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Lovely-m@ster

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1 : I.F 2(20) / 2 : I.F(59) / 3 : 妹は、ままゆ。(52)
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1 I.F 2 (Res:20)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 1
1Lovely-Ring :2019/06/30(日) 14:20:39
食卓の上、いつもと同じように冷凍食品を温めただけのもの。
買い置きのミルクティ。
面白かったりそうでなかったりするTV画面。
独りで向かえていたこの時間は
ただただ過ごしていくだけのものだった・・・今までは。

「あなたいつもそんな感じの食事してるの?」
「うん。そうだよ」

今は、いつもとは違う風景がそこにある。
食卓の端っこに置いてある凛のフィギュア。
普段は食卓には置いてない。汚してしまうのが嫌だから。
でも、今日は夢魔が置いて欲しいって言うから・・・

「傍目から見たらただの危ない人よね」
「り・・・君がそうしてくれって言ったんだろ」
「だって暇なんですもの」
「今日のテレビはつまらないもんね」
「テレビの内容はどうでも良いんだけど。っていうか、一つ良い?」
「何?」
「私のこと、凛って呼んでいいよ?」
「えっ!」
「今、『凛』って呼びかけたでしょ?」
「いや、でもそれは・・・」

14Lovely-Ring :2019/06/30(日) 14:23:42

「あ、段々感覚がつかめてきたわ!腕も動かせる・・・
 髪の毛硬っ!後ろにはこれ以上は無理ね・・・
 でも横はいけるし、前ならもう余裕って感じ!」
「・・・何か、すごい感動する・・・」
「泣いてるの!?」
「だって、figmaが自分で動くなんて思いもしなかったし・・・」
「全くもう・・・ほら、ちょっと屈みなさい」
「え?こ、こう・・・?」

屈んでfigmaに顔を近づける。
すると、figmaの硬い手が涙を拭ってくれた・・・

「ふふん。どう?もうこんなこともできちゃうのよ。
 私の順応力も中々のものね」
「あ、ありがとう・・・」
「ちょっと!余計泣いてるじゃないの!
 これじゃあいくら拭いてあげても足りないじゃない」
「だってさ・・・」
「もう・・・顔洗ってきなさいな?ひどい顔になってるわよ」
「・・・そうする」

涙でぐしゃぐしゃになった顔を洗うために洗面台に向かう。
その後ろで、「んしょ、んしょ」という声が聞こえてきて、
微笑ましくて笑いがこみ上げてきた。


15Lovely-Ring :2019/06/30(日) 14:23:59

顔を洗い、心を落ち着かせると、再び夢魔の元へ向かう。
すると、予想に反した声が聞こえてきた。

「ちょっとー!これ歩けないじゃない!」
「え?」

見ると、行進みたいに脚を上げ下げしてるものの、
背中のスタンドで位置が固定されているために
そこから動くことができないようだった。

「これはこれでかわいいんだけど」
「あのねぇ・・・まぁいいけど」
「・・・照れてる?」
「照れてない!!」

このやりとり、何度やっても楽しいんだよなぁ・・・

「・・・もう口利いてあげない」
「ごめんなさい」
「・・・・・・全くもう・・・で?これ何とかならないの?」
「背中にスタンドがついてるのわかる?」
「組み立てるときに見た」
「それを外せば歩けると思うけど・・・もしかしたらそのまま倒れちゃうかも」
「大丈夫!もうこの体にも大分慣れたから。だから外して良いよ」
「・・・わかった。それじゃあ・・・」

