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【場】『 湖畔 ―自然公園― 』

1『星見町案内板』:2016/01/25(月) 00:04:30
『星見駅』からバスで一時間、『H湖』の周囲に広がるレジャーゾーン。
海浜公園やサイクリングロード、ゴルフ場からバーベキューまで様々。
豊富な湿地帯や森林区域など、人の手の届かぬ自然を満喫出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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878夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/03/14(土) 19:28:50

ある晴れた日の午後。
芝生の上にうつ伏せに寝そべり、
食い入るように何かを見つめていた。
視線の先には、一匹の小さな虫がいる。
それは、指に乗るくらいの大きさの『カマキリ』だ。
鎌を舐めて手入れしているらしい。

      ジィィィィィィィィィィ〜〜〜〜〜ッ

こうして観察を始めてから、かれこれ30分程が経過していた。
しかし、まだまだ飽きそうにない。
『色』、『形』、『動き』――
その全てが『アリス』の好奇心を強く掻き立てる。
コイツも『いいかげんどっかいけよ』っておもってるかも。
でも、もうチョットみてたいキブンだ。

             スススッ……

「――――おん??」

そうこうしていると、ヤツがうごきはじめたぞ。
ドコにいくのか、つきとめねばなるまい。
ワレワレちょうさはんは、ただちにツイセキをこころみた!!

             ズズイィッ

移動を開始したカマキリの後方から、匍匐前進で追跡する。
こっちのアングルからみたフォルムも、
なかなかアジがあるじゃないか!!
『カマキリのうしろすがた』っていうコトワザもあるしな。
『めだたないけど、じつはイケてる』っていうイミで。
イマつくった。

879鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/03/17(火) 02:15:55
>>878

「・・・・・・・・・・」

いつもと同じように、自己鍛錬のために竹刀袋を肩にかけて訪れた『自然公園』。
そこで、見慣れた姿を見かけた。
もっとも、その彼女が取った行動自体は全く見慣れていないものだったが。
公園の芝生で匍匐前進をしている女性を見たのは人生初めてだった。
記念にスマホで撮影しておくべきかと思ったが、無断で動画を撮るのは失礼だと思って流石にやめておいた。

「(アリスは何をしているんだ…?)」

周囲に他に人がいないか確認して、ゆっくりとその少女、夢見ヶ崎明日美へと近付く。
色々と奇天烈な行動をする事も多いが、流石にこれは何らかの理由があるだろう。多分。
声に出して訊ねてもいいのだが、何かに集中しているのならば、邪魔をするのも申し訳ない。

880夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/03/17(火) 16:17:07
>>879

近くまで寄ってみると、草陰で何かが動いているのが見える。
小さな『カマキリ』だ。
どうやら、それを追いかけているらしい。

    ズズッ ズズッ ズズッ

もし『ドクター』をだしてたら、
ちかづくダレカに『オト』できづいたかもしれない。
しかし、イマはだしてなかったようだ。
ウンがよかったな。
どっちみち、『ミチのセイブツ』にシュウチュウしてるから、
タブンきづかんかったけど。
イマこのしゅんかん、わたしにはコイツしかみえない!!

             ズズッ ズズッ ズズッ

なおも芝生を這い進み、『未知の生物』――
『カマキリ』を追いかける。
そもそも『カマキリ』というもの自体を見た事がなかったのだ。
存在は知っていたが、実際に目にしたのは初めてだった。

881鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/03/17(火) 22:00:35
>>880

(ああ、カマキリか)

そこまで物珍しい生き物ではないが、彼女にとってはそうではないのだろう。
故に彼女の旺盛な好奇心が、そこの小さな生き物へと向いたとしても何らおかしくはない。
そのカマキリにとっては少々迷惑かもしれないが、そこは甘んじて受けて頂きたい。

(この状況では声をかけるのも躊躇われるな)

観察に集中しているアリスは、接近するこちらに気付く素振りはない。それに声をかけると、驚いたカマキリが逃げ出してしまうかもしれない。
結局、自分もアリスと同じことをする事にした。カマキリと、それを観察している様子を。
幼い頃と違い、自分は虫を見る機会など最近はほとんどなかった、久し振りに見るのも面白いかもしれない。
顎に手を当て、上体を折り曲げる。

