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【場】『 大通り ―星見街道― 』 その2

1名無しは星を見ていたい:2020/04/15(水) 08:27:36
星見駅を南北に貫く大街道。
北部街道沿いにはデパートやショッピングセンターが立ち並び、
横道に伸びる『商店街』には昔ながらの温かみを感じられる。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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前スレ:
【場】『 大通り ―星見街道― 』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647631/

209ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2020/09/10(木) 20:29:31

――――鵺鳴川で『奇妙な生き物』を見かけた。

最近、町の一部でそんな噂が囁かれている。
その生物は毛むくじゃらで、川にプカプカ浮かんでいたらしい。
正体については諸説ある。
新種の動物だとか、未確認生物だとか、単なる見間違えだとか。
それと同時期に、おそらくは『同種』と思われる存在が、
『海』や『湖』でも目撃されているそうだ。

           プカ プカ プカ …………

夕方と夜の間の暗くなり始めた時間帯。
毛むくじゃらの物体が、静かに鵺鳴川を漂っていた。
『野生のラッコ』である――――。

210朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2020/09/10(木) 22:40:32
>>209
「つ…疲れた…」
はぁ、とため息を付きながら一人の学生らしき女の子が歩いている。
なんだかやたら不幸な目に会いやすいと感じている少女だ。

「何だって私ばっかりが…」
どうも学校で掃除をしてから帰ってきたらしい。
くじ引きになって負けたんだとかなんとか…
それはともかくである。

「あ…あー、疲れすぎてるみたい…」
ふと川を見て、何かがプカプカと浮かんでいるのを見る。

「あれは流木だよねー…ラッコっぽいけど…流木だよねー…」
目をこすって改めて川の様子を見る。

211ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2020/09/10(木) 23:07:08
>>210

常識で考えると、川にラッコはいないはずだ。
だから、それがラッコであるとは考えにくい。
少なくとも『普通は』そうだ。

    プカ プカ …………

『それ』は相変わらず川を漂っている。
遠くからだと『流木』に見えたが、よく見ると違うようだ。
掃除で疲れていたせいか、
それは毛足の長い『モップ』を連想させた。

           ド プンッ

やがて、それは水中に沈んだ。
水面に浮かぶ流木は勝手に沈まない。
つまり、それは流木ではないのだろう。

                ――――ザバァ

不意に、少女の近くから『毛むくじゃらの生物』が顔を出した。
間違っても流木には見えないし、
野良猫のようにどこでも見かけるような動物とも違う。
では何かというと、『ラッコ』としか言いようがなかった。

212朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2020/09/10(木) 23:19:59
>>211
「………」
しばらく注意深く様子を見ていると
「いや、あれはモップが流れているのか…」
再び思考してウンウン、とうなずいた。

           ド プンッ

「…」
一瞬疲れていたはずの目も冴えた。
「あれ、あんな急に沈んだりしたっけ…」
と思っていたら

ザバー!!
「うぇあ!?」
突然なにか…流木かと思っていた『毛むくじゃらの生物』が
涙音の近くから現れる。

「うわっと……った!!」
思わぬ生物の出現にびっくりして足がもつれた涙音は

ドフッ!!

「げふっ…!」
近くにおいてあったベンチに強かにみぞおちをぶつけてしまった

「あ…いだだだ…」
少しみぞおちを抑えてうずくまりつつも、改めてラッコを確認する。
「あれは…ラッコ…もしや噂の『ヌッシー』!?」
みぞおちにヒットしたにもかかわらず立ち直りが早かった。

213ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2020/09/10(木) 23:42:19
>>212

       グシ グシ グシ

ラッコが小さな前足で顔を撫でる。
『グルーミング』――いわゆる『毛繕い』をしているのだ。
同じ海獣でも、ラッコはアザラシなどのように脂肪が多くない。
その代わりに密度の高い毛皮が体温を維持し、
同時に浮力を生み出している。
したがって、こまめな手入れは欠かせないのだ。

