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当掲示板はPBWの『可能性』を探る事を目的として、実験的に作られたオリジナルPBB(なりきり掲示板)サイトです。

当掲示板では『設定の無視』を唯一の禁止事項と定め、「可能な限り簡略化されたルール」と「可能な限り自由度の高い世界観」をコンセプトとしております。
必ず【世界観設定】スレに目を通し、世界観を理解した上でご参加下さい。

また、世界観やルールについて不明な点が御座いましたら、参加の如何に関わらず、お気軽に
【質問スレ】へどうぞ。

ジャンル:オリジナルPBB
PL年齢:不問
PL交流:任意
恋愛:任意
戦闘:任意
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初心者:歓迎
禁止事項:『設定の無視』

スレッド作成:
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内容:

1 : 『中央街』(224) / 2 : キャラクタープロフィール(23) / 3 : PL雑談(155) / 4 : 自然地帯(189) / 5 : 『学園都市』(79) / 6 : BAR「White wing」(92) / 7 : 雑貨屋兼カフェ「ティエラ・クーシェ」(29) / 8 : 農村地帯/『市場』(109) / 9 : 『歓楽街』(92) / 10 : 『スラム街』(54)
11 : 質問スレ(7) / 12 : 更新履歴(1) / 13 : 【世界観設定】(9)  (全部で13のスレッドがあります)

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1 『中央街』 (Res:224)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 1
1『Project“ebleco”』 ◆oD2/ebleco :2008/10/06(月) 19:08:44 ID:NbHXazjQ0
 『中央図書館』を円心として、『可能性の街』の中心に広がるこの地域は、『中央街』と呼ばれている。
 『歓楽街』程に高層ビルが立ち並ぶ訳でもなく、『市場』周辺の農業地帯程に緑に囲まれてる訳でもない。
 『学園都市』程に機械に溢れているでもなく、『東の山』を始めとする自然地帯程に魔力に満ちている訳でもない。
 それら全ての中間に座する地域。
 『中央街』はこの街の『中庸』を体現していると言えるだろう。

 強いて特色を挙げるならば、この地域には異世界で『公共施設』と呼ばれる類の施設が多い。
 例えば『病院』、例えば『公園』、例えば『教会』、例えば『図書館』。

 無論、この街に『国』という概念は無い。
 『病院』と言えど、それは誰とも無く『医者』と呼ばれる者が集まった場所に過ぎず、『税金』という制度によって運営されている訳でもない。
 『教会』と言えど、それは誰とも無く『聖職者』と呼ばれる者が集まった場所に過ぎず、『宗教』という規律によって統括されている訳でもない。

 『警察』も『役所』も『裁判所』も無いこの街の真中には、『図書館』がある。
 其処は『可能性の穴』が最も開きやすい場所。
 整然と並ぶ幾百もの本棚の、更にその奥。
 雑然と本が積み上げられたその部屋の中で、この街に『落ちた』者が半透明な男の姿を見たならば、彼はきっと、こう言うだろう。

「……よぉ。『異世界』に落ちるのは初めてか? どっちにせよ、俺が最初に言う事は、決まってる」

 口元を歪め、広げた両手の向こうに、無数の書物を透かし、聞いた事も無いのに、朧げに意味の解る言語で。


「――――ようこそ、『可能性の街』へ」


 そして、自嘲的な声で短く笑うに違いない。

218『秩序』 :『秩序』
『秩序』


219『秩序』 :『秩序』
『秩序』


220『秩序』 :『秩序』
『秩序』


221『秩序』 :『秩序』
『秩序』


222『秩序』 :『秩序』
『秩序』


223『秩序』 :『秩序』
『秩序』


224ななし :2019/10/03(木) 22:16:43 ID:VZKmjXwk0
恋愛とかバトルとかいろんなジャンルのなりきりできるサイト
おすすめちゃん
h■ttp://playbychat.jpn.org/index.cgi?a=renew


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2 キャラクタープロフィール (Res:15)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 2
1『Project“ebleco”』 :2008/09/28(日) 15:16:49 ID:UWKgTAkI0
PC登録用スレです。






CAUTION!

以下の方はキャラクターの登録をご遠慮下さい。

・当サイトの世界観を理解されていない方。
・精神的に成人されていない方。
・PCとPLを区別できない方。
・ロールをする相手が同じ人間だと理解されていない方。
・他PCの設定を尊重しない方。

・以上の条件に接触した場合、予告無くPCを削除させて頂く場合がございます。






テンプレート:

【名前】
 
【種族】
 
【性別】
 
【容姿】
 
【能力】
 
【求めるもの】
 
【備考】
 

【追記】

17el :2009/05/04(月) 21:28:45 ID:xWa3acT.0
【名前】
 el/エル
【種族】
 人間(多分)
【性別】
 女
【容姿】
 ブロンド(金色)のショートボブ
 一点を見つめるような、ボーっとした視線&表情
 年齢不詳(見た目は30歳前後)
 身長165cm・体重ないしょ(太くもなく細くもない)
 基本シャツとジーパン(寒いと上着も)
【能力】
 『一振りの剣』
   所有者の意思により、炎を纏った剣が現れる。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


18ムジカ・アランチーノ ◆MUSICcnoOo :2009/05/11(月) 14:49:37 ID:ccLSvQXY0
>>13の追記

【主な持ち物】

"Rosa" ローザ
 ムジカがいつも背負っている黒いケースに入っているサックスの愛称。
 この名前は、この楽器を作った楽器職人の娘の名前で、彼女は"oro-nobilta(気高き黄金)"と名付けられたこの楽器をムジカに届けに行った帰りに交通事故で亡くなった。
 周りにムジカ以外居ない時、この楽器に宿った彼女の魂がムジカに話かける事もある。

"Cannonau" カンノナウ
 ムジカの愛用するリヴォルバーの愛称。
 イタリアのサルデーニャ島で作られた赤ワインの名称から取った。
 レミントン社の作ったM1858というパーカッション式リヴォルバーに金メッキと葡萄の蔓を思わせる彫刻を施してある。
 普段は腰のホルスターに収納されている。
 
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


19チェフロ ◆JuseV86BP6 :2009/06/05(金) 21:49:00 ID:OY0/RReA0
【名前】
 チェフロ

【種族】
 ハーフジャイアント

【性別】
 男

【容姿】
 身長2m。岩のような大男で、巨人族の血が混じっている。
 灰色の瞳に、短く剃った赤茶色の髪。
 肌は日に焼けており、頑丈そうな身体つきをしている。

 古ぼけた茶色いコートを着用。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


20ジョン(ジャック) :2011/09/20(火) 08:31:53 ID:E0fI4Q6I0
【名前】
ジョン・マウスキープ (John・Mousekeep)

【種族】
半人半吸血鬼

【性別】
男 

【容姿】
黒髪黒目。目は吸血時には赤くなる。割と可愛らしい顔。
身長170センチ。 肌は白い。

【能力】
身体能力
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


21コウ・ヴェンス ◆4usmhdjocU :2012/01/16(月) 21:10:02 ID:7ryIZKi.0
【名前】
コウ・ヴェンス(Kou=Vens)
 
【種族】
人間
 
【性別】

 
【容姿】
166cm
黒髪。前髪は目が軽く隠れる程度の長さ、後ろ髪は背中に少しかかる程度
普段はやる気の無い感じの顔をしてる

【能力】
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


22コウ・ヴェンス ◆4usmhdjocU :2012/01/17(火) 21:00:48 ID:Q46rm/o60
>>21
変更点

【能力】
気を操る程度の能力

気を操り、身体能力強化・治癒・気を利用した攻撃等ができる。
しかし、可能性の街に来た直後は能力の存在を知らないので、身体能力強化しか扱えない。

【追記】
この名前は、元居た所の名前を改変したもの。
別な世界に落ちたので、新しい名前で行こう!という感じ。
厄介ごとに絡まれる体質も一種の能力・・・かな?


