人を殺した事などないみあは光弾を発射出来ない。
ゾンビはそんなみあの腕を掴んだ。
死を望む意識が無理矢理体を動かしたか、単純にミーティアの破壊の為か、ゾンビはミーティアにがじりついた。
「殺して、早く」
ゾンビの目からどす黒い血の涙が流れた。

次の瞬間、ゾンビの頭が七色の光を放ち、弾け飛んだ。
「ああああああああああああっ!!」
みあが泣き叫びながら光弾を放つ。
光弾は残りのゾンビの頭部を撃ち抜き、部屋にいたゾンビ達は一瞬で全滅した。
「どうして、どうして救えないの?」
みあが床に崩れ落ち、声を上げて泣いた。
ミーティアの光がみあを包み精神を安定させようとするが、追い付かない。


491 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/13(月) 17:49:04 ???
ぺたっぺたっぺたっ

部屋の奥の暗闇から不気味な足音が響く
20、30は近い数のゾンビたち

「クククッ」
ゾンビに守られるように、ゾンビの群れの奥で笑うビドー

みあを挑発するように笑ったあと、地下室のさらに奥の暗闇に姿を消す

獣のような鳴き声と死への懇願を叫びながら、
ゾンビたちがみあに襲いかかった


492 : 星野みあ :2016/06/13(月) 18:29:18 OoXYZVS2
ビドー笑い声を聞いたみあの中で何かが切れた。
「止めなきゃ」
みあがミーティアを構える。
その瞬間、群れの前列にいたゾンビがまとめて吹き飛んだ。
しかしゾンビは動かなくなったゾンビを乗り越えてみあに迫る。
みあは次々とゾンビの頭を撃ち抜いていくが追い付かず、接近を許してしまう。
杖を振り回して応戦するが、右腕をゾンビの爪に切り裂かれてしまった。
「きゃあっ!」
みあは悲鳴をあげ、動きが一瞬止まる。
その隙に集まったゾンビがみあの身体中を切り裂く。
みあの制服は再び傷だらけになり、みあの肌には幾つもの赤い線が刻まれる。
それでも左手にミーティアを持ちかえたみあによってゾンビは次々と倒れていった。
「逃がさない」
最後のゾンビはを倒したみあは休むことなく、奥の暗闇に踏み込んでいった。


493 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/13(月) 19:44:12 ???
奥でまた扉を見つけたみあは、扉をあける
長い廊下が広がる

駆け出そうとしたそのとき、暗闇の中から、白い塊が飛んできてみあを絡めとる
それが蜘蛛の糸に似たものに、みあは体の自由を奪われる

瞬く間に、みあは廊下で巨大な蜘蛛の巣に捕らわれる形になる
上半身は特に厳重に糸に巻かれた

暗闇の中から、蜘蛛のように合計8本の肢体と複眼を持つ強化型のゾンビ、カマキリに似た鎌の腕と巨大な眼を持つ強化型のゾンビが現れた


494 : 星野みあ :2016/06/13(月) 20:52:50 OoXYZVS2
「いやっ、放して!」
みあは網から抜け出そうともがくが、右手が使えない状態では厳重に縛られた糸には歯が立たなかった。
むしろもがく程に絡み付く糸によって足の動きすらも制限されるようになった。
二匹の強化ゾンビはみあが抜け出せない事を確認するとじりじりと近づいて来た。
「いやぁ、来ないで」
巨大な虫の器官がもたらす生理的嫌悪感からか、みあは必死になって逃げようとする。


495 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/13(月) 21:49:50 ???
カマキリゾンビが、みあの眼前に立ちふさがる
醜悪な虫の頭部に似た頭の、巨大な口からは唾液が溢れる

巨大なカマの腕を振り上げ、みあに向かって振り下ろした


496 : 星野みあ :2016/06/13(月) 22:31:58 OoXYZVS2
「いやぁぁぁぁぁ!!」
カマキリゾンビは正確な狙いで糸の隙間からみあの体を切り刻んだ。
ゾンビはさらに連続でカマを降り下ろす。
拘束されたみあには避ける事も防ぐ事もできない。


497 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/13(月) 22:36:32 ???
カマキリゾンビの斬撃によって、みあの顔と下半身が切り刻まれる

次はこっちの番だと言うように、クモゾンビが
カマキリゾンビを押しのけてみあの前に立つ

6本の腕が、みあの体を滅多打つ
みあの全身に打撲傷ができていく
だが、激しい攻撃によって、ほんの少しみあの拘束が緩んだ


498 : 星野みあ :2016/06/13(月) 23:20:55 OoXYZVS2
クモゾンビの攻撃によってみあを拘束していた糸が僅かに下にずれた。
「ミーティア!」
動かせるようになった手首を使いミーティアを降ってバリアを張る。
先程の対人用ではなく強度を大幅に上げたバリアは暫くは破れないだろう。
みあは糸をなんとか解こうと体を動かした。


499 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/13(月) 23:47:32 ???
カマキリゾンビ、クモゾンビの攻撃はバリアを破れない

落ち着きを取り戻してきたみあは何とか拘束を逃れられそうだ
カマキリゾンビは攻撃を続けるが、クモゾンビは天井を伝い、みあの背後の方へまわりこんだ
(続きは明日にします。おやすみなさい)


500 : 星野みあ :2016/06/14(火) 00:03:53 X42FGXHk
落ち着きを取り戻したみあは糸を解くことに成功した。
しかし一方的な攻撃を受けたことによってみあの精神と体力は大分すり減っていた。
それでもみあは休むことなく攻勢に出る。
みあはバリアを解除しカマキリゾンビの頭部を撃ち抜いた。
「あれ......?」
しかしクモゾンビの姿が見えない。
みあが糸を解くのに夢中になっている間に見失ってしまった様だ。
「この奥に居るの?」
廊下の先は深い闇に包まれている。
みあは前方の闇に目を凝らしながら前へ歩き出した。

(おやすみなさい)


501 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 05:34:37 ???
糸から逃れ、カマキリゾンビを倒したみあは廊下を先に進もうとするが
突然、背後から何者かに押し倒されてしまう
背後に回っていたクモゾンビがみあに飛び掛かったのだ
不意をつかれたみあは、杖を奪われてしまう
みあは手足を押さえつけられ、クモゾンビの残った3本の腕で再びメッタ打ちにされる


502 : 星野みあ :2016/06/14(火) 05:57:09 X42FGXHk
注意力を前方に傾けていたみあは背後からの攻撃に全く対応出来なかった。
「いやっ、何!?」
疲労やダメージが溜まっていたこともあり、何の反撃も出来ずにミーティアを奪われてしまう。
「か、返し......きゃあっ!」
ゾンビの腕にメッタ打ちにされ痛みを耐えるので精一杯のみあは三分間何も出来ず、ミーティアとのリンクが再び切れてしまった。


503 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 07:17:56 ???
クモゾンビは、みあの首を掴みながら持ち上げ、みあの首を締める
さらに、残りの腕でみあの体を殴る

窒息と殴打で意識が薄くなるが、手を伸ばせば杖に手を触れることができる状況になっている


504 : 星野みあ :2016/06/14(火) 07:54:02 X42FGXHk
みあの手がミーティアに触れる。
限度を超えたダメージを検知したミーティアが回復をかける。
体力と魔法を取り戻したみあはミーティアをクモゾンビに向ける。
しかしそれを察知したクモゾンビはみあを激しく揺さぶった。
みあは痛みと振動で狙いをつけられない。


505 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 12:20:29 ???
三半器官を激しく揺さぶられたみあは、強い吐き気に襲われ、意識が遠のく
一か八か、狙いをつけずに魔法を使うか?
バリアを使えば、クモゾンビから逃れられるかもしれない


506 : 星野みあ :2016/06/14(火) 14:36:47 X42FGXHk
狙いをつけられないみあは咄嗟にバリアを張った。
「ギィ!?」
クモゾンビの腕がバリアで切断される。
みあはドサリと床に落ちた。
首にかかったクモゾンビの腕を放したみあは激しく咳き込んだ。
疲労をおして戦っていた今までとは違い、今回は暫く動けそうにない。


507 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 16:54:05 ???
腕を失ったクモゾンビは、戦意を喪失
杖を捨てて逃げ出した

(何か希望の終わり方や展開などありますか)


508 : 星野みあ :2016/06/14(火) 17:02:33 X42FGXHk
咄嗟に追撃することが出来なかったみあはクモゾンビを見逃した。
長時間首を締められていたので呼吸を調えるのにかなり時間がかかっている。
みあはある程度息が調ったところで見切りをつけ、奥の暗闇へと足を進めた。


(終わりかたは特には。勝っても負けてもいいです)


509 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 17:16:25 ???
疲労を堪えつつ、みあは奥へと進む
複数の人の気配を感じた
ゾンビではない

廊下の奥で観音開きの扉があった
手をかける
不意討ちを警戒しながら、扉を開く

「思ってたより早かったな」
ビドーがいた

そして、その背後にはビドーに捕らえられている人たちがいた
強化ガラスだろうか、巨大なケースに10人以上が閉じ込められている

「おれもいいかげん、面倒はいやになってるんだがな。どうする。おれを見逃すか。それとも、こいつらを守りながらおれと戦うか?」


510 : 星野みあ :2016/06/14(火) 17:26:45 X42FGXHk
「見逃すことなんて出来ません。この人たちを助けてあなたの力を封印します」
みあは捕らわれた人々の元へ一直線に走り出した。


511 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 17:37:59 ???
「美しいが、滑稽だよ」
ビドーはみあの足元を狙って、腐食ウイルスを含んだ毒液を噴出する


512 : 星野みあ :2016/06/14(火) 17:54:32 X42FGXHk
ビドーが放った毒液はみあの右足に当たった。
右の靴と靴下はあっという間にボロボロに腐り落ち、みあの右足にも毒液が触れた。
「あぁっ!」
腐食した右足で走り続けることが出来ず、みあは転んでしまう。


513 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 18:01:12 ???
「この人たちを助けるだ。人殺しが今更人助けかよ」
みあの体を狙って腐食液を発車する


514 : 星野みあ :2016/06/14(火) 18:07:30 X42FGXHk
飛んできた毒液はバリアよって防がれる。
「こ、殺してない......だってみんなもう......」


515 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 18:26:13 ???
「何を勘違いしている」
「お前が殺したやつら、あいつらはな」
「あいつらが望んだ結果、ああなったんだ。事情は色々だがな」
「力を求めたやつ、病気を治してほしいと言ってたやつ、ただの興味本意、ドラッグみたいなものだと思ってたやつもいたな。いずれにせよ、自ら望んで、おれのウイルスを受け入れた。ざんねんながら、うまく適合できたやつは少なかったが、おれだって試行錯誤をしていたんだ」
「自力じゃ呼吸もできないメシも食えない死んでるも同然の人間だって、体にチューブをさして呼吸機械をつけて心臓が動いてれば生きてる人間性って扱いだ。そう考えれば、あいつらの方が余程生きてる人間といえるだろうよ」
「それを殺したお前を、人殺しと言わずしてなんとよぶ?」

欺瞞も悪意に満ちた言葉をみあに浴びせる
体から、腐食、感覚マヒのウイルスを煙のように噴き出す


516 : 星野みあ :2016/06/14(火) 18:46:58 X42FGXHk
純粋なみあの心にビドーの言葉が突き刺さる。
「でも、みんなが助けてっていうから......だから悪くないもん。みあのせいじゃないもん」
みあは涙を流しながら叫んだ。
「ぐすっ......ひっく......」
みあはしゃくりあげ、不規則な呼吸を繰り返す。
みあは気がつかないうちに大量のウイルスを吸い込んでいた。


517 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 19:04:23 ???
「この国じゃ、どんなに本人が望んでも殺せば罪になるんだぜ。自殺幇助ってやつを知ってるか。死にたいからと屋上に昇ったやつの背中を押すことがいいことか? 首をくくったやつのひもを引っ張るのがいいことか?」
「結局おまえは、我が身がかわいいだけだ」
「人を助けたいというのも、本当は違うだろう。お前は人を助けて感謝されて自己満足に浸りたいだけだ。ゾンビはお前に感謝したりしないしな。殺されたら尚更な」

なおも言葉を続け、みあに歩み寄るビドー
衝動的にみあは逃げ出したくなり、立ち上がろうとしたが体の自由がウイルスに侵されていた


518 : 星野みあ :2016/06/14(火) 19:15:07 X42FGXHk
「やだっ......もうやめて、聞きたくないっ!」
みあは助けようとした人々のことも忘れ、逃げ出そうとした。
「あれ......動けない......」
ビドーのウイルスを大量に吸い込んだみあは立ち上がる事すら出来ない。
体がダメージを受けた訳では無いのでミーティアの自動回復も働かなかった。
「やだ、来ないで......来ないでよぉ」


519 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 19:45:50 ???
ビドーはみあの心を完全に折りにかかる

「そう悲観するな。人間誰しも醜いものだ。それこそ、おれの顔より醜いさ。お前も、その醜い人間の1人」
「ただその妙な杖を持って、自分は特別な存在だって勘違いしただけさ。お前くらいの年頃ならよくあることさ」
「認めちまえよ。自分はちっぽけな存在だと。勝てるわけがなかったと」
「認めたら、今すぐ体を動けるようにしてやるさ。おれもこれ以上なにもしないさ」


520 : 星野みあ :2016/06/14(火) 20:24:56 X42FGXHk
「やだ......」
みあはかすれた声で言った。
「絶対やだ!」
「みあが助けなきゃ......」


521 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 20:36:29 ???
「ふん」
「何ができるっていうんだ」
「満足に動けもしない体で」

(少し唐突ですが、特に希望などなければそろそろ最後の展開にもっていきたいかなと思います)


522 : 星野みあ :2016/06/14(火) 20:44:15 X42FGXHk
「ミーティア!」
みあが叫ぶ。
ミーティアの先端に七色の光が渦を巻き始める。

(了解です)


523 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 20:51:27 ???
「ちっ!」
少し挑発しすぎたか。だが

「だったら、やつらを救ってみせるんだな!」
素早く飛び退き、人間たちが捕らえている
檻の横のスイッチを入れると、檻の中に
ウイルスを含んだ煙が充満し始める

同時に、地下のさらに奥に続く逃走用の扉が開く
ビドーは、逃走用の扉に飛び込んだ


524 : 星野みあ :2016/06/14(火) 21:03:21 X42FGXHk
「ミーティア!行って!」
みあが叫ぶとミーティアが檻を目掛けて飛んでいく。
ミーティアは檻の強化ガラスを破り、ウイルスを吸収した。


525 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 21:12:07 ???
逃走中のビドー

『あの人間どもはゾンビじゃないさ』
『だが、あの檻の中の空気でなければ生きられない』
『檻を壊して5秒も経てば、全員急速に増殖したウイルスに体が食われ、骨を残して灰のように粉々になる』
『どうあがいても救えはしない』
『ククク』

(締めをお願いします)


526 : 星野みあ :2016/06/14(火) 21:36:54 X42FGXHk
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
檻の中の人間の叫び声が響く。
「なんで......」
みあは何も出来ずに崩れ行く人々を眺めていた。
「助けたかっただけなのに」
みあの目からは涙が次々と流れ落ちる。
ウイルスの効果が消え、体の自由が戻ってもみあは動くことが出来なかった。

(ありがとうございました)


527 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/14(火) 21:39:37 ???
こちらこそ、ありがとうございました

精神的な責めが多くなりましたが、楽しんでもらえたなら幸いです
ビドーも当初思ってたよりいいキャラになったと思います


528 : 名無しさん :2016/06/14(火) 21:50:47 X42FGXHk
いえいえ、精神責めは大好物ですので。
でもこれ癖になりますね。
次は責めもやりたいです。


529 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/16(木) 00:00:46 H5b/fjso
責めキャラを作ったので対戦相手の受けキャラを募集します。

作った責めキャラ
イサリ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1422883109/57

クロハ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1422883109/58


530 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/17(金) 21:26:25 rvfGlMfY
週末にできる人いませんかね?


531 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 00:01:01 ???
可能でありますが
どっちがいいでしょうかね

みずき、と、イリア(オリキャラ)


532 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 00:12:26 nSmZq//w
私はイリアでお願いしたいです。
>>529 のどちらがいいですか?


533 : 龍ヶ崎みずき ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 00:22:19 ???
>>532
わかりました。

個人的には遊びでリョナな感じの
イサリがいいです。


534 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 00:48:59 nSmZq//w
了解です。どんな導入にしましょうか?


535 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 01:01:00 ???
>>534
そうですねー
とりあえず思いつくのは

何気なく街を歩いていたところを
連れて行かれて…という感じでどうでしょう?

あと、死なない相手を喜びそうかなと思ったり


536 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 01:06:34 nSmZq//w
わかりました。それで行きましょう。
こちらから始めてよろしいでしょうか。


537 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 01:19:05 ???
>>536
どうぞどうぞ。


538 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 01:33:01 nSmZq//w
静かな夜の町、建物の上を黒い影が走る。
「ふむ、あの娘も悪くないのう」
影は塾帰りであろう少女の上で停止した。
建物の上から少女を見下ろすのは一匹の「鬼」であった。
「うーむ、しかし何か違うのう」
鬼は興味を失ったように少女から離れた。
このイサリと言う名の女の鬼は少女を虐げることを趣味に数百年の時を生きてきた。
そして今夜もイサリは獲物となる少女を探していた。
「ん?なんじゃ、あの娘は」
イサリが先とは違う少女を見つけた。
銀髪に金の目、そして抜群のスタイルという日本人離れした容姿。身長と顔立ちからして中学生位だろうか。
しかしイサリが彼女に目を付けたのは別の原因があった。
「あの娘、何かありそうじゃなあ」
今夜の獲物を定めたイサリは一直線に少女へ向かっていった。


539 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 01:38:43 ???
>>538
「………また遅くなった」
イリアは、いつものようにみずきの家に戻ろうとしていた。
何気ない散歩をしているつもりだが
ふと、帰りの時間を忘れてしまうこともよくあるのだ。

「……みずき、また怒ってるかな…
 いっぱい、お礼しないと…」
自分の唇に軽く手を当てながらつぶやいて歩く、
彼女に芽生えていたのは、単なる友人以上の感情に見える

…そんな考え方が判断を鈍らせたのか

「……?」
不意に誰かが接近してくるのを感じ、
振り向いた時にはもう、どうしようもないところにまで

鬼の少女が接近していたのである


540 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 01:52:26 nSmZq//w
>>539
「見れば見るほど可愛いのう。しかし近づけば近づくほど面妖な娘じゃ」
イサリは少女に接近しながら呟く。
レオタード状の服は勿論、
人間として不自然な点も少し見られる。
普通の人間には分からないであろう細かい動きも鬼の目にはハッキリと見えるのだ。
「まあ些細な問題じゃな。取り敢えず邪魔の入らない所に行くかのう」
少女はまだイサリに気がついていない。
イサリは猛スピードで少女に迫り、鬼の怪力で少女を持ち上げた。


541 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 01:55:19 ???
>>540
「……!?」
突然自分の体が浮き上がったのを感じ、
どこか驚いた…ような様子を見せる。

「一体……何?」
普通の人間ならば全く動じていないように見える。
鬼の目から見ればどうなのかは分からないが…

「…っ…放して…」
そう言ってイリアは、手足を振って暴れようとする。
最も、鬼の怪力では振りほどくなどまず不可能だろう。


542 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 02:07:28 nSmZq//w
>>541
イサリが少女を抱え、建物の上を跳ぶ。
少女が表情を変えないことを見たイサリは確信した。
彼女はこれまでで最高の玩具になる。
「これ、暴れるでない。落とすと困るじゃろ」
イサリはもがく少女を怪力で押さえ込みながら進む。
着いたのは町の端、解体待ちのビルが並ぶ寂れたエリアだった。


543 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 02:16:20 ???
>>542
「…普通の人じゃない……みたいね。」
身体を抑えこまれていて、
あちこちの変形機能を発揮することができないでいる。
イサリのその驚異的な身体能力を見て、人間業ではないことを理解した。

このままおとなしくしているつもりはない、とも考える

「家に…帰るつもりなのに……
 なんでこんなところに……!」
いつの間にか街からも離され、
遠くにまで連れてこられたことに、少し苛立ちを感じているようだ。

鬼からみて、触ってみた感触から少し
人と違うと思えてくるかもしれない。

//また明日にレスを返します。


544 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 02:32:41 nSmZq//w
>>543
「ふむ、なるほど。この娘人間じゃないのう」
イサリは立ち並ぶ廃ビルの1つに足を踏み入れる。規則的過ぎる肌の構成、重心の位置、そして内部で響く音からイサリは少女が人間でないことに気がついていた。
虐めても粗末な反応しか帰って来ないのではないか、一瞬懸念を抱くイサリだったが彼女に心配は直ぐに晴れた。
イサリは少女の苛立ちを敏感に感じ取っていた。
「さて、ここらでいいじゃろ」
廃ビルの中心近くにたどり着いたイサリは少女を前方に放り投げた。

//わかりました。おやすみなさい。


545 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 09:21:41 ???
>>544
「……気づかれる……か」
相変わらず表情は変わらないが
それでもどこか動揺をしているように見える。

そして、廃ビルの中心辺りで
不意に放り投げられる

「……うっ……」
受け身を取る暇もなく倒れこんでから、
ゆっくりと起き上がった。

「……何のつもり?」
立ち上がって自分についた汚れを払ってイサリへと顔を向けた


546 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 09:58:59 nSmZq//w
>>545
自分をさらった目的を問う少女にイサリが答える。
「ワシは可愛い娘が大好きでのう、町で見かけると遊びたくなってしまうんじゃ」
イサリは背中に担いでいた大型の刀を抜き、構えた。
「先に名を聞いておこうかのう。ワシの名はイサリ。お主の名は何と言うのじゃ?」


547 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 10:04:11 ???
>>546
「……わたしは遊びたくない」
とだけ言ってから、相手の顔をじっと見る。
そして刀を見て…戦うことが遊ぶことなのだと気づく

「……イリア」
とだけ、彼女の問いに答えた。

「…ここから逃げるには…
 倒すしか無いかな……」
右手からマシンガンが展開される。
想像通り彼女は、普通の人間ではないようだ。


548 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 10:12:53 nSmZq//w
>>547
「ほう、イリアと言うのか。良い名じゃのう。清楚で可憐な響きじゃ」
イサリはうっとりとした表情で言った。
そして展開されたマシンガンを見ても顔色ひとつ変えなかった。
「どういうカラクリで出てきたか知らぬが、それは機関銃というやつじゃろう? 懐かしいのう。昔はたまに見かけたものじゃが」
イサリは突きつけられたマシンガンをものともせずに歩きだした。


549 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 10:15:50 ???
>>548
「…嬉しいけど…
 だからって…手加減しない…」
イリアという名前が気に入っているのか、
それに関しては素直に礼を述べている。
それでも彼女は、手加減のつもりなど無いが

「…しょうがないから…
 これで終わらせて……もらう。」
そう言うと、彼女はイサリの言葉に疑問を呈する前に

ガガガガガガガ!


マシンガンをイサリへ向けて乱射した。
常人ならば、これで穴だらけになっておしまいなところだが…


550 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 10:26:03 nSmZq//w
>>549
イリアがマシンガンを撃ったとき、既に射線上からイサリの姿は消えていた。
「驚いたのう。最近の機関銃は随分とはやいのじゃな」
イリアの正面に立っていたイサリはいつの間にかイリアの側面に移動していた。


551 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 10:38:06 ???
>>550
「速い……?」
予想以上の相手の速さに
表情には見せないものの、少なからず動揺を覚える。

「…側面…
 距離算出…追撃…」
だが、機械的な演算能力の高さで
すぐさま動きに対応しようとしている

再びマシンガンをイサリのいる方向へ向け、撃ち出そうとしている


552 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 12:28:14 nSmZq//w
>>551
「なかなか良い動きをするのう。じゃが……」
イサリは再び発射された弾丸を易々と避ける。
「ちと単調じゃな。動きが丸見えじゃ」
高い戦闘経験を持つイサリはイリアの目線、体の動きから射撃位置を予測している。
イリアの精密な攻撃はむしろイサリにとっては避けやすいものだった。
「次はワシからいくかのう」
イサリは一瞬で間合いを詰めると鎧を装備した左手でマシンガンを掴み、そのまま握り潰した。


553 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 12:35:14 ???
>>552
「……回避予測… 
 出来ない……」
想定していた予測位置を軽々とかわしていく。
とてもこちらの手に負えるような相手ではないのだ。

そして
一気ににじり寄られ

バキィン!!
「うっ…!」
展開したマシンガンを簡単に破壊されてしまった。
幸い腕の方は無事なものの、武器の一つを失っては危ない。

「…地上では不利…
 なら……」
即座に判断する。
イリアは背中に羽根とブースターを展開し、
ジェット噴射で上空へと逃走を図る。

「空中から…攻める……」
そう言って左手からも武器を展開する。
今度は小型ミサイルだろうか。
それを発射する。ある程度の追尾が可能であるため
これならば大丈夫……と、イリアは考えているが


554 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 13:17:57 nSmZq//w
>>553
「何じゃ!?飛びおった。しかも火を吹いておる。あれは『じぇっと』というやつじゃったか」
さすがのイサリもそのような飛びかたの相手と戦ったことは無く、驚いていた。
そうしている間にイリアから小型のミサイルが発射される。
「あれは棒火矢か?ますます懐かしいのう」
マシンガンよりも弾速のおそいミサイルをイサリは余裕で回避した。しかしミサイルは向きを変えて再びイサリに襲いかかる。
「驚いた。今どきの棒火矢は着いてくるのか。ならこれはどうじゃ?」
イサリ逆にミサイルに向かって走り、ミサイルの横をすり抜けた。ミサイルは再び向きを変えようとするが、旋回が間に合わず壁に当たって爆発した。
「さすがに後ろには飛ばないようじゃのう」


555 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 13:38:11 ???
>>554
「……これでもダメ……か…」
ミサイルを発射しては見たものの、
ホーミングの仕方も読まれてしまっているようだ

「でも…これだけあれば……!」
と、今度は各部から次々とミサイル発射管が飛び出してくる

「悪いけど……
 避けられないくらい……いっぱい使わせてもらう…!」
全身から無数のミサイルを発射する!
点の攻撃ではなく面での制圧。
これで終わらせようとしているようだ。

しかし……鬼を仕留めきれるという考えは
これでは甘いかもしれない…


556 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 13:49:47 nSmZq//w
>>555
「ほおー、いっぱい飛んでくるのう」
視界を埋め尽くすほどのミサイルにイサリは感心したように言った。
「じゃが、そんなに詰めるとこうなってしまうぞ?」
イサリは近くにあったコンクリート壁をくりぬくとミサイルの雨に投げつけた。
コンクリートの塊はミサイルの1つに当たり、そのミサイルからの爆発で次々と誘爆が起こった。


557 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 13:56:28 ???
>>556
「……!!」
思った以上に前でミサイルが一斉に爆発する。
彼女へ命中したとは思えなかった

「…仕方ない…
 か…」
彼女は逃げようとブースターを吹かす。
今の高さならばと思って、逃げようとするが

「うっ…」
飛び散ったコンクリートの破片が体にあたり、
うまく飛べないでいる。
現状では高く飛ぶのは難しそうだ。

…そこを鬼に狙われるのはあり得ることだが…


558 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 14:13:21 nSmZq//w
>>557
「さて、追いかけるとするかのう」
相手の攻撃を回避することで優越感に浸るイサリだが、遠距離攻撃でそれをやると逃げられる可能性がある。
「この風じゃうまく飛べないじゃろうが、急いだ方が良いかのう」
イサリは呟くと地面を蹴って空へ跳んだ。
爆発によって生じた煙を突き抜けるとぎこちなく飛ぶイリアが見える。
「ほれ、向かえに来たぞ」
イサリはイリアに組み付いた。


559 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 14:17:21 ???
>>558
ひとまず煙が立っているうちは待機せざるを得ない…
そう思っていた矢先に
「……!?」
驚異的な跳躍力でイサリが飛びついてくる

「うぐっ……放して…!」
組み付かれた衝撃で一気にバランスが崩れたイリアは
そのまま地面にゆっくりと下ろされていく

「でも…まだっ……!」
なおも飛び立とうとしているが、自分以外の者の
重さが加わったせいでなかなか飛び上がることが出来ない。
振りほどくことも不可能な以上は、なすがままにされるしかなさそうだ


560 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 14:24:19 nSmZq//w
>>559
「さて、ほいほい飛ばれても面倒じゃし、落ちてもらうかのう」
イサリは鎧に覆われた左手でイリアの足を掴んだ。
「吸い取れ、『渦潮』」
イサリの鎧『渦潮』に備えられた吸精機能が働く。エネルギーを奪われたイリアのジェットエンジンは停止し、二人は地面に落ちて行く。
イサリはさらに姿勢を変え、イリアを地面に叩きつけた。


561 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 14:45:58 ???
>>560
「う…あ…?
 エネルギー…急速に……低下…?」
掴まれた足から、強烈にエネルギーを吸い取られ
あっという間にエンジンは機能を失ってしまった。

そのままイリアは地面へと
ちょうどイサリのクッションになる体制で地面に落とされることになる

ドシャッ!!

彼女の身体は、コンクリートの地面にヒビが入るかと思うほどの衝撃に襲われた
「あぐっ……!!」
先程まで無表情だった少女の顔が
苦痛に歪み、はっきりとした表情を見せた。

物静かそうだった先ほどとは一転したその悲鳴は
想像もつかないものだったかもしれない。


562 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 15:00:06 nSmZq//w
>>561
「ん?お主、良い顔をするではないか。さっきまでより断然可愛いぞ」
イサリはうっとりしたように言うとイリアの体を持ち上げた。
「さすがのお主もしばらくは動けんじゃろ?ここは何回か来たことがあるんじゃが、いい地下室があってのう。お主にも見せてやろう」
イサリはイリアを抱えると階段を降り、地下へ向かった。


563 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 15:03:43 ???
>>562
「ぐっ…うっ…」
予想以上の衝撃で痛みが引かない。
彼女の言うとおり、しばらくおとなしくするしか無い。

彼女に抱えられるまま、どこかへと連れて行かれることになった

(…だとしても…わたしは……大丈夫…)
擬似ナノマシンの効果で
ダメージは後遺症なく再生する。

「……ここは…いったい…」


564 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 15:16:14 nSmZq//w
>>563
廃ビルの地下室は何かの研究施設になっていたようだ。階段に書かれた施設図を見ると下にも相当階が存在することがわかる。
「ここは他のビルと比べると妙な道具が多くてのう。何に使うかよく解らぬが連れてくる娘がよく怖がるんで使ってるんじゃ」
ある程度階を降りたところでイサリは階段から離れた。
周りには人一人が入れそうなカプセルや手術台のような設備が並んでいる。
イサリはそれらには何も興味を示さず、奥の大扉を開けて中に入った。


565 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 15:20:45 ???
>>564
「……まるで……研究所……」
彼女はその中の光景を何処か不愉快に感じた。
自分が生まれた場所によく似た空気を感じる…

あちこちの様子から
ここが穏やかな研究をしていた場所には思えない。

「どこにまで……つれていくつもり……」
イサリからも、すでに元気になり始めているのが解るかもしれない


566 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 15:35:58 nSmZq//w
>>565
「ここじゃ」
イサリが開けた大扉の向こうには明かりがついた部屋があった。どうやら独立した発電設備で動いているらしい。
「ここの壁はなかなか丈夫でのう。それにドアも開けるのに手間がかかる。一対一で遊ぶにはもってこいの場所じゃ」
その部屋は実験場の様であった。壁には幾つかの凹みが見られ、激しい実験が行われていたことを物語っていた。
「そろそろ動けるじゃろ?さあ、ワシと勝負じゃ」
イサリはそういうと部屋の中心に向けてイリアを投げた。


567 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 15:42:13 ???
>>566
「…ここが……」
どうやらここに連れて来たかったのだとわかった。
そしてそのまま実験場の中心へと投げ込まれる。

「うっ…!」
どうにか受け身をとってから立ち上がる。
もうすでに自由に動ける状態なのは間違いない。

(飛行用のエネルギーはない…か)
先ほどのエネルギー吸収によって失っていると感じる。
内蔵火器もほとんど使い果たしている。

「…勝負…するしかないか……」
ぐっと拳を握って、鬼の近くまで走っていく


568 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 15:52:09 nSmZq//w
>>567
「くふふっ、よいぞ」
イサリは刀を投げ捨てると右の拳を握った。
そして向かってくるイリアの腹部に向けて拳を放った。


569 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 15:57:46 ???
>>568
「速……!」
彼女も手を伸ばしてパンチをしていたが
明らかにイサリのほうが速い

ドボッ!

