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【場】『 大通り ―星見街道― 』 その2

1名無しは星を見ていたい:2020/04/15(水) 08:27:36
星見駅を南北に貫く大街道。
北部街道沿いにはデパートやショッピングセンターが立ち並び、
横道に伸びる『商店街』には昔ながらの温かみを感じられる。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
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          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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前スレ:
【場】『 大通り ―星見街道― 』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647631/

123小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2020/06/27(土) 23:08:53

街の一角に佇む小さな公園。
そこに設置されている花壇の前に、『喪服』の女が立っていた。
おもむろに膝を折り、ひっそりと咲く花々を間近で見つめる。

       ス……

一輪の白い花――『梔子』に向けて、静かに片手を伸ばす。
その指先が、一枚の花弁に触れた。
柔らかな手付きで、表面を軽く撫でる。

124遊部『フラジール・デイズ』:2020/06/28(日) 23:21:38
>>123

「……『喜びを運ぶ』か」

ザッ……。

貴方の背後から、そう唐突に声が響いた。

振り返ると、雨も降ってないのに黒色のレインコートで顔まで覆う
背丈はそこまで高くない人物が佇んでいる。

「私は好きでは無い花だな」

「だが、そちらは好ましく思うのだろう。それも、また自然な事だ」

「……だが、時々その自然さが妙に苦々しくも感じるのは感傷か?」

何処かで聞き覚えのある声の人物は、貴方に無遠慮に近寄る。

125小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2020/06/28(日) 23:44:34
>>124

おもむろに振り返り、相手の姿を見上げる。
姿が見えなくては誰なのかは分からない。
ただ、その声には聞き覚えがあった。
ゆっくりと記憶の糸を辿る。
最近の記憶にはない声だった。

  「……ここに花壇があることを知っている方は、
   あまりいらっしゃらないようです」

  「人に見られずとも――『花』は咲きます」
   
  「ただ……」

  「誰にも見られずに枯れていくのは少し寂しいと……」

  「私は……そう思います」

            スッ

  「『お怪我』の方は、もう治られたようですね……」

立ち上がり、その人物の姿を正面から見つめる。
かつて『廃校』で起きた事件。
あれから随分と長い時間が経ったように思えた。

126遊部『フラジール・デイズ』:2020/06/28(日) 23:59:23
>>125

>誰にも見られずに枯れていくのは少し寂しいと……

「そうかな? 『私』には、その悲しみが受け入れられない」

「花に例え喜怒哀楽があるとすれ、摘み取る者のどの程度が
その事柄について憂うだろうか? きっと何人も想う事は無い」

呟きつつ、小石川の隣に彼女は並ぶ。

「……随分と長い時が経った気は確かにする。
それでも、私は今も未だ進む事も退く事もままならずにいる」

「偶に、このまま私は燻ったままにドロドロに腐り溶けるのではと
錯覚もしてしまう。これは肉体の傷が癒えたところで治るものでもない」

ハァ……。

「なぁ、小石川。お前は、あの時『医者』と何を話した?」

礼儀も何もない調子で、その少女の声をした人物は貴方へ尋ねる。

127小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2020/06/29(月) 00:25:20
>>126

脳裏に『あの時』のことが思い浮かぶ。
『私達』は争い、そして別れた。
その後、『彼ら』がどうなったのか。
何も分からない。
全ては闇の中に消えた。

  「……『お互いの話』です」

『リンゴ・ナイチンゲール』――
私は彼に自分の素性を明かし、彼の目的を聞いた。
『病んだ世界を治すための薬』を創ると。
私は、その気持ちに『共感』を覚えていた。

  「私は……」

  「いえ……『それだけ』です」

あの時、目の前にいる『彼女』は、
『病んでいるのは貴方だ』と言った。
彼に共感を覚えた私も病んでいるのかもしれない。
振り返ってみると、そう感じるような時がある。

  「『長い時間が経った』……私も、そう思います」

  「『色々なこと』が――ありました」

あの『廃校の事件』で、
私は『スタンド』を使って初めて人を傷付けた。
それから何度も『刃』を振るい、その度に血を流してきた。
そのことに対して、最初は心に強い抵抗を感じていた。
しかし、今では昔ほどの動揺はない。
いつの間にか、
『人を傷付けること』に慣れてしまったのだろうか――。

128遊部『フラジール・デイズ』:2020/06/29(月) 01:02:49
>>127

「……リンゴ。私は、いや『我々』は彼を疾患あると評価したが
だからと言って、彼の目的を非難してるのかと言えば、そうでもないのだよ」

「結果さえ見ればだ、小石川。
私達は彼等と交錯した、そして大小なれど肉体に負傷を起こした。
私は、統合が再び緩まり多くの我々が再び解放となった。
それ等は、全て私達の頭の中に残り続ける。
忌まわしさも、共感も、悲劇も闘争もな」

「そして、リンゴもまた同じだ。
彼は病んでる世界を治す為に世界を駆ける中でも、時々心あらぬ最中に
私達の出来事を思い返すのだろう」

小石川、わかるか? とフードの付いた頭部が貴方のほうに向く。

「人が人である以上、区切りを伴った主観を取り除けば狂気、正気の
境界線など呆気なく綻びが囀られる。無理強いに力で捻じ伏せて
第三の多数の目に対し、見せ掛けだけでも正義である構図を作る事であれ
この超常が犇めく世界ならば、実に容易だ」

「『私』には、この世界が実に脆く直ぐに形を変える存在に見受けられる。
遂数秒前の真実が、次の瞬間には容易に嘘に成り代わらない保証なんて無い。
小石川、君が抱える悩みを『私』は決して共感はしないだろう。
だが、私には黙って咲く花のように無言で聞く事は出来る。そして、ソレは
君が花に苦しみを明かすのとどう違うと言い切れる?」

「…………小石川、『私』は君の事が少々羨ましくも感じるのかも知れない。
どれ程世界が変わっても、君は『君』で、小石川と言う存在であり
君の抱く哀しみや憤りも全て君の正当なる所有物だからな」

129小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2020/06/29(月) 01:24:18
>>128

  「――……」

『少女』の言葉に、黙って耳を傾ける。
心の片隅で、自分は変わってしまったような気がしていた。
手を血で染めることに対して、
何の感慨も生じなくなってしまったと。
『刃』を振るい続けることに、
『不安』を感じていたのかもしれない。
今の自分は、
『彼』の知っていた自分ではないのだろうかと――。

  「ありがとう――ございます」

彼女の言葉を、『そうではない』と受け取った。
『力』は変わっても『心』は変わらない。
この胸に、『想い』を持ち続ける限り。

  「『レミさん』……」

  「『ライさん』……」

  「『お二人』にも――そのようにお伝え下さい……」

冷静沈着な『レミ』と、寡黙な『ライ』。
『少女』の中にいるであろう二人。
彼らと共にいた時間は短いものだったが、
その記憶は今も薄れていない。


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