…一匹の虫と、それを匍匐前進で追いかけるアリスと、更にその後ろから
両者を観察している男というのもかなりシュールな気がするが。

882夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/03/17(火) 22:43:22
>>881

それは、あまりにもシュールな光景だった。
もし第三者が通りかかっていたら、
間違いなく足を止めていただろう。
クロガネくんのうしろから、またベツのダレカがみてたら、
もっとオモシロいのに。
そのうしろから、さらにまたベツのヒトが……。
そんなカンジでドンドンひろがっていったら、
きっとセカイがヘイワになるとおもうぞ。

          〜〜〜♪

「――――あ、ナンカきた」

        ゴソ

不意に、スマホの着信音が鳴った。
ポケットから取り出して、這いずる姿勢のまま通知を確認する。
その間に、カマキリは少しずつ遠ざかっていく。

「ん??ん??ん??」

      キョロ キョロ キョロ

やがて辺りを見渡すが、カマキリの姿がない。
どうやら見失ってしまったらしい。
仕方なく起き上がり、両手で服の汚れを払い落とす。
しかし、アリスはあきらめないぞ。
こんかいはにげられてしまったが、
ワレワレはこんごもチョウサをゾッコウする!!

       クルッ

決意を新たにし、おもむろに振り返った。
すると、そこに『クロガネくん』がいるじゃないか!!
さっきのアイツにはニゲられたし、いいタイミングだぜ〜〜〜。

「よう、ようようよう――――」

「ようようようようよう、クロガネくんよ。ゲンキかね??」

     ツカツカツカツカツカ

声を掛けながら、距離を詰めていく。
クロガネくんも、さっきのヤツにまけずおとらずオモシロい。
アリスの『ターゲット』がヘンコウされたシュンカンだ!!

883鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/03/17(火) 22:55:04
>>882

と、アリスのスマホに通知が来たようだ。
彼女がそれに気を取られている内に、小さなカマキリはこれ幸いと、あっという間に逃げ出していく。
生い茂る草の中に身を隠した直後、アリスが再び顔を上げた。完全に見失ってしまったようだ。
彼(彼女だろうか?)は上手くやった、達者に生きてほしい。

その場から去ったカマキリの事を思っていると、おもむろに少女は立ち上がった。
まあ目的と思わしき観察を終えたのだ、そうなるだろう。
さて、何と声をかけようかと考えていると、いきなり彼女が振り返った。

「こんにちは、アリス」「オレは相変わらず、無病息災だ」
「どうでもいいが、『よう』が多いな。…キミも元気そうで何よりだ」

その顔を見て、挨拶をかわす。そして目線を逸らし、地面を見た。
相変わらずぐいぐい来る少女だ、だが決して不快ではない。
…むしろ黙って様子を観察していた男の方が、不快と思われても仕方ないが。
あまりに面白そうだったので、ついやってしまった。

「『カマキリ』はどうだった?」

884夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/03/17(火) 23:37:14
>>883

「ほうほう、アレがウワサの『カマキリ』か!!
 やっぱりナマでみるとちがうな〜〜〜!!
 いや〜〜〜『イイ』!!『イイ』よ〜〜〜うんうん」

「あんなのがいるなんてフシギだよね〜〜〜。
 だって、『こんな』だよ!!『こんな』!!
 これはセカイテキハッケンだな!!スゴイもんだ!!」

   ササッ

興奮した口調で熱っぽく語りながら、
両手を持ち上げて『カマキリのポーズ』をしてみせる。
この世界には、まだ見ぬ『不思議』が溢れている。
それを考えるだけで、胸がときめく。

「――――ま、ソレはおいといて……」

      ザッ

「クロガネくんさぁ〜〜〜」

           ザッ

「さいきん、ナンカおもしろいコトとかなかった??」

                ザッ

一歩ずつ足を踏み出し、さらに近付いていく。
その視線は、目の前の相手に真っ直ぐ向けられている。
口元には、悪戯っぽい笑みが浮かんでいた。

885鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/03/17(火) 23:53:32
>>884

「そうだろう。カマキリのあの独特な動きは、遥か古代から『中国拳法』にも取り入れられた程だ」
「ただ、もし今度その『卵』を見つけても家には持ち帰らない方がいいな。それで友人が酷い目に会った」