「はぐっ…!あっ…」
深く深く、イサリの拳がいりあの腹の中へと突き入れられる。


「うあぐっ……はっ…!」
肌はまるで人間のように柔らかく感じられる。
内蔵を潰すような感触の代わりに、金属質な内部機構の感覚を感じられただろう。

「う…えっ…ぐっ…」
両膝を突いて、お腹を抑えて倒れこむ
何かを吐き出すような仕草を見せるが、嘔吐物はないようだ。
彼女が機械的な存在であることを伺わせる。


570 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 16:14:54 nSmZq//w
>>569
「ふむ、やはり腹の中はカラクリのようじゃのう」
イサリは足でイリアを転がして仰向けにする。
「その割りには痛そうじゃのう。というか痛がっておるのう。しかし、逆に好都合じゃ」
イサリはイリアの腹部を踏みつける。
「ここまで思いきれる獲物は久しぶりじゃ」


571 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 16:20:40 ???
>>570
「うっ…」
イサリの足で力なく転がされるイリア。
その顔は今にも泣き出しそうなほどの苦しげな顔になっている

更に、腹部に対して強烈な踏みつけが入る。
「がはっ…あああっ…!」
目を見開いて再び悲鳴を挙げさせられる。
必死でイサリの足を掴み、苦痛から逃れようとしている。

「うっ…ぐぅっ…!」
彼女は苦痛を集めるという目的のほか、
自分自身を嗜虐の対象とすることも前提で作られていた。
それゆえに痛みに対しては人並みの感覚を与えられている。

踏みつけた足の感触から、内部の機構が若干歪んでいるのを感じられるだろう。


572 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 16:27:15 nSmZq//w
>>571
「むう、歪んでしまったようじゃな。くふふ、何発耐えられるかのう」
イサリはイリアの腹部を連続で踏みつける。
段々歪みが大きくなり、内部がひび割れていくのが足を通してイサリに伝わってきた。


573 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 16:33:05 ???
>>572
冷たい部屋の中に何度となく
踏み潰される鈍い音が響き渡る

「ぐぁっ、あぎぃっ…がっ……はぁっ…!」
何度も踏み潰されるたびに、まるで生体反応のようにイリアの身体はビクビクと痙攣する。

「ごほっ…やっ…いだ…あぐっ…うぅっ……!」
少しずつ金属部分の破断が激しくなっていく。
そうなるたびにイリアの悲鳴はより苦しげなものになっていく。

「うぐっ……ああっ……やっ…やめ゛っ…でっ…」
強烈なダメージは与えられているが、時折
彼女の内蔵部位が、元に戻ろうとする動きも感じられるかもしれない


574 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 17:03:35 nSmZq//w
>>573
「お主、少し治ってないか?」
足の感覚を通してイリアの回復を感じたイサリは腹部から足を離した。
「なら同じ所ばかり踏むのも勿体ないのう」
イサリの足はイリアの右足の上に移動した。
「次はここじゃな」


575 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 17:09:52 ???
>>574
「がほっ……げほっ……うっ…」
ようやく攻撃が収まったところで、
両手でへこんだお腹を抑える。

苦しんではいたが、
鬼の攻撃をあれほど受けた割には元気に見えるだろう

「うっ……今度……は……何…するの……」
逃げようとしているようだが、
ダメージが抜け切らないこの状態でどうにかなるはずもない。


576 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 17:18:08 nSmZq//w
>>575
「何をするかじゃと?お主の足を怖そうかと思ってのう」
イサリはイリアの足をグリグリと踏みつけた。


577 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 17:27:47 ???
>>576
「うっ……!痛っ……」
右脚から少しずつ生じる痛みに
思わずイリアは顔をひきつらせる

「やだっ…やめて…
 そんなの…痛いからぁっ……!
 痛いのは…もう嫌…!」
イサリの足を掴んで必死で首を振って懇願する。
クールそうに見えていた最初の様子がほとんど見受けられない。


578 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 17:34:48 nSmZq//w
>>577
イサリはイリアの反応を見て満足そうに笑った。
「ふむ、やめてほしいか?」
イサリが足を離してイリアの顔を覗き込んだ。


579 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 17:40:10 ???
>>578
「はぁ…はぁ……」
イリアは何度もうなずいた。

「あなたが強いのはもう…
 わかった…から、許し…」


580 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 17:43:55 nSmZq//w
>>579
「そうじゃのう。ワシの質問に答えてくれたら右足は綺麗に残してやろうかのう。お主、家族はいるか?」
イサリはニヤニヤ笑いながら質問した。


581 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 17:45:09 ???
>>580
「家族……いる…けど…」
すっかり怯えた表情で答える。
無表情な時と比べて随分と人間らしい。


582 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 17:55:20 nSmZq//w
>>581
「くふふ、なるほどのう」
イサリは笑いながらイリアの左足に足を乗せた。
「なら右足はやめて左足にするかのう」


583 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 18:01:55 ???
>>582
「うっ…なにそれ…!?」
慌てたようすを見せる。
イサリからすればその仕草は楽しくてしょうがないのかもしれない。

「左足も…待って……」
人間ならば顔面蒼白という顔だ。


584 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 18:08:36 nSmZq//w
>>583
「くふふっ、じゃあ次はその家族の名前を答えてもらおうかのう」
イサリはイリアを踏む足に力を入れ始める。


585 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 18:13:11 ???
>>584
「うっ…ぐっ…」
イサリの思うがままに質問に答えさせられている。
そう感じながらも、痛みが恐ろしく感じる彼女は
素直に言葉を返す。

「みずき……わたしを拾ってくれた……人…
 わたしの……一番大事……な人……」


586 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 18:21:32 nSmZq//w
>>585
「くふふ、なるほどのう」
イサリはイリアの左足から足を退けた。
「なら『今日は』このくらいにしておくかのう」
イサリは最後にイリアをうつ伏せに寝かせると首筋に噛みついた。イリアの首筋の傷は直ぐに塞がったが、黒い痣が残った。
「ふう、これでお主の居場所は何時でもワシに筒抜けじゃ。まあ、今日は帰ってもいいぞ」


587 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 18:24:42 ???
>>586
「うっ……!」
噛みつかれた痛みに恐怖を覚えつつ、
彼女が見逃したことに内心安堵していた。

「…今日は……」
彼女の入った言葉に不安を覚えるが…

「うう…」
いつでもまた自分を襲ってくるということだろうか。
総感じ、喜びの感情を出すことはなく

さみしげにその場から歩き去っていく。

…燃料切れのために歩きで帰るはめになった。

……後日、悪夢が再び訪れる予感を感じながら


588 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 18:29:15 nSmZq//w
>>587
と、言うわけで場面を変えようと思います。


589 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 18:59:50 ???
>>588
了解ですー。
そちらにお任せしますよー


590 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 19:10:05 nSmZq//w
>>589
あれから一週間が経っていた。
「おそらくここがイリアの家じゃな」
イサリはイリアが長時間いる場所を訪ねた。
イリアも、同居人であるみずきも家には居ない様であった。
「くふふ、留守か。手紙でも置いておくかのう」
イサリはイリア宛の手紙を郵便受けに入れて立ち去った。
『今夜十一時、先日のビルへ一人で来い。守らない場合、みずきの安全は保証できない』


591 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 19:14:21 ???
>>590
色々と用事を済ませ、
イリアは家にやってきた…が、

郵便受けに入っていた手紙を見て
「……!」
無表情だった少女の顔が
あの時のように引きつった。

(…一人でこい…か)
まさかみずきがさらわれたのか?
とも思ったが

(どちらにしろ……わたしは
 行かなきゃいけない…)
家の場所を知っているということは
みずきのことも好きにできるということだ。

…それだけはさせる訳にはいかない

「……行くしか無い…」

彼女は無表情でつぶやき、
約束の時間まで待つ。

夜、
ちょうどみずきが家に帰ってきたのを見て内心イリアは安堵する。
みずきに色々尋ねられても空返事でごまかし、

彼女が眠りについたのを見計らって

…空を飛んであの場所へと向かった


592 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 19:21:18 nSmZq//w
>>591
イサリは廃ビル約束の廃ビルの近くで待機していた。
「さてさて、どうでるかのう。前回よりもっと多く武器を持ってきてるかも知れんのう」
イサリは手に持った刀をくるくる回しながら楽しげに呟いた。
「どちらにせよ、少し遅れていくかのう」


593 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 19:27:05 ???
>>592
ガシャ
     ガシャ

重機のような音が廃ビルの周辺に響く
「…今度は…
 負けないように…しないと……」
背中に武装をいくつも積んでいるようだ。
その上、近接武器となりそうな
剣、炸裂弾などといった重装備をいくつも持ってきている。

「…ここにいる…はず…」
増設したブースターを吹かせながら、
彼女はビルの中へと入っていく。

「…どこにいるか…
 調べておかないと…」
どうやら今度は熱感知センサーをつけてきたらしい。
相手の位置を知るために。

用意は万全に見える。
はたしてどう来るのだろうか…


594 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 20:20:08 nSmZq//w
>>593
「おお、探しとる探しとる」
イサリはイリアがいるビルから少し離れた別のビルの屋上から様子を眺めていた。
「ならあの手紙を見つけるのもそろそろかのう?」
イサリは昼のうちにビルのなかに手紙を残していた。
『お主がここにいるということはみずきは家に一人ということじゃろう。遠目に伺っていたが中々可愛い娘であった』
手紙にはそれだけ書かれている。
「さてさて、どうするかのう?お主の家族が狙われとる『かも』知れぬぞ?」


595 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 20:30:53 ???
>>594
「……どこにもいない?」
あたりを見回してみても
センサーで確認しても、ビルの中には誰も居ないようだ。

今度は目視であたりを探してみると…
「手紙……」
近くに手紙が置いてあるのを確認して…
中身を確認する…

「……!!」
嵌められた。
彼女はそう思った。
狙いは自分ではなく…

そう思うとイリアは無言でビルの外へと走りだす。
戻ろうとしているようだが、その精神状態のせいで周囲がよく見えなくなっている


596 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 20:36:34 nSmZq//w
>>595
イリア慌てたようにビルから出てくる。
それを見たイサリはにやりと笑うとビルの屋上から跳んだ。
そして上からイリアに襲いかかった。
「遅くなってすまんのう。ところでどこへ行くつもりじゃ?」


597 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 20:45:12 ???
>>596
「……!?」
飛び立とうとしていたイリアは
ちょうどイサリのいる方向へ飛んでしまっていた。

ドゴォン
「うっ……!」
力の強いイサリと衝突して
勢いよく落下することになる。

「うぐっ……」
不意の登場によって
いきなり一撃を受けることとなった。
それでも相手のいる場所を見定めて攻撃を仕掛けようとしている


598 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 20:51:53 nSmZq//w
>>597
叩き落としたイリアが自分を狙っている事を察知したイサリは一瞬でイリアの目の前に移動した。
そしてイリアの首を右手で掴んだ。
「ワシがくる前に帰ろうとはどういうことじゃろうなぁ?」


599 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 20:59:13 ???
>>598
「あぅっ……!」
一瞬で目の前に現れたイサリに
首を捕まれ、ゆっくりと持ち上げられる。

「がっはっ……
 あの…てがみは……!」
またはめられたと感じる。
万全の準備をしようとしてもあっちは
こちらの弱みをつくように狙ってくる。

「…うぐっ…!」
すぐ近くにいる今をと思ったイリアは
手に持っていたガトリング砲の装備を
発射しようとしていた。


600 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 21:11:06 nSmZq//w
>>599
自分に向けられたガトリング砲をイサリは視線も向けずに左手で握り潰した。
イリアの攻撃の意思を目を見るだけで読み取ったのだ。
「手紙?そんなものも有ったのう。何も間違ったことは書いてないじゃろう?それよりもワシと会わずに帰ろうとしたと言うことはアレかのう?みずきを好きにしてよいと言うことかのう?」


601 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 21:15:45 ???
>>600
「……うっ…!」
発射の前に握りつぶされてしまう。
圧倒的な力であることは疑うことも出来ない。

「ぐっ…ちがう……
 ちがう……!
 わたしだけ…わたしだけ…でいい……!」
みずきを好きにされる訳にはいかない。
イリアは必死でイサリへと拳を振り下ろそうとする。


602 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 21:26:29 nSmZq//w
>>601
「くふふ、どうしようかのう?とりあえず勝手に帰ろうとしたお主はワシに何か言うことが有るじゃろう?」
イサリはイリアをビルの中へ投げ戻した。


603 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 21:38:25 ???
>>602
「あうっ…!」
投げ飛ばされたイリアは、
ビルの中に勢い良く転がされることとなった

「…………」
要するに…謝らなければならないのだろうか…?
イリアは、どこか嫌な気分を感じている。

「…逃げたりしない…
 今度は……
 ……だから…お願い…
 みずきだけは……やめて……」
必死になって、イサリへと言葉を向けた


604 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 21:43:32 nSmZq//w
>>603
「そんなに嫌なのかのう?この間は踏まれたくなくて名前まで言ったのに?」
イサリはビルの中へ入った。
「またワシと遊んでるうちに気が変わってしまうかもしれんぞ?」


605 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 21:47:05 ???
>>604
「……そう…だよ」
イリアは首を必死で振る。
自分はともかく、他の人がどうなるか
それだけは耐えられないと思う


「……勝手に出ようとしたのは…
 ごめん……なさい…」
必死で頭を下げ、謝罪の言葉を述べる。
こんなことはいいたくないと思いながらも
気を変えられては行けないと思うからこそ言える。

「…狙うのは…わたしだけにして……」


606 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 22:06:08 nSmZq//w
>>605
「くふふ、お主は本当に愛らしいのう」
イサリはイリアの元まで歩くとイリアの頭を上げさせた。
「キチンと謝罪できるなら許してやるかのう。とはいえ、勝手に出ようとしたことは事実じゃし、このあいだの部屋までは黙って着いてきてもらおうかのう」


607 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 22:13:40 ???
>>606
「……わかってる……」
どのみち逃げることは出来ないだろうとは感じている。
以前のように傷めつけられてから行くのも嫌だと思った。

「ついていく…」
彼女の後ろから、何も仕掛けずに移動することにした。
一見無防備そうに見える背中も、
すぐさま反撃する準備をしているに違いない。

そう思うと、抵抗など出来るはずもないのだった。


608 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 22:23:46 nSmZq//w
>>607
実験場に向かう間、イサリは暇で仕方がなかった。背後からの不意打ちをいつでも回避できるように身構えていたのだ。
「随分とおとなしくなったのう」
カプセルが並ぶ廊下を歩きながら、イサリは話しかけた。


609 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 22:26:48 ???
>>608
「……今攻撃してもいいなら……するけど…」
わざわざお伺いを立ててしまうほど、みずきのことを気にしているようだ。

「…でも、…今攻撃しても倒せる……わけじゃないみたいだから」
建前ではあるがそうとも思っている。
彼女には死角など全く無いのだろう。
結局真っ向勝負となんらかわりはないのだろうと…

それどころか、おとなしくしろという話を聞かなければ
自分だけではないだろうと思うからだ。


610 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 22:31:45 nSmZq//w
>>608
「ま、賢明な判断じゃのう」
イサリはそういいながら実験場の扉を開けた。
目に悪そうな白色が目に飛び込んでくる。
「さて、それじゃあ、始めようかの」
扉の鍵を閉めたイサリは背中の刀を抜いた。


611 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 22:38:14 ???
>>610
(…あそこなら戦える…
 それからでも遅くない…)
どうにか自分を抑えることがイリアにはできていた。

そして、ようやく実験場の中に足を踏み入れることが出来た。
傷めつけられた時のことを思い出し、無表情の中でも
嫌な気分が溢れ出してくる。

「……やる…やってみせる…」
そう言って、イリアも腕から刃を飛び出させる。
新しい武装を用意してあったらしい。

(通用するかな……こんなのが…)
そう思って、相手の動きを見ながらこちらも動く。
突撃すれば返り討ちなのは明白。ならば、相手の行動を身構えながら待つのがいいと思った。


612 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 22:47:37 nSmZq//w
>>611
「ほう、そっちからは仕掛けて来ないか」
刃を構えたまま動かないイリアを見てイサリは言った。
「それならこちらからいくかのう」
イサリは刀を振り上げるとイリアに飛び掛かった。


613 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 22:55:09 ???
>>612
「……来た…!」
相手の動きを自分の演算能力で予測を立てる。

「…そこ…!」
彼女の力を把握してはいないが、これならばと、
振り上げられた刀を受け流すように左手の刃で受け止めて
右手の刃で切り裂こうとする。


614 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 22:59:50 nSmZq//w
>>613
イサリの刀はイリアの刃に受け止められた。
「ほう?」
イサリは刀を受け止めたイリアを感心したように見る。
そして右手の刃を振ろうとするイリアの下腹部を思いきり蹴りつけた。


615 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 23:03:07 ???
>>614
「がふっ…!!」
素早い一発の蹴り。
それが彼女の腹を深く抉るように衝撃を与えた。

「ま…た……ぐっ…
 これ…くらい…」
なんとか耐え抜こうと膝をつくまいと踏ん張る…
右手を振り上げて攻撃を仕掛けようとするが、その動きはやはり鈍い。
このままではなすがままに甚振られてしまう


616 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 23:13:48 nSmZq//w
>>615
「ほれ、動きが遅いぞ」
イサリは降り下ろされた右手を易々と掴むとそのままイリアを投げ飛ばした。


617 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 23:16:00 ???
>>616
「う…あっ…!」
またしても投げ飛ばされ、地面に叩き落とされる

「ぐうっ…!
 でも…まだ……!」
まだ武器を仕込んでいるようだ。
倒れこんだ瞬間に右脚からミサイル発射口を展開し、
イサリに向けてミサイルを撃ち込みに行く。

直ぐ側での攻撃ならば、と考えているようだが…


618 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 23:25:54 nSmZq//w
>>617
「ふむ、悪くないが、この距離で射つのかのう?」
イリアが地面に落下した時には既に、イサリはイリアの前に追い付いていた。
イサリはイリアの足からミサイルの発射口をもぎ取った。


619 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 23:34:22 ???
>>618
「…近い……?」
あっという間にこちらに近寄っていたことに驚く。
そしてまたしても

バギィッ!!
「ううっ……!」
ミサイルの発射口を粉砕され、武器を奪われる。
「ま…まだ……!」
イサリに向けて刃を向ける。
今なら簡単には避けられないと思い

右手の刃を射出。
弾丸のような速さでイサリへ撃ち出しに行く。
彼女の武器は未だあるのだろうか…
背中にもミサイルポッドらしきものが伺える


620 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/18(土) 23:52:46 nSmZq//w
>>619
「おっと」
射出された刃をイサリは左肘と右膝で挟むことで受け止めた。
「今のは危なかったのう。お主もやるのう」


621 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/18(土) 23:59:22 ???
>>620
「…不意をついたつもりでも……
 ダメ…か…」
そう言ってどうにかして立ち上がる。

「…まだ武器はある……!」
背中からも無数の銃火器が飛び出してきた。
これが全力だろうか

「…逃げられないくらいに……!」
そう言って全ての武装の砲門を前方に向けて

ズガガガガガガガガガ!!
一斉射撃を行う。
またしても面での攻撃となるが、
今度は横も上もまとめての砲撃。
逃げられないはず…と考える。

(…これを撃ちつくしたら…
 オーバーヒートで…動けなくなる…
 仕留めなきゃ…これで)


622 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 08:08:06 2ePjAt1g
>>621
オーバーヒートしたイリアはセンサーが使えず、粉塵が晴れるまで何も見えなかった。
そして煙が晴れた後、まだ姿を留めている実験場が目に入る。
さすがに壁や地面は削れ、照明の調子はおかしいようだが、部屋の扉はまだ開いていなかった。

そしてイリアの視界にはイサリの姿は無く、鎧に覆われた左手だけが千切れて転がっていた。


//すいません。寝落ちしてました。


623 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 08:24:57 ???
>>622
「………………う」
全てを撃ち尽くしたイリアは
オーバーヒートして動かない身体の代わりに
視線をあちこちへ向ける。

ちぎれた左手だけが残っている…

「……倒した…?」
一見すれば左手だけを残して消えてしまったかのようだが…
これで倒せたならいいと考える

(どのみち……まだ動けない…
 倒せていたら……良いけど…)
膝をついて、発熱した身体の冷却を待つしかなかった

//大丈夫ですー


624 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 08:43:02 2ePjAt1g
>>623
「くふふはははははは!愉快!愉快じゃのう」
イリアの真後ろに隠れていたイサリが笑いながらイリアを蹴り倒した。
「ワシの腕が千切れてしまった。本当に久しぶりのことじゃのう」
イサリは左腕を拾うと左肩にグリグリと押し付けた。
「むむ、断面がぐちゃぐちゃじゃ。しょうがないのう」
イサリは左腕をイリアの背中に押し付けた。
「吸い取れ、『渦潮』」


625 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 09:05:43 ???
>>624
「がっ…!」
蹴り飛ばされたイリアは前方に倒される形になる。
ふと、振り向けば余裕を見せるイサリの姿があった

(あれだけの攻撃を避けていた…なんて…)
まだ身体の冷却を済ませない内に仕掛けられては何も出来ない

…が、そこでさらに

「あああっ……!エ、ネルギー……急速……低下…あうっ…!」
イサリの妙な力でイリアのエネルギーが吸い取られてしまう。
それは激しい脱力感を伴って襲いかかる。

「ううっ…あ……」
イサリに対して当然ながら良い恩恵を与える糧になるだろう


626 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 09:17:17 2ePjAt1g
>>625
「ふう、やっと繋がったのう」
イサリは左手をイリアから話すとガシャガシャと動かして見せた。
「とはいえ、痛かったのう」
イリアの背中の追加装備をイサリは一つづつむしりとっていった。


627 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 09:26:36 ???
>>626
「………うっ…」
体が全く動かない。
それでも意識ははっきりとしているのだが

ブチブチブチッ
「ううっ…あっ…はぐっ…!」
神経にまで接続していた武器もあったのか
苦痛を伴う悲鳴を、武器一つ一つをちぎり取るたびに上げていく

すべての武器を奪いとるのにさほど時間はかからないだろう


628 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 09:32:25 2ePjAt1g
>>627
「さて、背中も綺麗になったし、さっきのお返しといこうかのう」
イサリはイリアの左腕をグリグリと足で踏みつけた。


629 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 09:47:43 ???
>>628
「あぐっ…!はぁっ……!」
段々と左腕を踏みつける力が強くなるように感じた。

「ぐっ…いた…い……!
 あっ…うあああ……!!」
無表情な顔がまた苦しげなものへと変わっていく。
どんどんと腕がひしゃげていきそうだ


630 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 09:55:33 2ePjAt1g
>>629
「そもそもあんな武器ワシでもなければ塵一つ残らんじゃろ。いったい何を相手にするために有るんじゃ?」
イリアの腕にかかる体重が次第に強くなっていく。


631 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 10:01:37 ???
>>630
「……ぐっ……うううう…!」
悲鳴が更に大きくなる。力が強くなるごとに痛みも強くなっていく。

「あうううっ…ああああ……!
 私は…うっ…」
元々自分は
みずきを傷めつけるという目的があった
そのための装備は、明らかな過剰火力…

しかし、それは知られるつもりがないのだ


632 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 10:16:51 2ePjAt1g
>>631
「くふふ、言いたくないなら別にいいがのう」
イリア腕がメキメキと音をたて始めた。
中の部品が歪んでいくのがイサリにもわかった。


633 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 10:23:12 ???
>>632
「ああああああっ!!
 い、いだ……があああああ!!」
少しずつへし折れていくのを感じる。
痛みに耐え切れずに涙のようなものも流れ始めた。

それでも話すつもりはないらしい。


634 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 13:14:33 2ePjAt1g
>>633
「くふふ、お主泣いておるのか?本当に面妖な人形じゃのう」
イサリはそれを見るとさらに足に力を入れた。
イリアの腕はバキバキと音をたてて折れ曲がった。


635 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 13:25:27 ???
>>634
金属がへし折れるような音が周囲に響き渡り、
イリアの腕はあらぬ方向にネジ曲がった

「う…アアア゛ア゛ア゛ーーーーーッ!!」
これまでで一番の悲鳴が上がる。
そして身体をがくがく震わせながら自分の腕を、
細くなった瞳で見つめる。

「い…痛い…うぐっ…うぅっ…ああっ……」
まるで人間のようだ。
歯をガチガチと鳴らし、涙で顔をクシャクシャにして
自分の折れ曲がった腕を見つめている。

「はぁ…うっ…ううっ…」
だが、今までの状況を踏まえると、
彼女の腕は元に戻ろうとするだろう。
イサリも恐らくそれはわかっている。
ならば、さらなる苦痛を与えようとするだろうか……


636 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 14:06:18 2ePjAt1g
>>635
「おや、折れてしまったのう。まあ、ワシと同じでなおるんじゃろう?手伝ってやろうか?」
イサリは折れ曲がった腕をグリグリと押し込んだ。


637 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 14:10:56 ???
>>636
「うぐっ……ううううう!」
無理やり折れ曲がった腕を押しこまれ、
さらなる激痛に顔を歪める。

しかしながら、それが彼女のダメージを治りやすくしたのは確かなようで

「あ…うっ…」
多少の痛みは残りつつも
彼女の腕は元通りに動かせる程度には治っていた。

「はぁ…うっ…」
エネルギーを得ることができていないようで、
それでも元気に立ち上がるといったことはできていない。


638 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 14:39:48 2ePjAt1g
>>637
「折れた程度では直ぐに治ってしまうのう」
イサリはイリアの左腕から手を離すと、イリアの右腕を持った。
「千切れたらどれくらいで治るかのう?」
そう言うと、イサリはイリアの右腕を思いきり引っ張った。


639 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 15:42:49 ???
>>638
「うぁっ…ぐうううっ…あああああ!!
 や…うああああ!やめて…!」
首を何度も降って拒絶を示すが、
それでも彼女が止まるはずもない。

ミシミシと、ちぎれ始める音が響き始め、
「うああああ…やだああああああ!!!!」
恐怖に震える声が響いたと同時に

ビシビシビシビシ

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!」
彼女の人造皮膚はたやすくちぎれ、
内部の配線やエネルギー供給管、人を模したかのような部分もどんどんとちぎれていった。
彼女の腕からは血液のように液体状の物質があふれだす。
緑色になっていたが、地面にあふれると同時に赤黒い血液の色へと変わった。

「うぐっあっ…ああっ…うっ…」
荒い呼吸を繰り返し、身体をビクビクと痙攣させながら
痛みを感じ続けているようだ。

結合しようとしているかは不明だが、
傷口の修復をしようと、断面がうねっている。


640 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 15:58:57 2ePjAt1g
>>639
「ふむふむ、これも簡単に治りそうじゃのう。ツバでも付けておくか」
イサリはぺろりと自分の指をなめるとその指で腕の断面をなぞった。
電送部品からはバチリとスパークがあがる。


641 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 16:03:58 ???
>>640
「ぐっ…ううっ…
 うっ……」
痛みを感じているが、それでも近くにあれば
修復しようと動くようだ。
すぐ近くにあるのであれば、治ろうとするだろう


642 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 16:13:24 2ePjAt1g
>>641
「くふふ、ならこれはどうかのう?」
イサリはイリアの腕を実験場の奥に投げた。
「ほれ、治りたかったらあそこまで行くのじゃな」


643 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 16:20:48 ???
>>642
「ああっ…私の…腕…」
奥の方へと自分の腕が放り投げられてしまう。

「あれは…
 あれはないと…」
腕が治るのには時間がかかるのだろう。
必死になって彼女は這いずりながら放り投げられた腕の方へと向かっていく

「うぅ…うっ…
 ぐっ…」
エネルギーの回復は、吸収されてしまったせいでできていないようだ。
彼女はずっと泣きじゃくりながら、這いずっていく。


644 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 16:29:29 2ePjAt1g
>>643
イサリは這いずるイリアをゆっくり追いかけた。
「ほれ、手伝ってやるぞ」
イサリはイリアの真後ろからイリアの股間を蹴った。
イリアの体は確かに這っている時よりも早く進んでいる。


645 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 16:38:09 ???
>>644
「うっ!あうっ!」
股間から食らうケリは、普通よりも強烈に響く。
羞恥心を感じてしまい、少し顔が赤くなった。

機械であるにもかかわらず、その部分への刺激も感じているのだろうか。
どこまで人間らしく作られているのかわからない。

「はぁ…うっ…」
だが、ひとまず速く進むことが出来た。
イリアは自分の腕に手を伸ばして、元の場所へくっつけようとしているようだ。


646 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 16:52:00 2ePjAt1g
>>645
イリアは腕まであと少しという所まで進んでいた。
「それ、もう一歩じゃ」
イサリはそう言うとイリアの体が浮くほどに蹴った。
イリアは自分の腕の目の前に落下したようだ。


647 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 17:04:31 ???
>>646
「うぐううううっ…!」
身体が浮き上がるほどの一撃。
体が軽く一回転して地面に落下する。

「はぁ……うっ…
 やっと…うでが…」
どうにか腕を回収した。
あとは自分の腕につけるだけだ。
彼女は断面同士を接合させようと試みる


648 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 17:15:19 2ePjAt1g
>>647
「ほれ、早く繋げたいじゃろ?」
イサリはイリアの腕を掴むとの断面同士を思いきりぶつけた。


649 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 17:18:59 ???
>>648
「うグッ!!!
 うううううっ……!」
ソーっとやっていたにも関わらず
強くぶつけあったせいで、断面同士が潰れかける。
当然それはかなりの痛みとなってイリアに悲鳴を挙げさせることとなる。

「こ、こんなこと…
 ひどい…」
一応修復が始まっている。
痛みも引きそうになっているが……


650 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 17:40:40 2ePjAt1g
>>649
「よかったのう、くっつきそうで」
イサリはうめくイリアを蹴り転がし、仰向けにするとイリアの腹部に足を置いた。
「手足はもう勘弁してやろうかのう」


651 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 18:07:23 ???
>>650
「うっ……あっ…!」
また弄ばれるという感覚を感じ、怯えるように声を上げる。

そして、腹部に何かが感触が当たる

「うっ…ぐううう!」
あの時とおなじ感覚を覚えて、すっかり怯えだしてしまっている


652 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 18:12:18 2ePjAt1g
>>651
「ん?どうかしたかのう?」
イサリは怯えるイリアの顔を覗き込んだ。
そのまま足を振り上げる。


653 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 18:44:58 ???
>>652
「あっ……はぁっ…!
 うぐっ…」
彼女は苦しげな悲鳴を上げながら
身体をよじらせている。

「ぐっ……うううう……
 うっ…やめ…て…」
必死でイサリの踏みつけてくる足を掴んで
どけようとするが、彼女の力は大したことがない。
抵抗を試みる姿はイサリにはどう映るのだろうか


654 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 19:00:23 2ePjAt1g
>>653
「くふふ、今日はもっと先まで行ってみようかのう」
イサリはイリアの手を振り払うとイサリの手ごと踏みつけた。


655 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 19:02:49 ???
>>654
「うっ……うあああっ…!」
振り払ったその手もろとも、腹に沈んでいく。

「う…がはっ…あうっ…ぐぅっ…
 ああ、がふっ…」
段々と自分の腕ごと腹が圧迫されていく。
動かない手の代わりに足がバタバタと動き、痛みから逃れようと身体をはねさせようとする。
このまま沈んでいけばどうなるかは明白だ。


656 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 19:18:32 2ePjAt1g
>>655
イリアの繊細な指が音をたてて折れていく。
イサリはそれでも力を緩めず、むしろより強く体重をかけた。
イリアの腹部からバキバキという音が鳴り始めた。


657 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 19:23:25 ???
>>656
「あぎぃっ…!?
 ああっ…あぐっ……はぁっ…!」
指がへし折れる痛みと同時に
体中に走るのは腹部に走る激しい音。

「ぐあっ……ああああああっ……!!
 がはっ……あっ……あああっ…ぎああああ!!」
自分の腹が潰され、やがて内部の機関も砕き始めたのだとわかった。

「うああああああアアアアあ!!!」
沈み込んでいく感覚は突き刺すような痛みとなって襲いかかる。
内蔵が潰される感覚を再現され、
彼女の身体はビクンビクンと、一層激しく抵抗するように暴れ始めた。

そのたびに揺らされる大きな胸は、一見すれば扇情的なものを感じさせる。


658 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 20:14:47 2ePjAt1g
>>657
イリアの内部がある程度破壊された所でイサリは足を退かした。
「さて、そろそろ良いじゃろ」
イサリはそう言うと自分の左手の小指を噛み千切った。
そしてその指をイリアの腹部に捩じ込んでいった。


659 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 20:34:55 ???
>>658
「がっ……はぁっ…あうっ……」
突然自身にかかっていた重圧が消え去り、急激に呼吸が楽になる。
…が、それも一瞬のこと

「ううっ?!ぎぃっ……あっ……
 あぐぁっ……!がふっ…!」
自分の腹にねじ込まれていく小さな指。
まるで鈍い切れ味の槍のように彼女の身体をえぐりながら腹部に入り込む。

「なっ…なにをっ……うああっ!!」
彼女が何をしているのか、痛みで理解が追いつかない。
ショートしそうな思考を必死で押しとどめながら声を上げた


660 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 21:01:08 2ePjAt1g
>>659
「よしよし、ちゃんと入ったのう」
イリアの腹部の傷が治って行く。
イサリは指が押し出されないように押さえながら言った。
「実はワシはそろそろこの町を離れようと思ってのう」


661 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 21:16:17 ???
>>660
「うっぐっ……うっ…
 異物が……身体の中に…!」
押さえ込んでいる腕の下に
指が入り込んでいることがわかった。
治っていく中でも、その異物感を排除できない。

「離れる……
 何の…ため……に…」


662 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 21:35:20 2ePjAt1g
>>661
「何故も何も、ワシは産まれてからずっと旅をしておるからの。一つの町には一月しかおらぬ」
イリアの中に指が残り、そのまま傷が塞がったことを確認したイサリはイリアから手を離した。
「ワシはお主が気に入ったのでのう、これで離れてもいつもワシと一緒じゃ」
イサリが左手の指をくいくいと動かす。
それに合わせてイリアの中に残った指も動いた。


663 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 21:36:37 ???
>>662
「……」
彼女の言葉を聞いて、安堵しそうになる心がまた震えた

「う…あ…
 そ、それはもう厭なのに…」
身体の中で指が動く感触を感じて
ぞっとした感覚を覚える。

「はぁ…う…」
自分のお腹を触ってみる。
どこにあるのか、それが恐ろしく感じられてしょうがない


664 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 21:49:59 2ePjAt1g
>>663
イサリは実験室のドアを開けた。
「今日はこれで終わりじゃ。しばらく会えなくなるが、ワシのことを覚えておいてくれると嬉しいのう」
イサリは実験室を出て廊下の闇に消えていった。
「また会える日を楽しみにしておるぞ」


//と、いうわけでエピローグに入ろうと思いますがよろしいでしょうか?