        グシ グシ グシ

『ヌッシー』かどうかは分からないが、
目の前にいるのが『ラッコ』なのは間違いない。
ここ最近になって、
『水場で奇妙な生物を目撃した』という噂もある。
おそらくは、このラッコが『噂の正体』なのだろう。

             ――――ザバッ

少しして、ラッコが川から上がってきた。
『みぞおちをやられた少女』に興味を持ったのかもしれない。
つぶらな瞳が不思議そうに少女を見つめる。
何かを考えているような、
それとも何も考えていないような……。
とりあえず、害はなさそうだ。

214朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2020/09/10(木) 23:48:36
>>213
「…こうしてみると意外と大きいかも」
ラッコを間近で見たのは初めてだった涙音は
とりあえず起き上がって様子を見ている。

「妙な生き物が川を泳いでるとは聴いていたけど
あの噂はマジだったのか…」
川から上がってきた生き物をじっと見ていると

「む」
丁度眼と眼があってしまった

「フヒヒヒ…
やっぱこうしてみるとラッコってかわいい…」
ちょっと触ってみようかなと思って近寄っていく。

215ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2020/09/11(金) 00:05:53
>>214

ラッコとの距離は近い。
水族館でも、ここまで間近で見る機会はないだろう。
そもそもラッコは『絶滅危惧種』であり、
今では姿を見られる水族館自体が少ないのだが。
とはいえ、そういった深刻な問題は、
このラッコにとっては関係のない事だ。
彼にとって最も大切なのは、『幸せに暮らす』事なのだから。

        ミャー
               ミャー

目が合った時、ラッコが鳴いた。
その鳴き声は、どことなくネコに似ている。
少なくとも『威嚇』の類ではないらしい。
人に慣れているのか、それとも警戒心が薄いのか?
近寄っても、特に逃げようとはしていない。

216朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2020/09/11(金) 00:18:09
>>215
「そう言えばどこかの川にもアザラシが流れ着いたという話もあるけど…
どこかから迷い出てきたのかしら…」
ラッコの姿を見ながら考える…
野生のラッコが川に入るということはあるのだろうか?

とまぁ考えては見るものの

「へー、ラッコの鳴き声って猫っぽいのかぁ…」
あんまり聞かないぶん物珍しいと感じている。
ひとまず手が触れそうなくらいまで近寄ってみた

「まぁ、水に濡れてるけど
別にいいか」
頭をなでたりはラッコにとって気持ちいいのだろうか…
と考えて頭に手を伸ばす。

217ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2020/09/11(金) 00:39:31
>>216

野生のラッコが川に現れる。
普通は有り得ない――はずだ。
まず、野生のラッコと遭遇する事自体が奇跡的だろう。
ラッコの本来の生息域は『海』。
そこから来たのだろうか?

       フワッ
              フワッ

頭に触れると、
『高級な絨毯』さながらの繊細できめ細やかな感触が、
手の平を通して伝わってくる。
ラッコの毛皮は『ミンクの毛皮よりも上等』だと言われている。
密度の高い毛の間に空気を取り込む事によって、
浮力を得ているのだ。
その上質の毛皮目当てに乱獲され、
かつては絶滅寸前に追い込まれた事もあった。
だが、その事実を『彼』は知らない。

          ミャー

撫でられると、ラッコは気持ち良さそうに目を細めた。
目が小さいので、実際はあまり変わっていないのだが、
そういう風に見えた。
ラッコにとって『グルーミング』は欠かせない。
撫でてもらうというのは、
『毛繕い』をしてもらっているようなものだった。
つまり、ラッコにとっても利益があるという事だ。

218朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2020/09/11(金) 00:45:41
>>217
「もしかして海からさかのぼってきたりでもしたのかなー?
 あるいは水族館からかな?」
このあたりの水族館は?と考えつつもとりあえずなでてみる。

