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ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
1
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 18:57:13 ID:DCeU8sjA0
ミセ;゚ー゚)リ「ね、ニュース見た!? またあの殺人鬼が出たってさ!」
ξ゚⊿゚)ξ「殺人鬼?」
(゚、゚トソン「綺麗な女性だけを狙うというあの連続殺人犯ですか?」
ミセ;゚д゚)リ「そう! もうほんっと怖くない!? 可愛いミセリちゃんがいつ狙われるか心配で心配で!」
(゚、゚トソン「ワロス」
ミセ;゚д゚)リ「傷つくからその反応やめて!」
2
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 18:57:50 ID:DCeU8sjA0
ミセ;゚ー゚)リ「……まあ、私はともかくとしてもさ。ツンとか危ないんじゃない?」
ξ゚⊿゚)ξ「私?」
ミセ;゚ー゚)リ「ツンって超美人じゃん。気をつけてよー? 今までの被害者、ムゴイ殺し方されてるってニュースで言ってたし!」
(゚、゚トソン「なぶり殺すような殺し方をした形跡があるらしいですね。拷問に近いだとか」
ξ゚⊿゚)ξ「あー……どうせ殺すなら一思いに殺してほしいわね」
ミセ;゚ー゚)リ「だよねー……。まあ、死にたくはないんだけど」
3
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 18:58:32 ID:DCeU8sjA0
ミセ;゚ー゚)リ「ほーんと怖いなー……。犯行現場ってこの辺に近いんでしょ?」
(゚、゚トソン「そうですね」
ミセ;゚ー゚)リ「やだやだ、怖いなー……」
(゚、゚トソン「ミセリはともかく、ミセリはともかくとして、ツンは本当に気をつけてくださいね?」
ミセ;゚д゚)リ「なんで二回も言ったの!?」
ξ゚⊿゚)ξ「……そうね」
ミセ;゚ー゚)リ「今の『そうね』は『気をつけて』に対して言ったの? それとも『ミセリはともかく』に対して?」
ξ゚⊿゚)ξ「両方かしら」
ミセ;゚д゚)リ「クッソ!!」
4
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 18:59:31 ID:DCeU8sjA0
(゚、゚トソン「この話題は置いといて、就活はどうですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、一応内定は出たよー。とは言っても本命は選考中だから、まだそこに決めるわけじゃないんだけど」
(゚、゚トソン「へえ、内定出たんですか。意外ですね」
ミセ;゚ー゚)リ「意外ってなに!? 私これでも結構優秀なんだからね! そう言うトソンはどうなの!?」
(゚、゚トソン「既に第一志望から内定は頂いてます」
ミセ;゚ー゚)リ「えっ、たしかトソンの第一志望って超一流企業じゃなかったっけ?」
(゚、゚トソン「そうですよ」
ミセ;゚ー゚)リ「さ、さすがトソン……。ツンはどうなの?」
ξ゚⊿゚)ξ
ミセ*゚ー゚)リ「ツン?」
ξ゚⊿゚)ξ「ハハッ……」
ミセ;゚ー゚)リ「……」
(゚、゚;トソン「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ミセ;゚ー゚)リ「……帰ろっか」
5
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:00:08 ID:DCeU8sjA0
ミセ*゚ー゚)リノシ「じゃあねー、ツン! 気をつけて帰ってね!」
(゚、゚トソン「知らない人に声をかけられても着いて行っちゃダメですよ」
ξ゚⊿゚)ξ「小学生じゃないんだから……」
ミセ*゚ー゚)リノシ「じゃあ、バイバーイ!」
ヾ(゚、゚トソン
ξ゚⊿゚)ξノシ
ξ゚⊿゚)ξ「……はあ」
6
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:01:10 ID:DCeU8sjA0
(( ξ゚⊿゚)ξ(あ"ーー内定出ねえ……)テクテク
(( ξ゚⊿゚)ξ(ミセリもトソンも内定出てるとか……やってらんないわー……)テクテク
(( ξ゚⊿゚)ξ(ていうか単位も、うん……)テクテク
(( ξ゚⊿゚)ξ(ちょっといいなと思ってたギコくんには可愛い彼女いたし)テクテク
(( ξ゚⊿゚)ξ(パソコン買い換えたからお金無いし)テクテク
(( ξ゚⊿゚)ξ(なのにお菓子爆買いしたから本当にお金ヤバいし太るし)テクテク
(( ξ゚⊿゚)ξ(バイトはクビになったし)テクテク
(( ξ゚⊿゚)ξ(就活しながらバイト探すの面倒だし)テクテク
(( ξ゚⊿゚)ξ(卒論書くの嫌すぎるし)テクテク
(( ξ゚⊿゚)ξ(ああ〜つれえ〜〜)テクテク
((( ^ω^)テクテク
(( ξ゚⊿゚)ξ(めんどくせえ〜〜〜死にてえ〜〜〜〜)テクテク
((( ^ω^)テクテク
(( ξ゚⊿゚)ξ(待って本気で色々とめんどくさい。死にてえ〜〜〜〜)テクテク
ξ;゚⊿゚)ξ”「いたっ」ドンッ
( ^ω^)”「あでっ」ドンッ
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ……す、すみません……ボーッとしてて……」
( ^ω^)「いえ、僕こそよそ見してたんで……」
三ξ;゚⊿゚)ξ「本当にすみませんでした」ソソクサ
ξ;゚⊿゚)ξ(ぶつかっちゃった……。気をつけなきゃ……)
( ^ω^)「……」
7
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:03:23 ID:DCeU8sjA0
ツン宅
ξ゚⊿゚)ξ ボーッ
ξ゚⊿゚)ξ「ご飯……カップ麺でいっか……」
ξ゚⊿゚)ξっ「ポットのお湯入れて3分……っと」ジャーッ
ξ゚⊿゚)ξ「……暇になった」
ξ゚⊿゚)ξっー「ニュースでも見るか……」ポチッ
ξ゚⊿゚)ξっー「あ、ミセリが言ってた殺人鬼。どこもこのニュースばっかりね……」
( ^ω^)「ネットでも話題になってるみたいだお」
ξ゚⊿゚)ξ「あー確かにツイッターとかでよく見るわn……」
ξ゚⊿゚)ξ
( ^ω^)
ξ;゚⊿゚)ξミ「はっ……!?」ガタッ
( ^ω^)「あ、お邪魔してますおー」
ξ;゚⊿゚)ξ「……えっ、なに、なんで……。私、鍵閉めてなかった……?」
( ^ω^)「鍵は閉めてあったお。チェーンもちゃんとね。まあでも、あの程度僕の手にかかれば余裕だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「か、鍵が壊され……! けっ、警察!」
( ^ω^)っロ「そう言うと思って、君のスマホは既に回収済みだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「かっ、返しなさいよ!」
( ^ω^)っロ「やだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ていうか、もしかしてさっきぶつかった人……?」
( ^ω^)「今更気づいたのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ぶ、ぶつかった恨みで私に酷いことする気でしょ!? エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!」
( ^ω^)「君結構余裕あるおね?」
8
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:04:20 ID:DCeU8sjA0
( ^ω^)「ちなみにエロ同人みたいなことをする気なんか無いから安心してほしいお」
ξ;゚⊿゚)ξ「じゃあ、お金? こないだパソコン買い換えたからお金なんか無いわよ」
( ^ω^)「お金もいらないお。金目当てなら大学生なんか狙わないお」
ξ;゚⊿゚)ξ「だったら、なんなのよ」
( ^ω^)「初めまして、津出ツンさん。僕は内藤ホライゾン」
( ^ω^)「世間で噂の、殺人鬼だお」
.
9
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:05:15 ID:DCeU8sjA0
ξ;゚⊿゚)ξ「さ、殺人鬼……!?」
( ^ω^)「そうそう。美人だけを狙って殺すってやつ」
( ^ω^)「今から君は、僕に殺されるんだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「わ、私を……殺すの?」
( ^ω^)「そうだお。殺しちゃうお」
ξ;゚⊿゚)ξ「そ、そんな……そんな……」
ヽξ*゚∀゚)ξノ「いぃぃぃよっっっっっしゃぁぁぁぁああああああっっ!!!!!」
( ^ω^)「えっ」
10
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:06:28 ID:DCeU8sjA0
ξ*゚∀゚)ξ「殺してくれるの!? 殺してくれるのね!? やった! やったやったやった!!」
( ^ω^)「えっ……えぇ……」
ξ*゚∀゚)ξ「まさか、私を殺してくれる人が来るなんて! 人生捨てたもんじゃないわね! これから人生捨てるけどw」
( ^ω^)「ええぇ……」
ξ*゚∀゚)ξ「ムゴイ殺し方するって話だったわよね? できれば苦しくない殺し方がいいんだけど、この際そんな贅沢言わないわ!」
( ^ω^)「ええぇぇ……えぇ……」
ξ*゚∀゚)ξ「さ、早く! 一思いに殺しちゃって!」
(;^ω^)「い、いやあの、ちょっと待つお?」
11
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:07:08 ID:DCeU8sjA0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
第1話 『しにたがり』
.
12
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:07:47 ID:DCeU8sjA0
ξ*゚⊿゚)ξ「なによー、焦らさないで早く殺してちょうだいよー」
(;^ω^)「えーっと、その、なんでそんなに嬉しそうなんだお? 僕、君のこと殺すって言ったお?」
ξ*゚∀゚)ξ「だって、人生に絶望してたら殺人鬼が来てくれたのよ!? こんな幸せがある? あなたは私の希望なのよ!」
( ^ω^)「んぇぇ……僕殺人鬼なのに幸せとか希望とか言われた……」
13
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:08:45 ID:DCeU8sjA0
ξ*゚∀゚)ξ「早く早く! 殺しなさい!」
( ^ω^)「まあまあ、ちょっと待ってほしいお」
ξ*゚∀゚)ξ「待てないわ! 早く!」
( ^ω^)「君のことは殺さないお」
ξ゚⊿゚)ξ「……は? 何よそれ、話が違うじゃない」
( ^ω^)「あのね、僕はねξ゚⊿゚)ξ「自分で言ったことに責任持たないんだ。へぇー、そういうことする人だったんだ。へぇーーー」
( ^ω^)「いやそのξ゚⊿゚)ξ「あなた、私のこと殺すって言ったじゃない。嘘ついたのね。騙したのね。期待させといて裏切るんだ。そういうことするんだ」
( ^ω^)「あnξ゚⊿゚)ξ「あーあ、これで死ねると思ったのになー。明日からまた生きなきゃいけないんだーー。あーーあ、誰かさんが、私のこと殺さないって言ったせいで必要以上に生きるのが憂鬱になっちゃったーーー。あーーーーーあ、誰かさんのせいでーーーーー。あーーーーーーーあ!!!!!」
(# ゚ω゚)「うるせぇなお前!!!」
ξ*゚⊿゚)ξ「あ、キレた! さぁ、その勢いで殺しなさい!!」
(#^ω^)「……」
(#-ω-)=3
( ^ω^)「とりあえず、話を聞いてほしいお」
ξ゚⊿゚)ξ「何よ」
( ^ω^)「僕はね、綺麗な女性が怯えて悶え苦しみながら死んでいく様が大好きなんだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「うーわ、何その性癖……ドン引きだわー……」
( ^ω^)「なんか君にドン引かれるのすげぇムカつくお……」
14
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:09:43 ID:DCeU8sjA0
ξ゚⊿゚)ξ「で? 私が怯えなかったから殺さないってこと?」
( ^ω^)「そゆこと」
ξ゚⊿゚)ξ「うっわー、マジかコイツ。勝手に期待して、思い通りにいかなかったら意見変える。うっわーー、ないわーー、うっっわーーー」
( ^ω^)「殺してもらえると期待して、思い通りにいかなかったらキレた君が言うのかお」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ私が怯えれば殺してくれるのね?」
( ^ω^)「まあ……そうだおね」
ξ゚⊿゚)ξ「きゃああああ殺さないでええええええ嫌よー死ぬの怖いわーいやああああああああ」
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ「死にたくないー死にたくないわーお願い殺さないでーきゃあああああああああ」
( ^ω^)
ξ*゚⊿゚)ξ +
( ^ω^)「ドヤ顔してんじゃねぇお、大根」
15
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:10:39 ID:DCeU8sjA0
( ^ω^)「僕だって殺したくないわけじゃないんだお? 正直めっちゃ殺したいお。君の顔めっちゃくちゃ好みだし」
ξ゚⊿゚)ξ「好み云々は全く嬉しくないけど、殺したいなら殺してくれたらいいじゃないの。ギブアンドテイクじゃない」
( ^ω^)「そういうわけにはいかないんだってば。殺すことを受け入れられちゃったら萎えるんだお」
( ^ω^)「勿体無いお……。せっかく僕好みの美人だってのに……」
( ^ω^)=3「はーあ……」
ξ゚⊿゚)ξ
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ
( ^ω^)=3「はーーーあ!!!」
ξ゚⊿゚)ξ(めっちゃムカつく)
16
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:11:30 ID:DCeU8sjA0
( ^ω^)「いやもう、ほんっと勿体無い……。超絶好みなのに……。怯えて苦しみながら死ぬ顔見たいのに……」
ξ゚⊿゚)ξ「勿体無いとか私のセリフよ。せっかく殺人鬼が殺しに来てくれたのに……」
( ^ω^)「……ていうか、死にたいなら自殺とか考えないのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「自殺とか怖いじゃない……」
( ^ω^)「殺される方が怖くない……?」
17
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:12:18 ID:DCeU8sjA0
( ^ω^)「あー……諦めきれないお……」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ殺しなさいよ。ヘイカモン!」
( ^ω^)「やだお。そんなウェルカムな人は殺したくないお」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、じゃあじゃあ、殺してくれないなら警察呼んじゃうわよ? 呼ばれたくなかったら殺しなさいよ」
( ^ω^)っロ「君のスマホは未だに僕が持ってるし。ていうかぶっちゃけ警察くらいどうとでもできるお。カリスマ殺人鬼舐めんなお」
ξ゚⊿゚)ξ「なんて不名誉なカリスマなの……」
( ^ω^)「はー……勿体無いお……」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「……君は、人生に絶望してるから死にたいんだおね?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよ。生きるのめんどくさい」
( ^ω^)「じゃあ、人生に希望が持てたら生きたくなるのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「えー……まあ、理にかなってはいるんじゃない?」
( ^ω^)「よっしゃ」
ξ゚⊿゚)ξ「うわ、なんか火がついた」
18
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:14:00 ID:DCeU8sjA0
( ^ω^)「僕はこれから君が生きたいって思うまでなんかこう、なんやかんやするお」
ξ゚⊿゚)ξ「ざっくりしてるわね」
( ^ω^)「君が『人生楽しい! 死にたくない!』って思ったところで僕が君をなぶり殺す。
君は死ねるし、僕は苦しみながら死ぬ君を見れる。完璧だお」
ξ゚⊿゚)ξ「はあ」
( ^ω^)「よーし、そうと決まったら早速、君を幸せにするプランを立てるお! ということでとりあえず今日は帰るお!」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、帰るんだ。殺人鬼が来たのに無傷ってすごくね?」
( ^ω^)っロ「そうだ、スマホ返すお。鍵の修理代は僕が持つから請求してほしいお。また来るお。じゃっ!」
ξ゚⊿゚)ξ「……あっ、ちょっと待って!」
( ^ω^)「なんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタが来たせいでカップ麺が伸びたんだけど」
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ
( ^ω^)ノ「じゃっ!」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃっ!じゃねえよ地味にずっと気になってたんだよでもアンタが殺してくれると思ったからカップ麺なんてどうでもいいかと思って黙ってたんだよ」
( ^ω^)「そんな一息で言う?」
ξ゚⊿゚)ξ「そしたらアンタ殺してくれないし帰ろうとするしそしたら私は伸び切ったカップ麺食べなきゃいけないじゃん???」
( ^ω^)「要するに何が言いたいんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「責任持ってお前が食え」
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ
扉|^ω^)ノ「じゃっ!!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「あっコラ! 逃げんな!」
第1話 『しにたがり』 終
19
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:33:48 ID:v1jrgC3c0
乙
オムニバスなのかしら?
20
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 20:52:52 ID:DgVaOAFU0
> ξ゚⊿゚)ξ「自殺とか怖いじゃない……」
>
> ( ^ω^)「殺される方が怖くない……?」
吹いた
21
:
名無しさん
:2017/05/10(水) 08:34:53 ID:xlrAbay60
何か面白いの来た
続き期待
22
:
名無しさん
:2017/05/10(水) 10:36:00 ID:CPSIwlVE0
一瞬あびびかと思った
23
:
名無しさん
:2017/05/10(水) 21:34:32 ID:.0KQdUPk0
悪くないな
期待
24
:
名無しさん
:2017/05/11(木) 11:32:28 ID:fla98l2Y0
面白い
続き楽しみにしてる
25
:
名無しさん
:2017/05/11(木) 12:58:50 ID:KlsjSaAc0
美人女子大生の時点で詰み要素皆無なんだけど本人にしてみたらわからんもんなんだよね
26
:
名無しさん
:2017/05/11(木) 13:35:04 ID:x7qTK//g0
面白いし待ってる
ツンのキャラいいね
27
:
名無しさん
:2017/05/11(木) 22:58:14 ID:hLYqmStY0
乙
今まで何か書いたことありますか?
28
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 00:31:32 ID:d6gGNyOY0
>>1
です
たくさんコメントを頂けて嬉しいです。ありがとうございます。
>>27
(-_-)シェアハウス『VIP』のようです を書いています。
今のところはシェアハウスとし×××以外の作品はないです。
第二話は現在書き溜め中です。近いうちに投下できるよう頑張ります。多分シェアハウスの更新の方が先になります。多分。
29
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 22:51:37 ID:zdpb3Bnw0
>>28
シェアハウスの方でしたか…両方楽しみにしてます
30
:
名無しさん
:2017/05/14(日) 14:25:03 ID:2hhWaHcQ0
連載なのか
楽しみが増えるな
31
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 21:46:51 ID:hUj3nvXs0
ξ゚⊿゚)ξ「あー……ご飯作るのめんどくさ……」
ξ゚⊿゚)ξ「ていうかロクに食材ないし……ここ最近カップ麺しか食べてないし……」
ξ゚⊿゚)ξ「そろそろちゃんとしたもの食べなきゃなー……」
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ「えぇ……めんどくさ……ついでに生きるのもめんどくさ……」
( ^ω^)っ「そんな君に朗報だお」ガチャッ
ξ゚⊿゚)ξ「流れるような不法侵入」
32
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 21:47:42 ID:hUj3nvXs0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
第2話 『しょくじ』
.
33
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 21:48:34 ID:hUj3nvXs0
ξ゚⊿゚)ξ「アンタ、本当にまた来たのね」
( ^ω^)「もちろんだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ていうか、また鍵壊したわね!? 普通にインターホン鳴らしなさいよ!」
( ^ω^)「つい癖で壊しちゃったお。まあ、修理代は払うから安心してほしいお」
ξ;゚⊿゚)ξ「まったく……。で、手に提げてるレジ袋はなんなのよ」
( ^ω^)「食材だお。君の食生活は随分と不健康そうだったし」
ξ;゚⊿゚)ξ「うるさいわね……」
( ^ω^)「手っ取り早く幸せになるためには、美味しいものを食べることだと思うんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「へぇ」
( ^ω^)「だからカレーを作ろうと思うお」
ξ*゚⊿゚)ξ「なるほど、私を殺して肉を切り取ってカレーに使うのね」
( ^ω^)「作る前から食欲失せること言わないでくれる?」
ξ*゚⊿゚)ξ「それとも、カレーに毒を仕込むの?」
( ^ω^)「僕は殺人に毒を使わない主義なんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、どうやってカレーを作る過程で私を殺すのよ」
( ^ω^)「カレーを作る過程に殺人は含まれてないお」
ξ゚⊿゚)ξ「私の知ってるカレーじゃない……」
( ^ω^)「君はそんな猟奇的なカレーを食べて育ってきたのかお?」
34
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 21:49:32 ID:hUj3nvXs0
ξ゚⊿゚)ξ「今からアンタがカレーを作るの?」
( ^ω^)「そうだお。手伝ってくれると嬉しいけど」
ξ*゚⊿゚)ξ「野菜を切ると見せかけて頸動脈を切るとかは……」
( ^ω^)「しないお」
ξ゚⊿゚)ξ チッ
ξ゚⊿゚)ξ「……まあ、久しぶりにちゃんとしたもの食べれるのは嬉しいわ」
( ^ω^)「幸せかお? 生きたくなったかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「死にたい」
( ^ω^)「相変わらずだおね」
ξ゚⊿゚)ξ「……っぁああ〜〜死にてぇええ〜〜〜〜」
( ^ω^)「死にたがりスイッチ入らないで」
35
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 21:50:30 ID:hUj3nvXs0
( ^ω^)「さてと、それじゃあ僕はじゃがいもの皮をむくお。えーっと、包丁包丁……」ガサゴソ
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと待ちなさい。なんでアンタ自分の鞄をあさってるのよ」
( ^ω^)「いつも持ち歩いてる愛用の包丁を使おうかと……」
ξ゚⊿゚)ξ「どう考えても殺人に使った包丁じゃねぇか」
( ^ω^)「え、ダメ?」
ξ゚⊿゚)ξ「ダメに決まってるじゃない」
( ^ω^)「僕、いつもこれで料理してるけど」
ξ゚⊿゚)ξ「マジかよ」
( ^ω^)「包丁に染みこんだ綺麗な女性の血を体内に取り込めると思うと幸せなんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「お願いだから、アンタの性癖に私を付き合わせないでちょうだい」
36
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 21:51:39 ID:hUj3nvXs0
ξ゚⊿゚)ξ「ピーラーがあるから私が野菜の皮をむくわ。あなたは私の包丁で肉でも切っといて」
( ^ω^)っ=lニニフ +「了解だお」ギラリ
ξ゚⊿゚)ξ(妙に様になるわね)
( ^ω^)っ=lニニフ「さーて、それじゃあ鶏肉を……」
ξ゚⊿゚)ξ「待ちなさい。切るのはその肉じゃないでしょう?」
( ^ω^)っ=lニニフ「? どういうことだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「私を切れって言ってんのよ」
( ^ω^)っ=lニニフ「諦めて……カレーを作る過程で殺されるの諦めて……」
37
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 21:53:01 ID:hUj3nvXs0
( ^ω^)っ=lニニフ「はい、鶏肉切れたお。ツンさん、皮むきできた野菜貸してくれお。切るから」
ξ;゚⊿゚)ξ モタモタ
( ^ω^)っ=lニニフ
ξ;゚⊿゚)ξ モタモタ
( ^ω^)っ=lニニフ「……」
ξ#゚⊿゚)ξ「うるっさいわね!!!」
( ^ω^)っ=lニニフ「何も言ってない……」
ξ#゚⊿゚)ξ「視線がうるさいのよ!! どうせ料理苦手よ!! 悪い!?」
( ^ω^)っ=lニニフ「いや、別に悪いって言いたいわけじゃないお。ただ、人参ってトップレベルのピーラーで皮をむきやすい野菜だと思うお」
ξ#゚⊿゚)ξ「じゃあアンタがピーラーで人参とじゃがいもの皮をむきなさい!」
( ^ω^)「分かったお。ツンさんは玉ねぎを切ってくれお。玉ねぎなら手で皮むきできるから。まず両端を切り落として……」
ξ#゚⊿゚)ξ「言われなくても分かってるわよ!」
38
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 21:54:14 ID:hUj3nvXs0
ξ゚⊿゚)ξ「玉ねぎってどこまで皮をむけばいいのかよく分かんないのよね……」バリバリバリ
( ^ω^)「待って待って待って。むきすぎ」
ξ゚⊿゚)ξ「そう?」バリバリバリ
(#^ω^)「没収!!」バッ
◯⊂彡
ξ#゚⊿゚)ξ「あっ! 何すんのよ!」
(#^ω^)「それは僕と玉ねぎのセリフだお! こんなにむかなくていいお! もういいからさっさと切って!」
ξ#゚⊿゚)ξ「いちいちうるさいわねー……何よ偉そうに……」
(#^ω^)「口動かす暇があったら手を動かしてくださーい!! 君が文句言ってる間も野菜の皮むきしてる僕を見習ってくださーーい!!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「何よ! ピーラーで皮むきなんて大した作業量じゃないじゃない!!」
(#^ω^)「ピーラーで皮むきすらまともにできなかった人が言わないでくださーーーい!!!!
ねえ分かってる!? 現状、君はなんの役にも立ってないんだお!?」
ξ#゚⊿゚)ξ「うるさい!! 今から玉ねぎ切るから黙りなさい!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「まったく……」ゴソゴソ
(#^ω^)「……? 何を探して……」
ξ◼︎⊿◼︎)ξ∩” スチャッ
( ^ω^)
ξ◼︎⊿◼︎)ξ
( ^ω^)
ξ*◼︎⊿◼︎)ξ + ドヤァ
( ^ω^)「えっごめん何がしたいのか全然わかんない」
39
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 21:55:13 ID:hUj3nvXs0
ξ◼︎⊿◼︎)ξ「玉ねぎって目に染みるじゃないの」
( ^ω^)「あ、そう……それでサングラス……」
ξ◼︎⊿◼︎)ξ「モノマネしてあげよっか?」
( ^ω^)「しなくていいお。どうせタモさんだお?」
ξ◼︎⊿◼︎)ξ”「I'm a perfect human」
( ^ω^)「そっちかい」
ξ◼︎⊿◼︎)ξ「PPAPの方が良かったかしら……」
( ^ω^)「サングラスの種類的にちょっと違うんじゃないかお? ていうかなんでそんな微妙に時期を外したチョイスなんだお」
ξ◼︎⊿◼︎)ξ「やっぱレイザーラモンにするべきだったかしら……」
( ^ω^)「もういいから玉ねぎ切っt……ちょっと待って君のレイザーラモンのモノマネは気になる」
ξ◼︎⊿◼︎)ξっ=lニニフ「はいはい、玉ねぎ切るわよ」
( ^ω^)「気になるのに……」
40
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 21:56:44 ID:hUj3nvXs0
ξ。◼︎⊿◼︎)ξ トントンボロボロ
っ=lニニフ”
( ^ω^)「サングラスの意味無っ」
ξ;⊿;)ξ「油断したわ……」スッ
っへ◼︎-◼︎”
( ◼︎ω◼︎)”「そもそも目以外に鼻からも……待て、なんでかけさせたんだお」スチャッ
ξ゚⊿゚)ξ「うわっ、怪しさ満点。殺人鬼っぽいわよ」
( ^ω^)「ぽいんじゃなくて殺人鬼だお」スッ
っへ◼︎-◼︎”
ξ゚⊿゚)ξ「で、さっき言いかけた目とか鼻がどうとかってのは何よ」
( ^ω^)「ああ、玉ねぎの涙が出る成分は目以外に鼻からも入ってくるんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうなの?」
( ^ω^)「だから目だけ覆っても意味はないお。しかもサングラスとか隙間ガバガバだし」
ξ゚⊿゚)ξ「最初に言えよ……。じゃあ、アンタが私の鼻をつまんで、私が目を瞑って玉ねぎを切れば完璧ね」
( ^ω^)「嫌だお。何そのシュールな料理風景。ていうかそれ以前に危ない」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ私がアンタの鼻をつまんで、アンタが目を瞑って玉ねぎを切る?」
( ^ω^)「もっと嫌だお。別にそんなアホなことしなくても大丈夫な方法があるお」
ξ゚⊿゚)ξ「ふーん」
( ^ω^)「そんなアッッッホなことしなくても!!!大丈夫な!!!!方法があるお!!!!!」
ξ゚⊿゚)ξ「冷静にツッコンでるふりして内心めちゃくちゃ馬鹿にしてたのね……」
41
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 21:57:44 ID:hUj3nvXs0
ξ゚⊿゚)ξ「で、その方法って何よ」
( ^ω^)「玉ねぎの涙が出る成分が目と鼻に届くまでにどうにかすればいいお。玉ねぎの涙が出る成分は玉ねぎを切ったときに出てくるから……」
ξ゚⊿゚)ξ「主語が長いのどうにかならない?」
( ^ω^)「玉ねぎの涙が出る成分の名前知らないんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうは言っても長いわよ。名詞助詞名詞助詞動詞名詞よ」
( ^ω^)「ぐうの音も出ないのがムカつく〜」
ξ゚⊿゚)ξ「とりあえず『成分』でいいんじゃないかしら。説明続けなさいよ」
( ^ω^)「アレが鼻に届くまでに口で息して吹き飛ばしたり、口でアレを吸ってしまえばいいんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「なんで成分って言わないのよ」
( ^ω^)「ムカついたから」
ξ゚⊿゚)ξ「うーわムカつく」
42
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 21:58:40 ID:hUj3nvXs0
ξ゚⊿゚)ξ「その説明だけじゃよく分からないから実際にやってみなさいよ」
( ^ω^)っ=lニニフ「分かったお」
( ^ω^)=3 スゥーハァースゥーハァートントントン
っ=lニニフ”
ξ゚⊿゚)ξ「絵面がキモいからやめて」
( ^ω^)「じゃあツンさんがやってくれお」
ξ゚⊿゚)ξ「やだ」
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ
( ^ω^)=3 スゥーハァースゥーハァートントントン
っ=lニニフ”
ξ゚⊿゚)ξ「やめなさいって。キモいから」
(#^ω^)「どうしろと!?!?」
ξ゚⊿゚)ξ「やべっ、ブチギレた」
43
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 22:00:06 ID:hUj3nvXs0
( ^ω^)「さーて、次は切った具材を炒めるお」
ξ゚⊿゚)ξ「頑張って」
( ^ω^)「もはや、やる気ないんだおね……」
ξ゚⊿゚)ξ「私がやるよりアンタがやった方が確実じゃない」
( ^ω^)「そりゃあそうだお」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとくらいフォロー入れなさいよ」
( ^ω^)「入れようがないんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「クソが」
( ^ω^)「まあ、料理ってのは作る過程も醍醐味の一つだから、やってみないかお? 炒めるだけなら簡単だし」
ξ゚⊿゚)ξ「……上手くできなくても知らないわよ」
( ^ω^)「覚悟はできてるお」
ξ゚⊿゚)ξ「もっといい言葉のチョイスがあったんじゃない? 覚悟ってお前」
44
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 22:01:58 ID:hUj3nvXs0
ξ゚⊿゚)ξ「大体、炒めるくらいなら私にだってできるわよ。アンタは私のことを舐めすぎよ」ジュー
( ^ω^)「そもそも君が、僕がやった方が確実って言ったんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「それはそうだけど……」ジュー
( ^ω^)「ねぇあんまり放置しないでちゃんと炒めて。肉とか底にくっついちゃうお」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、そうだ。中華料理人ってダイナミックにチャーハンを作るじゃない? こう、お米が放物線を描いてさ。
ああいうのやってみたいわよね」ジュー
( ^ω^)「ちょ、やめて替わって。君には任せられない」
ξ#゚⊿゚)ξ「あ、ちょっと! 私に任せてくれるんじゃなかったの!?」
( ^ω^)「このまま君に任せてたら中華料理人の真似事をして具材が全部おじゃんになるお。
喜べお。僕のおかげで具材は救われたんだお」
ξ#゚⊿゚)ξ「あーヤダヤダ。ちょーっと料理が上手いってだけでこの変態殺人鬼は調子に乗るんだから……」
( ^ω^)「別に僕は料理が上手いってほどではないお。君が下手くそなだけだお」
ξ#゚⊿゚)ξ「すーぐムカつくこと言うんだから!」
( ^ω^)「君にだけは言われたくないお。ほらツンさん、これから水入れて煮込むからアク取りを任せるお」
ξ*゚⊿゚)ξ「分かったわ!」
( ^ω^)(単純)
45
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 22:03:39 ID:hUj3nvXs0
( ^ω^)「おっ、そろそろアクが出てきたお」
ξ*゚⊿゚)ξ「私の出番ね!」ザバァ
( ^ω^)「おいこら待てやこの下手くそ。取りすぎ取りすぎ」
ξ゚⊿゚)ξ「そう?」
( ^ω^)「お前それ沈んだじゃが芋ごとすくってるじゃねぇかお。ていうかその前にアク取りの効果音がザバァの時点で最悪だお」
ξ゚⊿゚)ξ「思い切ってダイナミックにアクをすくうという奇抜な判断ができたことを評価してほしいって言うか……」
( ^ω^)「最悪」
ξ゚⊿゚)ξ「最悪って罵倒やめて」
46
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 22:05:07 ID:hUj3nvXs0
( ^ω^)「よーく分かったお。君に任せられる仕事なんてないお」
ξ゚⊿゚)ξ「おいやめろ連敗中の就活生になんてこと言うんだお前」
( ^ω^)「後は僕がやるから君は大人しくしててくれお」
ξ゚⊿゚)ξ「酷いじゃないの。私にだってできることはあるはずよ」
( ^ω^)「無かったんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「諦めるのが早いわ」
( ^ω^)「いや僕、粘った方だお? 粘って粘ってもう無理だと判断したんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「でも、後はルウ入れるだけでしょ? それくらいできるわよ」
(ヾノ^ω^)「ムリムリ」
ξ゚⊿゚)ξ「さすがに舐めすぎ」
( ^ω^)「いいかお? 君はアク取りすらまともにできなかったんだお。アク取りすら。アク取り!!すら!!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「アク取りとルウを入れるのとでは全然違うじゃない! 私にやらせなさいよ!!」
( ^ω^)「ダメでーす。はいルウ投入〜溶かしまーす」
ξ#゚⊿゚)ξ「それくらいならできるって言ってるじゃない!! やらせなさいってば!!」
( ^ω^)「ほーらツンさん、いい香りがしてきたお〜」
ξ*゚⊿゚)ξ「あら、ほんとね!」
( ^ω^)「10分くらい煮込んだら完成だお。食べるのが楽しみだおね!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ええ!」
( ^ω^)(クソ単純)
47
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 22:06:19 ID:hUj3nvXs0
〜10分後〜
ξ*゚⊿゚)ξ「完成ね!」
(*^ω^)づ「さ、早く盛り付けるお!」スイハンキパカッ
(*^ω^)
( ^ω^)
( ^ω^)「おい」
ξ*゚⊿゚)ξ「何よ?」
( ^ω^)「ご飯炊いてないじゃないかお」
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ……」
( ^ω^)「ふざけんなお。どうすんだお、ルウだけもしゃもしゃ食うかお?」
ξ*゚⊿゚)ξ「……そうだ! 冷凍してるご飯があるわ!」
(*^ω^)「なーんだ、早く言ってくれお!」
ξ*゚⊿゚)ξづ レイトウコパカッ
ξ*゚⊿゚)ξ
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ……」
( ^ω^)「どうしたんだお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「茶碗一杯分しかない……」
( ^ω^)「マジふざけんなおテメェ」
48
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 22:07:04 ID:hUj3nvXs0
(#^ω^)っ「その一杯分は僕が頂くお。僕の方が働いたんだから僕が食べるのは当然だお」
ξ゚⊿゚)ξ「待ちなさい。そもそもアンタは私を幸せにするためにカレーを作ったんでしょう? だったら、私が食べるべきだわ」
(#^ω^)「ぐっ……し、仕方ないおね……。君が生きる幸せを感じるためならカレーくらい我慢できるお……」
ξ゚⊿゚)ξっ「それじゃ、さっそくレンジで解凍っと」ピッ
ξ゚⊿゚)ξ
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ
( ^ω^)「……ご飯を半分こ……とか……」
ξ゚⊿゚)ξ「腹の足しにならないから絶対に嫌」
49
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 22:08:25 ID:hUj3nvXs0
ξ*゚⊿゚)ξ「解凍完了! さーて、ルウをかけて……っと」
ξ*゚⊿゚)ξ人「いただきまーす!!」
( ^ω^)「……」
ξ*゚〜゚)ξ「あっ、美味しい!!」モグモグ
( ^ω^)「……どうだお? 幸せかお? 生きたくなったかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「いや、死にたい」
( ^ω^)
(#^ω^)っ「カレーよこせ!!!」
ξ゚〜゚)ξ「嫌」モグモグ
第二話 『しょくじ』 終
50
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 22:19:08 ID:Ggw26hR60
スゥーハァースゥーハァートントントンでクソワロタ
乙
51
:
名無しさん
:2017/05/16(火) 23:11:02 ID:iumSWo4U0
ただのリア充カップルじゃねーか!!!!!はぜろ!!!!!!乙
52
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 08:10:35 ID:eGlJyRNw0
流れるような不法侵入ww
53
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 16:21:22 ID:Exw/zt/Q0
ツンがただのダメ人間過ぎる
54
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 19:11:10 ID:ISeOOLkc0
乙
相変わらずの駄目ツンwwww
ザバァにワロタ
55
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 21:09:18 ID:/Mx.sLsY0
死にたがりスイッチクソわかるwwwwww
56
:
名無しさん
:2017/05/28(日) 16:58:11 ID:oMxxmIrA0
この空気がwwwwwww
57
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 00:55:43 ID:ZrJTLsfw0
ξ゚⊿゚)ξ「卒論だるい……めんどくさい……進まない……」
ξ゚⊿゚)ξ「死ねば卒論書かなくていいのよね? 就活もしなくていいのよね?」
ξ゚⊿゚)ξ「ぐおぉぉ……死にたすぎる……」
< バキィッガチャッ
ξ゚⊿゚)ξ
扉|^ω^)ノ「どうもどうも、ツンさん」
ξ#゚⊿゚)ξ「インターホン押せって言ったじゃない! なんでまた鍵壊してんのよ!」
扉|^ω^)そ ハッ
扉|彡 バタン
扉| < ピンポーン
ξ#゚⊿゚)ξ「今更鳴らさなくていいわよ!!」
58
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 00:56:34 ID:ZrJTLsfw0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
第3話 『しょうがくせい』
.
