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ぶれますスレwwww

293小さな勇者と、堕ちた騎士:2007/04/27(金) 15:57:10 ID:aar7Y8oo

【Interlude】

≪かつてお前が欲したものは、何だったのか…≫
“砕けた仮面”が、問いかけてくる。

≪…何を尊いと信じ、何を守ると誓ったのか…≫。
俺は―――何のために“仮面”を手に取ったのだったか…。

≪思い出せ……≫
俺は―――何のために強く在ろうとしたのだったか…。

≪思い出せ……お前の“本当の願い”を―――≫

…そうだ…
初めから、多くのモノを望んでいたわけじゃない。
俺はただ、皆との楽しい時間を守りたかっただけなんだ。
だけど、それを大切にするが余り、愛しいが余り…
いつの間にか、俺は欲張りになっていた。

みんなが、楽しくないと嫌だ。
全ての人が、幸せじゃないと嫌だ。

―――両手いっぱいに幸せを抱えていたのに、
抱えていた一つの幸せが転がり落ちた時、
それを拾おうとして、全ての幸せを落としてしまった。
―――仮面を被った強い自分なら、全て救えるものだと思い上がっていた…。

皆を守りたい―――
誰かを救いたい―――
…その願いは間違いではないけれど、
いつしかその願いは“使命感”に…
いつしかその願いは“責務”に…
いつしかその願いは“己を縛る鎖”になっていた。

それでも目指すものがあって、信じるものがあるから―――
俺は立ち止まるわけにはいかなかった―――否、立ち止まることなど“許されなかった”。

“理想”のために…
“願い”を叶えるためにと…
一歩、踏み出したその足は――――何かを踏み潰す。
だから…その踏み潰してしまったものの為にも、その踏み出した足を引くわけにはいかなくなる。
しかし再び踏み出した足は、更に多くのものを踏み潰してしまう。

故に―――“もう止まれない”。
この時点で、何があってもその信念を貫かなくてはならなくなった。
…そうでなくては、今まで踏み躙ってきたものに対して、顔向けできないから…。

前へ…前へ…
邪魔なものは振り払って、立ち塞がるものは斬り倒して、
ひたすら何かを踏み潰しながら、前へと歩み続ける――――。

しかし、前へと進めば進むほどに、己の“咎”は増すばかり…
際限なく増え続ける重圧に、歩みが止まりそうになる。―――心が挫けそうになる。

だけど―――
どんなに苦しくても、どんなに悲しくても、
たとえその道が間違えていると気づいたとしても…
―――今更、自分を“枉げる”ことなんて出来ないのだ。

それは最早、“願い”ではなく“贖罪”。
それを果たすことのみが、過去に対する唯一の“免罪符”。
そして“罪の意識”と“強迫観念”に衝き動かされた、その道のりの果てに――――

――――俺は■■を失った。


…だけど、違うんだ…。
俺の本当に欲していたのは、
“守る”とか“救う”とか、
そんな大それたものじゃなく――――
それはあくまで“手段”でしかなく――――

……俺が本当に願ったのは……

『―――たくさんの人を助けて、たくさんの人を守って…
みんなが幸せでいられる…そんな“やさしい場所”をつくるんだ』

あぁ…やっと思い出した…

…みんなが、笑っていて欲しかった。
…みんなと、笑っていたかった。
―――ただ“それだけ”で良かったんだ…。

【Interlude out】


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