665 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 21:52:15 ???
>>664
「う…あ、待って…」
彼女は、こちらの制止の声も聞くこと無く、
一気に立ち去っていった

「……………………」
しばらくして、彼女は自分のエネルギーが元に戻ったことに気づき、
ゆっくりと起き上がって辺りを見回した

(もういない・・……)
どこからも彼女の存在を感じなかった。
ただ感じられたのは、お腹の中に入った何かだけ…

//いいですよー。


666 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 22:04:51 2ePjAt1g
>>665
とある町の路地裏に少女のすすり泣く声が響く。
ビルとビルの間で倒れている少女。そこに一匹の鬼が腰かけていた。
「くふふ、今夜も堪能したのう」
鬼は満足げな顔で空をあおいだ。
そして夜空に向けて、小指の欠けた左手をかざした。
「あのカラクリ娘は元気かのう、ワシのこと、覚えているかのう」
鬼は呟きながら左手を開いたり、閉じたりを繰り返した。


667 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 22:08:22 ???
>>666
一方の遠い街で…

「うっ…うっ……」
自分のお腹に感じる感触。
まるで自分を弄ぶかのように身体に響く。

「…うう…あの人が…
 また…」

みずきにどうしたのかと尋ねられる。
なんでもないと返すが…それでもいつ気づかれるのかコワイ

「…あう…
 ううっ…」
あの時の恐怖をその度に思い出して
身体をよじらせて震え上がるのだった…


668 : 名無しさん :2016/06/19(日) 22:23:30 2ePjAt1g
>>667

ありがとうございました。
時間の移動など割りと好き勝手にやってしまってすいません。
楽しんで頂ければ幸いです。


669 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 22:26:02 ???
>>668
「ううっ……う…」
今もどこかで自分を弄んでいる…
そう思って、彼女は何度か

「うっ…」
自分のお腹を切り開いて取り出そうかと思った。
だが……痛みを恐れて出来ない…

「うううっ…うあああ……」
恐怖だけが増幅されて、
イリアは夜中に一人で泣きじゃくっていた…。

//どうもありがとうございました。
//ひとまずこんな感じで終わりにします。


670 : イサリ  ◆11jMx8Pg9s :2016/06/19(日) 22:42:25 2ePjAt1g
>>669
ありがとうございます。
最高のエンドでした。


671 : 龍ヶ崎イリア ◆ztq7pWnU8A :2016/06/19(日) 22:43:25 ???
>>670
こちらこそ、いい感じにリョナられていまして
良かったと思います。ありがとうございました。


672 : ラファ ◆DcY/jpwXKM :2016/06/19(日) 23:40:53 ???
ファイナルファンタジータクティクスのIFストーリーで募集してみるわ。
対象の暗殺に失敗し捕まり、拷問、凌辱
見せしめとして街なかを引き回し、最後は公開処刑されるイメチャをしたいわ。


673 : ラファ ◆DcY/jpwXKM :2016/06/20(月) 00:15:11 ???
落ちるわ


674 : アリス・桜 ◆VktIN.Uk36 :2016/06/20(月) 22:30:01 ???
>>672
もし、特定のシチュエーション限定ということでなければ、こちらに希望シチュエーションやNGなどを書いておくと良いかも知れません。
特定シチュエーション限定募集で余計なお世話だったらごめんなさい。

【オリジナル】なりきりチャット受けキャラ投稿【版権】
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1422884972/l30


675 : アティ ◆7tMes8vyTs :2016/06/20(月) 23:48:18 ???
【キャラ名】アティ
【出典】サモンナイト3
【性格】おっとりとしていて、心優しい性格。
【希望プレイ】無色の派閥に捕まって拷問
【希望シチュ】拷問、凌辱、引き回し、公開処刑のようなプレイを希望です。
【NG】スカ


676 : 名無しさん :2016/06/21(火) 20:40:06 10nZWW5c
なぜ版権物はマッチが成立しないのか。


677 : アリス・桜 ◆VktIN.Uk36 :2016/06/21(火) 21:42:16 ???
>>676
前スレッドではマッチングしていましたので、趣向の合う合わないという問題ではないでしょうか。


678 : 名無しさん :2016/06/21(火) 22:19:51 10nZWW5c
>>678
あー、詳しいシチュエーション言われても分かんなかったりしますしね。


679 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/25(土) 00:13:04 5qYVSCac
お相手募集中です

責めキャラ

イサリ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1422883109/57

クロハ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1422883109/58

受けキャラ

星野みあ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1422884972/48


680 : 聖ジェシカリナ :2016/06/26(日) 02:37:09 ???
お相手してくれる方を募集してみます。
希望シチュやらは受けキャラ投稿に挙げてみましたので、お相手してくださる方はぜひお願いします。


681 : 聖ジェシカリナ :2016/06/26(日) 21:32:48 ???
【昨日に引き続き、お相手してくださる方を募集してみます。】


682 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/29(水) 17:02:24 ???
責めキャラで相手募集

既にチャットされた方も是非

キャラは>>62-64
マコは更新したものです


683 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/29(水) 20:39:16 cp10R6wY
>>682
ぜひお願いしたいです。


684 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/29(水) 22:04:22 ???
>>683
やりましょうか
希望のシチュなどありますか?


685 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/29(水) 22:07:24 ???
>>684
特には、おまかせします。
キャラは受けキャラスレにさっき投稿した50レス目のにしようと思うんですがよろしいでしょうか。


686 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/29(水) 22:09:02 ???
>>685
わかりました

ネアあたりに因縁をかけられて、話の展開次第で他の兄弟参戦という感じにしましょうか


687 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/29(水) 22:16:34 ???
>>686
ではそれでお願いします。


688 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/29(水) 22:25:19 ???
>>687
【では、お願いします】
慌ててコーヒーショップから抜けだす
二人組の少女
フィーアとカナメは、うっかりギャルっぽい女子高生(ネア)にコーヒーをぶちまけてしまったのだ

ひどいヒスを起こしたネアからにげるように店を出た

フィーアが息を切らせて立ち止まる
が、確かに誰もいなかった空間にネアが現れる
ネアが両手を上げると、ネアの手に腎臓が現れた
その腎臓はフィーアとカナメのものであることを二人は腹部に起きる異変で理解した


689 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/29(水) 22:48:36 ???
>>688
「はぁはぁ……ダメだよカナメ。ちゃんと謝らないと」
フィーアの予知で三日後に追っ手が追い付くことを知った二人は休憩していた店から出る途中にギャル風の女子高生にコーヒーぶちまけ、この路地裏まで逃げてきたのだった。
「いや、逃げて正解だったわぜ。同類かもしれない」
「へ?瞬間移動?」
目の前にはいつの間にか先程の少女が立っている。
そして手を上げた彼女の手には二つの腎臓が現れた。
研究所で散々見てきた二人には見慣れたものであったが……
「お前……何をした!?」
彼女の手にあるのは二人の腎臓だった。


690 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/29(水) 22:54:42 ???
>>689
「あれ、意外と驚かないのね。気に入らない」

ネアは腎臓を捨てる

「手が汚れちゃったじゃない」
イライラしたようすで、手の血を振るう

「じゃあ、これはどうかしら」
空間に断裂を起こし、目に見えない斬撃が二人を襲う
さほど大きくはないが、まともに食らえば服と皮膚はずたずたになるだろう

【続きは明日とさせてください】


691 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/29(水) 23:24:34 ???
>>690
「フィーア、危ねぇ!」
「ふえ?」
カナメがフィーアを抱えて跳ぶ。常人では考えられない距離を移動した。
「か……カナメ、空間が切れてるよ」
「マジかよ。さっさと逃げるぞ。こんなところで怪我してちゃ奴等に追い付かれちまう」
「あ、待って、おろして」
フィーアはカナメの腕から出ると少女に少し近づいた。
「あ、あの。コーヒーこぼしてごめんなさい!あと逃げちゃってごめんなさい!」
フィーアはペコリと頭を下げた。
「おいバカ!そんなの通じる相手じゃねえだろ!」

【はい。おやすみなさい】


692 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/30(木) 05:09:36 ???
「ぷっ くくく あーっはっはっはっはっは。ジョークでしょ!ジョークでしょ!笑い死にしちゃう」

何がおかしいのか、ネアは体を仰け反らせながら笑う

「ただ謝るだけじゃあさ。やっぱり足りないよね」
少年の声が路地裏に響いたと思われた瞬間、フィーアの足元の地面が変形し、フィーアは
コンクリートとアスファルトの変形した檻に閉じ込められた
カナメは念動力で檻を破壊しようとしたが、なぜか力が使えない

「面白そうだな。オレも混ぜろよ。そこのショートカットの、俺と勝負してくれないか。あ、その妙な力は封じさせてもらったけどな。真っ向勝負にならないだろう」
カナメの背後に別の男が現れた

「マコ、それにお兄ちゃん」


693 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/30(木) 05:41:38 ???
>>692
「フィーア!ちっ、こんなもの捻り潰して……何?」
檻を破壊しようとするが能力が発動しない。
「おい、てめぇら何者だ。なんの目的でこんなことを」


694 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/30(木) 05:44:02 ???
>>693
「別に。ただ、おもしろそうかなと思っただけだね」

カナメに向かってザラが走り出す
顔面に拳を叩き込もうとしてるようだ


695 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/30(木) 06:28:09 ???
>>693
「チッ、待ってろフィーア。こいつらのしたら直ぐ助けてやるよ」
カナメは走ってくる青年に向けて蹴りを放った。


696 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/30(木) 09:40:32 ???
「ははっ いいけりだ。でも、女だな。軽いぞ」

蹴られたことをものともせず、脚を掴む
そして、振り回して勢いをつけて壁に叩きつけた


697 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/30(木) 18:46:43 ???
>>696
「カナメ、大丈夫!?」
フィーアはカナメに駆け寄ろうとするが、檻に阻まれて動けない。
「ああ。何だあいつ」
「あの人凄いパワーだよ。正面からじゃ絶対勝てないよ」
カナメはゆっくり起き上がると壁を這うパイプの一つをもぎ取って構えた。
「次はこうはいかないぜ」
カナメは回り込み、青年の後頭部に鉄パイプを叩き込もうとする。


698 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/30(木) 18:53:05 ???
鉄パイプを叩き込もうとしたとき、カナメの手から鉄パイプが消える

代わりに鉄パイプを持ったネアにカナメは頭を打たれた

「余計なことするな!ネア」
「だって最初の発端は私だし」
「それもそうか。少し考えるから待ってろ」


699 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/30(木) 19:06:49 ???
>>698
「くそ、妙な技を使いやがって」
カナメはよろよろと立ち上がって少女を睨み付けた。頭からは血が流れている。
「カナメ、本当に大丈夫?」
「ああ、直ぐなおる」
カナメはさらにもう一本鉄パイプをもぎ取った。


700 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/30(木) 19:37:18 ???
ザラ「よし、いいことを思いついたぞ。ネア。ボソボソ」
ネア「OK、兄ちゃん」
マコ「それと、そんなもの使うのは真っ向勝負に反するよね」

マコの振るった邪剣フィアーの刃が伸びて、鉄パイプごとカナメの体を切り裂き、
カナメは袈裟斬りに傷がつく

カナメと同じ傷がフィーアにもいた

ネア「これから、あんたの傷と同じ傷を転移でその子にも移すから、そのへんよろしくね♡」


701 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/30(木) 20:37:11 ???
>>700
「ぐっ……」
「きゃあ!」
カナメとフィーアが同時に悲鳴をあげる。
「ふざけるな!コーヒー溢したのはあたしだろうが。フィーアに手を出すんじゃねぇ!」


702 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/30(木) 21:12:03 ???
ネア「いいじゃない。そのほうが面白いよ」
ザラ「そら、いくぞ」

ザラは拳の連打を見舞う

カナメはなんとかかわそうとするが、全てはよけられない


703 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/30(木) 21:38:04 ???
>>702
「あうぅ……痛い」
「フィーア!くっ……」
カナメは大きく距離をとって青年から離れた。
「くそ、これでどうだ」
カナメは再び青年の後ろに回り込んだ。


704 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/30(木) 21:58:12 ???
素早くまわいrこんだ
が、さらに早くザラのでかい手が、カナメの頭を掴む

凄まじい握力で、頭を握られて頭蓋骨が軋む音が響いた


705 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/30(木) 22:07:01 ???
>>704
「うあぁぁぁぁ!」
「いやぁぁぁぁ!」
路地裏に二人分の悲鳴が響く。
直接攻撃を受けていないフィーアも頭を押さえてうずくまっていた。
「この、放せ!」
カナメは足で青年を何度も蹴りつける、


706 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/30(木) 22:10:00 ???
「このままじゃ面白くないな。よし」

ザラがカナメに魔力を送り込むと
カナメに力が湧き上がってきた

凄まじい蹴りを放ち、アイアンクローから逃れることができた
しかし、カナメの脚から激痛とともに血が吹き出した

「力を与えてやったが、お前にはすぎた力だったな。オーバーパワーだ」
「まあ、頑張ってみてよ。力はあがってるはずだからさ」


707 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/30(木) 22:27:26 ???
>>706
「あああぁぁぁぁ!」
蹴りを放ったカナメが絶叫する。
強すぎる力を放った影響で筋肉は断裂し、骨はグシャグシャに折れていた。
「痛い……痛いよぉ」
身体が強化されたカナメの肉体ですら耐えきらないエネルギーに、フィーアの貧弱な体が耐えきれるはずもなく、フィーアの足はカナメよりもさらにボロボロになっていた。


708 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/30(木) 22:30:12 ???
「そらどうした!わざわざ与えてやったその力で、反撃してみろ!」

立ち上がれないカナメに、容赦なく蹴りを何発も叩き込むザラ


709 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/30(木) 22:59:57 ???
>>708
「うぅ、痛い……」
「ぐっ……このやろう」
檻の中でぐったりするフィーアを見たカナメは青年の足を掴んで握りつぶそうとした。


710 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/30(木) 23:15:19 ???
ザラの右足が潰される
「そうだ。それでいい」

今度は両手でカナメの首を掴む
ネックハンギングの状態で首を絞めていく


711 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/30(木) 23:28:28 ???
>>710
「ぐぅっ……」
両手で首を絞められ、意識が飛びそうになる。抵抗もできないフィーアは既にぐったりとしていた。
「カナメは治りかけの足で再び青年を蹴った。」


712 : ◆XksB4AwhxU :2016/06/30(木) 23:39:38 ???
再びネックハンギングから逃れる

ネア「あははははは。兄ちゃんなんか手こずってない?」
ザラ「ちっ なら見ていろ」

息を整えるカナメの腹に蹴りを叩き込む
腹を抑えて悶えるカナメとフィーア

今度はチョークスリーパーの体勢で、カナメをおとしにかかる


713 : ◆11jMx8Pg9s :2016/06/30(木) 23:57:46 ???
>>712
「くっ……」
何とか抜け出そうとするカナメだが、窒息により急速に意識が薄れていく。
体からはがっくりと力が抜けてしまった。


714 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 00:01:48 ???
>>713
「何を寝ている!」
スリーパーを解き、今度は地面に押し倒し、
馬乗りになって拳を打ち据えるマウントパンチの姿勢になる

地が飛び散り、骨が砕ける音が響いた


715 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 00:07:26 ???
>>714
「ぐっ……がっ……」
「やっ……ひうっ……」
殴打音とともに二人の悲鳴が響く。
「ぐぅっ……フィーア……」
カナメはがむしゃらに青年に向かって殴り返した。


716 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 00:10:05 ???
「ちっ!」
カナメの拳がいいところに入ったらしい

カナメはスキを見つけて抜け出した

「なーにやっちゃってるの兄ちゃん」
「ふん」

【本日はここまでとします。何か希望の展開などあったら言ってください】


717 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 00:21:13 ???
>>716
「へっ、大したこと、ないぜ」
カナメは壁に寄りかかって息を整えていた。
「フィーア、大丈夫か?」
返事は無い。必死になって息を整えるフィーアには質問に答える余裕は無かった。
(くそ、どうやって逃げればいい)
カナメの頬を血と汗が伝った。

[そろそろフィーアに直接危害を加えて欲しいです]


718 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 04:16:19 ???
増幅された力のキックバックによってカナメの体も限界に近づきつつあった
カナメを心配そうに見守るフィーア

マコ「ただ見ているだけじゃ、やっぱりつまらないよね」

マコが腕を動かすと、フィーアを捕える檻が広がる
そして、地面が隆起する
その様子は相撲の土俵とプロレスのリングを合わせたようなものとなった
マコ「フィーアちゃんと言ったね」
フィーアの前に降り立つマコ

マコ「せっかくだから、僕と遊んでよ。相撲は知ってるよね。僕を土俵の外に出せれば自由にしてあげるよ。ただし」
マコが指を鳴らすと、土俵の周りに刺が現れる
マコ「落ちたらただではすまないけどね」


719 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 07:48:04 ???
>>718
体がボロボロのカナメと違い、回復力の高いフィーアの体は殆ど治っていた。
「す……相撲?知ってるけど、わたし力無いし……」
フィーアは回りの棘に怯えて乗り気では無いようだ。しかし解放してもらえるという条件は気になっているようだ。


720 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 09:48:07 ???
マコ「そうだね。今のままじゃ君に100%勝ち目はないだろうし。よし」
マコは懐から布を取り出すと目隠しのように巻いた
もう一つ耳栓も取り出した

「僕は目も耳も聞こえない状態にしよう。ああ、それと」
「兄さん、姉さん、しばらくこの子へのダメージの転移は止めてね。いいでしょう!」
ザラ「ちっしょうがないな」
ネア「なんだか段々私はぶられてない? まあ、いいけどさ。 そのかわり、後でチョコパフェ奢ってよね!」
マコ「そういうことで。トゲが怖いなら少し変えてあげてもいいよ。もちおrん、君は何度落ちても土俵に戻っていいよ」

【少しエッチな責めなどもありでしょうか?】


721 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 15:40:50 ???
>>720
「おいフィーア、そんなのやることはねぇ。檻がないなら逃げればいい」
カナメがフィーアに近づこうとするが、壁から背を離した途端に崩れ落ちてしまう。
「だめだよ。いまのカナメじゃ逃げられないよ」
「くっ……」
カナメの様子を見たフィーアは立ち上がった。
「大丈夫。今回はわたしがカナメを助けてあげる。でも、刺はちょっと怖い……」


722 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 16:20:10 ???
>>720
【大丈夫です】


723 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 17:13:29 ???
マコ「トゲは怖い、じゃあこうしようか」
マコが指を鳴らすとトゲが軟体生物のように蠢き始めた

「イソギンチャクの触手みたいなものとおもえばいいよ。血が出たり、いたずら好きだから変なところに潜り込まれたりはするかもね」
「逃げるのは勝手だけど、その場合あのショートカットのお姉さんがよりひどい目にあうことはわかるよね」
「じゃあ、始めようか」
マコは目隠しと耳栓をする

「さあ、どこにいるかなフィーアちゃん」
マコはウロウロと土俵の上を歩き回る
「フィーアちゃん、フィーアおねえちゃん」
マコが土俵の際ギリギリを歩き回る、少し押せば押し出せるかもしれない


ザラ「意地が悪いな。マコ」
ネア「違いないね」
ザラとネアも奇妙な相撲を観戦している
不意がつけるかもしれない


724 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 17:19:16 ???
>>723
「よ……よし」
フィーアは冷静に少年の後ろに回った。
「えいっ!」
そして渾身の力を込めて少年に向けてぶつかっていく。


725 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 17:43:34 ???
マコ「おっとっと」

マコは少しバランスを崩すが一押し足りなかったようだ
そして
「えへへ。そこにいたね」
フィーアにしがみつく
小柄なフィーアよりさらに小柄なマコが抱きつくそらは、姉に甘える弟のようでもある
「えへへ。フィーアちゃんおっぱい大きいんだね。ネア姉さんより大きいかも」
フィーアの胸に顔を埋めてモゾモゾと動く
「えい」
フィーアの胸にマコが噛みついた
マコの鋭い犬歯は、衣服の上からフィーアの豊満な乳房に食い込んだ


726 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 17:59:23 ???
>>725
少年にしがみつかれたフィーアは必死で振りほどこうとするが非力なフィーアでは上手くいかない。
「やだっ、は……離れてよぅ」
胸に顔を埋められたフィーアは色白な顔を真っ赤に染めて叫んだ。
「い……痛っ……」
そして胸に噛みつけられたフィーアはへなりと尻餅をついてしまった。


727 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 18:05:41 ???
マコ「えへへ。そんなのじゃ、自由になれないよ。フィーアちゃん」
さらに強く噛み締める
ビリビリ
マコが顔を胸もとから離すと服が敗れ乳房が露出してしまった


728 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 18:17:40 ???
>>727
「い……いやっ」
フィーアが慌てて胸元に手を寄せる。
「おい、テメェ!フィーアになにしやがる!」
まだ傷が治りかけのカナメが土俵に向かって走っていく。


729 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 18:41:24 ???
ザラ「お前の相手は俺だろうが」

カナメに向かって制裁だとばかりに胸に正拳突きを叩き込む

マコ「うーん、フィーアちゃん」
再びマコは土俵のうえを歩き回る


730 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 18:58:56 ???
>>729
「ぐぅっ……」
カナメが再び膝をついた。
「カナメ!」
フィーアはカナメのもとに駆け寄ろうとするが、蠢く触手のせいで土俵から降りられない。
「は……早く勝たないと」
フィーアは少年に向かっていくが、胸を隠しながらなので消極的な動きしかできない。


731 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 19:08:25 ???
ザラ「まだまだだ」
ザラはカナメの髪の毛を掴んで立たせる

またマコが土俵の際に移動した


732 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 19:14:13 ???
>>731
「邪魔……するな!」
カナメは青年に向けて拳を放った。
さらに倒れ込むように体当たりする。

「今度こそ、えいっ」
フィーアは再び少年にぶつかった。


733 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 19:20:35 ???
マコ「わざわざ声だしちゃ、だめじゃないかな」
しゃがんでフィーアの体当たりをかわすマコ

マコ「えへへ。次はこっち」
マコはフィーアのワンピースのスカートの中に頭を潜り込ませた
「うーん、へへへ」
今度は下着を破ってしまう
「この目で見れないのが残念だよ」

ザラは不意打ちぎみにカナメの体当たりをくらい、一緒に倒れていた
「そうだ。それでいい。これぞ真っ向勝負」


734 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 19:22:01 ???
【すいません、耳栓設定を忘れてましたが、このまま進めてください】


735 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 19:30:56 ???
>>733
「いやっ、出てって、離れて!」
フィーアは抵抗するが、かなり混乱している。
服の上から少年を叩くがほとんど効果がない。


「あたしはかなり石頭だぜ、覚悟しろ!」
カナメは青年に向けて思いきり頭を降り下ろした。


736 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 19:56:02 ???
マコ「さて、そろそろ」
股ぐらに頭を入れて、フィーアの体を持ち上げる
「あそこにいってみなよ」
そして、触手の中に落とされた

「お前は石頭かもしれないが、こっちは石をかみ砕く顎だぞ」
カナメの頭にザラが大口を開けて噛みつく
頭の皮膚が頭蓋骨ごと剥がされるような痛みと流血がカナメを襲った


737 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 20:05:59 ???
>>736
「あっ……やっ……」
フィーアは持ち上げられ、バランスを取ろうとするが、その前に背中から触手の中に落とされる。
「やだっ……入ってこないで!」
服に入り込む触手に追われ、急いで土俵に戻ろうとする。


「きゃあぁぁぁっ……!や、やめ……」
頭部を深く噛まれたカナメはたまらず悲鳴を上げた。あっという間に主導権を奪われてしまった。


738 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 20:10:57 ???
ザラ「意外とかわいい声も出せるじゃないか。」
頭に噛みついたまま立ち上がり、そのまま驚異的な顎と首の力で、振り回し

ザラ「そら、仲間のところにいきな」
フィーアのそばまで投げ飛ばされた
フィーアは触手に囚われている

【希望などなければそろそろ終わりにします】


739 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 20:18:58 ???
>>738
「カナメ、カナメぇ」
フィーアが近くに落ちてきたカナメに手を伸ばす。
「ごめんなさい……わたし、勝てなかった」
カナメは頭部の怪我が酷く、立ち上がることができなかった。触手に絡めとられていく。


740 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 20:33:37 ???
触手に捕らえられているうちに、服を剥ぎ取られていく。

ネア「あ、そうだ」
ネアの一声で、触手ごと二人が消えた

ザラ「おい、ネア」
ネア「いいじゃない。元々はわたしのことだったんだし。いい気味じゃない」

人通りの多い街道

人々の喧騒が響く
突如現れた触手に捕らえられる二人の半裸の少女が、人々の注目を集めていた

【締めをお願いします】


741 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 20:45:25 ???
>>740
「へっ?」
「なっ……」
二人は触手に捕らわれたまま街道に転移された。
「うそ……見ないで……うえぇぇぇ」
フィーアは耐えられずに泣き出してしまう。
「やめろ、見るな!見るなぁ!」
カナメは狂ったように暴れるが、逆に人々の注目を集めるだけだった。
人々は写真を撮り、二人の姿はあっという間に広がっていった。

【ありがとうございました】


742 : ◆XksB4AwhxU :2016/07/01(金) 20:48:07 ???
ありがとうございました。フィーアちゃんはあまりいじめられなかったようなきもしますが、たのしんでもらえたなら幸いです


743 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 20:53:30 ???
>>742
ありがとうございます。
こちらこそカナメを乱暴にしすぎたかと思ってましたが……。


744 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/01(金) 22:26:43 rRRPKqek
今から日曜日の夜にかけて相手を募集します。
キャラは
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1422883109/65
です。責めキャラです。

夜の1時〜朝の7時の間以外は大体対応できます。


745 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/08(金) 17:21:29 1LRNQY0M
週末できる人募集です。


746 : 御坂美琴 ◆xAulOWU2Ek :2016/07/08(金) 23:38:27 ???
とある魔術の禁書目録の人と何かしたいわ。
とりあえず相談から


747 : 名無しさん :2016/07/09(土) 13:27:54 ???
>>745
その攻めキャラ、魅力的なので興味あります。


748 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/09(土) 14:29:08 ???
>>747
こちらは何時でも可能です。


749 : 名無しさん :2016/07/09(土) 16:04:03 ???
>>748
ありがとうございます。
本日ならば17:30〜21:00の間でお願いしたいです。

こちらのキャラなのですが、何か希望等はございますか。
もし無ければ遊戯王リョナスレで定番の
ブラックマジシャンガール(http://livedoor.blogimg.jp/pikesute/imgs/d/4/d40f104a.jpg)
でやってみたいです。元々がカードなので人格を勝手につけてしまう形になりますが…。


750 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/09(土) 16:17:28 ???
>>749
了解しました。遊戯王はやったことありませんがそのキャラで大丈夫です。
こちらのキャラは>>744ということで大丈夫ですか?


751 : ◆8bsLzw5jJM :2016/07/09(土) 16:26:53 ???
>>750
ありがとうございます。
特に遊戯王のルールとかは特に関係なしに、ただ単にこういう格好の
戦闘力の高い魔法使いの女性を相手にする、という形でお願いします。
>>744のキャラで大丈夫です。
少年吸血鬼、かなり魅力的です。

一応、トリップをつけておきます。それでは17:00頃によろしくお願いします。


752 : ◆11jMx8Pg9s :2016/07/09(土) 17:17:31 ???
>>751
こっちからは特に状況のリクエストはありませんので導入部はおまかせします。


753 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/09(土) 17:33:57 ???
【了解です。じゃあ簡潔に噂聞きつけて討伐にきたみたいな設定で】
【よろしくお願いします】

ここね。最近、女の子達が襲われているって聞いたけど…。
もし本当だったら許せない。

…単なる噂に過ぎないかもしれないけど。
話が本当なら目隠しした少年に襲われたとかいう変な事になるし。
まあ、警戒するに越したことは無いでしょ。
(杖をくるくると回して弄びつつ、辺りを警戒する)


754 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/09(土) 17:44:12 ???
>>753

「ふぅ、よかったよかった。ムサい男だったらどうしようかと思ってたよ」
ここ数日普通の女の子を襲っていたのはより強い女の子が討伐に来るようにするため。強い女の子の方が血は美味しいし戦いも楽しいからね。
「さて、まずは挨拶代わりに一撃!」
(夜の森を飛びながら接近、ナイフを投げる)


755 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/09(土) 17:51:54 ???
>>754
うっ!? だ、誰!
(聞こえてきた声に反応して慌てて身構える)
なっ…本当に子供…?
言っておくけど、その話が本当だったら子供だろうと許さないよ!

きゃっ!
(突然飛んできたナイフに驚いて)
くっ…いきなり危ないじゃない…
(ぎりぎりかわすも、衣装を掠めてピンク色のスカートに切れ込みが入る)
でも、こういう事をするってことは、噂は本当だったみたいね!
(キッと相手を睨みながら杖を構えた)


756 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/09(土) 17:59:20 ???
>>755
「ああ、やっぱりボクに会いに来てくれたんだよね。嬉しいなあ」
ならボクの家に招待しなくちゃね。
(さらにナイフを投げながら遠ざかる)


757 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/09(土) 18:03:22 ???
>>756
いくわよ…ブラックバーニン…ってちょっと!
(必殺技をかっこよく放とうとした所で)
(今度は距離を取られてしまい失敗に終わる)

くっ、待ちなさい! 逃げるつもり!?
(慌てて後を追い始める)
そんな投げナイフ、もう見切ったし。観念しなさい!
(ナイフを回避しながら、魔力を使って自分も空を飛んで追いかける)


758 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/09(土) 18:08:38 ???
>>757
驚いたなぁ。飛べるんだ。
「ほら、遅いよ。森の中ならボクの方が速いみたいだね」
(森の中を飛びながら付かず離れずの距離を保ってナイフを投げる)


759 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/09(土) 18:16:18 ???
>>758
こう見えて魔法使いだからね。
さあ、覚悟してもらうから!

うくっ…木々が邪魔で…追いつけない…。
(森の奥深くに入られると、樹が邪魔になってしまい巧く飛べず)
くあっ!?
(ついに素肌の部分にナイフが掠って、血が少し流れる)
こ、こんな攻撃…効かない!
(若干焦りながら、杖を構えて)
今度は私の番!

はあっ!!
(魔力を少し溜めて弾丸のように杖から撃ち出して攻撃する)
(牽制程度にしか仕えないが子供相手なら十分…と思っているようだ)


760 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/09(土) 18:20:38 ???
>>759
「おっと、危ない」
(魔力弾を回避し、その勢いで相手の視界から逃れる)
でも今当たったね。血の臭いがする。
(そのまま視界の外から接近し、傷口をぺろりと舐める)


761 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/09(土) 18:27:28 ???
>>760
くっ…当たらない…!

ど、何処に…!?
(視界から消えてしまい辺りを見回すが)

 ひ っ !
(むき出しの肩辺りを舐められ、恐怖と気持ち悪さに悲鳴をあげる)
こ、のっ!!
(咄嗟に腕を使って振りほどこうとする)

【どこに傷を負ったか書き忘れてましたすいません】
【肩辺りということにしておいてください】


762 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/09(土) 18:31:26 ???
>>761
「おいしい、期待以上だよ」
(くるりと後ろに組み付き、首筋に噛みつく)
「もっと飲みたいな」


763 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/09(土) 18:39:16 ???
>>762
はっ!?
(腕を振るうも回りこまれてしまい)

ああっぐ!?
(ずぶりと噛み付かれて、びくっと痙攣した後)
(苦痛に顔をゆがめながら)
は、放せ…っ! 放してっ…!


764 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/09(土) 18:46:24 ???
>>763
「ごくっ、うん、いい魔力だ。この血はボクと相性がいいみたいだ」
(すっと離れるとさっきよりも速いスピードで飛び回る)
「ふふっ、こんなに早くなった」


765 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/09(土) 18:52:36 ???
>>764
あうっ…
(まだちょっと吸われただけなのだが)
うくっ…ま、魔力を吸収した…というの…?

だ、だったら…もたもたしてたら…やられちゃう…。
(魔力を今度は大きく溜め始め)
早いところ、勝負を決めないと…!

ブラック・バーニング!!
(杖の先から必殺技を放とうとする)
(スピードに対して大きな攻撃で吹き飛ばそうとしているらしいが)
(魔力を溜める時間で大きな隙が出来てしまっている)


766 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/09(土) 18:58:07 ???
>>765
魔力が溜まってるね。大技を使うつもりかな?でも
「隙だらけだ!」
(右手目掛けて数本のナイフを投げる)


767 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/09(土) 19:04:03 ???
>>766
ぎゃあっ!?
(ドスドスドスっ! ナイフが右手に突き刺さり)
(痛みの余り汚い悲鳴を上げる)

ああっ、し、しまった…!
(杖を落としてしまい、慌てて拾おうと左手を伸ばすが)
(今度は隙どころか無防備な姿を晒してしまう)
こ、このままじゃあ!


768 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/09(土) 19:32:23 ???
>>767
「それっ!これはどうかな?」
(後ろに回り込んで足を切りつける)


769 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/09(土) 19:35:59 ???
>>768
あがっ!?
し、しまっ…うああああーーーーーっ!
(むき出しの足を切りつけられ悲鳴をあげ)
(がくりと倒れ込む。大腿部からは切り付けられ血が滴り落ちる)

こ、このぉっ!
(左手でなんとか杖を掴むと)
(もう一度、魔道弾を放つ)
(とても効果があるようには思えないのだが…)


770 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/09(土) 19:40:15 ???
>>769
「痛っ、しまった!」
なーんてね、演技だけどね。
(わざと被弾し、墜落するように近くの洞窟へ入っていく)
追いかけておいでよ。ボクの家まで。


771 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/09(土) 19:45:32 ???
>>770
あ、当たった!
逃がさないわよ…。
(演技にまんまと騙され、洞窟へ逃げ出したと判断し)

うくっ…!
(右手に刺さったナイフを抜きつつ)
あ、あまり回復に魔力は回せないわね…。
(とりあえず止血程度に留めつつ)
(洞窟の中へと追いかけていく)

…もう逃げても無駄よ!
出てきなさい!!
(暗い洞窟の中で警告するように叫んだ)


772 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/09(土) 19:50:28 ???
>>771
「ふふふ、ようこそボクの家へ」
(超音波を放ち、共鳴現象によって天井を崩し、入り口を塞ぐ)
「これで逃げられないよ」
この入り組んだ洞窟でボクを追えるかな?


【すいません、これから一時間半ほど変身が出来なくなりますがどうしましょうか?また明日にしましょうか?】


773 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/09(土) 19:53:19 ???
>>722
【了解しました。ではまた明日にして頂けると嬉しいです】
【また17:30頃には来れると思うので】
【明日その時間帯にこちらから続きを投稿いたします】


774 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 17:28:47 ???
>>772
うっ、ああああーーーっ!?
(超音波の衝撃に耳を塞ぐ)
くっ…し、しまった…狙いは入り口の方だったのね…。

…確かに逃げられない…けど…。
私、逃げるつもりは最初からないからね。

あなたこそ、逃げずに闘ったらどうなの!
(ようするに出て来いと言ってるようだ)


775 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 17:34:19 ???
>>774
「ボクに用があるのはそっちでしょ?早く追いかけて来てよ」
(誘導するようにナイフを投げる)


776 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 17:37:12 ???
>>775
そ、そっちね!
(ナイフが飛んできた方向を向いて)

逃げられないのは、あなたのほう!
待ちなさい!!
(明らかに誘導されてる風なのに)
(全く気付いておらずに追いかけ始める)


777 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 17:43:10 ???
>>776
「ほらほら、こっちこっち」
さーて、そろそろかな?
(どろどろに濡れた地面の上で滞空する)


778 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 17:46:56 ???
>>777
あ、遊んでるつもりなの!?
(挑発的な言動にそろそろ怒りが募ってきた様子)

! どうやら、追い詰めたみたいね。
(滞空しているのを確認して)
今度こそ決着をつけ…!?
うっ!?
(どろどろに濡れた地面をぐちゃっと足を踏み入れてしまう)
な、何これ…!?