心底楽しそうに『カマキリ』の事を語るアリスに、こちらも思わず笑みがこぼれる。
見慣れたものにも改めて価値があると再確認できるし、何より友人の幸せそうな姿は心暖まるものだ。
この世界は彼女にとって、まさに『ワンダーランド』なのだ。どんどんと面白いものを見つけてほしい。
などと一人感慨に耽っていると。

>      ザッ

>           ザッ

>                ザッ


「いや、待て」「この距離でも声が聞こえるんだから、それ以上、近付く意味は、ないと思うんだが」

接近する彼女に、両手を小さく上げながらゆっくりと後退する。とはいえ速度があまりに違うが。
何度かの遭遇でアリスに慣れてきたとはいえ、精々先程のように一瞬目を合わせるくらいだ。
まだ、あまり近付かれると、その、困る。耳が熱くなってくるのを感じる。
ひとまず彼女を納得させるワードを何か出さなければ。

「しかし、面白いことか…」「ああ、面白いことかは分からないが、最近共に協力し合える友人ができたんだ」
「オレと同じ学年の、斑鳩翔くんと言うんだが…見た事はあるか?」

886夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/03/18(水) 00:34:31
>>885

「まあまあ、そうエンリョしなさんなって。
 おたがいに、もうチョイしんぼくをふかめていこうぜ??
 たのしいコトはミンナでわけあうと、
 もっとタノシクなるからさぁ〜〜〜」

      ザッ

前進と後退では、やはり前進の方が早い。
二人の距離は、だいぶ近くなっている。
さらに近付こうとした時、
『知っている名前』が出てきて足を止めた。

「『イカルガショウ』??
 ああ〜〜〜イカルガのショウくんか!!
 しってるしってる。いろいろオモシロいヤツだよね〜〜〜。
 ミョーにナゾっぽいっていうか」

「ナツごろにさそわれてさぁ。
 いっかい『デート』したコトあるぜ!!
 さいしょ、ただのシャレだとおもったのに、
 マジだったからビックリしたな!!
 いや〜〜〜アレはオモシロかった!!
 あ、『シャシン』みる??」

返事を待たずに、スマホの画面を見せる。
そこには、『夏祭り』の時に撮影した写真が表示されていた。
屋台の群れを背景に、青い浴衣姿の夢見ヶ崎が写っている。

「ショウくんが『ユカタきてこい』っつったから、
 ワザワザきてきてやったんだよな〜〜〜。
 まあ、たのしかったからイイけど!!」

887鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/03/18(水) 00:55:21
>>886

「あぁ、確かにミステリアスだな…一見話しかけ辛そうだが、話してみるととてもいいヤツだった」

知っているのならば話は早い。
確かに彼はクール、あるいはミステリアスという言葉が相応しい。
どこか言葉も選んでいるような雰囲気もあるし、よく言う一般人とは一線を画すオーラがある。
それも彼の事情を顧みれば、致し方のない事だが。もちろんこの場でそれを話したりはしない。
既にアリスも知っているかもしれないが、そうでない場合の事を考えて─────。

「─────え」

思わず、再度アリスの顔を見てしまった。
『デート』というのは、その、男女が二人で出かける、それなりに親密な関係で行われるアレの事だろうか?
斑鳩くんの方から誘ったという事は、斑鳩くんはアリスに満更ではない、という事なのか。
いや、彼の去り際のセリフからすると、結構なプレイボーイであり、そこまでではないのか。それとも本名なのか。
それに、アリスも応じた辺りからして、それなりに彼の事を気に入っているということか。
これは聞いてしまって良かったのか。これからどういう態度で接すればいいのか。
色恋沙汰に疎い自分は、何とも言えないモヤモヤと混乱が頭を支配していく中、唐突にアリスがスマホの画面を見せてきた。

「…これは」

どうやら『夏祭り』の様子だ。二人のデートはそこで行われたようだ。
青い浴衣に身を包んだアリスが、よくある屋台を背景に、楽しそうにしている。

「…綺麗だな。似合ってる」

やはり和服は良いな、と個人的な感情は胸に秘めつつ、楽しそうな彼女も微笑ましく眺める。
彼ら二人の思いがどうであれ、それが楽しかったなら何の問題もないだろう。
そこに自分が気を揉む必要はない。頭がスッキリして、落ち着いてきた。自分の胸に手を置く。