59
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 00:57:22 ID:ZrJTLsfw0
( ^ω^)「スポーツでいい汗を流すと気分いいじゃないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「汗かくとベタつくから嫌」
( ^ω^)「……スポーツで得られる爽快感っていうかね」
ξ゚⊿゚)ξ「汗で得られる不快感」
( ^ω^)「……まあ、とりあえず体動かしてみないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「やだ。私インドア派だし」
( ^ω^)「……じゃあ、スポーツするか卒論書くか選bξ゚⊿゚)ξ「スポーツ」
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ「スポーツやりたい」
( ^ω^)(なんて扱いやすい人なんだ)
60
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 00:58:58 ID:ZrJTLsfw0
ξ゚⊿゚)ξ「で、何のスポーツするの?」
( ^ω^)「とりあえずバドミントンのセットを持ってきたお」
ξ゚⊿゚)ξ「いいわね。場所はどうするの?」
( ^ω^)「近所の公園でいいんじゃないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「……日曜日の昼間、小学生たちが集う公園で遊ぶの?」
( ^ω^)「君の精神年齢は小学生だし、問題ないお」
ξ#゚⊿゚)ξ「なんですって!?」
( ^ω^)「はいはい行くおー。ツンさんはバドミントンは得意なのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうねぇ……まあ、結構できる方かしら」
( ^ω^)「へー、楽しみだおー」
ξ゚⊿゚)ξ「棒読みやめろ」
61
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:00:04 ID:ZrJTLsfw0
ξ゚⊿゚)ξ「……で、公園に着いたけど」
( ^ω^)「着いたおね」
(*><)(*<●><●>) (*‘ω‘ *) キャッキャ
ξ゚⊿゚)ξ「マジで小学生しかいないわよ」
( ^ω^)「大丈夫大丈夫、ツンさんよりも精神年齢高いと思うから」
ξ#゚⊿゚)ξ「なんですって!?」
( ^ω^)Ф「はい、ラケット」
ξ゚⊿゚)ξФ「……このAAじゃラケットっていうよりペン持ってるみたいに見えない?」
( ^ω^)Ф「気にしたら負けだお。」
っΔ
ξ゚⊿゚)ξФ「……そのデルタはシャトルとか言わないわよね?」
( ^ω^)Ф「言っちゃうんだなーこれが」
っΔ
ξ゚⊿゚)ξФ「もっとリアリティにこだわった方が……」
( ^ω^)Ф「もういいから始めるお」
っΔ
62
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:01:16 ID:ZrJTLsfw0
( ^ω^)Ф”「いくおー」ポーン
ξ゚⊿゚)ξФ”「はい」パシーン
( ^ω^)Ф”「ほっ」パーン
ξ゚⊿゚)ξФ”「ていやっ」ペシーン
( ^ω^)Ф”「なかなか上手いおね」ポーン
ξ゚⊿゚)ξФ”「そう言ったじゃないの。私ひとりっ子だからずーっと壁と練習してたのよ」パシーン
( ^ω^)Ф”「切ねえ」パーン
ξ゚⊿゚)ξФ”「あと、高校のとき体育で二人組になってバドミントンやる授業あったんだけど、余ってずっと壁とやってた」ペシーン
( ^ω^)Ф”「やめて切ない。ていうか余ったときって普通は先生とやらないのかお?」ポーン
ξ゚⊿゚)ξФ”「先生とやるの切ないから自ら壁を申し出たのよ」パシーン
( ^ω^)Ф”「壁の方が切なくないかお?」パーン
ξ゚⊿゚)ξФ”「あえて客観視しないようにしてたんだからやめて」ペシーン
( ^ω^)Ф”「みんな二人で対面してキャッキャ言いながらやってるのに、君だけ一人で黙々と壁向いてやってたってことだお?」パーン
ξ゚⊿゚)ξФ”「対比やめてお願い」パシーン
63
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:02:20 ID:ZrJTLsfw0
( ^ω^)「ツンさん意外と上手で驚いたお。今までの印象は死にたがりなポンコツでしかなかったのに」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタの言葉はいちいち余計なのよ」
( ^ω^)「なかなかいい汗かいたお?」
ξ゚⊿゚)ξ「汗でベタついて気持ち悪い」
( ^ω^)っ[]「そんな君にシーブリーズ〜」テッテレーン
ξ゚⊿゚)ξ「やだCMみたーい。でも絶対恋は始まらなーい」
( ><)ジーッ
ξ゚⊿゚)ξ「……ん? どうしたの?」
( ><)「お姉さんたちは恋人なんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「おいコラクソガキ、大人の腕力を見せつけてやろうか」
(*><)「わあ! 見たいんです!」
ξ゚⊿゚)ξ「純粋かよ」
( ^ω^)っロ「ツンさん、見せつけてあげたらどうだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「証拠撮って通報する気満々じゃねぇか。真に捕まるべきなのはアンタなのに」
64
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:03:55 ID:ZrJTLsfw0
(*><)「お姉さん、お兄さん、僕たちと一緒に遊ぼうなんです!」
ξ゚⊿゚)ξ「え? ……どうする? 遊んであげる?」
( ^ω^)「遊んでもらうの間違いじゃないかお?」
ξ#゚⊿゚)ξ「はあ!?」
( ^ω^)「はいはい怒らなーい。せっかくだし一緒に遊ぼうお。名前はなんていうんだお?」
(*><)「僕はビロードなんです!」
ξ゚⊿゚)ξ「ビロードくんね」
( <●><●>)「私の名前がワカッテマスであることは分かってます」
ξ゚⊿゚)ξ「なんかややこしいわね」
(*‘ω‘ *)「私はちんぽっぽだっぽ」
ξ゚⊿゚)ξ「……卑猥ね」
(*‘ω‘ *)「私の名前に関しては、慣れれば無感情に呼べるから早めに慣れてほしいっぽ」
ξ゚⊿゚)ξ「なんか妙に達観してるわねこの子……」
65
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:04:39 ID:ZrJTLsfw0
( ><)「お姉さんはなんて名前なんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「私はツンよ」
(*><)「ツンお姉さんですね!」
( <●><●>)「そっちのお兄さんはなんていうんですか?」
( ^ω^)「僕は西川ホライズンだお」
ξ゚⊿゚)ξ「偽名じゃねぇかよ」
( ^ω^)(僕、殺人鬼なんだから個人情報はちょっと、ね。事務所通してもらわないと)ボソボソ
ξ゚⊿゚)ξ「どこだよ事務所」
( ^ω^)「ジャニーズ事務所」
ξ゚⊿゚)ξ「調子乗りすぎ」
( ^ω^)「僕の顔をよーく見るお。ジャニーズ系だお?」
ξ゚⊿゚)ξ「滑稽な顔でしかないわね」
( ^ω^)「滑稽てお前。顔に対する表現に滑稽てお前」
66
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:06:03 ID:ZrJTLsfw0
ξ゚⊿゚)ξ「で、何して遊ぶの?」
(*><)「ケイドロがいいんです!」
ξ゚⊿゚)ξ「いいわね。誰が警察やる?」
( ^ω^)∩「じゃあ僕がやるお」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタが警察ってこれ以上ない皮肉ね」
三(*><)「逃げろー!なんです!」
三(*<●><●>)「私が最後まで逃げ切ることは分かってます」
三(*‘ω‘ *)「相手は成人男性っぽよ。普通に考えて小学生の私たちが敵うわけないっぽ。現実見ろっぽ」
三(;<●><●>)「ちんぽっぽ、小学生なんですからもっと夢を見ていいんですよ?」
三(*‘ω‘ *)「たわけ」
三(;<●><●>)「小三の冷め方じゃない……」
67
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:07:20 ID:ZrJTLsfw0
( ^ω^)「いーち、にーい、さーん」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「しーい、ごーお……なんだお、ツンさん。さっさと逃げたらどうだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「……アンタって幼女趣味ある?」
( ^ω^)「何言い出すのコイツ」
ξ゚⊿゚)ξ「ちんぽっぽちゃん可愛いじゃない。だからアンタが殺しでもしないかと思って」
( ^ω^)「ねえお。幼女は守備範囲外だお」
ξ゚⊿゚)ξ「ならいいけど」
( ^ω^)「そもそも僕は、一度ターゲットに決めた人を殺すまでは他の人に手出ししないお」
( ^ω^)「だから、君を殺すまではどんな美人だろうと他の人を殺すことはないお」
ξ゚⊿゚)ξ(えっ何気に世の中の美人の命が私にかかってるんだけど)
68
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:08:54 ID:ZrJTLsfw0
( ^ω^)っ「ツンさんと話してるうちに30秒経ったおね。はいタッチー捕まえたー」
ξ;゚⊿゚)ξ「はあ!? 卑怯よ!」
( ^ω^)Ф”「逃げなかったツンさんが悪いお。はい、この線の中が牢屋だお」ガリガリ
ξ;゚⊿゚)ξ「くっ……納得いかない……」
( ^ω^)「まあまあ、助けに来てもらえばいいじゃないかお」
ξ;゚⊿゚)ξ「それもそうね……助けてー!!」
(;><)「ツンお姉さん!?」
(;<●><●>)「ビロード、ちんぽっぽ、助けに行きましょう!」
(*‘ω‘ *)「それは私にメリットがあるのかっぽ?」
(;<●><●>)「どうしてそんなにも冷めてるんですか貴方は!」
(;><)「ワカッテマスくん、僕たち二人で行くんです!」
(;<●><●>)「そうですね。じゃあ、私が囮になって気を引くのでビロードがその隙に……」
三( ^ω^)「お喋りしてる暇なんてあるのかお?」
(;><)そ「い、いつの間に!?」
(;<●><●>)「逃げますよ、ビロード、ちんぽっ……既にいない!」
三( ^ω^)「ちんぽっぽちゃんの名前は中途半端なところで切らない方がいいと思うお」
69
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:09:52 ID:ZrJTLsfw0
ξ゚⊿゚)ξ「暇……」ボーッ
(*‘ω‘ *)っ「はい、タッチだっぽ」
ξ゚⊿゚)ξ「あれ、ちんぽっぽちゃん。助けに来てくれたの? 渋ってたのに……」
(*‘ω‘ *)「……別に、貸しを作っておいて損は無いと思っただけだっぽ」
ξ゚⊿゚)ξ「素直じゃないわねー」
(*‘ω‘ *)「……うるせえっぽ」
ξ゚ー゚)ξ「ありがとう、ちんぽっぽちゃん」
(*‘ω‘ *)「……さっさと逃げるっぽ。どうせすぐに男子二人が捕まるっぽ」
70
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:10:56 ID:ZrJTLsfw0
(っ^ω^)っ「はい、二人ともタッチだおー」
(;><)「捕まっちゃったんです!」
(;<●><●>)「ふ、不覚……!」
( ^ω^)「さーて……あ、ツンさんが牢屋にいないお。逃げちゃったかお……まあいいお」
壁|;゚⊿゚)ξ「本当に二人とも捕まってるわね」
壁|‘ω‘ *)「あの二人、いつも固まって逃げるからまとめて捕まるんだっぽ」
( ^ω^)ゝ「さてと、ツンさんとちんぽっぽちゃんはどこかおー」キョロキョロ
壁|;゚⊿゚)ξ「私たちを探してるわね、ちんぽっぽちゃ……」
壁|
壁|;゚⊿゚)ξ「既に逃げてる!!」
( ^ω^)ゝ「お、そんなところにいたのかお、ツンさん」
三ξ;゚⊿゚)ξ「くそっ、バレた!」ダッ
三三┏( ^ω^)┛ シュダッ
三ξ;゚д゚)ξ「いやああああああ本気出してきたコイツ!!」
三三┏(*^ω^)┛「おっおっ、いい顔するじゃないかお。怯えちゃってー」
三ξ;゚д゚)ξ「なんなのよその動体視力!!」
71
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:12:02 ID:ZrJTLsfw0
( ^ω^)っ「はい、タッチだおー」
ξ;゚⊿゚)ξ「また捕まっちゃった……」
( ^ω^)「はーい、牢屋行きだおー」
(( ξ;゚⊿゚)ξ「はいはい……あ、牢屋の前にちんぽっぽちゃんが」
(*‘ω‘ *)「助けてほしいっぽ?」
(;><)「助けてほしいんです!」
(;<●><●>)「助けてください!」
(*‘ω‘ *)「それが人にものを頼む態度かっぽ?」
ミ(;っ><)っ「……ぼ、僕はいいから、ワカッテマスくんだけでも助けてほしいんです!」ガバッ
(;<●><●>)「ビロード!? そんな、土下座までして私を……」
⊂(*‘ω‘ *)「ぽっぽっぽ、美しい友情っぽね。ならば、こうするっぽ。ビロードだけにタッチだっぽ」
(;><)「えっ……」
(*‘ω‘ *)「どうしたっぽ? 助けてほしいって言ったっぽね?」
(;><)「で、でも、ワカッテマスくんがまだ……」
(*‘ω‘ *)「私は、自分を犠牲にしてまで友を助けようとしたビロードの優しさを買ったんだっぽ。ほら、早く逃げるがいいっぽ」
(;><)「でも……ワカッテマスくんが……」
(;<●><●>)「ビロード! 私のことはいいです! 早く逃げてください!」
(;><)「でも……でも……!」
(;<●><●>)「さあ、早く!」
三(。><)ノシ「ワカッテマスくん……後で絶対に助けに来ます!」ダッ
(;<●><●>)ノシ「無理はしないでくださいよ!」
(*‘ω‘ *)(ビロードが今助ければいいことになぜ二人とも気づかないんだっぽ)
72
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:13:08 ID:ZrJTLsfw0
ξ;゚⊿゚)ξ「なんだったの、さっきの茶番……」
( ^ω^)「おっおっお、なかなかにいい展開だったおね」
ξ゚⊿゚)ξ「まあ……そうね」
三┏( ^ω^)┛「さーて、ちょっと本気出して捕まえてくるお。美しき友情劇にピリオドを打ってやるお」ダッ
ξ;゚⊿゚)ξ「えぇ……なんて野暮なの……」
73
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:14:24 ID:ZrJTLsfw0
( ^ω^)っ(*‘ω‘ *;)「はい、まずはちんぽっぽちゃん捕まえたおー」
ξ;゚⊿゚)ξ「これで残ってるのはビロードくん一人ね……」
壁|;><)そ
( ^ω^)「ほーらほら、皆を助けに行かないのかお、ビロードくん?」
壁|;><)「で、でも……僕一人じゃ……」
(;<●><●>)「ビロード、約束したじゃないですか! 必ず私を助けに来てくれると!」
壁|;><)「でも……僕は一人じゃなんにも……」
( <●><●>)「大丈夫です、ビロード。貴方が優しくて、強い人であることは分かってます。貴方ならできます」
壁|><)「ワカッテマスくん……」
( <●><●>)「さあ、約束を果たしに来てください!」
壁| 三(*><)「……はい! 今、助けに行くんです!」ダッ
(*‘ω‘ *)「弱虫のビロードが……成長したっぽね」
ξ゚⊿゚)ξ「……ちょっと感動しちゃった」
( ^ω^)っ(;><)そ「はい、タッチだおーざーんねーんでーしたー」
ξ;゚⊿゚)ξ「な、なんて奴だ!!」
74
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:15:30 ID:ZrJTLsfw0
(;><)「そんな……約束が……」
( ^ω^)「現実ってのは厳しいもんだお。
さて、日が暮れてきたおね。三人とも、そろそろお家に帰った方がいいお」
(*><)「はーい! 今日は楽しかったんです!」
ξ;゚⊿゚)ξ「切り替え早っ」
(*‘ω‘ *)「……」
( <●><●>)「……ちんぽっぽ? どうかしましたか?」
(*‘ω‘ *)「……どうもしてないっぽ」
( <●><●>)「もしかして、もっと遊びたいんですか?」
(*‘ω‘ *;)「ん、んなわけねぇっぽ! 勝手なこと言うなっぽ!」
( <●><●>)「……ちゃんと小学生らしいところがあって安心しましたよ」
(*‘ω‘ *;)「うるせえっぽ!」
( ^ω^)「おっお、今日はもう帰らなきゃダメだお。あんまり遅くなると殺人鬼が出ちゃうかもしれないおー」
ξ;゚⊿゚)ξ(お前じゃねぇか)
(;><)「殺人鬼……怖いんです……」
( ^ω^)「あと、死にたがりのポンコツ女子大生とか」
ξ#゚⊿゚)ξ「私は無害よ!」
(;><)「死にたがりのポンコツ女子大生!? こ、怖いんです!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「なんで殺人鬼より怖がってんのよ!」
75
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:17:10 ID:ZrJTLsfw0
(*><)ノシ「お兄さん、お姉さん、また遊ぼうなんです!」
( <●><●>)ノシ「今日はありがとうございました」
(*‘ω‘ *)「……」
( <●><●>)ノシ「ほら、ちんぽっぽも」
ヾ(*‘ω‘ *)「……うるせえっぽ」
ξ゚ー゚)ξノシ「またね、三人とも」
( ^ω^)ノシ「死にたがりのポンコツ女子大生に気をつけて帰るおー」
ξ#゚⊿゚)ξノシ「みんなー! 変態殺人鬼に気をつけて帰ってねー!!」
76
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 01:18:23 ID:ZrJTLsfw0
ξ゚⊿゚)ξ「今日は楽しかったわ」
( ^ω^)「おっ、生きたくなったかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうねぇ……またねって言ったし……。いやでも……うーん……」
( ^ω^)ノ「まあ、ゆっくり考えてくれお。あ、ツンさんのアパートに着いたおね。じゃっ、また来るお」
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい」
( ^ω^)ノ「卒論とか就活とか頑張ってお」
ξ゚⊿゚)ξ「その言葉で一気に死にたくなった」
第3話 『しょうがくせい』 終
77
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 02:50:57 ID:sPeW7Lgg0
乙!
78
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 08:01:50 ID:/kzw9V7s0
ビロワカぽっぽ可愛いなぁ
乙
79
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 08:20:42 ID:VDn937uI0
ワロタ
おつおつ
80
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 13:10:11 ID:OyJj/H2o0
乙
ほのぼのとしてるのにいろいろ面白い
このツン好き
81
:
名無しさん
:2017/06/01(木) 17:22:53 ID:CjkHHNig0
乙
82
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 22:48:18 ID:eYqOwIFY0
ミセ*゚ー゚)リノ「やっほー、ツン。遊びに来たよー」ガチャッ
(゚、゚トソン「こんにちは」
ξ゚⊿゚)ξ「はーい、いらっしゃーい」
ミセ*゚ー゚)リ「ねぇツン、なんでドアの鍵壊れてるの?」
ξ゚⊿゚)ξ「あー……さすがに短期間に三回も鍵の修理を頼むのは怪しまれるかなって」
ミセ;゚ー゚)リ「そんなに頻繁に鍵壊れてんの!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、あー……ちょっと最近怪力でさー」
(゚、゚;トソン「そんな風邪気味みたいなノリで……」
ξ;゚⊿゚)ξ「もうこの話はいいじゃない! ほら、女子会始めましょう!」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、お菓子持ってきたよー」
(゚、゚トソン「私も持ってきました」
ξ゚⊿゚)ξ「ありがとう。じゃあ早速……」
( ^ω^)っ「なんだお、鍵壊れたままじゃないかお」ガチャッ
ξ;゚⊿゚)ξ「なんてタイミングで来るんだコイツ!!!」
83
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 22:49:01 ID:eYqOwIFY0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
第4話 『しんゆう』
.
84
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 22:49:50 ID:eYqOwIFY0
( ^ω^)ノ「どーもどーも、ツンさん」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっ……帰って!」
( ^ω^)「なんだお、今日はつれないおね」
ξ;゚⊿゚)ξ「いいから早く帰って!!」
(゚、゚トソン「どちら様ですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「なになに!? ツンの彼氏!?」
( ^ω^)「んなわけねぇお。やだお、これが彼女とか。すーぐキレるし」
ξ#゚⊿゚)ξ「アンタがキレさせるんでしょ!」
( ^ω^)「ほらキレた」
ξ#゚⊿゚)ξ「アンタのせいだっての!」
(゚、゚トソン(仲良し)
ミセ*゚ー゚)リ(仲良しだ)
85
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 22:51:00 ID:eYqOwIFY0
(゚、゚トソン「で、どちら様なんですか?」
((( ^ω^)「僕は西川ホライズンだお。ツンさんとはちょっとした知り合いだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっと、部屋にあがってんじゃないわよ」
( ^ω^)”「どっこいしょ」
ξ;゚⊿゚)ξ「座ってんじゃないわよ!」
( ^ω^)「君たちはツンさんのお友達かお?」
(゚、゚トソン「そうです。私は都村トソンです」
ミセ*゚ー゚)リ「私は芹澤ミセリ!」
( ^ω^)「おっおっ、二人とも美人さんだおね」
ξ;゚⊿゚)ξ「ッ!!」
ミセ*^ー^)リゞ「美人だなんて、そんなぁー!」
(゚、゚トソン「ミセリ、世の中にはお世辞という言葉があるんですよ」
ミセ;゚д゚)リ「うるさいよ!」
( ^ω^)「お世辞なんかじゃないおー」
ξ;゚⊿゚)ξっ「ちょっと! 話あるからこっち来なさい!」グイッ
( ^ω^)「なんだお。ここで言えばいいお」
ξ;゚⊿゚)ξづ「いいから!!」グイグイ
( ^ω^>「分かったから引っ張らないで」
86
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 22:52:17 ID:eYqOwIFY0
ξ;゚⊿゚)ξ「お願いだから、トソンとミセリだけは殺さないで」
( ^ω^)「もし、あの二人を殺すとしても君を殺してからだお。君の死後に誰がどうなろうと関係ないんじゃないかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そういうわけにはいかないわ。あの二人は大事な友達なの」
( ^ω^)「知らねえお、そんなの。僕は僕が殺したい人を殺すだけだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……お願い」
( ^ω^)「……」
( -ω-)=3
( ^ω^)「……ミセリさんもトソンさんも美人だと思うけど、君と比べると霞んじゃうからね。
君の次に殺すのは、君よりも美人な人じゃないと満足できないお」
ξ゚⊿゚)ξ「……それって」
( ^ω^)「あの二人は殺さねえっつってんだお。ほら、さっさと戻るお」
ξ゚ー゚)ξ「……ありがとう」
( ^ω^)「なにお礼言ってんだお。感謝する場面でもなんでもないお。お礼なら自分の美貌に言っとけお」
ξ゚⊿゚)ξ人「サンキューマイフェイス」
( ^ω^)「本当に言うんだおね」
87
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 22:53:53 ID:eYqOwIFY0
ミセ*゚ー゚)リ「なんの話してたのー?」
ξ゚⊿゚)ξ「なんでもないわ。さ、女子会始めましょう」
( ^ω^)「わーい」
ξ゚⊿゚)ξ「わーいじゃねぇよ帰れ男子」
( ^ω^)「男女差別反対! 男女差別反対!」
ミセ*゚ー゚)リ「別に私は西川さんが一緒でも構わないよ?」
(゚、゚トソン「私も構いません」
( ^ω^)「ほーらツンさん、三対一だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「関係ないわよ! 家主が帰れって言ってんだから帰りなさいよ!」
( ^ω^)っ「せっかくお土産にフルーツタルト持ってきたのに持って帰れってことかお。一緒に食べたかったのに残念だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ」
ミセ*゚ヮ゚)リ「それってもしかして、駅前に新しくできたケーキ屋さんのタルト!?」
(゚、゚*トソン「気になってたんですよ、そのタルト」
( ^ω^)「ほらほら、ツンさんは食べたくないのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ぐっ……」
ξ;-⊿-)ξ「……仕方ないわね、女子会の参加を認めるわ」
( ^ω^)「すっごく嬉しぃ。。ツンチャンぁりがとぉ。。」
ξ;゚⊿゚)ξ「やめろその口調!!」
88
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 22:55:09 ID:eYqOwIFY0
ミセ*゚ー゚)リ「女子会といえば、恋バナでしょ! 皆どうなの?」
( ^ω^)「ツンチャンたちの恋バナ気になるナァ。。」
ξ;゚⊿゚)ξ「いつまでその口調なのよ」
ミセ*゚ー゚)リ「で、どうなの?」
ξ゚⊿゚)ξ
(゚、゚トソン
ミセ*゚ー゚)リ「ちょっとちょっとー、華の女子大生でしょ? 彼氏の一人や二人くらいいないのー?」
ξ゚⊿゚)ξ「彼氏二人いたらマズイだろ」
(゚、゚トソン「そう言うミセリはどうなんですか? 彼氏の一人や二人いるんですか?」
ミセ*゚ー゚)リ
ミセ*゚ー゚)リ「西川さんはどうなのー? 彼女とかいますー?」
ξ゚⊿゚)ξ「逃げた」
(゚、゚トソン「逃げましたね」
( ^ω^)「僕かお? そういう人はいないおね」
ミセ*゚ー゚)リ「えー、ツンとは実際どうなの?」
ξ゚⊿゚)ξ「どうもこうもないわ(ねぇお)」(^ω^ )
ミセ*゚ー゚)リ(息ピッタリなのに……)
89
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 22:56:40 ID:eYqOwIFY0
(゚、゚トソン「そういえば、西川さんって何のお仕事をされているんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ(あ、そういう話って聞いたことないわね……)
( ^ω^)「おっおー、実は暗殺業をやってるんだお。中学時代はE組で暗殺の訓練を受けたんだお」
ミセ*゚ー゚)リ「もしかして担任はタコみたいな見た目の殺せない先生!?」
( ^ω^)「そうそう。ちなみに当時の僕は赤髪で、担任に一番最初にダメージを与えたんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「イケメンキャラをチョイスしてんじゃねぇよ」
( ^ω^)「いいじゃん別に」
ξ゚⊿゚)ξ「ていうか、カルマ君をチョイスするなら暗殺業って言ったのは微妙っていうか」
( ^ω^)「あんま言うとネタバレになるからやめよ?」
(゚、゚トソン「西川さんはユーモラスな人ですね」
ミセ*゚ー゚)リ「トソンも見習ってもっとユーモアをさー」
(゚、゚トソン「ミセリは頭がとってもユーモラスですよね」
ミセ*゚ー゚)リ「褒めてないよねそれ?」
(゚、゚トソン「ツンもそう思いません? 西川さんもミセリもユーモラスですよね?」
ミセ*゚ー゚)リ「私に関しては褒めてないよね?」
ξ゚⊿゚)ξ「……そうね、二人ともユーモラスね」
ミセ*゚ー゚)リ「私に関しては絶対褒めてないよね?」
ξ゚⊿゚)ξ(……暗殺業やってるって妙に信憑性あるけどさすがに嘘よね? コイツ、個人情報全く明かさないわね……)
( ^ω^)(そりゃまあ、僕は世間で噂のカリスマ殺人鬼だからね。素性は明かせないお)
ξ゚⊿゚)ξ(ナチュラルにテレパシー使うのやめなさいよサイコパス殺人鬼)
90
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 22:57:54 ID:eYqOwIFY0
ミセ*゚ー゚)リ「そうそう、私ね、第一志望の企業から内定出たんだ!」
ξ゚⊿゚)ξ” ピクッ
(゚、゚トソン「ミセリにしてはすごいじゃないですか」
ミセ*゚ー゚)リ「余計な言葉がついてるなー」
(゚、゚トソン「ミセリにしては」
ミセ*゚ー゚)リ「なんで後半を余計な言葉と見なしたかなー」
ξ゚⊿゚)ξ「……おめでとう」
( ^ω^)「おっおっお、やったじゃないかお。
そういえばツンさんも色々面接受けてるおね? ツンさんは内定は出て……あっ、ごめん……」
ξ#゚⊿゚)ξ「察するのやめなさいよ! そもそも確信犯よね!?」
( ^ω^)「ナンノコトカナー」
ξ#゚⊿゚)ξ「ほんっとムカつくコイツ!!」
(゚、゚;トソン「落ち着いてください、ツン」
ξ#゚⊿゚)ξ「落ち着けるか!!」
( ^ω^)「ほらほらツンさん、フルーツタルト食べてみてくれお。美味しいから、これ」
ξ*゚〜゚)ξ「あ、本当に美味しい! フルーツがたっぷり入ってるわね!」モグモグ
(゚、゚トソン(瞬殺)
91
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 22:58:48 ID:eYqOwIFY0
( ^ω^)「二人も食べてみてくれお」
ミセ*゚ヮ゚)リ「いただきまーす! ……美味しい!!」
(゚、゚*トソン「パイ生地がサクサクしてますね……」
ミセ*^ヮ^)リ「これ、いくらでも食べられちゃう……!」パクパク
(゚、゚トソン「そういえばミセリ、ダイエットするって言ってませんでしたっけ?」
ミセ;゚ー゚)リ「……思い出させないで……」
ξ゚⊿゚)ξ ガツガツ
ミセ;゚ー゚)リ「……ツン、たしか前に太ったって言ってたよね?」
ξ゚⊿゚)ξ「知るかそんなこと」ガツガツ
ミセ*゚ー゚)リ「潔い……」
92
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 23:00:10 ID:eYqOwIFY0
ミセ*^ー^)リ「美味しかったー!」
(゚、゚*トソン「ごちそうさまでした」
( ^ω^)「おっおっ、喜んでもらえて何よりだお」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタにしてはやるじゃない。褒めてつかわすわ」
( ^ω^)「何様」
ミセ*゚ー゚)リ「お腹が満たされたところで、女子会トークの再開といこうよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「再開も何も、女子会トークなんて一度も展開されてないと思うわ」
ミセ;゚ー゚)リ「そ、そんなことないって! 皆、恋人はいなくても好きな人くらいはいるでしょ!?」
ξ゚⊿゚)ξ
(゚、゚トソン
ミセ;゚ー゚)リ「あっれぇ〜……」
( ^ω^)「最近の女子大生って皆こんな感じなのかお?」
(゚、゚トソン「それは個人差があります」
93
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 23:01:51 ID:eYqOwIFY0
( ^ω^)「ミセリさんは好きな人がいるのかお?」
ミセ*゚ー゚)リ「好きっていうかちょっと気になるかなーってくらいなんだけど……同じ学部の羽生ギコくんって分かる?」
ξ゚⊿゚)ξ「あーあーあーあーはいはいはいはいギコくんねはいはいはいはいギコくんね」
ミセ*゚ー゚)リ「えっなにその反応」
ξ゚⊿゚)ξ「……いや、ちょっといいなーとは思ってたからさ」
ミセ;゚д゚)リ「えー、ツンがライバルとか勝てっこないじゃん!」
( ^ω^)「そんなことないお。ツンさんは中身がクッッッソ残念だから」
ξ#゚⊿゚)ξ「誰がよ!!」
ミセ;゚ー゚)リ「それはそうかもしれないけど……」
ξ#゚⊿゚)ξ「肯定すんのかよ!! ……ていうか、ギコくんって彼女いるじゃない」
ミセ;゚д゚)リそ「嘘っ!? 誰誰!?」
ξ゚⊿゚)ξ「同じ学部の猫田しぃさん」
ミセ;゚д゚)リ「えっ、しぃが!? うっそ、普通に友達なんだけど……これから会うときちょっと気まずいじゃん……」
ミセ;゚ー゚)リ「まあでも、しぃ可愛いからなー……」
(゚、゚トソン「そうですね。綺麗な人ですよね。それに優しいですし」
( ^ω^)「へぇ、美人さんなのかお。それはとっても興味深いおね」
ξ;゚⊿゚)ξ「おいマジでやめろ」
94
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 23:03:30 ID:eYqOwIFY0
(゚、゚トソン「この話はやめましょう。別の女子会トークに移りましょうか」
ミセ;゚ー゚)リ「……そだね。あーギコくんとしぃが……。ショック……」
ξ゚⊿゚)ξ「私も知ったときはショックを受けたわ」
(゚、゚トソン「やめようって言った矢先から……」
ミセ*゚ー゚)リ「ああ、ごめんごめん。で、新しい女子会トークのお題は?」
(゚、゚トソン「単位や就活、卒論について」
ミセ;゚д゚)リ「女子会トークじゃねぇよそんなの!!」
(゚、゚トソン「女子会トークの定義なんて人それぞれです」
ミセ;゚д゚)リ「だとしても女子会と銘打ってやりたい話題じゃねぇよ!!」
95
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 23:04:42 ID:eYqOwIFY0
(゚、゚トソン「……真面目な話、大丈夫なんですか? ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「ぐぬおおおおおやめろおおおおおおおおお」
ミセ;゚ー゚)リ「トソン、デリケートなことなんだからそんなに迂闊に触れちゃダメだよー」
(゚、゚トソン「下手に気を遣うのは私の性に合いません。実際どうなんです? 大丈夫ですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「……大丈夫よ」
(゚、゚トソン「嘘」
ξ゚⊿゚)ξ「……嘘じゃないわよ」
(゚、゚トソン「いつもあなたはそうです。大丈夫じゃないときに必ず大丈夫だと言います」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、それは私も思ってた」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
(゚、゚トソン「もっと頼ってくれていいんですよ、ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「……そんなこと言われたって」
(゚、゚トソン「面接の練習とか付き合いますし、勉強で分からないところがあれば教えますし」
ミセ*゚ー゚)リ「私も手伝うよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「トソン……ミセリ……」
( ^ω^)「僕も手伝うお!」
ξ゚⊿゚)ξ「うるせえ」
( ^ω^)「感動的な流れがぶち壊し」
96
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 23:05:31 ID:eYqOwIFY0
ミセ;゚ー゚)リ「あっ! もうこんな時間!?」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ、そんなに遅い時間でもないと思うけど……」
ミセ;゚ー゚)リ「早く帰らないと殺人鬼が出るかもしれないじゃん!」
(゚、゚トソン「そういえば最近はあの殺人鬼のニュース見ませんね」
ミセ;゚ー゚)リ「だからといって油断はできないよ! どうすんの、帰り道に遭遇したら!」
(゚、゚トソン「ミセリなら大丈夫ですよ」
ミセ;゚д゚)リ「どういう意味だよ!」
ξ゚⊿゚)ξ(目の前にその殺人鬼いるなんて口が裂けても言えないわね)
( ^ω^)「ああ〜自己顕示欲が」
ξ;゚⊿゚)ξ「おい本気でやめろ!!」
97
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 23:06:56 ID:eYqOwIFY0
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ二人とも、気をつけて帰ってね」
ミセ*゚ー゚)リノシ「うん! じゃあねー、ツン、西川さん!」
ヾ(゚、゚トソン「見送ってくれてありがとうございます。それでは」
ξ゚⊿゚)ξノシ「またね」
( ^ω^)ノシ「またねーだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「アンタはまたねすんな!」
98
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 23:11:05 ID:eYqOwIFY0
( ^ω^)「いい友達じゃないかお」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、自慢の友達よ」
( ^ω^)「ツンさんにはもったいないおね」
ξ゚⊿゚)ξ「そういうの、他人が言うもんじゃねぇだろ。私が卑下して言うやつだろ」
( ^ω^)「おっおっお」
ξ゚⊿゚)ξ「……私が死んだらトソンとミセリは悲しむ……わよね?」
( ^ω^)「だろうおね」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「死にたくなくなったかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「いや、死にたいけど」
( ^ω^)「ブレない〜」
99
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 23:12:19 ID:eYqOwIFY0
ξ゚⊿゚)ξ「アンタは私が死んだら悲しい?」
( ^ω^)「悲しいも何も、殺すのは僕だお」
ξ゚⊿゚)ξ「私を殺して、その後に悲しくならない?」
( ^ω^)「殺したくて殺したのに悲しくなんかならねぇお」
ξ゚⊿゚)ξ「そういう奴よね、アンタは」
( ^ω^)「なんだお、僕に悲しんでほしいのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「それは気持ち悪いから嫌」
( ^ω^)「うーわ、ムカつく。君を殺したら墓の前で号泣してやるお」
ξ゚⊿゚)ξ「私のーお墓のーまーえでー」
( ^ω^)「絶対歌うと思った」
ξ゚⊿゚)ξ「千の風に永久就職したい」
( ^ω^)「連敗中の就活生ってこんなにも意味分かんないこと言うんだおね」
ξ゚⊿゚)ξ「千の風になった暁には、アンタの家の隙間風になるからそこんとこヨロシク」
( ^ω^)「ヨロシクじゃねぇお」
ξ゚⊿゚)ξ「シクヨロ」
( ^ω^)「うるせえ」
第4話 『しんゆう』 終
100
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 23:15:34 ID:okuz5/3U0
乙
101
:
名無しさん
:2017/06/19(月) 02:26:07 ID:eBrjk4Gw0
テンポ良くなってきたなぁおつ
102
:
名無しさん
:2017/06/19(月) 10:51:29 ID:dZV.RXVI0
乙
ツンさん死ぬ気ねえだろ
103
:
名無しさん
:2017/06/19(月) 17:45:10 ID:6.FeOZm20
乙
話数が進むごとにブーンが極悪人である実感がなくなっていく
104
:
名無しさん
:2017/06/19(月) 22:44:25 ID:qQMt8yrg0
乙ー
千の風に就職したい気持ち、くっそわかる
次も楽しみにしてる!
