- 1 :名無しさん :2016/04/17(日) 13:44:08
- にゃ(
- 17 :名無しさん :2016/04/17(日) 20:27:25 ID:EiwBBwG2
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「ねえ、あずにゃん、大学ってどんなところなんだと思う?」
どんどんどおん。じゃーん。
「ムギちゃんはね、海外に行くんだって、アメリカだよ。すごいよねえ」
ちゃっちゃっどんどん。
「さびしいけどさあ、こういうことって普通なんだよね。つまりさ、我慢しなきゃいけないっていうか結局いやだと思っててもそうなっちゃうっていう……」
ぱあぁぁん。ぱあぁぁん。
「ねえ、だから、あずにゃんは天使になったの?」
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- 18 :名無しさん :2016/04/17(日) 20:28:28 ID:EiwBBwG2
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喋る声にひかれてあずにゃんがわたしのところまでやってきた。 手を開く。 そこには、鳥の羽、なにやらビーズのようなものに、ガラス片。 そしてピック。 それは修学旅行のお土産にわたしがあずにゃんのために買ってきたものだった。 あずにゃんはいつでもそれを差しだそうとする。まるで思い出を今もまだわたしと分かち合おうとするみたいに。 ピック以外のものを手にとって、ポケットにしまった。 それからあずにゃんの手を拳の形に握らせた。
「それはもらえないよ。だって、わたしが、あずにゃんにあげたんだもん……」
手のひらを上に滑らせて、手首をぎゅっとつかんだ。 ひっぱる。
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- 19 :名無しさん :2016/04/17(日) 20:29:10 ID:EiwBBwG2
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その夜夢を見た。 いつも見る夢。 わたしは沈んでいる。 黒い泥のなかに。 青い空、きれぎれに乱反射する光がまぶしい。 水面のよう。 泥はすでにわたしの膝の下まで達している。 まるでチョコレート・アイスクリームの海に沈んでいるみたいで、冷たい。 このままじゃお気に入りの白いスカートが汚れちゃうなあ。 そんなことを最初は考えていた。 それにしてもいったいわたしはどうして沈んでいってるんだろう。 身体を動かそうとしてその答えはすぐにわかった。 重いのだ。 膝の上、スカートが。 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 20 :名無しさん :2016/04/17(日) 20:30:39 ID:EiwBBwG2
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「ムギちゃんの住むとこってどんな感じなの?」
「えとねー、ケンタッキー州の南のほうにあって、大きいんだけどあんまり車の通らないハイウェイのそばにあるんだけどね……自然のたくさんあるところで、サッカーの試合ができるくらい広い芝生の庭があって、道路の向こう側には森があるし、わたしは見たことないんだけど、なんでもその森にたくさん鹿がいるらしくて、あ、でも野ウサギが庭で遊んでるのを見たことはあるわ。赤い屋根の三階立ての大きな家でね、玄関のところに、なんていうんだっけ?あの悪魔みたいな、ほら、ゴーストバスターズって見たことある? そう、その、あの敵になるやつ、あの銅像がふたつあって子供の頃は怖かったなあ夜とか。家の中には叔父さんと叔母さんが二人で住んでるんだけど、叔父さんはね、弁護士してて、うちの会社のアメリカ支部の顧問弁護士なんだけど、だからやっぱりお金持ちで、ガレージにはスポーツ・カーが二台あって、赤と黄色、壁には狩猟用のライフルが並んでて、本物の銃だよ。でっかいワインセラーもあってね、子供の頃、お父さんに秘密で飲ませてもらったことあったな。で、大学がスクール・バスに乗って15分くらいかな、の町にあるんだけど、週末にはダンスパーティがあるんだって、あ、それにね、家の後ろにでっかい湖があってー、そうしたいならボートにも乗れるのよ」
「わぁ、それって映画みたいじゃん」
「うそ、映画で見ただけだもん」
「なんだよー」
「ごめんごめん。本当は叔父さんのところには行ったことないの」
「でもお金持ちなの?」