23スピーキス ◆hWKccilvek :2015/01/15(木) 11:20:34 ID:lDof2DMM0
【名前】
 スピーキス
【種族】
 人間
【性別】
 男
【容姿】
 身長は170cmに満たない程度だが、
 姿勢と細身の体躯によって実際にはより高く見える。
 肌は浅黒く、緩い癖のある薄鼠の髪をオールバックにしており、
 墨色のスリーピースに焦茶のネクタイを合わせ、装飾を凝らした杖を持ち歩いている。
 鼻先にかけた老眼鏡越しの目は、あまり開く事がない。
【能力】
 『書き記す力−書き起す力』
 特定の『モノ』に触れながら、上着の裏ポケットから取り出した手帳に
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


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3 PL雑談 (Res:155)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 3
1 名前:『Project“ebleco”』 投稿日: 2008/09/17(水) 00:45:29
PL間での雑談スレです。

・ロールの息抜きに
・初参加の挨拶に
・他PLに何か謝りたい時
・妄想が溢れ出した時

等にご利用下さい。

149 名前:コウ・ヴェンス ◆4usmhdjocU 投稿日: 2012/04/30(月) 20:21:02 ID:tmHIVnn60
確かに今後どうしようかなやんでどう展開していこうか悩んでます。
しかし、一向に上達しない文章力に泣いてしましそうですわ・・・

150 名前:ジョン(ジャック) 投稿日: 2012/04/30(月) 21:57:19 ID:qujY6wuc0
>>149
文章とか伝わりゃいいのですごめんなさい。

取り敢えず図書館に向かっていく途中だ、くらいにしときます?

151 名前:『未確定因子』 投稿日: 2012/05/01(火) 02:32:48 ID:33KrnZls0
相談や打ち合わせなどせず、お互いのレスの奥を察して、それぞれの思惑を混ぜ込みながら相手にレスポンスを返していれば、自然と物語は進みますよ。

152 名前:チェフロ ◆JuseV86BP6 投稿日: 2012/07/08(日) 03:47:59 ID:4IBmVpVM0
どうも、三年ぶりに出没しました半巨人です。
ほとんど新参同然ですが、もう一度よろしくお願いします。

153 名前:チェフロ ◆JuseV86BP6 投稿日: 2012/07/09(月) 21:23:11 ID:5Fq9Gc7U0
連ロール失礼しました。
強引ですがやっと人に接触できたので、以後は他の方のロールを待ちます〜

154 名前:ムジカ・アランチーノ ◆MUSICcnoOo 投稿日: 2012/08/02(木) 02:54:25 ID:9RVJKbbs0
挨拶だけでも返そうと思い続けて、
気づけば一ヶ月もたっていた・・・

いやしかし、チェフロさんお久しぶりですねぇ。
早く調停者さんが動いてくれるといいですねぇ・・・

155 名前:れいん 投稿日: 2012/10/19(金) 00:24:35 ID:0Uw.svpI0
│・)お久しぶりです…
というか私のことを記憶に留めて頂いている方がいらっしゃるかも謎の出現ですが…っ!
 
先日、自分の子の物語を(無理やり)終わらせて頂きました。
もっといろんな方と絡みたかったんですが、時間が……こう……ベシャァ…
 
キリだけはつけようかなあ、と思ったので思い出したように書き込みをしました。
またどこかの何かで、縁がありますように!(´v`)

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4 自然地帯 (Res:189)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 4
1 名前:『Project“ebleco”』 ◆oD2/ebleco 投稿日: 2008/12/30(火) 17:04:40 ID:tZTfDq8Q0
『可能性の町』の『漁港』は、『市場』にある。
『学園都市』の西端、海岸の中央部から、先端技術の結晶たる『海水河川』が伸びているからだ。
河岸や海岸線ぎりぎり、迫り出した埋め立て地にまで、整然且つ混沌と建ち並ぶ工業・研究施設群。
かと言って、この『西の海』に自然色が微塵も残されていないかと言えば、そうでもない。
海岸線の北部は、防砂堤を挟んだ砂浜。南部には、先端に『灯台』を頂く岬。
何より眼前に、昼には陽光を、夜には月光に輝き広がる、大海の威容。
遥か彼方には、無限の可能性を抱かずには居られない、真直ぐな水平線。

『中央街』から伸びる『市場』の大通りは、南下するに従って閑散としてゆく。
小さな店を脇に侍らせた『南の森』の入り口で、舗装が途切れるが、道は尚も続く。
次第に細り、時に分岐し、徐々に昏く深くなる緑の最中へ分け入ってゆく。
ざわめく梢。『何か』の鳴き声。『結界』域を抜けた途端、それらが俄かに薄気味悪さを帯びる。
人の手が入っていた道はみるみる獣道になり、藪に朽葉に紛れ、やがて、消える。
其処から先は、未踏の魔境。種々の資源に恵まれてもいるし、何処かには湖があるとも言われる。
反面、奥に進むだけ危険度も格段に増す。『歪獣』の生息数が最も高いとされているのが、この『南の森』なのだ。

『異物』を見たら『歪獣』である可能性を疑え――それが『北の砂漠』での『常識』であるという。
それ程までに、其処には白く細やかな砂粒以外、何も無い。進めば、進むほどに。
時に緩い、時に険しい起伏を描く砂の山。吹き荒ぶ風が今し方の足跡すら掻き消してしまう。
昼間は降り注ぐ日差しが肌を灼く。夜間には極限まで冷え込んだ夜気が無情に体温を奪ってゆく。
砂山の頂上に立ち、地平線まで続く一面の不毛を目の当たりにすれば、自然の過酷さ苛烈さ、己の矮小さを痛烈に感じる筈だ。

そして、『中央街』に隣接して高く険しく、威容を誇るように聳えるは『東の山』。
統一感の無い疎らな木々の間に、灰色の岩肌が露出する荒涼とした景観。
切り立った谷底には、『中央街』『学園都市』を横切り『西の海』へ至る渓流。
険しい道程を踏破すれば、西に『可能性の街』、東に連綿と連なる大山脈を一望出来る。
そんな『東の山』の一番の特色は、『街』に於いて最も『精霊』の気配が濃い事だ。
山の中腹には、『精霊使い』を中心とした小さな集落もある。
エーテルラインが、一本のみながら頂上付近までにも通っているのは、その関係だろう。


これら四方、自然地帯という名の『可能性の街』を囲う檻に共通して言える事が、二つある。
一つは、征伐の手を逃れた『歪獣』が少なからず生息している事。
(その最たる場所が『南の森』である事は、前述した通りである)
そしてもう一つは、『街の外側は実質存在しない』という事である。
海の彼方、森の最奥、砂漠の果て、山向こうを目指したとて、遅かれ早かれ『可能性の穴』に落ちて『この世界から出てしまう』。
つまり、これらの先に何があるのかは誰も知らないし、知る術も無いのだ。

183 名前:【東の山】 ◆oD2/ebleco 投稿日: 2012/02/24(金) 23:59:04 ID:psXjLnhY0


 周囲に降り積もる木の葉と灰を吹き飛ばして、ヘリが到着する。
 降り立ったのは、一目で『学園都市』の医療機関のそれと解る、各々デザインの違う白衣。
 それに幾つか混ざる、白い制服。

 彼等が到着してからは、状況の解決は迅速だった。
 然もありなん、既に『依頼(クエスト)』は達成されている。
 『学園生徒会』。彼等の事後処理の能力は、高い。

 ヘリから飛び降りるように駆け出した白服。
 後続の『生徒会』の制服に比べれば、彼の制服は、泥や砂埃で汚れていた。
 「会長」、と。地に伏せた揃いの汚れた白服に駆け寄ろうとした所で、ケイトの片腕が上がる。
 それに制されるように、少年は息を呑み、この場の面々に『声』を投げる。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

184 名前:ムジカ・アランチーノ ◆MUSICcnoOo 投稿日: 2012/02/25(土) 02:25:06 ID:xc/azvbAO
 世界に《音》が戻った。

 指揮棒を掲げた恰好の儘、佇む男。
 激闘【エンソウ】の終いを結びし指揮者、そんな処だろうか。
 ヘリのローター音、慌ただしい足音、それらは宛ら称賛の拍手のようだった。



 指揮者の元に駆け付けた白衣が声を掛けた、が反応は無い。

 既に限界を超えた能力使用により、男の意識は深い闇の底の只中に漂っていた。



『不様ダナ、御前ハ己ノ限界ト謂ウ物ヲ何時ニナッタラ覚エルノダ』
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185 名前:黒いなにか ◆mRiPdhI8ck 投稿日: 2012/02/25(土) 11:59:15 ID:oZA19htU0
>>183-184
『集巣体』が拉(ひしゃ)げ、地へと落ちる。
一拍おいて音が戻るのと同じくして、童子は真っ直ぐ歩き出していた。

ヘリの音も、灰となって崩れたゼルスの事も、立ったまま気絶したムジカの事も、今この時だけは童子の意識の範疇に無い。
緩い歩幅は、次第に早く。枯れ果てた翠緑の花弁を躙り、瀕死で呻く『転移蜂』を踏みつけるも、意に介さない。
走る。噎せ返る程の強い芳香。蜂蜜を煮詰め凝縮したよりも尚濃い、その"源泉"。
"それ"こそを、童子は初めから求めていたのだ。