「楽しんだみたいだな、夏祭り。キミも彼も、無事で良かった」

ああいった人が集まる場所には、良くない輩も狙いやすい。
最近こそ落ち着いているが、いつまたあの『通り魔』が現れないとも限らない。

888夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/03/18(水) 01:30:02
>>887

「うんうん、いいコトバだ!!
 まったくクロガネくんは、ヒトをほめるのがウマいな〜〜〜。
 スエは『そうりだいじん』か??
 このよわたりじょうず!!」

何だかんだ言っても、褒められて悪い気はしない。
素直に喜び、上機嫌で明るく笑う。
しかし、マジメに言われると、少々照れが入る。
実のところ、この笑いには若干照れ隠しの意味もあった。
顔を見られていなかったのは、運が良かったのかもしれない。

「まあ、そのあとはコレといってなかったけど!!
 あ、そういえば『バレンタインチョコ』あげたんだった。
 『てづくり』で。
 やっぱり『アリス』としては、
 そういうイベントはみのがせんからな〜〜〜」

あれには、謎めいている彼の反応を探るという目的もあった。
しかし、一番の理由は『季節のイベント』に乗りたかったから。
要するに、『一石二鳥』狙いというヤツだ。

「『ブジ』??そうそう、ブジブジ。イマもピンピンしてる。
 ほら、ウデもアシもアタマもくっついてるし」

「まあ、もしヘンなヤツとかいてもダイジョーブ。
 ワタシがぶっとばすしな!!」

そう言いつつ、やたら自信ありげに胸を張る。
その根拠は、もちろん『ドクター・ブラインド』だ。
スタンド使いとして、『実戦』を経験したという自負もあった。

889鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/03/18(水) 01:47:40
>>888

「うぅむ。褒める、と言うのもなんだか不思議だ」
「美味しい料理を食べた時に『美味しい』と言うのを褒めると称するなら、確かにそれかもしれない」

地面を見たままブツブツと呟く。
自分はウソや世辞はあまり得意ではない。それが人を幸福にするならともかく、
こういった事を自分に言われて喜ぶ人間がそうそういるとは思えない。
なので誰かを喜ばせるためではなく、綺麗、上手い、カッコいいなどは感じたままに言っているだけだ。

「あぁ、バレンタインチョコを。しかも『手作り』とは、気合が入っているな」
「しかし斑鳩くんはモテそうだからな。ライバルは多そうだ」

仮に彼女にその気がなかったとしても、『食べ比べ』としてのライバルという事だ。
ちなみに自分は家族、母と妹以外にもらった事は生涯ない。これからもそうかもしれない。
しかしそれは言わない。彼女に対して今更見栄もないかもしれないが、こう、最低限の誇りはある。
涙は心の中で流しておく。

「キミの事は信じているが、やはり『女性』だからな」「単純な力勝負では分が悪い」
「もし男相手に喧嘩になったら逃走を第一に考えて。それが無理なら、武器を持つか急所を狙って攻撃するんだぞ」

この前、ここの公園で斑鳩くんと共に暴走族のような連中と殴り合いになったのを思い出す。
『通り魔』以外にも、ああいう存在はこの街にいるのだ。
…しかし女性に対して護身法をレクチャーというのも、なんか、モテない理由はこういうのが原因なのかもしれないと我ながら思った。

890夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/03/18(水) 02:20:56
>>889

「まあね〜〜〜マジでねらうんならライバルおおいカモ。
 でも、ワタシもう『コイビト』いるから。
 すっごいミリョクテキで、
 ずっとイッショにいてもあきないんだよね〜〜〜」

「『このセカイ』っていうコイビトがさぁ〜〜〜。
 だから、ヒトリのあいてにしばられてられないってコト!!」

 アリス   ワンダーランド
『自分』は『この世界』に恋をしている。
特定の相手と付き合っている暇などないのだ。
少なくとも、当分の間は。

「あぁ〜〜〜たしかに『チカラ』はよわい!!
 さすがはクロガネくん、イイとこをついてくるな〜〜〜。
 するどいシテキだ!!ソコはヒテイしないぞ」

「あ、でも『ブキ』ならもってる!!
 チカラでまけるぶんは――『ココ』でカバーだ!!」

自身の頭を付け爪の先でつつきながら返す。
『ドクター』のパワーは人間より弱い。
しかし、その両手には鋭利な『爪』が備わっている。
それこそが『武器』であり、『能力の鍵』だ。
その『能力』には大きな自信があった。