スタンドに手を伸ばそうとしたとき――


16Lovely-Ring :2019/06/30(日) 14:24:13

「ちょっと待って!」
「な、何!?」
「抜くの痛そうだから、一旦あっちに入っておくね」
「なるほど。それじゃあそうして」

一旦光が抜けて、向こうの凛へ入る。
実際、背中に刺さっているものを抜くのだから、
その恐怖はわからなくはない。

スタンドからfigmaを外すと、中々自立してくれず、
そのまま寝そべらせておく。

「これでも大丈夫?」
「ん?大丈夫よ!見てなさい!」

再度向こうの凛から光が移って来る。
寝そべる凛がぐぐっと立ち上がろうとする。

「んん・・・っしょ!よし、これで膝を・・立てて・・・やった!立てたわ!」
「すごい!」

表情はかわらないものの、必死な声を出して立ち上がる凛。
バランスが少し取りづらそうだけど、スッと立つ凛がそこにいた。

「・・・顔洗ってきなさい」
「はい・・・」

再び泣いてしまった俺を洗面所へと送り出す。
手を振る彼女を見てさらに泣いてしまった・・・


17Lovely-Ring :2019/06/30(日) 14:24:27

洗面所から戻ると、そこに凛の姿はなかった。

「えっ・・・おーい、夢魔ー!どこ行ったー?」
「ここよ。ここ」
「どこ!?」
「ここ・・よ!」
「っ!」

足首にちょっとした刺激を感じ、下を向いてみると
ちょこんと座りながら俺の足首に腕を突き出す凛の姿があった。

「えっ!ここまで歩けたの!?」
「まぁねー!こんなの慣れちゃえば何てことないわ! 
 って、もう泣かないでよ??」
「だ、大丈夫・・・我慢する」
「我慢するものなの!?」

こうして、夢魔in凛figma計画は成功に終わった。
これで彼女は、俺がいないときにも自由になれる。


18Lovely-Ring :2019/06/30(日) 14:24:39

「あ。そういうことなの?」
「え?何が?」
「いや、どうしてこれを買ってきたのかって教えてくれなかったでしょ。
 てっきり動けるようにして色々シて欲しいのかと思ってたわ」
「違うよ・・・俺がいない間でも退屈しないようにって思って・・・
 って、心の声は聞こえなかったの?」
「・・・だって、あなたずーっと『これに入って欲しい』ってのと
 『動いた!嬉しい!』しか心に無かったじゃない。
 それしか聞こえなかったもの」
「そうなの?」
「そうよ・・・でもまぁ・・・ありがと」
「え?」
「・・・もう言ってあげない」

そう言うとスッと立ち上がり、向こうへと歩いていく。
その姿がもう・・・かわいくてかわいくて・・・

「・・・あぁもう!恥ずかしいこと思わないで!」
「ごめんなさい!」


19Lovely-Ring :2019/06/30(日) 14:24:52

振り向きもせずに叱咤すると
そのままテレビのリモコンへと歩みを進めていく。
直前に着くと、そのまま膝を曲げて座り込む。
所謂女の子座りをしてリモコンのボタンを押している。

「よし!テレビ見放題!」
「そんなに嬉しかった?」
「うん!ありがと!」
「っ・・ど、どういたしまして」

そのまま楽しそうにテレビを見ている姿が愛おしく思えた。
「買って良かった・・・」
そう独りごちる自分には目もくれず、
”あははは”と笑い声を上げている。
何だか・・・幸せだこれ・・・


20Lovely-Ring :2019/06/30(日) 14:25:07

そんな幸せを噛み締めながら夜は更けていく。
・・・わかっていた。わかってたはずだった。
でも、忘れようとしていたんだ・・・

「明日が・・・最後か」

2日目の夜が終わる。
幸せな笑い声と共に・・・

・・・明日は・・・会社休もう。

せめて。せめて最後の一日くらいは一緒にいたい。
その決意を胸に、寝に入る。
『明日休むのなら徹夜すればいい』
とも考えたが、体調を万全にした状態で最後の一日を過ごすほうが
きっと良いのだと思った。

「夢魔!」
「ん?なーにー?」
「明日、よろしくね」
「・・・・・・うん。楽しみにしてるね」

心の声を聞いてくれた彼女の声が、
どこか寂しそうに聞こえたのは、きっと気のせいじゃない。
と、俺は勝手な希望を抱いていた・・・


I.F ~Idyllic Friend~


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2 I.F (Res:59)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 2
1Lovely-Ring :2019/06/15(土) 16:33:35

