- 1 :リリ :2015/06/15(月) 23:37:48
- 俺の役目は、彼女を守ることだ。
彼女はいくつもの大企業を束ねる、あるグループ総帥の娘一人娘。総帥の本妻の娘。 女、娘と言うからには彼女は女だ。当たり前だが男ではない。 総帥は跡取り息子を欲しがった。本妻は体が弱く、彼女以外の子をもうけることはできなかった。 愛人に息子を産ませることを総帥は選択した。彼女は本妻の両親の元で散々に冷遇されて育った後、日本ではまだ珍しい寮のある小学校に入れられ寮暮らしを強いられた。彼女の心の支えは、長期休暇で寮が閉まっている間に、本妻へ会いに行くことだった。彼女を出産して以降、本妻は大きく体調を崩し、病院の個室で入院と言う名の軟禁生活を強いられていた。 しかし、彼女が名門女子高に進学した年の冬、息子が愛人もろとも客船の転覆事故で亡くなった日から数日後、本妻は彼女にこう言った。 「……どうしてあなたは、おとこのこじゃないの?」 この言葉を聞いた彼女はショックで激昂し、見舞いの花が差されていた花瓶を叩き割り、胸と下腹―ちょうど、子宮があるであろう場所を切りつけた。 その日は、総帥が跡取りとして、しかたなく、彼女を迎え入れる事を決めた日でもあった。 俺が彼女と出会ったのは、彼女が全ての治療を終えて意識を取り戻した時だった。 表向きは総帥から派遣された護衛。 最初から彼女は俺に敵意丸出しで接してきた。 俺は総帥からの命令もあり、彼女が吐く暴言に全て謝罪を返し、彼女の命令は何でも聞いた。 その内、彼女は俺の事を『便利な奴』程度には認識してくれるようにはなった。 ただ、オレの本来の役割は彼女の監視だ。彼女に関わる全ての情報を総帥へ報告するのが、俺の仕事だ。総帥の命令は『跡取りの命を守り、その願いを何でも聞き遂げる事』。彼女の監視は前者に当り、後者はどうも人を使う練習のようだ。 彼女にプライバシーなどなく、新たに転入した学校でどうしているか、部屋でどうしているか―学校に事務員として潜りこみ、部屋に監視カメラを付けて、寝言から読んでいる本まで俺は全て総帥へ報告した。 彼女が俺を『便利な奴』と認識した頃の彼女の命令は 「ねぇ、あの本が読みたいわ」 「ねぇ、この服を買ってきて頂戴」 「ねぇ、今日の夕食は父様がいらっしゃるの。行きたくないから、適当に言い訳をしておいて」 と、割合可愛い物だった。
けれど
「……ナイフ、カッターでもいいわ。刃物を用意して」
命令をした声は、余裕が無く震えていた。 ナイフは素人には危ないからと、俺はカッターナイフを用意した。彼女はそれを毎日持ち歩いた。 原因はもちろんわかっている。 学校で、総帥の呼び戻されてからの唯一の心の支えであった友人達が、実は彼女に取り入る為に近付いている、という噂が流れたのだ。 彼女は怯え、自分を守る武器を欲しがったんだろう。 そして、その武器は実際に振るわれた。 彼女は聞いてしまったのだ。 友人だと思っていた女の子たちが、自分の事をただのコネ作りの相手としか思っていないと話していることを。 錯乱状態に陥った彼女は、無造作にカッターナイフを振るい続け、生徒の知らせで俺が駆け付けて羽交い絞めで止めるまで止まらなかった。夕方、夕日が差し込む教室は陽の光以外にやけにはっきりとした赤色で染まっていた。
- 4 :ゆりーいか ◆8QAThITfW. :2015/06/17(水) 23:40:24
- 発想 3
オチ 3 構成 2 文章力 3 読みやすさ 4
可もなく不可もなくと言った作品。ただ読めてふーんで終わってしまう話。起承転結はあるとは思うが、ただの起承転結であり、物語にメリハリがない。盛り上がるべき部分が盛り上がってないために平坦な話になっているのだと思った。 まず、ヒロインを作っている要素としているのに、物語に深く関わってこない怪我はただ不快になるだけの要素にしか感じなかった。ヒロインの内面を描いたらそれは変わってくるのだろうが、今回の話ではそれは見られない。 ヒロインは人間としての自らの必要性を、ヒロイン自信が感じることが出来なかったために、死にたい、と思ったゆえの行動で、それを主人公は恰好よく助けてくれる、と言う話を書きたかったのだろうが、物語におけるキャラやバックグラウンドの要素が希薄であるために、「悲劇のヒロインな私の本当の願いを叶えてくれる主人公SUGEEEE!」