銃で爆ぜ、音で吹き飛ばされはしたものの、僅かに残る『集巣体』、その最も大きな残骸に童子は駆け寄る。
ここに最も多く残っていると、童子の嗅覚は告げていた。焦げた断面を、逸る手が一思いに剥ぎ取った。

――まず感じたのは、酩酊。
眼を焼いたのは、輝き。夜闇の中においてさえ眩しさを憶える程の光――"黄金"。嘘偽りなく、そう表現するに相応しい色合い。
甘さだけで、嗅覚が破壊された。飲むのはおろか、嗅いだだけで酔夢へと誘いかねない程の香気。
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186 名前:コウ・ヴェンス ◆4usmhdjocU 投稿日: 2012/02/29(水) 22:04:04 ID:jXyrdMjs0
中央街の>>162
屋外に居るもんだと思ってたので煙草の流れを無かったことに修正させて貰えませんかね…

187 名前:コウ・ヴェンス ◆4usmhdjocU 投稿日: 2012/02/29(水) 22:04:49 ID:jXyrdMjs0
すみません、場所間違えました。

188 名前:ゼルス ◆.VOE29MKZs 投稿日: 2012/03/04(日) 01:49:35 ID:bItQ6Rn60
 つい先刻まで互いの命を刻みあった森は徐々に日常に戻りつつあった。
自らの力でこの場を去る者。傷つき倒れ、他の者によって運ばれるもの。
いずれにせよ、ここで勇敢に戦った者達には惜しみない称賛が贈られるだろう。

人々の記憶に、残ってさえいれば。


戦いが始まったとき、彼は確かにそこにいた。
だが戦いが終わった時、彼の姿はそこにはない。

所々に降り積もった灰。
火の気がないにもかかわらず存在するそれに対して、人によっては違和感を覚えるかもしれない。
だが常識の存在しないこの世界の人々からすれば、取るに足らない些細なことかもしれない。
灰塵とは、本来そういうものだ。

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189 名前: ◆Rein/lTqww 投稿日: 2012/10/06(土) 15:11:06 ID:QDwS9JaM0
 
【西の海/灯台の下】
 
 
(静寂に包まれた、広大無辺の砂浜の岬で)
(ひとつの遺体が転がっていた)
 
 
(まるで只、ちょっとうたた寝でもしているかのように寝っ転がっているそれは)
(ずっと前にとある世界から落ちてきた人形だった)
(無機質さと人間味を不思議に併せ持たせられた、人形)
 
 
(彼女の胸の起動装置が動くことを止めたのは、機能不良か時間経過による劣化か)
(それとも外傷でも負ったのか)
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

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5 『学園都市』 (Res:79)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 5
1 名前:『Project“ebleco”』 ◆oD2/ebleco 投稿日: 2008/10/22(水) 20:15:16 ID:SH5nw0dk0

『中央街』の西方―――――――――――――『学園』を中心とした『学園都市』

簡単に説明するとすれば、巨大な『学舎』の集合地域。

名前の通り『学園都市』には、大きく分けて4つ。『小等部』『中等部』『高等部』『大等部』で構成されている。
これらについては多くを説明する必要もないだろう。

“学ぶ事”を最大限効率的にするべく設けられた様だと言っても過言ではない充実した設備に、初めてやってきた者達は驚嘆の声を漏らす事も少なくないだろう。
とは言うものの、全体的に手入れの行き届いた『学園都市』は、そう張り詰めた場所ではない。
例えば、『学園都市』でも西端、海の見える『食堂』は典型的な『食堂』であるものの、その立地条件と手軽さから、いつでも歓談が聞こえてくる。


尚、此処『学園都市』には、様々な研究施設が立ち並び、得られた成果が、『可能性』の街を興す事に貢献している。
あくまで、『発展』の為ではなく、『研究』の為の施設、ではあるが。


『可能性の街』に於いて、『学園』は此処以外に存在しない。
故に、何かを学ぶならば必然的に『学園都市』への所属が視野に入れられる。
此処にはありとあらゆる学部がある。『生徒』の望んだ学部が、ある。

無論の事、『学園都市』の機能を果たす為には、『学生』以外の人員も必要だ。
『教師』を筆頭に、様々な者達が此処で働き、学び、そして、“生きていく”

本人が“希望”さえすれば、進路は開かれるだろう。

決して夢ではない。此処で求めていたものを見つけた者達もいる。
求めるべき道を、見つけた者達もいる。
様々な思惑を持った彼等が、君達が、我々が。『学生』としての生活をスタートさせる事を、喜ばしく思う。


以下、“数少ない主な『校則』”
・制服は黒基調ならば、ある程度自由。ブレザー、学生服、セーラーの中から選択する。
・高等部以下の『学生』が『歓楽街』に立ち入る事は、禁止されている。
・武器を携帯する際は許可を得る事
・使い魔を伴う際は許可を得る事
・基本的には『自由』であるが、『秩序』・『風紀』を乱せば、相応の罰則が与えられる。

73 名前:ジョン(ジャック) 投稿日: 2012/02/12(日) 23:49:41 ID:t1OEsPmQ0
「へェ。俺等は『空想』か『妄想』の産物かよ」
 くく、と笑う。口調がやや荒い為、ヴェンスに返事したというより独り言に近い。

「何も考えてないかぁ……そっか。ま、そんなもんだよね。
 何を『提供』して貰うか? そりゃあ勿論『血』だよ。……殺すって意味じゃないよ。時々ちょいと分けてくれる人を探し中。……具体的にどうやって探せばいいのか分からないけど」

74 名前:コウ・ヴェンス ◆4usmhdjocU 投稿日: 2012/02/13(月) 00:51:37 ID:XqcGWUak0
>>73
(うおっ! いきなり雰囲気が変わりやがった…、コレが『本性』かよ…。)

先ほどまでの表情から一変する"ジャック"。
その変貌の変わりように少したじろいでしまう。 

「い…いや、一応実在"した"っていう諸説はあるんだが…、何せこっちの『世界』で数百年前の事だからよぉ…。
 俺の居た"時代"じゃあそんな扱いだったんだよ…」



「『血』を提供して貰うってか…、そりゃまた厄介だな。
 さすがにそこら辺の人にいきなり「すいません、血を分けて貰えませんか〜?」なんて無理だろ。
 …まぁ『血』を扱う所って言ったら『病院』を探すのが早いんじゃねぇか?
 其処なら輸血パックとかあるだろうから、どうにか『交渉』して分けて貰うとかさ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

75 名前:ジョン(ジャック) 投稿日: 2012/02/13(月) 17:05:06 ID:9qyre3zg0
「もし居たとしても滅んでそうだね、そっちの世界では」
 相手がたじろいでいる事には気付かず、そう返事をする。

「別に飲まなくても死なないんだけど、結構苦しいからね。
 ……成程、『病院』か。そういう手もあり、か」
 
「……いや、『調停者』が言ったんだよ。『提供者』が居そうなのは此処だって」
 理由は俺も分かんね、と言って腕を組んだ。

76 名前:コウ・ヴェンス ◆4usmhdjocU 投稿日: 2012/02/13(月) 17:39:38 ID:XqcGWUak0
>>75
「まぁ人が多いからな。 学校にでも入学して、友達作って、事情話せば分けてくれるような人もいるだろうよ。
 時間を掛けるなら"此処"、すぐにでもって言うなら"病院"だな。
 病院の有りそうな所は〜っと…」

そう言いつつ"煙草"に火を点け、煙を吐き出した後、ガイドブックをめくる。
そして、『歓楽街』の項目が書かれているページを見つける。

「ん〜…。おっ、『歓楽街』ねぇ…、此処なら"病院"もあるんじゃねぇか?
 あ…、悪ぃ。 何も言わずに煙草に火付けちまった。」

許可無く煙草に火を点け、一服したことを軽く謝り、少し距離を空ける。
そして煙を"ジャック"に掛からないように、口から吐いた後、尋ねる。

「とりあえず俺は、この『歓楽街』って所に向かってみるんだが。お前はどうする?」

77 名前:ジョン(ジャック) 投稿日: 2012/02/13(月) 20:11:52 ID:9qyre3zg0
「……成程。アイツは時間掛けてやれって言ってたのか」
 それなら。
「友達に血ィ吸わせろって言うのも非道い話だよな。……それなら『病院』に当たってみよう。
 ……『歓楽街』にあるの?」
 なら、そこに行こう。迷いはない。
「あ、煙草なら御気になさらず。肺も頑丈に出来てんだ」