「やっちまった・・・」

わかってた。わかってたはずだった。
仕事中とはいえ、親が自宅に来ることをメールで受け取った時に
こうなることは予想できていた。
でもさすがに仕事中に帰宅するなんて
そのまま二度と会社の玄関をくぐれなくなるのも予想できて、
どっちを取るかと問われたら
ほとんどの人が俺と同じ選択をしていたはずだ・・・

だけど・・・悔しいなぁ・・・

33Lovely-Ring :2019/06/15(土) 16:42:23

「良い?前も言ったけど、私も”代価”を支払うの。
 生半可な気持ちで提案したわけじゃないってこと。
 ちゃんと受け止めなさいよね」
「・・・一つ聞いて良いかな?」
「・・・内容はもうわかるけど・・・あえてその声で聞くわ。何?」
「俺のこと・・・」
「前も言ったでしょ?『あなたが気に入ったの』って」
「それって・・・」
「朴念仁」
「え」
「なんでもない。とにかく来週よ!来週にはちゃんと結論を聞かせなさいよ!」
「わ、わかった」
「次忘れたらそれでおしまい!わかった?」
「わかった」
「じゃあ、とりあえずバイバイ!」
「――」

ここで目が覚めた。
前回より短いやり取りだったせいか、時計はまだ2時台を示していた。
・・・もう一回眠れるな・・・
そう思いながら目を閉じる。
当然ながら、その時にはあの子は出てこなかった。


34Lovely-Ring :2019/06/15(土) 16:42:39

そうして。
仕事と楽しさの中、一週間という日々はすぐに過ぎていった。
結論は・・・もう出ている。
今日はそれを伝えるだけ。
俺は・・・

「・・・いつの間に寝てたんだろう・・・」

見渡す限りの花畑。
3回目ともなると慣れてしまった。
茶色い一角へと早速向かっていく。

「来たわね」
「うん。こんばんは」
「はい、こんばんは。
 さて・・・結論は出たようね」
「うん・・・ごめんね」
「謝るのは違くない?あなた自身の性欲もかかってたのよ?」
「そうだけど・・・」
「それにね。私は夢魔なの。あなたから離れれば次の人のとこへ行くだけよ」


35Lovely-Ring :2019/06/15(土) 16:42:53

「次の人・・・」
「ふふ、大丈夫よ。この顔や姿は次の人には映らないわ。
 その人の好きな姿に変わるんだから。
 ま、その次の人もこの凛って子が好きな場合は同じ顔になっちゃうかもだけど」
「えっ?」
「何を驚くことがあるの?あなたの好きな凛って子は
 あなた以外には好かれない子なの?」
「そ、そんなことっ!」
「無いのでしょう?それじゃあその可能性は低くないじゃない。
 現に私はこうしてこの顔であなたの前にいるのよ?
 あなた以外にこの子が好きな人がいれば、この子の顔で現れるわ。
 きっとその人は・・・」
「・・・その人は?」
「こんなに小さい姿にはしないでしょうけど。
 等身大?っていうのかな。少なくとももっと大きくなるでしょうね。
 そうなれば、私も楽ってものよね。いくらでもこの夢魔の力でイかせてあげられるわ」
「・・・」
「妬いてるの?」
「・・・・・・」
「答えられないっか・・・そうだよね。そんなこと、想像すらしてなかったみたいだしね。
 でもね、私以外にも夢魔はいるの。
 私がこれから先に相手していく人たちがさ、凛の姿を望むことがなかったとしてもね、
 他の夢魔のところにはそういう人がいるかも知れないの。
 つまり、この顔で相手のソレを奪っていく夢魔がいたとしても、
 全然ありえないことじゃないわ」