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- 21 :名無しさん :2016/04/17(日) 20:32:19 ID:EiwBBwG2
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一瞬、それがわたしのことなんじゃないかと思ってびっくりしたけど、前の方で30代ぐらいの女の人が立ち上がるからそうじゃないんだって安心する。女の人は壇上にあがって話しはじめた。
「えーみなさん、こんにちは。わたしは今、39歳で、離婚歴があり、ひとりの娘がいます。娘は高校生です。夫とは別居していて、今は実家の方で母のお世話になっています。夫は結婚した当初はとてもよい人でしたが、だんだんとすれ違いが生まれていき、しかしそれはふつうの夫婦生活ならば十分考えられる程度のすれ違いでもありました。決定的なのは子供が生まれたことです。そこからだったんです、そのときから彼は急に素っ気なくなり、家に帰らないことも増えました。生まれたばかりの子供がそこにいるにも関わらずです。彼は子供が好きではなかったんです。わたしは娘のことをとても愛していますが、彼女は望まれて生まれた子供ではありませんでした。生まれた子供が女の子だったことも夫を失望させたのだと思います。彼はどちらかと言えば男の子を欲しがっていましたから。時が経っても夫の態度は変わらないどころかますます冷たく、家に帰ってくる頻度も減り、やがて自然な成り行きでわたしたちは別居することになって、最終的には離婚するに至りました。アルコール依存になりはじめたのは、ちょうどその離婚した頃のことでした。最初は段々と心離れていく夫への寂しさから酒に手を出すようになり、ひとりで子を育てる気苦労がそれに拍車をかけました。それでもそのときのわたしはせめて自分の身の回りのことはきちんとし、娘も学校へ行かせ、よい母親であったかはわかりませんが、少なくとよい母親であろうとしていました。このアルコールという悪魔の手に本当に捕まったのは娘が中学を卒業し、そこにちょうど離婚も重なった――もちろんそのときにはすでにそれは形式上のものにすぎませんでしたが――そのあたりでした。娘も大きくなり自分のことは自分でできるようになり、また反抗期らしきものを迎え、今までふたりでがんばってきたのが、なんだかひとりになったようで、なにか張りつめていた糸のようなものがぷつりと切れてしまったな心持ちがし、わたしはお酒に溺れるようになりました。もちろんわたしが他の誰かよりもそれほど悲惨な目にあったとは思っていません。だからこれはひとえにわたしの心の弱さが引き起こした問題です。今こうして喋っている間にもアルコールへの要求は収まらず、ふとすると手がふるえてしまっているのではないかと不安になります。幸いなことに、母の力添えもあって、娘は今のところ元気な子に育っています。わたしは娘のためにもはやくこの依存に打ち勝ちたいと心から願っています。聞いてくださいありがとうございました」
- 22 :名無しさん :2016/04/17(日) 20:33:44 ID:EiwBBwG2
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「唯はさどっか行きたいとことかあんの?」
「えっとねー……」
空を見上げると、切れ目ない大きな雲が東から広がっていき、ゆっくりと夕焼けを制圧しようとしている。白。天使の国はどんな色にも染まったりしないのだ。 わたしは呟いている。
「天国とか」
「ばーか、そんなとこ車なんかなくたって簡単にいけるだろ」
りっちゃんがわたしをこづいた。
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- 23 :名無しさん :2016/06/05(日) 15:07:49 ID:YPP5FHUc
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安眠時代の安眠寝具で安眠生活を
(安眠時代発行折り込みチラシより抜粋)
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原始時代、人間は眠れなかったのを知っていますか? 事実とある研究ではネアンデルタール人(※1)にはノンレム睡眠(※2)がなかったと言われています(歩道橋下坂の上大学研究チーム研究中) 不眠症が彼らを滅ぼしたのです。 我々の眠りは進歩しています!
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