「それなら、俺も『歓楽街』に行かせて貰うよ」
 どっち行けばいい? と尋ねながら歩みを合わせる。

78 名前:コウ・ヴェンス ◆4usmhdjocU 投稿日: 2012/02/13(月) 21:23:02 ID:XqcGWUak0
>>77
「いや、服に匂いとか付いたりするだろ? んじゃあ煙草吸う時はちょっと離れるからよ。
 
 ん〜、あるかどうかは分からねぇけど、行って見る価値はあるだろ。
 まだ来たばっかだから色々行って見ねぇとな。」

煙草を咥えながら「ニッ」っと笑う。
そしてまた、ガイドブックを見つめ…

「え〜っと、『歓楽街』は〜っと…。 あったあった。『中央街』から北の方向にあるっぽいな。
 んじゃ、行くか"ジャック"。」

ガイドブックをパタンと閉じると、口から煙を吐き、『中央街』の方に歩みを進める。

79 名前:ジョン(ジャック) 投稿日: 2012/02/13(月) 23:05:19 ID:9qyre3zg0
「ま、色んなトコ行った方がいいよね。
 じゃあ御供させて頂きます、ってね」

「うし、『中央街』ね。そこなら分かる。
 それじゃあ宜しく、ヴェンスさん」
 そう言って、ヴェンスについていく。

『中央街』へ。

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6 BAR「White wing」 (Res:92)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 6
1 名前:リベラ ◆HfGptE8W9g 投稿日: 2008/10/12(日) 13:53:16 ID:AeajDyhU0
 ピアノの音が聞こえる。
 『歓楽街』の外れ。『スラム街』の入り口。
 明滅するエーテル灯に照らされて、今日もその店は開いている。
 店自体は常に開いているが、店主がまともな仕事をしている事は多くない。
 運が悪ければ、思考機械(ドロイド)がキュラキュラとタイヤの音を鳴らしながら、冷凍食品と注文に応じて調合したカクテルを運んでく
るという始末だ。
 そういう意味では、この店でピアノが聞けるというのは、非常に運が好い。

――――BAR「White wing」。
 
 当店の席料(チャージ)は一律500クレジット。
 置かれたピアノが音を鳴らすのは、店主の気紛れ次第。
 壁の方々に銃弾が埋め込まれた、何て事は無い安酒場。
 素材に値段以上の費用は掛けず、調理に値段以上の手間は掛けません。
 安酒を、安酒の値段で、安酒に合う充(ア)てに添えてご提供致します。――――
 
 この店では提示された値段通りの料理と酒しか出さない。
 ただ旨い酒と料理を望む客ならば、こんな『歓楽街』の奥へと足を運ぶ必要は無い。
 それなりの対価(カネ)を持ってそれなりの店(バショ)へ行けばいい。

 ならば、この店の客は何を求めて、此処に来るのか。
 答えは簡単だ。奴等は『仕事』を求めてやってくる。
 店のカウンター横に備え付けられた『掲示板(クエストボード)』。
 そこには他ではちょっと見せられないような『仕事』が並んでいる。
 例えば『暗殺』。例えば『誘拐』。例えば『奪還』。例えば『報復』。
 勿論この店では、それらの『仕事』の安全性、信憑性、確実性、透明性、その何一つとして保障しない。
 紅い瞳の女主人は、何時如何なる時でも、全ての『仕事』に知らぬ存ぜぬの態度を通す。
 
「……お前達が勝手にやってる事だ。私は何も知らない。『秩序』に見つかるような奴は、この街じゃ三流だ。そうだろう?」

 そう言って、彼女は鼻に掛かった笑い声を零す。
 グラスを磨きながら細められた瞳は、大抵の場合、嗜虐的な色をしているのだ。

86 名前:ムジカ・アランチーノ ◆MUSICcnoOo 投稿日: 2009/05/02(土) 05:54:36 ID:HVaPxWDsO
>>85
 曲は静かに収束し、やがて終わった。

 ケースの中には銀貨、金貨、よくわからない光る石ころ、etc...

「゙Grazie!゙」

 ムジカは今一度、大きな声で礼を述べ、お辞儀をした。
 拍手と共に尚も増える銀貨その他。
 お辞儀を終えると、拍手は止んだ。

「出張演奏も受け付けてるから何時でも声をかけてくれ、
 ツレも飯を食い終わった様だし今日は帰るが、
 また明日にでも来るかも知れないからその時にでも…」

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87 名前:リベラ ◆HfGptE8W9g 投稿日: 2009/05/02(土) 08:56:04 ID:irgfmgOg0
>>84-86
「……好きにしろ」
 先行して店を出たムジカには、「またのお越しを」の代わりにそう声を投げた。
 女店主は、視線を伏せたまま、少しだけ赤い瞳を細めた。
「よぉ、姐さん(マスター)、えらく巧い奏者を雇ったじゃねぇかい?」
「『雇った』覚えは無い。アイツが勝手に演奏してるだけだ。私は、『何も知らない』」
「あー、はいはい、あの鳥道化と同(おんな)じ扱いってワケね」
 良い音楽は、良い飲食を演出する、と言う。
 数人居た先客達も、その例に漏れず、少々酒が進んだような素振りをしていた。
「いいねぇ、安い酒に、黙ってりゃ美人な女に、悪くない音楽。最高じゃねぇか」
「そりゃぁテメェの面(ツラ)じゃぁ姐さんくらい美人な女なんて娼婦館でも行かねぇと会話すら出来ねぇもんなぁ?」
「なんだと?」
「あぁ?」
「もう一遍(いっぺん)言ってみろやコラ」
「テメェの顔が全『異世界』的に見て残念な感じだっつってんだよ何だテメェ顔だけじゃなくて耳も悪いのかあぁ?」
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88 名前:ゼルス ◆.VOE29MKZs 投稿日: 2009/05/02(土) 13:28:36 ID:08gI/tZ60
>>87
「………ッ!」
折角人が良い気分で店を出られると思っていれば…
思わず僅かにジュースの残ったコップを握り締めてしまう。
私の握力じゃガラス製のコップを握りつぶすなんてまねはとても出来ない。
だが、そこの騒音二つを黙らせるくらいなら別に難しくは無い。
さっきまで気分が良かった分だけ余韻を台無しにされたイライラは相当なものだ。
さっさと黙ってくれないものか…私が黙っていられるうちに。



「…!?」
発砲!?店主(リベラさん)か?
騒音が収まったことにはまず感謝する。
しかしあの『白色発光』はなんだろう。
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89 名前:ムジカ・アランチーノ ◆MUSICcnoOo 投稿日: 2009/05/03(日) 17:37:07 ID:lBXG14ukO
>>87-88
「…80万か……」

 端末を開き、対応した昨日を開く。
 ゙171500credits゙と表示されている。

「あと約60万か…」

 溜息が一つ。

《そんなに金が必要なら、さっきの事務所を潰せばいいだろう》

(そういう訳にも行かないだろ、アイツらはイイ奴らだ。消したくはない。)

《何れ他の誰かに消されるだろうがな》
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90 名前:ゼルス ◆.VOE29MKZs 投稿日: 2009/05/05(火) 19:56:47 ID:bnv8lOQQ0
>>88-89
はぁ、折角良い気分だったのにどこかの馬鹿共のせいで台無しだ。
だが…妙だな、店を出る直前よりは多少気分が優れる。
単純に状態に波があるのか…?
法則性があるのかどうかもいまいち分からない。
このところ特にムラがある。
環境の変化は、感じている限りではそれほどではない。
もしかしたら未知の何かが自分の身体に何か影響を及ぼしているのかもしれないが。
だがそれは恐らくあったとしても軽微だろう、と考えている。
…さっきと今とで何が変わったんだ。

「とりあえず、ついて行くことにします」
あまり他人に貸しを作るのは好まないのだが、いまは仕方あるまい…

-----------
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91 名前:リベラ ◆HfGptE8W9g 投稿日: 2010/06/21(月) 20:22:33 ID:u57xToMw0
 黄昏時。
 酒場が賑わい出すには、まだ早い時間。
 店主がカウンターの中に、仏頂面で立っているかは別として、この店はいつだって開いている。
 それこそ、まだ陽の高い昼間に来た所で、軋む扉を潜れば、
キュラキュラとタイヤの音を鳴らしながら、円柱形の思考機械(ドロイド)が客を迎える事だろう。

 何かが壊れない限り、この店の内装は変わらない。
 強いて変化を挙げるとすれば、カウンターの隅に、
ガラスケースの中にグラスを入れた、中途半端なインテリアが増えたくらいなものだ。