36Lovely-Ring :2019/06/15(土) 16:43:11

「・・・そうなのか」
「そう。ほら、聞いたことない?
 好きな人とシちゃう夢を見たって話。それで夢精しちゃったって話とか。
 その大半が私達の仕業ね」
「・・・そういえば、あいつは杏ちゃんが夢に・・・」
「身近にもいたみたいね。要はそういうことよ。
 男が思い描く姿で現れる。そうすればソレを奪いやすくなる。
 そうやって、私達はやってきたの。
 これまでも。そして、これからも」
「・・・」
「ま、さすがに?こんなに小さい姿で現れることは無かったけどね。
 だからこそ・・・あなたに同情しちゃったのかな。
 夢魔失格ね、私。人間なんかにこんな感情を持っちゃうなんて・・・」
「・・・あの」
「だーめ。結論は出たの。今更『やっぱなし』なんて許さない」
「・・・・・・」
「・・・これで本当に終わり。もう私があなたの夢に出ることはないわ。
 ま・・・他の夢魔が来てくれる可能性は否定できないけどね?」
「でもこのままじゃ・・・」
「気持ちの整理がつかない?
 でもごめんね。これ以上あなたの夢には出られないの。
 これは規定。同じ人の夢には3回までしか出られないの。
 前も言ったかもだけど、あまり出すぎちゃうと対象を死にいたらしめちゃう。
 そんなの私達の望みではないわ。
 だからこそ、この3回でいただくものをいただいていくわけ。
 っていうか、普通1回で終わるんだけどね。あはははは」

彼女は笑う。
少し寂しそうに見えるのは、俺の思い違いなのか・・・


37Lovely-Ring :2019/06/15(土) 16:43:30

「・・・さぁてと。それじゃあ私、行くね。
 凛って子のこと、ずっと大事にしなさいよ?」
「・・・わかってる」
「よし!じゃあ・・・今度こそ、バイバイ」
「まっ・・・」

目が覚めそうになる・・・嫌だ・・・このまま別れたく・・・

とっさに手を伸ばす。
何か・・・何かをつかんだ気がした。

「ちょっ・・・・・・」

彼女の声が・・・聞こえて・・・・・・


目が覚めた。
時計は6時を指していた。
今日は休みの日。だからこの時間でも驚きはなかった。
ただ・・・自分の手の熱さに驚いていた。

恐る恐る開くと、手の中には白い光があった。
ふわふわとして・・・綿みたいな・・・
そのまま捨てるのは気が引ける。
いや、捨ててはいけないものだと認識していた。
すると――


38Lovely-Ring :2019/06/15(土) 16:43:44

「・・・やってくれたわね・・・」
「えっ!」

その光から声が聞こえた。
その声はほんの数分前に聞いたそれと全く同じだった。

「もしかして・・・夢魔?」
「私以外に何があるっていうのよ!思いっきりつかんでくれちゃって!」
「ご、ごめん」
「あぁもう・・・これじゃあ帰るに帰れないじゃない・・・」
「ど、どういうこと?」
「あのね、私達はこうして夢の外に出ることは一応できるの。
 ただ、この姿限定ね。そして、この姿になった場合、
 3日間は帰ることができないの。」
「3日間?」
「そ。3日経てばこのまま私達の世界へ自動的に帰れて、
 また夢魔の姿に戻るってわけ」
「面白い生き方してるんだね・・・」
「大きなお世話よ!全く・・・・・・責任」
「え?」
「責任取りなさいよ!」
「えっ、でも3日経てば自動的に帰れるんだろ?」
「あのね!この姿って見ればわかると思うけど、
 ちょっとした風とかでいくらでも吹き飛んじゃうわけ。
 だから・・・3日間ずっとどっかに隠れなきゃいけないの!」
「どっかって・・・どういうところが良いの?」


39Lovely-Ring :2019/06/15(土) 16:44:48

「そうね・・・あっ、良いこと考えたわ!」
「良いこと?」
「そ!あの子の中に入れさせて!」
「どういう意味!?」
「そういう意味じゃないわ!容れ物としてあの子を貸してって言ってるの!」
「あの子って・・・凛!?」
「そうよ。あなたの中の私の顔なんでしょ。あの子。
 確かに可愛い子じゃないの。心の中と寸分変わらないわね」
「でも・・・動かないよ?」
「・・・なーに考えているのかなー?」
「いや!いやいや!!」

そんな感じで。
今日から3日間、夢魔が凛の中に入っている。
もう、何が何だかわからないが――

「ちょっとー!もうちょっとテレビが見られる角度にしてよー」
「あ、はいはい」

・・・正直楽しい。


I.F ~イマジナリーフレンド~


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3 妹は、ままゆ。 (Res:52)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 3
1Lovely-Ring :2019/02/04(月) 00:23:33