105
:
名無しさん
:2017/06/20(火) 06:26:56 ID:nnAuljQw0
乙
殺人犯って何だっけ?
106
:
名無しさん
:2017/07/03(月) 22:33:21 ID:vTWagSMU0
めっちゃ面白いなこれ乙
107
:
名無しさん
:2017/07/04(火) 04:38:27 ID:LOpvDyr60
おもしろい
108
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:12:10 ID:VnlLIkys0
( ^ω^)「さてさて、ツンさんの家に着いたお。早速鍵を壊して……」
( ^ω^)「……じゃなくて、インターホンを押すんだったお」
( ^ω^)「思い出せた僕マジ有能。こういうところがカリスマ殺人鬼たる所以っていうかね」
( ^ω^)σ「ぽちっとな」ピンポーン
( ^ω^)
( ^ω^)σ ピンポンピンポンピンポン
( ^ω^)
( ^ω^)「留守かお?」
( ^ω^)っ「まあそれならそれでいいお。中で待たせてもらうお」バキィッ
( ^ω^)っ|扉「おじゃましまーす」ガチャッ
ξ ⊿ )ξ
( ^ω^)「なんだ、いるじゃないかお。どうしたんだお、ツンさん」
ξ ⊿ )ξ「……ねぇ」
( ^ω^)「なんだお?」
ξ ⊿ )ξ「練炭と首吊り、どっちがいいと思う?」
( ^ω^)「待て待て待て待て何を言ってるんだお君は」
109
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:13:02 ID:VnlLIkys0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
第5話 『しゅうかつ』
.
110
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:14:16 ID:VnlLIkys0
( ^ω^)「落ち着いて、落ち着いてツンさん。はいヒッヒッフー」
ξ゚⊿゚)ξ「何も産まれねぇよ」
( ^ω^)「どうしたんだお、一体。自殺は怖いって言ってたくせに」
ξ゚⊿゚)ξ「いやもう死ねればいっかなーって」
( ^ω^)「良くない良くない絶対ダメ。なんかあったのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「内定が出なさすぎて死にたい」
( ^ω^)「あー、就活かお。どういう方面の就職を目指してるんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「……いや、特に考えずに漠然と……手当たり次第に……」
( ^ω^)「それじゃダメじゃないかお」
ξ゚⊿゚)ξ「そう言われてもね……」
( ^ω^)「やってみたい職業とかないのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ユーチューバー」
( ^ω^)「最近の小学生みたいなこと言ってんなお」
111
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:15:12 ID:VnlLIkys0
ξ゚⊿゚)ξ「……ていうかさ」
( ^ω^)「ん?」
ξ゚⊿゚)ξ「どうせアンタが殺してくれるんなら就職する意味なくない?」
( ^ω^)「そうは言っても、内定が出ないままだと君は生きる希望を抱けないんでしょ?
生きたいと願う人じゃなきゃイイ顔して死んでくれないからね」
ξ゚⊿゚)ξ「そこは妥協しなさいよ」
( ^ω^)「ダメだお」
ξ゚⊿゚)ξ「企業もアンタも妥協してくれない……」
( ^ω^)「自分が企業にとっての妥協点である自覚持つのやめて悲しいから」
112
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:16:14 ID:VnlLIkys0
( ^ω^)「じゃあ、一緒に面接の練習をしてみないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「いいの?」
( ^ω^)「もちろんだお。じゃあ面接官やるから答えてくれお」
ξ゚⊿゚)ξ「オッケー」
( ^ω^)「そうだおね……じゃあ、自己PRをしてください」
ξ゚⊿゚)ξ「いきなり最難関きた」
( ^ω^)「ほらほら頑張れ頑張れ」
ξ;゚⊿゚)ξ「えーと……えーと……」
ξ;-⊿-)ξ「えー……あー……」
( ^ω^)「答えられないのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「自分のいいところなんて分からないもの……」
( ^ω^)「そう?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……アンタから見て、私のいいところってどこだと思う?」
( ^ω^)「顔」
ξ;゚⊿゚)ξ「そんなの面接で言えるかよ……」
113
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:17:54 ID:VnlLIkys0
ξ;゚⊿゚)ξ「もっと真面目に答えてちょうだいよ」
( ^ω^)「大真面目なんだけどこれ」
ξ;゚⊿゚)ξ「面接で言えるような私のいいところをお願い」
( ^ω^)「僕よりもミセリさんやトソンさんに訊いた方がいいと思うけど……。
ツンさんのいいところ……そうだおね……」
( ^ω^)「結果はともかくとして、努力ができる人だと思うお。頑張り屋さんだおね」
ξ゚⊿゚)ξ「頑張り屋……」
( ^ω^)「ほら、一緒にカレー作ったときとか。ツンさんの腕前はクソの一言で片付けられる酷さだったけど」
ξ゚⊿゚)ξ「誰がクソじゃテメェ」
( ^ω^)「でも、頑張ってたことは認めるお」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
114
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:18:45 ID:VnlLIkys0
( ^ω^)「それと、周りの人間を大事にできるおね」
( ^ω^)「ミセリさんとトソンさん、あとちんぽっぽちゃん。僕が殺さないか心配して、殺すなってわざわざ頼んできたお」
( ^ω^)「仲の良いミセリさんとトソンさんだけでなく、知り合って間もないちんぽっぽちゃんのことも心配してたおね」
( ^ω^)「君は周囲の人間を大事にできる優しい人だと思うお。
まあ、もうちょっと自分のことも大切にできるといいと思うけど」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「ツンさん?」
115
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:20:47 ID:VnlLIkys0
( ^ω^)ノシ「おーい、なに抜け殻みたいになってんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「……その、なんていうか」
( ^ω^)「うん」
ξ゚⊿゚)ξ「私、自分のこと、生きる価値の無いゴミだと思ってたからさ」
( ^ω^)「卑下しすぎ」
ξ゚⊿゚)ξ「……ちゃんと、私にもいいところがあるんだなって……感動っていうか、なんていうか……」
ξ゚ー゚)ξ「……その、ありがとう」
( ^ω^)「ちなみに一番いいところは顔ね」
ξ゚⊿゚)ξ「台無しだよ」
116
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:21:33 ID:VnlLIkys0
( ^ω^)「じゃあ、僕が言ったことを踏まえてもう一回自己PRやってみるかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「やるわ」
( ^ω^)「はいじゃあ、自己PRをお願いします」
ξ゚⊿゚)ξ「私は、周囲の人を大切にできる人間です」
( ^ω^)「うんうん」
ξ゚⊿゚)ξ「殺人鬼に殺されるかもしれない友人が、殺されないように殺人鬼に頼むことができて……」
( ^ω^)「はいはいストップストップ」
117
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:22:39 ID:VnlLIkys0
ξ゚⊿゚)ξ「え、なんかダメだった?」
( ^ω^)「殺人鬼がどうとかなんて言ったらヤベェ奴認定されるお」
ξ゚⊿゚)ξ「あー、そうね。なんかアンタに慣れすぎて殺人鬼がヤバイ存在だって感覚が無くなってたわ」
( ^ω^)「その感覚は持ち続けておいてくれお」
ξ゚⊿゚)ξ「とにかく、殺人鬼がどうとかって面接で言うのはダメね」
( ^ω^)「確認するまでもないお、それ」
ξ゚⊿゚)ξ「殺人鬼はダメ……殺人鬼はダメ……」ブツブツ
( ^ω^)「え、そんなに自分に言い聞かせる?」
ξ゚⊿゚)ξ「よしオッケー、面接官やってちょうだい」
( ^ω^)「自己PRをお願いします」
ξ゚⊿゚)ξ「殺人……じゃなくて」
( ^ω^)「はいアウトー完璧にアウトー」
118
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:23:44 ID:VnlLIkys0
ξ;゚⊿゚)ξ「意識するとつい言っちゃうわね……」
( ^ω^)「自己PRをお願いしますからの第一声が『殺人』とかほんとダメだからね。下手すりゃ通報されかねないお」
ξ;゚⊿゚)ξ「クッソ、アンタのせいで……」
( ^ω^)「この場合、別に僕悪くなくない?」
ξ;゚⊿゚)ξ「アンタの存在感が凄まじいのよ……」
( ^ω^)「光栄だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「とにかく殺人鬼のことは忘れる……忘れる……」
ξ>;゚⊿゚)ξ>「ああああダメ! 意識すればするほどアンタの顔が脳内でゲシュタルト崩壊!!」
ξ; ⊿ )ξ「あ……悪夢!!」
( ^ω^)「ちょっとォ〜人の顔を悪夢って言うのやめてくんな〜い」
119
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:24:45 ID:VnlLIkys0
( ^ω^)「じゃあ自己PRは一旦置いといて、別の質問にしてみるかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そうね……お願いするわ」
( ^ω^)「そうだおね……志望動機とか? あ、でもこれは企業の種類にもよるおね」
ξ゚⊿゚)ξ「志望動機とかさ、ぶっちゃけ金が欲しい以外にないと思うの」
( ^ω^)「思っててもそれはオブラートに包んで」
ξ゚⊿゚)ξ「オブラートで包んだ粉薬って逆に飲みにくくない?」
( ^ω^)「脱線してる脱線してる」
ξ゚⊿゚)ξ「あとさ、水薬ってクソ不味くない?」
( ^ω^)「薬の話はもういいから」
ξ゚⊿゚)ξ「飲みやすくしようっていう意図なのか知らないけど、妙に甘ったるくしてあるじゃない?
あれ完全に裏目に出てるっていうか……」
( ^ω^)「もういいもういい」
120
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:25:38 ID:VnlLIkys0
( ^ω^)「ていうか、ツンさんはまずどんな仕事をしたいかしっかり考えるべきだおね」
ξ゚⊿゚)ξ「そもそも仕事をしたくないんだけど」
( ^ω^)「それ言っちゃおしまいだお」
ξ゚⊿゚)ξ「もうさー、アンタが私の人生をおしまいにしてくれれば済む話なんだからさー、殺しなさいよ早くー」
( ^ω^)「嫌だお。さあ、どんな仕事をしたいか考えてみるお」
ξ゚⊿゚)ξ「えー……そもそもさ、私に務まる仕事が無いんじゃないかなって思うの」
( ^ω^)「やれば案外なんとかなるもんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「会社に入ってさ、同期がどんどん仕事を覚えていって、でも私は仕事が覚えられなくて、あーコイツは使えない奴だなって雰囲気が流れて、馬鹿にされて哀れみの目を向けられ、疎ましがられて、当然会社に私の居場所はなくて」
( ^ω^)「ちょっと、ネガティブが過ぎるおツンさん。落ち着いて、ヒッヒッフー」
ξ゚⊿゚)ξ「なんでアンタは落ち着いて産ませようとするのよ」
121
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:27:39 ID:VnlLIkys0
( ^ω^)「やる前から決めつけて諦めちゃダメだお。やってみなきゃ分かんないもんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「……そうね」
( ^ω^)「僕だってまさか自分がこんなにも容易く人を殺せるとは思わなかったし」
ξ゚⊿゚)ξ「なんか聞きたくなかったわ、それ」
( ^ω^)「ツンさんだって案外簡単に殺人ができるかもしれないお」
ξ゚⊿゚)ξ「話すり替わってるすり替わってる」
( ^ω^)「ツンさんも誰か殺してみたかったらやってみるといいと思うお」
ξ゚⊿゚)ξ「誰も殺したくねぇよ。その布教だけはマジでやめろ」
122
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:29:04 ID:VnlLIkys0
( ^ω^)「とにかく、やりたい仕事を考えるのが最優先だおね」
ξ゚⊿゚)ξ「ユーチュー( ^ω^)「ユーチューバー以外で」
ξ゚⊿゚)ξ「ユーチューバーがダメならもう何もできないじゃないの」
( ^ω^)「ユーチューバーに対するその自信なに」
ξ゚⊿゚)ξ「楽しそうだもの……」
( ^ω^)「やるにしても趣味程度に留めておくべきだお」
ξ゚⊿゚)ξ「動画投稿するだけで金が入る生活を送りたい……」
( ^ω^)「そんなの一部だけだお」
ξ゚⊿゚)ξ「クッソ……アンタから見てどうよ?」
( ^ω^)「何が?」
ξ゚⊿゚)ξ「私はどんなユーチューバーが向いてると思う?」
( ^ω^)「頑なに諦めないその心だけは評価してあげたい」
123
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:30:28 ID:VnlLIkys0
( ^ω^)「じゃあさ、ツンさん美人なんだし、女優とかモデルとかどうだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「えー……できるかしら……」
( ^ω^)「少なくとも、容姿は問題ないお。問題ないどころか大手の事務所が取り合うレベルだお」
ξ゚⊿゚)ξ「なんか今日やけに褒めるわね気持ち悪っ」
( ^ω^)「酷くない?」
ξ゚⊿゚)ξ「女優かぁ……」
( ^ω^)「あーでもツンさん演技力ダメだったおね」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなことないわよ」
( ^ω^)「殺されたくない演技してみて」
ξ゚⊿゚)ξ「いやああああ殺されたくないわああああやめてえええええ」
( ^ω^)「ほれ見ろ、大根」
ξ*゚⊿゚)ξ +
( ^ω^)「大根なのにそのドヤ顔だもーん……」
124
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:31:52 ID:VnlLIkys0
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、モデル?」
( ^ω^)「結構いいんじゃないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「モデルかぁ……ちょっとやってみたいかも」
( ^ω^)「オーディションに応募してみたらどうだお? 容姿は申し分ないんだし、書類審査は余裕だと思うお」
ξ゚⊿゚)ξ「そう? 応募してみようかしら……」
( ^ω^)「いけると思うお。今のうちに二次審査の面接の対策とかやっちゃう?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね、面接……」
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ「めん……せつ……」
( ^ω^)「どうしたんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「……今のこの時間さ」
( ^ω^)「うん」
ξ゚⊿゚)ξ「会社の面接の予定入ってたこと忘れてた」
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ「やっぱさー、私って社会人に向いてないっていうかー、面接すっぽかしたとか絶対ダメなやつだしー、社会に出ちゃう前に息の根を止めておくべきっていうかー」
ξ゚⊿゚)ξ「ベルトで首って吊れるわよね? よーし、吊っちゃうぞ〜」
( ^ω^)「ツンさんヒッヒッフーヒッヒッフー」
ξ゚⊿゚)ξ「何も産まれねえっつってんだろ」
第5話 『しゅうかつ』 終
125
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:33:15 ID:tNZt2gyA0
乙
このままだと就活より終活が先に終わってしまう
126
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:43:04 ID:lx2DEjF60
乙
二人で芸人デビューしたらどうでしょうかね‥?
127
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 19:57:47 ID:OYdedFLc0
ツンちゃん積んどる
ツンちゃんの両親は娘の就活どう考えてるんやろな
128
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 20:17:59 ID:yXjaHy5Q0
ラマーズ法ワロタ
129
:
名無しさん
:2017/07/05(水) 22:55:27 ID:mha9FVjc0
ツンちゃんダメ人間だけど共感できて泣きたい
乙
130
:
名無しさん
:2017/07/16(日) 22:30:58 ID:xbw5IzSI0
くっそ面白い、支援
131
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:25:46 ID:BaE6iEms0
ξ゚⊿゚)ξ"「鍵鍵……」ゴソゴソ
ξ゚⊿゚)ξっ「あった。差し込んでっと……」
ξ゚⊿゚)ξ「……?」
ξ゚⊿゚)ξっ|扉 ガチャッ
ξ;゚⊿゚)ξ「鍵が壊れて……ってことはつまり……」
( ^ω^)ノ「あ、おかえりだおー」
ξ;゚⊿゚)ξ「出た……ゴキブリ殺人鬼だ……」
( ^ω^)「なんでゴキブリなんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「侵入を防げないから」
( ^ω^)「もっと他に表現あったでしょ」
132
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:26:43 ID:BaE6iEms0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
第6話 『しつれん』
.
133
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:27:31 ID:BaE6iEms0
( ^ω^)「やっぱほら、恋人とかいれば生きる活力が湧くおね?」
ξ゚⊿゚)ξ「それはつまり、私とアンタで付き合おうとでも?」
( ^ω^)「ハッ、無えよ」
ξ゚⊿゚)ξ「せめて、無えおって言えよ。口調変えてまで否定すんなよ。
アンタみたいなサイコパスこっちから願い下げだけどちょっと傷つくだろ」
( ^ω^)「ツンさんみたいなポンコツと付き合える男なんて現実にそういないから、今日は乙女ゲームをやろうお」
ξ゚⊿゚)ξ「そんな悲しい動機で乙女ゲームやりたくないわ」
( ^ω^)「まあ、二次元のハイスペックイケメンでもポンコツンさんは願い下げだろうけどお」
ξ゚⊿゚)ξ「ポンコツンさん呼びはマジでやめろ」
( ^ω^)っロ「んで、この乙女ゲームはどうだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「どんなの?」
( ^ω^)ロ「エジプト神と恋愛できるやつ。メジェドとか」
ξ゚⊿゚)ξ「なぜエジ恋をチョイスした」
( ^ω^)「ツンさんのポンコツぶりは人間には受け止めきれないかなって」
ξ゚⊿゚)ξ「なんだとテメェ。ていうか私エジ恋やったことあるわ」
( ^ω^)「あ、そうなの?」
ξ゚⊿゚)ξ「アイドル編も全部スチル集めたし」
( ^ω^)「すげぇしっかりやってるおね」
ξ゚⊿゚)ξ「主人公の名前は明智光秀に設定してた」
( ^ω^)「何故」
134
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:28:47 ID:BaE6iEms0
( ^ω^)っロ「じゃあ、こっちの乙女ゲームやるお」
ξ゚⊿゚)ξ「どんなの?」
( ^ω^)ロ「ありきたりな学園モノだお」
ξ゚⊿゚)ξ「意欲の沸かない説明ね……」
( ^ω^)ロ「キャラクターは、ドSな先輩モララー、癒し系な後輩モナー、ツンデレ不良幼馴染フォックス、真面目な担任ショボン……色々いるけど誰がいい?」
ξ゚⊿゚)ξ「誰でもいいわ」
( ^ω^)「じゃあ、モララーで」
ξ゚⊿゚)ξ「えー、ドSの男とか一番嫌い」
( ^ω^)「誰でもいいんじゃないのかお」
135
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:29:29 ID:BaE6iEms0
ξ゚⊿゚)ξロ「あ、この子が主人公ね」
ζ(゚ー゚*ζ
( ^ω^)「デフォルトネームが『出連デレ』になってるけど、変更するかお?」
ξ゚⊿゚)ξロ"「そうね。明智光秀……っと」
( ^ω^)「だから何故」
ξ゚⊿゚)ξσ"ロ「あ、ここで男キャラのサンプルボイス聞けるのね」タップ
( ・∀・)『お前のこと、俺好みに調教してやるよ』
ξ゚⊿゚)ξσ"ロ「何様よコイツー」タップタップタップ
( ・∀・)『おま、お前、お、おま、おま、お前のこ、お、お、おま』
( ^ω^)「連続タップして遊ぶのやめなさい」
136
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:30:41 ID:BaE6iEms0
ζ(゚ー゚*ζ『ここが今日から通う学校かぁ……』
ξ゚⊿゚)ξロ「なるほど、主人公が転校してくるところから始まるのね」
ζ(゚ー゚*ζ )) (・∀・ )))
ξ゚⊿゚)ξロ「場所は校門で……モララーが出てきたわね」
Σζ(>、<;ζ"(・∀・ ))) ドンッ
( ^ω^)「おっ、主人公とモララーがぶつかったお」
( ・∀・)『おい、何ぶつかってんだよ』
ξ゚⊿゚)ξ「どっちかと言ったらモララーの方からぶつかってなかった?」
( ^ω^)「モララーの方からぶつかってたお」
( ・∀・)『俺の制服が汚れちまったじゃねぇか。弁償しろよ』
ξ゚⊿゚)ξロ「当たり屋じゃん」
( ^ω^)「当たり屋だおね」
ζ(゚ー゚;ζ『ご、ごめんなさい……』
( ・∀・)『ごめんで済むと思ってんのか?』
ξ゚⊿゚)ξロ「光秀謝ってるのになんて奴……」
( ^ω^)「名前で笑うからやめて」
ξ゚⊿゚)ξロ「光秀、そいつの顔燃やしてやりなさい!」
( ^ω^)「モララーの顔は本能寺じゃないお」
137
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:31:42 ID:BaE6iEms0
( ・∀・)『……お前、なかなか可愛いな』
ζ(゚д゚*;ζ『ふぇっ!?』
ξ゚⊿゚)ξロ「光秀可愛いわね」
( ^ω^)「もぉー名前ぇー」
( ・∀・)『……よし、決めた。お前を俺の奴隷として働かせてやる。汚れた制服の分きっちり働いてもらうぞ』
ξ゚⊿゚)ξロ「急に何言い出すのこの人。
大体、可愛い女子高生とぶつかって汚れるわけないでしょう。むしろ、清められるはずよ」
( ^ω^)「急に何言い出すのこの人」
ζ(゚ー゚;ζ『どっ……奴隷……!?』
ξ゚⊿゚)ξロ「奴隷ねぇ……エロ同人ならヤりたい放題ヤられまくるパターンよねこれ」
( ^ω^)「急に何言い出すのこの人」
( ・∀・)『ああ、奴隷だ。喜べよ、この俺の奴隷になれるんだぞ?』
ξ゚⊿゚)ξロ「光秀、大声で助けを呼びなさい!」
( ^ω^)「モララーの扱いがもはや不審者じゃん」
ξ゚⊿゚)ξロ「それか金的を蹴って逃げなさい!」
( ^ω^)「言葉だけでも痛いからやめて」
138
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:32:32 ID:BaE6iEms0
( ・∀・)『俺は三年の茂羅モララー。お前は?』
ζ(゚ー゚;ζ『あ……に、二年の明智光秀です』
ξ゚⊿゚)ξロ「どんな気持ちで名乗ってるのかしら……」
( ^ω^)「名付けた君はどんな気持ちで聞いてるんだお」
( ・∀・)『明智光秀? 聞かない名前だな』
( ^ω^)「だろうおね」
ξ゚⊿゚)ξロ「いや、むしろ聞く名前よ。歴史の授業とかで」
ζ(゚ー゚;ζ『私、転校してきて、今日から……』
( ・∀・)『へえ、転校生ねぇ……』
( ^ω^)「転校早々、災難だおねぇ」
ξ゚⊿゚)ξロ「いざとなったらモララーの家を燃やせばいいわ」
( ^ω^)「モララーの家は本能寺じゃないお」
139
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:34:02 ID:BaE6iEms0
( ・∀・)っ『じゃあ転校祝いってことで、俺からのプレゼントだ。喜べ』
ξ゚⊿゚)ξロ「あ、なんかくれた。あざーす」
ζ(゚、゚;ζ『これは……く、首輪!?』
( ・∀・)『俺がつけてやるよ、喜べ』
ξ゚⊿゚)ξロ「コイツ語尾に『喜べ』って言いがちね」
( ^ω^)「ツッコむところ絶対そこじゃない」
( ・∀・)っζ(゚д゚*;ζ『い、いやいやいや、遠慮します遠慮します!! つ、つけないでえええ!!』
ξ゚⊿゚)ξロ「あ、すごい。モララーが光秀に首輪をつけてるスチルだ」
( ^ω^)「綺麗な絵だおね」
ξ゚⊿゚)ξロ「イケメンだから許されるのよね。これブサイクがやってたら即通報でしょ。はー顔面格差社会ヤダヤダ」
( ^ω^)「それツンさんが言ったところで1ミリも説得力無いからね?」
ξ゚⊿゚)ξロ「それにしても首輪ねぇ……。窒息死……アリね。いいなぁ……」
( ^ω^)「乙女ゲームやりながら死にたがるのやめて」
140
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:34:39 ID:BaE6iEms0
ξ゚⊿゚)ξロ「それにしても、いつまで校門で話してるのかしら。時間は大丈夫なの?」
( ・∀・)『おっと、もうすぐ始業時間か。じゃあな、俺行くわ』
ξ゚⊿゚)ξロ「えっ何こっちの声聞こえてるの……? 最近のゲームこっわ……」
( ^ω^)「ただの偶然だお。Siriじゃないんだから」
ξ゚⊿゚)ξロ「おはよう」
Siri『おはようございます』
( ^ω^)「ゲーム中断してまでやんなくていいから」
141
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:35:52 ID:BaE6iEms0
ζ(゚д゚*;ζ『ちょ……! 待ってください! この首輪どうやって外すんですか!?』
ζ(゚、゚;ζ『……行っちゃった。ど、どうしよう……首輪つけたまま教室行くのはちょっと……』
ξ゚⊿゚)ξロ「とりあえず職員室に駆け込んで先生に事情を説明して……」
( ^ω^)「乙女ゲームで先生にチクるとかやめよう?」
ξ゚⊿゚)ξロ「……あ、第一章クリアしたわ」
( ^ω^)「おめでとうだお」
ξ゚⊿゚)ξ「もっと選択肢とかあるもんだと思ってたけど、そうでもないのね」
( ^ω^)「選択肢はこれから出てくるんじゃないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「なるほどね。それにしても、モララーはなかなかの性癖ね」
( ^ω^)「初対面の女の子に首輪だもんね」
ξ゚⊿゚)ξ「デスゲームでよくある爆発する首輪なら大歓迎なんだけど」
( ^ω^)「歓迎する要素がどこにもない」
ξ゚⊿゚)ξ「ゲームマスター的な人を怒らせて、見せしめに殺されるポジションがいい」
( ^ω^)「何に憧れてんだお」
142
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:36:47 ID:BaE6iEms0
ξ゚⊿゚)ξロ「じゃあ第二章やりますか」
ζ(゚、゚;ζ『どうしよう……首輪つけたまま教室行くのはちょっと……』
▷ 諦めて教室に行く
手頃な岩に首輪を打ちつけて壊す
ξ゚⊿゚)ξロ「あ、選択肢が出てきた」
( ^ω^)「なにこの二択。校門に手頃な岩があるのかお」
ξ゚⊿゚)ξσロ「手頃な岩に首輪を打ちつけて壊すっと」
( ^ω^)「なんの迷いもなくそれかぁー」
ζ(゚、゚;ζ『とにかく、首輪を壊さなきゃ……あっ、こんなところに手頃な岩が!』
ζ(>д<*ζ彡『えいっ!』ガッ
私は、岩に頭をぶつけて死んでしまった。
GAME OVER
ξ゚⊿゚)ξロ「……」
( ^ω^)「……えぇ……なにこれ……」
ξ゚⊿゚)ξロ「いいなぁ……」
( ^ω^)「羨ましがらないで」
143
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:37:38 ID:BaE6iEms0
ξ゚⊿゚)ξロ「これゲームオーバーとかあるのね……」
( ^ω^)「正直、主人公が死ぬとは思わなかったお」
ξ゚⊿゚)ξロ「いや、エジ恋でも主人公が死ぬことあるしそれは普通じゃないかしら」
( ^ω^)「エジ恋を基準にするのは違うと思う」
ξ゚⊿゚)ξロ「まだモララー殺してないのに先に死ぬんじゃないわよ光秀」
( ^ω^)「モララーは織田信長じゃないお」
ξ゚⊿゚)ξロ「さて、やり直すわね。なんで先生にチクる選択肢がないのよ」
( ^ω^)「乙女ゲームでそれは無粋だって」
ζ(゚、゚;ζ『どうしよう……首輪つけたまま教室行くのはちょっと……』
ξ゚⊿゚)ξσロ「諦めて教室に行くっと」
ζ(゚、゚;ζ『もう時間ないし、このまま行くしかないよね……』
ξ゚⊿゚)ξロ「先生がダメなら、親に泣きつくとか……」
( ^ω^)「ツンさんすぐチクろうとするー」
144
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:38:50 ID:BaE6iEms0
(´・ω・`)っ『おはよう。出席を取るぞー』ガラッ
ξ゚⊿゚)ξロ「あ、場面が教室に変わったわ」
( ^ω^)「光秀は間に合ったのかお?」
(´・ω・`)『今日は転校生が来てるんだ。明智、入れー』
ξ゚⊿゚)ξロ「間に合ったみたいね」
⊂ζ(゚、゚;ζ ガラッ
ザワ… カワイイ… クビワ… クビワダ… ナンデクビワ…?