フワフワ
「あっ、おもったよりもやわらかい…
と言うか、なんだか高級な毛布みたいな感じ…」
なでてみてわかったのは、あまり濡れていたことなどは気にならない。
むしろもっとなでたいようなふわふわした肌触りということだ。

「うーむ、このままずっとなでていたいわね…」
とりあえず色々難しく考えながらラッコを撫で回す。
どうやら気持ちよさそうなようで安心した。

「どっから来たのー?なーんて言っても…
まぁ答えてくれたりはしないわよねー」
どこから来たのか気になりすぎて試しにラッコに声をかけてみる。
まぁほんの戯れのつもりであり、返答があるとは思っていないが。

219ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2020/09/11(金) 06:34:46
>>218

ラッコがいるとすれば『水族館』。
しかし、もし水族館からラッコが脱走していたとしたら、
確実に『ニュース』になっているはずだ。
だが、そのような報道はされていなかった。
やはり『海から来た』可能性が高いだろう。
そうだとしても、『川にいる理由』は謎のままだが。

      バッ
           ――――ゴソ ゴソ

声を掛けると、ラッコは二本足で立ち上がった。
前足を器用に使い、脇の辺りを探り始める。
ラッコの脇には『ポケット』があり、
そこに小物を入れておけるのだ。

            スッ

取り出したのは『石』だった。
道具として石を使う事で知られているラッコだが、
石は『使い捨て』ではない。
ラッコには固体ごとに『お気に入りの石』があり、
それを使い続ける習性がある。

         ミャー
                 ミャー

どうやら、これが『気に入っている石』のようだ。
ラッコから見ると『上等な石』なのかもしれないが、
人間から見ると『普通の石』に見える。
ずっと持っているという事は、
何かしらの『こだわり』があるのだろう。
まるで自慢するかのように、ラッコは『石』を掲げている。
投げ掛けられた言葉を『勘違い』したらしい。

220朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2020/09/11(金) 19:17:17
>>219
「流石にネットでも脱走したなんて話はないし…
やっぱり野生のラッコなのかも…」
しばらくなでていると、
スクッとラッコが立ち上がる

「はっ!?」
ラッコが二足で立ち上がる様子を見るのは
涙音にとっては初めてだったので
「ラッコって立てるんだ…」
少しポカーンとした表情でラッコの様子を見る。

そしてポケットのような場所から取り出されたのは、石…
「石…そう言えばラッコは貝を割るのに石を使う…けど、
 持ち歩いてるものなのね…」
少しずつラッコの知識が涙音の中に蓄積される。
どうもそれを嬉しそうに持っているように見えたので

「もしかしてソレは自分の故郷の石…なんてことがあったり?」
涙音も自分の質問が『通じた』と思いこんで返答を返した。
「意外と会話って通じるものなのね…」
もちろんこちらも『勘違い』である。

221ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2020/09/11(金) 22:34:29
>>220

    ジッ…………

ラッコは、つぶらな目で少女を見つめ返す。
『故郷の石』という質問を肯定しているのだろうか?
そう見えるだけで、もしかしたら違うのかもしれない。

        ジィ…………

実際は、ただ石を自慢したかっただけかもしれない。
本当の所は分からない。
噛み合っているように見えて、微妙に噛み合わない対話。
もし、お互いに勘違いがあったとしても仕方がない事だ。
だって、『ラッコと人間』なんだから。

              ――――ゴソ

満足したのか、大事そうに石を『ポケット』にしまう。
それから、もう片方のポケットから別のものを取り出す。
小さいものだ。
よく見ると、その正体が分かった。
『ペットボトルのキャップ』だ。

    ポ ー ン
             ポンッ
                     パシッ

前足でキャップを宙に投げ、それをヘディングし、
再び前足で受け止める。
水族館でも見られるかどうか分からない動きだった。
どうやら、キャップを『遊び道具』にしているようだ。

222朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2020/09/11(金) 23:02:46
>>221
「うーん…」
ジロジロとラッコの目を見つめる。
眼と眼を合わせれば言葉が聞こえてくるかと思ったが
やっぱりわからない。

「ここに通訳できる人がいたらなー…
それにしても…石はきれい…かな?」
とりあえず見せてきた石に軽い感想を述べる。

「お、また何かを取り出した。」
よく見ればそれはペットボトルのキャップだ。
これもどこかから拾ってきたものなんだろうか

やがてラッコがそれをポンポンと飛ばし
「お、おー!」
前足でキャッチ。まるで水族館のアシカショーのようであった

「うまいうまい!」
嬉しそうに拍手する。ちょっとしたショーを見ているようで見ていて面白い。

「まだまだできたりするのかしら?
 気になる!」
ちょっと機体をするような表情でその動作を見守っている。

223ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2020/09/11(金) 23:35:38
>>222

    ポ――――ンッ

両方の前足で、キャップを投げ上げる。
それは、先程よりも高く上がっていた。
クルクルと回りながら舞い上がるキャップ。

         ダンッ
                  パシッ

四足で地面を踏みしめて、ラッコが大きくジャンプした。
そして、空中でのキャッチを決める。
表情は分かりにくいが、どこか得意げだ。

                  ――――ポイッ

一連の動作を終えたラッコは、少女に『キャップ』を投げ渡した。
何の変哲もない清涼飲料水のキャップだ。
意図は不明だが、くれるのだろうか?

別に特別なものではなく、ただのキャップなのだが、
『ラッコが使っていた』という点では珍しいだろう。
傍から見ると『川の清掃』とも呼べるかもしれなかった。
今日は『掃除』に縁がある日のようだ。

224朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2020/09/11(金) 23:47:37
>>223
「わーすごい!
こんな曲芸はなかなか見られないわね!」
キャップを投げ上げそしてジャンプ!

きれいなジャンプとともにキャッチしたキャップを

パシッ

とこちらに投げ渡してくる

「わっ…とと」
思わず取り落しそうになって

シュッ
と一瞬スタンドを出し、なんとか落下を阻止することができた。

「あー危なかった…
これは私にプレゼントしてくれる…のかな?」
自分から見れば何の変哲もない代物だが、
今まで自分に付き合ってくれた御礼の品と思うと

「どうもありがとう。なんだか嬉しいわね」
ちょっと価値の有りそうなものに思えるのであった。

225ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2020/09/12(土) 00:04:00
>>224

            ジッ

キャップを取るために出した『フォートレス・アンダー・シージ』。
その時、ラッコがそちらに視線を向けたように見えた。
ほんの一瞬の事だったので、
もしかしたら見間違いかもしれない。
ひょっとすると、涙音の後ろに興味を引く何かがあって、
それを見ていたのかもしれない。
ともかく――――。

        トッ トッ トッ
                   ザブンッ

ラッコは川の中に戻り、泳ぎだした。
少し進んでから振り返り、水面から顔だけ出して、
涙音の方を見る。
何かを考えているような、あるいは何も考えていないような表情。
やがて水中に潜り、ラッコの姿は消えた。
手の中には、ラッコに貰った『キャップ』が残っている…………。

226朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2020/09/12(土) 00:09:17
>>225
「ん?…今…」
ふと、自分が発動させたスタンドの方に目を向けたかのように感じ
その様子をじっと見る。もしかして見えたのか?と不思議に思うが

「あっ帰るのね?」
ラッコは再び川へと帰っていく。
じっとこちらを見つめているようだが、やはりなにか見えたのだろうか?

「ん、じゃあまたー」
聞こえてるかはわからないものの、ひとまず普通の人と同じように
手を振りながら見送っていく

「うーん、まさかねー…」
もしかしたらスタンドが見えていたのだろうか?と思いながらも
根拠がない、そう思ってひとまずおいておこうと考えた
「これは…とりあえずは」
大事そうなものだからもらっておこう、と考え、彼女も家路に向かっていく


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