突然だが、俺には昔生き別れた妹がいる。
俺が11歳、妹が3歳。年が離れている分、俺が面倒を見ることが多かった妹。
その甲斐もあってか、妹は俺にとても懐いてくれていた。
学校から帰ってきたら真っ先に寄って来たし、
玄関を開けたらすでに待っていたこともあった。
「おおきくなったらおにいちゃんとけっこんする」なんて言葉は毎日10回は聞いていた。

そんな妹との、突然の別れが来た。
親の都合。ただそれだけ。
でもそれは、二人にとって大きすぎることだった。
学校のこともあり、俺はそのまま父の元で。
妹は母に連れられて母の実家に引っ越すことになった。
俺と離れ離れになると知ったときの妹の顔は今でも鮮明に覚えている。
泣き顔はもちろんだけど・・・その奥に暗いものがあった。
悲しみとは少し違う・・・まるで闇のような・・・

それからお互い会えないまま、12年が経った。
俺は立派・・・といえるかはわからないが、一端の社会人になった。
その仕事はアイドルのプロデューサー・・・というと聞こえはいいが
担当するアイドルすら決まっていない、要するに駆け出しのタマゴだ。
それでも、それなりにノウハウは学んできたし、先輩のヘルプだってこなしてきた。
それらが認められて、晴れて今日から本格的なプロデューサー活動を行えるようになった。
社長からは「事務所内でこれはと思う子がいたら選んでくれたまえ。君にまかせるよ」
とのお達しがあったが、俺には一人、どうしてもプロデュースしたい子がいた。
そう。12年前に離れたきりの妹・・・まゆだ。

46Lovely-Ring :2019/02/04(月) 00:45:50

そんなある日、いつものようにまゆが家に来ると、普段は持ってこないような大きな荷物を背負ってきた。
まさか・・・

「今日は泊まりますからぁ」

行動力があるのは良いことなのだけど、あまりにも突然の申し出・・・さすがにそれは・・・

「いや待て。さすがに泊めるわけにはいかないぞ」
「どうして?」
「どうしてって・・・」

言葉に詰まる。どうせ次のセリフは「兄妹なんだからいいじゃない」になるとわかっているからだ。
まゆはここ最近このセリフで俺を困らせてくる・・・だがこっちだって対策くらいは練ってるんだよ。

「アイドルがホイホイとお泊りするものじゃありません」

どうだ!これなら・・・


47Lovely-Ring :2019/02/04(月) 00:46:03

「あれぇ?それってプロデューサーさんはアイドルに手を出しちゃうってことですかぁ?」
「な、なんでそうなるんだ?!」
「だって、お泊り禁止なのは男の人の所に泊まるときでしょ?
 女の子の友達の家とかには泊まって良いんですよねぇ?」
「ま、まぁ・・・そうだな・・・」
「それじゃあ、プロデューサーさんの家に泊まるのは禁止ですかぁ?」
「ぐっ・・・!」
「泊まっても・・・いいですよね?」
「いやいやいや、確かに俺は手を出すことはしないけど、世間の目は厳しい――」
「なぁに?おにいちゃん」
「・・・・・・わかったよ、もう・・・好きにしてくれ」

・・・多分俺は一生まゆには勝てないと思う・・・
我が妹ながら恐ろしい・・・旦那になる人は苦労するだろうな・・・


48Lovely-Ring :2019/02/04(月) 00:46:14

「それじゃあおにいちゃん。お風呂先にいただきますねぇ」
「えっ!あ、あぁ・・・」
「・・・一緒に入りますかぁ?」
「勘弁してくれ・・・」
「冗談ですよぉ。まぁどうしてもっていうなら歓迎しますよぉ?」
「良いからさっさと入りなさい!」
「はぁーい」

・・・・・・こういうのが小悪魔ってやつなんだろうな・・・
末恐ろしいな、全く・・・

お風呂の後、仕事のことやちょっとした雑談をして
寝るまでの時間を過ごした。
お風呂あがりの紅潮した顔に・・・少しだけドキっとした。
妹だけど・・・この顔は正直惹かれるものがあった・・・