ξ゚⊿゚)ξロ「首輪首輪言われとる」
( ^ω^)「普通にかわいそう」
(´・ω・`)『明智、その首輪はなんだ?』
ζ(゚、゚;ζ『ア、アクセサリーです……』
(´・ω・`)『あまり華美なアクセサリーは認められないな』
ζ(゚、゚;ζ『あ、あの、これ外れなくて……』
(´・ω・`)『自分でつけたのに外せないのか?』
ζ(゚、゚;ζ『えーと……その……』
ξ゚⊿゚)ξ人"「チークーれー! チークーれー!」パンパン
( ^ω^)「うるさいお」
ξ゚⊿゚)ξロ「チクられた結果、先生に怒られるモララーとか見たいじゃない」
( ^ω^)「見たいけども」
145
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:39:47 ID:BaE6iEms0
ζ(゚ー゚;ζ『あ、明日には外してくるので今日は見逃してもらえません……?』
(´・ω・`)『……しかし、校則が……』
ζ(゚、゚;ζ『……』シュン
(´・ω・`)『…………仕方ない、明日には必ず外してくること。いいな?』
ζ(゚ー゚*ζ『! はい!』
ξ゚⊿゚)ξロ「光秀の可愛さにグラついてんじゃないわよ教師。まあ、光秀の可愛さなら仕方ないわね。かわいい」
( ^ω^)(順調にハマっていってる……)
146
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:40:30 ID:BaE6iEms0
ξ゚⊿゚)ξロ「あ、放課後の場面になったわ」
( ^ω^)「また校門だおね」
( ・∀・)ノ『よう。この俺が待っててやったぞ』
ζ(゚ー゚;ζ『あ、ど、どうも……』
ξ゚⊿゚)ξロ「待ち伏せかよこっわ」
( ^ω^)「いや、光秀が来るまで待ってたと思うとちょっと健気に感じるお」
ξ゚⊿゚)ξロ「たしかに……いや、初対面で首輪つけてきた先輩の待ち伏せは怖いわ」
( ^ω^)「そうかお?」
ξ゚⊿゚)ξロ「アンタだって光秀の立場なら怖いでしょう?」
( ^ω^)「僕は隙を見て包丁で刺せる自信があるし……」
ξ゚⊿゚)ξロ「アンタがいちばん怖い」
( ^ω^)「問題なのは、男を殺して何にも面白くないってことだお」
ξ゚⊿゚)ξロ「問題点絶対そこじゃない」
147
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:42:09 ID:BaE6iEms0
ζ(゚、゚;ζ『あの……この首輪外してもらえません?』
( ・∀・)『頼み方がなってないんじゃないか? 土下座して靴を舐めろよ』
ζ(゚、゚;ζ『それはちょっと……』
ξ゚⊿゚)ξロ「他人の唾液が靴につくの嫌じゃないのかしら」
( ^ω^)「綺麗な女性の返り血が靴につくのならテンション上がるお」
ξ゚⊿゚)ξロ「さっきから隙あらば殺人鬼トークを繰り広げるのやめてちょうだい」
( ・∀・)『できないのか? まったく、躾のなっていない駄犬だな』
ξ#゚⊿゚)ξロ「光秀の悪口は許さないわ!! 顔面燃やすわよ!!!」
( ^ω^)「ツンさんがモンペ化してる……」
ζ(゚ー゚;ζ『……私は犬じゃないです』
ξ#゚⊿゚)ξロ「そうよそうよ! 言ってやりなさい!!」
( ・∀・)『まったく、うるさい駄犬だ。まあ、調教し甲斐はあるな』
( ・∀・)『お前のこと、俺好みに調教してやるよ』
( ^ω^)「お、サンプルボイスのセリフだお」
ξ#゚⊿゚)ξロ「さっきはおまおま言ってたくせに……」
( ^ω^)「それはツンさんが連続タップしたせいだお」
ξ#゚⊿゚)ξロ「決めた。絶対モララーを光秀に惚れさせてこっぴどくフッてやるわ!!!
そうと決まればどんどん進めるわよ!!!」
( ^ω^)(方向性はアレだけど普通にハマっていってる)
148
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:43:08 ID:BaE6iEms0
数時間後
ξ゚⊿゚)ξロ「よし、そろそろ来るはずよ。告白シーン」
( ^ω^)「前の章がモララーに呼び出されたところで終わったもんね」
( ・∀・)『……来たか』
ζ(゚、゚;ζ『モララー先輩、お話ってなんですか?』
( ・∀・)『ああ、実は俺、お前のこと──』
ξ*゚⊿゚)ξロ「きたきたきた!!」
( ・∀・)『……奴隷とか言ったけど、アレもういいわ。悪かったな』
ξ゚⊿゚)ξロ「……は?」
( ・∀・)っ『首輪も外すわ。もう関わらない方がお互いの身のためだろう』
ξ;゚⊿゚)ξロ「ちょ、ちょっと……」
( ・∀・)ノ『じゃあな』
END
.
149
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:44:28 ID:BaE6iEms0
ξ;゚⊿゚)ξロ「な、なんでよ!! なんで光秀がフラれてるのよ!!」
( ^ω^)「そりゃあ、ツンさんが選択肢でとことんネタに走るからだお」
ξ;゚⊿゚)ξロ「どの選択肢がダメだったのよ」
( ^ω^)「顎と首でモララーの手を挟んで顎クイを阻止するとか」
ξ゚⊿゚)ξロ「光秀に軽々しく顎クイなんてさせないわ」
( ^ω^)「弁当作ってこいって言われて、弁当箱にギッチギチにゆで卵を詰めるとか」
ξ゚⊿゚)ξロ「口の中パッサパサにしてやりたくて……」
( ^ω^)「モララーが珍しく落ち込んでるときには『慰める』って選択肢があったのに『爆笑する』を選んだし」
ξ゚⊿゚)ξロ「爆笑するしかなくない……?」
( ^ω^)、「……」
ξ#゚⊿゚)ξロ「こいつダメだなとでも言いたげな視線やめなさい!」
( ^ω^)「こいつダメだな」
ξ#゚⊿゚)ξロ「もういい!!」
( ^ω^)「やめるかお?」
ξ#゚⊿゚)ξロ「次はショボン先生を攻略するわ!!!」
( ^ω^)「完全にハマったおね」
第6話 『しつれん』 終
150
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 14:57:26 ID:oBX7041M0
来てたー!乙!
ひたすら本能寺扱いされるモララーにワロタ
151
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 15:24:14 ID:9I9IRANs0
> ( ・∀・)『おま、お前、お、おま、おま、お前のこ、お、お、おま』
クッソワロタ
152
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 18:10:29 ID:ZEwsm5Vk0
おつ
本能寺ネタの天丼笑った
153
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 20:11:41 ID:8O/0ro9s0
今日のはとても俺好み
154
:
名無しさん
:2017/09/30(土) 23:56:24 ID:RFhKYwtM0
歴史ツッコミ好き
155
:
名無しさん
:2017/10/01(日) 12:11:30 ID:9BzcySuo0
( ^ω^)「もぉー名前ぇー」
で噴き出したわ
156
:
名無しさん
:2017/10/01(日) 23:08:45 ID:EItTFIjQ0
おつ
相変わらず面白い
157
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:34:31 ID:uQdce99A0
ξ゚⊿゚)ξ「よーし、スープができたわ。早速食べましょう」
ξ゚⊿゚)ξ人「いただきまーsバキィガチャッ >
( ^ω^)「おじゃましまーす」
ξ゚⊿゚)ξ「お前マジなんなの?? なんでインターホン押すこと覚えられないの????」
( ^ω^)「前にインターホン押したらツンさん出なかったことあったじゃん」
ξ゚⊿゚)ξ「今日は出ますけど??? インターホン押してくれたらちゃんと出ましたけど????」
( ^ω^)「インターホン押すより鍵壊した方が早くない?」
ξ゚⊿゚)ξ「は?????」
( ^ω^)「おっ、朝ご飯かお?」
ξ゚⊿゚)ξ「朝ご飯だけど」
( ^ω^)「……何食べてるんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「スープよ。見てわかるでしょ?」
( ^ω^)「具はなんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「もやしオンリー」
( ^ω^)「朝っぱらからひもじい代表みたいな飯食ってるおね……」
158
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:35:22 ID:uQdce99A0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
第7話 『しゅっぱつ』
.
159
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:36:30 ID:uQdce99A0
( ^ω^)「ていうかツンさんが料理するの珍しいおね」
ξ゚⊿゚)ξ「お金無さすぎてカップ麺すら買うのをためらっちゃって……」
( ^ω^)「経緯が悲しい。ていうかそのスープの味は大丈夫なのかお?
料理ヘッタクソなツンさんが作ったんだおね?」
ξ゚⊿゚)ξ「促音がムカつく……。水ともやしとコンソメを鍋に入れて火にかけるだけだしさすがに大丈夫よ」
( ^ω^)「ツンさんって火扱えるの?」
ξ゚⊿゚)ξ「原始人以下だと思われてる……。ほぼ毎日カップ麺のお湯を沸かしてるからさすがにできるわよ」
( ^ω^)「あー、そっかそっか。毎日カップ麺食ってりゃお湯くらい沸かせて当然だお。そっか〜カップ麺ね〜」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなに納得されるのもなんかムカつく……」
160
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:37:32 ID:uQdce99A0
ξ゚⊿゚)ξ「で、今日は何するのよ」
( ^ω^)「今日はこれから遊園地に行こうお」
ξ゚⊿゚)ξ「なんでまた急に……」
( ^ω^)「さっき、ビロードくんとワカッテマスくんとちんぽっぽちゃんに会ったんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「日曜の朝っぱらから小学生の前に現れる殺人鬼の図ヤバイ」
( ^ω^)っロロ「で、こんなものを貰ったんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「遊園地のチケット? 何小学生から強奪してんのよ引くわー」
( ^ω^)っロロ「だから貰ったんだって」
ξ゚⊿゚)ξ「で? どう脅して奪い取ったのよ」
( ^ω^)っロロ「貰ったっつってんだろ。福引で遊園地のチケットが五枚当たったらしいお」
ξ゚⊿゚)ξ「あー、商店街で福引やってたわね。私も当てたわよ。ポケットティッシュ」
( ^ω^)「それ外れたって言うんだお」
161
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:38:38 ID:uQdce99A0
ξ゚⊿゚)ξ「なんでチケットなんて貰えたのよ」
( ^ω^)「一緒に行く予定だった友達二人の都合が悪くなったらしいお。それでチケット余ったから一緒に行かないかって」
ξ゚⊿゚)ξ「え、今日?」
( ^ω^)「今日だってば」
ξ゚⊿゚)ξ「ほんと急ね……」
( ^ω^)「どうせツンさん暇でしょ?」
ξ゚⊿゚)ξ「暇だけど」
( ^ω^)「就活とか卒論とか大丈夫なのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫じゃないけど暇。やらなきゃいけないことはあるけど暇」
( ^ω^)「ダメ人間の発言だぁ……」
ξ゚⊿゚)ξ「マジ暇〜〜」
( ^ω^)「で、行くでしょ?」
ξ゚⊿゚)ξ「まあ行くけど」
( ^ω^)「じゃあ出発だお。駅で三人が待ってるから」
162
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:40:24 ID:uQdce99A0
(*><)「あっ、来たんです!」
( <●><●>)「お久しぶりです」
ξ゚⊿゚)ξ「久しぶりね」
(*‘ω‘ *)「遅いっぽ」
( ^ω^)「ごめんごめん、ツンさんがひもじいスープ食ってたから時間かかったんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「食べるのにそんな時間かかってねえよ。単に私がひもじいスープ食ってた事実を言いたかっただけだろお前」
(*‘ω‘ *)「なんにせよ、遅刻は大罪っぽ」
( <●><●>)「ちんぽっぽ、楽しみでずっとソワソワしてましたからね」
(*‘ω‘ *)「してねえっぽ」
( ><)「ちんぽっぽちゃん、目の下にクマができてるんです」
(*‘ω‘ *)「できてねえっぽ」
(*><)「僕も楽しみであんまり眠れなかったんです!」
(*‘ω‘ *)「一緒にすんなっぽ」
( ^ω^)「まあまあ、早く電車に乗ろうお」
ξ゚⊿゚)ξ「……私、お金無いんだけど」
( ^ω^)「えっ、財布忘れたのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「財布はある。中身が絶望的に無い」
( ^ω^)「あー、そうだおね。ひもじいスープ食ってたくらいだもんね。
僕がツンさんの分も出すお」
ξ*゚⊿゚)ξ「ほんと!?」
( ^ω^)「ほんとほんと」
ξ*゚⊿゚)ξ「超絶いい奴かよ……」
( ^ω^)「チョロさの滲み出る発言やめて」
163
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:41:29 ID:uQdce99A0
ξ*゚⊿゚)ξ「人の金で乗る電車は最高ね!」
( ^ω^)「その発言は最低だおね」
( <●><●>)「……あ、二人とも、ちょっと静かに……」
( ^ω^)「お?」
(*-ω- *) ウトウト
( --)ウツラウツラ
( ^ω^)(おっ、眠そうだおね)
( <●><●>)(起こさないようにしましょう)
( ^ω^)(そうするお)
ξ゚⊿゚)ξ「やばいめっちゃくしゃみ出そう」
( ^ω^)「なんでそんなに間が悪いの?」
ξ#>∩<)ξ"「ぶえーーっくしょん!!!!!」
(;><)ミ「!?」ガバッ
(;<●><●>)「うるさっ! 口押さえてるのにうるさっ!!」
( ^ω^)「ツンさんのくしゃみに可愛げがないところ嫌いじゃないお」
(;><)「な、何かと思ったらツンお姉さんのくしゃみですか……」
,_
(*-ω- *)「ビロードうるさいっぽ……」ムニャムニャ
(;><)「え、僕!? ツンお姉さんのくしゃみにはノーリアクションで僕!?」
164
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:42:22 ID:uQdce99A0
(;><)「なんか目が覚めちゃったんです……」
ξ;゚⊿゚)ξ「ごめんね……」
( ><)「いえ、すぐに駅に着きますし大丈夫なんです」
( ^ω^)「まあ、ほんの数駅の距離だもんね」
( <●><●>)「とか言ってるうちにもう着きますよ」
( ><)づ「ちんぽっぽちゃーん、起きてくださーい」ユサユサ
,_
⊂三(*-ω- *) シュッ
(;><)ミ「あぶなっ!」サッ
(;<●><●>)「ちんぽっぽは寝起きが良くないですからね……」
ξ゚⊿゚)ξ「駅着いたわよ」
(;><)づ「ちんぽっぽちゃん! 起きてください! 降り損ねちゃうんです!」ユサユサ
( ^ω^)「抱えて出た方が早いおね。みんな先に出ててくれお」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ、アンタが抱えるの? ちんぽっぽちゃんを?」
(*-ω- *)"
∩( ^ω^)「そりゃあ僕が適任だお。ツンさんの細い腕じゃ不安だし。
はいどっこいしょー」
ξ;゚⊿゚)ξ(さ……殺人鬼が小学生女児を背負ってる光景ヤバい……ヤバい……!!)
165
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:43:37 ID:uQdce99A0
(*-ω- *)
∩( ^ω^)「えーと、駅から徒歩で行けるんだっけ?」
( <●><●>)「はい。少しだけ距離はありますが」
(;><)「あの、西川お兄さん」
(*-ω- *)
∩( ^ω^)「おっ?」
ξ゚⊿゚)ξ(西川? あ、そっか。コイツの偽名か)
(;><)「その……ちんぽっぽちゃん重くないですか?」
(*‘ω‘ *)
∩( ^ω^)「平気だおー。軽いお」
( ><)"「なら良かったんです……ん?」
(*‘ω‘ *)
∩( ^ω^)
( ><)
(*‘ω‘ *)
(;><)
(*‘ω‘ *)「誰が重いって?」
(;><)「い、いやその……聞き間違い……じゃないですかね……?」
166
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:44:25 ID:uQdce99A0
(*‘ω‘ *)「聞き間違い? この私が?」
(;><)「は、はい! 聞き間違いなんです!」
(*‘ω‘ *)「私たち、友達だっぽね? ビロードは友達に嘘をつくような人じゃないっぽね?」
(;<●><●>)(ちんぽっぽが良心に訴えかけてる……!)
(;><)「……お、重いって言ったんです。ごめんなさい!」
(*‘ω‘ *)「許さんっぽ」
ξ;゚⊿゚)ξ(血も涙もない……!)
167
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:46:07 ID:uQdce99A0
ξ゚⊿゚)ξ「ていうか、アンタいつまでちんぽっぽちゃんをおぶってるのよ」
(*‘ω‘ *)
∩( ^ω^)「おっ?」
ξ゚⊿゚)ξ「絵面がマズイから早く降ろしてあげなさいよ」
( ><)「大丈夫なんです! 西川お兄さんはお父さんみたいに見えるんです!」
( ^ω^)「僕まだお父さんなんて歳じゃないんだけど」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタは絶対父親になっちゃダメな人間よね」
( <●><●>)「西川さんが父親なら、ツンさんは母親ですか?」
(*><)「なんです!」
_,,_ _,,_
ξ#゚⊿゚)ξ「「ないわ(お)」」(^ω^ )
(;><)(こんなに息ピッタリなのに?)
( <●><●>)(こんなに息ピッタリなのに……)
(*‘ω‘ *)「……降ろすっぽ」
( ^ω^)「おっ、もう眠くないかお?」
(*‘ω‘ *)「最初から眠くなんかないっぽ。おぶらせてやっただけだっぽ」
(;<●><●>)「ちんぽっぽ! 貴方はまたそんな言い方して……」
(ω‘ * )彡 プイッ
(;<●><●>)「まったく……」
( ^ω^)「おっおっおっ、大丈夫だおー」
(*><)「ちんぽっぽちゃんは、可愛げがないところが可愛いってやつなんです!」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなツンデレヒロインが好きな人に『可愛くない』って言われて気にするけど、最終的に言ってもらえるみたいなセリフどこで覚えてきたのよ」
( ^ω^)「何その詳細なツッコミ」
168
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:47:02 ID:uQdce99A0
( ^ω^)「おっ、観覧車が見えてきたお。あれが目的の遊園地かお?」
(*<●><●>)「はい、あの遊園地です!」
(*><)「みんな、遊園地まで競争するんです!」
(*‘ω‘ *)「どうせはしゃいでコケるのがオチっぽよ」
(;<●><●>)「ちんぽっぽ、言い方ってものがあるでしょう……」
(*‘ω‘ *)「遊園地に大はしゃぎした結果、つまづいて無様にも顔面から倒れるっぼよ」
(;<●><●>)「悪化した! ……ビロードが転んで怪我しないか心配ならそう言えばいいじゃないですか」
(*‘ω‘ *)「……ふん」
三(*><)「よーいドン!なんです!」ダッ
三ξ*゚⊿゚)ξ「負けないわよ!」ダッ
( ^ω^)「あ、ツンさんノるんだ……」
三三ξっ;゚⊿゚)ξっそ ズシャアアアァッ
(;><)「ツ、ツンお姉さあああああん!!?」
(;<●><●>)「いやツンさんが転ぶんかーい!!!」
(*‘ω‘ *)「口調変わってるっぽよ」
( ^ω^)「もー、何やってんだお……」
169
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:47:54 ID:uQdce99A0
( ^ω^)っ「大丈夫かお、ツンさん。立てるかお?」
:ξ;゚⊿゚)ξっ:「しょ、正直心のダメージの方が大きい……」
( ^ω^)「成人とは思えないガチのコケ方したもんね」
ξ;゚⊿゚)ξ「言うな……」
(;<●><●>)「大丈夫ですか!? 怪我は!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「膝擦りむいただけだから平気……心がいちばん痛い……」
( ><)「でもツンさん泣かなかったんです! 偉いんです!」
ξ;゚⊿゚)ξ「心は泣いてる……」
(*‘ω‘ *)っ⊂ ◽︎ ⊃「無様っぽ」スッ
ξ;゚⊿゚)ξ「うるせえ……絆創膏?」
(*‘ω‘ *)「……たまたま持ってただけだっぽ」
ξ゚ー゚)ξ「ありがとう、ちんぽっぽちゃん」
(*‘ω‘ *)「……どういたしましてだっぽ」
170
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:49:08 ID:uQdce99A0
(*><)「遊園地に着いたんですー!」
ξ゚⊿゚)ξ「着くまでに10レス以上かかるとは思わなかったわ」
( ^ω^)「黙るおツンさん」
(*<●><●>)「まず何から乗ります?」
(*‘ω‘ *)「ジェットコースター」
(;><)「ジェットコースターは苦手なんです……」
(*‘ω‘ *)「ジェットコースター」
(;><)「……ジェットコースターは苦(*‘ω‘ *)「ジェットコースター」
(;><)「……」
(*‘ω‘`*)「ジェットコースター……ダメっぽ?」シュン
(*><)「……ジェットコースター乗るんです!」
(*‘ω‘ *)(チョロい)
ξ゚⊿゚)ξ「ビロードくんチョロいわね……」
( ^ω^)「え、ツンさんが言う?? ツンさんが???」
ξ゚⊿゚)ξ「何よ、私は『難攻不落の津出』と呼ばれた女よ」
( ^ω^)「妄想でしょ?」
ξ゚⊿゚)ξ「妄想じゃねぇよ」
(*><)「二人ともー! 早く早くなんですー!」
( ^ω^)「おっ、今行くおー」
171
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:52:22 ID:uQdce99A0
(,,^Д^)っ「安全ベルト装着しまーす」ガチャン
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、はい」
( ^ω^)「ツンさんはジェットコースター苦手かお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「いや普通……なんだけど、ここのジェットコースター高くない?」
( ^ω^)「怖いのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「少し……」
ξ;゚⊿゚)ξ(……これって励ましてくれるパターン?)
( ^ω^)「クソワロ」
ξ#゚⊿゚)ξ「そうよね! アンタはそういう奴よね!!
アンタに励まされたところでキッショいだけなんだけども!!」
( ^ω^)「僕に励まされたかったのかお? キッショい」
ξ#゚⊿゚)ξ「励まされたかったなんて一言も言ってないわ!!」
172
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:53:33 ID:uQdce99A0
(*‘ω‘ *) ワクワク
(;><)「……」
( <●><●>)「ビロード、大丈夫ですか?」
(;><)「だ、大丈夫じゃないんです……。身長制限に引っかかる可能性に賭けたのに……」
( <●><●>)「問題ありませんでしたね」
(*‘ω‘ *) ウキウキ
(,,^Д^)ノシ「いってらっしゃーい」
(;><)そ「ヒッ、ついに……!」
173
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:54:32 ID:uQdce99A0
(;><)「ちょ、まだ登るんですか!? 高すぎません!?」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽっぽ、いいぞいいぞ……もっと登るっぽ……」
(;><)「なんでちんぽっぽちゃんは魔王みたいな顔してるんです!?」
( <●><●>)「ビロード、落ち着いてください。大丈夫ですよ」
(;><)「うう……なんでそんなに冷静でいられるのかわかんないんです……」
:( <●><●>):「ややややだなぁれれれれ冷静だなんてそそそんな」ガタガタガタ
(;><)「強がってただけですか!!」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽっぽっぽっ……」
(;><)(……もしかしてちんぽっぽちゃんも強がってるだけ……?)
+。:.゚(*‘ω‘ *).:。+゜。「最高点きたっぽ……!」ウキウキワクワク
(;><)(純粋にジェットコースター好きなだけですか……。
って、最高点?)
( <●><●>)「ビロード、私が死んだら後は頼みます」フッ…
(;><)「ジェットコースターで死にませんから! だからそんな微笑まn」ガクンッ
174
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:55:21 ID:uQdce99A0
(;><)「キャアアアアアアアアアアア!!!!」ゴオオオオ
(*‘ω‘ *)「ぽっぽっぽ!! この速さを求めてたんだっぽ!!!」ゴオオオオ
( <○><○>) ゴオオオオ
(;><)「ワカッテマスくん白目剥かないでください!!!」ゴオオオオ
< ウオ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛
< ナンツーコエダシテンダオ
(;><)「後ろから低い叫び声が聞こえるんですけどツンお姉さん!? ツンお姉さんなんですか!?」ゴオオオオ
(*゚ω゚*)「ぽーっぽっぽっぽっぽっ!!!!」ゴオオオオ
175
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:56:17 ID:uQdce99A0
(*‘ω‘ *)「ジェットコースター楽しかったっぽね」
(;><)「……なんか、ツッコンでたら冷静になっちゃったんです」
( <○><○>)
(;><)ノシ「ワカッテマスくーん? いつまで白目なんですか?」
ξ ⊿ )ξ「……」
( ^ω^)「大丈夫かお? 男でもなかなか出せないようなクソ低い声出してたけど」
ξ ⊿ )ξ「うるさい……」
176
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:57:16 ID:uQdce99A0
( ^ω^)「次どうするお?」
(*‘ω‘ *)「絶叫系巡りたいっぽ」
(;><)「ついさっき二人ほどジェットコースターにやられたばかりなんですけど……」
( <○><○>)
ξ ⊿ )ξ
( ^ω^)「じゃあちょっと早いけど昼ごはん食べるかお?」
(*><)「食べたいんです!」
ξ ⊿ )ξ「……私、お金ないけど」
( ^ω^)「僕が出すから」
ξ*゚∀゚)ξ「よっしゃ!! 人の金で飯!!」
( ^ω^)「うわ復活したムカつくなあ」
177
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:58:07 ID:uQdce99A0
ξ*゚〜゚)ξ「ハンバーガー美味しい。人の金で食べてるから余計に美味しく感じるわ」モグモグ
( ^ω^)「最低」モグモグ
ξ゚⊿゚)ξ「そう言うアンタは趣味が最低よね」
( ^ω^)「趣味じゃないお。呼吸みたいなもんっていうか……」
ξ゚⊿゚)ξ「より最低」
( ><)「なんのお話ですか?」
ξ;゚⊿゚)ξ「なんでもない! なんでもないから!」
( ^ω^)「実は僕はね……」
ξ;゚⊿゚)ξ「やめろ!!」
178
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:59:00 ID:uQdce99A0
(*><)「美味しかったんです!」
( <●><●>)「どうします? 何に乗ります?」
(*‘ω‘ *)「絶叫系」
(;<●><●>)「食べたばかりなのに?」
ξ゚⊿゚)ξ「もうちょっとゆったりしたのがいいわ。コーヒーカップとか?」
(;<●><●>)「食べたばかりなのに!?」
179
:
名無しさん
:2017/11/18(土) 23:59:57 ID:uQdce99A0
ξ*゚⊿゚)ξづ「回せ回せー!!」グルグルグル
( ^ω^)「回しすぎ」グルグルグル
(;<●><●>)「結局、食後なのにコーヒーカップ乗るんですね……」
"⊂(*‘ω‘ *)「回せ回せーっぽ」グルグルグル
(*><)づ「ツンお姉さんと西川お兄さんに負けないくらい回すんです!!」グルグルグル
(;<●><●>)「ちょっ、勘弁してください!」グルグルグル
ξ*゚⊿゚)ξづ「私たちも負けないわよ! それーっ!!」グルグルグル
( ^ω^)「ツンさん大丈夫かお? そんなに回って」グルグルグル
ξ*゚⊿゚)ξつ「大丈夫って何が……」
ξ;゚∩゚)ξ「うぷっ」
( ^ω^)「ほーら言わんこっちゃない」
180
:
名無しさん
:2017/11/19(日) 00:00:57 ID:NZkAS.5s0
ξ;-⊿-)ξ「……」
(;><)「大丈夫ですか?」
(*‘ω‘ *)「ベンチに座るっぽ」
(;<●><●>)「西川さんが飲み物買いに行ってるから待っててください」
ξ;-⊿-)ξ「ありがとう……」
( ^ω^)っロ「ほらツンさん、お茶」
ξ;-⊿-)ξっロ「悪いわね……。皆、私に構わず遊んできていいわよ」
(;><)「でも……」
ξ;゚⊿゚)ξ「後で追いつくから。せっかく来たのにろくに遊べなかった、なんて思ってほしくないから」
(*‘ω‘ *)「……分かったっぽ」
(;><)「ちんぽっぽちゃん……」
(*‘ω‘ *)「ツンさんの気持ちを無駄にしちゃダメだっぽ。ほら、早く」
( <●><●>)「……行きましょう」
(;><)「はい……。すぐに追いついてくださいね!」
ξ;゚⊿゚)ξ(一連の流れがなんか妙に死亡フラグっぽいのは何故)
( ^ω^)「やったー! 何乗る何乗る!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「アンタは残れよ!!」
181
:
名無しさん
:2017/11/19(日) 00:02:28 ID:NZkAS.5s0
ξ;゚⊿゚)ξ「それにしても、皆よく酔わずに平気でいられるわね……」
( ^ω^)「歳だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「とっ……!? ま、まだ大学生よ私!」
( ^ω^)「小学生からしたら……ね?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そのハッキリとは言わないけど仄めかす感じやめろ!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ていうか、アンタも平気そうよね」
( ^ω^)「歳だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ、アンタって私より年下!?」
( ^ω^)「ツンさんよりは上だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「びっくりした……。年寄りなのになんでケロッとしてんのよ。酔えよ」
( ^ω^)「年寄りってほど上じゃねえお。まあ、僕はツンさんみたいな不健康な生活は送ってないから」
ξ゚⊿゚)ξ「クソッ、健康サイコパスめ……」
( ^ω^)「なにそのワード。で、落ち着いたかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、もう平気。ビロードくんたちのところ行きましょうか」
182
:
名無しさん
:2017/11/19(日) 00:03:29 ID:NZkAS.5s0
ξ゚⊿゚)ξ「皆どこかしら?」
( ^ω^)σ「……あっ、多分あそこだお」
ξ゚⊿゚)ξ「あれは……フリーフォール?」
「キャアアアアアア!!!! 怖いんですううううううう!!!!」
「ぽーっぽっぽっぽっぽっぽっ!!!!」
「……」
「ワカッテマスくん白目剥かないでください!!」
ξ゚⊿゚)ξ「聞こえるわね……声が……」
( ^ω^)「僕らもフリーフォール並ぶかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「いや、いいわ……乗らない……」
( ^ω^)σ「じゃあ、あれ乗るお」
ξ;゚⊿゚)ξ「あれって?」
( ^ω^)「メリーゴーランド」
ξ;゚⊿゚)ξ「この歳で……?」
( ^ω^)「ツンさん一人で乗ってきて」
ξ;゚⊿゚)ξ「拷問かよ……」
183
:
名無しさん
:2017/11/19(日) 00:04:25 ID:NZkAS.5s0
ξ゚⊿゚)ξ
ξ;゚⊿゚)ξ「いや、なんで結局メリーゴーランド乗ってるのよ私は! しかも一人で!!」
( ^ω^)っロ「ツンさんこっち向いてー」パシャパシャパシャ
ξ;゚⊿゚)ξ「撮るな!!」
( ^ω^)っロ パシャシャシャシャシャシャ
ξ;゚⊿゚)ξ「連写やめろや!!!」
( ><)「あっ、ツンお姉さんたちいたんです!」
( <●><●>)「メリーゴーランドですか」
(*‘ω‘ *)「一人で乗ってるのかっぽ」
ξ;゚⊿゚)ξ「やめて!!!」
184
:
名無しさん
:2017/11/19(日) 00:05:27 ID:NZkAS.5s0
ξ;゚⊿゚)ξ「アンタ、写真消しときなさいよ……」
( ^ω^)「分かったお。バックアップ取っておくね!」
ξ;゚⊿゚)ξ「それだけはやめろ!!」
(*><)「次何乗ります?」
(*‘ω‘ *)「絶叫系」
(;<●><●>)「そればっかりですね、ちんぽっぽは」
(*><)「ツンお姉さんも西川お兄さんも早く行くんです!」
ξ;゚⊿゚)ξ「分かった分かった。……アンタ、本当に写真消しなさいよ?」
( ^ω^)「遊園地楽しいおね!」
ξ;゚⊿゚)ξ「消せってば! ちょっと!!」
185
:
名無しさん
:2017/11/19(日) 00:06:24 ID:NZkAS.5s0
────
──
(*><)「いっぱい遊んだんです……」
(*<●><●>)「楽しかったですね」
(*‘ω‘ *)「最後に観覧車乗るっぽ」
ξ;゚⊿゚)ξ「……若い子の体力ってすごいわね……」
( ^ω^)「ツンさんはもっと運動した方がいいお」
ξ;゚⊿゚)ξ「くっ、ピンピンしやがって……」
( <●><●>)「観覧車は四人乗りですから、三人と二人で分かれましょう」
( ^ω^)「僕ら四人とツンさん一人ってのはどうだお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「どうだお? じゃねえ!」
186
:
名無しさん
:2017/11/19(日) 00:07:45 ID:NZkAS.5s0
ξ゚⊿゚)ξ「結局私とアンタで乗るのね」
( ^ω^)「まあ、そりゃそうなるお」
ξ゚⊿゚)ξ「殺人鬼と小学生で乗せるわけにはいかないもの」
( ^ω^)「男も幼女も殺さねえお。そもそもツンさんを殺すまでは誰も殺さないお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうだったわね。……景色が綺麗ね」
( ^ω^)「ツンさんの方が綺麗だお」
ξ゚⊿゚)ξ「しれっと言うわねアンタは。ときめかねぇ〜」
( ^ω^)「ときめかれたらキッショいからそれでいいお」
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、この観覧車って窓開く?」
( ^ω^)「開かないお。開けようと思えば壊して開けることはできるけど。
なんで?」
ξ゚⊿゚)ξ「この高さから飛び降りれば即死かなーと」
( ^ω^)「ビロードくんたちに一生残るトラウマ植えつける気かお?」
ξ゚⊿゚)ξ「言ってみただけよ」
( ^ω^)「そんなことしなくても殺してあげるお」
ξ゚⊿゚)ξ「殺してよ。ヘイカモン!」
( ^ω^)「そういう感じだから嫌なんだってば……」
ξ゚⊿゚)ξ「今なら密室殺人事件になるわよ」
( ^ω^)「犯人が僕で確定するじゃないかお」
第7話 『しゅっぱつ』 終
187
:
名無しさん
:2017/11/19(日) 00:16:53 ID:HaN9AjyA0
乙。三人組に癒された……
188
:
名無しさん
:2017/11/19(日) 01:54:16 ID:56YHx5dU0
乙
ツンのヒロイン度が地に着いてる
189
:
名無しさん
:2017/11/19(日) 07:44:05 ID:DEq0WMYU0
人の金で飯!!!←この躊躇い潔さよ
190
:
名無しさん
:2017/11/19(日) 13:27:33 ID:gasb5ZXg0
健康サイコパス
191
:
名無しさん
:2017/11/19(日) 18:56:25 ID:1LEGsi9M0
乙
192
:
名無しさん
:2017/11/19(日) 20:13:19 ID:bPnDr/kcO
乙
ひもじいツン可愛い
193
:
名無しさん
:2017/11/25(土) 14:15:05 ID:0Jm6qH7c0
なんとも言えない距離感でいい
乙
194
:
名無しさん
:2017/11/29(水) 14:26:55 ID:tMuPC9I60
乙
195
:
名無しさん
:2017/11/30(木) 06:50:12 ID:anndUCTw0
乙です
196
:
名無しさん
:2018/01/01(月) 21:20:27 ID:CEO3dbXI0
好き
197
:
名無しさん
:2018/01/03(水) 21:48:13 ID:ZXbw9w6E0
好き
198
:
名無しさん
:2018/01/07(日) 22:50:10 ID:2kSD1OpI0
待ってるぞ
199
:
名無しさん
:2018/01/24(水) 08:53:12 ID:4Bho/gGY0
早く死にたがりスイッチ入れてよおおおおんほおおおおおおおお!!!