「……席料(チャージ)は一律500クレジットだ。カウンターでも、テーブルでも、立ちっぱなしだろうと変わらない。
好きな所に掛けろ」

 建付けの悪い扉が、音を鳴らす。
 客は、二人。眼の下に出来た隈と、片側だけ伸ばした前髪に隠れた古傷。女連れの、スーツ姿の男。
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92 名前:リベラ ◆HfGptE8W9g 投稿日: 2010/06/21(月) 21:27:17 ID:u57xToMw0
>>91
「……くくっ……ええ、ええ、然様ですか。解っておりますとも。
……『秩序』に見つかるような輩は、確かにこの街では三流だ……そうでしょう?」

 今度は声に出して、男が喉に詰まったような笑い声を上げた。
 隣の女の肩が、また跳ね上がる。
 趣味の悪い、紫色の目をした髑髏のモチーフ。
 その指輪が填められた、荒れた指先。
 男が薄笑いと共に差し出したクレジットの小切手には、普通にトマトジュースを頼むには、「0」の数が四つか五つばかり多かった。

「いや、何。特別、他意は無いのですよ。目の上の瘤も、先日取れた所で、商売を広げる、というだけの話です。
ただ、この店は『歓楽街』の中でも一番『スラム街』に近い場所だ。
何かと、ご迷惑を掛ける事も多かろうと思いましてね。そう、例えば私共が、『商品』を運ぶ時、だとかね。
前以て、お詫びの品くらい送っておいても、差し支えは、ありますまい?」

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7 雑貨屋兼カフェ「ティエラ・クーシェ」 (Res:29)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 7
1 名前:フェジック ◆FEZ/IzjySQ 投稿日: 2008/10/12(日) 18:08:16 ID:2xzubbkQ0
『市場』の外れ。活気に満ちた喧騒も鳴りを潜め、代わりに聞こゆるは小鳥達の囀り。
――『魔法』の類に通じていれば、この界隈に『結界』が張られている事に気付く者もあるだろうか。

『南の森』へと伸びる道を少し行くと、白塗りの小さな店が見えて来る。
窓側にはテラスと小さな庭園。裏手を覗けば種々の香草や果実を植えた菜園。
正面の硝子扉を押し開けば、頭上でからんと鐘が揺れる。

入って左手は『雑貨屋』。
木造りの陳列棚に整然と、しかし統一性には欠ける品が並んでいる。
その多くは、店を訪れた客が『代価』として払っていったもの。
様々な世界から集まった珍品の数々が、此処で静かに次の持ち主を待っている。
ただ一つ、武具の類が一切見られない事が、店主の性格を暗に物語る。

反対側は『カフェ』。
木製の丸テーブルに椅子。奥には食器類の並ぶカウンター。庭園に臨む窓側にはテラスに続く扉。
ガラスケースの内には、何時でも焼き立ての味を堪能出来るよう<保存(レトゥーリエ)>の魔法を掛けられた菓子類。
昼下がりにもなれば、この店は周辺地域の住人や『学園』の生徒達の憩いの場となる。

陳列棚の埃を払うはたき。テーブルの上にふわりと広がる真白なクロス。グラスを磨く布巾。
縦横無尽、ひとりでに動く『物』達。店主不在の時でさえ、注文すれば『彼等』は自ずと務めを果たすだろう。
そんな店の中から、ぽやーんとしたエルフの青年が一人、姿を見せた。
「ううん、今日も良い天気ですねー」
間延びした口調で呟き、陽に向けて大きく伸びを一つすると、彼は戸口に掛けられた「CLOSE」の表札を裏返した。


・雑貨屋兼カフェ「ティエラ・クーシェ」は、今日も皆様に安らぎのひとときを提供します。
 憩いの場としてお気軽に、また雑貨店としても是非ご利用下さい。
・店の半径500m内には結界が敷かれており、『一切の戦闘行為が出来ません』。
・店主不在である事が多いですが、店内は問題無くご利用頂けます。
 カウンター端にブタの貯金箱が置いてあったりもします。
 実に無用心ですが、これも『秩序』あるが故に成せる業でしょうか。

23 名前:フェジック ◆FEZ/IzjySQ 投稿日: 2009/07/18(土) 13:31:27 ID:PmkjWvQc0
>>22
「いえいえー、お名前の方はちゃんとお聞きしましたよー?
 りゅーくんさんはトゥリューダさんと仰るのだそうです」
階段を昇り切り、二人で店のカウンターへ。
「ああ、そうだったのですか。 では、『学園』の方はよろしくお願いしますね」
僕はここから出られませんので、と付け足した言葉は、キャロルにとっては当たり前の事実だけれど。
 
「ええ、自然地帯方面の仕入れを回して欲しい、とお願いされたんですよー」
声をかけてくる常連客にやんわりと笑んでお辞儀を返しながら、店主は続ける。
「一度ご自身で足を運ばれて具合を見てくるとの事でしたので、決まった訳ではないですけれどね」
みろろろりん、と送信完了の音が店内に響いた。

24 名前:キャロル ◆j4jttjX6y6 投稿日: 2009/08/02(日) 19:01:31 ID:u4K0qfxU0
>>23
「なんだ、ちゃんと聞いてたんじゃない。「トゥリューダ」くんね」
 手を離すと、ふよふよと肩の後ろの定位置に戻るクリオネもどき。
 ぺたぺたと店主に続いてカウンターに続くニンジン色の髪は、この店では見慣れた姿。
「……それで、『落ちてきた』ばかりだから、『お仕事』の紹介?
りゅーくんったらどこか抜けてる感じだし、大丈夫かなぁ?」
 結局、彼女の中では「りゅーくん」という呼称で落ち着いたらしい。
 空いた両手を、腰にあてて。
 少しばかり「むぅ」とふくれた頬は、不満の表れ。
 「……わたしには自然地帯にはあんまり行くなって言ってるクセに」と、口の中で呟いた言葉は、師の長い耳に届くかどうか。
 皿とカップだけが残されたテーブルにぱたぱたと歩み寄り、流し台に向かうエプロン姿。
 放って置けば、客の居なくなったテーブルから『食器の方からキッチンに向ってしまう』ので、少しばかり急ぎ足で。 

「……ええ、案内の方は、任せておいて。……あ、りゅーくんからメール帰ってきた」
 皿を洗い終わった頃に「みろろろん」と気の抜ける着信音。
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25 名前:フェジック ◆FEZ/IzjySQ 投稿日: 2009/11/30(月) 21:55:50 ID:i9U9XGpw0
>>24
「『落ちて』来たばかりの方は、生活基盤に不安を抱えていらっしゃるものですからねー。
 その一助になれるのでしたら、と」
仕事を頼む事になったら、報酬に色を付けまくるどころか
お茶出してお菓子出して帰りに土産持たせるぐらいはやりかねないのがこの青年である。

入口付近で、油の切れたような動きでお辞儀を繰り返す縫いぐるみを抱え上げ、引っ繰り返したり引っ張ったり。
時折入店するお客さんに笑み返す店主は、少女の小さな呟きを、少なくとも拾い上げる事はしなかった。
(きちんと自身と向き合う事の出来る子ですからね、キャロルは)

「ああ、ありがとうございます。
 りゅーくんさんに宜しくお伝え下さい」
戻って来た少女に微笑み返し……クリオネにお辞儀をしてどうする。
あとりゅーくんさんが定着した。

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26 名前:キャロル ◆j4jttjX6y6 投稿日: 2009/12/03(木) 04:14:02 ID:Vh.u2HV20
 笑顔から一転。
 クリオネもどきから手を話した少女は、ぽえーんと笑う『先生』の顔を精一杯背伸びして覗き込んだ。

「もぉ! 「イチジョになれるのでしたら」じゃないわよ! 
どうせ先生ったらお使いの報酬にオマケたくさんつけて、お茶出して、お菓子出して、
それから、お土産にお店のクッキーだとかも一緒にあげちゃうに決まってるわ! 
ほんとに『商売』ってシステムがなってないんだから!」

