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霧の森には神様が住んでいる
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龍「……静かだな」
龍(最近は体が重くこの森の奥に寝たきり。儂ともあろうものが……少しばかり生き過ぎたか)
龍(土に還ることに刃向かう気はない。そうして命は巡るのだ。しかし…)
龍(最後に、あの娘に一目会いたい)ギュッ
龍「この赤い靴を残して行った、あの娘に……」ググッ
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ズシン ズシン
龍(体がなかなか思うように動かんな……ん、あやつは…)
妖精「あらあら珍しい、龍が歩くところを見るのは何十年ぶりかしら?」ヒラヒラ
龍「……お前は」
妖精「あらあらお忘れ?私もこの森に住んで長いのに」
妖精「なぁに?その素敵な赤い靴。あなたには些か可愛すぎるんじゃあないかしら」クスクス
龍「…この靴の持ち主を知らぬか、小さな小さな人間の娘だ」
妖精「さぁ?たまに森を抜けて遊びに行くけど、心当たりは無いわね。
だいたい、そんな靴今どき珍しいんじゃないの?」
龍「……そうか」ズシン ズシン
妖精「あらあら、もう行っちゃうのね。まぁせいぜい無理しないことねぇ」
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龍(しばらく横たわっている間に、これほどに森は変わるのか)
龍(見慣れない木ばかりだ…)ズシン ズシン
コマドリ「龍だ、龍だ」
ハツカネズミ「珍しいね、珍しいね」
ガマガエル「久しぶりに誰か来たのかもしれないね」
龍(儂が森から出るわけには行かない。誰かに訪ねていく他あるまい)ズシン ズシン
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金髪「あぁ」
龍(これはめずらしいものに会った)
金髪「ドラゴンは初めて見られました。それはどこへ行くのですか」
龍「この靴の持ち主を探している。心の優しい、人間の娘だ」
金髪「私は知りません。技がその前にあなたを知らないので」
龍「……なんだお前は。この森のものではないな」
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金髪「あぁ」
龍(これはめずらしいものに会った)
金髪「ドラゴンは初めて見られました。それはどこへ行くのですか」
龍「この靴の持ち主を探している。心の優しい、人間の娘だ」
金髪「私は知りません。私がその前にあなたを知らないので」
龍「……なんだお前は。この森のものではないな」
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金髪「ちょうどそのように。 私が何も知らない行方 不明の子どもであるので」
龍「こんなに霧の深い森だ、幽霊すら迷う……何の用で来たのだ」
金髪「私は単に居眠りをしていました。 そして、それは心配させられました、卵隠しは行きました、どこに……」
龍「そんなものは見なかったぞ」
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金髪「本当? しかし、それはよいです。 それがそのような状況へ慣れているので。
それは今回奇妙なクリケットに招待されないのがよいものですが」ニコ
金髪「長い間止めて、私はすまなく思います。
あなたがあなたの大切な人物に会うのは素晴らしいことです。さようなら」タタッ
龍「行ってしまったな……卵隠しとやらもいないのに」
龍「……さて、儂もまた歩かねば。何に尋ねるのがよいか…」ズッ
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龍(…ん?なんだあれは。生き物達がやけに集まっている)ズシン ズシン
龍「……何があったのだ?」
ツグミ「誰が殺したんだ」シクシク
クモ「この矢はスズメだ、ズズメがやったのさ」
カブトムシ「可愛そう、可愛そうなコマドリ」シクシク
フクロウ「悲しいねぇ、痛かったろうにねぇ」
ガザッ
龍(何か歩いてくる……)
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エルフ「あぁ、ここに落ちたか」スタスタ
バサッ カサカサ
龍(生き物たちが逃げてゆく…)
龍「スズメのご登場というわけか」
エルフ「クックロビンを射殺すのはスズメだと相場が決まっているからな」ヒョイ
エルフ「…思ったより小さいな」
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龍「……」
エルフ「なんだ?森の主として、殺生は許せませんってか?」
龍「いや。それが自然の摂理というものだ」
エルフ「そういうことだ。食べるのは仕方ないし、食べられるのもまた仕方ない」
エルフ「そうしなければ俺たちエルフだってすぐに死ぬ。まぁいくら健康でもあんたのように長くは生きないがな」
エルフ「で、長い間岩みたいにうずくまってたあんたが今更、何しにどこへ行こうってんだ」
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龍「人間の娘を探しているのだ…か弱い非力な人間の娘だ。もう儂は長くはない…最後に一目会いたいのだ」
エルフ「はっ、女の子に会いたいだと?人喰いの化け物が随分と丸くなったな」フン
龍「何を……儂は今まで、人間など喰ったことは…」