200
:
名無しさん
:2018/01/25(木) 09:41:43 ID:71PBX2XI0
ブンツンドーからきました
すごいすきです
201
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:03:55 ID:sr5Az1X20
(( ξ゚⊿゚)ξ(今日も今日とて再履修の講義)
(( ξ゚⊿゚)ξ(しかも必修)
(( ξ゚⊿゚)ξ(はぁーしんど)
ミセ*゚ー゚)リノ「あっ、ツン!」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、ミセリ。ミセリも再履修の講義受けに来たの?」
ミセ*゚ー゚)リ「そんなわけないじゃーん。これからゼミあるから来ただけだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「抉ってきよるわ」
ミセ*゚ー゚)リ「これからお昼? 一緒に食べようよ」
ξ゚⊿゚)ξ「いいわよ」
202
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:04:58 ID:sr5Az1X20
ミセ*゚ー゚)リ「ツンいつもミニうどん頼むよね」
ξ゚⊿゚)ξ「安いじゃない」
ミセ*゚ー゚)リ「ツンって倹約家だよねー」
ξ゚⊿゚)ξ「いや、ガチの金欠」
ミセ*゚ー゚)リ「席ここでいい?」
ξ゚⊿゚)ξ「いいわ」
ミセ*゚ー゚)リ人「いただきまー……あ」
(*゚ー゚)「ミセリちゃん久しぶりー! 隣いい?」
ξ゚⊿゚)ξ(……ああ、ギコくんの彼女のしぃさんね)
ミセ;゚ー゚)リ「う、うん! 座って座って!」
(*゚ー゚)「ありがとう。……えーと、津出さん、だよね?」
ξ゚⊿゚)ξ「えっアッハイ」
(*゚ー゚)「津出さん有名だから話してみたかったんだ! 私、猫田しぃ! よろしくね!」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ、私のクソポンコツっぷりはそんなに有名になってるの?」
ミセ;゚ー゚)リ「いやいやいや、美人だから有名に決まってるじゃん!」
(*^ー^)「津出さんったら冗談うまーい!」
ξ゚⊿゚)ξ(冗談じゃなく本気で言ってるんだけどなぁ。うわぁ笑顔かっわいい超美少女じゃん)
203
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:05:45 ID:sr5Az1X20
(( (,,゚Д゚)「おう、しぃ」
(*゚ー゚)「あっ、ギコくん!」
ξ゚⊿゚)ξ(出た出た彼氏様だーはいはいリア充リア充はいはいはい)
ミセ*゚ー゚)リ(私もツンもギコくんのこと気になってたからちょっと気まずいな……)
ξ゚⊿゚)ξ(……待てよ、この展開はもしや……)
(*゚ー゚)「ミセリちゃん、津出さん。ギコくんも一緒に食べていい?」
ξ゚⊿゚)ξ(はい出たーーーーこの展開ーーーーーー)
204
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:06:41 ID:sr5Az1X20
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
第8話 『しりたい』
.
205
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:07:05 ID:s0EOAhzU0
きったああああああああ!!?!?
206
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:07:36 ID:sr5Az1X20
ミセ;゚ー゚)リ「う、うん! いいよー!」
ξ゚⊿゚)ξ「……私も構わないわよ」
(,,゚Д゚)"「いいのか? じゃあ、邪魔するぞ」
ξ゚⊿゚)ξ(なんで私の隣座るんだよーー気まずいだろがーーー)
ξ゚⊿゚)ξ(ミセリの向かいに私、ミセリの隣にしぃさんが座ってるから余ってるの私の隣だけなのは分かるけどさーーーー)
ミセ;゚ー゚)リ「あ、私とギコくんの席替わろうか? しぃと隣の方がいいでしょ?」
ξ゚⊿゚)ξ(よっしゃミセリナーイス!!)
(*゚ー゚)「大丈夫だよー、そんなの気にしなくて」
(,,゚Д゚)「ああ、気にすんなよ」
ξ゚⊿゚)ξ(こっちが気にするんだよ!!!)
207
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:08:52 ID:sr5Az1X20
ξ゚⊿゚)ξ(気まずいよー気まずいー。失恋って言うほど大層なもんじゃないけど気まずいよー)
(*゚ー゚)「皆、就活どんな感じー?」
ξ゚⊿゚)ξ(ンモオオオすぐその話題出す!! 地雷でーす地雷でーす!!)
ミセ*゚ー゚)リ「私は一応、第一志望から内定出たよ」
(*゚ー゚)「すっごーい! 津出さんは?」
ξ゚⊿゚)ξ(フレンズかよ……つーかこっちにパスすんじゃねぇよ……)
(*゚ー゚)「? 津出さん?」
ξ゚⊿゚)ξ「た、多分こないだ面接受けたとこ内定モラエルンジャナイカナァ〜」
ξ゚⊿゚)ξ(内定どころかそもそも最終面接までいかないんだけども)
(*゚ー゚)「そっかぁ。ギコくんも結果待ちだったよね?」
(,,゚Д゚)「おう。結構自信あるぞ」
ξ゚⊿゚)ξ(でしょうねえええ可愛い彼女がいるうえに成績優秀で可愛い彼女がいるもんねええええ自信しかないよねえええええ)
ξ゚⊿゚)ξ(オマケに定食頼んでるし……私のうどんの3倍くらいの値段するのよねアレ……)
ξ゚⊿゚)ξ(くそっ、セレブめ……!!)
(,,゚Д゚)(なんか津出が俺の定食めっちゃ見つめてくる……)
208
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:09:52 ID:sr5Az1X20
(,,゚Д゚)「まあ、結果待ちって言っても別の企業で内定は出てるんだけどな」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ」
(,,゚Д゚)「今結果を待ってるとこに受かったらそこに決めるつもりでいるんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「へ、へぇぇ……し、しぃさんは就活どんな感じ?」
(*゚ー゚)「私も既に内定貰ってるよー」
ξ゚⊿゚)ξ「うぐおおおひぎいいぃぃぃぃやめろおおおおぉぉぉぉぉ」
ミセ;゚ー゚)リ「ツンが真顔で大ダメージ受けてる!!」
ξ゚⊿゚)ξ「死にたい」
(,,゚Д゚)「おいおい、死にたいなんて簡単に言うなよ」
(*゚ー゚)「大丈夫だよー、これから内定出るって!」
ξ゚⊿゚)ξ「ハハッ……」
ミセ;゚ー゚)リ(すごく乾いた笑いだ……)
(,,゚Д゚)「死にたいなんて言ってたら、あの殺人鬼が嬉々として殺しに来るかもしれないぞー?」
ξ゚⊿゚)ξ(嬉々としてどころかクソ萎えられたけど)
(*゚ー゚)「もー、ギコくん怖いこと言わないで!」
ミセ*゚ー゚)リ「そういえば、最近ニュースで見ないよね」
(,,゚Д゚)「世間が油断したところでまた出てくるんじゃないか?」
ξ゚⊿゚)ξ(私を殺すまでは他の人を殺さないこだわりがあるから殺してないだけなのよね)
209
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:10:50 ID:sr5Az1X20
(,,゚Д゚)「気をつけろよ、案外身近にいるかもしれないからな」
ξ゚⊿゚)ξ(身近どころか何度も会ってるんだよなぁ)
(*゚ー゚)「ギコくん、怖いってばー」
(,,゚Д゚)「わりいわりい。まあ、用心するに越したことはないさ。本当に身近にいるかもしれないし」
ミセ;゚ー゚)リ「もし、同じ大学の人とかだったら怖いよね……」
ξ゚⊿゚)ξ(同じ大学ではないけどミセリは既に会ってるのよね)
(;゚-゚)「もー、ミセリちゃんまでやめてよー……もし本当に同じ大学に殺人鬼がいたら怖いよ……」
(,,゚Д゚)「まあ、可能性がないわけじゃないよな」
ξ゚⊿゚)ξ「いや、その心配はないっていうか……」
ミセ;゚ー゚)リ「分かんないじゃん!」
ξ゚⊿゚)ξ「いや……あー……うん、そうね」
210
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:11:48 ID:sr5Az1X20
(;゚-゚)「もう……怖くなっちゃったじゃん……」
(,,゚Д゚)「しぃは可愛いからな、殺人鬼に狙われかねないぞ」
(;゚-゚)「もー! やめてってばー!」
(,,*゚Д゚)「ははは、すまんすまん。しぃの反応が可愛いからつい、な。からかいたくなるんだ」
(;*゚ー゚)「んもー、津出さんとミセリちゃんが見てる前で恥ずかしいよ……」
ξ゚⊿゚)ξ(なんでトドメを刺すかのようにイチャつき始めるの)
ミセ;゚ー゚)リ「……ほ、ほんとラブラブだよねー、二人」
ξ゚⊿゚)ξ(ほらー、ミセリも気まずそう)
(*^ー^)「ラブラブだなんて照れちゃうなぁ」
(,,*゚Д゚)「本当のことだろう?」
(*^ー^)「ギコくんったらー!」
ξ゚⊿゚)ξ(つらい)
211
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:12:43 ID:sr5Az1X20
(*゚ー゚)「ね、ね、津出さんとミセリちゃんはどうなの? 好きな人とかいないの?」
ξ゚⊿゚)ξ(更につらい)
(,,゚Д゚)「しぃはそういう話好きだよなー」
(*゚ー゚)「だって、気にならない?」
(,,゚Д゚)「まあ、誰が誰を好きとか、誰と誰が付き合ってるかとかってついつい気になったりはするよな」
(*゚ー゚)「だよねー! で、どうなのどうなの?」
ミセ;゚ー゚)リ「い、今はいないかなー……ほら、忙しいしね!」
ξ゚⊿゚)ξ(言えねえよなぁ〜、私とミセリはあなたの彼氏が気になってましたーなんて言えねえよなぁ〜〜)
(*゚ー゚)「えー、いないのー? 津出さんは?」
ξ゚⊿゚)ξ「私もミセリと同じね」
(*゚ー゚)「二人とも告白されたりしないのー?」
ミセ*゚ー゚)リ「ツンはよく告白されるよね」
ξ゚⊿゚)ξ(こっちにパスすんのやめろやあああ)
212
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:13:31 ID:sr5Az1X20
(*゚ヮ゚)「津出さんやっぱりモテるんだ! 誰かと付き合ったりしないの?」
ξ゚⊿゚)ξ「よく知らない人と付き合ってもしょうがないし……」
ミセ*゚ー゚)リ「振りまくってるうちに『難攻不落の津出』なんて呼ばれるようになったもんね」
(,,゚Д゚)「友達が『津出は高嶺の花だ』って言ってたな」
ξ゚⊿゚)ξ「高嶺の花……? ラフレシアの間違いでは……?」
(,,゚Д゚)「真顔で何言ってんだ」
(*゚ー゚)「付き合いながらお互いを知っていくのもアリだと思うよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「うーん……」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、そういえばツン、西川さんとは結局どうなの?」
(*゚ヮ゚)「えっ、だれだれだれ!? どんな関係!?」
ξ゚⊿゚)ξ(なんもねぇよぉ……)
213
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:14:23 ID:sr5Az1X20
ミセ*゚ー゚)リ「ちょっとした知り合いって言ってたけど、結局のところどんな関係なのか気になってたんだよねー」
(*゚ー゚)「どんな人どんな人!?」
(,,゚Д゚)「俺も気になるな」
ξ゚⊿゚)ξ「急に3対1かよ〜〜〜……」
ξ;゚⊿゚)ξ(どんな人って……サイコパスな殺人鬼……言えねえ……)
(*゚ー゚)「同じ大学の人!?」
ξ゚⊿゚)ξ「いや、違うわね」
(*゚ー゚)「年上!? 年下!? それとも同い年!?」
ξ゚⊿゚)ξ「あー……私より年上だって言ってたわ」
(,,゚Д゚)「ってことは社会人か?」
ξ゚⊿゚)ξ「うーん、た、多分……?」
(;,゚Д゚)「多分ってなんだよ」
ミセ*゚ー゚)リ「なんか暗殺業やってるとかって言ってたよね」
(;゚-゚)「ええっ!?」
ミセ*゚ー゚)リ「暗殺業ってのはさすがに冗談だよー。ね、ツン」
ξ;゚⊿゚)ξ「た、多分……?」
ミセ;゚ー゚)リ「多分ってなに!?」
214
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:15:19 ID:sr5Az1X20
ミセ;゚ー゚)リ「……あ、もうこんな時間! もうすぐゼミ始まっちゃう! 私、先行くね!」
(;,゚Д゚)「もうそんな時間か……」
(;*゚ー゚)「おしゃべりしすぎちゃったね……私も行かなきゃ」
ξ゚⊿゚)ξ「再履修の講義しんど〜〜」
(*゚ー゚)「津出さん、お話しできて楽しかったよ! またお話聞かせてね!」
ξ゚⊿゚)ξ「あ……う、うん」
(*^ー^)ノシ「行こ、ギコくん! 津出さんまたねー!」
ξ゚⊿゚)ξノシ
ξ゚⊿゚)ξ「ええ子やなぁ……」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ξ゚⊿゚)ξ(私、アイツのこと全然知らないわね)
215
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:16:08 ID:sr5Az1X20
────
──
ξ゚⊿゚)ξっ|扉「ただいまーっと」ガチャッ
⊂ξ゚⊿゚)ξ バタン
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ξ;゚⊿゚)ξっ|扉 ガチャッ
( ^ω^)"「うおっ」
ξ;゚⊿゚)ξ「アンタまた鍵壊そうとしてたでしょ!?」
( ^ω^)「よく気づいたおね」
ξ;゚⊿゚)ξ「猛烈に嫌な予感がしたから……いつからいたのよ」
( ^ω^)「帰り道の途中からずっと後ろにいたお」
ξ;゚⊿゚)ξ「ストーカーじゃないのこっっっわ」
( ^ω^)「ストーカーより殺人鬼の方が怖くない?」
ξ;゚⊿゚)ξ「いやいやいや、ストーカーの方が怖いわよ!」
( ^ω^)「えー……殺人鬼的にちょっとショック……」
216
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:17:19 ID:sr5Az1X20
ξ゚⊿゚)ξ「……ねぇ」
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタってさ、なんで人を殺すようになったの?」
( ^ω^)「なんでそんなこと訊くんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「気になったから。それに……私、アンタのこと対して知らないし」
( ^ω^)「僕の話なんか面白くないお」
ξ゚⊿゚)ξ「面白さなんか求めてないわよ」
( ^ω^)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「聞かせてよ」
( ^ω^)「……僕が最初に殺したのは母親だったお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……えっ」
( ^ω^)「美人だったんだけど、情緒不安定な人でね。ヒステリックって言った方がいいのかな」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「そんな母に父は嫌気がさして家を出て行ったお。それからだおね、母が狂い始めたのは」
ξ;゚⊿゚)ξ「ね、ねえ、結構重い感じの話……?」
( ^ω^)「まあ、黙って聞くお」
217
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:19:18 ID:sr5Az1X20
( ^ω^)「父が家を出ていってからの母はそりゃあすごかったお。酒に溺れて発狂して……」
( ^ω^)「で、次第に僕に暴力を振るうようになったお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「最初は我慢してたけどそのうちプッツーンときちゃってね。殺しちゃった」
ξ;゚⊿゚)ξ「!」
( ^ω^)「母の美しい顔が恐怖と苦痛に歪んで、悲鳴がか細くなっていく様は、それはそれは美しかったお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「なーんてね、うっそで〜すwwwwwwwwwww」
ξ;゚⊿゚)ξ「……は?」
218
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:19:57 ID:sr5Az1X20
( ^ω^)「作り話でした〜〜wwwwww僕はただのシリアルキラーで〜〜〜すwwwwwwwwwww」
ξ;゚⊿゚)ξ「は、えっ? 嘘!?」
( ^ω^)「嘘」
ξ;゚⊿゚)ξ「……本当に嘘なの?」
( ^ω^)「さあね」
ξ;゚⊿゚)ξ「……嘘なのか本当なのかどっちなのよ」
( ^ω^)「さあね〜」
219
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:20:54 ID:sr5Az1X20
ξ;゚⊿゚)ξ「……何がしたいのよ、アンタは」
( ^ω^)「まともに自分のことを語るつもりはないってことだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「なんでよ……」
( ^ω^)「ミステリアスなカリスマ殺人鬼とかかっこいいじゃないかお」
ξ゚⊿゚)ξ「得体の知れない変態サイコパス殺人鬼でしかないわ」
( ^ω^)「変態はいらないかな〜」
220
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:21:45 ID:sr5Az1X20
ξ゚⊿゚)ξ「あ、じゃあアンタ名前は?」
( ^ω^)「内藤ホライゾン。最初にツンさん家に来た時に名乗ったじゃないかお」
ξ゚⊿゚)ξ「それは偽名じゃないのね」
( ^ω^)「そりゃあね。僕の手で殺される女性の記憶に僕の名前を刻みつけたいからね」
ξ゚⊿゚)ξ「記憶に刻みつけたところですぐ殺しちゃうんでしょ?」
( ^ω^)「だからこそだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……よく分かんないわ、アンタのその殺しに対する美学」
( ^ω^)「分かってもらおうとは思ってないからそれでいいお」
221
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:22:36 ID:sr5Az1X20
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、仕事は何してるの?」
( ^ω^)「んー……暗殺業?」
ξ;゚⊿゚)ξ「それは嘘でしょ?」
( ^ω^)「信じるか信じないかは、あなた次第です」
ξ;゚⊿゚)ξ「うわー胡散臭い。そもそもアンタの存在が胡散臭いけども」
( ^ω^)「胡散臭くなんかないおーフローラルフローラル」
ξ;゚⊿゚)ξ「フローラルなサイコパスってなんかやだ……」
222
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:24:15 ID:sr5Az1X20
( ^ω^)「僕のことなんてどうでもいいじゃないかお。終了終了」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、待ちなさいよ。もう少しだけ」
( ^ω^)「なんだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……アンタって今まで何人殺してきたの?」
( ^ω^)「それ聞いてどうするんだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「どうもしないわよ。単に気になるから……」
( ^ω^)「正直、覚えてないお」
ξ;゚⊿゚)ξ「覚えてないの?」
( ^ω^)「正確に言うと殺した男の人数は覚えてないんだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「アンタって男も殺したことあるのね……」
( ^ω^)「仕方なく、ね。殺した女性の彼氏にたまたま気付かれたりとか。ヘマして警察に見つかったときとか」
ξ;゚⊿゚)ξ「警察に見つかったの?」
( ^ω^)「うっかりだお。あの時はまだ経験が浅かったから、注意が散漫だったんだお。
顔を見られた警察官は全滅させてやったお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ぜ、全滅」
( ^ω^)「僕は男もそこそこの人数を殺してるはずだお。でも殺した男の人数なんか覚える価値もないお」
(#^ω^)「大体さあ、男は肉が硬いから包丁刺しづらいし悲鳴は野太いし苦痛に歪む顔とかクソ萎えるし僕にメリットがなんっっっにも無いんだお!!
男を殺す機会なんか二度と訪れてほしくないお!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「落ち着きなさいよ、ヒッヒッフー」
( ^ω^)「何も産まれないお」
223
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:25:20 ID:sr5Az1X20
ξ;゚⊿゚)ξ「……ていうか、殺した女の人数は覚えてるってことなの?」
( ^ω^)「当たり前だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「…………何人?」
( ^ω^)「聞きたいかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……やっぱいい」
( ^ω^)「ツンさんにしては珍しく賢明な判断だおね」
ξ;゚⊿゚)ξ(一体どれだけの人数を殺してきたのよコイツは……。もはや私が通報するべきでは……)
( ^ω^)(通報しても警察の人間が死ぬだけだお。それに、億が一に僕が捕まってしまったらツンさんを殺すことはできなくなっちゃうお?)
ξ;゚⊿゚)ξ「あーそのナチュラルにテレパシー使ってくる感じ久しぶりだわ……」
224
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:26:52 ID:sr5Az1X20
( ^ω^)「はい僕の話は終了〜」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、待ちなさいよ!」
( ^ω^)「ダメでーす。これ以上は何訊いても『かにぱん』としか答えないお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……好きな食べ物は?」
( ^ω^)「かにぱん」
ξ;゚⊿゚)ξ「アンタの名前は?」
( ^ω^)「かにぱん」
ξ;゚⊿゚)ξ「明日の天気は?」
( ^ω^)「かにぱん」
ξ;゚⊿゚)ξ「アンタが人を殺す時の武器は?」
( ^ω^)「かにぱん」
ξ゚⊿゚)ξ「……かにぱん食べたくなってきたわ」
( ^ω^)「一緒にコンビニ行くかお」
第8話 『しりたい』 終
225
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:40:15 ID:Cq0C0UII0
乙!
待ってました!
226
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:42:56 ID:s0EOAhzU0
乙
どんだけ手際いいんだ内藤
227
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 19:47:39 ID:F9mtoCbA0
おつおつ!内藤怖すぎわろた
228
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 20:15:02 ID:9FGNNtdU0
乙!
相変わらずブンツンのテンポの良い会話の応酬好きだわ〜
229
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 20:55:21 ID:SZZ0irR60
相変わらず面白い、乙です
続き待ってます
230
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 21:50:49 ID:hQMpZZtQ0
乙
231
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 22:14:14 ID:gu7q5ciY0
乙
人間関係って大変ダヨネ!
232
:
名無しさん
:2018/02/10(土) 11:04:38 ID:oImBg3ig0
乙
掛け合い大好き
233
:
名無しさん
:2018/02/25(日) 18:17:50 ID:bw5Dxo5g0
殺人鬼が微笑むの掛け合い思い出すな
234
:
名無しさん
:2018/03/15(木) 03:24:52 ID:XYq0u/tE0
かにぱんて誰がいつどのタイミングで食うものなのかさっぱりわからねえ
235
:
名無しさん
:2018/04/08(日) 12:41:13 ID:Yr4PaFUs0
めっちゃおもろい
< ウオ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛
< ナンツーコエダシテンダオ
が一番好き
236
:
名無しさん
:2018/05/30(水) 00:00:53 ID:gk4xyXsI0
続きマダー?
237
:
名無しさん
:2018/06/09(土) 19:58:35 ID:xMi4yacs0
おうあくしろよまじ
お願いします
238
:
名無しさん
:2018/06/22(金) 14:46:16 ID:C3nwymAE0
chinko
239
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:11:16 ID:qi7Hya9I0
( ^ω^)σ" ピポピポピポピポ
( ^ω^)「出ないおねー。留守かお?」
( ^ω^)「ハッ……! ツンさんったら、僕に鍵を壊してほしくてわざと出ないんじゃ……!?」
( ^ω^)づ「まったくもぉーそういうことならしょうがないなぁー」バキィッ
( ^ω^)つ|扉「おじゃましまーす」ガチャッ
ξ; っ⊿ )ξっ「今出るとこだったのに……壊してんじゃないわよ……」
( ^ω^)「えっ? 僕に鍵壊してほしかったんでしょ?」
ξ; っ⊿ )ξっ「自宅の鍵を壊してほしい奴なんてそういないわよ……」
( ^ω^)「殺人鬼に殺してほしい奴もそういないと思うけど。
ところで、なんで床に這いつくばってるんだお?」
ξ; っ⊿ )ξっ「風邪引いて……ゲホッ」
( ^ω^)「あらら。じゃあ床なんかで寝てちゃダメじゃないかお」
ξ; っ⊿ )ξっ「インターホンが鳴ったから出ようと思って、そしたら盛大に転んで……」
( ^ω^)「おばか」
240
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:12:00 ID:qi7Hya9I0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
第9話 『しょうびょう』
.
241
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:12:39 ID:qi7Hya9I0
( ^ω^)「怪我はしてるのかお?」
ξ; っ⊿ )ξっ「打っただけだから平気……でも起き上がれない……」
(ノ^ω^)ノ「あーらら。仕方ないおね」ヒョイッ
ξ;゚⊿゚)ξ"「おおう。流れるような姫抱っこ」
(ノ"^ω^)ノ"「そーれっ」ポイッ
"ξ;゚⊿゚)ξσ「投げた! こいつ病人のこと投げた!」ボフッ
( ^ω^)「熱は測ったのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「体温計なんて高級品、うちには無いわよ」
( ^ω^)、
ξ;゚⊿゚)ξ「哀れむような目をやめなさい!」
( ^ω^)「体温計が高級品って……かわいそう……」
ξ;゚⊿゚)ξ「やめて!」
242
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:13:12 ID:qi7Hya9I0
( ^ω^)「とりあえず買い出ししてくるお」
ξ;゚⊿゚)ξ「何買うの?」
( ^ω^)「主に食料だおね。どうせツンさん家にろくな食料なんてないし」
ξ;゚⊿゚)ξ「よく分かってるじゃない……」
( ^ω^)「何か食べたいものあるかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ビッグマック食べたい……」
( ^ω^)「病人らしからぬ食欲」
ξ゚⊿゚)ξ「夜マックのパティ二倍のやつ食べてみたい……」
( ^ω^)「まだ昼間だし」
243
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:13:52 ID:qi7Hya9I0
( ^ω^)「じゃあ行ってくるお」
ξ゚⊿゚)ξ「ビッグマックよろしく」
( ^ω^)「だめです。おかゆです」
ξ;-⊿-)ξ「えー……おかゆなんて味気な……ゲッホゲホッ!」
( ^ω^)「あーもうほら、寝てなさい。食材買ってくるから」
ξ;-⊿-)ξ「食費浮いた……」ボソッ
( ^ω^)「今なんつったテメェ」
244
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:14:48 ID:qi7Hya9I0
扉|^ω^)ノ「じゃ、大人しく寝とくんだおー」
ξ;-⊿-)ξノ「ビッグマック……」
扉|^ω^)「だめです」
バタン
ξ;-⊿-)ξ(……とりあえず、このまま悪化して死ぬ心配はなくなったわね)
ξ;-⊿-)ξo"「……ゲホッ」
ξ;-⊿-)ξ「……」
ξ;-⊿-)ξ(……別に、このまま死んじゃったっていいじゃないの)
ξ;-⊿-)ξ(何よ、心配はなくなったって。むしろ風邪が治ったらまた就活卒論金欠地獄じゃない)
ξ;-⊿-)ξ(風邪で思考がおかしくなってるわね。寝よ寝よ)
245
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:15:26 ID:qi7Hya9I0
「……さん……ンさん……」
ξ-⊿-)ξ スヤスヤ
「ツンさん……ツンさーん」
ξ-⊿-)ξ"「うーん……」モゾモゾ
( ^ω^)「……起きないおね」
(∩^ω^)∩「ツンさーん」
ξ-⊿-)ξ スヤスヤ
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「ビッグマック」ボソッ
ξ゚⊿゚)ξ カッ
246
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:16:17 ID:qi7Hya9I0
ξ*゚⊿゚)ξ「ビッグマック買ってきてくれたの!?」
( ^ω^)「買ってきてないです」
ξ#゚⊿゚)ξ「……は?」
( ^ω^)っー「僕にキレられる道理なくない?