 両手を腰にあてて、身を乗り出すような姿勢。
 師の内心など露知らず、少女は眉尻を出来るだけ吊り上げて、口を「へ」の字にした表情を作ってみせたりして。

「この間だってブタの貯金箱にビンのフタみたいなのが入ってたじゃない! 
先生のお茶とお菓子はビンのフタなんかじゃ……う……いらっしゃいませ……」

 口をとがらせて話を続けようとした所で、もう一人お客さんがやって来る。
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27 名前:フェジック ◆FEZ/IzjySQ 投稿日: 2009/12/12(土) 21:14:16 ID:TR0/fzQw0
>>26
「いやあ、いただいた誠意にはやはり誠意でお返ししなければ、と思うと、つい」
自分の金銭感覚が世間一般のそれと大分ズレているらしい事を、最近になって少女から教えられた青年(外見上)。
ぽんやりマイペースもこの点を突かれると弱いようで、困り笑いで頬を掻く。
「それに、これをお代に置いて行かれた方にとっては
 『ビンの蓋のようなもの』こそ、価値のあるものなのかも知れませんし。
 そうそう、この前、初めて王冠マークを頂いたんですよー」
コレクションなのか。コレクションしてるのか。
 
「はい、はい、はいー。
 こちらこそ、宜しくお願いします」
『生徒』に丁寧にお辞儀を返すと、近くの席のお客さんに「少し外しますね」と断りを入れ、再び店の奥へ入る。
発火や起風のような諸現象を起こすための『魔法』の教授ならば庭園の先まで出る所だが、
調薬や調律のような繊細な作業を行う場合は上階の一室に上がるのが通例だ。
「うーん、『中央集積(それ)』も御する術の一つではあるのですが……
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28 名前:キャロル ◆j4jttjX6y6 投稿日: 2009/12/15(火) 19:31:29 ID:CsQcnH5M0
>>27
 ぽやり、と弁明する師に向けた、じと、とした視線は何処へやら。
 いざ二階の一室に招かれるようにして連れられれば、少女の表情は真剣なもので。
 まぁ、背伸びをして店主に説教めいた事を言っていた時も、彼女なりに真剣ではあったのだが、それはそれ。
「……わかってるわ。「『科学』は知識(アタマ)で使うものだけど、『魔法(フュジカ)』は経験(ココロ)で使うもの」、でしょ?」
 両手を腰にあてて、テーブル越しに同じ高さになった師の顔を見詰める。
 次に緑色の視線が向かった先は教卓代わりのテーブルの上にちょこんと座ったウサギのぬいぐるみ。
 むぅ、とむずかしい顔をして、今度はぬいぐるみと見詰め合う事数秒。
 少女は肩の後ろにふわふわ浮いていたクリオネ型の機械の片方を手に取る。

「……ううん……わかってるだけじゃだめなのよ……イメージは、『全の中の力脈』……この子が動くための『魔法』……」

 足を肩幅に開いて、すぅ、と少女は息を吸った。
 手に掴んでいない方のクリオネもどきが、座り込んだウサギのぬいぐるみの頭の上でふよふよと浮かぶ。
 そもそも、少女がフェジックから教わっている魔法の体系は、様々な魔術が混在するこの街の中でも、多少特殊なものに分類される。
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29 名前:キャロル ◆j4jttjX6y6 投稿日: 2010/05/31(月) 00:43:07 ID:5CsmzLmk0
【ティエラ・クーシェ周辺 『南の森』入り口】


「もぉっ! うるさいと思って出てきたらまた来てたのね!」
「ぶるぉぉぅぁぁあああああああああああああああ!!」

 『南の森』の入り口周辺。
 この辺りが、雑貨屋兼カフェ「ティエラ・クーシェ」の『結界』の一番端である。
 そこに、オレンジ色の髪の少女と、何か黒くて大きくて毛むくじゃらで目付きのギラギラした生き物が向かい合っていた。

「ダメよ! 先生は『転居蜂』の解毒剤を徹夜で作ってて、嵐が来たって起きやしないんだから!」
「ぶぉぉおるぁぁあぁぁぉぉぉぁあああああああああああああああッ!!!!」

 両手を腰にあてて、自分の身長の5倍くらいありそうな黒くて大きくて毛むくじゃらで目付きのギラギラした生き物を見上げる少女。
 『学園』の制服の上に、エプロン。地の底から響くような鳴き声に、何やら「むぅ」とした表情で声を上げる少女。
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8 農村地帯/『市場』 (Res:109)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 8
1 名前:『Project“ebleco”』 ◆oD2/ebleco 投稿日: 2008/10/12(日) 19:11:34 ID:2xzubbkQ0
『中央街』から、南方へ下る事暫し。
緩やかな時の流れに抱かれて、長閑な田園風景が其処には広がっている。
宙に小さな水泡を幾つも浮かべ、雫に根差した薄桃色の花を甲斐甲斐しく世話する妖精。
その隣では、日に焼けた男が農耕機械を持ち出して広大な畑を耕している。
道を挟んだ向こうの耕地に一歩立ち入れば、忽ち凍えるような寒さに見舞われるだろう。
聞けば、結界魔法を敷き、寒冷地の作物を育てているのだそうだ。
「『中央街』じゃ、明日は雪だそうだよ」
「それじゃ、今日は厚手の服を仕出すとしようか」
柔らかな毛皮をたくわえた家畜を世話しながら、牧場では老夫婦が言葉を交わしている。

『中央街』と『南の森』に挟まれた『市場』は、今日も活気に満ち溢れている。
所狭しと立ち並ぶ露店。声高に飛び交う客引き文句。膨れた買い物籠を提げて道行く者達。
山と積み上げられた野菜や果実は勿論、周辺の農村地帯での収穫物。
新鮮な魚介類は、『西の海』や『東の山』の渓流から今朝水揚げされたばかりのもの。
他にも衣類に装飾品、日用小物。魔法道具に武器防具と、軒を連ねる店は実に多種多様だ。

『可能性の街』に於いて、『市場』は殊更に機械色の薄い一帯ではある。
が、矢張り中にはエーテル機器の類を扱う店も見受けられる。
殆どの店は『クレジット』での支払いに対応しているから、財布代わりに携帯端末を持ち歩く者も多い。
「エーテル端末? 『中央街』か『歓楽街』にでも行きゃ何処でも買えるさね。
 まあ、兄ちゃんが使えるかどうかは別の話だけんども」
穀物の詰まった麻袋を軽々と持ち上げ、『狗人(コボルト)』の女は豪快に笑った。

――さあさ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。
今日もうちは飛び切りの品を揃えてあるよ。

103 名前:チェフロ ◆JuseV86BP6 投稿日: 2009/07/10(金) 17:06:13 ID:oXRS4gv.0
>>102
 『調停者』の少しの沈黙は、自分みたいなのは関わら無い方が良い話があったからなのだろうか。
 まあ、さっきの答えで問題が無いならそれでいい。と思いつつ。

「『スラム街』か、いかにも無法地帯って感じだな。解った気をつけるよ。
 『市場』が南で、それで向こうが『歓楽街』・・・真ん中に『中央街』だな、よし」
 指を折りながら、説明される地理を頭に叩き込む。
 スラム街は特に近づかないように、間違っても迷い込まないように、市場の地図はあとで要チェックだと心に決め。
 
「『歪獣(こんなの)』が、出るのか」
 黒板に張られた先程見た『転移蜂』の依頼書に目をやり、鸚鵡返しに呟く。
 街から遠くへ離れるのは難しい様だ。それに野宿も。

「あ、そりゃいいな。首から札下げて『拾って下さい』――てっそれ捨て犬だ!」
 途中でハッとなるも頭の中では、降りしきる雨の中『拾って下さい』と書かれた箱に中に座る自分が浮かぶ。
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104 名前:『調停者』 ◆hHG3VlZn0I 投稿日: 2009/07/14(火) 19:13:00 ID:s.l7nhRE0
>>103
「それだけ解ってりゃ、十分だ」
 数歩踏み出した相手を見て、男は、ともすれば取り留めも無く続きそうな話を切り上げる。
 相手の口から出た言葉は、暇を告げるものと、今までとは毛色の違う、質問。
 僅かばかり近付いた顔と、やや鮮明になる男の向こう側の景色。
 その答えには、やはり短い沈黙があった。

「……別に、礼なんて必要無ぇよ。俺は『親切』でお前に『この街』の事を説明したんじゃあない、
『そうした方が都合が良いから』そうしただけさ」

 掌を空に向ける。同時、短い自嘲的な笑い声。
 或いは曲刀の刃紋のように、男の口元は確かに歪んでいた。
 長閑な景色に浮かぶ太陽は、直に傾き始めようとしている。

「……そうだな、それでもお前の気が済まないって言うなら、俺はもう一つ質問をしよう。
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105 名前:チェフロ ◆JuseV86BP6 投稿日: 2009/07/18(土) 01:45:23 ID:9rdSVqck0
>>104
 空に向けられた掌に釣られる様に視線が向けると、自嘲的な笑い声が耳に飛び込んでくる。
 チェフロは視線を調停者の顔へ下ろし、相手が再び話し出すまでじっと待っていた。