エルフ「……生き過ぎてボケたか?お前は…まぁいい」
エルフ「お前が持ってる赤い靴は、その娘のものって訳か」
龍「……あぁ、そうだ」
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エルフ「……その娘は、どこへ行った」
龍「わからぬ…娘が森に来たのも、もう数十年も前だ……」
エルフ「……そうか」
龍「儂はずっと待っていた…もしかしたら、その娘がもう一度森へ来るのではないのかと。
結局、娘は来なかった。だが儂は……」
龍「儂はもう一度、あの娘に会いたいのだ。あの優しい娘の美しい歌を最後に…聞きたいのだ」
エルフ「…………そうかよ。悪いが他当たれ、俺はそんな奴知らないな」
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龍「……本当か?」
エルフ「は?」
龍「本当に、お前はあの娘を知らないのか?」
エルフ「……腐っても龍ってわけか。そんなところは変わらないか、皮肉めいてるな」フン
エルフ「……知らないほうが良いことだってある。満足いくまで、死ぬまで探せばいいさ、そしてそのまま、土に還れ」
龍「……お前は何を知っているというのだ」
エルフ「お前が何も知らないだけだ」
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エルフ「そんなに気になるなら、妖精にでも聞けばいい。あいつらなら知ってることは教えてくれるだろうよ」
龍「……妖精か。それも良いだろう。だが、お前に…」
エルフ「おっと、これでおしまいだ。俺はもう行く。お前には付き合いきれねェよ。
俺のことも……覚えてないんだろう」ハッ
龍「……?」
エルフ「じゃあな、もう会うこともないだろう……せいぜい、満足のいく最期を目指すんだな」ザッ
龍(どこへ行った……完全に気配が消えた)
龍「また、別の奴を探す他あるまい……」ズシン ズシン
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ズシンズシンってことはこの龍は足があるのか
龍って言われると蛇タイプで飛んでる物だと思うが
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龍(体が重い…)ズシン ズシン
龍(ああ、体が痛い…儂はこんな思いをして、何処へ行こうと言うのだ。何をしようというのだ…) ズシン
龍「……」
龍(……ここは)
龍(この湖は、なんだったか?とても大切な場所だった気がする。とても……)
龍「最後に此処へ来たのは、いつだったか…」
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龍(……?湖のほうから声が聞こえる。霧が深くて良く見えんな…)ズシン
???「♪One misty, moisty morning, When cloudy was the weather, I chanced to ...」
龍「……!」
龍「此処か、此処にいたと言うのか…!!」
???「♪...meet an old man Clothed all in leather.
He began to compliment, And I ...」
龍「おお、愛しい子!もっと近くで聞かせておくれ…!」ズシン
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???「♪...began to grin How do you do...」
龍「ああ、可愛い子…姿をよく見せておくれ」ズシン
???「……」
龍(眼を開けていられん…どうしてだ、とても瞼が重い)ズ...
龍(それに、とても暖かくて…懐かしい)
龍(儂は…儂は何をしていたんだったか?)
龍(……もう、いいか。そんな事…)
龍(いくら探しても見つからないわけだ。ずっと此処にあった、ずっと此処にしかなかった…)
龍「……もうお前は、儂のなかにしかいなかったのだ」
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霧の森には行っちゃ駄目よ。
あそこは遊ぶところじゃないの。
霧の森はお願いをするところ。
ずっとずっと昔から、あの森には神様がいるのよ。
神様に贈り物を渡して、お願いをするの。
お砂糖にスパイス、そして素敵なものをいっぱい持っていくのよ。ぼろきれやかたつむり、子犬のしっぽなんかじゃ駄目なんだから。
神様がぺろりと贈り物を平らげたら、きっと願いを叶えてくれるわ。
だから、霧の森には行っちゃいけないの。
おしまい
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忘れられることは辛いけど、忘れることはもっと辛いのでしょうね。
そのくせ昔のことは鮮明に覚えていたり。へんな声が聞こえたりしてね。
長く生きてるとしかたないのでしょうか、そんな話。
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なんだかよくわからんな
金髪のセリフはなんだか日本語として謎だし
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日本語としてとかアホな突っ込みするなら金髪以外にいるだろw
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乙
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