779 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 17:52:12 ???
>>778
「それっ!こっちからいくよ」
転んじゃえ!
(背後に回り込んで蹴りを入れる)


780 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 17:59:55 ???
>>779
きゃあっ!!
(タダでさえ足元がどろどろで不安定なのに)
(背後から蹴られ、仰向けにひっくり返ってしまう)

くぅ…こ、このっ…
(濡れた地面に転がされてしまって)
(ぬちゃぬちゃぐちゃぐちゃと、衣装が汚れ水分で濡れたくってしまう)
こ、今度こそ…!
(でも近づいてきたからチャンスとばかりに)
(三度目の正直とばかりに、必殺魔法を狙う)


781 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 18:05:40 ???
>>780
「え?嘘!?」
こんなところでそんな大魔法を使うなんて!
崩れちゃうよ。
(すんでの所で攻撃を回避し、高速で遠ざかる)


782 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 18:11:24 ???
>>781
くっ…だ、だめ…避けられて…!
(せっかくの魔法攻撃も避けられてしまい)

ああっ、し、しまった!
(避けられたせいで天井に炸裂してしまった結果)
(崩れ落ちてきて、あわや下敷きになりかける)

あ、危なかった…けど…距離は取れたかな…
またあいつを探さないとだけど。
(なんとか地面を転がって難を逃れるも)
(入ってきた場所はふさがれてしまい)
あっちも私の居場所が分らないから、先に見つけて今度こそ…。

と、とにかく…ココを出たい…気持ち悪い…。
(衣服やブーツに、どろどろに濡れた地面の水分がじゅくじゅくと染み込み)
(強烈な不快感を与えられている)


783 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 18:18:04 ???
>>782
危ない危ない。潰れちゃうところだったよ。今後はあれは控えて欲しいなぁ。
「生きてるよね?」
(超音波を飛ばす)
「見つけた。無事みたいだね」
さて、早く追いかけないと。


784 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 18:25:01 ???
>>783
はぁ…はぁ…
気持ち悪いし…それに意外と…暑いのね…。
暗くて寒いイメージだったけど、じめじめしてるせいかな…。
(とりあえず歩を進めるも、暑さで発汗し息も荒くなって)
(濡れた不快感もあって少しずつ体力をすり減らしている)

くっ…あいつ、私の血と一緒に魔力も吸って…。
(さっき噛まれた首筋をさすって)
でもあいつ…「もっと飲みたい」とか言ってた…。
まさか…吸い尽くすつもり…?
(想像してぞっとする)


785 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 18:31:09 ???
>>784
息が荒い、暑そうだね。
じゃあちょっと涼しい思いをさせてあげようかな?
(コウモリの姿に変身して彼女の眼前に移動し、変身を解く)
「ばあっ!」


786 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 18:39:27 ???
>>785
!! なんだ…コウモリか…
(怖い想像している所に気配を感じ)
(ただのコウモリとわかって一瞬安堵するが)

ひゃああああああっ!?
(いきなり眼前で変身を解かれて、悲鳴を上げて)
あうっ!!
(驚いた結果、また足を滑らせて)
(どろどろの中に転んでしまう)


787 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 18:42:26 ???
>>786
転んじゃって、可愛いなあ。
「どう?暑いの吹っ飛んだ?」
(すかさず肩に手を回し、密着する)
「もっと涼しくしてあげようか?いただきまーす」
(そのまま前から首に噛みつき、血を吸う)


788 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 18:49:01 ???
>>787
くっ…こ、このっ…。

ひ っ !!
(密着されて、さっきの吸血のトラウマが蘇って)
や、やめて!!

いぐっ…ぎゃああああああああああああああっ!!
(ごきゅごきゅと血を吸われると、顔を苦痛に歪めながら)
(汚い絶叫を搾り出されてしまう)

あ、ぐっ…ぶ、ブラック…バーニング…!
(こうなったらと密着したまま必殺技を出そうとするも)
あっあっ、あっ…そ、そんな…!
(魔力が吸収されてしまい、不発に終わってしまう)


789 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 18:54:47 ???
>>788
「ぷはっ、やっぱりおいしいなぁ」
(首から口を放し、立ち上がる)
「どうかな、涼しくなった?あと危ないからあの技を使うだけの魔力は貰っちゃったよ」
潰れちゃったら面白くないからね。
「どうかな?そろそろボクから逃げたくなったかな?」


790 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 19:01:17 ???
>>789
う っ !
(口を離され、ビクっと痙攣する)

あっ…あっ…あぁ…
(ずぶ濡れになったせいか、血を吸われたせいか、それとも恐怖のせいか)
(寒気に襲われてがくがくと震え始める)

う…ひ…いやあぁああああああああーーーっ!!
(言葉通り、恐怖の悲鳴をあげて逃げ出す)
た、助けて…助けてえ!!


791 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 19:05:34 ???
>>790
「あ、逃げた、鬼ごっこかな?」
まあボクは吸血鬼だしね。
「ははっ、待て待てー!」
(羽を広げて追いかける)


792 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 19:09:24 ???
>>791
ひーっ、ひーっ!!
(涙をボロボロ流し情けない悲鳴をあげて逃げる)
(話によれば、襲われた女の子は餌となって命の一滴まで吸い尽くされてしまう)
(と聞いてたせいで尋常じゃない怯えよう)

いやだぁぁああああああっ!
こっち来ないであっちいってええええ!!


793 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 19:12:56 ???
>>792
【ネタはまだ幾つかありますけど、なにか希望の展開など有りますでしょうか?】


794 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 19:19:22 ???
>>793
【特にこれといって無いのですが】
【挙げるとすれば、最終的には噂通りに命まで吸い尽くしてほしいです】


795 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 19:47:35 ???
>>794
【了解です】
うーん、あっちに逃げてくとボクのお風呂場に着いちゃうな。
まあいいか。生きてる女の子に見せるのは初めてだしね。


796 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 19:53:58 ???
>>795
はあっはあっ…い、いやだ…助けて…
(とにかく入り組んだ洞窟内を逃げ回り走り回る)

はーっ…はーっ…うぅ…
(さっき吸われたお陰で余計に疲労が溜まり)
(別の場所に出てきた所でとうとう走れなくなってしまう)

ど、どこに出たのかな…でも…振り切った…のかな…?

怖い…はやく出たい…。ここは何処なの…?
(観た事無い場所に出て辺りを見回す)


797 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 19:59:09 ???
>>796
「ああ、やっぱりここに着いちゃったね」
(予め備え付けられていた松明に魔法で灯をともす)
「ここ、ボクのお風呂場なんだ」
(明かりに照らされて血で満たされた浴槽が見えるようになる)
「昔知り合いに教えてもらったんだ。これ、お肌にいいんだって」


798 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 20:03:02 ???
>>797
ひっ!?
(血で満たされた浴槽を見せられ小さく悲鳴を上げる)

ああ…あ、あ、あ…。
まさか…わ、私も…私の血も…ああいう風に…するつもりなの…?
(もはや逃げる気力すらないのか、その場に力なく座り込んで)
(ガタガタと震えだす)
お、お願い…止めて…。


799 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 20:08:02 ???
>>798
「まあでも、お姉さんの血はおいしいからこんな使い方はもったいないなぁ。お姉さんはどうしたい?」


800 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 20:12:14 ???
>>800
ど、どうしたい…って…

お、お願いだから…もう止めて…助けて…
ここから出して…

お、お願い…お願い…します…。
命だけは…助けてください…。


801 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 20:17:52 ???
>>800
「だめだよ。お姉さんはボクを殺しに来たんでしょ。許す気なんてなかったんでしょ」


802 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 20:22:14 ???
>>801
ああっ…そ、それは…そのっ…!

ゆ、許して…お願い…ど、どうか…慈悲を…
(恐怖のあまり尿失禁してしまい)
(生暖かい水溜りが広がった)


803 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 20:27:26 ???
>>802
あーあ、汚しちゃった。
(天井から伸びる紐を引っ張ると血のシャワーが出てきてそれで洗い流す)
「しょうがないなぁ。ボクはやさしいからチャンスをあげるよ」


804 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 20:31:55 ???
>>803
ひいいいっ!?
(血のシャワーを振り掛けられ情けなくまた悲鳴を上げる)

ほ、ほ、本当…?
助けてくれるの…?
(縋り付く様な視線で見上げる)


805 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 21:11:47 ???
>>804
「本当本当。ボクは十分間ここにいるから好きな所に隠れていいよ。それから三十分間ボクに見つからなかったら帰してあげる」
まあ、そもそも目隠ししてるボクにかくれんぼなんて無意味だけど、この様子じゃあ気がつかないかな?


806 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 21:17:00 ???
>>805
か、かくれんぼに勝ったら…ってこと…?

分った…約束だからね…!
(結局気付くことも無く、真に受けてかくれんぼ開始)

と、とにかく…入り組んだ場所に…
(あっちこっちいったりきたりしながら)
(狭い場所に入り込んで隠れる)

大丈夫大丈夫…絶対見つからない…
(自分に言い聞かせるように唱える)


807 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 21:29:22 ???
>>806
さーて、十分経ったぞ。お姉さんは何処かな?
(超音波を出して洞窟内を調べる)
なるほど、ちょっと時間がかかるね。ちょっと遊んであげようかな?
(再び超音波を放ち、彼女が隠れている場所の天井に小さなヒビを入れる)
あそこ、地下水が通ってるんだよね。水が落ちてきたらどんな反応するかな?
まあゆっくり向かうか。
「今から探すよー」


808 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 21:33:02 ???
>>807
大丈夫だよね…大丈夫…よね…
(震えながら隠れていると)
(むき出しの肩に水滴が落ちて)

ひゃあああっう!!
(洞窟内に響き渡るような悲鳴を上げてしまう)
はっ…!んぐ…
(その後、慌てて両手で口を塞ぐ)


809 : ブラム ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 21:38:19 ???
>>808
「いま声が聞こえたね。こっちかなー?」
(隠れ場所に接近する)


810 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 21:40:10 ???
>>809
っ…!!
(慌てて声を押し殺して、縮み上がる)

こないでこないでおねがいおねがい……
(ぶるぶる震えながら小声で何度も唱え)
(気付かぬうちに恐怖のあまりに尿を垂れ流していた)


811 : ブラム  ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 21:48:41 02L2rM9I
>>810
「おや?それにちょっと臭いぞ。この近くだね」
(わざわざ見える距離で気づかない振りをしながら通り過ぎる)


812 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 21:51:27 ???
>>811
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!
(両手で必死に口を押さえて声を無理矢理押し殺し)

……!!
(横目に通り過ぎていくのを確認して)
………よ、よかった……
(まんまと騙されて安堵する)


813 : ブラム  ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 21:57:36 ???
>>812
「おかしいなあ。この辺だと思ったんだけどな」
ふふふ、本当に可愛いなあ。
ならこれはどうかな?
(蛇使いの要領で超音波を使って毒蛇をけしかける)


814 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 21:59:45 ???
>>813
……!!!??
(安堵したところで毒蛇襲来で)

いやぁあああああああああっ!!
(思わず悲鳴を上げてその場から飛び出して)
(姿を露にしてしまうのだった)
はっ…!!
(気が付くもとき既に遅しな状態)


815 : ブラム  ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 22:03:53 ???
>>814
「あーあ、まさか自分から出てきちゃうなんてね、どうかしたの?」
(にやにやしつつ見る)


816 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 22:06:02 ???
>>815
だ、だって…毒蛇が…だ、だから今のは…

お願いお願い…かくれんぼ付き合ってあげたでしょ…
もう満足でしょ? 私を散々怖がらせて痛めつけて…だから…
許して…。


817 : ブラム  ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 22:09:40 ???
>>816
「えー、念を押したのはお姉さんだよね。自分で覆すの?」


818 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 22:13:52 ???
>>816
そ、そんなぁ…。

お、お願い…本当にお願いします…
(とうとう陰湿な精神攻めに心が折れたのか)
ぶ…ブラム様…どうか…お許しを…
(その場で様付けで土下座し始める始末)


819 : ブラム  ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 22:20:52 ???
>>818
「もう、情けないなあ。ボクを倒しに来たんでしょ?」
(超音波で入り口を塞いでいた岩を砕く)
「もういいや。入り口は開けておいたから帰れば」
とわいえ、ここは入り口から一番遠いし、特に入り組んでるしね。
お姉さんも貧血の上に熱中症になってるから絶対たどり着けないけどね。


820 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 22:28:06 ???
>>819
うぅ…あ、ありがとうございます…
(屈辱に塗れながらも立ち上がって)
(音のしたほうに向かって歩くも)

はあ…はぁ…ぜえ…ぜぇ…
あ、あれ…ど、どこ…こっちで合ってる…はず…なのに…
(来た道を戻っている…つもりだったが完全にまよってしまい)

ああ…ぁ…あ…
(ふらふらと意識が定まらずに歩みが弱弱しくなっていき)
う…うそ…こんな…
(とうとうさっきのお風呂場に戻ってきてしまい)
(呆然と立ち尽くす)

ま、まさか…最初から…私…騙されてた…の?
(ようやく全て嘘っぱちだったことに気付いて絶望する)


821 : ブラム  ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 22:36:08 ???
>>820
「あれ?ここに戻ってきたの?」
(戻ってきた彼女をニヤニヤしながら見る)
「帰らなくていいの?」


822 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 22:44:42 ???
>>821
…あ、ああああぁああああああっ!!
(陰湿な笑みを見て完全に心が絶望に染まったのか)

いやあああああああああああ!!
やめて! おねがい来ないで、もういやおねがいたすけてえええええ!!
だれかっだれかああああああああ!

お師匠サマあああああああ! ママぁああああああああああっ!
助けに来てえええええええええええええっ!
(大粒の涙を流して泣き叫びながら、無駄なのに洞窟の壁をバンバンたたき始める)


823 : ブラム  ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 22:50:27 ???
>>822
「無駄だよ。この洞窟に入って生きて出られた人は居ないんだ。誰も入ってこないよ」
(押し倒して首筋に牙を突き立てる)
「お姉さんの血はおいしいからじっくり、ゆっくり、たっぷり時間をかけて吸ってあげるね」


824 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 22:54:58 ???
>>823
ああああっ!!
(押し倒され、抵抗するもまったく敵わず)

ぐ う っ !!
(鈍い音と共に牙が食い込んでいき)

ああっ!! あっ…あっ…あああああ!!
や…やめ…やめ…助け…て…
(凄まじい苦痛と絶望を味わうことになり)
(必死に無駄な命乞いを始める)


825 : ブラム  ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 23:05:32 ???
>>824
「ああ、おいしいなあ、こんなご馳走久しぶりだよ」
(首から牙を離す)
「助けてって、お姉さんはもう帰れないんでしょ?ここで死んじゃうのも勿体ないから僕が全部飲んであげる」
(今度は腕に牙をたてる)
「三時間くらいかけるから付き合ってね」


826 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 23:12:33 ???
>>825
くはっ!
ああ…ああああ
(びくんびくんと激しく痙攣し)

う…そ…そ、そんなの…いや…あああああっ!?
(腕へ牙が食い込み、再び絶叫を搾り出す)
いっいっいいっ…ぁあああああああーーーっ!!

いやだ死にたくない、苦しいのいや、痛いのいやああああああああ!!
あああ、ああああーーーーあーーーーーーーっ!?
(涙から鼻水やらぐっちゃぐっちゃに溢れさせながら恐怖と苦痛に絶叫する)


827 : ブラム  ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 23:17:55 ???
>>826
「次は反対、あと指先もしっかり吸わないとね。あと腰も」
(上半身から順番にあちこちに牙をたてながら降りてくる)


828 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 23:25:59 ???
>>827
ひぎっ!

ああああああーーーーっ!
(あちこちと牙が突き立てられるたびに絶叫を上げ)
(座れるたびにびくんびくんと痙攣していく)

ええぇ…あぁあああ…や、やめ…
(苦痛の余りか力が緩んだためか、とめどなく尿が溢れ)
(アンダーのレオタードはすっかり染みが広がり)
(スカートの中は悪臭と生暖かさに満ちていた)

わたし…しぬ…しししし…し…しぬ…し…ん…じゃう…?


829 : ブラム  ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 23:39:30 ???
>>828
「もう、こんなに漏らしちゃって、でも大丈夫、これでもう出ないから」
(股間にも容赦なく牙をたて、血を吸う)
「さて、次は足。でももうそろそろ限界かな?」


830 : ブラム  ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 23:46:15 ???
>>828
「もう、こんなに漏らしちゃって、でも大丈夫、これでもう出ないから」
(股間にも容赦なく牙をたて、血を吸う)
「さて、次は足。でももうそろそろ限界かな?」


831 : ブラック・マジシャン・ガール ◆8bsLzw5jJM :2016/07/10(日) 23:47:51 ???
>>829
う…そ…まさか…あああああああああああっ!!?
(女である部分に深く牙を突き刺される激痛に襲われ)

あぎいいいいいい!!
ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!
うぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!
(そこからさらに吸血されると、常軌を逸した絶叫を上げて)
(足の血を吸われるころには、もはや限界で)
(悲鳴を上げることすら出来ず、ただただ苦痛に抱かれながら)
(じわじわと命を落としていくのだった)

【申し訳ないですが、こんな感じでこちらからは〆になります】
【お付き合いありがとうございました。とっても楽しかったです】


832 : ブラム  ◆11jMx8Pg9s :2016/07/10(日) 23:54:05 ???
>>831
「ふう、ごちそうさま。おいしかったよ」
(血をしぼり尽くした死体を浴室の外に捨てる)
さあ、次はどんなに娘が来るかなあ。



こちらこそありがとうございました。


833 : アリス・桜 ◆VktIN.Uk36 :2016/07/25(月) 09:37:27 ???
置きレスになりますが、それでもよろしければお声掛け下さいませ。
キャラは下記の2キャラです。

アリス
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1422884972/4


http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1422884972/41


834 : ◆4WsRUo9jHg :2016/07/26(火) 01:51:42 ???
>>833
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/66
上記のキャラクターでよろしければ、置きレスという形でチャット希望です。
受けキャラはアリスちゃんでお願いしたいのですが……


835 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/26(火) 08:01:43 ???
>>834
ありがとうございます。
よろしくお願いします。
希望のシチュエーション(戦うことになるきっかけや場所など)やアリスの服装等に希望はありますか?


836 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/26(火) 10:04:44 ???
>>835
そうですね、シチュエーションについては普通の少女だと思って戦いながらエミリーを守っていたところを裏切られるとか……
服装は学生服の夏服でおねがいしたいです。


837 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/26(火) 11:58:13 ???
>>836
では、下記の状況は如何でしょうか?
場所は上の方がギャラリーなし、下の方がギャラリー多いというイメージです。

■シチュエーション
あるイベントにゲストとして招かれたアリスが剣舞を披露することになり、それを練習しているところ(または本番)にエミリーが乱入してくる(アリスはそれに驚きつつも、幼いことから相手のペースに合わせるようにして手合わせを始める)

■場所
廃墟ビル
山中
裏路地
公園
闘技場(本番)
※本番は公共のテレビ中継あり、練習はテレビ中継はありませんがエミリーが録画やストリーミング配信しても構いません

■制服について
ソックスは黒ニーソにしようと思いますが、希望があれば色やハイソが良い等言って下さい
スカートは濃赤・赤・白のチェックを想定していますが、こちらも希望があれば言って下さい
リボンはスカートに合わせた色にします


838 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/26(火) 12:42:25 ???
追記です。

乱入という形が嫌なら、アリスとエミリー二人ともゲストとして招待され、合同練習(または自主練習)で一緒に練習しているという形でも構いません。

また、下着は白または薄いピンクです。


839 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/26(火) 14:04:05 ???
>>838
そうですね、アリスが既に何か怪物的なものと交戦状態にあって、エミリーがそこへ迷い込んでくるというのはダメでしょうか?
アリスはエミリーを見た目から一般人だと考えて守ろうとしますが、実はその怪物を操っていたのがエミリーだという……
場所についてはお任せします、ギャラリーの有無についてもアリスさんのお好みで。
靴下は白のハイソが好みなんですけれども構いませんか?


840 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/26(火) 14:19:07 ???
>>839
わかりました。
では、廃墟ビルに怪物が現れるという噂を聞いたアリスが、人に害をなすものであれば退治する必要があると持ち前の正義感で単身廃墟ビルに足を踏み入れる、というのは如何でしょうか?
怪物の噂は様々で、その時のエミリーの気分次第で。
アリスは学校帰りの夏服で、白ブラウスにチェックスカート、白ハイソ、下着も白で行こうかと思います。

上記シチュエーションでよろしければエミリーさんの方で召喚する怪物を決めてしまって下さいませ。


841 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/26(火) 14:48:49 ???
>>840
希望に沿ってくださってありがとうございます、それで構いません。
召喚する魔物は巨大な蛙のような生物でいこうと考えています。もしかしたら流れで他にも召喚するかもしれません。
まだどうなるかわかりませんが、汚物表現に関してはアリスが出したものでなければOKと考えてよろしいですか?


842 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/26(火) 14:55:14 ???
>>841
わかりました。
アリス自身の脱糞以外なら、何でも大丈夫です。
書き出しはどちらからにしましょうか?
エミリーさん側からでよろしければ次レスで書き出して頂いて構いません。
私の方からが良ければ私の方から書き出します。
よろしくお願いします。


843 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/26(火) 15:15:56 ???
>>842
ありがとうございます。
こちらから書き出させていただきたいと思います。
ペースがどうなるかは定かではないですが、よろしくお願いします。
少ししたら投下しますので、お待ちください。


844 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/26(火) 15:49:03 ???

最近、とある街においてある噂が囁かれている。
それは、街の郊外にある廃墟ビルで、人喰いの怪物が出没する、という内容だった。
誰もがそれをたわごとだと一蹴し、まともに取り合うことすらしなかった。
ところが、いわゆる「裏の事情」に精通する者にとっては、捨て置ける問題ではなかったようだ。

打ち捨てられ、風雨に晒され、いまにも倒壊しそうな廃墟ビル群のうち、最も背の高い建物の最上階に、それは居た。
それは象ほどの巨大な体躯を誇る、蛙のような生物に見える。
暗緑色の皮膚表面は粘液でぬめりを帯びていて、吐き気を催すような生臭い悪臭を放っている。
その生物――いや、魔物は今まさに「食事」の最中だった。

「いやぁっ! きゃあ、やめて! 助けてえぇ!!」

年端もいかない少女を長い舌で器用に絡め取り、焦らすようにして足先から呑み込んでいく。
地獄のようなその光景の傍らで、氷のように冷たい瞳を持つ少女がひとり、佇んでいた。
サディスティックな笑みをたたえ、獲物の悲鳴に至福の悦びを感じていた。
やがて蛙が獲物を丸ごと腹に収めてしまう。
少女はこの遊びに、悪戯じみた密かな楽しみを見いだしていた。
誰にも邪魔はされたくない。
この場所へ向けて、闖入者がひとり近づきつつあることを、彼女は気にもとめていなかった。

【それでは、よろしくおねがいします。何か希望があれば何なりとお伝えください】


845 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/26(火) 18:17:52 ???
>>844
最近、校内である噂が流れていた。それは『廃墟ビルに人を喰う怪物が現れる』というものだ。殆どの場合、そういった類の噂は尾ひれがついているだけで無害な野良犬か何かであることが多い。単に夏だから怪談話が出回っているだけの可能性もある。ただ、もし人に害をなすものであったのなら放置しておく訳にはいかない。意を決した私は、放課後に廃墟ビルへ向かうことにした。

廃墟ビルの立ち並ぶ郊外には人気もまばらで何となく居心地は悪い。噂のレベルでは立ち並ぶ廃墟ビル郡の中のどのビルに怪物が出現するのかはわからない。私は直感に頼って中央付近にそびえ立つ30階建てのビルに入った。

当然廃墟ビルには灯りがなく、埃っぽい建物内は窓から差し込む光だけで薄暗いものの、よく見ると足跡が残っていた。恐らく噂を確かめに来た人がいたのだろう。ただ、残された足跡には奥へ向かうものが多く、入口に戻ってきたものは少なかった。物音を立てないよう慎重に足跡を辿って奥へと進んだ私はエレベーターの前にたどり着く。
「え?」
エレベーターの行き先ランプが30階で点灯していた。廃墟ビルに電気がきていると思っていなかった私は戸惑ってしまう。30階に人がいる可能性は高い。物音を立てずに階段を使うべきではあるものの、30階ともなると時間と体力を大きく消耗してしまう。もしこのビルに噂の怪物がいたとしたら、襲われた人は手遅れになってしまう。かといって、エレベーターを使えば確実に上がってくるタイミングが相手に伝わってしまう。
少し考えた後、私はエレベーターのボタンを押した。人がいたとしたら、一刻も早く行かなくてはならない。もし上がったところを待ち伏せされたとしても、私なら戦える。それに、知能の低い怪物なら待ち伏せされるとは限らない。
到着したエレベーターに乗り込んだ私は30階のボタンを押し、すぐに抜刀できるように刀へ手をかけた。上昇していくエレベーターに合わせ、私の緊張も上昇していく。

【こちらこそよろしくお願いします。ランダム要素の利用はありでしょうか?以前やっていたのは下記のようなパターンです】
【投稿秒数が奇数の時は選択肢A、投稿秒数偶数の時は選択肢B、といった具合です】


846 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/26(火) 22:04:10 ???
>>845

廃墟しかないこの地区には当然ながら電気も水道もガスも通ってはいない。
しかし、以前はこの地区の中枢とも言えるこのビルには災害時に備えた自家発電装置が生きており、
電気を必要とする設備は壊れてさえいなければ利用できる。
蛙型の魔物がだらしなく開いた口から涎を垂れ流すのを眺めていたエミリーは、
ふと部屋の戸口から見えるエレベーターに目をやった。
エレベーターの階数を表すランプが30Fへ向けて上がっている。

(誰が……? わたしの存在を聞きつけてきたのか、それともただの一般人か……)

エミリーは素早く思考し、それに対処すべく策を練る。
まず、蛙に先ほど捕食した少女を吐き出させた。まだ消化は始まっておらず、
彼女はただ蛙の唾液と胃液に塗れているだけだ。しかし服はところどころ溶けかかっていて、柔肌をさらしている。
少女はいわば囮である。こうしておけば、まず大体のシチュエーションに対応できるだろう。
そして、エミリー本人は物陰に隠れ、様子を見ることにした。
もし侵入者に敵意があれば、蛙はすぐに攻撃にでるだろう。

【遅くなりました、申し訳ありません】
【ランダム要素は、もしご希望なら取り入れようと思います。】


847 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/26(火) 23:07:17 ???
>>846
エレベーターの扉が開くと同時に全神経を集中させ、慎重にエレベーターから降りた。幸い待ち伏せはされておらず、近くに人の気配はない。しかし、フロアの中央付近に倒れた人影とその前に巨大な蛙と思しき生物がいた。人が襲われている。そう思った私はすぐに走り出していた。
「大丈夫?しっかりして。」
倒れた少女を抱き起すようにしながら声を掛けるものの、反応はない。溶けかかった服に羞恥心が刺激され、心臓が鳴る。
「許せない……」
目の前にいる巨大な蛙が少女を襲ったに違いない。そう確信した私は刀を引き抜き蛙と対峙した。
炎属性の私には水属性と思しき蛙相手では分が悪い。しかし、この生物が水属性であるかどうかも正確にはわからない上、この乾燥した廃墟ビル内では炎で相手を干上がらせることができる可能性もある。引き抜いた妖刀・龍娘刀に宿る炎の力を解き放ち、蛙に向けて放射した。

【いえ、遅くなるのはお互い様です。気にしないでください。】
【わかりました。ランダム要素は、例えば成功率○%や回避率○%等の時に利用できればと思います。】
【例:>>25 これは示された3択を選んだ際のランダム要素です。投稿時刻が18:35:13なので3になります。】


848 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/26(火) 23:35:38 ???
>>847

エレベーターから降りてきたのは、制服に身を包んだ比較的小柄な少女だった。
年のほどは先ほどの獲物と同じくらいだろうか。
しかし、彼女が戦闘に長けていることは一目でわかる。
身のこなしも訓練を受けたもののそれだし、何より刀で武装している。
彼女――アリスは胃液にまみれて痙攣する少女に駆け寄り、無事を確認していた。
アリスの双眸を見た途端、エミリーの身体を電流が走った。
あれは固い意志をもつ、正義に燃えるものの瞳だ。

(ああ、興奮しちゃう……)

あいつを汚してやりたい。傷つけてやりたい。めちゃくちゃにしてやりたい。
エミリーの中のサディストが再び首をもたげていた。
今ここで出て行って彼女に危害を加えることもできるが、それではつまらない。
出来るだけ、彼女の正義感を利用したかった。
再びアリスのほうに視線を移すと、彼女は刀を引き抜き、蛙と面と向かって対峙していた。
その次の瞬間、エミリーは我が目を疑った。
アリスが刀から炎を放射していたのだ。

(なるほど、あのお姉ちゃんも、わたしと同じようなことができるのかな)

しかしエミリーには微塵も焦りがなかった。
なぜなら、あの程度の炎ならば、エミリーの蛙には火傷を負う心配すらない。
体表からの攻撃で蛙に傷を負わせることは非常に難しいのだ。
むしろ心配なのは炎がこのフロアの酸素を消費しつくしてしまわないかどうかだが、
それはどちらかといえばアリスの問題だ。

(ふふふ、ちょっと遊んじゃおう)

アリスは炎によって視界を遮られ、満足に蛙の動きを追えないだろう。
エミリーは蛙に心の内で指示した。
すると、蛙は急に我に返ったようにアリスを見つめ、その腹部に向けて舌の先端を突き出した。
蛙の舌は、使いようによっては鈍器にもなる。
もしこれがヒットすれば、アリスがこれまで感じたこともないような衝撃が彼女を襲うだろう。

【そうですね、あまりアリスさんの負担が大きくなりすぎないようにランダム要素も取り入れていきたいと思います。】
【成功率○%のような場合は、例えば30%だとすると、秒数下二桁が01〜30の場合成功、といったように考えても大丈夫ですか?】


849 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/26(火) 23:58:22 ???
>>848
【投稿秒数が奇数の場合】
「っ……」
勢いよく伸ばされた舌に気づいた私は辛うじて直撃を免れたものの、脇腹を掠める痛みに顔を歪めてしまった。ただ、この程度の痛みなら耐えられる。
「はあっ!」
突き出された蛙の舌を連続で斬りつける。


【投稿秒数が偶数の場合】
「うっ……」
腹部に強烈な痛みを感じた私は何が起きたのか理解する前に膝から崩れ落ちてしまっていた。取り落としそうになる刀を左手で握り締め、右腕で腹部を押さえ込む。蛙から突き出された舌が目の前で蠢く。
「この程度……」
震える身体を鞭打つようにゆっくりと立ち上がった私は再び蛙に向けて刀を構えた。


【30%だとしたら、1,4,7や2,5,8などにしています。】
【1分60秒とすると18秒ですが、00〜18秒としてしまうと意図的に操作できてしまうので、操作しにくいように前述のようにしています。】


850 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/27(水) 00:03:42 ???
>>848
>>849で投稿秒数偶数のため直撃を受けた方で進めてください。


851 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/27(水) 01:17:55 ???
>>849

蛙の舌は、アリスの腹を見事に捉えた。
傍で見ていたエミリーは、思わずほくそ笑んでしまう。
まさかここまで思い通りにことが運ぶとは。
しかし油断は禁物、あの女はまだなにか隠しているだろう。

(まだまだ苦しんでもらうわよ? わたしたちの食事を台無しにしてくれたんだから……)

エミリーは再び蛙に指示を出した。
粘液まみれで身体をぴくぴくとさせながら横たわっている少女へ向けて、蛙は思い切り舌を振り下ろした。
さて、アリスはどう出るか……
もちろん、黙って少女が叩きのめされるのをあの女が見過ごすはずはない、そうエミリーは確信していた。
この攻撃はアリスの性格を試すための一種の試金石だった。
これからどういたぶってやろうか……

【なるほど、ありがとうございます。よくわかりました。どうやら色々勘違いしていたみたいです、恥ずかしながら……】
【それでは、場合によってはこちらで分岐をつくったりさせていただきますね。】


852 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/27(水) 06:52:10 ???
>>851
私が構えるのを嘲笑うかのように、蛙は標的を私ではなく意識を失い倒れている少女へ向けられた。私の腹部へ強烈な打撃をもたらした舌が少女へ振り下ろされる。もし少女が打ちつけれたら、最悪の場合死ぬ可能性すらあるだろう。

【投稿秒数が奇数の場合】
咄嗟に飛び出した私は辛うじて蛙の舌を刀で受け止める。
「くっ……」
受け止めたとはいえ、その衝撃は強く、両腕に電流が疾ったかのように痺れる。膝をついたまま、震える腕に力を込めて蛙の舌を押し戻そうとした。

【投稿秒数が偶数の場合】
間に合わないーーそう思った私は覆い被さるように少女を庇う。
「ああぁぁっ……」
背中に激痛が疾り、思わず悲鳴をあげてしまった。痛みの余り、刀を持つ左手に力が入らず身体が震える。

【わかりました。よろしくお願いします。】


853 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/27(水) 13:46:02 ???
>>852

蛙の舌が少女に直撃するかと思われた、まさにその瞬間。
アリスが身体を投げ出すと、少女に覆い被さって彼女を庇った。
「ああぁぁっ……」
打ち所を誤れば最悪の事態すらありえるその攻撃を身体を張って受け止めるアリス。

(あはは、そんな娘、わたしだったら見殺しにするなぁ……)

エミリーはアリスを嘲笑うように独りごちた。

(まあ、今のところ、お姉ちゃんがむしろ標的だし、全然構わないけど)

力が抜けたように震えるアリスの足首に、蛙が舌を巻きつけた。
そのままアリスを逆さ吊りにするようにして持ち上げると、舌を巻きつけたまま彼女をコンクリートの打ちっぱなしの壁面に背中から叩きつけた。
壁には蜘蛛の巣状の黒い線がぎざぎざに走り、その威力を物語る。
だが、もちろんアリスはこれでも戦意を失っていないだろう。
そこで、蛙はアリスを一旦解放し、先ほどの少女を舌で巻きつけると、アリスに向けて放り投げた。
受け止めればアリスは無事ではすまないが、少なくとも少女は大事には至らない。

【そんなに毎度ランダム要素を取り入れなくても大丈夫ですよ、アリスさんがそちらをお好みでしたら構いませんけども……】


854 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/27(水) 14:28:12 ???
>>853
蛙の舌に脚を絡め取られた私は抵抗する暇もなく釣り上げられ、背中から壁に叩きつけられていた。
「っ……」
余りの衝撃に一瞬息が詰まる。それでも負ける訳にはいかない。痛みに耐えながら上体を起こし、背中に壁を預けながら立ち上がろうとする。そんな私に向かって放り投げられた少女が迫ってきた。避ける訳にもいかず、歯を食いしばりながら来るべく衝撃に備え、少女の身体を受け止めた。
「あぅっ……」
再び背中を壁に叩きつけられ、思わず声が漏れる。それでもこのままでは二人ともに餌食になってしまうと思うと動かない訳にはいかなかった。蛙が迫るより速く体勢を整えなくてはならない。受け止めた少女を壁に寄り掛かるように座らせると、その少女を守るように前に立ち蛙に刀を向けた。
先程の炎では大したダメージを与えていないのだろう。それなら、もっと魔力を高めなくてはならない。蛙の舌に注意を払いながら様子を伺う。

【ランダム要素を使うときは、自分の意思とは別でどうにもならない場面で使います。その方がどうなるのかドキドキして好きなので。エミリーさん側から選択肢を迫るような形にして頂いても大丈夫ですよ。】


855 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/27(水) 14:56:33 ???
>>854

エミリーの思惑通り、アリスは身を呈して少女を受け止めた。
アリスの正義感に、エミリーは思わず心臓が高鳴るのを感じていた。

(さて、どうしてやろうかしら……)

エミリーは満身創痍ながら蛙に立ちはだかるアリスを見やる。
その瞳に宿る光は未だに輝いている。まだまだ元気なようだ。
蛙は両生類の感情のない双眸でアリスに視線を注いでいる。

(……そうだ、こうしておこう)

蛙が僅かに口を開いた。
すると、溢れるようにしてそこから何らかの液体が流れ出てきて、埃っぽい床に広がっていく。
その液体は独特の臭気をまとっていた。
炎遣いならば解るだろう――この液体は揮発油、つまりガソリンである。
夏の熱い空気、そして先ほどの炎の余熱により、それは目には見えずとも確かに気化し始めている。
こうなってしまえば、何が原因で発火するかわからない。
そして、もし発火すればアリスと少女も危険であることは、自明の理だ。
アリスはこの空間において、炎による攻撃を封じられたと言っていい。

(さあ、どうするの?)