 予想もしない質問に片眉を上げ、訝しげな表情を一瞬浮かべたが、余計な詮索や疑いはしようとせず、少し考えて。
「名前においてとまで言われたんだ。 正直に答えよう、俺の求めるものは、『船』だ」
 真っ直ぐな視線を受け止め、チェフロは答えた。
 
「ガキの頃からの夢なんだ。自分の船が欲しいってな、それも一人で動かせるぐらいの小さい船。そいつを家にして暮らすんだ」
 率直な物言いをして、やがてニッカリと笑みを浮かべると。

「だが、本当に求めていたのは『こういう街』かもな。
 これから自分の可能性を試すのが楽しみだ」
 と、付け加えた。

106 名前:『調停者』 ◆hHG3VlZn0I 投稿日: 2009/07/18(土) 17:08:45 ID:VVaNftK.0
>>105
「……ハッ、上等な答えだ」
 男は、また短く笑って、腕を下げる。
 下げる前に、弄ぶように、指先が空へ向いた。
「ならチェフロ、喜べ。この街には、お前の求める者が『あるかも知れない』」
 変わらぬ、含みのある言葉。
 チェフロの笑顔に対して、この男の笑顔は口元だけで、歪すぎる。嗜虐的、だと言ってもいい。
「……『学園都市』の向こうには『西の海』がある。『港』は無ぇけどな。
海と川が直接繋がってるから、別に困りはしねぇだろ」
 こつ、と。
 音が鳴りそうな勢いで、男が足を振り上げた。
 腰掛けた黒板に当たっても、男の踵は音を鳴らさない。ただ、その足が文字列の中に『沈み込んでいた』。

「アレだろ? やっぱ『買う』よか『造る』んだろ? 『オリジナルの船』。ちょっと出来たら俺にも見せろよ、面白そうだから」

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107 名前:チェフロ ◆JuseV86BP6 投稿日: 2009/07/19(日) 15:29:39 ID:OHl/ig9g0
>>106
「ああ、船ができたらぜひ見てくれよ」
 調停者が消えていく姿にかろうじてといった風に片手を上げるも、その姿は手を振る前に見えなくなった。
 しかし答える相手が消えてから、ある事にはたと気付いて眉根を寄せて。

「…ちょっと待て、海は『学園都市』の向こうだって? なっ何てこった…」
 そこはたった先程、危険地帯と認識された場所である。
 海があるなら行ってみたい、だがなるべくなら近寄りたくない、複雑な心境が餌をお預けにされた犬の様な表情になって浮かぶ。

「川もいいが、やっぱり海だよな」
  葛藤の末、ぽつりと呟き、可能性の街へと踏み出した。

108 名前:チェフロ ◆JuseV86BP6 投稿日: 2009/10/11(日) 12:21:10 ID:gsCrcnjs0
【市場】

 屋台の並ぶ賑やかな通りにチェフロは露天を開いた。
 といっても商品は粗末な木箱の上に置かれ、看板もただのベニヤ板である。
 看板の文字はそこの露店商人に教えてもらい自分で書いたもので、『ストーンアート』『食べ物交換歓迎』もう一枚の方には『力仕事引き受けます。報酬は要相談 端末不所持』と、どちらも目に付きやすいようでかでかと書かれている。

 木箱の上には石絵が並んでいる。どれも動物か鳥といった生き物が描かれているが、人によってはまったく見覚えの無い生き物もあるだろう。

 チェフロは地べたに座って(というのも体が大きいので、客の相手をするにはこのぐらいの高さで丁度いいのだ)新しい絵を描いていた、緑色と黄色のぶちネコが、ふてぶてしい顔で寝転んでいる。まるまるとした石にはぴったりの絵だった。

「似てるだろ?」
 横に座っているネコに声を掛け、描きかけの絵を見せる。ネコは不機嫌そうに鼻を鳴らし「ボクはもっとハンサムです」と言って向こうへ行ってしまった。

109 名前:ゼルス ◆.VOE29MKZs 投稿日: 2009/12/17(木) 17:13:50 ID:6zixtweI0
ついこの間、ゾンビ犬と戦った。
そして今、蜂退治に向かっている。
…おかしいな、私はこれでも非戦闘要員のはずなのだが。
確かに自宅に押し入った強盗と死闘を繰り広げたり、
町から町へ乗合馬車で移動していたら盗賊に襲われて撃ち合いになったり等戦闘経験はある。
だがしかし、本来は後方支援要員のはずだ。
どこで道を誤ったのかな…

--------

成り行きで転居蜂の討伐に同行することにはなったが、余程のことがない限りは後列で事の次第を見守るつもりらしい。

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9 『歓楽街』 (Res:92)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 9
1 名前:『Project“ebleco”』 ◆oD2/ebleco 投稿日: 2008/12/23(火) 00:13:40 ID:4FaW.pwc0
――――『此処で手に入らない快楽は無い』。

 この地域は眠らない。
 立ち並ぶ高層ビルは煌びやかに空を照らし続け、『店』と『客』の雑踏と喧騒は地を埋め尽くす。
 この地域は躊躇(ためら)わない。
 『学園都市』で解明された『異世界の技術』は、次の日には此処へとやってくる。
 技術革新の速度は他の比でない。昨日と今日とでは、賑わう『店』の、どれかが違う。
 必ずどこかが工事中。昨日開いた店ですら、場合によってはビルごと消える。

 ありとあらゆる電脳機器。
 流行。
 情報。
 武器。
 愛玩具。
 麻薬。
 それ相応の『料金』さえ支払えば、此処では全てが手に入る。

 ありとあらゆる娯楽施設。
 飲食店。
 遊技場。
 酒場。
 宿。
 娼婦館。
 それ相応の『店』にさえ行けば、此処では全てを体験出来る。

 この地域は繁栄だ。
 この地域は刺激だ。
 この地域は、退廃で、甘美で、背徳で、刹那で、暴力だ。

 おいでませませ『歓楽街』。
 『中央街』から北へ直進。
 エーテル灯がチカチカ光るアーチを潜れば、そこであらゆる『店』が、あなたを待っています。

86 名前:ゼルス ◆.VOE29MKZs 投稿日: 2009/04/14(火) 21:09:41 ID:C9AznAN60
>>85
これは…本日最大の地雷を踏んだかもしれない…
なんかもうよく分からない音は聞こえてくるわ、いきなり威嚇されてるような気もするし…もう少し落ち着こうよ。

どうしよう…

--------------

直接覗き込んではいないものの、男達の言動はゼルスの思考を混乱させるには十分な奇抜さを持っていた。
全く意味不明な言葉ならまだしも、特殊な言い回しで無い限りは大よそ意味が理解できるだけによりいっそう混乱するのだった。

87 名前:『未確定因子』 投稿日: 2009/04/20(月) 18:28:49 ID:mIYgkvuU0
>>85>>86

――――キィンッ……!

 無意識に、ムジカが自身の得物へと手を遣ったのと略同時、金属音が室内に響いた。
 エーテルを介した効果音ではない。だからムジカには解る。
 殆ど和音と化していたが、その数は都合六振。最前に出た男を除く、この場全ての傾者の腰元から、それは鳴っていた。
 各々の服装に合わせた、艶を消した黒地に極彩色の彫刻。細身の鞘に収められたその武器を、彼等の世界では『剣(SWORD)』ではなく『刀(KATANA)』という。

「……………………」

 構えこそ、それぞれに違えど、利き腕ではない指先で鍔を鞘から押し上げた姿勢は『臨戦』と呼ぶに申し分の無い緊張感を持っていた。
「……嘘は、付いていないと思う。少なくとも『嘘だと断言出来る声』はしていない」
 キンッ、と。一つ鞘鳴りがする。
 声を上げたのはムジカから見て右手側に座った桜模様のスーツを着た優男。
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88 名前:ゼルス ◆.VOE29MKZs 投稿日: 2009/04/21(火) 22:37:56 ID:maukHq6U0
>>87
…ふぅ。
とりあえずこの場は収まったようだ。
荒事になれば加勢したところで多勢に無勢、ただでは済むまい。

…ん?
見れば壁に当てていた右手の指先が壁に食い込んでいる。
慌てて手を離すと綺麗に5つのくぼみが出来ている。
指が離れてのにあわせてそこから少量、灰色の粒子がこぼれ落ちた。
……これは、不味いな。
どうもこのところ無意識下での制御が不安定だ。
少しくらいなら前からあったが最近は頻度が多すぎる。

仕方が無い、不安はあるが…少し独りになろう。
中での会話の流れから判断するに戦闘突入はなさそうだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