ほら、体温計買ってきたから熱測るお」
ξ゚⊿゚)ξ「体温計買えるとかセレブやんけぇ……」
( ^ω^)「口調変わってるお」
ξ゚⊿゚)ξっー「これで熱測ればええんやな? 任しときや!」
( ^ω^)「エセ関西弁やめて」
247
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:17:04 ID:qi7Hya9I0
ξ゚⊿゚)ξっー「37度1分」
( ^ω^)「微熱だおね」
ξ゚⊿゚)ξ「さっき寝たから結構楽になったわ。THE・健康体よ」
( ^ω^)「まだ熱あるんだから健康体ではないお」
ξ゚⊿゚)ξ「『健康体』じゃなくて『THE・健康体』ね」
( ^ω^)「はいはい」
ξ゚⊿゚)ξ「THE・健康体。復唱しなさい」
( ^ω^)「めんどくせぇ〜もういいから寝て〜」
ξ゚⊿゚)ξ「さっき寝たから眠くないわ」
( ^ω^)「布団に入って目を閉じてるだけでいいから」
ξ゚⊿゚)ξ「えー……」
( ^ω^)「ちゃんと寝ないとサンタさん来てくれないお?」
ξ゚⊿゚)ξ「時期外れのサンタさん……来てくれるかしら……」
( ^ω^)「ちゃんと寝てたらきっと来てくれるお。サンタさんに何を頼むんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「内定、かな……」
( ^ω^)「切実すぎてコメントしづらい」
248
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:18:09 ID:qi7Hya9I0
ξ゚⊿゚)ξ「ちゃんと寝てたらサンタさんが内定持ってきてくれるかしら……?」
( ^ω^)「きっと持ってきてくれるお。きっとね、きっと。きっと」
ξ゚⊿゚)ξ「本当……?」
( ^ω^)「僕サンタじゃないんで保証はできないけどきっと本当だお。僕サンタじゃないんで保証はできないけど」
ξ*-⊿-)ξ「サンタさん……内定楽しみにしてるわ……」
( ^ω^)「僕サンタじゃないんで保証はできないけど」
ξ-⊿-)ξ スヤスヤ
( ^ω^)「さーて、卵がゆでも作るかお」
( ^ω^)っ「使わない卵は冷蔵庫にしまっておかなきゃだおね」レイゾウコパカッ
( ^ω^)「ツンさんの冷蔵庫、マヨネーズとペットボトルのお茶しか入ってないの草生える」
249
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:18:50 ID:qi7Hya9I0
(∩^ω^)∩「ツンさん起きてー卵がゆできたおー」
ξ-⊿-)ξ スヤスヤ
(∩^ω^)∩「ツンさーん、ビッグマックー」
ξ-⊿-)ξ スヤスヤ
( ^ω^)「ビッグマックで起きないだと……」
ξ-⊿-)ξ「うーん……もう食べられない……」
( ^ω^)「テンプレな寝言だおね」
ξ゚⊿゚)ξ「天ぷら?」カッ
( ^ω^)「だから病人の食欲じゃないって」
250
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:19:49 ID:qi7Hya9I0
ξ*゚⊿゚)ξ「天ぷら作ってくれたの?」
( ^ω^)「作ってないお。そもそもテンプレの聞き間違いだし」
ξ゚⊿゚)ξ「えー」
( ^ω^)「えーじゃないお。卵がゆ作ったから食べるお」
ξ゚⊿゚)ξ「もっとガッツリ食べたい……」
( ^ω^)「だからって病人がビッグマックや天ぷらを所望するのはどうかと思うけど」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、ところでサンタさんは内定持ってきてくれた?」
( ^ω^)「サンタさんは『それは自分で頑張って』って言ってたお」
ξ゚⊿゚)ξ「何よーアンタならパパーッと内定取れるんじゃないの?」
( ^ω^)「内定の譲渡はちょっと無理かな〜。ていうか僕がサンタなの?」
ξ゚⊿゚)ξ「お前がサンタになるんだよ!!」
( ^ω^)「じゃあツンさんトナカイね」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ……いいけど」
( ^ω^)「いいんだ……」
251
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:20:45 ID:qi7Hya9I0
( ^ω^)「冷めるから早く卵がゆ食べて」
ξ*゚⊿゚)ξ人「いただきまーす」
( ^ω^)「どうぞー」
ξ*゚〜゚)ξ「あ、美味しい」モグモグ
( ^ω^)「そりゃどうも。余った卵でプリン作ったから固まったら食べるといいお」
ξ*゚⊿゚)ξ「有能!!」
( ^ω^)「知ってる」
ξ*゚⊿゚)ξ「早速プリン食べたいわ!」
( ^ω^)「固まったらって言ったお」
ξ゚⊿゚)ξ「プリンはほら……飲み物だから」
( ^ω^)「大食いみたいな発言だおね」
ξ゚⊿゚)ξ「プリン飲んでいい?」
( ^ω^)「だめです。固まるまで待ってください」
ξ゚⊿゚)ξ「えー……」
( ^ω^)「えーじゃありません。ほら、卵がゆいっぱい作ったからおかわりあるおー」
ξ*゚⊿゚)ξ「おかわりいる!」
( ^ω^)「まずは器にある分を全部食べてからね」
ξ*゚〜゚)ξ「任せなさい!」モグモグ
( ^ω^)「なんか子育てしてる気分……」
ξ゚⊿゚)ξ「オカン……」
( ^ω^)「誰がオカンだ」
252
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:23:14 ID:qi7Hya9I0
ξ*゚⊿゚)ξ人「ごちそうさまでした! 美味しかったわ!」
( ^ω^)「そりゃどうも」
ξ*゚⊿゚)ξ「やっぱアンタ料理上手いわねー」
( ^ω^)「普通だお。ツンさんが下手すぎるから相対的に上手く見えるだけだお」
ξ゚⊿゚)ξ「んだと」
( ^ω^)「じゃあそろそろ帰るお。鍋にまだ卵がゆあるから夕飯にでもあっためて食べて」
ξ゚⊿゚)ξノシ「ありがとう、オカン」
扉|^ω^)「誰がオカンだ」
バタン
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ξ*゚⊿゚)ξ「プリン!」
ξ*゚⊿゚)ξっ レイゾウコパカッ
ξ*゚⊿゚)ξっ凵ミ ヒョイッ
ξ゚⊿゚)ξ「……まだ固まってない」
凵⊂
ξ゚⊿゚)ξ
凵⊂
ξ゚⊿゚)ξ ゴクゴク
凵⊂"
扉|^ω^)「いや飲むんかーーーい」
ξ゚⊿゚)ξ「まだおったんかーーーい」
凵⊂
第9話 『しょうびょう』 終
253
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:30:36 ID:gOFqa9Cs0
乙ー
この流れるような会話のテンポ大好き
254
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 20:31:17 ID:WVimGu4c0
乙です!
続きキタ━(゚∀゚)━!
二人のやり取り、ホント好きだ
255
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 22:29:41 ID:JSIkZzvU0
乙
256
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 22:57:48 ID:D0KbUoRk0
おつ やり取りが微笑ましい
殺伐とした関係なのにね
257
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 23:26:23 ID:fTMgphYA0
おつ
プリンって蒸すから冷やす前から個体なんじゃ?
258
:
名無しさん
:2018/07/03(火) 23:44:50 ID:JPlMdSLE0
乙
プリンエルとか使うと液体から固めることになる
259
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 00:59:39 ID:UNwnnO.M0
しょう びょう -びやう 【従病】
完治を目指して病気と闘うのではなく,ある程度の社会生活を送れるならば,その病気と共存していこうという考え方。
金欠病ってことか?
260
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 01:28:36 ID:m1mqfyH20
待っとったで!乙!
261
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 01:32:41 ID:T/Sh9zzg0
待ってた乙!
ツンのキャラとこの会話のテンポの良さが好き
262
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 07:10:30 ID:J5UM81XQ0
>>259
傷病じゃね?
263
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 10:50:09 ID:x0fYsIBU0
乙!待ってたよー
ツンもブーンも好きなだけに終わりがどうなってしまうのか…
264
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 18:42:07 ID:tuIVXdMc0
二人の会話読んでると殺人鬼なの忘れてダメージくらうわ…死にてえ
265
:
名無しさん
:2018/07/04(水) 21:40:17 ID:RzPDrU5Q0
>>262
うん。ただツンのキャラからしてこっちもありそうな気もしてね
266
:
名無しさん
:2018/07/08(日) 00:25:18 ID:yQ5RqiMs0
おつおつ
267
:
名無しさん
:2018/07/11(水) 22:23:59 ID:l4nmvX7k0
ツンも変わってきてるな……
268
:
名無しさん
:2018/07/18(水) 23:27:39 ID:n2afkmVk0
この平穏が怖い
269
:
名無しさん
:2018/08/11(土) 12:03:24 ID:./3ZCe..0
つづきまだかなー
270
:
名無しさん
:2018/08/16(木) 08:27:06 ID:dUc2jRq60
しゃにむに
271
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 17:41:32 ID:XisXIyWM0
待ってるよ
272
:
名無しさん
:2018/09/06(木) 21:22:31 ID:2Z2AC82I0
どんどんあく投下間隔
どんどん短くなる1話
どんどん落ちるクオリティ
あっ(察し
273
:
名無しさん
:2018/10/15(月) 00:37:26 ID:RT6mognI0
待ってる
274
:
名無しさん
:2019/01/27(日) 21:47:41 ID:K/kv/BFA0
更新こないかな
275
:
名無しさん
:2019/01/30(水) 00:45:23 ID:51K8Q5mU0
更新待っとるぞ!
276
:
名無しさん
:2019/02/12(火) 01:41:55 ID:radUNIFo0
>>6-9
ちょっと擬人化有
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2561.jpg
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2562.jpg
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2563.jpg
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2564.jpg
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_2565.jpg
ツンちゃんのなんだこの女、感が凄い可愛いなって改めて思った
死にたがりと殺人鬼の関係ありきなのに妙にそこを忘れてしまって、やりとり見ていてはっと気付く不思議な感覚がある。好きです
277
:
名無しさん
:2019/02/12(火) 02:06:40 ID:Wn0ADm6c0
おぉーいいね
ときおり見せるブーンの狂気じみた目がいい味
278
:
名無しさん
:2019/02/12(火) 14:40:26 ID:017XNPiI0
>>276
めっちゃいいですね!
つづき見てみたいです!
279
:
名無しさん
:2019/02/12(火) 23:40:59 ID:sjfE8M.Q0
>>276
めちゃくちゃ素敵な支援絵をありがとうございます……!!
二人の表情や仕草が細かくてとても魅力的に描いていただけて感無量です。
ツンの部屋の小物がどれも可愛らしく、特に荒巻の枕は実際に欲しいくらいです。
書きながらなんとなく想像していた光景よりもずっと鮮明で生き生きしていてすごく感動しました。
本当にありがとうございます。更新頑張ります!
280
:
名無しさん
:2019/02/13(水) 10:25:00 ID:7GsG2lGc0
更新楽しみにしてるぞ!
281
:
名無しさん
:2019/02/14(木) 03:06:20 ID:cARhD0Lg0
僕も!
282
:
名無しさん
:2019/02/14(木) 22:19:33 ID:VlfUm71o0
更新待ってます!
283
:
名無しさん
:2019/02/15(金) 02:30:54 ID:FzpiNl8Y0
私も!
284
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 20:55:46 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)σ" ピンポーン
( ^ω^)
( ^ω^)σ" ピポピポピポピポ
( ^ω^)づ「出ないおねー。これは鍵開け案件っと」バキィ
( ^ω^)っ|扉「さーて、中で待たせてもらうかお」ガチャッ
扉| =3 バタン
ガチャッ
( ^ω^)ノ「あ、ツンさんおかえりだおー」
ξ゚⊿゚)ξノ「ただいまー」
( ^ω^)「慣れすぎ」
285
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 20:56:58 ID:k8d8mM5A0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
第10話 『しゅえん』
.
286
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 20:57:59 ID:k8d8mM5A0
ξ;゚⊿゚)ξ「いや『ただいまー』じゃねえよ私!!」
( ^ω^)「別にここツンさん家だからおかしいことは言ってないお」
ξ;゚⊿゚)ξσ「たしかに! おかしいのは私じゃなくアンタ!! なんでいるのよ!!」
( ^ω^)「いつものことじゃないかお。そもそも鍵壊れてる時点で気づいたでしょ」
ξ;゚д゚)ξ「……ほんとだ! よく考えたら鍵壊れてた!」
( ^ω^)「鍵壊れてるの慣れすぎ」
287
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 20:59:02 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「ツンさん防犯意識甘いおー?」
ξ;゚⊿゚)ξ「鍵という名の防犯をぶっ壊すアンタにそんなこと言われたくないわ……」
( ^ω^)「まあ僕以外に鍵壊せる人あんまりいないと思うから大丈夫だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「鍵壊せるアンタが毎回壊していくのが問題なのよ……」
( ^ω^)「で、今日来たのはね……」
ξ;゚⊿゚)ξ「そうだ忘れてた!! アンタに構ってる暇ないんだった!!」
( ^ω^)「おっ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「これから人来るから帰って!」
( ^ω^)「ミセリさんとトソンさん?」
ξ;゚⊿゚)ξ「その二人じゃないんだけど……ていうかその二人にこそ来てほしかったんだけど……」
( ^ω^)「えっ、ツンさんって他に友だちいたの……?」
ξ;゚⊿゚)ξ「い、いるわよ! ビロードくんとワカッテマスくんとちんぽっぽちゃんとか!」
( ^ω^)「いや大学で」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「いないのかお……」
ξ#゚⊿゚)ξ「キエエエエェェェェェ」
( ^ω^)「威嚇行動やめて」
288
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 20:59:58 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「じゃあ誰が来るんだお? 友だちじゃない人が来るのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「友だち……って言えるほどなのか分からないっていうか……」
( ^ω^)「そんな微妙な関係の人を招いたのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「元々ミセリとトソンも来る予定だったのに二人の都合が悪くなって……」
( ^ω^)「あー、そういう。そもそも何しに来るんだお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「皆でお酒飲もうってことになってるのよ」
( ^ω^)「宅飲みね。そういえばツンさんってお酒飲めるの?」
ξ;゚⊿゚)ξ「酔ったらすぐ吐くからあんまり飲めないわ」
( ^ω^)「酔い方に色気がないのツンさんらしい」
289
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:01:15 ID:k8d8mM5A0
ξ;゚⊿゚)ξ「そういうことでもう少ししたら来るから早く帰って!」
( ^ω^)「何人来るんだお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「二人だけど……」
( ^ω^)「女の子二人?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……男女一人ずつ」
( ^ω^)「へー、男女一人ずつ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そうよ。カップルが来るのよ」
( ^ω^)「美人?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……そーね、イケメンよ」
( ^ω^)「男の情報なんか要らねえお。美人?美人?ねぇねぇ美人??」
ξ;゚⊿゚)ξ「……うるさいわね」
( ^ω^)「答えようとしないってことは美人? 美人なんだおね?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あーもー帰りなさい!! これからお酒とおつまみ買いに行かなきゃいけないんだから!!」
( ^ω^)づ「お酒とおつまみなら今日持って来てるんだお」ガサッ
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ、なんで?」
( ^ω^)「今日はツンさんと飲もうかなって思ってたから」
ξ;゚⊿゚)ξ「なんというタイミング……」
290
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:02:19 ID:k8d8mM5A0
ξ;゚⊿゚)ξ「このお酒とおつまみは貰っていいの? 金欠だから正直貰えたらありがたいなーなんて……」
( ^ω^)「いいお」
ξ*゚⊿゚)ξ「ほんと!? 助かるわ! じゃあ帰って!!」
( ^ω^)「ちょっとそれは冷たいんじゃないかおーツンさんー?」
ξ;゚⊿゚)ξ「だ、だってくれるって……」
( ^ω^)「元々ツンさんと僕のために買ったんだお?
なのに買った僕が飲むことも食べることもできないなんて、僕がかわいそうじゃないかお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……アンタも飲み会に参加したいってこと?」
( ^ω^)「当たり前じゃないかお」
ξ;゚⊿゚)ξ「ダメ! それは絶対ダメ!!」
291
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:04:34 ID:k8d8mM5A0
( ∩ω∩)「なんでだおー悲しいおー。おーんおーん」
ξ;゚⊿゚)ξ「それやめて。だってアンタがいたら殺しかねないじゃない!」
( ^ω^)「そんなに信用ないかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「それに、私を殺した後のターゲットにされても嫌だし……」
( ^ω^)「出たおー甘っちょろツンさん。そもそも大して仲良い人じゃないんでしょ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……それでも嫌なんだもの」
( ^ω^)「本当に甘いおねー君は。心配いらないお。所構わず誰彼構わず殺すわけじゃないんだから」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「それに、僕が飲み会に参加することでツンさんにも利点があると思うお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「どういうこと?」
( ^ω^)「これから来る二人は君とそんなに仲がいいわけじゃないんでしょ? それにさっきカップルって言ってたおね?」
ξ;゚⊿゚)ξ「言ったけど……」
( ^ω^)「ツンさんとそんなに仲良くないカップル、そしてぼっちツンさんというこの構図。いやー、気まずいおねー!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ぼっち言うな……」
( ^ω^)「せめて僕がいた方がマシじゃないかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そ、それは……」
<( ^ω^)>"「しかも僕は帰る気がない! あー楽しみだなー!! 僕が殺しかねないくらいの美女楽しみだなーー!!!」ゴロン
ξ;゚⊿゚)ξ「寝転ぶな!」
292
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:05:45 ID:k8d8mM5A0
< ピンポーン
ξ;゚⊿゚)ξ「ああもう、来ちゃったじゃない!
とりあえずコイツはクローゼットに押し込んで……」
( ^ω^)っ|扉「はーい」ガチャッ
ξ;゚⊿゚)ξ「なに勝手に開けてんのよ!!」
(;*゚ー゚)「あ、あれっ……部屋間違えた?」
(;,゚Д゚)「いや、合ってるはずだが……」
( ^ω^)「ここは津出ツンさんの部屋で間違いないおー」
(;,゚Д゚)「……貴方はどちら様で?」
(;゚-゚)(ギ、ギコくん! もしかしてあの殺人鬼なんじゃ!?)ヒソヒソ
(;,゚Д゚)(いやいやそんなわけ……)ヒソヒソ
(;゚-゚)(でも……)ヒソヒソ
( ^ω^)「……君」
(;゚-゚)「えっ、わ、私……?」
( ^ω^)「美人だおね」
(;゚-゚)「えっ……」ゾワッ
(;,゚Д゚)「おい! しぃに何を……」
ξ;゚⊿゚)ξ「いらっしゃい二人とも!! さあ上がって!!!」
293
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:07:10 ID:k8d8mM5A0
(;*゚ー゚)「津出さん!」
(;,゚Д゚)「おい、何なんだアイツ!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっと、ちょっとした知り合いっていうか……」
( ^ω^)「初めましてー」
(;゚-゚)"「ひっ……」ビクッ
( ^ω^)「そんな怯えないでほしいお。殺人鬼だなんて酷いおー誤解誤解ー」
(;,゚Д゚)「そ、そりゃそうだよな……」
(;*゚-゚)「ごめんなさい、早とちりしちゃって……」
( ^ω^)「大丈夫だおー。物騒な世の中だもんね」
ξ;゚⊿゚)ξ(アンタのせいで物騒なんだろ)
(;*゚ー゚)「津出さんの知り合いかー……びっくりしちゃった……」
ξ;゚⊿゚)ξ「ごめんなさいね……すぐ帰らせるから」
( ^ω^)「えー、酷いおツンさん! 帰れだなんて!」
ξ;゚⊿゚)ξ「うるさい! 帰りなさい!」
(*゚ー゚)「あ、良かったら一緒に飲みません? お酒たくさん買っちゃったので」
(,,゚Д゚)「芹澤と都村が急に来れなくなったからな」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっ……」
( ^ω^)「いいのかお? 嬉しいお!」
(*゚ー゚)「私、猫田しぃっていいます!」
( ^ω^)「猫田しぃさんね。覚えたお! 僕は西川ホライズンだお。よろしくだお」
(,,゚Д゚)「あ、俺は羽生ギコです」
( ^ω^)「へー」
ξ;゚⊿゚)ξ(私を抜きにどんどん話が進んでいく……!)
294
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:08:27 ID:k8d8mM5A0
(*゚ー゚)「ほらほら津出さん、乾杯しよ!」
( ^ω^)「乾杯だおーツンさん!」
ξ;-⊿-)ξ「……分かったわよ」
ξ;゚⊿゚)ξ(アイツだって流石に私やギコくんがいる前でしぃさんを殺したりなんかしないだろうし……大丈夫よね)
ξ;゚⊿゚)ξ(……そもそも、アイツは私を殺すまで他の人を殺さないはずだし)
(*゚ー゚)「津出さんと西川さんはビール?」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、私お酒弱いからほろよいにするわ」
(*゚ー゚)っ凵「津出さんはほろよいね。はい!」
ξ゚⊿゚)ξ凵「ありがとう」
( ^ω^)「僕はビールでお願いするお、しぃさん!」
(,,゚Д゚)っ凵「西川さんビールですね? どうぞ」
( ^ω^)凵「あ、はい」
(;,゚Д゚)(なんか俺にだけ冷たくないか?)
(*゚ー゚)っ凵「皆お酒持った? じゃあ早速……かんぱーい!」
ξ;゚⊿゚)ξっ凵"「か、かんぱい」
ξ;゚⊿゚)ξっ凵(これが陽キャのノリ……)
(,,゚Д゚)っ凵「西川さんも乾杯!」
( ^ω^)凵" グビグビ
(;,゚Д゚)っ凵「かんぱい……」
295
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:09:30 ID:k8d8mM5A0
(*゚ー゚)「ね、ね! 気になってたんだけどさ、津出さんと西川さんってどんな関係なの!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「どんなって……ただの知り合いよ」
(*゚ー゚)「一緒にお昼食べた時に話してた西川さんって彼のことでしょー?」
( ^ω^)「お? ツンさん僕の話してたのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あー……そんな話したわねそういえば」
(*゚ー゚)「時間なくてあんまり話聞けなかったから聞きたいな! 出会ったきっかけとか!」
ξ;゚⊿゚)ξ「聞きたいって言われても……」
( ^ω^)「しぃさんが聞きたいって言うなら話しちゃおっかなぁ〜」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ」
(*゚ヮ゚)「わーい、聞きたいです!」
( ^ω^)「しょうがないなぁ〜〜」
(,,゚Д゚)「俺も気になるな」
( ^ω^)「やっぱ話すのやめよっかな」
ξ;゚⊿゚)ξ(話せることなんて無いんだけど……コイツが殺人鬼なんて絶対言えないし……)
296
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:10:45 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「それじゃあしぃさんのリクエストに応えて、僕とツンさんの出会いの物語、はじまりはじまり〜〜」
ξ;゚⊿゚)ξ(不安しかない……)
(*゚ヮ゚)人"「わーい!」パチパチ
( ^ω^)「おっおっ、しぃさんは盛り上げ上手だおね」
(,,゚Д゚)人" パチパチ
( ^ω^)「あ、ちょっとそれうるさいんでやめてもらっても……」
(,,゚Д゚)「あ、はい……」
( ^ω^)「えー、むかーしむかし、あるところに……」
ξ;゚⊿゚)ξ(なんで昔話口調)
( ^ω^)「ポンコツな女子大生がいました」
(,,゚Д゚)「津出の登場だな」
(;*゚ー゚)「西川さん、津出さんのことポンコツなんて言い方しちゃダメですよ!」
ξ゚⊿゚)ξ(ポンコツ=私のイメージが浸透してる……)
297
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:11:50 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「就活に単位に卒論に悩むポンコツ女子大生、略してツンさん」
ξ゚⊿゚)ξ「どう略したんだ」
( ^ω^)「ツンさんは大学からの帰り道、とある男性とぶつかります」
(*゚ヮ゚)「なんだか少女漫画チック!」
(,,゚Д゚)「ここで西川さんの登場か?」
( ^ω^)「そのぶつかった男性はジャニーズ風超絶イケメンでした」
ξ゚⊿゚)ξ「???捏造が過ぎない??????」
( ^ω^)「例えるならそう、松坂桃李と向井理と山﨑賢人を足したようなイケメンです」
ξ゚⊿゚)ξ「足したなら割れよ」
(*゚ー゚)「ジャニーズ風って言ったわりにはジャニーズの人いないね!」
( ^ω^)「松坂桃李と向井理と山﨑賢人と生田斗真を足したようなジャニーズ風超絶イケメンは……」
(,,゚Д゚)「めげないな」
ξ゚⊿゚)ξ「いや、生田斗真増やしたあたりジャニーズいないって言われたのちょっと気にしてるわ」
298
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:13:14 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「松坂桃李と向井理と山﨑賢人と生田斗真と櫻井翔を足したようなジャニーズ風超絶イケメン、略して西川とぶつかったツンさん」
(*゚ー゚)「やっぱり略し方がおかしいね!」
(,,゚Д゚)「また一人増えてるし」
ξ゚⊿゚)ξ「なんで頑なに割らないのよ。いくらイケメン五人とはいえ足すだけじゃ阿修羅像みたいになるわよ」
( ^ω^)「超絶イケメンな西川にツンさんは一目惚れします」
ξ゚⊿゚)ξ「二次創作始まった……」
(*゚ヮ゚)人「ラブな展開きた!!」
ξ゚⊿゚)ξ「いやこれ二次創作だから……。
そもそもコイツがイケメン設定なのも二次創作だし、私がポンコツってとこしか合ってないわよ」
(;,゚Д゚)「悲しいこと言うなよ……」
( ^ω^)「そして二人は異世界に転生し……」
(,,゚Д゚)「急にめちゃくちゃ雑になった……」
ξ゚⊿゚)ξ「さては飽きたわね」
( ^ω^)「うん飽きた」
(;*゚-゚)「えー! これから二人は一体どうなっちゃうのかドキドキしてたのにー!」
ξ゚⊿゚)ξ「どこにドキドキできる要素が……」
(,,゚Д゚)「西川さんの見た目設定がやけに長かっただけで物語としてはぶつかって異世界に転生しただけだしな」
(;*゚-゚)「えー……続き聞きたかったのに……」
( ^ω^)「もっと別の話しようおー」
ξ;゚⊿゚)ξ(……ありのままを話すわけにはいかないから、話題を流すためにわざと適当に話したってことよね)
( ^ω^)「ちまたで噂の殺人鬼の話でもしよっか!」
ξ;゚⊿゚)ξ(コイツ……!!)
299
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:14:43 ID:k8d8mM5A0
(;*゚-゚)「ちまたで噂の殺人鬼……って綺麗な女の人だけ殺すっていう……」
( ^ω^)「そうそう。最近は鳴りをひそめてるみたいだおねー」
(;*゚ヮ゚)「きっともうやめたんじゃないですか? 罪悪感で辛くなっちゃったとか……」
(,,゚Д゚)「……それはないな」
(;*゚-゚)「えー……でも最近ニュースで全然聞かなくなったじゃん」
(,,゚Д゚)「何人も残虐な殺し方しといて今更罪悪感がーなんて無いだろ」
(;*゚-゚)「うう……」
(,,゚Д゚)「多分……というか絶対、また出てくるだろうな」
( ^ω^)「おっおっ、なかなかな考察だおねーゲコくん」
(,,゚Д゚)「ギコです」
( ^ω^)「実際、犯人はどんな人だと思うお?」
(,,゚Д゚)「そうですね……案外普通な人だと思いますよ。あれだけ殺人を犯しても平然と日常に溶け込んでいる普通な人」
(,,゚Д゚)「自身の欲望を果たすためだけに残忍な行いを容易にできて、
でも普段はそんなこと感じさせない一見善良な人、なんだと思います」
( ^ω^)「……ふーん、なるほどね」
ξ;゚⊿゚)ξ(心臓に悪い……この話題心臓に悪い……!!)
300
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:16:21 ID:k8d8mM5A0
(;*゚-゚)「ギコくんなんでそんなに殺人鬼について考えてるの……」
(,,゚Д゚)「なんていうか……ちょっと羨ましいんだよな、あの殺人鬼のこと」
(;゚-゚)「えっ……?」
ξ;゚⊿゚)ξ「う、羨ましい……って……?」
( ^ω^)「ほう?」
(;,゚Д゚)「あっ、いや、変な誤解すんなよ!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「変な誤解しかしないわよ今の発言」
(;,゚Д゚)「別にあの殺人鬼を肯定するとかじゃないからな!?
だって、考えてもみろよ! 自分の欲望のために犯罪に手を染めるって相当だろ!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「まあ、そうよね」
(;,゚Д゚)「他の何も顧みずに、自分が本当にやりたいことを選べるってのが少し羨ましいと思うんだよ……」
(*゚ー゚)「……ギコくん、もしかして就職のことまだ悩んでるの?」
(;,゚Д゚)「……ああ」
ξ゚⊿゚)ξ「就職? たしか内定は出たけど、今選考中のところに受かったらそこにするって……」
(;,゚Д゚)「よく覚えてんな」
ξ゚⊿゚)ξ「大ダメージ食らったんで……」
(;,゚Д゚)「その選考中だったところから内定は出たんだけど……」
ξ゚⊿゚)ξ「あ゛ーーーーーーーーーなんて不平等な世の中なんやーーーーーーやってられへんわほんまーーーーーーーーーーー」
( ^ω^)「ツンさんエセ関西弁やめて」
301
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:17:47 ID:k8d8mM5A0
ξ゚⊿゚)ξ「ガチ恋御社から内定出たんでしょ???? 何が不満なのよ言ってみなさいよ言えよコラオイ言えよ」
( ^ω^)「ガチ恋御社て」
(;,゚Д゚)「俺、本当はもっと他にやりたいことがあるんだよ……。
でも将来の安定とか、色々考えるとそれは諦めた方が現実的なんだ」
(*゚ー゚)「でも、諦めきれないんでしょ?」
(;,゚Д゚)「……ああ」
ξ#゚⊿゚)ξ「うるっせーーーー!!!! 内定出たくせに贅沢言ってんじゃねえーーーーーー!!!!!」
( ^ω^)「ツンさんうるさいお。
要するにやりたいことより安定を取った、と。そういうことだおね? ペコくん」
(;,゚Д゚)「……そういうことです。あとギコです。ミルキーはママの味みたいな名前じゃないです」
( ^ω^)「いいところに内定を貰えたのならとりあえずはいいんじゃないかお?
新卒で選んだ仕事が人生の全てじゃないんだし」
(;,゚Д゚)「でも、諦めきれなくて……」
( ^ω^)「別に諦める必要はないお。
転職するなり、趣味としてやっていくなり、方法はいくらでもあるんだし。
そんなに焦らなくたって、どうするかはこれからゆっくり考えてもいいんじゃないかお?」
(,,゚Д゚)「そう、ですね……。ちょっと考えすぎてました」
(*゚ヮ゚)「良かったねギコくん! 人生の先輩にアドバイス貰えて!」
(,,*゚Д゚)「ありがとうございます西川さん」
( ^ω^)凵"「お礼なんていいお。頑張るおーキッコーマンくん」グビリ
(,,゚Д゚)「もはやわざと間違えてますよね?」
ξ゚⊿゚)ξ「人生の先輩、内定を貰うにはどうしたらいいですか?」
( ^ω^)「がんばってー」
ξ゚⊿゚)ξ「雑じゃない? ねえ??」
302
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:19:49 ID:k8d8mM5A0
(*゚ー゚)「津出さんならいつか内定貰えるよ! 大丈夫大丈夫!」
ξ゚⊿゚)ξ「そう思ってた時期が私にもありました」
(;*゚ー゚)「口ぶりが諦めてる……」
(,,゚Д゚)「俺もしぃも、芹澤と都村も内定出たんだ。だから津出も大丈夫だろ」
ξ゚⊿゚)ξ「それわざと?? 格差を知らしめるその言い方わざと????」
(;,゚Д゚)「いやいやいや、そんなネガティブな捉え方するなよ」
( ^ω^)「メンタルボロボロポンコツンさんに今の言い方はちょっと……」
(;,゚Д゚)「す、すまん津出」
ξ#゚⊿゚)ξ「謝んじゃねーーー!!! 余計惨めになるでしょうが!!!!」
ξ#゚⊿゚)ξ凵" グビーッ
( ^ω^)「ツンさんお酒弱いんでしょ。そんな一気に飲んだら……」
ξii゚∩゚)ξ「うっ」
( ^ω^)っ凵「あーほら言わんこっちゃない。ほら、水飲んで」
ξii゚⊿゚)ξ凵「ありがと……」
( ^ω^)「喋んなくていいから」
303
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:20:45 ID:k8d8mM5A0
(;*゚-゚)「津出さん寝た方が……」
(;,゚Д゚)「ちゃんと横向きで寝ろよ」
( ^ω^)「ツンさん潰れちゃったし今日はお開きにしようかお。ツンさんは僕に任せて二人は帰ってくれていいお」
(;*゚-゚)「津出さんの介抱なら私がやります! 女の子同士ですから!」
( ^ω^)「僕に任せてくれて大丈夫だお?」
(;*゚-゚)「で、でも……」
ξii-⊿-)ξσ「……しぃさん、コイツ手出すとか絶対ないから、大丈夫……」
( ^ω^)「あ、しぃさんそういう心配してたの? 手出すなんて発想1ミリも無かったお」
(;*゚-゚)「ほ、ほんとに大丈夫……?」
ξii-⊿-)ξ「大丈夫大丈夫」
( ^ω^)(ここまで信頼されてるってのもなんかなあ)
304
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:21:28 ID:k8d8mM5A0
(;*゚-゚)「じゃあ、私たち帰るけど本当に大丈夫だね?」
ξii-⊿-)ξノ「大丈夫よ。また大学で」
(;,゚Д゚)「しっかり休めよ。今日はありがとな、津出」
(*゚ー゚)「今度はミセリちゃんたちも一緒に飲もうね!」
( ^ω^)「その時は僕も呼んでほしいお!」
(*゚ヮ゚)「はい! また一緒に飲みましょう!」
ξii-⊿-)ξ(心臓に悪いから勘弁して……)
305
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:22:22 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「落ち着いたかお?」
ξ;-⊿-)ξ「吐き気は引いてきたわ」
( ^ω^)「お酒は一気に飲んじゃダメだお。急性アルコール中毒で倒れる可能性もあるんだから」
ξ;゚⊿゚)ξ「ついガーッと飲んじゃった……。ギコくんに悪気がなかったのは分かってたのに……」
( ^ω^)「悪気がないからこそタチが悪いおね〜ガーゴイルくんは」
ξ;゚⊿゚)ξ「ギコくんね。……そういえばギコくんにアドバイスしてたの意外だったわ」
( ^ω^)「だって男になんか変な憧れ持たれるのやだぁ……」
ξ;゚⊿゚)ξ「ああ、そういう……」
( ^ω^)「二人とあんまり仲良くないみたいなこと言ってたけど、普通に仲良いんじゃないかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そう?」
( ^ω^)「特にしぃさん。介抱しようとしてたくらいだし」
ξ;゚⊿゚)ξ「たしかにそう言われると……」
306
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:24:50 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「……猫田しぃさん、ね」
ξ;゚⊿゚)ξ「……随分としぃさんが気に入ったみたいじゃないの」
( ^ω^)「いやー、ちょっとね」
ξ;゚⊿゚)ξ「何よ、ちょっとって」
( ^ω^)「……顔が似てるんだお。しぃさんと僕の母」
ξ;゚⊿゚)ξ「……アンタのお母さんって、たしかアンタが最初に殺したっていう……?」
( ^ω^)「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ねぇ、しぃさんを殺すつもりじゃないわよね?」
( ^ω^)「言ってるじゃないかお。君を殺すまで他の人を殺すことはないって」
ξ;゚⊿゚)ξ「……信じていいのよね?」
( ^ω^)「当たり前だお。僕は嘘なんかつかないおー?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そもそもそれが嘘でしょう?」
( ^ω^)「まあね。でも殺しに関しては嘘つかないから安心してほしいおー」
ξ;゚⊿゚)ξ(安心できないわよ……)
ξ;゚⊿゚)ξ(何が本当で何が嘘だか分からない……)
307
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:25:42 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「で、えーと何だっけ? ギラティナくんだっけ」
ξ;゚⊿゚)ξ「ギコくんのこと言ってる?」
( ^ω^)「あーそうそれ」
ξ;゚⊿゚)ξ「もしかして本気で間違えてたの?」
( ^ω^)「ギルガメッシュくんに興味ないから……」
ξ;゚⊿゚)ξ「やっぱわざとだろ。本気の間違いにしてはクセが強すぎない?」
( ^ω^)「しぃさんとギルガメッシュくんだおね? 覚えた!」
ξ;゚⊿゚)ξ「いやだから……あー、もういっかギルガメッシュくんで……」
( ^ω^)「僕が言うのもなんだけどよくはないでしょ」
308
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:27:05 ID:k8d8mM5A0
( ^ω^)「もう気分は良くなったかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そうね。頭は痛いけど落ち着いたわ」
( ^ω^)「今日はもうさっさと寝た方がいいお」
ξ;゚⊿゚)ξ「そうするわ。もう帰りなさい」
( ^ω^)「子守唄歌おうか?」
ξ;゚⊿゚)ξ「いらない」
( ^ω^)♪「ズン、ズンズンズンドコきよしぃ!!!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「寝かしつける気ないでしょ! そもそもいらないし!」
( ^ω^)「えー」
ξ;゚⊿゚)ξ「えーじゃない! もう寝るから帰りなさい!」
扉|^ω^)ノ「はいはい、仕方ないおねー。じゃあね、ツンさん」
バタン
ξ;゚⊿゚)ξ「やっと帰った……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
ξ;゚⊿゚)ξ(……しぃさんとアイツのお母さんが似てるってどういうこと……?)