アリスを絡め取ろうと、蛙の舌が彼女へ向けて殺到する。
もし回避できなければ、彼女の胴体は強靭な蛙の舌に巻き付かれることになるだろう。

【了解です、ランダムについてはアリスさんにお任せします。】
【そろそろ何か他の魔物も召喚しようと思いますが、何かご希望はありますか? こんな生物にこんな風に責められたい、みたいな……】


856 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/27(水) 15:14:58 ???
>>855
蛙の様子を伺っていると、何やら液体を吐き出し始めた。その臭気にガソリン系統の極めて発火性の高いものだと解った。単なる両生類程度にしか思っていなかった私の背に冷たい汗が流れる。体内に元々このような液体が存在していたのか、それとも私の炎属性を牽制するために体内で合成したのか。前者なら運が悪かっただけだが、後者ならかなりの知能指数があることになる。これだけの巨躯に相手の弱点を解してガソリンまで合成できる知能を有しているとしたらーー気付けば全身から汗が噴き出しており、上腿を伝う汗に不快感を覚える。
と、そこへ蛙の舌が私を捕らえようと伸びてくる。危険を判断した私は咄嗟に横へ転がりながら回避して即座に立ち上がると、蛙の舌目掛けて刀を振り下ろした。

【エミリーさん側で出したいものがあれば自由に出してしまってくださいな。特にないようでしたら、蜘蛛の巣やナメクジの粘液などの行動を制限するもの、スライムやヒルなど身体に纏わりつくものなどが良いかも知れません】


857 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/27(水) 18:19:20 ???
>>856

ザクリ、とアリスの刀が蛙の舌を捉えた……しかし。

(ふふふ、バカね……)

その刃は舌の断面の半ばほどまで食い込んだのみで、切断するには至らなかった。
さらに追い討ちをかけるように、その舌を切断しかけた傷が、急速に再生を開始した。
そのせいで、アリスの刀は蛙の舌と一体化したように癒着してしまった。

(まあ、でも……あの蛙はもうあまり使い道がなさそうね……)

アリスの刀は以前彼女に掴まれたままだが、蛙の舌を貫通したような状態で、まさに抜き差しならない。
舌をあのまま口腔に収納してしまうと、その刃によって口内粘膜を傷つけられてしまうだろう。
この蛙は体内からの攻撃には非常に脆く、それだけでも致命傷になりかねない。
蛙はアリスと刀を引き離すように、舌に力を込め、めちゃくちゃに振り回した。
それでもアリスは刀を握り続けるだろうか。
エミリーはそれを傍目に見ながら、また違った魔物を召喚すべく用意を進めていた。

【了解です。動きを封じる系の攻撃ができる生物を召喚しようと思います。】


858 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/27(水) 18:41:10 ???
>>857
振り下ろした刀に手応えを感じながらも蛙の舌を切断するには至らなかった。弾力性があり途中で止まってしまったようだ。
「そんな……」
再度刀を振り上げようとした私の反応速度より速く、蛙の舌が再生していく。刀を取り込まれるように再生されてしまったせいでどれ程力を込めても引き抜くことすらできない。そんな私を振り解こうとするかのように、蛙が舌を激しく揺さぶる。

【投稿秒数が奇数の場合】
「くっ……」
刀に振り回されながらも、私は両腕に力を込めて必死に刀を握り締めた。バランスを崩しよろめきながらも辛うじて踏み留まり、体重を下半身に乗せるようにしながら耐え続ける。

【投稿秒数が偶数の場合】
「きゃあっ……」
突然のことに激しくバランスを崩した私は、刀が手から抜けると同時に働いた慣性の力に押されるようにして激しく転倒してしまった。
「うぅ……」
身体を床に叩きつけられ、痛みにうめき声が漏れる。


859 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/27(水) 19:53:07 ???
>>858

必死に刀に食らいついていたアリスの姿に、エミリーは思わず笑いを漏らしかけた。

(きゃははは、そんなに大事なんだ、あれ……)

どちらにせよ、蛙はもう捨てなければならないが、エミリーは既に次の一手を打っていた。
アリスはといえば、刀を蛙に取り上げられ、その勢いで激しく床に倒れ込んだ。
埃まみれの制服に、刺激臭のするガソリンが染み込んでいく。
もちろん、蛙がそんなアリスの醜態を見逃すはずはなかった。
倒れたアリスの身体に、胃液と唾液の混合した、黄色く濁った粘液を大量に放出した。
生臭い汚臭がアリスを苦しめるが、それだけではない。
この蛙の分泌物は粘性が高く、アリスの動きを阻んでいる。

(さて、そろそろ……出てくるころね)

エミリーは蛙の体内に他の魔物を潜ませていた。
蛙の体表がぼこぼこと隆起したかと思うと、その膨らみの一つ一つが破れ、中から扁平の黒々とした生物が這い出てきた。
蛙はこの世のものとは思えない鳴き声を上げていたが、やがて止まった。
そして、アリスへ向けて這いずっているのは、人間の足ほどもあるヒルの群だった。


860 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/27(水) 20:29:32 ???
>>859
転倒した私の制服に埃が纏わりつき、ガソリンが染み込んでくることがわかった。火の気があれば私は炎に呑み込まれることは間違いない。
「きゃああぁぁっ……ごほっ……ごほっ……」
すぐに立ち上がれずにいる私に蛙の吐き出した液体が容赦なく降り注ぐ。異臭を放つその液体に思わず咳き込みながら何とか体勢を整えようとした次の瞬間、蛙の絶叫が響き渡った。
「な、何……?い、嫌……来ないで……」
蛙を突き破るようにしてどす黒く光る生物が私の方へ這い寄ってくるのを見て、思わず座ったまま後ずさろうとしたものの、蛙の体液は粘性を持ち、肌に纏わりつくようにして私の動きを阻害していた。刀は動かなくなった蛙の舌に取り込まれたままだ。

【投稿秒数が奇数の場合】
迫りくる生物を前に、私はもう一本の刀、妖刀・魔娘刀を引き抜いた。粘液に絡め取られ立てないでいるものの、足元に迫る生物を斬り捨てることくらいはできる。もし相手が魔力を放出してくる系統の生物なら、魔娘刀が魔力を吸収してくれる。そうでなければ切れ味の良いただの刀でしかないがそれを言ってしまえば炎を封じられた今、龍娘刀も同じことだ。

【投稿秒数が偶数の場合】
迫りくる生物を前に、私はただただ後ずさることしかできない。


861 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/27(水) 20:59:58 ???
>>860

蛭どもはアリスとの距離を着実に詰めつつある。
エミリーはひとりほくそ笑んだ。
気がつけば、手が股間に当たっていた。エミリーはアリスに性的な興奮を覚えていた。

この蛭は、その体長もそうだが、この世界の蛭とはある点において性質を別とする。
まず、その鋭い歯で噛み付く際、麻酔ではなく痛覚を鋭敏にする効果のある液体を注入する。
それによって獲物に激痛を味わわせ、より苦しみが長引くよう仕向けるのだ。

蛭の内の一匹が、アリスの上腕部へ飛びかかった。
その鋭い歯は衣服の袖など容易く貫き、アリスの柔肌に突き刺さった。
それと同時に、無数の蛭がアリスに襲いかかる……
もし彼女が逃れることができなければ、地獄のような苦痛に見舞われることだろう。


862 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/27(水) 21:14:01 ???
>>861
「あぅっ……」
黒光る生物が私の上腕部に噛みついてくる。鋭い牙がブラウスを貫通して私の肌に突き刺さる。それを振り払おうとしている隙に、無数の生物が一斉に襲い掛かってきた。
「くっ……このっ……痛っ……」
いくら振り払おうとしても数が多すぎる。痛みに意識を取られ、何処から振り払えば良いのかすらわからない。身体を捩りながら床を転がり生物を必死に床へ擦り付けることしかできなかった。


863 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/27(水) 22:15:52 ???
>>862

蛭たちはアリスの抵抗にも構わず彼女の血を味わい続けた。
体躯から想像される程の量の血液を吸われるわけではないが、それでもその苦痛は無視しがたいほどであるはずだ。

(ふぅ……そろそろ、……かしら)

エミリーは蛭を召喚する際、もう一種類の魔物を召喚する段取りも整えていた。
それはエミリーが最も頻繁に召喚している人型の魔物、ゴーレムである。
岩石などの無機物で形作られた感情のない無骨な生命体。
しかしその外観とは裏腹に、繊細な作業でもこなしてしまう応用力を兼ね備えているのだ。

そして、そのゴーレムがアリスの悲鳴を環境音として受けながら現れる。
ゴーレムがコンクリートの床から、頭から徐々に出てくる様は、そこから人が生えてきているようにも見えた。
もちろん、アリスにはそんなことを気にしている余裕はないだろう。

いつの間にやら身悶えしているアリスの傍らに佇んでいたそれは、彼女の胸倉を掴んで壁に勢いよく押し付けた。
アリスの身体に張り付いていた蛭のうち、首筋に噛み付いていたものを掴むと、それを力任せに引き剥がした。
蛭の歯は、肉眼では確認できないものの、釣り針の“かえし”のようなものが無数に生えているような構造になっている。
そんなものを無理やり引き抜かれるのだから、アリスの身体には想像を絶する激痛が走っているに違いない。
さらに運の悪いことに、アリスは蛭に咬まれると同時に血液の凝固を阻害する成分も注入されていた。
蛭の咬み傷からの流血はしばし止まないだろう。
ゴーレムが次の蛭に手をかけた……


864 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/27(水) 22:30:33 ???
>>863
「え……?」
いきなり胸倉を掴みあげられ、壁に背中を押し付けられた私は一瞬何が起きたのかわからなかった。
「あああぁぁっ……」
私の胸倉を掴んでいる岩石の化け物が首筋に噛みついていた生物を引き剥がす。と同時に食い込んだ牙が肌を引き裂き、激痛をもたらした。溢れ出す血に鉄の香りが周囲を漂う。更にその化け物が私に噛みついている生物に手を伸ばす。
「い、いや……やめ……うぐっ……」
引き剥がされる痛みに対して恐怖を感じる私に容赦なく、化け物が生物を引き剥がしていく。そのたびに激痛に見舞われた私は、化け物を振りほどくだけの力も出せず、ただただ激しく身悶えすることしかできないでいた。


865 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/27(水) 22:55:03 ???
>>864

…………
アリスの身体に無数に張り付いていた蛭は、心無いゴーレムの手によって全て引き剥がされていた。
アリスは皮膚を引きちぎられ、紅い血と粘液にまみれていた。

(そろそろ、出て行く頃合いかしら……)

エミリーはこれまでフロアの隅に寄せられていた古びたデスクに身を隠していた。
ゴーレムは血塗れのアリスの首をがしっと掴んで、掲げるようにして持ち上げた。
アリスは喉をきつく絞められ、呼吸もままならないだろう。
エミリーはゴーレムに命じると、窒息寸前のアリスを自らの隠れるデスクへ放り投げさせた。
デスクとアリスが激突し、デスクが凄まじい音を上げて倒れた。
当のアリスは勢い余ってそのまま壁面へ叩きつけられた。

「きゃああああぁぁぁっ!!!」

エミリーはそこで渾身の悲鳴を上げた。
倒れた机に身体を押し付け、たった今飛んできたアリスを心配そうな眼差しで見つめる。

「お、お姉ちゃん……だ、大丈夫!?」

怯えた子犬のような震えた声でアリスに声をかけるエミリー。
エミリーは完璧に被害者側の一般人を装っていた。
腰を上げてアリスに近寄ると、ゴーレムはそこでようやくエミリーに気付いたようなそぶりを見せた。
エミリーに標準を合わせたかのようにずんずんとゴーレムが歩み寄ってくる……

「あ……あ……、た、助けて……」

恐怖に掠れた声色で助けを請うエミリー。
そんな彼女を見過ごせる者が果たしているのだろうか……


866 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/27(水) 23:39:06 ???
>>865
「はぁ……はぁ……うっ……」
化け物に生物をすべて引き剥がされた頃には、激痛の余り意識が朦朧とし掛けていた。首を締め上げるように宙づりにされ、呼吸すらも苦しくなり、私から力を奪っていた。
「くっ……」
「きゃああああぁぁぁっ!!!」
放り出された私の身体がデスクに衝突する。と同時に、少女の悲鳴が鳴り響いた。その悲鳴に、私は一瞬にして我に返る。
「お、お姉ちゃん……だ、大丈夫!?」
見開いた目に、私を心配そうに見ている少女の姿が飛び込んできた。その少女がゆっくりと私の方へ近づいてくる。
「私は大丈夫よ……それより……」
化け物は少女に気が付いたようで、私というよりもむしろ少女に向かって歩み寄ってきているようだった。
「あ……あ……、た、助けて……」
「危ないわ……後ろに下がって……」
掠れた声で助けを求める少女を放っておけるはずはなかった。全身の痛みに耐えながら必死に立ち上がった私は、若干よろめきながらも刀を構える。私が何としてもこの少女を助けなければならない。


【投稿秒数が奇数の場合】
先手必勝、私は自ら化け物に向かっていき、残像を生むほどの速さで幾度も刀を振り下ろした。

【投稿秒数が偶数の場合】
手負いの今、焦って攻めるのは危険だ。化け物と対峙しながら、相手の出方を伺うことにした。


867 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/28(木) 00:24:12 ???
>>866

(あはは、思った通り……)

アリスは傷だらけの身体を酷使し、ようやく立ち上がる。
エミリーはそんな彼女に声援を送ろうかとも思ったが、それはあざとすぎると考え直した。

アリスとゴーレムの間で、しばし膠着状態が続いた。
互いが互いの出方を窺っていた。
…………
先に動いたのはゴーレムだった。
鈍重そうな見かけからは想像できないような機敏さで地を蹴り、アリスとの距離を詰める。
咄嗟のことだったが、この程度のことに対応できないアリスではないだろう。
それを見越したエミリーは、少しアリスを妨害してみることにした。

「いやああぁぁぁっ!! なにこれっ!!?」

そこには先ほどゴーレムがアリスから引き剥がし、投げ捨てた蛭が一匹蠢いていた。
あたかもそれに驚いたかのように、エミリーはアリスの足にしがみついた。
ゴーレムの拳がアリス目掛けて殺到する――!


868 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/28(木) 00:48:45 ???
>>867
一定の距離を保ったまま、私と化け物のにらみ合いが続く。神経を張り巡らせながら、化け物の動きを観察していた私は、想像を遥かに上回る速度で距離を詰めてくる化け物に対しても冷静に状況を判断できていた。
「いやああぁぁぁっ!! なにこれっ!!?」
不意に何かに怯えたように、少女が私の脚にしがみついてくる。どうやら先程の黒光る生物が近くにいたらしく、少女はそれに怯えているようだった。
「落ち着いて。大丈夫よ。」
化け物の攻撃を受け流しつつ避ける予定だった私は脚の動きを封じられる形になってしまった。巨躯から放たれる攻撃を受け流すだけで対処できる保証もないばかりか、仮に受け流しに成功しても、逆に少女の身が危ない。咄嗟の判断で私は受け流すことを止め、刀で正面から化け物の拳を受け止める。
「くっ……」
辛うじて受け止めることはできたものの、立っていられず膝をつきしゃがむような形になってしまった。重い拳を受け止めている両腕が悲鳴をあげるかのように震える。


869 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/28(木) 01:10:37 ???
>>868

アリスはゴーレムの拳を刀で受け止めた。
もともとアリスのとれる行動は限られていたが、“エミリーを守る”という選択肢を彼女は選んだようだ。
だが、人外の膂力を誇るゴーレムに、たとえアリスが両腕の力を込めようと、両者の力が拮抗するはずはない。
あと少しゴーレムが力を加えれば、たやすく陥落するだろう。

アリスはゴーレムの腕力に耐えかねているようで、その拳を受け止めている腕がぷるぷると震えていた。
足はエミリーに掴まれ、両腕はゴーレムの拳を受け止め……今のアリスには攻撃を防御する余裕などまるでないだろう。
ゴーレムはアリスの刀に力を加えたまま、空いている方の腕でアリスの腹部をかなり容赦なく殴りつけた。
たった一撃ではなく、何度も、何度も――。
だが、これに耐えきれず崩れ落ちてしまえば、少女に危険が及ぶのは明らか。
一体アリスはどう出るのか、見ものだ……とエミリーは内心にやにやしていた。


870 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/28(木) 07:01:09 ???
>>869
「くっ……あぅっ……かはっ……」
化け物の拳を両腕で防ぐことが精一杯の私は無防備な腹部に強烈な打撃を何度も受け、徐々に劣勢へと追いやられていた。このまま私が力尽きてしまえば少女の身が危ない。意を決した私は、渾身の力を込めて化け物の拳を僅かに押し戻すと、刀を反らせて手放し、押し倒すようにして少女の上にくる。四つん這いになった直後に振り下ろされてきた拳を背中で受け止め、四肢で身体を支える。
「お願い……逃げて……このままでは二人とも……」


871 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/28(木) 09:06:22 ???
>>870

なるほど、自己犠牲精神か……とエミリーは結果に多少満足していた。
ゴーレムはしばらく機械的にアリスの背に打撃を加えた。
彼女はわたしを守るためにこんな仕打ちを受けていると考えると、エミリーの心は至福で満たされた。
それも、敵であるわたしを。無論、アリスはそれを知らないわけだが。
アリスの汗の雫が一粒、エミリーの顔にぽたりと落ちてきた。
「お願い……逃げて……このままでは二人とも……」
エミリーは一瞬ぽかんとした様を装った。その間にも拳が容赦なくアリスに降り注ぐ。
「で、でも……お姉ちゃんは……?」
口ではそう言いつつも、エミリーは既に次の一手を打っていた。
慎重に、恐怖で身体が言うこと聞かないと言わんばかりに緩慢にアリスの影から這い出るエミリー。
ゴーレムはついにアリスの背に飽きたのか、彼女の顎を跳ね上げるように痛烈な一撃を食らわせている。
それをしおにエミリーは駆け出す。
だが、エミリーは偶然に何かに躓いたよう見せかけ、その場に転倒した。
ゴーレムはそれを見逃さんとばかりにエミリーの細い首を掴もうと腕を伸ばした……。


872 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/28(木) 09:33:21 ???
>>871
恐怖に怯えながらも、少女は少しずつ身体を動かしながら私の下から這い出そうとしていた。その間にも何度も背中で化け物の打撃を受け止め続ける。
「あぐっ……」
不意に側面から顎を殴られた私はたまらず横へ転がってしまった。その隙に少女が駈け出す。良かった。そう思ったのも束の間、何かに躓いたのか、その場で転倒してしまう。化け物はやはり少女に狙いを定めているようでその手を少女の首に向けて伸ばしてゆく。

【投稿秒数が奇数の場合】
咄嗟に刀を拾い上げた私は少女に伸ばされた化け物の腕に渾身の一太刀を振り下ろした。

【投稿秒数が偶数の場合】
刀を拾い上げる時間もなく、私は少女に伸ばされた化け物の腕に必死に体当たりを食らわせてしがみついた。


873 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/28(木) 12:22:40 ???
>>872

アリスはどうにか体勢を立て直すと、刀を拾い直し、エミリーへ向かって伸ばされたゴーレムの腕に一太刀浴びせた。
鉄や岩石などの無機物で構成されているゴーレムの身体。
しかし、ものを断ち切るという一事に特化して鍛えられた刀の前には、それは脆かったのかもしれない。
さらに偶然か計算か、アリスの刀はゴーレムの腕で最も強度の低い、関節部分を捉えていた。
数々の要素が重なり、拍子抜けなほどに呆気なく、ゴーレムの腕は肘に当たる部位から切り落とされた。

「…………」

しかし、当のゴーレムは微塵も狼狽えることも苦しみを露わにすることもしなかった。
感情がないためだが、理由はそれだけではなかった。
ただ不気味な沈黙を保ち、ゆっくりと切り落とされた腕をもう一方の腕で拾うと、その断面と断面を合わせた。
まるでプラモデルの部品でも嵌め込むように、それだけで切り離された腕は接着されてしまう。
だが、アリスにとっては結果的にはそれでもよかったのかもしれない。
今やゴーレムの注意は全面的にアリスに注がれていた。
アリスを存在しない双眸で見つめ、彼女との距離を急激に詰めていく。
それだけなら対応できないアリスではないだろう。
が、彼女は気付いているだろうか、その背後にももう一体、別のゴーレムが控えていることに……


874 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/28(木) 13:51:02 ???
>>873
化け物の腕を斬り落とした私は再び刀を構えた。化け物の注意は完全に少女から離れ、私にだけ向けられている。
「まさか……」
切断された腕を拾い上げ、何事もなかったかのように繋ぎ合わせてしまった。これでは埒があかない。

【投稿秒数の下一桁が0,5の場合】
私は素早く横へ転がりながら立ち位置を変更し、化け物に刀を向ける。狙いは蛙の舌に取り込まれたもう一本の刀だ。炎属性が使えないとしても、刀に宿る炎龍の力で一時的にとはいえ覚醒状態になれる。私から意識が外れないように少しずつ、化け物に刀を向けたまま蛙の亡骸の方へと移動していく。

【投稿秒数の下一桁が1,3,7,9の場合】
いくら繋ぎ合わせることができるとしても、それは動けてこそだ。四肢を斬り落としてバラバラにしてしまえばもはや動けないだろう。私は正面から化け物に向かって飛び込み、刀を振るう。

【投稿秒数の下一桁が2,4,6,8の場合】
化け物自ら再生できることを知ってしまった今、深入りは危険だと本能が告げている。まずは相手の出方を伺い、一瞬の隙を突いて四肢を切断する、それが最善の策に思えた。いくら意識が私にだけ向けられているとはいっても、少女はまだ目の前にいる。下手を踏んで少女を危険に晒す訳にはいかない。化け物の攻撃を回避できるように後方へ重心を下げつつ、刀を構えた。


875 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/28(木) 15:19:26 ???
>>874

ゴーレムはアリスが回避を重視する姿勢をとったことを知覚した。
先ほど断ち切られた腕を大きく振りかぶり、アリスの頭部目掛けて拳が殺到した。
だが、これは当然かわされるだろう。
ゴーレムの狙いは別のところにあった。

後ろで機を窺っているもう一体のゴーレム――そちらへアリスを追い込むことだ。
もしアリスが二体目の存在に気がつかなければ、それは容易に彼女を羽交い締めにすることができるだろう。
そうなればアリスは肉でできたサンドバッグと大差はない代物に成り果てる。


876 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/28(木) 16:22:07 ???
>>875
化け物は自分が優勢だと感じ取ったのか、大振りな一撃を振り下ろしてきた。これ程の大振りなら避けさえすれば隙だらけになるに違いない。身軽に後方へ飛び退き化け物の拳を避けると、その隙に畳み掛けるように刀を振りかぶり、振り下ろされた化け物の腕に狙いを定める。

【先程のレスで三択から選んだため、今回は素直にそのまま行動させていただきます。】


877 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/28(木) 21:51:35 ???
>>876

アリスは見事にゴーレムの狙い通りに動いてしまった。
身軽に後方へ跳んで、ゴーレムの拳を避ける――そこまではよかった。
しかし、どうやら彼女は二体目の存在には勘づいていなかったらしい。
アリスが刀を振りかぶり、ゴーレムの腕に狙いを定める。

(ふふっ、スキだらけね)

己の背後に全く注意を注いでいなかったアリスを拘束するのは容易かった。
ゴーレムはアリスの脇に手を回し、抱え上げるようにして羽交い締めにした。

(さあ、どうするの、“お姉ちゃん”?)

形勢は一瞬にして逆転した。
もはやアリスには抵抗すらままならないだろう。
ゴーレムはアリスにつかつかと歩み寄ると、血と粘液に塗れたその身体に舐め回すように視線を這わせた。
ゴーレムに目はないが、少なくともそうしたように感じられた。
そして、思い切り腕を引き――アリスの腹に、ゴーレムの拳が手首のあたりまで埋まった。
それからは酸鼻をきわめるリンチでしかなかった。
顔面、胸、腹、両足……岩よりも硬い拳骨が無数にアリスを襲う。

(まあ、ここでは殺さないけど、もちろん……)

殴られ続けるアリスは気付くことができるだろうか、己を拘束する両腕の力が、一発殴られる毎に弱まりつつあることに……

【了解です。ですが、アリスさんのやりたいようにやって頂いても全然構いませんので……】


878 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/28(木) 22:32:32 ???
>>877
「え……?」
刀を振りかぶった直後、突然背後から羽交い絞めにされた私は何が起きたのか全く理解できていなかった。反射的に逃れようともがくものの、びくともしない。
「い、いやっ……やめっ……ぅぁっ……」
化け物が全身を舐めまわすように見つめ、腹部へ強烈な拳を叩き込まれた。一瞬にして息が詰まり、苦しくなる。防御すら取れない状況で、容赦のない攻撃が全身へ襲い掛かってくる。どうすることもできないまま、ただただ受け続けることしかできない。
「くっ……このっ……」

【投稿秒数が奇数の場合】
時間が経てば経つほど、状況は悪化していく。このままでは最悪死にかねない。私は残された力を振り絞り、上半身を激しく捻りながら背後にいる化け物へ踵で蹴りを入れた。


【投稿秒数が偶数の場合】
状況は徐々に悪化していき、身体に力が入らなくなっていた。弱々しく身体を捩ることで精一杯でそれ以上どうすることもできない。


879 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/28(木) 23:28:50 ???
>>878

(なんだ……拍子抜けね……)

アリスには僅かな抵抗すら許されていない。
彼女にできることなど、最初から殆どありはしなかったのだ。
……だが、このままアリスをなぶり殺しにしてしまうのも興醒めだ。
エミリーは怯えた少女の演技を続け、しばらく様子を見ることにした。

……ガッ、ゴッ……グチャッ……

殴打の音に、水っぽい音が混じるようになっていた。
アリスは全身に痣や傷を満遍なく負い、身体を血に染めていた。
ゴーレムの拳からはアリスの血液が滴り落ちている。
エミリーは次にどうするか決断した。

アリスを拘束していたゴーレムが、突如として彼女を解放した。
ボロボロのアリスは、それすらも理解できていないのか、前後不覚に陥ったようにふらつく。
そこへ、最後の痛烈な一撃が加えられた。
身体を吹き飛ばされ、コンクリートにめり込むほどの衝撃でアリスが壁に激突した。

そんなアリスを尻目に、二体のゴーレムたちはエミリー、そして蛙に獲物として捕食されかけていた少女の方へ向かう。
「ぅ……ぁ……やだ……」
「いやあぁぁぁ!! こないでえぇぇ!! 助けてえぇぇぇっ!! お姉ちゃぁぁぁん!!」
ゴーレムはそれぞれ二人を抱え上げ、次には蛙の死骸へ歩いていった。
その舌に依然として癒着していたアリスの刀を、人外の膂力で無理やりに引き剥がした。
慈悲のつもりなのか、それとも……
その刀を床に突き立て、「追ってこい」とでも言わんばかりにアリスにちらりと視線を移す。
二体のゴーレムは、それっきり振り返ることもなく、薄汚れた窓ガラスを打ち破ると、地上三十階から飛び降りた。
アリスに助けを求める悲鳴が二つ、地上から鳴り響いている……


880 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/28(木) 23:54:39 ???
>>879
気付くと私は壁に叩きつけられていた。意識が朦朧としており状況が理解できていない。ただ、全身に激痛が残っていることだけは嫌でもわかっていた。0
「ぅ……ぁ……やだ……」
「いやあぁぁぁ!! こないでえぇぇ!! 助けてえぇぇぇっ!! お姉ちゃぁぁぁん!!」
少女の悲鳴に、私の心臓がどくりと脈打つのを感じた。少女の身が危ない。急速に意識が集約されていくのを感じた私は最後の力を振り絞ってゆっくりと立ち上がった。化け物が少女二人を抱え、窓ガラスを突き破り飛び降りていくのが見えた。
「待ちなさい……」
ふらつきながらも、羽交い絞めにされたときに落とした刀を拾い上げ、納める。そして、化け物が床に突き立てていったもう一本の刀の方へ歩み寄り手にかけた。覚醒状態は余り長くは続かない。今覚醒すれば化け物と対峙する頃には限界を迎えてしまうかも知れない。
「甘えていたわ……」
本来なら、あの時化け物を振りほどいて戦えていたかも知れない。そうすれば、少女が危険な目に遭うことはなかったはずだ。悔しさに唇を噛みながら、刀を引き抜いた私はエレベータへと急ぐ。
エレベータを降りた私は真っ直ぐにビルの出口へと向かった。


881 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/29(金) 01:02:44 ???
>>880

エミリーはゴーレムに担がれながら、思案を巡らせていた。

(ふん、あの女、……思ってたよりも愚直なのね。……ここは、あそこに誘い込んでみましょう……あはは、ぞくぞくしちゃう……)

この廃墟地区には、エミリーがかねてより隠れ家、行動の拠点として使用している建物があった。
そのビルはかつては市庁舎として利用されていたもので、地上の高さは大したことないものの、地下三階まである。
最下層が、エミリーが普段“狩り”をする際に拠点にしているフロアだった。
アリスの姿がビルの出口から見えた。
あれだけの負傷にも拘わらず、まだ気力は萎えていないらしい。

(全く、何で無駄だってことがわからないのかしら……)

恐らく、アリスにはエミリーたちがこの建造物へ入っていくところがしっかりと見えただろう。
エミリーは、この場所を殆ど要塞のように改造してしまっていた。
それには“拷問具を顕現できる”という、悪魔との契約で得た能力が役立っていた。
もしアリスがこの市庁舎までエミリーと少女を追ってくるのならば、想像を遥かに超えるような苦痛、惨劇が繰り広げられることだろう……


882 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/29(金) 06:54:26 ???
>>881
廃墟ビルから出た私は、少女を連れ去った化け物がかつて市庁舎として使用されていたという建物へ入っていくのを見て後を追いかけた。もしかしたら、化け物の巣になっているかも知れない。それでも、少女を放って逃げる訳にはいかなかった。覚醒状態で一気に畳み掛ければ殲滅は無理でも少女を助け出すことはできる。私は迷いを振り切り、いつでも覚醒できるように心を平静に保ちながら、旧市庁舎ビルへと入っていった。


883 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/29(金) 08:47:25 ???
>>882

旧市庁舎は罠の巣窟と化していた。
床から天井に至るまで、ありとあらゆる罠がエミリーの自衛のためだけに仕掛けられている。
いささか過剰だが、用心に越したことはないとエミリーは考えていた。

正面玄関を潜ると、そこはホールになっていて、かつては受付として使われていたのだろうカウンターなどが見える。
空気は湿っぽく澱んでいて、黴臭い。そこかしこに昆虫の巣のようなものも散見できる。

ゴーレムたちが向かったであろう地下階へと通じる階段は、廊下の突き当たりに見えた。
また、この建物はエミリーが利用しているので、局所的に電気が通っていたため、
エレベーターも稼働自体はしている。
どちらを選ぶにしてもアリス次第である。
もちろん、どちらにせよ、張り巡らされた罠が彼女を待ち受けていることに変わりはない。


884 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/29(金) 10:40:32 ???
>>883
市庁舎ビルへと入った私はそこに広がる異様な雰囲気に息を飲んだ。嫌な汗が身体を這う。慎重に足音を殺しながら内部を探っていくと、階段とエレベーターがあることがわかった。少なくともこのフロアには誰もいないようだ。
電気系統は生きているようでエレベーターに乗ってみる。行き先ボタンは地下3階までだ。この程度ならエレベーターを使うリスクは避けたい。念のため、敢えて行き先ボタンを全て押した後、エレベーターを降りて階段へと向かう。動作したエレベーターに気を取られれば階段は手薄になる。足音を立てないように下のフロアの様子を伺いながらゆっくりと階段を降りていく。


885 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/29(金) 12:27:53 ???
>>884

この旧市庁舎の地下階は、現在は非常に不便な構造になってしまっている。
本来なら地下三階まで続いているはずの階段は、地下一階に降りたところで封鎖されているのだ。
事故のために階段の段が不安定になっている、というのがその理由だった。
そのために一旦フロアを横切り、向かいにある階段から改めて地下二階へ降りなければならない。