49Lovely-Ring :2019/02/04(月) 00:46:26

大きい荷物の中身は枕とタオルケットだったらしい。
それが無いと眠れないそうで、都の家にいた時も持参していたとのこと・・・
うん、そういうところはかわいらしい。

普段使っている布団をまゆに貸し、ソファで眠る。
さすがに一つの布団で寝ることだけは固辞した。
・・・まゆのほうはどうやらその気だったらしいが・・・

それでもなるべく近くにいて欲しいとのことで、
普段置いてある部屋から寝室へとソファを近づけた。
まるで甘えん坊のようだったが、どうやらそういうことではなく
眠りにつくまで話がしたかったようだ。


50Lovely-Ring :2019/02/04(月) 00:46:54

「ねぇおにいちゃん」
「何だ?」
「おにいちゃんは・・・好きな人とかいるの?」
「えっ!!あ、いや・・・特にはいないかな・・・」
「・・・ホントに?」
「・・・嘘ついてどうするんだよ・・・」
「だって、周りにはかわいい子たちがたくさんいるんだよ?
 一人くらい『この子かわいいな』って子がいても良いと思うけど?」
「あの子たちは仕事仲間だからな。言わば戦友みたいなもんだよ」
「・・・ふ~ん・・・」
「あ、疑ってるな?」
「ううん。むしろ関心したの。ちゃんと仕事とプライベートは分けてるんだなぁって」
「それはどうも」
「・・・もし」
「うん?」
「もし、好きな人ができたら・・・まゆにもちゃんと教えてね」
「え・・・」
「だって、その人が未来のお姉さんになるんでしょ?それならちゃんと知っておきたいの」
「・・・そうだな。ちゃんと教える。その代わり」
「その代わり?」
「まゆももし好きなやつができたら」
「まゆはおにいちゃん一筋ですけどぉ?」
「・・・まゆ」
「・・・わかってる。でも簡単には切り替えられないよ・・・」
「・・・悪い」
「謝って欲しくない」
「うぅ・・・」
「・・・わかった。もし、もしもいつかおにいちゃんよりも好きな人ができた時には
 ちゃんと教えるから・・・何年かかるかわからないけどねぇ」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


51Lovely-Ring :2019/02/04(月) 00:48:27

一通りの会話とちょっとした業務連絡を終えると、
疲れてたのか、すぐに眠りにつくまゆ。
その寝顔は幼い頃の面影をそっくり残しているようだった。
まぁ妹の寝顔をそうマジマジと見ていたわけではないのだけれど。

「・・・こうしてるとかわいいんだけどな・・・」

そう呟きながら、そっと頭を撫でてみる。
髪の毛のやわらかい感触が心地いい。

「12年か・・・」

改めて不思議な感覚だ。
あの小さな子がこんなに大きくなって、仕事を共にして。
立場は違うけれど、同じ夢に向かって頑張っている。
今更ながら、まゆを担当アイドルにしようと思ったあの日の自分に
感心すると同時に驚いている。
本当、よくこんなこと考え付いたよなぁ・・・行き当たりばったりの生き方も
どうやら悪いことだけではないらしい。

・・・ふわぁ・・・色々と思いに耽っていると急に眠気に襲われてくる・・・
明日もあるんだし、そろそろ寝なきゃだな。
・・・おやすみ、まゆ―――


52Lovely-Ring :2019/02/04(月) 00:48:42

・・・・・・おにいちゃんに頭撫でられちゃった・・・
どうしてそんなことしちゃうかなぁ・・・
これじゃあ眠れなくなっちゃうでしょ・・・・・・

もう、これだからおにいちゃんはヒドイ人なんだよぉ。
まゆの気持ち知ってるくせに・・・
もしかしたらおにいちゃんは、まゆ以上に悪い人なのかも?
・・・うん、それはないかな。
だって、こんなにもかわいい寝顔だもんねぇ・・・

ちょっとくらいなら触っても起きないかな?



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