ξ;-⊿-)ξゝ「……頭いたい……。もういいや、寝よ……」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「……しぃさんとギコくん、ね」
第10話 『しゅえん』 終
309
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:29:27 ID:k8d8mM5A0
期間あけまくってすみませんでした。
百選までには完結させるつもりなので死ぬ気で頑張ります。
310
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 21:45:54 ID:DRNUCIdQ0
乙
名前覚えてんじゃねーか!
311
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 22:11:19 ID:gYjlwt/60
更新きたー!
めっちゃ名前覚えてるし!
312
:
名無しさん
:2019/04/21(日) 22:33:40 ID:Z/26s3Es0
乙!
313
:
名無しさん
:2019/04/22(月) 02:22:12 ID:m5PhwRr.0
来てたー!マジかお前嬉しいぞ
314
:
名無しさん
:2019/04/22(月) 08:37:49 ID:xF4Lb9nU0
乙!!
315
:
名無しさん
:2019/04/29(月) 17:11:44 ID:ccw8GNPI0
待ってた
316
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:08:25 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ(お腹すいた……ご飯……)
ξ゚⊿゚)ξ(何か食料……もやししかない)
ξ;゚⊿゚)ξ「うわ臭い酸っぱっ! 腐ったか……」
ξ;゚⊿゚)ξ「ええ……食べるものがない……」
ξ;゚⊿゚)ξ「こんなとき、あのサイコパスが来てくれれば……」
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ「あーあ! どっかのサイコパスがご飯作りに来てくれないかなーー!!」
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ「前フリしても来ないか……」
ξ゚⊿゚)ξ「……そういえば、最近アイツ来てないわね……」
317
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:09:10 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
第11話 『しずか』
.
318
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:09:57 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ(別にアイツが来ないからってどうということはないんだけども)
ξ゚⊿゚)ξ(なんていうか……やけに部屋が静かだわ)
ξ゚⊿゚)ξ(いや、一人暮らしの部屋は静かなのが普通なのよそもそも)
ξ゚⊿゚)ξ(最後に来たのいつだっけ……二週間くらい前? 飲み会したときだったわね)
ξ゚⊿゚)ξ(……)
ξ゚⊿゚)ξ(……二週間なんて、そんな大した期間じゃないわ)
ξ゚⊿゚)ξ(でもなぁ……アイツ頻繁に来るし騒がしいし、来ないとなるとやけに部屋が静かに感じるわ)
ξ゚⊿゚)ξ「……気分転換に散歩でも行くか」
319
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:11:01 ID:UaKIE5qo0
(( ξ゚⊿゚)ξ(お腹すいた……)テクテク
ξ゚⊿゚)ξ(……あ、この公園、前にアイツと来たとこ……)
ξ゚⊿゚)ξ(ビロードくんたちと一緒に鬼ごっこしたのよね……結構楽しかったな)
( ><)「あれっ、ツンお姉さん?」
( <●><●>)「こんにちは」
(*‘ω‘ *)「奇遇だっぽね」
ξ゚⊿゚)ξ「あら、本当に奇遇ね」
( ><)「今日は西川お兄さんは一緒じゃないんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「今日はいないわよ」
( <●><●>)「珍しいですね」
ξ゚⊿゚)ξ「いや別に珍しくは……まあ、私一人と会うのは初めてだものね」
( ><)「西川お兄さんといつも一緒にいるイメージなんです!」
ξ゚⊿゚)ξ「いつも一緒にはいないわよ」
( ><)「寂しくないんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「別に……」
(*><)「ちなみにちんぽっぽちゃんは僕らがいないとすごく寂しそうにするんです!」
>⊂(*‘ω‘ *)「黙るっぽ」ギュウウゥ
(;>< >「アイタタタ!!」
320
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:12:52 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ「今日は何して遊んでるの?」
(*><)「今日はピクニックなんです!」
( <●><●>)「駅前のケーキ屋さんで人気のフルーツタルトを買ってきたんですよ」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、それ食べたことあるわ。美味しかったわよ」
ξ゚⊿゚)ξ(アイツが持ってきて……それでミセリとトソンと一緒に食べたんだっけ)
ξ゚⊿゚)ξ グウウウゥゥ
ξ;゚⊿゚)ξ「あ」
( ><)「あれっ、ツンお姉さんお腹空いてるんです?」
(*‘ω‘ *)「馬鹿ビロード、デリカシーが無いっぽ」
( <●><●>)「よかったら一緒に食べましょう」
ξ;゚⊿゚)ξ「いやそんな、悪いわよ」
(*‘ω‘ *)「遠慮なんていらないっぽ」
(*><)「一緒に食べた方が楽しいんです! ツンお姉さんと一緒に食べたいんです!」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、お言葉に甘えて一切れだけ……」
321
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:13:55 ID:UaKIE5qo0
(*><)「おいしいんです!」モグモグ
( <●><●>)「さすが人気なだけありますね」モグモグ
(*‘ω‘ *) ムシャムシャムシャムシャ
ξ*゚〜゚)ξ「うん、美味しい」モグモグ
(*><)「みんなで食べるとより一層おいしいんです!」モグモグ
( <●><●>)「そうですね」モグモグ
(*‘ω‘ *) ムシャムシャムシャムシャ
ξ゚〜゚)ξ(美味しいし、ビロードくんたちと一緒に食べるの楽しいし、お腹が満たされて幸せ)
ξ゚〜゚)ξ(だけど……何か物足りない)
322
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:14:57 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ「美味しかったわ。ありがとう」
( <●><●>)「いえ、一緒に食べられて嬉しかったです」
(*><)「今度は西川お兄さんも一緒に食べたいんです! ね、ちんぽっぽちゃん!」
(*‘ω‘ *)「どっちでもいいっぽ」
(*><)σ「素直じゃないんですー!」
>⊂(*‘ω‘ *) ギュウウゥ
(;>< >「いたいいたい!!」
( <●><●>)「また一緒に遊園地にも行きましょうね」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね、アイツも一緒にね」
( <●><●>)「はい!」
323
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:16:22 ID:UaKIE5qo0
爪;*'ー`)『べっ、別に、明智のことなんか好きじゃねーからな!!』
ζ(゚、゚*ζ『……そう』シュン
ξ#゚⊿゚)ξロ「うっっせーーー!!! 光秀のこと好きなくせに!!!!
まあ光秀こんなに可愛いんだから好きになるのは分かるけど!!!!!」
ξ#゚⊿゚)ξロ「光秀も真に受けてんじゃないわよ!!! どう考えてもツンデレのテンプレじゃない!!!!
テンプレよテンプレ!!!! 天ぷらよ!!!!!」
(;*゚ー゚)「つ、津出さん……?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ……しぃさん!?」
(;*゚ー゚)「どうしたの? 講義室で天ぷらって叫んで……」
ξ;*゚⊿゚)ξ「……あ、いや、ゲームやってて……つい……」
(*゚ー゚)「どんなゲーム?」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっと……乙女ゲームなんだけど……」
(*゚ー゚)「へー! 津出さんって乙女ゲーム好きなんだ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「乙女ゲームっていうか光秀のモンペゲームっていうか……」
(*゚ー゚)「光秀? あ、もしかして戦国武将が題材の乙女ゲームとか?」
ξ;゚⊿゚)ξ「いや……全然普通の乙女ゲーム……。主人公の名前を明智光秀にしてるだけで……」
(*゚ー゚)「へぇー、なんで?」
ξ;゚⊿゚)ξ「なんでだろう……」
324
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:17:34 ID:UaKIE5qo0
ξ;゚⊿゚)ξ「……ねえ、しぃさんのお母さんってどんな人?」
(*゚ー゚)「えっ? どうしたの急に?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、いや……なんとなく気になったっていうか……」
(*゚ー゚)「うーん……私のお母さん、どんな人か分からないんだよね……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ど、どういうこと?」
(*゚ー゚)「うちね、父子家庭なの。物心ついた時からお母さんいなかったんだ」
ξ;゚⊿゚)ξ「……っ!!」
(*゚ー゚)∂「顔も分からないんだよねー。あ、でも私お母さん似らしいから顔はこんな感じなんだと思う!」
ξ;゚⊿゚)ξ(母親似……アイツの言ってたことと一緒じゃない……!)
ξ;゚⊿゚)ξ(アイツとしぃさんは母親が同じってことで間違いないのかしら?)
ξ;゚⊿゚)ξ(つまり……二人は兄妹ってこと……?)
(*゚ー゚)「津出さん?」
ξ;゚⊿゚)ξ(父親も同じなのかしら……いや、おそらく父親は別なはず)
(;*゚ー゚)ノシ「津出さん! 津出さんってば!」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ?」
(;*゚ー゚)「ごめんね、もしかして気にさせちゃった?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ……ごめんなさい。首をつっこむことじゃなかったわ」
(;*゚ー゚)「別に重い話とかじゃないから! 気にしなくて大丈夫だよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「う、うん」
325
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:18:43 ID:UaKIE5qo0
(*゚ー゚)「あ、じゃあ津出さんのお母さんは? どんな人なのー?」
ξ゚⊿゚)ξ「どんな人……普通の人よ。基本的に放任主義で……」
(*゚ー゚)「へぇー!」
ξ;゚⊿゚)ξ「しぃさんのお父さんはどんな人……なの?」
(*゚ー゚)「優しい人だよ! 私のことすごく大事にしてくれてるの!」
ξ゚⊿゚)ξ「愛されて育ったんだろうなって感じするわ」
(*^ー^)ゞ「えへへ」
ξ゚⊿゚)ξ「……あ、講義始まるわ」
(*゚ー゚)「もうそんな時間?」
ξ-⊿-)ξ「おやすみー」
(;*゚ー゚)「えっ!? もー、だから単位落とすんだよー!」
ξ;゚⊿゚)ξ「やめて!」
326
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:19:27 ID:UaKIE5qo0
(*゚ー゚)づ「津出さーん? 講義終わったよ」ユサユサ
ξ-⊿゚)ξ「……んえ? 終わったの?」
(*゚ー゚)「終わったよー。津出さんったらぐっすり寝ちゃって……面接中にも寝てたりしない?」
ξ;゚⊿゚)ξ「うっ……」
(;*゚ー゚)「あるの!? 面接中に寝たことあるの!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「一度だけ……」
(;*゚ー゚)「えー……冗談で言ったのに……」
ξ;゚⊿゚)ξ「ぐぬぬ……」
327
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:20:40 ID:UaKIE5qo0
(*゚ー゚)「私、今日はもう終わりなんだけど津出さんは?」
ξ゚⊿゚)ξ「再々履修の講義が……」
(;*゚ー゚)「さ、さいさい……お話ししたいことがあるから講義室までついて行っていい?」
ξ゚⊿゚)ξ「構わないけど……話したいことって?」
(*゚ー゚)「うん、あのね……ツンちゃんって呼んでいい?」
ξ゚⊿゚)ξ「え? い、いいけど……」
(*^ー^)「やったあ! ね、ツンちゃん、私のこともしぃって呼んでよ!」
ξ;*゚⊿゚)ξ「し、しぃ…………さん」
(;*゚ー゚)「だから呼び捨てでいいって!」
ξ;*゚⊿゚)ξ「なんか慣れなくて……」
(;*゚ー゚)「もー……」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、次の講義ここ……」
(*゚ー゚)「次会った時はしぃって呼んでよね?」
ξ;*゚⊿゚)ξ「う、うん」
(*^ー^)ノ「じゃあ、またね! ツンちゃん!」
ξ゚⊿゚)ξノ「ええ、またね」
328
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:21:22 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ「講義だる……」
ξ゚⊿゚)ξ「寝るかぁ〜」
(;,゚Д゚)「寝るなよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「うわびっくりした……ギルガメッシュくん」
(;,゚Д゚)「ギコだよ……西川さんみたいな間違い方すんなよ」
ξ゚⊿゚)ξ「アイツの中ではギルガメッシュくんで定着したっぽかったから……」
(;,゚Д゚)「訂正してくれよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「なんかもういいかなって……」
(;,゚Д゚)「よくない……」
ξ゚⊿゚)ξ「ギコくんもこの講義再々履修?」
(,,゚Д゚)「んなわけねえだろ」
ξ゚⊿゚)ξ「ですよね〜〜〜〜」
(;,゚Д゚)「お前は再々履修なのかよ……」
ξ゚⊿゚)ξ「ははっ……」
(;,゚Д゚)「その乾いた笑いをやめろ」
329
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:22:45 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ「……そうだ、ねぇギコくん」
(,,゚Д゚)「なんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「しぃさんのどういうところが好きなの?」
(;,゚Д゚)「なんだよ急に」
ξ゚⊿゚)ξ「いや、なんとなく」
(,,゚Д゚)「そうだなー……明るくて素直でいい奴で……色々あるな」
ξ゚⊿゚)ξ「一番は?」
(,,゚Д゚)「一番と言われるとそうだな……顔かな」
ξ゚⊿゚)ξ「あー……結局のところ顔か……」
(;,゚Д゚)「待て、今のは語弊のある言い方だった。表情! 表情って言いたかったんだ!」
330
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:23:30 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ「表情?」
(,,゚Д゚)「ああ。しぃってよく笑うし、怒る時は全力だし、悲しい時は泣くし、表情がすごく豊かなんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「あー……たしかにね」
(,,゚Д゚)「くるくる変わる表情を見てると、もっといろんな顔を見たい、俺のまだ知らない顔を見てみたい……って思うようになったんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「めっちゃ語るやん……」
(;,*゚Д゚)「お前が訊いたんだろ! なんか恥ずかしくなってきたわ……」
ξ∩゚⊿゚)ξ∩「ヒューヒュー」
(;,*゚Д゚)「やめろやめろ! ほら、もう講義始まるぞ!」
ξ-⊿-)ξ「おやすみー」
(;,゚Д゚)「おい、寝るな! そんなんだから単位落とすんだぞ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「カップル揃って同じこと言うんじゃねえ!」
.
331
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:24:11 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξっ「ただいまーっと」ガチャッ
ξ゚⊿゚)ξ(鍵、壊れてないわね……)
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ(いや壊れてないのが当たり前なんだけど。……アイツ、来てないのか)
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ(いや不法侵入されないのも当たり前なんだけど)
332
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:25:23 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ(すっかり感覚が狂ってる……これはまずいわ)
ξ゚⊿゚)ξロ < ヴー
ξ゚⊿゚)ξロ「メール? 何かしら……」
ξ゚⊿゚)ξロ「……ああ、お祈りメール……」
ξ゚⊿゚)ξロ「はあ〜〜〜無理〜〜〜〜〜就活しんど〜〜〜〜〜〜〜〜」
ξ゚⊿゚)ξロ「ほんっと交通費もバカにならないんだからさ〜〜〜〜〜〜祈るならせめて交通費だけでも返せよ〜〜〜〜〜〜〜〜」
ξ゚⊿゚)ξロ < ヴー
_,
ξ゚⊿゚)ξロ「なによ……またお祈りメール?」
ξ゚⊿゚)ξロ
ξ;゚⊿゚)ξロ「!?」
ξ*゚⊿゚)ξロ「前に応募したモデルの一次審査、合格したわ!」
ξ*゚⊿゚)ξロ「やった、やったあ!! 就職に希望が見えてきたかも……!」
ξ*゚⊿゚)ξロ「とりあえず、アイツに連絡を……」
ξ゚⊿゚)ξロ「……あ」
ξ゚⊿゚)ξロ「連絡先……知らない」
333
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:26:47 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξロ < ヴーヴー
ξ#゚⊿゚)ξロ「今度はお祈り電話か!?!?」
ξ゚⊿゚)ξロ「……あ、違うトソンから電話だ」
ξ゚⊿゚)ξロ「もしもし?」
(゚、゚トソン『ツン、今暇ですか?』
ξ゚⊿゚)ξロ「うん、暇」
(゚、゚トソン『今ミセリとカレー屋さんに来てるんですけど、ツンも来ませんか?』
ξ゚⊿゚)ξロ「あー……行きたいんだけどごめんお金が……」
(゚、゚トソン『大丈夫です。バイト代入ったので奢りますよ』
『トソンったら太っ腹ー!』
(゚、゚トソン『ミセリが』
『え、私!? 私まだ今月のバイト代入ってないよ!?』
(゚、゚トソン『私はバイト代入ったのでミセリが奢りますよ』
『言ってることおかしくない!?』
(゚、゚トソン『ミセリが快く奢ってくれるそうです。良かったですね』
『トソン耳ついてる?』
ξ;゚⊿゚)ξロ「奢ってもらうのは申し訳ないわ」
(゚、゚トソン『気にしなくていいんですよ。ミセリのお金ですから』
『この口かー!? 悪いこと言うのはこの口かー!?』
< ゚、゚トソン『頰をつねらないでください』
ξ゚⊿゚)ξロ(仲良いなこいつら……)
334
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:28:22 ID:UaKIE5qo0
(゚、゚トソン『冗談はさておき、ツンの分は割り勘でどうでしょう? 私とミセリとツンの三人で』
ξ;゚⊿゚)ξロ「い、いいの?」
(゚、゚トソン『はい。私たちがツンと一緒に食べたいと思っただけですから』
『でも三人で割り勘ってやりにくくない? 綺麗に割れるかなあ』
(゚、゚トソン『綺麗に割り切れなかったらミセリに多く払ってもらうので大丈夫です』
『言うと思ったよ! ……別にいいけどそれくらい』
(゚、゚トソン『ッッッシャオラアアアアァァァァァァ』
『どんだけ払いたくないんだよ!』
(゚、゚トソン『払いたくないんじゃなくてミセリに払ってほしいんです。ミセリがお金を払うところを見たいんです』
『そういう特殊性癖なの?』
(゚、゚トソン『来てくださいよツン。場所分かります?』
ξ゚⊿゚)ξロ「えーっと、近くにスーパーがあるとこ?」
『え、特殊性癖にツッコミはないの?』
(゚、゚トソン『そうです、近くにスーパーがあります。あとローソンも近くにあります』
ξ゚⊿゚)ξロ「オッケー確信を得たわ」
『え、無言は肯定と同じ的なあれ……?』
(゚、゚トソン『じゃあ待ってますね』
ξ゚⊿゚)ξロ「はーい」
『え、えぇー……』
335
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:29:23 ID:UaKIE5qo0
ヽ(゚、゚トソン「ツン、こっちです」
ミセ*゚ー゚)リ「なんか会うの久しぶりじゃない?」
(゚、゚トソン「飲み会の時に私とミセリが行けなくなりましたからね」
ξ゚⊿゚)ξ「それに講義があんまり被ってないものね」
ミセ*゚ー゚)リ「まあ、今期そもそもほとんど講義取ってないからねー」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ……二人は単位があるからね……ああ……それに比べて私は……」
ミセ;゚ー゚)リ「ちょちょちょ、会って早々落ち込まないでよ!」
(゚、゚トソン「デリカシーが無いですよ、ミセリ」
ミセ;゚ー゚)リ「ごめん……」
(゚、゚トソン「これはミセリに全額払ってもらうしかないですね!」
ミセ;゚ー゚)リ「なんでそうなるの!?」
ξ゚⊿゚)ξ「出たわねトソンの特殊性癖」
(゚、゚*トソン ポッ
ミセ;゚д゚)リ「その意味ありげな赤面なに!?」
(゚、゚トソン「さっそく注文しちゃいましょう、ツン。どれがいいですか?」
ξ゚⊿゚)ξσ「じゃあ……この一番人気って書いてあるやつ」
(゚、゚トソン「一番ベーシックなやつですね。店員さーん」
ミセ;゚ー゚)リ「もー、無視ばっかりー! 本当に私にお金を払わせる特殊性癖持ちなの!?」
ξ゚⊿゚)ξ(と言うよりかはミセリをからかうのが楽しくて仕方ないんでしょうね)
336
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:30:11 ID:UaKIE5qo0
ξ゚〜゚)ξ モグモグ
(゚、゚トソン「どうですか?」
ξ*゚〜゚)ξ「おいしい」
ミセ*゚ヮ゚)リ「だよね、おいしいよね! 今まで食べたカレーの中で一番おいしいよね!」
(゚、゚トソン「いや、そこまででは……」
ξ゚⊿゚)ξ「それは盛りすぎじゃない?」
ミセ;゚ー゚)リ「えー!? じゃあ今までで一番美味しかったカレーってどこの?」
(゚、゚トソン「お母さんが作ってくれるカレーですね」
ミセ*゚ー゚)リ「やだいい話……トソンのくせに……」
(゚、゚トソン「は?」
ミセ;゚ー゚)リ「こわいこわいこわい。ガチギレじゃん……」
337
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:31:03 ID:UaKIE5qo0
(゚、゚トソン「ツンはどうなんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「今までで一番美味しかったカレー? ……難しいわね」
ミセ*゚ー゚)リ「そんなに難しいー?」
ξ゚⊿゚)ξ「…………あー、一番、ではないかもしれないけど……」
(゚、゚トソン「構いませんよ」
ξ゚⊿゚)ξ「アイツ……西川が前にカレー作ってくれたことあって……あれ美味しかったなって」
ミセ*゚ヮ゚)リ「へー! 西川さんカレー作ってくれるんだー!」
ξ゚⊿゚)ξ「特別変わったものとかじゃなく、ごく普通のカレーなんだけど印象に残ってるわ」
(゚、゚トソン「西川さんとは最近会っているんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「二週間くらい前に会ったっきりよ」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、結構最近に会ってるんだね」
ξ゚⊿゚)ξ「……そう?」
(゚、゚トソン「西川さんはお仕事しているんですし、そんなに頻繁には会えないでしょう?」
ξ゚⊿゚)ξ「いやーーーー……結構頻繁に来るけどアイツ……」
ミセ*゚ー゚)リ「そんなによく会ってるんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「まあ……そうね。二週間も来ないのは珍しいわ」
ミセ*゚ー゚)リ「へー、なんで来ないんだろうね?」
(゚、゚トソン「忙しいんじゃないですか?」
ξ;゚⊿゚)ξ(……しぃさんのことがあるからこの空白が怖いのよね……)
ξ;゚⊿゚)ξ(気に入ってたし、自分の母に似てるとか言ってたし……)
338
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:32:11 ID:UaKIE5qo0
ミセ*゚ー゚)リ「そんなによく会ってたなら、会えないの寂しいね」
ξ;゚⊿゚)ξ「いや寂しいっていうか……」
ミセ*゚ー゚)リσ「寂しいんでしょー!? 素直になりなよー!」
(゚、゚トソン「ウザ絡みやめましょう?」
ミセ*゚ー゚)リ「いつものトソンの私への対応こそウザ絡みだと思うけどなぁ」
(゚、゚トソン「は???」
ミセ;゚ー゚)リ「あーこわいこわいこわい」
ξ;゚⊿゚)ξ「寂しいって言うより……違和感?」
ミセ*゚ー゚)リ「いるのが当たり前的な?」
ξ゚⊿゚)ξ「あー、そんな感じ」
ミセ*゚ー゚)リ「え、付き合ってないんだよね?」
ξ゚⊿゚)ξ「アイツと付き合うなんて絶対ないわよ。アイツもそう言うわよ」
ミセ*゚ー゚)リ「なんなんだこの二人は……私には分からねえ……」
ξ゚⊿゚)ξ(冷静に考えて殺人鬼がいるのが当たり前って頭おかしいわね……)
ξ゚⊿゚)ξ(……風邪引いた時には卵がゆとプリンを作ってくれたっけ……。あれも美味しかったな……)
(゚、゚トソン「ツン?」
ミセ*゚ー゚)リ「どしたの、ボーッとして」
ξ;゚⊿゚)ξ「……あ、ごめん。考えごとしてた」
(゚、゚トソン「……ツン。やっぱり少し寂しそうに見えます」
ξ;゚⊿゚)ξ「ええ? 寂しくなんかないわよ。大丈夫大丈夫」
(゚、゚トソン「……無理しないでくださいね」
ξ;゚⊿゚)ξ「し、してないわよ……。ほら、冷める前に食べましょ!」
(゚、゚トソン「……そうですね」
339
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:33:11 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ人「ごちそうさまでした」
ミセ*´ヮ`)リ「美味しかったねー」
(゚、゚トソン「ではミセリ、お会計をお願いします」
ミセ*゚ー゚)リ「ナチュラルに全額払わせようとしてくる……」
ξ;゚⊿゚)ξ「今更だけど本当にいいの? 割り勘にしてもらっちゃって」
ミセ*゚ー゚)リ「いいってばー」
(゚、゚トソン「そうですよ。ミセリは皆に奢ることが趣味ですから」
ミセ*゚ー゚)リ「トソンはすぐ私に払わせたがるよね〜」
(゚、゚*トソン「……こんなこと言うの、ミセリだけですからね」ポッ
ミセ*゚ー゚)リ「もう私トソンのキャラが分かんないよ……」
ξ゚⊿゚)ξ(本当にミセリをいじるのが好きなのね……)
340
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:33:52 ID:UaKIE5qo0
ミセ*゚ー゚)リ「それじゃ、お会計もしたし帰りますか!」
(゚、゚トソン「ああ、ミセリは帰るんですね。さようなら」
ミセ;゚ー゚)リ「えっ何!? 二人だけで何かするの!?」
ξ゚⊿゚)ξ「別に何も約束してないけど……」
(゚、゚トソン「粋な冗談ですよ。遅くなる前に帰りましょう」
ミセ*゚ー゚)リノ「粋ではないけど……。あんまり遅くなると怖いしね。それじゃ!」
ξ゚⊿゚)ξノ「割り勘にしてくれてありがとう。またね」
ヽ(゚、゚トソン「次はミセリに全額奢らせましょうね」
ミセ;゚ー゚)リ「まだ言うか!」
341
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:35:22 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξっ「ただいまーっと」ガチャッ
ξ゚⊿゚)ξ(壊れてないわね……鍵)
壊れた鍵にいつしか慣れてしまった。
それが異常であるとは知りつつも、正常に役割を果たす鍵に小さくため息をつく。
やっぱり、アイツは来ない。
ξ゚⊿゚)ξ(……なんで来ないんだろう。やっぱ、しぃさんが関係してるのかな……)
部屋に入り、腰を落として一息つく。
何気なく取り出したスマートフォンには大量の通知。全てミセリからの不在着信だった。
ξ;゚⊿゚)ξロ「え、何……? 何かあったのかな……」
すぐにミセリに電話をかけ直す。一度目のコールは即座に途切れ、涙の混じった声が飛び込んでくる。
『ツン……! ニュース、ニュース見た!?』
ξ;゚⊿゚)ξロ「今帰ったとこだから見てないけど……どうしたの?」
『見て! 早く!!』
ξ;゚⊿゚)ξっー「な、なんなのよ……」
言われるがままにリモコンのボタンを押す。
画面に映ったのはニュース速報の文字。次いで、アナウンサーの淡々とした声。
342
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:37:07 ID:UaKIE5qo0
『本日17時頃、拝成市内のアパートで女性が殺害される事件が発生しました』
『遺体の身元は、美府大学4回生の猫田しぃさん。自宅であるアパートの部屋で遺体が発見されました』
『全身に刃物でつけられた傷があり、手口が似ていることから警察は、
女性連続殺人事件の犯人と同一犯と考え、捜査を進めているとのことです』
.
343
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:40:21 ID:UaKIE5qo0
ξ;゚⊿゚)ξロ「…………え」
『しぃが、しぃが……! あの殺人鬼に……!!』
ゴトリ。
スマートフォンが床にぶつかり、小さく跳ねる。
アナウンサーの声、ミセリの声。ニュースの画面。
聞こえているのに、見えているのに、何ひとつ理解することができない。
なんで、どうして。
頭はぐるぐると、同じ言葉を繰り返すだけ。
ニヤけた顔が頭に浮かぶ。目の前にいるような気がして、手を伸ばした。
右手は虚空を撫で、座った自分の足の上に落ちる。
344
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:41:27 ID:UaKIE5qo0
『しぃ……』
LINE通話の画面から鼻水をすする音と共に掠れた声が漏れる。アイコンの自撮り写真と同一人物とは思えないほどに暗い声。
しぃの名を呼ぶミセリの声で、気づいた。気づいてしまった。
自分が感じているこの喪失感は、絶望感は、友人の死から生まれたものではない。
脳裏に焦げるほど焼き付いたニヤけ顔が、背を向ける。
ドアの鍵は、沈黙を保ったままだった。
第11話 『しずか』 終
345
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:42:27 ID:UaKIE5qo0
続けて最終話を投下します
346
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:43:41 ID:UaKIE5qo0
「またね」と笑顔で手を振る彼女の姿がふと、目に浮かぶ。
彼女の言う「また」は二度と来ない。
もう一緒にお酒を飲むこともない。
彼女を「しぃ」と呼び、話しかけることだってできない。
それらは全て悲しくて寂しいことだ。
ただ、彼女への感情よりも、彼女が殺されたことよりも。
私の前から姿を消した殺人鬼が、私ではなく彼女を殺したことこそが何よりも辛く、悲しく、苦しい。
彼女への罪悪感と自己嫌悪が胸から湧いて溢れていく。
どれほど申し訳なく思っても、自分に嫌気が差しても、この苦しみが塗り替えられることは決してない。
.
347
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:44:25 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです
最終話 『し×××』
.
348
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:46:06 ID:UaKIE5qo0
気付くと、布団の中で朝を迎えていた。
昨日のことが全て夢だったのではないかと期待したが、つけたテレビがすぐに期待を打ち砕く。
ニュースによると事件について新たな情報は特にないようだ。
乱暴にリモコンを押し、部屋に再び静寂が訪れる。
布団をかぶり直し、昨日のことを順に思い返す。
ミセリとの電話を切った後のことがあまりよく思い出せない。
記憶を辿るようにスマートフォンに指を滑らせる。大学から臨時休講の旨と家から出ないようにと注意喚起をするメールが届いていた。
ξ゚⊿゚)ξロ(……休講か。まあ、そもそも今日は行く気しなかったし……)
ふと、トソンとの通話履歴が目に入る。
ξ゚⊿゚)ξロ(……あー、そういえばミセリとの電話の後にかかってきたんだっけ)
ぼんやりとした頭で会話を思い出す。内容としてはミセリと話したこととほとんど変わらない。
いつも冷静なトソンの声音は珍しく震えていた。
ξ゚⊿゚)ξ(……何か、トソンとの会話で気になることがあったような……)
未だに半分眠った脳を叩き起こし、記憶を掘り返す。記憶の中のトソンの声はやはり暗かった。
349
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:47:08 ID:UaKIE5qo0
『……大丈夫ですかね、羽生くん』
ξ゚⊿゚)ξロ『……ギコくん?』
『ええ。付き合っていた彼女が急に亡くなって……しかも殺害されたなんて、余計に……』
ξ゚⊿゚)ξロ『……』
.