と言った三文芝居にしか見えなかった。 つまり、ご都合主義の手のひらで展開されるいい話、と言った印象を読んで感じた。 なぜそのように見えてしまったのかを推測すると、1から10まで説明をしているからだと思う。丁寧すぎるため、または省略してもいい部分を過剰に説明しているために、物語としての緩急を失い、結果として盛り上がりに欠けてしまっているんじゃないかと思う。 前回の話では逆に説明不足+話の強引さがあったが、今回の作品ではいい意味での強引さもなく、話の流れにおいて説明過多な面があるために、ヒロインに新しい自分を与えるところに盛り上がり、カタルシスを感じることが出来なかった。 また、ヒロインのキャラクターとしての要素が希薄であり、物語の奴隷になっている印象を受けた。これは主人公にも言える話でもあり、短い文字数の中でキャラクターに血を通わすことは難しいとは思うが、その分削れる部分も多く見えるので、改善の余地は大いにありだと思う。 主人公のキャラ性が希薄である部分は、なぜヒロインの助けたのか、という部分であり、逆に他の部分ではキャラが立っていないので、いきなり現れたヒロインの救済という行動にかなりの違和感を感じてしまった。 話の要素としては不可はあまりない印象であるが、話の見せ方がそれに伴っていない。むしろ、話として駄目なものでも見せ方、つまるところ演出であるが、それさえよければ名作にもなるのが物語だと思う。
- 5 :halo ◆kTi/NPKVoo :2015/06/22(月) 00:01:04
- 発想 3
オチ 2 構成 2 読みやすさ 3 文章力 3 見当違いかもしれませんがよろしくお願いします。 読み易い文章でした。表現も比喩もややこしくなく、丁寧な文章に感じます。 話の作りも丁寧で、王道を行っていますが、如何せん描写が足りない。主人公がヒロインを救う理由が、雇われただけでももちろん成立するが、話としては面白くない。ただ、それを除けば高水準だと思います。 表現の仕方次第では良い作品になると思いました。
- 6 :山林檎 ◆EASU4gI.Q. :2015/06/22(月) 19:00:41
-
発想力 3 オチ 3 構成力 3 読みやすさ 4 文章力 3
- 7 :牧場 甘焦 :2015/06/22(月) 20:47:33
- 発想力 3
オチ 2 構成力 3 読みやすさ 3 文章力 3
- 8 :ドン ◆UvEBa4uUc6 :2015/06/23(火) 13:13:59
- 発想2
オチ1 構成3 読みやすさ4 文章力3
どこかで見た話、という印象でした。長編の一端であれば良い要素ですが、単体のSSとしては今ひとつだと思います。
「こういう話を書きたい」と思った時、どこかで読んだ話を下敷きにするのは良いのですが、それにそのまま乗っかってしまうとただのテンプレになってしまいます。重要なのは「どこに自分の個性を入れるか」です。
オチだけでもだいぶ変わります。オチが変われば途中の物語もその伏線で満ちて輝きが変わります。物語を書くとき、「読者は途中でどのように予想するだろう?」と考えてみてください。そしてその予想を裏切る事を目指してみてください。
文章表現に関しても、娘という言葉をわざわざご丁寧に説明する必要性が見当たりません。必要の無い物を書いてしまったという事は、主人公が必要ない事をいちいち語る回りくどいヤツなのでしょう。ならばその要素をもっと語り部の端々に散りばめ、物語の展開にも影響させてキャラクターの個性として書ききるべきだと思います。
足りないのはオリジナリティー、ですが主人公の舌から解決の糸口は見えています。もっと個性を!
- 9 :つっきー ◆6QUnoksOl. :2015/06/24(水) 13:07:31
- 発想力3
オチ3 構成力3 読みやすさ4 文章力2
- 10 :うえだ ◆8QAThITfW. :2015/07/13(月) 19:24:27
- 発想2.8
オチ2.2 構成力2.6 読みやすさ3.4 文章力3.2 総合得点14.2
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