そんなことは露ほども知らず、アリスはそろりと慎重に階段を降りていく。

(まあ、エレベーターには乗らないわよね……危険だもの……)

エミリーは内心で独りごちた。
だが、結局どちらのルートを選択しようが、アリスは無数の罠を潜り抜けなければならない。

灯りはないため階段は薄暗く、気を張り詰めていても全ての危険を察知するのは難しいだろう。
階段の踊り場には、エミリーの手によってある罠が仕掛けられている。
ベアトラップ、いわゆるトラバサミである。
もし踏み抜いてしまえば、鋸歯状になった鉄板がアリスの足を襲うことになる。


886 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/29(金) 13:12:04 ???
>>885
暗く足場も見辛い階段を慎重に降りていた私は踊り場に出てから何かを踏んでしまった。
「あああぁぁっ……」
足首に刺さるような激痛を感じて絶叫しながら転倒してしまった私は痛む足首に手を伸ばした。冷たい金属質のものが噛み付いていることがわかった。
「くっ……」
幸い噛み付いているのはベアトラップで敵ではない。何とかベアトラップを外した私は痛む足を引きずるようにしながら地下1階を目指す。この暗さで今後も罠が仕掛けられているとしたら。そう思うとエレベーターを選ばなかったことを後悔した。今の悲鳴で私が階段から降りてきていることは相手に知られてしまっているに違いない。


887 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/29(金) 13:33:37 ???
>>886

「あああぁぁっ……」
アリスの苦痛の悲鳴がエミリーの耳に届いた。
どうやらまんまと罠にかかったらしい。彼女の位置から推察するに、トラバサミにかかったのだ。
足首を骨折とまでは言わないが、骨にヒビくらいは入っているだろう。
エミリーはほくそ笑んで傍らでぐったりとしている少女を見やった。
少女は落下の際に気絶してしまったのだ。

今や、市庁舎の地下はエミリーの手によって改造され、彼女の実験室のようになっている。
アリスが今いるだろう地下一階には、鉄球を射出するトラップが仕掛けてある。
生物の呼吸を探知し、あらゆる方向から握り拳大の鉄球が獲物に飛来する。
たった一撃喰らっただけでも致命傷になりかねない、それは殆ど凶器である。

そして、地下一階にさしかかったアリスを、射出機のうちの一つが察知した。
間もなく、バッティングマシンのように、音もなく鉄球が発射される。
とてつもない運動エネルギーを持ったそれを、アリスは避けることができるのだろうか。


888 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/29(金) 14:46:39 ???
>>887
地下1階に踏み入れた私はそこから下に繋がっている階段が塞がれていることに気づき、慎重に変なものを踏まないよう足を滑らせるようにして奥へと進んでいく。階段が塞がれている以上、今からでもエレベーターを使うべきではないか。それとも他の階段を探すべきか。そんなことを考えていると、僅かな風切り音が聞こえた気がした。
「うぐっ……」
腹部に叩き込まれた強烈な一撃に、私は息を詰まらせその場に崩れ落ちてしまった。何かいるのか、それともまた罠なのか。周囲の気配を探るものの、何かがいる気配はない。とすると、このフロアにも罠が仕掛けられているのかも知れない。腹部を押さえながら立ち上がった私は耳を澄ませて周囲を探る。と、再び風切り音が聞こえてくる。反射的に前方へ転がりながら避けつつ、急いでエレベーターのある方向へと走り出した。足や腹部に痛みが疾るものの、そんなことを気にしている場合ではなかった。
エレベーターの扉が開くと同時にエレベーターへ飛び乗った私は急いで地下3階のボタンを押し、閉ボタンを連打した。


889 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/29(金) 16:03:27 ???
>>888

ポーン、と、エミリーの耳にエレベーターの開閉に伴うチャイムが響いた。
どうやら階段をさっさと諦め、昇降機に頼りを託したらしい。
だが、結局はそこにもトラップは仕掛けられている――それも極めて悪質なものが。

エレベーターの扉が閉じかけたところで、鉄球がそれに激突し、扉に球形の窪みをつくった。
間一髪のところで、アリスは間に合ったのだ。
だが、ことはそう単純ではなかった。
次の瞬間にアリスが感じたのは、あの僅かに身体が軽くなるような、エレベーターの降下する感覚ではなかった。
むしろ身体に若干の重力が加えられるような感覚――そう、エレベーターは上昇していたのだ。
確かにアリスは地下三階のボタンを押したにも拘わらず。

この市庁舎は地上6階建てである。
エレベーターは無慈悲にアリスをその最上階まで連れて行くと、そこで停止した。
だからといって、扉が開こうとしているわけでもなかった。
しかし、アリスをこの密閉空間に閉じ込めているわけでもない。

その瞬間は突然に訪れた。
エレベーターの床に切れ目が入ったように見えた。
そして、下を向いている両開きの扉を開け放ったように、その切れ目を境にしてエレベーターの床が抜けたのだ。
アリスは当然、宙空に放り出され、エレベーターシャフトを落下していった。
シャフトは市庁舎の地上6階から地下3階までを垂直に通っている。
その高度だけでも危険だが、さらにアリスにとって悪い知らせがあった。
シャフトの底には土砂が敷き詰められており、そこから緩衝器が顔を出している。
そして最悪なのは、地面には細かい金属部品が散乱していることだった。
特に、その内の細長い錆びた鉄筋のようなものが、鋭利な先端を落下するアリスに向けて待ち構えていた。
あれに身体のどこかに突き刺さってしまえば、アリスは計り知れないダメージを負ってしまうだろう……。

【すみません、もしお好みでなければ回避して頂いて構わないのですが、アリスの脇腹のあたりに鉄筋を突き刺して頂きたいんですけれども……ちょっとやってみたいことがあるので。】


890 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/29(金) 16:18:33 ???
>>889
「ふぅ……」
扉が閉まると同時にエレベーターの扉に何かが衝突したようだ。ぎりぎりエレベーターに乗れたことに安堵の溜息が漏れる。
「え……?」
地下3階を押したはずなのに、上昇している感覚を受けた私はその違和感に自分の選択が間違っていたことを思い知らされた。これは何かの罠だ。階段だけでなく、エレベーターにも罠が仕掛けられていたのだ。恐らく、扉が開くと同時に何かが待ち受けているのだろう。それを切り抜けて地下へと降りていかなければならないのだろうか。エレベーターが停止すると、扉が開くのを待ち構える。
「な、何……?きゃああぁぁ……」
突然、エレベーターの床が抜け私の身体は宙へ投げ出されていた。いくら私でも空は飛べない。空中では自由落下するしかない私はなす術もなく落下を続けた。
「あぐっ……」
脇腹に鋭い痛みを感じると共に私の身体は地面に叩きつけられていた。落下速度で地面にあった何かが私の脇腹に突き刺さってしまったようだ。叩きつけられた痛みも伴い、すぐには動けない。

【落下中は自由に動けないということで刺さりました。】


891 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/29(金) 17:38:18 ???
>>890

エミリーの耳はエレベーターの扉を通してそれなりの質量をもった物体が落下する音を捉えた。
アリスに違いない。あの女め、まんまと罠に嵌まったのだ。

(まったく、張り合いのない……まあいいけれど)

今、エミリーと少女が居るのは、コンクリート造りの無骨な部屋だった。
床は一面、石畳で覆われている。
そして、これからまさに少女に対して世にもおぞましい行為が行われようとしていた。
部屋には彼女等の他にゴーレムが二体、そしてたった今エミリーの召喚した異形の怪物が一体。
それは一見ではただのぶよぶよした白い肉の塊にしか見えなかったが、四肢や顔を備えており、確かに人型である。
顔には目や鼻などの知覚器官が存在していた。
その嫌らしい顔つきは、まるでそいつの持つ歪んだ欲望がだだ漏れになっているように見える。
唇の端から涎を垂らし、それは乾きかけた粘液に未だ塗れている少女を見ると、舌なめずりをした。
股関節では、巨大で醜悪な形だが真っ白い男性器が屹立していた。
その怪物――エミリーはファットマンと呼んでいた――は、少女のスカートに手をかけ、一思いに引きずりおろす。
運悪く、少女はそこで意識を取り戻してしまった。
彼女は朧気な意識の中で己の置かれた状況を理解すると、鼓膜が張り裂けんばかりの悲鳴を上げた。
「いやあああぁぁぁぁぁ!!!」
その声はエレベーターシャフトの底で苦しんでいるであろうアリスにも十二分に聞こえるほどに大きかった。

【ありがとうございます。アリスさんも何かありましたら何なりと申しつけてください。】


892 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/29(金) 18:25:59 ???
>>891
「いやあああぁぁぁぁぁ!!!」
響き渡る絶叫を耳にした私は居ても立っても居られず、歯を食いしばりながら必死に立ち上がろうとした。
「あぅっ……」
脇腹に突き刺さっているものが抜ける痛みに、思わず顔をしかめてしまった。それでも、唇を噛みながら上体を起こし、脇腹を押さえながらゆっくりと立ち上がった。血が溢れ出てくることがわかる。それでも、私は連れ去られた少女達を助けなければならない。
深呼吸をして刀を構えた私は地下3階と思われる扉を切り開いた。慎重に斬り落とされた場所からフロアへと歩を進める。

【わかりました。私の方はNGシチュエーションにないものは基本何でも大丈夫なので好き放題やっちゃってくださいな。】


893 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/29(金) 19:13:46 ???
>>892

ファットマンは少女のパンティを引きちぎり、今まさにことに及ぼうとしていたところだった。
突如、部屋とエレベーターシャフトを隔てていた扉が一閃のもとに斬り落とされる。
果たして、そこから顔を覗かせたのは血に塗れ、腹部を紅く染め、埃におおわれたアリスだった。
エミリーは狂喜に相好を崩してしまうところだったが、どうにか押し留めた。
呼吸の荒いアリスの方へ顔を向けると、エミリーは涙ながらに懇願した。
「ひぐっ、うえぇ……た、助けて……助けて、お姉ちゃん……ひぐっ……」
我ながら上手い演技だとエミリーは自讃した。
涙と鼻水でぐしゃぐしゃにした顔と、この心の底から怯えているような声色に、騙されないものはいないだろう。

ファットマンの反応はそれと好対照をなしていた。
お楽しみの最中の闖入者に、それはあからさまに不機嫌な態度を露わにした。
白く肥えた醜い身体をぼよぼよと弾ませ、それはアリスに襲いかかった。
だが、所詮は性欲しか頭にない下等生物、手負いとはいえアリスの敵ではないだろう。
問題はむしろその後ろに控えて戦闘態勢をとっている二体のゴーレムだ。
両者共に土属性であるため、炎属性のアリスにとっては不利な相手だろう。

【了解です。「普通死ぬだろ……」ぐらいのえげつない責めのアイデアもあるんですが……実行しちゃっても大丈夫ですか?】


894 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/29(金) 20:00:45 ???
>>893
エレベーターの扉を潜った私の目に飛び込んできたのは、白い肉塊のような人型の何かが少女に襲い掛かろうとしている光景だった。その傍らで私の姿を見た幼い少女の目から涙が溢れ出す。
「ひぐっ、うえぇ……た、助けて……助けて、お姉ちゃん……ひぐっ……」
「もう大丈夫よ。私が絶対に守るわ。」
強い不快感と少女を助けたいという想いが私を突き動かし、標的を私に変え襲い掛かってくるその肉塊を一刀のもとに斬り捨てた。この程度の相手なら、大した問題ではない。それよりも問題となるのはその奥にいる二体の化け物の方だ。覚醒状態にいつでも入れるよう、気を静めながらゆっくりと刀を構え直し化け物と対峙する。

【程度にもよりますが、死にさえしなければ大丈夫です。相当やばそうなものなら覚醒状態のアリスにやって頂けると良いかも知れません。ただ、エレベーターの落下の時点で既に死んでいてもおかしくないレベルですし、創作なので非覚醒状態でやりたければそれでも構いませんよ。受け手は劣勢に立たされたら相手の思うがままにされてしまう、という方が自然ですし。】


895 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/29(金) 20:38:13 ???
>>894

醜い白豚のような巨大に深く傷が刻まれ、切創から黄土色の体液が溢れ出た。
腐った魚のようなきつい臭いを放つその液体がアリスの頬を僅かに掠めたが、彼女はそんなことを気にしている場合ではないだろう。
倒れ込んだそれはしばらく身体を痙攣させていたが、体液が流れ出るにつれ動かなくなった。

二体の怪物はアリスと対峙し、じりじりとその距離を詰め始めていた。
明らかに統率された動きだった。彼らの行動は計算と観察に基づいていた。
やがて、アリスから見て左手側にいた一体が彼女に飛びかかった。
それと平行し、もう一体がアリスに注意を払いつつも俊敏にアリスの背後に回った。
アリスに前後から二対の拳が迫る――!

【わかりました、それでは遠慮なくやらせて頂きます。確かにエレベーターの時点でかなり無茶やってましたしね……】


896 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/29(金) 21:19:18 ???
>>895
二体同時に徐々に近づいてくる化け物を前に、私は様子を伺うことしかできずにいた。下手に片方を相手に攻めればもう片方へ隙を見せることになる。なるべく同時に相手をすることは避けるように立ち回らなければならない。
ぎりぎり私の射程外、という距離で左側にいた化け物が私目がけて飛び掛かってくる。それを好機と捉えた私は踏み込みながら相手に斬りかかろうとした。
「くっ……」
私が踏み込むと同時に、それを待っていたかのようにもう一体が私の背後へ回り込んできた。想像を遥かに上回るその俊敏さに、挟み撃ちを受ける形になってしまう。このままでは前方の化け物を倒せても後方の化け物に攻撃を許してしまう。咄嗟の判断でわざとバランスを崩すように右側へ倒れ込みながら化け物の攻撃を逸らせるように刀で化け物の腕を斬り払った。


897 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/29(金) 22:34:00 ???
>>896

アリスの刀はゴーレムの内のどちらかの腕を捉えはしたものの、切断するには至らなかった。
それでも拳の軌道を逸らすことには成功し、辛くもアリスはゴーレムの挟撃から逃れた。
しかし、その代償として、アリスは姿勢を崩したまま床に横たわるような形となってしまう。

当然、二体のゴーレムたちはそんなアリスに対して微塵も容赦を見せない。
いっぽうのゴーレムは先ほどのトラバサミで骨にヒビが入っているアリスの足首に狙いを定めた。
岩石の拳をハンマーのように硬く握り締めると、そこへ向けて思い切り振り下ろす。
もういっぽうはと言えば、アリスの利き腕を狙っていた。
ゴーレムは足を持ち上げ、刀を握るその手首を狙って踏み抜くように足を降ろす。


898 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/29(金) 22:57:36 ???
>>897
「あああぁぁっ……」
転倒した後、体勢を整える間もなく次の攻撃に移る化け物の攻撃を避けることができず、ベアトラップに噛まれた右足首に強烈な一撃を叩き込まれていた。更にもう一体が私の左腕を踏みつけてくる。攻撃を避けたことで化け物がバランスを崩している内に体勢を整える、あわよくば相打ちになっている隙に畳みかける、そう考えていた私は目の前に起きた現実をどうすることもできず、ただ痛みに悶えることしかできない。
「うぅ……くっ……」
踏みつけられた左手から刀が転がり落ち、指先が痙攣するように震えていた。


899 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/29(金) 23:45:48 ???
>>898

ゴーレムたちは見事にアリスの身体を破壊してのけた。
とりわけ、骨にヒビの入っていた右足首へのダメージは甚大だろう。
確実に骨折はしている。
刀使いのアリスには、四肢のうちの一つであれ損じることは剣技に計り知れない影響を与えるだろう。
アリスはただ苦痛に呻くことしかできないようだった。
ゴーレムはそんな彼女の紅い髪を掴み、無理やり引ったたせた。
それだけでも彼女の右足には堪えがたい激痛が電流のように走るだろう。

(がっかりさせないでよ、“お姉ちゃん”?)

エミリーは泣き顔の奥底で嗜虐的な欲求を募らせていた。
ゴーレムは、鉄筋に貫かれ、風穴の空いたアリスの傷口を痛烈に殴りつけた。
流血の止まりかけていた傷が開き、予てから紅く染まっていたアリスのブラウスを染め直した。
そして、コンクリートに埋め込むほどの勢いでアリスの頭を思い切り壁面に叩きつけた。
ゴーレムたちはその一撃では満足しなかったらしい。
アリスの頭を掴み直すと、もういっぽうのゴーレムの方へ投げ出した。
無防備に宙を舞うアリスの顔面を、石塊のような拳が追撃した。

「あぁ……あ……ああぁぁ……」
先ほど肉塊に犯されようとしていた少女は、目の当たりにしているものを受け入れることができなかった。
これほどまでに過剰な暴力を、彼女はこれまで目撃したことがなかった。


900 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/30(土) 01:01:49 ???
>>899
「う……あ……」
激痛に苛まれる中、髪を引っ張られ無理やり立たされる。そこで破壊された右脚から激痛が突き刺さる。更に脇腹の傷跡を攻められ、休む間もなく頭部を壁面へ叩きつけられた。意識が朦朧とし、痛みで気がおかしくなりそうだった。何が起きているのかもわからないまま、顔面に強烈な衝撃を受け、床に転がる。
「はぁ……はぁ……」
血で視界が滲み、まともにものが見えなくなっている。それでも、先ほど手放してしまった刀を、気配を頼りに這うようにして手で探り始めていた。あの刀さえ手にすれば、覚醒状態になれる。今の状態で覚醒することは身体への負担が大き過ぎるものの、それ以外には勝ち目はなかった。化け物を倒せさえすれば、少女達も助かる。そうなれば、例え暫くは動けなくても構わない。


901 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/30(土) 01:26:19 ???
>>900

ゴーレムたちはエミリーの嗜虐癖が感染したかのように、アリスを痛めつけることに至上の喜びを感じていた。
呼吸器官はなく、声帯も存在しない彼らだったが、もしそれらの器官を持っていれば、
間違いなく興奮のため呼吸は荒く、そして下劣な言葉が声帯を通じて放たれていただろう。

ゴーレムは何かを探るように床を這っているアリスの腕を掴み、ひねり上げるように持ち上げた。
もう一体のゴーレムは、アリスの頭部を床と足で挟んで押し潰そうとするかのように、思い切り踏みつけていた。
アリスの額の皮膚がコンクリートに裂け、床に血だまりをつくる。
それを見たゴーレムは、アリスの腕への興味を失い、それを解放した。
次の瞬間にはアリスの頬にゴーレムの足先がめり込んでいた。
口内では皮膚が避け、奥歯も一本ほどは折れているかもしれない。
やがてゴーレムたちはアリスを滅茶苦茶に踏みつけ、蹴り上げ、痛めつけた。
ガッ、ドゴッ、グシャッ、ゴッ、ガッ……

それにも飽きると、彼らはアリスの脇腹をサッカーボールキックの要領でしたたかに蹴りつけた。
その衝撃で、ボロ雑巾のようなアリスの身体が再び宙を舞い、部屋の壁に激突する。
ゴーレムは競うようにしてアリスに追撃を加えようと、少年がサッカーボールを追うようにしてアリスのほうへ急ぐ。
だが、この二体の無機生命体は全く気付いていなかった――アリスが落下した地点は、
まさに先ほど彼女自身が刀を取り落としてしまった箇所だったのだ。


902 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/30(土) 09:52:17 ???
>>901
「う……ぐ……」
化け物は私を嬲ることしか考えていないようだった。もはや何をされているのかもわからないくらい、全身が痛み悲鳴を上げている。頬を踏みつけられた直後、口内には血の香りが広がっていく。
もう動けない。このままでは私は死ぬ。もうどうしようもなかった。そんな私の身体は脇腹を蹴り飛ばされ宙を舞い、壁に激突して床を転がった。
痛みに手放しそうになった意識が、すぐ近くに妖刀の気配を感じ取った。気配のする方へ手を伸ばしてみる。もし届かなければ、もう私は動けない。
「うぅ……」
刀に指先が触れるのを感じる。あと少し。少しだけ身体を動かし、刀を掴んだ。覚醒しても怪我が完治する訳でも痛みが完全に消える訳でもない。それでも、私は刀に宿る炎龍を体内へ降ろした。
覚醒状態に入った私の身体からは出血が止まり、傷もわずかに回復していく。そして、感じていた痛みが和らいでいくことを感じた。これなら、まだ戦える。ただ、身体への負荷を考えると短期決戦で勝負をつけるしかない。再度刀を握り締めよろめきながら立ち上がった私は、口内に溢れていた血を吐き出すと私に追撃しようと向かってくる化け物の一体に飛び掛かりながら刀を振り下ろした。


903 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/30(土) 11:03:56 ???
>>902

アリスはもう限界だろう……エミリーはそう見積もっていた。
だが、それは誤りであるとすぐさま思い知らされた――アリスは満身創痍ながら、血だらけの指先で傍らの刀を必死に探っている。
やがてその指は彼女の刀を探り当て、握り直す。
それを皮切りに、エミリーはアリスの纏う雰囲気が一挙に変化したことを感じた。
あの刀に何か秘密があるらしいとエミリーは推察したが、それが何なのかは知る由がなかった。
それが炎を放出したのは覚えているが、この現象はまた違った性質のものである。
アリスの全身の傷口からの出血は止まり、僅かにダメージも癒えているようだった。
驚くべきことに、彼女は総身を震わせながらも、今一度たしかに立ち上がった。

(へえ、なにをしたのかしら……)

もはやエミリーはアリスに対して一種学術的な興味を抱いていた。
アリスは口腔に溜まった血を吐き出し、彼女を追撃しようとするゴーレムを刺すような視線で貫いた。
ゴーレムの頭部を彼女の刀が両断した。

ゴーレムの身体は無機物で構成されているが、その実やはり生物である。
生命体であるからには、最低限身体を動かす命令系統が備わっていなければならない。
人間でいう脳にあたるその器官を、ゴーレムたちは人類と同じ部位に宿していた。
ゴーレムの頭部の断面からは銀色の、水銀のようなどろどろした物体が流れていた。
それがゴーレムたちの脳である。
そのゴーレムに、既に動こうとする気配はなかった。

こういった細かい事情は知らずとも、アリスはもうゴーレムの弱点が頭部であることを理解しただろう。
もう一体残されたゴーレムが、アリスに遮二無二突っ込んでいく――!


904 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/30(土) 12:40:16 ???
>>903
僅か一太刀。それで化け物は動かなくなった。恐らく、コアの部分を斬ったのだろう。内部構造はわからないが、頭部に生物でいうところの脳が詰まっている可能性が高い。それなら話は早い。もう一体の化け物が突っ込んでくるのに合わせ、すれ違いざまに頭部に狙いを定めて刀を一閃させた。
「はぁ……はぁ……」
肩で息をしながら、少しの間呼吸を整えた私は、視線を少女達に走らせ二人の安全を確認し覚醒状態を解除する。と同時に痛覚が蘇りその場で膝をついてしまった。
「もう、大丈夫よ……怪我はない?」

【今日はほぼ書き込みできないと思います。ごめんなさい。】


905 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/30(土) 12:53:01 ???
>>904

終わりはあっけなく訪れた。
アリスは二体目のゴーレムも難なく処理した。
ゴーレムの頭の断たれた上半分がごとりと落ち、卵が割れたようによくわからない物体が流れ出た。

アリスはそれを見届けると、急に全身の傷と疲労を思い出したようにその場に崩れ落ちた。
「もう、大丈夫よ……怪我はない?」
少女はアリスのその言葉を聞くと、気がふと緩んだのか、顔をくしゃくしゃにして泣き崩れた。
「うええぇ……こわ、……怖かった……よぉ……」
エミリーも同じく、まさに恐怖から解放されたように涙を流した。
そして再び床に倒れたアリスの刀を拾うと、彼女に近付いていく……

【了解です。】


906 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/31(日) 00:56:42 ???
>>905
私の言葉に安心したのか、二人とも涙が溢れ出していた。一人はよほど怖かったのだろう、泣き崩れて嗚咽を漏らしている。もう一人の少女は目に涙を浮かべながらも私の方へと歩み寄ってくる。
「ありがとう。」
私の刀を拾い上げ近づいてくる少女から刀を受け取ろうと、私は手を差し出した。あとはここから脱出するだけだ。そう思うと、私も安堵していた。


907 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/31(日) 01:30:09 ???
>>906

刀をアリスへ渡し、エミリーは彼女の身体を舐め回すように観察した。
全身は傷と汚れに塗れ、服はところどころ擦り切れ、右足首など骨折している。
これなら――容易そうだ。

どうやら、アリスのほうも安堵しきっているらしい。
呑気にも、彼女はエミリーに握手を求めるように手を差し出してきた。
エミリーはそこで含み笑いをしてしまった。

「ありがとう、お姉ちゃん、ありがとう……ほんとうに。……ほんとうに……ねっ!」

エミリーの感謝を表した言葉は、語尾にあたって急激にどす黒い響きを帯びてきた。
そして、エミリーは懐からバタフライナイフを取り出すと――アリスの左肩に突き刺した。
それはアリスの肉体を貫通し、彼女の肩口からナイフの切っ先が覗いた。

「……ぷっ……くっ、くくく……くっ……あはははは……あはははははははは!!」

そこにいたのは、既にアリスの救出した泣き虫でか弱い少女ではなかった。
エミリーは、ここにきて己の演技の仮面を放り捨てたのだ。

「ふふふふ……はぁ、はぁ……ふふっ……あははははは!! ありがとうございます!! 助けてくれて! おかげさまで、とてもいいものが見れましたよ!」

先ほどのナイフには、人体を麻痺させるのに充分な量の特殊な毒薬が仕込んであった。
アリスは鈍いような感覚が傷口からじわじわと広がるのを感じているだろう。

「ふふふっ……もし理解できてないんだったら一応教えてあげます。あなたがさっきまで必死に守っていたわたしが、その実ずっとあなたを痛めつけていたんですよ。最初の最初から、最後の最後まで、ずっと……。あははは、バッカですねぇ、気付くチャンスなんていくらでもあったのに……」

エミリーは一息にそう言い終えると、アリスの左肩に突き刺さるナイフを握り直し、抉るようにぐりぐりと動かした。
アリスの反応に飽きるまでそれを続けると、今度は勢いよくそれを引き抜いた。
刺創から真っ赤な血がどくどくと溢れる。
エミリーはアリスの血が滴り落ちるナイフの腹をさも美味そうに舐め回す。

「わたし、あなたのことが気に入っちゃったんですよ……どんなに傷ついても諦めない精神力、磨かれた剣技、そしてその美しい身体。……知りたいんです。何が、あなたの強さの源なのか……」

エミリーがそう言うと、アリスの傍らの壁が人型に膨らんできていた。
もちろん、エミリーが新たな魔物を召喚したのだ……アリスをさらに痛めつけるためだけに。
その魔物は、ゴーレムの一種だった。だが、先ほどの二体と比べるとずっと細身で、華奢と言ってもいい。
全身に機械仕掛けと思しきパーツが無数に付いていた。
いや、むしろそれは、どこか残る無骨さを除けばアンドロイドとも言えるような代物にすら感じる。

「反抗はしても構いませんよ? できれば、……の話ですけどね。しかし、逃げようとは考えないことです――」

エミリーは怯えた眼差しで二人のやりとりを見ていた少女のほうを指差した。
そしてこう念を押す。

「彼女がどうなるか、わかったもんじゃないですからね?」

そして、麻痺しつつあるアリスに刀を無理やり握らせると、
あの機械仕掛けのゴーレムのほうを顎で指し示し、こう言い放った。

「さあ、“これ”と闘ってください。できないなんて言いませんよね?」


908 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/31(日) 13:33:57 ???
>>907
一瞬、何が起きたのかわからなかった。突如として豹変した少女を呆然と見つめることしかできない。気付くと、私の左肩にナイフが突き立てられていた。
「……ぷっ……くっ、くくく……くっ……あはははは……あはははははははは!!」
「え……?あああぁぁっ……」
一瞬遅れて、激痛が突き刺り、咄嗟に右手で左肩を押さえる。そんな私を愉快そうに見下ろす少女。
「ふふふふ……はぁ、はぁ……ふふっ……あははははは!! ありがとうございます!! 助けてくれて! おかげさまで、とてもいいものが見れましたよ!」
「っ……」
傷口から溢れ出す血に、どくりと脈打つのを感じていた。何故、少女は私にナイフを突き立てているのか、まるで理解できずただただ少女を見上げることしかできない。
「ふふふっ……もし理解できてないんだったら一応教えてあげます。あなたがさっきまで必死に守っていたわたしが、その実ずっとあなたを痛めつけていたんですよ。最初の最初から、最後の最後まで、ずっと……。あははは、バッカですねぇ、気付くチャンスなんていくらでもあったのに……」
「う、嘘よ……あぅっ……」
抉るようにナイフを動かすのに合わせて、激痛が襲い掛かってくる。ナイフが引き抜かれると同時に、飛散する紅。そして、ナイフに付着したそれを少女は美味しそうに舐めていた。
「わたし、あなたのことが気に入っちゃったんですよ……どんなに傷ついても諦めない精神力、磨かれた剣技、そしてその美しい身体。……知りたいんです。何が、あなたの強さの源なのか……」
突如、壁から何かが姿を現した。人型の化け物。先ほどのものより機械的で不気味さが際立っている。
「反抗はしても構いませんよ? できれば、……の話ですけどね。しかし、逃げようとは考えないことです――彼女がどうなるか、わかったもんじゃないですからね?」
もう一人の少女を見ながら、私を牽制しつつ刀を押し付けてくる少女。左手の指先の感覚がないまま、私は刀を握った。
「さあ、“これ”と闘ってください。できないなんて言いませんよね?」
もはや片手では刀を振るうことは難しい。両手でしっかりと握り締めた私は、再び覚醒状態に入った。この状態で覚醒することは非常に危険を伴う。それでも、無関係な少女を危機に晒すことはできない。
「二人とも、無事に連れて帰るから……」
この豹変した少女は、何者かに操られているか脅されているに違いない。いや、そう思いたい。私はゆっくりと立ち上がると化け物に刀を向けて対峙した。


【投稿秒数が奇数の場合】
先手必勝、長時間の覚醒に耐えられない以上、先ほどと同様に頭部を狙って一撃を入れるしかない。痛む身体に鞭打つようにして、化け物に向けて飛び掛かる。

【投稿秒数が偶数の場合】
相手のことが何もわかっていない今、下手に攻めるのは危険を伴う。万全な状態ならともかく、満身創痍になっている以上は危険は避けるべきだ。相手の出方を伺い、隙を見て反撃に転じる。相手の動きに対応できるよう、神経を集中させながら相手の様子を伺う。


909 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/31(日) 14:59:16 ???
>>908

「ふん、無駄なことを……」

エミリーは吐き捨てるように呟いた。
“二人とも無事に連れて帰る”とアリスは言った。
それが彼女にはどうにも気に入らなかったのだ。

「やっぱり、多少は痛めつけてあげないとわからないみたいですねぇ……」

アリスが刀を握り締め、再び立ち上がる。
やはり、それと同時に傷口の出血が止まり、僅かに傷が癒えている。
あれに何かからくりが隠されているのだろう。

そして、アリスが新たに召喚されたゴーレムに飛びかかる……
短期決戦を狙っているのだろう、その照準はゴーレムの頭部に合わせられている。

だが、ゴーレムの方にも迎え撃つ用意はできていた。
機械的な関節の設けられた指のうち、中指の先をアリスに向ける。
その指がちょうど第二関節の所で蝶番でもついているかのようにだらんと折れると、その内部は筒状の空洞になっていた。
筒の口で閃光が散り、アリスに向けて弾丸が発射された。
その弾は、いわゆる暴徒鎮圧に用いられる非殺傷性のゴム弾――だが、命中すればアリスは非常に苦しむことになるだろう。


910 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/07/31(日) 19:23:12 ???
>>909
飛び掛った私に向けられた化け物の中指が折れる。その空洞になっている指から銃弾のようなものが射出された瞬間、私は反射的にその弾丸を刀で斬り捨てていた。しかし、結果的にそれは化け物の目の前で空振りしたのと同等の効果を生み出してしまっていた。

【投稿秒数が奇数の場合】
無防備な状態になってしまった私は、咄嗟に薙ぎ払うように刀を振るう。

【投稿秒数が偶数の場合】
相手の手前で刀を振り下ろすことになってしまった私は着地と同時に再度距離を取ろうと後方へ飛ぶ。


911 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/07/31(日) 23:22:13 ???
>>910

ゴーレムの発射した弾丸を、アリスは驚くべきことに刀で切り捨てた。
だが、アリスのその動作は、化け物の眼前で空隙を生む結果となった。
それを嫌ったのか、着地と同時に後方へ跳び、再度ゴーレムと距離を取るアリス。

「へえ、その身体でよく動けるもんですねぇ……何か、その刀に……あなたの身体能力を強化したりするような仕掛けでもあるんですか?」

冷静さを保ちながらエミリーが推論を述べる。
その瞳にはアリスへの興味と執着心のようなものが見て取れた。

「でも、多分その力には時間制限があるんでしょう。そして、時間が尽きれば、あなたの身体には一挙に疲労と痛みが襲いかかる……違いますか?」

そこまで言い終えると、エミリーはパチン、と指を鳴らした。
すると、アリスを呑み込まんばかりに、彼女のすぐ足下の床にぽっかりと正方形に穴が開いた。

「この建物、以前は地下三階までしかなかったんですけど……部屋が足りなくて、わたしが増設したんですよ。地下にね……」

何らかの手を打たなければ、アリスはその穴に落下してしまうだろう。
そして、その穴の底には、何であれアリスにとって害をなすものしか待ち受けていないだろう。

(ふふふ、こんな玩具、滅多に手に入らない……壊れるまで遊んでやるわ)

エミリーは心の中でそう呟いた。


912 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/01(月) 00:23:06 ???
>>911
「へえ、その身体でよく動けるもんですねぇ……何か、その刀に……あなたの身体能力を強化したりするような仕掛けでもあるんですか?」
「どうかしら?」
冷静に状況を分析している少女に対して、私も平静を装って答える。弱みを見せたら付け込まれる、直感的にそう感じられた。
「でも、多分その力には時間制限があるんでしょう。そして、時間が尽きれば、あなたの身体には一挙に疲労と痛みが襲いかかる……違いますか?」
「そ、それは……きゃあっ……」
少女の言っていることは、大体的を射ていた。それだけに、私は一瞬動揺してしまう。私の動揺に勘付いたのか、少女が指を鳴らすと同時に床が抜けた。正確に言うと床が消えた、ように見える。
「この建物、以前は地下三階までしかなかったんですけど……部屋が足りなくて、わたしが増設したんですよ。地下にね……」
落下しながらも咄嗟に右手を伸ばし、間一髪床に手をかけてぶら下がった私は痺れて動かせなくなった左腕にもどかしさを感じながらも身体を引き上げようと右腕に力を込めた。邪魔が入らなければ何とかなるかも知れないが、私が這い上がるまで待ってくれるのだろうか。


