[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
1001-
1101-
1201-
1301-
1401-
1501-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
ドラゴンクエスト・バトルロワイアルⅢ Lv6
1521
:
哀しみのとき/哀しみを胸に
◆2UPLrrGWK6
:2024/04/29(月) 02:59:47 ID:chZJ0etU0
「ターニアに言いたかったことも言えなかった」
誰もに優しくあろうと、常に溌剌とあろうとした兄の隠し通した本音。
現実の自分がどうであろうと、"このレックにとって"たったひとりの肉親への再会。
取り返しのつかない悔恨となって、震える声で零れ落ちた。
「ティアちゃんも、こんなに泣かせて……」
「レック……」
「後悔しても、仕方、ないのになぁ」
伸ばしていた手が、力なく下がる。
キーファがその身体を支えようとした手は残る痛みからか届かず、空を切った。
前のめりに倒れたレックは、横たわりながらぼんやりと傷ついた瞼を開く。
見えていないであろうその視線の先に居たのは、再会することが叶わなかった仲間たちか。
求めてやまなかったターニアの姿か。
その最期まで命がけで向き合い、救いを求めていたティアか。
レックの血で汚してしまったその顔を見ていると、すっかり赤で塗りつぶされていて、最期の意思すら読み取り難い。
「駄目な兄ちゃんだったよ、俺」
「……違ぇよ、お前は……」
キーファは、這いずるように近づき、回復呪文の効力でようやく動かせる用になった手を伸ばす。
汚れた手袋を口で引っ張り、素手で彼女の顔へ触れる。
彼女の目元に広がる血の汚れを、どうにか、優しい指先で拭い去った。
その表情は、これまでと変わらず傷だらけには違いない。
けれども、先ほどまでよりも少しだけ安らいで見えた。
「お前は、俺より……よっぽど立派な兄貴だよ」
レックの口元も、小さな少女の表情を知る術は無いであろうに、わずかに綻んだ。
そんな風に思えた。
「……」
砂利を踏む音が聞こえた。
おずおず、と歩み出た人物に、キーファは痛む身体を動かして視線を向けた。
彼女のその手に握られていたのは刃ではない。
「また会ったな、ポーラ」
「キーファ……」
死者を悼む彼が要るだろうと、汚れていない布を見繕い、キーファに向けて差し出していた。
【ティア@DQ2(サマルトリアの王女)死亡】
【レック@DQ6 死亡】
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板