「まあ、ベツになぐりあいとかしたいワケじゃないけど。
 ダレカをボコボコにするなんてシュミじゃないし。
 ジンセー、おたがいにたのしくなきゃね〜〜〜」

「――そういえば、ショウくんと『キョウリョクしあう』ってナニ??
 やっぱり『アレ』のコト??ほら、こないだの『アレ』」

ゲームセンターで会った時の事を思い出す。
その時、自分も『協力する』と言ったのだ。
あれから特に収穫はないが、多分その事だろうと思った。

891鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/03/18(水) 02:43:24
>>890

「…なるほど、それは確かに忙しいな」
「逆にキミの事を愛する人間は大変だ。文字通り、世界を敵(ライバル)に回すって事なんだからな」

実に彼女らしい言葉に頷く。この世界以上に魅力的な人物が、果たしてこの世界にいるだろうか?
世界を敵に回してでも。少女漫画で聞いたような台詞だが、アリスを捕まえるにはそれ相応の覚悟が必要なようだ。
もっとも、彼女はそんな出来事があろうがなかろうが人生を謳歌するだろうが。

「『頭』か。確かに戦略は大事だ」
「オレも相手の動きや得意技は常に頭に入れて動くが、限られた『ルール』の中の武道と違い
 路上の喧嘩は常に流動的だ。フィジカルで不利なら、そこが逆転の鍵になるだろうな」

アリスの動作の意図はそういう事だと思い、頷き下を向く。
しかしこの前は少数対多数故に『スタンド』を使ったが、やはり一般人相手に『スタンド』は過剰な暴力になりかねない。
…その暴力に飲み込まれないよう、自分も気を付けなければ。その点は塞川さんや立石さんにも指摘されている。

「全くその通りだな。争いなんてこの世からなくなってほしい」
「…誰も突然な悲しみに襲われない世界になってくれるなら、それに越した事はない」

アリスは世界を愛していると言った。しかし、自分は彼女ほどは胸を張れない。
特に妹の事件が起きた直後は、理不尽に彼女を狙った人間に、それを捕まえられなかった警察に、その場にいなかっと自分に、色々と苛立ってしまったものだ。
自分は少し時間をおいて頭を冷やせたが、今でもそれなり感情は燻っている。
…ならば、斑鳩くんはどうなのだろう?彼も、自分と同じく納得できているのだろうか。

「その通りだ。アリスと同じく、情報提供の関係さ」
「一人より二人、二人より三人だからな」

直接的な言及を避けるアリスに、やはり彼女も気を遣っているんだな、と優しさを感じつつ頷く。
恐らく、アリスも自分と同じくまだ手掛かりは得ていないだろう。あの警察から無事に逃げおおせているのだ、そう短期間で情報が手に入るものではない。

892夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/03/18(水) 18:52:11
>>891

「やっぱり『そっちカンケイ』なんだ。
 にんずうがおおいってコトは、
 『め』がおおいってコトだからな〜〜〜。
 『め』がおおいほうがみつけやすい。
 そりゃそーだ、うんうん」

『斑鳩翔』もスタンド使い。
そして、彼も探しているものがあったハズだ。
協力関係としては、ちょうどイイのかもしれない。

「ところでさぁ、クロガネくん。
 『れいのヤツ』をみつけたとするじゃん。
 そしたら、どうすんの??」

「まぁ、あいてしだいだろうけど。
 もしハンセーしてたら??
 それとも、ぜんぜんハンセーしてなかったら??」

彼の性格から考えると、『立ち向かう』つもりなんだろう。
前に聞いた『不可視の刃』の正体は間違いなく『スタンド』だ。
無力とは言わないまでも、スタンドを持たない人間が、
単独でスタンド使いに挑むのは無謀に近い。

「クロガネくんはどうしたいのかなって。
 アリスとしては、『みつけてからかんがえる』ってのも、
 アリだとおもうけど。
 あせってもイイことないし」

だから、遠回しに尋ねるコトにした。
『危ないコトをするのが分かっていて行かせた』というのは、
何となくキブンが悪いからだ。
せめて、『一人で行かせる』のは止めとくべきだろう。