913 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/01(月) 01:15:53 ???
>>912

「ふん、粘りますねぇ……」

エミリーはねちっこく言った。
アリスは右手で必死に穴の縁に捕まっている。
エミリーはそこまで歩いていくと、アリスの右手の指を踏みにじった。

「さっさと手を離したほうがいいと思いますよ? あなたの右手が使い物にならなくなる前に……」

足をどかすと、次はしゃがみ込んでアリスの指を一本一本、床からはがしていく。
アリスは今、左腕を使うことができないし、そもそも満身創痍だ。
抵抗もままならないだろう……

「あなたは全く……一々面倒なことを……」

傍らに佇むゴーレムを見上げると、こう命令した。

「やりなさい」

それを聞くや否や、ゴーレムが鋼鉄製の腕でアリスが掴んでいる付近の床を破壊した。
アリスが掴んでいた部分の床は石塊と化し、彼女もろとも暗黒の中へ落下していった……

落下の距離そのものは大したことはない。せいぜいが一階層分程度の落差である。
しかし、周囲は完全な暗闇で、目を凝らしても何も見ることはできないだろう。
アリスの直上に開いた穴から差し込んでくる僅かな光のみが、今のところアリスの唯一の光源だった。
その穴から、エミリーがアリスを見下ろしていた。

「アリスさん、あなたが今いるところは、わたしの召喚する魔物の能力を試すための、言うなれば実験室です。そこで、こいつと闘ってもらいますよ……」

天井にもう一つ穴が開き、灯りが射してきたと思うと、そこからあのゴーレムが飛び降りてきた。

「心配しなくても、そいつを倒せばその部屋からは脱出できます……一応教えてあげると、そいつも弱点は先ほどのやつらと同じところですからね。せいぜい頑張ってください……もしこの少女と、それから……“わたし”を助けたいのであれば、ね」

エミリーは狂気に染まった笑みを見せると、アリスの頭上の穴は徐々に各辺が短くなっていき、やがて穴はなくなった。
次の瞬間には、ばつん、という音と共に天井から下がっていた電灯が点灯し、部屋は照らされた。
血と埃、そして汚物の臭いが染み付いた部屋だった。
床は黒土が敷き詰められ、ぐるりの壁は上階と同じく灰色のコンクリートが打ちっ放しだった。

アリスの正面で、ゴーレムが感情も瞳もない顔でアリスを見つめていた。
それが左腕を上げたかと思うと、再び中指が折れ、ゴム弾がアリス目掛けて高速で発射された――。


914 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/01(月) 10:36:09 ???
>>913
化け物と共に閉じ込められた地下4階は様々な臭気が漂い、気分を悪くさせる。身体の状態からしても短時間で終わらせなければならない。そんな私に再び化け物の指から弾丸が射出された。それを辛うじて斬り捨てたものの、先ほどよりも威力を増しているのか、腕に痺れを感じる。

【投稿秒数が奇数の場合】
中指部分からしか撃ってこないことを見ると、いくら化け物とはいえ、連射はできないのだろう。それなら、今が絶好のチャンスだ。私は弾丸を斬り捨てると同時に化け物の懐まで一気に飛び込み、痺れる腕に力を込めて刀を振るう。

【投稿秒数が偶数の場合】
腕の痺れを感じた私は、その場からうごけなかった。もし連射されたら回避はおろか防御すらままならない。しかし、相手を倒すためには近寄らなければならない。何より、私には相手に隙ができるのを待つだけの時間はない。焦燥感に駆られながらもどうすることもできないことにもどかしさを感じ、それが何故か下腹部を疼かせてくるように感じられた。追い詰められた時のこの感覚にはどうしても馴れることができず、それが余計に焦燥感を生み出していく。


915 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/01(月) 11:52:11 ???
>>914

アリスが再びゴーレムの発射した弾丸を切り捨てる。
上階に設置したモニターからその様子を見ているエミリーは、目を見張った。
モニターだけではなく、様々な機器類も接続されている机にエミリーは腰掛けていた。

「やっぱり一筋縄ではいかないみたいね、あの女は……」

エミリーはアリスとゴーレムの闘いの模様を、念のために録画していた。
後の役に立つかもしれないからである。
いっぽうのゴーレムは、黒檀のような色をした腕でアリスの斬撃を辛くも受け止めた。 
その特殊合金で構成された腕にさえ、僅かに刀が食い込んだ。
もしアリスが腕に痺れを感じていなければ、腕に穴くらいは開いていたかもしれない。
だが、仮定に意味はない――。
エミリーはふと思い立ったように、脇にあるスピーカーの電源を入れた。
高集音マイクのほうを向いて、こう言い放つ。

『そぉんなに不用意に接近しちゃうだなんて……ちょっと頭が悪過ぎやしませんかぁ? “お姉ちゃん”?』

エミリーがそう言い終えると、ゴーレムのもう一方の腕が、二の腕の半ば辺りでガタンと折れた。
このゴーレムには、エミリーの顕現させた拷問器具など、様々な方法で敵を破壊し嬲るためにあらゆる道具が搭載されている。
そして、今回はやや直径の大きな二の腕。そこから射出されたのは――
まるで杭打ち機、パイルバンカーのような、ゴーレムの腕とほぼ同じ直径の、円筒形の鉄杭であった。
火薬の炸裂により凄まじい加速が生まれており、命中すれば内臓が一つくらいは挫傷してしまうだろう。


916 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/01(月) 17:34:01 ???
>>915
化け物に刀を受け止められた私は焦燥感に駆られるように次の攻撃に移ろうとした。
『そぉんなに不用意に接近しちゃうだなんて……ちょっと頭が悪過ぎやしませんかぁ? “お姉ちゃん”?』
スピーカーから流れる音声に、攻撃態勢に入ろうとした私は慌てて距離を取ろうとしたものの、完全に反応が遅れてしまっていた。目の前では化け物の腕が折れ、空洞から何かが撃ち出されようとしていた。
「くっ……」
避けられない。そう判断した私は咄嗟に射出されたものを刀で斜めに軌道を変えるように受け流す。
「あぅっ……」
余りにも強烈な勢いに軌道を逸らし切れずに左脇腹を抉るように掠める鉄杭に、顔が歪む。その衝撃に両腕は麻痺したように小刻みに震え思うように力が入らなくなる。更に、脇腹を抉られるような痛みとそこから腹部全体へ伝わる衝撃に立っていることすらできず、その場に座り込んでしまった。


917 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/01(月) 21:28:23 ???
>>916

『ふっふふ、相変わらず反応速度だけは一流ですね……』

スピーカーからはエミリーの嘲るような声が響く。
衝撃が伝播したためか、アリスの両腕は利いていないようで、しかも座り込んでしまっている。
そこをこの冷徹なゴーレムが見逃すはずはない。

ゴーレムはアリスを背中から蹴り倒し、地面に俯せになるよう寝かせた。
そして彼女の背中に跨がると、アリスの髪を掴んで引き上げ、彼女の顔面を黒土の地面に叩きつける。
ぴくぴくと痙攣するアリスを見下ろしながら、ゴーレムは己の指の一本から細長いチェーンを引き出した。
それをアリスの首筋に巻き付けると、殺さんばかりの勢いで締め上げた。
しかし、もちろんゴーレムにアリスを殺す気は毛ほどもない――アリスが窒息しかければチェーンを緩め、機を待ってまた締め上げる。
それを繰り返すだろう。

スピーカーからは、エミリーがアリスを煽り立てる声が流れてくる。

『ほらほら、どおしたんですかぁ? 早めにそいつを始末しないと、その能力の時間制限が来ちゃうんじゃないですかぁ?』

この状況を何とか打開しなければ、アリスの覚醒状態は解けてしまうかもしれない。


918 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/01(月) 22:01:45 ???
>>917
うつ伏せに蹴り倒された私は顔面を地面に叩きつけられた後、首にチェーンを巻き付けられてしまった。抵抗しなければやられる、そう頭では理解していても、身体が動かなかった。
『ほらほら、どおしたんですかぁ? 早めにそいつを始末しないと、その能力の時間制限が来ちゃうんじゃないですかぁ?』
「くぅっ……」
ただでさえ両腕の痺れと腹部の衝撃で力が入らないというのに、首まで絞められてしまった私は全身から力が抜けていくのを感じていた。少女の言うように、時間はない。焦れば焦るほど、気持ちが空回りすることがもどかしい。それでも、やはり動くことはできずに首が締まっていく。僅かに意識が遠退きそうになっていた。


919 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/01(月) 22:22:09 ???
>>918

このままではアリスは縊死してしまいそうだ。
ゴーレムはアイスを一旦チェーンから解放すると、追い討ちをかけるように再び頭を床に叩きつけた。
そして再び締め上げを開始する――かのように思われたが、そうはならなかった。
ゴーレムはアリスの背から立ち上がり、チェーンを指に収納した。
そしてまた違う指が折れ曲がると、その内から次に現れたのは革でできた鞭だった。
ゴーレムの体内は異次元に通じているのではないかと思われるほどに物体が収納されていた。

『全く、そんな体たらくでわたしたちを護るだなんてほざいてたんですか? なっさけない……あんたなんか、サンドバッグにでもトラバーユしたほうが余程お似合いですよ』

立ち上がることもままならないアリスの背中を、鞭が痛烈に打擲した。
ほとんどぼろ切れと化していた彼女の夏服は弾け飛び、皮膚が裂けて血が滲んだ。
続けざまに二撃目が加えられる。
三度、四度……鞭による執拗な追撃は、過剰なまでの激痛をアリスに味わわせるだろう。


920 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/01(月) 23:32:17 ???
>>919
「ごほっ……ごほっ……」
意識を手放す直前解放された私は、激しく咳き込んだ。反射的に貪るように空気を吸い込み呼吸が荒れる。
『全く、そんな体たらくでわたしたちを護るだなんてほざいてたんですか? なっさけない……あんたなんか、サンドバッグにでもトラバーユしたほうが余程お似合いですよ』
「だ、誰が……サンドバッグに……なんか……」
悔しさに拳を握り締める。
「あぅっ……」
背中に激痛が疾り、思わず声が漏れてしまった。腹部への衝撃、更に首を絞められたことによる脱力、更に今の背中の衝撃に急激な尿意がこみ上げてくる。咄嗟に下腹部へ力を込める。
「んくっ……くぁっ……んんっ……」
二度、三度、四度と繰り返される背中への鞭打ちに、打たれる度に身体が弛緩し漏れそうになる。この状態が続けば、いつ漏れてしまってもおかしくない状況に追い込まれていた。少しでも回復する時間があれば耐えられそうだった。ただ、ここで漏れてしまっても、倒れた状態ではだれにも気づかれないかも知れない。汗と血液で服は濡れており、この部屋の臭気に匂いも溶け込んでいくだろう。それだけが、せめてもの救いだった。


921 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/02(火) 00:01:42 ???
>>920

エミリーはモニターに映るアリスの醜態を嬉々として眺めていた。
自然に秘部に手が当たってしまう。
何より興奮を掻き立てるのは、このような不利な状況下でさえ、アリスが強気を保っていることだった。

ゴーレムはそんなことを毫も知らず、アリスに無数の鞭による打撃を加えていた。
すでに打擲の回数は二桁にまで及んでいる。
アリスの露出している太腿やふくらはぎにまで、その攻撃は飛び火した。

(まったく、よく耐えるわね……いつになったらあの状態が解けるのかしら……)

エミリーは何となく、アリスが激痛以外の何かも堪えていることを感じていた。
それが何なのか、確信は抱けなかった。
だが、やがて打擲がアリスの背の下のほう、腎臓がある辺りにヒットした。
もし彼女が尿意に襲われているとしたら、漏らしてしまうかもしれない……


922 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/02(火) 00:39:03 ???
>>921
「あああぁぁっ……」
必死に堪えていたものの、背中のやや下辺りに鞭打たれた瞬間、私は僅かに失禁してしまった。慌てて下腹部に力を込めながら上腿を必死にすり合わせて無理矢理に押さえ込む。下着や上腿が若干濡れ、余りの恥ずかしさに身体が熱くなる。これ以上は完全に漏らしかねない。それだけは避けようと、その場から逃れるように身体を這わせたものの、ほとんど動けない。
「くっ……」
羞恥心と屈辱感に苛まれた私は、悔しさに唇を噛むことしかできなかった。


923 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/02(火) 00:58:31 ???
>>922

(……んっ?)

鞭がアリスの背中のある部分を打ち据えたことを皮切りに、彼女が妙な動きを始めたのをエミリーは見逃さなかった。
あの動き……そして、先ほど鞭の当たったところ……

(まさか……?)

エミリーは内心浮き足立っていた。
これから、あの女に最悪の恥辱を味わわせることができるかもしれないのだ。
ゴーレムはエミリーの思念を感知し、鞭を指に収納し始めた。
だが、それも終わらない内にアリスへ近付いていき、彼女の股間のあたりにぐりぐりと刺激を加える……
あたかも排尿を促すかのように。

(ふふふ、もしあの女が漏らしなんかしたら、最高に面白いことになるわね……)

エミリーの動悸は早くなっていた。


924 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/02(火) 07:27:01 ???
>>923
「え……うそ……や、やめ……いやあぁぁっ……」
鞭打ちから解放された私はそこでひと息つけると思ったものの、化け物の手が尿道を刺激するかのように私の股間部を弄ってきた。その執拗な責め、そして想像すらしていなかった刺激に、私はすぐに限界を迎えてしまう。
「ああぁぁ……」
どんなに下腹部へ力を入れようとしても、一度漏れ出した尿意には逆らえず、完全に失禁してしまった。余りのことに呆然とし、覚醒状態が解除されてしまった。覚醒状態が解除されたことで力を失った私は刀を握っていることすらできずに手放してしまう。


925 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/02(火) 08:25:41 ???
>>924

「え……うそ……や、やめ……いやあぁぁっ……」

エミリーはほくそ笑んだ。
このアリスの反応を見るに――殆ど間違い無いではないか。

やがて、アリスのスカート、周辺の土の色が湿ったように濃くなりはじめた。
その染みはどんどん広がっていき、やがては黒土に小さな尿だまりができてしまう。
黒い土が溶け込んだその溜まりからは、僅かに湯気が立ち上っている。
エミリーがそれを見逃すはずがなかった。

『ぷっ――あっはははははは!! きゃははははははは!! あなた――お漏らししちゃったんですかぁ!? そんな年してぇ!? きゃははははは!!』

すぐさまエミリーの哄笑がスピーカーから響き渡る。
やがて、冷たくアリスを見下ろしていたゴーレムが彼女の脇腹を思い切り蹴りつけた。
尿だまりと彼女自身を引き離されるように、アリスは宙を舞い、壁に激突する。

『きゃははははは――きったなぁい! いったいどんな教育を受けてきたんですかねぇ!? 他人んちで小便を漏らしていいとでも!? あっははははははは!!』

ゴーレムは地面にうずくまっているアリスの髪をむんずと掴むと、その尿だまりまで連れて行く。
どうやら、アリスの身体能力強化は失われてしまったらしい。
そんな彼女は、もはや刀を握っていることすらかなわないようだ。

『うふふふ、残念でしたねぇ、その身体能力が強化されている状態も解けてしまったみたいですし……ふふ、だからといって手加減はしませんよ……? ……まあ、それ以前に、まずは自分のおしっこの始末くらい自分でしましょうね、お漏らしのお姉ちゃん? ぷぷっ……! ああ、もうほんとに傑作……!』

ゴーレムはしばし尿だまりから漂うアンモニア臭をアリスに味わわせるように、彼女の頭部をそれの真上で固定した。
そして、充分にアリスが屈辱と恥辱を感じていると判断すると、黒い泥水のようになっているそこへ、アリスの顔を突っ込んだ。

『ほら、何やってんですか!!? 舐めるんですよ!! 自分の尿を!!』

エミリーの怒声がスピーカーから響いた。


926 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/02(火) 10:54:31 ???
>>925
『ぷっ――あっはははははは!! きゃははははははは!! あなた――お漏らししちゃったんですかぁ!? そんな年してぇ!? きゃははははは!!』
「あぅっ……」
少女の嘲笑に身体が熱くなる。と同時に脇腹を蹴られた私は壁に激突し、ただただ悶えながらうずくまることしかできない。
『きゃははははは――きったなぁい! いったいどんな教育を受けてきたんですかねぇ!? 他人んちで小便を漏らしていいとでも!? あっははははははは!!』
「そ、そんなこと……くっ……」
髪を掴まれ無理やり引き起こされた私は下着から滴る液体が上腿を伝う感覚に嫌悪感を覚えながらも水溜りになっている場所まで四つん這いで歩かされる。と、頭を押し付けられるようにアンモニア臭を発する水溜りの上で固定された。そこには漏らしてしまった現実がしっかりと残されており、羞恥心を刺激してくる。
『うふふふ、残念でしたねぇ、その身体能力が強化されている状態も解けてしまったみたいですし……ふふ、だからといって手加減はしませんよ……? ……まあ、それ以前に、まずは自分のおしっこの始末くらい自分でしましょうね、お漏らしのお姉ちゃん? ぷぷっ……! ああ、もうほんとに傑作……!』
「んんっ……」
頭を無理やり水溜りに押し付けられた私はお尻を突き出すような体勢になってしまった。咄嗟のことで僅かに液体が口内へ浸入し、塩っぱい味が舌を刺激する。悔しさと恥ずかしさ、そして屈辱感に苛まれ、身体がどんどん熱くなってゆく。そんな私を嘲笑うかのように、水分を大量に含んだ下着から上腿へ液体が伝い続ける。
『ほら、何やってんですか!!? 舐めるんですよ!! 自分の尿を!!』
「ひっ……そ、そんな……いやっ……」
ただ身体を震わせることしかできない私に突如浴びせられた怒声に、思わず身体がビクッと反応した。いくら何でも、そんなことできる訳がない。必死に水溜りから逃れようと腕に力を込めて頭を持ち上げようとするものの、びくともしなかった。


927 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/02(火) 12:37:12 ???
>>926

『もう! 手を焼かせないでくださいよ!』

口では怒声を発しつつも、エミリーは内心歓喜に震えていた。
しかも、アリスが失禁する瞬間は、何となく録画をしていたテープに収められているのだ。
その尿だまりはゴボゴボと泡を立てるばかりで、アリスが尿を飲み込んでいないことは明らかだ。
やがて、ゴーレムが尿だまりからアリスを解放した。
黒土の溶け込んで墨汁のような色になった小便がアリスの顔を伝った。

『あはははははは!! きーったなーい!! もう、ほんと最高ですね、あなたは!! わたし、ますますあなたのことが“好き”になってきましたよ!!』

もちろん、エミリーにとっての“好き”とは、嗜虐的感情をそそられる、という意味に他ならない。
ゴーレムが再びアリスの顔面を彼女自身の尿だめに漬け込んだ。
尿と土が混じってできた泥に、アリスを埋めるようにして。
たっぷり一分ほどそのままにして、ゴーレムはアリスの顔を引き上げた。
アリスの顔面はアンモニア臭を放つ泥に覆われていた。

『あーあー、汚れちゃいましたねぇ……キレイキレイしなくちゃだめでちゅね、お姉ちゃん?』

エミリーがそう言い終えると、ゴーレムは身動きのとれないアリスの股関節に手を回した。
そして、大量の尿を吸い込んで黄色くびしょびしょになっているパンティを力任せに引きちぎった。
それを雑巾代わりに、ゴーレムはアリスの泥まみれの面貌を乱暴に拭き取っていく。
完全に泥を落とせたわけではないが、それでも大方の泥を拭き取ると、
そのどす黒くなったパンティを丸め、アリスの口へ力ずくで突っ込んでいく。

『うふふふふ、それじゃあ、お姉ちゃんには“罰”を与えなくてはなりませんねぇ……言われたこともできないようじゃあ……』

ゴーレムはその言葉に呼応するようにして、アリスの足元に回り込んだ。

『かぁなり痛いかもですけどぉ……我慢してくださいねぇ?』

ゴーレムが腕を手首のあたりで折り曲げると、内部から二本の短い鉄心が現れた。
スタンガンのようなものである。
チッチッチッチッ……と、その電極間に、アリスを威嚇するかのような閃光が走る。

『ふふふ、それ、わたしが改造した特別品のスタンガンなんです……前々からどれくらいの威力があるのか、試して見たかったんですよねぇ……!』

ゴーレムがアリスの太腿の内側――ちょうど彼女自身の尿によって濡れている部分――に、電極を押し付けた!

『人間の身体ってぇ、体表が濡れていると電気抵抗20分の1以下にまで下がるらしいんですよぉ……ふふ、またお漏らししないでくださいよぉ!?』

スピーカーがエミリーの嘲笑を異臭漂う地下室に響かせる……


928 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/02(火) 13:48:44 ???
>>927
『もう! 手を焼かせないでくださいよ!』
少女の怒声が再び響く。それでも私は尿を飲むことはできなかった。そのうち、諦めたのか私の頭を引き上げる。その隙に貪るようにして空気を吸い込んだ。顔に付着した液体が頬を伝う。
『あはははははは!! きーったなーい!! もう、ほんと最高ですね、あなたは!! わたし、ますますあなたのことが“好き”になってきましたよ!!』
少女の『好き』という言葉に背筋がぞくっとする。何か、嫌な予感しかしなかった。とにかく化け物から逃れようとするものの、再び顔を水溜りに押し付けられた。今度は飲ませるというよりは地面に埋めようとするかのような押し付け方だった。反射的に息を止めたものの、逃れる術のないまますぐに呼吸は苦しくなってくる。
「ごほっ……ごほっ……うぅ……」
『あーあー、汚れちゃいましたねぇ……キレイキレイしなくちゃだめでちゅね、お姉ちゃん?』
窒息するかと思われたところで解放された私は化け物の手から解放されたものの身動きが取れず、四つん這いのまま激しく咳き込んだ。
「え……?いやあぁぁっ……」
いきなり下着を引き千切られた私は悲鳴を上げた。慌てて右手でスカートを押さえる。そんな私の反応を楽しむかのように化け物の腕が私の顔に伸びてきた。その手に握られた尿を吸った私の下着で私の顔へ押し付ける。汚れを拭き取るように乱暴に顔を拭われた私はその強烈なアンモニア臭から逃れようと顔を背けようとした。しかし、化け物の力には抗えず、そのまま土で汚れた下着を口の中へと押し込まれてしまった。
『うふふふふ、それじゃあ、お姉ちゃんには“罰”を与えなくてはなりませんねぇ……言われたこともできないようじゃあ……』
「んぐ……」
口内にアンモニア臭と黒土混じりの塩っぱい味が広がり、喋ろうとする度に口内の下着から水分が滲み出てくる。
『かぁなり痛いかもですけどぉ……我慢してくださいねぇ?』
「んんー……」
私の脚側へ回り込んだ化け物の腕から二本の電極のようなものが現れた。電流が流れているのか、バチバチと音を立てて閃光が疾る。
『ふふふ、それ、わたしが改造した特別品のスタンガンなんです……前々からどれくらいの威力があるのか、試して見たかったんですよねぇ……!』
「んんっ……むぐっ……(いやぁっ……やめてぇっ……)」
必死に叫ぼうとするものの、まともな言葉にもならず呻くことしかできない状況だった。迫り来る目の前の状況に化け物から少しでも離れようとしたものの、震えてしまって動けない。
『人間の身体ってぇ、体表が濡れていると電気抵抗20分の1以下にまで下がるらしいんですよぉ……ふふ、またお漏らししないでくださいよぉ!?』
「んああぁぁぁっ……」
上腿の濡れた部位に電極を押し付けられた瞬間、強烈な電流が全身を駆け巡り絶叫してしまった。服越しでも相当な威力を持つであろう電流を濡れた素肌に直接押し付けられたのだ。身体が私の意志とは無関係に跳ね、のたうち回るように転がる。更に悪いことに、再び押さえることのできない尿意に襲われ溢れ出してしまった。


929 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/02(火) 14:21:54 ???
>>928

『うふっ……うふふふっ……ほんっと最高ですね、あなた……』

アリスの身体が陸に上げられた魚のように跳ねる。
彼女はのたくり、転がり回ることしかできない。
あろうことか、アリスは再び失禁していた。
素肌に直接当たっているスカートに、じんわりと染みが広がっていく。

『あっははははは!!! まぁた漏らしちゃったんですかあ!! その辺の幼稚園児のほうが衛生観念よっぽどありますよ!』

ゴーレムは痙攣するアリスの傍らにかがみ込む。

『ふふっ、今のはほんの小手調べです……次はもっともぉーっと痛いですよぉ? 覚悟してくださいね?』

アリスの秘部から未だに溢れている小水を少しばかり掬うと、ゴーレムはそれをアリスの右足首――骨折部位に塗りたくった。
アンモニア臭を放つ液体に濡れたその部位は、青黒く鬱血し、腫れ上がっている。
ゴーレムは容赦という言葉を知らなかった。
バチバチバチッ! と先ほどよりも激しい炸裂音を鳴らしているスタンガンを、
アリスの右足首に押し付けた。


930 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/02(火) 19:42:13 ???
>>929
『うふっ……うふふふっ……ほんっと最高ですね、あなた……』
「ああぁぁ……」
尿道から溢れ出す液体にスカートが濡れていくのを感じる。全身が脱力している今、下腹部に力を入れることなど到底できなかった。
『あっははははは!!! まぁた漏らしちゃったんですかあ!! その辺の幼稚園児のほうが衛生観念よっぽどありますよ!』
「うぅ……」
突きつけられた現実を前に、少女の言葉に言い返すことすらできない。そんな自分が余計に悔しかった。
『ふふっ、今のはほんの小手調べです……次はもっともぉーっと痛いですよぉ? 覚悟してくださいね?』
少女の声と共に、化け物が私の秘部から漏れ続けていた液体を手に取り、負傷した私の右足首に塗りたくった。傷口も完全に消えた訳ではなかったため、それだけで染みるような痛みに襲われる。
「ひゃっ……いひゃ……ひゃめえぇ……(ひっ……いや……やめてぇ……)」
口内に押し込められた下着を吐き出すこともできず、言葉にならない声を必死に上げ続ける。しかし、化け物は気にせず私の右足首へ電極を押し付けた。
「んああぁぁぁっ……」
身体が激しく何度も跳ねる。余りの激痛に思考も吹き飛び、のたうち回りながら意識が遠退いていく。もはや自分がどうなっているのかさえ、私にはわからなくなっていた。


931 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/02(火) 20:03:32 ???
>>930

ただでさえ凄まじい電圧だというのに、それを負傷した部位に押し付けられる……
今、アリスの身体はとんでもない激痛に見舞われているだろう。
エミリーはぴくぴくと痙攣することしかできないアリスを満足げな気分で見つめていた。

『ふふふ、“お姉ちゃん”……寝てる場合じゃあないですよぉ? あなたが頑張らないと、こっちにいるこの娘がどうなるかわからないんですから……』

ゴーレムは一対の電極を収納し、腕を元の形状に戻した。
すぐさまもう一方の腕の手首を折り曲げると、そこから巨大なはんだごてのような、ごく太い針の先端のようなものが現れた。

『あなた、さっきその刀から炎を出してましたけど……熱さには強いんですかねぇ? 試してみましょうか?』

ゴーレムが何かのスイッチを入れると、その先端が、はんだごてと同じ仕組みで見る間に赤熱する。
アリスのボロボロの制服をめくり上げて傷だらけの背中を露わにした。
そしてゴーレムは、彼女の背中にその高熱の鏝の先端を押し付けた。
ジュウゥゥ……という音、そして肉の焼ける臭いが部屋に充満していく。
だが、ゴーレムはそれでは満足すらしていないようだ。
エミリーの冷たい声がスピーカーから聞こえてくる。

『あらあ、お姉ちゃん、脇腹に穴が開いちゃってるじゃないですかぁ……しかも結構汚れちゃってるし……それじゃあ、“消毒”しましょうねぇ!!』

ゴーレムがその灼熱の鏝の尖った先端を、傷口を抉るようにしてアリスが
先ほどエレベーターシャフトで鉄筋に貫かれた際にできた貫通創に突っ込んだ。


932 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/02(火) 20:52:15 ???
>>931
『ふふふ、“お姉ちゃん”……寝てる場合じゃあないですよぉ? あなたが頑張らないと、こっちにいるこの娘がどうなるかわからないんですから……』
少女の声が遠くに聞こえる。一体何を言っているのだろうか、脳が内容を理解しない。
『あなた、さっきその刀から炎を出してましたけど……熱さには強いんですかねぇ? 試してみましょうか?』
また何か聞こえる。それと同時にブラウスが捲られ、少しスースーするような気がした。
「ひああぁぁっ……」
背中に焼けるような苦痛を感じ、絶叫を上げながら逃れようと地面を這う。一気に意識を戻された私は全身の痛みと共に背中に感じる高熱に悶えながら必死に身体を捩らせた。
『あらあ、お姉ちゃん、脇腹に穴が開いちゃってるじゃないですかぁ……しかも結構汚れちゃってるし……それじゃあ、“消毒”しましょうねぇ!!』
「はぁ……はぁ……」
背中に押し当てられた高熱の鏝から解放された私は荒れた呼吸でその場から動けなかった。少女の言葉から逃げなければ危険だということは十分に理解できていた。それなのに、這いずるようにしても少しも前へは進まない。
「うああぁぁぁっ……」
脇腹の傷口を抉るように差し込まれた高温の鏝に、身体の内側から破壊されるような激痛に絶叫を上げることしかできなかった。反射的に身体を捩ったものの、それが逆に身体を貫いている鏝に自らの身体を押し付けるような状況になってしまう。
「ひやああぁぁっ……」
強く拳を握りながら、その拳で地面を叩き必死に痛みに耐え続ける。


933 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/02(火) 22:12:18 ???
>>932

『あははははは!! 頑張れぇ、お姉ちゃあん!! あははははは!!』

エミリーはアリスが必死に焼き鏝の激痛に耐える姿をこの上ない至福と共に眺めていた。
アリスは拳を硬く握り締め、それで狂ったように地面を叩いている。
ジュゥ……とアリスの脇腹に開いた穴の内側が殆ど焼けて固くなってしまうと、ようやくゴーレムは鏝を抜き出した。
その先端には赤黒い肉と沸騰してがちがちになったアリスの血液がこびりついている。

『あはははは……ふぅ。あっ、そうだ……そういえば“お姉ちゃん”にはもう一箇所穴が開いてましたよねぇ!? そっちも消毒しなくちゃあ!!』

そう、アリスの左肩にはエミリーが自らナイフを突き立てた刺創があった。
ゴーレムはアリスの夏服の左腕側の袖を力任せに引きちぎった。
その創の存在を確かめるかのように、殆ど血が固まっているアリスの傷口に指を突っ込み、抉るようにほじくり返す。
そして、侵入するのに充分な隙間を確保すると、その穴に、やはり――
鏝の先端を突き刺した。
しかもたちの悪いことに、ゴーレムはそれをただ突き刺しただけではなかった。
傷口をさらに押し広げるように、鏝をアリスの創の中で上下左右にぐいぐいと動かした。

『きゃははは、いったそー!! 頑張ってくださいねぇ!! こっちの女の子もかなり危ない状況になり始めてますからねぇ!!』

エミリーはアリスを煽り続ける。
こんなに愉しいことはなかった。
もっともっとアリスの苦悶に歪む表情を見てみたい――今のエミリーを支配しているのは、そんなサディスティックな性愛だった。


934 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/03(水) 00:59:45 ???
>>933
『あははははは!! 頑張れぇ、お姉ちゃあん!! あははははは!!』
ただひたすらに耐えることしかできない私を嘲笑する少女の声に悔しさが込み上げてくる。あんなに幼い子に嘲笑われるなんて。この化け物と少女の関係性も不明だった。化け物と少女の両方を操っている者がいる、そう考えれば全て納得できる。でももし少女が本当に自分の意志で動いているのだとしたら。
『あはははは……ふぅ。あっ、そうだ……そういえば“お姉ちゃん”にはもう一箇所穴が開いてましたよねぇ!? そっちも消毒しなくちゃあ!!』
「うぅ……」
脇腹から鏝を引き抜かれてひと息ついたのも束の間、ブラウスの左肩部分を引き裂かれ、露わになった傷口を化け物の指が抉ってくる。
「ああぁぁっ……ひっ……ひゃめえっ……」
化け物の指により損傷を受けた傷口から、再び出血し始めた。そこに熱を帯びた鏝が突き立てられる。腕を引き千切られそうなくらい強烈な痛みに、私はまた絶叫してしまった。私が泣き叫ぶほど、少女は喜んでいるのだろう。そうわかっていても、私の口からは悲鳴が溢れ出していた。
「んああぁぁぁっ……」
傷口を広げるかのように上下左右へと鏝を動かされ、靴(足)の裏で地面を叩きながら身体を捩る。
『ははは、いったそー!! 頑張ってくださいねぇ!! こっちの女の子もかなり危ない状況になり始めてますからねぇ!!』
「くっ……ほのふぉひ……ふぇを……はさふぁいえ……(その子に……手を……出さないで……)」
口に押し込まれた下着のせいで、自分でも意味不明な音しか出せなかった。その惨めさがより一層悔しさと屈辱感を駆り立てる。


935 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/03(水) 01:23:48 ???
>>934

『きゃははははは!! きゃはははははははは!!!』

エミリーは狂ったように笑い続ける。
アリスをもっと苦しめたい。支配したい。屈服させたい。もっともっと……。
もはや歯止めは利きそうになかった。
「くっ……ほのふぉひ……ふぇを……はさふぁいえ……」
アリスが何か言っているが、殆ど理解できなかった。
口に下着を詰め込まれているせいだろう。
その意味不明の言葉さえ、たまらなく面白おかしかった。

『ぷっはははははは!! バッカじゃないんですかぁ!! 何言ってんのかぜっんぜんわかりませんよぉ!! ブタだってもうちょっとマシな人間語を話すんじゃないですかぁ!?』