350
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:49:05 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξ(……そうだ、ギコくんのことを言ってたわ)
最愛の恋人を突然失った彼は今、どのような心境だろうか。
正直、トソンと通話していた時の自分はギコくんのことなど気にかける余裕はなかった。
アイツが私ではなくしぃさんを殺したショックはそれほど大きいものだった。
ξ゚⊿゚)ξロ(……ギコくん、今どうしているのかしら)
ギコくんに電話をかける。
コール音が一回、二回、三回。出ない。
四回、五回、六回。やはり出ない。
ξ゚⊿゚)ξロ「……」
まだ寝ているのかもしれない。もしくは電話に出るような気分になれないだけか。
きっとそのどちらかだ。しかし、妙に胸騒ぎがしてならない。
351
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:50:22 ID:UaKIE5qo0
ξ;゚⊿゚)ξ(……早まったり、しないわよね?)
嫌な予感がする。
布団から抜け出し、部屋着から洋服に着替える。
ギコくんに会いに行こうと思った。
なぜ、そこまでしようと考えたのか。
以前、彼のことが気になっていたからか。それとも、しぃさんに対する罪悪感を少しでも払拭したかったからだろうか。
おそらく後者だろう。
靴を履いたところで、大学からは外に出ないよう指示されていたことを思い出す。しかし、そんなことは関係ないとすぐに思い至った。
そもそも、件の殺人鬼はアイツだ。
それに、外に出ることでもしかしたらアイツに会えるんじゃないかなんて。浅はかな考えが頭をよぎった。
結局のところギコくんの為でもなく、しぃさんへの罪滅ぼしでもなく、ただ自分の為に行動しているだけなのだ。
薄々気がついていても引き返す気にはならなかった。
352
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:53:42 ID:UaKIE5qo0
外は静かで、人通りはほとんど無い。
皆、ニュースを見て恐怖しているのだろう。
ξ゚⊿゚)ξ(……アイツは簡単に鍵を壊すから、家に篭ってたって意味ないんだけど)
小石を蹴っ飛ばし、川沿いの道を進む。
そこで気がついた。自分はギコくんの住所を知らないということを。
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
自分で自分に呆れながらも、足が止まることはない。
場所が分からないのにも関わらず、止まろうという発想は生まれなかった。
やはり、私の目的地はギコくんではないのだな、と。自然と口元が嘲笑に歪む。
動く視線が誰を探しているのかなど、もはや明確だった。
353
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:55:24 ID:UaKIE5qo0
アイツを探して目と足は動き続ける。元々なかったひと気は目に見えて減っていく。
まるで、世界に一人だけ取り残されたかのようだ。
ξ゚⊿゚)ξ(……あながち間違っていないかもしれないわね)
私は取り残されてしまったんだ。
就活は上手くいかず、周りの友人の内定報告を聞くばかり。
他にも上手くいかないことばかりで、それこそ死んでしまいたいと思うくらい。
そして何より、アイツは私の目の前から消えてしまった。
ξ゚⊿゚)ξ(……ひとりぼっち)
自分しかいない道を歩く、歩き続ける。足が疲れてしまっても構わずに歩き続ける
やがて、孤独な世界に人影が現れ、初めて足が止まった。
ξ;゚⊿゚)ξ「……あれは」
橋の上。柵に体重を預けて川面を眺めるギコくんの姿。
その目は虚ろで、まるで今にも柵を越えて川に身を投げてしまいそうな──
.
354
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:56:31 ID:UaKIE5qo0
ξ;゚⊿゚)ξ「ギコくん!」
考えるよりも先に足は動いていた。空虚な瞳がゆっくりと、私の姿を捉える。
(,,゚Д゚)「……津出? 外に出るなって大学からメールあったろ。何してんだ」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ギコくんこそ」
(,,゚Д゚)「それもそうだな」
はは、とギコくんが小さく笑った。
いつも通りに振る舞おうとしているようだが、全身に覇気が感じられない。
放っておいたら今にも消えて無くなってしまいそうなほど、彼の姿は頼りないものだった。
ξ;゚⊿゚)ξ「……あの、さ。しぃさんのこと……」
(,, Д )「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「だ、大丈夫かなって……ギコくん……」
(,, Д )「……しぃのこと、守ってやれなかった」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
(,, Д )「……しぃ、もしかしたら俺のこと呼んだんじゃないかって」
(,, Д )「……俺に、助けを求めてたんじゃないかって、ずっと、考えてて……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……し、仕方ないわよ……。しぃさんと一緒にいたわけじゃなかったんでしょ?」
(,, Д )「……ああ。一緒にいれば良かったんだ。俺の家にでも呼んでいればこんなことには……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……っ」
355
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 04:58:32 ID:UaKIE5qo0
きっと、何を言っても彼を追い詰める言葉にしかならない。
次の言葉を紡げず、口を閉ざして地面に視線を落としてしまう。
結局のところ、無駄なのだ。
自分のことしか考えず、自分の為にここまで来た。そんな自分の言葉など、誰の心にも響かない。
こんな身勝手な私だから、アイツは私を見放したのではないだろうか。
(,, Д )「……津出」
ξ;゚⊿゚)ξ「え?」
急に名前を呼ばれて顔を上げる。
そこで初めて自分が視線だけでなく頭も垂れていたことに気がついた。
356
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:00:14 ID:UaKIE5qo0
(,, Д )「……俺の家、すぐ近くだから茶でも飲んでいかないか?」
ξ;゚⊿゚)ξ「わ、悪いわよそんなの……」
(,, Д )「……茶ってのは建前だよ。津出さえ良かったら……」
(,, Д )「俺の泣きごとに、少しだけ付き合ってくれないか?」
ξ゚⊿゚)ξ「……!」
コクリと頷き、無言で踵を返す彼の背中を追う。
ギコくんは私よりも20センチは背が高い。歩幅だって私とは差があるはずだ。
しかし、彼の歩く速度は私でもすぐに追い越してしまえそうなほど小さい。
それは、私に気を遣っているわけではないとはっきり分かる。
何も喋らない彼に私も話しかけない。ただ足音が響くのみだ。
背を向けた彼がどんな顔をしているのか分からない。
357
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:01:47 ID:UaKIE5qo0
(,, Д )「……ここだ」
アパートの一室の前で足を止め、彼はゆっくり振り返る。
髪が顔に影を落とし、表情は窺えない。ただ、明るい顔をしていないことだけは明らかだ。
弱々しく鍵を差し、ドアノブを回す。
キィ、と小さくドアが鳴る。
(,, Д )「上がってくれ」
ξ;゚⊿゚)ξ「お、おじゃまします……」
しぃさんが何度も訪れたであろう部屋。
ギコくんと二人きりになることを今更ながら申し訳なく思う。
しかし、自分は彼の話に付き合うためにここに来たのだ。
身勝手な自分が二人にできる唯一の罪滅ぼしはきっとこれしかない。
偽善でも、自己満足でも。
これが私にできる最善のことなのだろう。
(,, Д )「適当なところに座っててくれ」
ξ;゚⊿゚)ξ「ええ」
ガチャリ、と鍵をかける音がやけに響いた気がした。
.
358
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:03:10 ID:UaKIE5qo0
(,, Д )「今、茶を淹れてくるから……」
ふらふらとギコくんがキッチンへ向かっていく。
その背中を見送りながら桃色のクッションに座る。
青色の家具が多いこの部屋では浮いた存在のクッションだ。
ξ゚⊿゚)ξ(……これは、きっとしぃさんの為の……)
予想を裏付けるかのように、すぐ近くに置かれた同じデザインの青いクッションが目に入る。
私が座っていいものではない。そう感じ、別のところに座ろうと立ち上がる。
その時、キッチンに通じるドアが開き、ギコの姿が現れた。
.
359
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:04:12 ID:UaKIE5qo0
ξ;゚⊿゚)ξ「……え」
彼は、先程までの無気力な歩き方とは打って変わって、しっかりとした足取りで近づいてくる。
その手の中にお茶はない。
代わりに、お茶ではない何かがある。
右手にしっかりと握られたそれは、照明を鈍く照り返す、包丁だ。
.
360
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:05:08 ID:UaKIE5qo0
(,,゚Д゚)「俺さあ」
なんてことない世間話を始めるかのように、いつもと変わらない口調でギコは話し始めた。
(,,゚Д゚)「ずっと、誰かを殺してみたいって思ってたんだよ」
(,,゚Д゚)「きっかけなんて覚えてない。それくらい昔から、当たり前のようにそんな気持ちがあったんだ」
表情を変えず、淡々と喋りながら距離が縮まっていく。
包丁は、立ち上がったまま動けない私に向けられている。
361
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:06:59 ID:UaKIE5qo0
(,,゚Д゚)「とは言っても、殺人なんて罪に問われるし、世間から肯定されるものではない。
それくらいのこと、当然分かっている」
(,,゚Д゚)「だからさ、あの殺人鬼が話題になった時、羨ましかったよ。同時に妬ましかった。
俺ができずにいることを、容易く何度も繰り返せるような奴がいるんだって」
そういえば、飲み会をした時に羨ましいだとか、言っていた。
あれは、心の底からの言葉だったのだと、妙に冷静な頭が判断する。
(,,゚Д゚)「しぃたちと飲んだ時あったろ?
あの時、西川さんに『諦める必要はない』って言われて、何となく背中を押された気分になったんだ」
(,,゚Д゚)「だから、しぃを殺した」
ξ;゚⊿゚)ξ「……!!」
ギコが包丁を手に現れた時から察しはついていた。
しぃさんを殺したのはアイツではなく、この男なのだと。
それでも、ギコの自白に少なからず動揺した。
362
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:09:04 ID:UaKIE5qo0
ξ;゚⊿゚)ξ「なん……で……しぃさんを……」
(,,゚Д゚)「都合が良かったんだよ、単純に」
ξ;゚⊿゚)ξ「……つ、ごう?」
(,,゚Д゚)「警戒されず家に上がれるし、それにしぃって美人だろう?
だからあの殺人鬼の仕業ってことにできると思ってな」
ξ;゚⊿゚)ξ「そんな理由で……!」
(,,゚Д゚)「ああ、それともう一つ。
俺、しぃの表情が好きって言っただろ?
どんな顔で俺に殺されるのか興味があったんだ」
ギコは無表情を保ったままだ。
にも関わらずその鉄仮面から、包丁の鋭い切っ先から、殺意が隠しきれていない。
違う。
隠すつもりなど毛頭無いだけだ。
363
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:11:10 ID:UaKIE5qo0
(,,゚Д゚)「しぃを殺して思ったんだ」
(,,゚Д゚)「絶望と恐怖に染まったしぃの顔を見て、動かなくなるまで包丁を刺し続けて、これだって思った」
(,,゚Д゚)「これこそが、ずっと俺が求めていたものだって」
(,,゚Д゚)「で、思いついたんだ。俺があの殺人鬼に成り代わろうって」
ξ;゚⊿゚)ξ「なに、いって……」
(,,゚Д゚)「綺麗な女を惨殺すれば、世間はあの殺人鬼の仕業だと思ってくれる。
あの殺人鬼を隠れ蓑にして俺は暴れ放題って算段だ」
気づくとギコはすぐ目の前まで迫っていた。
(,,゚Д゚)「包丁で刺して、切り落として、裂いて」
(,,゚Д゚)「美しかった顔が歪んで、血に染まって、最後にはただの肉塊に成り果てる」
(,,゚Д゚)「人を殺すって、すげえなあ。病みつきになるよ」
そこで初めてギコは笑った。
端正な顔立ちからは想像もできないほど、醜悪な笑顔。
(,,゚Д゚)「悪いなあ、津出。別にお前に恨みはないんだけどな」
笑った顔は私の方を向いている。そして、包丁も。
──殺される。
.
364
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:12:42 ID:UaKIE5qo0
ξ;゚⊿゚)ξ(……い、いやだ……)
ξ; ⊿ )ξ(死にたく、ない──!)
.
365
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:14:03 ID:UaKIE5qo0
嫌だ、嫌だ、殺されたくない。死にたくない。早く、早く逃げなくちゃ。
頭の中は警鐘と共に自分の声が反響する。
ξ;⊿;)ξ「……っや……いや……」
しかし、身体は麻痺してしまったかのように少しも動かない。
動け、逃げろ、と脳は騒ぎ立てるのに筋肉は沈黙を保ったままだ。
ただ視線だけが迫り来る包丁を追い続ける。
ξ; ⊿ )ξ「……っ」
喉元に包丁の切っ先が触れる。包丁の冷たさが全身に伝導したかと思うほど、急速に身体が冷えていった。
叫びたいのに、声を搾り出すことすらできない。
もうダメだ。
諦念から目を伏せる。目尻に溜まっていた涙が、頰を伝っていく。
その感触は、首に触れる包丁よりも冷たく感じられた。
ξ ⊿ )ξ(……せめて)
ξ ⊿ )ξ(せめて、アイツに殺されたかったな……)
.
366
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:14:48 ID:UaKIE5qo0
バキィッ、と。
鍵の壊れる音が部屋に響いた。
.
367
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:17:29 ID:UaKIE5qo0
ξ;⊿;)ξ「え……」
(;,゚Д゚)「な、なんだ!? 誰だ!?」
ギィ、とドアが開く鈍い音。土足のままの足音がゆっくりと近づいてきた。
( ω )「喉から狙うだなんて、センスが無いおねぇ。
そんなんで僕を騙ろうだなんて、おこがましいにも程があるお」
その男は、いつものように飄々と、いつものように貼り付いたニヤけ顔で、一歩一歩距離を詰める。
( ω )「先に喉を潰してしまったらさぁ、悲鳴が聞こえなくなっちゃうお?」
男は、ギコのすぐ背後に立つ。肩越しに見える表情は、笑っているけど笑っていない。
( ω )「耳が裂けるような悲鳴が、痛みに悶え苦しむ顔こそが、醍醐味じゃないかお」
( ^ω^)「ねえ?」
細い目が薄く見開く。
直後、男はギコの右手を素早くひねり、ギコの手から包丁が滑る。包丁は真っ直ぐ床に落ちた。
男は横たわる包丁を即座に蹴り飛ばす。包丁は壁にぶつかり乱暴に音が鳴った。
368
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:19:00 ID:UaKIE5qo0
(;,゚Д゚)「お、お前は……!」
( ^ω^)「ツンさん、平気かお」
ξ;⊿;)ξ「あ……うあ……」
( ^ω^)「何言ってるか全然分かんないお」
久しぶりに見たニヤけ顔にひどく安堵し、温かい涙が後から後から流れ出す。
( ^ω^)「ま、話は後だお。それより先に……」
こいつの処理だお。
ギコに視線を送り、底冷えするような低い声でそう言い放つ。
思わず、私まで竦んでしまうほどに冷めきった声色だった。
369
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:20:31 ID:UaKIE5qo0
(;,゚Д゚)「お前、もしかして、あの……!」
( ^ω^)「もしかしなくても、あのカリスマ殺人鬼だお」
(;,゚Д゚)「な、なんで、ここに……」
( ^ω^)「なんでって……僕の獲物に手を出されそうになったら、そりゃ来るお」
( ^ω^)「あのね、僕ね、自分の獲物に手を出されたことにね、とってもとっても怒ってるんだよねぇ〜」
( ^ω^)「こう見えて僕ブチギレてるからね〜。なんで僕より先にツンさん殺そうとしてるのかな〜?」
( ^ω^)「ねぇ、誰の許可取ったんだお? ねぇねぇねぇ。ねぇ?」
ギコが口を挟む間もなく、男はまくし立てる。
ギコは男の様子に圧倒され、立ち尽くしたままだ。
( ^ω^)「あーあ、男を殺してもなーんにも面白くないんだけどなー」
男は不気味なほどニッコリと笑い、やれやれとでも言いたげなポーズを取る。
( ^ω^)っ=lニニフ「まあでも、仕方ないか」
(;,゚Д゚)「っ……!」
370
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:22:29 ID:UaKIE5qo0
気づいた時には既に、男は包丁を手にしていた。
男は鞄を持っていないので、服の中に仕込んでいたものと思われる。
ギコの目は、男の持つ包丁に釘付けだ。
呼吸は荒く、目は大きく見開き、身体は小刻みに震えている。
もはや、声すら出せないほどに怯えきった姿は、まるで先程までの自分のようだった。
( ^ω^)っ=lニニフ「情けないお。ツンさんに包丁を突きつけておいて、自分に突きつけられたら怯えるだなんてね」
呆れた顔で男はため息をつく。
包丁を握る手は少しも震えていない。
鋭利なそれをギコに突き立てることに少しも躊躇がないことは明白だ。
証明するかのように男は笑顔で、
その表情に似合わない地を這うような声で、言葉を放つ。
( ^ω^)っ=lニニフ「どうせなら、君のセンス無い殺し方で殺してあげようか」
空いた手でギコの首の後ろを乱暴にわしづかむ。
恐怖に染まるギコの顔には目もくれず、ギコの喉仏に包丁を振り下ろした。
ξ;゚⊿゚)ξ「やめなさい!!」
.
371
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:24:05 ID:UaKIE5qo0
考えるよりも先に、口が動いていた。
包丁の先は、ギコの喉仏に突き刺さる寸前で止まっている。あとほんの一秒でも遅かったら、と考えるとゾッとした。
( ^ω^)っ=lニニフ「……なに自分を殺そうとした男を庇ってんだお。さっさと殺すから待っててくれお」
ξ;゚⊿゚)ξ「ダメよ! やめて!」
( ^ω^)っ=lニニフ「うるせえお」
ξ#゚⊿゚)ξ「やめなさい! 内藤!!」
( ^ω^)っ=lニニフ「……」
腹から声を出す私を見て、内藤の目からようやく殺気が薄れた。
私を見つめる内藤に言葉を続ける。
ξ;゚⊿゚)ξ「……自分が殺されそうになったとはいえ、知ってる人が殺されるのは後味が悪いわ……」
( ^ω^)っ=lニニフ「……ほんっと、君は甘ったれだおね」
ξ;゚⊿゚)ξ「逃がしてあげて」
( ^ω^)「……はあ、仕方ないおね。羽生ギコくん、よーく聞くお」
(;,゚Д゚)「……」
内藤はようやく包丁を持つ右手を下ろす。ギコの首を掴む左手はそのままに、淡々と喋り始めた。
372
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:27:00 ID:UaKIE5qo0
( ^ω^)「ツンさんに免じて殺さないでおいてやるお。ただし、警察に自首すること」
(;,゚Д゚)「じ、自首……」
( ^ω^)「そう。僕が猫田しぃさんを殺しましたって、ちゃんと警察に言うんだお?」
(;,゚Д゚)「……」
( ^ω^)「言っておくけど自首するふりして逃げても無駄だお。どこに逃げようと僕が殺しに行く」
( ^ω^)っ=lニニフ「見逃してあげるのは今だけだお」
(;,゚Д゚)「……は、はい……」
( ^ω^)「ほら、さっさと行く」
内藤に促され、ギコは震えながら玄関に向かって歩き出す。
内藤はギコの後ろ姿を一瞥し、興味を失ったように視線を外した。
力が抜け、足元にしゃがみ込む。
随分長いこと呼吸をしてなかったような錯覚がする。
膝に両腕を乗せ、居眠りをするかのように顔を伏せた。
そのまま息を吸って、吐いて。また吸って、吐く。
ξ;-⊿-)ξ(……ようやく終わった、のね)
もう一度息を吸って吐き、ゆっくりと顔を上げる。
直後、内藤の後ろに見えた光景に思わず目を見開いた。
ギコは、内藤が蹴り飛ばした包丁を拾い、血走った目を内藤の背中へと向けている。
.
373
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:28:37 ID:UaKIE5qo0
危ない、と思った時にはもう、ギコは内藤の背中に駆け出していた。
内藤は私の方を向いたままだ。
(#,,゚Д゚)「死ね!!」
世界がゆっくりと動いて見える。包丁が、スローモーションで内藤の背中に迫っていく。
目が追いかけるだけで、喉からは声が出ない。ギコに包丁を突きつけられた時と全く同じだ。
思わず目をギュッと閉じる。
今度は諦めではなく、恐怖から視界を閉ざした。
自分が殺されるのと同じくらい、これから目にするであろう光景は恐ろしいものだった。
374
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:29:45 ID:UaKIE5qo0
どれほど時間が経ったか分からない。
きっと、ほんの数秒程度の時間しか経っていないはずだ。
しかし、体感では何分、何十分も時間が経ったような気がする。
恐る恐る、目を開けた。
眼前の光景から時間は数秒しか経っていなかったことを察する。
内藤はギコの方を向き、包丁を握ったままのギコの右手首を掴み上げていた。
.
375
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:31:07 ID:UaKIE5qo0
( ^ω^)「愚かだおね。言ったじゃないかお、見逃してあげるのは今だけだって」
(;,゚Д゚)「……」
( ^ω^)「あ、もしかして見逃されたくなかったの?
だからあんな小物丸出しの台詞を吐きながら刃向かってきたんだおね」
(;,゚Д゚)「ち、ちが……」
( ^ω^)っ=lニニフ「分かった分かった。今、殺してあげ……」
ξ;゚⊿゚)ξ「だ、だめ!!!」
( ^ω^)「……まだそんなこと言うのかお?
こいつはチャンスを捨てて殺しにかかってきたんだお。
これ以上の慈悲なんか与える必要ないお」
ξ;゚⊿゚)ξ「でも……」
( ^ω^)「……ツンさん、甘ったれが行き過ぎてるお。そこまでして庇う必要があるのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「庇うっていうか……」
ギコを庇いたいわけではない。
たしかに、目の前で知り合いが殺されるのは嫌だし、目の前でなくとも胸糞悪い。
しかし、自分が戸惑っている理由はもっと別のところにある。
もっと自分勝手な私らしい答えがある気がするが、上手く気持ちがまとまらない。
ξ;゚⊿゚)ξ「と、とにかく、だめ……」
結局、内藤を見上げながら懇願することしかできない。
376
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:32:56 ID:UaKIE5qo0
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「……」
静寂の中、見つめ合う。
私も内藤も、互いから目を逸らさない。
やがて、内藤は諦めたように息を吐き捨てた。
( ^ω^)「あーもう、分かった分かった。分かったから」
内藤はギコへと視線を戻し、未だギコの右手にある包丁を奪い取った。
自然な動きでギコの首筋へと包丁を這わせる。ヒィッ、とギコの喉から細い声が鳴った。
内藤は薄く目を見開いて、ゆっくりと話し始めた。
( ^ω^)っ=lニニフ「これが最終警告だお、ギコくん」
( ^ω^)っ=lニニフ「ここで僕に殺されるか、警察に行くか。さっさと選ぶお」
(;,゚Д゚)「……」
( ^ω^)っ=lニニフ「早く」
(;,゚Д゚)「……自首、します」
ギコが震える唇で小さく告げると、内藤は包丁を下ろした。視線だけはギコに刺したまま。
震え、あちこちにつまづきながら今度こそギコは玄関へと向かっていく。
やがて、鍵の壊れたドアが開き、閉まる音が聞こえてきた。
ようやく、本当に息をつくことができた。
.
377
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:36:27 ID:UaKIE5qo0
( ^ω^)「ツンさーん、平気かおー?」
くるりと振り向き、内藤は桃色のクッションにどかりと腰を下ろす。
座るついでに青いクッションを掴み、背後にポイっと投げた。
ξ;゚⊿゚)ξ「……なんとか。ねぇ、なんでここが分かったの?」
( ^ω^)「飲み会した時なーんかギコくん怪しいと思ったから、あらかじめ住所は調べておいたんだお」
( ^ω^)「しぃさんのニュースを見て、ツンさんの家に行ったんだけどいなかったから、もしかしたらここかなって」
ξ;゚⊿゚)ξ「……あ、来てたんだ」
( ^ω^)「多分入れ違いになったんだおね」
ξ;゚⊿゚)ξ「じゃあ、また鍵壊したの?」
( ^ω^)「もちろん!」
ξ;゚⊿゚)ξ「うわ、無駄にいい返事……」
( ^ω^)「怒らないのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……怒らないわよ」
( ^ω^)「珍しいおね」
ξ;゚⊿゚)ξ「正直、壊されるのを望んでたとこあったし……」
( ^ω^)「え……この人やば……」
ξ;゚⊿゚)ξ「アンタにだけは言われたくないわよ……」
憎まれ口を叩きながら、たしかに異常な発言だったと先程の自分の言葉を思い返す。
そして、ギコを殺すことをあんなにも必死で拒んだ理由に、今更気がついた。
私以外の人間を殺してほしくない。
その言葉は、なんとなく癪なので口にしないことにした。
378
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:38:16 ID:UaKIE5qo0
ξ;゚⊿゚)ξ「……ねぇ、なんでしばらく来なかったの?」
( ^ω^)「しぃさんについて調べてたんだお。母と似てることが気になってたから」
ξ;゚⊿゚)ξ「結局アンタとしぃさんはなんなの? 兄妹なの?」
( ^ω^)「異父兄妹で間違いないお」
ξ;゚⊿゚)ξ「お母さんが不倫してた……ってこと?」
( ^ω^)「だろうおね。小さい頃、母が家にいない時期があったんだお。
多分その時にしぃさんを産んだんじゃないかお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「それ以外にもちょくちょく不倫はしてたみたいだお。家にはいたし、しぃさん以降出産はしてないんだと思うけど」
ξ;゚⊿゚)ξ「……お父さんは気付いていたのかしら」
( ^ω^)「気付いてたんじゃないかお? そもそも母が不倫してたのは父の気を引きたかったからだろうし」
ξ;゚⊿゚)ξ「え……」
( ^ω^)「なんだかんだ、母は父のことを愛していたんだお。愛し方がめちゃくちゃ下手だっただけで」
ξ;゚⊿゚)ξ「そうなの?」
( ^ω^)「父に対して束縛ばっかだったからね。自分は不倫して他の男の子どもまで産んだくせにね」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「顔だけはね、綺麗な人だったんだけどね」
( ^ω^)「僕が言うのもなんだけど、母は本当にどうしようもない人だったからねぇ」
379
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:39:24 ID:UaKIE5qo0
( ^ω^)「しぃさんもかわいそうだおね。母の勝手で産まれて、恋人のしょーもないクソ雑魚ギコくんに殺されちゃって」
ξ゚⊿゚)ξ「……正直、アンタがしぃさんを殺したんだと思ってたわ」
( ^ω^)「前からずっと言ってるじゃないかお。ツンさんを殺すまで誰も殺さないって」
ξ゚⊿゚)ξ「信じていいのか分からなかったし……」
( ^ω^)「そもそもツンさんの方が好みだし。母よりしぃさんよりツンさんの方が綺麗だお」
ξ゚⊿゚)ξ「うわあ嬉しくない」
380
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:41:26 ID:UaKIE5qo0
( ^ω^)「ところで、ツンさん」
ξ゚⊿゚)ξ「何よ」
( ^ω^)「クソ雑魚ギコくんに殺されそうになったとき、怯えてたおね?」
ξ゚⊿゚)ξ「……そうね。死にたくないって思ったわ」
( ^ω^)「ついに! あの死にたがりポンコツンさんが! 死にたくないって!!」
ξ゚⊿゚)ξ「ポンコツンさん呼びやめろ」
( ^ω^)っ=lニニフ「やったやったー! じゃあ、早速殺しちゃうおね!!」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)っ=lニニフ「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)っ=lニニフ「……いやちょっと、無反応は無いんじゃないですかねーツンさんー。僕包丁突き付けてるんですけどツンさんー」
ξ゚⊿゚)ξ「……ニュースを見て、アンタが私じゃなくしぃさんを殺したと思ったから、すごくショックを受けたの」
ξ゚⊿゚)ξ「……それとアンタがくる直前にね、せめてアンタに殺されたかったって思ったのよ」
( ^ω^)っ=lニニフ「……待ってなんか嫌な予感」
ξ゚⊿゚)ξ「私、内藤に殺されたいんだわ。他の誰でもなく、内藤に」
( ^ω^)「やっぱそうきたか……なんでこう需要と供給が絶妙に噛み合わないの……」
381
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:43:07 ID:UaKIE5qo0
( ^ω^)「なんなんだお……ようやく殺せると思ったのに……」
ξ゚⊿゚)ξ「……で、アンタこれからどうすんの」
( ^ω^)「どうするって?」
ξ゚⊿゚)ξ「殺さないんでしょ、私のこと」
( ^ω^)「殺すことを受け入れた相手なんか殺しても仕方ないからね」
ξ゚⊿゚)ξ「だから、どうするのかなって……これから……」
( ^ω^)「どうするも何も、ツンさんが僕に殺されることに恐怖を抱くくらい、幸せになるようになんやかんやするお」
ξ゚⊿゚)ξ「……相変わらずざっくりしてるわね」
( ^ω^)「で、ツンさんが僕に殺されたくないって思うようになったら殺す」
ξ゚⊿゚)ξ「変わらないわね」
( ^ω^)「変わらないお」
ξ゚⊿゚)ξ「ていうか、アンタに殺されることに恐怖を抱くのと幸せってあんまり関係なくない?」
( ^ω^)「いいんだお、細かいことは」
ξ゚⊿゚)ξ「……幸せ、ねぇ……」
( ^ω^)「なんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「……別に」
( ^ω^)「急に沢尻ツンカさんになるのやめて」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「え、無視?」
382
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:44:26 ID:UaKIE5qo0
内藤が来る前の私と、内藤が来てからの私。
たぶん、内藤が来てからの方が、幸せ。
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚ー゚)ξ
( ^ω^)「沢尻ツンカさんだと思ったら急にニヤニヤし始めた……この人情緒がおかしい……」
ξ゚⊿゚)ξ「ニコニコと言いなさい」
( ^ω^)「ニヤニヤ」
ξ゚⊿゚)ξ「常にニヤけ面のアンタに言われるの腹立つわ……」
( ^ω^)「ニヤニヤ」
ξ゚⊿゚)ξ「うるさい」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ξ*゚ー゚)ξ
.
383
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:45:11 ID:UaKIE5qo0
ξ゚⊿゚)ξし×××のようです(^ω^ )
最終話 『しあわせ』 終
.
384
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 05:49:50 ID:UaKIE5qo0
百選までには完結させると目標を立てた結果、こんなにもギリギリになってしまいました。
完結させることができたのはひとえに読んでくださった皆様のおかげだと思っています。
乙や感想、そして支援絵までいただけて本当に嬉しかったです。とても励みになりました。
読んでいただき、ありがとうございました!
385
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 06:55:21 ID:Iwtv2Gw.0
乙!
386
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 06:57:01 ID:DxzkBWic0
おつ!!
冒険物以外で久しぶりに次が早く!と思える作品でした!!
387
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 07:35:53 ID:BZMXcZkI0
乙でした!!終わってしまった…
388
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 07:42:36 ID:VOTBH8z60
マジかよ完結かホホォイ!
乙!最後までゾクゾクする名作だった
389
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 08:53:40 ID:eykxixo20
めっちゃ面白かった!乙!
これでギリギリ100選に推薦できるな!
390
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 11:01:05 ID:x1LT88BA0
自首促しててワロタ
391
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 11:01:17 ID:plroY6UE0
乙!
すごく面白かった
392
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 11:42:41 ID:ge.2ykjU0
おっしゃ推薦させていただくぜ!
393
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 20:51:06 ID:5dYKxeM20
完結乙
最後まで読めて良かったよ
394
:
名無しさん
:2019/05/10(金) 23:14:45 ID:wmHH.bBY0
乙でした!
終わってしまったの、すごく寂しいです!
395
:
名無しさん
:2019/05/11(土) 16:37:22 ID:XOZs2QW20
しぃは残念だったけど、ツンの可愛さでチャラだわ
乙!面白かったし楽しかった!
396
:
名無しさん
:2019/05/12(日) 00:02:09 ID:pGmcys860
おわってたー!
作者さん乙でした!
ホッとしたというか、ツンと内藤がこれからもいい関係?でいられそうでよかった!
397
:
名無しさん
:2019/05/12(日) 12:45:50 ID:KX/7SCOM0
完結乙!
テンポのいい掛け合いと所々にあるパンチラインというかワードセンスがすごい好きでした!
またなんか書いてね!
398
:
名無しさん
:2019/05/14(火) 19:23:49 ID:1uqQcCIY0
随分と歪んだ物語だったな
完結乙
399
:
名無しさん
:2019/05/14(火) 23:41:21 ID:F1r8dPp60
乙
毎回更新を楽しみにしてた
後日談とかおまけとかあってもイインダヨー(チラッ
400
:
名無しさん
:2019/05/15(水) 01:41:34 ID:JucbOSys0
おつ
面白かった
401
:
名無しさん
:2019/05/19(日) 10:56:41 ID:bZ3UOxAQ0
乙ー
ブンツンの二人世界のテンポ好きだったわ
402
:
名無しさん
:2019/05/26(日) 18:48:36 ID:dR/qkM4s0
乙
これすき
403
:
名無しさん
:2019/05/31(金) 21:35:11 ID:hiwHrvas0
結局ブーンは殺人鬼なんだからハッピーな感じとかギャグな感じとかが鼻につくな
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