「――クロガネくんは、タブンつよいんだろうけどさ」

そう言って、竹刀袋に目を向けた。
竹刀というのは武器にもなる。
しかし、さすがにスタンド相手じゃ分が悪い。

893鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/03/18(水) 21:10:25
>>892

>「ところでさぁ、クロガネくん。
> 『れいのヤツ』をみつけたとするじゃん。
> そしたら、どうすんの??」



「・・・・・・・・・・」

視線を上げ、アリスと目を合わせる夕立。薄刃にも似た、灰色の瞳が少女を見つめる。

「可能ならば、『法』の裁きを受けさせる」
「『警察』に知り合いがいる。その犯罪を立証できれば、何らかの手段で『見えない刃』にも刑罰を下せるかもしれない」
「───とは言え、その知り合いは先日『見えない刃』で斬りつけられ、意識不明だ」
「彼の意識が戻らないことには、この選択は不可能だろうな」

元々は、その『通り魔』は自分の手で裁くつもりだった。しかし塞川さんや立石さんと会って、それは危険な考えだと思い始めた。
反省していようといまいと、その処罰に自分が関わるべきではない。今ではそう思っている。
だが、『法』ではヤツを拘束できないのなら。そのまま野放しにするくらいなら。

「だから、少なくとも今はオレが決めるつもりでいる」
「…十分に反省して、二度と同じ事をしないと誓えるなら。その言葉を信じられるなら、そこまで手荒な事はしない」
「けれどそうでない場合は、マトモに表を出歩けないよう、『再起不能』になってもらう。
 とはいえ、やり合っている内にそこで止められない可能性もあるが、これに関してはオレも同じだからな」

もし殺してしまった場合、『スタンド』を上手く使って証拠を消せるだろうか?
『シヴァルリー』はそういう事に向かない、難しいかもしれない。
『墓穴』のような物を作り出せる『スタンド使い』と協力関係を結べたなら、非常にありがたいが。
流石にそれは、自分にとって都合が良すぎるだろう。

「負けるつもりはないが、勝負は何が起きるかは分からない。だからオレが失踪したら、そういう事だと思ってほしい。
 …ついでに妹、朝陽(あさひ)にオレは旅に出たとか、そう言ってくれるとありがたい」
「そもそも見つけられたと仮定して、の話だけどな」

犯人を探せなければ、全て机上の空論に過ぎない。直接刃を交えるよりも、その方が難易度が高いと思っている。

894夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/03/18(水) 22:19:00
>>893

「――――そっか」

灰色の瞳に宿る光に、強い意志を感じた。
だから、多くは語らない。
スタンドは法律ではどうにも出来ないし、
中には反省のカケラもない人間もいる。
実際、自分も『ロクでもないヤツ』に遭遇した経験があるのだ。
そういう場合は、『実力行使』しかないんだろうとは、
何となく理解していた。

「でも、『タビにでた』ってのはヤダね。
 そんなコトつたえるなんてオコトワリだよ。
 どんだけたのまれてもさぁ」

「これからのジンセー、
 ずっとソレをかかえていくコトになるじゃん??
 そんなのゼンゼンたのしくないし。
 ワタシにカタボーかつがせようなんて、おもわないでよね」

刃の輝きを秘めた瞳を見返し、ハッキリした口調で言葉を返す。
もし今、この申し出を承知したら、
それが一生心に残り続けるコトになる。
冗談じゃあない。
だから引き受けられない。
引き受けたくない。

「だから、ゼッタイもどってくるように!!
 ナニかするときは、ちゃんとワタシにもいうコト!!
 まえにヤクソクしたでしょ??
 『ジョーホーキョーユー』するって」

「あいては『バケモン』みたいヤツなんだぜ??
 ナニもいわずにヒトリでいくなんてマジでアブネーから」

「『ヒトリよりフタリ』、『フタリよりサンニン』――でしょ??」

895鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/03/18(水) 23:19:42
>>894

「…いや、確かにそうだな。アリスの言う通りだ」
「キミに負担をかけるような事を頼んでしまってすまない」

彼女の言葉に、成る程と頷く。何一つ非の打ち所のない、よく考えてみれば当然の道理だ。
冷静であろうとは心掛けているが、やはりあの犯人の事を考えると、つい熱が入ってしまうようだ。
もし実際に遭遇した時も、こうなってしまっては足元をすくわれてしまうかもしれない。
肝に銘じておこう。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