エミリーはひとしきり笑うと、ようやく落ち着いてきた。
それでもたまに発作のように笑いが込み上げてくるが、構わず続けた。

『ふふっ、……はぁ、……ぷっ!! とにかく、早くそいつを倒してくださいよ。無理だなんていいませんよねぇ? 全く、時間をかけすぎなんですよ、あなたは……』

ゴーレムはうつ伏せに喘ぐアリスを蹴って仰向けにさせた。
そして彼女に馬乗りになると、まずアリスの口からすっかり汚れた下着をつまみ出してやった。
それを放り捨てると、その傷だらけの顔面に拳を浴びせかけた。
ゴッ、ガッ、ドゴォッ……
鋼鉄の身体を持つゴーレムの拳は、一撃一撃が非常に重い。
アリスの顔の骨を破壊しないよう加減してはいても、相当な苦痛を伴うだろう。
とどめにゴーレムはアリスの鼻っ柱に打撃を命中させた。
アリスの鼻孔から鼻血がどくどくと溢れ出す。

『うふっ、さあて、次はどうしてやりましょうかねぇ……』

エミリーは寒気がするほどに無邪気な声色で言った。
まさに、玩具でどう遊べば一番愉しいか考えている子供のような声だった。

【欠損表現はNGとのことですが、抜歯はどうでしょうか?】


936 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/03(水) 01:25:36 ???
>>934
【言葉不足だったと思うので付け足しますが、歯を全部抜いたりするわけではなく、せいぜい1、2本に留めるつもりです】


937 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/05(金) 13:31:14 ???
【お待ちしてます、アリスさん……】


938 : 名無しさん :2016/08/05(金) 15:42:10 ???
停滞してるし別の始めちゃ駄目かなぁ。
残りのレス数が足りないか。


939 : 名無しさん :2016/08/07(日) 17:13:05 Oj3kdJbU
うーん、止まってるみたいやね。


940 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/07(日) 23:40:16 ???
>>935
投稿件数が偶数になっていたので気づきませんでした。
ごめんなさい。

>>938
当初は複数同時進行していても問題ありませんでしたし、やりたければやって頂いてよろしいかと思います。
ただ、同時進行が気に食わない方がいらっしゃるようなので、元々置きレスで進行が遅いので、私の方は休止しても構いません。


941 : 名無しさん :2016/08/07(日) 23:45:12 ???
>>940
938の者です。残りレス数も少ないので新しいスレが立つまで待つことにします。


942 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/08(月) 01:05:45 ???
>>940
そういう事情だったんですね、了解です。
もしよろしければ続きをしたいのですが……アリスさんのターンなので、レスを返して頂ければ幸いです。


943 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/08(月) 10:03:31 ???
>>940
投稿件数を奇数にしておきます、念のため……


944 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/08(月) 22:23:55 ???
>>935
『ぷっはははははは!! バッカじゃないんですかぁ!! 何言ってんのかぜっんぜんわかりませんよぉ!! ブタだってもうちょっとマシな人間語を話すんじゃないですかぁ!?』
まともに言葉にならない私の言葉に嘲笑を浴びせてくる少女の声に、私はただ悔しさに身体を震わせることしかできなかった。
『ふふっ、……はぁ、……ぷっ!! とにかく、早くそいつを倒してくださいよ。無理だなんていいませんよねぇ? 全く、時間をかけすぎなんですよ、あなたは……』
蹴られて仰向けに転がされた私の上に化け物が馬乗りになり、私の口内から下着を引っ張り出した。化け物の下から這い出そうとしても、身体は動かない。と、化け物の拳が私の顔面に撃ち下ろされた。防ぐ術もなく、視界が紅く染まってゆく。
「うぐっ……」
『うふっ、さあて、次はどうしてやりましょうかねぇ……』
激痛と頭を揺さぶられる衝撃に、思考は回らず意識も遠退いていく。


945 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/08(月) 23:30:08 ???
>>944

アリスの瞳が呆けたように虚空を見つめていた。
脳を震動させたためか、意識が遠のきつつあるのだろう。

『ふん、そうは行きませんよ……?』

エミリーのサディスティックな声がスピーカーから響く。
アリスにそれが聞こえているかは疑問だが。

『あなたのその汚らしい顔を、ちょっとばかし可愛らしくしてやりますよ……!』

ゴーレムがその金属製の指でアリスの口をこじ開けた。
そして、無慈悲な万力のような力をもってして、アリスの前歯を摘まむように挟み込む。
根本を揺るがすようにして、その歯に前後に力を加えていく……

『あっははは、早く目ぇ覚まさないと、大事な歯がとれちゃいまちゅよぉー♪』

何らかの抵抗を示さなければ、アリスの前歯は力任せに引き抜かれてしまうだろう。
そしてそれは想像を絶する激痛を伴い、アリスに覚醒を促す。
どちらにせよ、アリスは意識をはっきりさせられることになる……


946 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/09(火) 00:43:49 ???
>>945
遠くで誰かの声が聞こえる気がする。それでも、痛みも麻痺するほどに意識が混濁している私には何もわからなかった。


947 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/09(火) 01:13:11 ???
>>946

グググ……ブチィッ!!
情け容赦なく肉体の破壊される音を、マイクが拾った。
ゴーレムは指先に何か白いものを摘まんでいた。
それは紛れもなく――アリスの前歯だろう。

『ぷっ……あはははは!! お姉ちゃん、とっっってもカワイくなりましたよぉ!! ふふふっ、鏡で見せてあげたいくらい……』

アリスの歯並びの、ゴーレムが握っている歯のあった部位は、絶えず出血しており、周りの歯を赤く染めていた。
ゴーレムの手中にある歯からは短いが神経のような繊維が伸びており、力によって無理に引きちぎられたことを物語っている。
抜歯は種々雑多な拷問のなかでもとりわけよく行われる――対象が死ぬ危険性は低いし、それによってもたらされる苦痛は何にも勝るからだ。

『あははは……痛いですか? 痛いですよねぇ!? それじゃあ……痛みを和らげてあげますよ!!』

ゴーレムはアリスの既に利いていない左腕を手に取った。
その先の左手の小指を握りしめると……その指をありえない方向へ曲げた。
ゴキュリ、と嫌な音をエミリーは聞いた。

『まったく張り合いがないんですから……ほら、ちゃんとこれ握ってくださいよ! コイツを倒すまであなたはこの部屋を出られないんですからね!』

ゴーレムはアリスの刀を拾ってくると、先ほど小指を破壊した左手に押し付ける。
そして、骨折部位をさらに嬲るかのようにして、アリスの手を無理やりそれを握ったような形にしてやった。
もちろん、アリスには万に一つも勝ち目はない……そもそも、刀を握っていることすらできるのだろうか。


948 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/10(水) 00:27:20 ???
>>947
『ぷっ……あはははは!! お姉ちゃん、とっっってもカワイくなりましたよぉ!! ふふふっ、鏡で見せてあげたいくらい……』
口内に疾る激痛に、鉄の香りが漂っていた。
『あははは……痛いですか? 痛いですよねぇ!? それじゃあ……痛みを和らげてあげますよ!!』
少女の声とともに、左手に鋭い痛みが突き刺さる。
『まったく張り合いがないんですから……ほら、ちゃんとこれ握ってくださいよ! コイツを倒すまであなたはこの部屋を出られないんですからね!』
まともに意識を保てない私の手に、化け物が何かを握らせてくる。その魔力から、私の妖刀の気配を感じた。もし今覚醒すれば、私の意識は保てないに違いない。そうなれば、私に宿った炎龍は何の制約もなく暴れられるだろう。骨が折れようと、筋が切れようと、神経が引き千切られようと、決して止まることのない人の形をした化け物と化す。人としての意識が途切れているが故に、人としての制約を超えることができる。もし、今そうなれば、私の肉体は耐え切れず命を落とすことになるだろう。それでも、器としての私の肉体は動き続けることができる。少なくとも、この化け物を倒すまで。そこから先は炎龍の気分次第だろう。
この化け物を倒すため、少女を救うために、この命と引き換えに炎龍に身を委ねるのか。


949 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/10(水) 01:42:25 ???
>>948

『ようやくやる気になったみたいですね、お姉ちゃん……』

エミリーは満足げに呟いた。
アリスには先ほどから戦意どころか、意識のある気配さえ殆ど感じることができなかった。
しかし、あの刀を握らせた途端、止まっていた心臓が脈打つように、アリスからある種の意識を感じた。
やはり彼女にあれを返したのは成功だったのだろうか?

ゴーレムはただならぬ気配をアリスに感じ、右手の指を全て彼女に照準を合わせた。
がちゃん、と指が折れ曲がり、空洞となった筒から無尽蔵に弾薬が連射された。
その殆どはゴム弾だったが、中には鉛でできた実弾も混ざっている。

『お姉ちゃあん、またあの状態になっても平気なんですかぁ? もしかしたら……死んじゃうかもしれないですよおぉぉっ!?』

エミリーが囃し立てるようにアリスに語りかける。

『こんな、名前も知らない女のために命を棄てるだなんて……わたしには考えられない思考回路を持っているようですね、あなたは……』

エミリーは純粋な呆れからくる溜め息を漏らした。
まだまだエミリーは遊び足りないというのに、ここで“お姉ちゃん”が死んでしまうようなら――とんだ期待外れだ。


950 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/11(木) 00:04:41 ???
>>949
『ようやくやる気になったみたいですね、お姉ちゃん……』
少女の声とともに、化け物が私に指先を向けてくる。折れ曲がった指からは無数の弾丸が発射され、私へ降り注ぐ。このままではどのみち死ぬ。それなら私は――
『お姉ちゃあん、またあの状態になっても平気なんですかぁ? もしかしたら……死んじゃうかもしれないですよおぉぉっ!?』
覚醒しても、今の私では何もできない。全てを妖刀に宿った炎龍に委ねるしかない。意識さえ保てれば死ぬことはないだろうが、今の状態で意識を保てるだろうか。万全の状態でも、炎龍に全てを委ねたら意識を失いかねない。それほど、危険な賭けだ。
『こんな、名前も知らない女のために命を棄てるだなんて……わたしには考えられない思考回路を持っているようですね、あなたは……』
どうせ助からない命なら。意を決した私は、炎龍へ全てを委ね覚醒状態に入った。次の瞬間、動かせないはずの左腕が刀を振るい、降り注ぐ弾丸を全て弾き落としていた。


951 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/11(木) 00:47:29 ???
>>950

ゴーレムの発射した無数の弾丸は、驚くべきことに、アリスの刀によって全て切り払われてしまった。
エミリーはその様を見て、にんまりと笑みを浮かべる。
だが、いっぽう心の奥底では、心底アリスを軽蔑してもいた――。

(ふん……名前を知りもしない女のために命を懸ける……? くっだらない……それに……馬鹿みたい……)

しかし、アリスはそういう正義感の持ち主なのだろう。
自分ではなく、他者を自然とあらゆる面で優先できるような、そんか価値観の。

『お姉ちゃーん……といっても、聞こえてるかは甚だ疑問ですけども……』

アリスの左肩の傷――ナイフを刺され、肉を焼かれた傷――からは、無理な動きのせいか再び出血があった。
それだけではない。
流血の止まりかけていたアリスの全身の傷が、まるで一つ一つ抉られたように開いていた。
これは、エミリーの知っているあの状態ではない――身体能力の向上及び傷の僅かな回復をもたらす、あの状態では。
まるで、その刀に宿っている“何か”が、刀の所有者に牙をむいているようにも見えた。

もしゴーレムに表情が存在していたら、当惑しているように見えただろう。
ゴーレムは大事をとって、地面を蹴りアリスから遠ざかる。
そして、再び指の銃口をアリスへ向けると、今度は実弾を彼女目掛けて秒間十発ほどの間隔で連射した。
だが、もしそれら全てを切り落とされたとしたら――
ゴーレムにこれ以上、今のアリスに対抗できそうな装備はない。


952 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/12(金) 06:57:45 ???
>>951
私から距離を取った化け物から、マシンガンのように弾丸が撃ち出されていた。私の身体は刀を振るい弾丸を斬り落としながら化け物へ近づいてゆく。全てを斬り落とすことなどそもそも考えていないのか、何発も身体へ着弾する。着弾する一発毎に意識が飛びそうになる。
化け物の目の前まで近づいた私の身体が刀を振り下ろした。


953 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/12(金) 08:54:56 ???
>>952

無尽蔵に発射される弾丸を捌ききれないのか、もしくは身を守る意図がないのかはわからないが、
アリスの身体には弾丸による風穴が無数に空けられていた。
だが、現在アリスの身体を支配している何らかの意識は、そんなことを意にも介していないらしい。

ゴーレムは今や部屋の片隅に追いやられ、狂ったように弾を放つ。
しかし、アリスの身体はついにそれのすぐ目の前にまで辿り着くと、刀を振り下ろした。
避けることもままならず、ゴーレムの頭部は脳天から顎にあたる部分まで両断された。
その断面から銀色の柔い粘土のようなものが零れ落ちた。
と同時に、ちょうどアリスの居る壁際の向かいにある壁が、機械的な音を立てて変形していく。
やがて出現したのは、頑丈そうな鉄扉だった。
しかし施錠は簡潔なもので、南京錠が下げられているだけ。
鍵は、ゴーレムの頭部から流れ出る物体に紛れているが、

『お見事ですねぇ、お姉ちゃん?』

今のアリスに、その鍵を発見し、上階にまで辿り着く力が残されているのだろうか。


954 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/13(土) 23:36:48 ???
>>953
頭部を斬られた化け物は頭部から何かを流し続けていた。それを冷たい表情で見下ろしながら、容赦なく刀を振るい続ける。それは相手がバラバラになるまで手を止める気はないのだろう。銃弾を全身に浴びた私は、急激に意識が遠退いていた。


955 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/14(日) 00:30:42 ???
>>954

アリスの身体は、彼女自身の意志によって動いているわけではなさそうだ。
ゴーレムは既にぴくりとも動かないというのに、狂ったようにその刀でゴーレムを斬りつけている。

『あぁあぁ、お姉ちゃあん、一体どうしちゃったんですかぁ? 頭でもおかしくなっちゃったんですかぁ?』

しかしアリスにはエミリーの声も届いていないようだった。
やがてゴーレムは原形を留めないまでに破壊され、四肢は吹き飛び、胴体も一部が欠け、
首は根元から切断されてしまった。
切り落とされた首が、刀の衝撃のせいか転がり、アリスから離れていく。
それが転がった跡を辿るようにして、銀色の物体が零れていた。

だが、もしアリスのあの状態が解除された時、彼女は自分の力で立っていられるだろうか?
……無理だろうとエミリーは結論づけた。
なにしろあの深手、今こうして生きていることすら不思議に思える。
最悪、エミリー自身がこの地下四階に降りていかなければならないようだ。


956 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/14(日) 23:32:21 ???
>>955
化け物をバラバラに切り刻んだ後、壁面に現れた扉の前へ進んだ私の身体は、手にした刀で扉を切り開こうとするかのように刀を大きく振りかぶった。その身体の捻り具合や力の入り具合からして、そのまま扉を叩き切ろうとすれば、確実に私の身体は破損を免れない。
(私の中から出ていって……)
私の身体に宿った炎龍に辛うじて繋ぎ止めた意思で介入を試みる。しかし、弱まった意識では炎龍の動きは簡単には止められない。刀を振りかぶった状態で私と炎龍のせめぎ合いが始まる。一度手にした肉体を手放すまいとする炎龍と、肉体を守ろうとする私。
ぎりぎりの攻防の末、私は強引に炎龍を妖刀へ押し返した。刀を落とし、そのまま崩れ落ちる。その衝動で私の意識は完全に途切れていた。もう、二度と目を覚ませないかも知れない、それほどまでに肉体へのダメージは蓄積していた。


957 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/15(月) 00:42:21 ???
>>956

アリスの“身体”は突如現れた扉の前まで歩いていくと、刀を構えた。
一挙手一投足ごとに彼女が軋みを上げているようにすら見える。
そんな状態で、鉄扉を叩き切ろうというのか。……それは無茶だろう。

だが、僅かに残っていた彼女の意識が身体を操っているものに反発したのか、そこでアリスの身体はしばし停止した。
やがて、アリスが刀を取り落とした。
どうやら、身体の所有権を勝ち取ったらしい。
が、あまりにも深いダメージを負った身体では、たった一秒立っていることも難しいようだ。

倒れたアリスの眼前に、エミリーが鉄扉から姿をみせた。
その手には小瓶を携えている。また、何か注射器のようなものもある。
エミリーは蓋を開けると、無色透明の液体で満たされた瓶の口をアリスの顔に近づけた。
古くから気付け薬として遍く用いられている、アンモニアだ。
少々手荒ながら、エミリーはアリスの鼻へ向けて、その液体を垂らした。
たとえ彼女の意識がどんなに固く閉ざされていたとしても、容赦なくその殻に穴を開けるはずだ。
それに、もし最悪の場合には、強心剤もある――拷問趣味のエミリーは、人を死なせない手段もわきまえていた。

「さあ、起きてくださいよ、お姉ちゃん……せめて名前くらいは教えてもらわないとぉ……」

エミリーは肉声でアリスにそう告げた。


958 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/16(火) 22:59:58 ???
>>957
強烈な臭気に、意識がぼんやりとする。ただ、五感は思うように機能していないのか、音も聞き取れず、目も開けない。身体にも力は入らなかった。自分が生きているのか死んでいるのかさえ、わからない。


959 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/17(水) 01:15:25 ???
>>958

アリスはわずかに身体を震わせ、虚ろな瞳を僅かに開いた。
意識は取り戻したらしい――しかし、あまりに深いダメージのため、自分の生死すらはっきり自覚できない様子だ。

「まったく手間をかけさせますねぇ……幼稚園児じゃないんだから……」

エミリーは懐からカンフル剤で満たされた注射器を取り出した。
それを一切の躊躇を見せず、袖が破れて露わになったアリスの上腕に突き刺した。
大脳などの神経系に作用し、強制的に心臓を鼓動させる薬――副作用の懸念のため、現在はあまり使われていないが。
それをもってして、アリスの意識は明瞭になるはずだ。
エミリーはアリスの顔をむんずと掴むと、無理やり自分を見上げさせた。

「さあ、気分はどうです、お姉ちゃん?」


960 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/18(木) 00:55:00 ???
>>959
ぼんやりする頭に突如割れるような痛みを感じた私は、急激に意識を呼び戻されるのを感じた。
「さあ、気分はどうです、お姉ちゃん?」
顔を掴まれ無理矢理少女を見上げるような格好になった私はただ少女を見上げることしかできなかった。
「あ……う……ごほっ……ごほっ……」
声を出そうにも、血が喉に絡み、上手く言葉にならない。


961 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/18(木) 01:55:55 ???
>>960

「あ……う……ごほっ……ごほっ……」

兎にも角にもアリスは意識を取り戻したらしい。
エミリーは満足げに微笑んだ。

「うふふ、上出来です��」

惨殺死体と見分けもつかないような状態のアリスだが、それでも生きている。
エミリーは彼女の生命力に瞠目せざるを得なかった。

「はい、笑ってください?」

アリスにそう言うと、エミリーは懐からスマホを取り出し、カメラをアリスに向けた。
カシャ、カシャ、カシャ……無機質なシャッター音が響く。
エミリーはアリスをあらゆる角度から写真に収めていた。

「お姉ちゃん、せめて名前だけでも教えて頂けませんかぁ? ……被写体の情報もなしに写真をネットにアップロードだなんてしたくありませんし♪」

アリスの紅い頭を踏みにじり、冷笑的に言うエミリー。

【次もしくはその次で終わりにさせて頂こうと思います。】


962 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/18(木) 12:46:38 ???
>>961
「はい、笑ってください?」
少女の声が私には冷たく響く。笑える訳がなかった。満身創痍の私を、少女は夢中といった様子で写真に収め始める。
「お姉ちゃん、せめて名前だけでも教えて頂けませんかぁ? ……被写体の情報もなしに写真をネットにアップロードだなんてしたくありませんし♪」
「あぅ……アップ……ロード……?」
頭を踏みつけられた私は、思わず呻き声を上げながらも、状況が飲み込めずに呆然と問い返す。こんな状況では、名前を答える気には到底なれなかった。ただ、スカートのポケットに入っている学生証だけが気掛かりだった。もし身体を弄られたら、恐らく気づかれてしまうに違いない。
私は下から見上げるようになりながら、少女を睨みつける。


963 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/19(金) 02:08:55 ???
>>962

ボロボロのアリスがエミリーを睨みつけてきた。
その光景に、思わずぞくりとしてしまうエミリー。
この状態で、未だにこんなことをする抵抗力があるとは。

「ふふふ、可愛いおめめで睨んじゃって……」

アリスに名乗る気はないらしい。
だが、今のアリスは学校帰りの格好のまま……
ならば、身分を証明する何かを身につけていても全く不思議ではない。
エミリーはアリスの身体を探り始めた。

「あはは、酷い臭いですよ、あなたのスカート……すっかり汚れが染み着いちゃって……」

エミリーはアリスのポケットに手を突っ込んだ。
手が何かカードのようなものに触れた。
期待に胸を高鳴らせ、エミリーはそれを取り出した。

「あはっ、学生証ですかぁ! ええと、名前は……アリス。アリスさん! 生真面目ですねぇ、こんなもの持ち歩くだなんて!」

エミリーは言いながらアリスの所属する学園の校名まで確認する。

「あら、この学園なら知ってますよ。アリスさん……まあ、わたしにはボロ負けでしたけど……こんなに強かったんなら、さぞかし学校に敵も多いんじゃないですかぁ?」

携帯の画面を何やら操作し、エミリーはアリスに画面を見せた。

「ははっ♪ このサイト、何だかわかります? アリスさんの学園の裏サイトですよ♪ 掲示板を見てみると……どれどれ……あっ、やっぱりアリスさんの悪口が書き込まれてますよ! 『調子に乗るな』だの『正義ぶっててムカつく』だの……やっかみって怖いですねぇ!」

エミリーは再び何かの操作をした。
手間取っているわけではないが、時間がいやにかかっている。
やがてエミリーは再び携帯の画面をアリスに見せつけた。

「見てください、アリスさん♪ 裏サイトの掲示板にアリスさんの勇姿をアップロードしておきましたよぉ!」

そこに表示されていたのは、傷だらけで弱り果て、血塗れで汚れきったアリスの写真だった。
一枚だけでなく、十枚単位でアップロードされてしまっていた。
ボコボコに腫れ上がった顔から、小便の染みたスカートまで……
その内の一枚には、アリスの顔と共に学生証が写されていた。
その醜態が、学園の全生徒に晒されてしまったのだ。
事態はそれに留まらず、悪意をもった誰かが写真を全世界に拡散してしまうかもしれない……


964 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/19(金) 23:22:08 ???
>>963
私の学生証を見つけた少女は嬉しそうに私の学園の裏サイトを読み上げる。そこには、私への敵意が満ちていた。
「い、嫌……止めて……」
身体が動かせず、私は少女へ懇願することしかできなかった。そんな話、聞きたくない。
「見てください、アリスさん♪ 裏サイトの掲示板にアリスさんの勇姿をアップロードしておきましたよぉ!」
少女の見せてきた画面には、私の今の写真がアップロードされていた。中には学生証の写っている写真まである。裏サイトの敵意の溢れ方をみると、嫌な予感しかしない。
「こ、こんなことをして……ただでは済まさないわ……」


965 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/20(土) 02:05:42 ???
>>964

「あっはははは、早速反響がありましたよ!」

エミリーはにやついた顔でアリスを見つめた。

「ほら、見てください! 『ざまあみろ』『自業自得』『すっきりした』……いやぁ、アリスさん、よっぽど恨まれてたんですねぇ! 普通こんな画像を貼られたらドン引きしますもん! にも拘わらずこの罵られよう……アリスさん、一体何やらかしたんですかぁ?」

言いながらスマートフォンを操作していくエミリー。
再びその面貌に笑顔が浮かび上がった。

「おお、早速他の掲示板に画像が転載されてしまいました! さすがにSNSでまで上げる人はいないみたいですけど……アリスさんこれで有名人ですよぉ! 高校生のクセにわたしみたいなちびっ子に手も足も出なかったザコ女としてねぇ! アリスさん次からどんな顔して登校するつもりですかぁ?」

エミリーは嗜虐的な笑みを絶やさないまま滔々と言葉を並べ立てた。
せめて最後にこの女の泣き顔を見たい……その一心だった。
だが、アリスの返してきた言葉は……

「こ、こんなことをして……ただでは済まさないわ……」

エミリーの心臓がどくん、と高鳴った。
まだこんな台詞を吐く精神力があるとは。

「ぷっ……くく……あはははははは!!」

堪えきれなかった。
エミリーには可笑しくてたまらなかった。

「ただでは済まさないぃ……? その身体でですかぁ? 指一本動かす力もない癖にぃ?」

ねっとりとした言葉をアリスに投げかけるエミリー。
地面に横たわることしかできないアリスの頭を、エミリーは踏みつけた。
靴底をぐりぐりと押し付け、アリス自身と共に、彼女の自尊心までも踏みにじっていく……

「ふふふ……でも、今日は楽しかったですよ、アリスさん。また……遊んでくださいね?」

エミリーはアリスの学生証を拾い上げた。

「もし、何か変なことをしたら……このアリスさんの個人情報をバラまきますから、そのつもりで……。
扉は開けたままにしておきますから、アリスさんは自分で自分の面倒を見てくださいね?
あ……でも、上の階に女の子が居るの、殆ど忘れてました。余裕があったら、彼女も助けてあげたらいいんじゃないですか?」

ふぅ、とエミリーは息を吐いた。

「うふふ、それじゃあまた会いましょう、アリスさん……ふふふふふ……あははははははは……!」

エミリーは不敵な言葉を残すと、地下室の鉄扉をくぐり、奥の暗闇に消えていった。
地下室には、エミリーの高笑いだけが反響し続けていた……


【それでは、こちらサイドはこれにて〆にさせて頂きます。
長い間ほんとうにありがとうございました……】


966 : アリス ◆VktIN.Uk36 :2016/08/20(土) 23:18:42 ???
>>965
「ぷっ……くく……あはははははは!!」
私の言葉を聞いた直後、少女は大声で笑い始めた。
「ただでは済まさないぃ……? その身体でですかぁ? 指一本動かす力もない癖にぃ?」
絡みつくような声で、少女は私の頭を踏みつけてくる。身動きの取れない私は顔を地面に押し付けられたまま、ただ踏みにじられることしかできなかった。
「ふふふ……でも、今日は楽しかったですよ、アリスさん。また……遊んでくださいね?」
「くっ……」
屈辱と恥辱、そして悔しさに苛まれながらも、私はただ唇を噛むことしかできない。
「もし、何か変なことをしたら……このアリスさんの個人情報をバラまきますから、そのつもりで……。
扉は開けたままにしておきますから、アリスさんは自分で自分の面倒を見てくださいね?
あ……でも、上の階に女の子が居るの、殆ど忘れてました。余裕があったら、彼女も助けてあげたらいいんじゃないですか?」
少女の言葉に、もう一人少女がいたことを思い起こされた私は、渾身の力を振り絞って立ち上がろうとした。しかし、指先が微かに動いたくらいで何もできない。
「うふふ、それじゃあまた会いましょう、アリスさん……ふふふふふ……あははははははは……!」
そう言い残して去っていく少女の声が消えると同時に、私の意識もそこで途絶えてしまった。

【こちらこそ、遅レスでごめんなさい。ありがとうございました。】


967 : エミリー ◆4WsRUo9jHg :2016/08/21(日) 01:25:42 ???
>>966
【いえ、元々置きレスで、ということでしたので問題ございません。
もし何か至らぬ点があれば教えて頂けると幸いです……
ではまた機会があればよろしくお願いします。】


968 : ◆11jMx8Pg9s :2016/08/21(日) 06:08:40 v3QIfZr2
今日からしばらく相手を募集します。
責めでも受けでもいいです。


969 : ◆ztq7pWnU8A :2016/08/21(日) 12:22:14 ???
>>968
責めキャラ側でなにかやりましょうか?
それと、新スレが必要そうですね


970 : 名無しさん :2016/08/21(日) 12:55:05 ???
>>969
ありがとうございます。
やっぱり新スレ要りますよね。スレの立てかた知らないんですけど……。


971 : ◆ztq7pWnU8A :2016/08/21(日) 13:09:07 ???
>>970
建てておきました。これでよいでしょうか
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1471752485/


972 : 名無しさん :2016/08/21(日) 13:13:19 ???
>>971
すいません、ありがとうございます。


973 : ◆ztq7pWnU8A :2016/08/21(日) 13:21:43 ???
>>972
どうもです
一応責め側にはこちら、色々とキャラを持っていますが


サキュバス・チドリ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/9

ホムンクルス(異なる物複数が推奨)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/39

クルーエル(同上)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/67

ドラゴンみたいなの
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/52

こういうのがありますが、どれにしましょうか。
複数でも可です


974 : 名無しさん :2016/08/21(日) 13:41:32 ???
>>973
とりあえず殺さないキャラがいいてす。

こちらの受けキャラは

星野 みあ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1422884972/48

水瀬カナメ&フィーア
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1422884972/50

の二種類ありますがどれがいいですか?


975 : ◆ztq7pWnU8A :2016/08/21(日) 13:47:56 8oN7XFtg
>>974
ハード系は苦手だったりしますでしょうか?
とりあえず自分は

サキュバス・チドリ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/9

などにしようかと思いますが、
他にも欲しいという場合や

どんな希望があるかなどもあればお願いします。


976 : ◆ztq7pWnU8A :2016/08/21(日) 13:49:48 8oN7XFtg
>>974
あといい忘れてました。
カナメ&フィーアの方をお願い致します。


977 : 名無しさん :2016/08/21(日) 13:58:03 ???
>>976
了解しました。
どう始めましょうか?


978 : ◆ztq7pWnU8A :2016/08/21(日) 14:04:12 ???
>>977
できるかぎりそちらの希望に合わせたいと思います。
道すがら襲われるか
あるいは、そちらから仕掛けてくるかの感じで


979 : 名無しさん :2016/08/21(日) 14:07:23 ???
>>978
それでは侵入した研究施設で襲われる
でお願いします。


980 : ◆ztq7pWnU8A :2016/08/21(日) 14:09:03 ???
>>979
了解しましたー。
その流れで行きましょう。

お先にやっていただいても良いでしょうか


981 : 名無しさん :2016/08/21(日) 14:12:54 ???
>>980
はい、お願いします。


982 : 名無しさん :2016/08/21(日) 14:21:30 ???
新しいほうでやればいいんですかね?


983 : ◆ztq7pWnU8A :2016/08/21(日) 14:24:10 ???
>>981
とりあえずはじめますねー


―――――――――――

カナメとフィーアは
とある研究施設へと侵入していた。

ここは恐ろしいモンスターが生み出され
人々を社会の裏で苦しめているのだという。

ここに入りこんだ理由は
おそらくは彼女たちに関係しているのだろう

//こんな感じで入らせていただきます。


984 : ◆ztq7pWnU8A :2016/08/21(日) 14:25:22 ???
>>982
申し訳ありません。
そういうことであれば、新スレのほうで、やり直していただければ。
>>983は無しで


985 : 名無しさん :2016/08/21(日) 14:27:35 ???
>>984
あ、こちらこそ遅くなってすいません。


986 : ◆XksB4AwhxU :2016/08/24(水) 21:51:04 E1J7a/Zc
対戦相手の受け手を募集します
受け手は複数でも可能と思います


悪魔の本
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/46


魔王の子供達 3兄弟
ザラ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/62
ネア
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/63
マコ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/64


魔王の子供たちは単体でもセットでも可能

今週末まで長くならない程度でよければ、よろしくお願いします

対戦相手が決まったら3スレの方でいきます


987 : ◆11jMx8Pg9s :2016/08/24(水) 22:19:02 ???
>>986
お願いしたいです。


988 : ◆XksB4AwhxU :2016/08/24(水) 22:29:41 ???
>>987
こちらこそお願いします

ほかにも参加希望の方がいるかもしれませんが
希望の対戦相手とシチュ、大まかな流れなどありますか


989 : ◆11jMx8Pg9s :2016/08/24(水) 23:01:51 ???
>>988

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/game/37271/1422884972/48
でお願いします。シチュは特にこれと言って希望はありません。


990 : 名無しさん :2016/08/24(水) 23:13:02 ???
>>989
では、悪魔の本の方でよろしいでしょうか。

続きは明日以降になりますが、よければスレ3の方で開始します


991 : ◆11jMx8Pg9s :2016/08/24(水) 23:25:29 ???
>>990
はい。お願いします。


992 : ◆11jMx8Pg9s :2016/09/02(金) 14:49:46 sSiudggw
今週末できる人募集です。
責めでも受けでもいけます。


993 : ◆XksB4AwhxU :2016/09/14(水) 13:40:51 J5qwVXLc
対戦相手募集します
とりあえず週末まで
・受け
メラール
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422884972/52

・責め
ザラ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/62

ネア
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/63

マコ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422883109/64


994 : ◆ztq7pWnU8A :2016/09/14(水) 16:16:17 ZHFa291U
>>993
強キャラ的なのでも良ければ
受け側でこちらを……
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1422884972/51


995 : ◆XksB4AwhxU :2016/09/14(水) 16:56:47 ???
>>994
責めの三人は魔王の子供という設定でほぼ無敵なので受けが強くても大丈夫です


996 : ◆ztq7pWnU8A :2016/09/14(水) 17:12:05 ???
>>995
ありがとうございます。
シチュエーションに関しましてはそちらにお任せします。
責め側キャラは一人でも何人でも大丈夫です

自分のオリジナルではないキャラなので
見た目などといったものはこちらを参照してください
ttp://dic.pixiv.net/a/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%88%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%97


997 : ◆XksB4AwhxU :2016/09/14(水) 17:22:35 ???
>>996
グロすぎない程度のハードリョナを希望のようですが、欠損、貫通(傷)の有り無しなど
より具体的におしえていただければ幸いです


998 : ◆ztq7pWnU8A :2016/09/14(水) 17:28:13 ???
>>997
欠損→一部分であれば大丈夫です(達磨NG)
貫通→OKです(胴体の貫通などが特に好きです)

基本的にはこのような感じですね。
他にも必要な情報があればお答えします


999 : ◆XksB4AwhxU :2016/09/14(水) 17:41:31 ???
>>998
ありがとうございます。
こちらもなるべく確認とりながら進めますが
やりすぎだと思ったら遠慮なく言ってください
このスレは埋めて続きは3スレ目で


1000 : ◆XksB4AwhxU :2016/09/14(水) 17:43:42 J5qwVXLc
1000


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