89 名前:ムジカ・アランチーノ ◆MUSICcnoOo 投稿日: 2009/04/22(水) 01:11:18 ID:hDXtb/HY0
>>87
 スーツから半分出ていたリボルバーは、再びスーツの中のホルスターに仕舞われた。 

「すまないな、治安の悪い街に住んでると咄嗟に武器を出す癖がついちまう。
 アンタ等も、相当場慣れしているみたいだな、その歌舞伎役者みたいな格好は伊達じゃなさそうだ。
 もしかして、"日本"の人かい?だとしたら俺のいた世界と同じ世界かもな。」

(この音楽・・・"ガガク"とか言ったか・・・和むなぁ・・・) 

「さて、何かお詫びをしなきゃぁな・・・よし、一つ演奏を披露しよう。もしかしたらアンタ等も聞いたことあるかも知れないぞ」

 ムジカがトランクをカチャカチャと弄ると、両側面からスピーカーが出てきた。

 スピーカーからは儚げなピアノの和音が聞こえてくる。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

90 名前:『未確定因子』 投稿日: 2009/04/22(水) 23:48:50 ID:hsmKiXZQ0
>>89
「……昔(むかぁし)、『終焉都(NAGOYA)』に居たっつー『武士(SAMURAI)』は刀が触れ合っただけで斬り合いになったって話だ。昔話過ぎて、本当かどうかなんて知りゃあしねぇがな」
 年配の男が会議机の上に足を投げ出した。
 笛の音に鼓の音。やはり音は何処から流れているのか解らない。
「その『日本』ってのが何処だかぁ知らねぇが、似たような所なんだろう。奴っこさん等ぁ『刀』に誇りを持ってたってぇ事だ。その所為で『終焉都』の道は左側通行だって決まっちまったんだよと。『粋』じゃぁねぇか」
 どうやら、男の元居た世界とムジカの居た世界とでは微妙に違いがあるらしい。『似たような世界』ではあるらしいが、彼等は彼等の国を『日本』と呼んでいない。
 言外に「敵ならば切り結ぶ」という意味を匂わしたまま、ムジカの演奏が始まる。

「……知らねぇ。知らねぇが、いい曲だ」

 流れていた雅楽は、演奏が始まると同時に、曲と混ざり合って、徐々にフェードアウトしていく。
 いかにも、『雅』というものを弁えた消え入り方だった。
 『和』の色を残しながらも、気高さと哀愁を重ねた曲調。
 それに、サックスによってまた新しい音色を吹き込まれる。

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91 名前:ムジカ・アランチーノ ◆MUSICcnoOo 投稿日: 2009/04/23(木) 22:13:50 ID:9.4Bp3EEO
>>90
「なるほど、スラム街の方か、ならもしかしたら前を通ったかも知れないな…
 色々とありがとな、いつかまたここに立ち寄った時には、また別の曲を紹介しよう。」

 ムジカは古美金の管体を丁寧に仕舞うと、トランクをカチャカチャと弄り、スピーカーを格納した。

 扉を開けて、去り際に一言。

 "Grazie…(ありがとう)"

92 名前:ムジカ・アランチーノ ◆MUSICcnoOo 投稿日: 2009/04/24(金) 16:06:02 ID:gz1EqCRoO
>>91
(あれ?そういえばゼルスはどこ行ったんだ?
 ……とりあえず端末で聞いてみるか…)

 深緑のスーツを来た男がポケットから端末を出し、何かしている。
 暫くして端末の一部が点灯した。

「なんだ、White Wingにいるのか…」

 男は先程聞いた道をなぞる様にスラム街の方向へ消えて行った。

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10 『スラム街』 (Res:54)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 10
1 名前:『Project“ebleco”』 ◆oD2/ebleco 投稿日: 2008/12/22(月) 19:40:07 ID:aFSsuHVY0
 イラッシャイマセ『スラム街』へ。
 『歓楽街』の更に奥。
 『可能性の街』の中でもブッチぎりで治安の悪いクソみてぇなトコロへ。
 死にたい奴は武器も持たずに丸腰でイラッシャイマセ。
 女子供の身包み剥いだ強盗が別の強盗に身包み剥がれる弱肉強食の世界へ。
 アル中とヤク中は出来るだけ金を持たずにイラッシャイマセ。
 奴隷商人に捕まったらサヨウナラ、狂った殺人鬼に見つかってもサヨウナラ、『秩序』に見つかったら、『そんな奴は居なかった』。
 そんな反吐が出るような薄汚ネェ世界へ。

 でも、仕方ネェだろ?
 ココに来るような奴ぁ、『そうでもしないと生きていけネェんだから』。

48 名前:ゼルス ◆.VOE29MKZs 投稿日: 2009/03/17(火) 21:09:20 ID:PYfdXGNs0
>>47
入り口を見張りながら考える。
なんで自分はこの街に来て初日からこんなことをしているのだろう。
このまま成り行きに身を任せていたら大変な事になってしまうような気もする。
とは言っても今更生き方を変えるのはなんだかなぁ。

なんだろう、気が付いたら急流に身を置いているような気がしてきた。

--------

心なしかゼルスの髪が伸びた気がした。

49 名前:ムジカ・アランチーノ ◆MUSICcnoOo 投稿日: 2009/03/19(木) 17:59:19 ID:RBg8gEQUO
>>48
「よし、ここまで炭化したらもうほっといていいだろう」

 再びリボルバーを手に取る。

 グルルル…

 今度は脚が一本欠けている犬が一頭、頭が無い犬が二頭、勢いよく飛び出してきた。

 二人から放たれる銃弾…

 銃声は…ない。

50 名前:ゼルス ◆.VOE29MKZs 投稿日: 2009/03/19(木) 19:01:10 ID:5utzsWlM0
>>49
そういえば、今までは気に留めなかったがムジカさんの銃からは音がしないな。
そういう銃なのかとも思っていたが今の射撃では俺の銃からも音がしなかった。

そういう『能力』なのか?
楽器を持ち歩いる彼と『音』という共通点があるからそう思えなくも無い。
音を消せるだけなのか、あるいは他にも…

なんにせよ人前で気兼ねなく使えるのであれば少し羨ましい。

--------

あたりを見回しながらそんなことを考えてしまうのだった。

51 名前:ムジカ・アランチーノ ◆MUSICcnoOo 投稿日: 2009/03/21(土) 23:09:01 ID:e9iio4Ek0
>>50
「やっぱ散弾銃の銃声の方が大きくていいな・・・」

 先ほどの三頭は黒ずんだ肉片に変わり、それを踏んでさらに二頭現れた。
 一頭は左前足が無く、もう一頭は右前足と頭がなかった。

「あれ?まだいたのか。よし、ゼルス。もう武器はしまっていいぞ」

 それらを見たムジカはリボルバーを仕舞う。

 リラックスし、両腕を大きく広げる。

”Un suono, li tagli(音よ、彼らを切り刻め)"

 指揮者のような動きをはじめ、その一拍ごとに犬が肉に徐々に変わってゆく。
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52 名前:ゼルス ◆.VOE29MKZs 投稿日: 2009/03/22(日) 20:53:17 ID:cTiCJNZU0
>>51
あぁ、やっぱりそういう能力なんだな。
隠す気が全く感じられないのが新鮮な感じだ。
そんなもんなのかな?
自分が変わり者なんだろうか。
まあ些細な事だ。どの道自分は話す気は無い。

「では、少しの間お世話になります」
外泊…か。他にあてが無い以上は仕方が無いか。
体調面での不安が少々あるが、たぶん大丈夫だろう…

---------

燃え上がる肉の山を見つつ、昔を思い出すゼルスだった。

53 名前:ムジカ・アランチーノ ◆MUSICcnoOo 投稿日: 2009/03/24(火) 10:35:54 ID:MaiAV5WMO
歓楽街 >>79

54 名前:『未確定因子』 投稿日: 2012/05/22(火) 14:52:02 ID:15zWIzyI0
暗がり。掃き溜め。或いは、行き止まり。
『スラム街」は、来る者を拒まない。
総てを受け入れ、総てを許し、そしてあるがままに進ませる。
欲も、悪意も、何もかも。

「くっそ、あの吸血鬼共こんなところまで追ってくるなんて……!」

路地裏の袋小路。石造りの壁に横たわる、一つの影。
その姿は、獣。ヒトの形でありながら、ヒトならざるモノ。
全身を覆う毛深い体毛、およそ人間のものとは思えぬ――まるで『狼』のような――頭部。


『どうして、あんな事したの……?』
「決めたんだ、俺は、キミを護るんだって」

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