そして冷静に考えれば、ここで『絶対』などと言う言葉を使うのは不誠実だ。
これがどれだけ危険な行為なのか、自分も彼女も分かっている。
自分はウソが得意ではない。だから、ここで偽りの約束する事はできない。

───ならば、これを本当にするしかない。

「分かった。約束だ、オレは絶対に生きて帰る」
「それに犯人に会いに行く時は、必ずキミに連絡を入れてから行く」

宣言したからには、実行しなくては。それが矜恃というものだ。
これで差し違えてでも、などというわけには行かなくなった。
だが、彼女がこうまで言ってくれるなら、やる価値はあるだろう。

「民主主義の国らしく、犯罪者を『数の暴力』で圧倒してやるか」

軽く冗談交じりに呟いて、微笑む。

896夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/03/18(水) 23:51:59
>>895

「よろしい!!
 やっぱり、そうじゃなきゃあいけない!!
 うんうん、そのいきだ!!」

満足した様子で大きく頷いてみせる。
悲しい結末なんて望まない。
もちろん、そうなってしまう可能性は常に存在するのだろう。
だが、そんなものは知ったこっちゃないのだ。
アリスの物語には、『不思議』はあっても『悲惨』などない。

「『カイブツ』があいてだしさ。
 それくらいでちょうどいいハンデってヤツ」

「――だから、むしろ『コーヘー』だね」

      ニヤッ

微笑に対して、威勢よく笑い返す。
相手の『能力』には分からない部分が多い。
何よりも、敵を見くびっていいコトなど一つもない。
だからこそ、協力するコトには意味がある。
一人で挑まなきゃならないルールがあるワケでもないのだ。

「じゃ、カタいハナシはこのヘンにして……。
 クロガネくん、『レンシュー』するんでしょ??
 だって、『ソレ』もってきてるし」

「ワタシ、ちかくでみてるから。
 ジツは、まだ『ケンドー』みたコトないんだよね〜〜〜」

「だからさ、みせてよ」

    ザッ ザッ ザッ
               トンッ

軽い足取りで芝生を歩いていき、ベンチに腰を下ろす。
そこで見学するつもりらしい。
惜しくも逃してしまった『カマキリ』の代わりだ。

897鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/03/19(木) 01:03:56
>>896

正直に言ってしまえば、死ぬのは多少なりとも怖い。
家族を悲しませてしまうのも嫌だし、妹の将来を見たい気持ちもある。
しかしそういったのを犠牲にしなければ、平気で人を傷つけ殺すような『スタンド使い』には勝てないと思い込んでいた。
そうかもしれない。けれど、それは自分一人ならば、の話だ。
今の自分にはアリスと、斑鳩くんがいる。ましてや斑鳩くんは『スタンド使い』だ。
剣道は一対一だが、これは剣道とは違う。仲間を頼ってもいいのだから。

「(それに、色々な世界を感じで楽しそうにしているアリスも見ていたいしな)」

生き残りたい理由は、いくつ有ってもいいだろう。


「・・・・・・・・・・・・・・・いや、まぁ、構わないが」

何一つ面白くないぞ、と言おうとしたが、やめた。彼女にとってこれは好奇心の対象なのだし、
色々な世界を見ているアリスを見ていたい、というのは今言ったばかりだ。
がっかりさせるかもしれないが、まぁ物は試しだ。竹刀袋から竹刀と鍔を取り出して、柄に通す。
そして空になった袋をベンチにかけると、中段の構えを取った。

「────────」

見られていると集中できない、などというのは小学生の段階で終わる。
ただ一つ、理想の一本を決めるためにひたすら竹刀を振る事だけを考えれば、それ以外は何も気にならない。
素早く竹刀を頭上に掲げながら摺り足で前進し、後ろ足を引きつけながら、更に素早く竹刀を振り下ろす。
上半身は同じ動きで、今度は下がりながら再び竹刀を振り下ろす。
ひとまずは300本、『面』に集中して繰り返す。…これを彼女が気に入ったかどうかは、あえて訊かないでおこう。


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